説明

ストレッサーセンサ及びストレス管理システム

ストレッサー検出システム100は、ある人物の環境に関連する物理量を表す時間変動する信号を取得するために前記人物に取り付けられるセンサ手段101、及び、取得された信号から、環境がその人物においてストレスを誘発している程度を表すストレッサー値を導出する処理手段102を有する。処理手段は、信号に含まれる複雑さの量を導出し、多くの情報量について高いストレッサー値を導出する。処理手段は、信号のスペクトル周波数分析を実行し、スペクトル周波数分析に依存してストレッサー値を導出する。センサ手段は、マイクロフォン105、カメラ104及び3次元加速度計を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレッサー検出システムに関する。また、本発明は、ストレッサーを検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの医療の専門家は、ストレスが病気の防止及び回復において重要なファクタであることに同意している。ユーザのストレスの測定値を計算するために重要な身体の兆候を測定することが知られており、たとえば、道路の状況を記録するカメラ/オブザーバを含めて自動車の運転手のストレスレベルを測定する方法は、Healey J, Seger J, Picard Rによる“Quantifying driver stress: developing a system for collecting and processing bio-metric signals in natural situations” in Biomed. Sci. Instum. 1999; 35: 193-8に記載されており、以下“Healey”と呼ぶ。また、国家及び他の法律の場所は、作業者に対するノイズレベル及び他の外部の信号/影響を制限していることが知られている。
【0003】
米国特許第6607484号では、挙動及びストレス管理認識装置が開示されている。この装置は、リファレンスセンサ情報コーパスを有しており、このコーパスは、環境のレコード(季節、時間、場所、ポスチャ、アクション、挙動、及び期待される挙動)、物理的な情報(パルスレート、体温、GSR(Galvanic skin reflex)、及びボイスピッチ)、ストレスの程度及びダイアログ構造を記憶する。この装置は、更に、個人情報管理(PIM)ソフトウェアのアドレスブックに個人の主観的な(ストレス)データを記憶することを有する。この装置は、更に、ある人物が誰かの個人的な空間に入ったかを判定する超音波距離センサ、悪い匂い又は強い匂いを判定し、タスクデータ及びスケジュールからストレスの程度を判定するにおいセンサを記載している。
【0004】
既存のシステムは、比較的複雑であり、特定の状況のストレスを学習するための多数のユーザインタラクションを必要とし、これにより、ストレスの測定を比較的主観的なものにする。この既存のシステムは、ストレスを誘発している関連する環境の状況の制限された数の態様のみを考慮している。引用されたシステムは、ある人物の環境におけるストレスに関する正確な情報を提供しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ある人物の環境におけるストレッサー(stressor)に関する更に正確な情報を取得するシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、本発明の第一の態様により実現され、ある人物の環境に関連する物理量を表す時間変動する信号を取得するために前記人物に取り付けられるように構成されるセンサ手段、環境が前記人物におけるストレスを誘発している程度を表すストレッサー値を取得された信号から導出する処理手段を有する。
【0007】
取得された時間変動する信号は、更なる処理ステップを行うために特に適する。信号パターン又は信号特性及びそれらストレスを誘発している特徴及び/又はストレスを低減している特徴に関するビルトインナレッジ(built-in knowledge)をもつシステムは、ある人物で誘発されるストレスに関する比較的正確な情報を提供する。さらに、物理的な現象がストレスを誘発及び減少する程度は、一般に適用可能な事前知識及び/又は人物又は該人物が属するグループに特定の知識を使用して客観的に定量化することができる。かかる特定の知識及び一般的な知識は、推測的に取得され、アルゴリズム的にシステムに埋め込まれるか、及び/又は、テーブルルックアップメカニズム又はデータベースを使用する。ストレッサーを判定することができるだけでなく、恐怖を誘発する状況及び疲労を誘発する状況をも決定することができる。また、落ち着いた状況を決定することもでき、リラックス値を決定して、リラックス値に基づいてストレッサー値を減少することでストレッサー値を補償するために使用される。
【0008】
好ましくは、ストレッサー値は、0と1の間で正規化されるか、任意の予め決定された上限と下限との間で正規化される。代替的に、予め決定された固定されたポイントが使用される場合がある。いずれにしても、本発明の異なる実施の形態により確立されるストレッサー値を比較することが可能となるようなやり方で、ストレッサー値が正規化されることが好ましい。たとえば、光センサを有するストレッサー検出システムから取得されたストレッサー値と、マイクロフォンを有するストレッサー検出システムから取得されたストレッサー値とを比較することが有利にも可能である。これは、0がストレスを誘発しない落ち着きを誘発する環境に対応し、1がたとえば永続的に物理的な損害を生じることが知られている環境といった極端にストレスを誘発する環境に対応するように、ストレッサーの値を正規化することで実現される。
【0009】
本発明の実施の形態では、処理手段は、測定された信号に含まれる複雑さの量を決定し、多くの量の複雑さについて高いストレッサー値を導出するために構成される。
【0010】
測定された信号に含まれる複雑さの量は、信号における情報量又は信号のエントロピーを計算することで決定される。複雑さの信号は、高い程度の誘発されたストレスと相関付けされ、したがって、信号に含まれる情報量を決定すること、又はたとえばKolmogorovの複雑さをストレッサー値に関連する指標として使用することができ、この場合、高い複雑度は、高い量の誘発されたストレスに関連する。
【0011】
本発明の実施の形態では、処理手段は、信号のスペクトル周波数分析を実行し、スペクトル周波数分析に依存するストレッサー値を導出するために構成される。
【0012】
スペクトル周波数分析は、誘発されるストレスの量を決定するために使用することができる。スペクトル周波数分析は、多くのやり方で実行することができる。たとえば、スペクトル周波数分析は、ストレッサー値に関連する信号の複雑度を推定するために使用することができる。これは、比較的複雑な信号は、典型的に比較的単純な信号よりも多くの周波数成分を含むためである。また、所定の周波数レンジは、他の周波数レンジよりも多くのストレスを誘発する場合がある。周波数のなかには、人により注目されない周波数があり、他の周波数は、その人がその周波数をもつ信号に晒されている場合、特にその人が比較的長い期間にその周波数を持つ信号に晒されている場合に比較的大量のストレスを生じる場合がある。有利なことに、システムは、ストレスに関連する周波数の組み合わせを認識する。また、システムは、たとえば時間変動する周波数を持つ信号により誘発されるストレスを検出する時間−周波数分析を使用する。
【0013】
本発明の実施の形態では、センサ手段は、ある人物の環境に関連する更なる物理量を表す更なる時間変動する信号を取得するために構成される。処理手段は、更に取得された信号から更なるストレッサー値を導出して、前記ストレッサー値と更なるストレッサー値から結合されたストレッサー値を導出する。
【0014】
その人物の環境に関連する任意の数の物理量、及び/又はその人物に関する任意の数の身体的又は生理的な量を表す任意の数の信号及び測定値を取得することができる。処理手段は、これら信号及び測定値に依存してストレッサー値を導出することができる。たとえば、処理手段は、それぞれの信号及び測定値のそれぞれに対応するストレッサー値を確立し、ストレッサー値を結合することで結合されたストレッサー値を確立する。この結合は、ストレッサー値の重み付けされた総和を導出することで確立される。また、この結合は、ストレッサー値の最大値を導出することで確立される。好ましくは、1つのステップで正規化及び総和を実行するために重み付けされた総和又は重みの確立が調節される前に、ストレッサー値は正規化される。また、相互の実行計画が使用され、そこでは、異なるストレッサーの同時の存在により、重み付けされたストレッサー値の平均よりも高いストレッサー値が得られる。
【0015】
本発明の実施の形態では、センサ手段はマイクロフォンを有し、取得された信号は、マイクロフォンから取得されるオーディオ信号を含む。
【0016】
音声、又は可聴信号は、人にストレスを生じさせる重要なファクタである。特に、人が聞くことができるオーディオ信号は、ストレスを引き起こす場合がある。好ましくは、処理手段は、人が聞くことができる周波数を含む信号成分を抽出するために構成される。
【0017】
本発明の実施の形態では、処理手段は、オーディオ信号の振幅、オーディオ信号のエンベロープ、少量のオーディオ信号、信号のラウドネスのうちの少なくとも1つに依存して、ストレッサー値を導出するために構成される。
【0018】
本発明の実施の形態では、処理手段は、可聴の信号成分の乱れの成分に大きな重みを与えるために構成される、乱れの成分は、以下の周波数を含む。人が聞くことができる周波数の予め決定された境界を超える周波数であって、人が聞くことができる周波数の上限以下の周波数。この場合、予め決定された境界は上限よりも小さい。又は、人が聞くことができる周波数の予め決定された境界以下の周波数であって、人が聞くことができる周波数の下限を超える周波数。この場合、下限は予め決定された境界よりも小さい。
【0019】
人間の耳が検出することができる周波数の限界に比較的近い音声周波数は、特にストレスを誘発している周波数とすることができる。
【0020】
本発明の実施の形態では、センサ手段は、可視の環境の光の強度を表す光強度信号を取得する光センサを有し、処理手段は、強度に依存してストレッサー値を導出するために構成される。
【0021】
環境の光は、ある人がさらされる場合がある別のタイプの潜在的にストレスを誘発する状況である。
【0022】
本発明の実施の形態では、センサ手段は、環境光の個別の色成分の強度をそれぞれ表す複数の光信号を取得する光センサを有し、処理手段は、光信号に依存してストレッサー値を導出するために構成される。
【0023】
異なるタイプの自然及び/又は人工の光源により生じるか、或いは光フィルタリングにより引き起こされる環境光における異なる色成分は、ある人におけるストレスの原因である場合がある。
【0024】
本発明の実施の形態では、センサ手段は、人が見ているものに関連する少なくとも1つの画像を取得するカメラを有し、処理手段は、その画像にも依存してストレッサー値を導出するために構成される。環境光の強度及び色が重要なストレスを誘発するファクタであるのみでなく、人が見ている画像の内容の重要である。有利なことに、処理手段は、画像のパターン認識を実行するために構成される。パターン認識は、オブジェクトを認識するために使用され、その場合、オブジェクトは、人、顔、ツール、壁、又は他の画像形成可能な対象である。顔の表現が認識される場合があり、たとえば、怒り又は楽しい顔の表現を持つ顔は、異なるストレッサー値をもつ個別のタイプのオブジェクトとして区別することができる。また、ストレスを生じさせるものと考えられる、「ミドルフィンガー」ジェスチャのようなジェスチャを認識することができる。人に向けられる銃を認識することができる。これは、たとえば画像処理技術を使用して検出することができるオブジェクト及びジェスチャの結合である。人に向けられる銃は、ストレス及び恐怖を引き起こすものと考えられる。また、恐れを誘発するオブジェクト又はジェスチャは、恐怖を誘発する値を取得するために検出することができる。好ましくは、ストレージ手段は、オブジェクト及び/又はジェスチャに関連されるパターンを記憶するために構成され、それぞれのオブジェクト又はジェスチャは、ストレッサー値に関連される。ストレッサー値は、それぞれのオブジェクトについて、或いはオブジェクト又はジェスチャのグループ又はタイプについて定義される。上述されたように自動的にシステムの動作の間にストレッサー値に関する情報も収集される場合がある。
【0025】
カメラは、人が見ているもの関連する画像の系列を取得するために構成され、処理手段は、画像の系列に依存してストレッサー値を導出するために構成される。画像の系列の処理は、オブジェクトの更に信頼できる認識を与え、ストレッサー値の更に正確な推定を与える。さらに、オブジェクトの時間に依存する変化を追跡することができる。また、更に複雑なジャスチャを認識することができる。人に向かって動くオブジェクト及び/又は人から離れて動くオブジェクトが検出され、ストレッサー値に関連される。たとえば、「人に向かって動く怒った顔の表現をもつ顔」は、「怒った顔の表現をもつ顔」又は「人に向かって動く顔」よりも高いストレッサー値と関連付けされる。
【0026】
本発明の実施の形態では、処理手段は、少なくとも1つの画像の複雑さの量を導出し、少なくとも1つの画像の複雑さの量に依存してストレッサーの値を導出するために構成される。
【0027】
複雑な画像は、比較的大量の認識に関する努力を必要とし、ストレスが誘発される可能性がある。
【0028】
本発明の実施の形態では、処理手段は、少なくとも1つの画像から動きの量を導出し、動きの量に依存してストレッサーの値を導出するために構成される。
【0029】
本発明の実施の形態では、処理手段は、少なくとも1つの画像に関するオブジェクト認識を実行し、オブジェクト認識に依存してストレッサー値を導出するために構成される。
【0030】
本発明の実施の形態では、センサは、加速度信号を取得する加速度センサを有し、該加速度信号から、人の筋肉の収縮により生じない人の加速を表す外部で誘発された加速信号を抽出する手段を更に有し、処理手段は、外部で誘発された加速度信号を考慮するために構成される。
【0031】
外部で誘発された振動のような加速は、ストレスの原因となる可能性がある。特に、高い強度をもつ振動は、高いストレッサー値に関連される。また、繰り返しの振動パターンは、高いストレッサー値を生じる可能性がある。
【0032】
本発明の実施の形態では、抽出する手段は、予め定義された下側の閾値以下の周波数をもつ加速度信号の成分を含み、予め定義された上側の閾値を超える周波数をもつ加速度信号の成分を更に含むために構成され、この場合、上側の閾値は下側の閾値よりも大きい。
【0033】
人間の筋肉の収縮により人間自身により誘発された加速度は、主に約1Hz〜15Hzの範囲にあると考えられる。したがって、外部で誘発された加速度を発見する比較的シンプルな方法は、その範囲にない周波数を有する加速度の信号成分を抽出することである。1Hzと15Hzの境界は、指標となるのみであり、これは、たとえば比較的若く、小柄又は体重が軽い人間は、比較的高齢で、大柄、又は体重が重い人間よりも迅速な動きを有する場合があるからである。
【0034】
本発明の実施の形態は、筋電図検査信号を取得する筋電図検査システムを更に有し、抽出する手段は、筋電図検査信号に依存して抽出を実行するために構成される。
【0035】
自己により誘発された人間の加速度が検出される場合があり、これは、係る自己により誘発された加速度が人間内の筋肉の収縮により先行されることがあるか、及び/又は人間内の筋肉の収縮と一致するからである。筋肉の収縮に関連する筋電図検査信号を測定することで、筋肉の収縮が測定され、測定された加速度を筋肉の収縮と相関付けし、信号から筋肉の収縮に関連する加速度成分を除くことが可能となり、これにより、外部で誘発された加速度成分から主に構成される加速度信号となる。
【0036】
本発明の実施の形態は、人により受けたストレスに関するストレス値を取得する手段、及び人により受けた信号とストレスとの間の関係を確立する手段を更に有する。
【0037】
これらの手段は、ストレッサー値の精度を改善するためにシステムが自動的に学習するのを可能にする。処理手段により生成されたストレッサー値は、取得されたストレス値に比較され、差が検出された場合、処理手段の内部のモデルは、信号と人により受けたストレスとの間の関係をモデルが更に良好に反映するように調節することができる。モデルは、たとえば取得された信号と人のストレスを示す生理的な測定値との相関を計算することで自動的にシステムの動作の間に改善される。モデルは、たとえば人工知能方法又は回帰分析を使用して実現することができる。このモデルは、特異性を考慮することで高い精度をもつストレッサー値を提供するために使用される。
【0038】
本発明の実施の形態では、ストレス値を取得する手段は、人により受けたストレスに関連する人の生理的な量を取得するために構成される。
【0039】
人の生理的な量は、たとえば、パルスレート、体温、GSR(galvanic skin reflex)及びボイスピッチのうちの少なくとも1つを含む。これらの量は、ストレスに関連することが知られている。代替的に、又は組み合わせて、ユーザインタフェースを介して、人のストレスを示すユーザ入力が使用される場合がある。
【0040】
ストレッサー検出方法の実施の形態は、時間変動する信号からストレッサー値を導出するステップを含み、時間変動する信号は人の環境に関連する物理量を表し、ストレッサー値は、実施の形態が人においてストレスを誘発している程度を表す。
【0041】
本発明の方法のこれらの態様及び他の態様は、添付図面を参照して更に明らかにされるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
一般に、ストレスと該ストレスを引き起こした信号との間には差、ストレッサーが存在することが分かる。様々なタイプのストレッサーを区別する。はじめに、知覚のストレッサーは、大きく及び/又は変動するノイズレベル、光レベル、加速及び振動、強く及び変動する匂いであり、これら全ては人間の感覚により観察され、ストレスの源となる。特に、強度及び(振動の)リズムは、重要である。第二に、シンボリックストレッサーである。たとえば、観察している人間が雑音におけるシンボルを認識した場合、弱い雑音は、重要なストレスの源となる。たとえば、誰かに銃を向けることは、その人がオブジェクトを認識し、彼が死の危険にあることを知るとき、典型的にストレスを生じる。シンボリックストレスは、人間のバックグランド及び歴史に依存する。第三に、第一と第二の間で定義されていない領域が存在する。たとえば危険のための黄色、安全のためのピンクのようなロウレベルのシンボリズムは、測定することが容易であるが、認識の概念に基づいている。
【0043】
本発明に係るシステムは、シンプル且つ賢明なやり方で、ストレッサーをモニタするのを可能にし、コンシューマがさらされる長期のストレッサーレベルを定量化するのを可能にする。したがって、彼又は彼女は、環境が健全であるかを判断するのを支援され、ユーザとして主観的な判断は、彼又は彼女にとって主観的に良好ではない環境を受け入れることに圧力をかけられることがある。既存のストレスを測定することにのみ焦点を当てているストレス管理システムは、ストレスが既に存在するので余りに遅く、ストレスの原因を判定することができない。したがって、これらのシステムは、「深く、ゆっくりと深呼吸する」ような、グローバルなフィードバックを生成するのみである。
【0044】
図1は、ストレッサー検出システム100の概念を表すブロック図である。ストレッサー検出システム100は、人がさらされている物理的な減少を表す信号を取得するセンサ手段101を有する。センサ手段101は、たとえばカメラ104、光センサ(図示せず)、マイクロフォン105、電子ノイズ(e-nose)106、バイブレーションセンサ(図示せず)、又は有利には3次元加速度計(図示せず)である加速度計を有する場合がある。センサにより生成された信号は、処理手段102に伝達される。処理は、典型的に、信号の複雑度を決定するか又は時間−周波数分析を実行するように信号処理ステップを含む。より複雑な信号は、比較的にストレスを誘発することが考えられる。信号分析により、ストレッサー値が得られる。ストレッサー値は、出力手段103に伝達され、この出力手段は、ストレッサー値をストレッサー検出システムに結合されるシステムに伝達する。たとえば、ユーザにアドバイスを提供するためにストレッサー値を使用するPDA又はパーソナルコンピュータとすることができる。出力手段103は、ストレッサー検出システムに結合されるシステムへの後の伝達のため、結果及び未処理の測定データを記憶する。また、出力103は、ディスプレイ又はラウドスピーカのような適切なレンダリング装置を使用して、ストレッサーレベルに関連するフィードバックを提供する。
【0045】
知覚のストレッサーセンサ100は、ユーザの知覚により捕らえられる環境信号を測定し、ユーザに関する身体的/生理的な負荷の測定値を計算する。
【0046】
代替的な実施の形態は、(移動体)電話であり、この場合、ユーザはストレッサーセンササービスの電話番号を呼び、ストレッサーセンササーバにより回答される。電話のマイクロフォンから取得される音声信号は、電話接続の他のエンドのサーバに送信され、処理ハードウェアは、サーバに含まれ、このサーバは、結果を含むSMS及び/又はボイスメッセージを電話に送出し、及び/又はリポジトリにストレッサーに関連する情報を記憶する。かかるサービスの電話番号は、音楽認識サービスについても使用される。たとえばカメラ又は加速度メータといった(移動)電話に統合されるか、及び/又は(移動)電話に接続される他のセンサから取得された信号は、ストレッサーセンササーバに送信される場合がある。信号は、ストレッサーセンササーバに送信される前に事前に処理される場合がある。同様に、周辺機器をもつクライアントパーソナルコンピュータ、又は処理手段を有するサーバと通信する(たとえばマイクロフォン、ウェブカムといった)センサ手段を有するパーソナルデジタルアシスタントのようなクライアント/サーバコンフィギュレーションを実現することもできる。
【0047】
処理手段102により提供される信号処理は、信号の複雑度を確立することを含むことが好ましい。複雑さは、信号又はエントロピーにおける情報量を計算することで確立される場合がある。また、Kolmogorovの複雑度に関する境界が確立される場合もある。係る境界は、適切な圧縮アルゴリズムにより達成される圧縮率に関連され、圧縮率は、センサ手段101から取得される(おそらく事前に処理された)未処理の信号のサイズで割られる、ビット数で表現される圧縮された信号のサイズに関連する。実施の形態では、ストレッサー値を決定するアルゴリズムは、以下のステップを含む。人の環境に関する物理量を表す時間変動する信号sのビットにおけるサイズを決定するステップ。このサイズをsize(s)と示す。sを圧縮して圧縮された信号scを取得するステップ。圧縮された信号scのビットにおけるサイズを決定するステップ。このサイズをsize(sc)と示す。r=size(sc)/size(s)を計算することで圧縮率rを決定するステップ。ストレッサー値νを圧縮率に等しく設定するステップν=r。
【0048】
このように、ストレッサー値νが0に近い場合、(ストレッサーがないことに対応して)信号は非常に予測可能であり、νが1に近い場合、(ストレッサーがあることに対応して)信号は非常に予測不可能である。なお、たとえば、音楽信号では、デコンプレッサが対応する雑音発生手段を有する場合、圧縮アルゴリズムは、特に低い圧縮率で雑音成分を圧縮する。人間の耳は、オリジナルの雑音成分と雑音発生手段から取得された雑音成分との間の差に気付かないであろう。これは、このアルゴリズムがある制約の下で可能な最大の範囲にまで信号を圧縮するという点で、知覚に特化した圧縮アルゴリズムの例である。この制約は、オリジナル信号と信号を連続的に圧縮及び伸張することで得られる信号が、レンダリングされるときに、意識して又は無意識に人間により区別することができないことである。好ましくは、先のアルゴリズムを適用する前に、レンダリングされたときに意識して又は無意識に人により知覚することができない信号成分は、信号sから除かれる。これにより、特に関連する圧縮率r及び特に正確なストレッサー値νが得られる。
【0049】
本発明の実施の形態は、マイクロフォン105、音声処理ハードウェア及びソフトウェア102、出力手段103に結合されるディスプレイ、及びインタラクティブボタンを有する。これらのコンポーネントは、身体に身に付けることができる装置を形成する。
【0050】
本発明のこの実施の形態では、音が測定される。音圧レベル、音圧レベルにおける変化(エンベロープ)、及びドーズ(dose)(積分、移動平均)は、ユーザのストレスに影響を及ぼす。サウンドレベル、サウンドエンベロープ、及びサウンドドーズの重みは、どの程度にまで、これら測定された量がストレッサーレベルに寄与するかを判定する。実施の形態では、絶対レベルのみが測定され、更に進展された実施の形態では、音のタイプが認識され、個々の重みが与えられる。たとえば、所定の音は、泣いている赤ん坊といった、本能的な警告をトリガし、スピーチは、繰り返しのトーンよりも認識の努力を必要とし、音は指向性であり、音の基点の動きは、更に認識の努力を必要とし、音源における変化は、潜在的にストレスを誘発する。測定されたとき、これらは全てストレッサーレベルに寄与する。
【0051】
有利なことに、処理手段102は、音の大きさを確立するために構成される。ラウドネスは、どの位大きく人が音信号を受けるかを表す心理音響的な手段である。ラウドネスは、音信号により引き起こされる苛立ち及びストレスに関連する。苛立ちは、ストレッサー値に強く関連する聴覚からの公知の概念である。C.M. Harrisによる“Handbook of acoustical measurement and noise control”3rd Edition, Acoustical Society of America, pages 23.1-23.7を参照されたい。音のラウドネスは、たとえばISO532A又はISO532Bのような標準的な方法を使用して発見される。ラウドネス及び/又は苛立ちは、ストレッサー値として使用することができる。重み付け総和のような両者の組み合わせも可能である。好ましくは、ストレッサー値は、ラウドネス及び/又は苛立ちが生じる時間に依存して決定される。たとえば夜ではストレッサー値は昼間の間よりも高く、L.E. Kinsler等による“Fundamentals of acoustics” 3rd edition, John Wiley and Sons, New York, pages 284-291を参照されたい。
【0052】
別の実施の形態は、光センサ又はカメラ104、及び、光又は画像処理ハードウェア及びソフトウェア102、出力手段103に結合される任意のディスプレイ、及び、人体に小型装置して取り付けることができる任意のインタラクション手段を有する装置により形成される。この装置は、上述されたように、マイクロフォン105、並びに、音声処理ハードウェア及びソフトウェア102を有する。日光及びフルスペクトル光は、ストレスレベルを低下するために良好であるが、蛍光灯のような非自然光は、任意の強度でストレッサーとして機能する。光スペクトルに関連する値は、スペクトル測定システムから取得される。かかるシステムの例は、アメリカ合衆国のカリフォルニア州サンディエゴのGamma Scientific社からGS-1253-LCDである。
【0053】
システムのような出力の1つは、カラーレンダリングインデックス(CRI)である。CRIは、光源により照らされている様々なオブジェクトの色を再現するための光源の能力の測度である。最良の可能な演色は、百のCRIにより規定され、非常に乏しい演色はゼロのCRIにより規定される。単色である低圧ナトリウム灯のような光源について、CRIがほぼゼロであり、品質的に黒体輻射を放出する白熱電球のような光源について、これはほぼ百である。CRIは、テスト光源のカラーレンダリングを、5000Kを超える色温度をもつ光源を除いて、一般に黒体輻射である「パーフェクト」な光源のカラーレンダリングに比較することで測定され、このケースでは、シミュレートされた昼間の光が使用される。たとえば、標準的な「白色」蛍光灯は、62に近いCRIを有する。低いCRIはストレスに関連されることが考えられる。ストレスに関連されると考えられるスペクトル測定システムの別の出力は、色温度(CT)である。
【0054】
光の安定したスペクトルを測定するよりはむしろ、ストレッサー検出システムとの使用のためのスペクトル測定システムは、連続モードで動作することが好ましい。そのように、CRI及び/又は色温度(CT)又は他の関連する量は、連続的に知られる。通常、スペクトル測定システムは、単色光源のスペクトルを測定する。ストレッサー検出システムとの使用のため、スペクトル測定システムは、CRI、色温度、又は(無指向性の)環境光の他の関連する量を測定することが好ましい。CRI又はCT若しくは環境光の他の関連する量を連続的に測定することで、それぞれの量を表す信号が得られる。処理手段102に日時を提供することで、信号は、測定が行われた時間と関連付けすることができる。好ましくは、日時の関数としてそれぞれの量を表す基準信号は、処理手段102にとって利用可能になる。基準信号は、理想的な状況下でそれぞれの量に対応する。代替的に、基準信号は、たとえばノーマル、平均、又は望まれない状況下でそれぞれの量に対応する。好ましくは、既知のストレッサー値に関連される1以上の係る信号は、処理手段102にとって利用可能となる。測定された信号を1以上の基準信号と比較することで、人の現在の環境と基準信号との間の比較を行うことができる。係る比較から、ストレッサー値を取得することができる。日時を考慮して現在測定された信号が80%について0.2のストレッサー値に関連される基準信号と比較され、現在測定された信号が20%について0.7のストレッサー値に関連される基準信号と比較される場合、処理手段は、0.3のストレッサー値を決定する。同様に、季節要因は、処理手段102に年の時間と、異なる年の時間に対応する基準信号とを処理手段102に供給することで組み込まれる。
【0055】
光強度における変化は、ストレッサーレベルに寄与する。てんかんは、ストロボスコープライトにより導入することができる。重みは、どの程度にまで、光のエンベロープがストレッサーレベルに寄与するかを判定する。別の実施の形態では、光は、一様な光源として扱われないが、その個々の色成分又は更に画像として扱われる。画像の固有の複雑さたとえばエッジ検出を使用し、個々の領域をカウントして決定することができる。時間を通した動きの量は、既知の動き予測技術を使用して計算される。画像の複雑さ及び時間を通した動きの量は、これらの画像を処理するために脳による更なる認識の努力が必要となるので、予め決定されたそれぞれの重みをもつストレッサーレベルを追加する。別の実施の形態では、オブジェクトを認識することができ、重みは、オブジェクトのタイプに起因させることができる。たとえば、武器は正の重みと関連付けされ、花は負の重みと関連付けされる。
【0056】
別の実施の形態は、人体が動作する所定の周波数レンジにフォーカスすることで、体に身に付けたときに人体の加速度を測定し、最も外部で誘発された加速度をフィルタリングするTracmorアクティビティメータを有する。人間の動きは、典型的に所定の周波数レンジで掃除、低い周波数及び高い周波数が外部で誘発される。従来のアクティビティメータでは、人により生成された加速度の周波数成分は、人のエネルギーの放出を決定するために使用される。B.G. Steele等による“Quantitating physical activity in COPD using a triaxial accelerometer”, CHEST, May 2000を参照されたい。たとえば、16Hzを超える周波数は、肉体的な動きよりはむしろ自動車の移動に関連される。本発明に係るストレッサー検出システムでは、他の加速度信号成分、すなわち人の外部の力により誘発された加速度が使用される。それは、これらの力が人のストレス又は落ち着きを生じさせる場合があるためである。外部で誘発された加速度を基本として使用して、振動及び加速度のストレッサーセンサが取得される。アクティビティメータ及びストレッサーセンサは、同じ装置で任意に統合することができ、装置の最適な配置は2つの装置であり、たとえば1つはベルトであり1つは首である。有線又は無線接続は、2つの装置を結合するために使用される。有利なことに、ストレッサー検出システム100は、筋肉の収縮に関連する値を取得するために筋電図検査システム104を更に有する。処理手段は、その人自身におり誘発された動きパターンとして筋肉の収縮の後に簡単に加速度を関連付けし、他の加速度を外部で誘発された動き又は力と関連付けするために構成される。ユーザは、列車又は自動車のような振動/加速する領域のような外部で誘発された動きからストレスを受ける。高周波の加速(典型的に振動及び衝撃)と低周波の加速との間の差は、異なる重みで形成される。特に、予測不可能な力及び動きは、ストレッサーである。係る予測不可能な力により状況の例は、移動するトラック又はバスである。予測不可能な力は、鉄道又は道路の粗さにより引き起こされる。落ち着き又はストレスを低減する動きの例は、ソフトロッキング(soft rocking)である。係る動きは、特に予測可能である。
【0057】
別の実施の形態は、電子的な雑音(e-nose)106及び/又はにおいセンサを有する。好ましくは、ストレッサーセンサが人体に身に付けられるとき、室内温度で動作するe-noseが使用される。本実施の形態は、e-nose信号処理ハードウェア及び/又はソフトウェア102を更に有する。e-noseは、少なくとも1つの揮発性有機化合物の濃度レベルを確立する。F. Xiangshern等による“An improved integrated electronic nose for online measurement of VOCs in indoor air”, Proc. IEEE Engineering in Medicine and Biology 27th Annual Conference, Shanghai, China, 2005を参照されたい。好ましくは、e-noseは、ある人物において苛立っているか又はストレスを誘導していることが知られている揮発性有機化合物の濃度レベルを確立するために構成される。ストレッサー値は、揮発性有機化合物の濃度レベルの重み付け総和とすることができ、比較的ストレスを誘発する化合物は、比較的高い重みと関連付けされる。好ましくは、処理手段102は、時間変動する濃度レベルにおける変化を検出するために構成される。においは、においが比較的長時間について同じであるときにストレスを誘発しない。特に悪い匂いとして人により知覚される揮発性有機化合物の濃度の増加は、比較的大きなストレッサー値となる。濃度が一定のままである場合、対応する悪い匂いが徐々に減少する強度と知覚されるため、ストレッサー値は次第に減少する。たとえば、家畜の建物に入る人は、圧倒する匂いにより引き起こされるストレスを経験し、数時間について内部で作業を行った後に人は、これ以上匂いに殆ど気付かず、結果的に、ストレッサーとして関与された揮発性有機化合物の高い濃度を受けない。当該技術分野で知られているe-noseは、揮発性有機化合物の濃度を確立するためにかなりの信号処理量を含む。好ましくは、e-noseの信号処理及びストレッサー値を確立する信号処理は、同じプロセッサ及び/又はメモリコンポーネントを使用して実行される。
【0058】
ユーザへのダイレクトフィードバックとして、先に記載された実施の形態の何れかのストレッサーセンサの出力手段103は、その環境がどの位ストレスが多いかに関する測度を与え、これをある期間にわたり要約する。たとえば、最後の数分又は数秒の状況を報告することができる。これは、たとえば労働法の基準といった、ストレスに関連する基準を違反するエリアから離れるようにユーザに催促する。
【0059】
また、目覚める時間からの期間が使用される場合がある。これは、どのような外部ファクタが彼の感覚に影響を与えるかに気付くようになるので、ユーザが彼自身の整理を良好に理解するのを助ける。全体の睡眠時間を式に含むことができ、不十分な睡眠時間は、所定の前日のストレスレベルが次の日に持ち越されることを意味する。このケースでは、ストレッサーレベルは、目覚めの時間で全体的にゼロにリセットされていないが、前日の一部で開始し、その一部は、睡眠の期間及び品質に関連する。任意に、ストレッサーセンサは、ピアグループ又は友人のような他のユーザのストレッサーセンサとの比較を示し、これにより、現在のレベルが許容可能であるかをユーザが判定するのを助ける。ストレッサーセンサは、傾向及び履歴データを示すことができ、ユーザは、状況が改善されているか否かを知ることができる。
【0060】
ストレッサーセンサは、どの外部信号が現在のストレッサーレベルに最も寄与しているかを示し、個々の音、光/画像のレベル、並びに加速度を示すことができる。これは、どの環境の状況が変化される必要があるかに関してユーザに正確なフィードバックを与える。ストレッサーセンサは、保護メガネ又はイヤウェアといった、低い光の強度のようなストレッサーのレベルを低下する方法を指摘する。
【0061】
ストレッサーセンサを拡張してシンボリックストレッサーの態様を含むため、多数の異なるタスク及びデッドラインもストレスを誘発するので、デジタルアジェンダ及び/又はプロジェクトプランニングソフトウェアへのリンクを構築することができる。また、ワークペースプログラムは、ユーザのコンピュータでの活動を典型的にチェックするので、ワークペースプログラムを構築する場合があり、コンピュータでの活動は、重みを有することができる。旅行は認識の努力を必要とする多くの新たな経験を与え、ストレスが特定のロケーションと関連する場合があるので、グローバルポジショニングシステムには、ストレッサーの重みが同様に与えられる。運転に関連したシンボリックストレッサーを効果的に考慮することができるように、ストレッサーセンサは、車内のストレス管理システムにリンクすることができる。
【0062】
実施の形態では、ストレッサー検出システム100は、人により受けたストレスに関連するストレス値を取得するストレス検出手段105を更に有する。この値は、処理手段に通過される。ここでは、ストレス値と人により経験されたストレスとの間の関係が確立され、改善される。ストレス検出手段105は、ストレスセンサを有する(たとえばストレス検出手段105は、パルスレート、体温、GSR(galvanic skin reflex)、及び/又はボイスピッチを確定することを含む)。代替的に、ストレス検出手段105は、人が受けたストレスに関連される情報をストレッサー検出システムに彼が示すのを可能にするユーザインタフェースを有する。ストレスセンサとユーザインタフェースとの組み合わせを使用することができる。処理手段102は、ストレッサーセンサ101、ストレス検出手段105、及び/又は筋電図検査システム104からの入力を受け、たとえば割り当てられた重みに基づいて及び割り当てられた重みを変えることで、公知のパターン認識/人口学習技術を使用して、ユーザがどの位良好にストレスの多い環境及び状況に対処することができるかを長い期間をかけて学習する。前記重みは、上述された入力とストレッサー値との間の関係のモデルで現れるパラメータを含む。一度これが既知となると、ユーザは、不健康なストレスのレベルに(長い時間をかけて)つながる環境に入ったときに出力手段103を使用して警告される。また、たとえば、職務明細書は、「ストレスに抵抗力のある人を募集」を記載する場合がある。本発明は、変化した重みを、ストレスに抵抗力のある人の所望の特性に対応するために知られる予め決定された重みに比較することで、この要件を定量化する。
【0063】
異なる例は、良好に感じる所定の興奮のレベルを必要とする人であり、このシステムは、経験の欠陥を定量化して、より多くを探すことをユーザに示唆する。システムにより、ユーザは、ユーザインタフェースを通してシステムと対話することができる。たとえば、ユーザが所定のエピソードをどの位経験したかを手動で示し、示唆を与え、たとえば画像認識ソフトウェア/アジェンダ分析ソフトウェアを使用して、後続して認識されたシンボリックストレッサーをユーザが手動で示すのを可能にする。
【0064】
図2は、人の環境に関する物理量を表す時間変動する信号を取得するために人に取り付けられるセンサ手段53を示す。この図はまた、プロセッサ51及びメモリ52を示す。プロセッサ51は、USBインタフェース、アナログ−デジタル変換手段をもつアナログケーブル、又はWLANコネクションのような有線又は無線通信リンクによりセンサ手段53に接続される。プロセッサ及びメモリは、取得された信号からストレッサー値を導出するために構成される。また、プロセッサ及びメモリは、ストレッサー値に関連する出力を供給するためにディスプレイ54で表示されるために導出されたストレッサー値に依存して出力を構成する。また、プロセッサ及びメモリは、導出されたストレッサー値及び/又は構成された出力を、測定及び処理された信号の更なる処理及び報告のためにパーソナルコンピュータ55又はサーバに送信するために構成される。メモリは、記載された機能を提供するためにプロセッサにより実行される命令を含む。パーソナルコンピュータ又はサーバは、USBインタフェース又はWLANコネクションのような有線又は無線通信リンクによりプロセッサ51に接続される。
【0065】
典型的な実施の形態は、関与される装置又はリモートサーバ、並びに、データベース及び/又はウェブコネクションを含む関与される装置間の(無線)コネクションのうちの1つで実行されるソフトウェアを含む。
【0066】
システムは、ユーザがいる環境の健全さにおける見識を得て、それらのストレスレベルを更に正確に管理するためにユーザにより使用される。シンプルなバージョンのストレッサーセンサは、既存の低コスト技術と実現可能である。また、このストレッサーセンサは、ある環境に装置をダミーで残すことで、あるロケーションの健全さをチェックするために使用することができる。
【0067】
本発明は、本発明を実施するために適合される、特にキャリア上又はキャリア内のコンピュータプログラムといったコンピュータプログラムにも拡張されることを理解されたい。このプログラムは、ソースコード、オブジェクトコード、コード中間ソース及び部分的にコンパイルされた形式のようなオブジェクトコードの形式であるか、または、本発明に係る方法の実現で使用するために適した他の形式である場合がある。キャリアは、プログラムを保持可能な任意のエンティティ又は装置である場合がある。たとえば、キャリアは、たとえばCD−ROM又は半導体ROMといったROMのような記憶媒体、たとえばフロプティカルディスク又はハードディスクといった磁気記録媒体を含む場合がある。さらに、キャリアは、電気又は光ケーブル又は無線若しくは他の手段を介して伝達される場合がある、電気信号又は光信号のような伝送媒体である。プログラムが係る信号で実施されるとき、キャリアは、係るケーブル又は他の装置若しくは手段により構成される場合がある。代替的に、キャリアは、プログラムが埋め込まれる集積回路である場合があり、集積回路は、関連する方法を実行するために適合されるか、関連する方法のパフォーマンスにおいて使用するために適合される。
【0068】
上述された実施の形態は本発明を制限するよりはむしろ例示するものであり、当業者は、特許請求の範囲から逸脱することなしに多くの代替的な実施の形態を設計することができる。請求項では、括弧間に配置される参照符号は、請求項を限定するものとして解釈されるものではない。動詞「有する“comprise”」及びその派生は、請求項で列挙された以下のエレメント又はステップの存在を排除するものではない。エレメントに先行する冠詞“a”又は“an”は、複数の係るエレメントの存在を排除するものではない。本発明は、幾つかの個別のエレメントを有するハードウェアにより、適切にプログラムされたコンピュータにより実現される。幾つかの手段を列挙する装置の請求項では、これらの手段の幾つかは、同一アイテムのハードウェアにより実施される場合がある。所定の手段が相互に異なる従属の請求項で引用される事実は、これらの手段の組み合わせを使用することができないことを示さない。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施の形態の概念を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の別の概念を示すブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある人物の環境に関連する物理量を表す時間変動する信号を取得するため、前記人物に取り付けられるセンサ手段と、
取得された信号から、前記環境が前記人物においてストレスを誘発している程度を表すストレッサー値を導出する処理手段と、
を有するストレッサー検出システム。
【請求項2】
前記処理手段は、前記信号に含まれる複雑さの量を導出し、多くの量の情報について高いストレッサー値を導出する、
請求項1記載のストレッサー検出システム。
【請求項3】
前記処理手段は、前記信号のスペクトル周波数分析を実行し、前記スペクトル周波数分析に依存して前記ストレッサー値を導出する、
請求項1記載のストレッサー検出システム。
【請求項4】
前記センサ手段は、前記人物の環境に関連する更なる物理量を表す更なる時間変動する信号を取得し、
前記処理手段は、更に取得された信号から更なるストレッサー値を導出し、前記ストレッサー値及び前記更なるストレッサー値から結合されたストレッサー値を導出する、
請求項1記載のストレッサー検出システム。
【請求項5】
前記センサ手段はマイクロフォンを有し、前記取得された信号は前記マイクロフォンから取得されたオーディオ信号を有する、
請求項1記載のストレッサー検出システム。
【請求項6】
前記処理手段は、前記オーディオ信号の振幅、前記オーディオ信号のエンベロープ、前記オーディオ信号のドーズ、前記オーディオ信号の音の大きさ、のうちの少なくとも1つに依存して前記ストレッサー値を導出する、
請求項5記載のストレッサー検出システム。
【請求項7】
前記処理手段は、可聴の信号成分の乱れの成分に大きな重みを与え、
前記乱れの成分は、予め決定された境界を超える周波数で、前記人物が聞くことができる周波数の上限であって、前記予め決定された境界よりも大きい前記上限以下の周波数を含むか、予め決定された境界以下の周波数で、前記人物が聞くことができる周波数の下限であって、前記予め決定された境界よりも小さい前記下限を超える周波数を含む、
請求項5記載のストレッサー検出システム。
【請求項8】
前記センサ手段は、可視の環境の光の強度を表す光強度信号を取得する光センサを有し、前記処理手段は、前記強度に依存して前記ストレッサー値を導出する、
請求項1記載のストレッサー検出システム。
【請求項9】
前記処理手段は、前記光強度信号にエンベロープに関連する値を導出し、導出された値に依存して前記ストレッサー値を導出する、
請求項8記載のストレッサー検出システム。
【請求項10】
前記センサ手段は、環境の光の個別の色成分の強度をそれぞれ表す複数の光信号を取得する光センサを有し、
前記処理手段は、前記光信号に依存して前記ストレッサー値を導出する、
請求項1記載のストレッサー検出システム。
【請求項11】
前記センサ手段は、前記人物が見ているものに関連する少なくとも1つの画像を取得するカメラを有し、
前記処理手段は、前記画像に依存して前記ストレッサー値を導出する、
請求項1記載のストレッサー検出システム。
【請求項12】
前記処理手段は、前記少なくとも1つの画像の複雑さの量を導出し、前記少なくとも1つの画像の複雑さの量に依存して前記ストレッサー値を導出する、
請求項11記載のストレッサー検出システム。
【請求項13】
前記処理手段は、前記少なくとも1つの画像から動きの量を導出し、前記動きの量に依存して前記ストレッサー値を導出する、
請求項11記載のストレッサー検出システム。
【請求項14】
前記処理手段は、前記少なくとも1つの画像にオブジェクト認識を実行し、前記オブジェクト認識に依存して前記ストレッサー値を導出する、
請求項11記載のストレッサー検出システム。
【請求項15】
前記センサは、加速度信号を取得する加速度センサを有し、前記人物の筋肉の収縮により生じない前記人物の加速度を表す外部で誘発された加速度信号を前記加速度信号から抽出する手段を更に有し、
前記処理手段は、前記外部で誘発された加速度信号を考慮する、
請求項1記載のストレッサー検出システム。
【請求項16】
前記抽出する手段は、予め定義された下側の閾値以下の周波数をもつ加速度信号の成分を含み、予め定義された上側の閾値を超える周波数をもつ加速度信号の成分を更に含み、前記上側の閾値は、前記下側の閾値よりも大きい、
請求項15記載のストレッサー検出システム。
【請求項17】
筋電図検査信号を取得する筋電図検査システムを更に有し、
前記抽出する手段は、前記筋電図検査信号に依存して前記抽出を実行する、
請求項15記載のストレッサー検出システム。
【請求項18】
前記人物により受けたストレスに関連するストレス値を取得する手段と、前記信号と前記人物により受けたストレスとの間の関係を確立する手段とを更に有する、
請求項1記載のストレッサー検出システム。
【請求項19】
前記ストレス値を取得する手段は、前記人物により受けるストレスに関連する前記人物の生理的な量を取得する、
請求項18記載のストレッサー検出システム。
【請求項20】
前記人物の環境に関する物理量を表す時間変動する信号からストレッサー値を導出することを含むストレッサー検出方法であって、
前記ストレッサー値は、前記環境が前記人物においてストレスを誘発している程度を表す、
ことを特徴とする方法。


【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−520551(P2009−520551A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546793(P2008−546793)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【国際出願番号】PCT/IB2006/054936
【国際公開番号】WO2007/072412
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】