説明

スケッチ用バッグ

【課題】スケッチ板をバッグ上に所定の傾きで安定支持させ、スケッチを長時間に亘って疲労なく実施可能にする。
【解決手段】バッグ本体1内に設置されたフレーム2と、フレーム2に取り付けられて、バッグ本体1外の上方へ取り出し可能なスケッチ板3と、を備え、スケッチ板3の取り出し操作に続いて、スケッチ板3をフレーム2に対し水平または所定の傾きに保持可能な構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野外スケッチ等において使用するスケッチ板等のスケッチ用具を収納して持ち運ぶためのスケッチ用バッグに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、旅行やハイキング、あるいは登山等には、両手を荷物の運搬以外の目的に使用できるように、背負い形式のリュックサックが広く使用されている(例えば、特許文献1参照)。このリュックサックにあっては、これを背中に背負うことによって、収納物が重量であっても比較的長時間に亘る運搬が可能である。
【0003】
また、このリュックサックには、バックパネル面を平らに整形するために、アルミパイプなどからなるフレームを収納したものがある。これにより、リュックサックが背負い易くなりリュックサック全体の保形性を保つことができる。
【0004】
一方、屋外や旅先で風景をスケッチしようとする場合には、用紙やスケッチ帳の他に、絵の具、絵筆、パレット、筆洗い器、スポンジ等のスケッチ用具を用意し、これらのスケッチ用具をリュックサックに整理整頓して収納し、このリュックサックを背負って持ち運んでいる。
そして、旅先では、リュックサック内に収納された前記スケッチ用具を取り出し、スケッチ帳をリュックサックや膝の上に載せて、風景のスケッチを行っている。
【特許文献1】特開2002−191433号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、スケッチを行うときに、人の膝や容積が縮小したリュックサックの上にスケッチ帳等を平らにかつ安定に支持することが難しく、また描画姿勢が屈み込むようになるために疲労を招き、落ち着いて長時間のスケッチを行い難いなどの不都合があった。
【0006】
本発明は、前記のような従来の不都合を解消するためになされたものであり、バッグ内に収納されたスケッチ板をバッグ上方に所定の傾きで安定支持させることにより、スケッチを長時間に亘って疲労なく実施することができるスケッチ用バッグを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的達成のために、本発明にかかるスケッチ用バッグは、バッグ本体内に設置されたフレームと、該フレームに取り付けられて、前記バッグ本体の外へ取り出し可能なスケッチ板と、を備え、該スケッチ板の取り出し操作に続いて、該スケッチ板を前記フレームに対し水平または所定の傾きに保持可能にしたことを特徴とする。
【0008】
この構成により、バッグ本体内に折り畳まれてまたはフレームに対し分離されて収納されたスケッチ板を、バッグ本体上方へ引き上げるように取り出すことで、バッグ本体上にスケッチ板をスケッチに適する高さおよび傾きに保持することができる。これにより、スケッチ板上に用紙やスケッチ帳を平らにかつ安定に支持させて、快適に長時間のスケッチを継続することができる。
【0009】
また、本発明にかかるスケッチ用バッグは、前記フレームにステーの一端部が回動可能に枢支され、該ステーの他端部が前記スケッチ板を支持する支持部材の係止切欠に係止保持されることを特徴とする。
【0010】
この構成により、バッグ本体内に設置されたフレームに対しスケッチ板を引き上げるように取り出し、そのフレームに一端が枢支されたステーを回動させ、このステーの他端部を前記支持部材のいずれかの係止切欠に係止させることで、スケッチ板をバッグ上方の所定高さ位置に所定の傾きで支持することができる。これにより、スケッチ時における姿勢を適正化でき、疲労を最小限に抑えることができる。
【0011】
また、本発明にかかるスケッチ用バッグは、前記スケッチ板の一端に、該スケッチ板上に載置されるスケッチ帳または用紙の下端を支持するストッパ部材が連設されていることを特徴とする。
この構成により、用紙やスケッチ帳が傾斜したスケッチ板上で位置ずれしたり、スケッチ板上から落下したりするのを抑えることができる。
【0012】
また、本発明にかかるスケッチ用バッグは、前記スケッチ板の他端に、前記フレーム上端の水平部に嵌合可能なフック部材が取り付けられていることを特徴とする。
この構成により、スケッチ板がバッグ本体上の所定位置から移動しないように安定保持することができる。
【0013】
また、本発明にかかるスケッチ用バッグは、前記スケッチ板の他端に、該スケッチ板に対し摺動自在に取り付けられて、該スケッチ板上に載置されたスケッチ帳の上部を保持するスケッチ帳保持部材が設けられていることを特徴とする。
この構成により、スケッチ帳保持部材がスケッチ帳をスケッチ板上に安定的に保持でき、風を受けるなどして用紙が捲れるのを未然に回避することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、バッグ内に収納されたスケッチ板をバッグ外の上方に所定の傾きで安定支持させることができ、スケッチ作業を長時間に亘って疲労なく実施することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態によるスケッチ用バッグの開蓋時における斜視図、図2は、前記スケッチ用バッグにおけるフレームとスケッチ板の分解斜視図、図3は、スケッチ用バッグの前記フレームに対するスケッチ板の支持構造図、図1に示すフレームにスケッチ板を組み付けた状態の斜視図、図4は、スイッチ板の袋部からの取り出し手順を示す説明図、図5は、スケッチ板の使用状況を斜め下方から見た状態の斜視図、図6は、スケッチ板の使用状態におけるスケッチ用バッグの全体斜視図、図7は、フレームおよびスケッチ板の他の形態を示す斜視図、図8は、スケッチ板の他の支持構造を斜め下方から見た状態の斜視図、図9は、スケッチ板の他の支持構造の斜視図、図10は、フック部材の他の形態を斜め下方から見た状態の斜視図、図11は、フック部材の他の形態を斜め下方から見た状態の斜視図、図12は、フレームの他の形態の斜視図である。
【0016】
本発明の実施形態によるスケッチ用バッグは、バッグ本体1と、このバッグ本体1内に設置されたフレーム2と、このフレーム2に支持されたスケッチ板3と、から構成されている。
これらのうち、バッグ本体1は合成繊維等の織布などにより略箱形に形成された袋部1aと、この袋部1aの上端開口部を被う蓋1bとから構成されている。
【0017】
袋部1aおよび蓋部1bの各開口部には、互いにチャック4aの走行操作によって連結および開離される雄ファスナ4bおよび雌ファスナ4cが取り付けられている。また、このバッグ本体1の背面側には、長さ調節自在のショルダーベルト5が取り付けられている。
【0018】
一方、バッグ本体1内には、このバッグ本体1の背当て部1cと底部1dとに亘って連続する、全体としてリング状をなし、側方から見てL字状をなすフレーム2が設置されている。このフレーム2は、バッグ本体1の保形維持を図るとともに、これを自立可能にしている。
【0019】
前記フレーム2はアルミ合金などの金属製のパイプや棒などからなり、軽量ではあるが、容易に変形したり折れ曲がったりすることがない強度を持つ。なお、このフレーム2は、バッグ本体1内に常時は適当な保持手段により固定され、バッグ本体1の洗濯時などには、前記固定を解除することにより、容易にバッグ本体1外へ取り出し可能になっている。
【0020】
前記フレーム2の対向する一対の垂直部2a上部には、図2〜図5に示すように、水平方向に支持孔7がそれぞれ穿設されており、これらの支持孔7に全体としてコ字状に屈曲した形状のステー8の両端部8bが、回動可能に枢支されている。なお、ステー8の両端部8bは互いに向き合う方向にL字状に屈曲されている。このため、ステー8はフレーム2前方の上下180°の角度領域内で回動可能になっている。フレーム2下部の水平部2bは、垂直部2aをバッグ本体1内において垂直方向に安定的に起立保持している。
【0021】
一方、スケッチ板3は、例えば木製や合成樹脂製の厚板からなり、表面が円滑処理されている。このスケッチ板3は、バッグ本体1内に収納可能な四角形の所定サイズを有し、下面の両端部に一対の支持部材9が対称配置され、それぞれネジ等の止め具により固定されている。
【0022】
これらの支持部材9は、図上では、長方形の金属板を直角に折曲したものからなり、つまり断面がL字状をなし、各支持部材9に複数の(ここでは、2個ずつ)の係止切欠10が形成されている。これらの係止切欠10は、ステー8の水平部8aを係止保持するように機能し、その係止切欠10を選択することで、後述のようにスケッチ板3の傾きを任意に選択できるようになっている。
【0023】
また、スケッチ板3下面の両端部であって、前記支持部材9の設置部位を除く領域の前後には、所定間隔をおいて一対のガイドレール11が止め具を用いて固定されている。これらのガイドレール11には、スケッチ作業の領域を拡張するためのスライド補助板12が摺動自在に支持されている。
【0024】
さらに、スケッチ板3は、一端にL字状断面を持つストッパ部材13がネジなどの止め具により取り付けられ、他端に一対のU字状のフック部材14が止め具により取り付けられている。これらのうち、ストッパ部材13は、スケッチ板3上に載置されるスケッチ帳などがスケッチ板3の下方へ食み出したり、滑って位置ずれしたりしないように、上部がスケッチ板3の上面より僅か上方に突出している。なお、この突出量は、スケッチ帳へのスケッチの邪魔にならない大きさとし、かつ幅寸法も短めであることが望ましい。
【0025】
一方、各フック部材14は、フレーム2上部の水平部2cに対するスケッチ板3の安定支持のために、スケッチ板3の左右にそれぞれ対称配置されている。
さらに、スケッチ板3の上端部中央には、凹溝15aを持ったガイド部材15がネジなどの止め具により固定されている。このガイド部材15の凹溝15aには、先端に角形のフック部16aを有するスケッチ帳保持部材16が摺動操作可能に挿通されている。
【0026】
ガイド部材15の中央部には、ネジ孔19が設けられ、このネジ孔19に蝶ネジ20がねじ込まれている。この蝶ネジ20のねじ込み操作によって、前記凹所15a内を摺動するスケッチ帳保持部材16を、これの背面からスケッチ板3の裏面側に押し付けるようにして、位置を保持可能にしている。
【0027】
なお、スライド板12には、筆洗い用容器22や飲料水用コップなどを支承する容器支持孔22が設けられている。また、スケッチ板3の上面には、図5に示すように、スケッチ帳23が支承可能になっている。
【0028】
前記構成になるスケッチ用バッグは、以上のように構成されており、以下に、このスケッチ用バッグの使用方法を説明する。このスケッチ用バッグは、スケッチ板3の収納状態においては、雄ファスナ4bと雌ファスナ4cとがチャック4aによって連結され、バッグ本体1の袋部1aに対して蓋部1bが被せられ、かつ閉じられた状態になっている。
【0029】
次に、このバック本体1内からスケッチ板3を引き上げて使用する場合には、チャック4aを前記とは逆に操作して、雄ファスナ4bと雌ファスナ4cとを分離し、袋部1bを図1に示すように開放する。袋部1b内には、フレーム2の水平部2cに対してスケッチ板3のフック部材14が嵌合された状態で収納されており、スケッチ板3はフレーム2の垂直部に沿うように折り畳まれている。
【0030】
フレーム2は、下部にある水平部2bが袋部1a内の底部にあって、袋部1a内で図1に示すように自立している。なお、前記のように、フック部材14は、袋部1b内にあるとき、フレーム2の水平部2cに対し必ずしも嵌合させる必要はなく、互いに分離させた状態で、フレーム2の垂直部に別々に並ぶように垂直に設置されていてもよい。
このとき、支持孔7に枢支されたステー8の水平部8aは、支持部材9の前後いずれの係止切欠10にも係止されていない。
【0031】
次に、図1に示す状態にあるスケッチ板3を、図4中のA位置から上方に向かってB位置へ取り出す(引き上げる)。なお、フック部材14がフレーム2の水平部2cに嵌合されている場合には、この嵌合を解除した上で、前記引き上げを行う。
【0032】
この引き上げ操作によって、スケッチ板3が袋部1aの開口から上へ引き上げられ、その後、スケッチ板3を徐々に寝かすようにして、図4中のC位置へ案内する。そして、このC位置の状態にあるスケッチ板3のフック部材14を、フレーム2の水平部2cに嵌合し、さらにスケッチ板3を略水平状態となる位置に手で保持する。
【0033】
そこで、フレーム2の垂直部2aに両端8bが支持されたステー8の水平部8aを、スケッチ板3下部の各支持部材9に形成された係止切欠10のいずれか一組に係止させる。これにより、スケッチ板3はこのステー8を介してフレーム2に対し水平支持され、このスケッチ板3上にスケッチ帳23などを載せてスケッチを行うことができる。
【0034】
なお、係止切欠10は各指示部材に複数組(本実施形態では、2組)設けられるので、これらのいずれかの組の係止切欠10を選んでステー8の水平部8aを係止することで、スケッチ板3の傾きを、スケッチに適する姿勢に合わせることができ、疲労を最小限に抑えることができる。
【0035】
このようにして、スケッチ板3をフレーム2に対し略水平または適当な角度傾けて前記のようにステー8に支持させた後は、スケッチ板3下面に収納されているスライド板12を、図3または図5に示すように、ガイドレール11に沿って例えば右方へ引き出し、スイッチ作業の領域を拡張する。そして、このスライド板12の容器支持孔22に筆洗い容器21を底部分から挿入して支持させる。また、別途袋部1a内に収納された種々のスケッチ用具を袋部1a内から取り出す。
【0036】
そして、袋部1a内から取り出したスケッチ帳(絵手紙帳、絵手紙用紙等を含む)23をスケッチ板3の上に、図3および図5に示すように載置する。このとき、スケッチ帳23の下縁部をストッパ部材13の上面に当接することで、スケッチ帳23がスケッチ板3上から滑って手前に落下するのを防止することができる。
【0037】
次に、前記蝶ネジ20のネジ孔19へのねじ込みを緩めて、スケッチ帳保持部材16をガイド部材15の凹部15aに沿って前後方向に移動させ、そのスケッチ帳保持部材16端のフック部16aによりスケッチ帳23の上部を挟むように保持させた後、再び蝶ネジ20を締め付ける。これにより、スケッチ帳23がスケッチ板3上において後方へ位置ずれしなくなり、外的干渉により袋部1aが揺れたり、風を受けたりした場合に、スケッチ帳の用紙が捲れたり位置ずれしたりすることがなく、安心してスケッチを継続することができる。
【0038】
従って、このようなスケッチ用バッグを用いれば、スケッチ用具の旅先への運搬や携帯が容易になり、スケッチ開始までの作業を簡素化できる。また、安定したスケッチ姿勢で、長時間に亘るスケッチを疲労なく実施することができる。
【0039】
図7は、バッグ本体1内に設置されるフレームおよびこのフレームに支持されるスケッチ板3の他の実施形態を示す。ここでは、フレーム2Pが、図1〜図5に示した前記フレーム2と同様の上部の水平部2cに対し並列にコ字状の水平部2dを連設した形態をなす。この水平部2c、2dは同一高さとなっている。
【0040】
また、スケッチ板3Pには、裏面の前後2箇所にそれぞれ一定間隔をおいて一方に開放するクリップ部材24および上方に開放するホルダ部材25が取り付けられている。クリップ部材24およびホルダ部材25の間隔は、前記水平部2c、2dの間隔に等しい。
【0041】
そして、クリップ部材24をこれの開放部側からフレーム2Pの前記水平部2cに差し入れて嵌合するとともに、ホルダ部材25をこれの開放部側から水平部2dに差し入れるようにして嵌合させる。これにより、スケッチ板3Pはフレーム2P上に簡単に、しかも揺動することなく確実に固定することができる。
【0042】
なお、前記水平部2c、2dはフレーム2Pの垂直部2aに一体形成するほか、別部材を用いてネジ等の締結具を用いて連結するようにしてもよく、前記と同様の作用、効果が得られる。なお、別部材で水平部2dを形成する場合には、この水平部2dと垂直部2aとの間に水平部2dを支持する補強用のステー(図示省略)を介在することが望ましい。このステーの取り付けにはネジ止めなど、周知の手段を採用することができる。
【0043】
また、前記実施形態では、支持部材9をスケッチ板3の裏面に固定したものについて述ベたが、図8および図9に示すように、それぞれ回動型およびガイドレール型として、スケッチ板3の裏面に固定してもよい。図8の支持部材9Aは、一部9aが支軸26を中心として回動する蝶番構造をなす。従って、その一部9aを、支軸26を中心に他端部9bに対してL字状に立ち上げるように回動したとき、係止切欠10に対するステー8の前記係止が可能になる。また、その一部9aをスケッチ板3の下面に沿うように、鎖線で示すように倒したときは、スケッチ板3の袋部1a内への収納の邪魔になることを回避できる。
【0044】
また、図9の支持部材9Bは、これの長手方向に形成された長孔29の途中に、複数の係止切欠10を連設したものである。これによれば、ステー8の水平部8aは常にその長孔29内のいずれかの位置にあり、スケッチ板3を使用するときに、その長孔29内に水平部8aを案内することで、水平部8aをいずれかの係止切欠10に係止させることができる。この場合にも、前記同様に、スケッチ板3をフレーム2に対し所定の傾きで安定的に支持させることができる。
【0045】
また、図10および図11は、前記フック部材14の他の形態を示す。図10に示すフック部材14Aは、一部14aの前方向(横方向)に向かって開放する切欠14cを持つとともに、その一部14aが他部14bに対し、支軸30を中心に立ち上がるように回動可能な蝶番構造をなす。この構成では、フレーム2の水平部2cに対する係止時には、スケッチ板3を前方(矢印R方向)に引き込むなどの操作が必要である。
この場合にも、その一部14aをスケッチ板3の下面に沿うように、鎖線で示すように倒したときは、スケッチ板3の袋部1a内への収納の邪魔になることがない。
【0046】
図11のフック部材14Bは、図10に示した前記板状の一部14aに代えて、鋼棒などからなるフック棒27を用いたものである。このフック棒27のフック部27aに連続する直線部27bは、他部14bに形成された巻き筒部28内に回動自在に支持された構造である。フック部27aに対しては、スケッチ板3の前記同様の引き込み操作によって、前記フレーム2の水平部2cへの係止が可能になっている。
この場合にも、そのフック部27aをスケッチ板3の下面に沿うように倒したときは、スケッチ板3の袋部1a内への収納の邪魔になることがない。
【0047】
図12は、前記フレームの他の形態を示す斜視図である。この形態によるフレーム2は、垂直部2aが、下方垂直部2a1と、この下方垂直部2a1の筒状部内に両端が摺動自在に挿入された、前記水平部2cを持つコ字状部2a2と、に分割されている。そして、このコ字状部2a2の両端は下方垂直部2a1の筒状部内の所定位置に保持可能になっている。この保持は、単純な摩擦力によるほか、周知のネジ止めなどによりなされる。これにより、椅子の高さに応じて、下方垂直部2a1に対してコ字状部2a2を昇降(引き上げおよび押し下げ)することができ、従ってスケッチ板3の高さをスケッチ姿勢に適する高さに調節することができる。
【0048】
このように、本実施形態では、バッグ本体1内にフレーム2を設置し、フレーム2に前記バッグ本体の外へ取り出し可能なスケッチ板3を取り付け自在にし、スケッチ板3の取り出し操作に続いて、該スケッチ板3をフレーム2に対し水平または所定の傾きに保持可能にしたことにより、バッグ本体1外の上方へ引き上げたバッグ本体1上に、スケッチ板3をスケッチに適する高さおよび傾きに保持することができる。これにより、スケッチ板3上に用紙やスケッチ帳3を安定支持させて、快適に長時間のスケッチを続けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明のスケッチ用バッグは、バッグ内に収納されたスケッチ板をバッグ上に所定の傾きで安定支持させることにより、スケッチを長時間に亘って疲労なく実施することができるという効果を有し、野外スケッチ等において使用するスケッチ用具、主にスケッチ板を収納するスケッチ用バッグ等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】 本発明の実施形態によるスケッチ用バッグの開蓋状態を示す斜視図である。
【図2】 図1におけるバッグ本体内のスケッチ板を分解して示す斜視図である。
【図3】 図1に示すフレームにスケッチ板を組み付けた状態の斜視図である。
【図4】 図3に示すスケッチ板の組み付け手順を示す説明図である。
【図5】 図3における示すフレームおよびスケッチ板を、斜め下方から見た状態の斜視図である。
【図6】 本発明の実施形態によるスケッチ用バッグの使用例を示す斜視図である。
【図7】 本発明の実施形態におけるフレームおよびスケッチ板の他の例を示す説明図である。
【図8】 本発明の実施形態における支持部材の他の例を示す斜視図である。
【図9】 本発明の実施形態におけるフック部材の他の例を示す斜視図である。
【図10】 本発明の実施形態におけるフック部材の他の例を示す斜視図である。
【図11】 本発明の実施形態における支持部材の他の例を示す斜視図である。
【図12】 本発明の実施形態におけるフレームの他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
1 バッグ本体
2 フレーム
2c 水平部
3 スケッチ板
8 ステー
9、9A、9B 支持部材
10 係止切欠
13 ストッパ部材
14、14A、14B フック部材
16 スケッチ帳保持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッグ本体内に設置されたフレームと、
前記バッグ本体外へ取り出し可能に当該バッグ本体内に収納され、該バッグ本体外に取り出された状態において前記フレームに対し係合支持可能なスケッチ板と、を備え、
前記スケッチ板の前記フレームに対する係合支持が、水平または所定の傾きにてなされることを特徴とするスケッチ用バッグ。
【請求項2】
前記フレームにはステーの一端部が回動可能に枢支され、該ステーの他端部が前記スケッチ板を支持する支持部材の係止切欠に係止および係止解除可能であることを特徴とする請求項1に記載のスケッチ用バッグ。
【請求項3】
前記スケッチ板の一端には、該スケッチ板上に載置されるスケッチ帳または用紙の下端を支持するストッパ部材が連設されていることを特徴とする請求項1に記載のスケッチ用バッグ。
【請求項4】
前記スケッチ板の他端には、前記フレーム上端の水平部に嵌合可能なフック部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のスケッチ用バッグ。
【請求項5】
前記スケッチ板の他端には、該スケッチ板に対し摺動自在に取り付けられて、該スケッチ板上に載置されたスケッチ帳の上部を保持するスケッチ帳保持部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスケッチ用バッグ。
【請求項6】
前記支持部材のうち、少なくとも前記係止切欠が設けられる部分がスケッチ板の下面に沿うように折り畳み可能であることを特徴とする請求項1に記載のスケッチ用バッグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−212602(P2008−212602A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−94387(P2007−94387)
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【出願人】(507105404)有限会社イング (1)
【Fターム(参考)】