説明

スライド式のフォーク装置

【課題】塵埃を飛散させ難く且つ使い勝手の良いスライド式のフォーク装置を提供する。
【解決手段】基部側部材15、中継用連係部材17及び先端側部材19のスライド方向での長さを同じに構成し、基部側連係部材16及び先端側連係部材18のスライド方向での長さを同じで中継用連係部材17より小さく構成し、基部側部材15、基部側連係部材16及び中間連係部材17を基部側用のラック31と基部側中継用のラック32と基部側用のピニオン36とで連動させ、基部側連係部材16、中間連係部材17及び先端側連係部材18を索条体44にて連動させ、中間連係部材17、先端側連係部材18及び先端側部材19を先端側中継用のラック33と先端側用のラック34と先端側用のピニオン37とで連動させるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基部側部材に対して物品支持用の先端側部材が出退操作されるように構成されたスライド式のフォーク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかるスライド式のフォーク装置は、物品支持用の先端側部材に物品を支持させ、その先端側部材を基部側部材に対して出退操作して物品を移載するものであり、自動倉庫におけるスタッカークレーン等に備えて用いられるものである。スタッカークレーンについて説明を加えると、スタッカークレーンは、その走行方向と交差する横幅方向つまりはスライド式のフォーク装置における先端側部材のスライド方向の両側に収納棚を備えた自動倉庫に設けられているものであり、スライド式のフォーク装置を用いて両側に備えられた収納棚との間で物品を移載することができるように構成されている。
そして、このようなスライド式のフォーク装置において、従来では、基部側部材に備えさせた基部側用のガイドレールにスライド移動自在に係合する基部側用の係合部材及び先端側部材に備えさせた先端側用のガイドレールにスライド移動自在に係合する先端側用の係合部材を備えた中間連係部材が設けられ、基部側用の係合部材が、その係合作用範囲を基部側用のガイドレールの長さと略同じ長さに形成する状態で設けられ、先端側用の係合部材が、その係合作用範囲を先端側用のガイドレールの長さと略同じ長さに形成する状態で設けられ、基部側部材、中間連係部材及び先端側部材のスライド方向での長さが略同じに構成されていた。
そして、中間連係部材を基部側用のガイドレールの長手方向に沿う移動可能範囲の中間位置に位置するように基部側部材に対して移動させ、且つ、先端側部材を先端側用のガイドレールの長手方向に沿う移動可能範囲の中間位置に中間連係部材が位置するように中間連係部材に対して移動させた引退状態、中間連係部材を基部側部材に対してその移動可能範囲の一端側又は他端側に移動させ、且つ、先端側部材を中間連係部材に対してその移動可能範囲の一端側又は他端側に移動させた側方突出状態に切換えるべく、基部側部材に対して中間連係部材をスライド操作し、且つ、中間連係部材に対して先端側部材をスライド操作する出退駆動手段を設け、基部側部材に対して先端側部材をスライド移動方向の一側方に突出させた一側方突出状態や他側方に突出させた他側方突出状態に切換えるように構成して、出退駆動手段が、基部側部材に接続されてスライド方向の一方側及び他方側に延設され、中間連係部材に備えさせた一方側の反転案内部及び他方側の反転案内部にて反転案内されたのち、先端側部材に接続される索条体と、中間連係部材を先端側部材に対してスライド操作するスライド駆動手段とを備えて構成されているものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
つまり、基部側部材と中間連係部材と先端側部材とで3段のスライド式のフォーク装置を構成して、スライド方向の両側に位置する収納棚等の物品移載対象箇所との間で物品を移載するのに適した先端側部材の出退量が得られるように構成されている。
【0003】
【特許文献1】実開平2−2307号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来のスライド式のフォーク装置では、基部側用の係合部材が、その係合作用範囲を基部側用のガイドレールの長さと略同じ長さに形成する状態に設けられているので、引退状態から基部側用のガイドレールに対して基部側用の係合部材をスライド移動させた側方突出状態に切換えた状態では、基部側用の係合部材の係合作用範囲におけるスライド移動する側の範囲が基部側用のガイドレールとの係合が外れてしまい、また、先端側用の係合部材が、その係合作用範囲を先端側用のガイドレールの長さと略同じ長さに形成する状態で設けられているので、引退状態から先端側用の係合部材に対して先端側用のガイドレールをスライド移動させた側方突出状態に切換えた状態では、先端側用の係合部材の係合作用範囲におけるスライド移動する側とは反対側の範囲が先端側用のガイドレールとの係合が外れてしまうものである。
このように、引退状態から側方突出状態に切換えた際に、基部側用の係合部材の係合作用範囲の全範囲を基部側のガイドレールに係合させること及び先端側用の係合部材の係合作用範囲の全範囲を先端側のガイドレールに係合させることを維持することができないので、引退状態から側方突出状態に切換える際に、基部側用の係合部材と基部側のガイドレールとの係合や先端側用の係合部材と先端側用のガイドレールとの係合により生じた塵埃が、これらの係合が外れる際に外方に飛散し易いものであり、クリーンルームには設け難いものであった。また、基部側用の係合部材や先端側用の係合部材を摺動式に構成した場合では、側方突出状態から引退状態に切換える際に、基部側用の係合部材の基部側用のガイドレールへの係合や先端側用の係合部材の先端側用のガイドレールへの係合が円滑に行い難いものであるため、側方突出状態から引退状態に円滑に切換えることができない可能性があった。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、塵埃を飛散させ難く且つ使い勝手の良いスライド式のフォーク装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明にかかるスライド式のフォーク装置の第1特徴構成は、基部側部材に対して物品支持用の先端側部材が出退操作されるように構成されたスライド式のフォーク装置において、
前記基部側部材に備えさせた基部側用のガイドレールにスライド移動自在に係合する基部側用の係合部材を備えた基部側連係部材と、この基部側連係部材に備えさせた基部側中継用の係合部材がスライド移動自在に係合する基部側中継用のガイドレールを備えた中間連係部材と、この中間連係部材に備えさせた先端側中継用のガイドレールにスライド移動自在に係合する先端側中継用の係合部材を備え且つ前記先端側部材に備えさせた先端側用のガイドレールにスライド移動自在に係合する先端側用の係合部材を備えた先端側連係部材とが設けられ、前記基部側用の係合部材が、その係合作用範囲を前記基部側用のガイドレールの長さよりも小さく形成する状態で設けられ、前記基部側中継用の係合部材が、その係合作用範囲を前記基部側中継用のガイドレールの長さよりも小さく形成する状態で設けられ、前記先端側中継用の係合部材が、その係合作用範囲を前記先端側中継用のガイドレールの長さよりも小さく形成する状態で設けられ、前記先端側用の係合部材が、その係合作用範囲を前記先端側用のガイドレールの長さよりも小さく形成する状態で設けられ、前記基部側部材、前記中間連係部材及び前記先端側部材のスライド方向での長さが、同じ又は略同じに構成され、前記基部側連係部材及び先端側連係部材のスライド方向での長さが、同じ又は略同じで、前記中間連係部材の長さより小さく構成され、前記基部側用の係合部材の係合作用範囲の全範囲を前記基部側用のガイドレールに係合させること、前記基部側中継用の係合部材の係合作用範囲の全範囲を前記基部側中継用のガイドレールに係合させること、前記先端側中継用の係合部材の係合作用範囲の全範囲を前記先端側中継用のガイドレールに係合させること、及び、前記先端側用の係合部材の係合作用範囲の全範囲を前記先端側用のガイドレールに係合させることを維持する形態で、前記基部側連係部材を前記基部側用のガイドレールの長手方向に沿う移動可能範囲の中間位置に位置するように前記基部側部材に対して移動させ、前記中間連係部材を前記基部側中継用のガイドレールの長手方向に沿う移動可能範囲の中間位置に位置するように前記基部側連係部材に対して移動させ、前記先端側連係部材を前記先端側中継用のガイドレールの長手方向に沿う移動可能範囲の中間位置に位置するように前記中間連係部材に対して移動させ、及び、前記先端側部材を前記先端側用のガイドレールの長手方向に沿う移動可能範囲の中間位置に位置するように前記先端側連係部材に対して移動させた引退状態、並びに、前記基部側連係部材を前記基部側部材に対してその移動可能範囲の一端側又は他端側に移動させ、前記中間連係部材を前記基部側連係部材に対してその移動可能範囲の一端側又は他端側に移動させ、前記先端側連係部材を前記中間連係部材に対してその移動可能範囲の一端側又は他端側に移動させ、前記先端側部材を前記先端側連係部材に対してその移動可能範囲の一端側又は他端側に移動させた側方突出状態に切り換えるべく、前記基部側連係部材を前記基部側部材に対してスライド操作し、前記中間連係部材を前記基部側連係部材に対してスライド操作し、前記先端側連係部材を前記中間連係部材に対してスライド操作し、及び、前記先端側部材を前記先端側連係部材に対してスライド操作する出退駆動手段が設けられ、この出退駆動手段が、前記基部側部材に備えさせた基部側用のラック並びに前記中間連係部材に備えさせた基部側中継用のラックに噛合する状態で前記基部側連係部材に備えられた基部側用のピニオンと、前記中間連係部材に備えさせた先端側中継用のラック並びに前記先端側部材に備えさせた先端側用のラックに噛合する状態で前記先端側連係部材に備えられた先端側用のピニオンと、前記基部側連係部材に接続されてスライド方向の一方側及び他方側に延出され、前記中間連係部材に備えさせた一方側の反転案内部及び他方側の反転案内部にて反転方向に案内されたのち、前記先端側連係部材に接続される索条体と、前記基部側連係部材を前記基部側部材に対してスライド操作するスライド駆動手段とを備えて構成されている点にある。
【0007】
すなわち、基部側連係部材に備えられた基部側用のピニオンは、基部側部材に備えられた基部側用のラック、並びに、中間連係部材に備えられた基部側中継用のラックに噛合されているため、スライド駆動手段にて基部側連係部材が基部側部材に対してスライド移動することにより基部側用のピニオンが回転し、この基部側用のピニオンの回転により、中間連係部材が基部側連係部材に対してスライド移動する。
そして、基部側連係部材に接続された索条体が、一方側及び他方側に延出され、中間連係部材に備えさせた一方側の反転案内部材及び他方側の反転案内部材にて反転方向に案内されたのち、先端側連係部材に接続されているため、上記したように中間連係部材が基部側連係部材に対してスライド移動することにより、索条体にて先端側連係部材が引き操作されて、先端側連係部材が中間連係部材に対してスライド移動する。
さらに、先端側連係部材に備えられた先端側用のピニオンは、中間連係部材に備えられた先端側中継用のラック、並びに、先端側部材に備えられた先端側用のラックに噛合されているため、上記したように先端側連係部材が中間連係部材に対してスライド移動することにより先端側用のピニオンが回転し、この先端側用のピニオンの回転により、先端側部材が先端側連係部材に対してスライド移動する。
つまり、スライド駆動手段にて基部側連係部材を基部側部材に対してスライド操作することによって、中間連係部材が基部側連係部材に対してスライド移動し、先端側連係部材が中間連係部材に対してスライド移動し、先端側部材が先端側連係部材に対してスライド移動して、引退状態から先端側部材を一側方に突出させた側方突出状態や先端側部材を他側方に突出させた側方突出状態への切り換え操作、並びに、これら側方突出状態から引退状態への切り換え操作ができるように構成されているのである。
【0008】
よって、基部側部材と中間連係部材との間に基部側連係部材を設け、中間連係部材と先端側部材との間に先端側連係部材を設けて、スライド式のフォーク装置を5段とすることにより、スライド方向の両側に位置する物品移載対象箇所との間で物品を移載するのに適した先端側部材の出退量が得られ、スライド方向の両側に位置する物品移載対象箇所との間で物品を移載することができるものでありながら、引退状態や先端側部材を一側方や他側方に突出させた側方突出状態に切り換えた状態でも係合部材の係合作用範囲の全範囲をガイドレールに係合させることが維持されているため、引退状態から一側方及び他側方に突出させた側方突出状態に切換える際に、係合部材とガイドレールとの係合により生じた塵埃が周囲に飛散することを抑えることができるので洗浄度が高いクリーンルームに設け易く、また、側方突出状態から引退状態に切換える際の係合部材とガイドレールのスライド方向先端部との干渉がなく、側方突出状態から引退状態への切換えを円滑に行うことができる。
【0009】
また、基部側部材に基部側用のガイドレール及び基部側用のラックを備え、中間連係部材に基部側中継用のガイドレール、先端側中継用のガイドレール、基部側中継用のラック、先端側中継用のラック及び一方側と他方側との反転案内部を備え、先端側部材に先端側用のガイドレール及び先端側用のラックを備えており、基部側連係部材や先端側連係部材には、基部側用と基部側中継用と先端側中継用と先端側用のレール、基部側用と基部側中継用と先端側中継用と先端側用のラック、並びに、一方側及び他方側の反転案内部を備えていないので、基部側連係部材や先端側連係部材をスライド方向の長さを短く構成することができる。
説明を加えると、基部側連係部材は、基部側用の係合部材、基部側中継用の係合部材及び基部側用のピニオンが備えられるとともに索条体が接続されており、この基部側連係部材にはガイドレール、ラック及び反転案内部が備えられていないため、基部側連係部材をスライド方向に短く構成することができるものであり、また、先端側連係部材は、先端側中継用の係合部材、先端側用の係合部材及び先端側用のピニオンが備えられるとともに索条体が接続されており、この先端側連係部材にはガイドレール、ラック及び反転案内部が備えられていないため、先端側連係部材をスライド方向に短く構成することができる。
また、基部側連係部材と中間連係部材とを基部側用のラック及び基部側中継用のラックと基部側用のピニオンとの噛合により連動させ、中間連係部材と先端側連係部材とを索条体を基部側連係部材と先端側連係部材とに接続するとともに一方側及び他方側の反転案内部にて反転案内することにより連動させ、先端側連係部材と先端側部材とを先端側中継用のラック及び先端側用のラックと先端側用のピニオンとの噛合により連動させているので、基部側連係部材と中間連係部材との連動、中間連係部材と先端側連係部材との連動、及び、先端側連係部材と先端側部材との連動の全てをラックとピニオンとで連動させるものと比べて、バックラッシによる先端側部材の出退量の誤差を抑えることができるとともに、基部側連係部材と中間連係部材との連動、中間連係部材と先端側連係部材との連動、及び、先端側連係部材と先端側部材との連動の全てを索条体と反転案内部とで連動させるものと比べて構成の簡素化を図ることができる。
【0010】
従って、スライド方向の両側に位置する物品移載対象箇所との間で物品を移載することができ且つ塵埃を飛散させ難いものとしながら、引退状態と側方突出状態とに円滑に切換えることができ、さらに、塵埃を飛散させ難いものとしては先端側部材の出退量の誤差の抑制、並びに、スライド式のフォーク装置の軽量化及び構成の簡素化を図ることができることにより、スライド式のフォーク装置の使い勝手が良いものとなり、もって、塵埃を飛散させ難く且つ使い勝手の良いスライド式のフォーク装置を提供することができるに至った。
【0011】
本発明にかかるスライド式のフォーク装置の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記係合部材の夫々が、前記ガイドレールに摺動移動自在に係合される摺動式に構成されている点にある。
【0012】
すなわち、係合部材の夫々が摺動式に構成されているので、係合部材とガイドレールとの係合による塵埃の発生を抑制することができ、もって、クリーンな環境で用い易いスライド式のフォーク装置を提供することができるに至った。
【0013】
本発明にかかるスライド式のフォーク装置の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成において、前記索条体が、ループ状のベルトにて構成されている点にある。
【0014】
すなわち、索条体を、例えば、薄板状のステンレス製のベルトやワイヤーを内装したベルト等のベルトにて構成することによって経年変化による索条体の伸びをなくす又は略なくすことができるため、長期にわたって先端側部材の出退量を所望の出退量に維持させることができてメンテナンス作業の頻度を減らすことができ、また、ループ状のベルトを接続するように構成されているので、先端側連係部材を一方側に引き操作するベルトと先端側部材を他方側に引き操作するベルトとの一対のベルトを備えた場合に比べて接続箇所の数を減らすことができてメンテナンス作業を行う箇所を減らすことができ、もって、メンテナンス作業の簡素化を図ることができるスライド式のフォーク装置を提供することができるに至った。
【0015】
本発明にかかるスライド式のフォーク装置の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれか1つにおいて、前記基部側部材が、前記基部側用のガイドレールをスライド方向と交差する横幅方向に一対並べた状態で備え、且つ、その一対の基部側用のガイドレールの間に相当する箇所に前記基部側用のラックを位置させるように構成され、前記基部側連係部材が、前記基部側用の係合部材及び前記基部側中継用の係合部材の夫々を横幅方向に一対並べた状態で備え、且つ、その一対の基部側用の係合部材の間でかつ一対の基部側中継用の係合部材の間に相当する箇所に前記基部側用のピニオン及び前記索条体を位置させるように構成され、前記中間連係部材が、前記基部側中継用のガイドレール及び前記先端側中継用のガイドレールの夫々を横幅方向に一対並べた状態で備え、且つ、その一対の基部側中継用のガイドレールの間でかつ一対の先端側中継用のガイドレールの間に相当する箇所に前記基部側中継用のラック及び前記先端側中継用のラックを位置させるように構成され、前記先端側連係部材が、前記先端側中継用の係合部材及び前記先端側用の係合部材の夫々を横幅方向に一対並べた状態で備え、且つ、その一対の先端側中継用の係合部材の間でかつ一対の先端側用の係合部材の間に相当する箇所に前記先端側用のピニオン及び前記索条体を位置させるように構成され、前記先端側部材が、前記先端側用のガイドレールを横幅方向に一対並べた状態で備え、且つ、その一対の先端側用のガイドレールの間に相当する箇所に前記先端側用のラックを位置させるように構成されている点にある。
【0016】
すなわち、基部側連係部材をスライド方向に案内する基部側用のガイドレールと基部側用の係合部材との夫々を横幅方向に一対並べた状態で設けられているので、基部側連係部材を安定よくスライド移動させ易く、中間連係部材をスライド方向に案内する基部側中継用のガイドレールと基部側中継用の係合部材との夫々を横幅方向に一対並べた状態で設けられているので、中間連係部材を安定よくスライド移動させ易く、先端側連係部材をスライド方向に案内する先端側中継用のガイドレールと先端側中継用の係合部材との夫々を横幅方向に一対並べた状態で設けられているので、先端側連係部材を安定よくスライド移動させ易く、先端側部材をスライド方向に案内する先端側用のガイドレールと先端側用の係合部材との夫々を横幅方向に一対並べた状態で設けられているので、先端側部材を安定よくスライド移動させ易いものであり、先端側部材を円滑に出退操作することができる。
そして、基部側用のラックを一対の基部側用のガイドレールの間に相当する箇所に位置させ、基部側用のピニオン及び索条体を一対の基部側用の係合部材の間でかつ一対の基部側中継用の係合部材の間に相当する箇所に位置させ、基部側中継用のラック及び先端側中継用のラックを一対の基部側中継用のガイドレールの間でかつ一対の先端側中継用のガイドレールの間に相当する箇所に位置させ、先端側用のラックを一対の先端側用のガイドレールの間に相当する箇所に位置させており、基部側用、基部側中継用、先端側中継用及び先端側用のピニオンやラック及び索条体を、基部側用、基部側中継用、先端側中継用及び先端側用の一対のガイドレールや係合部材の間に形成される空間を利用して備えることによって、スライド式のフォーク装置を横幅方向に小さく構成することができる。
従って、先端側部材を円滑に出退操作することができながら、横幅方向に小さく構成することができるスライド式のフォーク装置を提供することができるに至った。
【0017】
本発明にかかるスライド式のフォーク装置の第5特徴構成は、第4特徴構成において、前記基部側連係部材が、一対の前記基部側中継用の係合部材が一対の前記基部側用の係合部材より上方に位置する形態で、一対の前記基部側用の係合部材と一対の前記基部側中継用の係合部材とを上下方向に並ぶ状態に備えて構成され前記中間連係部材が、一対の前記先端側中継用のガイドレールが一対の前記基部側中継用のガイドレールより横幅方向の内方側に位置する形態で、一対の前記基部側中継用のガイドレールと一対の前記先端側中継用のガイドレールとを横幅方向に並ぶ状態に備えて構成され、前記先端側連係部材が、一対の前記先端側用の係合部材が一対の前記先端側中継用の係合部材より上方に位置する形態で、一対の前記先端側中継用の係合部材と一対の前記先端側用の係合部材とを上下方向に並ぶ状態に備えて構成され、前記先端側部材が、物品を載置支持する載置部が一対の前記先端側用のガイドレールより上方に位置する形態で、一対の前記先端側用のガイドレールと前記載置部とを上下方向に並ぶ状態に備えて構成されている点にある。
【0018】
すなわち、先端側中継用のガイドレール、先端側用のガイドレール、先端側中継用の係合部材及び先端側用の係合部材を、基部側用のガイドレール、基部側中継用のガイドレール、基部側用の係合部材及び基部側中継用の係合部材に対して、上下方向に重複しないように備えることができるので、例えば、先端側用のガイドレールや先端側用の係合部材を、基部側中継用のガイドレールや基部側中継用の係合部材と横幅方向に重複する程度下方に位置させるように備えることができる等、スライド式のフォーク装置の上下幅の厚みを小さく構成することができ、もって、上下方向の厚みを小さく構成することができるスライド式のフォーク装置を提供することができるに至った。
【0019】
本発明にかかるスライド式のフォーク装置の第6特徴構成は、第5特徴構成において、前記中間連係部材が、一対の前記先端側中継用のガイドレールが一対の前記基部側中継用のガイドレールより下方に位置する形態で、一対の前記基部側中継用のガイドレールと一対の前記先端側中継用のガイドレールとを上下方向に並ぶ状態に備えて構成されている点にある。
【0020】
すなわち、一対の基部側中継用のガイドレールと一対の先端側中継用のガイドレールとが上下方向に並ぶように備えられており、これら一対の基部側中継用のガイドレールと一対の先端側中継用のガイドレールとを上下方向に重複するように備えて先端側連係部材の横幅を小さく構成することができ、もって、横幅方向の厚みを小さく構成することができるスライド式のフォーク装置を提供することができるに至った。
【0021】
本発明にかかるスライド式のフォーク装置の第7特徴構成は、第1〜第6特徴構成のいずれか1つにおいて、前記基部側部材に備えさせた前記基部側用のラック、前記中間連係部材に備えさせた前記基部側中継用のラック、前記中間連係部材に備えさせた前記先端側中継用のラック、並びに、前記先端側部材に備えさせた前記先端側用のラックの夫々における少なくとも歯部形成部分を覆うカバー体が設けられている点にある。
【0022】
すなわち、基部側用のラック、基部側中継用のラック、先端側中継用のラック、並びに、先端側用のラックの夫々は、少なくとも歯部形成部分がカバー体にて覆われているから、ピニオンをラック長手方向に円滑に移動させるためにグリースを使用した場合においてピニオンがラック長手方向に移動した際にグリースが周囲に飛散することをカバー体にて受け止めることによって防ぐことができるものであり、グリース等の塵埃が周囲に飛散し難いため、清浄度が高いクリーンルームに設け易いものとなり、もって、清浄度が高いクリーンルームに設け易いスライド式のフォーク装置を提供することができるに至った。
【0023】
本発明にかかるスライド式のフォーク装置の第8特徴構成は、第7特徴構成において、前記カバー体としての、前記基部側用のラックを覆うカバー体、前記基部側中継用のラックを覆うカバー体、前記先端側中継用のラックを覆うカバー体、及び、前記先端側用のラックを覆うカバー体の夫々が、それが覆い作用するラックにおけるピニオン噛合箇所のラック長手方向一端側とラック長手方向他端側とを各別に覆う一端側カバー部分と他端側カバー部分とを備えるように構成され、前記各カバー体における前記一端側カバー部分及び前記他端側カバー部分が、それが覆い作用するラック部分の長さに相当する長さとなるように、前記ピニオン噛合箇所がラック長手方向に変更するに伴ってラック長手方向に伸縮するように構成されている点にある。
【0024】
すなわち、各ラックは、ラック噛合個所がラック長手方向一端側に変更されると、一端側カバー部分が覆い作用するラック部分の長さは短くなり、他端側カバー部分が覆い作用するラック部分の長さは長くなるものであり、また、ラック噛合個所がラック長手方向他端側に変更されると、一端側カバー部分にて覆い作用するラック部分の長さは長くなり、他端側カバー部分にて覆い作用するラック部分の長さは短くなるものであるが、各カバー体における一端側カバー部分及び他端側カバー部分が、それが覆い作用するラック部分の長さに相当する長さとなるように、ラック噛合箇所がラック長手方向に変更するに伴ってラック長手方向に伸縮するように構成されているから、各カバー体における一端側カバー部分及び他端側カバー部分は、それが覆い作用するラック部分の長さが長くなったとしても、ピニオン噛合個所がラック長手方向に変更するに伴ってピニオン噛合個所がラック長手方向に変更するに伴って伸長するため、覆い作用するラック部分を適確に覆うことができ、また、各カバー体における一端側カバー部分及び他端側カバー部分は、覆い作用するラック部分の長さが短くなったとしても、ピニオン噛合個所がラック長手方向に変更するに伴って短縮するため、覆い作用するラック部分の長さに対してラック長手方向に不必要に長くなることを抑えて邪魔になり難くすることができる。
従って、ピニオン噛合個所がラック長手方向に変更するに伴って各カバー体における一端側カバー部分及び他端側カバー部分を伸縮させることにより、それが覆い作用するラック部分の長さに相当する長さとすることによって、各ラックを適確に覆いながら各カバー体が邪魔になり難くすることができるスライド式のフォーク装置を提供することができるに至った。
【0025】
本発明にかかるスライド式のフォーク装置の第9特徴構成は、第8特徴構成において、前記各カバー体における前記一端側カバー部分及び前記他端側カバー部分が、それが覆い作用するラックを備える部材とスライド移動自在に係合する部材に固定支持される固定カバー体と、それが覆い作用するラックを備える部材にラック長手方向に設定範囲でスライド移動自在に支持され且つ前記固定カバー体に対して接近する側に弾性付勢された可動カバー体とからなり、前記一端側カバー部分及び前記他端側カバー部分が覆い作用するラックを備える部材とスライド移動自在に係合する部材には、前記ピニオン噛合箇所がラック長手方向に変更するに伴って接近移動する前記可動カバー体を弾性付勢力に抗して押圧移動する押し部が設けられている点にある。
【0026】
すなわち、可動カバー体は、ラックを備える部材(基部側部材、中間連係部材又は先端側部材)に支持され、固定カバー体は、ラックを備える部材にスライド操作自在に係合する部材(基部側連係部材又は先端側連係部材)に固定支持されているから、ピニオン噛合個所が長手方向に変更するに伴って、ラックを備える部材とこれにスライド操作自在に係合する部材とがラック長手方向に相対的にスライド移動することにより、固定カバー体と可動カバー体ともラック長手方向に相対的にスライド移動して、各カバー体における一端側カバー部分及び他端側カバー部分が、それが覆い作用するラック部分の長さに相当する長さとなるように伸縮するものとなり、もって、各カバー体における一端側カバー部分及び他端側カバー部分を、固定カバー体と可動カバー体とをラック長手方向に相対移動させるだけの簡素な構成の伸縮させることができる。
また、可動カバー体は、ラックを備える部材にラック長手方向に設定範囲でスライド移動自在に支持され且つ固定カバー体に対して接近する側に弾性付勢されており、近接移動した可動カバー体をラック長手方向に長く構成したとしても、存在する側と反対側にラック噛合個所が変更されたとしても、弾性付勢力に抗して押圧移動させることによって、可動カバー体をラック長手方向に長いものとしてもピニオンに干渉しないようにできる。
従って、ラックを適確に覆い易いカバー体を備えたスライド式のフォーク装置を提供することができるに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施の形態〕
図1に示すように、物品Wを収納する収納棚1が相対向するように一対配設され、その相対向する一対の収納棚1の間には、スタッカークレーン2が走行レール3に沿って走行可能に設けられ、このスタッカークレーン2によって、収納棚1と収納棚1の入口側に設けられた荷受装置4との間で物品Wを搬送するように構成されており、収納棚1、スタッカークレーン2及び荷受装置4にて自動倉庫が構成されている。尚、図1、図2に示すように、収納棚1には、上下方向並びに横幅方向に物品Wを収納する複数の物品収納部が区画形成され、棚前後方向に1つの物品Wを収納するように構成されている。
【0028】
スタッカークレーン2には、走行レール3に沿って走行する走行台車5に、昇降台9を昇降自在に案内支持する前後一対の支柱6を走行方向の前後端箇所に立設されており、その前後一対の支柱6の上端側部分同士は、作業通路上方に設置した上部レール7に案内支持される上部フレーム8にて連結されており、昇降台9上には、基部側部材15に対して物品支持用の先端側部材19がスライド方向に出退操作されるように構成されたスライド式のフォーク装置14が設けられている。そして、スライド式のフォーク装置14は、基部側部材15に対して先端側部材19を棚前後方向に沿うスライド方向に出退操作することによって、先端側部材19を一方側の収納棚に向けて突出させた一側方突出状態と他方側の収納棚に向けて突出させた他側方突出状態とに切り換えることができるように構成されている。
つまり、スタッカークレーン2は、昇降台9の昇降移動操作とスライド式のフォーク装置14における先端側部材19の出退操作とにより、対向する一対の収納棚1との間で物品Wを移載することができるように構成されている。
【0029】
次に、スライド式のフォーク装置14について説明する。
図3に示すように、スライド式のフォーク装置14は、基部側部材15に対して物品支持用の先端側部材19が出退操作されるように構成されており、前記基部側部材15に備えさせた基部側用のガイドレール21にスライド移動自在に係合する基部側用の係合部材26を備えた基部側連係部材16と、この基部側連係部材16に備えさせた基部側中継用の係合部材27がスライド移動自在に係合する基部側中継用のガイドレール22を備えた中間連係部材17と、この中間連係部材17に備えさせた先端側中継用のガイドレール23にスライド移動自在に係合する先端側中継用の係合部材28を備え且つ前記先端側部材19に備えさせた先端側用のガイドレール24にスライド移動自在に係合する先端側用の係合部材29を備えた先端側連係部材18とが設けられている。
そして、前記基部側部材15、前記中間連係部材17及び前記先端側部材19のスライド方向での長さが、同じに構成され、前記基部側連係部材16及び前記先端側連係部材18のスライド方向での長さが、同じで、前記中間連係部材17の長さより小さく半分以下に構成されている。
【0030】
前記係合部材26、27、28、29の夫々は、前記ガイドレール21、22、23、24に摺動移動自在に係合される摺動式に構成されており、係合部材26、27、28、29とガイドレール21、22、23、24との各組によりリニアガイドが構成されている。
また、係合部材26、27、28、29の夫々は、スライド方向に並設された一対のガイド部材にて構成されており、係合部材26、27、28、29の係合作用範囲とは、スライド方向の一方側のガイド部材の一方側端部からスライド方向の他方側のガイド部材の他方側端部までの範囲である。
【0031】
図4に示すように、前記基部側用の係合部材26が、その係合作用範囲を前記基部側用のガイドレール21の長さよりも小さく形成する状態で設けられ、前記基部側中継用の係合部材27が、その係合作用範囲を前記基部側中継用のガイドレール22の長さよりも小さく形成する状態で設けられ、前記先端側中継用の係合部材28が、その係合作用範囲を前記先端側中継用のガイドレール23の長さよりも小さく形成する状態で設けられ、前記先端側用の係合部材29が、その係合作用範囲を前記先端側用のガイドレール24の長さよりも小さく形成する状態で設けられている。
そして、スライド式のフォーク装置14は、前記基部側用の係合部材26の係合作用範囲の全範囲を前記基部側用のガイドレール21に係合させること、前記基部側中継用の係合部材27の係合作用範囲の全範囲を前記基部側中継用のガイドレール22に係合させること、前記先端側中継用の係合部材28の係合作用範囲の全範囲を前記先端側中継用のガイドレール23に係合させること、及び、前記先端側用の係合部材29の係合作用範囲の全範囲を前記先端側用のガイドレール24に係合させることを維持する形態で、前記基部側連係部材16を前記基部側用のガイドレール21の長手方向に沿う移動可能範囲の中間位置に位置するように前記基部側部材15に対して移動させ、前記中間連係部材17を前記基部側中継用のガイドレール22の長手方向に沿う移動可能範囲の中間位置に位置するように前記基部側連係部材16に対して移動させ、前記先端側連係部材18を前記先端側中継用のガイドレール23の長手方向に沿う移動可能範囲の中間位置に位置するように前記中間連係部材17に対して移動させ、及び、前記先端側部材19を前記先端側用のガイドレール24の長手方向に沿う移動可能範囲の中間位置に位置するように前記先端側連係部材18に対して移動させた引退状態、並びに、前記基部側連係部材16を前記基部側部材15に対してその移動可能範囲の一端側又は他端側に移動させ、前記中間連係部材17を前記基部側連係部材16に対してその移動可能範囲の一端側又は他端側に移動させ、前記先端側連係部材18を前記中間連係部材17に対してその移動可能範囲の一端側又は他端側に移動させ、前記先端側部材19を前記先端側連係部材18に対してその移動可能範囲の一端側又は他端側に移動させた側方突出状態に切り換え可能に構成されている。
【0032】
図6に示すように、スライド式のフォーク装置14には、引退状態、並びに、側方突出状態に切り換えるべく、前記基部側連係部材16を前記基部側部材15に対してスライド操作し、前記中間連係部材17を前記基部側連係部材16に対してスライド操作し、前記先端側連係部材18を前記中間連係部材17に対してスライド操作し、及び、前記先端側部材19を前記先端側連係部材18に対してスライド操作する出退駆動手段39が設けられている。
そして、この出退駆動手段39は、前記基部側部材15に備えさせた基部側用のラック31並びに前記中間連係部材17に備えさせた基部側中継用のラック32に噛合する状態で前記基部側連係部材16に備えられた基部側用のピニオン36と、前記中間連係部材17に備えさせた先端側中継用のラック33並びに前記先端側部材19に備えさせた先端側用のラック34に噛合する状態で前記先端側連係部材18に備えられた先端側用のピニオン37と、前記基部側連係部材16に接続されてスライド方向の一方側及び他方側に延出され、前記中間連係部材17に備えさせた一方側の反転案内部としての一方側の反転用プーリ45及び他方側の反転案内部としての他方側の反転用プーリ45にて反転方向に案内されたのち、前記先端側連係部材18に接続される索条体としての伝動用ベルト44と、前記基部側連係部材16を前記基部側部材15に対してスライド操作するスライド駆動手段40とを備えて構成されている。ちなみに、伝動用ベルト44は、ループ状のベルトにて構成されている。
【0033】
このスライド駆動手段40は、電動モータ(図示せず)にて回転駆動される駆動用プーリ41と基部側部材15に備えられた案内用プーリ42とこれら駆動用プーリ41及び案内用プーリ42に巻回されたループ状の駆動用ベルト43とを備えて構成されている。そして、駆動用ベルト43は、基部側連係部材16に接続されてスライド方向の一方側と他方側とに延出されるとともに駆動用プーリ41と案内用プーリ42とに巻回されている。
【0034】
次に、基部側部材15、基部側連係部材16、中間連係部材17、先端側連係部材18、及び、先端側部材19の夫々について順次説明する。
図5に示すように、基部側部材15は、横幅方向の両端が上方に屈曲する形状に形成させて断面視形状がU字状に構成されている。
また、前記基部側部材15は、前記基部側用のガイドレール21をスライド方向と交差する横幅方向に一対並べた状態で備え、且つ、その一対の基部側用のガイドレール21の間に相当する箇所に前記基部側用のラック31を位置させるように構成されている。
【0035】
具体的には、図5及び図6に示すように、基部側部材15の底部上面における横幅方向の両端部夫々に、長手方向がスライド方向に沿う状態で基部側用のガイドレール21が備えられ、基部側部材15の底部上面における横幅方向の中間部に、長手方向がスライド方向に沿う状態で基部側用のラック31が備えられている。また、基部側部材15の底部における横幅方向の中間部で且つスライド方向の両端部の夫々に案内用プーリ42が備えられている。
そして、一対の基部側用のガイドレール21と基部側用のラック31と一対の案内用プーリ42とは、基部側部材15に横幅方向に重複するように並べた状態で備えられている。
ちなみに、一対の基部側用のガイドレール21及び基部側用のラック31は、基部側部材15のスライド方向の長さと同じ長さに構成されている。また、基部側部材15には、基部側用のガイドレール21及び基部側用の係合部材26を覆う一対の防塵カバー47が備えられている。
【0036】
基部側連係部材16は、横幅方向の両端部が上下方向に長く横幅方向の中間部が薄板状に形成されて断面視形状がH字状に構成されており、横幅方向の両端部夫々における上部には、横幅方向の内方側に延設された延設部分が形成されている。
また、前記基部側連係部材16は、前記基部側用の係合部材26及び前記基部側中継用の係合部材27の夫々を横幅方向に一対並べた状態で備え、且つ、その一対の基部側用の係合部材26の間でかつ一対の基部側中継用の係合部材27の間に相当する箇所に前記基部側用のピニオン36及び前記伝動用ベルト44を位置させるように構成され、さらに、前記基部側連係部材16は、一対の前記基部側中継用の係合部材27が一対の前記基部側用の係合部材26より上方に位置する形態で、一対の前記基部側用の係合部材26と一対の前記基部側中継用の係合部材27とを上下方向に並ぶ状態に備えて構成されている。
【0037】
具体的には、図5及び図6に示すように、基部側連係部材16の横幅方向の両端部における下端面夫々に、基部側用の係合部材26が備えられ、基部側連係部材16の横幅方向の両端部における延設部分の下面の夫々に、基部側中継用の係合部材27が備えられ、基部側連係部材16の横幅方向の中間部で且つスライド方向の中央部に、基部側用のピニオン36が備えられている。また、基部側連係部材16の横幅方向の中間部における下面で且つスライド方向の中央箇所に駆動用ベルト43が接続され、基部側連係部材16の横幅方向の中間部における上面で且つスライド方向の中央箇所に伝動用ベルト44が接続されている。
そして、基部側用の係合部材26と基部側中継用の係合部材27とは、基部側連係部材16に上下方向に重複するように並べた状態で備えられ、駆動用ベルト43と伝動用ベルト44とは、その接続箇所が上下方向に重複する状態で基部側連係部材16に接続されており、基部側用の係合部材26及び基部側中継用の係合部材27と基部側用のピニオン36と駆動用ベルト43及び伝動用ベルト44とは横幅方向に並べた状態で基部側連係部材16に備えられている。基部側用のピニオン36は、基部側用のラック31や基部側中継用のラック32と上下方向に重複し且つ横軸心周りに回転自在に基部側連係部材16に備えられている。
ちなみに、基部側用の係合部材26及び基部側中継用の係合部材27は、その係合作用範囲が基部側連係部材16のスライド方向の長さと同じ長さとなるように、一対のガイド部材をスライド方向に離間させた状態に備えて構成されている。また、基部側連係部材16のスライド方向の長さは、中間連係部材17のスライド方向の長さの半分以下の長さに構成されている。
【0038】
中間連係部材17は、横幅方向の中間部が横幅方向の両端部より中央部が下方に凹入形成された皿状に形成されている。
また、前記中間連係部材17は、前記基部側中継用のガイドレール22及び前記先端側中継用のガイドレール23の夫々を横幅方向に一対並べた状態で備え、且つ、その一対の基部側中継用のガイドレール22の間でかつ一対の先端側中継用のガイドレール23の間に相当する箇所に前記基部側中継用のラック32及び前記先端側中継用のラック33を位置させるように構成され、さらに、前記中間連係部材17は、一対の前記先端側中継用のガイドレール23が一対の前記基部側中継用のガイドレール22より横幅方向の内方側で且つ下方に位置する形態で、一対の前記基部側中継用のガイドレール22と一対の前記先端側中継用のガイドレール23とを横幅方向に並ぶ状態で且つ上下方向に並ぶ状態に備えて構成されている。
【0039】
具体的には、図5及び図6に示すように、中間連係部材17の横幅方向の両端部夫々には、その上面に長手方向がスライド方向に沿う状態で基部側中継用のガイドレール22が備えられ、中間連係部材17の横幅方向の中間部には、横幅方向の一方側から、先端側中継用のガイドレール23、基部側中継用のラック32、反転用プーリ45、先端側中継用のラック33、先端側中継用のガイドレール23の順に備えられている。
そして、一対の先端側中継用のガイドレール23、基部側中継用のラック32、及び、先端側中継用のラック33の夫々は、長手方向がスライド方向に沿う状態で中間連係部材17に備えられており、一対の先端側中継用のガイドレール23及び先端側中継用のラック33は、中間連係部材17の上面に備えられ、基部側中継用のラック32は中間連係部材17の下面に備えられている。
ちなみに、一対の基部側中継用のガイドレール22、一対の先端側中継用のガイドレール23、基部側中継用のラック32、及び、先端側中継用のラック33は、中間連係部材17のスライド方向の長さと同じ長さに構成されている。また、中間連係部材17には、基部側中継用の係合部材27及び基部側中継用のガイドレール22を覆う一対の防塵カバー47が備えられている。
【0040】
先端側連係部材18は、横幅方向の両端部が上下方向に長くその中間部が薄板状に形成されて断面視形状がH字状に構成されており、横幅方向の両端部夫々における上部には、横幅方向の内方側に延設された延設部分が形成されている。
また、前記先端側連係部材18は、前記先端側中継用の係合部材28及び前記先端側用の係合部材29の夫々を横幅方向に一対並べた状態で備え、且つ、その一対の先端側中継用の係合部材28の間でかつ一対の先端側用の係合部材29の間に相当する箇所に前記先端側用のピニオン37及び前記伝動用ベルト44を位置させるように構成され、さらに、前記先端側連係部材18は、一対の前記先端側用の係合部材29が一対の前記先端側中継用の係合部材28より上方に位置する形態で、一対の前記先端側中継用の係合部材28と一対の前記先端側用の係合部材29とを上下方向に並ぶ状態に備えて構成されている。
【0041】
具体的には、図5及び図6に示すように、先端側連係部材18の横幅方向の両端部における下端面夫々に、先端側中継用の係合部材28が備えられ、先端側連係部材18の横幅方向の両端部における延設部分の下面の夫々に、先端側用の係合部材29が備えられ、先端側連係部材18の横幅方向の中間部で且つスライド方向の中央部に、先端側用のピニオン37が備えられている。また、先端側連係部材18の横幅方向の中間部における下面で且つスライド方向の中央部に伝動用ベルト44が接続されている。
そして、先端側用のピニオン37と伝動用ベルト44とは横幅方向に並べた状態で先端側連係部材18に備えられている。先端側用のピニオン37は、先端側中継用のラック33や先端側用のラック34と上下方向に重複し且つ横軸心周りに回転自在に先端側連係部材18に備えられている。
ちなみに、先端側中継用の係合部材28及び先端側用の係合部材29は、その係合作用範囲が先端側連係部材18のスライド方向の長さと同じ長さとなるように、一対のガイド部材をスライド方向に離間させた状態に備えて構成されている。また、先端側連係部材18のスライド方向の長さは、中間連係部材17のスライド方向の長さの半分以下の長さに構成されている。さらに、基部側用のピニオン36、基部側用のラック31及び基部側中継用のラック32は、伝動用ベルト44の横幅方向一方側に備えられているのに対して、これら先端側用のピニオン37、先端側中継用のラック33及び先端側用のラック34は、基部側用のピニオン36、基部側用のラック31及び基部側中継用のラック32と上下方向に重複しないように、伝動用ベルト44の横幅方向他方側に備えられている。
【0042】
先端側部材19は、下方の横側外方に向けて延出された断面視形状がハ字状となる一対の脚部を備えるとともに上端に物品Wを載置支持する載置部19aを備えて構成されている。
また、前記先端側部材19は、前記先端側用のガイドレール24を横幅方向に一対並べた状態で備え、且つ、その一対の先端側用のガイドレール24の間に相当する箇所に前記先端側用のラック34を位置させるように構成されており、さらに、前記先端側部材19は、物品Wを載置支持する載置部19aが一対の前記先端側用のガイドレール24より上方に位置する形態で、一対の前記先端側用のガイドレール24と前記載置部19aとを上下方向に並ぶ状態に備えて構成されている。
具体的には、図5及び図6に示すように、先端側部材19における脚部の上面夫々に、長手方向がスライド方向に沿う状態で先端側用のガイドレール24を備え、先端側部材19の横幅方向の中間部における下面に、長手方向がスライド方向に沿う状態で先端側用のラック34が備えられている。
ちなみに、先端側用のラック34は、先端側部材19のスライド方向の長さと同じ長さに構成されている。また、先端側部材19には、先端側用の係合部材29及び先端側用のガイドレール24を覆う防塵カバー47が備えられている。
【0043】
次に、スライド式のフォーク装置14の引退状態と側方突出状態との切り換えについて説明する。
図6に示すように、基部側連係部材16に備えられた基部側用のピニオン36は、基部側部材15に備えられた基部側用のラック31、並びに、中間連係部材17に備えられた基部側中継用のラック32に噛合されているため、スライド駆動手段40にて基部側連係部材16が基部側部材15に対してスライド移動することにより基部側用のピニオン36が回転し、この基部側用のピニオン36の回転により、中間連係部材17が基部側連係部材16に対してスライド移動する。
そして、基部側連係部材16に接続された伝動用ベルト44が、一方側及び他方側に延出され、中間連係部材17に備えさせた一方側の反転用プーリ45材及び他方側の反転用プーリ45にて反転方向に案内されたのち、先端側連係部材18に接続されているため、上記したように中間連係部材17が基部側連係部材16に対してスライド移動することにより、伝動用ベルト44にて先端側連係部材18がスライド方向に引き操作されて、先端側連係部材18が中間連係部材17に対してスライド移動する。
さらに、先端側連係部材18に備えられた先端側用のピニオン37は、中間連係部材17に備えられた先端側中継用のラック33、並びに、先端側部材19に備えられた先端側用のラック34に噛合されているため、上記したように先端側連係部材18が中間連係部材17に対してスライド移動することにより先端側用のピニオン37が回転し、この先端側用のピニオン37の回転により、先端側部材19が先端側連係部材18に対してスライド移動する。
【0044】
つまり、図8(イ)に示すように、スライド駆動手段40にて基部側連係部材16を基部側部材15に対して一方側にスライド操作することによって、中間連係部材17が基部側連係部材16に対して一方側にスライド移動し、先端側連係部材18が中間連係部材17に対して一方側にスライド移動し、先端側部材19が先端側連係部材18に対して一方側にスライド移動して、引退状態から先端側部材19を一側方に突出させた側方突出状態に切り換え操作することができるように構成されている。
また、図8(ロ)に示すように、スライド駆動手段40にて基部側連係部材16を基部側部材15に対して他方側にスライド操作することによって、中間連係部材17が基部側連係部材16に対して他方側にスライド移動し、先端側連係部材18が中間連係部材17に対して他方側にスライド移動し、先端側部材19が先端側連係部材18に対して他方側にスライド移動して、引退状態から先端側部材19を他方方に突出させた側方突出状態に切り換え操作することができるように構成されている。
【0045】
そして、基部側連係部材16に備えた基部側用の係合部材26が、その係合作用範囲を基部側部材15に備えた基部側用のガイドレール21の長さよりも小さくする形成する状態で設けられており、上記したように引退状態や側方突出状態に切り換え操作すべく基部側連係部材16を基部側部材15に対してスライド移動させたとしても、基部側用の係合部材26の係合作用範囲の全範囲を基部側用のガイドレール21に係合させることを維持できるように構成されている。
また、基部側連係部材16に備えた基部側中継用の係合部材27が、その係合作用範囲を中間連係部材17に備えた基部側中継用のガイドレール22の長さよりも小さくする形成する状態で設けられており、上記したように引退状態や側方突出状態に切り換え操作すべく中間連係部材17を基部側連係部材16に対してスライド移動させたとしても、基部側中継用の係合部材27の係合作用範囲の全範囲を基部側中継用のガイドレール22に係合させることを維持できるように構成されている。
また、先端側連係部材18に備えた先端側中継用の係合部材28が、その係合作用範囲を中間連係部材17に備えた先端側中継用のガイドレール23の長さよりも小さくする形成する状態で設けられており、上記したように引退状態や側方突出状態に切り換え操作すべく先端側連係部材18を中間連係部材17に対してスライド移動させたとしても、先端側中継用の係合部材28の係合作用範囲の全範囲を先端側中継用のガイドレール23に係合させることを維持できるように構成されている。
また、先端側連係部材18に備えた先端側用の係合部材29が、その係合作用範囲を先端側部材19に備えた先端側用のガイドレール24の長さよりも小さくする形成する状態で設けられており、上記したように引退状態や側方突出状態に切り換え操作すべく先端側部材19を先端側連係部材18に対してスライド移動させたとしても、先端側用の係合部材29の係合作用範囲の全範囲を先端側用のガイドレール24に係合させることを維持できるように構成されている。
【0046】
〔第2実施の形態〕
この第2実施の形態は、第1実施の形態において、ラックの夫々を覆うカバー体を備えたものである。以下、カバー体を備えたスライド式のフォーク装置の第2実施の形態について説明するが、第1実施の形態と同様に構成されるものについては、第1実施の形態と同じ符号を付け、説明は省略する。
【0047】
図9に示すように、基部側用のラック31は、基部側部材15のスライド方向の長さより短く且つ基部側連係部材16のスライド方向の長さより長く構成され、基部側中継用のラック32は、中間連係部材17のスライド方向の長さより短く且つ基部側連係部材16のスライド方向の長さより長く構成され、先端側中継用のラック33は、中間連係部材17のスライド方向の長さより短く且つ先端側連係部材18のスライド方向の長さより長く構成され、先端側用のラック34は、先端用部材19のスライド方向の長さより短く且つ先端側連係部材18のスライド方向の長さより長く構成されている。
ちなみに、基部側用のラック31の長さは、基部側連係部材16が基部側部材15に対してスライド移動する長さより少し長い程度であり、基部側中継用のラック32の長さは、中間連係部材17が基部側連係部材16に対してスライド移動する長さより少し長い程度であり、先端側中継用のラック33の長さは、先端側連係部材18が中間連係部材17に対してスライド移動する長さより少し長い程度であり、先端側用のラック34の長さは、先端側部材19が先端側連係部材18に対してスライド移動する長さより少し長い程度であり、これら基部側用のラック31、基部側中継用のラック32、先端側中継用のラック33及び先端側用のラック34は同じ長さ又は略同じ長さに形成されている。
【0048】
そして、フォーク装置14を引退状態に切り換えた状態では、基部側用のラック31における基部側用のピニオン36に対するピニオン噛合箇所、基部側中継用のラック32における基部側用のピニオン36に対するピニオン噛合箇所、先端側中継用のラック33における先端側用のピニオン37に対するピニオン噛合箇所、先端側用のラック34における先端側用のピニオン37に対するピニオン噛合箇所は、夫々のラックにおけるラック長手方向の中央に位置している。
【0049】
前記基部側部材15に備えさせた前記基部側用のラック31、前記中間連係部材17に備えさせた前記基部側中継用のラック32、前記中間連係部材17に備えさせた前記先端側中継用のラック33、並びに、前記先端側部材19に備えさせた前記先端側用のラック34の夫々における少なくとも歯部形成部分を覆うカバー体51、52、53、54が設けられている。
カバー体51、52、53、54として、基部側用のラック31を覆うカバー体である基部側用のカバー体51、基部側中継用のラック32を覆うカバー体である基部側中継用のカバー体52、先端側中継用のラック33を覆うカバー体である先端側中継用のカバー体53、及び、先端側用のラック34を覆うカバー体である先端側用のカバー体54とが設けられている。
そして、基部側用のカバー体51を基部側用のラック31の上方に位置させて基部側用のラック31の上部に位置する歯部形成部分を上方側から覆い、基部側中継用のカバー体52を基部側中継用のラック32の下方に位置させて基部側中継用のラック32の下部に位置する歯部形成部分を下方から覆い、先端側中継用のカバー体53を先端側中継用のラック33の上方に位置させて先端中継用のラック33の上部に位置する歯部形成部分を上方側から覆い、先端側用のカバー体54を先端側用のラック34の下方に位置させて先端側用のラック34の下部に位置する歯部形成部分を下方から覆うように構成されている。
【0050】
前記基部側用のカバー体51、前記基部側中継用のカバー体52、前記先端側中継用のカバー体53、及び、前記先端側用のカバー体54の夫々が、それが覆い作用するラックにおけるピニオン噛合箇所のラック長手方向一端側とラック長手方向他端側とを各別に覆う一端側カバー部分51A、52A、53A、54Aと他端側カバー部分51B、52B、53B、54Bとを備えるように構成されている。
尚、図9においては、基部側中継用のカバー体52における一端側カバー部分52A(図11参照)、及び、先端側中継用のカバー体53における他端側カバー部分53B(図12参照)は図示が省略されている。
【0051】
次に、図11〜図14に基づいてカバー体について説明するが、基部側用のカバー体51及び基部側中継用のカバー体52については図11及び図13に基づいて説明し、先端側中継用のカバー体53及び先端側用のカバー体54については図12及び図14に基づいて説明する。
前記各カバー体51、52、53、54における前記一端側カバー部分51A、52A、53A、54A及び前記他端側カバー部分51B、52B、53B、54Bが、それが覆い作用するラック部分の長さに相当する長さとなるように、前記ピニオン噛合箇所がラック長手方向に変更するに伴ってラック長手方向に伸縮するように構成されている。
そして、前記各カバー体51、52、53、54における前記一端側カバー部分51A、52A、53A、54A及び前記他端側カバー部分51B、52B、53B、54Bが、それが覆い作用するラックを備える部材とスライド移動自在に係合する部材に固定支持される固定カバー体57ab、57cdと、それが覆い作用するラックを備える部材にラック長手方向に設定範囲でスライド移動自在に支持され且つ前記固定カバー体57ab、57cdに対して接近する側に弾性付勢された可動カバー体56a、56b、56c、56dとからなる。
前記一端側カバー部分51A、52A、53A、54A及び前記他端側カバー部分51B、52B、53B、54Bが覆い作用するラックを備える部材(基部側部材15、中間連係部材17或いは先端側部材19)とスライド移動自在に係合する部材(基部側連係部材16或いは先端側連係部材18)には、前記ピニオン噛合箇所がラック長手方向に変更するに伴って接近移動する前記可動カバー体56a、56b、56c、56dを弾性付勢力に抗して押圧移動する押し部71、72、73、74が設けられている。
【0052】
次に、各カバー体について説明する。
図9、図11及び図13に示すように、基部側用のカバー体51は、一端側カバー部分51Aにて、基部側用のラック31における基部側用のピニオン36が噛合するピニオン噛合箇所よりもラック長手方向一端側を覆い、他端側カバー部分51Bにて、基部側用のラック31における基部側用のピニオン36が噛合するピニオン噛合箇所よりもラック長手方向他端側を覆うように構成されている。
そして、基部側用のカバー体51における一端側カバー部分51A及び他端側カバー部分51Bの夫々は、基部側連係部材16にラック長手方向の外方側に突出する状態で固定支持される固定カバー体57abと、基部側部材15にラック長手方向にスライド移動自在に設けられて基部側用のラック31の端部を覆う可動カバー体56aとを備えて構成されている。
【0053】
基部側部材15におけるラック長手方向の一端部と他端部との夫々に基部側用ラック31とラック長手方向に並ぶ状態に基部側用の案内部材61が設けられており、一端側に位置する基部側用の案内部材61にて、基部側用のカバー体51における一端側カバー部分51Aの可動カバー体(以下、一端側の基部側用可動カバー体と称する)56aがラック長手方向にスライド移動自在に案内支持されており、他端側に位置する基部側用の案内部材61にて、基部側用のカバー体51における他端側カバー部分51Bの可動カバー体(以下、他端側の基部側用可動カバー体と称する)56aがラック長手方向にスライド移動自在に案内支持されている。
【0054】
そして、一端側に位置する基部側用の案内部材61と他端側に位置する基部側用の案内部材61との夫々は、内端部が内端部用連結部材58aにて連結され且つ外端部が外端部用連結部材58bにて基部側部材15に連結された棒状の部材にて構成されており横幅方向に一対並べられている。また、一端側と他端側との基部側用可動カバー体56aの夫々の外方側端部には、基部側用の案内部材61が挿通される被案内部59が備えられており、基部側用可動カバー体56aの被案内部59と外端部用連結部材58bとの間に基部側用の案内部材61を囲繞する状態で基部側用の圧縮スプリング66が設けられている。つまり、一対の基部側用可動カバー体56aの夫々は、基部側用の圧縮スプリング66にて固定カバー体57abに対して接近する側となる内方側に弾性付勢され且つ基部側用可動カバー体56aの被案内部59が内端部用連結部材58aに接当する位置より内方側への移動が規制されている。
基部側連係部材16における基部側用のピニオン36の近傍の一端側と他端側との夫々に、基部側用のラック31におけるピニオン噛合箇所がラック長手方向に変更するに伴って近接移動する基部側用可動カバー体56aを弾性付勢に抗して押圧移動する基部側用の押し部71が設けられており、基部側用のラック31のピニオン噛合箇所が一端側に移動するに伴って、基部側用のピニオン36に近接する一端側の基部側用可動カバー体56aが一端側の基部側用の押し部71にて押圧移動され、基部側用のラック31のピニオン噛合箇所が他端側に移動するに伴って、基部側用のピニオン36に近接する他端側の基部側用可動カバー体56aが他端側の基部側用の押し部71にて押圧移動されるように構成されている。
ちなみに、基部側部材15には基部側用の案内部材61を覆う基部側用の案内カバー76が設けられており、この基部側用の案内カバー76は基部側用の案内部材61の上方に位置して基部側用の案内部材61の上方側を覆っている。
【0055】
図9、図11及び図13に示すように、基部側中継用のカバー体52は、一端側カバー部分52Aにて基部側中継用のラック32における基部側用のピニオン36が噛合するピニオン噛合箇所よりもラック長手方向一端側を覆い、他端側カバー部分52Bにて基部側中継用のラック32における基部側用のピニオン36が噛合するピニオン噛合箇所よりもラック長手方向他端側を覆うように構成されている。
そして、基部側中継用のカバー体52における一端側カバー部分52A及び他端側カバー部分52Bの夫々は、基部側連係部材16にラック長手方向の外方側に突出する状態に固定支持される固定カバー体57abと、中間連係部材17にラック長手方向にスライド移動自在に設けられて基部側中継用のラック32の端部を覆う可動カバー体56bとを備えて構成されている。
【0056】
中間連係部材17におけるラック長手方向の一端部と他端部との夫々に基部側中継用ラック32とラック長手方向に並ぶ状態に基部側中継用の案内部材62が設けられており、一端側に位置する基部側中継用の案内部材62にて、基部側中継用のカバー体52における一端側カバー部分52Aの可動カバー体(以下、一端側の基部側中継用可動カバー体と称する)56bがラック長手方向にスライド移動自在に案内支持されており、他端側に位置する基部側中継用の案内部材62にて、基部側中継用のカバー体52における他端側カバー部分52Bの可動カバー体(以下、他端側の基部側中継用可動カバー体と称する)56bがラック長手方向にスライド移動自在に案内支持されている。
【0057】
そして、一端側に位置する基部側中継用の案内部材62と他端側に位置する基部側中継用の案内部材62との夫々は、内端部が内端部用連結部材58aにて連結され且つ外端部が外端部用連結部材58bにて中間連係部材17に連結された棒状の部材にて構成されており横幅方向に一対並べられている。また、一端側と他端側との基部側中継用可動カバー体56bの夫々の外方側端部には、基部側中継用の案内部材62が挿通される被案内部59が備えられており、基部側中継用可動カバー体56bの被案内部59と外端部用連結部材58bとの間に基部側中継用の案内部材62を囲繞する状態で基部側中継用の圧縮スプリング67が設けられている。つまり、一対の基部側中継用可動カバー体56bの夫々は、基部側中継用の圧縮スプリング67にて固定カバー体57abに対して接近する側となる内方側に弾性付勢され且つ基部側中継用可動カバー体56bの被案内部59が内端部用連結部材58aに接当する位置より内方側への移動が規制されている。
基部側連係部材16における基部側用のピニオン36の近傍の一端側と他端側との夫々に基部側中継用のラック32におけるピニオン噛合箇所がラック長手方向に変更するに伴って近接移動する基部側中継用可動カバー体56bを弾性付勢に抗して押圧移動する基部側中継用の押し部72が設けられており、基部側中継用のラック32のピニオン噛合箇所が一端側に移動するに伴って、基部側用のピニオン36に近接する一端側の基部側中継用可動カバー体56bが一端側の基部側中継用の押し部72にて押圧移動され、基部側中継用のラック32のピニオン噛合箇所が他端側に移動するに伴って、基部側用のピニオン36に近接する他端側の基部側中継用可動カバー体56bが他端側の基部側中継用の押し部72にて押圧移動されるように構成されている。
ちなみに、中間連係部材17には基部側中継用の案内部材62を覆う基部側中継用の案内カバー77が設けられており、この基部側中継用の案内カバー77は基部側中継用の案内部材62の下方に位置して基部側中継用の案内部材62の下方側を覆っている。
【0058】
図10に示すように、一端側と他端側との基部側中継用固定カバー体57abの夫々、並びに、一端側と他端側との基部側中継用可動カバー体56bとの夫々は、横幅方向の両端部が上方側に折り曲げ形成されたラック長手方向視で上方が開口するコ字状に形成されており、一端側と他端側との基部側中継用可動カバー体56bの夫々が、ラック長手方向視において、同じ側の基部側中継用固定カバー体57abより基部側中継用のラック32の近くに位置する状態で設けられている。
そして、一端側と他端側との基部側用可動カバー体56aの夫々は、横幅方向の両端部が下方側に折り曲げ形成されたラック長手方向視で下方が開口するコ字状に形成されており、一端側と他端側との基部側用可動カバー体56aの夫々が、ラック長手方向視において、同じ側に位置する基部側中継用固定カバー体57abより基部側用のラック31の近くに位置する形態で設けられている。
ちなみに、一端側と他端側との基部側用の案内カバー76の夫々は、ラック長手方向視において、同じ側に位置する基部側中継用固定カバー体57abより基部側用のラック31の近くに位置し且つ基部側用可動カバー体56aより基部側用のラック31から遠くに位置する形態で設けられている。
また、一端側と他端側との基部側中継用の案内カバー77の夫々は、ラック長手方向視において、同じ側に位置する基部側中継用固定カバー体57abより基部側中継用のラック32の近くに位置し且つ基部側中継用可動カバー体56bより基部側中継用のラック32から遠くに位置する形態で設けられている。
【0059】
そして、図15に示すように、基部側用のカバー体51における一端側カバー部分51Aの固定カバー体57abと、基部側中継用カバー体52における一端側カバー部分52Aの固定カバー体57abとは兼用されており、また、基部側用のカバー体51における他端側カバー部分51Bの固定カバー体57abと、基部側中継用カバー体52における他端側カバー部分52Bの固定カバー体57abとは兼用されている。
また、基部側用のカバー体51における一端側カバー部分51Aと基部側中継用カバー体52における一端側カバー部分52Aとで兼用される固定カバー体(以下、一端側の基部側中継用固定カバー体と称する)57ab、並びに、基部側用のカバー体51における他端側カバー部分51Bと基部側中継用カバー体52における他端側カバー部分52Bとで兼用される固定カバー体(以下、他端側の基部側中継用固定カバー体と称する)57abは、これらを固着支持した基部側連係部材16のスライド方向の長さが基部側部材15や中間連係部材17のラック長手方向の長さと同じ又は略同じ長さとなるように構成されている。
【0060】
図9、図12及び図14に示すように、先端側中継用のカバー体53は、一端側カバー部分53Aにて先端側中継用のラック33における先端側用のピニオン37が噛合するピニオン噛合箇所よりもラック長手方向一端側を覆い、他端側カバー部分53Bにて先端側中継用のラック33における先端側用のピニオン37が噛合するピニオン噛合箇所よりもラック長手方向他端側を覆うように構成されている。
そして、先端側中継用のカバー体53における一端側カバー部分53A及び他端側カバー部分53Bの夫々は、先端側連係部材18にラック長手方向の外方側に突出する状態に固定支持される固定カバー体57cdと、中間連係部材17にラック長手方向にスライド移動自在に設けられて先端側中継用のラック33の端部を覆う可動カバー体56cとを備えて構成されている。
【0061】
中間連係部材17におけるラック長手方向の一端部と他端部との夫々に先端側中継用ラック33とラック長手方向に並ぶ状態に先端側中継用の案内部材63が設けられており、一端側に位置する先端側中継用の案内部材63にて、先端側中継用のカバー体53における一端側カバー部分53Aの可動カバー体(以下、一端側の基部側中継用可動カバー体と称する)56cがラック長手方向にスライド移動自在に案内支持されており、他端側に位置する先端側中継用の案内部材63にて、先端側中継用のカバー体53における他端側カバー部分53Bの可動カバー体(以下、他端側の基部側中継用可動カバー体と称する)56cがラック長手方向にスライド移動自在に案内支持されている。
【0062】
そして、一端側に位置する先端側中継用の案内部材63と他端側に位置する先端側中継用の案内部材63との夫々は、内端部が内端部用連結部材58aにて連結され且つ外端部が外端部用連結部材58bにて中間連係部材17に連結された棒状の部材にて構成されており横幅方向に一対並べられている。また、一端側と他端側との先端側中継用可動カバー体56cの夫々の外方側端部には、先端側中継用の案内部材63が挿通される被案内部59が備えられており、先端側中継用可動カバー体56cの被案内部59と外端部用連結部材58bとの間に先端側中継用の案内部材63を囲繞する状態で先端側中継用の圧縮スプリング68が設けられている。つまり、一対の先端側中継用可動カバー体56cの夫々は、先端側中継用の圧縮スプリング68にて固定カバー体57cdに対して接近する側となる内方側に弾性付勢され且つ先端側中継用可動カバー体56cの被案内部59が内端部用連結部材58aに接当する位置より内方側への移動が規制されている。
先端側連係部材18における先端側用のピニオン37の近傍の一端側と他端側との夫々に先端側中継用のラック33におけるピニオン噛合箇所がラック長手方向に変更するに伴って近接移動する先端側中継用可動カバー体56cを弾性付勢に抗して押圧移動する先端側中継用の押し部73が設けられており、先端側中継用のラック33のピニオン噛合箇所が一端側に移動するに伴って、先端側用のピニオン36に近接する一端側の先端側中継用可動カバー体56cが一端側の先端側中継用の押し部73にて押圧移動され、先端側中継用のラック33のピニオン噛合箇所が他端側に移動するに伴って、先端側用のピニオン37に近接する他端側の先端側中継用可動カバー体56cが他端側の先端側中継用の押し部73にて押圧移動されるように構成されている。
ちなみに、中間連係部材17には先端側中継用の案内部材63を覆う先端側中継用の案内カバー78が設けられており、この先端側中継用の案内カバー78は先端側中継用の案内部材63の上方側に位置して先端側中継用の案内部材63の上方側を覆っている。
【0063】
図9、図12及び図14に示すように、先端側用のカバー体54は、一端側カバー部分54Aにて先端側用のラック34における先端側用のピニオン37が噛合するピニオン噛合箇所よりもラック長手方向一端側を覆い、他端側カバー部分54Bにて先端側用のラック34における先端側用のピニオン37が噛合するピニオン噛合箇所よりもラック長手方向他端側を覆うように構成されている。
そして、先端側用のカバー体54における一端側カバー部分54A及び他端側カバー部分54Bの夫々は、先端側部材19にラック長手方向の外方側に突出する状態に固定支持される固定カバー体57cdと、先端側部材19にラック長手方向にスライド移動自在に設けられて先端側用のラック34の端部を覆う可動カバー体56dとを備えて構成されている。
【0064】
先端側部材19におけるラック長手方向の一端部と他端部との夫々に先端側用ラック34とラック長手方向に並ぶ状態に先端側用の案内部材64が設けられており、一端側に位置する先端側用の案内部材64にて、先端側用のカバー体54における一端側カバー部分54Aの可動カバー体(以下、一端側の基部側中継用可動カバー体と称する)56dがラック長手方向にスライド移動自在に案内支持されており、他端側に位置する先端側用の案内部材64にて、先端側用のカバー体54における他端側カバー部分54Bの可動カバー体(以下、他端側の基部側中継用可動カバー体と称する)56dがラック長手方向にスライド移動自在に案内支持されている。
【0065】
そして、一端側に位置する先端側用の案内部材64と他端側に位置する先端側用の案内部材64との夫々は、内端部が内端部用連結部材58aにて連結され且つ外端部が外端部用連結部材58bにて先端側部材19に連結された棒状の部材にて構成されており横幅方向に一対並べられている。また、一端側と他端側との先端側用可動カバー体56dの夫々の外方側端部には、先端側用の案内部材64が挿通される被案内部59が備えられており、先端側用可動カバー体56dの被案内部59と外端部用連結部材58bとの間に先端側用の案内部材64を囲繞する状態で先端側用の圧縮スプリング69が設けられている。つまり、一対の先端側用可動カバー体56dの夫々は、先端側用の圧縮スプリング69にて固定カバー体57cdに対して接近する側となる内方側に弾性付勢され且つ先端側用可動カバー体56dの被案内部59が内端部用連結部材58aに接当する位置より内方側への移動が規制されている。
先端側連係部材18における先端側用のピニオン37の近傍の一端側と他端側との夫々に先端側用のラック34におけるピニオン噛合箇所がラック長手方向に変更するに伴って近接移動する先端側用可動カバー体56dを弾性付勢に抗して押圧移動する先端側用の押し部74が設けられており、先端側用のラック34のピニオン噛合箇所が一端側に移動するに伴って、先端側用のピニオン36に近接する一端側の先端側用可動カバー体56dが一端側の先端側用の押し部74にて押圧移動され、先端側用のラック34のピニオン噛合箇所が他端側に移動するに伴って、先端側用のピニオン37に近接する他端側の先端側用可動カバー体56dが他端側の先端側用の押し部74にて押圧移動されるように構成されている。
ちなみに、先端側部材19には先端側用の案内部材64を覆う先端側中継用の案内カバー79が設けられており、この先端側用の案内カバー79は先端側用の案内部材64の下方に位置して先端側用の案内部材64の下方側を覆っている。
【0066】
図10に示すように、一端側と他端側との先端側用固定カバー体57cdの夫々、並びに、一端側と他端側との先端側用可動カバー体56dとの夫々は、横幅方向の両端部が上方側に折り曲げ形成されたラック長手方向視で上方が開口するコ字状に形成されており、一端側と他端側との先端側用可動カバー体56dの夫々が、ラック長手方向視において、同じ側の先端側用固定カバー体57cdより先端側用のラック34の近くに位置する状態で設けられている。
そして、一端側と他端側との先端側用中継用可動カバー体56cの夫々は、横幅方向の両端部が下方側に折り曲げ形成されたラック長手方向視で下方が開口するコ字状に形成されており、一端側と他端側との先端側中継用可動カバー体56cの夫々が、ラック長手方向視において、同じ側に位置する先端側用固定カバー体57cdより先端側中継用のラック33の近くに位置する形態で設けられている。
ちなみに、一端側と他端側との先端側中継用の案内カバー78の夫々は、ラック長手方向視において、同じ側に位置する先端側用固定カバー体57cdより先端側中継用のラック33の近くに位置し且つ先端側中継用可動カバー体56cより先端側中継用のラック33から遠くに位置する形態で設けられている。
また、一端側と他端側との先端側用の案内カバー79の夫々は、ラック長手方向視において、同じ側に位置する先端側用固定カバー体57cdより先端側用のラック34の近くに位置し且つ先端側用可動カバー体56dより先端側用のラック34から遠くに位置する形態で設けられている。
【0067】
そして、先端側中継用のカバー体53における一端側カバー部分53Aの固定カバー体57cdと、先端側用カバー体54における一端側カバー部分54Aの固定カバー体57cdとは兼用されており、また、先端側中継用のカバー体53における他端側カバー部分53Bの固定カバー体57cdと、先端側用カバー体54における他端側カバー部分54Bの固定カバー体57cdとは兼用されている。
また、先端側中継用のカバー体53における一端側カバー部分53Aと先端側用カバー体54における一端側カバー部分54Aとで兼用される固定カバー体(以下、一端側の先端側用固定カバー体と称する)57cd、並びに、先端側中継用のカバー体53における他端側カバー部分53Bと先端側用カバー体54における他端側カバー部分54Bとで兼用される固定カバー体(以下、他端側の先端側用固定カバー体と称する)57cdは、これらを固着支持した先端側連係部材18のスライド方向の長さが中間連係部材17や先端側部材19のラック長手方向の長さと同じ又は略同じ長さとなるように構成されている。
【0068】
各固定カバー体57ab、57cd及び各可動カバー体56a、56b、56c、56dについて説明を加える。
図15に示すように、基部側中継用固定カバー体57abは、フォーク装置14が引退状態や側方突出状態に切り換わるに伴って、基部側連係部材16と一体的に移動して、基部側用のラック31や基部側中継用のラック32、並びに、基部側用可動カバー体56aや基部側中継用可動カバー体56bに対してラック長手方向に相対的に相対移動する。
また、先端側用固定カバー体57cdは、フォーク装置14が引退状態や側方突出状態に切り換わるに伴って、先端側連係部材18と一体的に移動して、先端側中継用のラック33や先端側用のラック34、並びに、先端側中継用可動カバー体56cや先端側用可動カバー体56dに対してラック長手方向に相対的に相対移動する。
また、基部側用可動カバー体56aは、基部側部材15と一体的に移動し、基部側中継用可動カバー体56b及び先端側中継用可動カバー体56cは、中間連係部材17と一体的に移動し、先端側用可動カバー体56dは、先端側部材19と一体的に移動する。
要するに、各カバー体51、52、53、54における一端側カバー部分51A及び他端側カバー部分51Bは、ピニオン噛合箇所がラック長手方向に変更するに伴って可動カバー体56a、56b、56c、56dが固定カバー体57ab、57cdに対してラック長手方向に相対移動することによってラック長手方向に伸縮するように構成されている。
ちなみに、基部側用可動カバー体56a、基部側中継用可動カバー体56b、先端側中継用可動カバー体56c及び先端側用可動カバー体56dの夫々は、それに対応する押し部71、72、73、74に接当している状態では、それが支持された部材(基部側部材15、中間連係部材17或いは先端側部材19)に対してラック長手方向に相対的に相対移動し、固定カバー体57ab、57cdと一体的にスライド移動する。
【0069】
フォーク装置14を引退状態に切り換えられた状態での各カバー体51、52、53、54における一端側カバー部分51A、52A、53A、54A及び他端側カバー部分51B、52B、53B、54Bについて説明を加える。
図15(イ)に示すように、フォーク装置14を引退状態に切り換えた状態では、基部側用のラック31及び基部側中継用のラック32における基部側連係部材16から一方側に突出する一端側部分は一端側の基部側中継用固定カバー体57abにて覆われ、基部側用のラック31及び基部側中継用のラック32における基部側連係部材16から他方側に突出する他端側部分は他端側の基部側中継用固定カバー体57abにて覆われており、また、先端側中継用のラック33及び先端側用のラック34における先端側連係部材18から一方側に突出する一端側部分は一端側の先端側用固定カバー体57cdにて覆われ、先端側中継用のラック33及び先端側用のラック34における先端側連係部材18から他方側に突出する他端側部分は他端側の先端側用固定カバー体57cdにて覆われている。
ちなみに、フォーク装置14を引退状態に切り換えた状態では、基部側用のラック31の一端部及び他端部は、一端側及び他端側の基部側用可動カバー体56aにても覆われ、基部側中継用のラック32の一端部及び他端部は、一端側及び他端側の基部側中継用可動カバー体56bにても覆われ、先端側中継用のラック33の一端部及び他端部は、一端側及び他端側の先端側中継用カバー体56cにても覆われ、先端側用のラック34の一端部及び他端部は、一端側及び他端側の先端側用カバー体56dにても覆われている。
【0070】
次に、フォーク装置14を一側方突出状態に切り換える際の各カバー体51、52、53、54における一端側カバー部分51A、52A、53A、54A及び他端側カバー部分51B、52B、53B、54Bの動きについて説明を加える。尚、フォーク装置14を他側方突出状態に切り換えた状態について説明は、動きが一側方突出状態とラック長手方向に対称となる以外は同じであるので説明は省略する。
フォーク装置14が引退状態から一側方突出状態に向けて切り換わり始まると、基部側用のラック31及び先端側中継用のラック33のピニオン噛合箇所はラック長手方向の一方側に変更し、基部側中継用のラック32及び先端側用のラック34のピニオン噛合箇所はラック長手方向の他方側に変更するため、基部側用のラック31及び先端側中継用のラック33におけるラック噛合箇所より他方側の部分、並びに、基部側中継用のラック32及び先端側用のラック34におけるラック噛合箇所より一方側の部分が長くなり、また、基部側用のラック31及び先端側中継用のラック33におけるラック噛合箇所より一方側の部分、並びに、基部側中継用のラック32及び先端側用のラック34におけるラック噛合箇所より他方側の部分が短くなる。
【0071】
そして、図11〜図14に示すように、フォーク装置14が引退状態から一側方突出状態に向けてある程度切り換わると、他端側の基部側用可動カバー体56aが他端側の基部側中継用固定カバー体57abから突出して、基部側用のカバー体51における他端側カバー部分51Bが、これが覆い作用するラック部分の長さに相当する長さとなるように伸長するため、基部側用のラック31における基部側連係部材16から他方側に突出する部分の全体を覆うことができ、また、一端側の基部側中継用可動カバー体56bが一端側の基部側中継用固定カバー体57abから突出して、基部側中継用のカバー体52における一端側カバー部分52Aが、これが覆い作用するラック部分の長さに相当する長さとなるように伸長するため、基部側中継用のラック32における基部側連係部材16から一方側に突出する部分の全体を覆うことができ、また、他端側の先端側中継用可動カバー体56cが他端側の先端側用固定カバー体57cdから突出して、先端側中継用のカバー体53における他端側カバー部分53Bが、これが覆い作用するラック部分の長さに相当する長さとなるように伸長するため、先端側中継用のラック33における先端側連係部材18から他方側に突出する部分の全体を覆うことができ、また、一端側の先端側用可動カバー体56dが一端側の先端側用固定カバー体57cdから突出して、先端側用のカバー体54における一端側カバー部分54Aが、これが覆い作用するラック部分の長さに相当する長さとなるように伸長するため、先端側用のラック34における先端側連係部材18から一方側に突出する部分の全体を覆うことができる。
【0072】
フォーク装置14が引退状態から一側方突出状態に向けてさらに切り換わると、一端側の基部側用可動カバー体56aが、基部側用の圧縮スプリング66による弾性付勢力に抗して基部側用の押し部71にて移動範囲の一端側に押し操作され、他端側の基部側中継用可動カバー体56bが、基部側中継用の圧縮スプリング67による弾性付勢力に抗して基部側中継用の押し部72にて移動範囲の他端側に押し操作され、一端側の先端側中継用可動カバー体56cが、先端側中継用の圧縮スプリング68による弾性付勢力に抗して先端側中継用の押し部73にて移動範囲の他端側に押し操作され、他端側の先端側用可動カバー体56dが、先端側用の圧縮スプリング69による弾性付勢力に抗して先端側用の押し部74にて移動範囲の他端側に押し操作されるように構成されている。
つまり、フォーク装置14が引退状態から一側方突出状態に向けて切り換えた際に、一端側の基部側用可動カバー体56a及び他端側の基部側中継用可動カバー体56bが基部側用のピニオン36に接触しないように、また、一端側の先端側中継用可動カバー体56c及び他端側の先端側用可動カバー体56dが先端側用のピニオン37に接触しないように構成されている。
【0073】
フォーク装置14が一側方突出状態から引退状態に向けて切り換える際は、他端側の基部側中継用固定カバー体57ab側に他端側の基部側用可動カバー体56aが引退して、基部側用のカバー体51における他端側カバー部分51Bが、これが覆い作用するラック部分の長さに相当する長さとなるように短縮し、また、一端側の基部側中継用固定カバー体57ab側に一端側の基部側中継用可動カバー体56bが引退して、基部側中継用のカバー体52における一端側カバー部分52Aが、これが覆い作用するラック部分の長さに相当する長さとなるように短縮し、また、他端側の先端側用固定カバー体57cd側に他端側の先端側中継用可動カバー体56cが引退して、先端側中継用のカバー体53における他端側カバー部分53Bが、これが覆い作用するラック部分の長さに相当する長さとなるように短縮し、また、一端側の先端側用固定カバー体57cd側に一端側の先端側用可動カバー体56dが引退して、先端側用のカバー体54における一端側カバー部分54Aが、これが覆い作用するラック部分の長さに相当する長さとなるように短縮する。
【0074】
また、フォーク装置14が一側方突出状態から引退状態に向けて切り換える際に、一端側の基部側用可動カバー体56aが、基部側用の圧縮スプリング66による弾性付勢力にて移動範囲の他端まで押し操作され、他端側の基部側中継用可動カバー体56bが、基部側中継用の圧縮スプリング67にて移動範囲の一端まで押し操作され、一端側の先端側中継用可動カバー体56cが、先端側中継用の圧縮スプリング68にて移動範囲の他端まで押し操作され、他端側の先端側用可動カバー体56dが、先端側用の圧縮スプリング69にて移動範囲の一端まで押し操作される。
そして、フォーク装置14が一側方突出状態から引退状態に向けてさらに切り換わると、一端側の基部側中継用固定カバー体57ab側に一端側の基部側用可動カバー体56aが引退し、また、他端側の基部側中継用固定カバー体57ab側に他端側の基部側中継用可動カバー体56bが引退し、また、一端側の先端側用固定カバー体57cd側に一端側の先端側中継用可動カバー体56cが引退し、また、他端側の先端側用固定カバー体57cd側に他端側の先端側用可動カバー体56dが引退する。
【0075】
〔別実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、基部側用のラック31と基部側中継用のラック32とを重複するように上下方向に並べて備え、基部側用のピニオン36を、基部側用のラック31や基部側中継用のラック32と上下方向に重複し且つ横軸心周りに回転自在に備えたが、基部側用のラック31と基部側中継用のラック32とを重複するように横幅方向に並べて備え、基部側用のピニオン36を、基部側用のラック31や基部側中継用のラック32と横幅方向に重複し且つ縦軸心周りに回転自在に備えてもよい。
また、先端側中継用のラック33と先端側用のラック34とを重複するように上下方向に並べて備え、先端側用のピニオン37を、先端側中継用のラック33や先端側用のラック34と上下方向に重複し且つ横軸心周りに回転自在に備えたが、先端側中継用のラック33と先端側用のラック34とを重複するように横幅方向に並べて備え、先端側用のピニオン37を、先端側中継用のラック33や先端側用のラック34と横幅方向に重複し且つ縦軸心周りに回転自在に備えてもよい。
また、上記実施の形態では、基部側用のピニオン36、基部側用のラック31及び基部側中継用のラック32を、伝動用ベルト44の横幅方向一方側に備え、先端側用のピニオン37、先端側中継用のラック33及び先端側用のラック34を、伝動用ベルト44の横幅方向他方側に備えたが、基部側用のピニオン36、基部側用のラック31及び基部側中継用のラック32、並びに、先端側用のピニオン37、先端側中継用のラック33及び先端側用のラック34を、伝動用ベルト44の横幅方向一方側又は他方側に纏めて備えてもよい。
また、上記実施の形態では、先端側用のピニオン37、先端側中継用のラック33及び先端側用のラック34を、基部側用のピニオン36、基部側用のラック31及び基部側中継用のラック32と上下方向に重複しないように備えたが、先端側用のピニオン37、先端側中継用のラック33及び先端側用のラック34を、基部側用のピニオン36、基部側用のラック31及び基部側中継用のラック32と上下方向に重複するように備えてもよい。
【0076】
(2) 上記実施の形態では、索条体44を、先端側連係部材の一方側への引き操作と他方側への引き操作とを行うループ状の1つのベルトにて構成したが、索条体44を、先端側連係部材を一方側に引き操作するベルトと先端側連係部材を他方側に引き操作するベルトとの2つのベルトにて構成してもよく、また、索条体44を、チェーンやワイヤー等で構成してもよい。
【0077】
(3) 上記実施の形態では、係合部材の夫々を、ガイドレールに摺動移動自在に係合される摺動式に構成したが、係合部材の夫々を、ガイドレールに転動移動自在に係合される転動式に構成してもよい。
【0078】
(4) 上記実施の形態では、一対の基部側用の係合部材26と一対の基部側中継用の係合部材27とを重複するように上下方向に並べたが、一対の基部側用の係合部材26と一対の基部側中継用の係合部材27とを重複するように横幅方向に並べてもよく、一対の基部側用の係合部材26と一対の基部側中継用の係合部材27とを重複しないように上下方向及び横幅方向に並べてもよい。
また、上記実施の形態では、一対の基部側中継用の係合部材27を一対の基部側用の係合部材26より上方に位置させたが、一対の基部側中継用の係合部材27を一対の基部側用の係合部材26より下方に位置させてもよい。
【0079】
(5) 上記実施の形態では、一対の基部側中継用のガイドレール22と一対の先端側中継用のガイドレール23とを重複しないように上下方向及び横幅方向に並べたが、一対の基部側中継用のガイドレール22と一対の先端側中継用のガイドレール23とを重複するように上下方向に並べてもよく、一対の基部側中継用のガイドレール22と一対の先端側中継用のガイドレール23とを重複するように横幅方向に並べてもよい。
また、上記実施の形態では、先端側中継用のガイドレール23を基部側中継用のガイドレール22より横幅方向の内方側に位置させたが、先端側中継用のガイドレール23を基部側中継用のガイドレール22より横幅方向の外方側に位置させてもよい。
【0080】
(6) 上記実施の形態では、一対の先端側中継用の係合部材28と一対の先端側用の係合部材29とを重複するように上下方向に並べたが、一対の先端側中継用の係合部材28と一対の先端側用の係合部材29とを重複するように横幅方向に並べてもよく、一対の先端側中継用の係合部材28と先端側用の係合部材29とを重複しないように上下方向及び横幅方向に並べてもよい。
また、上記実施の形態では、一対の先端側用の係合部材29を一対の先端側中継用の係合部材28より上方に位置させたが、一対の先端側用の係合部材29を一対の先端側中継用の係合部材28より下方に位置させてもよい。
【0081】
(7) 上記実施の形態では、一対の先端側用のガイドレール24と載置部19aとを重複するように上下方向に並べたが、一対の先端側用のガイドレール24と載置部19aとを重複するように横幅方向に並べてもよく、一対の先端側用のガイドレール24と載置部19aとを重複しないように上下方向及び横幅方向に並べてもよい。
【0082】
(8) 上記実施の形態では、基部側用、基部側中継用、先端側用中継用及び先端側用のラックの夫々を一対のガイドレールの間に相当する箇所に位置させたが、基部側用、基部側中継用、先端側用中継用及び先端側用のラックの一部又は全部を一対のガイドレールの横外方に相当する箇所に位置させてもよい。
また、上記実施の形態では、基部側用のピニオン36及び先端側用のピニオン37の夫々を一対の係合部材の間に相当する箇所に位置させたが、基部側用のピニオン36及び先端側用のピニオン37の一方又は両方を一対の係合部材の横外方に相当する箇所に位置させてもよい。
【0083】
(9) 上記実施の形態では、基部側用、基部側中継用、先端側中継用及び先端側用のガイドレールの夫々を横幅方向に一対並べた状態に備えたが、それらガイドレールの一部又は全部を横幅方向に1つだけ備えるようにしてもよい。また、基部側用、基部側中継用、先端側中継用及び先端側用の係合部材の夫々を横幅方向に一対並べた状態に備えたが、それら係合部材の一部又は全部を、係合するガイドレールの数に応じて横幅方向に1つだけ備えるようにしてもよい。
【0084】
(10) 上記実施の形態では、スライド式のフォーク装置14をスタッカークレーン2に設けたが、スライド式のフォーク装置14を、床面等を走行する走行台車や床面等に固定状態に設けられた固定台に設けてもよい。
【0085】
(11) 上記実施の形態では、フォーク装置14を、基部側部材15、基部側連係部材16、中間連係部材17、先端側連係部材18、先端側部材19の順に上方に積み重ねて構成したが、フォーク装置14を、基部側部材15、基部側連係部材16、中間連係部材17、先端側連係部材18、先端側部材19の順に下方側又は横側方側に重ねて構成してもよい。
【0086】
(12) 上記実施の形態では、基部側用のカバー体51を基部側用のラック31の上方側に位置させ、基部側中継用のカバー体52を基部側中継用のラック32の下方側に位置させ、先端側中継用のカバー体53を先端側中継用のラック33の上方に位置させ、先端側用のカバー体54を先端側用のラック34の下方に位置させたが、例えば、ラックにおける歯部形成部分がラックの横一側部に位置する場合は、カバー体をラックの横一側方に位置させ、また、ラックにおける歯部形成部分がラックの下部に位置する場合は、カバー体をラックの下方に位置させる等、基部側用のカバー体51、基部側中継用のカバー体52、先端側中継用のカバー体53及び先端側用のカバー体54を、それが覆うラックに対する位置を適宜変更してもよい。
【0087】
(13) 上記第1実施の形態では、基部側用のラック31を基部側部材15のスライド方向の長さと同じ長さに構成し、基部側中継用のラック32及び先端側中継用のラック33を中間連係部材17のスライド方向の長さと同じ長さに構成し、先端側用のラック34を先端側部材19のスライド方向の長さと同じ長さに構成したが、上記第2実施の形態と同様に、基部側用のラック31を基部側部材15のスライド方向の長さより短く構成し、基部側中継用のラック32及び先端側中継用のラック33を中間連係部材17のスライド方向の長さより短く構成し、先端側用のラック34を先端側部材19のスライド方向の長さより短く構成してもよい。
【0088】
(14) 上記第2実施の形態では、基部側用のラック31、基部側中継用のラック32、先端側中継用のラック33及び先端側用のラック34の全てを覆うようにカバー体を備えたが、例えば、複数のラックのうちの、歯側が下方側に位置する基部側中継用のラック32と先端側用のラック34とをカバー体で覆うように、複数のラックのうちの一部のラックをカバー体で覆うように構成してもよい。
【0089】
(15) 上記第2実施の形態では、各カバー体の一端側カバー部分と他端側カバー部分を固定カバー体と可動カバー体とで構成したが、カバー体の一端側カバー部分と他端側カバー部分を固定カバー体のみで構成してもよく、また、カバー体の一端側カバー部分と他端側カバー部分を可動カバー体のみで構成してもよい。
また、上記第2実施の形態では、各カバー体の一端側カバー部分と他端側カバー部分を、固定カバー体と可動カバー体とをラック長手方向に相対的にスライド移動させて伸縮するように構成したが、各カバー体の一端側カバー部分と他端側カバー部分を、伸縮自在な蛇腹状の伸縮カバー体や巻き取り式の巻き取りカバー体にて構成してもよい。
【0090】
(16) 上記第2実施の形態では、可動カバー体を、基部側部材15、中間連係部材17及び先端側部材19にラック長手方向にスライド移動自在に備えさせたが、可動カバー体を、基部側連係部材16やそれに備えた固定カバー体56ab、先端側連係部材18やそれに備えた固定カバー体56cdにラック長手方向にスライド移動自在に備えてもよい。
【0091】
(17) 上記第2実施の形態では、案内部材61、62、63、64をラック31、32、32、34に対してラック長手方向に並べた状態に設けたが、案内部材61、62、63、64をラック31、32、33、34と横幅方向に並べた状態に設けてもよい。
【0092】
(18) 上記第2実施の形態では、防塵カバー47を備えていないが、上記第1実施の形態と同様に、防塵カバー47を備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】自動倉庫の平面図
【図2】自動倉庫の側面図
【図3】スライド式のフォーク装置の分解斜視図
【図4】スライド式のフォーク装置の分解側面図
【図5】スライド式のフォーク装置の縦断正面図
【図6】スライド式のフォーク装置における出退駆動手段を示す図
【図7】係合部材とガイドレールとの係合状態を示す一部切り欠き斜視図
【図8】側方突出状態を示す縦断側面図
【図9】第2実施の形態におけるスライド式のフォーク装置の分解側面図
【図10】第2実施の形態におけるスライド式のフォーク装置の縦断正面図
【図11】第2実施の形態におけるスライド式のフォーク装置下部の引退状態を示す側面図
【図12】第2実施の形態におけるスライド式のフォーク装置上部の引退状態を示す側面図
【図13】第2実施の形態におけるスライド式のフォーク装置下部の突出状態を示す側面図
【図14】第2実施の形態におけるスライド式のフォーク装置上部の突出状態を示す側面図
【図15】第2実施の形態における突出状態及び引退状態におけるカバー体の概略図
【符号の説明】
【0094】
14 スライド式のフォーク装置
15 基部側部材
16 基部側連係部材
17 中間連係部材
18 先端側連係部材
19 先端側部材
19a 載置部
21 基部側用のガイドレール
22 基部側中継用のガイドレール
23 先端側中継用のガイドレール
24 先端側用のガイドレール
26 基部側用の係合部材
27 基部側中継用の係合部材
28 先端側中継用の係合部材
29 先端側用の係合部材
31 基部側用のラック
32 基部側中継用のラック
33 先端側中継用のラック
34 先端側用のラック
36 基部側用のピニオン
37 先端側用のピニオン
39 出退駆動手段
40 スライド駆動手段
44 索条体
45 反転案内部
51、52、53、54 カバー体
51A、52A、53A、54A 一端側カバー部分
51B、52B、53B、54B 他端側カバー部分
56a、56b、56c、56d 可動カバー体
57ab、57cd 固定カバー体
71、72、73、74 押し部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部側部材に対して物品支持用の先端側部材が出退操作されるように構成されたスライド式のフォーク装置であって、
前記基部側部材に備えさせた基部側用のガイドレールにスライド移動自在に係合する基部側用の係合部材を備えた基部側連係部材と、この基部側連係部材に備えさせた基部側中継用の係合部材がスライド移動自在に係合する基部側中継用のガイドレールを備えた中間連係部材と、この中間連係部材に備えさせた先端側中継用のガイドレールにスライド移動自在に係合する先端側中継用の係合部材を備え且つ前記先端側部材に備えさせた先端側用のガイドレールにスライド移動自在に係合する先端側用の係合部材を備えた先端側連係部材とが設けられ、
前記基部側用の係合部材が、その係合作用範囲を前記基部側用のガイドレールの長さよりも小さく形成する状態で設けられ、前記基部側中継用の係合部材が、その係合作用範囲を前記基部側中継用のガイドレールの長さよりも小さく形成する状態で設けられ、前記先端側中継用の係合部材が、その係合作用範囲を前記先端側中継用のガイドレールの長さよりも小さく形成する状態で設けられ、前記先端側用の係合部材が、その係合作用範囲を前記先端側用のガイドレールの長さよりも小さく形成する状態で設けられ、
前記基部側部材、前記中間連係部材及び前記先端側部材のスライド方向での長さが、同じ又は略同じに構成され、前記基部側連係部材及び先端側連係部材のスライド方向での長さが、同じ又は略同じで、前記中間連係部材の長さより小さく構成され、
前記基部側用の係合部材の係合作用範囲の全範囲を前記基部側用のガイドレールに係合させること、前記基部側中継用の係合部材の係合作用範囲の全範囲を前記基部側中継用のガイドレールに係合させること、前記先端側中継用の係合部材の係合作用範囲の全範囲を前記先端側中継用のガイドレールに係合させること、及び、前記先端側用の係合部材の係合作用範囲の全範囲を前記先端側用のガイドレールに係合させることを維持する形態で、前記基部側連係部材を前記基部側用のガイドレールの長手方向に沿う移動可能範囲の中間位置に位置するように前記基部側部材に対して移動させ、前記中間連係部材を前記基部側中継用のガイドレールの長手方向に沿う移動可能範囲の中間位置に位置するように前記基部側連係部材に対して移動させ、前記先端側連係部材を前記先端側中継用のガイドレールの長手方向に沿う移動可能範囲の中間位置に位置するように前記中間連係部材に対して移動させ、及び、前記先端側部材を前記先端側用のガイドレールの長手方向に沿う移動可能範囲の中間位置に位置するように前記先端側連係部材に対して移動させた引退状態、並びに、前記基部側連係部材を前記基部側部材に対してその移動可能範囲の一端側又は他端側に移動させ、前記中間連係部材を前記基部側連係部材に対してその移動可能範囲の一端側又は他端側に移動させ、前記先端側連係部材を前記中間連係部材に対してその移動可能範囲の一端側又は他端側に移動させ、前記先端側部材を前記先端側連係部材に対してその移動可能範囲の一端側又は他端側に移動させた側方突出状態に切り換えるべく、前記基部側連係部材を前記基部側部材に対してスライド操作し、前記中間連係部材を前記基部側連係部材に対してスライド操作し、前記先端側連係部材を前記中間連係部材に対してスライド操作し、及び、前記先端側部材を前記先端側連係部材に対してスライド操作する出退駆動手段が設けられ、
この出退駆動手段が、前記基部側部材に備えさせた基部側用のラック並びに前記中間連係部材に備えさせた基部側中継用のラックに噛合する状態で前記基部側連係部材に備えられた基部側用のピニオンと、前記中間連係部材に備えさせた先端側中継用のラック並びに前記先端側部材に備えさせた先端側用のラックに噛合する状態で前記先端側連係部材に備えられた先端側用のピニオンと、前記基部側連係部材に接続されてスライド方向の一方側及び他方側に延出され、前記中間連係部材に備えさせた一方側の反転案内部及び他方側の反転案内部にて反転方向に案内されたのち、前記先端側連係部材に接続される索条体と、前記基部側連係部材を前記基部側部材に対してスライド操作するスライド駆動手段とを備えて構成されているスライド式のフォーク装置。
【請求項2】
前記係合部材の夫々が、前記ガイドレールに摺動移動自在に係合される摺動式に構成されている請求項1記載のスライド式のフォーク装置。
【請求項3】
前記索条体が、ループ状のベルトにて構成されている請求項1又は2記載のスライド式のフォーク装置。
【請求項4】
前記基部側部材が、前記基部側用のガイドレールをスライド方向と交差する横幅方向に一対並べた状態で備え、且つ、その一対の基部側用のガイドレールの間に相当する箇所に前記基部側用のラックを位置させるように構成され、
前記基部側連係部材が、前記基部側用の係合部材及び前記基部側中継用の係合部材の夫々を横幅方向に一対並べた状態で備え、且つ、その一対の基部側用の係合部材の間でかつ一対の基部側中継用の係合部材の間に相当する箇所に前記基部側用のピニオン及び前記索条体を位置させるように構成され、
前記中間連係部材が、前記基部側中継用のガイドレール及び前記先端側中継用のガイドレールの夫々を横幅方向に一対並べた状態で備え、且つ、その一対の基部側中継用のガイドレールの間でかつ一対の先端側中継用のガイドレールの間に相当する箇所に前記基部側中継用のラック及び前記先端側中継用のラックを位置させるように構成され、
前記先端側連係部材が、前記先端側中継用の係合部材及び前記先端側用の係合部材の夫々を横幅方向に一対並べた状態で備え、且つ、その一対の先端側中継用の係合部材の間でかつ一対の先端側用の係合部材の間に相当する箇所に前記先端側用のピニオン及び前記索条体を位置させるように構成され、
前記先端側部材が、前記先端側用のガイドレールを横幅方向に一対並べた状態で備え、且つ、その一対の先端側用のガイドレールの間に相当する箇所に前記先端側用のラックを位置させるように構成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のスライド式のフォーク装置。
【請求項5】
前記基部側連係部材が、一対の前記基部側中継用の係合部材が一対の前記基部側用の係合部材より上方に位置する形態で、一対の前記基部側用の係合部材と一対の前記基部側中継用の係合部材とを上下方向に並ぶ状態に備えて構成され
前記中間連係部材が、一対の前記先端側中継用のガイドレールが一対の前記基部側中継用のガイドレールより横幅方向の内方側に位置する形態で、一対の前記基部側中継用のガイドレールと一対の前記先端側中継用のガイドレールとを横幅方向に並ぶ状態に備えて構成され、
前記先端側連係部材が、一対の前記先端側用の係合部材が一対の前記先端側中継用の係合部材より上方に位置する形態で、一対の前記先端側中継用の係合部材と一対の前記先端側用の係合部材とを上下方向に並ぶ状態に備えて構成され、
前記先端側部材が、物品を載置支持する載置部が一対の前記先端側用のガイドレールより上方に位置する形態で、一対の前記先端側用のガイドレールと前記載置部とを上下方向に並ぶ状態に備えて構成されている請求項4記載のスライド式のフォーク装置。
【請求項6】
前記中間連係部材が、一対の前記先端側中継用のガイドレールが一対の前記基部側中継用のガイドレールより下方に位置する形態で、一対の前記基部側中継用のガイドレールと一対の前記先端側中継用のガイドレールとを上下方向に並ぶ状態に備えて構成されている請求項5記載のスライド式のフォーク装置。
【請求項7】
前記基部側部材に備えさせた前記基部側用のラック、前記中間連係部材に備えさせた前記基部側中継用のラック、前記中間連係部材に備えさせた前記先端側中継用のラック、並びに、前記先端側部材に備えさせた前記先端側用のラックの夫々における少なくとも歯部形成部分を覆うカバー体が設けられている請求項1〜6のいずれか一項に記載のスライド式のフォーク装置。
【請求項8】
前記カバー体としての、前記基部側用のラックを覆うカバー体、前記基部側中継用のラックを覆うカバー体、前記先端側中継用のラックを覆うカバー体、及び、前記先端側用のラックを覆うカバー体の夫々が、それが覆い作用するラックにおけるピニオン噛合箇所のラック長手方向一端側とラック長手方向他端側とを各別に覆う一端側カバー部分と他端側カバー部分とを備えるように構成され、
前記各カバー体における前記一端側カバー部分及び前記他端側カバー部分が、それが覆い作用するラック部分の長さに相当する長さとなるように、前記ピニオン噛合箇所がラック長手方向に変更するに伴ってラック長手方向に伸縮するように構成されている請求項7記載のスライド式のフォーク装置。
【請求項9】
前記各カバー体における前記一端側カバー部分及び前記他端側カバー部分が、それが覆い作用するラックを備える部材とスライド移動自在に係合する部材に固定支持される固定カバー体と、それが覆い作用するラックを備える部材にラック長手方向に設定範囲でスライド移動自在に支持され且つ前記固定カバー体に対して接近する側に弾性付勢された可動カバー体とからなり、
前記一端側カバー部分及び前記他端側カバー部分が覆い作用するラックを備える部材とスライド移動自在に係合する部材には、前記ピニオン噛合箇所がラック長手方向に変更するに伴って接近移動する前記可動カバー体を弾性付勢力に抗して押圧移動する押し部が設けられている請求項8記載のスライド式のフォーク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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