説明

スピロ環状3−フェニル−3−置換4−ケトラクタム類および4−ケトラクトン類

【課題】殺病害虫剤、殺菌剤および除草剤としての使用可能な新規なフェニル置換4−ケトラクタム類および4−ケトラクトン類を提供する。
【解決手段】


[式中、−A−B−が、c)−CH(R2)−O−の基を表し;Wが、ハロゲンまたはアルキルを表し;Xが、水素、ハロゲンまたはアルキルを表し;Yが、水素、ハロゲンまたはアルキルを表し;Zが、水素、ハロゲンまたはアルキルを表し;基W、XおよびYのうちの少なくとも一つがアルキルを表し、基W、XおよびYのうちの少なくとも一つがハロゲンを表し;Gが、ハロゲンまたはニトロを表し;R2およびR3が互いに独立に、水素またはC1〜C4−アルキルを表し;Qが、NH、O又はSを表す]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なフェニル置換4−ケトラクタム類および−ラクトン類;それらの製造のための方法および中間体;ならびにそれらの殺病害虫剤、殺微生物剤および除草剤としての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ある種の3−フェニル−3−置換−4−ケトラクタム類および−ケトラクトン類が、殺虫剤、殺ダニ剤および/または除草剤として作用することがすでに知られている(JP−A−10−258555)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−258555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、除草剤、殺ダニ剤および殺虫剤としての効力および/または活性スペクトル、ならびにそれら化合物の植物との適合性、特に作物植物との適合性は常に満足できるものであるとはいえない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、下記式(I)の新規化合物を提供する。
【0006】
【化1】

式中、
Wは、シアノ、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロアルキルまたはハロアルコキシを表し;
Xは、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシまたはシアノを表し;
Yは、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシまたはシアノを表し;
Zは、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシまたはシアノを表し;
−A−B−は、
a)−CH−CH(OR)−またはb)−O−CH−の基を表し;
Gは、ハロゲンまたはニトロを表し;
は、C〜C−アルキルを表し;
は、水素またはC〜C−アルキルを表し;
Qは、NHとともに環(1)を表し、酸素とともに環(2)を表し、硫黄とともに環(3)を表す。
【0007】
さらに本発明は、
−A−B−が、
c)−CH(R)−O−の基を表し;
Wが、ハロゲンまたはアルキルを表し;
Xが、水素、ハロゲンまたはアルキルを表し;
Yが、水素、ハロゲンまたはアルキルを表し;
Zが、水素、ハロゲンまたはアルキルを表し;
基W、XおよびYのうちの少なくとも一つがアルキルを表し、基W、XおよびYのうちの少なくとも一つがハロゲンを表し;
Gが、ハロゲンまたはニトロを表し;
およびRが互いに独立に、水素またはC〜C−アルキルを表し;
Qが、NHとともに環(1)を表し、酸素とともに環(2)を表し、硫黄とともに環(3)を表す式(I)の新規化合物を提供する。
【0008】
とりわけ置換基の性質によって、式(I)の化合物は、適切であれば通例の方法で分離が可能な幾何異性体および/または光学異性体または多様な組成の異性体混合物として存在することができる。本発明は、純粋な異性体および異性体混合物の両方、それらの製造および使用、ならびにそれらを含む組成物を提供する。しかしながら以下においては、簡潔を期して、式(I)の化合物のみについて言及するが、それは純粋な化合物ならびに適切であれば各種割合の異性体化合物を含有する混合物の両方に言及することを意味しているものとする。
【0009】
式(I)の化合物は、混合物として、そして純粋な異性体の形態としてのいずれでも存在できる。式(I)の化合物の混合物は、必要に応じて、物理的方法、例えばクロマトグラフィー法により、自体公知の手法で分離することができる。
【0010】
Qの意味および関連する環(1)〜(3)の意味を考慮すると、下記の基本構造(I−1)〜(I−3)が得られる。
【0011】
【化2】

式中、A、B、G、W、X、Y、ZおよびRは、上記で定義の通りである。
【0012】
−A−B−の異なる意味を考慮すると、Qが環(1)を表す場合には、下記の基本構造(I−1−a)〜(I−1−c)が得られる。
【0013】
【化3】

式中、G、W、X、Y、Z、R、RおよびRは、上記で定義の通りである。
【0014】
−A−B−の異なる意味を考慮すると、Qが環(2)を表す場合には、下記の基本構造(I−2−a)〜(I−2−c)が得られる。
【0015】
【化4】

式中、G、W、X、Y、Z、R、RおよびRは、上記で定義の通りである。
【0016】
−A−B−の異なる意味を考慮すると、Qが環(3)を表す場合には、下記の基本構造(I−3−a)〜(I−3−c)が得られる。
【0017】
【化5】

式中、G、W、X、Y、Z、R、RおよびRは、上記で定義の通りである。
【0018】
さらに、
A)下記式(I−1)〜(I−3)の化合物:
【0019】
【化6】

[式中、A、B、Q、W、X、Y、ZおよびRは上記で定義の通りであり;
Gは、ハロゲン、好ましくは塩素もしくは臭素を表す。]が、下記式(II−1)〜(II−3)の化合物:
【0020】
【化7】

[式中、A、B、Q、W、X、Y、ZおよびRは上記で定義の通りである。]を、溶媒存在下に、適切であればラジカル開始剤存在下に、ハロゲン化剤と反応させた場合に得られること;
B)さらに、下記式(I−1)〜(I−3)の化合物:
【0021】
【化8】

[式中、A、B、Q、W、X、Y、ZおよびRは上記で定義の通りであり;
Gは、ニトロを表す。]が、下記式(II−1)〜(II−3)の化合物:
【0022】
【化9】

[式中、A、B、Q、W、X、Y、ZおよびRは上記で定義の通りである。]を、溶媒存在下に、例えば発煙硝酸などのニトロ化剤と反応させた場合に得られることが見出された。
【0023】
方法AおよびBで必要な式(II−1)〜(II−3)の化合物:
【0024】
【化10】

[式中、A、B、Q、W、X、Y、ZおよびRは上記で定義の通りである。]の一部は公知の化合物であるか(EP−A−596298、WO 95/01358、WO 95/20572、EP−A−668267、WO 95/26954、WO 96/25395、WO 96/35664、WO 97/02243、WO 97/01535、WO 97/36868、WO 98/05638、WO 98/25928、WO 99/24437、WO 01/74770、EP−A−528156、EP−A−647637、WO 96/20196、WO 95/26345)、あるいはこれらに記載の方法によって合成することができる。
【0025】
方法Aに適切なハロゲン化剤は例えば、塩化スルフリル、臭化スルフリル、塩化チオニル、臭化チオニル、イミド類(例えば、N−ブロモコハク酸イミドまたはN−クロロコハク酸イミド)、クロルスルホン酸、さらには次亜塩素酸化合物(例えば、次亜塩素酸tert−ブチル)である。
【0026】
方法Bに適切なニトロ化剤は、発煙硝酸、さらには硝化酸である。
【0027】
さらに、式(I)の新規化合物は、殺病害虫剤として、好ましくは殺虫剤、殺ダニ剤として、および/または殺菌剤として、および/または除草剤として用いる場合に非常に有効であり、それらの化合物の一部はさらに、植物、特に作物植物と非常に適合性であることが見出された。
【0028】
式(I)は、本発明の化合物の一般的定義を提供するものである。上記および下記の式で挙げられる置換基または基の範囲の好ましいものを以下に示す。
【0029】
A−Bが
a)−CH−CH(OR)−基を表し;
Wが好ましくは、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルキル、C〜C−ハロアルコキシまたはシアノを表し;
Xが好ましくは、水素、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルキル、C〜C−ハロアルコキシまたはシアノを表し;
Yが好ましくは、水素、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルキル、C〜C−ハロアルコキシまたはシアノを表し;
Zが好ましくは、水素、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルキル、C〜C−ハロアルコキシまたはシアノを表し;
Gが好ましくは、ハロゲンまたはニトロを表し;
が好ましくは、C〜C−アルキルを表し;
が好ましくは、水素を表し;
Qが好ましくは、NHとともに環(1)を表し、酸素とともに環(2)を表し、硫黄とともに環(3)を表す群(I−a)の化合物が好ましいものである。
【0030】
好ましいものとして言及された基の定義において、例えばハロアルキルの場合のように置換基としてのものも含めてハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を表し、特にフッ素および塩素を表す。
【0031】
A−Bが
a)−CH−CH(OR)−基を表し;
Wが特に好ましくは、フッ素、塩素、臭素、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルキル、C〜C−ハロアルコキシまたはシアノを表し;
Xが特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、C〜C−アルキルまたはC〜C−アルコキシを表し;
Yが特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−ハロアルコキシまたはシアノを表し;
Zが特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルキル、C〜C−ハロアルコキシまたはシアノを表し;
Gが特に好ましくは、塩素、臭素またはニトロを表し;
が特に好ましくは、C〜C−アルキルを表し;
が特に好ましくは、水素を表し;
Qが特に好ましくは、NHとともに環(1)を表し、酸素とともに環(2)を表し、硫黄とともに環(3)を表す群(I−a)の化合物が特に好ましいものである。
【0032】
特に好ましいものとして言及された基の定義において、例えばハロアルキルの場合のように置換基としてのものも含めてハロゲンは、フッ素および塩素を表し、特にフッ素を表す。
【0033】
A−Bが
a)−CH−CH(OR)−基を表し;
Wが非常に好ましくは、塩素、臭素、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシまたはシアノを表し;
Xが非常に好ましくは、水素、塩素、臭素、メチル、エチル、プロピル、メトキシまたはエトキシを表し;
Yが非常に好ましくは、水素、塩素、臭素、メチル、エチル、プロピル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシまたはシアノを表し;
Zが非常に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシまたはシアノを表し;
Gが非常に好ましくは、塩素、臭素またはニトロを表し;
が非常に好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルまたはイソブチルを表し;
が非常に好ましくは、水素を表し;
Qが非常に好ましくは、NHとともに環(1)を表し、酸素とともに環(2)を表す群(I−a)の化合物が非常に好ましいものである。
【0034】
A−Bが
a)−CH−CH(OR)−基を表し;
Wが特別に好ましくは、メチル、エチル、塩素、臭素、メトキシ、トリフルオロメチルまたはトリフルオロメトキシを表し;
Xが特別に好ましくは、水素、塩素、メチルまたはエチルを表し;
Yが特別に好ましくは、水素、塩素、臭素、メチル、t−ブチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルまたはシアノを表し;
Zが特別に好ましくは、水素、塩素、臭素、メチル、エチル、メトキシまたはトリフルオロメチルを表し;
Gが特別に好ましくは、塩素またはニトロ(最も好ましくは塩素)を表し;
が特別に好ましくは、メチルまたはエチルを表し;
が特別に好ましくは、水素を表し;
Qが特別に好ましくは、NHとともに環(1)を表す式(I−a)の化合物が特別に好ましいものである。
【0035】
A−Bが
b)−O−CH−基を表し;
Wが好ましくは、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルキル、C〜C−ハロアルコキシまたはシアノを表し;
Xが好ましくは、水素、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルキル、C〜C−ハロアルコキシまたはシアノを表し;
Yが好ましくは、水素、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルキル、C〜C−ハロアルコキシまたはシアノを表し;
Zが好ましくは、水素、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルキル、C〜C−ハロアルコキシまたはシアノを表し;
Gが好ましくは、ハロゲンまたはニトロを表し;
が好ましくは、水素を表し;
Qが好ましくは、NHとともに環(1)を表し、酸素とともに環(2)を表し、硫黄とともに環(3)を表す式(I−b)の化合物が好ましいものである。
【0036】
好ましいものとして言及された基の定義において、例えばハロアルキルの場合のように置換基としてのものも含めてハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を表し、特にフッ素および塩素を表す。
【0037】
A−Bが
b)−O−CH−基を表し;
Wが特に好ましくは、フッ素、塩素、臭素、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルキル、C〜C−ハロアルコキシまたはシアノを表し;
Xが特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、C〜C−アルキルまたはC〜C−アルコキシを表し;
Yが特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−ハロアルコキシまたはシアノを表し;
Zが特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルキル、C〜C−ハロアルコキシまたはシアノを表し;
Gが特に好ましくは、塩素、臭素またはニトロを表し;
が特に好ましくは、水素を表し;
Qが特に好ましくは、NHとともに環(1)を表し、酸素とともに環(2)を表し、硫黄とともに環(3)を表す式(I−b)の化合物が特に好ましいものである。
【0038】
特に好ましいものとして言及された基の定義において、例えばハロアルキルの場合のように置換基としてのものも含めてハロゲンは、フッ素および塩素を表し、特にフッ素を表す。
【0039】
A−Bが
b)−O−CH−基を表し;
Wが非常に好ましくは、塩素、臭素、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシまたはシアノを表し;
Xが非常に好ましくは、水素、塩素、臭素、メチル、エチル、プロピル、メトキシまたはエトキシを表し;
Yが非常に好ましくは、水素、塩素、臭素、メチル、エチル、プロピル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシまたはシアノを表し;
Zが非常に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシまたはシアノを表し;
Gが非常に好ましくは、塩素、臭素またはニトロを表し;
が非常に好ましくは、水素を表し;
Qが非常に好ましくは、NHとともに環(1)を表し、酸素とともに環(2)を表す式(I−b)の化合物が非常に好ましいものである。
【0040】
A−Bが
b)−O−CH−基を表し;
Wが特別に好ましくは、塩素、臭素、メチルまたはエチルを表し;
Xが特別に好ましくは、水素、塩素、メチルまたはエチルを表し;
Yが特別に好ましくは、水素、塩素、臭素、メチルまたはエチルを表し;
Zが特別に好ましくは、水素、塩素またはメチルを表し;
Gが特別に好ましくは、塩素を表し;
が特別に好ましくは、水素を表し;
Qが特別に好ましくは、NHとともに環(1)を表す式(I−b)の化合物が特別に好ましいものである。
【0041】
A−Bが
c)−CH(R)−O−基を表し;
Wが好ましくは、塩素、臭素、メチルまたはエチルを表し;
Xが好ましくは、塩素、メチルまたはエチルを表し;
Yが好ましくは、塩素または臭素を表し;
Zが好ましくは、水素または塩素を表し;
Gが好ましくは、ハロゲンまたはニトロを表し;
が好ましくは、水素またはC〜C−アルキルを表し;
が好ましくは、水素またはC〜C−アルキルを表し;
Qが好ましくは、NHとともに環(1)を表し、酸素とともに環(2)を表し、硫黄とともに環(3)を表す式(I−c)の化合物が好ましいものである。
【0042】
A−Bが
c)−CH(R)−O−基を表し;
Wが特に好ましくは、塩素またはメチルを表し;
Xが特に好ましくは、塩素、メチルまたはエチルを表し;
Yが特に好ましくは、塩素または臭素を表し;
Zが特に好ましくは、水素または塩素を表し;
Gが特に好ましくは、塩素、臭素またはニトロを表し;
が特に好ましくは、水素、メチルまたはエチルを表し;
が特に好ましくは、水素を表し;
Qが特に好ましくは、NHとともに環(1)を表し、酸素とともに環(2)を表し、硫黄とともに環(3)を表す式(I−c)の化合物が特に好ましいものである。
【0043】
A−Bが
c)−CH(R)−O−基を表し;
Wが非常に好ましくは、塩素またはメチルを表し;
Xが非常に好ましくは、塩素、メチルまたはエチルを表し;
Yが非常に好ましくは、塩素または臭素を表し;
Zが非常に好ましくは、水素または塩素を表し;
Gが非常に好ましくは、塩素、臭素またはニトロを表し;
が非常に好ましくは、水素またはメチルを表し;
が非常に好ましくは、水素を表し;
Qが非常に好ましくは、NHとともに環(1)を表し、酸素とともに環(2)を表す式(I−c)の化合物が非常に好ましいものである。
【0044】
A−Bが
c)−CH(R)−O−基を表し;
Wが特別に好ましくは、塩素またはメチルを表し;
Xが特別に好ましくは、塩素、メチルまたはエチルを表し;
Yが特別に好ましくは、塩素または臭素を表し;
Zが特別に好ましくは、水素または塩素を表し;
Gが特別に好ましくは、塩素を表し;
が特別に好ましくは、水素を表し;
が特別に好ましくは、水素またはメチルを表し;
Qが特別に好ましくは、NHとともに環(1)を表す式(I−c)の化合物が特別に好ましいものである。
【0045】
A−Bが
a)−CH(R)−O−基を表し;
Wが最も好ましくは、メチルを表し;
Xが最も好ましくは、水素、メチルまたは塩素(極めて好ましくは水素)を表し;
Yが最も好ましくは、水素、メチル、塩素または臭素(極めて好ましくはメチル)を表し;
Zが最も好ましくは、水素、メチルまたは塩素(極めて好ましくはメチル)を表し;
Gが最も好ましくは、塩素またはニトロを表し;
が最も好ましくは、メチルまたはエチルを表し;
が最も好ましくは、水素を表す式(I−2−a)の化合物が最も好ましいものである。
【0046】
A−Bが
b)−O−CH−基を表し;
Wが最も好ましくは、メチルを表し;
Xが最も好ましくは、水素、メチルまたは塩素(極めて好ましくは水素)を表し;
Yが最も好ましくは、水素、メチル、塩素または臭素(極めて好ましくはメチル)を表し;
Zが最も好ましくは、水素、メチルまたは塩素(極めて好ましくはメチル)を表し;
Gが最も好ましくは、塩素またはニトロ(極めて好ましくは塩素)を表し;
が最も好ましくは、水素を表す式(I−2−b)の化合物が最も好ましいものである。
【0047】
A−Bが
c)−CH(R)−O−基を表し;
Wが最も好ましくは、メチルを表し;
Xが最も好ましくは、水素を表し;
Yが最も好ましくは、メチルを表し;
Zが最も好ましくは、メチルを表し;
Gが最も好ましくは、塩素を表し;
が最も好ましくは、水素を表し;
が最も好ましくは、水素を表す式(I−2−c)の化合物が特別に好ましいものである。
【発明を実施するための形態】
【0048】
上記の基の一般的なもしくは好ましい定義および例示は、所望により、即ち個々の範囲と好ましい範囲との間での組み合わせをも含めて、互いに組み合わせることができる。それは、最終生成物に対してならびに対応する前駆体および中間体に対しての両方に適用される。
【0049】
上記で好ましい(好適な)として挙げられた意味の組み合わせを有する式(I)の化合物が、本発明によれば好ましいものである
【0050】
上記で特に好ましいとして挙げられた意味の組み合わせを有する式(I)の化合物が、本発明によれば特に好ましいものである
【0051】
上記で非常に好ましいとして挙げられた意味の組み合わせを有する式(I)の化合物が、非常に好ましいものである
【0052】
上記で特別に好ましいとして挙げられた意味の組み合わせを有する式(I)の化合物が、本発明によれば特別に好ましいものである
【0053】
上記で最も好ましいとして挙げられた意味の組み合わせを有する式(I)の化合物が、本発明によれば最も好ましいものである
【0054】
飽和もしくは不飽和の炭化水素基、例えばアルキルまたはアルケニルは、各場合で可能である限りにおいて直鎖状もしくは分枝状であることができ、例えばアルコキシでの場合のようにヘテロ原子との組み合わせをも含む。
【0055】
例えば方法(A)に従って、原料として3−(3,4−ジクロロ−2,6−ジメチル)フェニル−5,5−(3−メトキシ)ペンタメチレンピロリジン−2,4−ジオンまたはそれのエノールを用いると、本発明による方法の経路は、以下の反応図式によって表すことができる。
【0056】
【化11】

【0057】
例えば方法(B)に従って、原料として3−(2,5−ジクロロ−6−メチル)フェニル−5,5−(3−メトキシ)ペンタメチレンフラン−2,4−ジオンまたはそれのエノールを用いると、本発明による方法の経路は、以下の反応図式によって表すことができる。
【0058】
【化12】

【0059】
方法(A)は、A、B、Q、W、X、Y、ZおよびRが上記で定義の通りである式(II)の化合物を、希釈剤およびハロゲン化剤と適切であればラジカル開始剤の存在下に反応させることを特徴とする。ラジカル開始剤としての使用に適当なものは例えば、過酸化ベンゾイルまたはアゾビスイソブチロニトリルである。
【0060】
本発明による方法(A)で用いられる適当な希釈剤は、ハロゲン化剤に対して不活性なあらゆる有機溶媒である。好ましくは、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの炭化水素;さらにはメチルtert−ブチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、グリコールジメチルエーテルおよびジグリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;さらにはジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;さらには酢酸エチルなどのエステル類を用いる。
【0061】
方法Aで適当なハロゲン化剤は例えば、塩化スルフリル、臭化スルフリル、塩化チオニル、臭化チオニル、イミド類(例:N−ブロモコハク酸イミド、N−クロロコハク酸イミド)、さらにはクロルスルホン酸、そして次亜塩素酸化合物(例:次亜塩素酸tert−ブチル)である。
【0062】
本発明による方法(A)を行う場合、反応温度は比較的広い範囲で変動させることができる。通常その反応は、−40℃〜150℃、好ましくは0℃〜100℃の温度で行う。
【0063】
本発明による方法(A)は通常、大気圧下で行う。
【0064】
本発明による方法(A)を行う場合、式(II)の反応成分およびハロゲン化剤は、ほぼ等モル量を使用する。しかしながら、一方または他方の成分を相対的に大過剰(3モル以下)で用いることも可能である。
【0065】
精製は通常、水系での仕上げ処理の後に結晶化またはシリカゲルでのクロマトグラフィー精製によって行う。
【0066】
方法(B)は、A、B、Q、W、X、Y、ZおよびRが上記で定義の通りである式(II)の化合物を、希釈剤存在下およびニトロ化剤存在下で反応させることを特徴とする。
【0067】
本発明による方法(B)での使用に適当な希釈剤は、あらゆる不活性有機溶媒である。好ましくは、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロベンゼン、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素を用いる。
【0068】
適当なニトロ化剤は、硝化酸、好ましくは発煙硝酸である。
【0069】
本発明による方法(B)を行う場合、反応温度は比較的広い範囲で変動させることができる。通常その反応は、−50℃〜150℃、好ましくは0℃〜80℃の温度で行う。
【0070】
本発明による方法(B)は通常、大気圧下で行う。
【0071】
本発明による方法(B)を行う場合、式(II)の反応成分およびニトロ化剤は、ほぼ等モル量を使用する。しかしながら、一方または他方の成分を相対的に大過剰(5モル以下)で用いることも可能である。
【0072】
精製は、通例の仕上げ処理により、結晶化またはシリカゲルでのクロマトグラフィー精製によって行う。
【0073】
前記活性化合物は、農業、林業、貯蔵製品および材料の保護、ならびに衛生分野において見られる病害動物、特に昆虫、ダニおよび線虫を防除するのに好適であり、植物耐性が良好で、温血動物に対する毒性が好ましい。それらの化合物は、好ましくは植物保護剤として使用される。その化合物は、通常の感受性種および耐性種に対して、そして全発達段階もしくは一部の発達段階に対して活性である。上記病害虫には下記のものなどがある。
【0074】
等脚目から、例えばオニスカス・アセルス(Oniscus asellus)、オカダンゴムシ(Armadillidium vulgare)、ポルセリオ・スカバー(Porcellio scabar)。
倍脚目から、例えばブラニウルス・グットラタス(Blaniulus guttulatus)。
唇脚目から、例えばゲオフィルス・カルポファグス(Geophilus carpophagus)、スカチゲラ種(Scutigera spec.)。
結合目から、例えば、スカチゲレラ・イマキュラタ(Scutigerella immaculata)。
総尾目から、例えばレピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)。
トビムシ目から、例えばオニチウルス・アルマツス(Onychiurus armatus)。
直翅目から、例えばアチータ・ドメスチクス(Acheta domesticus)、ケラ種(Gryllotalpa spp.)、トノサマバッタ(Locusta migratoria migratorioides)、メラノプルス種(Melanoplus spp.)、シストセルカ・グレガリア(Schistocerca gregaria)。
ゴキブリ目から、例えばブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、ロイコファエ・マデラエ(Leucophaea maderae)、チャバネ・ゴキブリ(Blattella germanica)。
ハサミムシ目から、例えばホルフィキュラ・アウリクラリア(Forficula auricularia)。
シロアリ目から、例えばレチキュリテルメス種(Reticulitermes spp.)。
シラミ目から、例えばヒトジラミ(Pediculus humanus corporis)、ケモノジラミ種(Haematopinus spp.)、ケモノホソジラミ種(Linognathus spp.)、ケモノハジラミ種(Trichodectes spp.)、ダマリネア種(Damalinea spp.)。
アザミウマ目から、例えばクリバネアザミウマ(Hercinothrips femoralis)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)、スリップス・パルミ(Thrips palmi)、フランクリニエラ・アクシデンタリス(Frankliniella accidentalis)。
半翅目から、例えばチャイロカメムシ種(Eurygaster spp.)、ジスデルクス・インテルメジウス(Dysdercus intermedius)、ピエスマ・クワドラタ(Piesma quadrata)、ナンキンムシ(Cimex lectularius)、ロドニウス・プロリクスス(Rhodnius prolixus)、トリアトマ種(Triatoma spp.)。
【0075】
同翅目から、例えばアレウロデス・ブラシカエ(Aleurodes brassicae)、ワタコナジラミ(Bemisia tabaci)、トリアレウロデス・バポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、クリプトミズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、アフィス・ファバエ(Aphis fabae)、アフィス・ポミ(Aphis pomi)、リンゴワタムシ(Eriosoma lanigerum)、モモコフキアブラムシ(Hyalopterus arundinis)、フィロキセラ・バスタトリックス(Phylloxera vastatrix)、ペンフィグス種(Pemphigus spp.)、ムギヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum avenae)、コブアブラムシ種(Myzus spp.)、ホツプイボアブラムシ(Phorodon humuli)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)、ヒメヨコバイ種(Empoasca spp.)、ユースセリス・ビロバツス(Euscelis bilobatus)、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、ミズキカタカイガラムシ(Lecanium corni)、オリーブカタカイガラムシ(Saissetia oleae)、ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、アカマルカイガラムシ(Aonidiella aurantii)、シロマルカイガラムシ(Aspidiotus hederae)、シュードコッカス種(Pseudococcus spp.)、キジラミ種(Psylla spp.)。
鱗翅目から、例えば、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、ケイマトビア・ブルマタ(Cheimatobia brumata)、リソコレチス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、ヒポノミユウタ・パデラ(Hyponomeuta padella)、コナガ(Plutella xylostella)、ウメケムシ(Malacosoma neustria)、クワノキンムケシ(Euproctis chrysorrhoea)、マイマイガ種(Lymantria spp.)、ブッカラトリックス・スルベリエラ(Bucculatrix thurberiella)、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)、ヤガ種(Agrotis spp.)、ユークソア種(Euxoa spp.)、フェルチア種(Feltia spp.)、エアリアス・インスラナ(Earias insulana)、ヘリオチス種(Heliothis spp.)、ヨトウムシ(Mamestra brassicae)、パノリス・フラメア(Panolis flammea)、スポドプテラ種(Spodoptera spp.)、トリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)、カルポカプサ・ポモネラ(Carpocapsa pomonella)、アオムシ種(Pieris spp.)、ニカメイチユウ種(Chilo spp.)、アワノメイガ(Pyrausta nubilalis)、スジコナマダラメイガ(Ephestia kuehniella)、ハチミツガ(Galleria mellonella)、ティネオラ・ビセリエラ(Tineola bisselliella)、ティネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、ホフマノフィラ・シュードスプレテラ(Hofmannophila pseudospretella)、カコエシア・ポダナ(Cacoecia podana)、カプア・レチクラナ(Capua reticulana)、コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、クリシア・アンビグエラ(Clysia ambiguella)、チャハマキ(Homona magnanima)、トルトリクス・ビリダナ(Tortrix viridana)、クナファロセルス種(Cnaphalocerus spp.)、オーレマ・オリザエ(Oulema oryzae)。
【0076】
鞘翅目から、例えば、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、コナナガシンクイムシ(Rhizopertha dominica)、ブルキジウス・オブテクツス(Bruchidius obtectus)、インゲンマメゾウムシ(Acanthoscelides obtectus)、ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、アゲラスチカ・アルニ(Agelastica alni)、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、フェドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae)、ジアブロチカ種(Diabrotica spp.)、シリオデス・クリソセファラ(Psylliodes chrysocephala)、ニジュウヤホシテントウ(Epilachna varivestis)、アトマリア種(Atomaria spp.)、ノコギリヒラタムシ(Oryzaephilus surinamensis)、ハナゾウムシ種(Anthonomus spp.)、コクゾウムシ種(Sitophilus spp.)、オチオリンクス・スルカツス(Otiorrhynchus sulcatus)、バショウゾウムシ(Cosmopolites sordidus)、シュートリンクス・アシミリス(Ceuthorrhynchus assimillis)、ヒペラ・ポスチカ(Hypera postica)、カツオブシムシ種(Dermestes spp.)、トロゴデルマ種(Trogoderma spp.)、アントレヌス種(Anthrenus spp.)、アタゲヌス種(Attagenus spp.)、ヒラタキクイムシ種(Lyctus spp.)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、ヒョウホンムシ種(Ptinus spp.)、ニプツス・ホロレウカス(Niptus hololeucus)、セマルヒョウホンムシ(Gibbium psylloides)、コクヌストモドキ種(Tribolium spp.)、チャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio molitor)、コメツキムシ種(Agriotes spp.)、コノデルス種(Conoderus spp.)、メロロンサ・メロロンサ(Melolontha melolontha)、アムフィマロン・ソルスチチアリス (Amphimallon solstitialis)、コステリトラ・ゼアランジカ(Costelytra zealandica)、リッソロプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus)。
膜翅目から、例えば、マツハバチ種(Diprion spp.)、ホプロカムパ種(Hoplocampa spp.)、ラシウス種(Lasius spp.)、イエヒメアリ(Monomorium pharaonis)、スズメバチ種(Vespa spp.)。
【0077】
双翅目から、例えばヤブカ種(Aedes spp.)、ハマダラカ(Anopheles spp.)、イエカ(Culex spp.)、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)、イエバエ種(Musca spp.)、ヒメイエバエ種(Fannia spp.)、クロバエ・エリスロセファラ(Calliphora erythrocephala)、キンバエ種(Lucilia spp.)、オビキンバエ種(Chrysomyia spp.)、クテレブラ種(Cuterebra spp.)、ウマバエ種(Gastrophilus spp.)、ヒッポボスカ種(Hyppobosca spp.)、サシバエ種(Stomoxys spp.)、ヒツジバエ種(Oestrus spp.)、ウシバエ種(Hypoderma spp.)、アブ種(Tabanus spp.)、タニア種(Tannia spp.)、ケバエ(Bibio hortulanus)、オスシネラ・フリト(Oscinella frit)、クロキンバエ種(Phorbia spp.)、アカザモグリハナバエ(Pegomyia hyoscyami)、セラチチス・キャピタータ(Ceratitis capitata)、ミバエオレアエ(Dacus oleae)、ガガンボ・パルドーサ(Tipula paludosa)、ヒレミーア種(Hylemyia spp.)、リリオミザ種(Liriomyza spp.)。
ノミ目から、例えば、ケオプスネズミノミ(Xenopsylla cheopis)、ナガノミ種(Ceratophyllus spp.)。
蛛形綱から、例えばスコルピオ・マウルス(Scorpio maurus)、ラトロデクタス・マクタンス(Latrodectus mactans)、アシブトコナダニ(Acarus siro)、ヒメダニ種(Argas spp.)、カズキダニ種(Ornithodoros spp.)、ワクモ(Dermanyssus gallinae)、エリオフィエス・リビス(Eriophyes ribis)、ミカンサビダニ(Phyllocoptruta oleivora)、オウシマダニ種(Boophilus spp.)、コイタマダニ種(Rhipicephalus spp.)、アンブリオマ種(Amblyomma spp.)、イボマダニ種(Hyalomma spp.)、マダニ種(Ixodes spp.)、キュウセンヒゼンダニ種(Psoroptes spp.)、ショクヒヒゼンダニ種(Chorioptes spp.)、ヒゼンダニ種(Sarcoptes spp.)、ホコリダニ種(Tarsonemus spp.)、クローバハダニ(Bryobia praetiosa)、ミカンリンゴハダニ種(Panonychus spp.)、ナミハダニ種(Tetranychus spp.)、ヘミタルソネムス種(Hemitarsonemus spp.)、ブレビパルプス種(Brevipalpus spp.)。
植物寄生性線虫には、例えば、ネグサレセンチュウ種(Pratylenchus spp.)、ラドホルス・シミリス(Radopholus similis)、ナミクキセンチュウ(Ditylenchus dipsaci)、ミカンネセンチュウ(Tylenchulus semipenetrans)、シストセンチュウ種(Heterodera spp.)、グロボデラ種(Globodera spp.)、ネコブセンチュウ種(Meloidogyne spp.)、アフェレンコイデス種(Aphelenchoides spp.)、ロンギドルス種(Longidorus spp.)、ジフィネマ種(Xiphinema spp.)、トリコドルス種(Trichodorus spp.)、ブルサフェレンチュス種(Bursaphelenchus spp.)などがある。
適切であれば本発明による化合物は、ある一定の濃度または施用量で、除草剤あるいは殺菌剤、殺真菌剤および殺細菌剤などの殺微生物剤として使用することもできる。適切であればその化合物は、他の活性化合物の合成用の中間体または前駆体としても使用することができる。
【0078】
全ての植物および植物部分を、本発明に従って処理することができる。植物とは、本明細書の文脈において、所望および非所望の野生植物または作物植物(天然作物植物を含む)などの全ての植物および植物群を意味すると理解すべきである。作物植物とは、通常の植物育種および最適化方法により、あるいはバイオテクノロジー法および組換え法により、あるいはそれらの方法の組み合わせにより得ることが可能な植物であることができ、植物栽培者の権利により保護できるかまたは保護できないトランスジェニック植物および植物栽培品種を包含する。植物部分とは、植物の地上および地下の全ての部分および器官、例えば若枝、葉、花および根を意味すると理解すべきであり、言及することができる例には、葉、針状葉、茎、幹、花、子実体、果実、種子、根、塊茎および根茎がある。植物部分には、収穫物ならびに成長性および生殖性繁殖物、例えば切穂、塊茎、根茎、実生および種子も含まれる。
【0079】
本発明に従って行う前記活性化合物による植物および植物部分の処理は、直接行うか、あるいはその化合物を通常の処理方法、例えば浸漬、噴霧、蒸発、煙霧、散布、塗布により、そして繁殖物、特に種子の場合には、1以上のコート剤も施用することにより、周辺、環境もしくは貯蔵空間に作用させることにより行う。
【0080】
活性化合物は通常の製剤(formulation)、例えば液剤、乳剤、水和剤、懸濁液、粉剤、散剤、ペースト、可溶性粉体、粒剤、懸濁液−乳剤濃縮液、活性化合物を含浸させた天然および合成材料、ならびにポリマー物質中のマイクロカプセルに変換することができる。
【0081】
これらの製剤は、既知の方法で、例えば活性化合物を増量剤、すなわち液体溶媒および/または固体担体と、場合により界面活性剤、すなわち乳化剤および/または分散剤および/または発泡剤と混合することにより製造される。
【0082】
使用される増量剤が水である場合、例えば、補助溶媒として有機溶媒を用いることもできる。基本的に、適当な液体溶媒には、キシレン、トルエンもしくはアルキルナフタレン類などの芳香族化合物、クロロベンゼン類、クロロエチレン類もしくは塩化メチレンなどの塩素化芳香族もしくは塩素化脂肪族炭化水素類、シクロヘキサンまたはパラフィン類、例えば鉱油留分、などの脂肪族炭化水素類、鉱油および植物油、ブタノールもしくはグリコールなどのアルコール類ならびにそれらのエーテル類およびエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンもしくはシクロヘキサノンなどのケトン類、ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシドなどの強極性溶媒、ならびに水がある。
【0083】
固体担体として適当なものには、
例えばアンモニウム塩および粉砕天然鉱物、例えばカオリン、クレイ、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイトまたは珪藻土、ならびに粉砕合成鉱物、例えば高分散シリカ、アルミナおよびケイ酸塩類があり;粒剤用の固体担体として好適なものには、例えば粉砕・分別した天然石、例えば方解石、大理石、軽石、海泡石および白雲石、ならびに無機および有機粗粉の合成顆粒、および有機材料例えばおがくず、やしがら、トウモロコシ穂軸およびタバコ茎の顆粒があり;乳化剤および/または発泡剤として好適なものには、例えばノニオン系およびアニオン系乳化剤、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル類、例えばアルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホネート類、硫酸アルキル類、アリールスルホネート類、さらには蛋白質加水分解物があり;分散剤として好適なものには、例えばリグニン−サルファイト廃液およびメチルセルロースがある。
【0084】
粘着付与剤、例えばカルボキシルメチルセルロース、ならびに粉状、粒状またはラテックス状の天然および合成ポリマー、例えばアラビアガム、ポリビニルアルコールおよびポリ酢酸ビニル、ならびに天然リン脂質、例えばセファリン類およびレシチン類、ならびに合成リン脂質を製剤中で用いることができる。他の可能な添加剤には、鉱油および植物油がある。
【0085】
着色剤、例えば酸化鉄、酸化チタンおよびプルシアンブルーなどの無機顔料ならびに例えばアリザリン色素、アゾ色素および金属フタロシアニン色素などの有機色素、ならびに微量栄養剤、例えば鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデンおよび亜鉛の塩を用いることが可能である。
【0086】
製剤は通常、0.1〜95重量%、好ましくは0.5〜90重量%の活性化合物を含む。
【0087】
本発明による活性化合物は、それ自体で、あるいは活性スペクトラムを広げたり耐性発達を回避したりするために、公知の殺菌剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤または殺虫剤との混合物としての製剤で、用いることができる。多くの場合、相乗効果が得られる。すなわち、混合物の効力の方が個々の成分の効力より大きい。
【0088】
混合物における共成分の好ましい例には、下記の化合物がある。
殺菌剤
アルジモルフ(aldimorph)、アンプロピルホス(ampropylfos)、アンプロピルホス−カリウム、アンドプリム(andoprim)、アニラジン、アザコナゾール(azaconazole)、アゾキシストロビン(azoxystrobin)、
ベナラキシル(benalaxyl)、ベノダニル(benodanil)、ベノミル、ベンザマクリル(benzamacril)、ベンザマクリル−イソブチル、ビアラホス、ビナパクリル、ビフェニル、ビテルタノール(bitertanol)、ブラストサイジンS、ブロムコナゾール(bromuconazole)、ブピリメート(bupirimate)、ブチオベート(buthiobate)、
カルシウムポリサルファイド、カプシマイシン(capsimycin)、キャプタホル、キャプタン、カルベンダジム、カルボキシン、カルボン(carvon)、キノメチオネート、クロベンチアゾン、クロルフェナゾール(chlorfenazole)、クロロネブ、クロロピクリン、クロロタロニル、クロゾリネート(chlozolinate)、クロジラコン(clozylacon)、クフラネブ(cufraneb)、シモキサニル(cymoxanil)、シプロコナゾール(cyproconazole)、シプロジニル(cyprodinil)、シプロフラム(cyprofuram)、
デバカルブ(debacarb)、ジクロロフェン、ジクロブトラゾール(diclobutrazole)、ジクロフルアニド(diclofluanid)、ジクロメジン(diclomezine)、ジクロラン、ジエトフェンカルブ(diethofencarb)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、ジメチリモール、ジメトモルフ(dimethomorph)、ジニコナゾール(diniconazole)、ジニコナゾール−M、ジノカップ、ジフェニルアミン、ジピリチオン(dipyrithione)、ジタリムフォス(ditalimfos)、ジチアノン、ドデモルフ(dodemorph)、ドジン(dodine)、ドラゾキソロン(drazoxolon)、
エジフェンホス、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、エタコナゾール(etaconazole)、エチリモール(ethirimol)、エトリジアゾール、
ファモキサドン(famoxadon)、フェナパニル(fenapanil)、フェナリモル、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、フェンフラム(fenfuram)、フェニトロパン(fenitropan)、フェンピクロニル(fenpiclonil)、フェンプロピジン(fenpropidin)、フェンプロピモルフ、酢酸フェンチン、水酸化フェンチン、ファーバム、フェリムゾン(ferimzone)、フルアジナム(fluazinam)、フルメトバー(flumetover)、フルオロミド(fluoromide)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、フルルプリミドール(flurprimidol)、フルシラゾール(flusilazole)、フルスルファミド(flusulphamide)、フルトラニル、フルトリアフォル(flutriafol)、フォルペット、フォセチル(fosetyl)-アルミニウム、フォセチル−ナトリウム、フサライド、フベリダゾール(fuberidazole)、フララキシル(furalaxyl)、フラメトピル(furametpyr)、フルカルボニル(furcarbonil)、フルコナゾール(furconazole)、フルコナゾール−シス、フルメシクロクス(furmecyclox)、
グアザチン、
ヘキサクロロベンゼン、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、ヒメキサゾール(hymexazole)、
【0089】
イマザリル、イミベンコナゾール(imibenconazole)、イミノクタジン(iminoctadine)、イミノクタジン・アルベシレート(albesilate)、イミノクタジン三酢酸、ヨードカルブ(iodocarb)、イプコナゾール(ipconazole)、イプロベンフォス(iprobenfos)(IBP)、イプロジオン、イルママイシン、イソプロチオラン、イソバレジオン(isovaledione)、
カスガマイシン、クレソキシム(kresoxim)−メチル、水酸化銅、ナフテン酸銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、酸化銅、オキシン銅およびボルドー液などの銅調合品、
マンカッパー(mancopper)、マンコゼブ、マンネブ、メフェリムゾン(meferimzone)、メパニピリム(mepanipyrim)、メプロニル、メタラキシル、メトコナゾール(metconazole)、メタスルフォカルブ(methasulfocarb)、メトフロキサム、メチラム(metiram)、メトメクラム(metomeclam)、メトスルフォバックス(metsulfovax)、ミルジオマイシン、ミクロブタニル(myclobutanil)、ミクロゾリン(myclozolin)、
ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、ニトロタル(nitrothal)−イソプロピル、ヌアリモル、
オフレース(ofurace)、オキサジキシル(oxadixyl)、オキサモカルブ(oxamocarb)、オキソリン酸、オキシカルボキシム(oxycarboxim)、オキシフェンチイン(oxyfenthiin)、
パクロブトラゾール(paclobutrazole)、ペフラゾエート(pefurazoate)、ペンコナゾール(penconazole)、ペンシクロン(pencycuron)、ホスジフェン(phosdiphen)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、ピマリシン、ピペラリン(piperalin)、ポリオキシン、ポリオキソリム(polyoxorim)、プロベナゾール、プロクロラズ(prochloraz)、プロシミドン、プロパモカルブ(propamocarb)、プロパノシン(propanosine)−ナトリウム、プロピコナゾール(propiconazole)、プロピネブ、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、ピラゾホス(pyrazophos)、ピリフェノックス(pyrifenox)、ピリメタニル(pyrimethanil)、ピロキロン(pyroquilon)、ピロキシフル(pyroxyfur)、
キンコナゾール(quinconazole)、キントゼン(PCNB)、
硫黄および硫黄調合品、
テブコナゾール(tebuconazole)、テクロフタラム(tecloftalam)、テクナゼン、テトシクラシス(tetcyclasis)、テトラコナゾール(tetraconazole)、チアベンダゾール、チシオフェン(thicyofen)、チフルザミド(thifluzamide)、チオファネート−メチル、チラム、チオキシミド(tioxymid)、トルクロホス(tolclofos)−メチル、トリルフルアニド(tolylfluanid)、トリアジメホン、トリアジメノール(triadimenol)、トリアズブチル(triazbutil)、トリアゾキシド(triazoxide)、トリクラミド(trichlamide)、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、トリフルミゾール(triflumizole)、トリホリン、トリチコナゾール(triticonazole)、
ユニコナゾール(uniconazole)、
バリダマイシンA、ビンクロゾリン、ビニコナゾール(viniconazole)、
ザリラミド(zarilamide)、ジネブ、ジラム、さらには
ダガー(Dagger)G、
OK−8705、
OK−8801、
【0090】
α−(1,1−ジメチルエチル)−β−(2−フェノキシエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、
α−(2,4−ジクロロフェニル)−β−フルオロ−β−プロピル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、
α−(2,4−ジクロロフェニル)−β−メトキシ−α−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、
α−(5−メチル−1,3−ジオキサン−5−イル)−β−[[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]−メチレン]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、
(5RS,6RS)−6−ヒドロキシ−2,2,7,7−テトラメチル−5−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−3−オクタノン、
(E)−α−(メトキシイミノ)−N−メチル−2−フェノキシ−フェニルアセトアミド、
1−イソプロピル{2−メチル−1−[[[1−(4−メチルフェニル)−エチル]−アミノ]−カルボニル]−プロピル}−カーバメート、
1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−エタノン−O−(フェニルメチル)−オキシム、
1−(2−メチル−1−ナフタレニル)−1H−ピロール−2,5−ジオン、
1−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(2−プロペニル)−2,5−ピロリジンジオン、
1−[(ジヨードメチル)−スルホニル]−4−メチル−ベンゼン、
1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]−メチル]−1H−イミダゾール、
1−[[2−(4−クロロフェニル)−3−フェニルオキシラニル]−メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール、
1−[1−[2−[(2,4−ジクロロフェニル)−メトキシ]−フェニル]−エテニル]−1H−イミダゾール、
1−メチル−5−ノニル−2−(フェニルメチル)−3−ピロリジノール、
2′,6′−ジブロモ−2−メチル−4′−トリフルオロメトキシ−4′−トリフルオロ−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシアニリド、
【0091】
2,2−ジクロロ−N−[1−(4−クロロフェニル)−エチル]−1−エチル−3−メチル−シクロプロパンカルボキサミド、
2,6−ジクロロ−5−(メチルチオ)−4−ピリミジニル−チオシアネート、
2,6−ジクロロ−N−(4−トリフルオロメチルベンジル)−ベンズアミド、
2,6−ジクロロ−N−[[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]−メチル]−ベンズアミド、
2−(2,3,3−トリヨード−2−プロペニル)−2H−テトラゾール、
2−[(1−メチルエチル)−スルホニル]−5−(トリクロロメチル)−1,3,4−チアジアゾール、
2−[[6−デオキシ−4−O−(4−O−メチル−β−D−グリコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル]−アミノ]−4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボニトリル、
2−アミノブタン、
2−ブロモ−2−(ブロモメチル)−ペンタンジニトリル、
2−クロロ−N−(2,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチル−1H−インデン−4−イル)−3−ピリジンカルボキサミド、
2−クロロ−N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(イソチオシアナトメチル)−アセトアミド、
2−フェニルフェノール(OPP)、
3,4−ジクロロ−1−[4−(ジフルオロメトキシ)−フェニル]−1H−ピロール−2,5−ジオン、
3,5−ジクロロ−N−[シアノ[(1−メチル−2−プロピニル)−オキシ]−メチル]−ベンズアミド、
3−(1,1−ジメチルプロピル−1−オキソ−1H−インデン−2−カルボニトリル、
3−[2−(4−クロロフェニル)−5−エトキシ−3−イソオキサゾリジニル]−ピリジン、
4−クロロ−2−シアノ−N,N−ジメチル−5−(4−メチルフェニル)−1H−イミダゾール−1−スルホンアミド、
4−メチル−テトラゾロ[1,5−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
8−(1,1−ジメチルエチル)−N−エチル−N−プロピル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−メタンアミン、
硫酸8−ヒドロキシキノリン、
【0092】
9H−キサンテン−2−[(フェニルアミノ)−カルボニル]−9−カルボン酸ヒドラジド、
ビス−(1−メチルエチル)−3−メチル−4−[(3−メチルベンゾイル)−オキシ]−2,5−チオフェンジカルボキシレート、
シス−1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−シクロヘプタノール、
シス−4−[3−[4−(1,1−ジメチルプロピル)−フェニル−2−メチルプロピル]−2,6−ジメチル−モルホリン塩酸塩、
[(4−クロロフェニル)−アゾ]−シアノ酢酸エチル、
重炭酸カリウム、
メタンテトラチオール−ナトリウム塩、
1−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−1H−インデン−1−イル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル、
N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(5−イソオキサゾリルカルボニル)−DL−アラニン酸メチル、
N−(クロロアセチル)−N−(2,6−ジメチルフェニル)−DL−アラニン酸メチル、
N−(2,3−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−シクロヘキサンカルボキサミド、
N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−メトキシ−N−(テトラヒドロ−2−オキソ−3−フラニル)−アセトアミド、
N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−メトキシ−N−(テトラヒドロ−2−オキソ−3−チエニル)−アセトアミド、
N−(2−クロロ−4−ニトロフェニル)−4−メチル−3−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−(4−シクロヘキシルフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジンアミン、
N−(4−ヘキシルフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジンアミン、
【0093】
N−(5−クロロ−2−メチルフェニル)−2−メトキシ−N−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)−アセトアミド、
N−(6−メトキシ−3−ピリジニル)−シクロプロパンカルボキサミド、
N−[2,2,2−トリクロロ−1−[(クロロアセチル)−アミノ]−エチル]−ベンズアミド、
N−[3−クロロ−4,5−ビス(2−プロピニルオキシ)−フェニル]−N′−メトキシ−メタンイミドアミド、
N−ホルミル−N−ヒドロキシ−DL−アラニン−ナトリウム塩、
O,O−ジエチル[2−(ジプロピルアミノ)−2−オキソエチル]−エチルホスホルアミドチオエート、
O−メチルS−フェニルフェニルプロピルホスホルアミドチオエート、
S−メチル1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボチオエート、
スピロ[2H]−1−ベンゾピラン−2,1′(3′H)−イソベンゾフラン]−3′−オン、
4−[(3,4−ジメトキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−アクリロイル]−モルホリン。
【0094】
殺細菌剤
ブロノポール、ジクロロフェン、ニトラピリン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、カスガマイシン、オクチリノン(octhilinone)、フランカルボン酸、オキシテトラサイクリン、プロベナゾール、ストレプトマイシン、テクロフタラム(tecloftalam)、硫酸銅および他の銅調合品。
【0095】
殺虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤
アバメクチン(abamectin)、アセフェート、アセトアミプリド(acetamiprid)、アクリナスリン(acrinathrin)、アラニカルブ(alanycarb)、アルジカルブ、アルドキシカルブ(aldoxycarb)、アルファシペルメトリン、アルファメトリン(alphamethrin)、アミトラズ、アベルメクチン、AZ60541、アザジラクチン、アザメチホス(azamethiphos)、アジンホス(azinphos)A、アジンホスM、アゾシクロチン(azocyclotin)、
バチルス−ポピリエ、バチルス−スファエリクス、枯草菌、バチルス−チューリンギエンシス、バキュロウィルス類、Beauveria bassiana、Beauveria tenella、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ベンサルタップ(bensultap)、ベンゾキシメート(benzoximate)、ベータサイフルスリン(betacyfluthrin)、ビフェナゼート(bifenazate)、ビフェントリン、ビオエタノメトリン(bioethanomethrin)、ビオペルメトリン(biopermethrin)、ビストリフルロン(bistrifluron)、BPMC、ブロモホスA、ブフェンカルブ(bufencarb)、ブプロフェジン、ブタチオフォス(butathiofos)、ブトカルボキシム(butocarboxim)、ブチルピリダベン(butylpyridaben)、
カズサフォス(cadusafos)、カルバリル、カルボフラン、カルボフェノチオン、カルボスルファン(carbosulfhan)、カルタップ、クロエトカルブ(chloethocarb)、クロルエトキシフォス(chlorethoxyfos)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、クロルメフォス(chlormephos)、クロルピリホス、クロルピリホスM、クロバポルトリン(chlovaporthrin)、クロマフェノジド(chromafenozide)、シス−レスメトリン(resmethrin)、シスペルメトリン、クロシトリン(clocythrin)、クロエトカルブ(cloethocarb)、クロフェンテジン(clofentezine)、クロチアニジン(clothianidine)、シアノホス、シクロプレン(cycloprene)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、シフルトリン(cyfluthrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、シヘキサチン、シペルメトリン、シロマジン(cyromazine)、
【0096】
デルタメトリン、デメトンM、デメトンS、デメトン−S−メチル、ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、ダイアジノン、ジクロルボス、ジフルベンズロン、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジオフェノラン(diofenolan)、ジスルホトン、ドキュセート−ナトリウム、ドフェナピン(dofenapyn)、
エフルシラネート、エマメクチン(emamectin)、エンペントリン(empenthrin)、エンドサルファン、Entomopfthora種、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、エチオン、エトプロホス(ethoprophos)、エトフェンプロクス(etofenprox)、エトキサゾール(etoxazole)、エトリンフォス(etrimfos)、
フェナミホス、フェナザクイン(fenazaquin)、酸化フェンブタスズ、フェニトロチオン、フェノチオカルブ(fenothiocarb)、フェノキサクリム(fenoxacrim)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、フェンプロパトリン、フェンピラド(fenpyrad)、フェンピリトリン(fenpyrithrin)、フェンピロキシメート(fenpyroximate)、フェンバレレート、フィプロニル(fipronil)、フルアジナム(fluazinam)、フルアズロン(fluazuron)、フルブロシトリネート(flubrocythrinate)、フルシクロクスウロン(flucycloxuron)、フルシトリネート(flucythrinate)、フルフェノクスウロン(flufenoxuron)、フルメトリン(flumethrin)、フルテンジン(flutenzine)、フルバリネート、フォノホス(fonophos)、フォスメチラン(fosmethilan)、フォスチアゼート(fosthiazate)、フブフェンプロクス(fubfenprox)、フラチオカルブ(furathiocarb)、
グラニュローシスウイルス類、
【0097】
ハロフェノジド(halofenozide)、HCH、ヘプテノホス(heptenophos)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ヘキシチアゾクス、ヒドロプレン、
イミダクロプリド(imidacloprid)、インドキサカルブ(indoxacarb)、イサゾフォス(isazofos)、イソフェンホス、イソキサチオン、イベルメクチン、
核多角体病ウイルス類、
ラムダ−シハロトリン(cyhalothrin)、ルフェヌロン(lufenuron)、
マラチオン、メカルバム、メタアルデヒド、メタミドホス、Metharhizium anisopliae、Metharhizium flavoviride、メチダチオン、メチオカルブ、メトプレン、メトミル、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、メトルカルブ(metolcarb)、メトキサジアゾン(metoxadiazone)、メビンホス、ミルベメクチン(milbemectin)、ミルベマイシン、モノクロトホス、
ナレド、ニテンピラム(nitenpyram)、ニチアジン(nithiazine)、ノバルロン(novaluron)、
オメトエート(omethoate)、オキサミル、オキシデメトン(oxydemethon)M、
Paecilomyces fumosoroseus、パラチオンA、パラチオンM、ペルメトリン、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピリミカルブ、ピリミホスA、ピリミホスM、プロフェノフォス(profenofos)、プロメカルブ(promecarb)、プロパルガイト(propargite)、プロポキスル、プロチオホス、プロトエート(prothoate)、ピメトロジン(pymetrozine)、ピラクロフォス(pyraclofos)、ピレスメトリン(pyresmethrin)、除虫菊、ピリダベン(pyridaben)、ピリダチオン(pyridathion)、ピリミヂフェン(pyrimidifen)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、
キナルホス、
リバビリン、
サリチオン(salithion)、セブフォス(sebufos)、シラフルオフェン(silafluofen)、スピノサド(spinosad)、スピロジクロフェン(spirodiclofen)、スルフォテプ(sulfotep)、スルプロフォス(sulprofos)、
タウ−フルバリネート、テブフェノジド(tebufenozide)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、テブピリミホス(tebupirimiphos)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、テフルトリン(tefluthrin)、テメホス、テミビンホス(temivinphos)、テルブホス、テトラクロルビンホス、テトラジホン、シータ−シペルメトリン、チアクロプリド(thiacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、チアプロニル(thiapronil)、チアトリホス(thiatriphos)、シュウ酸水素チオシクラム、チオジカルブ(thiodicarb)、チオファノクス(thiofanox)、チュリンギエンシン(thuringiensin)、トラロシトリン、トラロメトリン、トリアラテン(triarathene)、トリアザメート(triazamate)、トリアゾホス(triazophos)、トリアズロン(triazuron)、トリクロフェニジン(trichlophenidine)、トリクロルホン、トリフルムロン(triflumuron)、トリメタカルブ(trimethacarb)、
バミドチオン、バニリプロール(vaniliprole)、Verticillium lecanii、
YI5302、
ゼータ−シペルメトリン、ゾラプロフォス(zolaprofos)、
【0098】
(1R−シス)−[5−(フェニルメチル)−3−フラニル]−メチル−3−[(ジヒドロ−2−オキソ−3(2H)−フラニリデン)−メチル]−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、
(3−フェノキシフェニル)−メチル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、
1−[(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル]テトラヒドロ−3,5−ジメチル−N−ニトロ−1,3,5−トリアジン−2(1H)−イミン、
2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]−4,5−ジヒドロ−オキサゾール、
2−(アセチルオキシ)−3−ドデシル−1,4−ナフタレンジオン、
2−クロロ−N−[[[4−(1−フェニルエトキシ)−フェニル]−アミノ]−カルボニル]−ベンズアミド、
2−クロロ−N−[[[4−(2,2−ジクロロ−1,1−ジフルオロエトキシ)−フェニル]−アミノ]−カルボニル]−ベンズアミド、
プロピルカルバミン酸3−メチルフェニル、
4−[4−(4−エトキシフェニル)−4−メチルペンチル]−1−フルオロ−2−フェノキシ−ベンゼン、
4−クロロ−2−(1,1−ジメチルエチル)−5−[[2−(2,6−ジメチル−4−フェノキシフェノキシ)エチル]チオ]−3(2H)−ピリダジノン、
4−クロロ−2−(2−クロロ−2−メチルプロピル)−5−[(6−ヨード−3−ピリジニル)メトキシ]−3(2H)−ピリダジノン、
4−クロロ−5−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メトキシ]−2−(3,4−ジクロロフェニル)−3(2H)−ピリダジノン、
バチルス−チューリンギエンシス株EG−2348、
【0099】
[2−ベンゾイル−1−(1,1−ジメチルエチル)−ヒドラジノ安息香酸、
ブタン酸2,2−ジメチル−3−(2,4−ジクロロフェニル)−2−オキソ−1−オキサスピロ[4.5]デカ−3−エン−4−イル、
[3−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル]−2−チアゾリジニリデン]−シアナミド、
ジヒドロ−2−(ニトロメチレン)−2H−1,3−チアジン−3(4H)−カルボキシアルデヒド、
[2−[[1,6−ジヒドロ−6−オキソ−1−(フェニルメチル)−4−ピリダジニル]オキシ]エチル]−カルバミン酸エチル、
N−(3,4,4−トリフルオロ−1−オキソ−3−ブテニル)−グリシン、
N−(4−クロロフェニル)−3−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−4,5−ジヒドロ−4−フェニル−1H−ピラゾール−1−カルボキサミド、
N−[(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル]−N′−メチル−N″−ニトロ−グアニジン、
N−メチル−N′−(1−メチル−2−プロペニル)−1,2−ヒドラジンジカルボチオアミド、
N−メチル−N′−2−プロペニル−1,2−ヒドラジンジカルボチオアミド、
O,O−ジエチル[2−(ジプロピルアミノ)−2−オキソエチル]−エチルホスホルアミドチオエート、
N−シアノメチル−4−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、
3,5−ジクロロ−1−(3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ)−4−[3−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)−プロポキシ]ベンゼン。
【0100】
他の公知の活性化合物、例えば除草剤、肥料および成長調節剤を混合することも可能である。
【0101】
殺昆虫剤として使用する場合には、本発明による活性化合物はさらにそれらの市販製剤中およびそれら製剤から製造された使用形態で、相乗剤との混合物として存在することもできる。相乗剤とは、加えられる相乗剤自体が活性である必要はなく、活性化合物の作用を高める化合物である。
【0102】
市販製剤から製造される使用形態の活性化合物含有量は、広い範囲内で変わることができる。使用形態の活性化合物濃度は、活性化合物0.0000001〜95重量%、好ましくは0.0001〜1重量%とすることができる。
【0103】
化合物は使用形態に適した通常の方法で使用される。
【0104】
衛生病害虫または貯蔵製品の病害虫に対して使用する場合には、上記活性化合物は木材およびクレイ上での優れた残留活性ならびに石灰処理物上のアルカリに対する良好な安定性によって際立っている。
【0105】
前述のように、本発明に従って全ての植物および植物部分を処理することができる。好ましい実施形態では、野生植物種および植物栽培品種、あるいは異種交配もしくは原形質融合などの従来の生物育種によって得られるものおよびそれの部分が処理される。さらに好ましい実施形態では、適切な場合には従来法と組み合わせた遺伝子操作によって得られるトランスジェニック植物および植物栽培品種(遺伝子修飾生物)およびそれの部分が処理される。「部分」または「植物の部分」または「植物部分」という用語は、上記で説明した通りである。
【0106】
特に好ましくは、各場合において市販されているか使用されている植物および植物栽培品種が、本発明に従って処理される。植物栽培品種とは、従来の栽培により、突然変異誘発により、あるいは組換えDNA法によって育てられた新たな性質(「形質」)を有する植物を意味するものと理解される。それらは、栽培品種、生物型および遺伝子型であることができる。
【0107】
植物種または植物栽培品種、それらの場所および生育条件(土壌、気候、植生期間、養分)に応じて、本発明による処理は超相加(「相乗」)効果をもたらし得る。そこで、例えば、施用量低減および/または活性スペクトラム拡大および/または本発明に従って使用される物質および組成物の活性上昇、より良好な植物生長、高温または低温耐性の向上、干魃状態または水中もしくは土壌中の塩分含有量に対する耐性の向上、開花成績の向上、収穫の容易化、成熟の促進、収穫量増加、収穫物のより良好な品質および/または栄養価の向上、収穫物の貯蔵安定性および/または加工性の向上が、実際に予想された効果を超えるものとなる可能性がある。
【0108】
本発明に従って好ましく処理されるトランスジェニック植物または植物栽培品種(すなわち、遺伝子工学によって得られたもの)には、遺伝子修飾で、植物に対して特に有利で有用な性質(「形質」)を与える遺伝物質を受けた全ての植物が含まれる。そのような性質の例には、植物成長の向上、高温もしくは低温に対する耐性向上、干魃または水もしくは土壌塩類含有量に対する耐性の向上、開花成績の上昇、収穫の容易さ向上、成熟加速、収穫量の増加、収穫物の品質向上および/または栄養価向上、収穫物の貯蔵安定性および/または加工性の向上などがある。さらにおよび特に強調されるそのような性質の例は、昆虫、ダニ、植物生病原性真菌、細菌および/またはウィルスなどの動物および微生物病原体に対する植物防衛の向上、ならびにある種の除草活性化合物に対する植物の耐性向上である。言及することができるトランスジェニック植物の例としては、穀類(小麦、米)、トウモロコシ、大豆、ジャガイモ、棉、アブラナおよび果物植物(果実を有するもので、リンゴ、梨、柑橘類およびブドウ)などの重要作物植物であり、特に強調すべきはトウモロコシ、大豆、ジャガイモ、棉およびアブラナである。強調すべき形質は、詳細には植物中で形成される毒物、特にはバチルス−チューリンギエンシスからの遺伝物質(例えば、遺伝子CryIA(a)、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIIA、CryIIIA、CryIIIB2、Cry9c、Cry2Ab、Cry3BbおよびCryIFならびにそれらの組み合わせによる)によって植物(以下、「Bt植物」という)中に形成される毒物による昆虫に対する植物の防衛向上である。やはり特に強調すべき形質は、全身獲得抵抗性(SAR)、システミン(systemin)、ファイトアレキシン(phytoalexin)、エリシター(elicitor)および抵抗性遺伝子、ならびにそれらに対応して発現される蛋白質および毒物による真菌、細菌およびウィルスに対する植物の防衛向上である。さらに特に強調すべき形質は、例えばイミダゾリノン類、スルホニル尿素類、グリホセートまたはホスフィノトリシン(phosphinotricin)などのある種の除草活性化合物に対する植物の耐性向上がある(例:「PAT」遺伝子)。問題とする所望の形質を付与する遺伝子を、トランスジェニック植物において互いに組み合わせて存在させることができる。言及することができる「Bt植物」の例としては、イールドガード(YIELD GARD;登録商標)(例:トウモロコシ、棉、大豆)、ノックアウト(KnockOut;登録商標)(例:トウモロコシ)、スターリンク(StarLink;登録商標)(例:トウモロコシ)、ボルガード(Bollgard;登録商標)(棉)、ヌコトン(Nucotn;登録商標)、およびニューリーフ(NewLeaf;登録商標)(ジャガイモ)の商品名で販売されているトウモロコシ変異体、棉変異体、大豆変異体、ジャガイモ変異体がある。言及可能な除草剤耐性植物の例は、ラウンドアップレディー(Roundup Ready;登録商標)(グリホセートに対する耐性;例:トウモロコシ、棉、大豆)、リバティリンク(Liberty Link;登録商標)(ホスフィノトリシンに対する耐性;例:アブラナ)、IMI(登録商標)(イミダゾリノン類に対する耐性)およびSTS(登録商標)(スルホニル尿素類に対する耐性;例:トウモロコシ)という商品名で販売されているトウモロコシ変異体、棉変異体および大豆変異体である。言及することができる除草剤耐性植物(除草剤耐性用に従来の方法で育種された植物)には、クリアフィールド(Clearfield;登録商標)(例:トウモロコシ)の名称下に販売されている変異体などがある。当然のことながらこれらの記述は、上記遺伝形質または今後開発される遺伝形質を有し、今後開発および/または上市される植物栽培品種にも適用される。
【0109】
上記で挙げた植物は、本発明による式Iの化合物または活性化合物混合物によって、特に有利な形で、本発明に従って処理することができる。活性化合物または混合物について前述した好ましい範囲は、それらの植物の処理にも適用される。特に強調すべきは、本明細書で具体的に言及している化合物または混合物による植物の処理である。
【0110】
本発明による活性化合物は、植物害虫、衛生害虫および貯蔵製品害虫に対してだけでなく、獣医学部門においてマダニ類、ヒメダニ類、カイセンダニ類、葉ダニ類、ハエ類(刺すハエおよび舐めるハエ)、寄生ハエ幼虫、シラミ、毛ジラミ、羽ジラミおよびノミなどの動物性寄生虫(外部寄生虫)に対しても作用する。それらの寄生虫には、下記のものなどがある。
【0111】
シラミ目(Anoplurida)から、例えば、ヘマトピヌス(Haematopinus)種、リノグナスス(Linognathus)種、ペジクルス(Pediculus)種、フチルス(Phtirus)種、ソレノポテス(Solenopotes)種。
【0112】
ハジラミ目(Mallophagida)ならびにマルツノハジラミ亜目(Amblycerina)およびホソツノハジラミ亜目(Ischnocerina)から、例えば、トリメノポン(Trimenopon)種、メノポン(Menopon)種、トリノトン(Trinoton)種、ボビコラ(Bovicola)種、ウェルネキエラ(Werneckiella)種、レピケントロン(Lepikentron)種、ダマリナ(Damalina)種、トリコデクテス(Trichodectes)種、フェリコラ(Felicola)種。
【0113】
双翅目(Diptera)ならびにカ亜目(Nematocerina)およびハエ亜目(Brachycerina)から、例えば、エーデス(Aedes)種、アノフェレス(Anopheles)種、クレックス(Culex)種、シムリウム(Simulium)種、ユーシムリウム(Eusimulium)種、フレボトムス(Phlebotomus)種、ルツゾミイア(Lutzomyia)種、クリコイデス(Culicoides)種、クリソプス(Chrysops)種、ヒボミトラ(Hybomitra)種、アチロツス(Atylotus)種、タバヌス(Tabanus)種、ヘマトポタ(Haematopota)種、フィリポニア(Philipomyia)種、ブラウラ(Braula)種、ムスカ(Musca)種、ヒドロタエア(Hydrotaea)種、ストモキシス(Stomoxys)種、ヘマトビア(Haematobia)種、モレリア(Morellia)種、ファニア(Fannia)種、グロッシナ(Glossina)種、カリフォラ(Calliphora)種、ルシリア(Lucilia)種、クリソミイア(Chrysomyia)種、ウォールファルチア(Wohlfahrtia)種、サルコファガ(Sarcophaga)種、オエストルス(Oestrus)種、ヒポデルマ(Hypoderma)種、ガステロフィルス(Gasterophilus)種、ヒッポボスカ(Hippobosca)種、リポプテナ(Lipoptena)種、メロファグス(Melophagus)種。
【0114】
ノミ目(Siphonapterida)から、例えば、プレックス(Pulex)種、クテノセファリデス(Ctenocephalides)種、ゼノプシラ(Xenopsylla)種、セラトフィルス(Ceratophyllus)種。
【0115】
ヘテロプテリダ目(Heteropterida)、例えば、シメックス(Cimex)種、トリアトマ(Triatoma)種、ロドニウス(Rhodnius)種、パンストロンギルス(Panstrongylus)種。
【0116】
ゴキブリ目(Blattarida)から、例えば、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattela germanica)およびスペラ(Supella)種。
【0117】
マダニ(Acaria)の亜綱(コナダニ)ならびにメタ−(Meta−)およびメソスチグマタ目(Mesostigmata)から、例えば、アルガス(Argas)種、オルニソドルス(Ornithodorus)種、オトビウス(Otobius)種、イキソデス(Ixodes)種、アンブリオンマ(Amblyomma)種、ブーフィルス(Boophilus)種、デルマセントル(Dermacentor)種、ヘマフィサリス(Haemaphysalis)種、ヒアロンマ(Hyalomma)種、リピセファルス(Rhipicephalus)種、デルマニッサス(Dermanyssus)種、ライリエチア(Raillietia)種、ニューモニッサス(Pneumonyssus)種、ステルノストマ(Sternostoma)種、バロア(Varroa)種。
【0118】
ケダニ目(Actinedida)(プロスチグマタ(Prostigmata))およびコナダニ目(Acaridida)(アスチグマタ(Astigmata))から、例えば、アカラピス(Acarapis)種、ケイレチエラ(Cheyletiella)種、オルニソヘイレチア(Ornithocheyletia)種、ミオビア(Myobia)種、ソレルガテス(Psorergates)種、デモデックス(Demodex)種、トロンビクラ(Trombicula)種、リストロフォルス(Listrophorus)種、アカルス(Acarus)種、チロファグス(Tyrophagus)種、カログリフス(Caloglyphus)種、ヒポデクテス(Hypodectes)種、プテロリクス(Pterolichus)種、プソロプテス(Psoroptes)種、コリオプテス(Chorioptes)種、オトデクテス(Oodectes)種、サルコプテス(Sarcoptes)種、ノトエドレス(Notoedres)種、ネミドコプテス(Knemidocoptes)種、シトジテス(Cytodites)種、ラミノシオプテス(Laminosioptes)種。
【0119】
本発明による式(I)の活性化合物は、例えば牛、羊、山羊、馬、豚、ロバ、ラクダ、バッファロー、ウサギ、ニワトリ、七面鳥、アヒル、ガチョウおよび蜂などの農業生産家畜、犬、猫、檻の鳥および水槽魚などの他のペット、ならびに例えばハムスター、モルモット、ラットおよびマウスなどのいわゆる試験動物に寄生する節足動物を防除するのにも好適である。本発明による活性化合物を用いて、これらの節足動物を防除することによって、死亡および(食肉、牛乳、羊毛、皮、卵、蜂蜜などに関して)生産性低下の例が減るので、より経済的でより容易な動物管理が可能になるはずである。
【0120】
本発明による活性化合物は、獣医学部門で公知の方法で、例えば錠剤、カプセル、頓服、飲薬、粒剤、ペースト、ボラス、飼料経由および坐剤の形態で腸投与によって;例えば注射(筋肉注射、皮下注射、静脈注射、腹腔内注射など)、埋込物、経鼻投与によって非経口投与により;例えば液浸もしくは浸漬、噴霧、注入およびスポット塗布、洗浄および粉末塗布の形態での皮膚使用により;さらには首輪、耳標、尾標、足ベルト、端綱、標示装置などの活性化合物を含む成形品を用いて使用される。
【0121】
牛、家禽、ペットなどに使用する場合、式(I)の活性化合物は、活性化合物を1〜80重量%の量で含む製剤(例:粉剤、乳濁液、自由流動性組成物)として、直接にもしくは100倍から10000倍の希釈後に用いることができるか、あるいはそれらは化学薬品浴として用いることができる。
【0122】
さらに、本発明による化合物が、工業材料を破壊する昆虫に対して強力な殺虫活性を有することも見出された。
【0123】
その例として、さらには好ましい例として下記の昆虫を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0124】
ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、クロロフォルス・ピロシス(Chlorophorus pilosis)、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、ゼストビウム・ルフォビロスム(Xestobium rufovillosum)、プチリヌス・ペクチコルニス(Ptilinus pecticornis)、デンドロビウム・ペルチネックス(Dendrobium pertinex)、エルノビウス・モリス(Ernobius mollis)、プリオビウム・カルピニ(Priobium carpini)、リクツス・ブルンネウス(Lyctus brunneus)、リクツス・アフリカヌス(Lyctus africanus)、リクツス・プラニコリス(Lyctus planicollis)、リクツス・リネアリス(Lyctus linearis)、リクツス・プベッセンス(Lyctus pubescens)、トロゴキシロン・アエクアレ(Trogoxylon aequale)、ミンセス・ルギコリス(Minthes rugicollis)、キシレボルス(Xyleborus)種、トリプトデンドロン(Tryptodendron)種、アパテ・モナクス(Apate monachus)、ボストリクス・カプシンス(Bostrychus capucins)、ヘテロボストリクス・ブルンネウス(Heterobostrychus brunneus)、シノキシロン(Sinoxylon)種、ジノデルス・ミヌツス(Dinoderus minutus)などの甲虫類。
【0125】
シレックス・ジュベンクス(Sirex juvencus)、ウロセルス・ギガス(Urocerus gigas)、ウロセルス・ギガス・タイグヌス(Urocerus gigas taignus)、ウロセルス・アウグル(Urocerus augur)などの膜翅類。
【0126】
カロテルメス・フラビコリス(Kalotermes flavicollis)、クリプトテルメス・ブレビス(Crytotermes brevis)、ヘテロテルメス・インジコラ(Heterotermes indicola)、レチクリテルメス・フラビペス(Reticulitermes flavipes)、レチクリテルメス・サントネンシス(Reticulitermes santonensis)、レチクリテルメス・ルシフグス(Reticulitermes lucifugus)、マストテルメス・ダーウィニエンシス(Mastotermes darwiniensis)、ズーテルモプシス・ネバデンシス(Zootermopsis nevadensis)、コプトテルメス・フォルモサヌス(Coptotermes formosanus)などのシロアリ類。
【0127】
レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccarina)などのシミ類。
【0128】
本明細書に関して工業材料とは、好ましくはプラスチック、接着剤、サイズ、紙および厚紙、皮、木材および加工木材製品ならびにコーティング組成物などの非生命材料を意味するものと理解すべきである。
【0129】
木材および加工木材製品は、特に好ましくは昆虫の侵入から保護すべき材料である。
【0130】
本発明による薬剤またはそれを含む混合物によって保護することができる木材および加工木材製品とは、例えば、
建築材木、木製ハリ、線路枕木、橋梁構成部品、船用桟橋、木製乗物、箱、パレット、容器、電柱、木製羽目板、木製窓およびドア、合板、チップボード、建具類または非常に一般的に家屋建築や建築建具で使用される木製製品などを意味するものと理解すべきである。
【0131】
前記活性化合物は、それ自体で、濃縮物の形で、あるいは粉剤、粒剤、液剤、懸濁液、乳濁液またはペーストなどの通常の製剤の形で使用することができる。
【0132】
上記の製剤は、それ自体公知の方法で、例えば活性化合物を少なくとも1種類の溶媒もしくは希釈剤、乳化剤、分散剤および/または結合剤または固定剤、撥水剤、適切な場合には乾燥剤およびUV安定剤ならびに適切な場合は染料および顔料、さらには他の加工補助剤とを混合することで製造することができる。
【0133】
木材および木材由来材木製品の防腐に用いられる殺虫組成物または濃縮物は、0.0001〜95重量%、特には0.001〜60重量%の濃度で本発明による活性化合物を含む。
【0134】
用いられる組成物または濃縮物の量は、昆虫の性質および発生量ならびに媒体によって決まる。使用される至適量は、各場合での使用について、一連の試験により決定することができる。しかしながら通常は、防腐される材料を基準として、活性化合物0.0001〜20重量%、好ましくは0.001〜10重量%用いることで十分である。
【0135】
使用される溶媒および/または希釈剤は、有機化学溶媒もしくは溶媒混合物および/または低揮発性の油状もしくは油様の有機化学溶媒もしくは溶媒混合物および/または極性有機化学溶媒もしくは溶媒混合物および/または水、ならびに適切な場合には乳化剤および/または湿潤剤である。
【0136】
好ましく使用される有機化学溶媒は、気化数(evaporation number)が35より高く、引火点が30℃、好ましくは45℃より高い油状または油様の溶媒である。そのような低揮発性で油状または油様の水不溶性溶媒として用いられる物質は、適切な鉱油またはそれの芳香族留分、あるいは鉱油、好ましくはホワイトスピリット(white spirit)、石油および/またはアルキルベンゼンを含む溶媒混合物である。
【0137】
沸点範囲が170〜220℃の鉱油、沸点範囲が170〜220℃のホワイトスピリット、沸点範囲が250〜350℃のスピンドル油、沸点範囲が160〜280℃である石油および芳香族、テレビン油などが有利に用いられる。
【0138】
好ましい実施形態では、沸点範囲が180〜210℃の液体脂肪族炭化水素または沸点範囲が180〜220℃の芳香族および脂肪族炭化水素の高沸点混合物および/またはスピンドル油および/またはモノクロロナフタレン、好ましくはα−モノクロロナフタレンを用いる。
【0139】
気化数が35より高く、引火点が30℃、好ましくは45℃より高い低揮発性の有機油状または油様の溶媒の一部を、高揮発性または中揮発性の有機化学溶媒に置き換えることができる。ただしその溶媒混合物も、気化数が35より高く、引火点が30℃、好ましくは45℃より高く、しかも殺虫剤/殺菌剤混合物がその混合溶媒に可溶または乳濁可能でなければならない。
【0140】
好ましい実施形態によれば、有機化学溶媒または溶媒混合物あるいは脂肪族極性有機化学溶媒または溶媒混合物の一部を置き換える。例えばグリコールエーテル、エステルなどの水酸基および/またはエステル基および/またはエーテル基を有する脂肪族有機化学溶媒が好ましく使用される。
【0141】
本発明の文脈で使用される有機化学結合剤は、それ自体公知である合成樹脂および/または結合性乾性油であり、水で希釈可能であり、および/または使用される有機化学溶媒に可溶もしくは分散可能もしくは乳濁可能であり、特にはアクリレート樹脂、ビニル樹脂(例:ポリ酢酸ビニル)、ポリエステル樹脂、重縮合もしくは重付加樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂もしくは変性アルキド樹脂、フェノール樹脂、炭化水素樹脂(例:インデン−クマロン樹脂)、シリコーン樹脂、乾性植物油および/または乾性油および/または天然および/または合成樹脂に基づく物理的に乾性の結合剤である。
【0142】
結合剤として使用される合成樹脂は、乳濁液、分散液または溶液として用いることができる。アスファルトまたは瀝青物質も、10重量%以下の量で結合剤として用いることができる。それ自体公知である染料、顔料、撥水剤、悪臭中和剤および悪臭抑制剤または防腐剤などをさらに追加的に用いることができる。
【0143】
本発明によれば、組成物または濃縮物が、有機化学結合剤として、少なくとも1種類のアルキド樹脂または変性アルキド樹脂および/または1種類の乾性植物油を含有することが好ましい。45重量%を超える、好ましくは50〜68重量%の油含有量を有するアルキド樹脂が、本発明によって好ましく使用される。
【0144】
上記の結合剤の全てまたは一部を、固定剤(混合物)または可塑剤(混合物)で置き換えることができる。それらの添加剤は、活性化合物の蒸発および結晶化または沈殿を防止するためのものである。それらは好ましくは、結合剤の0.01〜30%(使用される結合剤100%に基づいて)に置き換わるものである。
【0145】
可塑剤は、フタル酸ジブチル、ジオクチルもしくはベンジルブチルなどのフタル酸エステル類、リン酸トリブチルなどのリン酸エステル類、アジピン酸ジ−(2−エチルヘキシル)などのアジピン酸エステル類、ステアリン酸ブチルもしくはステアリン酸アミルなどのステアリン酸エステル類、オレイン酸ブチルなどのオレイン酸エステル類、グリセリンエーテル類もしくはより高分子量のグリコールエーテル類、グリセリンエステル類ならびにp−トルエンスルホン酸エステル類等の化学物質群に由来するものである。
【0146】
固定剤は化学的に、例えばポリビニルメチルエーテルなどのポリビニルアルキルエーテル類またはベンゾフェノンもしくはエチレンベンゾフェノンなどのケトン類に基づいたものである。
【0147】
可能な溶媒または希釈剤は、特には水であり、適切な場合には1以上の上記有機化学溶媒もしくは希釈剤、乳化剤および分散剤との混合物としての水である。
【0148】
特に有効な木材の防腐は、例えば真空法、二重真空法または加圧法などの大型工業規模での含浸法によって行われる。
【0149】
即時使用用の組成物は、適切な場合には他の殺虫剤ならびに適切な場合には1以上の殺菌剤を含むこともできる。
【0150】
可能な追加の混合相手は、好ましくはWO94/29268に記載の殺虫剤および殺菌剤である。この書類に記載の化合物は、本願明細書の明示の構成要素である。
【0151】
言及することができる特に好ましい混合相手は、クロルピリホス(chlorpyriphos)、ホキシム、シラフルオフィン(silafluofin)、アルファメトリン(alphamethrin)、シフルトリン(cyfluthrin)、シペルメトリン、デルタメトリン、ペルメトリン、イミダクロプリド(imidacloprid)、NI−25、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、トランスフルトリン(transfluthrin)、チアクロプリド(thiacloprid)、メトキシフェノキシド(methoxyfenoxide)およびトリフルムロン(triflumuron)などの殺虫剤、ならびにエポキシコナゾール(epoxyconazole)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、アザコナゾール(azaconazole)、プロピコナゾール(propiconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、シプロコナゾール(cyproconazole)、メトコナゾール(metconazole)、イマザリル、ジクロルフルアニド(dichlorfluanid)、トリルフルアニド(tolylfluanid)、3−ヨード−2−プロピニル−ブチルカーバメート、N−オクチル−イソチアゾリン−3−オンおよび4,5−ジクロロ−N−オクチルイソチアゾリン−3−オンなどの殺菌剤である。
【0152】
本発明による化合物は同時に、船体、篩、網、建造物、係船および信号システムなどの塩水または半塩水と接触する対象を汚れに対して保護するために用いることができる。
【0153】
カンザシゴカイなどの付着性貧毛類ならびに貝殻および各種のLepas種およびScalpellum種などのLedamorpha群(エボシガイ)からの種、あるいはBalanusまたはPollicipes種などのBalanomorpha群(フジツボ)からの種による汚れによって、船舶の摩擦抵抗が高くなり、結果的にエネルギー消費の上昇とさらには頻繁な乾ドック入りによる運転コストの顕著な上昇につながる。
【0154】
例えばEctocarpus種およびCeramium種などの藻類による汚れを別とすると、特には一般名蔓脚類(蔓脚甲殻類)に入る付着性Entomostraka群による汚れが特に重要である。
【0155】
驚くべきことに、本発明による化合物は単独でまたは他の活性化合物と組み合わせて顕著な防汚作用を有することが見出された。
【0156】
本発明による化合物を単独でまたは他の活性化合物と組み合わせて用いることにより、例えばビス(トリアルキルスズ)スルフィド類、ラウリン酸トリ−n−ブチルスズ、塩化トリ−n−ブチルスズ、酸化銅(I)、塩化トリエチルスズ、トリ−n−ブチル(2−フェニル−4−クロロフェノキシ)スズ、酸化トリブチルスズ、モリブデン・ジスルフィド、酸化アンチモン、重合チタン酸ブチル、フェニル−(ビスピリジン)−ビスマスクロライド、フッ化トリ−n−ブチルスズ、エチレンビスチオカルバミン酸マンガン、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチレンビスチオカルバミン酸亜鉛、2−ピリジンチオール1−オキサイドの亜鉛塩および銅塩、ビスジメチルジチオカルバモイル亜鉛エチレン−ビスチオカーバメート、酸化亜鉛、銅(I)エチレン−ビスジチオカーバメート、チオシアン酸銅、ナフテン酸銅およびハロゲン化トリブチルスズ類などの重金属の使用を回避できるか、あるいはそれら化合物の濃度を大幅に減らすことができる。
【0157】
適切であれば、即時使用用の防汚塗料はさらに、他の活性化合物、好ましくは殺藻剤、殺菌剤、除草剤、軟体動物駆除剤または他の防汚活性化合物を含むことができる。
【0158】
好ましくは、本発明による防汚組成物と組み合わせる好適な成分は、
2−tert−ブチルアミノ−4−シクロプロピルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン、ジクロロフェン、ジウロン、エンドタール、酢酸フェンチン、イソプロツロン、メタベンズチアズロン(methabenzthiazuron)、オキシフルオルフェン、キノクラミン(quinoclamine)およびテルブトリンなどの殺藻剤;
ベンゾ[b]チオフェンカルボン酸シクロヘキシルアミドS,S−ジオキサイド、ジクロフルアニド、フルオルフォルペット(fluorfolpet)、ブチルカルバミン酸3−ヨード−2−プロピニル、トリフルアニド(tolyfluanid)ならびにアザコナゾール、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、ヘキサコナゾール、メトコナゾール、プロピコナゾールおよびテブコナゾールなどのアゾール類などの殺菌剤;
酢酸フェンチン、メタアルデヒド、メチオカルブ、ニクロサミド、チオジカルブおよびトリメタカルブなどの軟体動物駆除剤;
あるいは、4,5−ジクロロ−2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ジヨードメチルパラトリルスルホン、2−(N,N−ジメチルチオカルバモイルチオ)−5−ニトロチアジル、2−ピリジンチオール1−オキサイドのカリウム塩、銅塩、ナトリウム塩および亜鉛塩、ピリジン−トリフェニルボラン、テトラブチルジスタノキサン、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)−ピリジン、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、テトラメチルチウラム・ジスルフィドおよび2,4,6−トリクロロフェニルマレイミドなどの通常の防汚活性化合物である。
【0159】
使用される防汚組成物は、0.001〜50重量%、特には0.01〜20重量%の濃度で、本発明による化合物の本発明による活性化合物を含む。
【0160】
さらに、本発明による防汚組成物は、例えば文献(Ungerer, Chem. Ind. 1985, 37, 730-732およびWilliams, Antifouling Marine Coatings, Noyes, Park Ridge, 1973)に記載のものなどの通常の成分を含む。
【0161】
殺藻活性、殺菌活性、軟体動物駆除活性化合物および本発明による殺虫活性化合物以外に、防汚塗料は特に結合剤を含む。
【0162】
認められている結合剤の例としては、溶媒系中のポリ塩化ビニル、溶媒系中の塩素化ゴム、溶媒系(詳細には水系)中のアクリル樹脂、水系分散液の形態もしくは有機溶媒系の形態での塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマー系、ブタジエン/スチレン/アクリロニトリルゴム、アマニ油などの乾性油、タールもしくはアスファルトと組み合わせた樹脂エステルもしくは変性硬化樹脂、アスファルトおよびエポキシ化合物、少量の塩素ゴム、塩素化ポリプロピレンおよびビニル樹脂がある。
【0163】
適切な場合、塗料はさらに、好ましくは塩水に不溶である無機顔料、有機顔料または着色剤を含む。塗料はさらに松ヤニなどの材料を含有させて、活性化合物の制御された放出を可能とすることができる。さらにその塗料は、可塑剤、レオロジー特性に影響を与える変性剤ならびに他の通常の構成成分を含むことができる。本発明による化合物または上記の混合物は、自己洗浄性防汚システムに組み込むこともできる。
【0164】
前記活性化合物はまた、例えば、住居、工場ホール、オフィス、車両室内などの密閉空間で認められる病害動物、詳細には昆虫、クモ類およびダニ類を防除するのに好適である。その化合物は、単独で、または家庭用殺虫製品中で他の活性化合物および補助剤と組み合わせて、それら病害生物を防除するために用いることができる。その化合物は、感受性および抵抗性の生物種に対して、また全ての発達段階に対して活性である。それらの病害生物には下記のものがある。
【0165】
サソリ目(Scorpionidea)から、例えばサハライエロースコーピオン(Buthus occitanus)。
【0166】
ダニ目から、例えばアルガス・ペルシクス(Argas persicus)、アルガス・レフレクス(Argas reflexus)、ブリオビア(Bryobia)種、デルマニッスス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、グリシファガス・ドメスティクス(Glyciphagus domesticus)、オルニトドルス・モウバット(Ornithodorus moubat)、リピセファルス・サンギネウス(Rhipicephalus sanguineus)、トロンビクラ・アルフレッヅゲシ(Trombicula alfreddugesi)、ニュートロンビクラ・オータムナリス(Neutrombicula autumnalis)、デルマトファゴイデス・プテロニッシムス(Dermatophagoides pteronissimus)、デルマトファゴイデス・フォリナエ(Dermatophagoides forinae)。
【0167】
クモ目から、例えばトリクイグモ(Aviculariidae)、真正クモ(Araneidae)。
【0168】
メクラグモ目から、例えばシュードスコルピオネス・シェリファー(Pseudoscorpiones chelifer)、シュードスコルピオネス・シェイリジウム(Pseudoscorpiones cheiridium)、オピリオネス・ファランギウム(Opiliones phalangium)。
【0169】
等脚目から、例えばオニスカス・アセルス(Oniscus asellus)、ポルセリオ・スカバー(Porcellio scabar)。
【0170】
倍脚目から、例えばブラニウルス・グットラタス(Blaniulus guttulatus)、オビヤスデ(Polydesmus)種。
【0171】
唇脚綱から、例えばツチムカデ(Geophilus)種。
【0172】
シミ亜目から、例えばヤマトシミ(Ctenolepisma)種、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)、レピスモデス・インクイリヌス(Lepismodes inquilinus)。
【0173】
ゴキブリ目から、例えばブラッタ・オリエンタリエス(Blatta orientalies)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、ブラッテラ・アサヒナイ(Blattella asahinai)、リューコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、パンクロラ(Panchlora)種、パルコブラッタ(Parcoblatta)種、ペリプラネタ・オーストララシアエ(Periplaneta australasiae)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、ペリプラネタ・ブルンネア(Periplaneta brunnea)、ペリプラネタ・フリギノサ(Periplaneta fuliginosa)、スペラ・ロンギパルパ(Supella longipalpa)。
【0174】
跳躍目(Saltatoria)から、例えばアキータ・ドメスチクス(Acheta domesticus)。
【0175】
ハサミムシ目から、例えばフォルフィキュラ・オーリクラリア(Forficula auricularia)。
【0176】
シロアリ目から、例えばカロテルメス(Kalotermes)種、ヤマトシロアリ(Reticulitermes)種。
【0177】
チャタテムシ目から、例えばレピナツス(Lepinatus)種、コナチャタテ(Liposcelis)種。
【0178】
甲虫目(Coleptera)から、例えばヒメマルカツオブシ(Anthrenus)種、アッタゲヌス(Attagenus)種、デルメステス(Dermestes)種、ラテチクス・オリザエ(Latheticus oryzae)、ネクロビア(Necrobia)種、プチヌス(Ptinus)種、リゾペルサ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、シトフィルス・グラナリウス(Sitophilus granarius)、シトフィルス・オリザエ(Sitophilus oryzae)、シトフィルス・ゼアマイス(Sitophilus zeamais)、ステゴビウム・パニセウム(Stegobium paniceum)。
【0179】
双翅目から、例えばエーデス・エジプチ(Aedes aegypti)、エーデス・アルボピクツス(Aedes albopictus)、エーデス・タエニオリンクス(Aedes taeniorhynchus)、ハマダラカ(Anopheles)種、オオクロバエ(Calliphora erythrocephala)、クリソゾナ・プルビアリス(Chrysozona pluvialis)、キュレックス・クインクエファスシアツス(Culex quinquefasciatus)、キュレックス・ピピエンス(Culex pipiens)、キュレックス・タルサリス(Culex tarsalis)、キイロショウジョウバエ(Drosophila)種、ヒメイエバエ(Fannia canicularis)、イエバエ(Musca domestica)、サシチョウバエ(Phlebotomus)種、サルコファガ・カルナリア(Sarcophaga carnaria)、ブユ(Simulium)種、ストモキシス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans)、ガガンボ(Tipula paludosa)。
【0180】
鱗翅目から、例えばアクロイア・グリセラ(Achroia girisella)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、プロディア・インタープンクテラ(Plodia interpunctella)、ティネア・クロアセラ(Tinea cloacella)、ティネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、ティネオラ・ビッセリエラ(Tineola bisselliella)。
【0181】
ノミ目から、例えばテノセファリデス・カニス(Ctenocephalides canis)、テノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)、ヒトノミ(Pulex irritans)、ツンガ・ペネトランス(Tunga penetrans)、ネズミノミ(Xenopsylla cheopis)。
【0182】
膜翅目から、例えばクロオオアリ(Camponotus herculeanus)、ラシウス・フリギノスス(Lasius fuliginosus)、ラシウス・ニガー(Lasius niger)、ラシウム・ウンブラツス(Lasius umbratus)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、パラベスプラ(Paravespula)種、テトラモリウム・カエスプチツム(Tetramorium caespitum)。
【0183】
シラミ目から、例えばペジクルス・ヒュマヌス・カピチス(Pediculus humanus capitis)、ペジクルス・ヒュマヌス・コルポリス(Pediculus humanus corporis)、ケジラミ(Phthirus pubis)。
【0184】
半翅目(Heteroptera)から、例えばシメックス・ヘミプテルス(Cimex hemipterus)、シメックス・レクツラリウス(Cimex lectularius)、ロジヌス・プロリクス(Rhodinus prolixus)、トリアトマ・インフェスタンス(Triatoma infestans)。
【0185】
家庭用殺虫剤の分野では、それらは単独で、あるいはリン酸エステル類、カーバメート類、ピレスロイド類、成長調節剤または他の公知の種類の殺虫剤からの活性化合物などの他の好適な活性化合物と組み合わせて使用される。
【0186】
それらの化合物は、エアロゾル、無圧噴霧製品(例:ポンプおよびアトマイザー噴霧剤)、自動霧化システム、噴霧器、泡剤、ゲル、セルロースもしくはポリマー製の蒸発板を有する蒸発器製品、液体蒸発器、ゲルおよび膜蒸発器、推進剤駆動蒸発器、無エネルギーもしくは受動蒸発システム、蛾取り紙、蛾取り袋および蛾取りゲル、播き餌中もしくは餌場での顆粒もしくは粉剤として用いられる。
【0187】
本発明による活性化合物は、落葉剤、乾枯剤、枯茎剤、特に殺雑草剤として用いることもできる。最も広い意味での雑草とは、望ましくない場所で成長する全ての植物を意味するものと理解される。本発明による物質が全除草剤として作用するか選択的除草剤として作用するかは、本質的に使用される量によって決まる。
【0188】
本発明による活性化合物は、例えば下記の植物との関連で用いることができる。
【0189】
双子葉属雑草:イチビ、ヒユ、ブタクサ、アノダ(Anoda)、アンセミス、アファネス(Aphanes)、ヤマホウレンソウ、ベリス(Bellis)、センダングサ、カプセラ(Capsella)、ヒレアザミ、カシア桂皮、セントーレア、アカザ、アザミ、サンシキヒルガオ、チョウセンアサガオ、デスモディウム(Desmodium)、エメックス(Emex)、エリシマム(Erysimum)、トウダイグサ、ガレオシス(Galeopsis)、ガリンソガ(Galinsoga)、ガリウム(Galium)、ハイビスカス、サツマイモ、コキア(Kochia)、ラミウム(Lamium)、レピジウム(Lepidium)、リンデルニア(Lindernia)、カミルレ、薄荷、メルクリアリス(Mercurialis)、ムルゴ(Mullugo)、ワスレナグサ、ケシ、ケンゴシ、シャゼンソウ、タデ、スベリヒユ、キンポウゲ、ラファヌス(Raphanus)、ロリッパ(Rorippa)、ロターラ(Rotala)、ギシギシ、サルソラ(Salsola)、サワギク、セスバニア(Sesbania)、キンゴジカ、シナピス(Sinapis)、ナス、ソンカス(Sonchus)、スフェノクレア(Sphenoclea)、ハコベ、タンポポ、スラスピ(Thlaspi)、シャジクソウ、イラクサ、クワガタソウ、スミレ、キサンチウム(Xanthium)。
【0190】
双子葉属作物:落花生、トウジサ、アブラナ、キュウリ、カボチャ、ヒマワリ、ダウクス(Daucus)、ダイズ、綿、サツマイモ、ラクツカ(Lactuca)、リナム、リンコパーシコン(Lycopersicon)、ハナタバコ、インゲンマメ、エンドウ、ナス、ソラマメ。
【0191】
単子葉属雑草:エギロプス、カモジグサ、ヌカボ、アロペクルス(Alopecurus)、アペラ(Apera)、カラスムギ、ブラキアリア(Brachiaria)、ブロムグラス、センクルス(Cenchrus)、ツユクサ、シノドン(Cynodon)、カヤツリグサ、ダクチロクテニウム(Dactyloctenium)、ジギタリア(Digitaria)、ヒエ、エレオカリス(Eleocharis)、オヒシバ、カゼクサ、エリオクロア(Eriochloa)、フェスキュ、フィンブリスチリス(Fimbristylis)、ヘテランテラ(Heteranthera)、インペラタ(Imperata)、イスケマム(Ischaemum)、レプトクロア(Leptochloa)、ライグラス、モノコリア(Monochoria)、パニクム、スズメノヒエ、ファラリス(Phalaris)、フレウム(Phleum)、イチゴツナギ、ロトボエリア(Rottboellia)、サギタリア(Sagittaria)、シルプス(Scirpus)、エノコログサ、モロコシ。
【0192】
単子葉属作物:ネギ、パイナップル、アスパラガス、カラスムギ、ホルデウム(Hordeum)、米、パニクム、サトウキビ、セカーレ(Secale)、モロコシ、ライ小麦、コムギ、トウモロコシ。
【0193】
しかしながら、本発明による活性化合物の使用は、これらの属に全く限定されるものではなく、他の植物にも同様に拡大されるものである。
【0194】
本発明による活性化合物は、濃度に応じて、例えば工業地帯および線路、ならびに植林が行われているかもしくは行われていない道および区域での全雑草の防除に適している。同様に本発明による活性化合物は、例えば森林、装飾用植林、果樹園、ブドウ園、かんきつ園、ナッツ園、バナナ農園、コーヒー農園、茶農園、ゴム農園、ギネアアブラヤシ農園、カカオ農園、ソフトフルーツ園およびホップ農場などの多年生作物での、芝生、芝地および牧草地での雑草防除に、そして一年生作物での雑草の選択的防除に用いることができる。
【0195】
本発明による式(I)の化合物は、土壌および植物の地上部分で使用した場合に、強い除草活性および広い活性スペクトルを有する。その化合物はある程度、発芽前処理および発芽後処理の両方法で、単子葉作物および双子葉作物での単子葉および双子葉雑草の選択的防除にも好適である。
【0196】
ある一定の濃度または施用量で、本発明による活性化合物は、有害動物ならびに真菌性もしくは細菌性の植物疾病の防除にも使用可能である。適切であればその化合物は、他の活性化合物の合成における中間体または前駆体として用いることもできる。
【0197】
前記活性化合物は、液剤、乳濁液、水和剤、懸濁液、粉剤、ダスト、ペースト、可溶性粉剤、粒剤、懸濁液−乳濁液濃縮物、活性化合物を含浸した天然および合成材料、ならびにポリマー材料中のマイクロカプセルなどの通常の製剤に変換することができる。
【0198】
それらの製剤は、公知の方法で、例えば活性化合物を増量剤、すなわち液体溶媒および/または固体担体と、適宜に界面活性剤、すなわち乳化剤および/または分散剤および/または発泡剤と混合することで製造される。
【0199】
使用される増量剤が水である場合、補助溶媒として例えば有機溶媒を用いることもできる。本質的に好適な液体溶媒には、キシレン、トルエンもしくはアルキルナフタレン類などの芳香族;あるいはクロロベンゼン類、クロロエチレン類または塩化メチレンなどの塩素化芳香族および塩素化脂肪族炭化水素;シクロヘキサンまたはパラフィン類(例:鉱油留分)などの脂肪族炭化水素;鉱油および植物油;ブタノールまたはグリコールなどのアルコール類ならびにそれらのエーテルおよびエステル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンまたはシクロヘキサノンなどのケトン;ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシドなどの強極性の溶媒、あるいは水である。
【0200】
好適な固体担体は、例えばアンモニウム塩類およびカオリン類、クレー類、タルク、チョーク、石英、アタパルガイト、モンモリロナイトまたは珪藻土などの粉砕天然無機物、ならびに微粉砕シリカ、アルミナおよびケイ酸塩類などの粉砕合成無機物である。粒剤用の好適な固体担体は、例えば方解石、大理石、軽石、海泡石および苦灰岩などの破砕および分別天然岩石、ならびに無機および有機粗粉(meals)の合成顆粒、ならびにおが屑、ココナッツ殻、トウモロコシ穂軸およびタバコ茎などの有機材料の顆粒である。好適な乳化剤および/または発泡剤は、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル類(例:アルキルアリールポリグリコールエーテル類)、アルキルスルホネート類、硫酸アルキル類、アリールスルホネート類あるいは蛋白加水分解産物などのノニオン系およびアニオン系乳化剤である。好適な分散剤は、例えばリグニン−サルファイト廃液およびメチルセルロースである。
【0201】
カルボキシメチルセルロースならびにアラビアガム、ポリビニルアルコールおよびポリ酢酸ビニルなどの粉末、顆粒またはラテックス類の形での天然および合成ポリマー、あるいはセファリン類およびレシチン類などの天然リン脂質および合成リン脂質などの粘着付与剤を製剤に用いることができる。他の可能な添加剤には、鉱油および植物油がある。
【0202】
例えば酸化鉄、酸化チタンおよびプルシアンブルーなどの無機顔料、およびアリザリン着色剤、アゾ着色剤および金属フタロシアニン着色剤などの有機着色剤のような着色剤、および鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデンおよび亜鉛の塩などの微量栄養素を用いることが可能である。
【0203】
製剤は通常、0.1〜95重量%、好ましくは0.5〜90%の活性化合物を含む。
【0204】
雑草の防除には、本発明による活性化合物のそれ自体または製剤の形のものを、公知の除草剤および/または作物植物との適合性を改善する物質(「毒性緩和剤」)との混合物として用いることもでき、最終製剤またはタンク混合物が可能である。1以上の公知の除草剤および毒性緩和剤を含む殺草剤との混合物も可能である。
【0205】
その混合物に可能な成分には、公知の除草剤、例えば、
アセトクロル、アシフルオルフェン(−ナトリウム)、アクロニフェン(aclonifen)、アラクロル、アロキシジム(−ナトリウム)、アメトリン、アミカルバゾン(amicarbazone)、アミドクロル(amidochlor)、アミドスルフロン(amidosulfuron)、アニロフォス(anilofos)、アシュラム、アトラジン、アザフェニジン(azafenidin)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、ベフルブタミド(beflubutamid)、ベナゾリン(benazolin)(−エチル)、ベンフレセート(benfuresate)、ベンスルフロン(bensulfuron)(−メチル)、ベンタゾン、ベンズフェンジゾン(benzfendizone)、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ベンゾフェナプ(benzofenap)、ベンゾイルプロップ(−エチル)、ビアラホス、ビフェノックス、ビスピリバク(bispyribac)(−ナトリウム)、ブロモブチド、ブロモフェノキシム(bromofenoxim)、ブロモキシニル、ブタクロール、ブタフェナシル(butafenacil)(−アリル)、ブトロキシジム(butroxydim)、ブチレート、カフェンストロール(cafenstrole)、カロキシジム(caloxydim)、カルベタミド(carbetamide)、カルフェントラゾン(carfentrazone)(−エチル)、クロメトキシフェン(chlomethoxyfen)、クロランベン、クロリダゾン、クロリムロン(chlorimuron)(−エチル)、クロルニトロフェン(chlornitrofen)、クロルスルフロン、クロルトルロン、シニドン(cinidon)(−エチル)、シンメチリン(cinmethylin)、シノスルフロン(cinosulfuron)、クレフォキシジム(clefoxydim)、クレトジム(clethodim)、クロジナフォプ(clodinafop)(−プロパルギル)、クロマゾン(clomazone)、クロメプロプ(clomeprop)、クロピラリド(clopyralid)、クロピラスルフロン(clopyrasulfuron)(−メチル)、クロランスラム(cloransulam)(−メチル)、クミルロン(cumyluron)、シアナジン、シブトリン(cybutryne)、シクロエート、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、シクロキシジム(cycloxydim)、シハロフォプ(cyhalofop)(−ブチル)、2,4−D、2,4−DB、デスメジファム(desmedipham)、ジアレート(diallate)、ジカンバ、ジクロルプロップ(−P)、ジクロホップ(−メチル)、ジクロスラム(diclosulam)、ジエタチル(diethatyl)(−エチル)、ジフェンゾクワット、ジフルフェニカン(diflufenican)、ジフルフェンゾピル(diflufenzopyr)、ジメフロン(dimefuron)、ジメピペレート(dimepiperate)、ジメタクロル(dimethachlor)、ジメタメトリン、ジメテナミド(dimethenamid)、ジメキシフラム(dimexyflam)、ジニトラミン、ジフェナミド、ジクワット、ジチオピル(dithiopyr)、ジウロン、ダイムロン、エプロポダン(epropodan)、EPTC、エスプロカルブ(esprocarb)、エタルフルラリン(ethalfluralin)、エタメトスルフロン(ethametsulfuron)(−メチル)、エトフメセート(ethofumesate)、エトキシフェン(ethoxyfen)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、エトベンザニド(etobenzanid)、フェノキサプロプ(fenoxaprop)(−P−エチル)、フェントラザミド(fentrazamide)、フラムプロプ(flamprop)(−イソプロピル、−イソプロピル−L、−メチル)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、フロラスラム(florasulam)、フルアジホップ(−P−ブチル)、フルアゾレート(fluazolate)、フルカルバゾン(flucarbazone)(−ナトリウム)、フルフェナセト(flufenacet)、フルメツラム(flumetsulam)、フルミクロラク(flumiclorac)(−ペンチル)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルミプロピン(flumipropyn)、フルメツラム(flumetsulam)、フルオメツロン、フルオロクロリドン(fluorochloridone)、フルオログリコフェン(fluoroglycofen)(−エチル)、フルポキサム(flupoxam)、フルプロパシル(flupropacil)、フルルピルスルフロン(flurpyrsulfuron)(−メチル、−ナトリウム)、フルレノール(flurenol)(−ブチル)、フルリドン、フルロキシピル(fluroxypyr)(−ブトキシプロピル、−メプチル(meptyl))、フルルプリミドール(flurprimidol)、フルルタモン(flurtamone)、フルチアセト(fluthiacet)(−メチル)、フルチアミド(fluthiamide)、フォメサフェン(fomesafen)、フォラムスルフロン(foramsulfuron)、グルフォシネート(−アンモニウム)、グリホセート(−イソプロピルアンモニウム)、ハロサフェン(halosafen)、ハロキシホップ(−エトキシエチル、−P−メチル)、ヘキサジノン、イマザメタベンズ(imazamethabenz)(−メチル)、イマザメタピル(imazamethapyr)、イマザモクス(imazamox)、イマザピク(imazapic)、イマザピル(imazapyr)、イマザクイン(imazaquin)、イマゼタピル(imazethapyr)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、ヨードスルフロン(iodosulfuron)(−メチル、−ナトリウム)、イオキシニル、イソプロパリン、イソプロチュロン、イソウロン、イソキサベン(isoxaben)、イソキサクロルトール(isoxachlortole)、イソキサフルトール(isoxaflutole)、イソキサピリホプ(isoxapyrifop)、ラクトフェン(lactofen)、レナシル、リニュロン、MCPA、メコプロップ、メフェナセト(mefenacet)、メソトリオン(mesotrione)、メタミトロン(metamitron)、メタザクロル(metazachlor)、メタベンズチアズロン(methabenzthiazuron)、メトベンズロン(metobenzuron)、メトブロムロン(metobromuron)、(α−)メトラクロル、メトスラム(metosulam)、メトクスロン(metoxuron)、メトリブジン、メトスルフロン(metsulfuron)(−メチル)、モリネート、モノリニュロン、ナプロアニリド、ナプロパミド、ネブロン(neburon)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、ノルフルラゾン、オルベンカルブ(orbencarb)、オリザリン、オキサジアルギル(oxadiargyl)、オキサジアゾン、オキサスルフロン(oxasulfuron)、オキサジクロメフォン(oxaziclomefone)、オキシフルオルフェン、パラコート、ペラルゴン酸、ペンジメタリン、ペンドラリン(pendralin)、ペントキサゾン(pentoxazone)、フェンメジファム、ピコリナフェン(picolinafen)、ピペロホス(piperophos)、プレチラクロル(pretilachlor)、プリミスルフロン(primisulfuron)(−メチル)、プロフルアゾール(profluazol)、プロメトリン、プロパクロル、プロパニル、プロパキザホプ(propaquizafop)、プロピソクロル(propisochlor)、プロポキシカルバゾン(propoxycarbazone)(−ナトリウム)、プロピザミド、プロスルフォカルブ(prosulfocarb)、プロスルフロン(prosulfuron)、ピラフルフェン(pyraflufen)(−エチル)、ピラゾギル(pyrazogyl)、ピラゾラート、ピラゾスルフロン(pyrazosulfuron)(−エチル)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、ピリデート(pyridate)、ピリダトール(pyridatol)、ピリフタリド(pyriftalid)、ピリミノバク(pyriminobac)(−メチル)、ピリチオバク(pyrithiobac)(−ナトリウム)、キンクロラク(quinchlorac)、キンメラク(quinmerac)、キノクラミン(quinoclamine)、キザロホプ(quizalofop)(−P−エチル、−P−テフリル(tefuryl))、リムスルフロン(rimsulfuron)、セトキシジム、シマジン、シメトリン、スルコトリオン(sulcotrione)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、スルフォメツロン(sulfometuron)(−メチル)、スルフォセート(sulfosate)、スルフォスルフロン(sulfosulfuron)、テブタム(tebutam)、テブチウロン、テプラロキシジム(tepraloxydim)、テルブチラジン(terbuthylazine)、テルブトリン、テニルクロル(thenylchlor)、チアフルアミド(thiafluamide)、チアゾピル(thiazopyr)、チジアジミン(thidiazimin)、チフェンスルフロン(thifensulfuron)(−メチル)、チオベンカルブ、チオカルバジル(tiocarbazil)、トラルコキシジム(tralkoxydim)、トリアレート、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリベヌロン(tribenuron)(−メチル)、トリクロピル、トリジファン、トリフルラリン、トリフロキシスルフロン(trifloxysulfuron)、トリフルスルフロン(triflusulfuron)(−メチル)、トリトスルフロン(tritosulfuron)などがある。
【0206】
さらに混合物に適当なものには、例えばAD−67、BAS−145138、ベノキサコル(benoxacor)、クロキントセト(cloquintocet)(−メキシル(mexyl))、シオメトリニル(cyometrinil)、2,4−D、DKA−24、ジクロルミド(dichlormid)、ダイムロン、フェンクロリム(fenclorim)、フェンクロラゾール(fenchlorazol)(−エチル)、フルラゾール(flurazole)、フルキソフェニム(fluxofenim)、フリラゾール(furilazole)、イソキサジフェン(isoxadifen)(−エチル)、MCPA、メコプロップ(−P)、メフェンピル(mefenpyr)(−ジエチル)、MG−191、オキサベトリニル(oxabetrinil)、PPG−1292、R−29148などの公知の毒性緩和剤がある。
【0207】
殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、鳥忌避剤、植物養分および土壌構造改善剤などの他の公知の活性化合物との混合物も可能である。
【0208】
活性化合物は、それ自体で用いることができるか、それの製剤の形態で用いることができるか、あるいはそれらのさらなる希釈によって調製される即時使用用の液剤、懸濁液、乳濁液、粉剤、ペーストおよび粒剤などの使用形態で用いることができる。それらは、例えば散水、噴霧、霧化または全面散布などの通常の方法で用いられる。
【0209】
本発明による活性化合物は、植物発芽の前および後の両方で施用することができる。それら化合物は、播種前に土壌中に組み込むこともできる。
【0210】
使用される活性化合物の量は、比較的広い範囲内で変動し得る。それは本質的に、所望の効果の性質によって決まる。通常、使用される量は土壌表面1ヘクタール当たり活性化合物が1g〜10kg、好ましくは5g〜5kg/haである。
【0211】
本発明による物質は、強力な殺微生物活性を有し、作物保護および材料保護において、真菌および細菌などの望ましくない微生物を防除するのに用いることができる。
【0212】
殺菌剤は、作物保護において、ネコブカビ類、卵菌類、ツボカビ類、接合菌類、子嚢菌類、担子菌類および不完全菌類の防除に用いることができる。
【0213】
殺細菌剤は、作物保護において、シュードモナス科、リゾビウム科、腸内細菌科、コリネバクテリウム科およびストレプトミセス科の防除に用いることができる。
【0214】
上記一般名下に分類される真菌性疾患および細菌性疾患を引き起こす病原体の例を挙げるが、これらに限定するものではない。
【0215】
例えばイネ白葉枯病菌などのザントモナス属;
例えば斑点細菌病菌(Pseudomonas syringae pv. lachrymans)などのシュードモナス属;
例えば火傷病菌(Erwinia amylovora)などのエルウイニア属;
例えばピシウム・ウルチマム(Pythium ultimum)などのフハイカビ属(Pythium species);
例えばジャガイモ疫病菌(Phytophthora infestans)などのフィトフトラ属;
例えばシュードペロノスポラ・フムリ(Pseudoperonospora humuli)またはシュードペロノスポラ・キュベンシス(Pseudoperonospora cubensis)などのニセツユカビ属;
例えばプラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)などのタンジクツユカビ属;
例えばレタスべと病菌(Bremia lactucae)などのブレミア(Bremia)属;
例えばペロノスポラ・ピシ(Peronospora pisi)または十字科蔬菜露菌(Peronospora brassicae)などの疫病菌(Peronospora)属;
例えばうどんこ病菌(Erysiphe graminis)などのエリシフェ(Erysiphe)属;
例えばキュウリうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea)などのスフェロテカ(Sphaerotheca)属;
例えばポドスフェラ・ロイコトリカ(Podosphaera leucotricha)などのポドスフェラ(Podosphaera)属;
例えば黒星病菌(Venturia inaequalis)などのベンチュリア(Venturia)属;
例えば網斑病菌(Pyrenophora teres)または斑葉病菌(Pyrenophora graminea)などのピレノフォラ(Pyrenophora)属(分生子型:ドレクスレラ(Drechslera)、同義語:ヘルミントスポリウム類);
例えばイネ科斑点病菌(Cochliobolus sativus)などのコクリオボラス(Cochliobolus)属(分生子型:ドレクスレラ(Drechslera)、同義語:ヘルミントスポリウム類);
例えばウロミケス・アペンディクラツス(Uromyces appendiculatus)などのウロミケス(Uromyces)属;
【0216】
例えばコムギ赤さび病菌(Puccinia recondita)などのさび菌(Puccinia)属;
例えば菌核病菌(Sclerotinia sclerotiorum)などのスクレロチニア(Sclerotinia)属;
例えばコムギなまぐさ黒穂病(Tilletia caries)などのチレチア(Tilletia)属;
例えば裸黒穂病菌(Ustilago nuda)またはウスチラゴ・アベナエ(Ustilago avenae)などの黒穂菌(Ustilago)属;
例えばペリクラリア・ササキイ(Pellicularia sasakii)などのペリクラリア(Pellicularia)属;
例えばイネいもち病菌などのピリクラリア(Pyricularia)属;
例えばフザリウム・クルモラム(Fusarium culmorum)などのフザリウム属;
例えば灰色かび病菌(Botrytis cinerea)などのボトリティス属;
例えばセプトリア・ノドラム(Septoria nodorum)などのセプトリア(Septoria)属;
例えばレプトスファエリア・ノドラム(Leptosphaeria nodorum)などのレプトスフェリア属;
例えばセルコスポラ・カネセンス(Cercospora canescens)などのセルコスポラ属;
例えば黒斑病菌(Alternaria brassicae)などのアルタナリア属;ならびに
例えばコムギ眼紋病菌(Pseudocercosporella herpotrichoides)などのシュードセルコスポレラ(Pseudocercosporella)属。
【0217】
本発明による活性化合物は、植物において非常に良好な強化作用も有する。従ってそれら化合物は、望ましくない微生物による攻撃に対する植物の防御機能を動員するのに用いることができる。
【0218】
本発明の文脈において、植物強化(抵抗性誘発)物質とは、植物の防衛系を刺激して、処理された植物が後に望ましくない微生物の接種(伝染)を受けた場合、その微生物に対してかなりの抵抗性を示すようにすることができる物質を意味するものと理解すべきである。
【0219】
この場合、望ましくない微生物とは、植物病原性の真菌、細菌およびウィルスを意味するものと理解すべきである。従って本発明による物質を用いて、処置後のある一定期間にわたり、上記病原体による攻撃に対して植物を保護することができる。保護が提供される期間は通常、活性化合物で植物を処理してから、1〜10日、好ましくは1〜7日間である。
【0220】
植物疾患を防除する上で必要な濃度で活性化合物が植物によって良好に耐容されることにより、植物の地上部分、成長茎および種子、ならびに土壌の処理が可能となる。
【0221】
本発明による活性化合物は、作物の収量を増加させる上でも好適である。さらにその化合物は低い毒性を示し、植物によって良好に耐容される。
【0222】
ある一定の濃度および施用量で、本発明による活性化合物は、除草剤として、植物成長に影響を与えるために、および有害動物を防除するために、用いることもできる。適切であれば、それらは別の活性化合物の合成の中間体および前駆体として用いることもできる。
【0223】
材料保護では、本発明の化合物を、望ましくない微生物による感染および破壊に対して工業材料を保護するのに用いることができる。
【0224】
本発明の文脈での工業材料とは、工業的な使用のために準備された非生命材料を意味するものと理解される。例えば、本発明による化合物によって微生物による変化または破壊から保護されるべき工業材料には、接着剤、サイズ、紙および板紙、織物、皮革、木材、塗料およびプラスチック品、冷却潤滑剤ならびに微生物によって感染または破壊され得る他の材料などがあり得る。微生物増殖によって障害を受け得る製造プラントの一部、例えば冷却水回路も、保護されるべき材料の範囲に含まれると言うことができる。本発明の範囲内で言及し得る工業材料は、好ましくは、接着剤、サイズ、紙および板紙、皮革、木材、塗料、冷却潤滑剤および熱媒液、特に好ましくは木材である。
【0225】
工業材料を分解または変化させ得るものとして言及することができる微生物は例えば、細菌、真菌、酵母、藻類および粘液微生物である。本発明による化合物は好ましくは、真菌、特にカビ類、木材変色性真菌および木材破壊性真菌(担子菌類)に対して、さらには粘液微生物および藻類に対して作用する。
【0226】
例として、下記の属の微生物を挙げることができる。
【0227】
アルテルナリア・テヌース(Alternaria tenuis)などのアルテルナリア;
黒色こうじ菌(Aspergillus niger)などのアスペルギルス;
軟腐朽菌(Chaetomium globosum)などのケトミウム(Chaetomium);
褐色腐朽菌(Coniophora puteana)などのコニオフォラ(Coniophora);
レンチヌス・チグリヌス(Lentinus tigrinus)などのレンチヌス(Lentinus);
ペニシリウム・グラウカム(Penicillium glaucum)などのペニシリウム;
ポリポラス・ベルシコラー(Polyporus versicolor)などのタマチョレイ(Polyporus);
オーレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)などのオーレオバシジウム(Aureobasidium);
スクレロフォーマ・ピティオフィラ(Sclerophoma pityophila)などのスクレロフォーマ(Sclerophoma);
トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)などのトリコデルマ;
大腸菌などの大腸菌類;
緑膿菌などのシュードモナス;ならびに
黄色ブドウ球菌などのブドウ状球菌。
【0228】
特定の物理的および/または化学的特性に応じて、前記活性化合物は、液剤、乳濁液、懸濁液、粉剤、泡剤、ペースト、粒剤、エアロゾルおよびポリマー物質中および種子用のコーティング組成物中でのマイクロカプセル、ならびにULV冷および温霧化製剤などの通常の製剤に変換することができる。
【0229】
それらの製剤は、公知の方法で、例えば活性化合物を増量剤、すなわち液体溶媒、加圧液化ガスおよび/または固体担体と、適宜に界面活性剤、すなわち乳化剤および/または分散剤および/または発泡剤と混合することで製造される。使用される増量剤が水である場合、補助溶媒として例えば有機溶媒を用いることもできる。本質的に、好適な液体溶媒はキシレン、トルエンもしくはアルキルナフタレン類などの芳香族;クロロベンゼン類、クロロエチレン類または塩化メチレンなどの塩素化芳香族および塩素化脂肪族炭化水素;シクロヘキサンまたはパラフィン類(例:石油留分)などの脂肪族炭化水素;ブタノールまたはグリコールなどのアルコール類ならびにそれらのエーテルおよびエステル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンまたはシクロヘキサノンなどのケトン;ジメチルホルムアミドおよび,ジメチルスルホキシドなどの強極性の溶媒、あるいは水である。液化ガス増量剤または担体とは、標準的な温度および大気圧下では気体である液体を意味するものと理解すべきであり、それには例えばハロゲン化炭化水素などのエアロゾル推進剤あるいはブタン、プロパン、窒素および二酸化炭素などがある。好適な固体担体としては例えば、カオリン類、クレー類、タルク、チョーク、石英、アタパルガイト、モンモリロナイトまたは珪藻土などの粉砕天然無機物、ならびに微粉砕シリカ、アルミナおよびケイ酸塩類などの粉砕合成無機物がある。粒剤用の好適な固体担体としては、例えば方解石、大理石、軽石、海泡石および苦灰岩などの破砕および分別された天然岩石、あるいは無機および有機粗粉の合成顆粒、ならびにおが屑、ココナッツ殻、トウモロコシ穂軸およびタバコ茎などの有機材料の顆粒がある。好適な乳化剤および/または発泡剤としては、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル類(例:アルキルアリールポリグリコールエーテル類)、アルキルスルホネート類、硫酸アルキル類、アリールスルホネート類などのノニオン系およびアニオン系乳化剤、あるいは蛋白質加水分解産物がある。好適な分散剤としては、例えばリグノサルファイト廃液およびメチルセルロースがある。
【0230】
カルボキシメチルセルロースならびにアラビアガム、ポリビニルアルコールおよびポリ酢酸ビニルなどの粉末、顆粒またはラテックス類の形での天然および合成ポリマー、あるいはセファリン類およびレシチン類などの天然リン脂質および合成リン脂質などの粘着付与剤を製剤に用いることができる。他の可能な添加剤には、鉱油および植物油がある。
【0231】
例えば酸化鉄、酸化チタンおよびプルシアンブルーなどの無機顔料、およびアリザリン染料、アゾ染料および金属フタロシアニン染料などの有機染料のような着色剤、および鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデンおよび亜鉛の塩などの微量栄養素を用いることが可能である。
【0232】
製剤は通常、0.1〜95重量%、好ましくは0.5〜90%の活性化合物を含む。
【0233】
本発明による活性化合物はそのままであるいは製剤で用いることができ、そして例えば活性スペクトルを広げたりあるいは抵抗性の発達を防止したりするために、公知の殺菌剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤または殺虫剤との混合物で用いることができる。多くの場合、相乗効果が得られる。すなわち、混合物の活性が個々の成分の活性より高くなる。
【0234】
好適な混合成分の例には、以下のものがある。
【0235】
殺菌剤
アルジモルフ(aldimorph)、アンプロピルホス(ampropylfos)、アンプロピルホス−カリウム、アンドプリム(andoprim)、アニラジン、アザコナゾール(azaconazole)、アゾキシストロビン(azoxystrobin)、
ベナラキシル(benalaxyl)、ベノダニル(benodanil)、ベノミル、ベンザマクリル(benzamacril)、ベンザマクリル−イソブチル、ビアラホス、ビナパクリル、ビフェニル、ビテルタノール(bitertanol)、ブラストサイジンS、ブロムコナゾール(bromuconazole)、ブピリメート(bupirimate)、ブチオベート(buthiobate)、
カルシウムポリサルファイド、カプシマイシン(capsimycin)、キャプタホル、キャプタン、カルベンダジム、カルボキシン、カルボン(carvon)、キノメチオネート、クロベンチアゾン、クロルフェナゾール(chlorfenazole)、クロロネブ、クロロピクリン、クロロタロニル、クロゾリネート(chlozolinate)、クロジラコン(clozylacon)、クフラネブ(cufraneb)、シモキサニル(cymoxanil)、シプロコナゾール(cyproconazole)、シプロジニル(cyprodinil)、シプロフラム(cyprofuram)、
デバカルブ(debacarb)、ジクロロフェン、ジクロブトラゾール(diclobutrazole)、ジクロフルアニド(diclofluanid)、ジクロメジン(diclomezine)、ジクロラン、ジエトフェンカルブ(diethofencarb)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、ジメチリモール、ジメトモルフ(dimethomorph)、ジニコナゾール(diniconazole)、ジニコナゾール−M、ジノカップ、ジフェニルアミン、ジピリチオン(dipyrithione)、ジタリムフォス(ditalimfos)、ジチアノン、ドデモルフ(dodemorph)、ドジン(dodine)、ドラゾキソロン(drazoxolon)、
エジフェンホス、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、エタコナゾール(etaconazole)、エチリモール(ethirimol)、エトリジアゾール、
【0236】
ファモキサドン(famoxadon)、フェナパニル(fenapanil)、フェナリモル、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、フェンフラム(fenfuram)、フェニトロパン(fenitropan)、フェンピクロニル(fenpiclonil)、フェンプロピジン(fenpropidin)、フェンプロピモルフ、酢酸フェンチン、水酸化フェンチン、ファーバム、フェリムゾン(ferimzone)、フルアジナム(fluazinam)、フルメトバー(flumetover)、フルオロミド(fluoromide)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、フルルプリミドール(flurprimidol)、フルシラゾール(flusilazole)、フルスルファミド(flusulphamide)、フルトラニル、フルトリアフォル(flutriafol)、ホルペット、フォセチル(fosetyl)-アルミニウム、フォセチル−ナトリウム、フサライド、フベリダゾール(fuberidazole)、フララキシル(furalaxyl)、フラメトピル(furametpyr)、フルカルボニル(furcarbonil)、フルコナゾール(furconazole)、フルコナゾール−シス、フルメシクロクス(furmecyclox)、
グアザチン、
ヘキサクロロベンゼン、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、ヒメキサゾール(hymexazole)、
イマザリル、イミベンコナゾール(imibenconazole)、イミノオクタジン(iminoctadine)、イミノオクタジン・アルベシレート(albesilate)、三酢酸イミノオクタジン、ヨードカルブ(iodocarb)、イプコナゾール(ipconazole)、イプロベンフォス(iprobenfos)(IBP)、イプロジオン、イルママイシン、イソプロチオラン、イソバレジオン(isovaledione)、
カスガマイシン、クレソキシム(kresoxim)−メチル、水酸化銅、ナフテン酸銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、酸化銅、オキシン銅およびボルドー液などの銅調合品、
マンカッパー(mancopper)、マンコゼブ、マンネブ、メフェリムゾン(meferimzone)、メパニピリム(mepanipyrim)、メプロニル、メタラキシル、メトコナゾール(metconazole)、メタスルフォカルブ(methasulfocarb)、メトフロキサム、メチラム(metiram)、メトメクラム(metomeclam)、メトスルフォバックス(metsulfovax)、ミルジオマイシン、ミクロブタニル(myclobutanil)、ミクロゾリン(myclozolin)、
ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、ニトロタル(nitrothal)−イソプロピル、ヌアリモル、
【0237】
オフレース(ofurace)、オキサジキシル(oxadixyl)、オキサモカルブ(oxamocarb)、オキソリン酸、オキシカルボキシム(oxycarboxim)、オキシフェンチイン(oxyfenthiin)、
パクロブトラゾール(paclobutrazole)、ペフラゾエート(pefurazoate)、ペンコナゾール(penconazole)、ペンシクロン(pencycuron)、ホスジフェン(phosdiphen)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、ピマリシン、ピペラリン(piperalin)、ポリオキシン、ポリオキソリム(polyoxorim)、プロベナゾール、プロプロラズ(prochloraz)、プロシミドン、プロパモカルブ(propamocarb)、プロパノシン(propanosine)−ナトリウム、プロピコナゾール(propiconazole)、プロピネブ、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、ピラゾホス(pyrazophos)、ピリフェノックス(pyrifenox)、ピリメタニル(pyrimethanil)、ピロキロン(pyroquilon)、ピロキシフル(pyroxyfur)、
キノコナゾール(quinconazole)、キントゼン(PCNB)、
硫黄および硫黄調合品、
テブコナゾール(tebuconazole)、テクロフタラム(tecloftalam)、テクナゼン、テトシクラシス(tetcyclasis)、テトラコナゾール(tetraconazole)、サイアベンダゾール、チシオフェン(thicyofen)、チフルザミド(thifluzamide)、チオファネートメチル、チラム、チオキシミド(tioxymid)、トルクロホス(tolclofos)−メチル、トリルフルアニド(tolylfluanid)、トリアジメホン、トリアジメノール(triadimenol)、トリアズブチル(triazbutil)、トリアゾキシド(triazoxide)、トリクラミド(trichlamide)、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、トリフルミゾール(triflumizole)、トリホリン、トリチコナゾール(triticonazole)、
ユニコナゾール(uniconazole)、
バリダマイシンA、ビンクロゾリン、ビニコナゾール(viniconazole)、
ザリラミド(zarilamide)、ジネブ、ジラム、さらには
ダガー(Dagger)G、
OK−8705、
OK−8801、
【0238】
α−(1,1−ジメチルエチル)−β−(2−フェノキシエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、
α−(2,4−ジクロロフェニル)−β−フルオロ−β−プロピル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、
α−(2,4−ジクロロフェニル)−α−メトキシ−α−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、
α−(5−メチル−1,3−ジオキサン−5−イル)−β−[[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]−メチレン]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、
(5RS,6RS)−6−ヒドロキシ−2,2,7,7−テトラメチル−5−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−3−オクタノン、
(E)−α−(メトキシイミノ)−N−メチル−2−フェノキシ−フェニルアセトアミド、
イソプロピル{2−メチル−1−[[[1−(4−メチルフェニル)−エチル]−アミノ]−カルボニル]−プロピル}−カーバメート、
1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−エタノン−O−(フェニルメチル)−オキシム、
1−(2−メチル−1−ナフタレニル)−1H−ピロール−2,5−ジオン、
1−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(2−プロペニル)−2,5−ピロリジンジオン、
1−[(ジヨードメチル)−スルホニル]−4−メチル−ベンゼン、
1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]−メチル]−1H−イミダゾール、
1−[[2−(4−クロロフェニル)−3−フェニルオキシラニル]−メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール、
1−[1−[2−[(2,4−ジクロロフェニル)−メトキシ]−フェニル]−エテニル]−1H−イミダゾール、
1−メチル−5−ノニル−2−(フェニルメチル)−3−ピロリジノール、
【0239】
2′,6′−ジブロモ−2−メチル−4′−トリフルオロメトキシ−4′−トリフルオロ−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシアニリド、
2,2−ジクロロ−N−[1−(4−クロロフェニル)−エチル]−1−エチル−3−メチル−シクロプロパンカルボキサミド、
2,6−ジクロロ−5−(メチルチオ)−4−ピリミジニル−チオシアネート、
2,6−ジクロロ−N−(4−トリフルオロメチルベンジル)−ベンズアミド、
2,6−ジクロロ−N−[[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]−メチル]−ベンズアミド、
2−(2,3,3−トリヨード−2−プロペニル)−2H−テトラゾール、
2−[(1−メチルエチル)−スルホニル]−5−(トリクロロメチル)−1,3,4−チアジアゾール、
2−[[6−デオキシ−4−O−(4−O−メチル−β−D−グリコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル]−アミノ]−4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボニトリル、
2−アミノブタン、
2−ブロモ−2−(ブロモメチル)−ペンタンジニトリル、
2−クロロ−N−(2,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチル−1H−インデン−4−イル)−3−ピリジンカルボキサミド、
2−クロロ−N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(イソチオシアナトメチル)−アセトアミド、
2−フェニルフェノール(OPP)、
3,4−ジクロロ−1−[4−(ジフルオロメトキシ)−フェニル]−1H−ピロール−2,5−ジオン、
3,5−ジクロロ−N−[シアノ[(1−メチル−2−プロピニル)−オキシ]−メチル]−ベンズアミド、
3−(1,1−ジメチルプロピル−1−オキソ−1H−インデン−2−カルボニトリル、
3−[2−(4−クロロフェニル)−5−エトキシ−3−イソオキサゾリジニル]−ピリジン、
【0240】
4−クロロ−2−シアノ−N,N−ジメチル−5−(4−メチルフェニル)−1H−イミダゾール−1−スルホンアミド、
4−メチル−テトラゾロ[1,5−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
8−(1,1−ジメチルエチル)−N−エチル−N−プロピル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−メタンアミン、
硫酸8−ヒドロキシキノリン、
9H−キサンテン−2−[(フェニルアミノ)−カルボニル]−9−カルボン酸ヒドラジド、
ビス−(1−メチルエチル)−3−メチル−4−[(3−メチルベンゾイル)−オキシ]−2,5−チオフェンジカルボキシレート、
シス−1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−シクロヘプタノール、
シス−4−[3−[4−(1,1−ジメチルプロピル)−フェニル−2−メチルプロピル]−2,6−ジメチル−モルホリン塩酸塩、
[(4−クロロフェニル)−アゾ]−シアノ酢酸エチル、
炭酸水素カリウム、
メタンテトラチオール−ナトリウム塩、
1−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−1H−インデン−1−イル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル、
N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(5−イソオキサゾリルカルボニル)−DL−アラニン酸メチル、
N−(クロロアセチル)−N−(2,6−ジメチルフェニル)−DL−アラニン酸メチル、
N−(2,3−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−シクロヘキサンカルボキサミド、
N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−メトキシ−N−(テトラヒドロ−2−オキソ−3−フラニル)−アセトアミド、
N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−メトキシ−N−(テトラヒドロ−2−オキソ−3−チエニル)−アセトアミド、
【0241】
N−(2−クロロ−4−ニトロフェニル)−4−メチル−3−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−(4−シクロヘキシルフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジンアミン、
N−(4−ヘキシルフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジンアミン、
N−(5−クロロ−2−メチルフェニル)−2−メトキシ−N−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)−アセトアミド、
N−(6−メトキシ−3−ピリジニル)−シクロプロパンカルボキサミド、
N−[2,2,2−トリクロロ−1−[(クロロアセチル)−アミノ]−エチル]−ベンズアミド、
N−[3−クロロ−4,5−ビス(2−プロピニルオキシ)−フェニル]−N′−メトキシ−メタンイミドアミド、
N−ホルミル−N−ヒドロキシ−DL−アラニン−ナトリウム塩、
O,O−ジエチル[2−(ジプロピルアミノ)−2−オキソエチル]−エチルホスホルアミドチオエート、
O−メチルS−フェニルフェニルプロピルホスホルアミドチオエート、
S−メチル1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボチオエート、
スピロ[2H]−1−ベンゾピラン−2,1′(3′H)−イソベンゾフラン]−3′−オン、
4−[(3,4−ジメトキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−アクリロイル]−モルホリン。
【0242】
殺細菌剤
ブロノポール、ジクロロフェン、ニトラピリン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、カスガマイシン、オクチリノン(octhilinone)、フランカルボン酸、オキシテトラサイクリン、プロベナゾール、ストレプトマイシン、テクロフタラム(tecloftalam)、硫酸銅および他の銅調合品。
【0243】
殺虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤
アバメクチン(abamectin)、アセフェート、アセトアミプリド(acetamiprid)、アクリナスリン(acrinathrin)、アラニカルブ(alanycarb)、アルジカルブ、アルドキシカルブ(aldoxycarb)、アルファシペルメトリン、アルファメトリン(alphamethrin)、アミトラズ、アベルメクチン、AZ60541、アザジラクチン、アザメチホス(azamethiphos)、アジンホス(azinphos)A、アジンホスM、アゾシクロチン(azocyclotin)、
バチルス−ポピリエ、バチルス−スファエリクス、枯草菌、バチルス−チューリンギエンシス、バキュロウィルス類、Beauveria bassiana、Beauveria tenella、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ベンサルタップ(bensultap)、ベンゾキシメート(benzoximate)、ベータサイフルスリン(betacyfluthrin)、ビフェナゼート(bifenazate)、ビフェントリン、ビオエタノメトリン(bioethanomethrin)、ビオペルメトリン(biopermethrin)、ビストリフルロン(bistrifluron)、BPMC、ブロモホスA、ブフェンカルブ(bufencarb)、ブプロフェジン、ブタチオフォス(butathiofos)、ブトカルボキシム(butocarboxim)、ブチルピリダベン(butylpyridaben)、
カズサフォス(cadusafos)、カルバリル、カルボフラン、カルボフェノチオン、カルボスルファン(carbosulfan)、カルタップ、クロエトカルブ(chloethocarb)、クロルエトキシフォス(chlorethoxyfos)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、クロルフェンビンホス、クロルヌアズロン(chlornuazuron)、クロルメフォス(chlormephos)、クロルピリホス、クロルピリホスM、クロバポルトリン(chlovaporthrin)、クロマフェノジド(chromafenozide)、シス−レスメトリン(resmethrin)、シスペルメトリン、クロシトリン(clocythrin)、クロエトカルブ(cloethocarb)、クロフェンテジン(clofentezine)、クロチアニジン(clothianidine)、シアノホス、シクロプレン(cycloprene)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、シフルトリン(cyfluthrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、シヘキサチン、シペルメトリン、シロマジン(cyromazine)、
デルタメトリン、デメトンM、デメトンS、デメトン−S−メチル、ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、ダイアジノン、ジクロルボス、ジコホール、ジフルベンズロン、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジオフェノラン(diofenolan)、ジスルホトン、ドキュセートナトリウム、ドフェナピン(dofenapyn)、
エフルシラネート、エマメクチン(emamectin)、エンペントリン(empenthrin)、エンドサルファン、Entomopfthora種、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、エチオン、エトプロホス(ethoprophos)、エトフェンプロクス(etofenprox)、エトキサゾール(etoxazole)、エトリムフォス(etrimfos)、
【0244】
フェナミホス、フェナザキン(fenazaquin)、酸化フェンブタスズ、フェニトロチオン、フェノチオカルブ(fenothiocarb)、フェノキサクリム(fenoxacrim)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、フェンプロパトリン、フェンピラド(fenpyrad)、フェンピリトリン(fenpyrithrin)、フェンピロキシメート(fenpyroximate)、フェンバレレート、フィプロニル(fipronil)、フルアジナム(fluazinam)、フルアズロン(fluazuron)、フルブロシトリネート(flubrocythrinate)、フルシクロクスウロン(flucycloxuron)、フルシトリネート(flucythrinate)、フルフェノクスウロン(flufenoxuron)、フルメトリン(flumethrin)、フルテンジン(flutenzine)、フルバリネート、フォノホス(fonophos)、フォスメチラン(fosmethilan)、フォスチアゼート(fosthiazate)、フブフェンプロクス(fubfenprox)、フラチオカルブ(furathiocarb)、
グラニュローシスウイルス類、
ハロフェノジド(halofenozide)、HCH、ヘプテノホス(heptenophos)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ヘキシチアゾクス、ヒドロプレン、
イミダクロプリド(imidacloprid)、インドキサカルブ(indoxacarb)、イサゾフォス(isazofos)、イソフェンホス、イソキサチオン、イベルメクチン、
核多角体病ウイルス類、
ラムダ−シハロトリン(cyhalothrin)、ルフェヌロン(lufenuron)、
マラチオン、メカルバム、メタアルデヒド、メタミドホス、Metharhizium anisopliae、Metharhizium flavoviride、メチダチオン、メチオカルブ、メトプレン、メトミル、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、メトルカルブ(metolcarb)、メトキサジアゾン(metoxadiazone)、メビンホス、ミルベメクチン(milbemectin)、ミルベマイシン、モノクロトホス、
ナレド、ニテンピラム(nitenpyram)、ニチアジン(nithiazine)、ノバルロン(novaluron)、
【0245】
オメトエート(omethoate)、オキサミル、オキシデメトン(oxydemethon)M、
Paecilomyces fumosoroseus、パラチオンA、パラチオンM、ペルメトリン、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピリミカルブ、ピリミホスA、ピリミホスM、プロフェノフォス(profenofos)、プロメカルブ(promecarb)、プロパルガイト(propargite)、プロポキスル、プロチオホス、プロトエート(prothoate)、ピメトロジン(pymetrozine)、ピラクロフォス(pyraclofos)、ピレスメトリン(pyresmethrin)、除虫菊、ピリダベン(pyridaben)、ピリダチオン(pyridathion)、ピリミヂフェン(pyrimidifen)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、
キナルホス、
リバビリン、
サリチオン(salithion)、セブフォス(sebufos)、シラフルオフェン(silafluofen)、スピノサド(spinosad)、スピロジクロフェン(spirodiclofen)、スルフォテプ(sulfotep)、スルプロフォス(sulprofos)、
タウ−フルバリネート、テブフェノジド(tebufenozide)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、テブピリミホス(tebupirimiphos)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、テフルトリン(tefluthrin)、テメホス、テミビンホス(temivinphos)、テルブホス、テトラクロルビンホス、テトラジホン、シータ−シペルメトリン、チアクロプリド(thiacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、チアプロニル(thiapronil)、チアトリホス(thiatriphos)、シュウ酸水素チオシクラム、チオジカルブ(thiodicarb)、チオファノクス(thiofanox)、チュリンギエンシン(thuringiensin)、トラロシトリン、トラロメトリン、トリアラテン(triarathene)、トリアザメート(triazamate)、トリアゾホス(triazophos)、トリアズロン(triazuron)、トリクロフェニジン(trichlophenidine)、トリクロルホン、トリフルムロン(triflumuron)、トリメタカルブ(trimethacarb)、
バミドチオン、バニリプロール(vaniliprole)、Verticillium lecanii、
YI5302、
ゼータ−シペルメトリン、ゾラプロフォス(zolaprofos)、
【0246】
(1R−シス)−[5−(フェニルメチル)−3−フラニル]−メチル−3−[(ジヒドロ−2−オキソ−3(2H)−フラニリデン)−メチル]−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、
(3−フェノキシフェニル)−メチル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、
1−[(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル]テトラヒドロ−3,5−ジメチル−N−ニトロ−1,3,5−トリアジン−2(1H)−イミン、
2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]−4,5−ジヒドロ−オキサゾール、
2−(アセチルオキシ)−3−ドデシル−1,4−ナフタレンジオン、
2−クロロ−N−[[[4−(1−フェニルエトキシ)−フェニル]−アミノ]−カルボニル]−ベンズアミド、
2−クロロ−N−[[[4−(2,2−ジクロロ−1,1−ジフルオロエトキシ)−フェニル]−アミノ]−カルボニル]−ベンズアミド、
プロピルカルバミン酸3−メチルフェニル、
4−[4−(4−エトキシフェニル)−4−メチルペンチル]−1−フルオロ−2−フェノキシ−ベンゼン、
4−クロロ−2−(1,1−ジメチルエチル)−5−[[2−(2,6−ジメチル−4−フェノキシフェノキシ)エチル]チオ]−3(2H)−ピリダジノン、
4−クロロ−2−(2−クロロ−2−メチルプロピル)−5−[(6−ヨード−3−ピリジニル)メトキシ]−3(2H)−ピリダジノン、
4−クロロ−5−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メトキシ]−2−(3,4−ジクロロフェニル)−3(2H)−ピリダジノン、
バチルス−チューリンギエンシス株EG−2348、
[2−ベンゾイル−1−(1,1−ジメチルエチル)−ヒドラジノ安息香酸、
ブタン酸2,2−ジメチル−3−(2,4−ジクロロフェニル)−2−オキソ−1−オキサスピロ[4.5]デカ−3−エン−4−イル、
[3−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル]−2−チアゾリジニリデン]−シアナミド、
ジヒドロ−2−(ニトロメチレン)−2H−1,3−チアジン−3(4H)−カルボキシアルデヒド、
[2−[[1,6−ジヒドロ−6−オキソ−1−(フェニルメチル)−4−ピリダジニル]オキシ]エチル]−カルバミン酸エチル、
【0247】
N−(3,4,4−トリフルオロ−1−オキソ−3−ブテニル)−グリシン、
N−(4−クロロフェニル)−3−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−4,5−ジヒドロ−4−フェニル−1H−ピラゾール−1−カルボキサミド、
N−[(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル]−N′−メチル−N″−ニトロ−グアニジン、
N−メチル−N′−(1−メチル−2−プロペニル)−1,2−ヒドラジンジカルボチオアミド、
N−メチル−N′−2−プロペニル−1,2−ヒドラジンジカルボチオアミド、
O,O−ジエチル[2−(ジプロピルアミノ)−2−オキソエチル]−エチルホスホルアミドチオエート、
N−シアノメチル−4−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、
3,5−ジクロロ−1−(3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ)−4−[3−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)−プロポキシ]ベンゼン。
【0248】
除草剤、あるいは肥料および成長調節剤などの他の公知の活性化合物との混合物も可能である。
【0249】
さらに、本発明による式(I)の化合物は、非常に良好な抗真菌活性をも有する。その化合物は、特に皮膚糸状菌類および酵母類、カビ類および二相性真菌類に対して(例えば、鵞口瘡カンジダ、Candida glabrataなどのカンジダ類に対して)、ならびに有毛表皮糸状菌、黒色アスペルギルスおよびAspergillus fumigatusなどのアスペルギルス類、毛瘡白癬菌などの白癬菌類、イヌ小胞子菌およびMicrosporon audouiniiなどの小胞子菌類に対して、非常に広い抗真菌活性スペクトルを有する。これらの列記した真菌はいかなる形でも網羅される真菌スペクトルを限定するものではなく、例示のみを目的としたものである。
【0250】
前記活性化合物は、それ自体で、あるいはその製剤の形で、あるいはそれらから製造される即時使用型の液剤、懸濁液、水和剤、ペースト、可溶性粉剤、粉剤および粒剤等の使用形態で用いることができる。施用は、例えば潅水、噴霧、霧化、全面散布、散粉、発泡、散布などの通常の方法で行う。さらに、活性化合物を超低容量法(ULV)によって施用することも、あるいは活性化合物の調合品または活性化合物自体を土壌に注入することも可能である。植物の種子を処理することも可能である。
【0251】
本発明による活性化合物を殺菌剤として用いる場合、施用量は施用の種類に応じて比較的広い範囲内で変動し得る。植物の部分を処理する場合、活性化合物施用量は、通常0.1〜10000g/ha、好ましくは10〜1000g/haである。種子粉衣の場合、活性化合物施用量は、通常0.001〜50g/kg−種子、好ましくは0.01〜10g/kg−種子である。土壌処理の場合、活性化合物施用量は、通常0.1〜10000g/ha、好ましくは1〜5000g/haである。
【0252】
[実施例]
本発明による活性化合物の製造および使用について、下記の実施例で例示する。
【0253】
(製造例)
(実施例I−1−a−1)
【0254】
【化13】

【0255】
最初に脱水クロロホルム10mLに、実施例I−1−a−16(WO 98/05638)のテトラミン酸0.96gを入れ、冷却して0℃とする。塩化スルフリル0.265mL(1.1当量、3.3mmol)を加え、混合物を0℃でさらに30分間撹拌する。
【0256】
飽和NaHCO溶液5mLを加え、有機相を分液し、脱水し、ロータリーエバポレータを用いて減圧下に濃縮する。
【0257】
収量:0.513g(理論量の48%)、融点:225℃。
【0258】
(実施例I−1−a−66)
【0259】
【化14】

【0260】
室温で、EP−A−915846からの製造例I−1−a−4の化合物1.2gの脱水クロロホルム60mL中の溶液に、発煙硝酸0.44g(7mmol)を加え、混合物を室温でさらに30分間撹拌する。
【0261】
反応溶液を氷水50mLに投入し、有機相を分液し、ジクロロメタンで抽出し、脱水し、溶媒を留去する。
【0262】
生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン/酢酸エチル3:1)で精製する。
収量:0.9g(理論量の64%)、融点150℃。
【0263】
実施例I−1−a−1およびI−1−a−66と同様にして、一般的製造手順に従って、式(I−1−a)〜(I−1−c)の下記の例が得られる。
【0264】
【表1】




【0265】
【表2】

【0266】
【表3】

【0267】
(実施例I−2−a−1)
【0268】
【化15】

【0269】
氷冷しながら、実施例I−2−a−3(WO 97/01535)の化合物(0.95g)の脱水クロロホルム20mL中の溶液に、塩化スルフリル(0.81g)の脱水クロロホルム10mL中の溶液を滴下し、混合物を室温で10時間撹拌する。
【0270】
反応混合物を、水、飽和重炭酸ナトリウム溶液および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、脱水する。
【0271】
収量:1.16g(理論量の99.2%)、logP(pH2.3)4.07。
【0272】
(実施例I−2−a−2)
【0273】
【化16】

【0274】
室温で、WO 97/01535からの製造例I−2−a−3の化合物0.633g(2mmol)の脱水クロロホルム10mL中の溶液に、発煙硝酸0.252g(4mmol)を滴下し、混合物を室温でさらに30分間撹拌する。
【0275】
反応溶液を水で洗浄し、有機相を分液し、脱水し、溶媒を留去する。塩化メチレン/アセトン19:1を用いるシリカゲルでのカートリッジクロマトグラフィーによって、異性体混合物0.4g(理論量の51%)、logP4.17;4.42を得る。
【0276】
実施例I−2−a−1およびI−2−a−2と同様にして、一般的製造手順に従って、式(I−2−a)〜(I−2−c)の下記の例が得られる。
【0277】
【表4】

【0278】
【表5】

【0279】
【表6】

【0280】
(実施例A)
ワタアブラムシ(Aphis gossypii)試験
溶媒:ジメチルホルムアミド7重量部、
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル2重量部。
【0281】
活性化合物の好適な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を上記量の溶媒および乳化剤と混和し、そして濃厚液を乳化剤含有水で希釈して所望濃度とする。
【0282】
ワタアブラムシ(Aphis gossypii)によって濃厚に感染した棉葉(ワタ(Gossypium hirsutum))を、所望濃度の活性化合物製剤に浸漬することで処理する。
【0283】
所望の期間後、殺虫%を求める。100%とは、全てのアブラムシが死んだことを意味し、0%はアブラムシが全く死ななかったことを意味する。
【0284】
この試験では、製造例の下記化合物が良好な活性を示す。
【0285】
【表7】

【0286】
(実施例B)
ネコブセンチュウ試験
溶媒:ジメチルホルムアミド7重量部、
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル2重量部。
【0287】
活性化合物の好適な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を上記量の溶媒および乳化剤と混和し、そして濃厚液を水で希釈して所望濃度とする。
【0288】
容器に砂、活性化合物の溶液、サツマイモネコブセンチュウの卵/幼虫懸濁液およびレタス種子を入れる。レタス種子が発芽し、植物が成長する。根に、えい瘤が発達する。
【0289】
所望の期間後、えい瘤形成を用いて殺線虫活性を%で測定する。100%は、えい瘤形成が認められなかったことを意味し、0%は処理植物でのえい瘤数が未処理対照での数に対応することを意味する。
【0290】
この試験では例えば、下記の製造例化合物が良好な活性を示す。
【0291】
【表8】

【0292】
(実施例C)
アブラムシ(Myzus)試験
溶媒:ジメチルホルムアミド7重量部、
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル1重量部。
【0293】
活性化合物の好適な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を上記量の溶媒および乳化剤と混和し、そして濃厚液を乳化剤含有水で希釈して所望濃度とする。
【0294】
モモアカアブラムシ(Myzus Persicae)によって濃厚に感染したキャベツ葉(Brassica oleracea)を、所望濃度の活性化合物製剤に浸漬することで処理する。
【0295】
所望の期間後、殺虫%を求める。100%とは、全てのアブラムシが死んだことを意味し、0%はアブラムシが全く死ななかったことを意味する。
【0296】
この試験では例えば、製造例の下記化合物が良好な活性を示す。
【0297】
【表9】

【0298】
(実施例D)
ファエドン(Phaedon)幼虫試験
溶媒:ジメチルホルムアミド7重量部;
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル2重量部。
【0299】
活性化合物の好適な調製液を製造するために、活性化合物1重量部を上記量の溶媒および乳化剤と混和し、濃厚物を乳化剤含有水で希釈して所望の濃度とする。
【0300】
キャベツ葉(Brassica oleracea)を、所望濃度の活性化合物調製液に浸漬することで処理し、葉が湿っているうちにマスタード・ビートル(mustard beetle)(Phaedon cochleariae)の幼虫を付ける。
【0301】
所望の期間後、死亡%を測定する。100%とは全ての甲虫幼虫が死んだことを意味し、0%とは甲虫幼虫が全く死んでいないことを意味する。
【0302】
この試験では例えば、下記の製造例化合物が良好な活性を示す。
【0303】
【表10】

【0304】
(実施例E)
コナガ試験
溶媒:ジメチルホルムアミド7重量部;
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル2重量部。
【0305】
活性化合物の好適な調製液を製造するために、活性化合物1重量部を上記量の溶媒および乳化剤と混和し、濃厚物を乳化剤含有水で希釈して所望の濃度とする。
【0306】
キャベツ葉(Brassica oleracea)を、所望濃度の活性化合物調製液に浸漬することで処理し、葉が湿っているうちにコナガ(Plutella xylostella)の毛虫を付ける。
【0307】
所望の期間後、死亡%を測定する。100%とは全ての毛虫が死んだことを意味し、0%とは毛虫が全く死んでいないことを意味する。
【0308】
この試験では例えば、下記の製造例化合物が良好な活性を示す。
【0309】
【表11】

【0310】
(実施例F)
スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)試験
溶媒:ジメチルホルムアミド7重量部;
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル2重量部。
【0311】
活性化合物の好適な調製液を製造するために、活性化合物1重量部を上記量の溶媒および乳化剤と混和し、濃厚物を乳化剤含有水で希釈して所望の濃度とする。
【0312】
キャベツ葉(Brassica oleracea)を、所望濃度の活性化合物調製液に浸漬することで処理し、葉が湿っているうちにハスモンヨトウ(Spodoptera frugiperda)の芋虫を付ける。
【0313】
所望の期間後、死亡%を測定する。100%とは全ての芋虫が死んだことを意味し、0%とは芋虫が全く死んでいないことを意味する。
【0314】
この試験では例えば、下記の製造例化合物が良好な活性を示す。
【0315】
【表12】

【0316】
(実施例G)
テトラニクス(Tetranychus)試験(OP−抵抗性/液浸処理)
溶媒:ジメチルホルムアミド7重量部;
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル2重量部。
【0317】
活性化合物の好適な調製液を製造するために、活性化合物1重量部を上記量の溶媒および乳化剤と混和し、濃厚物を乳化剤含有水で希釈して所望の濃度とする。
【0318】
全ての成長段階の温室ナミハダニ(Tetranychus urticae)が大量に群がっている豆植物(Phaselous vulgaris)を、所望濃度の活性化合物調製液に浸漬する。
【0319】
所望の期間後、活性%を測定する。100%とは全てのハダニが死んだことを意味し、0%とはハダニが全く死んでいないことを意味する。
【0320】
この試験では例えば、下記の製造例化合物が良好な活性を示す。
【0321】
【表13】

【0322】
(実施例H)
持続性試験:ワタアブラムシ(根−全身作用)
溶媒:アセトン4重量部、
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル1重量部。
【0323】
活性化合物の好適な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を上記量の溶媒および乳化剤と混和し、そして濃厚液を水で希釈して所望濃度とする。
【0324】
上記活性化合物製剤を土壌と十分に混和する。記載の濃度は、単位容量の土壌当たりの活性化合物量(mg/L)を指す。処理土壌をポットに充填し、そのポットに子葉段階のワタを植える。このようにして、活性化合物を土壌から植物の根に取り込ませ、葉に移動させることができる。記載の日数後、感染チャンバ内でワタアブラムシ(Aphis gossypii)を葉の上に置く。
【0325】
所望の期間後、殺虫%を求める。100%とは、全てのアブラムシが死んだことを意味し、0%はアブラムシが全く死ななかったことを意味する。
【0326】
この試験では、製造例の下記化合物が良好な活性を示す。
【0327】
【表14】

【0328】
(実施例I)
持続性試験:モモアカアブラムシ(根−全身作用)
溶媒:アセトン4重量部、
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル1重量部。
【0329】
活性化合物の好適な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を上記量の溶媒および乳化剤と混和し、そして濃厚液を水で希釈して所望濃度とする。
【0330】
上記活性化合物製剤を土壌と十分に混和する。記載の濃度は、単位容量の土壌当たりの活性化合物量(mg/L)を指す。処理土壌をポットに充填し、そのポットに発芽前のソラマメを植える。このようにして、活性化合物を土壌から植物の根に取り込ませ、葉に移動させることができる。記載の日数後、感染チャンバ内でモモアブラムシ(モモアカアブラムシ)を葉の上に置く。
【0331】
所望の期間後、殺虫%を求める。100%とは、全てのアブラムシが死んだことを意味し、0%はアブラムシが全く死ななかったことを意味する。
【0332】
この試験では、製造例の下記化合物が良好な活性を示す。
【0333】
【表15】

【0334】
(実施例J)
発芽後試験
溶媒:アセトン5重量部、
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル1重量部。
【0335】
活性化合物の好適な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を上記量の溶媒と混和し、上記量の乳化剤を加え、濃厚液を水で希釈して所望濃度とする。
【0336】
高さ5〜15cmの試験植物に、特定量の所望活性化合物が単位面積当たりに施用されるように、活性化合物の製剤を噴霧する。噴霧液の濃度を選択して、前記特定量の所望活性化合物が水1000リットル/haで施用されるようにする。
【0337】
3週間後、植物に対する損傷の程度を、未処理対照での発達と比較した損傷%で評点する。
【0338】
数字は下記の意味を示す。
【0339】
0%=効果なし(未処理対照と同様)、
100%=完全枯死。
【0340】
(実施例K)
発芽前試験
溶媒:アセトン5重量部;
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル1重量部。
【0341】
活性化合物の好適な調製液を製造するため、活性化合物1重量部を上記量の溶媒と混合し、上記量の乳化剤を加え、濃厚液を水で希釈して所望の濃度とする。
【0342】
試験植物の種子を通常の土壌に播く。24時間後、特定量の所望活性化合物が単位面積当たりに施用されるように、土壌に活性化合物の製剤を噴霧する。噴霧液中の活性化合物の濃度を選択して、前記特定量の所望活性化合物が1ヘクタール当たり水1000リットルで施用されるようにする。
【0343】
3週間後、植物に対する損傷の程度を、未処理対照での発達と比較した損傷%で評点する。
【0344】
数字は下記の意味を示す。
【0345】
0%=効果なし(未処理対照と同様)、
100%=完全枯死。
【0346】
【表16】

【0347】
(実施例L)
臨界濃度試験/土壌昆虫−トランスジェニック植物の処理
試験昆虫:ジアブロチカ・バルテアタ(Diabrotica balteata)−土壌中幼虫
溶媒:アセトン7重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル1重量部。
【0348】
活性化合物の好適な調製液を製造するため、活性化合物1重量部を上記量の溶媒と混和し、上記量の乳化剤を加え、濃厚物を水で希釈して所望の濃度とする。
【0349】
活性化合物の調製液を土壌に注入する。ここで、調製液中の活性化合物の濃度は実質的にはほとんど重要ではなく、ppm(mg/L)単位で表した単位体積の土壌当たりの活性化合物の重量のみが重要である。土壌を0.25リットルのポットに充填して、20℃で放置する。
【0350】
その準備の直後に、栽培品種(soltivar)の発芽前トウモロコシYIELD GUARD(モンサント社(米国)の商標名)5個を各ポットに入れる。2日後、相当する試験昆虫を処理済み土壌に入れる。さらに7日後、発芽したトウモロコシ植物数をカウントすることで、活性化合物の効力を求める(植物1個=20%活性)。
【0351】
(実施例M)
オオタバコガ試験(トランスジェニック植物の処理)
溶媒:アセトン7重量%
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル1重量部。
【0352】
活性化合物の好適な調製液を製造するため、活性化合物1重量部を上記量の溶媒および上記量の乳化剤と混和し、濃厚液を水で希釈して所望の濃度とする。
【0353】
栽培品種ラウンドアップ・レディ(米国モンサント社の商標名)の大豆若枝(Glycine max)を、所望濃度の活性化合物調製液に浸漬することで処理し、葉が湿っているうちにオオタバコガ幼虫(Heliothis virescens)を付ける。
【0354】
所望の期間後、昆虫の死亡%を測定する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)の化合物。
【化17】

[式中、−A−B−が、
c)−CH(R)−O−の基を表し;
Wが、ハロゲンまたはアルキルを表し;
Xが、水素、ハロゲンまたはアルキルを表し;
Yが、水素、ハロゲンまたはアルキルを表し;
Zが、水素、ハロゲンまたはアルキルを表し;
基W、XおよびYのうちの少なくとも一つがアルキルを表し、基W、XおよびYのうちの少なくとも一つがハロゲンを表し;
Gが、ハロゲンまたはニトロを表し;
およびRが互いに独立に、水素またはC〜C−アルキルを表し;
Qが、NH、O又はSを表す]
【請求項2】
A−Bが
c)−CH(R)−O−基を表し;
Wが、塩素、臭素、メチルまたはエチルを表し;
Xが、塩素、メチルまたはエチルを表し;
Yが、塩素または臭素を表し;
Zが、水素または塩素を表し;
Gが、ハロゲンまたはニトロを表し;
が、水素またはC〜C−アルキルを表し;
が、水素またはC〜C−アルキルを表し;
Qが、NH、O又はSを表す請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
A−Bが
c)−CH(R)−O−基を表し;
Wが、塩素またはメチルを表し;
Xが、塩素、メチルまたはエチルを表し;
Yが、塩素または臭素を表し;
Zが、水素または塩素を表し;
Gが、塩素、臭素またはニトロを表し;
が、水素、メチルまたはエチルを表し;
が、水素を表し;
Qが、NH、O又はSを表す請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
A−Bが
c)−CH(R)−O−基を表し;
Wが、塩素またはメチルを表し;
Xが、塩素、メチルまたはエチルを表し;
Yが、塩素または臭素を表し;
Zが、水素または塩素を表し;
Gが、塩素、臭素またはニトロを表し;
が、水素またはメチルを表し;
が、水素を表し;
Qが、NH又はOを表す請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
A−Bが
c)−CH(R)−O−基を表し;
Wが、塩素またはメチルを表し;
Xが、塩素、メチルまたはエチルを表し;
Yが、塩素または臭素を表し;
Zが、水素または塩素を表し;
Gが、塩素を表し;
が、水素を表し;
が、水素またはメチルを表し;
Qが、NHを表す請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
A−Bが
c)−CH(R)−O−基を表し;
Wが、メチルを表し;
Xが、水素を表し;
Yが、メチルを表し;
Zが、メチルを表し;
Gが、塩素を表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;
QがOを表す請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
請求項1に記載の式(I)の化合物の製造方法であって、
A)下記式(I−1)〜(I−3)の化合物:
【化18】

[式中、A、B、Q、W、X、Y、ZおよびRは上記で定義の通りであり;Gはハロゲンを表す。]を得るために、
下記式(II−1)〜(II−3)の化合物:
【化19】

[式中、A、B、Q、W、X、Y、ZおよびRは上記で定義の通りである。]を、溶媒存在下、そして適切であればラジカル開始剤存在下にハロゲン化剤と反応させ;
B)下記式(I−1)〜(I−3)の化合物:
【化20】

[式中、A、B、Q、W、X、Y、ZおよびRは上記で定義の通りであり;Gはニトロを表す。]を得るために、
下記式(II−1)〜(II−3)の化合物:
【化21】

[式中、A、B、Q、W、X、Y、ZおよびRは上記で定義の通りである。]を、溶媒存在下に、発煙硝酸などのニトロ化剤と反応させる方法。
【請求項8】
少なくとも1種類の請求項1に記載の式(I)の化合物を含む殺病害虫剤、除草剤および殺菌剤。
【請求項9】
病害動物、望ましくない植物および真菌を防除する方法であって、有害生物および/またはそれの棲息場所に対して請求項1に記載の式(I)の化合物を作用させる方法。
【請求項10】
病害動物、望ましくない植物および真菌の防除における請求項1に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項11】
殺病害虫剤、除草剤および殺菌剤の製造方法であって、請求項1に記載の式(I)の化合物を増量剤および/または界面活性剤と混和する方法。
【請求項12】
殺病害虫剤、除草剤および殺菌剤の製造における請求項1に記載の式(I)の化合物の使用。

【公開番号】特開2009−235084(P2009−235084A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138041(P2009−138041)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【分割の表示】特願2003−532463(P2003−532463)の分割
【原出願日】平成14年9月11日(2002.9.11)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】