説明

スルホン酸エステル基を有するポリマー及びその製造方法

【課題】耐熱性と溶剤への溶解性を併せ持つ新規ポリマーとその製造方法を提供する。
【解決手段】化学式(1)で示されるユニットを有するポリアミドポリマー、その製造方法、並びにそれを含有する静電荷像現像トナー。


(式中、R1x、R1yの少なくとも一方に、置換基として、SO21を有する。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スルホン酸エステル基を有するポリマー及びその製造方法に関する。また、本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法等を利用した記録方法に用いられる荷電制御剤、静電荷像現像用トナーに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアミドは優れた耐熱性、強靭性、成膜性の特性を有するが、アミド系溶媒にしか可溶化しない問題があり、その活用分野が著しく制限されている。
【0003】
一方、水に不溶なポリマーにスルホン酸基を導入して水溶性化し、活用する試みが最近注目されている。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、ジアミン成分およびジカルボン酸成分の少なくともいずれか一方に、スルホン酸基を有する化合物を使用し重縮合を行うことにより、スルホン酸基含有ポリアミドを製造する方法が開示されている。
【特許文献1】特開平7−258407号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ポリアミドへのスルホン基導入のみでは、上記した様々な用途に十分に対応できるとは言えず、更なる改良や、新規ポリマーの提供が求められていた。
【0006】
本発明の目的は、上記背景技術に鑑み、スルホン酸エステル基を有する新規ポリマーとその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明者らは、様々な機能性を向上するのに有用であると考えられる、極性基を導入した新規なポリマーの開発をめざして鋭意研究を重ねてきた結果、以下に示すような発明に至った。
【0008】
本発明にかかるポリマーは、化学式(1)で示されるユニットを有することを特徴とする。
【0009】
【化1】

【0010】
(式中、R1x、R1yは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、または化学式(101)で示される構造である。
1x、R1yの少なくとも一方に、置換基として、SO21(R1はハロゲン原子もしくはOR1aである。R1aは置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。)を有する。)
【0011】
【化2】

【0012】
(式中、Ar1a、Ar1bは、置換もしくは未置換の芳香族環構造であり、Z1aは、O、S、SO、SO2、CO、NHから選ばれる。)
【0013】
本発明にかかるポリマーの製造方法は、化学式(301)で示すユニットを含むポリマーに、エステル化剤を用いてエステル化を行い化学式(302)に示すユニットを含むポリマーを得ることを特徴とする。
【0014】
【化3】

【0015】
(式中、R301x、R301yは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、または化学式(401)で示される構造である。
301x、R301yの少なくとも一方に、置換基として、SO2301(R301はハロゲン原子、OH、ONaまたはOKである。)を有する。)
【0016】
【化4】

【0017】
(式中、Ar401a、Ar401bは、置換もしくは未置換の芳香族環構造であり、Z401aは、O、S、SO、SO2、CO、NHから選ばれる。)
【0018】
【化5】

【0019】
(式中、R302x、R302yは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、または化学式(402)で示される構造である。
302x、R302yの少なくとも一方に、置換基として、SO3302(R302は置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。)を有する。)
【0020】
【化6】

【0021】
(式中、Ar402a、Ar402bは、置換もしくは未置換の芳香族環構造であり、Z402aは、O、S、SO、SO2、CO、NHから選ばれる。)
【0022】
本発明にかかるポリマーの製造方法の他の態様は、化学式(303X)で示すユニットと、化学式(303Y)に示すユニットを重縮合させることにより、化学式(302)に示すユニットを含むポリマーを得ることを特徴とする。
【0023】
【化7】

【0024】
【化8】

【0025】
(式中、R303x、R303yは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
303yaは、水素原子、ハロゲン原子、NaまたはKである。
303x、R303yの少なくとも一方に、置換基として、SO3303(R303は置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。)を有する。)
【0026】
本発明の荷電制御剤は、粉粒体の荷電状態を制御する荷電制御剤において、上記のポリマーの少なくとも1種を含有してなることを特徴とする。
【0027】
本発明の静電荷像現像トナーは、少なくとも、バインダー樹脂と着色剤と、上記の本発明に係るポリマーとを含有してなることを特徴とする静電荷像現像トナーである。この場合、当該ポリマーが、トナー中の荷電制御剤として機能するのがよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明により、新規なポリマーとその製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(本発明に係るポリマー及び化合物)
[1]第1の本発明に係るポリマーは、先に記載した化学式(1)で示される構造を1ユニット以上含むことを特徴とする。
【0030】
【化9】

【0031】
(式中、R1x、R1yは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、または化学式(101)で示される構造である。
1x、R1yの少なくとも一方に、置換基として、SO21(R1はハロゲン原子もしくはOR1aである。R1aは置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。)を有する。)
【0032】
【化10】

【0033】
(式中、Ar1a、Ar1bは、置換もしくは未置換の芳香族環構造であり、Z1aは、O、S、SO、SO2、CO、NHから選ばれる。)
【0034】
なお、本発明においては、ポリマー中に、複数のユニットが存在する場合、各ユニット同士は互いに独立に各式の定義に従って表わされる。
【0035】
例えば、式(1)で示される同じユニットが複数存在していても、式(1)で示される異なるユニットが存在していてもよい。この点は他の式で表わされるユニットにおいても同様である。
【0036】
即ち、本発明は、同じ種類のユニットにより前記ポリマーが構成される場合は勿論、前記ポリマーが、互いに異なる種類のユニットにより構成されている場合を含むものである。
【0037】
[2]本発明に係るポリマーの化学式(1)で示されるユニットとしては、以下の化学式(2)ないし(5)のユニットが好ましい。
【0038】
【化11】

【0039】
(式中、R2x、R2yは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、または化学式(403)で示される構造である。
2x、R2yの少なくとも一方に、置換基として、SO22(R2はハロゲン原子もしくはOR2aである。R2aは直鎖もしくは分岐の炭素数1ないし8のアルキル基、または置換もしくは未置換のフェニル基である。)を有する。)
【0040】
【化12】

【0041】
(式中、Ar403a、Ar403bは、置換もしくは未置換の芳香族環構造であり、Z403aは、O、S、SO、SO2、CO、NHから選ばれる。)
【0042】
【化13】

【0043】
(式中、R3x、R3yは、置換もしくは未置換のアルキレン基、置換もしくは未置換のフェニレン基、または置換もしくは未置換のナフチレン基である。
3x、R3yの少なくとも一方に、置換基として、SO23(R3はハロゲン原子、ONa、OKまたはOR3aである。R3aは直鎖もしくは分岐の炭素数1ないし8のアルキル基、または置換もしくは未置換のフェニル基である。)を有する。)
【0044】
【化14】

【0045】
(式中、R4aは直鎖もしくは分岐の炭素数1ないし8のアルキル基、または置換もしくは未置換のフェニル基である。)
【0046】
【化15】

【0047】
(式中、R5aは直鎖もしくは分岐の炭素数1ないし8のアルキル基、または置換もしくは未置換のフェニル基である。)
【0048】
本発明に係るポリマーの数平均分子量は、1000から1000000であることが好ましい。
【0049】
(製造方法)
また、本発明に係る化学式(302)に示すユニットを含むポリマーは、化学式(301)で示すユニットを含むポリマーに、エステル化剤を用いてエステル化を行うことにより得ることができる。
【0050】
前記化学式(302)に示すユニットを含むポリマーの製造方法において用いられる、前記エステル化剤としてトリメチルシリルジアゾメタン、オルトギ酸トリメチルまたはオルトギ酸トリエチルを用いることができる。
【0051】
本発明に係る化学式(302)に示すユニットを含むポリマーは、化学式(303X)で示すユニットと、化学式(303Y)に示すユニットを重縮合させることにより得ることができる。
【0052】
【化16】

【0053】
【化17】

【0054】
(式中、R303x、R303yは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
303yaは、水素原子、ハロゲン原子、NaまたはKである。
303x、R303yの少なくとも一方に、置換基として、SO3303(R303は置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。)を有する。)
【0055】
(荷電制御剤)
本発明に係る荷電制御剤は、粉粒体の荷電状態を制御するものであり、化学式(201)に示す構造のユニットを有するポリマーを含有していることを特徴とする。
【0056】
また、前記粉粒体は、静電荷像現像トナーであることが好ましい。
【0057】
更に、荷電制御剤を構成するポリマーの化学式(201)で示されるユニットとしては、化学式(2)ないし(5)で示されるユニットを用いることができる。
【0058】
(本発明に係るポリマーのより具体的な製法)
以下に、好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。上記した各構成を有する本発明にかかるポリマーは、荷電制御剤としてきわめて優れた特性を有する。
【0059】
さらには、このポリマーを用いた荷電制御剤を含有する静電荷像現像用トナーは、なかでも電子写真法による現像システムを有する画像形成装置に使用した場合に著しい効果を有するものである。このポリマーの製造方法としては以下の方法を例示できる。
【0060】
例えば、化学式(302)で示すユニットを有するポリマーは、出発原料として用いる化学式(301)で表されるユニットを有するポリマーにエステル化剤を用いてエステル化を行うことにより得ることができる。
【0061】
また、化学式(303X)で示すユニットと、化学式(303Y)に示すユニットを重縮合させることにより、化学式(302)に示すユニットを含むポリマーを得ることが可能である。
【0062】
(化学式(301)に示すユニットを含むポリマーの製造方法)
化学式(301)で表されるスルホン酸基を有するポリマーは、公知の重合法を用いることにより、製造することができる。
【0063】
スルホン酸基を有するジアミンとジカルボン酸、ジアミンとスルホン酸基を有するジカルボン酸、または、スルホン酸基を有するジアミンとスルホン酸基を有するジカルボン酸を用いて、重縮合を行うことにより合成できる。
【0064】
スルホン酸基を含有するジアミン化合物としては、1個またはそれ以上のスルホン酸基を有する脂肪族、肪環式および芳香族ジアミン化合物等、スルホン酸基を含有するものであれば何如なるものでも使用することができるが、芳香族ジアミン化合物が好ましい。
【0065】
その好ましい具体例として、例えば、3,5−ジアミノベンゼンスルホン酸、3,4−ジアミノベンゼンスルホン酸、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸、4,4′−ジアミノビフェニル−2,2′−ジスルホン酸等があげられる。
【0066】
スルホン酸基を含有するジカルボン酸化合物としては、1個またはそれ以上のスルホン酸基を有する脂肪族、肪環式および芳香族ジアミン化合物等、スルホン酸基を含有するものであれば何如なるものでも使用することができるが、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
【0067】
その好ましい具体例として、例えば、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸、3,4−ジカルボキシベンゼンスルホン酸等があげられる。
【0068】
本発明のおいては、ジアミン成分およびジカルボン酸成分には、スルホン酸基を含有しないジアミンまたはジカルボン酸が併用されてもよい。
【0069】
本発明において、原料物質として使用することができるスルホン酸基を含有しないジアミンおよびジカルボン酸としては、特に限定されるものではなく、ポリアミドの原料物質として公知のものであれば、何如なるものでも使用することができる。
【0070】
具体的には、ジアミン類として、例えば、4,4′−エチレンジアミン、4,4−イソプロピリデンジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、3,4′−オキジアニリン、4,4′−オキシジアニリン、3,3′−スルホニルジアニリン、
4,4′−スルホニルジアニリン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、1,3−ビス(m−アミノフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、
4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスホン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾフェノン、
4,4′−ビス(4−アミノフェニルメルカプト)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(4−アミノフェニルメルカプト)ベンゾフェノン、2,2′−ビス〔4−(2−トリフルオロメチル−4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、
2,2′−ビス〔4−(3−トリフルオロメチル−5−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2′−ビス〔4−(3−トリフルオロメチル−4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、
2,2′−ビス〔4(2−トリフルオロメチル−5−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2′−ビス〔4−(4−トリフルオロメチル−5−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、
2,2′−ビス〔4−(2−ノナフルオロブチル−5−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2′−ビス〔4−(4−ノナフルオロブチル−5−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、
4,4′−ジアミノジフェニルメタン、o−トリジン、o−ジアニシジン、2,5−ジアミノピリジン、3,3′−ジヒドロキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン
等を挙げることができ、これらは単独で使用しても、また複数を併用してもよい。
【0071】
また、スルホン酸基を含有しないジカルボン酸類としては、脂肪族、肪環式、芳香族等のジカルボン酸が使用でき、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、3,3′−メチレン二安息香酸、4,4′−メチレン二安息香酸、
4,4′−オキシ二安息香酸、4,4′−チオ二安息香酸、3,3′−カルボニル二安息香酸、4,4′−カルボニル二安息香酸、4,4′−スルホニル二安息香酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、1,3−シクロヘキサジカルボン酸、1,4−シクロヘキサジカルボン酸、マロン酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、アジピン酸、
1,10−デカン二酸、フェニルマロン酸、ベンジルマロン酸、フェニルスクシン酸、3−フェニルグルタル酸、ホモフタル酸、1,3−フェニレン二酢酸、1,4−フェニレン二酢酸、4−カルボキシフェニル酢酸、
5−ブロモ−N−(カルボキシメチル)アントラニル酸、m−カルボキシシナモン酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、4−ヒドロキシ−2,5−ジカルボキシピリジン等のジカルボン酸
及びこれらの誘導体を挙げることができる。これらは単独で使用しても、また複数を併用してもよい。
【0072】
ジアミン成分およびジカルボン酸成分の重縮合反応としては、縮合剤を用いる方法、塩を形成し脱水反応により縮合を行う方法、脱水剤を用いる方法など、いずれも利用が可能である。
【0073】
本発明の製造方法として、縮合剤を用いる方法について詳しく述べる。縮合剤としては、リン酸系縮合剤等を利用することが可能である。
【0074】
本発明の反応では、亜リン酸エステル系の縮合剤を用いることが好ましい。この際使用される亜リン酸エステル類としては、亜リン酸トリフェニルが好ましく用いられる。
【0075】
縮合剤の使用量は、ジアミン成分およびジカルボン酸成分に対して、0.1倍モル以上、好ましくは、等倍モル以上の範囲である。また、縮合剤そのものを反応溶媒として用いることも可能である。
【0076】
この方法に用いられるジアミン成分およびジカルボン酸成分の使用量は、ジアミン成分に対してジカルボン酸成分が、0.1ないし50.0倍モル、好ましくは、0.5ないし1.5倍モルの範囲である。
【0077】
本発明の反応では、必要に応じ、溶媒を使用することができる。使用する溶媒は、ピリジンが好適に用いられる。
【0078】
本発明の方法において、反応時間は、例えば、1ないし48時間の範囲である。このようにして生成した化学式(301)に示すユニットを分子中に1ユニット以上有するポリマーを含む反応液中の溶媒は、常法である蒸留を用いて取り除くことができる。
【0079】
溶媒を取り除いた反応液から、化学式(301)に示すユニットを分子中に1ユニット以上有するポリマーを回収するには、エーテル類等の溶媒を用いて均一に希釈した反応液を、前記ポリマーが不溶である液体と均一に混合して再沈殿させるとよい。
【0080】
ここで得られた化学式(301)に示すユニットを分子中に1ユニット以上有するポリマーは、必要ならば、単離精製することができる。
【0081】
この単離精製方法としては、特に制限はなく、化学式(301)に示すユニットを分子中に1ユニット以上有するポリマーが不溶である溶媒を用いて再沈殿する方法、カラムクロマトグラフィーによる方法を用いることができる。
【0082】
(化学式(302)に示すユニットを分子中に1ユニット以上有するポリマーの製造方法)
エステル化剤であるトリメチルシリルジアゾメタン、オルトギ酸トリメチル、オルトギ酸トリエチルを用いて、化学式(302)に示すポリマーを合成することが可能である。
【0083】
以下にその反応について詳しく述べる。
【0084】
この反応では、必要に応じ、既述ないし後述の溶媒を使用することができる。好ましくは、クロロホルム、メタノールが用いられる。溶媒の使用量は、出発原料、反応条件等に応じて適宜定め得る。
【0085】
エステル化剤の使用量は、化学式(301)に示すユニットに対して、0.1ないし50倍モル、好ましくは、1ないし20倍モルの範囲である。
【0086】
この方法において、反応温度は、特に限定されないが、通常は−20℃ないし70℃の範囲の温度である。反応時間は、一概には言えないが、通常、1ないし48時間の範囲である。
【0087】
このようにして生成した本発明にかかるポリマーを含む反応液中の溶媒は、常法である蒸留を用いて取り除くことができる。
【0088】
(化学式(302)に示すユニットを含むポリマーの製造方法)
化学式(303X)で示すユニットと、化学式(303Y)に示すユニットを重縮合させることにより、化学式(302)に示すユニットを含むポリマーを得ることが可能である。
【0089】
以下にその反応について詳しく述べる。
【0090】
縮合剤としては、既述の縮合剤の利用がいずれも可能である。
【0091】
縮合剤の使用量は、ジアミン成分およびジカルボン酸成分に対して、0.1倍モル以上、好ましくは、等倍モル以上の範囲である。また、縮合剤そのものを反応溶媒として用いることも可能である。
【0092】
この方法に用いられるジアミン成分およびジカルボン酸成分の使用量は、ジアミン成分に対してジカルボン酸成分が、0.1ないし50.0倍モル、好ましくは、0.5ないし1.5倍モルの範囲である。
【0093】
本発明の反応では、必要に応じ、溶媒を使用することができる。使用する溶媒は、ピリジンが好適に用いられる。
【0094】
本発明の方法において、反応時間は、例えば、1ないし48時間の範囲である。このようにして生成した化学式(302)に示すユニットを分子中に1ユニット以上有するポリマーを含む反応液中の溶媒は、常法である蒸留を用いて取り除くことができる。
【0095】
溶媒を取り除いた反応液から、化学式(302)に示すユニットを分子中に1ユニット以上有するポリマーを回収するには、エーテル類等の溶媒を用いて均一に希釈した反応液を、前記ポリマーが不溶である液体と均一に混合して再沈殿させるとよい。
【0096】
ここで得られた化学式(302)に示すユニットを分子中に1ユニット以上有するポリマーは、必要ならば、単離精製することができる。
【0097】
この単離精製方法としては、特に制限はなく、化学式(302)に示すユニットを分子中に1ユニット以上有するポリマーが不溶である溶媒を用いて再沈殿する方法、カラムクロマトグラフィーによる方法を用いることができる。
【0098】
(トナーへの応用)
本発明に係るポリマーの用途として、静電荷像現像用トナーおよびそれを用いた画像形成プロセスへの応用が挙げられる。
【0099】
具体的には、トナーに内添または外添される荷電制御剤として利用可能である。すなわち、本発明は上記のポリマーを含有してなる荷電制御剤であり、さらには該荷電制御剤を含有してなる静電荷像現像用トナーである。
【0100】
なお、静電荷像現像用トナー組成中へ用いる荷電制御剤として、例えば化学式(201)に示すポリマー化合物を用いることにより、帯電特性に優れ、かつトナー樹脂中への該化合物の分散性及びスペント性が良好なものを提供することができる。
【0101】
また、本発明に係るポリマーを用いれば、画像形成装置による出力時においても、画像カブリの発生が低減され、かつ、転写性に優れた静電荷像現像用トナーを提供することが可能となる。
【0102】
更にまた、本発明に係るポリマーを用いた荷電制御剤は、無色とする、あるいはその着色度を弱くすることができる為、荷電制御剤に影響されずカラートナーに要求される色相に合わせて任意の着色剤を選定することが可能である。
【0103】
無色あるいは着色性の弱い荷電制御剤は、染料あるいは顔料が有する本来の色相を阻害し難く、好ましいものである。
【0104】
<荷電制御剤としての使用>
本発明に係るポリマーを荷電制御剤として用いる場合は、前記化学式(201)に示すモノマーユニット、特に前記化学式(1)に示すモノマーユニットのように、側鎖にスルホン酸基あるいはその誘導体を含む構造を有していることが好ましい。
【0105】
これらアニオン性あるいは電子吸引性の官能基を有するユニットの存在は、優れた負帯電性を示す。本発明に係るポリマーは、トナーのバインダー樹脂に対する相溶性が良好であり、特にはポリエステル系のバインダー樹脂に対する相溶性がきわめて良好である。
【0106】
本発明のポリマーを含有するトナーは、比帯電量が高く、その経時安定性も良好であることから、トナーを長時間保存しても静電記録の画像形成において安定して鮮明な画像を与える。
【0107】
また、本発明のポリマーは無色であり、あるいは着色がきわめて薄いにもかかわらず、良好な負帯電性能を有するため、黒色の負帯電トナーおよびカラートナー何れについても製出することが出来る。
【0108】
さらに、本発明のポリマーを構成するモノマーユニットの種類/組成比を適宜選択することにより、幅広い相溶性の制御が可能である。
【0109】
ここで、荷電制御剤がトナーバインダー中でミクロ相分離構造をとるよう樹脂組成を選択すると、トナーの電気的連続性が生じないため安定に電荷を保持することが可能となる。
【0110】
(本発明に係るポリマーのトナーへの添加)
本発明において、上記したポリマーからなる荷電制御剤をトナーに含有させる方法としては、トナーに内添する方法とトナーに外添する方法がある。
【0111】
内添する場合の添加量は、トナーバインダーと荷電制御剤の合計質量に対して、荷電制御剤が通常0.1ないし50質量%、好ましくは0.2ないし20質量%の範囲で使用するのがより好ましい。
【0112】
0.1質量%よりも少ないと、トナーの帯電性における改良の度合いが顕著にみられない場合がある。一方、50質量%を超えると、経済的な観点から好ましくない場合がある。
【0113】
また、外添する場合には、トナーバインダーと荷電制御剤の質量割合は、トナーバインダーと荷電制御剤の合計質量に対して、荷電制御剤0.01ないし5質量%とすることが好ましく、特に、メカノケミカル的にトナー表面に固着させるのが好ましい。
【0114】
本発明のポリマーの分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定する。
【0115】
また、荷電制御剤として用いる場合、本発明においては、上記のようにして測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比率(Mw/Mn)が、1ないし10の範囲内にある上記ポリマーを使用することが好ましい。
【0116】
また、本発明のポリマーが形成する不連続なドメインの粒径を小さくする目的で、本発明のポリマーに対して相溶性を有しかつトナーバインダーに対しても相溶性を有する重合体を相溶化剤として含有させることもできる。
【0117】
相溶化剤としては、本発明のポリマーに類似の重合体鎖と、トナーバインダーに類似の重合体鎖がグラフト状またはブロック状に結合した重合体などが挙げられる。
【0118】
ここで「類似の重合体鎖」とは、それぞれのポリマーの構成単量体と実質的に同じ構造を有する単量体を50モル%以上含有する重合体鎖を指す。
【0119】
相溶化剤の使用量は本発明のポリマーに対して、通常30質量%以下であり、好ましくは1ないし10質量%である。
【0120】
本発明に係るトナーには、一般的な熱可塑性樹脂をバインダー樹脂として用いることができる。例えば、ポリスチレン等を挙げることができる。
【0121】
本発明の荷電制御剤と組み合わせて使用するバインダー樹脂を形成する場合、必要に応じて下記に挙げるような架橋剤を用いることもできる。例えば、2官能の架橋剤として、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0122】
また、本発明の荷電制御剤と組み合わせて使用するバインダー樹脂を形成する場合には、下記に挙げるような重合開始剤を必要に応じて用いることができる。例えば、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等が挙げられる。
【0123】
本発明の荷電制御剤以外にも、従来使用されている荷電制御剤を本発明の荷電制御剤とともに利用することも可能である。
【0124】
本発明の静電荷像現像用トナーを構成する着色剤としては、通常、トナーを製造する際に用いられているものであればいずれも使用でき、特に限定されるものではない。
【0125】
更に、染料と顔料とを併用した方が、その鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
【0126】
通常、最も良好なトナー特性を得るため、すなわち、印字の着色力、トナーの形状安定性、トナーの飛散などを考慮した場合、着色剤は、通常、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1ないし60質量部、好ましくは0.5ないし20質量部程度の割合で使用される。
【0127】
本発明の静電荷像現像用トナー中には、上記したバインダー樹脂及び着色剤成分の他に、本発明の効果に悪影響を与えない範囲で以下の化合物を含有させてもよい。例えば、シリコーン樹脂等である。
【0128】
上記のような構成を有する本発明の静電荷像現像用トナーを作製する具体的な方法としては、従来公知の方法をいずれも用いることができる。
【0129】
本発明においては、上記のような方法によって作製されたトナーに、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上のため、シリカ微粉末を外添することが好ましい。
【0130】
また、トナーの現像性及び耐久性を向上させるために、次に挙げるような無機粉体を添加することも好ましい。
【0131】
例えば酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化コバルト、二酸化マンガン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウムの微粉体を使用することが好ましい。更に、テフロンなど滑剤粉末をトナーに添加してもよい。
【0132】
<キャリアについて>
本発明の静電荷像現像用トナーは従来公知の種々のトナーに適用することができる。例えば、静電荷像現像用トナーは単独で非磁性一成分現像剤として用いることができる。
【0133】
本発明の静電荷像現像用トナーは、磁性キャリアとともに磁性二成分現像剤を構成したりする非磁性トナーや、単独で磁性一成分トナーとして使用される磁性トナー等として用いることができる。
【0134】
<磁性トナー>
本発明の静電荷像現像用トナーは、磁性材料をトナー粒子中に含有させ磁性トナーとしてもよい。この場合には、磁性材料に、着色剤の役割を兼ねさせることもできる。
【0135】
本発明において用いることのできるこれらの磁性材料としては、平均粒子径が2μm以下、好ましくは0.1ないし0.5μm程度のものが好ましい。
【0136】
トナー中に含有させる量としては、バインダー樹脂100質量部に対し20ないし200質量部、特に好ましくは、バインダー樹脂100質量部に対して 40ないし150質量部とすることが好ましい。
【0137】
更に、高画質化を達成するためには、より微小な潜像ドットを忠実に現像することを可能にする必要があり、そのためには、例えば、本発明の静電荷像現像用トナー粒子の重量平均径が4μmないし9μmの範囲内となるように調整することが好ましい。
【0138】
即ち、重量平均径が4μm未満のトナー粒子では、転写効率の低下が生じ、感光体上に転写残トナーが多く残り易く、カブリ・転写不良に基づく画像の不均一ムラの原因となり易く、好ましくない。
【0139】
また、トナー粒子の重量平均径が9μmを超える場合には、文字やライン画像の飛び散りが生じ易い。
【0140】
本発明において、トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA−II型或いはコールターマルチサイザー(ベックマンコールター社製)等を用いる。
【0141】
また、本発明の静電荷像現像用トナーは、単位質量あたりの帯電量(二成分法)が−10ないし−80μC/g、より好ましくは−15ないし−70μC/gであることが、電圧を印加した転写部材を用いる転写方法において転写効率を向上させる上で好ましい。
【0142】
本発明において使用した二成分法による帯電量の測定法を以下に示す。測定には、図1に示した帯電量測定装置を使用する。
【0143】
先ず、キャリアとしてのEFV 200/300(パウダーテック社製)9.5gに対して、測定対象のトナー0.5gを加えた混合物を調製する。
【0144】
この混合物を、50ないし100ml容量のポリエチレン製の瓶に入れ、振幅を一定にした振とう機に設置して、振とう条件を、振幅100mm、振とう速度1分間100回往復に設定し、一定時間振とうする。
【0145】
次いで、図1に示した帯電量測定装置41の、底に500メッシュのスクリーン43のある金属製の測定容器42に、前記混合物1.0ないし1.2gを入れて、金属製のフタ44をする。この時の測定容器42全体の質量を秤かりW1(g)とする。
【0146】
次に、不図示の吸引機(測定容器42と接する部分は少なくとも絶縁体)で吸引口47から吸引し、風量調節弁46を調節して真空計45の圧力が2450Pa(250mmAq)になるようにする。
【0147】
この状態で一分間吸引を行なって、トナーを吸引除去する。この時の電位計49の電位をV(ボルト)とする。ここで48はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。また、吸引後の測定機全体の質量を秤かりW2(g)とする。
【0148】
トナーの摩擦帯電量(μC/g)は、これらの測定値から、下式によって計算される。
計算式:摩擦帯電量(μC/g)=C×V/(W1−W2)
【0149】
これらの操作は一定の環境下(例えば、一定の温度及び湿度条件下で行われる。)
【0150】
<バインダー樹脂の分子量測定方法と分子量分布>
また、本発明の静電荷像現像用トナーの構成材料に用いられるバインダー樹脂としては、特に、粉砕法で作製した場合に、GPCによる分子量分布において、低分子量領域におけるピークが 3,000ないし15,000の範囲にあるようにすることが好ましい。
【0151】
即ち、低分子量領域におけるGPCピークが 15,000を超えると、転写効率の向上が充分なものが得られ難くなる場合がある。
【0152】
また、低分子量領域におけるGPCピークが 3000未満のバインダー樹脂を用いると、表面処理時に融着を生じ易くなるので、好ましくない。
【0153】
本発明において、バインダー樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定する。具体的なGPCの測定方法は下記の通りである。
【0154】
測定用のサンプルは、予めトナーをTHF(テトラヒドロフラン)溶剤でソックスレー抽出器を用いて20時間抽出を行なったものを用いた。カラム構成は、昭和電工製A−801、802、803、804、805、806、807を連結したものである。
【0155】
検量線としては標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い、分子量分布を測定した。
【0156】
本発明者らは、上記説明したポリマーが、荷電制御剤としてきわめて優れた特性を有することを見出している。これを後述する実施例において示す。
【実施例】
【0157】
まず、実施例A−1からN−3により、本発明により得られる新規なポリマーとその製造方法について説明する。その後、実施例1から40により、比較例を用いながら本発明に係るポリマー等の有用性を示す。
【0158】
なお、本発明に係る新規なポリマー、及びこれらの製造方法は、以下に示す実施例のみに限定されるものではない。
【0159】
以下の実験において、得られた化合物の構造決定は、フーリエ変換−赤外吸収(FT−IR)スペクトル(Nicolet AVATAR360FT−IR)により分析を行った。
【0160】
酸価滴定については、電位差滴定装置AT510(京都電子製)を用いる。
【0161】
<実施例A−1>
特登録第2745381号を参考に、重合を行う。
【0162】
ジカルボン酸として、イソフタル酸1.661g、ジアミンとして、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸1.882gを100ml三口フラスコにいれる。
【0163】
塩化リチウム0.12g、塩化カルシウム0.36g、N−メチル−2−ピロリドン20ml、ピリジン3ml、亜リン酸トリフェニル6.2gを加え、乾燥窒素雰囲気下100℃で6時間反応させる。
【0164】
反応終了後、1リットルのメタノール中にポリマー溶液を注ぎ入れ、ポリマーを析出させる。濾過後、40℃で12時間、真空乾燥を行う。
【0165】
得られたポリマーを、2mol/L(2N)塩酸を用いて洗浄を行い、40℃で12時間、真空乾燥を行う。
【0166】
IRスペクトル測定により、1650cm-1付近にアミド基に基づくと考えられる吸収が、1200cm-1付近にスルホン酸基に基づくと考えられる吸収が認めらたことから、スルホン酸基を有するポリマーの合成が確認される。
【0167】
<実施例B−1ないしN−1>
スルホン酸含有ポリマー合成に関して、
・使用するジアミンとその使用量
・使用するジカルボン酸とその使用量
・縮合剤使用量
・溶媒使用量
の条件を変更する以外は、実施例A−1と同様の操作を行い、ポリマーを合成した。その合成条件を表1−1に示す。
【0168】
それぞれ得られたポリマーを、IRスペクトル測定にかけることにより、所望のポリマーの合成が確認される。
【0169】
【表1−1】

【0170】
<実施例A−2>
実施例A−1で得られる、ポリマー0.4853gを200mlナスフラスコ中に入れて、クロロホルム33.97ml、メタノール9.71mlを加えて溶解し、0℃まで冷却する。
【0171】
これにエステル化剤として、2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン−ヘキサン溶液(Aldrich社製)7.22mlを加えて、4時間攪拌する。反応終了後、エバポレーターにより溶媒を留去した後、ポリマーを回収する。
【0172】
更に、クロロホルム33.97ml、メタノール9.71mlを加えて、ポリマーを再溶解させて、エバポレーターにより溶媒を留去する。この再溶解、溶媒留去の操作を3回繰り返す。
【0173】
ここで回収されるポリマーを、減圧乾燥することでポリマー約0.9228gを得ることができる。また、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることが、酸価滴定の滴定量により確認できる。
【0174】
<実施例B−2ないしN−2>
スルホン酸エステル基含有ポリマー合成に関して、
・使用するポリマー
・使用するエステル化剤とその使用量
・溶媒使用量
の条件を変更する以外は、実施例A−2と同様の操作を行い、ポリマーを合成する。その合成条件を表1−2に示す。
【0175】
【表1−2】

【0176】
スケールアップにより50gを得、この化合物を例示化合物A−2ないしN−2として、トナー調製ならびに評価する。
【0177】
<実施例A−3ないしN−3>
実施例A−2ないしN−2で用いたエステル化剤の代わりに、オルトギ酸トリエチルを同じモル濃度になるように用いて、反応温度を調節する以外は、実施例A−2ないしN−2と同様の操作を行い、ポリマーを合成する。
【0178】
スケールアップにより50gを得、この化合物を例示化合物A−3ないしN−3として、トナー調製ならびに評価する。
【0179】
(実施例1)
先ず、高速撹拌装置TK−ホモミキサーを備えた2リットル用の四つ口フラスコ中に、Na3PO4水溶液を添加し、回転数を 10,000rpmに調整し、60℃に加温する。
【0180】
ここにCaCl2水溶液を徐々に添加していき、微小な難水溶性分散剤Ca3(PO42を含む水系分散媒体を調製する。
【0181】
一方、下記組成をボールミルを用いて3時間分散させた後、離型剤(カルナバワックス、融点83℃)10質量部と、重合開始剤である2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10質量部を添加して重合性単量体組成物を調製する。
・スチレン単量体:82質量部
・エチルヘキシルアクリレート単量体:18質量部
・ジビニルベンゼン単量体:0.1質量部
・シアン着色剤(C.I.ピグメントブルー 15):6質量部
・酸化ポリエチレン樹脂(分子量 3200、酸価 8):5質量部
・例示化合物H−2:2質量部。
【0182】
次に、上記で得られた重合性単量体組成物を、先に調製した水系分散媒体中に投入し、回転数 10,000 rpmを維持しつつ造粒する。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、65℃で3時間反応させた後、80℃で6時間重合させて重合反応を終了する。
【0183】
反応終了後、懸濁液を冷却し、酸を加えて難水溶性分散剤Ca3(PO42を溶解した後、濾過、水洗、乾燥して青色重合粒子(1)を得る。
【0184】
得られた青色重合粒子(1)のコールターカウンターマルチサイザー(コールター社製)を用いて測定した粒度が重量平均粒径7.0μmで、微粉量(個数分布における 3.17μm以下の粒子の存在割合)が 5.0個数%程度になるようにする。
【0185】
上記で調製した青色重合粒子(1)100質量部に対して、流動向上剤としてヘキサメチルジシラザンで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:270m2/g)1.3質量部をヘンシェルミキサーで乾式混合して外添し、本実施例の青色トナー(1)とする。
【0186】
更に、この青色トナー(1) 7質量部と樹脂コート磁性フェライトキャリア(平均粒子径: 45μm) 93質量部とを混合して、磁気ブラシ現像用の2成分系青色現像剤(1)を調製する。
【0187】
(実施例2ないし5)
例示化合物H−2をそれぞれ例示化合物B−3、N−3、N−2、G−2とした以外は実施例1と同様の方法により、実施例2ないし5の青色トナー(2)ないし(5)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表2に示す。
【0188】
また、これを用いて実施例1と同様にして、実施例2ないし4の2成分系青色現像剤(2)ないし(5)を得る。
【0189】
(比較例1)
例示化合物を使用しない点以外は実施例1と同様の方法により、比較例1の青色トナー(6)を得る。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表2に示す。
【0190】
また、これを用いて実施例1と同様にして、比較例1の2成分系青色現像剤(6)を得る。
【0191】
<評価>
上記実施例1で得られた2成分系青色現像剤(1)ないし(5)および比較例1で得られた2成分系青色現像剤(6)の帯電量について評価する。
【0192】
トナーの帯電量の測定は、常温常湿(25℃、60%RH)、及び高温高湿(30℃、80%RH)のそれぞれの環境下で、先に述べた帯電量の測定方法を用いて、10秒、及び 300秒攪拌後のトナーについて行う。
【0193】
そして、2成分ブローオフ帯電量の測定値から少数以下第2位を四捨五入し、下記の基準で評価する。上述の実施例で得られた本発明に係る試料を用いた方が、比較例に比して帯電性が良好となる。
【0194】
(実施例6ないし10)
シアン着色剤の代わりにイエロー着色剤(ハンザイエローG)を使用して実施例1と同様の方法により、実施例6ないし10のイエロー(黄色)トナー(1)ないし(5)を得る。
【0195】
ここで例示化合物としては、B−2、L−3、H−3、J−2、A−3をそれぞれ2.0質量部用いる。
【0196】
これらのトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表2−1に示す。また、これを用いて実施例1と同様にして、2成分系イエロー(黄色)現像剤(1)ないし(5)を得る。
【0197】
(比較例2)
例示化合物を使用しない点およびシアン着色剤の代わりにイエロー着色剤(ハンザイエローG)を使用する点以外は実施例1と同様の方法により、比較例2のイエロー(黄色)トナー(6)を得る。
【0198】
このトナーの特性を実施例1と同様に測定する。また、これを用いて実施例1と同様にして、比較例2の2成分系イエロー(黄色)現像剤(6)を得る。
【0199】
<評価>
上記実施例6ないし10で得られた2成分系イエロー(黄色)現像剤(1)ないし(5)と、比較例2で得られた2成分系イエロー(黄色)現像剤(6)について、実施例1と同様にトナーの帯電量を測定し、評価する。
【0200】
(実施例11ないし15)
シアン着色剤の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量 110mL/100g)を使用して実施例1と同様の方法により、実施例11ないし15の黒色トナー(1)ないし(5)を得る。
【0201】
ここで例示化合物としては、K−2、C−3、G−3、I−2、N−3をそれぞれ2.0質量部用いる。
【0202】
これらのトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表2−1に示す。また、これを用いて実施例1と同様にして、2成分系黒色現像剤(1)ないし(5)を得る。
【0203】
(比較例3)
例示化合物を使用しない点およびシアン着色剤の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量 110ml/100g)を使用する点以外は実施例1と同様の方法により、比較例3の黒色トナー(6)を得る。
【0204】
このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表2−1に示す。また、これを用いて実施例1と同様にして、比較例3の2成分系黒色現像剤(6)を得る。
【0205】
<評価>
上記実施例11ないし15で得られた2成分系黒色現像剤(1)ないし(5)と、比較例3で得られた2成分系黒色現像剤(6)について、実施例1と同様に、トナーの帯電量を測定し、評価する。
【0206】
(実施例16)
・スチレン−ブチルアクリレート共重合樹脂(ガラス転移温度 70℃:100質量部
・マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド 114):5質量部
・ワックス(低分子ポリエチレン、融点94℃):7質量部
・例示化合物N−2:2質量部。
【0207】
上記組成を混合し、二軸エクストルーダー(L/D=30)で溶融混練する。この混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後に分級して、粉砕法によってマゼンタ着色粒子(1)を得る。
【0208】
このマゼンタ着色粒子(1)の粒度が、重量平均粒径 7.3μm、微粉量は 5.8個数%になるようにする。
【0209】
このマゼンタ着色粒子(1)100質量部に対して、流動向上剤として、ヘキサメチルジシラザンで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:250m2/g)1.5質量部をヘンシェルミキサーで乾式混合して、本実施例のマゼンタ(赤色)トナー(1)を得る。
【0210】
更に、得られたマゼンタ(赤色)トナー(1)7質量部と樹脂コート磁性フェライトキャリア(平均粒子径:45μm)93質量部とを混合して、磁気ブラシ現像用の2成分系マゼンタ(赤色)現像剤(1)を調製する。
【0211】
(実施例17ないし20)
例示化合物N−2をそれぞれ例示化合物F−2、I−3、K−3、M−2とした以外は実施例16と同様の方法により、実施例17ないし20のマゼンタ(赤色)トナー(2)ないし(5)を得る。
【0212】
このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表2に示す。また、これを用いて実施例16と同様にして、実施例17ないし20の2成分系マゼンタ(赤色)現像剤(2)ないし(5)を得る。
【0213】
(比較例4)
例示化合物を使用しない点以外は実施例16と同様の方法により、比較例4のマゼンタ(赤色)トナー(6)を得た。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表2に示す。
【0214】
また、これを用いて実施例16と同様にして、比較例4の2成分系マゼンタ(赤色)現像剤(6)を得る。
【0215】
<評価>
上記実施例17ないし20で得られた2成分系マゼンタ(赤色)現像剤(1)ないし(5)と、比較例4で得られた2成分系マゼンタ(赤色)現像剤(6)について、実施例1と同様に、トナーの帯電量を測定し、評価する。
【0216】
(実施例21ないし25)
マゼンタ顔料の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量 110ml/100g)を使用して、実施例16と同様の方法により、実施例21ないし25の黒色トナー(7)ないし(11)を得る。
【0217】
ここで例示化合物としては、M−3、D−3、E−2、J−3、L−2をそれぞれ 2.0質量部使用した。
【0218】
これらのトナーの特性を実施例1と同様に測定する。
【0219】
また、これを用いて実施例16と同様にして、2成分系黒色現像剤(7)ないし(11)を得る。
【0220】
(比較例5)
例示化合物を使用しない点およびマゼンタ顔料の代わりにカーボンブラック(DBP吸油量 110ml/100g)を使用する点以外は実施例16と同様の方法により、比較例5の黒色トナー(12)を得る。
【0221】
このトナーの特性を実施例1と同様に測定する。また、これを用いて実施例16と同様にして、比較例5の2成分系黒色現像剤(12)を得る。
【0222】
<評価>
上記実施例21ないし25で得られた2成分系黒色現像剤(7)ないし(11)と、比較例5で得られた2成分系黒色現像剤(12)について、実施例1と同様に、トナーの帯電量を測定し、評価する。これにより、本実施例の効果が確認できる。
【0223】
(実施例26)
・ポリエステル樹脂(軟化点 125℃):100質量部
・カーボンブラック(DBP吸油量 110ml/100g):5質量部
・ワックス(低分子ポリエチレン、融点94℃):7質量部
・例示化合物E−3:2質量部。
【0224】
ポリエステル樹脂は次のようにして合成する。ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 751部、テレフタル酸 104部および無水トリメリット酸 167部を、ジブチルチンオキサイド2部を触媒として重縮合する。
【0225】
上記組成を混合し、二軸エクストルーダー(L/D=30)で溶融混練する。この混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後に分級して、粉砕法によって黒色着色粒子(13)を得る。
【0226】
この黒色着色粒子(13)の粒度は、重量平均粒径 7.5μm、微粉量が 5.0個数%になるようにする。
【0227】
この黒色着色粒子(13)100質量部に対して、流動向上剤として、ヘキサメチルジシラザンで処理した疎水性シリカ微粉体(BET: 250m2/g)1.5質量部をヘンシェルミキサーで乾式混合して、本実施例の黒色トナー(13)を得る。
【0228】
更に、得られた黒色トナー(13) 7質量部と樹脂コート磁性フェライトキャリア(平均粒子径: 45μm) 93質量部とを混合して、磁気ブラシ現像用の2成分系黒色現像剤(13)を調製する。
【0229】
(実施例27ないし30)
例示化合物E−3をそれぞれ例示化合物A−2、D−2、C−2、F−3とした以外は実施例26と同様の方法により、実施例27ないし30の黒色トナー(14)ないし(17)を得る。
【0230】
このトナーの特性を実施例1と同様に測定する。また、これを用いて実施例26と同様にして、実施例27ないし30の2成分系黒色現像剤(14)ないし(17)を得る。
【0231】
(比較例6)
例示化合物を使用しない点以外は実施例26と同様の方法により、比較例6の黒色トナー(18)を得る。このトナーの特性を実施例1と同様に測定し、その結果を表2に示した。
【0232】
また、これを用いて実施例26と同様にして、比較例6の2成分系黒色現像剤(18)を得る。
【0233】
<評価>
上記実施例26ないし30で得られた2成分系黒色現像剤(13)ないし(17)と、比較例6で得られた2成分系黒色現像剤(18)について、実施例1と同様にトナーの帯電量を測定し、評価する。その結果を表2にまとめて示した。
【0234】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0235】
本発明に係るポリマーは、例えば、電子写真技術に用いられるトナーに含有される荷電制御剤に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0236】
【図1】トナーの帯電量を測定するブローオフ帯電量測定装置を示す模式図である。
【符号の説明】
【0237】
41 帯電量測定装置
42 測定容器
43 スクリーン
44 フタ
45 真空計
46 風量調節弁
47 吸引口
48 コンデンサー
49 電位計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式(1)で示されるユニットを有することを特徴とするポリマー。
【化1】

(式中、R1x、R1yは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、または化学式(101)で示される構造である。R1x、R1yの少なくとも一方に、置換基として、SO21(R1はハロゲン原子もしくはOR1aである。R1aは置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。)を有する。)
【化2】

(式中、Ar1a、Ar1bは、置換もしくは未置換の芳香族環構造であり、Z1aは、O、S、SO、SO2、CO、NHから選ばれる。)
【請求項2】
バインダー樹脂と着色剤と、化学式(201)で示されるユニットを有することを特徴とするポリマーとを少なくとも含有することを特徴とする静電荷像現像トナー。
【化3】

(式中、R201x、R201yは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、または化学式(202)で示される構造である。R201x、R201yの少なくとも一方に、置換基として、SO2201(R201はハロゲン原子、ONa、OKまたはOR201aである。R201aは置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。)を有する。)
【化4】

(式中、Ar202a、Ar202bは、置換もしくは未置換の芳香族環構造であり、Z202aは、O、S、SO、SO2、CO、NHから選ばれる。)
【請求項3】
化学式(201)で示されるユニットを有することを特徴とするポリマーを少なくとも含有することを特徴とする、粉粒体の荷電状態を制御する荷電制御剤。
【化5】

(式中、R201x、R201yは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、または化学式(202)で示される構造である。R201x、R201yの少なくとも一方に、置換基として、SO2201(R201はハロゲン原子、ONa、OKまたはOR201aである。R201aは置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。)を有する。)
【化6】

(式中、Ar202a、Ar202bは、置換もしくは未置換の芳香族環構造であり、Z202aは、O、S、SO、SO2、CO、NHから選ばれる。)
【請求項4】
化学式(301)で示すユニットを含むポリマーに、エステル化剤を用いてエステル化を行い化学式(302)に示すユニットを含むポリマーを得ることを特徴とするポリマーの製造方法。
【化7】

(式中、R301x、R301yは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、または化学式(401)で示される構造である。
301x、R301yの少なくとも一方に、置換基として、SO2301(R301はハロゲン原子、OH、ONaまたはOKである。)を有する。)
【化8】

(式中、Ar401a、Ar401bは、置換もしくは未置換の芳香族環構造であり、Z401aは、O、S、SO、SO2、CO、NHから選ばれる。)
【化9】

(式中、R302x、R302yは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、置換もしくは未置換の複素環構造、または化学式(402)で示される構造である。
302x、R302yの少なくとも一方に、置換基として、SO3302(R302は置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。)を有する。)
【化10】

(式中、Ar402a、Ar402bは、置換もしくは未置換の芳香族環構造であり、Z402aは、O、S、SO、SO2、CO、NHから選ばれる。)
【請求項5】
化学式(303X)で示すユニットと、化学式(303Y)に示すユニットを重縮合させることにより、化学式(302)に示すユニットを含むポリマーを得ることを特徴とするポリマーの製造方法。
【化11】

【化12】

(式中、R303x、R303yは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。
303yaは、水素原子、ハロゲン原子、NaまたはKである。
303x、R303yの少なくとも一方に、置換基として、SO3303(R303は置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造、または置換もしくは未置換の複素環構造である。)を有する。)

【図1】
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【公開番号】特開2008−127493(P2008−127493A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−315605(P2006−315605)
【出願日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】