説明

スプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造方法

【課題】 毒性の高い鉛、錫等を含有する重金属触媒を使用せずに、アミン触媒量の増加を抑え、初期発泡性の改良及び施工性の改善を達成し得るスプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。
【解決手段】 ポリオールとポリイソシアネートを触媒、発泡剤、及び必要に応じて助剤の存在下に反応させ、スプレー式硬質ウレタンフォームを製造する方法において、発泡剤の一部又は全部として、下記一般式(1)
【化1】


(式中、R〜Rは、各々独立して、水素原子又はメチル基を表す。nは1以上の整数である。)
で示されるアミン化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物と二酸化炭素との塩からなる発泡性添加剤を用い、かつ触媒として、第3級アミン類、第4級アンモニウム塩類、及びカルボン酸金属塩類(ただし、鉛、錫、水銀の塩を除く。)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の触媒を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレー式硬質ウレタンフォームの製造法、特に鉛化合物、錫化合物等の重金属触媒を使用しなくても初期発泡性が改良される硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンフォームは、クッション性、衝撃吸収性能、断熱性及び自己接着性等に優れることから、家具、自動車部品、電気冷蔵庫、建材等に幅広く利用されている。
【0003】
断熱材として使用される硬質ポリウレタンフォームの製造においては、従来、断熱性能を維持するため、発泡剤として有機フロン化合物が使用されてきた。しかしながら、近年、地球環境の保護という観点から、これらの使用を禁止する動きが出てきている。
【0004】
具体的には、地球温暖化係数の高いクロロフルオロカーボン類(CFC)やハイドロクロロフルオロカーボン類(HCFC)を発泡剤として用いないで、地球温暖化係数の低いハイドロフルオロカーボン類(HCFC)やハイドロフルオロカーボン類(HFC)、ハイドロカーボン類(HC)と、イソシアネートと水との反応により発生する二酸化炭素とを発泡剤として利用する硬質ポリウレタンフォームの製造方法が採用されてきている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ところが、地球温暖化問題が大きく叫ばれるに至り、ハイドロフルオロカーボン類やハイドロカーボン類等の有機化合物を発泡剤として全く用いないで、温暖化係数がさらに低い二酸化炭素のみを発泡剤とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法に対する要望が拡大して来た。
【0006】
二酸化炭素のみを発泡剤として使用する硬質ポリウレタンフォームの製造方法としては、例えば、発泡剤として水のみを使用し、水とポリイソシアネート化合物との反応により発生する二酸化炭素を利用するのが一般的である(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
しかしながら、発泡剤として水のみを使用すると、水とイソシアネートとの反応によるウレア結合の増加に起因してフォームと面材との接着不良が起こりやすいという問題があり、また、フォームが高密度化するという問題が指摘されている。
【0008】
また、発泡剤として、亜臨界流体、超臨界流体又は液体状態の二酸化炭素を使用する方法(すなわち、液化二酸化炭素を処方中へ直接添加する。)が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0009】
特許文献3に記載の方法は、スプレー方式の成形には適しているが、低温度雰囲気下での接着性不良や、液体二酸化炭素を利用するための装置上の問題が指摘されている。
【0010】
さらに、発泡剤として、1級又は2級アミン化合物と二酸化炭素との付加物を使用する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0011】
また、二酸化炭素のみを発泡剤として使用する硬質ポリウレタンフォームの製造方法ではないが、触媒として、二酸化炭素とアミン類との塩を使用する方法が知られている(例えば、特許文献5参照)。
【0012】
しかしながら、特許文献4、特許文献5に開示された二酸化炭素とアミン類の反応物は、発泡剤としての効果が低いため、フォームが高密度化したり、スプレー方式での成形においては初期の発泡性が十分ではないため、成形性が悪化する等の問題がある。
【0013】
一方、スプレー式硬質ポリウレタンフォームにおいては、ポリオールとポリイソシアネートを触媒、発泡剤、及び必要に応じて整泡剤、難燃剤等の助剤の存在下に反応させ、発泡成形させるが、成形上の問題より発泡反応性を早くする必要がある。即ち、スプレー式硬質ポリウレタン処方では、ポリオールプレミックスとポリイソシアネートを混合撹拌したものを面材に吹き付け、瞬時に発泡させて、フォームが急速にゲル化して固まるように反応性が調節されている。一般的には、スプレー処方における初期発泡性(いわゆるクリームタイム)は3秒以下、ゲル化時間は10秒前後とされている。
【0014】
従来、反応性を高めるため、アミン系の触媒と共に2−エチルヘキサン酸鉛、ジブチル錫ジラウレート(以下、DBTDLと略記する場合がある。)等の重金属触媒が使用されてきた。しかしながら、鉛、錫化合物はその毒性による、人体、環境への影響が懸念されおり、その使用を制限したいという動きがある。2−エチルヘキサン酸鉛、DBTDL等の重金属触媒を使用せずに反応性の速さを維持しようと、アミン系の触媒量を増加させると、スプレー施工時にアミン系触媒の揮発、飛散による、目への刺激や臭気等の施工環境の悪化をもたらす。
【0015】
アミン触媒によるこのようなアイレインボー現象(フォーム中のアミン触媒が揮散して人の目に付着し視界を低下させるという現象)を抑制する方法として、分子中に活性水素基を有する反応性アミン触媒を使用する方法が提案されている(例えば、特許文献6参照)。また、鉛化合物の代替としてビスマス化合物を使用する方法が提案されている(例えば、特許文献7参照)。
【0016】
しかしながら、反応性のアミン触媒やビスマス化合物では初期の発泡性が十分ではないため、成形性が悪化する等の問題がある。
【0017】
これらの問題を解決すべく、種々の検討がなされているが未だ十分な解決方法は見出されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2003−89714公報
【特許文献2】特開2006−307192公報
【特許文献3】特開2002−47325公報
【特許文献4】特開2001−524995公報
【特許文献5】特開2000−239339公報
【特許文献6】特開2009−40961公報
【特許文献7】特開2005−307145公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、毒性の高い鉛、錫等を含有する重金属触媒を使用せずに、アミン触媒量の増加を抑え、初期発泡性の改良及び施工性の改善を達成し得るスプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のアミン化合物と二酸化炭素の塩である発泡性添加剤と特定の触媒とをスプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造に用いることにより、これらの課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0021】
すなわち、本発明は、以下に示すとおりの、スプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造方法である。
【0022】
[1]ポリオールとポリイソシアネートを触媒、発泡剤、及び必要に応じて助剤の存在下に反応させ、スプレー式硬質ウレタンフォームを製造する方法において、発泡剤の一部又は全部として、下記一般式(1)
【0023】
【化1】

(式中、R〜Rは、各々独立して、水素原子又はメチル基を表す。nは1以上の整数である。)
で示されるアミン化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物と二酸化炭素との塩からなる発泡性添加剤を用い、かつ触媒として、第3級アミン類、第4級アンモニウム塩類、及びカルボン酸金属塩類(ただし、鉛、錫、水銀の塩を除く。)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の触媒を用いることを特徴とするスプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造法。
【0024】
[2]上記一般式(1)で示されるアミン化合物が、104以上の分子量を有することを特徴とする上記[1]に記載のスプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造法。
【0025】
[3]第3級アミン類が、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノール、N,N,N’−トリメチル−N’−ヒドロキシエチルビスアミノエチルエーテル、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N,N−ジイソプロパノールアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N’−メチルピペラジン、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、及び5−ジメチルアミノ−3−メチル−1−ペンタノールからなる群より選ばれることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のスプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造法。
【0026】
[4]第4級アンモニウム塩類が、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウムギ酸塩、テトラエチルアンモニウム酢酸塩、テトラエチルアンモニウムギ酸塩、及びテトラメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩からなる群より選ばれることを特徴とする上記[1]乃至[3]のいずれかに記載のスプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造法。
【0027】
[5]カルボン酸金属塩類が、カルボン酸のビスマス塩、カルボン酸の亜鉛塩、及びカルボン酸のアルカリ金属塩からなる群より選ばれることを特徴とする上記[1]乃至[4]のいずれかに記載のスプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造法。
【0028】
[6]発泡剤として、上記[1]に記載の発泡性添加剤及び水のみを使用することを特徴とする上記[1]乃至[5]のいずれかに記載のスプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造法。
【発明の効果】
【0029】
本発明のスプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造法によれば、触媒として鉛化合物、錫化合物を使用することなく、かつアミン触媒の使用量を増加させずに、発泡開始時間を早くすることができる。また、本発明の製造方法で使用される発泡性添加剤は低臭気、低揮発性である。
【0030】
このように、本発明の製造方法は、環境を汚染せずに発泡開始時間の早いスプレー式硬質ポリウレタンフォームを製造することができるため、工業的に極めて有用である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0032】
本発明のスプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造方法は、ポリオールとポリイソシアネートとを、触媒、発泡剤、及び必要に応じて、整泡剤、難燃剤等の助剤の存在下で反応させて硬質ポリウレタンフォームを製造する方法において、発泡剤の一部又は全部として、上記一般式(1)で示されるアミン化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物と二酸化炭素との塩からなる発泡性添加剤を用いることを特徴とする。
【0033】
上記製造方法においては、上記一般式(1)で示されるアミン化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物と二酸化炭素との塩を、溶剤に溶解させてもよい。アミン化合物と二酸化炭素との塩は溶剤中ではアミン炭酸塩として存在している。
【0034】
上記一般式(1)で示されるアミン化合物としては、分子量104以上のポリオキシプロピレンジアミン及びポリオキシエチレンジアミンからなる群より選択されるアミン化合物が好適に使用される。分子量は、150〜500の範囲がさらに好ましい。また、上記一般式(1)において、nは通常1〜35の範囲の数であり、1〜9の範囲の数がさらに好ましい。分子量が小さすぎると二酸化炭素ガスの発生率が低くなり、分子量が大きすぎると二酸化炭素の付加量が少なくなるため好ましくない。
【0035】
上記一般式(1)のアミン化合物と二酸化炭素の塩は、熱分解による二酸化炭素ガスの発生率が高いという特徴を有している。
【0036】
上記一般式(1)で示されるアミン化合物は、従来公知の方法で製造できる。例えば、相当する分子量のポリプロピレングリコール又はポリエチレングリコールとアンモニアを高温高圧で反応させることにより製造することができる。
【0037】
上記一般式(1)で示されるアミン化合物として、具体的には、市販のポリオキシプロピレンジアミン類である、JEFFAMINE D−230[上記一般式(1)において、R、Rはメチル基を表し、R、Rは水素原子を表し、nは〜3.7であり、分子量は約230である。CAS No.9046−10−0]や、JEFFAMINE D−400[上記一般式(1)において、R、Rはメチル基を表し、R、Rは水素原子を表し、nは〜7.1であり、分子量は約430である。CAS No.9046−10−0](以上、ハンツマン社製)等が挙げられる。また、ポリオキシエチレンジアミンとしては、具体的には、ポリエチレングリコール(例えば、テトラエチレングリコール等)のアミノ化体が例示される。
【0038】
上記一般式(1)で示されるアミン化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物と二酸化炭素との塩(以下、「アミン炭酸塩」と称する場合がある。)は、例えば、室温下に上記したアミン化合物と溶剤を混合しておき、その混合溶液中に二酸化炭素ガスを吹き込めば、発熱しながら反応するので容易に製造することができる。反応時の液温度は、通常50℃を超えないように温度調節し、40℃以下とすることが好ましい。二酸化炭素の付加量は、アミン化合物のアミノ基1モルに対して通常0.01〜0.5倍モルの範囲であるが、二酸化炭素がアミノ基へ完全に付加するまで二酸化炭素ガスを供給することが望ましい。
【0039】
この際、溶剤としては、特に限定するものではないが、水、有機溶媒が好ましく、水と有機溶媒を併用してもよい。有機溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール等のグリコール類や、後述するウレタン製造用のポリオール類が好ましい。これらのうち、水、又は水とグリコール類との混合物がさらに好ましい。溶剤の使用量は特に限定されるものではないが、アミン化合物(すなわち、生成するアミン炭酸塩)1モルに対して、通常0.2〜4倍モルの範囲である。溶媒量が少なすぎると溶液が高粘度化するおそれがある。
【0040】
本発明のスプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造方法において、発泡性添加剤の使用量は、使用されるポリオ−ルを100重量部としたとき、アミン炭酸塩として、通常0.1〜20重量部の範囲であるが、好ましくは0.5〜10重量部の範囲である。
【0041】
本発明の製造方法に使用されるポリオールとしては、従来公知の化合物が使用でき、特に限定するものではないが、例えば、反応性水酸基を2個以上持つ、水酸基価が50〜1000mgKOH/gの範囲のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール、フェノールポリオール、さらには含リンポリオール、ハロゲン含有ポリオール等の難燃ポリオール等が挙げられる。
【0042】
ここで、ポリエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素化合物にアルキレンオキサイドを付加した化合物等が挙げられる。活性水素化合物としては、例えば、多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、l,6−へキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールブロパン、ペンタエリスリトール、メチルグルコシド、ソルビトール、シュークロース等)、多価フェノール(例えば、ピロガロール、ハイドロキノン等)、ビスフェノール類(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、フェノールとホルムアルデヒドとの低縮合物等)、脂肪族アミン(例えば、プロピレンジアミン、へキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ぺンタメチレンヘキサミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン等)、芳香族アミン(例えば、アニリン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、メチレンジアニリン、ジフェニルエーテルジアミン等)、脂環式アミン(例えば、イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミン等)、複素脂環式アミン(アミノエチルピペラジン等)、マンニッヒポリオール(例えば、前記した多価フェノール、前記した脂肪族アミン、及びホルムアルデヒドのマンニッヒ反応により得られる化合物)等が挙げられる。これらのポリオールは単独で使用することもできるし、2種以上を併用してもよい。
【0043】
上記した活性水素化合物に付加するアルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド及びこれら2種以上の併用が挙げられる。これらのうち好ましいものは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びこれらの併用である。
【0044】
また、ポリエステルポリオールとしては、例えば、上記した多価アルコールと多塩基酸(例えば、フタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、ダイマー酸、トリメリット酸等)とを反応させて得られる縮合ポリエステルポリオール、ε−カプロラクトン等のラクトンを開環重合して得られるポリラクトンポリオール等が挙げられる。
【0045】
また、ポリマーポリオールとしては、例えば、上記したポリエーテルポリオールとエチレン性不飽和単量体(例えば、ブタジエン、アクリロニトリル、スチレン等)とをラジカル重合触媒の存在下に反応させた重合体ポリオール等が挙げられる。
【0046】
これらのポリオールのうち、本発明の製造方法には、脂肪族アミン系、及び芳香族アミン系のポリエーテルポリオール、マンニッヒポリオール、フタル酸系のポリエステルポリオールが好適に使用できる。フタル酸系のポリエステルポリオールとしては、オルソフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸等のフタル酸と、2個以上のヒドロキシル基を有する化合物を1種又は2種以上用いて、従来公知の方法によって製造されるポリオールや、ポリエチレンテレフタレート等のフタル酸系ポリエステル成形品を分解して得られるフタル酸系回収ポリエステルポリオール等が含まれる。
【0047】
本発明の製造方法に使用されるポリイソシアネートとしては、従来公知の化合物が使用でき、特に限定するものではないが、例えば、芳香族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環式ポリイソシアネート及びこれらの変性物(例えば、カルボジイミド変性、アロファネート変性、ウレア変性、ビューレット変性、イソシアヌレート変性、オキサゾリドン変性等)、イソシアネート基末端プレポリマー等が挙げられる。
【0048】
ここで、芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−又は2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、ジフェニルメタン2,4’−又は4,4’−ジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(粗製MDI)等が挙げられる。
【0049】
本発明のスプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造方法において、これらポリイソシアネートは単独で、又は適宜混合して併用することもできる。これらポリイソシアネートのうち、スプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造方法には、4,4’−ジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(粗製MDI)及びその変性体が好ましい。
【0050】
これらポリイソシアネートの使用量は、フォーム強度、イソシアヌレート反応の完結等を考慮すると、ポリイソシアネートと反応しうる活性水素化合物(ポリオール、水等)とのINDEX(=[イソシアネート基]/[イソシアネート基と反応しうる活性水素基](モル比)×100)で、80〜400の範囲が好ましい(以下、このINDEXを、「イソシアネートIndex」と称する場合がある)。
【0051】
本発明の製造方法に使用される触媒としては、従来公知の第3級アミン類、第4級アンモニウム塩類、及び鉛、錫、水銀原子を含まないカルボン酸金属塩類である。
【0052】
第3級アミン類としては、例えば、トリエチレンジアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”’,N”’−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、N−ジメチルアミノエチル−N’−メチルピペラジン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、1,2−ジメチルイミダゾール、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミン等のアミン化合物類、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノール、N,N,N’−トリメチル−N’−ヒドロキシエチルビスアミノエチルエーテル、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N,N−ジイソプロパノールアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N’−メチルピペラジン、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、5−ジメチルアミノ−3−メチル−1−ペンタノール等のアルカノールアミン類等が挙げられる。これらのうち、イソシアネートと反応性のヒドロキシル基又は一級、二級のアミノ基を分子内に有する、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノール、N,N,N’−トリメチル−N’−ヒドロキシエチルビスアミノエチルエーテル、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N,N−ジイソプロパノールアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N’−メチルピペラジン、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、5−ジメチルアミノ−3−メチル−1−ペンタノール、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミンがスプレー発泡時の臭気や目への刺激が少なく、さらに初期発泡性も良いためより好ましい。
【0053】
第4級アンモニウム塩類としては、例えば、テトラアルキルアンモニウム有機酸塩類、ヒドロキシアルキル系4級アンモニウム有機酸塩類であり、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウムギ酸塩、テトラエチルアンモニウム酢酸塩、テトラエチルアンモニウムギ酸塩、テトラメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムギ酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩等が挙げられる。これらのうち、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウムギ酸塩、テトラエチルアンモニウム酢酸塩、テトラエチルアンモニウムギ酸塩、テトラメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩が、イソシヌレート活性が高いため、好ましい。
【0054】
カルボン酸金属塩類としては、鉛、錫、水銀以外の金属塩であればよく、特に限定するものではないが、カルボン酸のビスマス塩、カルボン酸の亜鉛塩、カルボン酸のアルカリ金属塩が好ましい。これらのうち、オクタン酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、オクタン酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウムが、活性が高いため、より好ましい。さらに、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウムはイソシヌレート活性が高く、特に好ましい。
【0055】
これら触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、一般的にはポリオール100重量部に対し、第3級アミン類では0.1〜10重量部の範囲、第4級アンモニウム塩類では0.1〜5重量部の範囲、カルボン酸金属塩類では0.1〜5重量部の範囲が好適に使用される。
【0056】
発泡剤としては、上記した発泡性添加剤に加え、例えば、従来公知の有機化合物類や水を使用することができ、これらを併用してもよい。有機化合物類としては、例えば、フッ素系化合物が挙げられ、ハイドロフルオロカーボン類(HFC)である、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)が好ましい。地球温暖化問題の観点では、水が最も好ましい発泡剤である。水の使用量としては、所望の密度やアミン炭酸塩の使用量に応じ、適宜変化させて使用されるため、特に限定するものではないが、例えば、ポリオール100重量部に対し、水1重量部以上使用することが好ましい。さらに好ましくは、ポリオール100重量部に対し、水3重量部以上である。
【0057】
本発明の製造方法において、必要に応じて、整泡剤、難燃剤等の上記以外の助剤を使用することができる。
【0058】
整泡剤としては、この分野で一般に使用されるものを用いればよく、特に限定するものではないが、例えば、オルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体、シリコーン−グリコール共重合体等の非イオン系界面活性剤、又はこれらの混合物が挙げられる。その使用量は特に限定するものではないが、通常、ポリオール100重量部対し0.1〜10重量部の範囲である。
【0059】
難燃剤としては、この分野で一般に使用されるものを用いればよく、特に限定するものではないが、例えば、トリクレジルホスフェート等のリン酸エステル類、トリスクロロエチルホスフェート、トリスクロロプロピルホスフェート等のハロゲン含有リン酸エステル類、ジブロモプロパノール、ジブロモネオペンチルグリコール、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン含有有機化合物類、酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸アルミニウム等の無機化合物等が挙げられる。これらのうち、ハロゲン含有リン酸エステル類が好ましく、トリスクロロプロピルホスフェートが安定性が良く、難燃性が高いため特に好ましい。
【0060】
これら難燃剤の使用量は、要求される難燃性に応じて異なるため、特に限定するものではないが、難燃性とフォーム強度のバランスを考慮すると、ポリオール100重量部に対し、5〜500重量部の範囲が好ましい。難燃剤の量は、多いと難燃性が向上するものの、過剰に加えるとフォーム強度が低下するおそれがある。
【0061】
また、必要であれば、減粘剤、架橋剤若しくは鎖延長剤、着色剤、老化防止剤、その他公知の添加剤をさらに使用することができる。
【0062】
本発明の製造方法においては、例えば、上記した発泡性添加剤、触媒、発泡剤等をポリオール中に混合してプレミックス液とし、このプレミックス液とポリイソシアネート液の2液をスプレーマシンを用いて混合、吹き付けることにより、発泡成形された硬質ポリウレタンフォームを製造することができる。
【0063】
本発明の製造方法により得られる硬質ポリウレタンフォームは、その密度が通常10〜500kg/mの範囲、好ましくは20〜100kg/mの範囲であり、その熱伝導率が通常40mW/m・K以下、及びその10%圧縮強度が通常3.0kg/cm程度(フォーム密度が50kg/m付近の場合)のフォーム物性を有するものである。本発明のスプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造方法により得られる硬質ポリウレタンフォームは、例えば、断熱材として好適に使用される。
【実施例】
【0064】
以下、実施例、比較例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定して解釈されるものではない。なお、表中の(%)は断りがない限り重量基準の%を表す。
【0065】
調製例1〜調製例3.
<アミン化合物と二酸化炭素との塩(アミン炭酸塩)の製造>
攪拌機付き500ml三ツ口フラスコに、表1に示すとおり、調製例1ではアミン化合物235g、調整例2、3ではアミン化合物175gと適当量の純水又は溶剤を仕込み、攪拌下、液化二酸化炭素ボンベより二酸化炭素ガスを液中に3時間バブリングさせて、本発明のアミン炭酸塩(C−1〜C−2)、比較例のアミン炭酸塩(C−3)の水溶液を製造した。アミン化合物と二酸化炭素の反応による発熱は1時間で終了していた。得られたアミン炭酸塩水溶液中から200gをサンプリングして、以下の分析とウレタン用発泡剤としての評価に用いた。
【0066】
アミン炭酸塩水溶液中の成分濃度[組成(重量%)]を表1にあわせて示す。
【0067】
また、実施例10で使用した本発明のアミン炭酸塩(C−1)は、調製例1の調製を3回繰り返すことにより必要量1100gを得たものである。
【0068】
【表1】

ここで、二酸化炭素の成分濃度は、各アミン炭酸塩水溶液をナトリウムメトキシド溶液(0.1Nメタノール溶液)にて滴定分析して求めた。また、アミン化合物と水及び溶剤の濃度は、仕込み量から計算して求めた。
【0069】
実施例1〜実施例9、比較例1〜比較例9.
<硬質ポリウレタンフォームの製造>
ポリオールA、ポリオ−ルB、整泡剤、難燃剤、触媒A〜触媒H、水、及びアミン炭酸塩水溶液を表2に示す量比にて混合してプレミックス液とした。このプレミックス液65gを300mlポリエチレンカップに取り、5℃に温度調節した。この300mlポリエチレンカップに、別の容器で5℃に温度調節した表2に示すポリイソシアネートをイソシアネートIndex=110となる量を素早く添加した。高速攪拌機にて6000rpmで3秒間攪拌後、素早くこの混合液を、22〜25℃に温度調整した2Lポリエチレンカップに移し発泡成形させた。この際、2Lポリエチレンカップ内での発泡反応性を測定した。更に得られた硬質ポリウレタンフォームの成形性、フォーム密度及びフォームの臭気を評価した。これらの結果を表2に併せて示す。
【0070】
【表2】

なお、発泡反応性、フォームの成形性の評価、フォーム密度の測定、フォーム臭気の判定は以下のとおり実施した。
【0071】
・発泡反応性の測定.
クリームタイム:発泡開始時間であり、混合液が発泡開始する時間を目視にて測定した.
ゲルタイム:樹脂形成時間であり、細い棒状物を発泡フォーム中に突っ込み引き抜くときに糸引き現象が起こる時間を測定した.
ライズタイム:発泡フォームの上昇が停止する時間を目視にて測定した。
【0072】
・フォームの成形性.
得られたフォームの外観とセルの状態を観察して成形性を以下のとおり評価した.
○:フォームの表面状態が平滑で且つフォームセルが細かい.
△:フォームの表面に若干凸凹が見られるがフォームセルは細かい.
×:フォームの表面に凸凹が見られフォームセルも大きい。
【0073】
・フォーム密度の測定.
2Lポリエチレン製カップ内で発泡させたフォームの中心部を6cm×6cm×10cmの寸法にカットし、寸法、重量を正確に測定してフォーム密度(kg/m)を算出した。
【0074】
・フォーム臭気の判定.
フォーム密度の測定用にカットしたフォームをポリエチレンの袋に入れ密封し、3人のモニターがポリエチレン袋内の臭いを嗅ぎ、臭いの強さを3段階に分け評価した.
○:フォームからの臭いがほとんどない.
△:フォームからの臭いがある.
×:フォームからの臭いが強い。
【0075】
表2から明らかなように、調製例1で得られたアミン炭酸塩を使用したスプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造例(実施例1〜実施例3)は、プレミックス液、ポリイソシアネートの液温度が5℃と低温であるにもかかわらず、アミン触媒であるN,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン(東ソー社製、商品名:TOYOCAT−RX5)の添加量が同一である比較例に対し、発泡開始時間であるクリームタイムが早く初期発泡性に優れる。すなわち、比較例1〜比較例3は、調製例1で得られたアミン炭酸塩を使用せず、2−エチルヘキサン酸鉛を添加した例であるが、アミン触媒であるN,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミンの添加量が同一である実施例に対し、クリームタイムが遅く、同一の反応性を得るためには多量のアミン触媒がさらに必要である。
【0076】
また、実施例4は、調製例2で得られたアミン炭酸塩を使用した例だが、クリームタイムが早く初期発泡性に優れる。
【0077】
また、実施例5〜実施例7は、2−エチルヘキサン酸カリウム塩触媒の代わりにネオデカン酸ビスマス、ネオデカン酸亜鉛、4級アンモニウム塩触媒を使用した例だが、2−エチルヘキサン酸カリウム塩触媒を使用した実施例3〜実施例5と同様にクリームタイムが早い。
【0078】
また、実施例10〜実施例11は、触媒としてアミン触媒であるN,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミンのみを使用した例だが、発泡開始時間であるクリームタイムが早く初期発泡性に優れる。
【0079】
これに対し、比較例4〜比較例6はクリームタイムを早くするために、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミンを増加させた例であるが、アミン炭酸塩を使用した例と同等のクリームタイムとするためには多量のアミン触媒添加が必要となる。
【0080】
また、比較例7はアミン炭酸塩の代わりにアミン化合物のみを添加した例であるが、アミン炭酸塩を使用した場合と比較するとクリームタイムは遅い。
【0081】
また、比較例8はN,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミンの代わりに、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン(東ソー社製、商品名:TOYOCAT−DT)を使用した例であるが、クリームタイムの改良が不十分であり、またフォームの臭気が強い。
【0082】
また、比較例9は、調製例3で得られたN−メチルエタノ−ルアミン炭酸塩を使用した例であるが、実施例と比較するとクリームタイムの改良が不十分である。
【0083】
これらの結果によれば、本発明のスプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造方法において、環境を汚染しないで発泡開始時間の早い硬質ポリウレタンフォームを製造できることがわかる。
【0084】
実施例10、比較例10〜比較例11.
<スプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造>
調製例1で得られたアミン炭酸塩を用いスプレー式硬質ポリウレタンフォームを製造した例を示す。表3に示す原料配合比にて実施例10、比較例10、比較例11のプレミックスをそれぞれ約15kg調合し、良く混合し、スプレーマシンにセットした。同様に表3に示すポリイソシアネートをスプレーマシンにセットした後、以下に示す発泡条件にてスプレーマシン発泡を実施した。発泡時の反応性は表面温度0℃に調整したスレート板(30×30cm)にスプレーガンから約0.5秒間吐出された混合液で測定した。フォームのコア密度、フォームの成形性の比較はスレート板上(30×30cm)に約50mm厚みのフォーム層を成型し測定比較した。結果を表3にあわせて示す。
【0085】
【表3】

なお、発泡条件、反応性の測定、フォームの成形性の評価は以下のとおり実施した。
【0086】
・発泡条件.
スプレーマシン:ガスマー社製 H−2000.
混合比:プレミックス/イソシアネート=1/1(容量比).
原料液温度:40±1℃.
吹き付け基材:スレート板(30×30cm).
基材表面温度:0℃。
【0087】
・反応性の測定.
クリームタイム:フォームが上昇開始する時間をストップウオッチを用いて測定.
ライズタイム:フォームの上昇が停止する時間をストップウオッチを用いて測定。
【0088】
・フォームの成形性.
スレート板上に成型したフォームの外観を目視にて観察し成型性として次のように評価した。
【0089】
○:フォーム表面が平滑である.
△:フォーム表面に少しデコボコが見られる.
×:フォーム表面にデコボコが多い。
【0090】
・フォームのコア密度.
スレート板上に成型したフォームの中心部を200×200×30mmの寸法にカットし、寸法、重量を正確に測定してコア密度を算出した。
【0091】
実施例10は調製例1で得られたアミン炭酸塩を用いたスプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造例である。スプレーマシンを使用した発泡においても発泡開始時間であるクリームタイムが早く初期発泡性に優れることがわかる。比較例10は触媒として2−エチルヘキサン酸カリウム塩とN,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミンを使用した例であるが、クリームタイムが遅い。比較例11は毒性のある2−エチルヘキサン酸鉛を使用した従来系の例である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオールとポリイソシアネートを触媒、発泡剤、及び必要に応じて助剤の存在下に反応させ、スプレー式硬質ウレタンフォームを製造する方法において、発泡剤の一部又は全部として、下記一般式(1)
【化1】

(式中、R〜Rは、各々独立して、水素原子又はメチル基を表す。nは1以上の整数である。)
で示されるアミン化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物と二酸化炭素との塩からなる発泡性添加剤を用い、かつ触媒として、第3級アミン類、第4級アンモニウム塩類、及びカルボン酸金属塩類(ただし、鉛、錫、水銀の塩を除く。)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の触媒を用いることを特徴とするスプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造法。
【請求項2】
上記一般式(1)で示されるアミン化合物が、104以上の分子量を有することを特徴とする請求項1に記載のスプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造法。
【請求項3】
第3級アミン類が、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノール、N,N,N’−トリメチル−N’−ヒドロキシエチルビスアミノエチルエーテル、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N,N−ジイソプロパノールアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N’−メチルピペラジン、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、及び5−ジメチルアミノ−3−メチル−1−ペンタノールからなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造法。
【請求項4】
第4級アンモニウム塩類が、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウムギ酸塩、テトラエチルアンモニウム酢酸塩、テトラエチルアンモニウムギ酸塩、及びテトラメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩からなる群より選ばれることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のスプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造法。
【請求項5】
カルボン酸金属塩類が、カルボン酸のビスマス塩、カルボン酸の亜鉛塩、及びカルボン酸のアルカリ金属塩からなる群より選ばれることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のスプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造法。
【請求項6】
発泡剤として、請求項1に記載の発泡性添加剤及び水のみを使用することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のスプレー式硬質ポリウレタンフォームの製造法。

【公開番号】特開2011−26391(P2011−26391A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171447(P2009−171447)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】