説明

スピロ−ピペリジン誘導体

本発明は、V1a受容体アンタゴニストとしての新規なインドール−2−イル−カルボニル−スピロ−ピペリジン誘導体、それらの製造、それらを含む医薬組成物、ならびに医薬としてのそれらの使用に関する。本発明の活性化合物は、不安及び抑鬱障害、ならびに他の疾患の予防及び/又は治療において有用である。本発明の化合物は、一般式(I)[式中、R〜R11及びXは、明細書に定義したとおりである]を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、V1a受容体アンタゴニストとしての新規なインドール−2−イル−カルボニル−スピロ−ピペリジン誘導体、それらの製造、それらを含む医薬組成物、ならびに医薬としてのそれらの使用に関する。本発明の活性化合物は、不安及び抑鬱障害、ならびに他の疾患の予防及び/又は治療において有用である。
【0002】
特に、本発明は、一般式(I):
【0003】
【化1】


[式中、
Xは、O又はCHであり;
は、
水素、
場合によりCNもしくはOHによって置換されているC1−6−アルキル、又は
−(C1−6−アルキレン)−C(O)−NRであり;
は、
水素、
1−6−アルキル、
1−6−アルコキシ、
−(C1−6−アルキレン)−NR
−(C1−6−アルキレン)−C(O)Rf
場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているベンジル、又は
場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているフェニルであり;
は、
水素、
ハロ、又は
1−6−アルキルであり;
は、
水素、
ハロ、
1−6−アルキル、
ハロ−C1−6−アルキル、
1−6−アルコキシ、
ハロ−C1−6−アルコキシ、又は
−O−C2−10−アルケニルであり;
は、
水素、
ハロ、
1−6−アルキル、又は
1−6−アルコキシであるか;あるいは
とRは、結合してベンゾ部分と一緒に環を形成し、ここで、−R−R−は、−O−(CH−O−(ここで、nは、1又は2である)であり;
は、
水素、
場合によりCNもしくはOHによって置換されているC1−6−アルキル、
−(C1−6−アルキレン)−NR
−(C1−6−アルキレン)−C(O)−NR
場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されている−O−ベンジル、
ニトロ、
ハロ、
シアノ、
1−6−アルコキシ、
ハロ−C1−6−アルコキシ、
ハロ−C1−6−アルキル、
−(C1−6−アルキレン)−C(O)R
場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているフェニル、
−(C1−3−アルキレン)−R(ここで、Rは、フェニル、5員〜6員のヘテロアリール、4員〜6員のヘテロシクロアルキル又は3員〜6員のシクロアルキルであり、それぞれ場合により、1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されている)であるか;あるいは、
とRは、結合してベンゾ部分と一緒に環を形成し、ここで、−R−R−は、
−O−(CH−C(O)−、
−C(O)−(CH−O−、又は
−O−(CH−O−(ここで、nは、1又は2である)であり;
は、水素又はC1−6−アルキルであり;
、R、R10、及びR11は、それぞれ独立して、水素、ハロ、C1−6−アルキル、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ又はハロ−C1−6アルコキシであり;
、R、R及びRは、それぞれ独立して、
水素、
1−6−アルキル、
−(C1−6−アルキレン)−NRl(ここで、R及びRは、それぞれ独立して、水素又はC1−6−アルキルである)であるか;あるいは
とR、又はRとRは、それらが結合している窒素と一緒になって、窒素、酸素及び硫黄の群より選択される1又は2個のヘテロ原子を含む5員又は6員の複素環を形成し;
、R、R及びRは、それぞれ独立して、
水素、
1−6−アルキル、
−C(O)R、又は−S(O)(ここで、Rは、水素、C1−6−アルキル、又は場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノにより置換されているフェニルから選択される)であるか、あるいは、
とR、又はRとRは、それらが結合している窒素と一緒になって、窒素、酸素及び硫黄の群より選択される1又は2個のヘテロ原子を含む5員又は6員の複素環を形成するか、あるいは
とR、又はRとRは、それらが結合している窒素と一緒になって、イソインドール−1,3−ジオンを形成し;
は、
水素、
1−6−アルキル、
1−6−アルコキシ;又は
場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているフェニルより選択される]
で示される化合物、又はその薬学的に許容しうる塩に関する。
【0004】
式(I)の化合物は、下記で示される方法、実施例で示される方法、又は類似の方法により製造することができる。個別の反応工程における適切な反応条件は、当業者に公知である。出発物質は、市販されているか、あるいは下記に示されている方法と類似の方法、本文中で引用されている参考文献に記載されているか、もしくは実施例に記載されている方法、又は当該技術で公知の方法により調製することができる。
【0005】
式(I)の化合物は、薬学的活性を有し、特にこれらは、V1a受容体活性のモジュレーターである。より詳細には、これら化合物は、V1a受容体のアンタゴニストである。
【背景技術】
【0006】
バソプレシンは、視床下部の室傍核により主として産生される、9アミノ酸からなるペプチドである。その全てがクラスI G−タンパク質共役受容体に属する、3種のバソプレシン受容体が知られている。V1a受容体は、脳、肝臓、血管平滑筋、肺、子宮及び精巣中で発現しており、V1b又はV3受容体は、脳及び脳下垂体中で発現しており、V2受容体は、腎臓において発現しており、そこで水分排出を調節し、かつバソプレシンの抗利尿効果を媒介する。
【0007】
末梢部では、バソプレシンは神経ホルモンとして作用し、血管収縮、グリコーゲン分解及び抗利尿を刺激する。脳では、バソプレシンは神経調節物質として作用し、ストレス時に扁桃中で増加する (Ebner, K., C. T. Wotjak, et al. (2002). "Forced swimming triggers vasopressin release within the amygdala to modulate stress-coping strategies in rats." Eur J Neurosci 15(2): 384-8)。V1a受容体は、脳内で、特に、扁桃体、外側中隔及び海馬のような、不安の調節に重要な役割を果たす辺縁領域で広範囲にわたり発現している。実際に、V1aノックアウトマウスは、十字迷路、オープンフィールド及び明暗箱中での不安行動の減少を示す(Bielsky, I. F., S. B. Hu, et al. (2003). "Profound Impairment in Social Recognition and Reduction in Anxiety-Like Behavior in Vasopressin V1a Receptor Knockout Mice." Neuropsychopharmacology)。隔壁中へのアンチセンスオリゴヌクレオチド注入を用いるV1a受容体のダウンレギュレーションもまた、不安行動の減少をもたらす(Landgraf, R., R. Gerstberger, et al. (1995). "V1 vasopressin receptor antisense oligodeoxynucleotide into septum reduces vasopressin binding, social discrimination abilities, and anxiety-related behavior in rats." Regul Pept 59(2): 229-39)。
【0008】
V1a受容体はまた、弧束核中の血圧及び心拍数を中枢的に調節することにより、脳中のバソプレシンの心血管系作用を媒介している(Michelini, L. C. and M. Morris (1999). "Endogenous vasopressin modulates the cardiovascular responses to exercise." Ann N Y Acad Sci 897: 198-211)。末梢部では、それは血管平滑筋の収縮を誘導し、V1a受容体の慢性的な阻害は、心筋梗塞ラット中の血行動態パラメータを改善する(Van Kerckhoven, R., I. Lankhuizen, et al. (2002). "Chronic vasopressin V(1A) but not V(2) receptor antagonism prevents heart failure in chronically infarcted rats." Eur J Pharmacol 449(1-2): 135-41)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、V1a受容体モジュレーター、特にV1a受容体アンタゴニストとして作用する化合物を提供することである。そのようなアンタゴニストは、月経困難症、高血圧、慢性心不全、バソプレシンの異常分泌、肝硬変、ネフローゼ症候群、強迫性障害、不安及び抑鬱障害の状態の治療法として有用である。本発明に関する好ましい適応症は、不安及び抑鬱障害の処置である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書において、用語「アルキル」は、単独で又は他の基と組み合わせで、分岐又は直鎖の一価飽和炭化水素基を指す。用語「C1−6−アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含む飽和の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、異性体ペンチルなどを表す。C1−6−アルキルの好ましい部分群は、C1−4−アルキルであり、すなわち、1〜4個の炭素原子を有する。
【0011】
本発明において、用語「アルキレン」は、直鎖状又は分岐の飽和二価炭化水素基を表す。特に、「C1−6−アルキレン」は、1〜6個の炭素原子の直鎖状の飽和二価炭化水素基又は3〜6個の炭素原子の分岐の飽和二価炭化水素基、例えば、メチレン、エチレン、2,2−ジメチルエチレン、n−プロピレン、2−メチルプロピレンなどを意味する。
【0012】
本明細書において、用語「アルコキシ」及び「C1−6−アルコキシ」は、基R’−O−を指し、ここで、R’は、上記と同義のC1−6−アルキルである。アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシなどである。C1−6−アルコキシの好ましい部分群、及びより一層好ましいアルコキシ基は、メトキシ及び/又はエトキシである。
【0013】
本明細書において、用語「チオアルキル」及び「C1−6−チオアルキル」は、基R’−S−を指し、ここで、R’は、上記と同義のC1−6−アルキルである。
【0014】
用語「C1−6−ヒドロキシアルキル」又は「OHにより置換されているC1−6−アルキル」は、上記と同義のC1−6−アルキル基であって、アルキル基の水素原子の少なくとも1個が、ヒドロキシル基により置き換えられているものを示す。
【0015】
用語「C1−6−シアノアルキル」又は「CNにより置換されているC1−6−アルキル」は、上記と同義のC1−6−アルキル基であって、アルキル基の水素原子の少なくとも1個が、CN基により置き換えられているものを示す。
【0016】
用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)及びヨウ素(I)を指し、フッ素、塩素及び臭素が好ましい。
【0017】
用語「ハロ−C1−6−アルキル」は、上記と同義のC1−6−アルキル基であって、アルキル基の水素原子の少なくとも1個が、ハロゲン原子、好ましくはフルオロ又はクロロ、最も好ましくはフルオロにより置き換えられているものを示す。ハロ−C1−6−アルキルの例には、1個以上のCl、F、Br又はI原子により置換されている、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル又はn−ヘキシル、ならびに以下の本明細書の実施例により具体的に例示する基が含まれるが、これらに限定されない。好ましいハロ−C1−6−アルキル基には、ジフルオロ−又はトリフルオロ−メチル又は−エチルがある。
【0018】
用語「ハロ−C1−6−アルコキシ」は、上記と同義のC1−6−アルコキシ基であって、アルキル基の水素原子の少なくとも1個が、ハロゲン原子、好ましくはフルオロ又はクロロ、最も好ましくはフルオロにより置き換えられているものを示す。好ましいハロゲン化アルコキシ基には、ジフルオロ−又はトリフルオロ−メトキシ又は−エトキシがある。
【0019】
用語「C2−12−アルケニル」は、単独で又は組み合わせで、少なくとも1個の二重結合を含む、2〜12個の炭素原子の直鎖又は分岐の炭化水素残基を示す。C2−12−アルケニルの好ましい部分群は、C2−6−アルケニルである。好ましいアルケニル基の例は、エテニル、プロペン−1−イル、プロペン−2−イル(アリル)、ブテン−1−イル、ブテン−2−イル、ブテン−3−イル、ペンテン−1−イル、ペンテン−2−イル、ペンテン−3−イル、ペンテン−4−イル、ヘキセン−1−イル、ヘキセン−2−イル、ヘキセン−3−イル、ヘキセン−4−イル及びヘキセン−5−イル、ならびに以下の本明細書の実施例により具体的に例示するものである。
【0020】
用語「5員又は6員のヘテロアリール」とは、環員として、N、O又はSより選択される1、2、又は3個の環ヘテロ原子を含み、残りが炭素原子である、5又は6個の環原子の芳香族環を意味する。5員又は6員のヘテロアリールは、場合により、1、2、3又は4個の置換基で置換されることができ、ここで、各置換基は、特記のない限り、ヒドロキシ、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−チオアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−ヒドロキシアルキル、C1−6−アルコキシカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルアミノ、ジ(C1−6)アルキルアミノ、アミノカルボニル、又はカルボニルアミノからなる群より独立して選択されうる。好ましい置換基は、ハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、又はシアノである。ヘテロアリール部分の例には、場合により置換されているイミダゾリル、場合により置換されているオキサゾリル、場合により置換されているチアゾリル、場合により置換されているピラジニル、場合により置換されているピロリル、場合により置換されているピラジニル、場合により置換されているピリジニル、場合により置換されているピリミジニル、場合により置換されているフラニル、及び本明細書において具体的に例示されるものが含まれるが、これらに限定されない。
【0021】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、環員として、窒素、酸素又は硫黄より選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、残りが炭素原子である、3〜7個、好ましくは4〜6個の原子の1個の環からなる一価の飽和部分を意味する。3〜7員のヘテロシクロアルキルは、場合により、1、2、3又は4個の置換基で置換されることができ、ここで、各置換基は、特記のない限り、独立して、ヒドロキシ、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−チオアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−ヒドロキシアルキル、C1−6−アルコキシカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルアミノ、ジ(C1−6)アルキルアミノ、アミノカルボニル、又はカルボニルアミノである。好ましい置換基は、ハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、又はシアノである。複素環部分の例には、場合により置換されているテトラヒドロ−フラニル、場合により置換されているピペリジニル、場合により置換されているピロリジニル、場合により置換されているモルホリニル、場合により置換されているピペラジニルなど、又は本明細書において具体的に例示されるものが含まれるが、これらに限定されない。
【0022】
定義「RとR、RとR、RとR、RとRは、それらが結合している窒素と一緒になって、窒素、酸素及び硫黄の群より選択される1又は2個のヘテロ原子を含む5員又は6員の複素環を形成」中の用語「複素環」は、上記で示した意味のヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールのいずれかを意味し、上記のとおり場合により置換されていてもよい。好ましくは、「複素環」は、場合により、ハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、又はシアノより選択される1、2又は3個の置換基で置換されていてもよい。好ましい複素環は、ピペラジン、N−メチルピペラジン、モルホリン、ピペリジン及びピロリジンである。
【0023】
用語「1個以上の」置換基は、好ましくは、1個の環当たり、1、2又は3個の置換基を意味する。
【0024】
用語「薬学的に許容しうる酸付加塩」は、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの無機酸及び有機酸との塩を包含する。
【0025】
詳細には、本発明は、一般式(I):
【0026】
【化2】


[式中、
Xは、O又はCHであり;
は、
水素、
場合によりCNもしくはOHによって置換されているC1−6−アルキル、又は
−(C1−6−アルキレン)−C(O)−NRであり;
は、
水素、
1−6−アルキル、
1−6−アルコキシ、
−(C1−6−アルキレン)−NR
−(C1−6−アルキレン)−C(O)Rf
場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているベンジル、又は
場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているフェニルであり;
は、
水素、
ハロ、又は
1−6−アルキルであり;
は、
水素、
ハロ、
1−6−アルキル、
ハロ−C1−6−アルキル、
1−6−アルコキシ、
ハロ−C1−6−アルコキシ、又は
−O−C2−10−アルケニルであり;
は、
水素、
ハロ、
1−6−アルキル、又は
1−6−アルコキシであるか;あるいは
とRは、結合してベンゾ部分と一緒に環を形成し、ここで、−R−R−は、−O−(CH−O−(ここで、nは、1又は2である)であり;
は、
水素、
場合によりCNもしくはOHによって置換されているC1−6−アルキル、
−(C1−6−アルキレン)−NR
−(C1−6−アルキレン)−C(O)−NR
場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されている−O−ベンジル、
ニトロ、
ハロ、
シアノ、
1−6−アルコキシ、
ハロ−C1−6−アルコキシ、
ハロ−C1−6−アルキル、
−(C1−6−アルキレン)−C(O)R
場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているフェニル、
−(C1−3−アルキレン)−R(ここで、Rは、フェニル、5員〜6員のヘテロアリール、4員〜6員のヘテロシクロアルキル又は3員〜6員のシクロアルキルであり、それぞれ場合により、1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されている)であるか;あるいは、
とRは、結合してベンゾ部分と一緒に環を形成し、ここで、−R−R−は、
−O−(CH−C(O)−、
−C(O)−(CH−O−、又は
−O−(CH−O−(ここで、nは、1又は2である)であり;
は、水素又はC1−6−アルキルであり;
、R、R10、及びR11は、それぞれ独立して、水素、ハロ、C1−6−アルキル、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ又はハロ−C1−6アルコキシであり;
、R、R及びRは、それぞれ独立して、
水素、
1−6−アルキル、
−(C1−6−アルキレン)−NRl(ここで、R及びRは、それぞれ独立して、水素又はC1−6−アルキルである)であるか;あるいは
とR、又はRとRは、それらが結合している窒素と一緒になって、窒素、酸素及び硫黄の群より選択される1又は2個のヘテロ原子を含む5員又は6員の複素環を形成し;
、R、R及びRは、それぞれ独立して、
水素、
1−6−アルキル、
−C(O)R、又は−S(O)(ここで、Rは、水素、C1−6−アルキル、又は場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノにより置換されているフェニルから選択される)であるか、あるいは、
とR、又はRとRは、それらが結合している窒素と一緒になって、窒素、酸素及び硫黄の群より選択される1又は2個のヘテロ原子を含む5員又は6員の複素環を形成するか、あるいは
とR、又はRとRは、それらが結合している窒素と一緒になって、イソインドール−1,3−ジオンを形成し;
は、
水素、
1−6−アルキル、
1−6−アルコキシ;又は
場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているフェニルより選択される]
で示される化合物、又はその薬学的に許容しうる塩に関する。
【0027】
本発明の特定の実施態様において、RとR、RとR、RとR、又はRとRは、それらが結合している窒素と一緒になって、ピペラジン、4−(C1−6−アルキル)−ピペラジン、4−メチルピペラジン、モルホリン、ピペリジン又はピロリジンを形成しうる。
【0028】
が、5員〜6員のヘテロアリールである、本発明の特定の実施態様において、好ましいヘテロアリールは、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、及びイソオキサゾールからなる群より選択される。
【0029】
が、4員〜6員のヘテロシクロアルキルである、本発明の実施態様において、好ましいヘテロシクロアルキルは、ピロリジン、オキセタン、テトラヒドロピラン、ピペリジン、モルホリン、及びピペラジンからなる群より選択される。
【0030】
本発明の特定の実施態様において、Rは、水素、又は場合によりCNもしくはOHによって置換されているC1−6−アルキルである。
【0031】
本発明の特定の実施態様において、
は、
水素、
1−6−アルキル、
1−6−アルコキシ、
−(C1−6−アルキレン)−NR
(ここで、R及びRは、それぞれ独立して、
水素、−C(O)R、又は−S(O)(ここで、Rは、水素、C1−6−アルキル、又は場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているフェニルから選択される)であるか、あるいは
及びRは、それらが結合している窒素と一緒になって、イソインドール−1,3−ジオンを形成する);
−(C1−6−アルキレン)−C(O)R(ここで、Rは、水素、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、又は場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているフェニルより選択される);
場合によりハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているベンジル、あるいは
場合によりハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているフェニル
である。
【0032】
本発明の特定の実施態様において、Rは、水素又はC1−6−アルキルである。
【0033】
本発明の特定の実施態様において、Rは、水素である。
【0034】
本発明の特定の実施態様において、Rは、水素、ハロ、C1−6−アルキル、又はC1−6−アルコキシである。
【0035】
本発明の特定の実施態様において、
は、
水素、
場合によりCNもしくはOHによって置換されているC1−6−アルキル、
−(C1−6−アルキレン)−NR(ここで、R及びRは、それぞれ独立して、水素、又はC1−6−アルキルより選択されるか;あるいは、R及びRは、それらが結合している窒素と一緒になって、窒素、酸素及び硫黄の群より選択される1又は2個のヘテロ原子を含む5員又は6員の複素環を形成する)、
−(C1−6−アルキレン)−C(O)−NR(ここで、R及びRは、それぞれ独立して、水素、C1−6−アルキル、−(C1−6−アルキレン)−NR(ここで、R及びRは、それぞれ独立して、水素又はC1−6−アルキルである)であるか、あるいは、R及びRは、それらが結合している窒素と一緒になって、窒素、酸素又は硫黄の群より選択される1又は2個のヘテロ原子を含む5員又は6員の複素環を形成する)、
場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されている−O−ベンジル、
ニトロ、
ハロ、
シアノ、
1−6−アルコキシ、
ハロ−C1−6−アルコキシ、
ハロ−C1−6−アルキル、
−(C1−6−アルキレン)−C(O)R(ここで、Rは、水素、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、又は場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているフェニルより選択される)、
場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているフェニル、
−(C1−3−アルキレン)−R(ここで、Rは、フェニル、5員〜6員のヘテロアリール、4員〜6員のヘテロシクロアルキル又は3員〜6員のシクロアルキルであって、それぞれ場合により、1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されている)
である。
【0036】
本発明の特定の実施態様において、
は、
水素、
場合によりCNもしくはOHによって置換されているC1−6−アルキル、
−(C1−6−アルキレン)−NR(ここで、R及びRは、それぞれ独立して、水素、又はC1−6−アルキルより選択されるか;あるいは、R及びRは、それらが結合している窒素と一緒になって、窒素、酸素及び硫黄の群より選択される1又は2個のヘテロ原子を含む5員又は6員の複素環を形成する)、
−(C1−6−アルキレン)−C(O)−NR(ここで、R及びRは、それぞれ独立して、水素、C1−6−アルキル、−(C1−6−アルキレン)−NR(ここで、R及びRは、それぞれ独立して、水素又はC1−6−アルキルである)であるか、あるいはR及びRは、それらが結合している窒素と一緒になって、窒素又は酸素の群より選択される1又は2個のヘテロ原子を含む5員又は6員の複素環を形成する)
である。
【0037】
本発明の特定の実施態様において、Rは、水素又はC1−6−アルキルである。
【0038】
本発明の特定の実施態様において、Rは、水素である。
【0039】
特定の実施態様において、R〜R11のすべては、水素である。
【0040】
特定の実施態様において、R〜R11は、独立して、水素又はハロである。
【0041】
特定の実施態様において、Rは、フルオロであり、そしてR、R10及びR11は水素である。
【0042】
特定の実施態様において、R、R及びR11は、水素であり、そしてR10はブロモである。
【0043】
特定の実施態様において、R〜R11は、独立して、水素又はメチルである。
【0044】
特定の実施態様において、R〜R10は水素であり、そしてR11はメチルである。
【0045】
本発明の特定の実施態様において、Xは、Oであり、すなわち、式(Ia):
【0046】
【化3】


[式中、R〜R11は、本明細書で上記に定義したとおりである]
で示される化合物である。
【0047】
本発明の特定の実施態様において、Xは、CHであり、すなわち、式(Ib):
【0048】
【化4】


[式中、R〜R11は、本明細書で上記に定義したとおりである]
で示される化合物である。
【0049】
本発明の特定の実施態様において、R〜Rは、すべてが水素ではない。
【0050】
本発明の特定の実施態様において、R〜R11は、すべてが水素ではない。
【0051】
本発明はさらに、
Xが、O又はCHであり;
が、
水素;
場合によりCNもしくはOHによって置換されているC1−6−アルキル;
−(C1−6−アルキレン)−C(O)−NR(ここで、R及びRは、それぞれ独立して、水素又はC1−6−アルキルである)であり、
が、
水素、
1ー6−アルキル、
1−6−アルコキシ、
−(C1−6−アルキレン)−NR(ここで、R及びRは、それぞれ独立して、水素、−C(O)R、又は−S(O)(ここで、Rは、水素、C1−6−アルキル、又は場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているフェニルより選択される)であるか、あるいは、R及びRは、それらが結合している窒素と一緒になって、イソインドール−1,3−ジオンを形成する)、
−(C1−6−アルキレン)−C(O)R(ここで、Rは、水素、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、又は場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているフェニルより選択される)、
場合によりハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているベンジル、あるいは
場合によりハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているフェニルであり;
が、
水素、
ハロ、又は
1−6−アルキルであり;
が、
水素、
ハロ、
1−6−アルキル、
ハロ−C1−6−アルキル、
1−6−アルコキシ、
ハロ−C1−6−アルコキシ、又は
−O−C2−10−アルケニルであり;
が、
水素、
ハロ、
1−6−アルキル、又は
1−6−アルコキシであるか;あるいは
とRが、結合してベンゾ部分と一緒に環を形成し、ここで、−R−R−は、−O−(CH−O−(ここで、nは、1又は2である)であり;
が、
水素、
場合によりCNもしくはOHによって置換されているC1−6−アルキル、
−(C1−6−アルキレン)−NR(ここで、R及びRは、それぞれ独立して、水素、又はC1−6−アルキルより選択されるか;あるいは、RとRは、それらが結合している窒素と一緒になって、窒素、酸素又は硫黄の群より選択される1又は2個のヘテロ原子を含む5員又は6員の複素環を形成する)、
−(C1−6−アルキレン)−C(O)−NR(ここで、R及びRは、それぞれ独立して、水素、C1−6−アルキル、−(C1−6−アルキレン)−NR(ここで、R及びRは、それぞれ独立して、水素又はC1−6−アルキルである)であるか、あるいは、RとRは、それらが結合している窒素と一緒になって、窒素、酸素又は硫黄の群より選択される1又は2個のヘテロ原子を含む5員又は6員の複素環を形成する)、
場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されている−O−ベンジル、
ニトロ、
ハロ、
シアノ、
1−6−アルコキシ、
ハロ−C1−6−アルコキシ、
ハロ−C1−6−アルキル、
−(C1−6−アルキレン)−C(O)R(ここで、Rは、水素、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、又は場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているフェニルより選択される)、
場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているフェニル、
−(C1−3−アルキレン)−R(ここで、Rは、フェニル、5員〜6員のヘテロアリール、4員〜6員のヘテロシクロアルキル又は3員〜6員のシクロアルキルであり、それぞれ場合により、1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されている)であるか、あるいは
とRが、結合してベンゾ部分と一緒に環を形成し、ここで、−R−R−は、
−O−(CH−C(O)−、
−C(O)−(CH−O−、又は
−O−(CH−O−(ここで、nは、1又は2である)であり;
が、水素又はC1−6−アルキルであり;
、R、R10、及びR11が、それぞれ独立して、水素、ハロ、C1−6−アルキル又はハロ−C1−6−アルキルである、
式(I)の化合物の実施態様を包含する。
【0052】
本発明はさらに、
Xが、O又はCHであり;
が、水素、又は場合によりCNもしくはOHによって置換されているC1−6−アルキルであり;
が、水素又はC1−6−アルキルであり;
が、水素であり;
が、
水素、
ハロ、
1−6−アルキル、又は
1−6−アルコキシであり;
が、水素又はハロであるか;あるいは
とRが、結合してベンゾ部分と一緒に環を形成し、ここで、−R−R−は、−O−(CH−O−(ここで、nは、1又は2である)であり、
が、水素、又は場合によりCNもしくはOHによって置換されているC1−6−アルキルであり;
が、水素又はC1−6−アルキルであり;
、R、R10、及びR11が、それぞれ独立して、水素又はハロである、
式(I)の化合物の実施態様を包含する。
【0053】
本発明はさらに、
Xが、Oであり;
が、水素、又は場合によりCNもしくはOHによって置換されているC1−6−アルキルであり;
が、水素又はC1−6−アルキルであり;
が、水素であり;
が、水素、ハロ、又はC1−6−アルキルであり;
が、水素又はハロであり;
が、水素、又は場合によりCNもしくはOHによって置換されているC1−6−アルキルであり;
が、水素であり;
、R、R10、及びR11が、それぞれ独立して、水素である、
式(Ia)の化合物の実施態様を包含する。
【0054】
本発明はさらに、
Xが、CHであり;
が、水素、又は場合によりCNもしくはOHによって置換されているC1−6−アルキルであり;
が、水素又はC1−6−アルキルであり;
が、水素であり;
が、水素、ハロ、又はC1−6−アルコキシであり;
が、水素であるか;あるいは
とRが、結合してベンゾ部分と一緒に環を形成し、ここで、−R−R−は、−O−(CH−O−(ここで、nは、1又は2である)であり、
が、水素であり;
が、水素であり;
、R、R10、及びR11が、それぞれ独立して、水素又はハロである、
式(Ib)の化合物の実施態様を包含する。
【0055】
本発明の好ましい化合物は、実施例で示される化合物である。
【0056】
式Iaのより好ましい化合物は:
1’−[(5−クロロ−1−メチル−1H−インドール−2−イル)カルボニル]スピロ[3,1−ベンゾオキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン、
{2−[(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−1’H−スピロ[3,1−ベンゾオキサジン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)カルボニル]−1H−インドール−1−イル}アセトニトリル、及び
{5−クロロ−2−[(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−1’H−スピロ[3,1−ベンゾオキサジン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)カルボニル]−1H−インドール−1−イル}アセトニトリルである。
【0057】
式Ibのより好ましい化合物は:
{2−[(6’−ブロモ−2’−オキソ−2’,3’−ジヒドロ−1H,1’H−スピロ[ピペリジン−4,4’−キノリン]−1−イル)カルボニル]−5−クロロ−1H−インドール−1−イル}アセトニトリルである。
【0058】
本発明はさらに、月経困難症、高血圧、慢性心不全、バソプレシンの異常分泌、肝硬変、ネフローゼ症候群、強迫性障害、不安及び抑鬱障害の予防又は治療において使用するための式(I)の化合物を包含する。
【0059】
本発明はさらに、式(I)の化合物を含む医薬組成物であって、月経困難症、高血圧、慢性心不全、バソプレシンの異常分泌、肝硬変、ネフローゼ症候群、強迫性障害、不安及び抑鬱障害に対して有用な医薬組成物を包含する。医薬組成物はさらに、少なくとも1種の薬学的に許容しうる賦形剤を含みうる。
【0060】
本発明はさらに、月経困難症、高血圧、慢性心不全、バソプレシンの異常分泌、肝硬変、ネフローゼ症候群、強迫性障害、不安及び抑鬱障害に対して有用な医薬の製造のための式(I)の化合物の使用を包含する。
【0061】
特定の実施態様において、本発明の化合物は、式(II):
【0062】
【化5】


で示される化合物を、式(1):
【0063】
【化6】


で示されるアミン[式(II)及び式(1)中、R〜R11及びXは、上記と同義である]と反応させる工程を含む方法に従って製造することができる。
【0064】
特定の実施態様において、本発明の化合物は、式(I−1):
【0065】
【化7】


で示される化合物を、式R−halの求電子剤と反応させて、本明細書で上記に定義した一般式(I)の化合物を得る工程を含む方法に従って製造することができる。
【0066】
一般式(I)の化合物の合成を、以下に、そして実施例においてより詳細に説明する。
【0067】
【化8】


[式中、Aは、下記:
【0068】
【化9】


(式中、Xは、O又はCHである)で示される]
【0069】
式(I)で示される化合物は、インドール2−カルボン酸(II)と式(A−H)(ここで、Aは、本明細書で上記に定義したとおりである)で示される化合物との間のアミドカップリングにより調製することができる。当該技術分野において公知の通常の試薬及びプロトコルを用いて、アミドカップリングを実施することができる。インドール2−カルボン酸(II)は、市販であるか、あるいは本明細書で下記に記載の手順を用いて容易に調製する。式(A−H)の化合物は、市販であるか、あるいは当該技術分野で公知の方法を用いて市販の物質から出発して調製する。一般スキームAを、一般手順Iと共に、下記にさらに説明する。
【0070】
【化10】

【0071】
式(I−2)の化合物(RがHと異なる、式(I)で示される化合物)は、標準的な手順を用い、式(I−1)で示されるインドール誘導体を、式R−hal(市販されている、ここで、halは、ハロであり、好ましくはCl又はBrである)の求電子剤でアルキル化することにより調製することができる。誘導体(I−1)は、一般スキームAに記載のアミドカップリングを用いて調製する。
【0072】
【化11】

【0073】
置換インドール2−カルボン酸は、一般スキームCに従って調製することができる。フィッシャー(Fischer)インドール合成により、インドールVは、アリールヒドラジンIII及びα−ケトエステルIVから得る。けん化により、式II−aで示される酸を得る。代替的には、インドール窒素のBoc保護により、VIを得る。NBSを使用する、インドールの7位におけるメチル基の選択的臭素化により、VIIを得る。これに続く7−ブロモメチルインドール中間体VIIの、NaCN又は第2級アミンでの求核置換により、中間体VIII及びIXをそれぞれ得る。N−脱保護及びエステル部分のけん化の後、対応するカルボン酸II−b及びII−cを得る。
【0074】
使用する略語:
NBS=N−ブロモスクシンイミド
Boc=tert−ブトキシカルボニル
EDC=N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチル−カルボジイミド塩酸塩
HOBt=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
DMAP=4−ジメチルアミノピリジン
TFA=トリフルオロ酢酸
【0075】
V1a活性
材料&方法:
ヒトV1a受容体を、ヒト肝トータルRNAからRT−PCRによりクローニングした。増幅したシークエンスの同一性を確認するために配列決定した後に、コード配列を発現ベクター中にサブクローニングした。ヒトV1a受容体に対する本発明の化合物の親和性を実証するために、結合試験を実施した。細胞膜を、発現ベクターで一過性にトランスフェクトしたHEK293細胞から調製し、そして20リットル発酵槽中で下記のプロトコルを用いて増殖した。
【0076】
細胞50gを、新たに調製した氷冷Lysis 緩衝液(pH=7.4に調整した、50mM HEPES、1mM EDTA、10mM MgCl+プロテアーゼインヒビターの完全カクテル(Roche Diagnostics))30mlに再懸濁する。ポリトロン(Polytron)で1分間ホモジェナイズして、氷上で2×2分間、80%の強度にて超音波処理する(Vibracell sonicator)。調製物を、4℃にて500gで20分間遠心分離し、ペレットを廃棄し、上清を4℃にて43,000gで1時間、遠心分離する(19,000rpm)。ペレットをLysis 緩衝液12.5ml+20%ショ糖12.5mlに再懸濁し、ポリトロンを用いて1〜2分間ホモジェナイズする。タンパク質濃度をブラッドフォード法(Bradford method)により測定して、使用するまでアリコートを−80℃で貯蔵する。結合試験には、ケイ酸イットリウムSPAビーズ(Amersham)60mgを、混合しながら、結合緩衝液(50mMトリス、120mM NaCl、5mM KCl、2mM CaCl、10mM MgCl)中の膜のアリコートと15分間混合する。次に、ビーズ/膜混合物50ulを、96ウェルプレートの各ウェルに加え、続いて4nM 3H−バソプレシン(American Radiolabeled Chemicals)50ulを加える。全結合測定には、結合緩衝液100ulをそれぞれのウェルに加え、非特異結合には、8.4mM冷バソプレシン100ulを、そして化合物の試験には、2% DMSO中で各化合物を段階希釈したもの100ulを加える。プレートを室温で1時間インキュベートし、1分間1000gで遠心分離し、Packard Top-Countで計数を行う。非特異結合のカウントを各ウェルから差し引き、データを100%に設定した最大特異結合に対して正規化する。IC50を算出するために、非線形回帰モデル(XLfit)を用いて曲線を近似し、Cheng-Prussoff式を用いてKiを算出する。
【0077】
【表1】

【0078】
式(I)の化合物ならびにそれらの薬学的に使用しうる酸付加塩は、医薬として、例えば、医薬製剤の形態で使用することができる。この医薬製剤は、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で、経口投与することができる。しかし投与はまた、例えば坐剤の剤形で直腸内に、又は例えば注射液の剤形で非経口的に行うこともできる。
【0079】
式(I)の化合物及びそれらの薬学的に使用しうる酸付加塩は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセル剤の製造のために、薬学的に不活性な、無機又は有機賦形剤と共に加工することができる。乳糖、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩などを、そのような賦形剤として、例えば錠剤、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセル剤のために用いることができる。
【0080】
軟ゼラチンカプセル剤に適切な賦形剤は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体及び液体ポリオールなどである。
【0081】
液剤及びシロップ剤の製造に適切な賦形剤は、例えば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖、ブドウ糖などである。
【0082】
注射液に適切な賦形剤は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセリン、植物油などである。
【0083】
坐剤に適切な賦形剤は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体ポリオールなどである。
【0084】
さらに、医薬製剤は、防腐剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、香味料、浸透圧を変えるための塩類、緩衝液、マスキング剤又は抗酸化剤を含有することができる。それらは、その他の治療上有用な物質もさらに含有することができる。
【0085】
投与量は、広い限度内で変更することができ、当然、それぞれの特定の症例ごとに個々の要件に適合されるであろう。一般的に、経口投与の場合、一般式(I)の化合物の、1人当たり約10〜1000mgの1日投与量が適切であるが、必要であれば上記の上限を超えることもできる。
【0086】
下記の実施例は、本発明を限定することなく説明する。全ての温度は摂氏で示される。
【実施例】
【0087】
実施例A
通常の方法で、以下の組成の錠剤を製造した:
【表2】

【0088】
実施例B
以下の組成のカプセル剤を製造した:
【表3】

【0089】
活性物質、乳糖及びトウモロコシデンプンを、最初にミキサーで、次に、微粉砕機で混合した。混合物をミキサーに戻し、タルクを加え、十分に混合した。混合物を機械により硬質ゼラチンカプセルに充填した。
【0090】
実施例C
以下の組成の坐剤を製造した:
【表4】

【0091】
坐薬用錬剤をガラス又はスチール容器で溶解し、十分に混合し、45℃に冷却した。その後、微粉砕した活性物質を加え、それが完全に分散するまで撹拌した。混合物を適切な大きさの坐剤成形型に注ぎ、放置して冷却し、次に坐剤を成形型から取り外し、パラフィン紙又は金属箔で個別に包んだ。
【0092】
以下において、式(I)の化合物の合成をさらに例示する:
【0093】
実施例
一般手順I−アミドカップリング:
CHCl中のインドール−2−カルボン酸誘導体(II)型の撹拌した0.1M溶液に、EDC(1.3当量)、HOBt(1.3当量)、EtN(1.3当量)及びアミン誘導体(A−H、上述のとおり、1当量)を加える。混合物を室温で一晩撹拌し、次に水に注いで、CHClで抽出する。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー又は分取HPLCにより、式(I)の化合物を得る。
【0094】
一般手順II−アルキル化:
DMF中の一般式(I−1)の誘導体の撹拌した0.1M 溶液に、NaH(油中60%、2.1当量)を加える。混合物を室温で30分間撹拌した後、求電子反応剤R−hal(1.1当量)を加える。混合物を60℃でさらに14時間撹拌し、次に水に注いで、酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮する。分取HPLCにより精製して、一般式(I−2)の対応する誘導体を得る。
【0095】
実施例1
6’−ブロモ−1−[(5−メトキシ−3−メチル−1H−インドール−2−イル)カルボニル]−1’H−スピロ[ピペリジン−4,4’−キノリン]−2’(3’H)−オン
【0096】
【化12】

【0097】
一般手順Iによるアミドカップリング:
− アミン:6’−ブロモ−1’H−スピロ[ピペリジン−4,4’−キノリン]−2’(3’H)−オン(以下で調製した)、
− 酸:5−メトキシ−3−メチル−1H−インドール−2−カルボン酸、
ES−MS m/e(%):482.4(M+H)。
【0098】
6’−ブロモ−1’H−スピロ[ピペリジン−4,4’−キノリン]−2’(3’H)−オン(スキーム1)
【0099】
【化13】

【0100】
1’−(tert−ブチルオキシカルボニル)スピロ(インデン−1,4’−ピペリジン)3:
窒素ブランケット下で保持した乾燥THF(40mL)中のインデン 1(34.6g、298mmol)の溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中1.0M 溶液596mL;596mmol)を30分かけて加えた。混合物を冷却下で30分間撹拌し、次に乾燥THF(40mL)中のN,N−ビス(2−クロロエチル)−tert−ブチルカルバマート 2(68g、281mmol)の溶液にカニューレにより移して、氷浴中で撹拌した。混合物を、冷却下で2時間、窒素下で周囲温度にて30分間撹拌し、次に減圧下で蒸発させて泡状物とした。塩化メチレンを加え、得られた反応混合物をシリカのクロマトグラフィー(1:20 酢酸エチル−ヘキサン)に付した。生成物画分を減圧下で蒸発乾固して、1’−(tert−ブチルオキシカルボニル)スピロ(インデン−1,4’−ピペリジン) 3(49g、57%)を白色の固体として得た。融点128℃。IR (KBr) 3435, 2964, 2856, 1679, 1427, 1165 cm-1; 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 1.26 (br d, J = 13.4 Hz, 2H), 1.43 (s, 9H), 1.93 (dt, J = 12.9, 4.5 Hz, 2H), 3.04 (dt, J = 13.0, 2.7 Hz, 2H), 4.11 (br d, J = 13.5 Hz, 2H), 6.71 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 7.11-7.19 (m, 2H), 7.23-7.26 (m, 2H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 28.47, 33.39, 42.48, 52.03, 79.56, 121.45, 121.65, 125.30, 126.98, 130.25, 140.32, 142.73, 151.65, 155.01; GC MS (EI) m/z 285。
【0101】
1’−(tert−ブチルオキシカルボニル)スピロ(インダン−1−オール,4’−ピペリジン) 5:
乾燥塩化メチレン(450mL)中の3(20g、70.2mmol)の撹拌している溶液に、気体HBrを12時間、通し入れた。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液(150mL)で注意深く中和した。水性部分を分離し、有機部分を飽和重炭酸ナトリウム(2×50mL)で逆抽出した。水性抽出液及び合わせた洗液に、固体の重炭酸ナトリウム14.7g、塩化メチレン400mL、続いてジ−tert−ブチルピロカルボナート15.4g(70.2mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で3時間撹拌した。有機層を分離し、水性部分を塩化メチレン(3×50mL)で連続して洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮して、泡状液体を得て、それをシリカのクロマトグラフィー(3:7 酢酸エチル−ヘキサン続いて1:1 酢酸エチル−ヘキサン)に付して、1’−(tert−ブチルオキシカルボニル)スピロ(インダン−1−オール,4’−ピペリジン) 5(21g、99%)を粘性液体として得た。IR (フィルム) 3401, 2925, 2347, 1691,1669, 1425, 1365, 1166 cm-1; 1H NMR (CDCl3 , 400 MHz) δ 1.37 (dd, J = 13.4, 2.0 Hz, 1H), 1.49 (s, 9H), 1.62 (dd, J = 13.2, 1.9 Hz, 1H), 1.73 (dt, J = 13.0 , 4.4 Hz, 1 H), 1.87-1.96 (m, 2H), 2.49 (dd, J = 13.4, 7.1 Hz, 1H), 2.62 (br s, 1H), 2.92 (tt, J = 11.7, 2.9 Hz, 2H), 4.09 (d, J = 11 Hz, 2H), 5.25 (t, J = 12.2 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.25-7.33 (m, 2H), 7.41 (d, J = 7.09 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 28.39, 37.04, 38.04, 41.21, 41.37, 44.70, 44.94, 73.98, 79.52, 122.59, 124.43, 127.48, 128.64, 143.96, 150.10, 154.90; MS (EI) m/z 303。
【0102】
1’−(tert−ブチルオキシカルボニル)−スピロ−(インダン−1−オン,4’−ピペリジン) 6:
酢酸エチル(300mL)中の5(20g、66mmol)の撹拌している溶液を、o−ヨードオキシ安息香酸(IBX)(37g、132mmol)で処理し、80℃で12時間加熱した。反応混合物を室温にし、次にポンプ下で濾過した。残留物を酢酸エチル(3×100mL)で十分に洗浄した。合わせた洗液を含む濾液を減圧下で濃縮して、固体の残留物を得て、それをシリカのクロマトグラフィー(1:10 酢酸エチル−ヘキサン続いて1:3 酢酸エチル−ヘキサン)に付して、1’−(tert−ブチルオキシカルボニル)−スピロ−(インダン 1−オン,4’−ピペリジン)6(19.5g、98%)を白色の固体として得た。融点121℃。IR (KBr) 3388, 2980, 2917, 2847, 1704, 1688, 1603, 1418, 1364, 1278, 1160 cm-1; 1H NMR (CDCl3 , 400 MHz) δ 1.46 (s, 9H), 1.49 (m, 2H), 1.95 (dt, J = 13.2, 4.6 Hz, 2H), 2.60 (s, 2H), 2.83 (dt, J = 13.3, 2.5 Hz, 2H), 4.19 (td, J = 13.7, 4.3 Hz, 2H), 7.38 (dt, J = 7.1, 0.8 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.61 (td, J = 7.7, 1.2 Hz, 1H), 7.70 (dt, J = 7.4, 0.9 Hz, 1H). 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 28.38, 37.52, 41.47, 41.58, 46.84, 79.73, 123.62, 123.87, 128.03, 135.09, 135.61, 154.75, 162.02; GC-MS (EI) m/z 301。
【0103】
1’−(tert−ブチルオキシカルボニル)スピロ(テトラヒドロキノール−2−オン)−4’−ピペリジン 10及び1’−(tert−ブチルオキシカルボニル)スピロ(テトラヒドロイソキノール−1−オン)−4’−ピペリジン 9:
乾燥ベンゼン(40mL)中の6(10g、33mmol)の冷却した溶液に、濃硫酸を撹拌しながら加えた。その後、反応混合物を撹拌下40℃で保持し、続いてベンゼン中のアジ化水素酸(2.84g、66mmol)の新たに調製した溶液を滴下した[ペーストを、アジ化ナトリウム4.26gから調製し、水4.26mL及びベンゼン56.8mLを加えた。混合物を0℃に冷却し、温度を0〜5℃に制御しながら濃硫酸 1.18mLを滴下した。有機層(ベンゼン中のアジ化水素酸の溶液)を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、反応のために使用した。発泡が停止したときに、ベンゼン層を注意深くデカントし、残留物をベンゼン(2×10mL)で洗浄した。微量のベンゼンを減圧下で除去し、残留物を水70mLに溶解し、続いて液体アンモニア(10mL)で中和した。次に反応混合物を、塩化メチレン250mL中の固体の重炭酸ナトリウム7g、ジ−tert−ブチルピロカルボナート(7.2g)で処理し、周囲温度で2時間撹拌した。有機層を分離し、水性部分を塩化メチレン(2×50mL)で洗浄した。合わせた有機抽出物及び洗液をブラインで洗浄し、乾燥(無水NaSO)させ、減圧下で濃縮して、泡状の物質を得て、それをシリカのクロマトグラフィー(1:3 酢酸エチル−ヘキサン続いて1:1 酢酸エチル−ヘキサン)に付して、1’−(tert−ブチルオキシカルボニル)スピロ(テトラヒドロキノール−2−オン)−4’−ピペリジン 10(6.7g、64%)をクリーム色を帯びた白色の固体として得た。融点198℃ IR (KBr) 3205, 3080, 2978, 1681, 1591, 1487, 1432, 1381, 1252, 1174 cm-1; 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 1.46 (s, 9H), 1.67 (d, J = 12.2 Hz, 2H), 1.88 (br t, J = 10.1 Hz, 2H), 2.70 (s, 2H), 3.08 (t, J = 12.2 Hz, 2H), 4.00 (br d, J = 9.2 Hz, 2H), 6.83 (dd, J = 7.8, 1.1 Hz, 1H), 7.06 (dt, J = 7.6, 1.2 Hz, 1H), 7.20 (dt, J = 7.6, 1.2 Hz, 1H), 7.29 (dd, J = 7.3, 0.9 Hz, 1H), 8.75 (br s, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 28.39, 33.69, 35.32, 37.75, 39.31, 79.73, 116.38, 123.82, 124.00, 127.89, 131.25, 136.24, 154.76, 170.67; GC-MS (EI) m/z 316。
【0104】
1’−(tert−ブチルオキシカルボニル)スピロ(テトラヒドロイソキノール−1−オン)−4’−ピペリジン 9:
この化合物を、1:1の酢酸エチル−ヘキサンで溶離した。(3.8g、36%)融点182℃;IR (KBr) 3337, 3232, 2867, 1692, 1679, 1635, 1603, 1415, 1165 cm-1; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.47(s, 9H), 1.78 (m, 2H), 1.94 (br s, 2H), 2.99 (t, J = 12.9 Hz, 2H), 3.57 (br d, J = 1.7 Hz, 2H), 4.01 (br d, J = 15.6 Hz, 2H), 6.24 (br s, 1H), 7.38 (m, 2H), 7.53 (m, 1H), 8.10 (dd, J = 7.9, 1.6 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 28.35, 29.59, 32.59, 35.63, 44.79, 79.73, 122.99, 127.04, 127.83, 128.46, 132.83, 146.36, 154.74; GC-MS (EI) m/z: (M-100)。
【0105】
6−ブロモ−1’−(tert−ブチルオキシカルボニル)スピロ(テトラヒドロキノール−2−オン)−4’−ピペリジン 11:
乾燥アセトニトリル(250mL)中の10(10g、31.6mmol)の溶液を、−10℃に冷却し、N−ブロモスクシンイミド(5.62g、31.6mmol)を撹拌しながら少量ずつ加えた。反応混合物を−10℃で1時間、0℃で2時間撹拌し、最後に周囲温度で24時間撹拌した。溶媒を除去し、残留物を塩化メチレン(500mL)に溶解し、有機抽出物をブライン−水(1:1)(3×50mL)で洗浄し、乾燥(無水NaSO)させ、減圧下で濃縮して、クリーム色を帯びた白色の固体として得て、それをシリカのクロマトグラフィー(1:3 酢酸エチル−ヘキサン、続いて1:1 酢酸エチル−ヘキサン)に付して、6−ブロモ−1’−(tert−ブチルオキシカルボニル)スピロ(テトラヒドロキノール−2−オン)−4’−ピペリジン 11(11.8g、94%)を融点226℃の白色の固体として得た。IR (KBr) 3178, 3083, 2923, 1686, 1586, 1491, 1432, 1380, 1255, 1171 cm-1; 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 1.46 (s, 9H), 1.65 (m, 2H), 1.85 (br t, 2H), 2.69 (br s, 2H), 3.05 (br t, 2H), 4.02 (br s, 2H), 6.72 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.32 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.75 (s, 1H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 28.38, 33.56, 35.58, 37.31, 79.88, 116.46, 117.93, 127.31, 130.76, 133.33, 135.39, 154.62, 170.58; GC-MS (EI) m/z (M-100) 294。
【0106】
6’−ブロモ−1’H−スピロ[ピペリジン−4,4’−キノリン]−2’(3’H)−オン 12:
メタノール750mL中の11(10g、25.3mmol)の撹拌している溶液に、乾燥HClを10時間、通し入れ、撹拌を一晩続けた。反応混合物を氷−冷条件下、液体アンモニア(75mL)で中和した。メタノール及び過剰量のアンモニアを減圧下で除去し、残留物を塩化メチレン(500mL)に溶解し、続いて液体アンモニア25mLを加えて、残留固体を溶解した。有機層を分離し、水性部分を洗浄し、塩化メチレン(3×150mL)で抽出し、乾燥(無水NaSO)させ、減圧下で濃縮して、6−ブロモ−スピロ(テトラヒドロキロン−2−オン)−4’−ピペリジン 12を融点218℃のクリーム色を帯びた白色の固体(7.0g、94%)として得た。IR (KBr) 3434, 3318, 3180, 2823, 1668, 1600, 1483, 1389 cm-1; 1H NMR (d6-DMSO, 400 MHz) δ 1.45 (d, J = 12.7 Hz, 2H), 1.71 (dt, J = 12.3, 4.8 Hz, 2H); 2.57 (br s, 2H), 2.68-2.78 (m, 4H), 6.83 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.33 (dd, J = 8.4, 1.9 Hz, 1H), 7.41 (br d, J = 1.9 Hz, 1H), 10.3 (br s, 1H); 1H NMR (D2O 交換, d6-DMSO, 400 MHz) 1.43 (d, J = 12.9 Hz, 2H), 1.71 (dt, J = 12.2, 4.8 Hz, 2H), 2.55 (br s, 2H), 2.65-2.76 (m, 4H ), 6.82 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.29 (dd, J = 8.4, 1.9 Hz, 1H), 7.39 (br d, J = 1.9 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, d6-DMSO) δ 34.14, 35.58, 37.34, 41.06, 114.28, 117.57, 126.75, 129.89, 134.74, 136.56, 168.73; GC-MS (EI) m/z 294。
【0107】
実施例2
6’−ブロモ−1−(5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]インドール−6−イルカルボニル)−1’H−スピロ[ピペリジン−4,4’−キノリン]−2’(3’H)−オン
【0108】
【化14】

【0109】
一般手順Iによるアミドカップリング:
− アミン:6’−ブロモ−1’H−スピロ[ピペリジン−4,4’−キノリン]−2’(3’H)−オン(先で調製した)、
− 酸:5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]インドール−6−カルボン酸、
ES−MS m/e(%):482.3(M+H)。
【0110】
実施例3
6’−ブロモ−1−[(5−メトキシ−1H−インドール−2−イル)カルボニル]−1’H−スピロ[ピペリジン−4,4’−キノリン]−2’(3’H)−オン
【0111】
【化15】

【0112】
一般手順Iによるアミドカップリング:
− アミン:6’−ブロモ−1’H−スピロ[ピペリジン−4,4’−キノリン]−2’(3’H)−オン(先で調製した)、
− 酸:5−メトキシ−1H−インドール−2−カルボン酸、
ES−MS m/e(%):468.4(M+H)。
【0113】
実施例4
6’−ブロモ−1−[(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)カルボニル]−1’H−スピロ[ピペリジン−4,4’−キノリン]−2’(3’H)−オン
【0114】
【化16】

【0115】
一般手順Iによるアミドカップリング:
− アミン:6’−ブロモ−1’H−スピロ[ピペリジン−4,4’−キノリン]−2’(3’H)−オン(先で調製した)、
− 酸:5−フルオロ−1H−インドール−2−カルボン酸、
ES−MS m/e(%):456.4(M+H)。
【0116】
実施例5
6’−ブロモ−1−[(5−クロロ−1−メチル−1H−インドール−2−イル)カルボニル]−1’H−スピロ[ピペリジン−4,4’−キノリン]−2’(3’H)−オン
【0117】
【化17】

【0118】
一般手順Iによるアミドカップリング:
− アミン:6’−ブロモ−1’H−スピロ[ピペリジン−4,4’−キノリン]−2’(3’H)−オン(先で調製した)、
− 酸:5−クロロ−1−メチル−1H−インドール−2−カルボン酸、
ES−MS m/e(%):488.3(M+H)。
【0119】
実施例6
{2−[(6’−ブロモ−2’−オキソ−2’,3’−ジヒドロ−1H,1’H−スピロ[ピペリジン−4,4’−キノリン]−1−イル)カルボニル]−1H−インドール−1−イル}アセトニトリル
【0120】
【化18】

【0121】
一般手順Iによるアミドカップリング:
− アミン:6’−ブロモ−1’H−スピロ[ピペリジン−4,4’−キノリン]−2’(3’H)−オン(先で調製した)、
− 酸:1−シアノメチル−1H−インドール−2−カルボン酸(以下で調製した)、
ES−MS m/e(%):477.4(M+H)。
【0122】
シアノメチル−1H−インドール−2−カルボン酸
【0123】
【化19】

【0124】
THF/HO(9/1)の混合物中の1−シアノメチル−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステルの1.0当量の溶液に、LiOH.HO(1.0当量)を加え、反応混合物を室温で6時間撹拌し、pH2に酸性化し、次に粗生成物が沈殿するまで部分的に濃縮して、それを濾別し、EtOで洗浄し、次に乾燥させて、所望の生成物を明黄色の固体(70%)として得た。
ES−MS m/e(%):199.0(M−H)。
【0125】
実施例7
{2−[(6’−ブロモ−2’−オキソ−2’,3’−ジヒドロ−1H,1’H−スピロ[ピペリジン−4,4’−キノリン]−1−イル)カルボニル]−5−クロロ−1H−インドール−1−イル}アセトニトリル
【0126】
【化20】

【0127】
一般手順Iによるアミドカップリング:
− アミン:6’−ブロモ−1’H−スピロ[ピペリジン−4,4’−キノリン]−2’(3’H)−オン(先で調製した)、
− 酸:5−クロロ−1−シアノメチル−1H−インドール−2−カルボン酸(以下で調製した)、
ES−MS m/e(%):511.0(M+H)。
【0128】
5−クロロ−1−シアノメチル−1H−インドール−2−カルボン酸
【0129】
【化21】

【0130】
THF/HO(9/1)の混合物中の5−クロロ−1−シアノメチル−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(Indian Journal of Chemistry, Section B: Organic Chemistry Including Medicinal Chemistry (1989), 28B(12), 1065-8に従って調製)の1.0当量の溶液に、LiOH.HO(1.0当量)を加え、反応混合物を室温で6時間撹拌し、pH2に酸性化して、次に粗生成物が沈殿するまで部分的に濃縮して、それを濾別し、EtOで洗浄し、次に乾燥させて、所望の生成物を明黄色の固体(84%)として得た。
【0131】
実施例8
1−[(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)カルボニル]−1’H−スピロ[ピペリジン−4,4’−キノリン]−2’(3’H)−オン
【0132】
【化22】

【0133】
一般手順Iによるアミドカップリング:
− アミン:1’H−スピロ[ピペリジン−4,4’−キノリン]−2’(3’H)−オン塩酸塩(先で調製した)、
− 酸:5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸、
ES−MS m/e(%):394.4(M+H)。
【0134】
実施例9
6’−ブロモ−1−[(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)カルボニル]−1’H−スピロ[ピペリジン−4,4’−キノリン]−2’(3’H)−オン
【0135】
【化23】

【0136】
一般手順Iによるアミドカップリング:
− アミン:6’−ブロモ−1’H−スピロ[ピペリジン−4,4’−キノリン]−2’(3’H)−オン(先で調製した)、
− 酸:5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸、
ES−MS m/e(%):470.3(M−H)。
【0137】
実施例10
1’−[(3−メチル−1H−インドール−2−イル)カルボニル]スピロ[3,1−ベンゾキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン
【0138】
【化24】

【0139】
一般手順Iによるアミドカップリング:
− アミン:スピロ[3,1−ベンゾキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin (1985), 33(3), 1129-39に記載されている)、
− 酸:3−メチル−1H−インドール−2−カルボン酸、
ES−MS m/e(%):374.4(M−H)。
【0140】
実施例11
1’−[(7−メチル−1H−インドール−2−イル)カルボニル]スピロ[3,1−ベンゾキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン
【0141】
【化25】

【0142】
一般手順Iによるアミドカップリング:
− アミン:スピロ[3,1−ベンゾキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin (1985), 33(3), 1129-39に記載されている)、
− 酸:7−メチル−1H−インドール−2−カルボン酸、
ES−MS m/e(%):376.4(M+H)。
【0143】
実施例12
1’−[(6−クロロ−1H−インドール−2−イル)カルボニル]スピロ[3,1−ベンゾキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン
【0144】
【化26】

【0145】
一般手順Iによるアミドカップリング:
− アミン:スピロ[3,1−ベンゾキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin (1985), 33(3), 1129-39に記載されている)、
− 酸:6−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸、
ES−MS m/e(%):396.4(M+H)。
【0146】
実施例13
1’−[(5−メチル−1H−インドール−2−イル)カルボニル]スピロ[3,1−ベンゾキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン
【0147】
【化27】

【0148】
一般手順Iによるアミドカップリング:
− アミン:スピロ[3,1−ベンゾキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin (1985), 33(3), 1129-39に記載されている)、
− 酸:5−メチル−1H−インドール−2−カルボン酸、
ES−MS m/e(%):376.4(M+H)。
【0149】
実施例14
1’−[(5−クロロ−1−メチル−1H−インドール−2−イル)カルボニル]スピロ[3,1−ベンゾキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン
【0150】
【化28】

【0151】
一般手順Iによるアミドカップリング:
− アミン:スピロ[3,1−ベンゾキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin (1985), 33(3), 129-39に記載されている)、
− 酸:5−クロロ−1−メチル−1H−インドール−2−カルボン酸、
ES−MS m/e(%):410.4(M+H)。
【0152】
実施例15
{2−[(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−1’H−スピロ[3,1−ベンゾキサジン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)カルボニル]−1H−インドール−1−イル}アセトニトリル
【0153】
【化29】

【0154】
一般手順Iによるアミドカップリング:
− アミン:スピロ[3,1−ベンゾキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin (1985), 33(3), 1129-39に記載されている)、
− 酸:1−シアノメチル−1H−インドール−2−カルボン酸(以下で調製した)、
ES−MS m/e(%):401.4(M+H)。
【0155】
実施例16
{5−クロロ−2−[(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−1’H−スピロ[3,1−ベンゾキサジン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)カルボニル]−1H−インドール−1−イル}アセトニトリル
【0156】
【化30】

【0157】
一般手順Iによるアミドカップリング:
− アミン:スピロ[3,1−ベンゾキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin (1985), 33(3), 1129-39に記載されている)、
− 酸:5−クロロ−1−シアノメチル−1H−インドール−2−カルボン酸(先で調製した)、
ES−MS m/e(%):435.4(M+H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化31】


[式中、
Xは、O又はCHであり;
は、
水素、
場合によりCNもしくはOHによって置換されているC1−6−アルキル、又は
−(C1−6−アルキレン)−C(O)−NRであり;
は、
水素、
1−6−アルキル、
1−6−アルコキシ、
−(C1−6−アルキレン)−NR
−(C1−6−アルキレン)−C(O)Rf
場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているベンジル、又は
場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているフェニルであり;
は、
水素、
ハロ、又は
1−6−アルキルであり;
は、
水素、
ハロ、
1−6−アルキル、
ハロ−C1−6−アルキル、
1−6−アルコキシ、
ハロ−C1−6−アルコキシ、又は
−O−C2−10−アルケニルであり;
は、
水素、
ハロ、
1−6−アルキル、又は
1−6−アルコキシであるか;あるいは
とRは、結合してベンゾ部分と一緒に環を形成し、ここで、−R−R−は、−O−(CH−O−(ここで、nは、1又は2である)であり;
は、
水素、
場合によりCNもしくはOHによって置換されているC1−6−アルキル、
−(C1−6−アルキレン)−NR
−(C1−6−アルキレン)−C(O)−NR
場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されている−O−ベンジル、
ニトロ、
ハロ、
シアノ、
1−6−アルコキシ、
ハロ−C1−6−アルコキシ、
ハロ−C1−6−アルキル、
−(C1−6−アルキレン)−C(O)R
場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているフェニル、
−(C1−3−アルキレン)−R(ここで、Rは、フェニル、5員〜6員のヘテロアリール、4員〜6員のヘテロシクロアルキル又は3員〜6員のシクロアルキルであり、それぞれ場合により、1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されている)であるか;あるいは、
とRは、結合してベンゾ部分と一緒に環を形成し、ここで、−R−R−は、
−O−(CH−C(O)−、
−C(O)−(CH−O−、又は
−O−(CH−O−(ここで、nは、1又は2である)であり;
は、水素又はC1−6−アルキルであり;
、R、R10、及びR11は、それぞれ独立して、水素、ハロ、C1−6−アルキル、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ又はハロ−C1−6アルコキシであり;
、R、R及びRは、それぞれ独立して、
水素、
1−6−アルキル、
−(C1−6−アルキレン)−NRl(ここで、R及びRは、それぞれ独立して、水素又はC1−6−アルキルである)であるか;あるいは
とR、又はRとRは、それらが結合している窒素と一緒になって、窒素、酸素及び硫黄の群より選択される1又は2個のヘテロ原子を含む5員又は6員の複素環を形成し;
、R、R及びRは、それぞれ独立して、
水素、
1−6−アルキル、
−C(O)R、又は−S(O)(ここで、Rは、水素、C1−6−アルキル、又は場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノにより置換されているフェニルから選択される)であるか、あるいは、
とR、又はRとRは、それらが結合している窒素と一緒になって、窒素、酸素又は硫黄の群より選択される1又は2個のヘテロ原子を含む5員又は6員の複素環を形成するか、あるいは
とR、又はRとRは、それらが結合している窒素と一緒になって、イソインドール−1,3−ジオンを形成し;
は、
水素、
1−6−アルキル、
1−6−アルコキシ;又は
場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているフェニルより選択される]
で示される化合物、又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項2】
が、水素又は、場合によりCNもしくはOHによって置換されているC1−6−アルキルである、請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
が、
水素、
1−6−アルキル、
1−6−アルコキシ、
−(C1−6−アルキレン)−NR
(ここで、
及びRは、それぞれ独立して、
水素、
−C(O)R、又は−S(O)(ここで、Rは、水素、C1−6−アルキル、又は場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているフェニルより選択される)であるか、あるいは
とRは、それらが結合している窒素と一緒になって、イソインドール−1,3−ジオンを形成する);
−(C1−6−アルキレン)−C(O)R(ここで、Rは、水素、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ又は、場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているフェニルより選択される);
場合によりハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているベンジル、又は
場合によりハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているフェニルである、
請求項1又は2記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
が、水素、又はC1−6−アルキルである、請求項1〜3のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
が水素である、請求項1〜4のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
が、水素、ハロ、C1−6−アルキル、又はC1−6−アルコキシである、請求項1〜5のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
が、
水素、
場合によりCNもしくはOHによって置換されているC1−6−アルキル、
−(C1−6−アルキレン)−NR(ここで、R及びRは、それぞれ独立して、水素、又はC1−6−アルキルより選択されるか;あるいは、RとRは、それらが結合している窒素と一緒になって、窒素、酸素又は硫黄の群より選択される1又は2個のヘテロ原子を含む5員又は6員の複素環を形成する)、
−(C1−6−アルキレン)−C(O)−NR(ここで、R及びRは、それぞれ独立して、水素、C1−6−アルキル、−(C1−6−アルキレン)−NR(ここで、R及びRは、それぞれ独立して、水素又はC1−6−アルキルである)であるか、あるいは、RとRは、それらが結合している窒素と一緒になって、窒素、酸素又は硫黄の群より選択される1又は2個のヘテロ原子を含む5員又は6員の複素環を形成する)、
場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されている−O−ベンジル、
ニトロ、
ハロ、
シアノ、
1−6−アルコキシ、
ハロ−C1−6−アルコキシ、
ハロ−C1−6−アルキル、
−(C1−6−アルキレン)−C(O)R(ここで、Rは、水素、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、又は場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているフェニルより選択される)、
場合により1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されているフェニル、
−(C1−3−アルキレン)−R(ここで、Rは、フェニル、5員〜6員のヘテロアリール、4員〜6員のヘテロシクロアルキル又は3員〜6員のシクロアルキルであり、それぞれ場合により、1個以上のハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、もしくはシアノによって置換されている)である、
請求項1〜6のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
が、水素又は、場合によりCNもしくはOHによって置換されているC1−6−アルキルである、請求項1〜7のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項9】
、R、R10及びR11が、独立して、水素又はハロである、請求項1〜8のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項10】
XがOである、請求項1〜7のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項11】
XがCHである、請求項1〜7のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項12】
1’−[(5−クロロ−1−メチル−1H−インドール−2−イル)カルボニル]スピロ[3,1−ベンゾオキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン、
{2−[(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−1’H−スピロ[3,1−ベンゾオキサジン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)カルボニル]−1H−インドール−1−イル}アセトニトリル、
{5−クロロ−2−[(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−1’H−スピロ[3,1−ベンゾオキサジン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)カルボニル]−1H−インドール−1−イル}アセトニトリル、及び
{2−[(6’−ブロモ−2’−オキソ−2’,3’−ジヒドロ−1H,1’H−スピロ[ピペリジン−4,4’−キノリン]−1−イル)カルボニル]−5−クロロ−1H−インドール−1−イル}アセトニトリル
からなる群より選択される、式(I)の化合物。
【請求項13】
請求項1記載の式(I)の化合物の製造方法であって、式(II):
【化32】


で示される化合物を、式(1):
【化33】


で示されるアミン[式(II)及び式(1)中、R〜R11及びXは、請求項1と同義である]と反応させて、式(I)の化合物を得る工程を含む方法。
【請求項14】
請求項1記載の式(I)の化合物の製造方法であって、式(I−1):
【化34】


で示される化合物を、式R−halの求電子剤と反応させて、一般式(I)[式中、R〜R11及びXは、請求項1と同義であるが、但しRは、Hではない]の化合物を得る工程を含む方法。
【請求項15】
請求項13又は14のいずれか一項記載の方法により得られる式(I)の化合物。
【請求項16】
月経困難症、高血圧、慢性心不全、バソプレシンの異常分泌、肝硬変、ネフローゼ症候群、強迫性障害、不安及び抑鬱障害の予防又は治療に使用するための、請求項1〜12のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項17】
請求項1〜12のいずれか一項記載の式(I)の化合物を含む医薬組成物。
【請求項18】
月経困難症、高血圧、慢性心不全、バソプレシンの異常分泌、肝硬変、ネフローゼ症候群、強迫性障害、不安及び抑鬱障害に対して有用な、請求項17記載の医薬組成物。
【請求項19】
医薬の製造のための、請求項1〜12のいずれか一項記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項20】
医薬が、月経困難症、高血圧、慢性心不全、バソプレシンの異常分泌、肝硬変、ネフローゼ症候群、強迫性障害、不安及び抑鬱障害に対して有用である、請求項19記載の使用。
【請求項21】
本明細書に記載の発明。

【公表番号】特表2010−511654(P2010−511654A)
【公表日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−539698(P2009−539698)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【国際出願番号】PCT/EP2007/062857
【国際公開番号】WO2008/068159
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】