説明

スチレン系樹脂発泡体

【課題】断熱性能に優れ、また寸法安定性および透湿抵抗に優れたスチレン系樹脂発泡体を提供する。
【解決手段】発泡体を構成する気泡の膜の少なくとも一部にシワを形成してなるスチレン系樹脂発泡体であって、シワを形成する前のスチレン系樹脂発泡体よりも熱伝導率が小さい、断熱用のスチレン系樹脂発泡体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡法によるスチレン系樹脂発泡体に関する。さらに詳しくは、断熱性能に優れたスチレン系樹脂押出発泡体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の観点から省エネルギー性が求められ、建築物などに使用される断熱材としてより大きな熱抵抗値が求められるため、より断熱性能の優れた断熱材の要求が高まってきている。
【0003】
これに対して、スチレン系樹脂および放射低減剤を押出機などに添加して加熱溶融し、次に発泡剤を注入して発泡に適した温度までゲルを冷却し、これを低圧域に押出すことにより発泡体を連続的に製造する方法が知られている。また、このようにして製造された発泡体は、低熱伝導率を備えたスチレン系樹脂発泡体として知られている。
【0004】
このようなスチレン系樹脂発泡体を製造する過程では、代表的な発泡剤としてフロン類が主に用いられ、熱伝導率が低いフロン類のガスを発泡体の気泡内に封じ込めることにより発泡体の熱伝導率を低く抑えることができる。しかしながら、フロン類はオゾン層を破壊し地球温暖化を招来するおそれがあり、地球環境に好ましくないため、その使用などが厳しく規制されている。
【0005】
そこで、例えば、アルミ粉、銀粉、グラファイト粉、カーボンブラック、マイカ、シリカ、炭酸カルシウムまたは酸化チタンなどの熱線遮蔽材を発泡体に混入することにより、発泡体の熱伝導率を低減する技術が提案されている(特許文献1および2)。これらの熱線遮蔽材は赤外線反射率または赤外線吸収率が高いため、スチレン系樹脂の赤外線透過率を下げることが可能である。
【0006】
【特許文献1】特開昭63−183941号
【特許文献2】特表平4−502173号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献で使用される熱線遮蔽材をスチレン樹脂に添加し発泡すると、それらの添加剤が核点となり気泡を著しく小さくし、発泡体密度高によるコスト高となり、また製品として必要な断面サイズが確保できない場合がある。
【0008】
また、グラファイト粉またはカーボンブラックなどの黒色系の熱線遮蔽材を用いた場合、その使用量により発泡体の色も黒味がかってしまう場合もある。この場合、例えば建築現場に断熱材として使用される発泡板が搬入されて一時的に屋外に保管した場合に、日射の影響などにより赤外線吸収が起きやすく、発泡体の表面温度が上昇し、発泡体に収縮や反りなどが発生する場合がある。
【0009】
したがって、これらの副作用を起こすことなく断熱材の断熱性能を高めるためには、上述する熱線遮蔽材の使用量をなくしたり、または少なく抑えたりして、他の方法で断熱性能を高めることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、断熱性能に優れ、また透湿抵抗に優れたスチレン系樹脂発泡体を見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明は、以下のようなスチレン系樹脂発泡体を提供する。
【0011】
[1] 発泡体を構成する気泡の膜の少なくとも一部にシワを形成してなるスチレン系樹脂発泡体であって、シワを形成する前のスチレン系樹脂発泡体よりも熱伝導率が小さい、断熱用のスチレン系樹脂発泡体。
【0012】
[2] JIS A 1412−2に規定される測定方法において測定した熱伝導率が0.0265W/m・Kより小さい、上記[1]に記載するスチレン系樹脂発泡体。
【0013】
[3] 圧縮永久歪が5%〜20%である、上記[1]または[2]に記載のスチレン系樹脂発泡体。
【0014】
[4] 圧縮強度が10N/cm2以上である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載するスチレン系樹脂発泡体。
【0015】
[5] 気泡を形成する発泡剤としてフロン類を含まない、上記[1]〜[4]のいずれかに記載するスチレン系樹脂発泡体。
【0016】
[6] 前記シワを形成する前のスチレン系樹脂発泡体が、スチレン系樹脂を加熱溶融させて発泡剤を注入した後に押出発泡して得られた発泡体である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載するスチレン系樹脂発泡体。
【0017】
[7] 前記シワを形成する前のスチレン系樹脂発泡体が、スチレン系樹脂を加熱溶融させて発泡剤を注入した後に押出発泡し、さらにその後に二次発泡させて得られた発泡体である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載するスチレン系樹脂発泡体。
【0018】
[8] 前記シワが、スチレン系樹脂発泡体を圧縮することで形成されたものである、上記[1]〜[6]のいずれかに記載するスチレン系樹脂発泡体。
【0019】
[9] 板状のスチレン系樹脂発泡体であり、前記シワが、板の表面層および/または中央層に形成されている、上記[1]〜[8]のいずれかに記載するスチレン系樹脂発泡体。
【0020】
[10] 板状のスチレン系樹脂発泡体であり、前記シワが、板の表面層に形成されている、上記[1]〜[8]のいずれかに記載するスチレン系樹脂発泡体。
【発明の効果】
【0021】
本発明の好ましい態様によれば、例えば、グラファイト粉またはカーボンブラックなどの黒色系熱線遮蔽材をスチレン樹脂へ添加することによる発泡体の収縮または反りなどの問題を解消することができ、また断熱性能、透湿抵抗に優れたスチレン系樹脂発泡体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
スチレン系樹脂発泡体
本発明に係るスチレン系樹脂発泡体は、発泡体を構成する気泡の膜の少なくとも一部にシワを形成してなるスチレン系樹脂発泡体であって、シワを形成する前のスチレン系樹脂発泡体よりも熱伝導率が小さい、断熱用のスチレン系樹脂発泡体である。
【0023】
スチレン系樹脂
本発明に係るスチレン系樹脂発泡体はスチレン系樹脂を発泡させて得られ、ここで用いられるスチレン系樹脂としては、特に限定されるものではなく、スチレン単量体のみから得られるポリスチレンホモポリマー、メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレンン、ジメチルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン系単量体から得られる単独重合体(ホモポリマー)、スチレン単量体とスチレンと共重合可能な単量体あるいはその誘導体から得られるランダム、ブロックあるいはグラフト共重合体、臭素化ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレンなどの変性ポリスチレンなどが挙げられる。
【0024】
スチレンと共重合可能な単量体としては、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなどのスチレン誘導体、ビニルトルエン、ビニルキシレン、ジビニルベンゼンなどのビニル化合物、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、ブタジエン、アクリロニトリルなどの不飽和化合物あるいはその誘導体、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合して使用することができる。本発明においては、上述するスチレン系樹脂の中では、経済性、成形加工性の点からポリスチレンホモポリマーが特に好適に使用することができる。
【0025】
スチレン系樹脂の重量平均分子量は、10万〜35万であり、好ましくは15万〜30万、より好ましくは18万〜25万である。
【0026】
発泡剤
本発明において使用される発泡剤としては、物理発泡剤および熱分解型化学発泡剤がある。物理発泡剤としては、特に限定されないが、二酸化炭素、窒素、アルゴン、ヘリウム、空気、水などの無機ガス、メタン、エタン、プロパン、ブタン(ノルマルブタン、イソブタン)、ペンタン(ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン)、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノールなどの脂肪族アルコール、ジメチルエーテルなどのエーテル系炭化水素などが挙げられる。この他にフロン系の発泡剤も使用可能ではあるが、オゾン層を破壊し地球温暖化を招来するおそれがあるため、環境に配慮する意味ではできる限り使用を控えることが好ましい。
【0027】
他の物理発泡剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、塩化メチル、塩化エチルなどの塩化アルキル類、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、フラン、フルフラール、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどのエーテル類、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルn−ブチルケトン、メチルi−ブチルケトン、メチルn−アミルケトン、メチルn−ヘキシルケトン、エチルn−プロピルケトン、エチルn−ブチルケトンなどのケトン類、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、蟻酸メチルエステル、蟻酸エチルエステル、蟻酸プロピルエステル、蟻酸ブチルエステル、蟻酸アミルエステル、プロピオン酸メチルエステル、プロピオン酸エチルエステルなどのカルボン酸エステル類などを用いることができる。また、熱分解型化学発泡剤として例えばアゾ化合物などを用いることができる。これらは単独または2種以上を混合して使用することができる。これらの他の発泡剤を用いることで、良好な可塑化効果や発泡助剤効果が得られ、押出圧力を低減し、安定に発泡体の製造が可能となる。
【0028】
上述する発泡剤のなかでも、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ネオペンタンなどの炭化水素、塩化メチル、塩化エチルなどの塩化アルキル、二酸化炭素のいずれか1種以上の組み合わせが好ましい。特にブタン、塩化エチル、二酸化炭素の組み合わせが好ましい。
【0029】
スチレン系樹脂に添加する発泡剤の量としては、スチレン系樹脂100重量部に対して3〜30重量部、好ましくは5〜15重量部、さらに好ましくは5〜10重量部である。
【0030】
ハロゲン系難燃剤
また、難燃性を付与するために、ハロゲン系難燃剤を添加してもよく、熱可塑性樹脂に通常使用される難燃剤を特別に限定することなく使用することができる。例えば、ヘキサブロモシクロドデカンなどの脂肪族あるいは脂環族炭化水素の臭素化物、ヘキサブロモベンゼン、エチレンビスペンタブロモジフェニル、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、2,3−ジブロモプロピルペンタブロモフェニルエーテルなどの芳香族化合物の臭素化物、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA(2−ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルとトリブロモフェノール付加物などの臭素化ビスフェノール類およびその誘導体、テトラブロモビスフェノールAポリカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルとブロモ化ビスフェノール付加物エポキシオリゴマーなどの臭素化ビスフェノール類誘導体オリゴマー、エチレンビステトラブロモフタルイミド、エチレンビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミド、ビス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エタン、臭素化SBSブロックポリマー、臭素化アクリル系樹脂などの臭素系芳香族化合物、塩素化パラフィン、塩素化ナフタレン、パークロロペンタデカン、塩素化芳香族化合物、塩素化脂環状化合物などが挙げられる。これら化合物は単独または2種以上を混合して使用できる。
【0031】
ハロゲン系難燃剤では、難燃性の観点から臭素系難燃剤が好ましく、特にスチレン系樹脂との相溶性などの点からヘキサブロモシクロドデカン、臭素化SBSブロックポリマー、2,2−ビス(4’(2”,3”−ジブロモアルコキシ)−3’,5’−ジブロモフェニル)−プロパンが好ましい。
【0032】
発泡体中のハロゲン系難燃剤の含有量は、発泡体100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部であり、さらに好ましくは1〜9重量部、特に好ましくは2〜8重量部である。0.1重量部未満では、本発明の目的とする難燃性が得られず、10重量部を越えると、発泡体を製造する際の成形性などを損なう場合がある。
【0033】
ハロゲン系難燃剤とともにリン酸エステルを共存させることによって、酸化チタンを含有した燃焼性の高い場合でも、燃焼を抑制することができ、高度な断熱性を達成するとともに、JISA9511:2006Rに規定される高度の難燃性を達成することができる。
【0034】
用いられるリン酸エステルとしては、トリフェニルフォスフェートに限定されるものではなく、トリクレジルホスフェート、トリキシリレニルホスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリス(ブトキシエチル)ホスフェート、または縮合リン酸エステルとして、芳香族リン酸エステルが好ましく、特にリン酸トリフェニルが好ましい。
【0035】
白色系顔料
また、熱伝導率をさらによくするために、白色系顔料を添加してもよい。白色系顔料としては、例えば、鉛白(塩基性炭酸鉛:(PbCO32・Pb(OH)2)、亜鉛華(酸化亜鉛)、酸化チタン、硫化亜鉛、リトポン(硫化亜鉛と硫酸バリウムとの混合物)、アンチモン白、雲母、酸化アルミニウム、アルミナホワイト、ホワイトカーボンなどが挙げられ、これらの中でも酸化チタンが好ましい。
【0036】
白色系顔料(例えば酸化チタン)の平均粒径については、特に限定されるものではないが、樹脂への発色性を考慮すれば、0.1μm〜0.5μmが好ましい(0.15μm〜0.3μmがさらに好ましい)。この範囲の平均粒径であれば、分散性や発色性がよく可視光域400〜800nm付近での白色度合いを向上させることができる。一方、近赤外線から遠赤外線領域において樹脂への赤外線吸収を抑制したい場合には、0.8μm〜1.5μmが好ましい(0.8μm〜1.0μmがさらに好ましい)。これら平均粒径の異なる白色系顔料を10重量%〜90重量%の範囲内で混合することにより、赤外線領域の反射および可視光域での白色度合いを向上させた混合酸化チタンを得ることができる。
【0037】
スチレン系樹脂に添加する白色系顔料の量としては、スチレン系樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは1〜8重量部、さらに好ましくは2〜4重量部である。
【0038】
黒色系顔料
また、熱伝導率をさらによくするために、黒色系顔料を添加してもよい。黒色系顔料としては、グラファイト、カーボンブラック、クロム黒、クロム酸銅などが挙げられ、これらの中でもグラファイトやカーボンブラックが好ましい。グラファイトとしては、鱗片状黒鉛、鱗状(塊状)黒鉛、土状黒鉛、人造黒鉛または熱分解黒鉛などの天然黒鉛でもあってもよい。グラファイトは、固定炭素数80%以上が望ましく、90%以上がより望ましい。
【0039】
黒色系顔料の平均粒径については、特に限定されるものではないが、例えばカーボンブラックでは10〜300nm(0.01〜0.3μm)が好ましく、200〜290nm(0.2〜0.29μm)がより好ましい。また、グラファイトでは1〜30μmが好ましく、3〜15μmがより好ましい。グラファイトの平均粒径は、酸化チタンと同様に発色性および赤外線領域での赤外線吸収/反射度合いに影響を与えるため、平均粒径10μm以上とすることが好ましい。また、グラファイトの平均粒径が30μmを超えると、発泡体の気泡の連通性が増大し断熱性能を著しく低下させる。
【0040】
スチレン系樹脂に添加する黒色系顔料の量としては、スチレン系樹脂100重量部に対して0.1〜2.5重量部、好ましくは0.3〜2.0重量部、さらに好ましくは0.5〜1.2重量部である。
【0041】
有色顔料
また、種々の目的のために、有色顔料を添加してもよい。有色顔料としては、平均粒径0.5μm以下(好ましくは0.1〜0.3μm)の有機系有色顔料が好ましく、例えば青色系であればフタロシアニンブルーが好ましい。また、無機系有色顔料は平均粒径が1μm以上のものがあり、赤外線領域で波長が大きい箇所には有効な反射作用を示す。しかしながら、無機系有色顔料は有機系顔料とは異なり発色性および分散性が乏しい場合が多く、有機系顔料に比べて多く(例えば5倍以上)の添加量が必要となる場合があることに注意する必要がある。一般に、添加物の添加量が増加すれば、発泡体を成形する際に核剤として作用し気泡径を著しく縮小させたりする場合があるのであまり好ましくなく、またコストの面からも好ましくない。
【0042】
スチレン系樹脂に添加する有色顔料の量としては、スチレン系樹脂100重量部に対して0.01〜0.5重量部、好ましくは0.03〜0.2重量部、さらに好ましくは0.05〜0.15重量部である。
【0043】
その他の添加剤
また、必要に応じて気泡の大きさを調整するためにタルク、ケイ酸カルシウムなどの気泡調整剤、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウムなどの押出助剤、酸化マグネシウム、ピロリン酸テトラナトリウムなどの脱酸剤などを添加することが望ましい。
【0044】
スチレン樹脂発泡体の製造方法
本発明に係る断熱用のスチレン系樹脂発泡体は、例えば、押出発泡法でスチレン系樹脂発泡体を得た後、この発泡体を圧縮などすることで発泡体を構成する気泡の膜の少なくとも一部にシワを形成して、得ることができる。また、押出発泡法に代えてビーズ発泡法を用いても、得られた発泡体を同様に圧縮することで発泡体を構成する気泡膜の少なくとも一部にシワを形成することができ、熱伝導率を低減することができる。
【0045】
ここで用いられる押出発泡法は、例えば、スチレン系樹脂を加熱溶融し、高温高圧下で、発泡剤を該溶融樹脂に圧入して混練した後、押出発泡に適する温度にまで冷却し、ダイを通じて低圧下に押出発泡して製造する公知の方法と同様であることができる。また、押出発泡した後にさらに二次発泡させてもよく、この二次発泡方法としては、特開昭63−159034号に記載された水蒸気/加熱空気トンネルなどを用いることができる。また、特開昭63−37916号に記載の成形装置に接触する方法を用いることも可能である。
【0046】
スチレン系樹脂を加熱溶融する際の溶融温度は、160〜240℃、好ましくは170〜230度、より好ましくは180〜220℃で、押出機によって固形原料を溶融混練する。また、発泡剤を圧入する際の圧力は、110〜200kg/cm2、より好ましくは120〜185kg/cm2である。押出機によって溶融された固形原料と発泡剤はミキサー(回転数:20〜40rpm、より好ましくは25〜35rpm)によって混練され、クーラーによってゆっくりと冷却される。また、ゲルを冷却し発泡するときの最適温度は、100〜130℃、より好ましくは110〜125度である。
【0047】
また、上述する白色系顔料(例えば酸化チタン)、黒色系顔料(例えばグラファイト)、有色顔料およびリン酸エステルを添加する場合には、加熱溶融されたスチレン系樹脂に添加する前に、予めポリスチレン系樹脂とのマスターバッチとしておくことが好ましい。
【0048】
顔料のマスターバッチを製造するときには、一般的に押出機の安定性を確保するため、例えば約5%程度のステアリン酸マグネシウムなどの金属系のステアリン酸を使用する場合があるが、これらの添加は難燃性能を低下させたり、気泡径を変動させたりする場合があった。一方、トリフェニルフォスフェートの融点は49℃付近であり、発泡体の製造過程で直接押出機に投入すると、添加量0.3重量部以上では、押出機のサージングが発生したり吐出量が不安定になったりして生産性が著しく低下する場合がある。
【0049】
したがって、ステアリン酸の代替として、0.1%〜10%、望ましくは5%前後のトリフェニルフォスフェートを顔料の予めマスターバッチ製造過程で投入しておくことで、これら原料の配合比の均一化、ならびにトリフェニルフォスフェートの良好な添加が可能になる。また、マスターバッチ製造過程において、リン酸トリフェニルの可塑化効果によりポリスチレンの溶融性をより向上させることができ、顔料およびトリフェニルフォスフェートの各々を直接押出機に投入するよりもマスターバッチで投入した方が容易に均一分散させることが可能であり、さらに押出成形の後も安定した分散性を得ることが可能になる。
【0050】
発泡体を圧縮する方法(押圧装置)としては、特に限定はされないが、プレス機を用いる方法、または板厚よりも狭い間隔のロール間を通過させる方法がある。ここで、硬さ、圧縮強度、要求圧縮率によっては、プレス機で複数回圧縮、またはロール間を複数回通過させて、所定の圧縮率(気泡膜へのシワ形成)を得る方法が好ましい。
【0051】
発泡体は、気泡の集合体であり、その気泡内に気体(発泡剤、空気など)が封じ込まれているため、圧縮後に厚みが一部回復する場合には、予め回復率を想定の上、圧縮率(プレス率、発泡板厚みに対するロール間隔)を決定する必要がある。この厚み回復率は、押出発泡成形後の養生期間によっても異なる。すなわち、ダイから押出発泡させた直後に圧縮しても、または養生した発泡体を圧縮してもよいが、厚み回復率を考慮する必要がある。ここで、ダイから発泡直後に圧縮する場合には、発泡体の温度がガラス転移点以下にならないと、気泡膜にシワが形成されにくい点に注意する。
【0052】
発泡体を構成する気泡の膜へのシワの形成は、発泡体の表面層(例えば板状の場合には2つの表面層とそれに挟まれる中央層に大きく区分することができる)の気泡が小さく扁平な程、表面層の気泡に多くシワが形成される。一般的に押出発泡成形後の板は、表面層は中央層と比較して速く冷却されため、表面層の気泡は小さく扁平となるため、表面層の気泡に多くシワが形成される。
【0053】
発泡体の大断面を厚み方向に垂直(すなわち長さまたは幅方向に平行)に何枚かにスライスした発泡板において、厚み方向中心に近い製品(中央層辺りの製品)は、気泡が断面内にてほぼ均一であるため、圧縮した場合に中央層にシワが多く形成される。また、ダイから押出発泡後に二次発泡した発泡板を圧縮した場合には、発泡体の表面層の密度が低くなるため、表面層にシワが多く形成されやすい。圧縮前の発泡体の物性により、中央層、表面層、両表面層、片表面層など、シワが形成される位置を変更することが可能である。
【0054】
ここで、中央層に多くのシワが形成された発泡板は、表面硬度は高い。逆に、表面層に多くのシワが形成された発泡板は、表面状態がソフトであり、用途によっては使い分けることができる。
【0055】
スチレン樹脂発泡体の特性
本発明に係るスチレン系樹脂発泡体の熱伝導率は、JIS A 9511:2006に規定される押出法ポリスチレンフォーム保温板1種の場合(実施例1〜5、比較例1、実施例6〜8および比較例2)は、JIS A 1412−2:1999に規定される測定方法において測定した熱伝導率が0.0360W/m・Kより小さいことが好ましく、0.0350W/m・Kより小さいことがより好ましく、0.0340W/m・Kより小さいことがさらに好ましい。
また、JIS A 9511:2006に規定される押出法ポリスチレンフォーム保温板3種の場合(実施例9〜13、比較例3、実施例14〜15、比較例4、実施例16〜18および比較例5)は、JIS A 1412−2:1999に規定される測定方法において測定した熱伝導率が0.0265W/m・Kより小さいことが好ましく、0.0255W/m・Kより小さいことがより好ましく、0.0245W/m・Kより小さいことがさらに好ましい。
【0056】
本発明に係るスチレン系樹脂発泡体の圧縮永久歪は、5%〜20%であることが好ましい。5%未満であると熱伝導率の改良効果が少なく、20%より大きいの場合には圧縮強度が低下し好ましくない。圧縮永久歪は、8%〜17%であることがより好ましく、10%〜15%であることがさらに好ましい。
【0057】
本発明に係るスチレン系樹脂発泡体の圧縮強度(JIS A 9511:2006で規定)は、10N/cm2以上であることが好ましい。10N/cm2未満であると断熱用途上、使用に限界がある。圧縮強度は、15N/cm2以上であることがより好ましく、20N/cm2以上であることがさらに好ましい。
【0058】
本発明に係るスチレン系樹脂発泡体の透湿係数(JIS A 9511:2006で規定)は、145ng/m2・s・Pa以下であることが好ましい。この値が大きいと水蒸気透過量が多くなり、壁等に断熱材として使用された場合に、壁構成によっては結露を生じる可能性がある。
【実施例】
【0059】
<実施例1〜5、比較例1で用いた発泡板(1)の製造方法>
重量平均分子量210,000のスチレン樹脂100重量部に対して、押出機の滑剤としてステアリン酸バリウム(日油社製)0.1重量部、難燃剤としてヘキサブロモシクロドデカン(HBCD、アルベマールSAYTEX HP−900)2重量部を押出機のホッパーに投入し、発泡剤として工業ブタン(ノルマルブタン/イソブタン=65/35)2重量部、エチルクロライド4重量部、二酸化炭素3重量部を圧入(160kg/cm2)し190℃で混練した。次に、冷却機でゲルを均一に冷却して最適な発泡温度(120℃)に調整し、ダイから大気圧下に押出発泡することにより気泡径約0.5mm、厚み約95mmの発泡板を製造した。押出発泡直後に、発泡板の上下左右面を約10mmトリミングした後、さらに長さ方向に平行に3枚にスライスし、1枚当たり厚み25mmの発泡板を3枚得た。その中央部分(2枚目)の発泡板(1)を下記実施例および比較例にて使用した。
【0060】
<比較例1>
上述するようにして製造した発泡板(1)を常温で1週間養生した。この発泡板の物性は、厚み25.0mmで、密度が27.0Kg/m3であり、熱伝導率は0.0360W/m・Kであった(表1を参照)。
【0061】
<実施例1〜4>
上述するようにして製造した発泡板(1)を常温で1週間養生した後、プレス機にて厚み方向に所定量圧縮することにより実施例1〜4に係る発泡板を製造した。この発泡板の物性を表1に示した。表から分かるように、圧縮処理で中央層の気泡にシワを形成することにより(厚みは薄くなり、密度は大きくなる)、熱伝導率を最大0.0317W/m・Kにまで低下させることができた。
【0062】
<実施例5>
上述するようにして製造した発泡板(1)を常温で1週間養生した後、ロール間隔約20mmのロール間を通過させて厚み方向に所定量圧縮することにより実施例5に係る発泡板を製造した。この発泡板の物性を表1に示した。表から分かるように、圧縮処理で表面層の気泡にシワを形成することにより(厚みは薄くなり、密度は大きくなる)、熱伝導率を0.0345W/m・Kにまで低下させることができた。
【0063】
<実施例6〜8、比較例2で用いた発泡板(2)の製造方法>
重量平均分子量210,000のスチレン樹脂100重量部に対して、押出機の滑剤としてステアリン酸バリウム(日油社製)0.1重量部、難燃剤としてヘキサブロモシクロドデカン(HBCD、アルベマールSAYTEX HP−900)2重量部を押出機のホッパーに投入し、発泡剤として工業ブタン(ノルマルブタン/イソブタン=65/35)2重量部、エチルクロライド4重量部、二酸化炭素3重量部を圧入(160kg/cm2)し190℃で混練した。次に、冷却機でゲルを均一に冷却して最適な発泡温度(120℃)に調整し、ダイから大気圧下に押出発泡させ、この直後にスチームトンネル(温度110℃/30%RH、2分間)を通過させて二次発泡させることにより気泡径約0.55mm、厚み約95mmの発泡板を製造した。押出発泡直後に、発泡板の上下左右面を約10mmトリミングした後、さらに長さ方向に平行に3枚にスライスし、1枚当たり厚み25mmの発泡板を3枚得た。その中央部分(2枚目)の発泡板(2)を下記実施例および比較例にて使用した。
【0064】
<比較例2>
上述するようにして製造した発泡板(2)を常温で1週間養生した。この発泡板の物性は、厚み25.0mmで、密度が25.0Kg/m3であり、熱伝導率は0.0365W/m・Kであった(表1を参照)。
【0065】
<実施例6〜7>
上述するようにして製造した発泡板(2)を常温で1週間養生した後、プレス機にて厚み方向に所定量圧縮することにより実施例6〜7に係る発泡板を製造した。この発泡板の物性を表1に示した。表から分かるように、圧縮処理で中央層の気泡にシワを形成することにより(厚みは薄くなり、密度は大きくなる)、熱伝導率を最大0.0345W/m・Kにまで低下させることができた。
【0066】
<実施例8>
上述するようにして製造した発泡板(2)を常温で1週間養生した後、ロール間隔約20mmのロール間を通過させて厚み方向に所定量圧縮することにより実施例8に係る発泡板を製造した。この発泡板の物性を表1に示した。表から分かるように、圧縮処理で中央層の気泡にシワを形成することにより(厚みは薄くなり、密度は大きくなる)、熱伝導率を0.0343W/m・Kにまで低下させることができた。
【0067】
<実施例9〜15、比較例3〜4で用いた発泡板(3)の製造方法>
重量平均分子量210,000のスチレン樹脂100重量部に対して、押出機の滑剤としてステアリン酸バリウム(日油社製)0.1重量部、難燃剤としてヘキサブロモシクロドデカン(HBCD、アルベマールSAYTEX HP−900)4重量部を押出機のホッパーに投入し、発泡剤としてイソブタン3重量部、エチルクロライド2重量部、二酸化炭素2.5重量部を圧入(170kg/cm2)し190℃で混練した。次に、冷却機でゲルを均一に冷却して最適な発泡温度(115℃)に調整し、ダイから大気圧下に押出発泡することにより気泡径約0.2mm、厚み約45mmの発泡板を製造した。押出発泡直後に、発泡板の上下左右面を約10mmトリミングし得られた厚さ25mmの発泡板(3)を下記実施例および比較例にて使用した。
【0068】
<比較例3>
上述するようにして製造した発泡板(3)を常温で1週間養生した。この発泡板の物性は、厚み25.0mmで、密度が30.0Kg/m3であり、熱伝導率は0.0280W/m・Kであった(表1を参照)。
【0069】
<実施例9〜12>
上述するようにして製造した発泡板(3)を常温で1週間養生した後、プレス機にて厚み方向に所定量圧縮することにより実施例9〜12に係る発泡板を製造した。この発泡板の物性を表1に示した。表から分かるように、圧縮処理で表面層の気泡にシワを形成することにより(厚みは薄くなり、密度は大きくなる)、熱伝導率を最大0.0252W/m・Kにまで低下させることができた。
【0070】
<実施例13>
上述するようにして製造した発泡板(3)を常温で1週間養生した後、ロール間隔約20mmのロール間を通過させて厚み方向に所定量圧縮することにより実施例13に係る発泡板を製造した。この発泡板の物性を表1に示した。表から分かるように、圧縮処理で表面層の気泡にシワを形成することにより(厚みは薄くなり、密度は大きくなる)、熱伝導率を0.0264W/m・Kにまで低下させることができた。
【0071】
<比較例4>
上述するようにして製造した発泡板(3)を常温で1日養生した。この発泡板の物性は、厚み25.0mmで、密度が30.0Kg/m3であり、熱伝導率は0.0265W/m・Kであった(表1を参照)。
【0072】
<実施例14>
上述するようにして製造した発泡板(3)を常温で1時間養生した後、プレス機にて厚み方向に所定量圧縮し、さらに常温で1日養生することにより実施例14に係る発泡板を製造した。この発泡板の物性を表1に示した。表から分かるように、圧縮処理で表面層の気泡にシワを形成することにより(厚みは薄くなる)、熱伝導率を最大0.0254W/m・Kにまで低下させることができた。
【0073】
<実施例15>
上述するようにして製造した発泡板(3)を常温で1時間養生した後、ロール間隔約20mmのロール間を通過させて厚み方向に所定量圧縮し、さらに常温で1日養生することにより実施例15に係る発泡板を製造した。この発泡板の物性を表1に示した。表から分かるように、圧縮処理で表面層の気泡にシワを形成することにより(厚みは薄くなる)、熱伝導率を0.0250W/m・Kにまで低下させることができた。
【0074】
<実施例16〜18、比較例5で用いた発泡板(4)の製造方法>
重量平均分子量210,000のスチレン樹脂100重量部に対して、押出機の滑剤としてステアリン酸バリウム(日油社製)0.1重量部、難燃剤としてヘキサブロモシクロドデカン(HBCD、アルベマールSAYTEX HP−900)4重量部を押出機のホッパーに投入し、発泡剤としてイソブタン3重量部、エチルクロライド2重量部、二酸化炭素2.5重量部を圧入(170kg/cm2)し190℃で混練した。次に、冷却機でゲルを均一に冷却して最適な発泡温度(115℃)に調整し、ダイから大気圧下に押出発泡させ、この直後にスチームトンネル(温度110℃/30%RH、1分間)を通過させて二次発泡させることにより気泡径約0.2mm、厚み約45mmの発泡板を製造した。押出発泡直後に、発泡板の上下左右面を約10mmトリミングし得られた厚さ25mmの発泡板(4)を下記実施例および比較例にて使用した。
【0075】
<比較例5>
上述するようにして製造した発泡板(4)を常温で1週間養生した。この発泡板の物性は、厚み25.0mmで、密度が27.0Kg/m3であり、熱伝導率は0.0282W/m・Kであった(表1を参照)。
【0076】
<実施例16〜17>
上述するようにして製造した発泡板(4)を常温で1週間養生した後、プレス機にて厚み方向に所定量圧縮することにより実施例16〜17に係る発泡板を製造した。この発泡板の物性を表1に示した。表から分かるように、圧縮処理で表面層の気泡にシワを形成することにより(厚みは薄くなり、密度は大きくなる)、熱伝導率を最大0.0270W/m・Kにまで低下させることができた。
【0077】
<実施例18>
上述するようにして製造した発泡板(4)を常温で1週間養生した後、ロール間隔約20mmのロール間を通過させて厚み方向に所定量圧縮することにより実施例18に係る発泡板を製造した。この発泡板の物性を表1に示した。表から分かるように、圧縮処理で中央層の気泡にシワを形成することにより(厚みは薄くなり、密度は大きくなる)、熱伝導率を0.0262W/m・Kにまで低下させることができた。
【0078】
なお、得られた発泡板の密度、セルサイズ(気泡径)、熱伝導率、圧縮強度、透湿係数、独立気泡率の物性値は以下の方法で測定した。
【0079】
(密度)
発泡板の密度は、発泡体の重量(kg)を発泡体の体積(m3)で割ることで算出した。
【0080】
(セルサイズ)
発泡板のセルサイズは、ASTM D 3567に準拠する方法で測定した。
【0081】
(熱伝導率)
発泡板の熱伝導率は、JIS A 1412−2:1999に準拠する方法で測定した。
【0082】
(圧縮強度)
発泡板の圧縮強度は、JIS A 9511:2006に準拠する方法で、厚み方向で測定した。
【0083】
(透湿係数)
発泡板の透湿係数は、JIS A 9511:2006に準拠する方法で測定した。
【0084】
(独立気泡率)
室温下で赤インク水(約1vol%)を入れた容器を用意し、5cm×5cm×製品全厚みの試験片を赤インク水の水面下25mmに沈めた。この容器を真空度1Torrの真空デシケータ内に3時間放置した後、試験片を取り出した。試験片の各面をペーパータオルなどで充分に拭き取った後、乾燥させて、試験片の六面をそれぞれ1.5mm厚でスライス除去し、残った試験片におけるスライスされた面の着色孔数を確認した。着色孔がない場合を○、着色孔がある場合を×にした。
【0085】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡体を構成する気泡の膜の少なくとも一部にシワを形成してなるスチレン系樹脂発泡体であって、シワを形成する前のスチレン系樹脂発泡体よりも熱伝導率が小さい、断熱用のスチレン系樹脂発泡体。
【請求項2】
JIS A 1412−2:1999に規定される測定方法において測定した熱伝導率が0.0265W/m・Kより小さい、請求項1に記載するスチレン系樹脂発泡体。
【請求項3】
圧縮永久歪が5%〜20%である、請求項1または2に記載のスチレン系樹脂発泡体。
【請求項4】
圧縮強度が10N/cm2以上である、請求項1〜3のいずれかに記載するスチレン系樹脂発泡体。
【請求項5】
気泡を形成する発泡剤としてフロン類を含まない、請求項1〜4のいずれかに記載するスチレン系樹脂発泡体。
【請求項6】
前記シワを形成する前のスチレン系樹脂発泡体が、スチレン系樹脂を加熱溶融させて発泡剤を注入した後に押出発泡して得られた発泡体である、請求項1〜5のいずれかに記載するスチレン系樹脂発泡体。
【請求項7】
前記シワを形成する前のスチレン系樹脂発泡体が、スチレン系樹脂を加熱溶融させて発泡剤を注入した後に押出発泡し、さらにその後に二次発泡させて得られた発泡体である、請求項1〜5のいずれかに記載するスチレン系樹脂発泡体。
【請求項8】
前記シワが、スチレン系樹脂発泡体を圧縮することで形成されたものである、請求項1〜6のいずれかに記載するスチレン系樹脂発泡体。
【請求項9】
板状のスチレン系樹脂発泡体であり、前記シワが、板の表面層および/または中央層に形成されている、請求項1〜8のいずれかに記載するスチレン系樹脂発泡体。
【請求項10】
板状のスチレン系樹脂発泡体であり、前記シワが、板の表面層に形成されている、請求項1〜8のいずれかに記載するスチレン系樹脂発泡体。

【公開番号】特開2010−254831(P2010−254831A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−107494(P2009−107494)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【出願人】(000109196)ダウ化工株式会社 (69)
【Fターム(参考)】