説明

スイッチ電極、スイッチ電極用平面電極板及びマットスイッチ

【課題】本発明は、巻くことができ、不感知部が少なく不審者等の検出能に優れ、渡り配線が不要で、製造し易く、更に、スイッチ電極の復元性が良好なマットスイッチを提供する。
【解決手段】本発明に係るマットスイッチは、突出端3aを鋭利に形成した接触用突部3と、この接触用突部3の外側を囲む配置で、且つ、この接触用突部3よりも突出長が小さい補強用環状突部4とを突設した矩形状の電極基板2を、間隔を隔て、複数個縦横に、且つ、全体として矩形状に列設するとともに、各電極基板2を導電性の連結片2aで連結して構成され、上側に配置したスイッチ電極用平面電極板31と、下側に対向配置した平板状の電極板42と、スイッチ電極用平面電極板31、電極板42間に介在した弾性絶縁材43と、これらの外周を覆う弾性絶縁材からなる外被44と、を有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なスイッチ電極、スイッチ電極用平面電極板及びマットスイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅やビル等において、夜間等における不審者の侵入を検出する防犯目的でマット体に長尺スイッチ等を配列したマットスイッチが用いられている。
【0003】
このようなマットスイッチの従来例を以下に概説する。
図13に示す従来のマットスイッチ51は、平板状で、且つ、所定間隔をもって上方に突設した突部53を有する絶縁体52と、この絶縁体52上に配置した平板状で、且つ、前記突部53に対応する位置にこの突部53が貫通する開口54を設けた導電金属材からなる下部電極板55と、この下部電極板55上において前記突部53の上面に下面が当接することで前記下部電極板55と小間隔を隔てる状態に配置した導電金属材からなる上部電極板56と、これらの下面、上面を含む外周を覆う絶縁材からなる外被57と、を有している。
【0004】
このマットスイッチ51は、前記突部53が無い位置でマットスイッチ51の上面に不審者等が載り外力Fが作用すると、上部電極板56が下方に撓み下部電極板55と接触してオン状態となることを利用し、不審者等の存在を示す検出信号を得るようにしたものである。
【0005】
しかし、前記マットスイッチ51の場合、導電金属材からなる下部電極板55、上部電極板56を具備する構造のため、全体形状を矩形以外の形状とすることはコスト的に割高となり、また、運搬や保管の便宜のために巻いたり畳んだりすることはできないという制約がある。
【0006】
また、前記絶縁体52上に上部電極板56を支えるための突部53を設けたり、下部電極板55に開口54を設ける必要があり、製造工程が煩雑となってしまう。
【0007】
図14に示す従来のマットスイッチ61は、平らで弾性絶縁材からなるマット体62に複数の長尺スイッチ63を平行配置に内蔵し、長尺スイッチ63の上部に不審者等が載り外力Fが作用したとき、長尺スイッチ63がオン状態になることを利用し、不審者等の存在を示す検出信号を得るようにしたものである。
【0008】
このマットスイッチ61の場合、複数の長尺スイッチ63間の渡り配線が必要で、製作に手間がかかるとともに、個々の長尺スイッチ63と長尺スイッチ63との間の領域は必然的に不感知部となり、不審者等の検出能の点で必ずしも十分ではない。
【0009】
図15、図16に示す従来のマットスイッチ71は、柔軟な絶縁材からなり開口73を設けた平板状の絶縁体72の上下両面に、平編線又は柔軟性のある薄膜に導電体を固着させた柔軟な電極板74、75を添設し、これらの外周を柔軟な絶縁材からなる外被76により覆ったものである。
【0010】
このマットスイッチ71は、図16に示すように、前記開口73の上方から人間等による踏み圧、すなわち、外力Fが作用すると、外被76を介して電極板74が下方に撓み電極板75と接触しオン状態となる。これにより、人間等の存在を示す検出信号を得ることができる。
【0011】
この従来のマットスイッチ71の場合、上述した構造から巻くことは可能であるものの電極板74の形状復元性が十分でなく、誤動作し易いとともに、平板状の絶縁体72に外力Fが作用した時に電極板74、75が接触するための開口73が必須となるとともに、開口73が存在しない領域は必然的に不感知部となり、不審者等の検出能の点で必ずしも十分ではない。
【0012】
特許文献1には、下側に2本の電極線を用いた下側電極を、上側に下側電極に対向する通電用線を用いた上側電極を配置してスイッチ部とするとともに、このスイッチ部を絶縁部により間隔を隔てて複数個配列したマットスイッチが提案されている。
【0013】
しかし、この特許文献1のマットスイッチの場合も、絶縁部が存在する領域は不感知部となってしまう。
【特許文献1】特開2002−063827号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明が解決しようとする問題点は、巻くことができ、不感知部が少なく不審者等の検出能に優れ、渡り配線が不要で製造し易く、更に、スイッチ電極の復元性が良好で動作安定性にも優れたマットスイッチが存在しない点である。また、かかるマットスイッチを容易に構成し得るスイッチ電極及びスイッチ電極用平面電極板が存在しない点である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のマットスイッチは、突出端を鋭利に形成した接触用突部と、この接触用突部の外側を囲む配置で、且つ、前記接触用突部よりも突出長が小さい補強用環状突部とを突設した矩形状の電極基板を間隔を隔て複数個縦横に、且つ、全体として矩形状に列設するとともに、前記各電極基板を導電性の連結片で連結したスイッチ電極用平面電極板と、このスイッチ電極用平面電極板と対向配置した電極板と、前記スイッチ電極用平面電極板、電極板間に介在した弾性絶縁材と、これらの外周を覆う弾性絶縁材からなる外被と、を有することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば以下の効果を奏する。
請求項1記載の発明によれば、一方の電極板における突出端を鋭利に形成した接触用突部又は補強用環状突部の上方から人間等の踏み圧、すなわち、外力が作用するとき、接触用突部の鋭利な突出端が弾性絶縁材の一部を切開して他方の電極板に接触してオン状態となり、また、外力が無くなると、弾性絶縁材の弾性力及び補強用環状突部の撓みに対する復元力の相互作用で接触用突部は初期位置に戻ることから、良好なスイッチ作用を発揮できるとともにオン状態から初期位置への復元性が良好で動作安定性に優れたスイッチ電極を提供することができる。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、上側電極板における突出端を鋭利に形成した接触用突部又は補強用環状突部の上方から人間等の踏み圧、すなわち、外力が作用するとき、接触用突部の鋭利な突出端が弾性絶縁材の一部を切開して下側電極板に接触してオン状態となり、また、外力が無くなると、弾性絶縁材の弾性力及び補強用環状突部の撓みに対する復元力の相互作用で接触用突部は初期位置に戻ることから、良好なスイッチ作用を発揮できるとともにオン状態から初期位置への復元性が良好で動作安定性に優れたスイッチ電極を提供することができる。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、上側電極板を平板状とし、下側電極板を突出端を鋭利に形成した接触用突部及び補強用環状突部を有する構成として、請求項2記載の発明と同様、良好なスイッチ作用を発揮できるとともにオン状態から初期位置への復元性が良好で動作安定性に優れたスイッチ電極を提供することができる。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、上側電極板及び下側電極板双方を突出端を鋭利に形成した接触用突部及び補強用環状突部を有する構成として、請求項2記載の発明と同様、良好なスイッチ作用を発揮できるとともにオン状態から初期位置への復元性が良好で動作安定性に優れたスイッチ電極を提供することができる。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、突出端を鋭利に形成した接触用突部と、この接触用突部の外側を囲む配置で、且つ、前記接触用突部よりも突出長が小さい補強用環状突部とを突設した電極基板を間隔を隔て複数個列設するとともに、各電極基板を導電性の連結片で連結したことにより、個々の電極基板において良好なスイッチ作用を発揮できるとともにオン状態から初期位置への復元性が良好で動作安定性に優れ、マットスイッチ等に用いて好適なスイッチ電極用平面電極板を提供することができる。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、突出端を鋭利に形成した接触用突部と、この接触用突部の外側を囲む配置で、且つ、前記接触用突部よりも突出長が小さい補強用環状突部とを突設した矩形状の電極基板を間隔を隔て複数個縦横に、且つ、全体として矩形状に列設するとともに、前記各電極基板を導電性の連結片で連結したことにより、請求項5記載の発明と同様、縦横に配列した個々の電極基板において良好なスイッチ作用を発揮できるとともにオン状態から初期位置への復元性が良好で動作安定性に優れ、マットスイッチ等に用いて好適なスイッチ電極用平面電極板を提供することができる。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、上述したスイッチ電極用平面電極板を電極板と対向配置に組み込み、スイッチ電極用平面電極板、電極板間に弾性絶縁材を介在させ、これらの外周を覆う弾性絶縁材からなる外被で覆った構成で、巻くことができ、不感知部が少なく不審者等の検出能に優れ、渡り配線が不要で製造し易く、更に、スイッチ電極の復元性が良好で動作安定性にも優れたマットスイッチを提供することができる。
【0023】
請求項8記載の発明によれば、上述したスイッチ電極用平面電極板を上側に、平板状の電極板をスイッチ電極用平面電極板の下側にしてこれらを対向配置するとともに、スイッチ電極用平面電極板、電極板間に弾性絶縁材を介在させ、これらの外周を覆う弾性絶縁材からなる外被で覆った構成で、巻くことができ、不感知部が少なく不審者等の検出能に優れ、渡り配線が不要で製造し易く、更に、スイッチ電極の復元性が良好で動作安定性にも優れたマットスイッチを提供することができる。
【0024】
請求項9記載の発明によれば、上述したスイッチ電極用平面電極板を下側に、平板状の電極板をスイッチ電極用平面電極板の上側にしてこれらを対向配置するとともに、スイッチ電極用平面電極板、電極板間に弾性絶縁材を介在させ、これらの外周を覆う弾性絶縁材からなる外被で覆った構成で、巻くことができ、不感知部が少なく不審者等の検出能に優れ、渡り配線が不要で製造し易く、更に、スイッチ電極の復元性が良好で動作安定性にも優れたマットスイッチを提供することができる。
【0025】
請求項10記載の発明によれば、上述したスイッチ電極用平面電極板を上下対向配置しつつ、両スイッチ電極用平面電極板間に弾性絶縁材を介在させ、これらの外周を覆う弾性絶縁材からなる外被で覆った構成で、巻くことができ、不感知部が少なく不審者等の検出能に優れ、渡り配線が不要で製造し易く、更に、スイッチ電極の復元性が良好で動作安定性にも優れたマットスイッチを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明は、巻くことができ、不感知部が少なく不審者等の検出能に優れ、渡り配線が不要で製造し易く、更に、スイッチ電極の復元性が良好で動作安定性にも優れたマットスイッチを提供するという目的を、突出端を鋭利に形成した接触用突部と、この接触用突部の外側を囲む配置で、且つ、前記接触用突部よりも突出長が小さい補強用環状突部とを突設した矩形状の電極基板を間隔を隔て複数個縦横に、且つ、全体として矩形状に列設するとともに、前記各電極基板を導電性の連結片で連結して構成され、上側に配置したスイッチ電極用平面電極板と、このスイッチ電極用平面電極板の下側に対向配置した平板状の電極板と、前記スイッチ電極用平面電極板、電極板間に介在した弾性絶縁材と、これらの外周を覆う弾性絶縁材からなる外被と、を有する構成により実現した。
【実施例】
【0027】
以下に、本発明の実施例を詳細に説明する。
(実施例1)
本発明の実施例1に係るスイッチ電極1について図1乃至3を参照して説明する。
本実施例1に係るスイッチ電極1は、図1、図3に示すように、矩形状の薄板導電板(銅板等)からなる電極基板2と、この電極基板2の中央部において下方に向けて突設(突設長L1)した突出端3aを鋭利に形成した接触用突部3と、この接触用突部3の外側を囲むように前記電極基板2から下方に向けて突設した前記接触用突部3よりも突出長L2(L2<L1)が小さい補強用環状突部4とを有する上側電極板5と、この上側電極板5と対向配置した矩形状の薄板導電板(銅板等)からなる平板状の下側電極板6と、前記上側電極板5、下側電極板6間に介在したスポンジ材等からなる弾性絶縁材7と、を有している。
【0028】
前記接触用突部3及び補強用環状突部4は、例えば電極基板2に対するプレス加工により同心的に形成している。また、前記接触用突部3はその突出端3aが鋭利(鋭角)となるように形成され、且つ、この接触用突部3を下面側から見たとき、角錐状の凹部空間を呈する形状としている。前記補強用環状突部4は、接触用突部3と同心配置の環状で、且つ、その突出端4aは例えば球面状に形成している。
【0029】
本実施例1に係るスイッチ電極1によれば、図2に示すように、このスイッチ電極1の接触用突部3又は補強用環状突部4の上方から人間等の踏み圧、すなわち、外力Fが作用するとき、前記接触用突部3及び補強用環状突部4は弾性絶縁材7を押圧しつつ下方に撓み、接触用突部3の鋭利な突出端3aが弾性絶縁材7の一部を切開して下側電極板6に接触する。これにより、スイッチ電極1はオン状態となり、人間等の存在を示す検出信号を得ることができる。
【0030】
また、前記外力Fが無くなると、弾性絶縁材7の弾性力及び補強用環状突部4の撓みに対する復元力の相互作用で前記接触用突部3は初期位置に戻る。
【0031】
このような本実施例1に係るスイッチ電極1によれば、オン状態から初期位置への復元性が良好で動作安定性に優れたスイッチ電極構造を提供することができる。
【0032】
(実施例2)
本発明の実施例2に係るスイッチ電極11について図4、図5を参照して説明する。
本実施例2に係るスイッチ電極11は、実施例1のスイッチ電極1と同様な構成であるがスイッチ電極1の構造を上下反転したことが特徴である。
【0033】
すなわち、本実施例2に係るスイッチ電極11は、矩形状の薄板導電板(銅板等)からなる電極基板2と、この電極基板2の中央部において上方に向けて突設した突出端3aを鋭利に形成した接触用突部3と、この接触用突部3の外側を囲むように前記電極基板2から上方に向けて突設した前記接触用突部3よりも突出長が小さい補強用環状突部4とを有する下側電極板15と、この下側電極板15と対向配置した矩形状の薄板導電板(銅板等)からなる平板状の上側電極板16と、前記下側電極板15、上側電極板16間に介在したスポンジ材等からなる弾性絶縁材7と、を有している。
【0034】
本実施例2に係るスイッチ電極11によれば、図5に示すように、このスイッチ電極11の上側電極板16の上方から人間等の踏み圧、すなわち、外力Fが作用するとき、前記上側電極板16は弾性絶縁材7を押圧しつつ下方に降下し、このとき、接触用突部3の鋭利な突出端3aが弾性絶縁材7の一部を切開して押圧降下する上側電極板16に前記鋭利な突出端3aが接触する。
【0035】
これにより、スイッチ電極11はオン状態となり、人間等の存在を示す検出信号を得ることができる。また、前記外力Fが無くなると、弾性絶縁材7の弾性力で前記接触用突部3は初期位置に戻る。
【0036】
このような本実施例2に係るスイッチ電極11によっても、オン状態から上側電極板16の初期位置への復元性が良好で動作安定性に優れたスイッチ電極構造を提供することができる。
【0037】
(実施例3)
本発明の実施例3に係るスイッチ電極21について図6、図7を参照して説明する。
なお、図6、図7において、実施例1のスイッチ電極1の要素と同一の要素には同一の符号を付して示す。
【0038】
本実施例3に係るスイッチ電極21は、実施例1のスイッチ電極1における上側電極板5と同様な構造の上側電極板25と、同じく実施例1のスイッチ電極1における上側電極板5と同様な構造の下側電極板26とをスポンジ材等からなる弾性絶縁材7を介在させて上下対向配置したことが特徴である。
【0039】
すなわち、本実施例3に係るスイッチ電極21は、弾性絶縁材7を挟んで上側電極板25、下側電極板26の両接触用突部3及び両補強用環状突部4を対向配置したものである。
【0040】
本実施例3に係るスイッチ電極21において、図7に示すように、このスイッチ電極21の接触用突部3又は補強用環状突部4の上方から人間等の踏み圧、すなわち、外力Fが作用するとき、前記接触用突部3及び補強用環状突部4は弾性絶縁材7を押圧しつつ下方に撓み、接触用突部3の鋭利な突出端3aが弾性絶縁材7の一部を切開する。
【0041】
また、下側電極板26における接触用突部3の鋭利な突出端3aも弾性絶縁材7の一部を切開する。
【0042】
この結果、上側電極板25、下側電極板26の両接触用突部3同士が接触し、スイッチ電極21はオン状態となり、人間等の存在を示す検出信号を得ることができる。
【0043】
また、前記外力Fが無くなると、弾性絶縁材7の弾性力及び上側電極板25における補強用環状突部4の撓みに対する復元力の相互作用で前記上側電極板25の接触用突部3は初期位置に戻る。
【0044】
このような本実施例3に係るスイッチ電極21によれば、オン状態から上側電極板25の初期位置への復元性が良好で動作安定性に優れたスイッチ電極構造を提供することができる。
【0045】
(実施例4)
次に、本発明の実施例4に係るスイッチ電極用平面電極板31について図8、図9を参照して説明する。
【0046】
本実施例4のスイッチ電極用平面電極板31は、図8、図9に示すように、既述した実施例1の上側電極板5の場合と同様、突出端3aを鋭利に形成した接触用突部3と、この接触用突部3の外側を囲む配置で、且つ、前記接触用突部3よりも突出長が小さい補強用環状突部4とを突設した矩形状の電極基板2を、相互に間隔を隔て縦横に4個ずつ、合計16個全体として矩形状に列設するとともに、各電極基板2を導電性の連結片2aで隣り合うもの同士連結して構成している。
【0047】
すなわち、このスイッチ電極用平面電極板31は、四隅に位置する各電極基板2のみ2個の連結片2aで、縦又は横に隣り合う他の電極基板2と連結し、四隅以外の最外部に位置する各電極基板2は各々3個の連結片2aで縦又は横に隣り合う他の電極基板2と連結し、中央部に位置する合計4個の各電極基板2は各々4個の連結片2aで縦又は横に隣り合う他の電極基板2と連結している。
【0048】
前記連結片2aは、細幅の直線状とする他、図9に示すように、細幅の鞍形状とし隣り合うもの同士の間隔を可変とする構成とすることができる。
【0049】
また、本実施例4のスイッチ電極用平面電極板31は、プレス成形加工により全体を一体成形することができる。更に、このスイッチ電極用平面電極板31における電極基板2の列設個数は、上述した場合の他、用途に応じて20個、30個、40個等任意の個数とすることができる。
【0050】
本実施例4のスイッチ電極用平面電極板31によれば、スイッチ電極の一部として組み込むことにより、既述した実施例1の上側電極板5の場合と同様な作用、効果を発揮させることができ、後述するマットスイッチ41に使用して好適な電極板とすることができる。
【0051】
(実施例5)
次に、本発明の実施例5に係るマットスイッチ41について、図10乃至図12を参照して説明する。
【0052】
本実施例5に係るマットスイッチ41は、図10乃至図12に示すように、既述した実施例4の場合と同様、合計16個の電極基板2を連結片2aにより縦横に連結したスイッチ電極用平面電極板31と、このスイッチ電極用平面電極板31の下側に対向配置した薄板状導電板(銅板等)からなる平板状で前記スイッチ電極用平面電極板31と外形寸法を同一とした電極板42と、前記スイッチ電極用平面電極板31、電極板42間に介在した弾性絶縁材43と、これらの外周を覆う弾性絶縁材からなる外被44と、前記スイッチ電極用平面電極板31、電極板42の対応する隅部に接続した信号取り出し用の一対のリード線45、46と、を有し、全体として矩形状の平面を呈する構成としている。
【0053】
本実施例5に係るマットスイッチ41において、外被44の上方から前記スイッチ電極用平面電極板31のいずれかの接触用突部3又は補強用環状突部4に人間等の踏み圧、すなわち、外力Fが作用するとき、当該接触用突部3及び補強用環状突部4は弾性絶縁材43を押圧しつつ下方に撓み、接触用突部3の鋭利な突出端3aが弾性絶縁材43の一部を切開して電極板42に接触する。これにより、マットスイッチ41はオン状態となり、前記リード線45、46を通じて人間等の存在を示す検出信号を得ることができる。
【0054】
また、前記外力Fが無くなると、弾性絶縁材43の弾性力及び補強用環状突部4の撓みに対する復元力の相互作用で前記接触用突部3は初期位置に戻る。
【0055】
本実施例5によれば、オン状態からスイッチ電極用平面電極板31の初期位置への復元性が良好で動作安定性に優れ、また、既述したマットスイッチ41の構造から渦巻き状に巻いて運搬、保管の便宜を図ることができ、更に、前記スイッチ電極用平面電極板31における電極基板2の寸法設定を適切にすることで不感知部が少なく不審者等の検出能に優れたマットスイッチ41を提供することができる。
【0056】
また、本実施例5によれば、スイッチ電極用平面電極板31を使用することにより、従来例で述べたような複数の長尺スイッチを配置するマットスイッチに比べ渡り配線が不要で製造し易く、また、従来例で述べたような絶縁材に開口を設ける必要も無く、これらにより、製造コストの低減を図ることが可能なマットスイッチ41を提供することができる。
【0057】
本実施例5に係るマットスイッチ41において、スイッチ電極用平面電極板31、電極板42の配置は、上述した場合の他、実施例2の場合と同様に、電極板42を上側に、スイッチ電極用平面電極板31を下側にした構成とすることもでき、この場合においても上述した場合と同様な作用、効果を発揮させることができる。
【0058】
また、本実施例5に係るマットスイッチ41において、実施例3の場合と同様に一対のスイッチ電極用平面電極板31同士を上下対向配置した構成とすることもでき、この場合においても上述した場合と同様な作用、効果を発揮させることができる。
【0059】
更に、本実施例5に係るマットスイッチ41において、スイッチ電極用平面電極板31における電極基板2の列設個数は、上述した場合の他、用途に応じて20個、30個、40個等任意の個数とすることができ、これらに対応する寸法の電極板42、弾性絶縁材43及び外被44を用いることで、より広面積のマットスイッチを構成することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明のスイッチ電極、スイッチ電極用平面電極板は、マットスイッチの他、例えば不審者警備のための長尺スイッチ用、車輛のバンパーに取り付けるバンパースイッチ用等として広範に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施例1に係るスイッチ電極の断面図である。
【図2】本実施例1に係るスイッチ電極のオン状態の断面図である。
【図3】本実施例1に係るスイッチ電極における上側電極板の平面図である。
【図4】本発明の実施例2に係るスイッチ電極の断面図である。
【図5】本実施例2に係るスイッチ電極のオン状態の断面図である。
【図6】本発明の実施例3に係るスイッチ電極の断面図である。
【図7】本実施例3に係るスイッチ電極のオン状態の断面図である。
【図8】本発明の実施例4に係るスイッチ電極用平面電極板の概略平面図である。
【図9】図8のA−A線から見た部分側面図である。
【図10】本発明の実施例5に係るマットスイッチの概略斜視図である。
【図11】本実施例5に係るマットスイッチにおけるスイッチ電極用平面電極板を示す概略平面図である。
【図12】本実施例5に係るマットスイッチの部分断面図である。
【図13】従来のマットスイッチを示す部分断面図である。
【図14】従来のマットスイッチの他例を示す部分断面図である。
【図15】従来のマットスイッチの更に別の例を示す部分断面図である。
【図16】図15に示すマットスイッチのオン状態の部分断面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 スイッチ電極
2 電極基板
2a 連結片
3 接触用突部
3a 突出端
4 補強用環状突部
4a 突出端
5 上側電極板
6 下側電極板
7 弾性絶縁材
11 スイッチ電極
15 下側電極板
16 上側電極板
21 スイッチ電極
25 上側電極板
26 下側電極板
31 スイッチ電極用平面電極板
41 マットスイッチ
42 電極板
43 弾性絶縁材
44 外被
45 リード線
46 リード線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極基板から突設した突出端を鋭利に形成した接触用突部と、この接触用突部の外側を囲むように前記電極基板から突設した前記接触用突部よりも突出長が小さい補強用環状突部と、を有する一方の電極板と、
前記一方の電極板と対向配置した他方の電極板と、
前記両電極板間に介在した弾性絶縁材と、
を有することを特徴とするスイッチ電極。
【請求項2】
電極基板から突設した突出端を鋭利に形成した接触用突部と、この接触用突部の外側を囲むように前記電極基板から突設した前記接触用突部よりも突出長が小さい補強用環状突部と、を有する上側電極板と、
前記上側電極板と対向配置した平板状の下側電極板と、
前記上側電極板、下側電極板間に介在したスポンジ材等からなる弾性絶縁材と、
を有することを特徴とするスイッチ電極。
【請求項3】
電極基板から突設した突出端を鋭利に形成した接触用突部と、この接触用突部の外側を囲むように前記電極基板から突設した前記接触用突部よりも突出長が小さい補強用環状突部と、を有する下側電極板と、
前記下側電極板上に対向配置した平板状の上側電極板と、
前記下側電極板、上側電極板間に介在したスポンジ材等からなる弾性絶縁材と、
を有することを特徴とするスイッチ電極。
【請求項4】
電極基板から突設した突出端を鋭利に形成した接触用突部と、この接触用突部の外側を囲むように前記電極基板から突設した前記接触用突部よりも突出長が小さい補強用環状突部と、を有する上側電極板と、
電極基板から突設した突出端を鋭利に形成した接触用突部と、この接触用突部の外側を囲むように前記電極基板から突設した前記接触用突部よりも突出長が小さい補強用環状突部と、を有し、前記上側電極板と対向配置した下側電極板と、
前記下側電極板、上側電極板間に介在したスポンジ材等からなる弾性絶縁材と、
を有することを特徴とするスイッチ電極。
【請求項5】
突出端を鋭利に形成した接触用突部と、この接触用突部の外側を囲む配置で、且つ、前記接触用突部よりも突出長が小さい補強用環状突部とを突設した電極基板を、間隔を隔て複数個列設するとともに、各電極基板を導電性の連結片で連結したことを特徴とするスイッチ電極用平面電極板。
【請求項6】
突出端を鋭利に形成した接触用突部と、この接触用突部の外側を囲む配置で、且つ、前記接触用突部よりも突出長が小さい補強用環状突部とを突設した矩形状の電極基板を、間隔を隔て複数個縦横に、且つ、全体として矩形状に列設するとともに、前記各電極基板を導電性の連結片で連結したことを特徴とするスイッチ電極用平面電極板。
【請求項7】
突出端を鋭利に形成した接触用突部と、この接触用突部の外側を囲む配置で、且つ、前記接触用突部よりも突出長が小さい補強用環状突部とを突設した矩形状の電極基板を、間隔を隔て複数個縦横に、且つ、全体として矩形状に列設するとともに、前記各電極基板を導電性の連結片で連結したスイッチ電極用平面電極板と、
このスイッチ電極用平面電極板と対向配置した電極板と、
前記スイッチ電極用平面電極板、電極板間に介在した弾性絶縁材と、
これらの外周を覆う弾性絶縁材からなる外被と、
を有することを特徴とするマットスイッチ。
【請求項8】
突出端を鋭利に形成した接触用突部と、この接触用突部の外側を囲む配置で、且つ、前記接触用突部よりも突出長が小さい補強用環状突部とを突設した矩形状の電極基板を、間隔を隔て複数個縦横に、且つ、全体として矩形状に列設するとともに、前記各電極基板を導電性の連結片で連結して構成され、上側に配置したスイッチ電極用平面電極板と、
このスイッチ電極用平面電極板の下側に対向配置した平板状の電極板と、
前記スイッチ電極用平面電極板、電極板間に介在した弾性絶縁材と、
これらの外周を覆う弾性絶縁材からなる外被と、
を有することを特徴とするマットスイッチ。
【請求項9】
突出端を鋭利に形成した接触用突部と、この接触用突部の外側を囲む配置で、且つ、前記接触用突部よりも突出長が小さい補強用環状突部とを突設した矩形状の電極基板を、間隔を隔て複数個縦横に、且つ、全体として矩形状に列設するとともに、前記各電極基板を導電性の連結片で連結して構成され、下側に配置したスイッチ電極用平面電極板と、
このスイッチ電極用平面電極板の上側に対向配置した平板状の電極板と、
前記スイッチ電極用平面電極板、電極板間に介在した弾性絶縁材と、
これらの外周を覆う弾性絶縁材からなる外被と、
を有することを特徴とするマットスイッチ。
【請求項10】
突出端を鋭利に形成した接触用突部と、この接触用突部の外側を囲む配置で、且つ、前記接触用突部よりも突出長が小さい補強用環状突部とを突設した矩形状の電極基板を、間隔を隔て複数個縦横に、且つ、全体として矩形状に列設するとともに、前記各電極基板を導電性の連結片で連結して構成され、下側に配置したスイッチ電極用平面電極板と、
突出端を鋭利に形成した接触用突部と、この接触用突部の外側を囲む配置で、且つ、前記接触用突部よりも突出長が小さい補強用環状突部とを突設した矩形状の電極基板を、間隔を隔て複数個縦横に、且つ、全体として矩形状に列設するとともに、前記各電極基板を導電性の連結片で連結して構成され、前記スイッチ電極用平面電極板の上側に対向配置したスイッチ電極用平面電極板と、
前記両スイッチ電極用平面電極板間に介在した弾性絶縁材と、
これらの外周を覆う弾性絶縁材からなる外被と、
を有することを特徴とするマットスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−159422(P2008−159422A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−347412(P2006−347412)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(390024718)株式会社東京センサ (12)
【Fターム(参考)】