スライド駆動装置
【課題】一の駆動源により複数のヘッドをスライド駆動させることができるとともに、複数のヘッドにおけるヘッド同士のピッチを高い自由度を以って設定することができるスライド駆動装置を提供する。
【解決手段】スライド駆動装置1は、固定ヘッド30と可動ヘッド31とが、ボルト303とナット316とにより連結されている。また、可動ヘッド31と可動ヘッド32とが、ボルト313とナット326により連結され、可動ヘッド33と可動ヘッド33とがボルト323とナット336により連結されている。ボルト303,313,323には、それぞれギア301,302,311,312,321,322を介して回転駆動力が伝達される。ここで、ギア301はシャフト21に固定されており、ギア311,321はシャフト21の延伸方向にスライド自在となっている。
【解決手段】スライド駆動装置1は、固定ヘッド30と可動ヘッド31とが、ボルト303とナット316とにより連結されている。また、可動ヘッド31と可動ヘッド32とが、ボルト313とナット326により連結され、可動ヘッド33と可動ヘッド33とがボルト323とナット336により連結されている。ボルト303,313,323には、それぞれギア301,302,311,312,321,322を介して回転駆動力が伝達される。ここで、ギア301はシャフト21に固定されており、ギア311,321はシャフト21の延伸方向にスライド自在となっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライド駆動装置に関し、特に一の駆動源により複数のヘッドをスライド駆動させることができるスライド駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生産設備や収納設備などの広い分野において、複数のヘッドをスライド駆動させるスライド駆動装置が用いられている。例えば、スライド駆動装置は、コンベア上を搬送されてきた複数のワークをホールドし、ワーク同士のピッチを変更して他の場所に移載する移載装置などに用いられている。
複数のヘッドをスライド駆動させるためには、ヘッド毎に駆動源が設けられてなる構成の装置を採用することも可能ではあるが、装置サイズおよび装置コストなどの観点から、駆動源の数はできるだけ一つであることが望ましい。一つの駆動源により複数のヘッドをスライド駆動させることができ、しかも、スライド時におけるヘッド同士のピッチを同一にすることができるスライド駆動装置が、例えば、特許文献1に提案されている。
【0003】
特許文献1で提案されているスライド駆動装置は、複数のヘッドの互いの間をX字状のリンクで連結し、端に位置するヘッドをモータで駆動させる構成が採用されている。このように複数のヘッドの互いの間がX字状のリンクで連結されてなるスライド駆動装置では、X字状のリンクにより複数のヘッドを連動してスライド駆動させることができ、等ピッチを維持しながら複数のヘッドをスライド駆動させることができる。
【特許文献1】特開2004−76770号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1で提案されているスライド駆動装置では、複数のヘッドをX字状のリンクで連結しているので、等ピッチを維持しながらスライド駆動させる以外にスライド駆動の形態を採り得ず、例えば、一部のヘッドの間だけを異なるピッチとなるようにスライド駆動させることができない。よって、上記特許文献1で提案されているスライド駆動装置は、周辺状況に適用した自由度の高い構成とすることができない。
【0005】
本発明は、上記問題の解決を図るべくなされたものであって、一の駆動源により複数のヘッドをスライド駆動させることができるとともに、複数のヘッドにおけるヘッド同士のピッチを高い自由度を以って設定することができるスライド駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、次の構成を採用する。
本発明に係るスライド駆動装置は、ベースと、回転軸と、固定部と、第1および第2の可動ヘッドとを備える。
ベースは、本発明に係るスライド駆動装置における位置基準となる。
回転軸は、回転駆動力を受けて回転駆動する。
【0007】
固定部は、ベースに対し、回転軸の延伸方向における位置が固定されている。
第1および第2の可動ヘッドは、ベースに対し、回転軸の延伸方向に沿った方向にスライド自在に設けられている。
本発明に係るスライド駆動装置では、固定部と第1の可動ヘッドとが、第1および第2の連結部材により連結されている。第1の連結部材は、固定部に対して回転軸の延伸方向における位置が固定され、且つ、回転軸からの回転駆動力を受けて回転し、第2の連結部材は、第1の可動ヘッドに固定されている。そして、第1の連結部材および第2の連結部材は、一方が雄ネジを有し、他方が前記雄ネジに対応する雌ネジを有し、互いが螺合により連結されているものであって、互いの間のねじ込み深さが、第1の連結部材の回転量に応じて変化する。
【0008】
また、本発明に係るスライド駆動装置では、第1の可動ヘッドと第2の可動ヘッドとが、第3および第4の連結部材により連結されている。第3の連結部材は、第1の可動ヘッドに対し回転軸の延伸方向における相対位置が固定され、且つ、回転軸からの回転駆動力を受けて回転し、第4の連結部材は、第2の可動ヘッドに固定されている。そして、第3の連結部材および第4の連結部材は、一方が雄ネジを有し、他方が前記雄ネジに対応する雌ネジを有し、互いが螺合により連結されているものであって、互いの間のねじ込み深さが、第3の連結部材の回転量に応じて変化する。
【0009】
本発明に係るスライド駆動装置では、上記構成を有し、回転軸の延伸方向において、固定部と第1の可動ヘッドとのピッチが、第1の連結部材と第2連結部材との間のねじ込み深さに対応し、第1の可動ヘッドと第2の可動ヘッドとのピッチが、第3の連結部材と第4の連結部材との間のねじ込み深さに対応する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るスライド駆動装置では、固定部と第1の可動ヘッドとが第1および第2の連結部材により連結され、第1の可動ヘッドと第2の可動ヘッドとが第3および第4の連結部材により連結されている。そして、本発明に係るスライド駆動装置では、第1の連結部材および第2の連結部材の一方が雄ネジを有し、他方がそれに対応する雌ネジを有する。また、第3の連結部材および第4の連結部材についても同様の構成となっている。
【0011】
本発明に係るスライド駆動装置では、駆動時における固定部と第1の可動ヘッドとの間のピッチ、および第1の可動ヘッドと第2の可動ヘッドとの間のピッチが、第1の連結部材と第2の連結部材とのねじ込み深さ、および第3の連結部材と第4の連結部材とのねじ込み深さのそれぞれにより規定される。よって、本発明に係るスライド駆動装置では、第1の連結部材および第2の連結部材のネジ切り方向やネジピッチにより、固定部に対する第1の可動ヘッドのスライド方向やスライド量が規定される。同様に、第1の可動ヘッドに対する第2の可動ヘッドのスライド方向やスライド量は、第3の連結部材および第4の連結部材のネジ切り方向やネジピッチにより規定される。
【0012】
従って、本発明に係るスライド駆動装置では、一の駆動源からの回転駆動力を受けて複数のヘッドをスライド駆動させることができるとともに、複数のヘッドにおけるヘッド同士のピッチを高い自由度を以って設定することができる。
なお、本発明に係るスライド駆動装置では、3つ以上の可動ヘッドを設ける場合においても、上記同様の連結機構を用いることで、これら可動ヘッドを上記同様にスライド駆動させることが可能となる。
【0013】
本発明に係るスライド駆動装置では、一例として、次のようなバリエーションを採用することができる。
上記本発明に係るスライド駆動装置では、第1の連結部材に第1のギアを取り付けておき、回転軸に第1のギアと噛合する第2のギアを取り付けておく。そして、この構成により、回転軸の回転駆動力は、第1のギアおよび第2のギアを介して、第1の連結部材に伝達される。同様に、第3の連結部材に第3のギアを取り付けておき、回転軸に第3のギアと噛合し、且つ、第1の可動ヘッドに連動して回転軸の延伸方向にスライドする第4のギアを取り付けておく。この構成により、回転軸の回転駆動力は、第3のギアおよび第4のギアを介して、第3の連結部材に伝達される。
【0014】
上記の他に、本発明に係るスライド駆動装置では、回転軸と第1の連結部材および第3の連結部材との間の回転駆動力の伝達に、プーリとベルトとを用いることもできる。
また、上記本発明に係るスライド駆動装置では、回転軸の延伸方向に沿って一のガイドレールを設けておき、第1の可動ヘッドおよび第2の可動ヘッドを、ともに前記ガイドレール上をスライド自在とする、という構成を採用することができる。
【0015】
また、上記本発明に係るスライド駆動装置では、第1の連結部材および第2の連結部材におけるネジ切り方向と、第3の連結部材および第4の連結部材におけるネジ切り方向とを同一方向とする構成を採用することができる。このような構成を採用する場合には、駆動源からの回転駆動力に応じて、第1の可動ヘッドと第2の可動ヘッドとが同一の方向にスライド駆動することになる。
【0016】
また、上記本発明に係るスライド駆動装置では、第1の連結部材および第2の連結部材におけるネジ切り方向と、第3の連結部材および第4の連結部材におけるネジ切り方向とを逆方向とすることができる。このような構成を採用する場合には、駆動源からの回転駆動力に応じて、第1の可動ヘッドと第2の可動ヘッドとが逆方向にスライド駆動することになる。
【0017】
また、上記本発明に係るスライド駆動装置では、第1の連結部材および第2の連結部材におけるネジピッチと、第3の連結部材および第4の連結部材におけるネジピッチとを同一とすることができる。このような構成を採用する場合には、固定部に対する第1の可動ヘッドのスライド量と、第1の可動ヘッドに対する第2の可動ヘッドのスライド量とを同一とすることができる。
【0018】
また、上記本発明に係るスライド駆動装置では、第1の連結部材および第2の連結部材におけるネジピッチと、第3の連結部材および第4の連結部材におけるネジピッチとを異なるようにすることができる。このような構成を採用する場合には、固定部に対する第1の可動ヘッドのスライド量と、第1の可動ヘッドに対する第2の可動ヘッドのスライド量とを異ならせることができる。例えば、第1の連結部材および第2の連結部材におけるネジピッチを、第3の連結部材および第4の連結部材におけるネジピッチよりも大きくする場合には、固定部に対する第1の可動ヘッドのスライド量を、第1の可動ヘッドに対する第2の可動ヘッドのスライド量よりも、ネジピッチの比率に応じて大きくすることができる。
【0019】
また、上記本発明に係るスライド駆動装置では、回転駆動力を発生する駆動源が装置外にあってもよいし、ベースに固定された状態にあってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下では、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下の説明に係る実施の形態は、本発明の構成上の特徴および当該特徴的構成から奏される作用効果を分かりやすく説明するための一例として用いるものであって、本発明は、その技術的な本質的特徴部分を除き、以下の内容に何ら限定を受けるものではない。
【0021】
[実施の形態1]
1.構成
実施の形態1に係るスライド駆動装置1の構成について、図1を用い説明する。
図1に示すように、本実施の形態1に係るスライド駆動装置1は、Z軸方向上側が開口された筐体10と、そのX軸方向の一端に接合されたモータ20とを備える。モータ20は、ステッピングモータであって、延出されたコードによりモータドライバおよびモータコントローラ(図示を省略。)と接続されている。
【0022】
スライド駆動装置1における筐体10には、1つの固定ヘッド30と、3つの可動ヘッド31〜33が収納されている。可動ヘッド31〜33は、筐体10のZ方向下側の底面に敷設されたガイドレール11上をスライド自在となっている。可動ヘッド31〜33には、X軸方向に貫通する孔が設けられており、モータ20の回転軸に接続されたシャフト21がこれらを貫いている。
【0023】
2.スライド駆動に係る主要構成
スライド駆動装置1におけるスライド駆動に係る主要構成について、図2を用い説明する。
図2に示すように、スライド駆動装置1におけるモータ20は、筐体10に固定されており、X軸方向に回転軸20aが延出されている。そして、モータ20の回転軸20aは、カップリング22を介してシャフト21に接続されている。シャフト21は、四角形の断面形状を有し、X軸方向に延伸されている。
【0024】
上述のように、スライド駆動装置1では、1つの固定ヘッド30と、3つの可動ヘッド31〜33とを有する。固定ヘッド30と、可動ヘッド31〜33とは、モータ20の側からシャフト21の延伸方向に沿って、固定ヘッド30、可動ヘッド31、可動ヘッド32、可動ヘッド33の順に配列されている。
固定ヘッド30は、モータ20と同様に、装置の位置基準(ベース)となる筐体10に対して位置が固定されている。固定ヘッド30は、ヘッドブロック300と、その内方に収納されたギア301,302およびブッシュ304と、先端がX軸方向左方向に突出したボルト303とを有し構成されている。ここで、ギア301は、シャフト21の回転に伴って回転するものであって、X軸方向にはシャフト21に固定されている。
【0025】
可動ヘッド31および可動ヘッド32は、それぞれヘッドブロック310,320を有する。そして、可動ヘッド31は、ヘッドブロック310の内方に収納されたギア311,312およびブッシュ314,315と、先端がX軸方向左方向に突出したボルト313と、さらに固定ヘッド30におけるボルト303に対応したナット316とを有し構成されている。可動ヘッド32についても、ギア321,322およびブッシュ324,325と、ボルト323と、ナット326とを有し構成されている。
【0026】
可動ヘッド31、32におけるギア311,312は、それぞれシャフト21の回転にともない回転するとともに、シャフト21の延伸方向(X軸方向)に沿ってスライド自在となっている。可動ヘッド31,32におけるナット316,326は、それぞれヘッドブロック310,320に固定されている。
可動ヘッド33は、ヘッドブロック330と、その内方に収納されたナット336とを有し構成されている。ナット336は、可動ヘッド32のボルト323に対応する箇所に設けられ、ヘッドブロック330に対して固定されている。
【0027】
なお、固定ヘッド30と、可動ヘッド31〜33とが図2に示すように、X軸方向に近接した状態では、各ボルト303,313,323の先端は、隣り合うヘッド31,32,33の各ヘッドブロック310,320,330を突き抜けている。このため、ヘッドブロック320,330には、ボルト303,313の先端が接触しないように、凹部320a,330aが設けられている。
【0028】
図2に示すように、スライド駆動装置1では、モータ20の回転軸20aを方向Aに向けて回転させることにより、固定ヘッド30の側に、可動ヘッド31〜33が近接した状態となる。即ち、モータ20の回転に伴いシャフト21も回転し、これに連動したギア301,302,311,312,321,322を介してボルト303,313,323がナット316,326,336に対してねじ込まれて行く。スライド駆動装置1では、固定ヘッド30、可動ヘッド31〜33の互いのピッチが、ナット316,326,336に対するボルト303,313,323のねじ込み量により規定されることになる。
【0029】
3.固定ヘッド30、可動ヘッド31〜33の離間状態
上記では、図2を用いスライド駆動装置1のスライド駆動に係る主要構成とともに、固定ヘッド30、可動ヘッド31〜33が近接した状態を説明した。以下では、図3を用いスライド駆動装置1における固定ヘッド30、可動ヘッド31〜33が離間した状態について、説明する。図3では、スライド駆動装置1において、図2に示す状態からモータ20の回転軸20aを所定量だけ方向Bに向けて回転させた状態を示している。
【0030】
図3に示すように、モータ20の回転軸20aを方向Bに回転させることにより、これに接続されたシャフト21も同じ方向Bに回転することになる。なお、図1および図2では図示を省略したが、シャフト21のX軸方向左端は、フランジ状の軸受け23により支持されている。
図3に示すように、スライド駆動装置1では、シャフト21を方向Bに向けて回転させることにより、ギア301、302を介して回転が伝えられるボルト303が、可動ヘッド31のナット316に対して抜けて行く方向に回転する。そして、固定ヘッド30は、ベースである筐体10に対して位置が固定されているので、可動ヘッド31のナット316がボルト303によりX軸方向左側へと押されることになる。押された可動ヘッド31は、シャフト21の延伸方向(X軸方向)に沿って左側へと移動することになる。なお、可動ヘッド31におけるギア311は、シャフト21の延伸方向にスライド自在となっているので、可動ヘッド31のスライド駆動が妨げられることはない。
【0031】
可動ヘッド31,32の各ボルト313,323についても、シャフト21の回転に伴い、各々がナット326,336に対して抜ける方向に回転する。このため、可動ヘッド32,33についても、それぞれ可動ヘッド31,32に対して離間することになる。
ここで、本実施の形態に係るスライド駆動装置1では、ボルト303,313,323のネジ切り方向およびネジピッチを同一としているので、モータ20の回転軸20aを回転させたときの各ヘッド30〜33の各ピッチは同一となる。
【0032】
4.スライド駆動装置1の適用例
上記のような構成を有する本実施の形態に係るスライド駆動装置1の一適用例について、図4を用い説明する。
図4に示すように、本実施の形態に係るスライド駆動装置1は、4つのコンベア50〜53により搬送されてきたワーク55〜58を、コンテナ59に移載する移載システムに適用することができる。具体的には、スライド駆動装置1における各ヘッド30〜33(図1〜図3を参照。)には、吸着パッド60〜63が取り付けられている。そして、スライド駆動装置1は、全体がY軸方向およびZ軸方向に移動自在となっている。
【0033】
先ず、スライド駆動装置1は、吸着パッド60〜63をX軸方向に離間した状態で、コンベア50〜53のY軸方向手間側端の上部に待機している。即ち、スライド駆動装置1では、コンベア50〜53のY軸方向手間側端の上部に待機している状態において、図3に示すヘッド30〜33が離間した状態にある。ここで、吸着パッド60〜63のピッチは、モータ20の回転量により規定されるため、レイアウト変更などによりコンベア50〜53のピッチが若干変更された場合にも、対応できる。
【0034】
次に、コンベア50〜53のY軸方向端にワーク55〜58が移載されてくると、スライド駆動装置1は、その全体がZ軸方向下向きに降下する。スライド駆動装置1のZ軸方向下向きへの降下は、例えば、エアシリンダなどにより実行される(図示を省略)。そして、吸着パッド60〜63がワーク55〜58の頂部分に接触すると、ワーク55〜58が吸着パッド60〜63により吸着される。
【0035】
次に、スライド駆動装置1は、吸着パッド60〜63によるワーク55〜58の吸着状態を維持したまま、Z軸方向上向きに上昇した後、Y軸方向手前側のコンテナ59の上方へと移動する。このとき、スライド駆動装置1におけるモータ20(図1〜図3を参照。)が回転して、コンテナ59の仕切りに対応した状態まで、吸着パッド60〜63のピッチが狭くなる。
【0036】
その後、スライド駆動装置1は、Z軸方向下向きに下降し、ワーク55〜58をコンテナ59内へと投入し、Z軸方向上向きに上昇し、さらにY軸方向奥側へと移動して待機位置へと復帰する。
なお、上記のように、コンベア50〜53の間隔が若干変更された場合にも、本実施の形態に係るスライド駆動装置1は対応可能であるが、コンテナ59の大きさや仕切り間隔などが変更された場合においても、ある程度の範囲で対応可能である。
【0037】
5.優位性
本実施の形態に係るスライド駆動装置1では、一つのモータ20により3つの可動ヘッド31〜33を等ピッチでスライド駆動できる。そして、スライド量については、モータ20の回転量により制御できるので、付帯設備に応じて、そのスライド駆動に係る停止位置を設定することができ、レイアウト変更などで対応する設備に若干の変化が生じた場合にも、スライド駆動装置1そのものを取り換える必要がない。
【0038】
また、ヘッド30〜33のピッチについては、モータ20の回転量に応じたナット316〜336に対するボルト303〜323の各々のねじ込み量により規定されるので、誤差が少なく、高い精度を確保することができる。
[実施の形態2]
1.構成
実施の形態2に係るスライド駆動装置2について、図5を用い説明する。なお、図5では、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1の要部を示す図2に対応する部分だけを抜き出して描いているが、その他の構成については上記同様である。また、図5においても、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1と同一構成となっている箇所には、同一符号を付し、以下での説明を省略する。
【0039】
図5に示すように、実施の形態2に係るスライド駆動装置2は、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1に対し、可動ヘッド34のボルト343のピッチおよび長さと、これに対応する可動ヘッド35のナット356のネジピッチは相違する。具体的に、可動ヘッド34におけるボルト343は、他のヘッド30,35におけるボルト303,353に対し、ネジピッチが1.5倍になっており、長さも1.5倍となっている。
【0040】
可動ヘッド35におけるナット356は、螺合関係を有するボルト343に対応してネジピッチが、他のナット346,366に対し、1.5倍になっている。また、可動ヘッド36では、ヘッドブロック360において、ボルト356が接触しないように貫通孔360aが設けられている。
スライド駆動装置2における他の構成、例えば、モータ20やこれに連結されるシャフト21、および各ヘッド30,34,35,36に設けられたギア301,302,341,342,351,352、さらにはブッシュ304,344,345,354,355などについては、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1と同様である。
【0041】
2.固定ヘッド30、可動ヘッド34〜36の離間状態
図5に示すスライド駆動装置2について、モータ20を回転駆動させたときの固定ヘッド30、可動ヘッド34〜36の離間状態について、図6を用い説明する。
図6に示すように、スライド駆動装置2では、モータ20(図5を参照。)の回転駆動により、ギア301、302、341、342、351,352を介して、ボルト303,343,353がそれぞれナット346,356,366の対して抜ける方向へと回転する。このとき、ボルト343は、そのピッチが他のボルト303,353に対して1.5倍に設定されているので、同じ回転量でも、他のボルト303,353に比べて1.5倍の変位となる。
【0042】
上記のように、本実施の形態2に係るスライド駆動装置2では、一つのモータ20での回転駆動により3つの可動ヘッド34,35,36をスライド駆動させることができるとともに、これらヘッド30,34〜36の離間状態において、可動ヘッド34と可動ヘッド35との離間距離P2を、固定ヘッド30と可動ヘッド34との離間距離P1、および可動ヘッド35と可動ヘッド36との離間距離P3に対し、1.5倍とすることができる。
【0043】
なお、上記のように、ボルト343は、他のボルト303,353に対し、1.5倍の長さになっているので、図6に示すような離間状態においても、ボルト343がナット356から完全に抜けてしまうことはない。
以上のように、本実施の形態に係るスライド駆動装置2は、ボルト343のネジピッチを他に比べて変更することにより、離間距離P2を他に比べて1.5倍とすることができる。よって、本実施の形態に係るスライド駆動装置2では、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1が有する優位性に加えて、一つのモータ20(図5を参照。)で駆動しながら、離間距離P2だけを他と相違させることができる。
【0044】
[実施の形態3]
1.構成
実施の形態3に係るスライド駆動装置3について、図7を用い説明する。なお、図7では、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1の要部を示す図2に対応する部分だけを抜き出して描いているが、その他の構成については上記同様である。また、図7においても、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1と同一構成となっている箇所には、同一符号を付し、以下での説明を省略する。
【0045】
図7に示すように、実施の形態3に係るスライド駆動装置3は、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1に対し、固定ヘッド37におけるボルト373および可動ヘッド39のボルト393のネジ切り方向が左方向(逆ネジ)となっているところを主な特徴としている。なお、3本のボルト373,383,393のネジピッチについては、同一となっている。
【0046】
可動ヘッド38,40におけるナット386,406は、螺合関係を有するボルト373,393に対応して、逆ネジが切られており、可動ヘッド39におけるナット396は、ボルト383に対応して、通常の右ネジが切られている。
スライド駆動装置3における他の構成、例えば、モータ20やこれに連結されるシャフト21、および各ヘッド37〜39に設けられたギア371,372,381,382,391,392、さらにはブッシュ374,384,385,394,395などについては、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1と同様である。
【0047】
2.スライド駆動装置3の駆動
実施の形態3に係るスライド駆動装置3のスライド駆動について、図7と図8とを併用しながら説明する。
先ず、図7に示すように、スライド駆動装置3では、一の状態のときにはボルト373,393が、それぞれナット386,406に対して中程まで抜けた状態となっており、ボルト383が、ナット396に対してねじ込まれた状態となっている。このような状態にあるとき、固定ヘッド37と可動ヘッド38とは離間距離P4を有し、可動ヘッド39と可動ヘッド40とも離間距離P6を有する。スライド駆動装置3では、ボルト373とボルト393のネジ切り方向およびネジピッチが同一に設定されているので、離間距離P4と離間距離P6も同一に設定されている。
【0048】
一方、可動ヘッド38と可動ヘッド39とは、ボルト383がナット396に対しねじ込まれた状態にあるため、近接した状態となっている。
次に、図8に示すように、モータ20の回転軸を方向Cに向けて回転させるとき、ボルト373とボルト393とが、それぞれナット386とナット406に対してねじ込まれて行く。一方、ボルト383はナット396に対して抜けて行く方向に回転する。これより、可動ヘッド38と可動ヘッド39とは、互いに離間して行くことになる。
【0049】
ここで、本実施の形態に係るスライド駆動装置3では、ボルト373,383,393がともに同一のネジピッチで形成されているので、可動ヘッド39がシャフト21の延伸方向において、恰も固定された状態となる。具体的には、図7の状態における固定ヘッド37と可動ヘッド39とのピッチP5と、図8の状態における固定ヘッド37と可動ヘッド39とのピッチP7とが等しい。
【0050】
このように、本実施の形態に係るスライド駆動装置3では、固定ヘッド37と可動ヘッド38との間と、可動ヘッド39と可動ヘッド40との間との2箇所で、例えばワークのチャックを行うことができる。そして、ワークの大きさなどが変更された場合にも、ある程度の範囲であればモータ20の回転数の制御により対応することが可能である。
なお、本実施の形態に係るスライド駆動装置3も、一のモータ20で複数の可動ヘッド38,40をスライド駆動させることができる。
【0051】
[まとめ]
実施の形態1から実施の形態3で説明した構成の優位性について、以下説明する。
上記実施の形態1〜3に係る各スライド駆動装置1〜3では、固定部としての固定ヘッド30,37と、第1の可動ヘッドとしての可動ヘッド31,34,38とが、それぞれ第1および第2の連結部材としてのボルト303,373とナット316,346,386とにより連結されている。また、第1の可動ヘッドとしての可動ヘッド31,34,38と第2の可動ヘッドとしての可動ヘッド32,35,39とが、それぞれ第3および第4の連結部材としてのボルト313,343,383とナット326,356,396とにより連結されている。
【0052】
上記実施の形態1〜3に係る各スライド駆動装置1〜3では、駆動時における固定ヘッド30,37と可動ヘッド31,34,38との間の離間距離(ピッチ)、および可動ヘッド31,34,38と可動ヘッド32,35,39との間の離間距離(ピッチ)が、ナット316,326,346,356,386,396に対するボルト303,313,343,373,383のねじ込み深さにより規定される。よって、スライド駆動装置1〜3では、一のモータ20により複数の可動ヘッド31,32,33,34,35,36,38,39,40をスライド駆動でき、ボルトおよびナットの設計に応じて種々の駆動形態を実現することができる。具体的には、ボルトおよびこれに対応するナットのネジ切り方向やネジピッチにより、スライド方向やスライド量が規定される。
【0053】
以上より、上記実施の形態1〜3に係るスライド駆動装置1〜3のように、高い設計の自由度を実現することができる。
[変形例]
変形例に係るスライド駆動装置4の構成について、図9を用い説明する。
図9に示すように、1つの固定ヘッド41と、3つの可動ヘッド42〜44とが、シャフト21の延伸方向に沿って配列されている点は、上記実施の形態1〜3に係る各スライド駆動装置1〜3と同様である。本変形例に係るスライド駆動装置4では、シャフト21から各ボルト413,423,433への回転の伝達機構が、上記実施の形態1〜3に係るスライド駆動装置1〜3と相違する点である。即ち、本変形例に係るスライド駆動装置では、固定ヘッド41には、2つのプーリ411,412が設けられ、同様に、可動ヘッド42にはプーリ421,422が、可動ヘッド43にはプーリ431,432が設けられている。
【0054】
プーリ411,421,431は、それぞれシャフト21側に取り付けられており、この内、プーリ411はシャフト21に対してその延伸方向に位置が固定されている。一方、プーリ412,422,432は、それぞれボルト413,423,433に取り付けられている。
プーリ411,421,431とプーリ412,422,432との間には、それぞれ丸ベルト417,427,437が張設されている。
【0055】
スライド駆動装置4における他の構成、例えば、モータやこれに連結されるシャフト21、および各ヘッド42〜44に設けられたナット426,436,446、さらにはブッシュ414,424,425,434,435などについては、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1と同様である。
本変形例に係るスライド駆動装置4では、シャフト21からの回転駆動力を、ギアではなくプーリ411,412,421,422,431,432および丸ベルト417,427,437を介してボルト431,423,433に伝達する構成となっている。
【0056】
以上のような構成を有するスライド駆動装置4においても、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1と同様の優位性を有する。
なお、本変形例に係るスライド駆動装置4に対して、上記実施の形態2,3のような形態を、バリエーションとして組み合わせることも勿論可能である。
[その他の事項]
上記実施の形態1〜3および変形例に係る各スライド駆動装置1〜4では、1つの固定ヘッド30,37,41と3つの可動ヘッド31,32,33,34,35,36,38,39,40,42,43,44とを備える構成を一例として採用したが、可動ヘッドの構成数を増減することも可能である。
【0057】
また、上記実施の形態1〜3および変形例に係る各スライド駆動装置1〜4では、回転駆動力を発生する駆動源としてモータ20を採用したが、これ以外にもロータリアクチュエータやガソリンあるいはディーゼルエンジンなどを採用することも可能である。
また、上記実施の形態1〜3および変形例に係る各スライド駆動装置1〜4では、1本のガイドレール11上を可動ヘッド31,32,33,34,35,36,38,39,40,42,43,44がスライド駆動可能である構成を採用したが、ガイドレールについては、2本以上用いることもできる。また、2本以上のガイドレールを用いる場合にあっては、それらが同一平面上にある必要はない。
【0058】
また、上記実施の形態2に係るスライド駆動装置2では、可動ヘッド34におけるボルト343のネジピッチを他に比べて1.5倍としたが、1.5倍よりも大きくすることもできるし、逆に1.5倍よりも小さくすることもできる。周辺設備との関係で設計を行うことができる。
また、上記実施の形態1〜3および変形例では、筐体10に対して固定ヘッド30,37,41が位置固定される構成を採用したが、位置基準となるベース(実施の形態1〜3および変形例では、筐体10)に対してボルトあるいはナットが直接、位置固定されていてもよい。即ち、ヘッドブロック300,370,410を有さなくてもよい。この場合においては、ボルトあるいはナットを可動ヘッドとのピッチの基準として考えることができる。
【0059】
また、上記実施の形態1〜3および変形例に係る各スライド駆動装置1〜4の主な特徴を適宜組み合わせることも可能である。例えば、ボルトにおけるピッチもネジ切り方向も異なる構成を採用することもできる。
また、上記実施の形態1〜3および変形例に係る各スライド駆動装置1〜4では、筐体10にモータ20が固定された構成を採用したが、駆動源(モータ等)については、必ずしも装置内に具備されている必要はない。例えば、シャフト21の端部を筐体10から延出させておき、スライド駆動が必要なときにだけ、外部から回転駆動力をシャフト21に伝える構成を採用することも可能である。
【0060】
さらに、本発明に係るスライド駆動装置の一適用例を、図4に示したが、本発明に係るスライド駆動装置の適用がこれに限定されるものではない。例えば、複数のヘッドの各々に、寸法測定のためのセンサ(例えば、非接触変位センサなど)を取り付けておき、コンベアラインなどにより流れてきた複数のワークについて、一度に寸法を測定する装置として用いることができる。そして、このような適用例の場合においても、本発明に係るスライド駆動装置では、ヘッドの変位量をモータの回転量に応じて変化させることができるので、コンベア上の複数のワーク同士のピッチが若干変化しても、対応が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、周辺設備の状況などに応じ、複数のヘッドのスライド形態を設定することができるスライド駆動装置を実現するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】実施の形態1に係るスライド駆動装置1の構成を示す斜視図である。
【図2】スライド駆動装置1の主要構成を示す断面図である。
【図3】スライド駆動装置1のスライド駆動に係る主要構成を示す断面図である。
【図4】スライド駆動装置1を用いた移載システムを示す斜視図である。
【図5】実施の形態2に係るスライド駆動装置2の主要構成を示す断面図である。
【図6】スライド駆動装置2の主要構成を示す断面図である。
【図7】実施の形態3に係るスライド駆動装置3の主要構成を示す断面図である。
【図8】スライド駆動装置3の主要構成を示す断面図である。
【図9】変形例に係るスライド駆動装置4の主要構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1,2,3,4.スライド駆動装置
10.筐体
11.ガイドレール
20.モータ
21.シャフト
22.カップリング
23.軸受け
30,37,41.固定ヘッド
31,32,33,34,35,36,38,39,40,42,43,44.可動ヘッド
50,51,52,53.コンベア
55,56,57,58.ワーク
59.コンテナ
60,61,62,63.吸着パッド
300,310,320,330,340,350,360,370,380,390,400,410,420,430,440.ヘッドブロック
301,302,311,312,321,322,341,342,351,352,371,372,381,382,391,392.ギア
303,313,323,343,353,373,383,393,413,423,433.ボルト
304,314,315,324,325,344,345,354,355,374,384,385,394,395.414,424,425,434,435.ブッシュ
316,326,346,356,366,386,396,406,426,436,446.ナット
411,412,421,422,431,432.プーリ
417,427,437.丸ベルト
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライド駆動装置に関し、特に一の駆動源により複数のヘッドをスライド駆動させることができるスライド駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生産設備や収納設備などの広い分野において、複数のヘッドをスライド駆動させるスライド駆動装置が用いられている。例えば、スライド駆動装置は、コンベア上を搬送されてきた複数のワークをホールドし、ワーク同士のピッチを変更して他の場所に移載する移載装置などに用いられている。
複数のヘッドをスライド駆動させるためには、ヘッド毎に駆動源が設けられてなる構成の装置を採用することも可能ではあるが、装置サイズおよび装置コストなどの観点から、駆動源の数はできるだけ一つであることが望ましい。一つの駆動源により複数のヘッドをスライド駆動させることができ、しかも、スライド時におけるヘッド同士のピッチを同一にすることができるスライド駆動装置が、例えば、特許文献1に提案されている。
【0003】
特許文献1で提案されているスライド駆動装置は、複数のヘッドの互いの間をX字状のリンクで連結し、端に位置するヘッドをモータで駆動させる構成が採用されている。このように複数のヘッドの互いの間がX字状のリンクで連結されてなるスライド駆動装置では、X字状のリンクにより複数のヘッドを連動してスライド駆動させることができ、等ピッチを維持しながら複数のヘッドをスライド駆動させることができる。
【特許文献1】特開2004−76770号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1で提案されているスライド駆動装置では、複数のヘッドをX字状のリンクで連結しているので、等ピッチを維持しながらスライド駆動させる以外にスライド駆動の形態を採り得ず、例えば、一部のヘッドの間だけを異なるピッチとなるようにスライド駆動させることができない。よって、上記特許文献1で提案されているスライド駆動装置は、周辺状況に適用した自由度の高い構成とすることができない。
【0005】
本発明は、上記問題の解決を図るべくなされたものであって、一の駆動源により複数のヘッドをスライド駆動させることができるとともに、複数のヘッドにおけるヘッド同士のピッチを高い自由度を以って設定することができるスライド駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、次の構成を採用する。
本発明に係るスライド駆動装置は、ベースと、回転軸と、固定部と、第1および第2の可動ヘッドとを備える。
ベースは、本発明に係るスライド駆動装置における位置基準となる。
回転軸は、回転駆動力を受けて回転駆動する。
【0007】
固定部は、ベースに対し、回転軸の延伸方向における位置が固定されている。
第1および第2の可動ヘッドは、ベースに対し、回転軸の延伸方向に沿った方向にスライド自在に設けられている。
本発明に係るスライド駆動装置では、固定部と第1の可動ヘッドとが、第1および第2の連結部材により連結されている。第1の連結部材は、固定部に対して回転軸の延伸方向における位置が固定され、且つ、回転軸からの回転駆動力を受けて回転し、第2の連結部材は、第1の可動ヘッドに固定されている。そして、第1の連結部材および第2の連結部材は、一方が雄ネジを有し、他方が前記雄ネジに対応する雌ネジを有し、互いが螺合により連結されているものであって、互いの間のねじ込み深さが、第1の連結部材の回転量に応じて変化する。
【0008】
また、本発明に係るスライド駆動装置では、第1の可動ヘッドと第2の可動ヘッドとが、第3および第4の連結部材により連結されている。第3の連結部材は、第1の可動ヘッドに対し回転軸の延伸方向における相対位置が固定され、且つ、回転軸からの回転駆動力を受けて回転し、第4の連結部材は、第2の可動ヘッドに固定されている。そして、第3の連結部材および第4の連結部材は、一方が雄ネジを有し、他方が前記雄ネジに対応する雌ネジを有し、互いが螺合により連結されているものであって、互いの間のねじ込み深さが、第3の連結部材の回転量に応じて変化する。
【0009】
本発明に係るスライド駆動装置では、上記構成を有し、回転軸の延伸方向において、固定部と第1の可動ヘッドとのピッチが、第1の連結部材と第2連結部材との間のねじ込み深さに対応し、第1の可動ヘッドと第2の可動ヘッドとのピッチが、第3の連結部材と第4の連結部材との間のねじ込み深さに対応する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るスライド駆動装置では、固定部と第1の可動ヘッドとが第1および第2の連結部材により連結され、第1の可動ヘッドと第2の可動ヘッドとが第3および第4の連結部材により連結されている。そして、本発明に係るスライド駆動装置では、第1の連結部材および第2の連結部材の一方が雄ネジを有し、他方がそれに対応する雌ネジを有する。また、第3の連結部材および第4の連結部材についても同様の構成となっている。
【0011】
本発明に係るスライド駆動装置では、駆動時における固定部と第1の可動ヘッドとの間のピッチ、および第1の可動ヘッドと第2の可動ヘッドとの間のピッチが、第1の連結部材と第2の連結部材とのねじ込み深さ、および第3の連結部材と第4の連結部材とのねじ込み深さのそれぞれにより規定される。よって、本発明に係るスライド駆動装置では、第1の連結部材および第2の連結部材のネジ切り方向やネジピッチにより、固定部に対する第1の可動ヘッドのスライド方向やスライド量が規定される。同様に、第1の可動ヘッドに対する第2の可動ヘッドのスライド方向やスライド量は、第3の連結部材および第4の連結部材のネジ切り方向やネジピッチにより規定される。
【0012】
従って、本発明に係るスライド駆動装置では、一の駆動源からの回転駆動力を受けて複数のヘッドをスライド駆動させることができるとともに、複数のヘッドにおけるヘッド同士のピッチを高い自由度を以って設定することができる。
なお、本発明に係るスライド駆動装置では、3つ以上の可動ヘッドを設ける場合においても、上記同様の連結機構を用いることで、これら可動ヘッドを上記同様にスライド駆動させることが可能となる。
【0013】
本発明に係るスライド駆動装置では、一例として、次のようなバリエーションを採用することができる。
上記本発明に係るスライド駆動装置では、第1の連結部材に第1のギアを取り付けておき、回転軸に第1のギアと噛合する第2のギアを取り付けておく。そして、この構成により、回転軸の回転駆動力は、第1のギアおよび第2のギアを介して、第1の連結部材に伝達される。同様に、第3の連結部材に第3のギアを取り付けておき、回転軸に第3のギアと噛合し、且つ、第1の可動ヘッドに連動して回転軸の延伸方向にスライドする第4のギアを取り付けておく。この構成により、回転軸の回転駆動力は、第3のギアおよび第4のギアを介して、第3の連結部材に伝達される。
【0014】
上記の他に、本発明に係るスライド駆動装置では、回転軸と第1の連結部材および第3の連結部材との間の回転駆動力の伝達に、プーリとベルトとを用いることもできる。
また、上記本発明に係るスライド駆動装置では、回転軸の延伸方向に沿って一のガイドレールを設けておき、第1の可動ヘッドおよび第2の可動ヘッドを、ともに前記ガイドレール上をスライド自在とする、という構成を採用することができる。
【0015】
また、上記本発明に係るスライド駆動装置では、第1の連結部材および第2の連結部材におけるネジ切り方向と、第3の連結部材および第4の連結部材におけるネジ切り方向とを同一方向とする構成を採用することができる。このような構成を採用する場合には、駆動源からの回転駆動力に応じて、第1の可動ヘッドと第2の可動ヘッドとが同一の方向にスライド駆動することになる。
【0016】
また、上記本発明に係るスライド駆動装置では、第1の連結部材および第2の連結部材におけるネジ切り方向と、第3の連結部材および第4の連結部材におけるネジ切り方向とを逆方向とすることができる。このような構成を採用する場合には、駆動源からの回転駆動力に応じて、第1の可動ヘッドと第2の可動ヘッドとが逆方向にスライド駆動することになる。
【0017】
また、上記本発明に係るスライド駆動装置では、第1の連結部材および第2の連結部材におけるネジピッチと、第3の連結部材および第4の連結部材におけるネジピッチとを同一とすることができる。このような構成を採用する場合には、固定部に対する第1の可動ヘッドのスライド量と、第1の可動ヘッドに対する第2の可動ヘッドのスライド量とを同一とすることができる。
【0018】
また、上記本発明に係るスライド駆動装置では、第1の連結部材および第2の連結部材におけるネジピッチと、第3の連結部材および第4の連結部材におけるネジピッチとを異なるようにすることができる。このような構成を採用する場合には、固定部に対する第1の可動ヘッドのスライド量と、第1の可動ヘッドに対する第2の可動ヘッドのスライド量とを異ならせることができる。例えば、第1の連結部材および第2の連結部材におけるネジピッチを、第3の連結部材および第4の連結部材におけるネジピッチよりも大きくする場合には、固定部に対する第1の可動ヘッドのスライド量を、第1の可動ヘッドに対する第2の可動ヘッドのスライド量よりも、ネジピッチの比率に応じて大きくすることができる。
【0019】
また、上記本発明に係るスライド駆動装置では、回転駆動力を発生する駆動源が装置外にあってもよいし、ベースに固定された状態にあってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下では、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下の説明に係る実施の形態は、本発明の構成上の特徴および当該特徴的構成から奏される作用効果を分かりやすく説明するための一例として用いるものであって、本発明は、その技術的な本質的特徴部分を除き、以下の内容に何ら限定を受けるものではない。
【0021】
[実施の形態1]
1.構成
実施の形態1に係るスライド駆動装置1の構成について、図1を用い説明する。
図1に示すように、本実施の形態1に係るスライド駆動装置1は、Z軸方向上側が開口された筐体10と、そのX軸方向の一端に接合されたモータ20とを備える。モータ20は、ステッピングモータであって、延出されたコードによりモータドライバおよびモータコントローラ(図示を省略。)と接続されている。
【0022】
スライド駆動装置1における筐体10には、1つの固定ヘッド30と、3つの可動ヘッド31〜33が収納されている。可動ヘッド31〜33は、筐体10のZ方向下側の底面に敷設されたガイドレール11上をスライド自在となっている。可動ヘッド31〜33には、X軸方向に貫通する孔が設けられており、モータ20の回転軸に接続されたシャフト21がこれらを貫いている。
【0023】
2.スライド駆動に係る主要構成
スライド駆動装置1におけるスライド駆動に係る主要構成について、図2を用い説明する。
図2に示すように、スライド駆動装置1におけるモータ20は、筐体10に固定されており、X軸方向に回転軸20aが延出されている。そして、モータ20の回転軸20aは、カップリング22を介してシャフト21に接続されている。シャフト21は、四角形の断面形状を有し、X軸方向に延伸されている。
【0024】
上述のように、スライド駆動装置1では、1つの固定ヘッド30と、3つの可動ヘッド31〜33とを有する。固定ヘッド30と、可動ヘッド31〜33とは、モータ20の側からシャフト21の延伸方向に沿って、固定ヘッド30、可動ヘッド31、可動ヘッド32、可動ヘッド33の順に配列されている。
固定ヘッド30は、モータ20と同様に、装置の位置基準(ベース)となる筐体10に対して位置が固定されている。固定ヘッド30は、ヘッドブロック300と、その内方に収納されたギア301,302およびブッシュ304と、先端がX軸方向左方向に突出したボルト303とを有し構成されている。ここで、ギア301は、シャフト21の回転に伴って回転するものであって、X軸方向にはシャフト21に固定されている。
【0025】
可動ヘッド31および可動ヘッド32は、それぞれヘッドブロック310,320を有する。そして、可動ヘッド31は、ヘッドブロック310の内方に収納されたギア311,312およびブッシュ314,315と、先端がX軸方向左方向に突出したボルト313と、さらに固定ヘッド30におけるボルト303に対応したナット316とを有し構成されている。可動ヘッド32についても、ギア321,322およびブッシュ324,325と、ボルト323と、ナット326とを有し構成されている。
【0026】
可動ヘッド31、32におけるギア311,312は、それぞれシャフト21の回転にともない回転するとともに、シャフト21の延伸方向(X軸方向)に沿ってスライド自在となっている。可動ヘッド31,32におけるナット316,326は、それぞれヘッドブロック310,320に固定されている。
可動ヘッド33は、ヘッドブロック330と、その内方に収納されたナット336とを有し構成されている。ナット336は、可動ヘッド32のボルト323に対応する箇所に設けられ、ヘッドブロック330に対して固定されている。
【0027】
なお、固定ヘッド30と、可動ヘッド31〜33とが図2に示すように、X軸方向に近接した状態では、各ボルト303,313,323の先端は、隣り合うヘッド31,32,33の各ヘッドブロック310,320,330を突き抜けている。このため、ヘッドブロック320,330には、ボルト303,313の先端が接触しないように、凹部320a,330aが設けられている。
【0028】
図2に示すように、スライド駆動装置1では、モータ20の回転軸20aを方向Aに向けて回転させることにより、固定ヘッド30の側に、可動ヘッド31〜33が近接した状態となる。即ち、モータ20の回転に伴いシャフト21も回転し、これに連動したギア301,302,311,312,321,322を介してボルト303,313,323がナット316,326,336に対してねじ込まれて行く。スライド駆動装置1では、固定ヘッド30、可動ヘッド31〜33の互いのピッチが、ナット316,326,336に対するボルト303,313,323のねじ込み量により規定されることになる。
【0029】
3.固定ヘッド30、可動ヘッド31〜33の離間状態
上記では、図2を用いスライド駆動装置1のスライド駆動に係る主要構成とともに、固定ヘッド30、可動ヘッド31〜33が近接した状態を説明した。以下では、図3を用いスライド駆動装置1における固定ヘッド30、可動ヘッド31〜33が離間した状態について、説明する。図3では、スライド駆動装置1において、図2に示す状態からモータ20の回転軸20aを所定量だけ方向Bに向けて回転させた状態を示している。
【0030】
図3に示すように、モータ20の回転軸20aを方向Bに回転させることにより、これに接続されたシャフト21も同じ方向Bに回転することになる。なお、図1および図2では図示を省略したが、シャフト21のX軸方向左端は、フランジ状の軸受け23により支持されている。
図3に示すように、スライド駆動装置1では、シャフト21を方向Bに向けて回転させることにより、ギア301、302を介して回転が伝えられるボルト303が、可動ヘッド31のナット316に対して抜けて行く方向に回転する。そして、固定ヘッド30は、ベースである筐体10に対して位置が固定されているので、可動ヘッド31のナット316がボルト303によりX軸方向左側へと押されることになる。押された可動ヘッド31は、シャフト21の延伸方向(X軸方向)に沿って左側へと移動することになる。なお、可動ヘッド31におけるギア311は、シャフト21の延伸方向にスライド自在となっているので、可動ヘッド31のスライド駆動が妨げられることはない。
【0031】
可動ヘッド31,32の各ボルト313,323についても、シャフト21の回転に伴い、各々がナット326,336に対して抜ける方向に回転する。このため、可動ヘッド32,33についても、それぞれ可動ヘッド31,32に対して離間することになる。
ここで、本実施の形態に係るスライド駆動装置1では、ボルト303,313,323のネジ切り方向およびネジピッチを同一としているので、モータ20の回転軸20aを回転させたときの各ヘッド30〜33の各ピッチは同一となる。
【0032】
4.スライド駆動装置1の適用例
上記のような構成を有する本実施の形態に係るスライド駆動装置1の一適用例について、図4を用い説明する。
図4に示すように、本実施の形態に係るスライド駆動装置1は、4つのコンベア50〜53により搬送されてきたワーク55〜58を、コンテナ59に移載する移載システムに適用することができる。具体的には、スライド駆動装置1における各ヘッド30〜33(図1〜図3を参照。)には、吸着パッド60〜63が取り付けられている。そして、スライド駆動装置1は、全体がY軸方向およびZ軸方向に移動自在となっている。
【0033】
先ず、スライド駆動装置1は、吸着パッド60〜63をX軸方向に離間した状態で、コンベア50〜53のY軸方向手間側端の上部に待機している。即ち、スライド駆動装置1では、コンベア50〜53のY軸方向手間側端の上部に待機している状態において、図3に示すヘッド30〜33が離間した状態にある。ここで、吸着パッド60〜63のピッチは、モータ20の回転量により規定されるため、レイアウト変更などによりコンベア50〜53のピッチが若干変更された場合にも、対応できる。
【0034】
次に、コンベア50〜53のY軸方向端にワーク55〜58が移載されてくると、スライド駆動装置1は、その全体がZ軸方向下向きに降下する。スライド駆動装置1のZ軸方向下向きへの降下は、例えば、エアシリンダなどにより実行される(図示を省略)。そして、吸着パッド60〜63がワーク55〜58の頂部分に接触すると、ワーク55〜58が吸着パッド60〜63により吸着される。
【0035】
次に、スライド駆動装置1は、吸着パッド60〜63によるワーク55〜58の吸着状態を維持したまま、Z軸方向上向きに上昇した後、Y軸方向手前側のコンテナ59の上方へと移動する。このとき、スライド駆動装置1におけるモータ20(図1〜図3を参照。)が回転して、コンテナ59の仕切りに対応した状態まで、吸着パッド60〜63のピッチが狭くなる。
【0036】
その後、スライド駆動装置1は、Z軸方向下向きに下降し、ワーク55〜58をコンテナ59内へと投入し、Z軸方向上向きに上昇し、さらにY軸方向奥側へと移動して待機位置へと復帰する。
なお、上記のように、コンベア50〜53の間隔が若干変更された場合にも、本実施の形態に係るスライド駆動装置1は対応可能であるが、コンテナ59の大きさや仕切り間隔などが変更された場合においても、ある程度の範囲で対応可能である。
【0037】
5.優位性
本実施の形態に係るスライド駆動装置1では、一つのモータ20により3つの可動ヘッド31〜33を等ピッチでスライド駆動できる。そして、スライド量については、モータ20の回転量により制御できるので、付帯設備に応じて、そのスライド駆動に係る停止位置を設定することができ、レイアウト変更などで対応する設備に若干の変化が生じた場合にも、スライド駆動装置1そのものを取り換える必要がない。
【0038】
また、ヘッド30〜33のピッチについては、モータ20の回転量に応じたナット316〜336に対するボルト303〜323の各々のねじ込み量により規定されるので、誤差が少なく、高い精度を確保することができる。
[実施の形態2]
1.構成
実施の形態2に係るスライド駆動装置2について、図5を用い説明する。なお、図5では、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1の要部を示す図2に対応する部分だけを抜き出して描いているが、その他の構成については上記同様である。また、図5においても、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1と同一構成となっている箇所には、同一符号を付し、以下での説明を省略する。
【0039】
図5に示すように、実施の形態2に係るスライド駆動装置2は、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1に対し、可動ヘッド34のボルト343のピッチおよび長さと、これに対応する可動ヘッド35のナット356のネジピッチは相違する。具体的に、可動ヘッド34におけるボルト343は、他のヘッド30,35におけるボルト303,353に対し、ネジピッチが1.5倍になっており、長さも1.5倍となっている。
【0040】
可動ヘッド35におけるナット356は、螺合関係を有するボルト343に対応してネジピッチが、他のナット346,366に対し、1.5倍になっている。また、可動ヘッド36では、ヘッドブロック360において、ボルト356が接触しないように貫通孔360aが設けられている。
スライド駆動装置2における他の構成、例えば、モータ20やこれに連結されるシャフト21、および各ヘッド30,34,35,36に設けられたギア301,302,341,342,351,352、さらにはブッシュ304,344,345,354,355などについては、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1と同様である。
【0041】
2.固定ヘッド30、可動ヘッド34〜36の離間状態
図5に示すスライド駆動装置2について、モータ20を回転駆動させたときの固定ヘッド30、可動ヘッド34〜36の離間状態について、図6を用い説明する。
図6に示すように、スライド駆動装置2では、モータ20(図5を参照。)の回転駆動により、ギア301、302、341、342、351,352を介して、ボルト303,343,353がそれぞれナット346,356,366の対して抜ける方向へと回転する。このとき、ボルト343は、そのピッチが他のボルト303,353に対して1.5倍に設定されているので、同じ回転量でも、他のボルト303,353に比べて1.5倍の変位となる。
【0042】
上記のように、本実施の形態2に係るスライド駆動装置2では、一つのモータ20での回転駆動により3つの可動ヘッド34,35,36をスライド駆動させることができるとともに、これらヘッド30,34〜36の離間状態において、可動ヘッド34と可動ヘッド35との離間距離P2を、固定ヘッド30と可動ヘッド34との離間距離P1、および可動ヘッド35と可動ヘッド36との離間距離P3に対し、1.5倍とすることができる。
【0043】
なお、上記のように、ボルト343は、他のボルト303,353に対し、1.5倍の長さになっているので、図6に示すような離間状態においても、ボルト343がナット356から完全に抜けてしまうことはない。
以上のように、本実施の形態に係るスライド駆動装置2は、ボルト343のネジピッチを他に比べて変更することにより、離間距離P2を他に比べて1.5倍とすることができる。よって、本実施の形態に係るスライド駆動装置2では、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1が有する優位性に加えて、一つのモータ20(図5を参照。)で駆動しながら、離間距離P2だけを他と相違させることができる。
【0044】
[実施の形態3]
1.構成
実施の形態3に係るスライド駆動装置3について、図7を用い説明する。なお、図7では、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1の要部を示す図2に対応する部分だけを抜き出して描いているが、その他の構成については上記同様である。また、図7においても、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1と同一構成となっている箇所には、同一符号を付し、以下での説明を省略する。
【0045】
図7に示すように、実施の形態3に係るスライド駆動装置3は、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1に対し、固定ヘッド37におけるボルト373および可動ヘッド39のボルト393のネジ切り方向が左方向(逆ネジ)となっているところを主な特徴としている。なお、3本のボルト373,383,393のネジピッチについては、同一となっている。
【0046】
可動ヘッド38,40におけるナット386,406は、螺合関係を有するボルト373,393に対応して、逆ネジが切られており、可動ヘッド39におけるナット396は、ボルト383に対応して、通常の右ネジが切られている。
スライド駆動装置3における他の構成、例えば、モータ20やこれに連結されるシャフト21、および各ヘッド37〜39に設けられたギア371,372,381,382,391,392、さらにはブッシュ374,384,385,394,395などについては、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1と同様である。
【0047】
2.スライド駆動装置3の駆動
実施の形態3に係るスライド駆動装置3のスライド駆動について、図7と図8とを併用しながら説明する。
先ず、図7に示すように、スライド駆動装置3では、一の状態のときにはボルト373,393が、それぞれナット386,406に対して中程まで抜けた状態となっており、ボルト383が、ナット396に対してねじ込まれた状態となっている。このような状態にあるとき、固定ヘッド37と可動ヘッド38とは離間距離P4を有し、可動ヘッド39と可動ヘッド40とも離間距離P6を有する。スライド駆動装置3では、ボルト373とボルト393のネジ切り方向およびネジピッチが同一に設定されているので、離間距離P4と離間距離P6も同一に設定されている。
【0048】
一方、可動ヘッド38と可動ヘッド39とは、ボルト383がナット396に対しねじ込まれた状態にあるため、近接した状態となっている。
次に、図8に示すように、モータ20の回転軸を方向Cに向けて回転させるとき、ボルト373とボルト393とが、それぞれナット386とナット406に対してねじ込まれて行く。一方、ボルト383はナット396に対して抜けて行く方向に回転する。これより、可動ヘッド38と可動ヘッド39とは、互いに離間して行くことになる。
【0049】
ここで、本実施の形態に係るスライド駆動装置3では、ボルト373,383,393がともに同一のネジピッチで形成されているので、可動ヘッド39がシャフト21の延伸方向において、恰も固定された状態となる。具体的には、図7の状態における固定ヘッド37と可動ヘッド39とのピッチP5と、図8の状態における固定ヘッド37と可動ヘッド39とのピッチP7とが等しい。
【0050】
このように、本実施の形態に係るスライド駆動装置3では、固定ヘッド37と可動ヘッド38との間と、可動ヘッド39と可動ヘッド40との間との2箇所で、例えばワークのチャックを行うことができる。そして、ワークの大きさなどが変更された場合にも、ある程度の範囲であればモータ20の回転数の制御により対応することが可能である。
なお、本実施の形態に係るスライド駆動装置3も、一のモータ20で複数の可動ヘッド38,40をスライド駆動させることができる。
【0051】
[まとめ]
実施の形態1から実施の形態3で説明した構成の優位性について、以下説明する。
上記実施の形態1〜3に係る各スライド駆動装置1〜3では、固定部としての固定ヘッド30,37と、第1の可動ヘッドとしての可動ヘッド31,34,38とが、それぞれ第1および第2の連結部材としてのボルト303,373とナット316,346,386とにより連結されている。また、第1の可動ヘッドとしての可動ヘッド31,34,38と第2の可動ヘッドとしての可動ヘッド32,35,39とが、それぞれ第3および第4の連結部材としてのボルト313,343,383とナット326,356,396とにより連結されている。
【0052】
上記実施の形態1〜3に係る各スライド駆動装置1〜3では、駆動時における固定ヘッド30,37と可動ヘッド31,34,38との間の離間距離(ピッチ)、および可動ヘッド31,34,38と可動ヘッド32,35,39との間の離間距離(ピッチ)が、ナット316,326,346,356,386,396に対するボルト303,313,343,373,383のねじ込み深さにより規定される。よって、スライド駆動装置1〜3では、一のモータ20により複数の可動ヘッド31,32,33,34,35,36,38,39,40をスライド駆動でき、ボルトおよびナットの設計に応じて種々の駆動形態を実現することができる。具体的には、ボルトおよびこれに対応するナットのネジ切り方向やネジピッチにより、スライド方向やスライド量が規定される。
【0053】
以上より、上記実施の形態1〜3に係るスライド駆動装置1〜3のように、高い設計の自由度を実現することができる。
[変形例]
変形例に係るスライド駆動装置4の構成について、図9を用い説明する。
図9に示すように、1つの固定ヘッド41と、3つの可動ヘッド42〜44とが、シャフト21の延伸方向に沿って配列されている点は、上記実施の形態1〜3に係る各スライド駆動装置1〜3と同様である。本変形例に係るスライド駆動装置4では、シャフト21から各ボルト413,423,433への回転の伝達機構が、上記実施の形態1〜3に係るスライド駆動装置1〜3と相違する点である。即ち、本変形例に係るスライド駆動装置では、固定ヘッド41には、2つのプーリ411,412が設けられ、同様に、可動ヘッド42にはプーリ421,422が、可動ヘッド43にはプーリ431,432が設けられている。
【0054】
プーリ411,421,431は、それぞれシャフト21側に取り付けられており、この内、プーリ411はシャフト21に対してその延伸方向に位置が固定されている。一方、プーリ412,422,432は、それぞれボルト413,423,433に取り付けられている。
プーリ411,421,431とプーリ412,422,432との間には、それぞれ丸ベルト417,427,437が張設されている。
【0055】
スライド駆動装置4における他の構成、例えば、モータやこれに連結されるシャフト21、および各ヘッド42〜44に設けられたナット426,436,446、さらにはブッシュ414,424,425,434,435などについては、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1と同様である。
本変形例に係るスライド駆動装置4では、シャフト21からの回転駆動力を、ギアではなくプーリ411,412,421,422,431,432および丸ベルト417,427,437を介してボルト431,423,433に伝達する構成となっている。
【0056】
以上のような構成を有するスライド駆動装置4においても、上記実施の形態1に係るスライド駆動装置1と同様の優位性を有する。
なお、本変形例に係るスライド駆動装置4に対して、上記実施の形態2,3のような形態を、バリエーションとして組み合わせることも勿論可能である。
[その他の事項]
上記実施の形態1〜3および変形例に係る各スライド駆動装置1〜4では、1つの固定ヘッド30,37,41と3つの可動ヘッド31,32,33,34,35,36,38,39,40,42,43,44とを備える構成を一例として採用したが、可動ヘッドの構成数を増減することも可能である。
【0057】
また、上記実施の形態1〜3および変形例に係る各スライド駆動装置1〜4では、回転駆動力を発生する駆動源としてモータ20を採用したが、これ以外にもロータリアクチュエータやガソリンあるいはディーゼルエンジンなどを採用することも可能である。
また、上記実施の形態1〜3および変形例に係る各スライド駆動装置1〜4では、1本のガイドレール11上を可動ヘッド31,32,33,34,35,36,38,39,40,42,43,44がスライド駆動可能である構成を採用したが、ガイドレールについては、2本以上用いることもできる。また、2本以上のガイドレールを用いる場合にあっては、それらが同一平面上にある必要はない。
【0058】
また、上記実施の形態2に係るスライド駆動装置2では、可動ヘッド34におけるボルト343のネジピッチを他に比べて1.5倍としたが、1.5倍よりも大きくすることもできるし、逆に1.5倍よりも小さくすることもできる。周辺設備との関係で設計を行うことができる。
また、上記実施の形態1〜3および変形例では、筐体10に対して固定ヘッド30,37,41が位置固定される構成を採用したが、位置基準となるベース(実施の形態1〜3および変形例では、筐体10)に対してボルトあるいはナットが直接、位置固定されていてもよい。即ち、ヘッドブロック300,370,410を有さなくてもよい。この場合においては、ボルトあるいはナットを可動ヘッドとのピッチの基準として考えることができる。
【0059】
また、上記実施の形態1〜3および変形例に係る各スライド駆動装置1〜4の主な特徴を適宜組み合わせることも可能である。例えば、ボルトにおけるピッチもネジ切り方向も異なる構成を採用することもできる。
また、上記実施の形態1〜3および変形例に係る各スライド駆動装置1〜4では、筐体10にモータ20が固定された構成を採用したが、駆動源(モータ等)については、必ずしも装置内に具備されている必要はない。例えば、シャフト21の端部を筐体10から延出させておき、スライド駆動が必要なときにだけ、外部から回転駆動力をシャフト21に伝える構成を採用することも可能である。
【0060】
さらに、本発明に係るスライド駆動装置の一適用例を、図4に示したが、本発明に係るスライド駆動装置の適用がこれに限定されるものではない。例えば、複数のヘッドの各々に、寸法測定のためのセンサ(例えば、非接触変位センサなど)を取り付けておき、コンベアラインなどにより流れてきた複数のワークについて、一度に寸法を測定する装置として用いることができる。そして、このような適用例の場合においても、本発明に係るスライド駆動装置では、ヘッドの変位量をモータの回転量に応じて変化させることができるので、コンベア上の複数のワーク同士のピッチが若干変化しても、対応が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、周辺設備の状況などに応じ、複数のヘッドのスライド形態を設定することができるスライド駆動装置を実現するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】実施の形態1に係るスライド駆動装置1の構成を示す斜視図である。
【図2】スライド駆動装置1の主要構成を示す断面図である。
【図3】スライド駆動装置1のスライド駆動に係る主要構成を示す断面図である。
【図4】スライド駆動装置1を用いた移載システムを示す斜視図である。
【図5】実施の形態2に係るスライド駆動装置2の主要構成を示す断面図である。
【図6】スライド駆動装置2の主要構成を示す断面図である。
【図7】実施の形態3に係るスライド駆動装置3の主要構成を示す断面図である。
【図8】スライド駆動装置3の主要構成を示す断面図である。
【図9】変形例に係るスライド駆動装置4の主要構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1,2,3,4.スライド駆動装置
10.筐体
11.ガイドレール
20.モータ
21.シャフト
22.カップリング
23.軸受け
30,37,41.固定ヘッド
31,32,33,34,35,36,38,39,40,42,43,44.可動ヘッド
50,51,52,53.コンベア
55,56,57,58.ワーク
59.コンテナ
60,61,62,63.吸着パッド
300,310,320,330,340,350,360,370,380,390,400,410,420,430,440.ヘッドブロック
301,302,311,312,321,322,341,342,351,352,371,372,381,382,391,392.ギア
303,313,323,343,353,373,383,393,413,423,433.ボルト
304,314,315,324,325,344,345,354,355,374,384,385,394,395.414,424,425,434,435.ブッシュ
316,326,346,356,366,386,396,406,426,436,446.ナット
411,412,421,422,431,432.プーリ
417,427,437.丸ベルト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置基準となるベースと、
回転駆動力を受けて回転駆動する回転軸と、
前記ベースに対し、前記回転軸の延伸方向における位置が固定された固定部と、
前記ベースに対し、前記回転軸の延伸方向に沿った方向にスライド自在に設けられた第1および第2の可動ヘッドとを有し、
前記固定部と前記第1の可動ヘッドとは、第1および第2の連結部材により連結されており、
前記第1の連結部材は、前記固定部に対して前記回転軸の延伸方向における位置が固定され、且つ、前記回転軸からの回転駆動力を受けて回転し、
前記第2の連結部材は、前記第1の可動ヘッドに固定されており、
前記第1の連結部材および前記第2の連結部材は、一方が雄ネジを有し、他方が前記雄ネジに対応する雌ネジを有し、互いが螺合により連結されているものであって、互いの間のねじ込み深さが、前記第1の連結部材の回転量に応じて変化し、
前記第1の可動ヘッドと前記第2の可動ヘッドとは、第3および第4の連結部材により連結されており、
前記第3の連結部材は、前記第1の可動ヘッドに対し前記回転軸の延伸方向における相対位置が固定され、且つ、前記回転軸からの回転駆動力を受けて回転し、
前記第4の連結部材は、前記第2の可動ヘッドに固定されており、
前記第3の連結部材および前記第4の連結部材は、一方が雄ネジを有し、他方が前記雄ネジに対応する雌ネジを有し、互いが螺合により連結されているものであって、互いの間のねじ込み深さが、前記第3の連結部材の回転量に応じて変化するものであり、
前記回転軸の延伸方向において、
前記固定部と前記第1の可動ヘッドとのピッチは、前記第1の連結部材と前記第2連結部材との間のねじ込み深さに対応し、
前記第1の可動ヘッドと前記第2の可動ヘッドとのピッチは、前記第3の連結部材と前記第4の連結部材との間のねじ込み深さに対応する
ことを特徴とするスライド駆動装置。
【請求項2】
前記第1の連結部材には、第1のギアが取り付けられており、
前記回転軸には、前記第1のギアと噛合する第2のギアが取り付けられており、
前記回転軸の回転駆動力は、前記第1のギアおよび前記第2のギアを介して、前記第1の連結部材に伝達され、
前記第3の連結部材には、第3のギアが取り付けられており、
前記回転軸には、前記第3のギアと噛合し、且つ、前記第1の可動ヘッドに連動して前記回転軸の延伸方向にスライドする第4のギアが取り付けられており、
前記回転軸の回転駆動力は、前記第3のギアおよび前記第4のギアを介して、前記第3の連結部材に伝達される
ことを特徴とする請求項1に記載のスライド駆動装置。
【請求項3】
前記回転軸の延伸方向に沿って一のガイドレールが設けられており、
前記第1の可動ヘッドおよび前記第2の可動ヘッドは、ともに前記ガイドレール上をスライド自在となっている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のスライド駆動装置。
【請求項4】
前記第1の連結部材および前記第2の連結部材におけるネジ切り方向と、前記第3の連結部材および前記第4の連結部材におけるネジ切り方向とは、同一方向である
ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のスライド駆動装置。
【請求項5】
前記第1の連結部材および前記第2の連結部材におけるネジ切り方向と、前記第3の連結部材および前記第4の連結部材におけるネジ切り方向とは、逆方向である
ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のスライド駆動装置。
【請求項6】
前記第1の連結部材および前記第2の連結部材におけるネジピッチと、前記第3の連結部材および前記第4の連結部材におけるネジピッチとは、同一である
ことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のスライド駆動装置。
【請求項7】
前記第1の連結部材および前記第2の連結部材におけるネジピッチと、前記第3の連結部材および前記第4の連結部材におけるネジピッチとは、異なる
ことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のスライド駆動装置。
【請求項8】
前記ベースには、回転駆動力を発生する駆動源が固定されており、
前記駆動源は、前記回転軸に対して回転駆動力を伝える
ことを特徴とする請求項1から7の何れかに記載のスライド駆動装置。
【請求項1】
位置基準となるベースと、
回転駆動力を受けて回転駆動する回転軸と、
前記ベースに対し、前記回転軸の延伸方向における位置が固定された固定部と、
前記ベースに対し、前記回転軸の延伸方向に沿った方向にスライド自在に設けられた第1および第2の可動ヘッドとを有し、
前記固定部と前記第1の可動ヘッドとは、第1および第2の連結部材により連結されており、
前記第1の連結部材は、前記固定部に対して前記回転軸の延伸方向における位置が固定され、且つ、前記回転軸からの回転駆動力を受けて回転し、
前記第2の連結部材は、前記第1の可動ヘッドに固定されており、
前記第1の連結部材および前記第2の連結部材は、一方が雄ネジを有し、他方が前記雄ネジに対応する雌ネジを有し、互いが螺合により連結されているものであって、互いの間のねじ込み深さが、前記第1の連結部材の回転量に応じて変化し、
前記第1の可動ヘッドと前記第2の可動ヘッドとは、第3および第4の連結部材により連結されており、
前記第3の連結部材は、前記第1の可動ヘッドに対し前記回転軸の延伸方向における相対位置が固定され、且つ、前記回転軸からの回転駆動力を受けて回転し、
前記第4の連結部材は、前記第2の可動ヘッドに固定されており、
前記第3の連結部材および前記第4の連結部材は、一方が雄ネジを有し、他方が前記雄ネジに対応する雌ネジを有し、互いが螺合により連結されているものであって、互いの間のねじ込み深さが、前記第3の連結部材の回転量に応じて変化するものであり、
前記回転軸の延伸方向において、
前記固定部と前記第1の可動ヘッドとのピッチは、前記第1の連結部材と前記第2連結部材との間のねじ込み深さに対応し、
前記第1の可動ヘッドと前記第2の可動ヘッドとのピッチは、前記第3の連結部材と前記第4の連結部材との間のねじ込み深さに対応する
ことを特徴とするスライド駆動装置。
【請求項2】
前記第1の連結部材には、第1のギアが取り付けられており、
前記回転軸には、前記第1のギアと噛合する第2のギアが取り付けられており、
前記回転軸の回転駆動力は、前記第1のギアおよび前記第2のギアを介して、前記第1の連結部材に伝達され、
前記第3の連結部材には、第3のギアが取り付けられており、
前記回転軸には、前記第3のギアと噛合し、且つ、前記第1の可動ヘッドに連動して前記回転軸の延伸方向にスライドする第4のギアが取り付けられており、
前記回転軸の回転駆動力は、前記第3のギアおよび前記第4のギアを介して、前記第3の連結部材に伝達される
ことを特徴とする請求項1に記載のスライド駆動装置。
【請求項3】
前記回転軸の延伸方向に沿って一のガイドレールが設けられており、
前記第1の可動ヘッドおよび前記第2の可動ヘッドは、ともに前記ガイドレール上をスライド自在となっている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のスライド駆動装置。
【請求項4】
前記第1の連結部材および前記第2の連結部材におけるネジ切り方向と、前記第3の連結部材および前記第4の連結部材におけるネジ切り方向とは、同一方向である
ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のスライド駆動装置。
【請求項5】
前記第1の連結部材および前記第2の連結部材におけるネジ切り方向と、前記第3の連結部材および前記第4の連結部材におけるネジ切り方向とは、逆方向である
ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のスライド駆動装置。
【請求項6】
前記第1の連結部材および前記第2の連結部材におけるネジピッチと、前記第3の連結部材および前記第4の連結部材におけるネジピッチとは、同一である
ことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のスライド駆動装置。
【請求項7】
前記第1の連結部材および前記第2の連結部材におけるネジピッチと、前記第3の連結部材および前記第4の連結部材におけるネジピッチとは、異なる
ことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のスライド駆動装置。
【請求項8】
前記ベースには、回転駆動力を発生する駆動源が固定されており、
前記駆動源は、前記回転軸に対して回転駆動力を伝える
ことを特徴とする請求項1から7の何れかに記載のスライド駆動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2010−90987(P2010−90987A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−261472(P2008−261472)
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【出願人】(592127965)NKE株式会社 (28)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【出願人】(592127965)NKE株式会社 (28)
【Fターム(参考)】
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