説明

スイッチ遠隔操作用連結ケーブル

【課題】どのような方向に湾曲させても、ケーブルをケーブル保持帯に対して小さい抵抗でスムーズに移動させることができるスイッチ遠隔操作用連結ケーブルを提供する。
【解決手段】スイッチを内蔵したスイッチ本体300と、スイッチ本体300のオンオフ状態を切り換えるスイッチ操作体200との間を連結し、スイッチ操作体200の操作力をスイッチ本体300に伝達するスイッチ遠隔操作用連結ケーブル10である。スイッチ遠隔操作用連結ケーブル10は、横断面円形の可撓性を有する棒状体からなりスイッチ操作体200の操作力をスイッチ本体300に伝達するケーブル20と、帯状の両側辺31,33間を多数の連結帯35で連結したはしご形状のケーブル保持帯30とを有する。ケーブル保持帯30の各連結帯35を交互にケーブル20の上下に位置させることでケーブル20をケーブル保持帯30にスライド移動自在に保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチを内蔵したスイッチ本体と、前記スイッチ本体のオンオフ状態を切り換えるスイッチ操作体との間を連結して、前記スイッチ操作体の操作力をスイッチ本体に伝達するスイッチ遠隔操作用連結ケーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スイッチを内蔵したスイッチ本体と、このスイッチ本体を操作する遠隔操作用のスイッチ操作体とを可撓性を有する連結ケーブル(スイッチ遠隔操作用連結ケーブル)で連結し、前記スイッチ操作体を操作することでその操作力を連結ケーブルを介して前記スイッチ本体に伝達し、スイッチ本体のスイッチのオンオフ状態を切り換えるスイッチ遠隔操作機構がある。この種のスイッチ遠隔操作機構によれば、連結ケーブルを湾曲させることでスイッチ本体とスイッチ操作体とをそれぞれ別々の最適な箇所に設置することができるので好適である。
【0003】
ところで上記連結ケーブルは、たとえば特許文献1の第2図に示すように、金属板をはしご状に形成したケーブル保持帯(23)の各連結帯(24)を交互に帯状の金属板よりなるケーブル(26)の上下に位置させることでケーブル(26)をケーブル保持帯(23)にスライド移動自在に保持して構成されていた。
【0004】
しかしながら上記従来の連結ケーブル(20)は、その面に垂直な方向に向けて湾曲させる場合は特に問題ないが、この連結ケーブル(20)をねじる方向(連結ケーブル(20)の長手方向を向く中心軸を中心にねじる方向)に湾曲させた場合は、ケーブル保持帯(23)の各連結帯(24)の面がケーブル(26)の面に強く当接し、ケーブル(26)の移動時に両者がこすれて大きな抵抗を生じ、ケーブル(26)の動きが阻害されてしまうという問題があった。
【特許文献1】実公昭60−22409号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、どのような方向に湾曲させたとしても、ケーブルをケーブル保持帯に対して小さい抵抗でスムーズに移動させることができるスイッチ遠隔操作用連結ケーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願請求項1に記載の発明は、スイッチを内蔵したスイッチ本体と、前記スイッチ本体のオンオフ状態を切り換えるスイッチ操作体との間を連結し、前記スイッチ操作体の操作力をスイッチ本体に伝達するスイッチ遠隔操作用連結ケーブルにおいて、前記スイッチ遠隔操作用連結ケーブルは、横断面円形の可撓性を有する棒状体からなり前記スイッチ操作体の操作力をスイッチ本体に伝達するケーブルと、帯状の両側辺間を多数の連結帯で連結したはしご形状のケーブル保持帯とを有し、前記ケーブル保持帯の各連結帯を交互にケーブルの上下に位置させることでケーブルをケーブル保持帯にスライド移動自在に保持したことを特徴とするスイッチ遠隔操作用連結ケーブルにある。
【0007】
本願請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスイッチ遠隔操作用連結ケーブルにおいて、前記ケーブルの端部には取付板が取り付けられ、この取付板は、前記スイッチ操作体の駆動部または前記スイッチ本体の駆動部に係合される穴からなる係合部と、前記ケーブルの端部を取り付けるケーブル取付部とを有し、前記ケーブル取付部は、前記ケーブルの長手方向に交差する方向に向かって設けた少なくとも一対の切り込みの間の部分を取付板の一方の面側に突出するように湾曲させることで形成される係止部を設けて構成され、この係止部と取付板との間にケーブルの端部を挿入して係止部をケーブル側に向けてかしめるか或いは溶接することでこの取付板をケーブルに取り付けたことを特徴とするスイッチ遠隔操作用連結ケーブルにある。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、ケーブルを横断面円形の可撓性を有する棒状体で構成したので、このスイッチ遠隔操作用連結ケーブルをその中心軸を中心にねじったとしても、ケーブルを中心にケーブルを保持する帯状のケーブル保持帯がねじられるだけで、ねじったことによる力がケーブルに加わることはなく、このためケーブルをケーブル保持帯に対して小さい抵抗でスムーズに移動させることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、ケーブルの端部に取付板を取り付けてこの取付板に係止部を設けたので、ケーブルとして棒状のものを用いても、ケーブルとスイッチ操作体の駆動部またはスイッチ本体の駆動部との結合を容易に行うことができる。
また取付板に設けたケーブル取付部の係止部によって、ケーブルの端部を容易かつ確実に取付板に取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の1実施形態を用いて構成したスイッチ遠隔操作用連結ケーブル(以下単に「連結ケーブル」という)10の一方の端部近傍部分を上側から見た要部斜視図、図2は連結ケーブル10の一方の端部近傍部分を下側から見た要部斜視図、図3は図1のA−A断面図、図4は連結ケーブル10の一方の端部近傍部分を上側から見た要部分解斜視図である。図4に示すように連結ケーブル10は、ケーブル保持帯30に保持されたケーブル20の端部に取付板60を取り付け、取付板60とケーブル保持帯30の端部の部分の上下を第1,第2ケース90,130で挟んで一体化して構成されている。この実施形態では、ケーブル20の両端に前記取付板60及び第1,第2ケース90,130が取り付けられている。連結ケーブル10は下記する図9に示すように、スイッチ操作体200の操作力をスイッチ本体300に伝達してスイッチ本体300内のスイッチを遠隔操作させるものである。なお以下の説明において、「上」とは第1ケース90から第2ケース130側を向く方向をいい、「下」とはその反対方向をいい、またケーブル20の長手方向(移動方向)を、「ケーブル移動方向」というものとする。
【0011】
図5はケーブル20とケーブル保持帯30と取付板60の分解斜視図である。同図に示すようにケーブル20は、横断面円形の可撓性を有する1本の棒状体からなり、その材質として金属(この実施形態ではステンレス)を用いている。
【0012】
ケーブル保持帯30は、長尺帯状の金属板製(この実施形態ではステンレス板製)であり、可撓性を有し、帯状(細帯状)の両側辺31,33間を多数の細い連結帯35で連結してなるはしご形状で構成されている。ケーブル保持帯30の端部は、両側辺31,33間の間隔を広げ、端部2本の連結帯35の長さを他の部分の連結帯35の長さよりも長くし、これによって保持帯固定部37を形成している。各連結帯35の中央には、交互に上下に突出するように湾曲する湾曲部39が形成されている。湾曲部39は略三角形状であるが、円弧形状などの他の形状であってもよい。
【0013】
取付板60は、金属板(この実施形態ではステンレス板)を略矩形状に形成して構成されており、その先端側に略矩形状の貫通孔からなる係合部61を設け、その根元側に前記ケーブル20の端部を取り付けるケーブル取付部63を設けて構成されている。ケーブル取付部63は、ケーブル移動方向に略垂直な方向に向かって設けた複数(この実施形態では6本)の直線状の平行な切り込み65の間の部分(5か所)の内の1つずつ飛ばした隣接しない部分(3か所)を取付板60の一方の面側(下側)に突出するように湾曲させることで係止部67を形成している。各係止部67は略三角形状に突出しており、係止部67と取付板60の下面との間にケーブル挿通部69が形成されている。
【0014】
そしてケーブル20をケーブル保持帯30の各連結帯35中央の交互に上下に突出している湾曲部39の凹部側の部分に通し、これによってケーブル保持帯30の各連結帯35を交互にケーブル20の上下に位置させることでケーブル20をケーブル保持帯30にスライド移動自在に保持し、次にケーブル20の端部を取付板60の各ケーブル挿通部69(すなわち3つの係止部67と取付板60との間)に挿入する。そして3つの係止部67の内の中央の係止部67を、ケーブル20側(上方向)に向けてかしめて潰すか或いは溶接(スポット溶接)することで、図4に示すように、取付板60をケーブル20の端部に取り付ける。中央の係止部67の部分でケーブル20を固定し、その両側の係止部67の部分はケーブル20を挿通するだけにしたのは、以下の理由による。すなわち中央の係止部67でケーブル20を固定すると、ケーブル20の固定部分及びその両側部分は直線状態から変形し、直線状ではなくなる(各図ではこの固定部分のケーブル20を直線状に記載しているが、実際は中央のかしめた係止部67の部分のケーブル20は上方向に湾曲する。溶接の場合も変形する。)。そこでケーブル20の固定部分の両側にケーブル20を挿通して保持するだけの係止部67を一対設け、ケーブル20の取付板60から突出する方向を正確に位置決めさせたのである。これによって取付板60の中心軸は正確にケーブル移動方向を向く。ケーブル20に対する取付板60の取付位置(取付角度)が正確に位置決めされていないと、ケーブル20のスムーズな移動が阻害される。このように、取付板60に設けたケーブル取付部63の係止部67によってケーブル20の端部を容易かつ確実に取付板60に取り付けることができる。なおケーブル保持帯30の保持帯固定部37のケーブル20を挟んだ両側の2つずつの開口となっている部分を取付部41とする。
【0015】
なおこの実施形態では係止部67を3つ設けたが、1または2以上の複数個設けてもよい(すなわち少なくとも一対の切り込み65を設ければよい)。2以上の複数個設けた場合は少なくとも最もケーブル保持帯30側の係止部67は、この実施形態のようにかしめたり溶接したりしないで位置決め用に用いることが好ましい。また3以上の複数個設けた場合はその両端の係止部67を、この実施形態のようにかしめたり溶接したりしないで位置決め用に用いることが好ましい。
【0016】
第1ケース90は、図4に示すように、合成樹脂を略矩形状に一体成形して構成されており、その上面に、前記取付板60をケーブル移動方向に向けてスライド移動自在に収納する凹状且つ直線状の取付板収納部91を設け、また前記ケーブル保持帯30の保持帯固定部37を収納して固定する保持体収納部93を設けている。第1ケース90の保持体収納部93側の左右両側辺と、取付板収納部91側の一端辺中央には、それぞれ上方向に突出する取付係止部95が設けられ、各取付係止部95の上部には爪部97が設けられている。第1ケース90の取付板収納部91近傍の左右両側辺にはそれぞれ上方向に突出する平板状のガイド突起99が設けられている。また第1ケース90の左右両側面には2つずつの上下方向に向かう係止片挿入部101が形成されている。
【0017】
取付板収納部91は、取付板60のスライド移動方向に向かって直線状に形成され、その両側辺上部には、取付板60の左右両側辺の部分を載置する浅い切り欠き溝からなる直線状の取付板保持部103が形成されている。取付板保持部103の深さ寸法は、取付板60の厚み寸法と略同一である。取付板収納部91の底面には、ケーブル移動方向に向かって直線状に延びる矩形状の長孔からなる駆動部挿通部105が設けられている。
【0018】
保持体収納部93は、保持帯固定部37の外形形状とほぼ同一の略矩形状を有しており、その底面には上方向に向かって突出する4つの平板状の係止突起107が設けられている。各係止突起107は、それぞれ前記保持帯固定部37の各取付部41に対向する位置に位置しており、各係止突起107のケーブル移動方向の長さ寸法は、取付部41のケーブル移動方向の長さ寸法とほぼ同一になっている。
【0019】
第2ケース130は金属板製であり、略矩形状で前記第1ケース90の上面をほぼ覆う形状寸法に形成され、前記第1ケース90の駆動部挿通部105に対向する位置に矩形状の長孔からなる挿通部131を設け、また前記第1ケース90の各係止突起107に対向する位置にこれらを挿入する寸法形状の貫通孔からなる挿入部133を設け、また左右両側辺の前記第1ケース90の各係止片挿入部101に対向する位置に舌片状に突出して下方に折り曲げてなる係止片135を設けて構成されている。また第2ケース130の前記第1ケース90の左右一対のガイド突起99に対向する位置には、これらガイド突起99をぴったり係合する寸法形状の矩形凹状のガイド係合部137が設けられている。
【0020】
そして図6に示すように、取付板60と保持帯固定部37の部分を、第1ケース90上に載置する。その際、取付板60は取付板収納部91に収納され、取付板60の左右両側辺の下面は取付板保持部103上に載置される。取付板60の上面は第1ケース90の上面とほぼ同一面になる。一方保持帯固定部37の部分は保持体収納部93内に収納され、各係止突起107が各取付部41に挿入され係止される。各係止突起107は各取付部41の左右外側辺とその両端部分とを位置決めするので、保持帯固定部37はがたつくことなく確実に第1ケース90に取り付けられる。そして取付板60などを設置した第1ケース90の上に第2ケース130を被せ、そのとき第1ケース90の各係止片挿入部101に第2ケース130の係止片135を挿入してその先端を第1ケース90の下面側に折り曲げれば、図1〜図3に示す連結ケーブル10が完成する。このとき第1ケース90の各係止突起107は第2ケース130の各挿入部133に挿入され、これによってケーブル保持帯30の第1,第2ケース90,130からの抜けが防止される。また第2ケース130の挿通部131と第1ケース90の駆動部挿通部105の間の位置に取付板60の係合部61が位置している。なお図示はしていないが、実際にはケーブル保持帯30の周囲は、扁平筒状の保護カバーによって覆われて保護されている。上記組立手順はその一例であり、他の各種異なる組立手順を用いて組み立てても良いことはいうまでもない。
【0021】
以上のように構成された連結ケーブル10において、ケーブル20をケーブル移動方向に向けて移動させると、その先端の取付板60もこれに連動して第1ケース90の取付板収納部91内を直線移動する。逆に取付板60を第1ケース90の取付板収納部91内で直線移動させると、ケーブル20もこれに連動してケーブル保持帯30内をケーブル移動方向に向けて移動する。
【0022】
そして本発明においては、ケーブル20を横断面円形の可撓性を有する棒状体で構成したので、この連結ケーブル10を図1に示す矢印B方向(ケーブル20の長手方向を向く中心軸L1を中心にねじる方向)にねじったとしても、ケーブル20を中心にケーブル20を保持する帯状のケーブル保持帯30がねじられてケーブル20の周囲を回転するだけなので、ねじったことによる力がケーブル20に加わることはなく、このため連結ケーブル10をねじった状態のままでも、ケーブル20をケーブル保持帯30に対して小さい抵抗でスムーズに移動させることができる。
【0023】
図7は本発明の他の取付板60−2の斜視図である。同図に示す取付板60−2において、前記取付板60と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記取付板60と同じである。この取付板60−2において前記取付板60と相違する点は、各係止部67の湾曲形状を略三角形状とする代わりに、略円弧形状とした点である。このように構成しても、上記取付板60と同様の作用効果を生じる。係止部67の湾曲形状がさらにその他の形状であってもよいことは言うまでもない。
【0024】
図8は上記連結ケーブル10を連結するスイッチ操作体200の1例を下側から見た斜視図である。このスイッチ操作体200は、下記するスイッチ本体300のオンオフ状態を遠隔操作で切り換えるものであり、つまみ収納ケース210の上面に設けた凹部内に揺動つまみ230を揺動軸L2を中心に揺動自在に収納し、またつまみ収納ケース210の下面に取り付けた操作体収納ケース250の下面に設けた長孔からなる駆動部挿通部251から、操作体収納ケース250内に収納した操作体270の駆動部271を突出して構成されている。操作体270は操作体収納ケース250内を矢印D方向に直線移動するように収納されている。前記揺動つまみ230と操作体270は、つまみ収納ケース210内において、揺動つまみ230の揺動運動を、操作体270の直線運動に変換する機構によって連結されている。つまりこのスイッチ操作体200は、揺動つまみ230を揺動軸L2を中心に揺動することで、操作体270を直線移動させ、これによって駆動部挿通部251内を駆動部271が矢印D方向に直線移動するように構成されている。なお操作体収納ケース250の外周部分3か所には、前記連結ケーブル10の3つの取付係止部95の爪部97をそれぞれ係止する穴又は凹部からなる係止部253が設けられ、また操作体収納ケース250の外周部分2か所には、前記連結ケーブル10の2つのガイド突起99をそれぞれぴったり挿入する凹部からなるガイド部255が設けられている。
【0025】
そしてスイッチ操作体200の下面(操作体収納ケース250の下面)に、前記組み立てた連結ケーブル10の第2ケース130を当接すれば、図10に示すように、前記3つの取付係止部95の爪部97がそれぞれこれらに対向する係止部253にスナップイン係合して取り付けられ、同時に一対のガイド突起99がガイド部255に嵌合してスイッチ操作体200に対する連結ケーブル10の位置決めが図られる。このときスイッチ操作体200の下面(操作体収納ケース250の下面)から突出している駆動部271は第2ケース130の挿通部131を通って取付板60の係合部61に挿入・係合され、さらに駆動部271の先端は第1ケース90の駆動部挿通部105内に位置する。
【0026】
図9はスイッチ操作体200とスイッチ本体300とを連結ケーブル10によって連結した状態を示す斜視図である。同図に示す連結ケーブル10は、ケーブル保持帯30に保持されたケーブル20の両端に同一の取付板60及び同一の第1,第2ケース90,130を取り付けて構成されている。ただし、スイッチ本体300側の取付板60と第1,第2ケース90,130はスイッチ操作体200側のものとは上下逆向きにケーブル20に取り付けられている。そして図示はしていないが、スイッチ本体300の内部にはスイッチ機構が収納されており、スイッチ本体300の上面には、図示はしないが、前記スイッチ操作体200に設けた駆動部271と同様の駆動部が突出しており、ケーブル移動方向に直線移動する構成になっている。そしてこの駆動部がケーブル移動方向に移動することで内部のスイッチ機構のスイッチのオンオフ状態が切り換わる。またこの駆動部の周囲には前記スイッチ操作体200に設けた係止部253と同様の係止部が3か所設けられている。従って前記スイッチ操作体200に連結ケーブル10の端部を取り付けたのと同様の方法によって、連結ケーブル10のもう一方の端部をスイッチ本体300にスナップイン係合によって取り付けることができる。このときケーブル20の端部に取り付けた取付板60の係止部61にスイッチ本体300の駆動部が係合されることも同様である。つまりスイッチ操作体200の駆動部271とスイッチ本体300の駆動部はケーブル20の両端に取り付けた取付板60に連結される。
【0027】
そして揺動つまみ230の図9に示すつまみ収納ケース210から上方に突出している部分を押圧すれば、揺動つまみ230は揺動軸L2を中心に揺動(矢印E方向)して押圧した部分が下降すると同時に下降していた部分が上昇し、同時に駆動部271が図10に示す矢印D1方向に直線移動し、これによって上述したようにこの駆動部271に連結されている取付板60が同一方向(矢印D1方向)に直線移動し、ケーブル20も同一方向に移動し、ケーブル20のもう一方の端部に取り付けられている取付板60を介してスイッチ本体300の駆動部が直線移動してスイッチ本体300内のスイッチ機構のスイッチのオンオフ状態が切り換えられる。
【0028】
そしてスイッチ操作体200とスイッチ本体300の取付位置によって、連結ケーブル10がねじられた状態で設置されていたとしても、前述のように、ねじられたことによる力はケーブル20に加わらず、従ってケーブル20はケーブル保持帯30に対して小さい抵抗でスムーズに移動させることができる。またこの実施形態にかかる連結ケーブル10は、ケーブル20の端部に取付板60を取り付けてこの取付板60に係止部61を設けたので、ケーブル20として棒状のものを用いても、ケーブル20とスイッチ操作体200の駆動部271またはスイッチ本体300の駆動部との結合を容易に行うことができる。
【0029】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば上記実施形態では、スイッチ操作体200の駆動部271とスイッチ本体300の駆動部の両者に対して本発明にかかる構造の連結ケーブル10を適用したが、いずれか一方のみに適用してもよい。またスイッチ操作体200やスイッチ本体300の形状・構造・機能に種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】連結ケーブル10の一方の端部近傍部分を上側から見た要部斜視図である。
【図2】連結ケーブル10の一方の端部近傍部分を下側から見た要部斜視図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】連結ケーブル10の一方の端部近傍部分を上側から見た要部分解斜視図である。
【図5】ケーブル20とケーブル保持帯30と取付板60の分解斜視図である。
【図6】連結ケーブル10の組立方法説明図である。
【図7】他の取付板60−2の斜視図である。
【図8】スイッチ操作体200を下側から見た斜視図である。
【図9】スイッチ操作体200とスイッチ本体300とを連結ケーブル10によって連結した状態を示す斜視図である。
【図10】スイッチ操作体200に連結ケーブル10の端部を取り付けた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
10 連結ケーブル(スイッチ遠隔操作用連結ケーブル)
20 ケーブル
30 ケーブル保持帯
31,33 側辺
35 連結帯
37 保持帯固定部
39 湾曲部
60 取付板
61 係合部
63 ケーブル取付部
65 切り込み
67 係止部
69 ケーブル挿通部
90 第1ケース
130 第2ケース
200 スイッチ操作体
270 操作体
271 駆動部
300 スイッチ本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチを内蔵したスイッチ本体と、前記スイッチ本体のオンオフ状態を切り換えるスイッチ操作体との間を連結し、前記スイッチ操作体の操作力をスイッチ本体に伝達するスイッチ遠隔操作用連結ケーブルにおいて、
前記スイッチ遠隔操作用連結ケーブルは、横断面円形の可撓性を有する棒状体からなり前記スイッチ操作体の操作力をスイッチ本体に伝達するケーブルと、帯状の両側辺間を多数の連結帯で連結したはしご形状のケーブル保持帯とを有し、前記ケーブル保持帯の各連結帯を交互にケーブルの上下に位置させることでケーブルをケーブル保持帯にスライド移動自在に保持したことを特徴とするスイッチ遠隔操作用連結ケーブル。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチ遠隔操作用連結ケーブルにおいて、
前記ケーブルの端部には取付板が取り付けられ、
この取付板は、前記スイッチ操作体の駆動部または前記スイッチ本体の駆動部に係合される穴からなる係合部と、前記ケーブルの端部を取り付けるケーブル取付部とを有し、
前記ケーブル取付部は、前記ケーブルの長手方向に交差する方向に向かって設けた少なくとも一対の切り込みの間の部分を取付板の一方の面側に突出するように湾曲させることで形成される係止部を設けて構成され、この係止部と取付板との間にケーブルの端部を挿入して係止部をケーブル側に向けてかしめるか或いは溶接することでこの取付板をケーブルに取り付けたことを特徴とするスイッチ遠隔操作用連結ケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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