説明

スピーカ装置

【課題】比較的高音質のスピーカ装置を提供すること、比較的小型のスピーカ装置を提供すること等。
【解決手段】スピーカ装置1は、筐体31と、筐体31に対向して配置される磁気回路10と、筐体31と磁気回路10の間に配置されるとともに、外周部が筐体31に振動自在に支持された振動体20と、振動体20の内部を通るように筐体31と磁気回路10との間に設けられて磁気回路10を支持する支持部材35と、少なくとも振動体20と筐体31により囲まれる空間内に配置された端子部27とを有し、振動体20は、ボイスコイル22を有し、この端子部27は、振動体20に固定されたボイスコイル22から引き出された導電線26(リード線)が電気的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、キャビネットの上方に形成された開口部に、コーン紙の中央部が外方に隆起する如くスピーカを配置し、且つそのコーン隆起部に対向する位置に実質的な平面状反射器が位置するようにした全指向性(無指向性)スピーカが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、上記特許文献1に記載された無指向性スピーカの一具体例は、上記コーン隆起部に対向する位置に磁気回路が配置されるとともに、その磁気回路が上記反射器として機能する。
【0003】
上記スピーカは、振動板を囲むように形成された支柱(フレーム)、詳細には、キャビネットの外周上端部から上方に延出し径方向中心側に向かって屈曲した形状のフレームが、上記コーン隆起部に対応する位置に配置された反射器や磁気回路を支持している。
【0004】
【特許文献1】実開昭50−146535号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記スピーカでは、振動板を囲むようにフレームが設けられており、スピーカ駆動時、フレームそのものが振動するなど不要な振動が発生して、音響特性が低下する場合がある。また、振動板から放射された再生音がフレームに反射するため音響特性が低下する場合がある。
【0006】
また、上記構成のスピーカにおいて、例えば、ボイスコイルから引き出された導電線(リード線)が接続される端子部を、振動板の外側の反射器や磁気回路に設けた場合、スピーカ駆動時、端子部に接続された導電線や外部接続線が振動して再生音と干渉して、音響特性が低下する場合がある。また、上記端子部に接続された導電線や外部接続線がフレームに接触して、不要な音が発生する虞がある。
【0007】
また、上記スピーカでは、振動板を囲むようなフレームを形成することを要し、スピーカが比較的大型となる。また、単純に、フレームや磁気回路などの外周部に端子部を設けた場合、スピーカの小型化が困難である。また、上記端子部を設けた場合、スピーカの美観が損なわれる虞がある。
【0008】
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、比較的高音質のスピーカ装置を提供すること、比較的小型のスピーカ装置を提供すること、比較的小型で高音質の全指向性(無指向性)スピーカ装置を提供すること、等が本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するために、本発明は、以下の独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
本発明に係るスピーカ装置は、筐体と、前記筐体に対向して配置される磁気回路と、前記筐体と前記磁気回路の間に配置される振動体と、前記振動体の内部を通るように、前記筐体と磁気回路との間に設けられ、前記磁気回路を支持する支持部材と、少なくとも前記振動体と前記筐体により囲まれる空間内に配置された端子部とを有し、前記振動体は、ボイスコイルを有し、前記端子部は、前記ボイスコイルから引き出された導電線が電気的に接続されていることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の一実施形態に係るスピーカ装置は、筐体と、前記筐体に対向して配置される磁気回路と、前記筐体と前記磁気回路の間に配置される振動体と、前記振動体の内部を通るように、前記筐体と磁気回路との間に設けられ、前記磁気回路を支持する支持部材と、少なくとも前記振動体と前記筐体により囲まれる空間内に配置された端子部とを有し、前記振動体は、ボイスコイルを有し、前記端子部は、前記ボイスコイルから引き出された導電線が電気的に接続されていることを特徴とする。
好適には、端子部は、支持部材に設けられていることを特徴とする。また、好適には、筐体は、スピーカ内部と外部とを貫く貫通孔を有し、その貫通孔を通って端子部と外部装置(例えば音声処理装置等)とが導電線により電気的に接続されていることを特徴とする。
【0011】
上記構成のスピーカ装置は、支持部材が、振動体の内部を通るように筐体と磁気回路との間に設けられており、端子部が、振動体と筐体により囲まれる空間内に配置されており、その端子部が、振動体に固定されたボイスコイルから引き出された導電線が電気的に接続されているので、例えば磁気回路や筐体等の外側に端子部が設けられた一般的なスピーカと比べて、端子部や導電線による不要な音の発生を低減することができ、比較的高音質の再生音を提供することができる。
また、本発明の一実施形態に係るスピーカ装置は、上述した端子部が、振動体と筐体により囲まれる空間内に配置されているので、比較的小型の無指向性のスピーカ装置を提供することができる。
また、好適には、スピーカ装置は、端子部が支持部材に設けられているので、簡単な構成で比較的小型の無指向性のスピーカ装置を提供することができる。
また、詳細には、本発明の一実施形態に係るスピーカ装置は、端子部が、振動体と筐体により囲まれる空間内に配置されているので、端子部が再生音と干渉することがなく、比較的良好な音響特性の再生音を提供することができる。
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係るスピーカ装置について、図面を参照しながら説明する。
【0013】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るスピーカ装置1の断面図である。図2は、本発明の第1実施形態の変形例に係るスピーカ装置1の断面図である。
図1,2に示すように、本発明の第1実施形態に係るスピーカ装置1は、磁気回路10、振動体20、端子部27、筐体31、支持部材35、およびイコライザ40を有する。
磁気回路10は本発明に係る磁気回路の一実施形態に相当し、振動体20は本発明に係る振動体の一実施形態に相当する。端子部27は本発明に係る端子部の一実施形態に相当し、筐体31は本発明に係る筐体の一実施形態に相当する。支持部材35は本発明に係る支持部材の一実施形態に相当する。
【0014】
本実施形態に係るスピーカ装置1は、例えば、磁気回路10,振動体20,筐体31,支持部材35,およびイコライザ40等が同心状に形成されており、詳細には中心軸に対して回転対称性(等方性)を有し、支持部材35の長手方向(中心軸に沿った方向)と直交する方向に全指向性(無指向性)の音響特性を有する。つまり水平無指向性スピーカ装置に、本発明に係るスピーカ装置を適用する。
以下、各構成要素について詳細に説明する。
【0015】
筐体31は、例えば図1に示すように、凹形状に形成されており、スピーカ装置1の土台として機能する。筐体31は、底面外側に形成された凹部31a、および凹部31aの略中央部に形成された貫通孔31dを有する。また、筐体31は、背面側に凹部31cが形成されている。詳細には、凹部31cは、支持部材35が設けられた面側と対向する面側に形成されている。この凹部31cには例えばネットワーク素子8が設けられている。ネットワーク素子8は、例えばキャパシタ、コイル、トランジスタ、集積回路(IC:Integrated circuit)、スイッチ、発光素子などの電子部品や電気部品である。
【0016】
支持部材35は、磁気回路10を支持する。詳細には、支持部材35は、振動体20の内部を通るように、筐体31と磁気回路10との間に配置され、筐体31と磁気回路10を相互に対向するように支持する。支持部材35は、例えば図1に示すように、第1の支持部材35a、および第2の支持部材35bを有する。
第1の支持部材35aは本発明に係る柱形状支持部材の一実施形態に相当し、第2の支持部材35bは本発明に係る筒形状支持部材の一実施形態に相当する。
【0017】
第1の支持部材35aは、貫通孔31dに挿入されている。また、第1の支持部材35aは、筒形状の第2の支持部材35bに挿嵌される。また、第1の支持部材35aは、例えば一端部が磁気回路10に結合し、他端部が筐体31に結合する。詳細には、第1の支持部材35aとしては、例えばボルトなどを採用することができ、そのボルトの頂部は凹部31c内に収容されている。例えばボルトの先端部に形成された螺合部が、磁気回路10のヨーク11の内周部に形成された被螺合部に螺合することで、第1の支持部材35aと磁気回路10とが結合している。第1の支持部材35aは、例えば金属、樹脂などの公知の材料により構成されている。第1の支持部材35aは、例えば上記実施形態に限られるものではなく、例えばボルトの先端部が筐体31に結合し、頂部が磁気回路10に結合してもよい。
第2の支持部材35bは、筒形状に形成されており、内部に第1の支持部材35aが挿入されている。また、第2の支持部材35bは、一端部が磁気回路10に接合し、他端部が筐体31に接合している。第2の支持部材35bは、例えば樹脂や金属などの公知の材料により構成されている。また、第2の支持部材35bには、後述する端子部27が取り付けられており、この第2の支持部材35bは、端子部27と電気的に接続しないように樹脂等の非導電性材料にて形成されていることが好ましい。
【0018】
また、支持部材35と、筐体31または磁気回路10を構成する部材が、異なる部材、特に異なる金属材料にて形成されていることが好ましい。このように形成することで、例えば支持部材35に設けられた端子部27、導電線26、導電線7などが、筐体31から支持部材35を介して伝播する振動により共振することを抑止することができる。
【0019】
筐体31は、図1に示すように、凹部31cが形成されている範囲に、周方向に沿って複数の比較的小さい貫通孔31bが形成されている。この貫通孔31bは、例えば、端子部27に電気的に接続された導電線(外部接続線)7が通る通路として機能する。例えば導電線7は、外部装置9に直接電気的に接続されていてもよいし、図2に示すように、ネットワーク素子8および導電線81等を介して外部装置9に接続されていてもよい。また、本実施形態に係るネットワーク素子8は、凹部31cに設けられているが、この形態に限られるものではなく、例えば筐体内に設けられていてもよい。
【0020】
また、図1,2に示すように、貫通孔31bは、スピーカ装置1の内部、詳細には振動体20および筐体31により形成されるスピーカ装置1の内部空間と、筐体31の外部との間で空気を交換することにより、振動体内部および磁気回路内部の温度上昇を抑制する通気孔として機能する。また、貫通孔31bは、振動体20内部の空気圧を調整する機能も有する。また、例えば筐体31がキャビネットとして機能するバスレス型スピーカ装置の場合、貫通孔31bが筐体31に形成されていることで、低域共振周波数を比較的小さくすることができる。貫通孔31bは、上記形態に限られるものではなく、例えば貫通孔31bは、筐体31の側面から径方向に沿って中心側に向かって形成されていてもよい。
【0021】
[振動体20]
振動体20は、ボイスコイルボビン21、ボイスコイル22、振動板23、エッジ24、およびダンパ25を有する。
ボイスコイルボビン21は、筒形状に形成されている。また、ボイスコイルボビン21は、上端部(磁気回路側の端部)にボイスコイル22が設けられている。本実施形態に係るボイスコイルボビン21は、後述する振動板23の内周部から磁気回路10へ延び、振動板23と磁気回路10との間に配置されている。ボイスコイルボビン21を、振動板23と磁気回路10との間に配置することで、ボイスコイルボビン21の長さを比較的小さくでき、振動体20の重量を低減することができる。また、ボイスコイルボビン21の長さを比較的小さくすることで、ボイスコイル22の振動が振動板23により伝わりやすくなり、特に高域の再生帯域を拡大することが可能となる。また、ボイスコイルボビン21を後述する端子部27と磁気回路10との間に配置することで、ボイスコイル22の振動に伴い、ボイスコイルボビン21が振動しても、端子部27に接触すること、端子部27に接触することで異音が生じることを抑止することが可能となる。
ボイスコイル22は、筒形状に形成されており、ボイスコイルボビン21に巻回されている。ボイスコイル22から引き出された導電線(リード線)26は、端子部27に電気的に接続されている。ボイスコイル22としては、例えばショートボイスコイルやロングボイスコイル等を採用することができる。本実施形態に係るボイスコイル22は、ショートボイスコイルを採用している。ショートボイスコイル22を採用することで、振動体20の重量を低減することができ、ショートボイスコイル22が磁気回路の一部に接触することを抑止することができる。
振動板23は、円錐形状に形成されており、筐体31を覆うように配置されている。詳細には、振動板23は、筐体31側の端部の径が、磁気回路10側の端部の径より大きなコーン形状に形成されている。また、振動板23は、外周部(外周端)がエッジ24を介して振動自在に筐体31の外周部に固定されており、内周部がボイスコイルボビン21の外周部に接着剤などにより接続されている。
エッジ24は、内周部が振動板23の外周部に固定されており、外周部(外周端部)が筐体31に固定されている。例えば、振動板23とエッジ24は、一体成形されていてもよいし、別部材であってもよい。
ダンパ25は、内周部がボイスコイルボビン21の外周部に接続され、外周部が磁気回路10を構成する部材に接続されている。詳細には、ダンパ25は、磁気回路10の下面側に配置されたダンパ支持部材14に接続されている。
【0022】
[磁気回路10]
磁気回路10は、ヨーク11、マグネット12、プレート13、およびダンパ支持部材14を有する。磁気回路10としては、例えば外磁型磁気回路、内磁型磁気回路等を採用してよい。本実施形態に係る磁気回路10としては、外磁型磁気回路を採用する。磁気回路10は、支持部材35の上部、詳細には筐体31と反対側端部に設けられている。本実施形態に係る磁気回路10は、イコライザ40の凹部内に設けられている。具体的には、磁気回路10は、イコライザ40により取り囲まれている。
【0023】
ヨーク11は、略円筒形状の本体部11a、および本体部11aの上端から外周方向へ延在するフランジ部11bを備える。ヨーク11は支持部材35により支持されている。詳細には、ヨーク11は、第2の支持部材35b上に配置された状態で、第1の支持部材35aがヨーク11の中央部に形成された孔に挿入されている。ヨーク11は、例えば、金属などの公知の材料により形成されている。
マグネット12は、リング形状に形成されており、ヨーク11のフランジ部11bの下面部に配置されている。マグネット12は、例えば、サマリウム・コバルト系、アルニコ系、希土類系、フェライト系磁石等の永久磁石等により形成されている。
プレート13は、リング形状に形成されており、マグネット12の下面部に配置されている。プレート13は、例えば、金属などの公知の材料により形成されている。上記構成の磁気回路10は、ヨーク11の略円筒形状の本体部11aの外周壁と、プレート13の内周壁との間に磁気ギャップが形成されている。
ダンパ支持部材14は、リング形状に形成され、プレート13の下面に設けられている。ダンパ支持部材14は、例えば樹脂などの公知の材料により形成されている。
【0024】
端子部27は、例えば鉄などの金属により形成されており、振動体20に固定されたボイスコイル22から引き出された導電線26が電気的に接続されている。この端子部27は、例えば図1,2に示すように、第2の支持部材35bの略中間位置に設けられている。また、端子部27は、一端部が第2の支持部材35bに固定されており、他端部が径方向外側に向かって所定距離だけ延出した形状に形成されている。また、本実施形態に係る端子部27は、例えばL字形状に形成されており、支持部材35の長手方向に沿った部分が、第2の支持部材35bに形成された溝状の被嵌合部に嵌合した状態で、接着剤などにより固定されている。また、端子部27と第2の支持部材35は、例えば射出成型製造方法などにより一体成形されていてもよい。また、端子部27には、例えば導電線7が貫通孔31bを介して外部装置9に電気的に接続されていてもよいし、ネットワーク素子8に接続されていてもよい。
【0025】
イコライザ40は、例えば図1,2に示すように、磁気回路10を取り囲むような形状に形成され、外周形状が、略円柱形状に形成されており、筐体31側の端部には傾斜面部が形成されている。本実施形態に係るイコライザ40は、筐体31側の端部に形成された傾斜面部が曲面状である。この傾斜面部を曲面状にすることで、出力音圧周波数特性を、低音域から高音域にかけて、平坦状にすることが可能となる。また、イコライザ40の外径を、筐体31の内径よりも小さくすることで、出力音圧周波数特性を、低音域から高音域にかけて、平坦状にすることを可能とする。
【0026】
上記構成のスピーカ装置1では、例えば、音声再生装置、増幅回路、ラジオ、テレビジョン放送受信装置、チューナー、カーナビゲーションシステム、音声処理装置、等の外部装置9から音声信号が、導電線81、ネットワーク素子8、導電線7を介して、端子部27に入力される。この際、外部装置9から導電線7を介して端子部27に音声信号が入力されてもよい。そして、音声信号が、端子部27から導電線26を介して、ボイスコイル22に入力する。ボイスコイル22には、磁気回路10の磁気ギャップの磁場と、音声信号のレベルに応じた駆動力(ローレンツ力)が生じて、その駆動力によりボイスコイルボビン21、振動板23などの振動体20が、上下方向(支持部材35の長手方向に沿った方向)に振動する。振動板23から放射された音波(再生音)の一部は、イコライザ40により反射されて、所定の音響特性の音波となって所定方向に放射される。
また、上記構成のスピーカ装置1は、振動体20やイコライザ40などが、同心状に形成されており、イコライザ40により反射されて放射された再生音は、支持部材35の長手方向と直交する方向に全指向性(無指向性)の音響特性を有する。
【0027】
図3は、スピーカ装置の音響特性を説明するための図である。詳細には、図3(A)は本発明の一実施形態に係るスピーカ装置の音響特性を説明するための図であり、図3(B)は比較例のドーム型振動板を備える一般的なスピーカ装置の音響特性を説明するための図であり、図3(C)は音響特性の測定角度を説明するための図である。
図3(A),3(B)において、縦軸がSPL(Sound Pressure Level:単位dB(decibel))を示し、横軸は周波数(単位Hz)を示す。
【0028】
次に、本発明の一実施形態に係るスピーカ装置1と、一般的なスピーカ装置(具体的にはドーム型スピーカ装置)の再生音の音響特性を測定結果を説明する。図3(C)に示すように、スピーカ装置の上方(支持部材の長手方向)を基準として、0°、30°、60°、90°方向で、再生音の音響特性を測定した。
図3(B)に示すように、一般的なドーム型スピーカでは、上記角度それぞれの音響特性のばらつきが比較的大きい。詳細には、一般的なドーム型スピーカは、中心軸に対して直交する方向(水平方向)では、高音域の音圧レベルが中心軸方向と比べて小さいという、指向性がある音響特性を有する。
一方、図3(A)に示すように、本発明の一実施形態に係るスピーカ装置1では、上記角度それぞれの再生音の音響特性のばらつきが比較的小さい。また、スピーカ装置1では、各周波数にて比較的大きな音圧レベルの再生音が得られた。
つまり、本発明に係るスピーカ装置1は、支持部材35の長手方向と直交する方向に全指向性(無指向性)の音響特性を有するとともに、支持部材35の長手方向を基準とし角度0°〜90°方向への音響特性も略均一である。このため上記スピーカユニット1から再生音が放射されると、聴取者にとって音が明瞭となる。
【0029】
以上、説明したように、本実施形態に係るスピーカ装置1は、筐体31と、筐体31に対向して配置される磁気回路10と、筐体31と磁気回路10の間に配置されるとともに、外周部が筐体31に振動自在に支持された振動体20と、振動体20の内部を通るように筐体31と磁気回路10との間に設けられて磁気回路10を支持する支持部材35と、少なくとも振動体20と筐体31により囲まれる空間内に配置された端子部27とを有し、この端子部27は、振動体20に固定されたボイスコイル22から引き出された導電線26(リード線)が電気的に接続され、導電線7が端子部27から筐体31に形成された貫通孔31bを介して外部装置9に接続されているので、例えば磁気回路や筐体等の外側に端子部が設けられた一般的なスピーカ装置と比べて、端子部27や導電線26による不要な音の放射を低減することができ、比較的高音質の再生音を提供することができる。
【0030】
また、スピーカ装置1は、端子部27が、振動体20と筐体により囲まれる空間内、詳細には支持部材35の略中間位置に配置されているので、例えば外側部に端子部が設けられた一般的なスピーカ装置と比べて、比較的小型で高音質の無指向性のスピーカ装置を提供することができる。
【0031】
また、スピーカ装置1は、振動板の外側にボイスコイルから引き出された導電線26が露出していないので、外観の対称性がよい。
【0032】
また、本実施形態に係るスピーカ装置1は、筐体31の凹部31cに、ネットワーク素子8が備えられているので、例えば外側部にネットワーク素子8が設けられた一般的なスピーカ装置と比べて、比較的小型のスピーカ装置を提供することができる。また、スピーカ装置1は、筐体31の凹部31cにネットワーク素子8が設けられているので、例えば、筐体31の凹部31aの内周面側にネットワーク素子8を設けた場合と比べて、簡単に外部装置9に配線を行うことができる。
【0033】
また、本実施形態に係るスピーカ装置1は、振動板23の音響放射側に、開放された空間が形成されているので、振動板23の音響放射側にフレームなどが形成された一般的なスピーカ装置と比べて、そのフレームによる再生音の反射や、そのフレームの不要な振動による音質低下などの不具合がなく、高音質の再生音を提供することができる。
【0034】
また、本実施形態に係るスピーカ装置1は、ショートボイスコイル22を採用することで、振動体20の重量を低減することができ、ショートボイスコイル22が磁気回路の一部に接触することを低減することができる。
【0035】
また、支持部材35と、筐体31または磁気回路10を構成する部材が、異なる部材、特に異なる金属材料にて形成されていることが好ましい。このようにすることで、例えば支持部材35に設けられた端子部27、導電線26、導電線7などが、筐体31から支持部材35から伝動する振動により共振することを抑止することができる。
【0036】
[第2実施形態]
図4は、本発明の第2実施形態に係るスピーカ装置1aの断面図である。第1実施形態との相違点を説明する。
図4に示すように、本実施形態に係るスピーカ装置1aは、金属部材58、金属部材59、および金属部材60を有する。
金属部材58は、ヨーク11の外周部と対向するマグネット12の内周部に設けられている。金属部材59は、プレート13の内周部に対向するヨーク11の外周部に設けられている。金属部材60は、プレート13の内周部に設けられている。これら金属部材58〜60としては、例えば銅、鉄などの公知の金属材料を採用することができる。
この金属部材58〜60は、例えばショートボイスコイル22のインダクタンス(誘導係数とも言う)が大きくなることを抑止でき、スピーカユニット1aの感度を向上できる。
【0037】
以上、説明したように、本実施形態に係るスピーカ装置1aは、金属部材58〜60を有するので、ショートボイスコイル22のインダクタンス(誘導係数とも言う)が大きくなることを抑止でき、スピーカユニット1aの感度を向上できる。特に高音域で比較的良好な音響特性の再生音を提供することができる。
【0038】
また、上述した実施形態に係るスピーカ装置1aは、金属部材58〜60を有していたが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、金属部材58、金属部材59、および金属部材60のいずれかを有していてもよいし、それの組み合わせであってもよい。
【0039】
[第3実施形態]
図5は、本発明の第3実施形態に係るスピーカ装置1bの断面図である。第1および第2実施形態との相違点を説明する。
図5に示すように、本実施形態に係るスピーカ装置1bは、プレート17を有する。プレート17は、ヨーク11から振動板23の内部に向かって延在するリング形状に形成されている。詳細には、スピーカ装置1bは、マグネット12の下面に取り付けられたプレート13と、ヨーク11の下側に第2の支持部材35bを取り囲むリング形状のプレート17を有する。
上記構成のスピーカ装置1bは、磁気回路10の磁気ギャップ内での磁束密度分布が略均一となり、磁束密度分布の不均一による再生音の歪を低減することができ、特に高音域で比較的良好な音響特性の再生音を提供することができる。
【0040】
[第4実施形態]
図6(A)は、本発明の第4実施形態に係るスピーカ装置1cの断面図であり、図6(B)は、本発明の第4実施形態の変形例に係るスピーカ装置1dの断面図である。第1〜第3実施形態との相違点を説明する。
第1および第2実施形態に係るスピーカ装置は、外磁型磁気回路10を有していたが、本実施形態に係るスピーカ装置1cは、図6(A)に示すように、内磁型磁気回路10cを有する。
この磁気回路10cは、平板形状のヨーク11c、ヨーク11cの下面側に配置されたリング形状のマグネット12c、およびマグネット12cの下面側に配置されたリング形状のプレート13cを有する。支持部材35aは、ヨーク11cに結合し、イコライザ40を支持している。
【0041】
また、図6(B)に示すように、スピーカ装置1dは、内磁型磁気回路10cを有する。この磁気回路10cは、ヨーク11d、ヨーク11dの下面側に配置されたリング形状のマグネット12d、および、その下面側に設けられたリング形状のプレート13dを有する。詳細には、ヨーク11dは、外周部が筐体31に向けて延出した形状に形成されている。支持部材35aは、ヨーク11dに結合し、イコライザ40を支持している。
【0042】
上記構成のスピーカ装置1c,1dは、内磁型磁気回路10を有しているので、例えば外磁型磁気回路を備えるスピーカ装置と比べて、簡単な構成で本発明に係るスピーカ装置を実現することができる。またスピーカ装置は、比較的簡単な構成を有するので、より小型化することができる。
【0043】
[第5実施形態]
図7は、本発明の第5実施形態に係るスピーカ装置1eの断面図である。第1から第4実施形態に係るスピーカ装置との相違点を説明する。
図7に示すように、本実施形態に係るスピーカ装置1eは、内磁型磁気回路10eを有する。磁気回路10eは、ヨーク11e、リング形状のマグネット12e、およびマグネット12eの下面側に設けられたリング形状のプレート13dを有する。詳細には、ヨーク11eは、第3実施形態に係るヨーク11cと比べて、端部が筐体31側に延出したのち、径方向内側にプレート13eに向けて屈曲した形状に形成されている。
【0044】
上記構成のスピーカ装置1eは、上記構成のヨーク11eを備える内磁型磁気回路10eを有するので、例えば第3実施形態に係るスピーカ装置1cと比べて、磁気回路10eの磁気ギャップの磁束密度が比較的大きい。このためスピーカ装置1eは、比較的大音圧の再生音を提供することができる。
【0045】
[第6実施形態]
図8は、本発明の第6実施形態に係るスピーカ装置1fの断面図である。第1および第2実施形態との相違点を説明する。
本実施形態に係るスピーカ装置1fは、内磁型磁気回路10fを備える。詳細には、図8に示すように、磁気回路10fは、ヨーク11f、平板形状のマグネット12f、およびマグネット12fの下面側に配置された平板形状のプレート13fを有する。詳細には、ヨーク11fは、第3実施形態に係るヨーク11cと比べて、端部が筐体31側に延出した形状に形成されている。
【0046】
上記構成のスピーカ装置1fは、上記構成のヨーク11fを備える内磁型磁気回路10fを有するので、例えば第5実施形態に係るスピーカ装置1eと比べて、ヨーク11fが簡単な構成である。このため、簡単な構成で本発明に係るスピーカ装置1fを実現することができる。
【0047】
[第7実施形態]
図9(A)は、本発明の第7実施形態に係るスピーカ装置1gの断面図であり、図9(B)は、本発明の第7実施形態の変形例に係るスピーカ装置1hの断面図である。第1から第6実施形態との相違点を説明する。
各実施形態のスピーカ装置において、振動板23の周囲を取り囲むように、保護用ネット、保護ガード、防護部材などを設けて、振動板23を保護してもよい。
【0048】
詳細には、例えば図9(A)に示すように、第7実施形態に係るスピーカ装置1gは、保護用ネット51を備える。保護用ネット51は、イコライザ40と筐体31との間の空間を覆うように設けられている。保護用ネット51や円筒形状の保護ガードは、周方向に一様に形成されているので、保護用ネットや円筒形状の保護ガードを振動板の周囲に配置しても、音響特性に悪影響が生じることを抑止することができる。
【0049】
また、図9(B)に示すように、スピーカ装置1hは、防護部材52を有する。防護部材52は、例えば棒状の部材であり、複数の防護部材52が、周方向に等間隔で設けられている。上記構成のスピーカ装置1hに、図9(B)に示される形状の防護部材52を設けることで、防護部材52に共振等が生じ、音響特性に悪影響が生じることを抑止することができる。
例えば、防護部材が、筐体31から磁気回路10まで延在した形状に形成されており、筐体31及び磁気回路10又はイコライザ40の双方に支持されているスピーカ装置の場合には、下記のような問題点が挙げられる。ボイスコイル22が振動する時、例えば、ボイスコイル22が音響放射方向へ向かって振動すると、磁気回路10は磁気的な反発力を受けて、音響放射方向とは逆側に振動する。この振動が防護部材52に伝わって共振等が発生し、防護部材52が音波を発生する。また、ボイスコイル22が振動する時、ダンパ25が振動板23の振動に追従して振動するので、ダンパ25の振動が防護部材52に伝わって共振等が発生し、防護部材52が音波を発生する。また、ボイスコイル22が振動する時、振動板23が振動することで、振動板23の背面(音響放射方向とは逆側の面)から筐体31に向かって空気圧が筐体31に作用し、筐体31が振動する。このため、筐体31の振動が防護部材52に伝わって共振等が発生し、防護部材52が音波を発生する。
一方、本実施形態に係る防護部材52は、図9(B)に示されるような形状、詳細には下端部が筐体31に接合されていないコーン形状に形成されているので、防護部材52が共振等にて音波を発生して音響特性に悪影響が生じることを抑止できる。図10は、上記スピーカ装置の実験結果を示す図である。詳細には、防護部材52が設けられている場合と設けられていない場合のスピーカ装置の音響特性を示す図である。横軸は周波数(kHz)を示し、縦軸は音圧(dB)を示す。図10に示すように、図9(B)に示すような形状の防護部材52を設けた場合と、それがない場合とでほとんど音響特性に影響がない。また、防護部材の下端部を筐体に接合し、上端部を開放端部としてもよい。
【0050】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではない。各種形態により本発明を実施してもよいし、上述した実施形態を組み合わせて実施してもよい。
また、上述した実施形態では、端子部27はL字形状に形成されていたが、この形態に限られるものではなく、各種形状に形成されていてもよい。
また、上述した実施形態では、全指向性(無指向性)のスピーカ装置、特に水平方向(ボイスコイルの振動方向に対し垂直な方向)での音圧レベルが略等しく、水平方向における音圧レベルとボイスコイルの振動方向における音圧レベルとの間に大きな差が見られないスピーカユニットを説明したが、この形態に限られるものではなく、特定の方向に指向性を有していてもよい。
また、上述した実施形態では、振動板23は円形状に形成されていたが、この形態に限られるものではなく、例えば四角錐形状や、多角錐形状など、各種形状に形成されていてもよい。
【0051】
以上、説明したように、本発明に係るスピーカ装置1は、筐体31と、筐体31に対向して配置される磁気回路10と、筐体31と磁気回路10の間に配置されるとともに、外周部が筐体31に振動自在に支持された振動体20と、振動体20の内部を通るように筐体31と磁気回路10との間に設けられて磁気回路10を支持する支持部材35と、少なくとも振動体20と筐体31により囲まれる空間内に配置された端子部27とを有し、この端子部27は、振動体20に固定されたボイスコイル22から引き出された導電線26(リード線)が電気的に接続され、導電線7が端子部27から筐体31に形成された貫通孔31bを介して外部装置9に接続されているので、例えば磁気回路や筐体等の外側に端子部が設けられた一般的なスピーカ装置と比べて、端子部27や導電線26による不要な音の放射を低減することができ、比較的高音質の再生音を提供することができる。
【0052】
また、スピーカ装置1は、振動体20の内側に端子部27が配置されているので、外観の対称性がよい。見た目がよい。
また、スピーカ装置1は、振動体20の内側に端子部27が形成されているので、比較的小型のスピーカ装置1を提供することができる。
また、スピーカ装置1は、振動体20の内部を通る支持部材35に端子部27が備えられ、ボイスコイル22から引き出された導電線26(リード線,錦糸線を含む)が、端子部27に接続されているので、比較的高音質の再生音を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1実施形態に係るスピーカ装置1の断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の変形例に係るスピーカ装置1の断面図である。
【図3】スピーカ装置の音響特性を説明するための図であり、詳細には(A)は本発明の一実施形態に係るスピーカ装置の音響特性を説明するための図であり、(B)は比較例のドーム型振動板を備える一般的なスピーカ装置の音響特性を説明するための図であり、(C)は音響特性の測定角度を説明するための図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るスピーカ装置1aの断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係るスピーカ装置1bの断面図である。
【図6】(A)は本発明の第4実施形態に係るスピーカ装置1cの断面図であり、(B)は本発明の第4実施形態の変形例に係るスピーカ装置1dの断面図である。
【図7】本発明の第5実施形態に係るスピーカ装置1eの断面図である。
【図8】本発明の第6実施形態に係るスピーカ装置1fの断面図である。
【図9】(A)は本発明の第7実施形態に係るスピーカ装置1gの断面図であり、(B)は本発明の第7実施形態の変形例に係るスピーカ装置1hの断面図である。
【図10】図9(B)に示したスピーカ装置1hの音響特性を説明するための図である。
【符号の説明】
【0054】
1 スピーカ装置
7 導電線
8 ネットワーク素子
9 外部装置
10 磁気回路
11 ヨーク
12 マグネット
13 プレート
14 ダンパ支持部材
20 振動体
21 ボイスコイルボビン
22 ボイスコイル
23 振動板
24 エッジ
25 ダンパ
26 導電線(リード線)
27 端子部
31 筐体
31c 凹部
31d 貫通孔(引出通路)
35 支持部材
35a 第1の支持部材
35b 第2の支持部材
40 イコライザ
51 保護用ネット
52 防護部材
58〜60 金属部材
81 導電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に対向して配置される磁気回路と、
前記筐体と前記磁気回路の間に配置される振動体と、前記振動体の内部を通るように、前記筐体と磁気回路との間に設けられ、前記磁気回路を支持する支持部材と、
少なくとも前記振動体と前記筐体により囲まれる空間内に配置された端子部とを有し、
前記振動体は、ボイスコイルを有し、
前記端子部は、前記ボイスコイルから引き出された導電線が電気的に接続されていることを特徴とする
スピーカ装置。
【請求項2】
前記端子部は、前記支持部材に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
【請求項3】
前記筐体は、貫通孔を有し、該貫通孔を通って前記端子部と外部装置とが導電線により電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載されるスピーカ装置。
【請求項4】
前記筐体は、前記支持部材が設けられた面側と対向する面側に凹部が形成され、該凹部にネットワーク素子が備えられ、
前記ネットワーク素子は、導電線により前記端子部に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載されるスピーカ装置。
【請求項5】
前記磁気回路は、磁石とヨークとを備える外磁型磁気回路を有し、
前記支持部材は、前記ヨークを支持していることを特徴とする請求項1に記載されるスピーカ装置。
【請求項6】
前記磁気回路は、ヨーク、磁石、および前記磁石の下面側に配置されたプレートを備える内磁型磁気回路を有し、
前記支持部材は、前記プレートを支持していることを特徴とする請求項1に記載されるスピーカ装置。
【請求項7】
前記磁気回路は、ヨーク、磁石、および前記磁石の下面側に配置されたプレートを備える外磁型磁気回路を有し、
前記支持部材は、前記ヨークを支持していることを特徴とする請求項1に記載されるスピーカ装置。
【請求項8】
前記磁気回路は、イコライザを備えることを特徴とする請求項1に記載されるスピーカ装置。
【請求項9】
前記支持部材と、前記筐体または磁気回路を構成する部材が、異なる材料にて形成されていることを特徴とする請求項1に記載されるスピーカ装置。
【請求項10】
前記振動体は、その外周部が前記筐体に振動自在に支持されることを特徴とする請求項1に記載されるスピーカ装置。
【請求項11】
前記振動体は、振動板、エッジ、前記ボイスコイルが巻き回されたボイスコイルボビン、およびダンパを備え、
前記振動板は、外周部が前記エッジを介して前記筐体に支持され、内周部が前記ボイスコイルボビンの外周部に接続され、
前記ダンパは、内周部が前記ボイスコイルボビンの外周部に接続され、外周部が前記磁気回路を構成する部材に接続されていることを特徴とする請求項10に記載されるスピーカ装置。
【請求項12】
前記振動板と前記エッジとが一体成形されていることを特徴とする請求項11に記載されるスピーカ装置。
【請求項13】
前記磁気回路は、ヨーク、磁石、プレート、および前記プレートの下面側に配置されたダンパ支持部材を備える外磁型磁気回路を有し、
前記ダンパは、外周部が前記ダンパ支持部材に接続されていることを特徴とする請求項1に記載されるスピーカ装置。
【請求項14】
前記振動体の周囲を囲むように保護用ネットまたは防護用部材が配置されることを特徴とする請求項1に記載されるスピーカ装置。
【請求項15】
前記振動体は、振動板を有し、該振動板の音響放射側に、開放された空間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載されるスピーカ装置。
【請求項16】
前記振動体は、コーン形状に形成された振動板を有することを特徴とする請求項1に記載されるスピーカ装置。
【請求項17】
前記端子部は、前記支持部材の略中間位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載されるスピーカ装置。
【請求項18】
前記支持部材は、筒形状に形成されるとともに、一端部が前記磁気回路に接合し、他端部が前記筐体に接合する筒形状支持部材と、
前記筒形状支持部材内に挿嵌されるとともに、一端部が前記磁気回路に結合し、他端部が前記筐体に結合する柱形状支持部材とを備え、
前記端子部は、前記筒形状支持部材の外側面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載されるスピーカ装置。
【請求項19】
前記支持部材の長手方向と直交する方向に全指向性の音響特性を有することを特徴とする請求項1に記載されるスピーカ装置。
【請求項20】
前記ボイスコイルは、ショートボイスコイルであることを特徴とする請求項1に記載されるスピーカ装置。
【請求項21】
前記ボイスコイルボビンは、前記振動板の内周部から前記磁気回路へ延び、前記振動板と前記磁気回路との間に配置されていることを特徴とする請求項10に記載されるスピーカ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−124441(P2009−124441A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−296000(P2007−296000)
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(000221926)東北パイオニア株式会社 (474)
【Fターム(参考)】