説明

ストリームファイル管理装置及び方法

【課題】記録媒体に記録されている複数のストリームファイルを、録画リスト表示により、容易に識別しやすくする。
【解決手段】ストリームファイル及識別情報構築器により、番組コンテンツを含むパケットと付加情報を含むパケットが入力され、前記パケットを集合したストリームファイルを構築するとともに、前記付加情報から前記ストリームファイルを特定するためのメニュー表示に対応する識別情報を構築する。記録制御器により、前記ストリームファイル及び識別情報を記録媒体に記録する。録画リスト編集器により、前記識別情報が所定のオーダーと異なるイレギュラー識別情報であると判断した場合、前記ストリームファイルの中の前記パケットに含まれる前記付加情報から新たな識別情報を生成する。再生制御器により前記記録媒体の識別情報を再生しメニュー表示出力を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態はストリームファイル管理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ビデオ録再装置、録画機能付きテレビジョン装置及びパーソナルコンピュータなどでは、動画データを取り込んだ場合、該動画データをコンテンツファイルとして保存する機能を有する。また保存したコンテンツファイルを管理するためのファイル管理機能も有する。
【0003】
ファイル管理機能により作成された管理情報は、コンテンツファイルのファイル番号或いはファイル名などを含み、保存したコンテンツファイルと管理情報とがファイル番号あるいはファイル名で関連つけられる。例えば、パーソナルコンピュータでは、コンテンツファイルに対する独自のファイル名をユーザが入力している。
【0004】
このようにコンテンツファイルとその管理情報とを関連付ける要素としては、独自に付与されたファイル名があるが、さらに細かい情報としてのメタデータを作成して管理情報に追加する装置もある。またコンテンツに関するメタデータを生成して、コンテンツの一部の映像フレームに付加する装置もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2003/088665号公報
【特許文献2】特開2010-15261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、次のようなストリームファイル管理装置及び方法を提供する;記録媒体に記録されている複数のストリームファイルを、録画リストの表示により、容易に識別しやすくする。またストリームに含まれる付加情報を、ストリームの識別情報として活用し、この識別情報をストリームファイルとは独立した録画リストファイルに格納する。またストリームがストリームファイルに格納される際に、何らかの原因で識別情報を取得できなかった場合、対応するストリーム内の付加情報からに対応する識別情報を自動的に作成する。
【0007】
なお録画リストは、記録ストリームリスト、あるいは記録番組リストなどと称してもよい。また識別情報は番組情報或いはメタデータなどと称してもよい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、番組コンテンツを含むパケットと付加情報を含むパケットが入力され、前記パケットを集合したストリームファイルを構築するとともに、前記付加情報から前記ストリームファイルを特定するためのメニュー表示に用いる識別情報を構築するストリームファイル及び識別情報構築器と、前記ストリームファイル及び識別情報を記録媒体に記録させる記録制御器と、前記記録媒体から前記ストリームファイル及び識別情報を読み取る信号読み取り器と、前記識別情報が所定のオーダーと異なるイレギュラー識別情報であると判断した場合、前記ストリームファイルの中の前記パケットに含まれる前記付加情報から新たな識別情報を生成する録画リスト編集器と、前記識別情報を再生してメニュー表示用の出力を得る再生制御器とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態の装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1のハードディスクに記録されている情報の説明図である。
【図3】図1の実施形態の装置により、表示装置に表示された録画リストの例を示す図である。
【図4】図1の実施形態の装置により、表示装置に表示された録画リストの他の例を示す図である。
【図5】図1の実施形態の装置の番組録画時の動作例を示すフローチャートである。
【図6】図1の実施形態の装置の番組再生時の動作例を示すフローチャートである。
【図7】図1の実施形態の装置の番組再生時の他の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態(本発明の実施形態ではなく、単なる実施形態)について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、実施形態の装置の一例でありテレビジョン放送受信装置100の信号処理系を概略的に示している。デジタルテレビジョン放送受信用のアンテナ22で受信したデジタルテレビジョン放送信号は、入力端子23を介してチューナ24に供給される。このチューナ24は、入力されたデジタルテレビジョン放送信号から所望のチャンネルの信号を選局し復調している。チューナ24から出力された信号は、デコーダ25に供給されて、例えばMPEG(moving picture experts group)2デコード処理が施された後、セレクタ26に供給される。
【0012】
またチューナ24の出力は、直接セレクタ26に供給されている。この信号から映像・音声情報などが分離され、この映像・音声情報が制御部35を介して記録・再生信号処理器55で処理され、ハードディスクドライブ(HDD)57にて記録されることも可能である。HDD57は、ユニットとして端子56を介して記録・再生信号処理器55に接続されており、交換することも可能である。またHDD57は、信号の記録器、読み取り器を含む。
【0013】
アナログテレビジョン放送受信用のアンテナ27で受信したアナログテレビジョン放送信号は、入力端子28を介してチューナ29に供給される。このチューナ29は、入力されたアナログテレビジョン放送信号から所望のチャンネルの信号を選局し復調している。そして、このチューナ29から出力された信号は、A/D(analog/digital)コンバータ30によりデジタル化された後、セレクタ26に出力される。
【0014】
また、例えばVTRなどの機器が接続されるアナログ信号用の入力端子31に供給されたアナログの映像及び音声信号は、A/Dコンバータ32に供給されてデジタル化された後、セレクタ26に出力される。さらに、例えば光ディスク再生装置などの機器が接続されるデジタル信号用の入力端子33に供給されたデジタルの映像及び音声信号は、そのままセレクタ26に供給される。
【0015】
A/D変換された信号が、HDD57にて記録される場合は、セレクタ26に付随しているエンコーダ・デコーダ36内のエンコーダにより、所定のフォーマット例えばMPEG(moving picture experts group)2方式による圧縮処理が施された後、記録・再生信号処理器55を介してHDD57に記録される。記録・再生信号処理器55は、記録制御器53aと相俟って、HDD57に情報を記録する場合、例えばHDD57の何処のディレクトリに対してどのような情報を記録するかを予めプログラムされている。したがってストリームファイルをストリームディレクトリに格納するときの条件、識別情報を録画リストファイルに格納するときの条件などが設定されている。
【0016】
セレクタ26は、4種類の入力デジタル映像及び音声信号から1つを選択して、信号処理器34に供給している。この信号処理器34は、入力されたデジタル映像信号からオーディオ情報、ビデオ情報を分離し、所定の信号処理を施している。信号処理としては、オーディオ情報に関しては、オーディオデコード・音質調整・ミックス処理などが任意に行われる。ビデオ情報に関しては、カラー・輝度分離処理、カラー調整処理、画質調整処理などが行われる。
【0017】
オーディオ情報は、オーディオ出力回路37でアナログ化され、音量、チャンネルバランスなどの調整を受けた後、出力端子38を介してスピーカ装置102に出力される。
【0018】
ビデオ情報は、ビデオ出力回路39にて、画素の合成処理、走査線数変換など受けたのち、出力端子41、42を介して表示装置103へ出力される。例えば映像信号が3D信号の場合、出力端子41、42の両方が利用される。
【0019】
映像表示装置103としては、例えば、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等でなるフラットパネルディスプレイが採用される。
【0020】
このテレビジョン放送受信装置100は、各種の受信動作を含む種々の動作を制御ブロック35によって統括的に制御されている。この制御ブロック35は、CPU(central processing unit)等を内蔵したマイクロプロセッサの集合である。制御ブロック35は、操作部47からの操作情報、または、リモートコントローラ104から送信された操作情報がリモコン信号受信部48を取得され、これにより、その操作内容が反映されるように各種ブロックをそれぞれ制御している。
【0021】
制御部35は、メモリ49を使用している。このメモリ49は、主として、そのCPUが実行する制御プログラムを格納したROM(read only memory)と、該CPUに作業エリアを提供するためのRAM(random access memory)と、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリとを備えている。
【0022】
またこの装置はインターネットを介して外部サーバーとの通信を行うことも可能である。接続端子44からのダウンストリーム信号は、送・受信器45で復調され変調・復調器46で復調され、制御ブロック35に入力される。またアップストリーム信号は、変調・復調器46で変調され、送・受信器45で送信信号に変換され接続端子44に出力される。
【0023】
制御ブロック35は、外部サーバーからダウンロードされた動画像あるいはサービス情報を変換処理し、ビデオ出力回路39に供給することができる。また制御ブロック35は、リモコン操作に応答して、外部サーバーに向けてサービス要求信号を送信することもできる。
【0024】
さらに制御ブロック35は、コネクタ51に装着されたカードタイプメモリ52のデータを読み取ることも可能である。このために本装置は、例えば、カードタイプメモリ52から写真画像データを取り込み、表示装置104に表示することが可能である。また特殊なカラー調整などを行う際に、カードタイプメモリ52からの画像データを標準データ或いは参照データとして用いることも可能である。
【0025】
上記装置において、ユーザは、デジタルテレビジョン放送信号の所望の番組を視聴すると共に、HDD57に保存したいと思う場合、リモートコントローラ104を操作することによりチューナ24を制御し、番組選択を行う。
【0026】
チューナ24の出力は、デコーダ25でデコードされベースバンド映像信号に復号され、このベースバンド映像信号は、セレクタ26から信号処理器34に入力する。これによりユーザは、所望の番組を表示装置103で見ることができる。
【0027】
また選択された番組のストリーム(多数のパケットからなる)は、セレクタ26を介して制御ブロック35に入力する。ユーザが録画操作を行えば、記録制御器35aは、前記番組のストリームを選択して記録・再生信号処理器55に供給する。記録制御器35a及び記録・再生信号処理器55の動作により、例えば前記番組のストリームに対してファイル番号が付され、ストリームファイルとしてHDD57のファイルディレクトリに格納される。
【0028】
また、ユーザがHDD57に記録されているストリームファイルを再生して視聴したい場合、例えばリモートコントローラ104を操作して、例えば録画リストファイルの表示を指定する(この録画リストファイルについては後でさらに詳しく説明する)。
【0029】
録画リストファイルは、HDD57にどのようなストリームファイルが記録されているのかを示すファイル番号やファイル名(識別情報と称する)のテーブルを有する。ユーザが録画リストファイルの表示を指定すると、録画リストがメニューとして表示されるので、ユーザは、表示されたリストの中の希望の番組名あるいはファイル番号の位置にカーソルを移動させ、決定ボタンを操作する。すると、所望のストリームファイルの再生が開始される。
【0030】
指定されたストリームファイルは、再生制御器35bの制御のもとで、HDD57から読み出され、記録・再生信号処理器55で復号され、制御ブロック35、セレクタ26を経由して信号処理器34に入力される。
【0031】
ここで、制御ブロック35は、記録制御器35a、再生制御器35b、及び録画リスト編集器35cを含むが、これらの構成要素は、以下のような重要な役割を担うものである。また制御ブロック35は表示制御部35dも含み、後述するように録画リスト、モニタ用のウインドウ画面などの表示状態を制御する。
【0032】
記録制御器35aは、選択した番組のコンテンツを含む第1のパケットと付加情報を含む第2、第3のパケットが入力される。そして、記録制御器35aは、第1及び第3のパケットを集合した第1のストリームファイルを構築するとともに、第2のファイルの付加情報から第1のストリームファイルを特定するための第1の識別情報(メタデータとも称される)を構築することができる。つまり、ストリームファイル及び識別情報を構築するストリームファイル及び識別情報構築処理器を含む。
【0033】
一方、HDD57では、図2に示すように、第1のストリームファイルが他のストリームと共にストリームディレクトリに格納されて管理され、前記第1の識別情報が他の識別情報とともに録画リストファイルに格納されて管理されている。
【0034】
再生制御器35bは、録画リストファイル内の複数の識別情報を再生すると共に、前記複数の識別情報の中から選択された選択識別情報に対応するストリームファイルを再生することができる。
【0035】
録画リスト編集器35cは、複数の識別情報の中で、情報が所定のオーダーよりも一部情報が欠落しているイレギュラー識別情報があった場合、前記イレギュラー識別情報に対応するストリームファイルの中の第3のパケットの前記付加情報から新たに識別情報を生成し、前記欠落識別情報に追加するか若しくはイレギュラー識別情報を新識別情報に置換することができる。
【0036】
図2をさらに説明する。図2は記録媒体つまりHDD57にて記録管理されるファイルの構成例を示している。ここでは、本装置に特に関連しているファイルを示している。ファイルの種類としてはストリームファイルF1,F2,F3,・・・、録画リストファイルがある。ストリームファイルF1,F2,F3,・・・は、ストリームファイルディレクトリ75aに格納される。録画リストファイル75bは、ストリームファイルF1,F2,F3,・・・とは、独立している。
【0037】
録画リストファイル75bは、ストリームファイルF1,F2,F3,・・・の識別情報をテーブルとして有する。各ストリームファイルF1,F2,F3,・・・の識別情報は、それぞれのストリームファイルが構築され、記録されるときに作成される。識別情報は、基本的にはファイル番号、当該ファイルに含まれるコンテンツ(番組)の番組名、放送日時、番組内容(コメント)などを含む。
【0038】
ファイル番号は、ストリームファイルがHDD57に記録されるとき、記録・再生信号処理器55或いは記録制御器35aにおいて、作成される。例えばファイルの記録順に連続ファイル番号が録画ファイルに割り当てられる。
【0039】
一方、番組を特定することができるコンテンツ(番組)の番組名、放送日時、番組内容(コメント)などの情報は、デジタルテレビジョン放送信号のパケットストリーム中に含まれるEIT(Event Information Table)と、SIT(Selection Information Table)に記述されている。
【0040】
なおEITには、現在の放送中の番組に対するEITp(番組名、放送日時、番組内容(コメント))の他に、現在の放送中の番組の次の番組に対するEITf(番組名、放送日時、番組内容(コメント))も含み、また番組の変更や終了(放送時間の延長、あるいは緊急番組へ切り替え)に伴い対応するためのEITpf(番組名、放送日時、番組内容(コメント))も存在する。これに対して、SITは、このSITが含まれる番組ストリームに対する番組名、放送日時、番組内容(コメント)が含まれている。
【0041】
記録制御器35aは、デジタルテレビジョン放送信号の番組が受信され、記録されているとき、選択した番組のコンテンツを含む第1のパケットと付加情報を含む第2、第3のパケットが入力され、前記第1及び第2のパケットを集合した第1のストリームファイルを構築するとともに、前記付加情報から前記第1のストリームファイルを特定するための第1の識別情報(番組ストリームに対する番組名、放送日時、番組内容(コメント))を構築する。構築された識別情報は、図2に示すように録画リストファイル57bに格納される。また第1のストリームファイルは、ストリームファイルディレクトリ57aに格納される。
【0042】
ここで、識別情報が欠落或いは欠損している、さらには、構築されない場合がある。このようなケースとしては、識別情報を構築しているときに何らかのエラーが生じてデータが破綻した場合、もとももと、放送信号がノイズで乱れており、識別情報の取得ができなかった場合がある。さらには、コピー或いはダビングのために、入力したストリームにEITが含まれていない場合がある。さらにまた、パーソナルコンピュータなどからストリームが取り込まれた場合、あるいは放送番組を録画中にストリームファイルは構築できたが、停電などで識別情報の生成ができなかったような場合がある。
【0043】
このような場合は、例えば図2に示すように、録画リストファイル57bには、ファイル番号(例えばFile No.2?????)のみが表示され、いわゆるイレギュラー識別情報となる。この様な場合、ストリームファイルF2がどのような番組名で、何時放送されたのか、さらには、内容がどのような内容であるかは、メニューとして表示された録画リストファイルからユーザは確認することができない。
【0044】
そこで本装置では、上記のようなイレギュラー識別情報が存在した場合、このイレギュラー識別情報を、正常な識別情報に自動的に編集する録画リスト編集器35cが設けられている。
【0045】
図3(A)は、録画リストが表示装置102に表示された例を示している。ストリームS1,S2,S3の識別情報が表示されている。今、ストリームS1の識別情報をカーソル103aが指定している(番組名は「BS大好き」の例)様子を示している。このときは、ウインドウ103bにストリームS1を再生した動画像(図では家庭訪問の様子の動画像の例)が表示される。さらにそのウインドウ103bの下に、識別情報の内容、例えば、放送のタイプ、放送局、放送日時が表示されている。
【0046】
またストリームS2の識別情報は、イレギュラー識別情報であり、例えば記録した日時のデータが表示された例である。ストリームS3は、正常に識別情報が記録されている例である。
【0047】
図3(B)は、ストリームS2に関連したイレギュラー識別情報が本装置の録画リスト編集器35cにより、構築されて正常な識別情報(番組名「わくわくビューティー」)に変更された様子を示している。
【0048】
上記の例は一例であり、図4(A)及び図4(B)もイレギュラー識別情報が本装置の録画リスト編集器35cにより、構築されて正常な識別情報に変更された様子を示している。
【0049】
図4(A)は、ストリームS2に対応する識別情報(イレギュラー識別情報)の項目にカーソル103aが合わせられた様子を示している。図4(B)は、イレギュラー識別情報が本装置の録画リスト編集器35cにより、構築されて正常な識別情報(番組名「Junior Soccer in JAPAN・・・」)に変更された様子を示している。
【0050】
図5は、デジタルテレビジョン放送信号の所望の番組がユーザにより視聴されているとき、HDD57に当該番組のストリームが保存され、また識別情報が構築されて保存されるときの装置の動作を示すフローチャートである。
【0051】
録画すべきストリーム(番組)が指定される(ステップSA1)。当該番組のストリームの記録処理が実行される(ステップSA2)。またこのとき、ストリームの中から、EITを得るためのパケットが抽出され、EITが取得され(ステップB1)、EITに含まれる情報から識別情報が構築される(ステップSB2,SB3)。識別情報の構築が終了すると、識別情報が録画リストファイル内に格納され(ステップSB4)、ステップSA3に移行する。ステップSA3では、構築した識別情報に対応する番組のストリームが終了したかどうかの判定が行われる。ストリームが終了しているときは、記録動作が終了し、次の指令待ち状態となる(ステップSA4)。
【0052】
図6は、録画リストの表示要求がなされた後の動作を示すフローチャートである。録画リストが表示される(ステップSC1)。ユーザは、リモートコントローラを操作して、カーソルを移動させ、識別情報を参照して再生希望のストリームを指定し、決定ボタンを押す(ステップSC2)。すると、指定した識別情報に対応するストリームのリンク情報が記述されているので、当該ストリームの再生が開始される。このとき、識別情報は、イレギュラーであるか否かの判定がなされる(ステップSC3)。正常な識別情報であれば、指定されたストリームの再生が続行される(ステップSC4)。ステップSC3において、イレギュラー識別情報が検出された場合、指定されたストリームの再生が行われるとともに、当該ストリームに含まれるSITを含むパケットが取得される。そして、識別情報の構築又はイレギュラー識別情報内で不足する分の追加情報の作成が行われる。
【0053】
そして、指定されたストリームの再生が終了したときに(ステップSC6)、イレギュラー識別情報に不足分の情報を追加するか若しくはイレギュラー識別情報を新識別情報に置換する(ステップSC7)。
【0054】
上記した図6の実施形態は、再生指定したストリーム自身の識別情報がイレギュラーであった場合の動作を示した。しかし本装置は、この実施形態に限定されるものではない。
【0055】
図7は、記録されているストリームのいずれかが再生指定されたとき、録画リストの中にイレギュラー識別情報が存在するかどうかをチェックする。そして、自動的にイレギュラー識別情報に不足分の情報を追加するか若しくはイレギュラー識別情報を新識別情報に置換する実施形態である。この実施形態は、再生するストリームに対応する識別情報が正常か否かに関わらず、イレギュラー識別情報が存在した場合は、このイレギュラー識別情報を編集する。
【0056】
図7において録画リストの表示が行われる(ステップSD1)。録画リストの中の再生希望のストリームが指定される(ステップSD2)。指定されたストリームの再生が実行され、ストリーム再生が終了したら終了する(ステップSD3)。一方、ストリームの再生が開始されると、録画リストのチェックが実行される。そしてイレギュラー識別情報が存在するかどうかの検出が行われる(ステップSE1)。イレギュラー識別情報が存在した場合、このイレギュラー識別情報に対応するストリームが高速で読み取られ、当該ストリームに含まれるSITの情報が取得される。そしてSITの情報が利用され、イレギュラー識別情報に不足分の情報が構築されるか、新識別情報が構築される(ステップSE3)。そして、自動的にイレギュラー識別情報に不足分の情報を追加するか若しくはイレギュラー識別情報を新識別情報に置換する。この処理は、表示中の番組とは無関係に実行される。
【0057】
さらにこの実施形態は、図7に示すステップSE1−SE4の処理機能が独立して動作する形態であっても構わない。つまり、録画リストファイルが、例えば番組録画後に録画リストのチェックが実行されるか、または、装置において番組再生が行われていないときに自動的に立ち上がって録画リストのチェック動作を実行してもよい。この番組再生が行われていないときとは、例えば電源が投入されたときであってもよい。また、図7において録画リストの表示を行う前に録画リストのチェックを実行し、録画リストが表示される時点ではイレギュラー識別情報が表示されない状態となるようにしてもよい。
【0058】
上記した実施形態によると、録画リストを表示した際に、イレギュラー識別情報が存在しても、次の機会に録画リストを表示すると、イレギュラー識別情報が正常な識別情報に変更された状態で表示される。
【0059】
また上記した実施例では記録媒体にいくつかのストリームファイル及びこれに対応する識別情報がすでに記録されていることを前提にして説明したが、このような場合に限定されない。初めてストリームファイルを構築する場合であっても本発明が適用できる範疇である。
【0060】
この発明はビデオ録再装置、録画機能付きデジタルテレビジョン装置及びパーソナルコンピュータなどに有効に適用可能である。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる
【符号の説明】
【0062】
24,29・・・チューナ、25・・・デコーダ、26・・・セレクタ、34・・・信号処理器、35・・・制御ブロック、35a・・・記録制御器、35b・・・再生制御器,35c・・・録画リスト編集器、37・・・オーディオ出力回路、39・・・ビデオ出力回路、57・・・ハードディスクドライブ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
番組コンテンツを含むパケットと付加情報を含むパケットが入力され、前記パケットを集合したストリームファイルを構築するとともに、前記付加情報から前記ストリームファイルを特定するためのメニュー表示に用いる識別情報を構築するストリームファイル及び識別情報構築器と、
前記ストリームファイル及び識別情報を記録媒体に記録させる記録制御器と、
前記記録媒体から前記ストリームファイル及び識別情報を読み取る信号読み取り器と、
前記識別情報が所定のオーダーと異なるイレギュラー識別情報であると判断した場合、前記ストリームファイルの中の前記パケットに含まれる前記付加情報から新たな識別情報を生成する録画リスト編集器と、
前記識別情報を再生してメニュー表示用の出力を得る再生制御器とを有するストリームファイル管理装置。
【請求項2】
前記録画リスト編集器は、前記再生制御器で再生されているストリームファイルに関する識別情報が前記イレギュラー識別情報であるときに自動的に動作することを特徴とする請求項1記載のストリームファイル管理装置。
【請求項3】
前記録画リスト編集器は、前記記録媒体に記録されている複数の識別情報の中で、情報が所定のオーダーと異なるかどうかを判断し、イレギュラー識別情報があった場合に自動的に動作することを特徴とする請求項1記載のストリームファイル管理装置。
【請求項4】
前記パケット内の前記付加情報は、前記デジタルテレビジョン放送信号のセレクション情報テーブル(SIT)の情報であることを特徴とする請求項1又は2又は3記載のストリームファイル管理装置。
【請求項5】
さらに表示制御部を有し、この表示制御部は、表示装置に対して前記イレギュラー識別情報を表示するとともに、前記イレギュラー識別情報が編集された後は、正常になった前記新たな識別情報を表示する請求項1又は2又は3記載のストリームファイル管理装置。
【請求項6】
前記番組コンテンツを含むパケットと付加情報を含むパケットがチューナ又は外部入力端子のいずれかから供給導入される請求項1又は2又は3記載のストリームファイル管理装置。
【請求項7】
ストリームファイル及び識別情報構築器と記録制御器と再生制御器とを制御するストリーム管理方法において、
前記ストリームファイル及識別情報構築器により、番組コンテンツを含むパケットと付加情報を含むパケットが入力され、前記パケットを集合したストリームファイルを構築するとともに、前記付加情報から前記ストリームファイルを特定するためのメニュー表示に対応する識別情報を構築し、
前記記録制御器により、前記ストリームファイル及び識別情報を記録媒体に記録し、
録画リスト編集器により、前記識別情報が所定のオーダーと異なるイレギュラー識別情報であると判断した場合、前記ストリームファイルの中の前記パケットに含まれる前記付加情報から新たな識別情報を生成し、
前記再生制御器により前記記録媒体の識別情報を再生しメニュー表示出力を得るストリームファイル管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−64293(P2012−64293A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210137(P2010−210137)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】