説明

スプレー装置

【課題】ガス抜きを確実に行うことができるスプレー装置を提供する。
【解決手段】スプレー缶の放出パイプに嵌着され該放出パイプから噴霧剤を噴出する際に操作される操作部65を、スプレー缶に嵌着される嵌合部12に設け、スプレー缶への嵌合部の脱着に応じて操作部65が放出パイプに着脱されるように構成する。スプレー缶に残存した噴霧剤を放出して廃棄する際に操作部65と放出パイプ間に配置される放出具85を備える。放出具85を操作部65と放出パイプ間に配置して嵌合部12をスプレー缶に嵌着した状態で、放出具85が放出パイプに当接して放出パイプを後退させる位置に当該放出具85を維持する維持部86を嵌合部12に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレー缶に収容された内容物をスプレーするスプレー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図7に示すように、スプレー缶801より延出した延出パイプ802にノズル803を取り付けたスプレー装置804が知られており(例えば、特許文献1)、前記ノズル803を押圧操作することによって、前記スプレー缶801内の内容物を前記ノズル803から噴霧できるように構成されている。
【0003】
このスプレー装置804は、上端部に着脱される上蓋811と障害物812とを備えており、廃棄時には、逆さまに配置した前記上蓋811の平坦部813に前記障害物812を載置するとともに、この上蓋811に前記スプレー缶801を嵌着して前記ノズル803を前記障害物812で押圧することにより、前記スプレー缶801のガス抜きが行えるように構成されている。
【特許文献1】特開10−86984号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来のスプレー装置804にあっては、使用時に不要となる上蓋811を紛失することがあった。
【0005】
この場合、使用後にスプレー缶のガス抜きを行うことができなくなってしまう。
【0006】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、ガス抜きを確実に行うことができるスプレー装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために本発明の請求項1のスプレー装置にあっては、缶本体より延出した放出部を後退させて当該放出部より内容物を放出するスプレー缶と、該スプレー缶に着脱自在に嵌着される嵌合部とを備えたスプレー装置において、前記スプレー缶の前記放出部に嵌着され該放出部から前記内容物を噴出する際に操作される操作部を前記嵌合部に揺動自在に設け、前記スプレー缶への前記嵌合部の脱着に応じて前記操作部が前記放出部に着脱されるように構成する一方、前記スプレー缶に残存した前記内容物を放出して廃棄する際に、前記操作部と前記放出部との間に配置される放出具を備え、該放出具を前記操作部と前記放出部との間に配置して前記嵌合部を前記スプレー缶に嵌着した状態で、前記放出具が前記放出部に当接して該放出部を後退させる位置に当該放出具を維持する維持部を前記嵌合部に設けた。
【0008】
すなわち、このスプレー装置にあっては、内容物を放出するスプレー缶と、該スプレー缶に着脱自在に嵌着される嵌合部とを備えており、前記スプレー缶から前記内容物を噴出する際に操作される操作部は、前記嵌合部に揺動自在に設けられている。このため、当該スプレー装置使用時には、前記嵌合部が必ず必要となり、使用中での不用意な紛失が防止される。
【0009】
そして、前記操作部は、前記嵌合部に設けられており、前記スプレー缶から前記嵌合部を離脱した際には、前記操作部も前記スプレー缶の放出部から離脱される。
【0010】
このため、前記スプレー缶に残存した前記内容物を放出して廃棄する際には、前記スプレー缶から離脱した前記嵌合部の維持部に放出具をセットし、該放出具を前記操作部と前記放出部との間に配置する。そして、この状態で当該嵌合部に前記スプレー缶を嵌着する。すると、前記放出具が前記放出部に当接することによって該放出部を後退させるので、前記スプレー缶に残存した前記内容物は、前記嵌合部内に放出される。
【0011】
このように、使用時に必ず必要となる嵌合部を用いて前記スプレー缶のガス抜きが行われる。
【0012】
また、請求項2のスプレー装置においては、前記放出部が当接する前記放出具の当接面に通気性且つ吸液性の部材を配置した。
【0013】
これにより、内容物放出時において、放出部の開口部が平坦に形成された放出具の当接面に密着する恐れのある場合と比較して、放出部の開口の不用意な閉鎖が防止される。このため、効率的に内容物が放出されるとともに内容物の吸収も行われる。
【0014】
さらに、請求項3のスプレー装置では、前記放出部が当接する前記放出具の当接面に、当該当接面を横断する溝を形成するとともに、該溝の端部を当該放出具の側方に開放した。
【0015】
すなわち、スプレー缶の放出部が当接する放出具の当接面には、当該当接面を横断する溝が形成されており、この溝の端部は、当該放出具の側方に開放されている。このため、前記スプレー缶の放出部に放出具を当接して前記放出部から内容物を放出した際には、前記放出部から放出された内容物は、前記溝を介して前記放出具の側方へ案内される。
【0016】
また、請求項4のスプレー装置にあっては、前記放出具を前記操作部と前記放出部との間に配置した状態で、前記操作部に設けられた前記放出部挿入用の挿入穴に位置決めされる位置決め部を前記放出具に突設した。
【0017】
これにより、放出具は、位置決め部が操作部に設けられた挿入穴に挿入された状態で位置決めされる。
【0018】
さらに、請求項5のスプレー装置においては、前記嵌合部を、前記スプレー缶に嵌着される筒状の周壁と該周壁の一端を閉鎖する天面とからなる容器状に形成し、該天面に当該天面を横断する溝部を凹設して該溝部の側壁と前記周壁との間に前記天面を底部とした容器状の空間を形成する一方、前記溝部の底面に、一部が欠損したリング形状のスリットを形成して一部が前記底面に連設された前記操作部を前記スリットの内側に形成するとともに、前記放出具が架橋した状態で維持される前記維持部を前記スリットの外側の開口縁部に設定した。
【0019】
すなわち、嵌合部の天面に形成された溝部の底面には、一部が欠損したリング形状のスリットが形成されており、前記溝部には、前記底面に一部が連設された操作部が形成されている。そして、前記放出具は、前記スリットの外側の開口縁部に設定された維持部に架橋された状態で維持される。
【0020】
一方、前記溝部の側壁と前記周壁との間には、前記天面を底部とした容器状の空間が形成されている。このため、前記放出部から放出された気体状の内容物は、前記スリットを介して外部に放出されるとともに、液体状又は固体状の内容物は、前記放出具に沿って案内され前記容器状の空間に保持される。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明の請求項1のスプレー装置にあっては、スプレー装置を使用する際に必ず必要となる嵌合部を用いてスプレー缶のガス抜きを行う。
【0022】
このため、使用時には不必要な上蓋を用いてガス抜きを行う従来のように、上蓋を紛失してガス抜きができなくなるといった不具合を防止することができる。したがって、廃棄時においては、ガス抜きを確実に行うことができる。
【0023】
また、請求項2のスプレー装置においては、内容物放出時において、放出部の開口部が平坦に形成された放出具の当接面に密着する恐れのある場合と比較して、放出部の開口を塞いでしまうことが無く、効率的に内容物を放出することができるとともに、内容物を吸収することもできる。
【0024】
さらに、請求項3のスプレー装置では、スプレー缶の放出部が当接する放出具の当接面に溝が形成されており、この溝の端部は、当該放出具の側方に開放されている。
【0025】
このため、前記スプレー缶の放出部に放出具を当接して前記放出部から内容物を放出する際には、前記放出部の開口を塞いでしまうこと無く内容物を放出することができるとともに、前記放出部から放出された内容物を、前記溝を介して前記放出具の側方へ案内して放出することができる。
【0026】
また、請求項4のスプレー装置にあっては、放出具を操作部と放出部との間に配置した状態において、放出具に設けられた位置決め部を、操作部に設けられた挿入穴に挿入した状態で当該放出具を位置決めすることができる。
【0027】
これにより、前記操作部の前記挿入穴を有効活用し、前記放出具の不用意な位置ずれを防止することができる。
【0028】
さらに、請求項5のスプレー装置においては、前記放出具を、前記溝部の底面に形成された前記スリット外側の開口縁部に架橋した状態で維持することができる。
【0029】
そして、前記溝部の側壁と前記周壁との間には、前記天面を底部とした容器状の空間が形成されている。このため、前記放出部から放出された気体状の内容物は、前記スリットを介して外部に放出されるとともに、液体状または固体状の内容物は、前記放出具に沿って案内することにより、前記容器状の空間に保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(第1の実施の形態)
【0031】
以下、本発明の第1の実施の形態を図に従って説明する。図1は、本実施の形態にかかるスプレー装置1を示す図であり、該スプレー装置1は、芳香剤や消臭剤や殺虫剤などの内容物としての噴霧剤を必要に応じて任意に噴霧する装置である。
【0032】
このスプレー装置1は、噴霧剤が収容された金属製のスプレー缶11と、該スプレー缶11の上端部に着脱可能に取り付けられる嵌合部12とによって構成されており、該嵌合部12から前記スプレー缶11を取り外すことによって当該スプレー缶11を交換できるように構成されている。
【0033】
このスプレー缶11の缶本体21は、円筒容器状に形成されており、当該缶本体21の上端には、球面状の端面構成部22が設けられている。該端面構成部22の周縁は、前記缶本体21の上縁と共にカシメられており、当該缶本体21の上端部には、下方へ向けて折り返された外側折返し部23が全周に渡って形成されるとともに、該外側折返し部23の下部には、凹溝24が全周に渡って形成されている。前記端面構成部22の中央部には、噴霧剤を収容する為の収容口が設けられており、該収容口は、蓋体によって閉鎖されている(図示省略)。該蓋体の周縁は、前記収容口の周縁部と共にカシメられており、当該端面構成部22の上端部には、下方へ向けて折り返された内側折返し部25が全周に渡って形成されている。
【0034】
前記蓋体からは、前記缶本体21に収容された前記噴霧剤を噴出するための放出部としての放出パイプ31が後退可能に延出しており、該放出パイプ31には、前記噴霧剤の不用意な吹き出しを防止する図外のバルブ機構が設けられている。このバルブ機構は、前記放出パイプ31を前記缶本体21内側へ後退させた際に該缶本体21内の噴霧剤を当該放出パイプ31から噴出するように構成されている。
【0035】
前記嵌合部12は、弾性を有した合成樹脂によって形成されており、当該嵌合部12は、前記スプレー缶11の上端部に外嵌する円筒状の周壁41と、該周壁41の上端を閉鎖する円形の天面42とによって容器状に形成されている。前記周壁41の内側面には、前記スプレー缶11の上部に設けられた前記凹溝24内に挿入された状態で係合する凸条43が端部に複数形成されており、各凸条43,・・・は、図2に示すように、等間隔をおいて設けられている。
【0036】
前記天面42には、当該天面42を横断する溝部51が凹設されている。該溝部51は、底面52と該底面52の両縁に沿って起立した側壁53,53とによって構成されており、前記各側壁53,53と前記周壁41との間に前記天面42を底部とした容器状の貯留空間54,54が形成されている。前記溝部51の両端は、前記周壁41に開口しており、当該溝部51の先端側には、幅狭の幅狭部55が形成されている。また、前記溝部51の基端側には、前記幅狭部55より幅寸法が広い幅広部56が形成されている。
【0037】
前記溝部51の前記底面52には、当該底面52中央部より基端側へ向けて延出するとともに前記各側壁53,53に沿って延在するスリット61が形成されており、両側壁53,53に沿って延在するスリット61は、前記幅広部56にて円弧状にカーブして連結されている。これにより、前記スリット61は、一部が欠損したリング状を成すユーターン形状に形成されており、当該溝部51の底面52には、当該底面52に舌片62を介して揺動自在支持された円形状の操作部65が形成されている。
【0038】
この操作部65の上面には、図2に示したように、複数の凸条部71,・・・が形成されており、当該操作部65を指で押す際の滑り止めとして機能するように構成されている。前記操作部65の裏面には、図1にも示したように、前記スプレー缶11の前記放出パイプ31に外嵌する挿入穴72が設けられており、該挿入穴72の内側面には、挿入された前記放出パイプ31の先端が当接する段差部73が形成されている。前記操作部65には、前方に延出した円筒状のノズル部74が一体形成されており、該ノズル部74は、前記挿入穴72に連結されている。
【0039】
これにより、前記操作部65を指で押下した際には、前記挿入穴72に挿入された前記放出パイプ31を前記段差部73によって前記スプレー缶11側へ向けた放出方向75へ付勢するように構成されており、この際に前記放出パイプ31を介して前記スプレー缶11から放出された噴霧剤を前記ノズル部74先端より噴霧できるように構成されている。また、前記嵌合部12を前記スプレー缶11に脱着することによって、前記スプレー缶11の前記放出パイプ74を前記操作部65の前記挿入穴72に着脱できるように構成されている。
【0040】
前記溝部51の前記底面52裏側には、図1及び図2の(b)に示したように、前記スリット61の外側の開口縁部に沿ってリブ81が突設されており、該リブ81の先端は、図3及び図4に示すように、放出具85を支持して維持する維持部86が設定されている。
【0041】
この放出具85は、前記スプレー缶11に残存した前記噴霧剤を放出して廃棄する際に、前記操作部65と前記放出パイプ31との間に配置されて使用されるものである。前記放出具85は、円形の板材によって形成されており、当該放出具85は、前記操作部65上に配置した状態で、該操作部に設けられた前記挿入穴72を閉鎖するとともに、周縁部が前記リブ81の前記維持部86に支持される大きさに形成されている。また、前記放出具85を前記リブ81の前記維持部86で支持した状態で前記嵌合部12を前記スプレー缶11に嵌着した際には、前記放出具85が前記スプレー缶11の前記放出パイプ31に当接して該放出パイプ31を前記放出方向75に後退させる高さ位置に維持されるように構成されている。
【0042】
このとき、前記放出パイプ31が当接する前記放出具85の当接面91には、当該当接面91を横断するV字溝92が形成されており、該V字溝92は、前記操作部65に形成された前記挿入穴72の真上に配置されるように構成されている。このV字溝92の両端は、当該放出具85の側方に開放されており、側方解放部93,93が形成されている。
【0043】
以上の構成にかかる本実施の形態において、スプレー缶11から噴霧剤を噴出する際に操作される操作部65は、前記スプレー缶に嵌着される嵌合部12に設けられている。このため、当該スプレー装置1使用時には、前記嵌合部12が必ず必要となり、使用中での不用意な紛失を確実に防止することができる。
【0044】
そして、前記操作部65は、前記嵌合部12に設けられており、前記スプレー缶11から前記嵌合部12を離脱した際には、前記操作部65も前記スプレー缶11の放出パイプ31から離脱することができる。
【0045】
このため、前記スプレー缶11に残存した前記噴霧剤を放出して当該スプレー缶11を廃棄する際には、該スプレー缶11から離脱した前記嵌合部12の維持部86に放出具85をセットし、該放出具85を、前記操作部65と前記放出パイプ31との間に配置する。そして、この状態で当該嵌合部12に前記スプレー缶11を嵌着する。すると、前記放出具85が前記放出パイプ31に当接することによって該放出パイプ31を後退させることができ、前記スプレー缶11に残存した前記噴霧剤を前記嵌合部12内に放出することができる。
【0046】
このように、このスプレー装置1を使用する際に必ず必要となる前記嵌合部12を用いてスプレー缶11のガス抜きを行うため、使用時には不必要な上蓋を用いてガス抜きを行う従来のように、上蓋を紛失してガス抜きができなくなるといった不具合を防止することができる。
【0047】
したがって、廃棄時においては、ガス抜きを確実に行うことができる。
【0048】
また、前記スプレー缶11の放出パイプ31が当接する前記放出具85の当接面91には、当該当接面91を横断するV字溝92が形成されており、このV字溝92の端部は、当該放出具85の側方に開放されている。このため、前記スプレー缶11の放出パイプ31に放出具85を当接して前記放出パイプ31から噴霧剤を放出した際には、前記放出パイプ31から放出された噴霧剤溶液を、前記V字溝92を介して前記放出具85の側方へ案内することができる。
【0049】
そして、前記嵌合部12の天面42に形成された溝部51の底面52には、一部が欠損したリング形状のスリット61が形成されており、前記溝部51には、前記底面52に一部が連設された前記操作部65が形成されている。また、前記放出具85は、前記スリット61の外側の開口縁部に設定された維持部86に架橋された状態で維持することができる。
【0050】
一方、前記溝部51の側壁53,53と前記周壁と41の間には、前記天面42を底部とした容器状の貯留空間54,54が形成されている。このため、前記放出パイプ31から放出された噴霧剤は、前記放出具85の前記V字溝92に沿って前記貯留空間54,54に案内される。これにより、前記噴霧剤を、この貯留空間54,54に貯留して保持することができる。
【0051】
(第2の実施の形態)
【0052】
図5及び図6は、第2の実施の形態にかかる放出具101を示す図であり、第1の実施の形態と異なる部分に付いてのみ説明し、同一又は同等部分に付いては、同符号を付して説明を割愛する。
【0053】
すなわち、この放出具101は、長方形状の板材によって構成されており、当該放出具101は、対向した前記リブ81の維持部86に架橋できる長さ寸法に設定されている。
【0054】
この放出具101の中央部には、当該放出具101を前記操作部65と前記放出パイプ31との間に配置した状態で、前記操作部65に設けられた前記挿入穴72に位置決めされる円柱状の位置決め部105が突設されている。
【0055】
これにより、前記放出具101を前記操作部65と前記放出パイプ31との間に配置した状態において、前記放出具101に設けられた位置決め部105を、操作部65に設けられた前記挿入穴72に挿入した状態で当該放出具101を位置決めすることができる。
【0056】
したがって、前述した第1の実施の形態の効果に加えて、前記操作部65の前記挿入穴72を有効活用し、前記放出具101の不用意な位置ずれを防止することができる。
【0057】
なお、本実施の形態の放出具101においては、前記放出パイプ31に当接する当接面91にV字溝92が形成されていない場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、第1の実施の形態と同様に、両端が当該放出具101の側方に開放されたV字溝92を前記当接面91に形成しても良い。
【0058】
また、前記第1の実施の形態の放出具85に、当該放出具85を前記操作部65と前記放出パイプ31との間に配置した状態で、前記操作部65に設けられた前記挿入穴72に位置決めされる円柱状の位置決め部105を突設しても良い。
【0059】
そして、前記両実施の形態において、放出具85,101を前記操作部65と前記放出パイプ31との間に配置した状態で、前記放出パイプ31に当接する当接面91に濾紙やティッシュや不織布等の通気性且つ吸液性の部材を設置することができる。
【0060】
これにより、内容物としての噴霧剤放出時において、放出パイプ31の開口部が平坦に形成された放出具85,101の当接面91に密着する恐れのある場合と比較して、放出パイプ31の開口を塞いでしまうことが無く、効率的に噴霧剤を放出することができるとともに、噴霧剤を前記積層部材に吸収させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す要部の断面図である。
【図2】同実施の形態の嵌合部を示す図で、(a)は平面図であり、(b)は底面図である。
【図3】同実施の形態の放出具を示す図で、(a)は平面図であり、(b)は側面図である。
【図4】同実施の形態の嵌合部に放出具をセットした状態を示す説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の放出具を示す図で、(a)は平面図であり、(b)は側面図である。
【図6】同実施の形態の嵌合部に放出具をセットした状態を示す説明図である。
【図7】従来のスプレー装置を示す説明図である。
【符号の説明】
【0062】
1 スプレー装置
11 スプレー缶
12 嵌合部
21 缶本体
31 放出パイプ
41 周壁
42 天面
51 溝部
52 底面
53 側壁
54 貯留空間
61 スリット
65 操作部
72 挿入穴
81 リブ
85 放出具
86 維持部
91 当接面
92 V字溝
93 側方解放部
101 放出具
105 位置決め部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
缶本体より延出した放出部を後退させて当該放出部より内容物を放出するスプレー缶と、該スプレー缶に着脱自在に嵌着される嵌合部とを備えたスプレー装置において、
前記スプレー缶の前記放出部に嵌着され該放出部から前記内容物を噴出する際に操作される操作部を前記嵌合部に揺動自在に設け、前記スプレー缶への前記嵌合部の脱着に応じて前記操作部が前記放出部に着脱されるように構成する一方、
前記スプレー缶に残存した前記内容物を放出して廃棄する際に、前記操作部と前記放出部との間に配置される放出具を備え、
該放出具を前記操作部と前記放出部との間に配置して前記嵌合部を前記スプレー缶に嵌着した状態で、前記放出具が前記放出部に当接して該放出部を後退させる位置に当該放出具を維持する維持部を前記嵌合部に設けたことを特徴とするスプレー装置。
【請求項2】
前記放出部が当接する前記放出具の当接面に通気性且つ吸液性の部材を配置したことを特徴とする請求項1記載のスプレー装置。
【請求項3】
前記放出部が当接する前記放出具の当接面に、当該当接面を横断する溝を形成するとともに、該溝の端部を当該放出具の側方に開放したことを特徴とする請求項1又は2記載のスプレー装置。
【請求項4】
前記放出具を前記操作部と前記放出部との間に配置した状態で、前記操作部に設けられた前記放出部挿入用の挿入穴に位置決めされる位置決め部を前記放出具に突設したことを特徴とする請求項1、2又は3記載のスプレー装置。
【請求項5】
前記嵌合部を、前記スプレー缶に嵌着される筒状の周壁と該周壁の一端を閉鎖する天面とからなる容器状に形成し、該天面に当該天面を横断する溝部を凹設して該溝部の側壁と前記周壁との間に前記天面を底部とした容器状の空間を形成する一方、
前記溝部の底面に、一部が欠損したリング形状のスリットを形成して一部が前記底面に連設された前記操作部を前記スリットの内側に形成するとともに、前記放出具が架橋した状態で維持される前記維持部を前記スリットの外側の開口縁部に設定したことを特徴とする請求項1から4にいずれか記載のスプレー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−118999(P2007−118999A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−313632(P2005−313632)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(000102544)エステー化学株式会社 (127)
【Fターム(参考)】