説明

スルホン酸ポリエステルおよびポリウレタンを含む化粧品組成物

【課題】ヘアスタイルを固定し、形成し、長時間にわたり液状の水分と接触する場合に、ヘアスタイルの形を保持することができる化粧品組成物を提供する。
【解決手段】化粧品的に許容できる媒体中に、少なくとも1種の水分散性スルホン酸ポリエステルおよび400,000〜5,000,000g/molの数平均分子量を有する少なくとも1種のポリウレタンを配合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品的に許容できる媒体中に、少なくとも1種の水分散性スルホン酸ポリエステルおよび少なくとも1種の高分子量ポリウレタンを含む化粧品組成物、ならびに本化粧品組成物を使用する方法およびヘアスタイルを固着するための本化粧品組成物の使用に関する。
【0002】
本発明において、「高分子量ポリウレタン」は、ゲル浸透クロマトグラフィ(すなわちGPC)により決定される400,000〜5,000,000g/molの数平均分子量を有するポリウレタンである。
【背景技術】
【0003】
ヘアスタイルを形成および/または保持するための化粧品組成物は、通常アルコール性である溶液、および一般に高分子樹脂であって、一本一本の毛髪間に結合点を形成するか毛髪を被覆する機能を有する、固着成分として知られている1つまたは複数の成分から本質的に構成されるスプレー組成物であることができる。これらの固着成分は頻繁に、種々の化粧品補助剤との混合物として処方される。
【0004】
これらの化粧品組成物は一般に、ポンプディスペンサーボトルまたは噴霧剤により加圧されたエアロゾル容器に入れて提供される。その場合エアロゾル系は、第1に液相(すなわち液体)、第2に噴霧剤を含む。
【0005】
ゲル、クリームまたはムース形態のスタイリング組成物を使用することもまた可能である。
【0006】
固着化合物は、一度毛髪に適用させると、毛髪を固定させる。
【0007】
しかし、現在固着剤としてスタイリング組成物に使用されているポリマーは、例えば雨、発汗との接触、または水浴、すなわち海または水泳プール等での水浴の間に、長時間にわたり液状の水分と接触する場合、ヘアスタイルの形を保持することができない。
【非特許文献1】ASTM標準D3418-97
【特許文献1】米国特許出願第3734874号
【特許文献2】米国特許出願第3779993号
【特許文献3】米国特許出願第4119680号
【特許文献4】米国特許出願第4300580号
【特許文献5】米国特許出願第4973656号
【特許文献6】米国特許出願第5660816号
【特許文献7】米国特許出願第5662893号
【特許文献8】米国特許出願第5674479号
【特許文献9】欧州特許第1083867号
【特許文献10】欧州特許第0751162号
【特許文献11】欧州特許第0637600号
【特許文献12】フランス特許第2743297号
【特許文献13】欧州特許第0648485号
【特許文献14】欧州特許第0656012号
【特許文献15】WO94/03510号
【特許文献16】欧州特許第0619111号
【特許文献17】フランス特許第1222944号
【特許文献18】ドイツ特許出願第2330956号
【特許文献19】ルクセンブルク特許出願第75370号
【特許文献20】ルクセンブルク特許出願第75371号
【特許文献21】フランス特許第1222944号
【特許文献22】フランス特許第1580545号
【特許文献23】フランス特許第2265782号
【特許文献24】フランス特許第2265781号
【特許文献25】フランス特許第1564110号
【特許文献26】フランス特許第2439798号
【特許文献27】米国特許第2047398号
【特許文献28】米国特許第2723248号
【特許文献29】米国特許第2102113号
【特許文献30】ドイツ特許第839805号
【特許文献31】フランス特許第2350384号
【特許文献32】フランス特許第2357241号
【特許文献33】フランス特許第2198719号
【特許文献34】米国特許第4128631号
【特許文献35】欧州特許出願第080976号
【特許文献36】フランス特許第2077143号
【特許文献37】フランス特許第2393573号
【特許文献38】米国特許第3589578号
【特許文献39】米国特許第4031307号
【特許文献40】米国特許第3836537号
【非特許文献2】CTFA(第4版、1991年)
【特許文献41】フランス特許第1400366号
【特許文献42】欧州特許出願第0412704号
【特許文献43】欧州特許出願第0412707号
【特許文献44】欧州特許出願第0640105号
【特許文献45】WO95/00578号
【特許文献46】欧州特許出願第0582152号
【特許文献47】WO93/23009号
【特許文献48】米国特許第4693935号
【特許文献49】米国特許第4728571号
【特許文献50】米国特許第4972037号
【非特許文献3】Walter Noll、「Chemistry and Technology of Silicones」(1968)、Academic Press
【非特許文献4】Cosmetics and Toiletries、Vol.91、1976年1月、27〜32頁、Todd & Byers、「Volatile Silicone Fluids for Cosmetics」
【特許文献51】フランス特許出願第85/16334号
【特許文献52】米国特許第4957732号
【特許文献53】欧州特許第186507号
【特許文献54】欧州特許出願第342834号
【特許文献55】特開平2-295912号
【特許文献56】フランス特許第2416723号
【特許文献57】米国特許第2798053号
【特許文献58】米国特許第2923692号
【非特許文献5】M.R.Porter、「Handbook of Surfactants」、Blackie & Son(Glasgow and London)、1991年、116〜178頁
【特許文献59】米国特許第2528378号
【特許文献60】米国特許第2781354号
【非特許文献6】CTFA dictionary、第5版、1993年
【特許文献61】米国特許出願第4874554号
【特許文献62】米国特許出願第4137180号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
驚くべきことに、また有利なことに、本出願人は、化粧品的に許容できる媒体中に、少なくとも1種の水分散性スルホン酸ポリエステルおよび少なくとも1種の高分子量ポリウレタンを含む化粧品組成物の使用がヘアスタイルを固定し、形成し、長時間にわたり液状の水分と接触する場合に、ヘアスタイルの形を保持することができることを見出した。
【0009】
本発明において、この現象は「耐水性」と称される。
【0010】
本特許出願では「長時間」により、1分間、好ましくは10分間、より好ましくは20分間の最短時間にわたる水との接触を意味する。
【0011】
本発明の組成物はまた大気湿気に耐性のあるヘアスタイルを得ることを可能にもする。
【0012】
本発明の組成物は、効果的な毛髪固着および効果的な毛髪保持、すなわち1日中または数日間持続し、良好な耐水性、特に反復的水浴に対する耐性を示すスタイリング効果を可能にし、これらの組成物はまたシャンプーにより除去されるという利点をも示す。
【0013】
これらの組成物はまた良好な化粧特性を与えることをも可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、化粧品的に許容できる媒体中に、少なくとも1種の水分散性スルホン酸ポリエステルおよび400,000〜5,000,000g/molの数平均分子量を有する少なくとも1種のポリウレタンを含む化粧品組成物を提供する。
【0015】
本発明は、さらに本発明の化粧品組成物を使用する、ヘアスタイルを形成および保持する方法を提供する。
【0016】
本発明は、第3に、化粧品的に許容できる媒体中に、少なくとも1種の水分散性スルホン酸ポリエステルおよび400,000〜5,000,000g/molの数平均分子量を有する少なくとも1種のポリウレタンを含む化粧品組成物の、特に毛髪が長時間にわたり液状の水分と接触する場合、すなわち雨、発汗、または水浴、すなわち海または水泳プールでの水浴等の場合に、毛髪を固着および保持するためのスタイリング組成物としての使用を提供する。
【0017】
本発明のこの第3の主題によれば、組成物の使用は耐水性のヘアスタイル(整えた毛髪)を得ることを可能にする。
【0018】
本発明の化粧品組成物は、任意の形態、すなわちローション、スプレー、ムース、ゲル、クリーム等であることができる。
【0019】
本発明の他の主題、特徴、態様および利点は下記の記述および実施例を読むことによりさらにより明白になるであろう。
【0020】
本特許出願では「化粧用スタイリング組成物」により、ヘアスタイルを形成または保持するための組成物を意味する。
【0021】
本特許出願に基づく組成物に使用される化粧品的に許容できる媒体は、水性溶媒または水/有機溶媒媒体である。
【0022】
本発明の組成物に使用される有機溶媒は、エタノール、イソプロパノール、tert-ブタノール、n-ブタノール、またはポリオールもしくはポリオールエーテルなどのC1〜C4低級アルコールであることができる。使用される溶媒は、好ましくはエタノールまたはプロピレングリコールまたはグリセロールである。
【0023】
本発明の組成物の溶媒の濃度は、組成物の全重量に対して、0〜70重量%、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜15重量%である。
【0024】
組成物は好ましくはC1〜C4アルコールを含まない。
【0025】
本発明の組成物に有用な追加の有機溶媒は、プロピレングリコール、ポリオールエーテルおよびこれらの混合物などのポリオールを含む。
【0026】
本発明の組成物中の追加の有機溶媒の濃度は、組成物の全重量に対して、0〜70重量%、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜15重量%である。
【0027】
本発明の組成物は、水分散性スルホン酸ポリエステルを含む。
【0028】
スルホン酸ポリエステルは、直鎖であっても分枝状であってもよい。
【0029】
水分散性スルホン酸ポリエステルは、第1相が、連続相である第2相中に均一に分散された微細分離粒子から形成されている2相系である分散液を形成することができる任意のスルホン酸ポリエステルである。
【0030】
スルホン酸ポリエステルは、少なくとも1種のジカルボン酸または1種のそのエステル、少なくとも1種のジオール、および式中Mが水素原子またはNa+、Li+もしくはK+などの金属イオンを表す基-SO3Mが芳香核上に置換された少なくとも1種のスルホアリールジカルボン酸二官能性化合物の重縮合で得られるコポリエステルを意味する。
【0031】
水分散性直鎖スルホン酸ポリエステルは、一般にゲル浸透クロマトグラフィ(すなわちGPC)により決定される約1,000〜60,000、好ましくは4,000〜20,000の重量平均分子量を有する。
【0032】
この直鎖スルホン酸ポリエステルのガラス転移温度(Tg)は、一般に10℃〜100℃の範囲内である。使用されるポリエステルまたはポリエステル類のTgは、好ましくは50℃以上である。
【0033】
ガラス転移温度(Tg)は、ASTM標準D3418-97に基づき、示差エンタルピー分析(DSC、示差走査熱量計)により測定する。
【0034】
これらは、米国特許出願第3734874号、第3779993号、第4119680号、第4300580号、第4973656号、第5660816号、第5662893号および第5674479号にさらに詳述されている。
【0035】
本発明において好適に使用されるスルホン酸ポリエステルは、イソフタル酸から、スルホアリールジカルボン酸塩から、およびジエチレングリコールから誘導される少なくとも1種の単位を含み、より好ましくは本発明において使用されるスルホン酸ポリエステルは、イソフタル酸、スルホイソフタル酸のナトリウム塩、ジエチレングリコールおよび1,4-シクロヘキサンジメタノールから得られる。
【0036】
直鎖スルホン酸ポリエステルの例は、特にINCI名Diglycol/CHDM/Isophthalates/SIPで知られ、Eastman AQ polymer(AQ35S、AQ38S、AQ55S、AQ48 Ultra)の商品名でEastman Chemicalにより販売されている直鎖スルホン酸ポリエステルを含む。
【0037】
分枝状スルホン酸ポリエステルの例は、Eastman Chemicalにより販売されているAQ 1350など、欧州特許第1083867号に記述されている分枝状スルホン酸ポリエステルを含む。
【0038】
本発明の組成物において使用される水分散性スルホン酸ポリエステルの濃度は、組成物の全重量に対して、0.1重量%〜40重量%、好ましくは1重量%〜30重量%、より好ましくは5重量%〜25重量%である。
【0039】
ポリウレタン
本発明の組成物は、400,000〜5,000,000g/molの数平均分子量を有する少なくとも1種のポリウレタンを含む。
【0040】
本発明においてポリウレタンは、少なくとも1種のポリウレタン配列を含む重縮合物を意味する。これらは特に、本出願人が権利所有者である欧州特許第0751162号、欧州特許第0637600号、フランス特許第2743297号および欧州特許第0648485号、ならびにBASFの欧州特許第0656012号またはWO94/03510号ならびにNational Starchの欧州特許第0619111号にも記述されている。
【0041】
本発明において使用されるポリウレタンは、特に有機または無機塩基による中和後に、化粧品的に許容できる水性媒体に可溶であることができ、あるいは前記媒体中に分散液を形成してもよい。その場合、分散液は少なくとも0.05%の界面活性剤を含んでよく、非会合性ポリウレタンを分散させ、分散液中に保持することを可能にする。
【0042】
本発明において、前記分散液中にいかなる種類の界面活性剤をも使用することが可能であるが、非イオン性界面活性剤が好ましい。分散液中の非会合性ポリウレタンの平均粒子サイズは、好ましくは0.1〜1マイクロメートルである。
【0043】
例証として、ポリウレタンはブロックの配列により形成することができ、この配列は特に、
(1)1分子あたり2個以上の活性水素原子を含む少なくとも1種の化合物、
(2)少なくとも1種のジオールまたは酸性官能基を含むジオールの混合物、あるいはこれらの塩、および
(3)少なくとも1種のジ-またはポリイソシアナート
から得られる。
【0044】
化合物(1)は有利には、ジオール、ジアミン、ポリエステロールまたはこれらの混合物からなるグループから選択される。
【0045】
好ましい化合物(1)は、特に酸化エチレンまたは酸化プロピレンを水と反応させるか、あるいはジエチレンまたはジプロピレングリコールを触媒としての水酸化ナトリウムの存在下で反応させることにより得られる、直鎖ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールである。これらのポリアルキレングリコールは一般に、約600〜20,000の分子量を有する。
【0046】
他の好ましい有機化合物は、メルカプト、アミノ、カルボキシルまたはヒドロキシル基を有する有機化合物である。これらはより好ましくは、ポリエーテル-ジオール、ポリエステル-ジオール、ポリアセタール-ジオール、ポリアミド-ジオール、ポリエステル-ポリアミド-ジオール、ポリ(アルキレンエーテル)-ジオール、ポリチオエーテル-ジオールおよびポリカーボネート-ジオールを含む。
【0047】
好ましいポリエーテル-ジオールは、例えば、酸化エチレン、酸化プロピレンまたはテトラヒドロフランの縮合生成物、グラフト化しているかまたはブロック状のこれらの共重合または縮合生成物、例えば酸化エチレンおよび酸化プロピレンの縮合物の混合物など、ならびにオレフィンと酸化アルキレン縮合物との高圧重合生成物である。適切なポリエーテル-ジオールは、例えば酸化アルキレンとエチレングリコール、プロピレン1,2-グリコールおよび1,4-ブタンジオールなどの多価アルコールとを縮合させることにより調製される。
【0048】
ポリエステル-ジオール、ポリエステル-アミドおよびポリアミド-ジオールは、好ましくは飽和であり、例えば、飽和または不飽和ポリカルボン酸と多価アルコール、ジアミンまたはポリアミンとの反応から得られる。これらの化合物は、例えば、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、テレフタル酸およびマレイン酸を用いて調製できる。ポリエステルを調製するのに適した多価アルコールは、例えば、エチレングリコール、プロピレン1,2-グリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコールおよびへキサンジオールを含む。アミノアルコール、例えばエタノールアミンを使用することもまた可能である。アミド-ポリエステルを調製するのに適したジアミンは、エチレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミンである。
【0049】
適切なポリアセタールは、例えば、1,4-ブタンジオールまたはへキサンジオールおよびホルムアルデヒドから調製することができる。適切なポリチオエーテルは、例えば、チオグリコールの、単独あるいはエチレングリコール、プロピレン1,2-グリコールなどの他のグリコールとのまたは他の多水酸基化合物と組み合わせての、縮合反応により調製することができる。ウレタン基、追加で修飾されていてよい天然ポリオール、例えばヒマシ油および炭水化物をすでに含んでいる多水酸基化合物もまた使用することができる。
【0050】
より好ましくは、化合物(1)は、ポリエステロール、特に少なくとも1種の(ジ)-ポリオール(1a)と少なくとも1種の酸(1b)の反応により形成されるポリエステル-ジオールである。(ジ)-ポリオール(1a)は、特にネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコールおよび(ジ)-プロピレングリコールからなるグループから選択される。酸(1b)は、特にフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸および(ポリ)乳酸からなるグループから選択される。
【0051】
化合物(2)として、特にジメチロールプロピオン酸(DMPA)または2,2-ヒドロキシメチルカルボン酸などのヒドロキシカルボン酸を使用することも可能である。一般に、化合物(2)は、カップリングブロックとして有用である。化合物(2)として、少なくとも1種のポリ(β,β-ジヒドロキシカルボン酸)を含む化合物が好ましい。
【0052】
本発明に基づく特に好ましい化合物(2)は、2,2-ジ(ヒドロキシメチル)酢酸、2,2-ジヒドロキシメチルプロピオン酸、2,2-ジヒドロキシメチル酪酸および2,2-ジヒドロキシメチルペンタン酸からなるグループから選択される化合物である。
【0053】
ジ-またはポリイソシアナート(3)は、特にヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート(IPDI)、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4'-ジイソシアナート(DPMD)およびジクロロヘキシルメタン4,4'-ジイソシアナート(DCMD)、メチレンジ-p-フェニルジイソシアナート、メチレンビス(4-シクロヘキシルジイソシアナート)、トルエンジイソシアナート、ナフタレン1,5-ジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4'-ジイソシアナート、2,2'-ジメチルジフェニルメタン4,4'-ジイソシアナート、フェニレン1,3-ジイソシアナート、フェニレン1,4-ジイソシアナート、トルエン2,4-と2,6-ジイソシアナートの混合物、2,2'-ジクロロ-4,4'-ジイソシアナートジフェニルメタン、2,4-ジブロモ-1,5-ジイソシアナートナフタレン、ブタン1,4-ジイソシアナート、ヘキサン1,6-ジイソシアナートおよびシクロヘキサン1,4-ジイソシアナートからなるグループから選択することができる。
【0054】
非会合性ポリウレタンは、一般にその鎖を延長する働きのある追加の化合物(4)によって形成することができる。これらの化合物(4)は、特に、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコールおよびトリエチレングリコールなどの飽和または不飽和グリコール;エタノールアミン、プロパノ-ルアミンおよびブタノールアミンなどのアミノアルコール;複素環式、芳香族、脂環式および脂肪族の第1級アミン;ジアミン;脂肪族、芳香族および複素環式カルボン酸などのカルボン酸;例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸およびテレフタル酸;ならびにアミノカルボン酸からなるグループから選択することができる。好ましい化合物(4)は、脂肪族ジオールである。
【0055】
本発明において使用されるポリウレタンはまた、ポリシロキサン、ポリアルキルシロキサンまたはポリアリールシロキサン、特に、任意にケイ素原子にグラフト化した炭化水素鎖を含んでもよいポリエチルシロキサン、ポリメチルシロキサンおよびポリフェニルシロキサンなど、シリコーン骨格を有する追加の化合物(5)から形成されてもよい。
【0056】
使用されるポリウレタンは、有利には一般式(I)に対応する塩基繰り返し単位を含む。
-O-B-O-CO-NH-R-NH-CO- (I)
式中、
- BはC1〜C30の2価炭化水素基であって、この基は不置換であるかまたは1個または複数のカルボン酸官能基および/または1個または複数のスルホン酸化官能基で置換され、前記カルボン酸および/またはスルホン酸官能基は、遊離の形態あるいは完全または部分的に無機または有機塩基により中和されており、
- Rは、例えば、C1〜C20アルケン基、C6〜C20アリーレン基またはC3〜C20シクロアルキレン基、あるいはこれらの組合せなどのC1〜C20脂肪族炭化水素、C3〜C20脂環式炭化水素およびC6〜C20の芳香族炭化水素基から選択される2価の基であって、これらの基は、置換されているかまたは非置換である。
【0057】
基Rは、有利には以下の式を含む基から選択される。
【0058】
【化1】

【0059】
式中、bは、0〜3の整数でありcは、1〜20、好ましくは2〜12の整数である。
【0060】
特に、基Rは、ヘキサメチレン、4,4'-ジフェニレンメタン、2,4-および/または2,6-トリレン、1,5-ナフチレン、p-フェニレンおよびメチレン-4,4'-ビスシクロヘキシル基ならびにイソホロンから誘導される2価の基から選択される。
【0061】
本発明において使用されるポリウレタンは、少なくとも1つのポリシロキサン配列をさらに含んでよい。
【0062】
本発明のポリウレタンは、好ましくは非会合性であり、すなわちその構造は、10を超える炭素原子を含むアルキルまたはアルケニル鎖を含まない。
【0063】
ポリウレタンは、特に本発明の組成物中に、ケラチン物質の化粧的トリートメントのための組成物の全重量に対して、0.05重量%〜40重量%、好ましくは0.1重量%〜20重量%、より好ましくは1重量%〜8重量%の量で存在する。
【0064】
ポリウレタンは、有利には、約400,000〜3,000,000、好ましくは1,000,000〜2,500,000の分子量を有する。
【0065】
ポリウレタンは、より有利には、PPG-17(単位数nが17のポリプロピレングリコール)/IPDI (ジイソシアン酸イソホロン)/DMPA(ジメチロールプロピオン酸)から形成されるアニオン性コポリマーである、Noveonにより販売されているAvalure UR-450である。水性媒体中で、この製品は分散液の形態である。この製品の分子量は、1,830,000g/molである。
【0066】
組成物
本特許出願の組成物は、以下に挙げるものなどの1つまたは複数の追加の化粧用補助剤をさらに含むことができる。
【0067】
技術的に使用される追加のアニオン性、カチオン性、両性および非イオン性固着ポリマーおよびこれらの混合物はすべて、本特許出願の組成物において使用することができる。
【0068】
固着ポリマーは、化粧品的に許容できる媒体に可溶であっても、あるいは前記媒体中に不溶であってもよく、不溶である場合、固体または液体のポリマー粒子(ラテックスまたは疑似ラテックス)の分散液の形態で使用してもよい。
【0069】
一般に使用されるアニオン性固着ポリマーは、カルボン酸、スルホン酸またはリン酸から誘導される基を含み、約500〜5,000,000の数平均分子量を有するポリマーである。
【0070】
カルボキシル基は、下記式に対応するものなどの不飽和モノ-またはジカルボン酸モノマーにより提供される。
【0071】
【化2】

【0072】
式中、nは、0から10の整数であり、A1は、nが1より大きいとき、任意選択で、酸素またはイオウなどのヘテロ原子により不飽和基の炭素原子または隣接するメチレン基に結合したメチレン基を表し、R7は水素原子またはフェニルまたはベンジル基を表し、R8は水素原子または低級アルキルまたはカルボキシル基を表しR9は水素原子、低級アルキル基、基-CH2-COOHあるいはフェニルまたはベンジル基を表す。
【0073】
前述の式において、低級アルキル基は、好ましくは1から4個の炭素原子を有する基、特にメチルおよびエチル基を表す。
【0074】
アニオン性固着ポリマーは、好ましくはアクリル酸およびメタクリル酸のホモポリマーまたはコポリマーあるいはこれらの塩、クロトン酸のコポリマー、C4〜C8モノ不飽和カルボン酸または無水物のコポリマー、カルボキシラート基を含むポリアクリルアミド、スルホン酸基を含むホモポリマーまたはコポリマー、アニオン性ポリウレタン、およびグラフト化アニオン性シリコーンポリマーから選択される。
【0075】
本発明において好ましいカルボン酸基を含むアニオン性固着ポリマーとしては、
A)アクリル酸またはメタクリル酸のホモ-またはコポリマーあるいはこれらの塩、特にVersicol(登録商標)EまたはKの名称でAllied Colloidにより販売されている製品およびUltrahold(登録商標)の名称でBASFにより販売されている製品、ナトリウム塩の形態でReten 421、423および425の名称でHerculesにより販売されているアクリル酸およびアクリルアミドのコポリマー、ポリヒドロキシカルボン酸;
B)任意選択でポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールにグラフト化した、アクリル酸またはメタクリル酸とエチレン、スチレン、ビニルエステル、アクリル酸またはメタクリル酸エステルなどのモノエチレンモノマーとのコポリマー。このようなポリマーは、特にフランス特許第1222944号およびドイツ特許出願第2330956号に記述されており、この種のコポリマーは、特にルクセンブルク特許出願第75370号および第75371号に記述されているように、あるいはQuadramerの名称でAmerican Cyanamidにより販売されているように、その鎖中にN-アルキル化および/またはヒドロキシアルキル化アクリルアミド単位を任意選択で含んでいる。クリル酸およびC1〜C4アルキルメタクリレートのコポリマーならびにビニルピロリドン、アクリル酸およびC1〜C20アルキル、例えばラウリルのメタクリレートのターポリマー、例えばAcrylidone(登録商標)LMの名称でISPにより販売されている製品およびLuvimer(登録商標)100 Pの名称でBASFにより販売されている製品などのメタクリル酸/アクリル酸エチル/アクリル酸tert-ブチルターポリマーもまた挙げられる。
【0076】
水性分散液として、Amerhold(登録商標)DR 25の名称でAmercholにより販売されている、メタクリル酸/アクリル酸/アクリル酸エチル/メタクリル酸メチル;
C)クロトン酸コポリマー、例えばその鎖中に酢酸ビニルまたはプロピオン酸ビニル単位および、任意選択でアリルエステルまたはメタアリルエステル、少なくとも5個の炭素原子を含むものなど長い炭化水素鎖を有する直鎖または分枝状飽和カルボン酸のビニルエーテルまたはビニルエステルなどの他のモノマーを含むクロトン酸コポリマーで、これらのポリマーは任意選択でグラフト化または架橋すること、あるいは別法としてもう1つのα-またはβ-環状カルボン酸のビニル、アリルまたはメタアリルエステルモノマーであることが可能である。このようなポリマーは特に、フランス特許第1222944号、第1580545号、第2265782号、第2265781号、第1564110号および第2439798号に記述されている。この種類に分類される市販製品はNational Starchにより販売されているresins 28-29-30、26-13-14および28-13-10である;
D) - (i)1種または複数のマレイン、フマルまたはイタコン酸または無水物および(ii)少なくとも1種のビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、フェニルビニル誘導体、アクリル酸およびそのエステルを含むコポリマーであって、無水官能基は任意選択でモノエステル化またはモノアミド化されているコポリマー。このようなポリマーは特に米国特許第2047398号、第2723248号および第2102113号ならびにドイツ特許第839805号に記述されている。市販製品は特に、Gantrez(登録商標)ANまたはESの名称でISPにより販売されている製品である;
- (i)1種または複数のマレイン、シトラコンまたはイタコン酸無水物単位、および(ii)1種または複数のアクリルアミド、メタクリルアミド、α-オレフィン、アクリル酸またはメタクリル酸エステル、アクリル酸またはメタクリル酸あるいはビニルピロリドン基をその鎖の中に含んでもよいアリルまたはメタアリルエステルから選択される1種または複数のモノマーを含むコポリマーであって、
無水官能基はモノエステル化またはモノアミド化されていてもよいコポリマー
から選択されるC4〜C8モノ不飽和カルボン酸または無水物のコポリマー;
もまた挙げられる。
【0077】
これらのポリマーは、例えば、本出願人によるフランス特許第2350384号および第2357241号に記述されている;
E)カルボキシル基を含むポリアクリルアミド。
【0078】
スルホン酸基を含むホモポリマーおよびコポリマーはビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸またはアクリルアミドアスキルスルホン酸単位を含むポリマーである。
【0079】
これらのポリマーは特に、
- 約1,000〜100,000の分子量を有するポリビニルスルホン酸塩、ならびにアクリル酸またはメタクリル酸およびこれらのエステルなどの不飽和コモノマーを有するコポリマー、ならびにアクリルアミドまたはその誘導体、ビニルエステルおよびビニルピロリドン;
- ポリスチレンスルホン酸塩、例えばFlexan(登録商標)500およびFlexan(登録商標)130の名称でNational Starchにより販売されているナトリウム塩など。これらの化合物はフランス特許第2198719号に記述されている;
- ポリアクリルアミドスルホン酸塩、例えば米国特許第4128631号に言及されているものおよびより具体的にはCosmedia Polymer HSP 1180の名称でHenkelにより販売されているポリアクリルアミドエチルプロパンスルホン酸など
から選択されることができる。
【0080】
本発明において使用されることができるもう1つのアニオン性固着ポリマーとして、Fixate G-100の名称でNoveonにより販売されている分枝状ブロックアニオンポリマーが挙げられる。
【0081】
本発明において、アニオン性固着ポリマーは、好ましくは、アクリル酸コポリマー、特にUltrahold(登録商標)Strongの名称でBASFにより販売されているアクリル酸/アクリル酸エチル/N-tert-ブチルアクリルアミドターポリマーなど、クロトン酸から誘導されるコポリマー、特にResine 28-29-30の名称でNational Starchにより販売されているクロトン酸/酢酸ビニル/ネオデカン酸ビニルターポリマーなど、マレイン酸、フマル酸またはイタコン酸あるいは無水物から誘導されるビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、フェニルビニル誘導体およびアクリル酸およびこれらのエステルとのポリマー、例えばGantrez(登録商標)の名称でISPにより販売されているメチルビニルエーテル/モノエステル化マレイン酸無水物コポリマー、Eudragit(登録商標)Lの名称でRohm Pharmaにより販売されているメタクリル酸とメタクリル酸メチルのコポリマー、Luviset CA 66の名称でBASFにより販売されているポリエチレングリコールによりグラフト化された酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、Aristoflex(登録商標)Aの名称でBASFにより販売されている酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ならびにFixate G-100の名称でNoveonにより販売されているポリマーなどから選択される。
【0082】
前述のアニオン性固着ポリマーの中で、本発明の文脈においてより特に好ましいのは、Gantrez(登録商標)ES 425の名称でISPにより販売されているメチルビニルエーテル/モノエステル化マレイン酸無水物コポリマー、Ultrahold(登録商標)Strongの名称でBASFにより販売されているアクリル酸/アクリル酸エチル/N-tert-ブチルアクリルアミドターポリマー、Eudragit(登録商標)Lの名称でRohm Pharmaにより販売されているメタクリル酸とメタクリル酸メチルのコポリマー、酢酸ビニル/tert-ブチル安息香酸ビニル/クロトン酸ターポリマーおよびResine 28-29-30の名称でNational Starchにより販売されているクロトン酸/酢酸ビニル/ネオデカン酸ビニルターポリマー、Luvimer(登録商標)MAEXまたはMAEの名称でBASFにより販売されているメタクリル酸とアクリル酸エチルのコポリマー、Acrylidone(登録商標)LMの名称でISPにより販売されているビニルピロリドン/アクリル酸/メタクリル酸ラウリルターポリマー、およびFixate G-100の名称でNoveonにより販売されているポリマーを使用することである。
【0083】
本発明において使用することができるカチオン性固着ポリマーは、好ましくは、ポリマー鎖の一部を形成するかまたはそこに直接結合し、500〜約5,000,000、好ましくは1,000〜3,000,000の分子量を有する第1級、第2級、第3級および/または第4級アミン基を含むポリマーから選択される。
【0084】
好ましくは、カチオン性固着ポリマーは、アクリル酸またはメタクリル酸エステルまたはアミン官能基を含むアミド、カチオン性多糖類、第4級ビニルピロリドン-ビニルイミダゾールコポリマー、およびキトサンから選択される。
【0085】
これらのポリマーの中で、より具体的には以下のカチオン性ポリマーが挙げられる:
(1)アクリル酸またはメタクリル酸エステルまたはアミドから誘導され以下の式の少なくとも1つの単位を含むホモポリマーまたはコポリマー:
【0086】
【化3】

【0087】
式中、
R3は、水素原子またはCH3基を表し、
Aは、1から6個の炭素原子を含む直鎖または分枝状アルキル基あるいは1から4個の炭素原子を含むヒドロキシアルキル基であり、
R4、R5およびR6は、同一でも異なっていてもよく、1から18個の炭素原子またはベンジル基を有するアルキル基を表し、
R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、それぞれハロゲン原子または1から6個の炭素原子を有するアルキル基を表し、
Xは、メト硫酸アニオンあるいは塩化物または臭化物などのハロゲン化物を表す。
【0088】
種類(1)のコポリマーはまた、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、窒素を低級(C1〜C4)アルキル基で置換されたアクリルアミドおよびメタクリルアミド、アクリル酸またはメタクリル酸またはこれらのエステルから誘導される基、ビニルピロリドンまたはビニルカプロラクタムなどのビニルラクタム、ならびにビニルエステルといった種類から選択することができる1つまたは複数のコモノマー単位をも含む。
【0089】
したがって、これら種類(1)のコポリマーの中で:
- アクリルアミドおよび硫酸ジメチルまたはハロゲン化ジメチルにより4級化されたメタクリル酸ジメチルアミノエチルのコポリマー、例えばHercofloc(登録商標)の名称でHerculesにより販売されている製品など、
- アクリルアミドおよび塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムのコポリマー、例えば欧州特許出願第080976号に記述され、Bina Quat P 100の名称でCiba Geigyにより販売されているもの、
- アクリルアミドおよびメタ硫酸メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムのコポリマー、例えばRetenの名称でHerculesにより販売されている製品など、
- 4級化または非4級化ビニルピロリドン/アクリル酸またはメタクリル酸ジアルキルアミノアルキルコポリマー、例えば「Gafquat(登録商標)」の名称でISPにより販売されている製品、例えば「Gafquat(登録商標)734」または「Gafquat(登録商標)755」など、または別法として、「Copolymer(登録商標)845、958および937」として知られている製品。これらのポリマーはフランス特許第2077143号および第2393573号に詳細に記述されている、
- ビニルピロリドン単位を含む脂肪鎖ポリマー、例えばStyleze W20およびStyleze W10の名称でISPにより販売されている製品など、
- メタクリル酸ジメチルアミノエチル/ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドンターポリマー、例えばGaffix VC 713の名称でISPにより販売されている製品など、
- 4級化ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドコポリマー、例えば「Gafquat(登録商標)HS 100」の名称でISPにより販売されている製品など;
(2)好ましくは第4級アンモニウムを含むカチオン性多糖類、例えば米国特許第3589578号および第4031307号に記載されているものなど、トリアルキルアンモニウムカチオン基を含むグアーガムなど。このような製品は特にJaguar C13 S、Jaguar C 15およびJaguar C 17の商品名でMeyhallにより販売されている;
(3)ビニルピロリドンおよびビニルイミダゾールの第4級コポリマー;
(4)キトサンまたはこれらの塩;使用できる塩は、特に酢酸キトサン、乳酸キトサン、グルタミン酸キトサン、グルコン酸キトサンまたはピロリドンカルボン酸キトサンである
が挙げられる。
【0090】
これらの化合物の中で、Kytan Brut Standardの名称でAber Technologiesにより販売されている、90.5重量%の脱アセチル化度を有するキトサン、およびKytamer(登録商標)PCの名称でAmercholにより販売されているピロリドンカルボン酸キトサンが挙げられる;
【0091】
(5)セルロースまたは第4級アンモニウムを含む水溶性モノマーでグラフト化されたセルロース誘導体のコポリマーなど、特に米国特許第4131576号に開示されているもの、ヒドロキシアルキルセルロース、例えば特にメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムまたはジメチルジアリルアンモニウム塩でグラフト化されたヒドロキシメチル-、ヒドロキシエチル-またはヒドロキシプロピルセルロースなどのカチオン性セルロース誘導体。
【0092】
この定義に相当して販売されている製品は、より具体的には、「Celequat L 200」および「Celequat H 100」の名称でNational Starchにより販売されている製品である。
【0093】
本発明において使用できる両性固着ポリマーは、ポリマー鎖中に分散された単位BおよびCを含むポリマーから選択することができる。ここでBは少なくとも1個の塩基性窒素原子を含むモノマーから誘導される単位を表しCは1つまたは複数のカルボキシル基またはスルホン酸基を含む酸性モノマーから誘導される単位を表すかあるいは、別法としてBおよびCはカルボキシベタインまたはスルホベタイン双性イオンモノマーを意味してよい。
【0094】
BおよびCはまた、アミン基のうちの少なくとも1つが炭化水素基によりカルボキシル基またはスルホン酸基を有する、第1級、第2級、第3級または第4級アミン基を含むカチオン性ポリマー鎖を表すか、または別法としてBおよびCは、α,β-ジカルボキシルエチレン単位を含むポリマー鎖の一部を形成し、そこではカルボキシル基の1つが1つまたは複数の第1級または第2級アミン基を含むポリアミンと反応するようになっていた。
【0095】
好ましくは、両性固着ポリマーは、酸性ビニル単位を含み塩基性ビニル単位、架橋およびアクリル化したポリアミノアミド、双性イオン単位を含むポリマー、キトサンから誘導されるポリマー、修飾(C1〜C5)アルキルビニルエーテル/マレイン酸無水物コポリマー、両性ポリウレタンおよびグラフト化両性シリコーンポリマーを含むコポリマーから選択される。
【0096】
より特に好ましい、前述の定義に相当する両性固着ポリマーは、下記のポリマーから選択される:
(1)酸性ビニル単位および塩基性ビニル単位を有するコポリマー、例えばカルボキシル基を有するビニル化合物から誘導されるモノマー、より具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、α-クロロアクリル酸など、および少なくとも1個の塩基性原子を含む置換ビニル化合物から誘導される塩基性モノマー、より具体的にはメタクリル酸およびアクリル酸ジアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミドおよび-アクリルアミドなどの共重合から生ずるようなコポリマー。このような化合物は米国特許第3836537号に記述されている;
(2)a)窒素原子でアルキル基により置換されているアクリルアミドおよびメタクリルアミドから選択される少なくとも1つのモノマー、
b)1つまたは複数の反応性カルボキシル基を含む少なくとも1つの酸性コモノマー、および
c)アクリル酸およびメタクリル酸の第1級、第2級、第3級または第4級アミン置換物を含むエステルおよびメタクリル酸ジメチルアミノエチルのジメチルまたはジエチルスルホン酸との4級化の生成物などの、少なくとも1つの塩基性コモノマー。
【0097】
本発明においてより特に好ましいN-置換アクリルアミドまたはメタクリルアミドは、アルキル基が2から12個の炭素原子を含む化合物、より好ましくはN-エチルアクリルアミド、N-tert-ブチルアクリルアミド、N-tert-オクチルアクリルアミド、N-オクチルアクリルアミド、N-デシルアクリルアミド、N-ドデシルアクリルアミドおよび対応するメタクリルアミドである。
【0098】
酸性コモノマーは、より好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸およびフマル酸、ならびに1から4個の炭素原子を有する、マレイン酸またはフマル酸あるいは無水物のアルキルモノエステルから選択される。
【0099】
好ましい塩基性コモノマーは、メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸ブチルアミノエチル、メタクリル酸N,N'-ジメチルアミノエチルおよびメタクリル酸N-tert-ブチルアミノエチルである。
【0100】
CTFA(第4版、1991年)名がOctylacrylamide/acrylates/butylaminoethyl methacrylate copolymerであるコポリマー、例えばAmphomer(登録商標)またはLovocryl(登録商標)47の名称でNational Starchにより販売されている製品などが、特に使用される;
(3)一般式
【0101】
【化4】

【0102】
式中、R10は飽和ジカルボン酸から誘導される2価の基、エチレン二重結合を含むモノ-またはジカルボキシル脂肪酸、1から6個の炭素原子を有する低級アルカノールのエステル、これらの酸、または前記酸のいずれか1種のビス(第1級)またはビス(第2級)アミンを伴う添加により誘導される基を表し、Zはビス(第1級)、モノ-またはビス(第2級)ポリアルキレン-ポリアミンを表し、好ましくは、
a)60から100mol%の比率で、基
【0103】
【化5】

【0104】
式中、X=2でp=2または3、あるいはX=3でp=2
この基はジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミンまたはジプロピレントリアミンから誘導される;
b)0〜40mol%の比率で、式中X=2、p=1である上記の基(IV)であって、エチレンジアミンまたはピペラジン:
【0105】
【化6】

【0106】
から誘導される基、
c)0〜20mol%の比率で、ヘキサメチレンジアミンから誘導される基-NH(CH2)6-NH-
を表す
のポリアミノアミドから部分的または全体的に誘導される架橋およびアクリル化ポリアミノアミド、
これらのポリアミノアミドは、1アミン基あたり0.025〜0.35molの架橋剤を用いて、エピハロヒドリン、ジエポキシド、二無水物およびビス不飽和誘導体から選択される二官能性架橋剤の付加反応により架橋され、アクリル酸、クロル酢酸またはアルカンスルトン、あるいはこれらの塩の作用によりアクリル化される。
【0107】
飽和カルボン酸は好ましくは、6〜10個の炭素原子を有する酸、例えばアジピン酸、2,2,4-トリメチルアジピン酸および2,4,4-トリメチルアジピン酸、テレフタル酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸およびイタコン酸などのエチレン二重結合を含む酸から選択される。
【0108】
アクリル化に使用されるアルカンスルトンは、好ましくは、プロパンスルトンまたはブタンスルトンである;アクリル化剤の塩は、好ましくはナトリウムまたはカリウム塩である;
(4)式
【0109】
【化7】

【0110】
式中、R11は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミドまたはメタクリルアミド基などの重合可能な不飽和基を表し、yおよびzは1〜3の整数を表し、R12およびR13は、水素原子、メチル、エチルまたはプロピル基を表し、R14およびR15は、水素原子またはR14およびR15の炭素原子の合計が10を超えないようなアルキル基を表す
の双性イオン単位を含むポリマー。
【0111】
このような単位を含むポリマーはまた、アクリル酸またはメタクリル酸ジメチルアミノエチルまたはジエチルアミノエチルあるいはアクリル酸またはメタクリル酸アルキル、アクリルアミドまたはメタクリルアミドまたは酢酸ビニルなどの非双性イオンモノマーから誘導される単位を含むこともできる。
【0112】
例証として、Diaformer Z301の名称でSandozにより販売されている製品などのメタクリル酸メチル/メタクリル酸メチルジメチルカルボキシメチルアンモニオエチルコポリマーが挙げられる;
(5)以下の式に相当するモノマー単位を含むキトサンから誘導されるポリマー。
【0113】
【化8】

【0114】
単位(D)は0〜30%の比率で存在し、単位(E)は5〜50%の比率で存在し単位(F)は30〜90%の比率で存在し、この単位(F)において、R16は、下記式の基を表す。
【0115】
【化9】

【0116】
式中、q=0の場合、R17、R18およびR19は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、メチル、ヒドロキシル、アセトキシまたはアミノ残基、任意選択で1つまたは複数の窒素原子により中断されかつ/または任意選択で1つまたは複数のアミン、ヒドロキシル、カルボキシル、アルキルチオまたはスルホン酸基により置換されているモノアルキルアミン残基またはジアルキルアミン残基、アルキル基がアミノ残基を有するアルキルチオ残基を表し、基R17、R18およびR19のうちの少なくとも1個は、この場合、水素原子である;
あるいは、q=1の場合、R17、R18およびR19は、それぞれ水素原子、ならびにこれらの化合物と塩基または酸とにより形成される塩を表す。
【0117】
(6)一般式(V)に相当するポリマーは、例えばフランス特許第1400366号に記述されている。
【0118】
【化10】

【0119】
式中、R20は、水素原子、CH3O、CH3CH2Oまたはフェニル基を表し、R21は、水素原子あるいはメチルまたはエチルなどの低級アルキル基を表し、R22は、水素原子あるいはメチルまたはエチルなどのC1〜C6低級アルキル基を表し、R23は、メチルまたはエチルなどのC1〜C6低級アルキル基あるいは式:-R24-N(R22)2に相当する基を表し、R24は、-CH2-CH2-、-CH2-CH2-CH2-または-CH2-CH(CH3)-基を表し、R22は、上述の意味を有する;
(7)キトサンのN-カルボキシアルキル化により誘導されるポリマー、例えば「Evalsan」の名称でJan Dekkerにより販売されているN-カルボキメチルキトサンまたはN-カルボキブチルキトサンなど;
(8)a)式:
-D-X-D-X-D- (VI)
式中、Dは、基
【0120】
【化11】

【0121】
を表し、Xは記号EまたはE'を表し、EまたはE'は、同一でも異なっていてもよく、主鎖中に7個までの炭素原子を含む直鎖または分枝状鎖を有するアルキレン基である2価の基であって、非置換であるかまたはヒドロキシル基により置換され、酸素以外に、窒素およびイオウ原子、1から3個の芳香族および/または複素環を含んでよい基を表す;酸素、窒素およびイオウ原子は、エーテル、チオエーテル、スルホキシド、スルホン、スルホニウム、アルキルアミンまたはアルケニルアミン基、ヒドロキシル、ベンジルアミン、アミンオキシド、第4級アンモニウム、アミド、イミド、アルコール、エステルおよび/またはウレタン基の形態で存在する
の少なくとも1つの単位を含む化合物に対するクロロ酢酸またはクロロ酢酸ナトリウムの作用により得られるポリマー;
b)式:
-D-X-D-X- (VI')
式中、Dは、基
【0122】
【化12】

【0123】
を表し、Xは記号EまたはE'、少なくとも一度はE'を表す;Eは上述の意味を有し、E'は、主鎖中に7個までの炭素原子を含む直鎖または分枝状鎖を有するアルキレン基である2価の基であって、非置換であるかまたは1つまたは複数のヒドロキシル基により置換され、1つまたは複数の窒素原子を含み、窒素原子は、任意選択で酸素原子により中断され、必然的に1つまたは複数のカルボキシル官能基または1つまたは複数のヒドロキシル官能基を含むアルキル鎖によって置換され、クロロ酢酸またはクロロ酢酸ナトリウムによる反応によってベタイン化されている
のポリマー;
から選択される-D-X-D-X型の両性ポリマー;
(9)N,N-ジメチルアミノプロピルアミンなどのN,N-ジアルキルアミノアルキルアミンによる半アミド化またはN,N-ジアルキルアミノアルカノールによる半エステル化により部分的に修飾された(C1〜C5)アルキルビニルエーテル/マレイン酸無水物コポリマー。これらのコポリマーはまた、ビニルカプロラクタムなどの他のビニルコモノマーを含むことができる。
【0124】
上述の両性固着ポリマーの中で、本発明において最も特に好ましいのは、クラス(3)の両性固着ポリマーであり、例えばCTFA名が、Octylacrylamide/acrylates/butylaminoethyl methacrylate copolymerであるコポリマー、Amphomer(登録商標)、Amphomer(登録商標)LV 71またはLovocryl(登録商標)47の名称でNational Starchにより販売されている製品などおよびメタクリル酸メチル/メタクリル酸メチルジメチルカルボキシメチルアンモニオエチルコポリマーであるクラス(4)の両性固着ポリマー、例えばDiaformer Z301の名称でSandozにより販売されている製品である。
【0125】
本発明において使用することができる非イオン性固着ポリマーは、例えば、
- ポリアルキルオキサゾリン;
- 酢酸ビニルホモポリマー;
- 酢酸ビニルコポリマー、例えば
酢酸ビニルとアクリル酸エステルのコポリマー;
酢酸ビニルとエチレンのコポリマー、または
酢酸ビニルとマレイン酸エステルのコポリマー、例えばマレイン酸ジブチル;
- アクリル酸エステルホモポリマーおよびコポリマー、例えばアクリル酸アルキルとメタクリル酸アルキルのコポリマー、例えばPrimal(登録商標)AC-261 KおよびEudragit(登録商標)NE 30 Dの名称でRohm & Haasにより、8845の名称でBASFにより、Appretan(登録商標)N9212の名称でHoechstにより販売されている製品など;
- アクリロニトリルコポリマーおよび、例えばブタジエンおよびアクリル酸アルキル(メチル)から選択される非イオン性モノマーのコポリマー;CJ 0601 Bの名称でRohm & Haasにより販売されている製品が挙げられる。
- スチレンホモポリマー
- スチレンコポリマー、例えばスチレンとアクリル酸アルキル(メチル)のコポリマー、例えばHoechstにより販売されている製品Mowilith(登録商標)LDM 6911、Mowilith(登録商標)DM 611およびMowilith(登録商標)LDM 6070およびRhone-Poulencにより販売されているRhodopas(登録商標)SD 215およびRhodopas(登録商標)DS 910;スチレン、メタクリル酸アルキルおよびアクリル酸アルキルのコポリマー;スチレンおよびブタジエンのコポリマー;またはスチレン、ブタジエンおよびビニルピリジンのコポリマー;
- ポリアミド
- ビニルピロリドンホモポリマー以外のビニルラクタムホモポリマー、例えばLuviskol(登録商標)Plusの名称でBASFにより販売されているポリビニルカプロラクタムなど;および
- ビニルラクタムコポリマー、例えばLuvitec(登録商標)VPC 55K65Wの商品名でBASFにより販売されているポリ(ビニルピロリドン/ビニルラクタム)コポリマーなど、
ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル)コポリマー、例えばPVPVA(登録商標)S630Lの名称でISPにより、Luviskol(登録商標)VA 73、VA 64、VA 55、VA 37およびVA 28の名称でBASFにより販売されているポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル)コポリマーなど;
ならびにポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル/プロピオン酸ビニル)ターポリマー、例えばLuviskol(登録商標)VAP 343の商品名でBASFにより販売されている製品など
から選択される。
【0126】
上述の非イオン性ポリマーのアルキル基は、好ましくは、1から6個の炭素原子を含む。
【0127】
本発明において、ポリシロキサン部分および非シリコーン有機鎖からなる部分を含み、2つの部分のうち1方はポリマーの主鎖を構成しもう一方は前記主鎖にグラフトしている、グラフト化シリコーン型の固着ポリマーを使用することも可能である。
【0128】
これらのポリマーは、例えば、欧州特許出願第0412704号、欧州特許出願第0412707号、欧州特許出願第0640105号およびWO95/00578号、欧州特許出願第0582152号およびWO93/23009号ならびに米国特許第4693935号、米国特許第4728571号および米国特許第4972037号に記述されている。
【0129】
これらのポリマーは、両性、アニオン性または非イオン性であることができ、好ましくはアニオン性または非イオン性である。
【0130】
このようなポリマーは、例えば、
a)50重量%から90重量%のアクリル酸tert-ブチル;
b)0から40重量%のアクリル酸;
c)5重量%から40重量%の、式
【0131】
【化13】

【0132】
式中、vは5から700の範囲の数であり、重量%はモノマーの全重量に対して計算される
のシリコーンマクロマー
から形成されるモノマー混合物からフリーラジカル重合により得られるコポリマーである。
【0133】
グラフト化シリコーンポリマーの他の例は、特に、チオプロピレン型の結合鎖によってポリ(メチル)アクリル酸型およびポリアルキル(メチル)アクリレート型の混合ポリマー単位がグラフト化したポリジメチルシロキサン(PDMSs)ならびにチオプロピレン型の結合鎖によってポリイソブチル(メタ)アクリレート型のポリマー単位がグラフト化したポリジメチルシロキサン(PDMSs)である。
【0134】
もう1つのタイプのシリコーン固着ポリマーとして挙げられるのは、BASFにより販売されているLuviflex(登録商標)Silkである。
【0135】
分子量が400,000未満の、官能性または非官能性の、シリコーンまたは非シリコーン、カチオン性、非イオン性、アニオン性または両性ポリウレタンまたはこれらの混合物もまた、固着ポリマーとして使用することができる。
【0136】
本発明に特に適した追加の固着ポリウレタンとして、Luviset Pur(登録商標)およびLuviset(登録商標)Si Purの名称でBASFにより販売されている製品が挙げられる。
【0137】
本発明の組成物に使用される追加の固着ポリマーの濃度は、組成物の全重量に対して、0.1重量%〜20重量%、好ましくは0.5重量%〜10重量%である。
【0138】
本特許出願の組成物はまた、追加の化粧用補助剤として、ポリウレタン以外に、「レオロジー調整剤」としても知られている、少なくとも1種の追加の増粘ポリマーをも含んでよい。
【0139】
レオロジー調整剤は、脂肪酸アミド(ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドまたはジエタノールアミド、あるいはオキシエチレンカルボン酸アルキルエーテルモノエタノールアミド)、セルロース系増粘剤(ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはカルボキシメチルセルロース)、グアーガム類およびそれらの誘導体、例えばヒドロキシプロピルグアーガム、微生物由来のガム類(キサンタンガムまたはスクレログルカンガム)、架橋アクリル酸またはアクリルアミドプロパンスルホン酸ホモポリマー、および会合性ポリマーから選択することができる。
【0140】
本発明において使用することができる会合性ポリマーは、水性媒体中で、互いにまたは他の分子と可逆的に会合することができる水溶性ポリマーである。
【0141】
これらの化学構造は、親水性領域および少なくとも1つの脂肪鎖により特徴付けられる疎水性領域を含む。
【0142】
本発明において使用することができる会合性ポリマーは、アニオン性、カチオン性、両性または非イオン性であることができる。
【0143】
追加の増粘ポリマーの濃度は、組成物の全重量に対して、0.01重量%〜20重量%、好ましくは0.05重量%〜10重量%である。
【0144】
本特許出願の組成物は、追加の化粧用補助剤として、シリコーン、シリコーン脂肪物質および非シリコーン脂肪物質から選択される、少なくとも1種の化合物をもまた含んでよい。
【0145】
本発明の組成物に使用することができるシリコーンは、直鎖、環状、分枝状または非分枝状揮発性または不揮発性であることができる。これらは可溶性、分散またはマイクロ分散した形態であることができ、油、樹脂またはガムの形態であることができ、特に、化粧品的に許容できる媒体に不溶であるポリオルガノシロキサンであることができる。
【0146】
オルガノポリシロキサンは、Walter Nollの「Chemistry and Technology of Silicones」(1968)、Academic Pressに、より詳細にわたり定義されている。オリガノポリシロキサンは、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
【0147】
揮発性である場合、シリコーンはより具体的には60℃と260℃の間の沸点を有するシリコーンから、さらにより具体的には、
(i)3〜7個、好ましくは4〜5個のケイ素原子を含む環状シリコーン。これらは、例えばVolatile Silicone 7207の名称でUnion Carbideにより、またはSilbione 70045 V 2の名称でRhodiaにより販売されているオクタメチルシクロテトラシロキサン、Volatile Silicone 7158の名称でUnion Carbideにより、またはSilbione 70045 V 5の名称でRhodiaにより販売されているデカメチルシクロペンタシロキサン、およびこれらの混合物
から選択される。
【0148】
Union Carbideにより販売されているVolatile Silicone FZ 3109など、式Dおよび式D'の化学構造を有するジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサンタイプのシクロコポリマーもまた挙げられる。
【0149】
【化14】

【0150】
環状シリコーンとオルガノシリコン化合物との混合物、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラトリメチルシリルペンタエリスリトール(50/50)の混合物およびオクタメチルシクロテトラシロキサンとオキシ-1,1'-ビス(2,2,2',2',3,3'-ヘキサトリメチルシリルオキシ)ネオペンタンの混合物など;
(ii)2から9個のケイ素原子を含み25℃で5×10-6m2/s以下の粘度を有する直鎖揮発性シリコーン。一例は、特にSH 200の名称でToray Siliconeにより販売されているデカメチルテトラシロキサンである。このカテゴリーに属するシリコーンはCosmetics and Toiletries、Vol.91、1976年1月、27〜32頁に発表された記事Todd & Byers、「Volatile Silicone Fluids for Cosmetics」にもまた記述されている
もまた挙げられる。
【0151】
不揮発性シリコーンの中で、特に挙げられるのは、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、シリコーンゴムおよび樹脂、ならびに有機官能基で修飾されたポリオルガノシロキサン、ならびにこれらの混合物である。
【0152】
本発明において使用することができる有機修飾シリコーンは、上記定義で構造中に炭化水素系基により結合する1つまたは複数の有機官能基を含むシリコーンである。
【0153】
有機修飾シリコーンの中で挙げられてよいのは、
- 任意選択でC6〜C24アルキル基を含むポリエチレンオキシおよび/またはポリプロピレンオキシ基、例えばDC 1248の名称でDowCorningにより販売され、ジメチコンコポリオールとして知られている製品またはUnion Carbideの油Silwet(登録商標)L 722、L 7500、L 77およびL711ならびにQ2 5200の名称でDow Corningにより販売されている(C12)アルキルメチコンコポリオール;
- 置換または非置換のアミン基、例えばGP 4 Silicone FluidおよびGP 7100の名称でGeneseeにより販売されている製品、あるいはQ2 8220およびDow Corning 929または939の名称でDow Corningにより販売されている製品。置換アミン基は、特にC1〜C4アミノアルキル基である;
- チオール基、例えば「GP 72 A」および「GP 71」の名称でGeneseeにより販売されている製品;
- アルコキシル化された基、例えば「Silicone Copolymer F-755」の名称でSWS Silicones により、Abil Wax(登録商標)2428、2434、2440の名称でGoldschmidtにより販売されている製品;
- ヒドロキシル基、例えばフランス特許出願第85/16334号に記述されている、ヒドロキシアルキル官能基を含むポリオルガノシロキサン;
- アシルオキシアルキル基、例えば、米国特許第4957732号に記述されているポリオルガノシロキサンなど;
- カルボン酸タイプのアニオン性基、例えば、Chisso Corporationの欧州特許第186507号に記述されている製品中の、またはそのアルキルカルボキシルタイプ、例えばShin-Etsuの製品X-22-3701E中に存在するもの;スルホン酸2-ヒドロキシアルキル;「Abil(登録商標)S201」および「Abil(登録商標)S255」の名称でGoldschmidtにより販売されている製品などのチオスルホン酸2-ヒドロキシアルキルなど;
- ヒドロキシアシルアミノ基、例えば欧州特許出願第342834号に記述されているポリオルガノシロキサン。例えば、Dow Corningの製品Q2-8413が挙げられる
を含むポリオルガノシロキサンである。
【0154】
本発明の組成物に使用することができるシリコーン油は、直鎖または環状シリコーン鎖を含む揮発性または不揮発性のポリメチルシロキサンで、室温で液状またはペースト状のポリメチルシロキサン、特にシクロヘキサシロキサンなどのシクロポリジメチルシロキサン(シクロメチコン);ペンダントとしてまたはシリコーン鎖の末端に存在するアルキル、アルコキシまたはフェニル基で2〜24個の炭素原子を含む基を含むポリジメチルシロキサン;フェニルシリコーン、例えばフェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート、ポリメチルフェニルシロキサンおよびこれらの混合物である。
【0155】
本発明の組成物に使用することができるシリコーンゴムは、200,000〜約5,000,000g/molの高分子量を有するポリジオルガノシロキサンであって、揮発性シリコーン、ポリジメチルシロキサンオイル、ポリメチルフェニルシロキサンオイル、ポリジフェニルジメチルシロキサンオイル、イソパラフィン、塩化メチレン、ペンタンおよび炭化水素、またはこれらの混合物から選択される溶媒中で単独または混合物として使用される。
【0156】
1,500,000未満の分子量を有するシリコーンゴムの使用は好ましい。シリコーンゴムは、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン、ポリ(ジフェニルシロキサンジメチルシロキサン)、ポリ(ジメチルシロキサンメチルビニルシロキサン)、ポリ(ジメチルシロキサンフェニルメチルシロキサン)またはポリ(ジフェニルシロキサンジメチルシロキサンメチルビニルシロキサン)である。
【0157】
これらのシリコーンゴムは、鎖末端においてトリメチルシリルまたはジメチルヒドロキシリル基により終結することができる。
【0158】
本発明の組成物に使用することができるシリコーン樹脂は、単位R2SiO2/2、RSiO3/2またはSiO4/2、式中、Rは1から6個の炭素原子またはフェニル基を含む炭化水素系基を表す、である。これらの物質の中で、特に好ましいのは、Rが低級(C1〜C6)アルキル基またはフェニル基を表すものである。
【0159】
本発明の組成物に使用することができる非シリコーン脂肪物質は、すべて天然または合成、有機または無機の非シリコーン油、ワックスまたは樹脂である。
【0160】
本発明において、油は、室温(25℃)で液状であり、可逆的な固体/液体状態変化をする親油性化合物である。動物油および植物油はプロパン-1,2,3-トリオールトリエステルを本質的構成成分として含む。
【0161】
本発明の組成物に使用することができる油として、言及することができる例は、
- 動物由来の炭化水素油、例えばペルヒドロスクワレン;
- 植物由来の炭化水素油、例えば4から10個の炭素原子を含む脂肪酸の液状トリグリセリド、例えば、ヘプタン酸またはオクタン酸トリグリセリドまたは別法として、例えばヒマワリ油、トウモロコシ油、ダイズ油、マロー油、ブドウ種子油、ゴマ油、へーゼルナッツ油、アプリコット油、マカダミア油、アララ油、ヒマシ油、アボカド油、カプリル/カプリン酸トリグリセリド、例えばStearineries Duboisにより販売されているものまたはMiglyol 810、812および818の名称でDynamit Nobelにより販売されているもの、ホホバ油またはシアバター油;
- 合成エステルおよび合成エーテル、特に脂肪酸の、例えば式R6COOR7およびR6OR7の油(式中、R6は8から29個の炭素原子を含む脂肪酸残基を表し、R7は、3から30個の炭素原子を含む分枝状または非分枝状炭化水素鎖を表す)、例えば、パーセリン油、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルへキシル、ステアリン酸2-オクチルドデシル、エルカ酸2-オクチルドデシルまたはイソステアリン酸イソステアリル;乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリイソセチル、ならびにヘプタン酸、オクタン酸およびデカン酸脂肪アルコールなどのヒドロキシル化エステル;ポリオールエステル、例えばジオクタン酸プロピレングリコール、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコールおよびジイソノナン酸ジエチレングリコールなど;ならびにペンタエリスリトールエステル、例えばテトライソステアリン酸ペンタエリスリチルなど;
- 揮発性および不揮発性の流動パラフィンおよびこれらの誘導体、ワセリン、ポリデセン、パールリーム油などの水添ポリイソブテンなど、鉱物または合成由来の直線または分岐状炭化水素、
- 8から26個の炭素原子を含む液状脂肪アルコール、例えば、オクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、オレイルアルコール;リノレイルアルコールまたはリノレニルアルコール;
- アルコキシル化、特に、オレス-12などのエトキシル化された脂肪アルコール;
- 部分的に炭化水素系のフッ素油、例えば特開平2-295912号に記述されたもの。言及することができるフッ素油の例はまた、「Flutec PC1(登録商標)」および「Flutec PC3(登録商標)」の名称でBNFL Fluorochemicalsにより販売されているパーフルオロメチルシクロペンタンおよびパーフルオロ-1,3-ジメチルシクロヘキサン;パーフルオロ-1,2-ジメチルシクロブタン;「PF 5050(登録商標)」および「PF 5060(登録商標)」の名称で3Mにより販売されているドデカフルオロペンタンおよびテトラデカフルオロヘキサンなどのパーフルオロアルカン、または別法として「Foralkyl(登録商標)」の名称でAtochemにより販売されているブロモパーフルオロオクチル;「MSX 4518(登録商標)」の名称で3Mにより販売されているノナフルオロメトキシブタンおよびノナフルオロエトキシイソブタン;「PF 5052(登録商標)」の名称で3Mにより販売されている4-トリフルオロメチルパーフルオロモルホリンなどのパーフルオロモルホリン誘導体をも含む
を含む。
【0162】
上述の油のリスト中で、用語「炭化水素油」という用語は、炭素および水素原子を主に含み、場合によりエステル、エーテル、フルオロ、カルボン酸および/またはアルコール基を含むあらゆる油を意味する。
【0163】
本発明において、ワックスは、室温(約25℃)で固体であり、可逆的な固体/液体状態変化を伴い、約40℃より高く、場合により200℃までの融点を有し固体状態で異方性の結晶組織を有する親油性化合物である。本質的構成成分として、動物および植物ワックスは、長鎖アルコールのカルボン酸エステルを含む。一般に、ワックス結晶のサイズは、結晶が光を散乱および/または拡散し、それを含む組成物に、程度の差はあれ、不透明な濁った外観を与えるようなサイズである。ワックスをその融点まで温度上昇させることにより、油と混和させ顕微鏡的に均一な混合物を形成することができるが、混合物の温度が室温に戻ると、混合物の油中に顕微鏡的、巨視的に検知可能なワックスの再結晶が得られる(乳白光)。
【0164】
本発明において使用してよいワックスとして、ミツロウ、鯨ロウ、ラノリンワックスおよびラノリン誘導体などの動物由来のワックス;ヒマワリワックス、ライスワックス、ポテトワックス、カルナウバロウ、カンデリラロウ、オーリクリーロウ、モクロウ、ココアバター、コルクファイバーワックス、サトウキビワックスなどの植物ワックス;鉱物ワックス、例えばパラフィンワックス、ワセリンワックス、亜炭ワックス、マイクロクリスタリンワックス、セレシンまたはオゾケライトなど;ポリエチレンワックス、およびフィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックスならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0165】
シリコーン、シリコーン脂肪物質および非シリコーン脂肪物質から選択される化合物の濃度は、組成物の全重量に対して、0.01重量%と20重量%の間、好ましくは0.05重量%と10重量%の間である。
【0166】
本発明のスタイリング組成物はまた、非イオン性、アニオン性、カチオン性および両性界面活性剤、本発明の組成物に使用されている固着ポリマー以外の追加の非イオン性、アニオン性、カチオン性および両性ポリマー、セラミドおよび擬似セラミド、パンテノールを含むビタミンおよびプロビタミン、シリコーンまたは非シリコーン水溶性および油溶性日焼け止め、フィラーおよび固体粒子、例えば有色または無色の鉱物顔料および有機顔料、真珠光沢剤および乳白剤、フレーク、活性粒子、染料、金属イオン封鎖剤、可塑剤、可溶化剤、酸性化剤、アルカリ性化剤、中和剤、有機および無機増粘剤、酸化防止剤、ヒドロキシ酸、浸透剤、香料および防腐剤から選択される少なくとも1種の添加物を含んでもよい。
【0167】
増粘剤
本発明に適した天然増粘剤は、例えばキサンタンガム、スクレログルカンガム、ジェランガム、ラムサンガム、アルギン酸塩、マルトデキストリン、デンプンおよびその誘導体、カラヤガム、キャロブ粉およびグアーガムを含む。
【0168】
本発明に基づく合成増粘剤は、有利には、例えばアクリル酸/アクリル酸エチルコポリマーおよびカルボキシビニルポリマーなどのアクリル酸および/またはメタクリル酸のポリマーまたはコポリマーである。このようなポリマーまたはコポリマーの例は、特に、Carbopolの名称でGoodrichにより販売されている「carbomers」(CTFA)またはLubragelの名称でGuardianにより販売されているメタクリル酸ポリグリセリル、あるいはHispagelの名称でHispano Chimicaにより販売されているアクリル酸ポリグリセリルである。
【0169】
その他のアクリル化合物は、少なくとも1つのC1〜C30アクリル酸アルキル単位および/または任意選択で脂肪鎖により置換された1つのウレタン単位を含むアクリル酸またはメタクリル酸のコポリマーを含む。具体的にはPemulen TR1(Goodrich)、Viscophobe DB 1000(Union Carbide)およびAcrysol 44または46(Rohm & Haas)が挙げられる。
【0170】
増粘剤として、ポリエチレングリコール(PEG)およびこれらの誘導体を使用することも可能である。
【0171】
有利には、増粘剤として、増粘ポリアクリルアミドを使用することも可能である。これらはより具体的には、
- 架橋2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホンホモポリマー、
- 任意選択で架橋したアクリルアミド-アクリル酸アンモニウムコポリマー、
- 任意選択で架橋したアクリルアミド(またはメタクリルアミド)-メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドコポリマー、
- 任意選択で架橋し、完全にまたは部分的に中和されたアクリルアミド-2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸コポリマー
から選択することができる。
【0172】
本発明において使用される架橋アクリルアミド/アクリル酸アンモニウムコポリマーとして、より具体的には、ジビニルベンゼン、テトラアリルオキシエチレン、メチレンビスアクリルアミド、ジアリルエーテル、ポリアリルポリグリセリルエーテルまたは糖系列のアルコール、例えばエリスリトール、ペンタエリスリトール、アラビトール、マンニトール、ソルビトール、またはグルコースなどのアリルエーテルなど、オレフィンポリ不飽和を含む架橋剤により架橋したアクリルアミド/アクリル酸アンモニウムコポリマー(5/95重量で)が挙げられる。
【0173】
類似のコポリマーはフランス特許第2416723号ならびに米国特許第2798053号および米国特許第2923692号に記述され調製されている。
【0174】
このタイプの架橋コポリマーは、特に約30重量%の前記コポリマー、25重量%の流動パラフィン、4重量%のステアリン酸ソルビタンと親水性エトキシル化誘導体の混合物および41重量%の水から構成される油中水エマルションの形態で使用される。この種のエマルションは、「Bozepol C」の名称でHoechstにより販売されている。
【0175】
本発明において使用されるアクリルアミド-2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸コポリマーは、上述のようなポリオレフィン不飽和を含む化合物により架橋されており水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水またはトリエタノールアミンまたはモノエタノールアミンなどのアミンなどの中和剤により、完全にまたは部分的に中和されているコポリマーである。
【0176】
これらは、アクリルアミドおよび2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウムをアゾビスイソブチロニトリルタイプの開始剤を用いてフリーラジカル経路でコポリマー化することによりtert-ブタノールなどのアルコールからの沈殿により調製することができる。
【0177】
より具体的には、70〜55mol%のアクリルアミドと30〜45mol%の2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウムをコポリマー化することにより得られるコポリマーが使用される。架橋剤は,モノマー混合物1モル当り10-4から4×10-4molの濃度で使用される。
【0178】
これら特定のコポリマーは、好ましくはこのコポリマーを35重量%〜40重量%、C12〜C13イソパラフィン系炭化水素の混合物を15重量%〜25重量%、7molの酸化エチレンを含むポリエチレングリコールラウリルエーテルを3重量%〜8重量%、および水を含む油中水エマルションの形態で、本発明の組成物に配合される。この種のエマルションは、「Sepigel 305」の名称でSEPPICにより販売されている。
【0179】
本発明において使用される架橋アクリルアミド-メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドコポリマーは、より好ましくはアクリルアミドと塩化メチルで4級化されたメタクリル酸ジメチルアミノエチルのコポリマー化により得られ、次いでオレフィンに関して不飽和な化合物、特にメチレンビスアクリルアミドによる架橋が起こる。
【0180】
より具体的には、架橋アクリルアミド/メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(約50/50重量で)コポリマーが鉱油中に50重量%の前記コポリマーを含む分散液の形態で使用される。この分散液は、「Salcare SC92」の名称でAllied Colloidsにより販売されている。
【0181】
非架橋メタリルアミド-メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドコポリマーは、例えば、Rohagit KF400およびKF720の製品名でRohm & Haasにより販売されている製品である。
【0182】
界面活性剤
本発明を実施するのに適した界面活性剤は特に下記である:
(i)アニオン性界面活性剤:
本発明に関連して、これらの性質は事実上、重大な因子には相当しない。
【0183】
したがって、単独でまたは混合物として、使用することができるアニオン性界面活性剤の例として、本発明に関連して、特に下記の化合物の塩類(特にアルカリ金属塩、特にナトリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミノアルコール塩またはアルカリ土類金属(マグネシウム)塩)の(非限定のリスト)が挙げられる:
アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルアリールポリエーテル硫酸塩、モノグリセリド硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルアミドスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩;アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルアミド-スルホコハク酸塩;アルキルスルホサクシナメート、アルキルスルホ酢酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アシルサルコシネート、アシルイセチオン酸塩およびN-アクリルタウリン酸塩、好ましくは12から20個の炭素原子を含むこれら種々の化合物すべてのアルキルまたはアシル基、好ましくはフェニルまたはベンジル基を示すアリール基。同様に使用できるアニオン性界面活性剤の中で、オレイン酸、リシノレイン酸、パルミチンサンおよびステアリン酸などの脂肪酸塩、ヤシ油脂肪酸または水添ヤシ油脂肪酸;アシル基が8から20個の炭素原子を含むアシルラクチレートもまた挙げられる。アルキル-D-ガラクトシドウロン酸およびこれらの塩、ならびにポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキルアリールエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキルアミドエーテルカルボン酸およびこれらの塩、特に2から50個の酸化エチレン基を含むもの、およびこれらの混合物などの、弱アニオン性の界面活性剤もまた使用できる。
【0184】
アニオン性界面活性剤の中で、本発明においてアルキル硫酸塩およびアルキルエーテル硫酸塩ならびにこれらの混合物を使用することは好ましい。
【0185】
(ii)非イオン性界面活性剤
非イオン界面活性剤もまた、それ自体よく知られた化合物である(特にこの点に関してM.R.Porterの「Handbook of Surfactants」、Blackie & Son(Glasgow and London)発行、1991年、116〜178頁を参照のこと)、また、本発明に関連して、これらの性質は重大な特性ではない。したがって、非イオン界面活性剤は特に(非限定的リスト)ポリエトキシル化、ポリプロポキシル化、またはポリグリセロール化脂肪酸、アルキルフェノール、α-ジオールまたは、例えば8から18個の炭素原子を含む脂肪鎖を有するアルコールから選択されることができ、酸化エチレンまたは酸化プロピレン基の数が特に2から50の範囲、グリセロール基の数が特に2から30の範囲であることが可能である。酸化エチレンおよび酸化プロピレンのコポリマー、酸化エチレンおよび酸化プロピレンと脂肪アルコールの縮合物;好ましくは2から30molの酸化エチレンを有するポリエトキシル化脂肪アミド、平均1から5個、特に1.5から4個のグリセロール基を含むポリグリセロール化脂肪アミド;2から30molの酸化エチレンを有するソルビタンのオキシエチレン化脂肪酸エステル;ショ糖の脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、N-アルキルグルカミン誘導体、(C10〜C14)アルキルアミンオキサイドまたはN-アシルアミノプロピルモルホリンオキサイドなどのアミンオキサイドもまた挙げられる。
【0186】
(iii)両性界面活性剤
両性界面活性剤の性質は、本発明に関連して、重大な特性ではなく、特に(非限定的リスト)、脂肪族基が8から22個の炭素原子を含む直鎖または分枝状鎖であって、少なくとも1つの水溶性アニオン性基(例えばカルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸または亜リン酸塩)を含む脂肪族第2級または第3級アミン誘導体;
(C8〜C20)アルキルベタイン、スルホベタイン、(C8〜C20)アルキルアミド(C1〜C6)アルキルベタインまたは(C8〜C20)アルキルアミド(C1〜C6)アルキルスルホベタインもまた挙げられる。
【0187】
アミン誘導体の中で、米国特許第2528378号および第2781354号に記載され、下記の構造を有する、Miranol(登録商標)の名称で販売されている製品が挙げられる。
R2-CONHCH2CH2-N(R3)(R4)(CH2COO-) (2)
(式中、R2は、加水分解ヤシ油中に存在する酸R2-COOHから誘導されるアルキル基、ヘプチル、ノニルまたはウンデシル基を表し、R3はβ-ヒドロキシエチル基を表し、R4はカルボキシメチル基を表す。)
R2'-CONHCH2CH2-N(B)(C) (3)
(式中、
Bは-CH2CH2OX'を表し、Cは-(CH2)z-Y'、ここでZ=1または2を表し、
X'は、-CH2CH2COOH基または水素原子を表し、
Y'は、-COOHまたは-CH2-CHOH-SO3H基を表し、
R2'は、ヤシ油中または加水分解アマニ油に存在する酸R9-COOHのアルキル基、アルキル基、特にC7、C9、C11またはC13アルキル基、C17アルキル基およびそのiso型、あるいは不飽和C17基を表す。)
【0188】
これらの化合物は、CTFA dictionary、第5版、1993年にココアンホジ酢酸二ナトリウム、ラウロアンホジ酢酸二ナトリウム、カプリルアンホジ酢酸二ナトリウム、カプリロアンホジ酢酸二ナトリウム、ココアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸二ナトリウム、カプリルアンホジプロピオン酸二ナトリウム、カプリロアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸、ココアンホジプロピオン酸の名称で分類されている。
【0189】
例証として、Miranol(登録商標)C2M concentrateの名称でRhodiaにより販売されているココアンホ二酢酸が挙げられる。
【0190】
本発明の組成物において、界面活性剤の混合物、特にアニオン性界面活性剤と両性または非イオン性界面活性剤の混合物を使用するのが好ましい。特に好ましい混合物の1つは、少なくとも1種のアニオン性または非イオン性界面活性剤および少なくとも1種の両性界面活性剤とからなる混合物である。
【0191】
使用されるのが好ましいアニオン性界面活性剤は、(C12〜C14)アルキル硫酸ナトリウム、トリエタノールアミンまたはアンモニウム、2.2molの酸化エチレンによりオキシエチレン化された(C12〜C14)アルキルエーテル硫酸ナトリウム、トリエタノールアミンまたはアンモニウム、ココイルイセチオン酸ナトリウムおよびα-(C14〜C16)オレフィンスルホン酸ナトリウムおよびこれらの混合物から選択され:
- 特にMiranol(登録商標)C2M CONCの名称で38%の活性物質を含む水溶液として、またはMiranol(登録商標)C32の名称でRhodiaにより販売されている、ココアンホジプロピオン酸ジナトリウムまたはココアンホプロピオン酸ナトリウムとして知られるアミン誘導体などの両性界面活性剤か、
- あるいは特にDehyton(登録商標)AB 30の名称で32%の活性物質を含む水溶液としてHenkelにより、またはTegobetaine(登録商標)F50の名称でGoldschmidtにより販売されているアルキルベタインなどの双性イオン性タイプの両性界面活性剤
のどちらかとともに使用される。
【0192】
カチオン性界面活性剤
本発明の組成物は、任意選択でポリオキシアルキレン化された第1級、第2級または第3級脂肪アミン塩、第4級アンモニウム塩、およびこれらの混合物などの、本質的によく知られた1つまたは複数のカチオン性界面活性剤を含む。
【0193】
第4級アンモニウム塩の例は、
- 下記の一般式(VI)の第4級アンモニウム塩:
【0194】
【化15】

【0195】
式中、基R8からR11は、同一でも異なっていてもよく、1から30個の炭素原子を含む直鎖または分枝状脂肪族基あるいはアリールまたはアルキルアリールなどの芳香族基を表す。脂肪族基は、特に、酸素、窒素、イオウまたはハロゲンなどのヘテロ原子を含んでよい。脂肪族基は、例えば、アルキル、アルコキシ、ポリオキシ(C2〜C6)アルキレン、アルキルアミド、(C12〜C22)アルキルアミド(C2〜C6)アルキル、(C12〜C22)アルキル酢酸および約1から30個の炭素原子を含むヒドロキシアルキル基から選択され、Xはハロゲン化物、リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、(C2〜C6)アルキル硫酸塩およびアルキル-またはアルキルアリール-スルホン酸塩のグループから選択されるアニオンである;
- イミダゾリンの第4級アンモニウム塩、例えば下記の式(VII)のものなど:
【0196】
【化16】

【0197】
式中、R12は、8から30個の炭素原子を含むアルケニルまたはアルキル基、例えば、牛脂脂肪酸誘導体を表し、R13は、水素原子、C1〜C4アルキル基またはアルケニルまたは8から30個の炭素原子を含むアルキル基を表し、R14はC1〜C4アルキル基を表し、R15は水素原子またはC1〜C4アルキル基を表し、X-はハロゲン化物、リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、アルキル硫酸塩およびアルキル-またはアルキルアリール-スルホン酸塩のグループから選択されるアニオンである。R12およびR13は、好ましくは12から21個の炭素原子を含むアルケニルまたはアルキル基の混合物、例えば牛脂脂肪酸誘導体を表し、R14はメチル基を表し、R15は水素原子を表す。この種の製品は、例えば、Rewoquat(登録商標)W 75の名称でRewoにより販売されている;
- 式(VIII)のジ4級アンモニウム塩:
【0198】
【化17】

【0199】
式中、R16は、約16から30個の炭素原子を含む脂肪族基を表し、R17、R18、R19、R20およびR21は、同一でも異なっていてもよく、水素原子または1から4個の炭素原子を含むアルキル基から選択され、Xはハロゲン化物、酢酸塩、リン酸塩、硝酸塩および硫酸メチルのグループから選択されるアニオンである。このようなジ4級アンモニウム塩は、特にプロパン牛脂ジアンモニウムジクロライドを含む;
- 少なくとも1種のエステル官能基を含む第4級アンモニウム塩、例えば下記の式(IX)のものなど:
【0200】
【化18】

【0201】
式中、R22は、C1〜C6アルキル基およびC1〜C6ヒドロキシアルキルまたはジヒドロキシアルキル基から選択され、
R23は:
- 基
【0202】
【化19】

【0203】
- 直鎖または分枝状、飽和または不飽和C1〜C22炭化水素基R27
- 水素原子
から選択され、
R25は、
- 基
【0204】
【化20】

【0205】
- 直鎖または分枝状、飽和または不飽和C1〜C6炭化水素基R29
- 水素原子
から選択され、
R24、R26およびR28は、同一でも異なっていてもよく、直鎖または分枝状、飽和または不飽和C7〜C21炭化水素基から選択され;
r、sおよびtは、同一でも異なっていてもよく、2から6までの範囲の整数であり、
yは、1から10までの範囲の整数であり、
xおよびzは、同一でも異なっていてもよく、0から10までの範囲の整数であり、
X-は、単一または複合、有機または無機アニオンであり;
ただし和x+y+zは1から15で、xが0のとき、R23はR27を表し、zが0のとき、R25はR29を表すものとする
を含む。
【0206】
R22アルキル基は、直鎖または分枝状、より好ましくは直鎖であることができる。
【0207】
R22は、好ましくはメチル、エチル、ヒドロキシエチルまたはジヒドロキシプロピル基、より好ましくはメチルまたはエチル基を表す。
【0208】
和x+y+zは、有利には1から10である。
【0209】
R23が炭化水素基R27であるとき、R23は、長鎖で12から22個の炭素原子を含むか、または短鎖で1から3個の炭素原子を含む。
【0210】
R25が炭化水素基R29であるとき、R25は、好ましくは1から3個の炭素原子を含む。
【0211】
R24、R26およびR28は、同一でも異なっていてもよく、有利には直鎖または分枝状、飽和または不飽和C11〜C21炭化水素基、より具体的には直鎖または分枝状、飽和または不飽和C11〜C21アルキルまたはアルケニル基から選択される。
【0212】
xおよびzは、同一でも異なっていてもよく、好ましくは0または1である。
【0213】
yは、有利には1に等しい。
【0214】
r、sおよびtは、同一でも異なっていてもよく、好ましくは2または3であり、さらにより好ましくは2に等しい。
【0215】
アニオンは、好ましくはハロゲン化物(塩化物、臭化物またはヨウ化物)またはアルキル硫酸塩、よい特には硫酸メチルである。しかし、メタンスルホン酸塩、リン酸塩、硝酸塩、トシル酸塩、有機酸から誘導されたアニオン、例えば酢酸塩または乳酸塩など、またはエステル官能性のアンモニウムと相容性のある他のアニオンを使用してもよい。
【0216】
X-は、さらにより具体的には塩化物または硫酸メチルである。
【0217】
本発明の組成物により具体的には使用されるアンモニウム塩は、式(IX)のアンモニウム塩であり式中、
- R22は、メチルまたはエチル基を表し、
- xおよびyは、1に等しく、
- zは、0または1に等しく、
- r、sおよびtは、2に等しく、
- R23は、
- 基
【0218】
【化21】

【0219】
- メチル、エチルまたはC14〜C22炭化水素基、
- 水素原子
から選択され、
- R25は、
- 基
【0220】
【化22】

【0221】
- 水素原子
から選択され、
- R24、R26およびR28は、同一でも異なっていてもよく、直鎖または分枝状、飽和または不飽和C13〜C17炭化水素基、好ましくは直鎖または分枝状、飽和または不飽和C13〜C17アルキルまたはアルケニル基から選択される。
【0222】
炭化水素基は、有利には直鎖である。
【0223】
言及することができる例は、ジアシルオキシエチルジメチルアンモニウム、ジアシルオキシエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム、モノアシルオキシエチルジヒドロキシエチルメチルアンモニウム、トリアシルオキシエチルメチルアンモニウムおよびモノアシルオキシエチルヒドロキシエチルジメチルアンモニウム塩(特に塩化物またはメチル硫酸)、ならびにこれらの混合物などの式(IX)の化合物を含む。アシル基は好ましくは、14から18個の炭素原子を含み、より具体的にはパーム油またはヒマワリ油などの植物油から得られる。化合物が2個以上のアシル基を含むとき、これらの基は同一でも異なっていてもよい。
【0224】
これらの物質は例えば、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、任意選択でオキシアルキレン化された、アルキルジエタノールアミンまたはアルキルジイソプロパノールアミンと脂肪酸あるいは植物または動物由来の脂肪酸混合物との直接的エステル化により、あるいはこれらのメチルエステルのエステル交換反応により得られる。このエステル化反応に続いて、ハロゲン化アルキル(好ましくはハロゲン化メチルまたはエチル)、硫酸ジアルキル(好ましくは硫酸ジメチルまたはジエチル)、メタンスルホン酸メチル、パラ-トルエンスルホン酸メチル、グリコールクロロヒドリンまたはグリセロールクロロヒドリンなどのアルキル化剤を用いた4級化が行われる。
【0225】
このような化合物は、例えばDehyquart(登録商標)の名称でHenkelにより、Stepanquat(登録商標)の名称でStepanにより、Noxamium(登録商標)の名称でCECAによりあるいは、Rewoquat(登録商標)WE 18の名称でRewo-Witcoにより販売されている。
【0226】
本発明の組成物は、好ましくは第4級アンモニウムモノ-、ジ-およびトリエステル塩をジエステル塩の重量で大部分を占めるように含む。
【0227】
アンモニウム塩の混合物として、例えば15重量%から30重量%のメチル硫酸アシルオキシエチル-ジヒドロキシエチル-メチルアンモニウム、45重量%から60重量%のメチル硫酸ジアシルオキシエチル-ヒドロキシエチル-メチルアンモニウムおよび15重量%から30重量%のメチル硫酸トリアシルオキシエチル-メチルアンモニウムを含む混合物で、アシル基は14から18個の炭素原子を含み、任意選択で部分的に水添パーム油由来であることができる、混合物を使用することが可能である。
【0228】
米国特許出願第4874554号および米国特許出願第4137180号に記載されている、少なくとも1個のエステル官能基を含むアンモニウム塩を使用することも可能である。
【0229】
式(VI)の第4級アンモニウム塩の中で、好ましいのは、一方では、テトラアルキルアンモニウムクロライド、例えばアルキル基が12から22個の炭素原子を含む、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライドまたはアルキルトリメチルアンモニウムクロライド、特にベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、またはベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド、あるいはもう一方で、パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドまたはCeraphyl(登録商標)70の名称でVan Dykにより販売されているステアラミドプロピルジメチル(酢酸ミリスチル)アンモニウムクロライドである。
【0230】
本発明の組成物に特に好ましいカチオン性界面活性剤は、第4級アンモニウム塩、特にベヘニルトリメチルアンモニウムクロライドおよびパルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドから選択される。
【0231】
本発明の組成物は、好ましくは界面活性剤または界面活性剤類を組成物の全重量に対して、0.1重量%と10重量%の間、より好ましくは0.5重量%と8重量%の間、さらにより好ましくは1重量%と5重量%の間の量で含む。
【0232】
選択される界面活性剤は、有利には両性または非イオン性界面活性剤である。
【0233】
当業者であれば、本発明の組成物の特性に害を及ぼすことがないように、あらゆる添加物およびその量を選択するよう注意するであろう。
【0234】
これらの添加物は、本発明の組成物中に、組成物の全重量に対して、0から20重量%の範囲の量で存在する。
【0235】
以下に続く実施例は、本発明を例証するものであり、決して本発明を限定するものとみなされるべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0236】
本発明に係るラッカーを調製した:
a.Avalure UR 450(Noveon)........................................... 1%a.s.
b.Eastman AQ 55S................................................... 1%a.s.
c.Q2-5220(Dow Corning)........................................... 0.5%a.s.
d.水............................................................ 53.5%a.s.
e.DME............................................................. 40%a.s.
【0237】
本発明に係る水/空気タイプ固着スプレーを加圧容器中に調製した。
液体は、下記を含む:
a.Avalure UR 450(Noveon)........................................... 1%a.s.
b.Eastman AQ 55S................................................... 1%a.s.
c.水.............................................................. 98%a.s.
【0238】
本発明に係るムースを調製した:
a.Avalure UR 450(Noveon)........................................... 3%a.s.
b.オキシエチレン化(20EO)モノラウリン酸ソルビタン................. 0.2%a.s.
c.水............................................................ 88.8%a.s.
d.イソブタン/プロパン(85/15)....................................... 5%a.s.
e.Eastman AQ 55S................................................... 3%a.s.
【0239】
本発明に係るスタイリングゲルを調製した:
a.Avalure UR 450(Noveon)........................................... 5%a.s.
b.Eastman AQ 55S................................................... 5%a.s.
c.Jaguar HP105(Rhodia)............................................. 1%a.s.
d.Q2-5220(Dow Corning)............................................. 1%a.s.
e.水......................................................... 全量100%a.s.
【0240】
本発明に係る非エアロゾル固着スプレーを調製した:
a.Avalure UR 450(Noveon).......................................... 3%a.s.
b.Eastman AQ 55S.................................................. 3%a.s.
c.水............................................................. 94%a.s.
【0241】
Eastmanにより販売されているEastman AQ 55Sは、ジエチレングリコール/1,4-シクロヘキサンジメタノール/イソフタル酸/スルホイソフタル酸コポリマーであり、水分散性の直鎖スルホンポリエステルである。
【0242】
操作プロトコール:
- 2.7gの27cm長の自然毛の房に、2gの試験処方を塗布する。
- 処理した毛の房を直径1cmのローラーに巻きつけ形をつける。
- 製品を空気中で乾燥させ、次いで細心の注意を払って毛の房をローラーからはずす。
- このようにして形をつけた毛の房を、その後室温で、容量8Lの塩水バス(3% NaCl)に浸漬し、マグネティックスターラーで100回転/分の速度で攪拌する。
- 時間経過後に毛の房の長さを測定し、形状保持率を評価する。
【0243】
形状保持率の測定
形状保持率(%):(Li-L)/(Li-L0)*100
L:時間tでのカールした房の長さ
L0:形付けしローラーを除去した後のカールした房の長さ
Li:ローラーで形付けする前の房の長さ
【0244】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品的に許容できる媒体中に、少なくとも1種の水分散性スルホン酸ポリエステルおよび400,000〜5,000,000g/molの数平均分子量を有する少なくとも1種のポリウレタンを含む化粧品組成物。
【請求項2】
スルホン酸ポリエステルが直鎖であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
水分散性スルホン酸ポリエステルが、少なくとも1種のジカルボン酸または少なくとも1種のそのエステル、少なくとも1種のジオール、および式中Mが水素原子またはNa+、Li+もしくはK+などの金属イオンを表す基-SO3Mが芳香核上に置換された少なくとも1種のスルホアリールジカルボン酸二官能性化合物の重縮合物である、請求項1または2に記載の化粧品組成物。
【請求項4】
水分散性スルホン酸ポリエステルが、イソフタル酸、スルホイソフタル酸のナトリウム塩、ジエチレングリコールおよび1,4-シクロヘキサンジメタノールから得られる、請求項1から3のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項5】
使用される水分散性スルホン酸ポリエステルのTgが、50℃以上である、請求項1から3のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
スルホン酸ポリエステルが分枝状であることを特徴とする、請求項1、3および4のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
水分散性スルホン酸ポリエステルの濃度が、組成物の全重量に対して、0.1重量%〜40重量%、好ましくは1重量%〜30重量%、より好ましくは5重量%〜25重量%である、請求項1から6の一項に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
400,000〜5,000,000g/molの数平均分子量を有するポリウレタンの濃度が、組成物の全重量に対して、0.01重量%〜40重量%、好ましくは0.05重量%〜20重量%、より好ましくは0.1重量%〜10重量%である、請求項1から7の一項に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
アニオン性、カチオン性、両性および非イオン性固着ポリマーならびにこれらの混合物から選択される追加の固着ポリマーを含む、請求項1から8の一項に記載の化粧品組成物。
【請求項10】
カチオン性固着ポリマーが、アミノ官能基を含むアクリル酸またはメタクリル酸エステルまたはアミドのホモポリマーまたはコポリマー、カチオン性多糖類、第4級ビニルピロリドン-ビニルイミダゾールコポリマー、およびキトサンから選択されることを特徴とする、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
アニオン性固着ポリマーが、アクリル酸およびメタクリル酸またはこれらの塩のホモポリマーまたはコポリマー、クロトン酸のコポリマー、C4〜C8モノ不飽和カルボン酸または無水物のコポリマー、カルボキシラート基を含むポリアクリルアミド、スルホン酸基を含むホモポリマーまたはコポリマー、アニオン性ポリウレタン、およびグラフト化アニオン性シリコーンポリマーから選択されることを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
両性固着ポリマーが、酸性ビニル単位および塩基性ビニル単位を含むコポリマー、架橋およびアクリル化ポリアミノアミド、双性イオン単位を含むポリマー、キトサンから誘導されたポリマー、修飾(C1〜C5)アルキルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー、両性ポリウレタン、およびグラフト化両性シリコーンポリマーから選択されることを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
非イオン性固着ポリマーが、ポリアルキルオキサゾリン、酢酸ビニルホモポリマーおよびコポリマー、アクリル酸エステルホモポリマーおよびコポリマー、アクリロニトリルコポリマー、スチレンホモポリマーおよびコポリマー、ポリアミド、ビニルピロリドンホモポリマー以外のビニルラクタムホモポリマー、ビニルラクタムコポリマー、非イオン性ポリウレタン、およびグラフト化非イオン性シリコーンポリマーから選択されることを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項14】
追加の固着ポリマーの濃度が、組成物の全重量に対して、0.1重量%〜20重量%、好ましくは0.5重量%〜10重量%である、請求項10から13のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項15】
組成物中に使用される有機溶媒が、エタノール、イソプロパノール、tert-ブタノール、n-ブタノール、またはポリオールもしくはポリオールエーテルなどのC1〜C4低級アルコールであることができる、請求項10から14のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項16】
シリコーン、シリコーン脂肪物質および非シリコーン脂肪物質から選択される少なくとも1種の化合物を含む、請求項1から15の一項に記載の化粧品組成物。
【請求項17】
シリコーン、シリコーン脂肪物質および非シリコーン脂肪物質から選択される化合物の濃度が、組成物の全重量に対して、0.01重量%〜20重量%、好ましくは0.05重量%〜10重量%である、請求項16に記載の化粧品組成物。
【請求項18】
非イオン性、アニオン性、カチオン性および両性界面活性剤、追加の非イオン性、アニオン性、カチオン性および両性ポリマー、セラミドおよび擬似セラミド、パンテノールなどのビタミンおよびプロビタミン、シリコーンまたは非シリコーン水溶性および油溶性日焼け止め剤、フィラーおよび固体粒子、例えば有色または無色の鉱物顔料および有機顔料、真珠光沢剤および乳白剤、フレーク、活性粒子、染料、金属イオン封鎖剤、可塑剤、可溶化剤、酸性化剤、アルカリ性化剤、中和剤、有機および無機増粘剤、酸化防止剤、ヒドロキシ酸、浸透剤、香料および防腐剤から選択される少なくとも1種の添加物を含む、請求項1から17の一項に記載の化粧品組成物。
【請求項19】
C1〜C4アルコールを含まないことを特徴とする、請求項1から18のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項に記載の化粧品組成物を使用する、ヘアスタイルを形成および保持する方法。
【請求項21】
毛髪を固定および保持するための、請求項1から19のいずれか一項に記載の化粧品組成物の使用。
【請求項22】
耐水性のヘアスタイルを得るための、請求項21に記載の組成物の使用。

【公開番号】特開2006−124391(P2006−124391A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−313327(P2005−313327)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】