説明

スライドゲート用案内部材

【課題】スライドゲートを取り払った後に、地面から簡単に取り除くことができ、そして取り除いた後にも、地面を簡単に元の状態に戻すことができるスライドゲート用案内部材を提供する。
【解決手段】断面を略直角三角形状とした横長の柱状体とし、スライドゲート1のゲート1aの下部に取り付けられた転動体6が転動可能とした隙間Sをおいて、その垂直側面11aどうしを対向させたものとしており、前記スライドゲート1が配設された地面Gに、横長方向に複数個連接させた状態で敷設したものとしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建築工事現場等の出入口に仮設される機材等の搬入用のスライドゲートにおける案内部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のスライドゲートとしては、例えば図7、8に示したように、対面して立設された一対の支柱21、21間に架け渡される支持梁22に沿って移動自在に吊り下げられた複数の懸吊体23…の相互間に、所定のパネル24が折曲自在に接続されたものとしている。そして、前記各懸吊体23…の下部には、図示したようなガイドローラ25やキャスター(図示せず)などの転動体が取り付けられており、この転動体は、前記支柱21、21が立設された地面に埋設された、断面略コの字状の受金具26とした案内部材に沿って転動し、スライドゲートの安定した開閉状態を維持している(特許文献1)。
【特許文献1】実開平5−40599号公報(第5、6頁、図1、2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記したようなスライドゲートは、建築工事現場等の出入口に仮設されるのであるので、建築工事等が終了すれば分解するなどして取り払われる。
【0004】
しかしながら、上記従来のスライドゲートでは、そのスライドゲートを取り払った後にも案内部材が残り、この案内部材は地面に埋設されているので、これをまた取り除くのが非常で面倒であるという問題点を有していた。
【0005】
さらに、上記従来のスライドゲートでは、案内部材を取り除いた後にも、地面に凹みができているので、これを埋め立てて地面を均すという作業が必要であり、これまた非常で面倒であり、地面を簡単に元の状態に戻すことができないという問題点を有していた。
【0006】
そこで、この発明は、上記従来の問題点を解決するものであり、スライドゲートを取り払った後に、地面から簡単に取り除くことができ、そして取り除いた後にも、地面を簡単に元の状態に戻すことができるスライドゲート用案内部材を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため、この発明のスライドゲート用案内部材は、断面を略直角三角形状とした横長の柱状体とし、スライドゲート1のゲート1aの下部に取り付けられた転動体6が転動可能とした隙間Sをおいて、その垂直側面11aどうしを対向させたものとしており、前記スライドゲート1が配設された地面Gに、横長方向に複数個連接させた状態で敷設したものとしている。
【0008】
そして、この発明のスライドゲート用案内部材は、前記ゲート1aを、支柱2、2間に架け渡される支持梁3に沿って移動自在に吊り下げられた複数の懸吊体4…に、それぞれパネル5が屈曲自在に接続されたものとしている。
【0009】
さらに、この発明のスライドゲート用案内部材は、前記案内部材11を軟質材から成るものとしている。
【0010】
また、この発明のスライドゲート用案内部材は、前記案内部材11に、斜面11cから底面11bに貫通する止孔13を設け、止着具により前記スライドゲート1が配設された地面Gに止着できるようにしている。
【発明の効果】
【0011】
この発明のスライドゲート用案内部材は、以上に述べたように構成されているので、スライドゲートを取り払った後に、地面から簡単に取り除くことができ、そして取り除いた後にも、地面を簡単に元の状態に戻すことができものとなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明のスライドゲート用案内部材の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1は、この発明のスライドゲート用案内部材を用いるためのスライドゲート1であり、そのゲート1aは、支柱2、2間に架け渡される支持梁3に沿って移動自在に吊り下げられた複数の懸吊体4…に、それぞれパネル5が屈曲自在に接続されたものとしている。そして、各懸吊体4…の下端には、例えば図示したようなガイドローラ等の転動体6が設置されることにより、前記スライドゲート1のゲート1aの下部には、任意の転動体6を取り付けたものとしている。なお、前記スライドゲート1のゲート1aの上部は、図示したものでは、前記支持梁3の下面に設けられた案内軌条7に沿って移動自在に設けられた吊具8…を介して吊り下げられたものとしているが、このように支持梁3に吊り下げられたものとしなくてもよい。
【0014】
この発明の案内部材11は、断面を略直角三角形状とした横長の柱状体とし、前記スライドゲート1のゲート1aの下部に取り付けられた転動体6が転動可能とした隙間Sをおいて、その垂直側面11aどうしを対向させたものとしており、前記スライドゲート1が配設された地面Gに、図3に示したように、横長方向に複数個連接させた状態で敷設したものとしている。
【0015】
前記案内部材11は、金属や硬質合成樹脂等の硬質材から成るものとしてもよいが、前記転動体6が接触したり突き当たったりしても、この転動体6が損傷し難いように、ゴムや軟質合成樹脂等の軟質材から成るものとするのが好ましい。
【0016】
そして、前記案内部材11は、断面を略直角三角形状としており、図示したものでは、垂直側面11aを約5〜10cm程度とし、その垂直側面11aに転動体6が突き当たっても乗り越えられない程度の高さとしている。さらに、前記案内部材11の底面11bは、適当な個所を肉抜きして凹部12を設けることにより軽量化を図っている。また、前記案内部材11の斜面11cは、その傾斜角度を約5〜15度程度とし、機材等を搬入するための運搬車等が通過し易いようにしている。なお、前記案内部材11には、斜面11cから底面11bに貫通する止孔13が設けられており、釘やアンカーボルト等の止着具(図示せず)により、前記スライドゲート1が配設された地面Gに止着できるようにしている。図示したものでは、前記止孔13に段差部13aを設けることにより、この止孔13に止着具を差し込んで、案内部材11を地面Gに止着するときに、その止着具の頭部が斜面11cから突出しないようにしている。
【0017】
以上のように構成されたこの発明のスライドゲート用案内部材は、建築工事等が終了してスライドゲート1を分解するなどして取り払われた後に、このスライドゲート1が配設された地面Gに、案内部材11が横長方向に複数個連接させて止着された状態で残ることになる。しかし、この案内部材11は、それぞれが釘やアンカーボルト等の止着具により、前記地面Gに止着されているので、これら止着具を先に外したり、または止着具によって止着されたまま案内部材11を無理やり引き上げたりして、これら案内部材11を一枚ずつ地面Gから剥がしていけば簡単に取り除くことができる。
【0018】
そして、このようにして案内部材11を取り除いた後の地面Gには、前記止着具の跡が残るが、この跡は小さく浅いので、少量の土等を被せれば簡単に埋めることができ、案内部材11が敷設されていた地面Gを簡単に元の状態に戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の案内部材を用いたスライドゲートの正面図である。
【図2】図1中のA−A線による断面図である。
【図3】この発明の案内部材をスライドゲートが配設された地面に敷設した状態を示す斜視図である。
【図4】この発明の案内部材の斜視図である。
【図5】図3中のB−B線による断面図である。
【図6】図3中のC−C線による断面図である。
【図7】従来の案内部材を用いたスライドゲートの正面図である。
【図8】図7中のD−D線による断面図である。
【符号の説明】
【0020】
1 スライドゲート
1a ゲート
2 支柱
3 支持梁
4 懸吊体
5 パネル
6 転動体
11 案内部材
11a 垂直側面
11b 底面
11c 斜面
13 止孔
S 隙間
G 地面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面を略直角三角形状とした横長の柱状体とし、スライドゲート(1)のゲート(1a)の下部に取り付けられた転動体(6)が転動可能とした隙間(S)をおいて、その垂直側面(11a)どうしを対向させたものとしており、前記スライドゲート(1)が配設された地面(G)に、横長方向に複数個連接させた状態で敷設したことを特徴とするスライドゲート用案内部材。
【請求項2】
前記ゲート(1a)を、支柱(2、2)間に架け渡される支持梁(3)に沿って移動自在に吊り下げられた複数の懸吊体(4…)に、それぞれパネル(5)が屈曲自在に接続されたものとしたことを特徴とする請求項1記載のスライドゲート用案内部材。
【請求項3】
前記案内部材(11)を軟質材から成るものとしたことを特徴とする請求項1記載のスライドゲート用案内部材。
【請求項4】
前記案内部材(11)に、斜面(11c)から(底面11b)に貫通する止孔(13)を設け、止着具により前記スライドゲート(1)が配設された地面(G)に止着できるようにしたことを特徴とする請求項1記載のスライドゲート用案内部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−2068(P2008−2068A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−169811(P2006−169811)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【出願人】(000230803)日本機電株式会社 (3)
【Fターム(参考)】