説明

スピーカ付き電子機器

【課題】スピーカと、情報記録媒体を駆動する駆動装置と、スピーカと駆動装置が装備される筐体とを備えた電子機器において、スピーカの振動による駆動装置の動作不良を回避すること、スピーカの配置スペースを含めた機器全体の薄型化を可能にすること。
【解決手段】スピーカ2と、情報記録媒体を駆動する駆動装置3と、スピーカ2と駆動装置3を支持する筐体4とを備えたスピーカ付き電子機器1であって、スピーカ2は、筐体4に対して振動自在に支持される振動板10と、振動板10を音声信号に応じて駆動させる駆動部20とを備え、駆動部20は、音声信号が入力されるボイスコイル21と磁気回路22を備え、ボイスコイル21が振動板10の振動方向とは異なる方向に振動し、ボイスコイル21の振動を振動板10に伝える伝動手段30を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカ付き電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スピーカを装備した電子機器は、音を発生するスピーカの振動が電子機器内の駆動装置に伝わって、駆動装置の動作に悪影響を及ぼす問題がある。一般的なスピーカは、ボイスコイルおよびボイスコイルボビンの振動方向と振動板の振動方向が同じであるために、これら両方の振動の反作用に起因する振動がほぼ同時に、またほぼ同位相でスピーカの周囲へ伝わって駆動装置の動作に悪影響を及ぼす。特に、ハードディスク、ブルーレイディスク、DVD、CD、カセットテープなどの情報記録媒体を駆動して情報記録媒体からの情報の読み取り或いは情報記録媒体への情報の記録を行う駆動装置を備えるものでは、スピーカによって大きな音を出すと読み取り又は記録時に動作エラーが生じる虞があり、スピーカの振動を駆動装置に伝えないようにする工夫が必要になる。
【0003】
下記特許文献1に記載されたハードディスク内蔵テレビによると、防振部材を介してハードディスクを内蔵したハードディスクケースを筐体に取り付け、筐体内におけるスピーカの背面側に吸音部材を設けて、ハードディスクに伝搬するスピーカの振動を低減させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−300281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した従来技術によると、電子機器の筐体内に防振部材や吸音部材を配備するためのスペースを確保する必要があると共に、スピーカと駆動装置(ハードディスクドライブなど)との配置関係がある程度制約されてしまうので、電子機器をコンパクト化又は薄型化する上で支障を来す問題がある。
【0006】
一方、コーン状の振動板を用いたスピーカを背中合わせに一対配置して同じ音声信号を各スピーカに入力すれば、各スピーカから発生される振動が互いに相殺され低振動又はほぼ無振動になることが知られている。しかしながら、背中合わせに一対配置した従来のコーンスピーカを用いる場合、その振動板の振動方向における厚さが比較的大きくなり、大型になるという問題があった。液晶ディスプレイ,プラズマディスプレイ,有機ELディスプレイなど、薄型のフラットパネルディスプレイを搭載した電子機器に情報記録媒体の駆動装置を一体化した電子機器が普及しているなかで、フラットパネルディスプレイの薄型化の利点を生かす電子機器の構成が求められており、情報記録媒体の駆動装置を備えたスピーカ付き電子機器において、スピーカの配置スペースを含めた機器全体の薄型化の要求が高くなっている。また、情報記録媒体の駆動装置を備えた電子機器とスピーカを備えた電子機器を一体の電子機器として扱うことも多くなり、このような場合はスピーカの振動によって駆動装置の動作不良が問題となることがある。
【0007】
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、音を出力するスピーカと、情報記録媒体を駆動する駆動装置と、前記スピーカと前記駆動装置が装備される筐体とを備えた電子機器において、スピーカの振動による駆動装置の動作不良を回避すること、スピーカの配置スペースを含めた機器全体の薄型化を可能にすること、情報記録媒体の駆動装置を備えた電子機器とスピーカを備えた電子機器を一体の電子機器として扱う場合、スピーカの振動による駆動装置の動作不良を回避すること、等が本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明によるスピーカ付き電子機器は、以下の構成を少なくとも具備するものである。
【0009】
スピーカと、情報記録媒体を駆動する駆動装置と、前記スピーカと前記駆動装置を支持する筐体とを備え、前記スピーカは、前記筐体に対して振動自在に支持される振動板と、前記振動板を音声信号に応じて駆動させる駆動部とを備え、該駆動部は、前記音声信号が入力されるボイスコイルと磁気回路を備え、前記ボイスコイルが前記振動板の振動方向とは異なる方向に振動し、該ボイスコイルの振動を前記振動板に伝える伝動手段を備えることを特徴とするスピーカ付き電子機器。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係るスピーカ付き電子機器を示した説明図である。同図(a−1),(a−2)が全体概念図、同図(b),(c)がスピーカの構成例を示した説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るスピーカ付き電子機器に装着されるスピーカの変形例を示した説明図である。
【図3】スピーカにおける駆動部の具体的な構成を示した説明図である。
【図4】スピーカにおける駆動部の具体的な構成を示した説明図である。
【図5】各種スピーカの振動のインパルス応答を比較した線図である。
【図6】本発明の実施形態に係るスピーカ付き電子機器の具体例を示した説明図である。
【図7】本発明の実施形態に係るスピーカ付き電子機器の具体例を示した説明図である。
【図8】本発明の実施形態に係るスピーカ付き電子機器の具体例を示した説明図である。
【図9】本発明の実施形態に係るスピーカ付き電子機器の具体例を示した説明図である。
【図10】本発明の実施形態に係るスピーカ付き電子機器の具体例を示した説明図である。
【図11】本発明の実施形態に係るスピーカ付き電子機器の他の形態例を示した説明図である。
【図12】本発明の実施形態に係るスピーカ付き電子機器の他の形態例を示した説明図である。
【図13】本発明の実施形態に係るスピーカ付き電子機器の他の形態例を示した説明図である。
【図14】本発明の実施形態に係るスピーカ付き電子機器の他の形態例を示した説明図である。
【図15】本発明の他の形態例に係るスピーカ付き電子機器(スピーカ付きテレビラック)を示した説明図である。
【図16】本発明の他の形態例に係るスピーカ付き電子機器(スピーカ付きテレビラック)を示した説明図である。
【図17】本発明の他の形態例に係るスピーカ付き電子機器(スピーカ付きテレビラック)を示した説明図である。
【図18】本発明の他の形態例に係るスピーカ付き電子機器を備える自動車を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に係るスピーカ付き電子機器を示した説明図である。同図(a−1),(a−2)が全体概念図、同図(b),(c)がスピーカの構成例を示している。
【0012】
スピーカ付き電子機器1は、スピーカ2と、情報記録媒体を駆動する駆動装置3と、スピーカ2と駆動装置3を支持する筐体4とを備えている。図1(a−1)に示した例では、スピーカ2と駆動装置3が共通の筐体4に収納されているので、スピーカ2を駆動することによって駆動装置3へ不要な振動が伝搬する。また図1(a−2)では、スピーカ装置2が筐体4−1に、駆動装置が別の筐体4−2に収納されている。筐体4−1と筐体4−2は直接接しており、スピーカ2を駆動することによって筐体4−1から筐体4−2へ不要な振動が伝搬し駆動装置3へも不要な振動が伝搬する。図示はしないが、筐体4−1と筐体4−2の間に別の筐体があったとしても、スピーカ2を駆動することによって間接的に駆動装置3へ不要な振動が伝搬することになる。
【0013】
ここでの情報記録媒体は、DVD,BD(ブルーレイディスク),CD(コンパクトディスク),HD(ハードディスク),カセットテープなど、光学的又は磁気的情報記録媒体を広く含むものであり、駆動装置3は、情報記録媒体からの情報の読み取り、又は情報記録媒体への情報の記録を行うものである。スピーカ付き電子機器1は、オーディオ機器、テレビ受像器などの映像機器、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション、電子書籍端末、スマートフォンなどの情報処理機器など、スピーカを備えて音を発する電子機器を広く含むものである。
【0014】
スピーカ2(2A,2B)は、図1(b),(c)に示すように、一つの方向に振動自在に支持される振動板10と、振動板10を音声信号に応じて駆動させる駆動部20とを備え、駆動部20は、音声信号が入力されるボイスコイル21と磁気回路22を備え、ボイスコイル21が振動板10の振動方向とは異なる方向に振動し、ボイスコイル21の振動を振動板10に伝える伝動手段30を備えている。
【0015】
図1(b)に示す例では、駆動部20は、ボイスコイル21(21A,21B)が一対配備され、一対のボイスコイル21(21A,21B)が略同一方向を互いに逆向きに振動するように構成されている。すなわち、駆動部20は一対の磁気回路22(22A,22B)を備え、磁気回路22A,22Bの磁気ギャップ内にボイスコイル21A,21Bがそれぞれ配置され、ボイスコイル21A,21Bに入力される音声信号によって、ボイスコイル21A,21Bがそれぞれ略水平に矢印a,b方向に沿って互いに逆向きに振動する。そして、伝動手段30を介して振動板10が略垂直に矢印c方向に沿って振動する。
【0016】
図1(c)に示す例では、振動板10(10A,10B)が一対配備され、一対の振動板10(10A,10B)が略同一方向を互いに逆向きに振動するように構成されている。すなわち、駆動部20は一対の磁気回路22(22A,22B)を備え、磁気回路22A,22Bの磁気ギャップ内にボイスコイル21A,21Bがそれぞれ配置され、ボイスコイル21A,21Bに入力される音声信号によって、ボイスコイル21A,21Bがそれぞれ略水平に矢印a,b方向に沿って互いに逆向きに振動する。そして、伝動手段30を介して一対の振動板10A,10Bが略垂直に矢印c,d方向に沿って互いに逆向きに振動する。
【0017】
伝動手段30は、ボイスコイル21の振動を方向変換して振動板10に伝えるものであればよく、図1(b),(c)に示す例では、剛性のリンク部31A〜31Hを有するリンク機構を備えている。リンク機構は、一端側がボイスコイル21側に角度変更自在に接合されると共に、他端側が振動板10側に角度変更自在に接合され、振動板10の振動方向及びボイスコイル21の振動方向のそれぞれに対して斜設された剛性のリンク部31A〜31Hを有する。
【0018】
図1(b)に示した例では、リンク機構は、一方のボイスコイル21(21A)に対してリンク部31A,31Bが設けられ、他方のボイスコイル21(21B)に対してリンク部31C,31Dが設けられている。また、図1(c)に示した例では、リンク機構は、一方のボイスコイル21(21A1)に対してリンク部31A,31B,31E,31Fが設けられ、他方のボイスコイル21(21B1)に対してリンク部31C,31D,31G,31Hが設けられている。
【0019】
図1(b)に示した例では、一対のリンク部31A,31B及びリンク部31C,31Dがそれぞれ平行状態を維持して角度変更する平行リンクを形成している。図1(c)に示した例では、一対のリンク部31A,31B,リンク部31C,31D,リンク部31E,31F,リンク部31G,31Hがそれぞれ平行状態を維持して角度変更する平行リンクを形成している。
【0020】
図1(b)に示したスピーカ2(2A)によると、ボイスコイル21A,21Bに同じ音声信号を入力して、このボイスコイル21A,21Bを互いに逆向きに振動させることで、平行リンクを形成する一対のリンク部31A,31B或いは一対のリンク部31C,31Dが角度を変え、エッジ11で筐体4や図示省略のフレームに振動自在に支持された振動板10を振動させる。振動板10を効率的に振動させるためには、ボイスコイル21A,21Bは一直線上を振動するように支持されていることが好ましい。このようなスピーカ2(2A)を用いることで、ボイスコイル21A,21Bの振動によって周囲に伝搬する互いに逆向きの振動が相殺し合って低減されることになり、スピーカ付き電子機器1に装備された情報記録媒体の駆動装置3の動作に悪影響を及ぼすことが少なくなる。また、スピーカ2(2A)は、ボイスコイル21の振動を方向変換して振動板10に伝える特異な構成を備えるので、ボイスコイル21の振動がスピーカ2(2A)の厚さ方向(振動板10の振動方向)に影響し難く、振動板10を大きく振動させる場合にもスピーカ2(2A)の薄型化が可能になる。このように、ボイスコイルの振動によって生じる振動が相殺されて著しく低減されるので、周囲へ伝搬する振動は振動板の振動による振動にほぼ限られる。よって図1(b)のスピーカを駆動することによって周囲へ伝搬する振動は一般的なスピーカに比べれば小さくなる。
【0021】
図1(c)に示したスピーカ2(2B)によると、ボイスコイル21A,21Bに同じ音声信号を入力して、このボイスコイル21A,21Bを互いに逆向きに振動させることで、伝動手段30を介して一対の振動板10A,10Bが互いに近接又は離間するように振動する。これによると、ボイスコイル21Aと21Bが互いに逆向きに振動するのでこれらのボイスコイルの振動によって生じる振動が相殺されるとともに、振動板10A,10Bも互いに逆向きに振動するのでこれら振動板10A,10Bそれぞれの背面側に伝搬する振動も相殺し合って低減されることになる。このように、図1(c)に示したスピーカ2(2B)を採用することで、スピーカ付き電子機器1に装備された情報記録媒体の駆動装置3の動作への悪影響が著しく小さくなる。また、スピーカ2(2B)は、ボイスコイル21の振動を方向変換して振動板10に伝える特異な構成を備えるので、ボイスコイル21の振動がスピーカ2(2B)の厚さ方向(振動板10の振動方向)に影響し難く、振動板10を大きく振動させる場合にもスピーカ2(2B)の薄型化が可能になる。図1(c)に示したスピーカ2(2B)は、2つの振動板が接近していて逆方向に振動するので無指向性の音が放射される。
【0022】
図2は、スピーカ2の変形例を示している。図2の説明において、図1に示した例と同一部位には同一符号を付して重複説明を一部省略する。図2(a)に示したスピーカ2(2C)は、駆動部20が片側に設けられ、ボイスコイル21の振動が伝動手段30を介して振動板10に伝えられている。伝動手段30は一対のリンク部31A,31Bを備えたリンク機構(平行リンク)によって形成されている。図2(a)のスピーカでは、ボイスコイル21の振動方向と振動板10の振動方向が互いに異なるため周囲に伝搬する振動が2つの方向に分散されているので、スピーカ付き電子機器1に装備された情報記録媒体の駆動装置3の動作への悪影響が一般的なスピーカに比べれば小さい。
【0023】
図2(b)に示したスピーカ2(2D)は、一つの駆動部20によって一対の振動板10(10A,10B)を駆動している。この例では、一つのボイスコイル21の振動が伝動手段30を介して一対の振動板10(10A,10B)に伝えられており、伝動手段30は、平行リンクを形成する一対のリンク部31A,31Bと平行リンクを形成する一対のリンク部31E,31Gを備えている。図2(b)のスピーカ2(2D)では、振動板の振動によって生じる振動が相殺され著しく低減されるので、周囲へ伝搬する振動はボイスコイルの振動による振動にほぼ限られる。よって図2(b)のスピーカを駆動することによって周囲へ伝搬する振動は一般的なスピーカに比べれば小さい。図2(b)に示したスピーカ2(2D)は、2つの振動板が接近していて逆方向に振動するので無指向性の音が放射される。
【0024】
図3及び図4は、スピーカ2における駆動部20の具体的な構成を示した説明図である。駆動部20は、前述したようにボイスコイル21と磁気回路22と伝動手段30を備えている。ボイスコイル21は、平板状のボイスコイル支持部210とこのボイスコイル支持部210に支持されるボイスコイル巻き線211とを備えている。
【0025】
磁気回路22は振動板の振動方向(例えばZ軸方向)とは異なる方向(例えばX軸方向)に沿って一対の磁気ギャップ22G(22G1,22G2)を形成している。図示の例では、振動板の振動方向(Z軸方向)と直交する方向に沿って磁気ギャップ22Gを形成しているが、特にそれに限定されるものではなく、所定の角度をなす方向に沿って磁気ギャップ22Gを形成しても構わない。磁気回路22の構成要素としては、磁気ギャップ22Gを挟んだ両側に配置される一対のヨーク220(220A,220B)と一対の磁石221(221A,221B)を備えている。図4に示した例では、一対の磁石221A,221B間に一つの磁気ギャップ22G1が形成され、ヨーク220A,220Bにそれぞれ形成された一対の突部220a,220b間にもう一つの磁気ギャップ22G2が形成されている。この磁気ギャップ22G1,22G2には、図示の例では、Z軸方向に沿って互いに逆向きの磁束が形成されている。なお、ヨーク220は図示省略の支持手段によって磁気ギャップ22Gが一定の幅に保たれるように支持されている。
【0026】
ボイスコイル巻き線221は、一対の磁気ギャップ22G1,22G2を巡回するように巻かれており、磁気ギャップ22G1,22G2内ではY軸方向に沿った直線部を有している。ボイスコイル支持部210は、ボイスコイル巻き線211を支持して磁気ギャップ22Gに沿ってX軸方向に振動するものである。ボイスコイル支持部210は、ダンパ23によって動きが規制され、磁気ギャップ22Gに沿ったX軸方向の移動が許容されている。ボイスコイル巻き線211に音声信号が入力されると、磁気ギャップ22G内のボイスコイル巻き線211における直線部にローレンツ力が作用して、ボイスコイル巻き線211と一体のボイスコイル支持部210がX軸方向に沿って振動する。
【0027】
伝達手段30のリンク部31(31A,31B)は、リンク機構を形成するための一部であって、基本的には変形しない(剛性を有する)部分で、その両端に関節部32,32を有する。この関節部32,32は二つの部材を回転可能に接合することによって形成することもできるし、一つの部材を任意の角度に屈折自在にした屈折箇所として形成することもできる。
【0028】
図5は、スピーカの振動のインパルス応答を比較した線図である。図示のp1は口径87mmでボイスコイルの振動を振動板の振動方向と一致させたコーンスピーカの振動特性であり、図示のp2は口径87mmである図1(b)に示した片面振動のスピーカ2の振動特性であり、図示のp3は口径87mmである図1(c)に示した両面振動のスピーカ2の振動特性である。この図から明らかなように、ボイスコイルの振動を振動板の振動方向と一致させたコーンスピーカと比較して、本発明の実施形態に係るスピーカ2は振動を周辺へ伝搬させるのを大きく抑制することが可能になる。
【0029】
図6〜図10は、本発明の実施形態に係るスピーカ付き電子機器1の具体例を示した説明図である。図6に示した例は、スピーカ付き電子機器1としてラジオ付き情報記録媒体再生機器1Aを示している。筐体4の側部にスピーカ2を備えており、筐体4の上部に駆動装置3(カセットテーププレイヤー3A或いはCD又はDVDプレイヤー3B)及びその駆動装置3の操作部30が配備されている。この実施形態では、図1(b)、図2(a)に記載されているような、片面のみに振動板があるスピーカを用いているが、必要に応じて、図1(c)、図2(b)に記載されているような、両面に振動板があるスピーカを用いてもよい。図7に示した例(同図(a)が正面図、同図(b)はX−X断面図)は、スピーカ付き電子機器1としての情報記録媒体再生・記録装置付きテレビジョン1Bを示している。ディスプレイ40を備えた筐体4の前面部にスピーカ2を一対備えており、筐体4の内部に駆動部3が配備されている。この実施形態では、図1(b)、図2(a)に記載されているような、片面のみに振動板があるスピーカを用いているが、必要に応じて、図1(c)、図2(b)に記載されているような、両面に振動板があるスピーカを用いてもよい。
【0030】
図8に示した例は、スピーカ付き電子機器1としてのオーディオ機器1C,1Dであり、同図(a)に示したオーディオ機器1Cは、筐体4の前面にスピーカ2が配備され、筐体4の内部に駆動装置3が配備され、駆動装置3の操作部30が筐体4の前面に配備されている。筐体4はラック100上に載置されている。同図(b)に示したオーディオ機器1Dは、筐体4が載置されたラック101の前面にスピーカ2が配備され、筐体4の内部に駆動装置3が配備され、駆動装置3の操作部30が筐体4の前面に配備されている。各例は、スピーカ2を低域再生用として、高域再生用スピーカ(ツイータ)2Tを別途設け、複合スピーカを構成することができる。この実施形態では、図1(b)、図2(a)に記載されているような、片面のみに振動板があるスピーカを用いているが、必要に応じて、図1(c)、図2(b)に記載されているような、両面に振動板があるスピーカを用いてもよい。
【0031】
図9に示した例は、スピーカ付き電子機器1としてのパーソナルコンピュータ1Eであり、ディスプレイ40を搭載した筐体4の前面にスピーカ2が配備され、図示しない駆動装置、例えばハードディスクやDVDプレーヤは本体の筐体4内に配備されている。図10に示した例は、音声情報を出力する携帯情報端末102が接続されたオーディオ機器1Fである。この携帯情報端末もしくはオーディオ機器には例えばハードディスクなどの図示しない駆動装置が配置されている。筐体4の前面にスピーカ2(必要に応じて、高域再生用スピーカ(ツイータ)2T)が配備され、筐体4の上部に携帯情報端末102の接続部41が設けられている。図9および図10の実施形態では、図1(b)、図2(a)に記載されているような、片面のみに振動板があるスピーカを用いているが、必要に応じて、図1(c)、図2(b)に記載されているような、両面に振動板があるスピーカを用いてもよい。
【0032】
図11〜図13は、本発明の実施形態に係るスピーカ付き電子機器の他の形態例を示している。各例は、図11(a)に示すように、ユーザーが携帯できる小型又は薄型のスピーカ付き電子機器である、携帯型スピーカ103にスピーカ2を搭載させ、この携帯型スピーカ103を電子機器に着脱自在に装着したものである。図11(b)に示した例は、携帯型スピーカ103をパーソナルコンピュータ1Gの本体部に装着した例、同図(c)に示した例は、携帯型スピーカ103をパーソナルコンピュータ1Hのディスプレイ部の左右両側に装着した例、同図(d)に示した例は、携帯型スピーカ103を携帯型DVD再生機器1Iの本体部に装着した例をそれぞれ示している。
【0033】
図12に示した例は、プロジェクタ1Jの筐体4にスピーカ2を装着し、携帯型スピーカ103を着脱自在に装着した例である。図13に示した例は、ヘッドホン1Kの筐体4にスピーカ2を搭載した携帯型スピーカ103を着脱自在に装着したものである。スピーカ2から発せられた音は、音響管内L1を伝搬して出力部L2に導かれる。
【0034】
図14は、携帯型スピーカ103に搭載されるスピーカ2の具体的な構成例を示している。スピーカ2、駆動部20を複数備え、フレーム300の外周面に、エッジ11を介して第1の振動板10(a11)と第2の振動板10(a12)を取り付けている。図示の例では、2つの駆動部20を互いに逆向きに配置して、互いの静止部100同士を直接又は他の部材を介して接合することで、薄型の両面放射型のスピーカ2を形成している。この際、2つの駆動部20を1つの音声信号で駆動すると、駆動時に双方の駆動部20,20に伝搬する振動が互いに相殺し合って安定した駆動を実現することができる。前述した薄型化の実現が可能なスピーカ2では、2つの振動板10を互いに逆向きに配置して接合した状態であってもスピーカ2の厚さはそれほど大きくならず、フレーム300の奥行き(厚さ)を薄くしたスピーカ2を得ることができる。この両面放射型のスピーカ2は、単一の振動板を有するスピーカ2を振動板の振動方向に沿って一対配置したものであるが、比較的薄く構成されている。
【0035】
このような形態では、駆動部20,20の間に、制振部材350を設けることができる。これによると、互いの駆動部20で影響し合う振動を制振部材350が吸収することになるので、より安定したスピーカ2の駆動を実現することが可能になる。また、制振部材350を設けること、或いは第1の振動板10(a11)と第2の振動板10(a12)の質量を実質的に同じにすることで、例えば第1の振動板10(a11)、第2の振動板10(a12)から受ける反力により、静止部100又はボイスコイル21に生じる不要な振動を相殺できる。また、第1の振動板a11、第2の振動板a12の振動方向やボイスコイル21の振動方向にて、スピーカ用振動体に実質的に対称な振動を生じさせることができ、不要な振動の発生を抑止できる。
【0036】
また、この形態例では、第1の振動板10(a11)と第2の振動板10(a12)を連結する機能を有する伝動手段30は、リンク部31によって形成されるリンク機構30Lを備える。そして、双方のリンク機構30L,30Lを支持する静止部100,100の間に制振部材350が取り付けられているので、スピーカの駆動時に、伝動手段30の振動が互いに影響し合ってスピーカ2の駆動を不安定にしたり異音を発生したりする不具合が生じることを抑止できる。また、リンク機構30Lの機械インピーダンスが略等しい場合には、振動板10から受ける伝動手段30の各リンク部31への反力を相殺することができる。伝動手段30の動作自体は、双方のリンク機構30L,30Lを支持する静止部100,100を直接又は他の部材を介して当接させることで、静止部100,100の位置変動が起こり難くなり、安定した振動方向変換動作を実現できる。
【0037】
また、前述した静止部100,100間に取り付けられる制振部材350が、柔軟性又は比較的大きいコンプライアンスを備えると共に、ボイスコイル21が伝動手段30を介して振動板10に伝達する振動のうち、高周波数で規定される振動を遮断する高域遮断機能を備えることで、伝動手段30の振動で静止部100が共振を起こし、スピーカ2の再生音圧周波数特性が乱れたり、高調波歪みが発生したりするような不具合を抑止できる。
【0038】
駆動部20は連結部60,60を介してボイスコイル21に連結される。図示の例のように、連結部60,60は直接連結しても、制振部材350を介在させて連結しても構わない。連結部60,60が直接又は他の部材を介して連結している場合には、不要な振動の発生を抑止でき、音響特性を改善することができる。連結部60は、伝動手段30のボイスコイル側端部とボイスコイル21の伝動手段30の端部との間に設けられ、両端部の位置を振動板10の振動方向に沿って異ならせている。
【0039】
また、両面放射型のスピーカ2は、一対のスピーカ2を組み合わせても構わないし、図2に示されるような、一対の振動板と、この一対の振動板を振動自在に連結する伝動手段を備えるスピーカ2で構成しても構わない。
【0040】
図11に示した例と比較して、携帯型スピーカが従来のスピーカを備える場合には、従来のスピーカにより携帯型スピーカが振動してしまう。この時、携帯型スピーカと電子機器としてのパーソナルコンピュータ1Hとの接続部分に振動が伝搬し、パーソナルコンピュータ1Hから伝送される音声信号が従来のスピーカにうまく伝わらず、伝送不良が発生する場合がある。また、従来のスピーカの振動が携帯型スピーカを介してパーソナルコンピュータ1Hに伝搬し、パーソナルコンピュータ1Hが備える情報記録媒体に動作不良を発生させるなど、悪影響を与える場合がある。また、パーソナルコンピュータ1Hに、CD、DVD等の外部情報記録媒体が挿入されて情報が記録される際、従来のスピーカから伝搬した振動により、情報の記録が出来なくなる又は、正常な記録が出来なくなる場合がある。更に、パーソナルコンピュータ1Hが備える表示部(液晶パネル等)に振動が伝搬し、視認性が低下する場合がある。具体的には、表示部が画像を表示している際、表示部が振動して画像がにじんで見えてしまうこと等が挙げられる。そこで、従来のスピーカに代えて、図2、図14に示されるようなスピーカ2を用いることで、スピーカ2から生じる振動を抑止し、携帯型スピーカ103とパーソナルコンピュータ1Hとの接続部分や、情報記録媒体、外部情報記録媒体などに振動が伝搬して悪影響が生じることを抑止することができる。また、パーソナルコンピュータ1Hが備える、表示部に振動が振動して視認性が低下することを抑止することができる。
【0041】
また、図12に示した例と比較して、電子機器としてのプロジェクタ1Jに対し、従来のスピーカから振動が伝搬して、プロジェクタ1J自体が振動し、スクリーンに映し出される映像がにじんで見えたり、プロジェクタ1Jを据え置く台とプロジェクタ1Jとが接触して異音が生じたりする場合がある。プロジェクタ1Jに対し、従来のスピーカに代えて図2、図14に示されるようなスピーカ2を用いることで、スピーカ2から振動が伝搬して、プロジェクタ自体が振動し、スクリーンに映し出される映像がにじんで見えること、プロジェクタ1Jを据え置く台とプロジェクタとが接触して異音が生じることを抑止することができる。
【0042】
以上説明したように、本発明の実施形態に係るスピーカ付き電子機器1は、スピーカ2の振動によって駆動部3が動作不良を起こすことを抑止することができる。そして、スピーカ2自体を薄型に形成できるので、電子機器の機体の薄型化が可能になる。
【0043】
図15〜図17は、本発明の他の形態例に係るスピーカ付き電子機器を示した説明図である。ここではスピーカ付き電子機器の例として、スピーカ付きのテレビラックを示しており、スピーカを備えた音響機器がテレビラックに搭載される例(図15)とスピーカがテレビラックに一体に取り付けられる例(図16、図17)を示している。
【0044】
図15(同図(a)が側面図、同図(b)が平面図)に示した例は、よりよい音で薄型テレビを見たい、より迫力のある音で3D画像を楽しみたいという視聴者のニーズを満足するためのサウンドバーと言われる音響機器111を駆動装置3としてのDVDプレーヤ付きのテレビラック110(110A)の上に置いた例である。この音響機器111は薄型テレビをその上に乗せるか(符号111Sが薄型テレビの載置箇所)、あるいは薄型テレビの前に置いて使用する。この音響機器111には図1(c)または図2(b)のような両面で振動するスピーカ2が複数搭載されており、上側と下側の両方に音を放射する。2つの振動板が接近していて逆方向に振動するので無指向性の音が放射され、また薄いスピーカを使用することでデザイン性に優れた音響機器を構成できる。これらのスピーカ2から発した不要な振動は駆動装置3(例えばDVDプレーヤ)にも伝搬するが、その振動は一般的なスピーカに比べれば小さい。また、薄型テレビに駆動装置3としてハードディスクもしくはブルーレイプレーヤが搭載されている場合でも、これらのスピーカ2から発した不要な振動はハードディスクやブルーレイプレーヤにも伝搬するが、その振動は一般的なスピーカに比べれば小さい。なおこの実施形態では、必要に応じて高音専用のツィータ2Tを加えて構成してもよい。
【0045】
図16(同図(a)が側面図、同図(b)が平面図、同図(c)がX−X断面図)に示した例は、よりよい音で薄型テレビを見たい、より迫力のある音で3D画像を楽しみたいという視聴者のニーズを満足するためのスピーカ付きのテレビラック110(110B)である。このテレビラックには駆動装置3としてのDVDプレーヤも搭載されている。スピーカは図1(c)または図2(b)のような両面で振動するスピーカ2が複数搭載されており、上側と下側の両方に音を放射する。スピーカ2は、テレビラック110(110B)の筐体に形成された開口部110Pに支持部材2Pで支持されている。支持部材2Pはスピーカ2の下側の振動板から発せられる音を上側に導くための間隙が形成されている。2つの振動板が接近していて逆方向に振動するので無指向性の音が放射され、また薄いスピーカ2を使用することでデザイン性に優れたテレビラック110(110B)を構成できる。これらのスピーカ2から発した不要な振動は駆動装置3としてのDVDプレーヤにも伝搬するが、その振動は一般的なスピーカに比べれば小さい。また、薄型テレビに駆動装置3としてのハードディスクもしくはブルーレイプレーヤが搭載されている場合でも、これらのスピーカから発した不要な振動はハードディスクやブルーレイプレーヤにも伝搬するが、その振動は一般的なスピーカに比べれば小さい。なおこの実施形態では、必要に応じて高音専用のツィータ2Tを加えて構成してもよい。
【0046】
図17(同図(a)が側面図、同図(b)が平面図、同図(c)がX−X断面図)に示した例は、よりよい音で薄型テレビを見たい、より迫力のある音で3D画像を楽しみたいという視聴者のニーズを満足するためのスピーカ付きのテレビラック110(110C)の別の実施形態である。このテレビラック110(110C)には駆動装置3としてのDVDプレーヤも搭載されている。スピーカ2は図1(c)または図2(b)のような両面で振動するスピーカ2が少なくても1つ以上搭載されている。スピーカ2は、テレビラック110(110C)の筐体に形成された凹部110Qに支持部材2Pで支持されている。支持部材2Pはスピーカ2の下側の振動板から発せられる音を上側に導くための間隙が形成されている。凹部110Qは、下側へ放射された音を反射させて上方に導くために必要な容積を有し、下側に放射された音が凹部110Q内で反射して前述した隙間を通って上側に放射される。これらのスピーカ2から発した不要な振動はDVDプレーヤにも伝搬するが、その振動は一般的なスピーカに比べれば小さい。また、薄型テレビにハードディスクもしくはブルーレイプレーヤが搭載されている場合でも、これらのスピーカから発した不要な振動はハードディスクやブルーレイプレーヤにも伝搬するが、その振動は一般的なスピーカに比べれば小さい。なおこの実施形態では、必要に応じて高音専用のツィータ2Tを加えて構成してもよい。
【0047】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。上述の各図で示した実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【0048】
このようなスピーカ付き電子機器1は車載用として効果的に用いることができる。図18は、本発明の実施形態に係るスピーカ付き電子機器を備える自動車を示した説明図である。同図に示した自動車120は、スピーカ付き電子機器1の薄型化によって車内スペースの拡大が可能になる。特にドアパネルや天井に本発明の実施形態に係るスピーカ付き電子機器1を取り付けても、ドアパネルや天井の出っ張りを比較的小さくでき、運転者の操作スペースの拡大や、室内のスペースを拡大することが可能になる。また、充分な音声出力が得られるので、雑音が多い高速走行時等でも車内で快適に音楽やラジオ放送を楽しむことができる。
【0049】
また、スピーカ付き電子機器1を備える建築物として、人の居住を用途とする住宅(建築物)や会議、講演会、パーティー等、多数の人数を収容して催しを行うことができるホテル、旅館や研修施設等(建築物)では、壁や天井にスピーカ付き電子機器1を設置した場合、スピーカ付き電子機器1の設置に必要な厚さスペースを小さくできるので、室内における不要なスペースを削除でき、スペースを有効に活用することができる。
【0050】
なお、本出願には、2008年1月28に国際出願したPCT/JP2008/051197、2008年10月14日に国際出願したPCT/JP2008/068580、2008年10月27日に国際出願したPCT/JP2008/069480、2008年10月23日に国際出願したPCT/JP2008/069269、2009年2月27日に国際出願したPCT/JP2009/053752、2009年2月26日に国際出願したPCT/JP2009/053592、2009年1月20日に国際出願したPCT/JP2009/050764、2009年03月19日に国際出願したPCT/JP2009/055533、2009年3月19日に国際出願したPCT/JP2009/055496、2009年3月19日に国際出願したPCT/JP2009/055497、2009年3月19日に国際出願したPCT/JP2009/055498、2009年3月19日に国際出願したPCT/JP2009/055534、2009年3月19日に国際出願したPCT/JP2009/055523、2009年3月19日に国際出願したPCT/JP2009/055524、2009年3月19日に国際出願したPCT/JP2009/055525、2009年3月19日に国際出願したPCT/JP2009/055526、2009年3月19日に国際出願したPCT/JP2009/055527、2009年3月19日に国際出願したPCT/JP2009/055528、2009年7月9日に国際出願したPCT/JP2009/62482、2009年7月9日に国際出願したPCT/JP2009/62483、2009年7月9日に国際出願したPCT/JP2009/62484、2009年7月9日に国際出願したPCT/JP2009/62477、2009年7月9日に国際出願したPCT/JP2009/62478、2009年7月9日に国際出願したPCT/JP2009/62479、2009年7月9日に国際出願したPCT/JP2009/62480、2009年7月9日に国際出願したPCT/JP2009/62481、2009年7月28日に国際出願したPCT/JP2009/063524、2009年7月28日に国際出願したPCT/JP2009/063525、2009年7月28日に国際出願したPCT/JP2009/063526、2009年7月28日に国際出願したPCT/JP2009/063527、2009年10月15日に日本出願した特願2009/238688、2009年12月25日に国際出願したPCT/JP2009/071639に記載される全ての内容は、本出願に組み込まれる。
【符号の説明】
【0051】
1:スピーカ付き電子機器,2(2A,2B,2C,2D):スピーカ,
10(10A,10B):振動板,11:エッジ,20:駆動部,
21(21A,21B,21A1,21B1):ボイスコイル,
210:ボイスコイル支持部,211:ボイスコイル巻き線,
22(22A,22B):磁気回路,
22G:磁気ギャップ,220:ヨーク,220A,220B:突部,
221(221A,221B):磁石,23:ダンパ,
30:伝動手段,
31(31A,31B,31C,31D,31E,31F,31G,31H):リンク部,32:関節部,
3:駆動装置,30:操作部,
4,4−1,4−2:筐体,40:ディスプレイ,41:接続部,
100:静止部,
101:ラック,102:携帯情報端末,103:携帯型スピーカ,
110:テレビラック,111:音響機器(サウンドバー),
120:自動車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカと、情報記録媒体を駆動する駆動装置と、前記スピーカと前記駆動装置を支持する筐体とを備え、
前記スピーカは、
前記筐体に対して振動自在に支持される振動板と、前記振動板を音声信号に応じて駆動させる駆動部とを備え、
該駆動部は、前記音声信号が入力されるボイスコイルと磁気回路を備え、前記ボイスコイルが前記振動板の振動方向とは異なる方向に振動し、該ボイスコイルの振動を前記振動板に伝える伝動手段を備えることを特徴とするスピーカ付き電子機器。
【請求項2】
スピーカと、情報記録媒体を駆動する駆動装置と、前記スピーカが支持される第一の筐体と、前記駆動装置が支持される第二の筐体とを少なくても備え、
前記第一の筐体と前記第二の筐体は少なくてもその一部が直接的または間接的に接しているとともに、
前記スピーカは、
振動自在に支持される振動板と、前記振動板を音声信号に応じて駆動させる駆動部とを備え、
該駆動部は、前記音声信号が入力されるボイスコイルと磁気回路を備え、前記ボイスコイルが前記振動板の振動方向とは異なる方向に振動し、該ボイスコイルの振動を前記振動板に伝える伝動手段を備えることを特徴とするスピーカ付き電子機器。
【請求項3】
前記第一の筐体と前記第二の筐体は一体的に固定されていることを特徴とする請求項2に記載されたスピーカ付き電子機器。
【請求項4】
前記ボイスコイルは一対配備され、一対の前記ボイスコイルは略同一方向を互いに逆向きに振動することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載されたスピーカ付き電子機器。
【請求項5】
前記振動板が一対配備され、一対の前記振動板は略同一方向を互いに逆向きに振動することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載されたスピーカ付き電子機器。
【請求項6】
前記伝動手段は、前記ボイスコイルの振動を方向変換して前記振動板に伝えるリンク機構を備えることを特徴とする請求項5に記載されたスピーカ付き電子機器。
【請求項7】
前記リンク機構は、一端側が前記ボイスコイル側に角度変更自在に接合されると共に、他端側が前記振動板側に角度変更自在に接合され、前記振動板の振動方向及び前記ボイスコイルの振動方向のそれぞれに対して斜設された剛性のリンク部を有することを特徴とする請求項6に記載されたスピーカ付き電子機器。
【請求項8】
前記リンク機構は、一対の前記リンク部が平行状態を維持して角度変更する平行リンクを有することを特徴とする請求項7に記載されたスピーカ付き電子機器。
【請求項9】
一対の前記駆動部を備える前記ボイスコイルには、実質的に同じ音声信号が入力されることを特徴とする請求項4に記載のスピーカ付き電子機器。
【請求項10】
前記一対の振動板、又は一対の前記駆動部における前記ボイスコイルは、互いに異なる位相で振動することを特徴とする請求項5に記載のスピーカ付き電子機器。
【請求項11】
前記伝動手段は、剛性を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のスピーカ付き電子機器。
【請求項12】
請求項1または2に記載のスピーカ付き電子機器を備える自動車。
【請求項13】
請求項1または2に記載のスピーカ付き電子機器を備える建築物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−259251(P2011−259251A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−132474(P2010−132474)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(000221926)東北パイオニア株式会社 (474)
【Fターム(参考)】