説明

スキャニングソナーの表示装置、水深表示方法、及び水深表示プログラム

【課題】ユーザの監視負担を増やさずに、ユーザが直感的に探査範囲の水深を把握できるよう、水深を表示するスキャニングソナーの表示装置を提供する。
【解決手段】スキャニングソナーの表示装置が、探信音を受信するためのペンシルビームの軌跡である円錐体表面に沿った傘型の水平断面の探査データを取得し、前記探査データに基づいて画像フレームデータを作成するフレームデータ変換部4と、前記探信音の探査範囲の水深を算出する水深計算部6と、前記水深に応じて同心円で区別される領域を有する前記画像フレームデータの背景画面を作成する背景画面作成部7と、前記画像フレームデータと前記背景画面を重畳し、重畳された画像フレームデータを作成する表示画面作成部5と、前記重畳された画像フレームデータを表示する表示部8と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像フレームデータ表示に水深を重畳して表示する、スキャニングソナーの表示装置、水深表示方法、及び水深表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
漁場で操業する際、魚群が存在する水深を正確に把握することは、漁網の投入位置を定めるために重要である。このため、魚群を捉えた標的像を表示するスキャニングソナーにおいては、送受波部から探信音を送波し、その受波を捉える指向角の鋭いペンシル形状の受波ビーム(以下、ペンシルビームと称する)によって水中を探査することで、探査範囲に存在する魚群の水深をユーザに通知することが求められている。
【0003】
従来の技術では、探査範囲の水深を文字表示画面に数字で表示するスキャニングソナーが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、スキャニングソナーでは、ペンシルビームの俯角に応じて、水深方向の探査範囲が変化するため、ペンシルビームの俯角に応じて切り出された子画面を用いて、水深方向の魚群分布状況を立体的に表示するスキャニングソナーが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
さらに、ペンシルビームの軌跡である円錐体表面に沿った傘型の水平断面画像フレームデータ(以下、画像フレームデータと称する)が海面に投射された表示に変換された表示画面と、水深方向を表示する画面を分けて表示することで、探査範囲の水深をユーザに通知するスキャニングソナーが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2006−322773号公報
【特許文献2】特開平01−097886号公報
【特許文献3】特開昭57−196172号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、探査範囲の水深が表示画面に数字で表示されても、漁船が例えば波で大きく揺れると、ユーザは視線を定め難くなるため、数字で表示された水深を読み取ることが難しい場合があり、数字を読み違えた場合は漁網の投入位置を誤ってしまい、魚群を漁網に捉えることができないことがあった。さらに、画像フレームデータ表示と文字情報表示とが分離された画面に表示されている場合は、ユーザはその両方の画面を監視する必要があるため、1つの画面を監視する場合と比べて監視負担が増えてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、前記の諸点に鑑みてなされたものであり、ユーザの監視負担を増やさずに、ユーザが直感的に探査範囲の水深を把握できるよう、水深を表示するスキャニングソナーの表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、探信音を受信するためのペンシルビームの軌跡である円錐体表面に沿った傘型の水平断面の探査データを取得する探査データ取得部と、前記探査データに基づいて画像フレームデータを作成するフレームデータ変換部と、前記探信音の探査範囲の水深を算出する水深計算部と、前記水深に応じて同心円で区別される領域を有する前記画像フレームデータの背景画面を作成する背景画面作成部と、前記画像フレームデータと前記背景画面を重畳し、重畳された画像フレームデータを作成する表示画面作成部と、前記重畳された画像フレームデータを表示する表示部と、を備えることを特徴とするスキャニングソナーの表示装置である。
【0009】
また本発明は、前記背景画面は、同心円で区別される各領域が同一あるいは類似の色相で表示されており、水深に応じて明度あるいは彩度を変えて表示されることを特徴とするスキャニングソナーの表示装置である。
【0010】
また本発明は、前記背景画面は、同心円で区別される各領域が非類似の色相で表示されることを特徴とするスキャニングソナーの表示装置である。
【0011】
また本発明は、前記背景画面は、同心円で区別される各領域が異なる塗りつぶしパターンで表示されることを特徴とするスキャニングソナーの表示装置である。
【0012】
また本発明は、スキャニングソナーにおける表示方法であって、探査データ取得部が、探信音を受信するためのペンシルビームの軌跡である円錐体表面に沿った傘型の水平断面の探査データを取得するステップと、フレームデータ変換部が、前記探査データに基づいて画像フレームデータを作成するステップと、水深計算部が、前記探信音の探査範囲の水深を算出するステップと、背景画面作成部が、前記水深に応じて同心円で区別される領域を有する前記画像フレームデータの背景画面を作成するステップと、表示画面作成部が、前記画像フレームデータと前記背景画面を重畳し、重畳された画像フレームデータを作成するステップと、表示部が、前記重畳された画像フレームデータを表示するステップと、を含むことを特徴とする水深表示方法である。
【0013】
また本発明は、コンピュータを、探信音を受信するためのペンシルビームの軌跡である円錐体表面に沿った傘型の水平断面の探査データを取得する手段、前記探査データに基づいて画像フレームデータを作成する手段、前記探信音の探査範囲の水深を算出する手段、前記水深に応じて同心円で区別される領域を有する前記画像フレームデータの背景画面を作成する手段、前記画像フレームデータと前記背景画面を重畳し、重畳された画像フレームデータを作成する手段、前記重畳された画像フレームデータを表示する手段、として機能させるための水深表示プログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、水深表示が画像フレームデータ表示画面に重畳されることにより、ユーザは1つの画面を監視すれば足り、監視負担が増えず、色分け等がなされた水深表示により直感的に探査範囲の水深を把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の一形態によるスキャニングソナーのブロック図である。図2は、探査に用いる諸元と、探査結果を海面に投射された表示に変換した画像フレームデータの表示画面を示す。ここで、探査に用いる諸元は、探査を行う所定の俯角θと、自船11からの最長探査距離R(以下、最長探査レンジRと称する)、自船11の水平周囲方向φと、を含む。
【0016】
図1においてスキャニングソナーは、操作部1と、制御部2と、送受波部3と、フレームデータ変換部4と、表示画面作成部5と、水深計算部6と、背景画面作成部7と、表示部8と、を備える。ユーザは操作部1を操作することで、ペンシルビーム13により探査する所定の俯角θと、最長探査レンジRのデータを制御部2に入力することができる。操作部1は、ユーザの操作を検出し、俯角θと最長探査レンジRのデータの入力を受け付け、制御部2に出力する。
【0017】
制御部2は、操作部1から通知された俯角θと最長探査レンジRで探査を行うように送受波部3を制御する。送受波部3は、自船11の船底に取り付けられており、制御部2からの制御により、所定の周期毎に所定の俯角θで周囲(図2のφ方向)360度へ探信音として音波を送波し、ペンシルビーム13を俯角θでφ方向に回転させ、標的等からの反射波を受波することで水中を探査する。探査範囲は、ペンシルビーム13の軌跡である円錐体表面であり、図2に示すように、ペンシルビーム13の所定の俯角θと最長探査レンジRで形成される。
【0018】
送受波部3は、ペンシルビーム13の軌跡である円錐体表面に沿った傘型の水平断面に存在する魚群12などの標的からの反射波の強度信号(以下、エコー信号と称する)を受波し、必要に応じてゲイン補正等を施し、ペンシルビーム13が探信音を受信した方向φと、探査範囲における自船11からの距離r(不図示)(以下、探査レンジrと称する)毎のエコー信号データを含む探査データをフレームデータ変換部4に出力する。すなわち探査データは、送受波部3がエコー信号に必要に応じてゲイン補正等を施したデータである。
【0019】
送受波部3は、探査に用いた諸元としてペンシルビーム13の俯角θと、探査レンジrと、自船11の水平周囲方向φと、を含んだデータを制御部2に出力する。また制御部2は、送受波部3が動作している俯角θと最長探査レンジRを水深計算部6に通知する。
【0020】
フレームデータ変換部4は、送受波部3から入力された探査レンジr毎の探査データをA/D変換し、画像フレームデータに変換する。すなわち画像フレームデータは、フレームデータ変換部4が探査データをA/D変換し、水平周囲方向φと探査レンジrを考慮して、A/D変換後の探査データを内部メモリ等(不図示)に2次元データとして集積し、必要に応じて例えば雑音除去のためのフィルタ処理、表示のための座標変換処理等を施したデータである。なお、フレームデータ変換部4は探査データ取得部であるとも考えることができる。すなわち、送受信部3をスキャニングソナーのセンシング装置とし、スキャニングソナーの表示装置とは物理的に離された装置であるとしてもよい。
【0021】
図2に示すように、俯角θの傘型の水平断面の位置に魚群12が存在している場合は、音波により2次元断面として捕捉された魚群12の映像が、魚群像10として画像フレームデータに得られる。フレームデータ変換部4は、A/D変換後の画像フレームデータを表示画面作成部5に出力する。
【0022】
水深計算部6は、送受波部3が動作している俯角θと最長探査レンジRを制御部2から取得する。探査範囲の最大水深Dは、俯角θと最長探査レンジRを用いて、D=R×sinθ(以下、[数1]と称する)で表される。なお、音波が水中を伝わる速度は約1500[m/s]であることが知られている。これを使うと例えば、送受波部3から音波が送波され、魚群12に当たり反射された音波(反射波)が送受波部3に受波されるまでの時間を計測し、これを音波が往復するために要した時間とすることで、自船11から魚群12までの距離が判る。
【0023】
また音波が送波されてから所定の時間までに音波が送受波部3に受波されない場合は、ペンシルビーム13が向いている方向について、その所定の時間に音波が往復できる距離の範囲には魚群等の音波反射体が存在しないことで、魚群等が見つからなかったことが判る。
【0024】
水深計算部6は、[数1]に基づいて算出した最大水深Dを背景画面作成部7に通知する。背景画面作成部7は、画像フレームデータ表示に重畳させる背景画面を、自船位置マーク14を中心とする同心円で区別される所定の数の領域に分割する。分割された領域はそれぞれが水深範囲を示し、自船位置マーク14から離れた領域ほど、水深範囲が深いことを示す。また背景画面の最も外側の外円は、最大水深Dを示す。なお、探査を行った最大水深Dまでの画像フレームデータを必ずしもすべて表示する必要はなく、浅い水深までの画像フレームデータと、それに対応する背景画面を表示部8に表示するとしてもよい。
【0025】
水深範囲の例として、背景画面(同心円)を、第1の水深範囲20、第2の水深範囲21、第3の水深範囲22、第4の水深範囲23、の4つの同心円で区別した領域に分割した場合を、図3から図5に示す。ここで、第4の水深範囲23の外円は最大水深Dを示す。なお、同心円で区別される範囲の所定の数は、第1から第4に限られる必要はない。
【0026】
図3に示す背景画面(同心円)において、第1の水深範囲20、第2の水深範囲21、第3の水深範囲22、第4の水深範囲23、は、同一あるいは類似の色相で表示されており、それぞれが対応する水深に応じて明度あるいは彩度が変化する。ここでは、それぞれが対応する水深範囲が深いほど、明度が暗く、あるいは彩度が低く表示されている。
【0027】
図4に示す背景画面(同心円)において、第1の水深範囲20、第2の水深範囲21、第3の水深範囲22、第4の水深範囲23、は非類似の色相で表示されており、それぞれが対応する水深に応じて色相が異なる。また隣り合う領域は近い色相にしない、としても良い。
【0028】
図5に示す背景画面(同心円)において、第1の水深範囲20、第2の水深範囲21、第3の水深範囲22、第4の水深範囲23、は異なる塗りつぶしパターンで表示されており、それぞれが対応する水深に応じて塗りつぶしパターンが異なる。また隣り合う領域は類似の塗りつぶしパターンにしない、としても良い。
【0029】
背景画面作成部7は、表示画面作成部5に背景画面(同心円)データを出力する。表示画面作成部5は、背景画面作成部7から入力された背景画面データと、フレームデータ変換部4から入力された魚群像10を含む画像フレームデータとを重畳し、重畳した画像フレームデータを表示部8に出力する。また、表示画面作成部5は、背景画面とは異なる色相、明度、彩度で魚群像10を表示する、あるいは背景画面とは異なる色相、明度、彩度で魚群像10を縁取り表示する。これにより、重畳された画像フレームデータを見たユーザは、背景画面と魚群像10を視覚的に識別することができる。
【0030】
図3において、魚群像10が第2の水深範囲21、第3の水深範囲22の領域にまたがっていることから、表示部8に表示された重畳された画像フレームデータを見たユーザは、第2の水深範囲21と第3の水深範囲22の明度、あるいは彩度によって、直感的に魚群12が位置する水深を知ることができる。
【0031】
図4において、魚群像10が第2の水深範囲21、第3の水深範囲22の領域にまたがっていることから、表示部8に表示された重畳された画像フレームデータを見たユーザは、第2の水深範囲21と第3の水深範囲22の色相によって、直感的に魚群12が位置する水深を知ることができる。
【0032】
図5において、魚群像10が第2の水深範囲21、第3の水深範囲22の領域にまたがっていることから、表示部8に表示された重畳された画像フレームデータを見たユーザは、第2の水深範囲21と第3の水深範囲22の異なる塗りつぶしパターンによって、直感的に魚群12が位置する水深を知ることができる。
【0033】
図6は、本実施の一形態によるスキャニングソナーの動作を示すフローチャートである。操作部1はユーザから入力される俯角θと最長探査レンジRを含むデータの入力を受け付け、制御部2に俯角θと最長探査レンジRを含むデータを出力する(ステップS1)。制御部2は、操作部1から通知された俯角θと最長探査レンジRで探査を行うように送受波部3を制御し、送受波部3は、制御部2からの制御に応じた俯角θと最長探査レンジRで水中を探査する(ステップS2)。
【0034】
送受波部3は、探査データが得られると、フレームデータ変換部4に探査データを出力する(ステップS3)。一方、制御部2は、送受波部3が動作している俯角θと最長探査レンジRを水深計算部6に通知する(ステップS4)。
【0035】
フレームデータ変換部4は、送受波部3から入力された探査データから画像フレームデータを作成し、表示画面作成部5に出力する(ステップS5)。水深計算部6は、最大水深Dを背景画面作成部7に通知する(ステップS6)。背景画面作成部7は背景画面を、最大水深Dを最外円として、色相、明度、彩度、塗りつぶしパターン等、により分けられた所定の数の同心円に分割し、これを表示画面作成部5に出力する(ステップS7)。
【0036】
表示画面作成部5は、背景画面データと画像フレームデータを重畳し、重畳した画像フレームデータを表示部8に出力する(ステップS8)。なお、これらの表示動作は例えば数秒周期で繰り返されるとしてもよい。
【0037】
このように、スキャニングソナーの水深表示が画像フレームデータ表示画面に重畳されることにより、ユーザは1つの画面を監視すれば足り、2つの画面を監視する場合と比べて監視負担が増えず、色分け等がなされた水深表示により直感的に探査範囲の水深を把握することができる。
【0038】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、水中を伝わる音波は、水温、水圧、塩分濃度によって速度が変化することが知られており、これらの影響を考慮して水深の計算を補正するとしてもよい。
【0039】
また、本発明に記載の探査データ取得部は、フレームデータ変換部4に対応し、フレームデータ変換部は、フレームデータ変換部4に対応し、水深計算部は、水深計算部6に対応し、背景画面作成部は、背景画面作成部7に対応し、表示画面作成部は、表示画面作成部5に対応し、表示部は、表示部8に対応する。
【0040】
また、図6に示す各ステップを実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、通信端末の実行処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
【0041】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0042】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本実施の一形態によるスキャニングソナーのブロック図である。
【図2】探査に用いる諸元と、探査結果を海面に投射された表示に変換した画像フレームデータの表示画面を示す図である。
【図3】水深に応じて背景画面が色分けされた画像フレームデータの第1の表示例を示す図である。
【図4】水深に応じて背景画面が色分けされた画像フレームデータの第2の表示例を示す図である。
【図5】水深に応じて背景画面が塗りつぶしパターンにより分けられた画像フレームデータの表示例を示す図である。
【図6】本実施の一形態によるスキャニングソナーの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
1…操作部 2…制御部 3…送受波部 4…フレームデータ変換部 5…表示画面作成部 6…水深計算部 7…背景画面作成部 8…表示部 10…魚群像 11…自船 12…魚群 13…ペンシルビーム 14…自船位置マーク 20…第1の水深範囲 21…第2の水深範囲 22…第3の水深範囲 23…第4の水深範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
探信音を受信するためのペンシルビームの軌跡である円錐体表面に沿った傘型の水平断面の探査データを取得する探査データ取得部と、
前記探査データに基づいて画像フレームデータを作成するフレームデータ変換部と、
前記探信音の探査範囲の水深を算出する水深計算部と、
前記水深に応じて同心円で区別される領域を有する前記画像フレームデータの背景画面を作成する背景画面作成部と、
前記画像フレームデータと前記背景画面を重畳し、重畳された画像フレームデータを作成する表示画面作成部と、
前記重畳された画像フレームデータを表示する表示部と、
を備えることを特徴とするスキャニングソナーの表示装置。
【請求項2】
前記背景画面は、同心円で区別される各領域が同一あるいは類似の色相で表示されており、水深に応じて明度あるいは彩度を変えて表示されることを特徴とする請求項1に記載のスキャニングソナーの表示装置。
【請求項3】
前記背景画面は、同心円で区別される各領域が非類似の色相で表示されることを特徴とする請求項1に記載のスキャニングソナーの表示装置。
【請求項4】
前記背景画面は、同心円で区別される各領域が異なる塗りつぶしパターンで表示されることを特徴とする請求項1に記載のスキャニングソナーの表示装置。
【請求項5】
スキャニングソナーにおける表示方法であって、
探査データ取得部が、探信音を受信するためのペンシルビームの軌跡である円錐体表面に沿った傘型の水平断面の探査データを取得するステップと、
フレームデータ変換部が、前記探査データに基づいて画像フレームデータを作成するステップと、
水深計算部が、前記探信音の探査範囲の水深を算出するステップと、
背景画面作成部が、前記水深に応じて同心円で区別される領域を有する前記画像フレームデータの背景画面を作成するステップと、
表示画面作成部が、前記画像フレームデータと前記背景画面を重畳し、重畳された画像フレームデータを作成するステップと、
表示部が、前記重畳された画像フレームデータを表示するステップと、
を含むことを特徴とする水深表示方法。
【請求項6】
コンピュータを、
探信音を受信するためのペンシルビームの軌跡である円錐体表面に沿った傘型の水平断面の探査データを取得する手段、
前記探査データに基づいて画像フレームデータを作成する手段、
前記探信音の探査範囲の水深を算出する手段、
前記水深に応じて同心円で区別される領域を有する前記画像フレームデータの背景画面を作成する手段、
前記画像フレームデータと前記背景画面を重畳し、重畳された画像フレームデータを作成する手段、
前記重畳された画像フレームデータを表示する手段、
として機能させるための水深表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−117205(P2010−117205A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−289591(P2008−289591)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【出願人】(000004330)日本無線株式会社 (1,186)
【Fターム(参考)】