説明

ストローク測定装置

【課題】動力源が不要であり、人手により簡単に操作できる、シンプルな構成のストローク測定装置を提供する。
【解決手段】駆動力により変位するとともに荷重により厚さが変わる可動部が配設されるケースに、着脱可能に保持される保持部と、該可動部の変位方向と向き合って該可動部に当接し、該保持部に対して相対変位可能に保持される当接部と、該当接部を押圧する押圧部と、該保持部に対する該当接部の相対変位量を測定する測定部と、を備えることを特徴とするストローク測定装置。前記駆動力を受けずかつ前記押圧部で押圧されたときの前記当接部の位置を基準として、該駆動力を受けかつ該押圧から解放されたときの該当接部の変位量を測定することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速機の摩擦クラッチを駆動するピストンなどの動作ストローク長を測定するストローク測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用変速機では、動力の伝達経路を切り換えるためにクラッチが用いられる。クラッチには摩擦式や電磁式などがあるが、プレートとフェーシングとを交互に配置し、ピストンで押圧して摩擦接触させる多板式摩擦クラッチが多用されている。このクラッチでは、回転部同士を係脱する場合もあれば、回転部と固定部とを係脱してブレーキの作用を持たせている場合もある。
【0003】
ところで、プレート及びフェーシングの厚さには製作上のばらつきがある。したがって、変速機の生産においては、このばらつきを吸収してクラッチの性能を一定に保つことが重要である。このため、生産工程の途中で、クラッチを駆動するピストンの動作ストローク長を全数測定し、バッキングプレートと呼ばれる厚さの異なる複数の調整板を準備し適宜選択して挿入していた。適切な厚さのバッキングプレートにより、ピストンの動作ストローク長は全数でほぼ一定となり、クラッチの利き具合を均一化することができる。
【0004】
ピストンのストローク測定時に配慮すべき点として、フェーシング材料のたわみがある。フェーシング材料がたわんだ状態で測定すると正確なストローク長が測定できないため、一定の荷重を加えながら測定することが規格化されている。生産途中の変速機に荷重を加える装置として、例えば特許文献1に開示される予圧付与治具がある。この予圧付与治具は、トロイダル型無段変速機の出力側ディスクを挟み込むように締め付けてアンギュラ軸受に予圧を付与するものである。しかしながら、複数のギヤを噛合させる一般的な変速機においては、荷重を加える治具は用いられていない。
【特許文献1】特開2003−166609号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のピストンストローク測定は、アクチュエータを利用して荷重を加える方法によっていた。アクチュエータには電力あるいは圧縮空気などの動力源が必要なため測定場所が制約され、また測定設備が大型化し、操作も煩雑になっていた。
【0006】
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、動力源が不要であり、人手により簡単に操作できる、シンプルな構成のストローク測定装置を提供する。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
本発明のストローク測定装置は、駆動力により変位するとともに荷重により厚さが変わる可動部が配設されるケースに、着脱可能に保持される保持部と、該可動部の変位方向と向き合って該可動部に当接し、該保持部に対して相対変位可能に保持される当接部と、該当接部を押圧する押圧部と、該保持部に対する該当接部の相対変位量を測定する測定部と、を備えることを特徴とする。そして、前記駆動力を受けずかつ前記押圧部で押圧されたときの前記当接部の位置を基準として、該駆動力を受けかつ該押圧から解放されたときの該当接部の変位量を測定することが好ましい。
【0008】
本発明のストローク測定装置は、例えば変速機の多板式摩擦クラッチを駆動するピストンの動作ストローク長の測定に用いる。多板式摩擦クラッチは、プレートとフェーシングとが交互に配置され、ピストンの駆動力により押圧されて変位するように構成されている。そして、変位するとともに、プレートとフェーシングとが圧縮されて厚さが変わりながら摩擦接触して係合する作用がある。ここで、ピストンのストロークを直接的に測定することが構造的に難しいため、変位するクラッチ側で測定を行うようにした装置が、本発明の主旨である。
【0009】
本発明のストローク測定装置は、保持部、当接部、押圧部、測定部、の4部位で構成されている。保持部は、測定装置全体を安定して保持するための部位であり、着脱可能にケースに取り付けられるように形成されている。前記クラッチを測定対象とする場合には、保持部は、変速機のケースに保持されるように形成することができる。また、保持部は、相対変位する当接部の変位量を測定する際に、基になる不動点となる。
【0010】
当接部は、可動部の変位方向と向き合って当接する部位であり、保持部に相対変位可能に保持されている。前記クラッチを測定対象とする場合には、ピストンが押圧する側とは逆の変位する側の面に、当接部が向き合って当接するように構成することができる。押圧部は、当接部を押圧する部位である。押圧により、当接部から可動部に規定の荷重を加えて、可動部の厚さを変えることができる。前記クラッチに荷重を加えた場合には、フェーシングのたわみや波打ち状態がならされて、ピストンで駆動された状態と同等の厚さになる。測定部は、保持部に対する当接部の相対変位量を測定する部位である。測定部には、例えば保持部に固定して設けられ、当接部の特定の点に注目して変位を検出するセンサを用いることができる。
【0011】
上述のように構成された本発明のストローク測定装置は、駆動力を受けずかつ押圧部で押圧されたときの当接部の位置を基準として、駆動力を受けかつ押圧から解放されたときの当接部の変位量を測定することができる。駆動力を受けずかつ押圧部で押圧されたときに、可動部は圧縮された状態で初期位置にある。また、駆動力を受けかつ押圧から解放されたときに、可動部は実際に使用されるときと同様に圧縮された状態で変位位置に動く。この、初期位置と変位位置との差が求める変位量である。したがって、可動部に当接して一緒に動く当接部でも同一の変位量を測定することができる。また、可動部がピストンにより駆動される場合には、ピストンの動作ストローク量も当然同一となる。
【0012】
以下、本発明の態様について、さらに具体的に説明する。前記保持部は係合突部をもち、該係合突部が前記ケースに設けられた案内溝に案内されて該ケースに保持されるようにしてもよい。前記保持部はトグル機構をもち、該トグル機構が操作されることにより前記押圧部が前記当接部を押圧するようにしてもよい。前記押圧部はばね部材をもつようにしてもよい。また、前記測定部はダイヤルゲージであってもよい。
【0013】
クラッチは一般的に概略円環状あるいは円筒状をしており、変速機ケース側のクラッチ組付部も円筒状である場合が多い。そこで、保持部も円筒状として外周面に係合突部を設け、ケース内面に案内溝を設けるようにしてもよい。これにより、係合突部が案内溝に案内されて係合し、保持部はケースに保持される。案内溝は、例えば軸方向の溝とこれに交差する周方向の溝の組み合わせとすることができる。この案内溝によれば、保持部は軸方向に案内された後、周方向の溝に係合して回転することができるため、軸方向に変位しないように安定して保持される。
【0014】
クラッチが円環状であるとき、当接部の当接面も同じ円環形状とすることが好ましい。当接部は、クラッチの形状に合わせて全面に当接できることことが、測定精度上好ましい。クラッチの一部分にしか当接しない構造にすると、クラッチの局所的な凹凸に左右されて、測定精度が低下するおそれが生じる。また、当接部を保持部で相対変位可能に保持する構造として、例えば、当接部に案内軸を設け、保持部に案内筒を設けて、案内軸が案内筒の内側を往復動するように構成することができる。
【0015】
押圧部には、例えば規定の荷重が生じるばね部材を用い、ばね部材の一端を保持部に連結し、他端で当接部を押圧するように構成することができる。ばね部材によれば、毎回一定の荷重で押圧することができるため、繰り返し特性の良好な測定を行うことができる。また、従来のアクチュエータでは動力源の投入や荷重の確認などの操作が必要であるのに対して、ばね部材は測定装置を取り付けただけで自動的に作用する。したがって、操作が非常に容易となっている。
【0016】
さらに、保持部にトルク機構を付設して、ばね部材の一端と結合させることもできる。トグル機構は、簡単なレバー操作でばね部材の一端を変位させて、ばね部材の押圧の作用を入り切りすることができる。これにより、測定装置を取り付けるときにはばね部材を不要に作用させず、操作により当接部を押圧させ、変位を測定するときには再度押圧を解放することが、いずれも容易に行える。
【0017】
測定部にはダイヤルゲージを用いることができる。ダイヤルゲージは、例えばゲージ本体部を保持部に配設し、測定子を当接部に配設して用いる。そして、保持部と当接部とが相対変位すると、測定子がゲージ本体部を出入りし、変位量が目盛りに表示されるように構成されている。なお、ダイヤルゲージは、任意のタイミングにおいて現状の位置関係を基準のゼロ点として設定するリセット機能をもつことが好ましい。
【0018】
上述のように具体的に構成された本発明のストローク測定装置は、ばね部材により荷重を加えるので動力源を必要とせず、トグル機構の簡単なレバー操作で測定を行うことができ、構成はシンプルであり、従来の測定方法は格段に改良された。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を実施するための最良の形態を、図1〜図7を参考にして詳細に説明する。まず、本発明の実施例のストローク測定装置1の測定対象となる自動変速機9及びクラッチ8、ピストン92について説明する。図1は、組立途中の自動変速機9を説明する断面図である。自動変速機9のケース91に、まずクラッチ8を駆動するピストン92が組み付けられ、次いで複合部品のリヤサブアセンブリ93が組み付けられ、その次にクラッチ8が組み付けられている。
【0020】
これらの部品はほぼ軸対称であり、クラッチ8及びピストン92の付近を拡大したものが図2のクラッチ部拡大図である。図2に示されるように、ピストン92はケース91下側の凹部に図中上下動可能に配設されている。ピストン92とケース91とが摺動する内外の2面にはオーリング94、95がそれぞれ嵌着されて、シリンダ室96が油密状態に区画されている。シリンダ室96には図略の油圧装置から油圧が供給されて、ピストン92が図中上方に駆動されるようになっている。また、ケース91の側面のピストン92上端よりもわずかに低い位置には、周方向の係止溝97が設けられ、スナップリング98が係止されている。スナップリング98とピストン92との間には、環状の板部材の円周方向に複数のばね部材を配設したリターンスプリング99が設けられている。リターンスプリング99は、シリンダ室96の油圧が解放されたときに、ピストン92を図中下方に押し戻すように作用する。ピストン92の図中上端はクラッチ8に当接している。
【0021】
クラッチ8は、円環状のプレート81とフェーシングプレート82が、交互に多数重ねられて構成されている。ケース91の側面のクラッチ8よりも高い位置には、第二の係止溝83が設けられている。次工程では、クラッチ8の上面にバッキングプレート84が載せられ、係止溝83にスナップリング85が係止される。なお、測定を行う現時点では、バッキングプレート84及びスナップリング85は組み付けられていないため、図2では破線で示されている。図2の状態において、プレート81及びフェーシングプレート82に荷重は加わっておらず、フェーシングプレート82の表面に貼り付けられたフェーシング材料には、たわみや波打ちなどが生じている。
【0022】
自動変速機9が完成した後、ピストン92がクラッチ8を駆動すると、クラッチ8のプレート81及びフェーシングプレート82は上方へ変位しながら圧縮され、両者が強く摩擦接触して係合するようになる。このとき、クラッチ8がバッキングプレート84を押し上げてスナップリング85に当たると、上限位置となる。したがって、製作上のばらつきによりクラッチ8が薄いときには、動作ストロークが長くなり、プレート81とフェーシングプレート82との摩擦接触が遅れ、クラッチ8としての利きが悪くなる。これを補うために、厚いバッキングプレート84を用いる。
【0023】
このバッキングプレート84の厚さを決めるために、ストローク測定装置1を用いて測定を行う。図3は本発明の実施例のストローク測定装置1を示す説明図であり、説明を分かりやすくするため部分的に断面を示し、一体に変位する部分には同一のハッチングを施している。ストローク測定装置1は、保持部2、押圧部に相当するばね部材3、当接部4、測定部に相当するダイヤルゲージ5、で構成されている。
【0024】
保持部2は、基部21、保持アーム22、支柱23、ゲージ取付部材24、案内筒25、で構成されている。基部21は、クラッチ8とほぼ同じ外径の円板状の板材で形成されている。基部21の下側外周に沿って、複数の保持アーム22が下方に向けて配設されている。保持アーム22は棒状の部材で形成され、外側の下端には、外側を向く係合突部26が設けられている。一方、ケース91のクラッチ組付部の内周面には軸方向の係合溝が設けられ、この係合溝はスナップリング85を係止する係止溝83にまで達している。係合突部26は、係合溝に案内されて係止溝83まで下降し、周方向に回転できるように形成されている。つまり、スナップリング85を係止するための係止溝83を、測定時の保持箇所として利用している。
【0025】
基部21の上側から上方に向かって支柱23が設けられ、支柱23の側方上端にはトグル機構6が設けられている。トグル機構6の支点61は、支柱23により揺動可能に支持されている。トグル機構6の操作棒62は、支柱23に設けられた貫通部63により上下動可能に保持されている。そして、トグル機構6の操作レバー64が操作されることにより、操作棒62が下方に動作するように形成されている。支柱23の中間高さ付近には側方に向けてゲージ取付部材24が配設されている。また、基部21を上下に貫いて短い管状の案内筒25が複数設けられている。
【0026】
ばね部材3は押圧部に相当するものであり、トグル機構6の操作棒62の下端から下方に向けて配設されている。ばね部材3は、トグル機構6の操作レバー64が操作されると操作棒62とともに下方に変位し、当接部4を押圧するようになっている。このとき、規定の荷重が加えられるように、各部の寸法諸元に基づいて適正な特性のばね部材3が選定されている。
【0027】
当接部4は、上部部材41、案内軸42、中間部材43、支持アーム44、当接リング45、測定子取付部材46、で構成されており、これらの部材は一体で上下動する。上部部材41は、ばね部材3の下端に設けられる円板状の部材であり、支柱23とぶつからないように切欠きが設けられている。上部部材41の下側外周に沿って、複数の案内軸42が下方に向けて配設されている。案内軸42は、保持部2の案内筒25によって上下動可能に貫通保持されている。案内軸42の下端には円板状の中間部材43が設けられている。中間部材43の下側外周に沿って複数の支持アーム44が下方に向けて配設されている。支持アーム44の下端には当接リング45が配設されている。当接リング45は、クラッチ8と略同一の形状をもち、下降したときにクラッチ8の全面に当接し、上昇したときに保持部2の保持アーム22の下側に当接するように形成されている。当接リング45の厚さは、バッキングプレート84の標準厚さと一致させてある。また、中間部材43からは、測定子取付部材46がゲージ取付部材24の下方まで延設されている。
【0028】
ダイヤルゲージ5のゲージ本体部51は、ゲージ取付部材24の端部に配設されている。ダイヤルゲージ5の測定子52は、ゲージ本体部51の真下の位置に、測定子取付部材46によって保持されている。そして、当接部4の上下動により、測定子52も上下動してゲージ本体部51に出入りするように形成されている。測定子52の出入りにより、ゲージ本体部51の上部に設けられた目盛り53に、変位量が表示されるようになっている。また、目盛り53の脇にはリセットボタン54が設けられ、押下により目盛り53の表示がゼロにリセットされるようになっている。
【0029】
次に、上述のように構成されたストローク測定装置1の使用方法、作用について説明する。まず、ケース91のクラッチ組付部に設けられた案内溝に、保持部2の係合突部26を係合させて測定装置1を下降させる。係合突部26が係止溝83まで達したら、測定装置1を回転させて係合突部26を係止溝83に係合させる。これにより、図4に示されるように、ストローク測定装置1はケース91に取り付けられ、保持される。
【0030】
次に、図5に示されるように、トグル機構6の操作レバー64を操作して、操作棒62を押下する。すると、ばね部材3も下方に変位して、当接部4の上部部材41を押圧する。このとき、ばね部材3は圧縮されて規定の荷重が発生し、当接部4は下降する。また、加えられた荷重は上部部材41から当接リング45を経由して、クラッチ8まで伝わる。図6はこのときの状態を示すクラッチ部拡大図であり、ピストン92は初期位置にあり、クラッチ8は当接リング45からの規定の荷重により圧縮されている。このとき、フェーシングプレート82には荷重が加わることにより、たわみや波打ちなどは生じていない。ここで、当接部4の現在の位置を基準とするために、ダイヤルゲージ5のリセットボタン54を押下し、目盛り53の表示をゼロとしておく。
【0031】
次に、操作レバー64を戻してばね部材3の押圧から解放し、シリンダ室96に所定の駆動圧を加える。このとき、本来の駆動源は油圧であるが、作業の容易さを考慮して圧縮空気を用いてもよい。シリンダ室96に油圧あるいは気圧が加えられると、ピストン92が駆動されて、図7に示されるようにクラッチ8を上方に押圧する。クラッチ8は圧縮されながら上方に変位し、当接リング45を押し上げて保持アーム22に当接させる。このとき、当接リング45は実際のバッキングプレート84と同様に動作する。当接リング45と一体に動く測定子52は、ゲージ本体部51に入り込み、目盛り53に変位量が表示される。この表示を直読すれば当接部4の変位量が得られる。得られた変位量は、クラッチ8の変位量及びピストン92の動作ストローク長に一致する。
【0032】
測定終了後に、シリンダ室96の油圧あるいは気圧を解放すると、ピストン92はリターンスプリング99の作用により初期位置に戻る。測定装置1は、取り付け時と逆の手順で、回転させた後に上方に引き上げて取り外すことができる。そして、次の組立工程では、測定結果に基づいて適切な厚さのバッキングプレート84が選定され、スナップリング85とともに組み付けられる。
【0033】
実施例のストローク測定装置1は、ばね部材3により規定の荷重を加えることができるので、従来用いていたアクチェータ及びその動力源は不要になる。また、トグル機構6の操作レバー64によりばね部材3を変位させて押圧し、ダイヤルゲージ6のリセットボタン64により直読で変位量を得ることができるため、操作は容易である。さらに、スナップリング85用の係止溝83を利用して測定装置1を保持でき、装置構成はシンプルになっている。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施例のストローク測定装置の測定対象となる、組立途中の自動変速機を示す断面図である。
【図2】図1に示される自動変速機のクラッチ部拡大図である。
【図3】本発明の実施例のストローク測定装置を示す説明図である。
【図4】図3に示されるストローク測定装置を、自動変速機のケースに保持させた状態を示す説明図である。
【図5】図4に続いて、ストローク測定装置のトグル機構を操作したときの状態を示す説明図である。
【図6】図5の状態におけるクラッチ部拡大図である。
【図7】図6に続いて、トグル機構を戻しピストンを駆動したときのクラッチ部拡大図である。
【符号の説明】
【0035】
1:ストローク測定装置
2:保持部
21:基部 22:保持アーム 23:支柱
24:ゲージ取付部材 25:案内筒 26:係合突部
3:ばね部材(押圧部)
4:当接部
41:上部部材 42:案内軸 43:中間部材
44:支持アーム 45:当接リング 46:測定子取付部材
5:ダイヤルゲージ(測定部)
51:ゲージ本体部 52:測定子 53:目盛り
54:リセットボタン
6:トグル機構
61:支点 62:操作棒 63:貫通部
64:操作レバー
8:クラッチ
81:プレート 82:フェーシングプレート
83:係止溝 84:バッキングプレート
85:スナップリング
9:自動変速機
91:ケース 92:ピストン 93:リヤサブアセンブリ
94、95:オーリング 96:シリンダ室 97:係止溝
98:スナップリング 99:リターンスプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動力により変位するとともに荷重により厚さが変わる可動部が配設されるケースに、着脱可能に保持される保持部と、
該可動部の変位方向と向き合って該可動部に当接し、該保持部に対して相対変位可能に保持される当接部と、
該当接部を押圧する押圧部と、
該保持部に対する該当接部の相対変位量を測定する測定部と、
を備えることを特徴とするストローク測定装置。
【請求項2】
前記駆動力を受けずかつ前記押圧部で押圧されたときの前記当接部の位置を基準として、該駆動力を受けかつ該押圧から解放されたときの該当接部の変位量を測定する請求項1に記載のストローク測定装置。
【請求項3】
前記保持部は係合突部をもち、該係合突部が前記ケースに設けられた案内溝に案内されて該ケースに保持される請求項1または2に記載のストローク測定装置。
【請求項4】
前記保持部はトグル機構をもち、該トグル機構が操作されることにより前記押圧部が前記当接部を押圧する請求項1〜3のいずれかに記載のストローク測定装置。
【請求項5】
前記押圧部はばね部材をもつ請求項1〜4のいずれかに記載のストローク測定装置。
【請求項6】
前記測定部はダイヤルゲージである請求項1〜5のいずれかに記載のストローク測定装置。
【請求項7】
前記可動部は変速機の摩擦クラッチである請求項1〜6のいずれかに記載のストローク測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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