スクリーン印刷機
【課題】印刷精度を高くすることを目的とする。また、従来の加工パターンに比較し、スクリーン版を小さく製作でき、スクリーン版のコストを抑えることを目的とする。また、スクリーン版の寿命を長くすることを目的とする。
【解決手段】スクリーン製版を用いてスクリーン印刷をおこなうスクリーン印刷機であって、上記スクリーン製版に対向して配置するテーブルと、上記スクリーン製版と上記テーブルとの間の空間を略密封するスクリーン密封部とを備えたことを特徴とする。
【解決手段】スクリーン製版を用いてスクリーン印刷をおこなうスクリーン印刷機であって、上記スクリーン製版に対向して配置するテーブルと、上記スクリーン製版と上記テーブルとの間の空間を略密封するスクリーン密封部とを備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板への電気配線の印刷やエッチングにおけるレジストの印刷等に使用されるスクリーン印刷機に係り、より詳細にはスクリーンメッシュとワークとの間のガス圧をスクリーンメッシュのスキージ印刷面側のガス圧と比較し、高くすることを特徴とするスクリーン印刷方法に使用するスクリーン印刷機に関する。
【背景技術】
【0002】
図9は、従来技術を示した図である。
図9において、1は、スクリーン版、3は、スキージ、5は、スクリーン枠、6は、ワーク、8は、インク、10は、テーブルである。
従来のスクリーン印刷では、図9のように、スクリーン版1と印刷するワーク6との間に通常2〜6ミリの隙間をあけ、スクリーン版1にインク8を供給後、スキージ3にてスクリーン版1を下方向に押さえスクリーン版1を伸ばしながら、加工基板であるワーク6とスクリーン版1を密着させるようにして、スキージを手前に移動させ、スクリーン版1の張力により加工基板であるワーク6からスクリーン版1を離すようにして、加工基板であるワーク6に印刷を行っていた。
【0003】
従来のスクリーン版1とワーク6との間に2〜6ミリの隙間をあけて印刷する方法では、スクリーン版1を伸ばして印刷するため、印刷精度が悪い問題と、スクリーン版1を伸ばして印刷するため、スクリーン版1を大きく作る必要があり、スクリーン版1のコストが上がる問題と、スクリーン版1を伸ばして印刷するためスクリーン版1の寿命が短くなる問題があった。
【特許文献1】特開2003−89190号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、印刷精度を高くすることを目的とする。
また、従来の加工パターンに比較し、スクリーン版を小さく製作でき、スクリーン版のコストを抑えることを目的とする。
また、スクリーン版の寿命を長くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係るスクリーン印刷機は、スクリーン製版とスキージとを用いてスクリーン印刷をおこなうスクリーン印刷機であって、
上記スクリーン製版に対向して配置するテーブルと、
上記スクリーン製版と上記テーブルとの間の空間を略密封するスクリーン密封部と、
上記スクリーン製版と上記テーブルとの間の略密封された空間に対し、スクリーン製版のスキージ印刷面側の雰囲気の圧力よりも高い圧力の気体を供給する気体供給手段と
を備えたことを特徴とする。
【0006】
上記気体供給手段は、上記スクリーン製版に向かって気体を供給し、上記テーブルに配置されるワークの外側であって上記スキージの印刷進行方向に対し前方と後方との内少なくとも一方のテーブル面に形成され、上記スキージの印刷進行方向に対し略直角方向に長い長穴状の開口部を有することを特徴とする。
【0007】
上記スクリーン密封部は、上記スクリーン製版に対して配置されたスクリーン受け部と、
上記テーブルに対して配置された密封補助部と
を有することを特徴とする。
【0008】
上記スクリーン印刷機は、さらに、弾性体を備え、
上記密封補助部は、上記テーブルと摺動自在に配置され、上記テーブルにより上記弾性体を介して上記スクリーン受け部に押圧されることを特徴とする。
【0009】
上記スクリーン密封部は、さらに、パッキン材を有し、
上記スクリーン受け部は、環状に形成された凸部を有し、上記凸部が上記パッキン材を介して上記密封補助部に押圧されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
スクリーン印刷において、スクリーン版1とワーク6との間のガス圧をスクリーン版1のスキージ印刷面側のガス圧と比較し高くすることにより、スクリーン版1を用いてスキージによりワーク6に印刷時にガス圧の差圧によりワーク6からスクリーン版1を離していくことにより、スクリーンメッシュと基板との隙間を従来より少なくして印刷することが可能となり、スクリーンの版の寿命が向上し、印刷精度が向上した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1のスクリーン印刷機テーブル部の上面図である。
図1において、10は、テーブル、121は、供給孔の一例である開口部、123は、吸引口である。開口部121は、テーブル10のテーブル面に、印刷進行方向に対し略直角方向に長い長穴状に形成されている。吸引口123は、被印刷物を吸引することによりテーブルに配置し固定する。開口部121は、吸引口123が被印刷物を吸引することによりテーブルに固定した際に、被印刷物に接しない位置に形成される。長穴状に形成されている開口部121は、ワーク6の上面4辺のうち印刷進行方向に対し手前側の辺の長さと同等またはそれより長い開口部に形成される。すなわち、開口部121は、印刷進行方向に向かって、上記テーブルに配置されるワークの幅以上の幅を少なくとも有する。後述するように、開口部121は、スクリーン製版100に向かって気体を供給する。
【0012】
図2は、実施の形態1のスクリーン印刷機テーブル部の断面図である。
図2において、1は、スクリーン版、5は、スクリーン枠、11は、ばねサポート、100は、スクリーン製版、131は、スクリーン受け部、132は、密封補助部、133は、凸部、141は、第1のパッキン材の一例であるスポンジ、142は、第2のパッキン材の一例であるスポンジ、150は、弾性体の一例であるばね材である。スクリーン製版100は、スクリーン版1とスクリーン枠5とを備えている。また、スクリーン密封部は、スクリーン受け部131と密封補助部132とを備えている。スクリーン受け部131は、凸部133を備えている。テーブル10は、図1と同様である。
図2において、テーブル10は、スクリーン製版100に対向して配置される。テーブル10は、略四角柱の形状をしており、テーブル10の側面には、密封補助部132がすきまばめに保持されている。すなわち、密封補助部132は、テーブル10と摺動自在に配置される。密封補助部132は、テーブル10に合わせ略四角の枠状に形成され、密封補助部132は、下面をテーブル10に数本のボルトで固定されたばねサポート11により複数のばね材150を介してテーブル10の側面に保持されている。密封補助部132は、上面を密封補助部132の上面の形状に合わせて略四角の枠状に形成されたスポンジ142を介してスクリーン受け部131により押圧され、保持されている。スクリーン受け部131は、印刷機体に固定されている。スクリーン受け部131の一部である凸部133は、密封補助部132の枠から内側にも外側にもはみ出さないように、略四角の枠状に形成されている。凸部133は、環状に形成され、スポンジ142を押圧するように下向きに凸に形成されている。下向きに凸に形成することにより広い平面でスポンジ142を押圧するよりも押圧面積を小さくし、広い平面でスポンジ142を押圧するよりもある一定の押す力に対する圧力を高めている。密封補助部132は、ばね材150の反発力により、ばねサポート11とスポンジ142を介した凸部133とに狭持され、凸部133を押圧している。すなわち、密封補助部132は、テーブル10により弾性体を介して上記スクリーン受け部131に押圧される。また、反対に、上記凸部がスポンジ142を介して上記密封補助部132に押圧される。テーブル10は、被印刷物の寸法に合わせて上下に位置調整のため移動するが、テーブル10が移動しても密封補助部132が凸部133を押圧するように、テーブル10の移動量より大きい伸縮量を有するばね材150を用いる。
したがって、凸部133と密封補助部132との間は、テーブル10が移動しても密封(シール)されている。
スクリーン受け部131の上面は、スポンジ141を挟んでスポンジ141を押圧するようにスクリーン製版100のスクリーン枠5に固定されている。スポンジ141は、スクリーン受け部131とスクリーン枠5とが接触する形状に合わせて略四角の枠状に形成されている。
したがって、スクリーン受け部131とスクリーン枠5と間は、密封(シール)されている。
したがって、スクリーン密封部は、スクリーン製版100と上記テーブル10との間の空間を略密封する。
【0013】
図3は、実施の形態1のスクリーン印刷機テーブル部の断面図である。
図3において、122は、供給孔の一例である圧縮空気供給部である。図3は、図2に図示されていない図2においても有する圧縮空気供給部122を示している。テーブル10は、図1,2と同様である。スクリーン製版100は、図2と同様である。圧縮空気供給部122は、テーブル10下部に設けられ、図1におけるテーブル10上面の開口部121に通じていて、スクリーン製版100に向かって気体を供給する。
【0014】
図4は、スクリーン密封部を省略した実施の形態1の印刷時の状態を表した図である。
図4において、3は、スキージ、8は、インク、6は、ワークである。開口部121は、図1と同様である。スクリーン版1、スクリーン版5、スクリーン製版100は、図2と同様である。圧縮空気供給部122は、図3と同様である。テーブル10は、図1、図2及び図3と同様である。
図4において、スキージ3がワーク6を押圧しながらインク8をワーク6に押出すように移動することによりワーク6は印刷される。すなわち、上記スキージ3の印刷進行方向は、図1の説明における印刷進行方向と同じである。
図4において、図1の説明でも述べたように、開口部121は、吸引口123が被印刷物であるワーク6を吸引することによりテーブルに固定した際に、ワーク6に接しない位置すなわちテーブル10に配置されるワーク6の外側であって上記スキージ3の印刷進行方向に対し後方に形成される。開口部121は、圧縮空気供給部122により供給された気体をスクリーン製版100に向かって供給する。供給された気体によりスクリーン版1下部の雰囲気圧力がスクリーン版1上部の雰囲気圧力よりも高くなれば、すなわち、スクリーン製版100に対し、対向して配置されたテーブルとは反対側に有する雰囲気の圧力よりも高い圧力であれば、スクリーン版1とワーク6との隙間が少なくてもスキージ3にて印刷時にスクリーン版1とワーク6が容易に離れながら印刷することが可能となる。
ここで、供給する気体は、空気と窒素とのいずれかであることが望ましい。空気は、ワーク6を汚染しないためにもクリーンエアであるとなおよい。ワーク6を汚染しないためにも不活性ガスである窒素と同様に、アルゴン等でもよい。
【0015】
図5は、圧縮気体の配管系統図である。
図5において、200は、レギュレータ、210は、開放弁の一例であるバルブ、220は、圧縮気体生成供給部である。圧縮空気供給部122は、図3、図4と同様である。圧縮気体生成供給部220は、レギュレータ200とバルブ210とを備えている。
図5において、レギュレータ200は、供給された気体の圧力を調整する。バルブ210は、印刷後、上記略密封された上記スクリーン製版100と上記テーブル10との間の空間に供給された上記気体により上昇した圧力を開放する。
圧縮気体生成供給部220は、上記スクリーン製版100に対し、対向して配置されたテーブル10とは反対側に有する雰囲気の圧力よりも高い圧力の気体を圧縮空気供給部122に供給する。
【0016】
以上のように、本実施の形態1におけるスクリーン印刷機は、スクリーン製版を用いてスクリーン印刷をおこなうスクリーン印刷機であって、
上記スクリーン製版100に対向して配置するテーブル10と、
上記スクリーン製版100と上記テーブル10との間の空間を略密封するスクリーン密封部と
を備えたスクリーン印刷機である。
【0017】
また、本実施の形態1におけるスクリーン印刷機は、
上記スクリーン密封部は、第1と第2のパッキン材を有し、さらに、上記スクリーン密封部は、
上記スクリーン製版100に対し上記第1のパッキン材を介して配置されたスクリーン受け部131と
上記スクリーン受け部131に対し上記第2のパッキン材を介して配置された密封補助部132と
を有するスクリーン印刷機である。
【0018】
また、本実施の形態1におけるスクリーン印刷機は、さらに、弾性体を備え、
上記密封補助部132は、上記テーブル10と摺動自在に配置され、上記テーブル10により上記弾性体を介して上記スクリーン受け部131に押圧されるスクリーン印刷機である。
【0019】
また、本実施の形態1における上記スクリーン受け部131は、環状に形成された凸部133を有し、上記凸部133が第2のパッキン材を介して上記密封補助部132に押圧される。
【0020】
また、本実施の形態1における上記弾性体は、ばね材である。
【0021】
また、本実施の形態1における上記テーブル10は、上記スクリーン製版100に向かって気体を供給する供給孔を有する。
【0022】
また、本実施の形態1における上記スクリーン印刷機は、スキージ3を用いてワーク6を印刷するスクリーン印刷機であって、
上記供給孔は、上記テーブル10に配置されるワーク6の外側であって上記スキージ3の印刷進行方向に対し前方と後方との少なくとも一方に形成されたスクリーン印刷機である。
【0023】
また、本実施の形態1における上記供給孔は、上記テーブル10のテーブル10面に、上記スキージ3の印刷進行方向に対し略直角方向に長い長穴状の開口部320を有する。
【0024】
また、本実施の形態1における上記開口部320は、上記スキージ3の印刷進行方向に向かって、上記テーブル10に配置されるワーク6の幅以上の幅を有する開口部320である。
【0025】
また、本実施の形態1における上記気体は、空気と窒素とのいずれかである。
【0026】
また、本実施の形態1における上記スクリーン印刷機は、さらに、圧縮気体生成供給部を備え、
上記圧縮気体生成供給部は、上記スクリーン製版100に対し、対向して配置されたテーブル10とは反対側に有する雰囲気の圧力よりも高い圧力の気体を供給するスクリーン印刷機である。
【0027】
また、本実施の形態1における上記圧縮気体生成供給部は、上記気体の圧力を調整するレギュレータ200と、
上記略密封された上記スクリーン製版100と上記テーブル10との間の空間に供給された上記気体により上昇した圧力を開放する開放弁と
を有する。
【0028】
実施の形態2.
図6は、スクリーン版下部を大気圧に対して高いガス圧で印刷を行う説明図である。
図6において、1は、スクリーン版、3は、スキージ、5は、スクリーン枠、6は、ワーク、10は、テーブル、12は、圧力保持枠、13,15は、高圧ガス供給管である。図6におけるスクリーン印刷方法は、スクリーン版1とワーク6の間に大気圧よりガス圧の高い高圧ガスを導入することによりスクリーン版1とワーク6との間のガス圧をスクリーン版1のスキージ3側のガス圧と比較し高くして印刷するスクリーン印刷方法であって、スクリーン版1のスクリーン枠5とテーブル10との間に圧力保持枠12を設け、圧力保持枠12によりスクリーン版1とテーブル10との間をスクリーン版1の開口部以外を密閉し、高圧ガス供給管15から大気圧より圧力が高い高圧ガスを導入して、スクリーン版1とワーク6との間が大気圧と比較し、高圧になるようにするスクリーン印刷方法である。
【0029】
ワーク6とスクリーン版1を、望ましくは2ミリ以下で0.01ミリ以上に設定する。
【0030】
スクリーン版1にインク8を供給し、スキージ3を使用してワーク6上に印刷を行う。
【0031】
スクリーン版1は、大気圧との差圧により印刷時に常にワーク6と反対側にふくらもうとする力が働いており、スクリーン版1とワーク6との隙間が少なくてもスキージ3にて印刷時にスクリーン版1とワーク6が容易に離れながら印刷することが可能となる。
【0032】
実施の形態3.
図7は、スクリーン版上部を大気圧に対して低いガス圧で印刷を行う説明図である。
図7において、スクリーン版1のスキージ3側のガス圧を大気と比較し負圧にすることによりスクリーン版1とワーク6との間のガス圧をスクリーン版1のスキージ3側のガス圧と比較し高くして印刷する方法であり、スクリーン版1のワーク6と反対側に大気圧と比較し、ガス圧を低く保持するための圧力保持ケース20を設置する。
【0033】
圧力保持ケース20内は、プロアー又は真空ポンプ等により吸引管16より吸引され、大気圧と比較しガス圧を低く設定する。
【0034】
ワーク6とスクリーン版1を、望ましくは2ミリ以下で0.01ミリ以上に設定する。
【0035】
スクリーン版1にインク8を供給し、スキージ3を使用してワーク6上に印刷を行う。
【0036】
スクリーン版1は、大気圧との差圧により印刷時に常にワーク6と反対側にふくらもうとする力が働いており、スクリーン版1とワーク6との隙間が少なくても、スキージ3にて印刷時にスクリーン版1とワーク6が容易に離れながら印刷することが可能となる。
【0037】
実施の形態4.
図8は、スクリーン版1とワーク6との間の隙間にスキージの進行方向又はスクリーン版1に沿ってスキージの進行方向に高圧ガスを吹き付けることにより、印刷時にスクリーン版1とワーク6を離す方法である。
【0038】
スクリーン版1の下部にスクリーン版1とワーク6との間の隙間にスキージの進行方向又はスクリーン版1に沿ってスキージの進行方向に高圧ガスが流れるようにガス噴射ノズルを設置する。
【0039】
ワーク6とスクリーン版1を、望ましくは2ミリ以下で0.01ミリ以上に設定する。
【0040】
スクリーン版1にインク8を供給し、スキージ3を使用してワーク6上に印刷を行う。
【0041】
印刷時にスクリーン版1に向け大気圧よりガス圧の高い高圧ガスをガス噴射ノズルから吹き付けることによりワーク6からスクリーン版1を離していくことにより、スクリーン版1とワーク6との隙間が少なくても、スキージ3にて印刷時にスクリーン版1とワーク6が容易に離れながら印刷することが可能となる。
【0042】
実施の形態5.
図10は、実施の形態5のスクリーン印刷機テーブル部の上面図である。
図10において、300は、孔(供給孔の一例である。)、301は、スリットである。
図11は、図10の断面A−Aを表した図である。
その他の構成は、実施の形態1と同様である。
図10,11において、テーブル10は、図1における開口部121に加えて、さらに、上記テーブル10に配置されるワーク6の外側であって上記スキージ3の印刷進行方向に対し前方に、上記スキージ3の印刷進行方向に対し略直角方向に長い長穴状の開口部121(供給孔の一例である。)を有している。
上記スキージ3の印刷進行方向に対し前方と後方との2つの開口部121は、ワーク6側に傾けた角度で上記スクリーン製版100のスクリーン版1に向かって気体を供給する様に形成されている。すなわち、スクリーン版1とテーブル10との隙間に流し込むように斜めに気体を吹き出す様に形成されている。開口部121には、流量調整を可能にし、また、ワーク6側に傾けた角度で上記スクリーン製版100のスクリーン版1に向かって気体を供給するために開口部121上部の一部を塞ぐスリット301が設けられている。
また、孔300は、上記テーブル10に配置されるワーク6の外側であって上記スキージ3の印刷進行方向に対し両側に形成され、上記スクリーン製版100のスクリーン版1に向かって気体を供給する。
孔300は、両側に所定の間隔で複数設けられているが、片側だけであっても構わない。また、孔300は、スクリーン版1に向かって気体を上方向に供給する。
ここで、圧縮空気供給部122は、図3のように、一箇所であってもよいし、複数の供給孔ごとにあってもよい。
【0043】
以上のように、実施の形態5においては、さまざまな方向から気体を供給するため気体の供給孔を複数設けたことを特徴としている。
また、実施の形態1においては、開口部121がスクリーン版1に向かって気体を上方向に供給しているが、本実施の形態5における開口部121のようにスクリーン版1とテーブル10との隙間に流し込むように斜めに気体を吹き出す様に形成するとなおよい。
【0044】
以上のように、実施の形態5における上記スクリーン印刷機は、スキージ3を用いてワーク6を印刷するスクリーン印刷機であって、
上記供給孔は、上記テーブル10に配置されるワーク6の外側であって上記スキージ3の印刷進行方向に対し前方と後方との少なくとも一方に形成されたスクリーン印刷機である。
【0045】
また、実施の形態5におけるスクリーン印刷機は、スキージ3を用いてワーク6を印刷するスクリーン印刷機であって、
上記テーブル10は、上記テーブル10に配置されるワーク6の外側であって上記スキージ3の印刷進行方向に対し前方と後方との内少なくとも一方に形成され、ワーク6側に傾けた角度で上記スクリーン製版100に向かって気体を供給する供給孔を有するスクリーン印刷機である。
【0046】
また、実施の形態5における上記供給孔は、さらに、上記テーブル10に配置されるワーク6の外側であって上記スキージ3の印刷進行方向に対し両側の内少なくとも一方に形成され、上記スクリーン製版100に向かって気体を供給する。
【0047】
実施の形態6.
図12は、実施の形態6のスクリーン印刷機テーブル部の上面図である。
図13は、図12の断面B−Bを表した図である。
図13において、320は、開口部である。
図12,13において、実施の形態5における前方と後方との開口部121がそれぞれ2つに分割されている。テーブル10の取付けボルトの間に開口部121を設けている。また、実施の形態5における孔300の代わりに、テーブル10は、上記スキージ3の印刷進行方向に対し両側の上記テーブル10の側面に形成され、上記スクリーン製版100とテーブル10とスクリーン受け部131とスポンジ142とで囲まれた空間に向かって気体を供給する開口部320を有している。すなわち、開口部320は、側面吹き出しをしている。
その他は、実施の形態5と同様である。
以上により、所定のテーブル10に対して、印刷面積を大きくとることができる。
【0048】
実施の形態7.
図14は、圧縮気体の循環フロー図である。
図14において、401は、フィルタ、402は、圧縮ガス発生源(圧縮気体生成部の一例である。)、403は、印刷部である。
実施の形態7は、上記略密封された上記スクリーン製版100と上記テーブル10との間の空間に供給された上記気体をフィルタ401に送り、異物の除去、すなわち、ろ過し、フィルタ401によりろ過された上記気体を圧縮ガス発生源402に送り、気体の圧力を高め、圧力を高められた上記気体を印刷部403にある圧縮空気供給部122に供給する循環システムである。
実施の形態1においては、圧縮気体を外部からドライエアまたは窒素を供給し、装置の略密封された空間に供給した圧縮気体をバルブ210により外部に開放し、使い捨てにすることを想定していた。
しかしながら、外部から導入した空気や新しい窒素を常に使用しているとインク8に含まれる揮発性の溶剤等の蒸発量が圧縮気体を用いないで印刷する場合と比較し多くなるおそれがある。
そこで、図14のように、供給する気体を装置内部で循環するように、循環システムを構成してもよい。
【0049】
図15は、実施の形態7の配管系統図である。
図15において、501は、ポンプ(圧縮気体生成部の一例である。)、502は、バルブ、503は、バルブである。401は、図14と同様フィルタである。その他の構成は、図5と同様である。
本実施の形態7では、ポンプ501を用いているがブロアでもよい。
当初、バルブ503は開放され、バルブ502は閉じている。レギュレータ200は、圧縮空気供給部122に供給される気体の圧力を調整する。一旦気体が供給されると、バルブ503は閉じ、バルブ502が開放する。バルブ210は、印刷後、上記略密封された上記スクリーン製版100と上記テーブル10との間の空間に供給された上記気体により上昇した圧力を開放する。
開放された気体は、フィルタ401でろ過された後、ポンプ501で圧縮され、バルブ502を経由してレギュレータ200に戻ることにより、一度使用された気体が循環し、再利用される。
【0050】
本実施の形態7では、インク8に含まれる揮発性の溶剤等の蒸発量を抑えるために、循環方式を用いているが、循環方式以外でも、もともとインク8に使用している溶剤を含んだ気体を使用してもよい。
【0051】
以上のように、本実施の形態7におけるスクリーン印刷機は、圧縮気体生成供給部220を備え、
上記圧縮気体生成供給部220は、
上記略密封された上記スクリーン製版100と上記テーブル10との間の空間に供給された上記気体をろ過するフィルタ401と、
上記フィルタ401によりろ過された上記気体の圧力を高め、圧力を高められた上記気体を上記供給口に供給する圧縮気体生成部と、
を有するスクリーン印刷機である。
【0052】
また、本実施の形態7における上記スクリーン印刷機は、溶剤を含んだインクを用いてスクリーン印刷をおこなうスクリーン印刷機であって、
上記気体は、上記溶剤を含んだ気体であるスクリーン印刷機である。
【0053】
以上の実施の形態1〜7で述べたスクリーン印刷機を要約すると以下の通りである。
本発明の実施の形態のスクリーン印刷機は、
スクリーン製版を用いてスクリーン印刷をおこなうスクリーン印刷機であって、
上記スクリーン製版に対向して配置するテーブルと、
上記スクリーン製版と上記テーブルとの間の空間を略密封するスクリーン密封部と
を備え、
上記スクリーン密封部は、上記スクリーン製版に対して配置されたスクリーン受け部と
上記テーブルに対して配置された密封補助部と
を有することを特徴とする。
【0054】
また、上記スクリーン印刷機は、さらに、弾性体を備え、
上記密封補助部は、上記テーブルと摺動自在に配置され、上記テーブルにより上記弾性体を介して上記スクリーン受け部に押圧されることを特徴とする。
【0055】
また、上記スクリーン密封部は、さらに、パッキン材を有し、
上記スクリーン受け部は、環状に形成された凸部を有し、上記凸部が上記パッキン材を介して上記密封補助部に押圧されることを特徴とする。
【0056】
本発明の実施の形態のスクリーン印刷機は、
スクリーン製版とスキージとを用いてテーブルに配置されたワークを印刷し、上記スクリーン製版と上記テーブルとの間の空間に対し、対向して配置されたテーブルとは反対側に有する雰囲気の圧力よりも高い圧力の気体を供給するスクリーン印刷機であって、
上記テーブルに配置され、上記スクリーン製版に向かって気体を供給し、上記テーブルに配置されるワークの外側であって上記スキージの印刷進行方向に対し前方と後方との内少なくとも一方に形成され、上記テーブルのテーブル面に、上記スキージの印刷進行方向に対し略直角方向に長い長穴状の開口部を有することを特徴とする。
【0057】
また、上記スクリーン印刷機は、さらに、上記気体の圧力を調整するレギュレータと、
上記スクリーン製版と上記テーブルとの間の空間に供給された上記気体により上昇した圧力を開放する開放弁と
を有することを特徴とする。
【0058】
また、上記スクリーン印刷機は、スキージを用いてワークを印刷するスクリーン印刷機であって、
上記テーブルは、上記テーブルに配置されるワークの外側であって上記スキージの印刷進行方向に対し前方と後方との内少なくとも一方に形成され、ワーク側に傾けた角度で上記スクリーン製版に向かって気体を供給する供給孔を有することを特徴とする。
【0059】
また、上記供給孔は、さらに、上記テーブルに配置されるワークの外側であって上記スキージの印刷進行方向に対し両側の内少なくとも一方に形成され、上記スクリーン製版に向かって気体を供給することを特徴とする。
【0060】
また、上記スクリーン印刷機は、さらに、
上記略密封された上記スクリーン製版と上記テーブルとの間の空間に供給された上記気体をろ過するフィルタと、
上記フィルタによりろ過された上記気体の圧力を高め、圧力を高められた上記気体を上記供給口に供給する圧縮気体生成部と、
を備えたことを特徴とする。
【0061】
また、上記スクリーン印刷機は、溶剤を含んだインクを用いてスクリーン印刷をおこなうスクリーン印刷機であって、
上記気体は、上記溶剤を含んだ気体であることを特徴とする。
【0062】
また、上記スクリーン印刷機は、さらに、上記スクリーン製版と上記テーブルと上記スクリーン密封部とにより略密封された空間に気体を供給する供給孔を備えたことを特徴とする。
【0063】
実施例.
20インチのプラズマディスプレイ背面板に銀ペーストを使用し、アドレス電極形成を行う。
【0064】
スクリーン版1とガラス基板との隙間は0.5ミリで設定し、スクリーン枠と基板を吸着するテーブルとの隙間に圧力保持枠を設け、スクリーン枠の下部に高圧ガス供給管より0.1MPaの圧力の高圧エアーを導入する。
【0065】
スクリーン版1のサイズは、印刷パターンサイズより約80ミリ大きく設定した。
【0066】
ナミックス(株)製の銀ペースを使用し、ステンレス320メッシュにて印刷を行う。
【0067】
従来3〜5ミリの隙間をあけて印刷していたが0.5ミリの隙間でも問題なく、ガラス基板とスクリーン版1を離しながら印刷することができた。
【0068】
以上のように、スクリーン版1とワーク6との間のガス圧をスクリーン版1のスキージ印刷面側のガス圧と比較し、高くすることによりスクリーンメッシュがワーク6と反対方向にふくらもうとする力が働き、スクリーン版1を用いてスキージによりワーク6に印刷時にガス圧の差圧によりワーク6からスクリーン版1を離していくことにより、スクリーンメッシュと基板との隙間を従来より少なくして印刷することが可能となる。
【0069】
スクリーン版1とワーク6との間のガス圧をスクリーン版1のスキージ印刷面側のガス圧と比較し高くする方法としては、スクリーン版1とワーク6の間をスクリーン版1の開口部以外を外部と密閉し、スクリーン版1とワーク6の間に大気圧よりガス圧の高い高圧ガスを導入することにより、スクリーン版1とワーク6の間を大気と比較し高くするか、スキージの移動部及びスキージ印刷面側のスクリーン版1の開口部以外を外部と密閉し、プロアー又は真空ポンプ等によりスクリーン版1のスキージ印刷面側のガス圧を大気と比較し負圧にすることにより行う。
【0070】
また、高圧ガスにてスクリーン印刷時にワーク6からスクリーン版1を離していく方法として、スクリーン版1とワーク6との間の隙間にスキージの進行方向又はスクリーン版1に沿ってスキージの進行方向に高圧ガスが流れるようにスクリーン版1に向け大気圧よりガス圧の高い高圧ガスを吹き付けてもよい。
【0071】
スクリーン版1とワーク6との隙間は2ミリ以下で、0.01ミリ以上に設定するのが好ましい。
【0072】
以上のように、各実施の形態においては、印刷の前から気体を供給するか、または、スクリーン版1のスキージ3接触側の圧力に対してスクリーン版1とワーク6との間の圧力を負圧にすることにより、印刷前と印刷時と印刷後との一連の動作の中で、スキージ3により押圧されている一定部分以外のスクリーン版1とワーク6との間を小さい隙間で維持しながら印刷することができる。
【0073】
また、上記各実施の形態においては、テーブル10又はスクリーン枠5から気体を供給する例が示されているがこれに限るものではない。スクリーン版1とワーク6との間の略密閉空間に気体を供給するものであればどこから気体を供給しても構わない。例えば、スクリーン受け部131、密封補助部132、スポンジ141,142からであってもよい。
【0074】
以上のように、各実施の形態におけるスクリーン印刷機は、上記スクリーン製版100と上記テーブル10と上記スクリーン密封部とにより略密封された空間に気体を供給する供給孔を備えたことを特徴とするスクリーン印刷機である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】実施の形態1のスクリーン印刷機テーブル部の上面図である。
【図2】実施の形態1のスクリーン印刷機テーブル部の断面図である。
【図3】実施の形態1のスクリーン印刷機テーブル部の断面図である。
【図4】スクリーン密封部を省略した実施の形態1の印刷時の状態を表した図である。
【図5】圧縮気体の配管系統図である。
【図6】スクリーン版下部を大気圧に対して高いガス圧で印刷を行う説明図。
【図7】スクリーン版上部を大気圧に対して低いガス圧で印刷を行う説明図。
【図8】スクリーン版にエアーを吹き付け印刷を行う説明図。
【図9】従来のスクリーン印刷の説明図。
【図10】実施の形態5のスクリーン印刷機テーブル部の上面図である。
【図11】図10の断面A−Aを表した図である。
【図12】実施の形態6のスクリーン印刷機テーブル部の上面図である。
【図13】図12の断面B−Bを表した図である。
【図14】圧縮気体の循環フロー図である。
【図15】実施の形態7の配管系統図である。
【符号の説明】
【0076】
1 スクリーン版、3 スキージ、5 スクリーン枠、6 ワーク、8 インク、10 テーブル、11 ばねサポート、12 圧力保持枠、100 スクリーン製版、121 開口部、122 圧縮空気供給部、123 吸引口、131 スクリーン受け部、132 密封補助部、133 凸部、141,142 スポンジ、150 ばね材、200 レギュレータ、210 バルブ、220 圧縮気体生成供給部、300 孔、301 スリット、320 開口部、401 フィルタ、402 圧縮ガス発生源、403 印刷部、501 ポンプ、502 バルブ、503 バルブ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板への電気配線の印刷やエッチングにおけるレジストの印刷等に使用されるスクリーン印刷機に係り、より詳細にはスクリーンメッシュとワークとの間のガス圧をスクリーンメッシュのスキージ印刷面側のガス圧と比較し、高くすることを特徴とするスクリーン印刷方法に使用するスクリーン印刷機に関する。
【背景技術】
【0002】
図9は、従来技術を示した図である。
図9において、1は、スクリーン版、3は、スキージ、5は、スクリーン枠、6は、ワーク、8は、インク、10は、テーブルである。
従来のスクリーン印刷では、図9のように、スクリーン版1と印刷するワーク6との間に通常2〜6ミリの隙間をあけ、スクリーン版1にインク8を供給後、スキージ3にてスクリーン版1を下方向に押さえスクリーン版1を伸ばしながら、加工基板であるワーク6とスクリーン版1を密着させるようにして、スキージを手前に移動させ、スクリーン版1の張力により加工基板であるワーク6からスクリーン版1を離すようにして、加工基板であるワーク6に印刷を行っていた。
【0003】
従来のスクリーン版1とワーク6との間に2〜6ミリの隙間をあけて印刷する方法では、スクリーン版1を伸ばして印刷するため、印刷精度が悪い問題と、スクリーン版1を伸ばして印刷するため、スクリーン版1を大きく作る必要があり、スクリーン版1のコストが上がる問題と、スクリーン版1を伸ばして印刷するためスクリーン版1の寿命が短くなる問題があった。
【特許文献1】特開2003−89190号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、印刷精度を高くすることを目的とする。
また、従来の加工パターンに比較し、スクリーン版を小さく製作でき、スクリーン版のコストを抑えることを目的とする。
また、スクリーン版の寿命を長くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係るスクリーン印刷機は、スクリーン製版とスキージとを用いてスクリーン印刷をおこなうスクリーン印刷機であって、
上記スクリーン製版に対向して配置するテーブルと、
上記スクリーン製版と上記テーブルとの間の空間を略密封するスクリーン密封部と、
上記スクリーン製版と上記テーブルとの間の略密封された空間に対し、スクリーン製版のスキージ印刷面側の雰囲気の圧力よりも高い圧力の気体を供給する気体供給手段と
を備えたことを特徴とする。
【0006】
上記気体供給手段は、上記スクリーン製版に向かって気体を供給し、上記テーブルに配置されるワークの外側であって上記スキージの印刷進行方向に対し前方と後方との内少なくとも一方のテーブル面に形成され、上記スキージの印刷進行方向に対し略直角方向に長い長穴状の開口部を有することを特徴とする。
【0007】
上記スクリーン密封部は、上記スクリーン製版に対して配置されたスクリーン受け部と、
上記テーブルに対して配置された密封補助部と
を有することを特徴とする。
【0008】
上記スクリーン印刷機は、さらに、弾性体を備え、
上記密封補助部は、上記テーブルと摺動自在に配置され、上記テーブルにより上記弾性体を介して上記スクリーン受け部に押圧されることを特徴とする。
【0009】
上記スクリーン密封部は、さらに、パッキン材を有し、
上記スクリーン受け部は、環状に形成された凸部を有し、上記凸部が上記パッキン材を介して上記密封補助部に押圧されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
スクリーン印刷において、スクリーン版1とワーク6との間のガス圧をスクリーン版1のスキージ印刷面側のガス圧と比較し高くすることにより、スクリーン版1を用いてスキージによりワーク6に印刷時にガス圧の差圧によりワーク6からスクリーン版1を離していくことにより、スクリーンメッシュと基板との隙間を従来より少なくして印刷することが可能となり、スクリーンの版の寿命が向上し、印刷精度が向上した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1のスクリーン印刷機テーブル部の上面図である。
図1において、10は、テーブル、121は、供給孔の一例である開口部、123は、吸引口である。開口部121は、テーブル10のテーブル面に、印刷進行方向に対し略直角方向に長い長穴状に形成されている。吸引口123は、被印刷物を吸引することによりテーブルに配置し固定する。開口部121は、吸引口123が被印刷物を吸引することによりテーブルに固定した際に、被印刷物に接しない位置に形成される。長穴状に形成されている開口部121は、ワーク6の上面4辺のうち印刷進行方向に対し手前側の辺の長さと同等またはそれより長い開口部に形成される。すなわち、開口部121は、印刷進行方向に向かって、上記テーブルに配置されるワークの幅以上の幅を少なくとも有する。後述するように、開口部121は、スクリーン製版100に向かって気体を供給する。
【0012】
図2は、実施の形態1のスクリーン印刷機テーブル部の断面図である。
図2において、1は、スクリーン版、5は、スクリーン枠、11は、ばねサポート、100は、スクリーン製版、131は、スクリーン受け部、132は、密封補助部、133は、凸部、141は、第1のパッキン材の一例であるスポンジ、142は、第2のパッキン材の一例であるスポンジ、150は、弾性体の一例であるばね材である。スクリーン製版100は、スクリーン版1とスクリーン枠5とを備えている。また、スクリーン密封部は、スクリーン受け部131と密封補助部132とを備えている。スクリーン受け部131は、凸部133を備えている。テーブル10は、図1と同様である。
図2において、テーブル10は、スクリーン製版100に対向して配置される。テーブル10は、略四角柱の形状をしており、テーブル10の側面には、密封補助部132がすきまばめに保持されている。すなわち、密封補助部132は、テーブル10と摺動自在に配置される。密封補助部132は、テーブル10に合わせ略四角の枠状に形成され、密封補助部132は、下面をテーブル10に数本のボルトで固定されたばねサポート11により複数のばね材150を介してテーブル10の側面に保持されている。密封補助部132は、上面を密封補助部132の上面の形状に合わせて略四角の枠状に形成されたスポンジ142を介してスクリーン受け部131により押圧され、保持されている。スクリーン受け部131は、印刷機体に固定されている。スクリーン受け部131の一部である凸部133は、密封補助部132の枠から内側にも外側にもはみ出さないように、略四角の枠状に形成されている。凸部133は、環状に形成され、スポンジ142を押圧するように下向きに凸に形成されている。下向きに凸に形成することにより広い平面でスポンジ142を押圧するよりも押圧面積を小さくし、広い平面でスポンジ142を押圧するよりもある一定の押す力に対する圧力を高めている。密封補助部132は、ばね材150の反発力により、ばねサポート11とスポンジ142を介した凸部133とに狭持され、凸部133を押圧している。すなわち、密封補助部132は、テーブル10により弾性体を介して上記スクリーン受け部131に押圧される。また、反対に、上記凸部がスポンジ142を介して上記密封補助部132に押圧される。テーブル10は、被印刷物の寸法に合わせて上下に位置調整のため移動するが、テーブル10が移動しても密封補助部132が凸部133を押圧するように、テーブル10の移動量より大きい伸縮量を有するばね材150を用いる。
したがって、凸部133と密封補助部132との間は、テーブル10が移動しても密封(シール)されている。
スクリーン受け部131の上面は、スポンジ141を挟んでスポンジ141を押圧するようにスクリーン製版100のスクリーン枠5に固定されている。スポンジ141は、スクリーン受け部131とスクリーン枠5とが接触する形状に合わせて略四角の枠状に形成されている。
したがって、スクリーン受け部131とスクリーン枠5と間は、密封(シール)されている。
したがって、スクリーン密封部は、スクリーン製版100と上記テーブル10との間の空間を略密封する。
【0013】
図3は、実施の形態1のスクリーン印刷機テーブル部の断面図である。
図3において、122は、供給孔の一例である圧縮空気供給部である。図3は、図2に図示されていない図2においても有する圧縮空気供給部122を示している。テーブル10は、図1,2と同様である。スクリーン製版100は、図2と同様である。圧縮空気供給部122は、テーブル10下部に設けられ、図1におけるテーブル10上面の開口部121に通じていて、スクリーン製版100に向かって気体を供給する。
【0014】
図4は、スクリーン密封部を省略した実施の形態1の印刷時の状態を表した図である。
図4において、3は、スキージ、8は、インク、6は、ワークである。開口部121は、図1と同様である。スクリーン版1、スクリーン版5、スクリーン製版100は、図2と同様である。圧縮空気供給部122は、図3と同様である。テーブル10は、図1、図2及び図3と同様である。
図4において、スキージ3がワーク6を押圧しながらインク8をワーク6に押出すように移動することによりワーク6は印刷される。すなわち、上記スキージ3の印刷進行方向は、図1の説明における印刷進行方向と同じである。
図4において、図1の説明でも述べたように、開口部121は、吸引口123が被印刷物であるワーク6を吸引することによりテーブルに固定した際に、ワーク6に接しない位置すなわちテーブル10に配置されるワーク6の外側であって上記スキージ3の印刷進行方向に対し後方に形成される。開口部121は、圧縮空気供給部122により供給された気体をスクリーン製版100に向かって供給する。供給された気体によりスクリーン版1下部の雰囲気圧力がスクリーン版1上部の雰囲気圧力よりも高くなれば、すなわち、スクリーン製版100に対し、対向して配置されたテーブルとは反対側に有する雰囲気の圧力よりも高い圧力であれば、スクリーン版1とワーク6との隙間が少なくてもスキージ3にて印刷時にスクリーン版1とワーク6が容易に離れながら印刷することが可能となる。
ここで、供給する気体は、空気と窒素とのいずれかであることが望ましい。空気は、ワーク6を汚染しないためにもクリーンエアであるとなおよい。ワーク6を汚染しないためにも不活性ガスである窒素と同様に、アルゴン等でもよい。
【0015】
図5は、圧縮気体の配管系統図である。
図5において、200は、レギュレータ、210は、開放弁の一例であるバルブ、220は、圧縮気体生成供給部である。圧縮空気供給部122は、図3、図4と同様である。圧縮気体生成供給部220は、レギュレータ200とバルブ210とを備えている。
図5において、レギュレータ200は、供給された気体の圧力を調整する。バルブ210は、印刷後、上記略密封された上記スクリーン製版100と上記テーブル10との間の空間に供給された上記気体により上昇した圧力を開放する。
圧縮気体生成供給部220は、上記スクリーン製版100に対し、対向して配置されたテーブル10とは反対側に有する雰囲気の圧力よりも高い圧力の気体を圧縮空気供給部122に供給する。
【0016】
以上のように、本実施の形態1におけるスクリーン印刷機は、スクリーン製版を用いてスクリーン印刷をおこなうスクリーン印刷機であって、
上記スクリーン製版100に対向して配置するテーブル10と、
上記スクリーン製版100と上記テーブル10との間の空間を略密封するスクリーン密封部と
を備えたスクリーン印刷機である。
【0017】
また、本実施の形態1におけるスクリーン印刷機は、
上記スクリーン密封部は、第1と第2のパッキン材を有し、さらに、上記スクリーン密封部は、
上記スクリーン製版100に対し上記第1のパッキン材を介して配置されたスクリーン受け部131と
上記スクリーン受け部131に対し上記第2のパッキン材を介して配置された密封補助部132と
を有するスクリーン印刷機である。
【0018】
また、本実施の形態1におけるスクリーン印刷機は、さらに、弾性体を備え、
上記密封補助部132は、上記テーブル10と摺動自在に配置され、上記テーブル10により上記弾性体を介して上記スクリーン受け部131に押圧されるスクリーン印刷機である。
【0019】
また、本実施の形態1における上記スクリーン受け部131は、環状に形成された凸部133を有し、上記凸部133が第2のパッキン材を介して上記密封補助部132に押圧される。
【0020】
また、本実施の形態1における上記弾性体は、ばね材である。
【0021】
また、本実施の形態1における上記テーブル10は、上記スクリーン製版100に向かって気体を供給する供給孔を有する。
【0022】
また、本実施の形態1における上記スクリーン印刷機は、スキージ3を用いてワーク6を印刷するスクリーン印刷機であって、
上記供給孔は、上記テーブル10に配置されるワーク6の外側であって上記スキージ3の印刷進行方向に対し前方と後方との少なくとも一方に形成されたスクリーン印刷機である。
【0023】
また、本実施の形態1における上記供給孔は、上記テーブル10のテーブル10面に、上記スキージ3の印刷進行方向に対し略直角方向に長い長穴状の開口部320を有する。
【0024】
また、本実施の形態1における上記開口部320は、上記スキージ3の印刷進行方向に向かって、上記テーブル10に配置されるワーク6の幅以上の幅を有する開口部320である。
【0025】
また、本実施の形態1における上記気体は、空気と窒素とのいずれかである。
【0026】
また、本実施の形態1における上記スクリーン印刷機は、さらに、圧縮気体生成供給部を備え、
上記圧縮気体生成供給部は、上記スクリーン製版100に対し、対向して配置されたテーブル10とは反対側に有する雰囲気の圧力よりも高い圧力の気体を供給するスクリーン印刷機である。
【0027】
また、本実施の形態1における上記圧縮気体生成供給部は、上記気体の圧力を調整するレギュレータ200と、
上記略密封された上記スクリーン製版100と上記テーブル10との間の空間に供給された上記気体により上昇した圧力を開放する開放弁と
を有する。
【0028】
実施の形態2.
図6は、スクリーン版下部を大気圧に対して高いガス圧で印刷を行う説明図である。
図6において、1は、スクリーン版、3は、スキージ、5は、スクリーン枠、6は、ワーク、10は、テーブル、12は、圧力保持枠、13,15は、高圧ガス供給管である。図6におけるスクリーン印刷方法は、スクリーン版1とワーク6の間に大気圧よりガス圧の高い高圧ガスを導入することによりスクリーン版1とワーク6との間のガス圧をスクリーン版1のスキージ3側のガス圧と比較し高くして印刷するスクリーン印刷方法であって、スクリーン版1のスクリーン枠5とテーブル10との間に圧力保持枠12を設け、圧力保持枠12によりスクリーン版1とテーブル10との間をスクリーン版1の開口部以外を密閉し、高圧ガス供給管15から大気圧より圧力が高い高圧ガスを導入して、スクリーン版1とワーク6との間が大気圧と比較し、高圧になるようにするスクリーン印刷方法である。
【0029】
ワーク6とスクリーン版1を、望ましくは2ミリ以下で0.01ミリ以上に設定する。
【0030】
スクリーン版1にインク8を供給し、スキージ3を使用してワーク6上に印刷を行う。
【0031】
スクリーン版1は、大気圧との差圧により印刷時に常にワーク6と反対側にふくらもうとする力が働いており、スクリーン版1とワーク6との隙間が少なくてもスキージ3にて印刷時にスクリーン版1とワーク6が容易に離れながら印刷することが可能となる。
【0032】
実施の形態3.
図7は、スクリーン版上部を大気圧に対して低いガス圧で印刷を行う説明図である。
図7において、スクリーン版1のスキージ3側のガス圧を大気と比較し負圧にすることによりスクリーン版1とワーク6との間のガス圧をスクリーン版1のスキージ3側のガス圧と比較し高くして印刷する方法であり、スクリーン版1のワーク6と反対側に大気圧と比較し、ガス圧を低く保持するための圧力保持ケース20を設置する。
【0033】
圧力保持ケース20内は、プロアー又は真空ポンプ等により吸引管16より吸引され、大気圧と比較しガス圧を低く設定する。
【0034】
ワーク6とスクリーン版1を、望ましくは2ミリ以下で0.01ミリ以上に設定する。
【0035】
スクリーン版1にインク8を供給し、スキージ3を使用してワーク6上に印刷を行う。
【0036】
スクリーン版1は、大気圧との差圧により印刷時に常にワーク6と反対側にふくらもうとする力が働いており、スクリーン版1とワーク6との隙間が少なくても、スキージ3にて印刷時にスクリーン版1とワーク6が容易に離れながら印刷することが可能となる。
【0037】
実施の形態4.
図8は、スクリーン版1とワーク6との間の隙間にスキージの進行方向又はスクリーン版1に沿ってスキージの進行方向に高圧ガスを吹き付けることにより、印刷時にスクリーン版1とワーク6を離す方法である。
【0038】
スクリーン版1の下部にスクリーン版1とワーク6との間の隙間にスキージの進行方向又はスクリーン版1に沿ってスキージの進行方向に高圧ガスが流れるようにガス噴射ノズルを設置する。
【0039】
ワーク6とスクリーン版1を、望ましくは2ミリ以下で0.01ミリ以上に設定する。
【0040】
スクリーン版1にインク8を供給し、スキージ3を使用してワーク6上に印刷を行う。
【0041】
印刷時にスクリーン版1に向け大気圧よりガス圧の高い高圧ガスをガス噴射ノズルから吹き付けることによりワーク6からスクリーン版1を離していくことにより、スクリーン版1とワーク6との隙間が少なくても、スキージ3にて印刷時にスクリーン版1とワーク6が容易に離れながら印刷することが可能となる。
【0042】
実施の形態5.
図10は、実施の形態5のスクリーン印刷機テーブル部の上面図である。
図10において、300は、孔(供給孔の一例である。)、301は、スリットである。
図11は、図10の断面A−Aを表した図である。
その他の構成は、実施の形態1と同様である。
図10,11において、テーブル10は、図1における開口部121に加えて、さらに、上記テーブル10に配置されるワーク6の外側であって上記スキージ3の印刷進行方向に対し前方に、上記スキージ3の印刷進行方向に対し略直角方向に長い長穴状の開口部121(供給孔の一例である。)を有している。
上記スキージ3の印刷進行方向に対し前方と後方との2つの開口部121は、ワーク6側に傾けた角度で上記スクリーン製版100のスクリーン版1に向かって気体を供給する様に形成されている。すなわち、スクリーン版1とテーブル10との隙間に流し込むように斜めに気体を吹き出す様に形成されている。開口部121には、流量調整を可能にし、また、ワーク6側に傾けた角度で上記スクリーン製版100のスクリーン版1に向かって気体を供給するために開口部121上部の一部を塞ぐスリット301が設けられている。
また、孔300は、上記テーブル10に配置されるワーク6の外側であって上記スキージ3の印刷進行方向に対し両側に形成され、上記スクリーン製版100のスクリーン版1に向かって気体を供給する。
孔300は、両側に所定の間隔で複数設けられているが、片側だけであっても構わない。また、孔300は、スクリーン版1に向かって気体を上方向に供給する。
ここで、圧縮空気供給部122は、図3のように、一箇所であってもよいし、複数の供給孔ごとにあってもよい。
【0043】
以上のように、実施の形態5においては、さまざまな方向から気体を供給するため気体の供給孔を複数設けたことを特徴としている。
また、実施の形態1においては、開口部121がスクリーン版1に向かって気体を上方向に供給しているが、本実施の形態5における開口部121のようにスクリーン版1とテーブル10との隙間に流し込むように斜めに気体を吹き出す様に形成するとなおよい。
【0044】
以上のように、実施の形態5における上記スクリーン印刷機は、スキージ3を用いてワーク6を印刷するスクリーン印刷機であって、
上記供給孔は、上記テーブル10に配置されるワーク6の外側であって上記スキージ3の印刷進行方向に対し前方と後方との少なくとも一方に形成されたスクリーン印刷機である。
【0045】
また、実施の形態5におけるスクリーン印刷機は、スキージ3を用いてワーク6を印刷するスクリーン印刷機であって、
上記テーブル10は、上記テーブル10に配置されるワーク6の外側であって上記スキージ3の印刷進行方向に対し前方と後方との内少なくとも一方に形成され、ワーク6側に傾けた角度で上記スクリーン製版100に向かって気体を供給する供給孔を有するスクリーン印刷機である。
【0046】
また、実施の形態5における上記供給孔は、さらに、上記テーブル10に配置されるワーク6の外側であって上記スキージ3の印刷進行方向に対し両側の内少なくとも一方に形成され、上記スクリーン製版100に向かって気体を供給する。
【0047】
実施の形態6.
図12は、実施の形態6のスクリーン印刷機テーブル部の上面図である。
図13は、図12の断面B−Bを表した図である。
図13において、320は、開口部である。
図12,13において、実施の形態5における前方と後方との開口部121がそれぞれ2つに分割されている。テーブル10の取付けボルトの間に開口部121を設けている。また、実施の形態5における孔300の代わりに、テーブル10は、上記スキージ3の印刷進行方向に対し両側の上記テーブル10の側面に形成され、上記スクリーン製版100とテーブル10とスクリーン受け部131とスポンジ142とで囲まれた空間に向かって気体を供給する開口部320を有している。すなわち、開口部320は、側面吹き出しをしている。
その他は、実施の形態5と同様である。
以上により、所定のテーブル10に対して、印刷面積を大きくとることができる。
【0048】
実施の形態7.
図14は、圧縮気体の循環フロー図である。
図14において、401は、フィルタ、402は、圧縮ガス発生源(圧縮気体生成部の一例である。)、403は、印刷部である。
実施の形態7は、上記略密封された上記スクリーン製版100と上記テーブル10との間の空間に供給された上記気体をフィルタ401に送り、異物の除去、すなわち、ろ過し、フィルタ401によりろ過された上記気体を圧縮ガス発生源402に送り、気体の圧力を高め、圧力を高められた上記気体を印刷部403にある圧縮空気供給部122に供給する循環システムである。
実施の形態1においては、圧縮気体を外部からドライエアまたは窒素を供給し、装置の略密封された空間に供給した圧縮気体をバルブ210により外部に開放し、使い捨てにすることを想定していた。
しかしながら、外部から導入した空気や新しい窒素を常に使用しているとインク8に含まれる揮発性の溶剤等の蒸発量が圧縮気体を用いないで印刷する場合と比較し多くなるおそれがある。
そこで、図14のように、供給する気体を装置内部で循環するように、循環システムを構成してもよい。
【0049】
図15は、実施の形態7の配管系統図である。
図15において、501は、ポンプ(圧縮気体生成部の一例である。)、502は、バルブ、503は、バルブである。401は、図14と同様フィルタである。その他の構成は、図5と同様である。
本実施の形態7では、ポンプ501を用いているがブロアでもよい。
当初、バルブ503は開放され、バルブ502は閉じている。レギュレータ200は、圧縮空気供給部122に供給される気体の圧力を調整する。一旦気体が供給されると、バルブ503は閉じ、バルブ502が開放する。バルブ210は、印刷後、上記略密封された上記スクリーン製版100と上記テーブル10との間の空間に供給された上記気体により上昇した圧力を開放する。
開放された気体は、フィルタ401でろ過された後、ポンプ501で圧縮され、バルブ502を経由してレギュレータ200に戻ることにより、一度使用された気体が循環し、再利用される。
【0050】
本実施の形態7では、インク8に含まれる揮発性の溶剤等の蒸発量を抑えるために、循環方式を用いているが、循環方式以外でも、もともとインク8に使用している溶剤を含んだ気体を使用してもよい。
【0051】
以上のように、本実施の形態7におけるスクリーン印刷機は、圧縮気体生成供給部220を備え、
上記圧縮気体生成供給部220は、
上記略密封された上記スクリーン製版100と上記テーブル10との間の空間に供給された上記気体をろ過するフィルタ401と、
上記フィルタ401によりろ過された上記気体の圧力を高め、圧力を高められた上記気体を上記供給口に供給する圧縮気体生成部と、
を有するスクリーン印刷機である。
【0052】
また、本実施の形態7における上記スクリーン印刷機は、溶剤を含んだインクを用いてスクリーン印刷をおこなうスクリーン印刷機であって、
上記気体は、上記溶剤を含んだ気体であるスクリーン印刷機である。
【0053】
以上の実施の形態1〜7で述べたスクリーン印刷機を要約すると以下の通りである。
本発明の実施の形態のスクリーン印刷機は、
スクリーン製版を用いてスクリーン印刷をおこなうスクリーン印刷機であって、
上記スクリーン製版に対向して配置するテーブルと、
上記スクリーン製版と上記テーブルとの間の空間を略密封するスクリーン密封部と
を備え、
上記スクリーン密封部は、上記スクリーン製版に対して配置されたスクリーン受け部と
上記テーブルに対して配置された密封補助部と
を有することを特徴とする。
【0054】
また、上記スクリーン印刷機は、さらに、弾性体を備え、
上記密封補助部は、上記テーブルと摺動自在に配置され、上記テーブルにより上記弾性体を介して上記スクリーン受け部に押圧されることを特徴とする。
【0055】
また、上記スクリーン密封部は、さらに、パッキン材を有し、
上記スクリーン受け部は、環状に形成された凸部を有し、上記凸部が上記パッキン材を介して上記密封補助部に押圧されることを特徴とする。
【0056】
本発明の実施の形態のスクリーン印刷機は、
スクリーン製版とスキージとを用いてテーブルに配置されたワークを印刷し、上記スクリーン製版と上記テーブルとの間の空間に対し、対向して配置されたテーブルとは反対側に有する雰囲気の圧力よりも高い圧力の気体を供給するスクリーン印刷機であって、
上記テーブルに配置され、上記スクリーン製版に向かって気体を供給し、上記テーブルに配置されるワークの外側であって上記スキージの印刷進行方向に対し前方と後方との内少なくとも一方に形成され、上記テーブルのテーブル面に、上記スキージの印刷進行方向に対し略直角方向に長い長穴状の開口部を有することを特徴とする。
【0057】
また、上記スクリーン印刷機は、さらに、上記気体の圧力を調整するレギュレータと、
上記スクリーン製版と上記テーブルとの間の空間に供給された上記気体により上昇した圧力を開放する開放弁と
を有することを特徴とする。
【0058】
また、上記スクリーン印刷機は、スキージを用いてワークを印刷するスクリーン印刷機であって、
上記テーブルは、上記テーブルに配置されるワークの外側であって上記スキージの印刷進行方向に対し前方と後方との内少なくとも一方に形成され、ワーク側に傾けた角度で上記スクリーン製版に向かって気体を供給する供給孔を有することを特徴とする。
【0059】
また、上記供給孔は、さらに、上記テーブルに配置されるワークの外側であって上記スキージの印刷進行方向に対し両側の内少なくとも一方に形成され、上記スクリーン製版に向かって気体を供給することを特徴とする。
【0060】
また、上記スクリーン印刷機は、さらに、
上記略密封された上記スクリーン製版と上記テーブルとの間の空間に供給された上記気体をろ過するフィルタと、
上記フィルタによりろ過された上記気体の圧力を高め、圧力を高められた上記気体を上記供給口に供給する圧縮気体生成部と、
を備えたことを特徴とする。
【0061】
また、上記スクリーン印刷機は、溶剤を含んだインクを用いてスクリーン印刷をおこなうスクリーン印刷機であって、
上記気体は、上記溶剤を含んだ気体であることを特徴とする。
【0062】
また、上記スクリーン印刷機は、さらに、上記スクリーン製版と上記テーブルと上記スクリーン密封部とにより略密封された空間に気体を供給する供給孔を備えたことを特徴とする。
【0063】
実施例.
20インチのプラズマディスプレイ背面板に銀ペーストを使用し、アドレス電極形成を行う。
【0064】
スクリーン版1とガラス基板との隙間は0.5ミリで設定し、スクリーン枠と基板を吸着するテーブルとの隙間に圧力保持枠を設け、スクリーン枠の下部に高圧ガス供給管より0.1MPaの圧力の高圧エアーを導入する。
【0065】
スクリーン版1のサイズは、印刷パターンサイズより約80ミリ大きく設定した。
【0066】
ナミックス(株)製の銀ペースを使用し、ステンレス320メッシュにて印刷を行う。
【0067】
従来3〜5ミリの隙間をあけて印刷していたが0.5ミリの隙間でも問題なく、ガラス基板とスクリーン版1を離しながら印刷することができた。
【0068】
以上のように、スクリーン版1とワーク6との間のガス圧をスクリーン版1のスキージ印刷面側のガス圧と比較し、高くすることによりスクリーンメッシュがワーク6と反対方向にふくらもうとする力が働き、スクリーン版1を用いてスキージによりワーク6に印刷時にガス圧の差圧によりワーク6からスクリーン版1を離していくことにより、スクリーンメッシュと基板との隙間を従来より少なくして印刷することが可能となる。
【0069】
スクリーン版1とワーク6との間のガス圧をスクリーン版1のスキージ印刷面側のガス圧と比較し高くする方法としては、スクリーン版1とワーク6の間をスクリーン版1の開口部以外を外部と密閉し、スクリーン版1とワーク6の間に大気圧よりガス圧の高い高圧ガスを導入することにより、スクリーン版1とワーク6の間を大気と比較し高くするか、スキージの移動部及びスキージ印刷面側のスクリーン版1の開口部以外を外部と密閉し、プロアー又は真空ポンプ等によりスクリーン版1のスキージ印刷面側のガス圧を大気と比較し負圧にすることにより行う。
【0070】
また、高圧ガスにてスクリーン印刷時にワーク6からスクリーン版1を離していく方法として、スクリーン版1とワーク6との間の隙間にスキージの進行方向又はスクリーン版1に沿ってスキージの進行方向に高圧ガスが流れるようにスクリーン版1に向け大気圧よりガス圧の高い高圧ガスを吹き付けてもよい。
【0071】
スクリーン版1とワーク6との隙間は2ミリ以下で、0.01ミリ以上に設定するのが好ましい。
【0072】
以上のように、各実施の形態においては、印刷の前から気体を供給するか、または、スクリーン版1のスキージ3接触側の圧力に対してスクリーン版1とワーク6との間の圧力を負圧にすることにより、印刷前と印刷時と印刷後との一連の動作の中で、スキージ3により押圧されている一定部分以外のスクリーン版1とワーク6との間を小さい隙間で維持しながら印刷することができる。
【0073】
また、上記各実施の形態においては、テーブル10又はスクリーン枠5から気体を供給する例が示されているがこれに限るものではない。スクリーン版1とワーク6との間の略密閉空間に気体を供給するものであればどこから気体を供給しても構わない。例えば、スクリーン受け部131、密封補助部132、スポンジ141,142からであってもよい。
【0074】
以上のように、各実施の形態におけるスクリーン印刷機は、上記スクリーン製版100と上記テーブル10と上記スクリーン密封部とにより略密封された空間に気体を供給する供給孔を備えたことを特徴とするスクリーン印刷機である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】実施の形態1のスクリーン印刷機テーブル部の上面図である。
【図2】実施の形態1のスクリーン印刷機テーブル部の断面図である。
【図3】実施の形態1のスクリーン印刷機テーブル部の断面図である。
【図4】スクリーン密封部を省略した実施の形態1の印刷時の状態を表した図である。
【図5】圧縮気体の配管系統図である。
【図6】スクリーン版下部を大気圧に対して高いガス圧で印刷を行う説明図。
【図7】スクリーン版上部を大気圧に対して低いガス圧で印刷を行う説明図。
【図8】スクリーン版にエアーを吹き付け印刷を行う説明図。
【図9】従来のスクリーン印刷の説明図。
【図10】実施の形態5のスクリーン印刷機テーブル部の上面図である。
【図11】図10の断面A−Aを表した図である。
【図12】実施の形態6のスクリーン印刷機テーブル部の上面図である。
【図13】図12の断面B−Bを表した図である。
【図14】圧縮気体の循環フロー図である。
【図15】実施の形態7の配管系統図である。
【符号の説明】
【0076】
1 スクリーン版、3 スキージ、5 スクリーン枠、6 ワーク、8 インク、10 テーブル、11 ばねサポート、12 圧力保持枠、100 スクリーン製版、121 開口部、122 圧縮空気供給部、123 吸引口、131 スクリーン受け部、132 密封補助部、133 凸部、141,142 スポンジ、150 ばね材、200 レギュレータ、210 バルブ、220 圧縮気体生成供給部、300 孔、301 スリット、320 開口部、401 フィルタ、402 圧縮ガス発生源、403 印刷部、501 ポンプ、502 バルブ、503 バルブ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーン製版とスキージとを用いてスクリーン印刷をおこなうスクリーン印刷機であって、
上記スクリーン製版に対向して配置するテーブルと、
上記スクリーン製版と上記テーブルとの間の空間を略密封するスクリーン密封部と、
上記スクリーン製版と上記テーブルとの間の略密封された空間に対し、スクリーン製版のスキージ印刷面側の雰囲気の圧力よりも高い圧力の気体を供給する気体供給手段と
を備えたことを特徴とするスクリーン印刷機。
【請求項2】
上記気体供給手段は、上記スクリーン製版に向かって気体を供給し、上記テーブルに配置されるワークの外側であって上記スキージの印刷進行方向に対し前方と後方との内少なくとも一方のテーブル面に形成され、上記スキージの印刷進行方向に対し略直角方向に長い長穴状の開口部を有することを特徴とする請求項1記載のスクリーン印刷機。
【請求項3】
上記スクリーン密封部は、上記スクリーン製版に対して配置されたスクリーン受け部と、
上記テーブルに対して配置された密封補助部と
を有することを特徴とする請求項1記載のスクリーン印刷機。
【請求項4】
上記スクリーン印刷機は、さらに、弾性体を備え、
上記密封補助部は、上記テーブルと摺動自在に配置され、上記テーブルにより上記弾性体を介して上記スクリーン受け部に押圧されることを特徴とする請求項3記載のスクリーン印刷機。
【請求項5】
上記スクリーン密封部は、さらに、パッキン材を有し、
上記スクリーン受け部は、環状に形成された凸部を有し、上記凸部が上記パッキン材を介して上記密封補助部に押圧されることを特徴とする請求項3記載のスクリーン印刷機。
【請求項1】
スクリーン製版とスキージとを用いてスクリーン印刷をおこなうスクリーン印刷機であって、
上記スクリーン製版に対向して配置するテーブルと、
上記スクリーン製版と上記テーブルとの間の空間を略密封するスクリーン密封部と、
上記スクリーン製版と上記テーブルとの間の略密封された空間に対し、スクリーン製版のスキージ印刷面側の雰囲気の圧力よりも高い圧力の気体を供給する気体供給手段と
を備えたことを特徴とするスクリーン印刷機。
【請求項2】
上記気体供給手段は、上記スクリーン製版に向かって気体を供給し、上記テーブルに配置されるワークの外側であって上記スキージの印刷進行方向に対し前方と後方との内少なくとも一方のテーブル面に形成され、上記スキージの印刷進行方向に対し略直角方向に長い長穴状の開口部を有することを特徴とする請求項1記載のスクリーン印刷機。
【請求項3】
上記スクリーン密封部は、上記スクリーン製版に対して配置されたスクリーン受け部と、
上記テーブルに対して配置された密封補助部と
を有することを特徴とする請求項1記載のスクリーン印刷機。
【請求項4】
上記スクリーン印刷機は、さらに、弾性体を備え、
上記密封補助部は、上記テーブルと摺動自在に配置され、上記テーブルにより上記弾性体を介して上記スクリーン受け部に押圧されることを特徴とする請求項3記載のスクリーン印刷機。
【請求項5】
上記スクリーン密封部は、さらに、パッキン材を有し、
上記スクリーン受け部は、環状に形成された凸部を有し、上記凸部が上記パッキン材を介して上記密封補助部に押圧されることを特徴とする請求項3記載のスクリーン印刷機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−137201(P2006−137201A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−28906(P2006−28906)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【分割の表示】特願2002−4166(P2002−4166)の分割
【原出願日】平成14年1月11日(2002.1.11)
【出願人】(593039856)マイクロ・テック株式会社 (21)
【出願人】(500488993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【分割の表示】特願2002−4166(P2002−4166)の分割
【原出願日】平成14年1月11日(2002.1.11)
【出願人】(593039856)マイクロ・テック株式会社 (21)
【出願人】(500488993)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]