スロットを含む電子銃を備える電子ビーム照射装置
【課題】照射対象物に均一に分布する電子ビームを照射することができる電子ビーム照射装置およびその方法を提供する。
【解決手段】本発明の電子ビーム照射装置は、電子を発生させる電子発生器24を備え、電子発生器24が電子を発生させる少なくとも1つの電子源30を収容するハウジング26を有し、電子源30が所定の幅を有し、ハウジング26が、電子源30から距離をあけて配置された電子透過領域32を有し、電子透過領域32がハウジング26に形成され、電子源30の所定の幅を横断する横断方向に延在する一連の狭く細長いスロットおよびリブを含み、電子源30によって発生される電子を電子源30の所定の幅を横断する横断方向に拡散させるように、前記少なくとも1つの電子源に対して構成され、位置決めされている。
【解決手段】本発明の電子ビーム照射装置は、電子を発生させる電子発生器24を備え、電子発生器24が電子を発生させる少なくとも1つの電子源30を収容するハウジング26を有し、電子源30が所定の幅を有し、ハウジング26が、電子源30から距離をあけて配置された電子透過領域32を有し、電子透過領域32がハウジング26に形成され、電子源30の所定の幅を横断する横断方向に延在する一連の狭く細長いスロットおよびリブを含み、電子源30によって発生される電子を電子源30の所定の幅を横断する横断方向に拡散させるように、前記少なくとも1つの電子源に対して構成され、位置決めされている。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2008年5月21日にファイルされた米国仮特許出願第61/055,025号の優先権の利益を主張するものである。上記出願の教示内容全体を本明細書に組み込まれたものとする。
【技術分野】
【0002】
本発明は、電子源の所定の幅を横断する一連のスロットを含む電子銃(電子発生器)を備える電子ビーム照射装置に関する。
【背景技術】
【0003】
電子ビーム照射装置は一般に、電子を発生させるための電子銃または電子発生器を含み、これが真空チャンバ内に配置されている。真空チャンバの一端には電子ビーム放射窓箔が設けられ、電子銃からの電子が電子銃と電子ビーム放射窓箔との間に加わる電圧によって加速されて、この電子ビーム放射窓箔を通過する。電子銃は、1本以上(2本など)の細長い線源であるフィラメントを収容するハウジングを含み、このフィラメントに電流が流れると電子が発生される。電子銃のハウジングには通常、フィラメントの下に小さな丸孔のグリッドパターンが形成され、この孔によってフィラメントで生成される電子は電子銃のハウジングから出て加速されて電子ビーム放射窓箔から放出される。一般に、各フィラメントから電子ビーム放射窓箔に達する電子は、フィラメントの狭く細長い形状に近似しているか、またその形状に相当するラインパターンで集束される。たとえば、2本の細長いフィラメントを有する電子銃からの電子の電子ビーム放射窓箔における一般的なラインパターンを図1に示す。図1では、2本のフィラメントに対応する2本の狭く細長いライン8に電子が集中しているのに対し、周辺領域9では電子の集中度が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、電子分布が高強度と低強度との電子スポットまたは領域のある不均一な状態になると、使用される全体の電子ビーム出力が制限される。また、電子ビーム照射装置が、照射対象となる製品の近くか、あるいは、電子を散乱する空気がほとんどないか、低い気圧または空気がまったくない真空雰囲気内で動作する場合、製品に到達する電子は場合によっては図1に示すパターンのままであり、照射が不均一になってしまう。本発明は、電子を発生させる電子発生器を備える電子ビーム照射装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の電子発生器は、電子を発生させる少なくとも1つの電子源を収容するハウジングを有する。少なくとも1つの電子源は、所定の幅を有する。電子発生器のハウジングは、電子発生器のハウジングから電子を取り出せるように、少なくとも1つの電子源から距離をあけて配置された電子透過領域を有する。電子透過領域は、電子発生器のハウジング内に形成され、少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に延在する狭く細長い一連のスロットおよびリブを含む。電子透過領域は、少なくとも1つの電子源によって発生される電子を電子源の所定の幅を横断する横断方向に拡散させるように、少なくとも1つの電子源に対して構成され、位置決めされる。
【0006】
特定の実施形態では、電子源が細長い電子源である。スロットは、細長い電子源に対して約30°〜90°の角度範囲、あるいは鋭角に角度付けされる。スロットの幅は約1/8〜3/16インチ(3.175〜4.763mm)、リブの幅は約0.030〜0.040インチ(0.762〜1.016mm)である。電子透過領域は、所定の細長い長さと所定の幅を有し、電子透過領域が長さ方向に長手軸心を有する。スロットは電子透過領域の長手軸心に沿って約1/4インチ(6.35mm)のピッチで位置決めされる。電子透過領域は、スロットの幅とリブの幅との比が約3対1から約6対1である。電子発生器のハウジングは、金属シートから形成され、平面部分を有し、電子透過領域は平面部分の内側に一体的形成されている。電子発生器は、電子ビーム放射窓を有する真空チャンバ内に配置され、電子を電子ビーム放射窓の外に加速するために電子ビーム放射窓から距離をあけて配置されている。電子透過領域のスロットおよびリブが、少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に電子を拡散させるために、電子発生器のハウジングと電子ビーム放射窓との間に延在する電界が、少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に各スロットを通って電子発生器のハウジングを貫通し、少なくとも1つの電子源を囲む横断電界領域を形成できるように構成される。これは、電子を少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に拡散させる。
【0007】
いくつかの実施形態では、電子ビーム放射窓が、電子ビーム放射窓箔を支持する支持板を含む。支持板には、電子が通過できる一連の孔が設けられている。この孔は、2つの対向する端のそれぞれに向かって中心より外方向に徐々に角度付けされている。いくつかの実施形態では、電子透過領域が、スロットの第1の列および第2の列を含むものであってもよく、ここで、第1の列のスロットが、第2の列のスロットに対して角度付けされている。
【0008】
また、本発明は、電子ビーム放射窓を有する真空チャンバを含む電子ビーム照射装置を提供する。加速されて電子ビーム放射窓から出る電子を発生させる電子発生器が、真空チャンバ内に位置決めされ、電子ビーム放射窓から距離をあけて配置される。電子発生器は、電子を生成する少なくとも1つの電子源を収容したハウジングを有する。少なくとも1つの電子源は所定の幅を有する。電子発生器のハウジングは、電子を電子発生器のハウジングから取り出せるよう少なくとも1つの電子源から距離をあけて配置された電子透過領域を有する。電子透過領域は、電子発生器のハウジングの平面状の金属シート部分に一体的形成され、少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に延在している、狭く細長い一連のスロットおよびリブを含む。電子透過領域のスロットおよびリブが、電子発生器のハウジングから電子が取り出される前に電子を少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に拡散させるために、電子発生器のハウジングと電子ビーム放射窓との間に延在する電界が、少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に各スロットを通って電子発生器のハウジングを貫通し、少なくとも1つの電子源を囲む横断電界領域を形成できるように構成される。
【0009】
特定の実施形態では、電子源が細長い電子源である。スロットは、細長い電子源に対して約30°〜90°の角度範囲に角度付けされている。あるいは鋭角に角度付けされてもよい。スロットは、約1/8〜3/16インチ(3.175〜4.763mm)幅で形成され、リブは約0.030〜0.040インチ(0.762〜1.016mm)幅で形成される。電子透過領域は細長い所定の長さと所定の幅を有し、長さ方向に長手軸心を有する。スロットは、長手軸心に沿って約1/4インチ(6.35mm)のピッチで位置決めされる。電子透過領域は、スロットの幅とリブの幅との比が約3対1から約6対1のものである。いくつかの実施形態では、電子ビーム放射窓が、電子ビーム放射窓箔を支持する支持板を含む。支持板には、電子が通過できる一連の孔が設けられていている。この孔は、2つの対向する端のそれぞれに向かって中心より外方向に徐々に角度付けされている。いくつかの実施形態では、電子透過領域が、第1の列および第2の列のスロットを含み、ここで、第1の列のスロットが、第2の列のスロットに対して角度付けされている。
【0010】
また、本発明は、電子ビーム照射装置で電子を分散させる方法を提供する。電子を電子発生器で発生し、電子発生器は電子を発生するための少なくとも1つの電子源を収容したハウジングを有する。少なくとも1つの電子源は所定の幅を有する。電子発生器のハウジングは、電子発生器のハウジングから電子を取り出せるように、少なくとも1つの電子源から距離をあけて配置された電子透過領域を有する。少なくとも1つの電子源によって発生される電子を電子源の所定の幅を横断する横断方向に拡散させるように、電子透過領域を少なくとも1つの電子源に対して構成し、位置決めする。電子透過領域は、電子発生器のハウジング内に形成され、少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に延在している狭く細長い一連のスロットおよびリブを含む。
【0011】
特定の実施形態では、電子が細長い電子源で発生される。スロットは、細長い電子源に対して約30°〜90°の角度範囲に角度付けされている。あるいは鋭角に角度付けされてもよい。スロットは、約1/8〜3/16インチ(3.175〜4.763mm)の幅で形成され、リブは約0.030〜0.040インチ(0.762〜1.016mm)の幅で形成される。電子透過領域には細長い所定の長さと所定の幅を有し、電子透過領域は長さ方向に長手軸心を有する。スロットは、長手軸心に沿って約1/4インチ(6.35mm)のピッチで位置決めされる。電子透過領域は、スロットの幅とリブの幅との比が約3対1から約6対1に形成される。電子発生器のハウジングは平面部分を有し、金属シートから形成され、電子透過領域は平面部分の内側に一体的形成される。電子発生器は、電子ビーム放射窓を有する真空チャンバ内に配置され、電子ビーム放射窓から距離をあけて配置されている。電子発生器から取り出された電子は、電子ビーム放射窓の外に加速される。電子透過領域のスロットおよびリブについては、電子発生器のハウジングと電子ビーム放射窓との間に延在する電界が、少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に各スロットを介して電子発生器のハウジングを貫通して、電子を少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に拡散させるように、少なくとも1つの電子源を囲む横断電界領域を形成する。
【0012】
いくつかの実施形態では、電子ビーム放射窓が、電子ビーム放射窓箔を支持する支持板を含む。支持板には、電子が通過できる一連の孔が設けられている。この孔は、2つの対向する端のそれぞれに向かって中心より外方向に徐々に角度付けされている。いくつかの実施形態では、電子透過領域が、スロットの第1の列および第2の列を含み、ここで、電子の軌道を整合させるように、第1の列のスロットが、第2の列のスロットに対して角度付けされている。いくつかの実施形態では、電子透過領域に、スロットの第1の列と第2の列が設けられ、ここで、第1の列のスロットが、第2の列のスロットに対して角度付けされている。
【0013】
また、本発明は、電子ビーム照射装置によって製品に電子を照射する方法を提供する。電子は電子発生器で発生される。電子発生器は、電子を生成するための少なくとも1つの電子源を収容したハウジングを有する。少なくとも1つの電子源は所定の幅を有する。電子発生器のハウジングは、電子発生器のハウジングから電子を取り出せるように、少なくとも1つの電子源から距離をあけて配置された電子透過領域を有する。電子透過領域は、電子発生器のハウジング内に形成され、少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に延在している狭く細長い一連のスロットおよびリブを含む。電子透過領域は、少なくとも1つの電子源によって発生される電子を横断方向に拡散させるために、少なくとも1つの電子源に対して構成され、位置決めされる。製品および電子ビーム照射装置は、製品に電子を照射するために電子透過領域のスロットおよびリブに対して鋭角に角度付けされて相対的に移動される。
【0014】
上記の本発明については、添付の図面に示したように本発明の実施形態のより具体的な説明から明らかになろう。異なる図において使用されている、同様の参照符号は同じ構成部を示す。図面は必ずしも縮尺どおりであるとはかぎらず、むしろ本発明の実施形態を例示するために強調されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来技術の電子ビーム照射装置の電子ビーム放射窓箔における長さ方向および幅方向の不均一な電子分布を示す図である。
【図2】本発明における電子ビーム照射装置の一実施形態の概略図である。
【図3】図2の電子ビーム照射装置の一部分の図である。
【図4】電子銃内の電子源の幅方向に関する電子の分散および軌道を示す概略図である。
【図5】電子源の長さ方向に関する、電子ビーム放射窓まで延在する電子の軌道を示す概略図である。
【図6】本発明における電子銃の実施形態のハウジング部分の斜視図である。
【図7】図6のハウジングの平面図である。
【図8】一実施形態における2つの細長い電子源に対するスロットの配置方向を示す概略図である。
【図9】電子銃のハウジング内の電子透過領域における横断スロットによって電子銃内に形成される電界分布による電子の拡散または分散を示す概略図である。
【図10】電子銃内ならびに、電子銃と電子ビーム放射窓との間の等電位線を示す概略図である。
【図11】電子の、電子源を横断する横断方向の分散を示す拡大概略図である。
【図12】本発明の実施形態の電子ビーム放射窓箔における長さ方向および幅方向の均一に分散された電子分布を示す図である。
【図13】分散された電子分布を示す電子ビーム放射窓の概略図である。
【図14】電子ビーム放射窓箔の支持格子の一実施形態の平面図である。
【図15】図14の支持格子の側断面図である。
【図16】電子銃のハウジング部分のもうひとつの実施形態の平面図である。
【図17】電子銃のさらに別のスロット構成を示す平面図である。
【図18】さらにもうひとつのスロット構成を示す図である。
【図19】2本の細長い電子源に対するスロットの配置方向のもうひとつの実施形態を示す概略図である。
【図20】本発明におけるもうひとつの実施形態の電子ビーム照射装置の断面図である。
【図21】本発明におけるさらに別の実施形態の電子ビーム照射装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図2および図3は、本発明における電子ビーム照射装置、装置またはデバイス10の実施形態を示す。電子ビーム照射装置10は、密封可能な真空チャンバ12を有する。真空チャンバ12はハウジング12aを有し、このハウジング12aの内部22には、ハウジング12aの壁から距離をあけて配置された、電子を発生する電子銃または電子発生器24が配置されている。電子銃24は、電子銃または電子発生器のハウジングまたはエンクロージャ26を含む。電子銃のハウジング26は、このハウジング26の内部28に配置された1つ以上の電子源または部材30を含み、包み込む、あるいは囲む。たとえば、図3には2つの電子源30が図示されており、本明細書でもそれ自体について説明するが、2つ未満または3つ以上を用いてもよい。
【0017】
従来技術において周知のように、電子源30には、狭い幅または小さい直径のフィラメントなどの細長いライン電子源あるいは他の好適な細長いライン電子源が用いられる。電子発生電源13からの電力が電子源30に供給され、電子源30から電子e−が発生される。真空チャンバ12は、電子ビーム放射窓箔16を支持する、一連の孔20が設けられた支持格子18を有する電子ビーム放射窓14を含む。電子ビーム放射窓14は通常、矩形形状である。高電圧電源11によって電子銃のハウジング26と電子ビーム放射窓14との間に高い電位差が形成され、電子銃のハウジング26と電子ビーム放射窓14との間に高電圧の電界23(図10)が生成されて、電子銃24の電子源30によって生成される電子が加速されて電子ビーム放射窓14から外部の電子ビーム15(図5)となって放出される。参照符号23は、電界23の等電位線を示している。
【0018】
電子銃24のハウジング26は、電子源30から距離をあけて配置された電子透過領域32を有する。電子源30は、各々長手軸心31に沿って長手方向に延在している。長手軸心31は、電子透過領域32に対して平行であり、共通の面上にある。電子銃のハウジング26および電子透過領域32は、真空チャンバ12の長手軸心である軸心Aに沿って、電子ビーム放射窓14から距離をあけて配置され、電子ビーム放射窓14と整列配置されている。図4に示すように、電子銃のハウジング26および電子透過領域32は、電子が電子透過領域32に到達する前に、ひいては、電子ビーム放射窓14に到達する前に、電子銃のハウジング26内の電子源30の直径すなわち幅WEよりも幅広く電子源30に対して横方向または横断方向に電子e−を均一に分散させるよう構成される。
【0019】
また、図5に示すように、電子は電子源30の長手方向に均一に分散される。電子が電子ビーム放射窓14に到達する前に、真空チャンバ12内の内部の電子ビーム15a(図4)がライン電子源30を横断して電子を分散または拡散させることによって、より均一な電子分布を形成して、電子ビーム放射窓14における最大出力または高強度のスポットを減少させ、これによって使用する全体の電子ビーム出力を大きくすることができる。さらに、大きな面積の電子ビーム放射窓14を利用でき、電子透過率を最大化できる。電子ビーム放射窓を透過する電子ビーム出力を均一化することによって、極小の均一性を排除または低減することができる。電子銃24は別途に電子を形成するための外部電源を付加せずに電子源30からの電子を拡散できる。
【0020】
電子源30は、たとえば、5〜50ワット(W)の電力を供給して加熱することによって自由電子を発生させるタングステンなどの好適な材料からなる細長いフィラメントであり、幅WEすなわち直径が約0.005〜0.020インチ(0.127〜0.508mm)であり、いくつかの実施形態では約0.009インチ(0.229mm)である。また、電子源30は、六ホウ化ランタンなどの他の好適な材料で作ることができ、上記以外の幅または直径を持つものであってもよい。電子ビーム放射窓箔16は、金属または非金属箔でありチタン、アルミニウム、ベリリウム、ステンレス鋼、銅、金、銀、ダイヤモンド、セラミックまたはこれらの組み合わせであってもよい。電子ビーム放射窓箔の一般的な厚さは、約4〜13ミクロン(μm)であればよく、たとえば7〜10ミクロンであるが、印加電圧および材料に応じてこれよりも厚かったり薄かったりしてもよい。電子銃のハウジング26と電子ビーム放射窓14との間の電位差は、1KV〜500KVの範囲であるが、これよりも高くまたは低くてもよく、一般的には、80KV〜150KVの範囲である。
【0021】
図6〜図11に示すように、電子透過領域32は、電子源30および軸心31に対して横方向または横断方向に延在する一連の横方向または横断方向のスロット32aを含む。スロット32aは、電子透過領域32を集合的に形成するよう並んで位置決めされ、長手軸心31に平行な長手軸心25に沿って延在している。スロット32aは、電子発生器のハウジング26の平らで平面状の下側の底、軸心、端、周辺部分26aを一体的に含む平面であり、電子源30と平行な平面に形成され、軸心Aに対して中心合わせされている。結果的に、電子透過領域32は、周辺部分26aおよび軸心25に沿って平面状に延在している。
【0022】
電子透過領域32の横断スロット32aは、ハウジング26の平らな平面部分26aで軸心25に沿ってともに接近して並べられ、幅または横断方向の距離D、長さLで延在するパターンで配置される。電子透過領域32は、通常は矩形形状である。軸心31に沿った電子源30の長さは、電子透過領域32の長さLとほぼ同じであり、場合によっては、わずかに長い。電子透過領域32を通ってハウジング26から取り出される電子ビームは、概してスロット32の長さLおよび幅Dと整合または相当する長さと幅を有する。スロット32aは、狭いリブまたはウェブ33で互いに分離されたシェブロンスロットであってもよい。スロット32aは、軸心25および/または軸心31ならびに電子源30に対して鋭角αの角度をなし、多くの場合、30°〜90°の角度範囲になり、いくつかの実施形態では、45°〜60°の角度範囲になる。いくつかの実施形態では、30°未満の角度を使用してもよい。リブ33は、同じ角度αである。電子透過領域32およびスロット32aは、各電子源30または軸心31を横断する横断方向の一方の側または他方の側で、横断方向または横断距離Xだけ幅WEを超えてまたはこれを横断する横断方向に延在する(図8および図9)。
【0023】
細長いフィラメントの下に一連の狭い丸孔を有する従来技術の電子銃では、フィラメントによって生成される電子のほとんどが、細長いフィラメントと整列配置された狭い孔を通り、狭い電子ビームとして集束することで、図1に示すように電子が狭いライン状幅に集中する。対照的に、横断スロット32aでは、電子銃のハウジング26と電子ビーム放射窓14との間に高い電圧電界23が、電子銃のハウジング26、各スロット32aを貫通して電子銃のハウジング26に漏洩または延在し、電子銃のハウジング26内で距離すなわち深さf(図9)にわたって延在する横方向または横断方向の電界領域29を作る。横方向または横断方向と同様に、電界領域は電子源30または軸心31に沿って延在し、電子源30または軸心31を囲む。参照符号29は横断電界領域29の等電位線を示す。
【0024】
図9〜図11に示されるように、横断電界領域29の深さfは、電子源30の位置を越えて、距離すなわち高さhにわたって電子銃のハウジング26に延在する。これは、横断電界領域29内に電子源30を囲み、埋め込み、位置決めまたは存在させることができる。横断電界領域29のサイズおよび強度は、スロット32aおよびリブ33のサイズまたは長さおよび幅によって最適化できる。一般に、電子銃24の部分26aと電子ビーム放射窓14との間に軸心Aに沿って電子銃のハウジング26と電子ビーム放射窓14の間にかかる電界23の形状に干渉したり、妨げたりする構成はない。
【0025】
図4、図9、図11に示すように、横断電界領域29は電子源30よりも正の電位にあり、電子源30および軸心31に対して電子源30から電子e−を電子源30の幅WEより広く横断方向に拡散させるようにし、ハウジング26を出るときに細いライン状幅に集まるのではなく均一な分布で分散させる。このような均一の分布または分散は、図12のグラフで見られるように電子ビーム放射窓箔16での電子34の分布パターンが長さ方向と横方向の両方で均一に分布する。
【0026】
図13には、電子ビーム放射窓14における、もうひとつの電子分布および電子34の分布パターンが示されている。内部の電子ビーム15aとして電子銃のハウジング26から取り出され、加速されて電子ビーム放射窓14から取り出される電子が、このような横断方向に分散した状態であると、電子ビーム放射窓14を出る電子ビーム15も横断方向に分散する。均一な電子分布であるので、材料や製品が電子ビーム照射装置10によって均一に照射される。
【0027】
横断方向の電界領域29内に電子源30を位置決めすることで、電子源30の周囲に電位ウエル35(図9)を形成できる。電位ウエル35は、電子源30よりも正電位の領域であり、電位ウエル35によって電子を最初に半径方向に各電子源30から離れる方向に円形パターン、あるいはすべての方向に(図4および図11)加速し、その後、電界23の効果によって電子透過領域32に向かわせる。このような初期の加速によって、電子を電子ハウジング26から取り出して電子透過領域32に達する前に、電子源30に対して電子を横断方向に分散させる。電位ウエル35が深くまたは大きくなるにつれて、電子が半径方向外側に移動して横断方向に拡散または分散する距離が大きくなる。電子透過領域32および電界23のより近くに位置決めされて高さhが低い(図9)電子源30ほど、遠くにある(高さhがより高い)場合よりもより大きな電位ウエル35になる。一般に、電子透過領域32に近い横断方向の電界領域29の強度は、離れた位置よりも強い。
【0028】
図11は、横断方向の電界領域29の特定の場所が、電子銃のハウジング26に対して10V〜30Vの範囲になる実際の電子銃のハウジング26の内外の電界電位レベルの一例を示し、10Vの場所のほうが電子透過領域32およびスロット32aから離れており、電子銃のハウジング26の外側の電界23の電位は少なくとも1KVである。電子源30は、電子銃のハウジング26に対して0〜20V(ボルト)であればよい。他の実施形態では、図10を参照すると、電子銃のハウジング26内の横断方向の電界領域29は、電子銃側のハウジング26に対して約10V〜50Vの範囲の電位を有し、電子銃のハウジング26外側の電界23の電位は、電子銃のハウジング26に対して約5〜150KVの範囲である。さらに他の実施形態では、これらとは異なる。
【0029】
スロット32aは、電子源30まで、その周囲またはこれを超えて、十分に延在する横断方向の電界領域29を形成し、かつ電子銃のハウジング26から分散した電子の通路となる十分な開口である幅WSと長さを有する。また、リブ33は、電子銃24のハウジング26から取り出される電子の通路を妨げないように十分に薄く形成され、同時に、ともに十分に近付けて電子透過領域32に均一の電圧領域を与えて、内部の電子ビーム15aである分散した電子を電子銃24から電子ビーム放射窓14まで均一に加速する。適切なスロット幅、リブ幅、スロットとリブの間隔またはスロットとリブの比によって、電子源30、電子銃24から取り出す電子透過領域32を通る電子の通路、電子銃24から電子ビーム放射窓14への均一の加速、横断方向の電子の分散による横断方向の電界29のサイズと強度の最適な組み合わせをすることができる。
【0030】
スロット32aは、部分26a内で一体的に平面状で軸心25に沿って好適なスロット幅とリブの幅との好適な幅比にでき、ハウジング26の平面状のシート部分26a内に一体的に形成できる。結果として、電子透過領域32を部分26aと同一平面にし、部分26aの内面および外面から突出していない状態にする。スロット32aは、たとえばCNC機(コンピュータ数値制御マシン)を用いるミリング、打ち抜き機によるスタンピング、EDM(放電加工)または他の好適な方法などの機械加工で部分26aに形成される。一体的形成される電子透過領域32は、部分26aの横方向に延在している同一平面で横方向から囲まれている。電子透過領域32の一体的な構成によって、電子銃のハウジング26の内部28に形成される横断方向の電界領域29が安定な形状となる。
【0031】
いくつかの実施形態では、電子銃のハウジング26は、ともに組み立てられる2つ以上の要素から形成される。いくつかの実施形態では、ハウジング26の部分26aは、ハウジング部分27の一部であってもよい(図6および図7)。これは、円形であってもよいし、ほぼカップ状であり、金属シートで製造される。ハウジング部分27は、電子銃24の他の部品と組み立てるための一連の孔38を含む。ハウジング26の電子透過領域32の長さLおよび幅Dは、電子ビーム照射装置10、電子ビーム放射窓14のサイズならびに、電子源30の長さ、個数、各電子源間の間隔に応じて変わる。たとえば、電子透過領域32の長さLは、図6および図7のいくつかの実施形態では、一般に長さ約5〜10インチ(127から254mm)の範囲であり、例によっては、長さ約6と3/4インチ(171.45mm)、約7と1/4インチ(184.15mm)、約7と1/2インチ(190.5mm)であってもよい。
【0032】
他の実施形態では、長さLは5インチ(127mm)未満または10インチ(254mm)を超えてもよい。2本の電子源30またはフィラメントの電子透過領域32の幅Dは一般に、約1と1/2〜2と1/2インチ(38.1〜63.5mm)幅であればよいが、約2インチ(50.8mm)が一般的であり、一実施形態では約1.8インチ(45.72mm)である。電子が通過する電子透過領域32の内部の電子ビーム15aの長さおよび幅は、ほぼ長さLおよび幅Dに相当する寸法である。他の実施形態では、幅Dが1と1/2インチ(38.1mm)未満および2と1/2インチ(63.5mm)を超えてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、スロット32aは、一般的に約1/8〜3/16インチ(3.175〜4.763mm)であり、たとえば、0.156インチ(3.962mm)である一定または一貫した幅Wsを有し、ピッチPは、軸心25に対して60°の角度をなし、約1/4インチ(6.35mm)、たとえば0.22インチ(5.588mm)である。
【0034】
いくつかの実施形態では、スロット32aの幅Wsが1/8インチ(3.175mm)未満または3/16インチ(4.763mm)を超え、60°以外の他の角度αであってもよく、ピッチPが1/4インチ(6.35mm)を超えたり、これ未満であってもよい。スロット32aの長さは、実際の状況ならびに角度α次第で変わり、約1と1/2〜2インチ(38.1〜50.8mm)のことが多い。リブ33も角度αをなしてもよく、スロット32aと互いに別個または離れている。リブ33は、厚さ0.030インチ〜0.040インチ(0.762〜1.016mm)の範囲になることが多く、いくつかの実施形態では、0.030インチ(0.762mm)未満または0.040インチ(1.016mm)を超えてもよい。リブ33は、厚さが0.034(0.864mm)または0.035インチ(0.889mm)など、1インチの約1/32(0.793mm)であってもよい。長手方向のピッチPが0.22インチ(5.588mm)で幅Wsが0.156インチ(3.962mm)のスロット32a間に位置決めされた厚さ0.034インチ(0.864mm0.762)のリブ33の場合、電子透過領域32は、スロット幅とリブ幅との比率が約4.5〜1であってもよい。
【0035】
他の実施形態では、スロット幅とリブ幅との比が約3対1から約6対1の範囲である。電子透過領域32の長さLに応じて、たとえば、約30〜40本のスロット32aがあることが多く、たとえば、33本または35本のスロット32aがある。スロット32aの端は丸めてあってもよいし、電子透過領域32はほぼ矩形形状のものにするように、電子透過領域32の端付近のスロット32aは切り詰め、あるいは短くしてあってもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、電子透過領域32は、約3/8〜約1/2インチ(9.525〜12.7mm)の距離Xだけ電子源30および軸心31の直径または幅WEに対して横断方向に延在可能であり、電子源30は互いに約5/8〜約1インチ(約17〜24mm)だけ離れている。スロット32aがこのような距離Xだけ延在した状態で、電子を軸心31のどちら側かに約3/8〜約1/2インチ(9.525〜12.7mm)拡散させることができる。いくつかの実施形態では、電子が幅WEに対してほぼ距離Xだけ横断方向に拡散するように、電子源30は、厚さ0.009インチ(0.229mm)などの細いフィラメントであってもよい。距離Xは、電子透過領域32の幅D、電子源30の個数、高さhによって変わる。いくつかの実施形態では、電子源30は、所望の電界強度であるか横断方向の所望の電子拡散状態である横断方向の電界領域29の所望の場所内にくるように、約2〜12mm(約.08〜0.5インチ)の距離、例えば2、3、4、7、10、12mm(0.08、0.12、0.16、0.28、0.4、0.47インチ)など、または高さhだけ電子透過領域32から離れていてもよい。一般的に、高さhは2〜6mm、たとえば4mmである。
【0037】
図14および図15に示すように、電子ビーム放射窓14の支持板18は、銅または銅合金で形成され、電子銃24から取り出した電子が通過して電子ビーム放射窓箔16に達して、これを通ることができる丸い孔20を縦横に並べた矩形格子を有するものであってもよい。支持板18および電子ビーム放射窓箔16はいずれも、形状が矩形であってもよい。孔20は、図15に示すように、電子ビームの軌道に整合して、効率的すなわち最適な透過率を達成するように、対向する端のそれぞれに向かって連続して徐々にすなわち少しずつ中心より外方向に角度をなしていてもよい。他の実施形態では、電子ビーム照射装置10の支持板18が、真っ直ぐな孔20だけを含んでもよい。さらに他の実施形態では、支持板18が、電子銃24のスロット32aに対応するまたは整合するようにサイズが調整され、形状が決められ、位置決めし、向きを決められたスロット付きの孔を持つものであってもよい。たとえば、支持板18の孔20は、例えば、図7のスロット32aのようなパターンのある形状と向きであってもよい。
【0038】
図16は、ハウジング部分27のもうひとつの実施形態を示す。電子透過領域32は、二重シェブロンまたは角度付きのスロットパターン36を形成すべく平行または横に並んで軸心25の対向する側に延在する2つの列36aで配置または位置決めされるスロット32aを含む。2つの列36aのスロット32aは、互いに角度をなしてV字形のシェブロンパターンを形成する。各列36aのスロット32aは、軸心25に対して鋭角αの角度をなし、これは、いくつかの実施形態では同じ角度をなし、その角度は約45°である。スロット32aは、約1/4インチ(0.27インチ(6.858mm)など)の軸心25に沿って長手方向のピッチPだけ離れている。スロット32aは、約1/8〜3/16インチ(たとえば、0.156インチ(3.962mm))の幅Wsを持つものであればよく、リブ33は、約.030〜0.040インチまたは1/32インチ(0.864mm)幅(たとえば0.034インチ)であればよい。電子透過領域32の長さLは約7と1/2インチ(190.5mm)であればよく、幅Dは約2インチ、たとえば1.8インチ(45.72mm)であればよい。各列36aの幅D1は、約3/4〜1インチ(19.05〜25.4mm)幅、たとえば0.9インチ(22.86mm)である。
【0039】
他の実施形態では、スロット32a、リブ33、角度αおよび電子透過領域32の寸法は、たとえば上述したように変わる。図示し、説明するさまざまな電子透過領域32の構成、寸法および角度は、電子ビーム照射装置10のサイズならびに、電子源30の長さまたはサイズに応じて変わることは理解できるであろう。図17に示すように、もうひとつの実施形態において、電子透過領域32は、中央でともに連結された2つのシェブロンまたは角度付きのスロットパターン36を含み、各列36aのスロット32aはともに接続または連結されている。スロット32aは、端に向かって中心から外方向に角度をなしている。電子透過領域32は、電子銃のハウジング26の開口に取り付けられる矩形の金属シート内に一体的に形成される。この装置構成には、ここに開示されたスロット32aの他のパターンを用いることができる。
【0040】
さらに別の実施形態における図18に示すように、電子透過領域32は、長手方向にともに接合され、それぞれの長手軸心25aおよび25bに沿って位置決めされたスロット32aの2つの列、42aおよび42bを有する。軸心25aおよび25bは互いにずれており、各列42aおよび42bの電子源30も互いにずれている。いくつかの実施形態では、スロット32aは長さが約1と1/2インチ(38.1mm)である。もうひとつの実施形態では、図19に示すように、電子透過領域32が、軸心25に対して直角すなわち90°に角度付けされたスロット32aのパターン40を有する。
【0041】
図20に示すように、他のさまざまな構成の電子ビーム照射装置は、本発明の電子透過領域32を含む。たとえば、電子ビーム照射装置50は、電子ビーム照射装置50の長手軸心Bに対して横方向すなわち垂直方向の軸心Aに沿って電子銃24と電子ビーム放射窓14とが整列配置された装置であってもよい。図21は、電子ビーム照射装置55のもうひとつの実施形態を示し、移動中の製品またはウェブ(web)56を照射している状態で示されている。
【0042】
いくつかの実施形態では、スロット32aの間のリブ33によって、軸心25に沿って電子銃のハウジング26から出る電子に、わずかに間欠的な途切れが生じるが、ほとんどの状況下では、通常は十分な電子散乱または分散が起こり、結果として照射対象となる製品に電子が到達する前に、ほぼ均一な電子分布となる。しかしながら、電子ビーム照射装置が低い気圧または真空雰囲気および/または移動中の製品またはウェブ56に近接して用いる場合、電子銃のハウジング26に角度αで角度付けされたスロット32aを持つことで、リブ33によって電子をマスキングする可能性があるか、あるいは電子ビーム放射窓14の支持板18にスロット32aの向きと整合する向きの電子ビーム放射窓14のスロット20がある実施形態では、均一の照射を保証するための対策として、スロット32aと製品とが平行移動ではなく、電子銃のハウジング26に対して角度付けされたスロット32aに重なるように相対的に製品56を移動させる。このように方向付けされた電子ビーム照射装置55で移動中の製品またはウェブ56に照射する。このような照射は、他の本発明における電子ビーム照射装置でも実施できる。
【0043】
以上、一例としての実施形態を参照して本発明について具体的に図示して説明してきたが、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲を逸脱することなく形態および詳細にさまざまな変更をほどこし得ることは、当業者であれば理解できよう。
【0044】
たとえば、電子源30および電子透過領域32を、軸心31および25に沿って延在するよう図示してあるが、他の実施形態では、電子源30が、曲線、角度付きなどライン状以外の構成を有するものであってもよく、細長くない、または幅広であってもよい。このような状況では、生成された電子を分散させる電子透過領域32もこれに対応した形状であり、電子ビーム放射窓14も対応した形状にしておけばよい。また、電子透過領域32を、電子源30にほぼ整合する長さLおよび幅Dを有するものとして図示してあるが、長さLおよび幅Dを変更して成形分散パターン(shaped dispersion pattern)を形成してもよいし、ライン形状でなくてもよい。電子透過領域32の実施形態については、金属シートに一体的形成された状態で図示してあるが、他の実施形態では、部品同士をともに製造または組み立てて電子透過領域を製造してもよい。
【符号の説明】
【0045】
24 電子発生器
10 電子ビーム照射装置
30 電子源
26 電子発生器のハウジング
32 電子透過領域
32a スロット
33 リブ
【関連出願】
【0001】
本出願は、2008年5月21日にファイルされた米国仮特許出願第61/055,025号の優先権の利益を主張するものである。上記出願の教示内容全体を本明細書に組み込まれたものとする。
【技術分野】
【0002】
本発明は、電子源の所定の幅を横断する一連のスロットを含む電子銃(電子発生器)を備える電子ビーム照射装置に関する。
【背景技術】
【0003】
電子ビーム照射装置は一般に、電子を発生させるための電子銃または電子発生器を含み、これが真空チャンバ内に配置されている。真空チャンバの一端には電子ビーム放射窓箔が設けられ、電子銃からの電子が電子銃と電子ビーム放射窓箔との間に加わる電圧によって加速されて、この電子ビーム放射窓箔を通過する。電子銃は、1本以上(2本など)の細長い線源であるフィラメントを収容するハウジングを含み、このフィラメントに電流が流れると電子が発生される。電子銃のハウジングには通常、フィラメントの下に小さな丸孔のグリッドパターンが形成され、この孔によってフィラメントで生成される電子は電子銃のハウジングから出て加速されて電子ビーム放射窓箔から放出される。一般に、各フィラメントから電子ビーム放射窓箔に達する電子は、フィラメントの狭く細長い形状に近似しているか、またその形状に相当するラインパターンで集束される。たとえば、2本の細長いフィラメントを有する電子銃からの電子の電子ビーム放射窓箔における一般的なラインパターンを図1に示す。図1では、2本のフィラメントに対応する2本の狭く細長いライン8に電子が集中しているのに対し、周辺領域9では電子の集中度が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、電子分布が高強度と低強度との電子スポットまたは領域のある不均一な状態になると、使用される全体の電子ビーム出力が制限される。また、電子ビーム照射装置が、照射対象となる製品の近くか、あるいは、電子を散乱する空気がほとんどないか、低い気圧または空気がまったくない真空雰囲気内で動作する場合、製品に到達する電子は場合によっては図1に示すパターンのままであり、照射が不均一になってしまう。本発明は、電子を発生させる電子発生器を備える電子ビーム照射装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の電子発生器は、電子を発生させる少なくとも1つの電子源を収容するハウジングを有する。少なくとも1つの電子源は、所定の幅を有する。電子発生器のハウジングは、電子発生器のハウジングから電子を取り出せるように、少なくとも1つの電子源から距離をあけて配置された電子透過領域を有する。電子透過領域は、電子発生器のハウジング内に形成され、少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に延在する狭く細長い一連のスロットおよびリブを含む。電子透過領域は、少なくとも1つの電子源によって発生される電子を電子源の所定の幅を横断する横断方向に拡散させるように、少なくとも1つの電子源に対して構成され、位置決めされる。
【0006】
特定の実施形態では、電子源が細長い電子源である。スロットは、細長い電子源に対して約30°〜90°の角度範囲、あるいは鋭角に角度付けされる。スロットの幅は約1/8〜3/16インチ(3.175〜4.763mm)、リブの幅は約0.030〜0.040インチ(0.762〜1.016mm)である。電子透過領域は、所定の細長い長さと所定の幅を有し、電子透過領域が長さ方向に長手軸心を有する。スロットは電子透過領域の長手軸心に沿って約1/4インチ(6.35mm)のピッチで位置決めされる。電子透過領域は、スロットの幅とリブの幅との比が約3対1から約6対1である。電子発生器のハウジングは、金属シートから形成され、平面部分を有し、電子透過領域は平面部分の内側に一体的形成されている。電子発生器は、電子ビーム放射窓を有する真空チャンバ内に配置され、電子を電子ビーム放射窓の外に加速するために電子ビーム放射窓から距離をあけて配置されている。電子透過領域のスロットおよびリブが、少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に電子を拡散させるために、電子発生器のハウジングと電子ビーム放射窓との間に延在する電界が、少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に各スロットを通って電子発生器のハウジングを貫通し、少なくとも1つの電子源を囲む横断電界領域を形成できるように構成される。これは、電子を少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に拡散させる。
【0007】
いくつかの実施形態では、電子ビーム放射窓が、電子ビーム放射窓箔を支持する支持板を含む。支持板には、電子が通過できる一連の孔が設けられている。この孔は、2つの対向する端のそれぞれに向かって中心より外方向に徐々に角度付けされている。いくつかの実施形態では、電子透過領域が、スロットの第1の列および第2の列を含むものであってもよく、ここで、第1の列のスロットが、第2の列のスロットに対して角度付けされている。
【0008】
また、本発明は、電子ビーム放射窓を有する真空チャンバを含む電子ビーム照射装置を提供する。加速されて電子ビーム放射窓から出る電子を発生させる電子発生器が、真空チャンバ内に位置決めされ、電子ビーム放射窓から距離をあけて配置される。電子発生器は、電子を生成する少なくとも1つの電子源を収容したハウジングを有する。少なくとも1つの電子源は所定の幅を有する。電子発生器のハウジングは、電子を電子発生器のハウジングから取り出せるよう少なくとも1つの電子源から距離をあけて配置された電子透過領域を有する。電子透過領域は、電子発生器のハウジングの平面状の金属シート部分に一体的形成され、少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に延在している、狭く細長い一連のスロットおよびリブを含む。電子透過領域のスロットおよびリブが、電子発生器のハウジングから電子が取り出される前に電子を少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に拡散させるために、電子発生器のハウジングと電子ビーム放射窓との間に延在する電界が、少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に各スロットを通って電子発生器のハウジングを貫通し、少なくとも1つの電子源を囲む横断電界領域を形成できるように構成される。
【0009】
特定の実施形態では、電子源が細長い電子源である。スロットは、細長い電子源に対して約30°〜90°の角度範囲に角度付けされている。あるいは鋭角に角度付けされてもよい。スロットは、約1/8〜3/16インチ(3.175〜4.763mm)幅で形成され、リブは約0.030〜0.040インチ(0.762〜1.016mm)幅で形成される。電子透過領域は細長い所定の長さと所定の幅を有し、長さ方向に長手軸心を有する。スロットは、長手軸心に沿って約1/4インチ(6.35mm)のピッチで位置決めされる。電子透過領域は、スロットの幅とリブの幅との比が約3対1から約6対1のものである。いくつかの実施形態では、電子ビーム放射窓が、電子ビーム放射窓箔を支持する支持板を含む。支持板には、電子が通過できる一連の孔が設けられていている。この孔は、2つの対向する端のそれぞれに向かって中心より外方向に徐々に角度付けされている。いくつかの実施形態では、電子透過領域が、第1の列および第2の列のスロットを含み、ここで、第1の列のスロットが、第2の列のスロットに対して角度付けされている。
【0010】
また、本発明は、電子ビーム照射装置で電子を分散させる方法を提供する。電子を電子発生器で発生し、電子発生器は電子を発生するための少なくとも1つの電子源を収容したハウジングを有する。少なくとも1つの電子源は所定の幅を有する。電子発生器のハウジングは、電子発生器のハウジングから電子を取り出せるように、少なくとも1つの電子源から距離をあけて配置された電子透過領域を有する。少なくとも1つの電子源によって発生される電子を電子源の所定の幅を横断する横断方向に拡散させるように、電子透過領域を少なくとも1つの電子源に対して構成し、位置決めする。電子透過領域は、電子発生器のハウジング内に形成され、少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に延在している狭く細長い一連のスロットおよびリブを含む。
【0011】
特定の実施形態では、電子が細長い電子源で発生される。スロットは、細長い電子源に対して約30°〜90°の角度範囲に角度付けされている。あるいは鋭角に角度付けされてもよい。スロットは、約1/8〜3/16インチ(3.175〜4.763mm)の幅で形成され、リブは約0.030〜0.040インチ(0.762〜1.016mm)の幅で形成される。電子透過領域には細長い所定の長さと所定の幅を有し、電子透過領域は長さ方向に長手軸心を有する。スロットは、長手軸心に沿って約1/4インチ(6.35mm)のピッチで位置決めされる。電子透過領域は、スロットの幅とリブの幅との比が約3対1から約6対1に形成される。電子発生器のハウジングは平面部分を有し、金属シートから形成され、電子透過領域は平面部分の内側に一体的形成される。電子発生器は、電子ビーム放射窓を有する真空チャンバ内に配置され、電子ビーム放射窓から距離をあけて配置されている。電子発生器から取り出された電子は、電子ビーム放射窓の外に加速される。電子透過領域のスロットおよびリブについては、電子発生器のハウジングと電子ビーム放射窓との間に延在する電界が、少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に各スロットを介して電子発生器のハウジングを貫通して、電子を少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に拡散させるように、少なくとも1つの電子源を囲む横断電界領域を形成する。
【0012】
いくつかの実施形態では、電子ビーム放射窓が、電子ビーム放射窓箔を支持する支持板を含む。支持板には、電子が通過できる一連の孔が設けられている。この孔は、2つの対向する端のそれぞれに向かって中心より外方向に徐々に角度付けされている。いくつかの実施形態では、電子透過領域が、スロットの第1の列および第2の列を含み、ここで、電子の軌道を整合させるように、第1の列のスロットが、第2の列のスロットに対して角度付けされている。いくつかの実施形態では、電子透過領域に、スロットの第1の列と第2の列が設けられ、ここで、第1の列のスロットが、第2の列のスロットに対して角度付けされている。
【0013】
また、本発明は、電子ビーム照射装置によって製品に電子を照射する方法を提供する。電子は電子発生器で発生される。電子発生器は、電子を生成するための少なくとも1つの電子源を収容したハウジングを有する。少なくとも1つの電子源は所定の幅を有する。電子発生器のハウジングは、電子発生器のハウジングから電子を取り出せるように、少なくとも1つの電子源から距離をあけて配置された電子透過領域を有する。電子透過領域は、電子発生器のハウジング内に形成され、少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に延在している狭く細長い一連のスロットおよびリブを含む。電子透過領域は、少なくとも1つの電子源によって発生される電子を横断方向に拡散させるために、少なくとも1つの電子源に対して構成され、位置決めされる。製品および電子ビーム照射装置は、製品に電子を照射するために電子透過領域のスロットおよびリブに対して鋭角に角度付けされて相対的に移動される。
【0014】
上記の本発明については、添付の図面に示したように本発明の実施形態のより具体的な説明から明らかになろう。異なる図において使用されている、同様の参照符号は同じ構成部を示す。図面は必ずしも縮尺どおりであるとはかぎらず、むしろ本発明の実施形態を例示するために強調されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来技術の電子ビーム照射装置の電子ビーム放射窓箔における長さ方向および幅方向の不均一な電子分布を示す図である。
【図2】本発明における電子ビーム照射装置の一実施形態の概略図である。
【図3】図2の電子ビーム照射装置の一部分の図である。
【図4】電子銃内の電子源の幅方向に関する電子の分散および軌道を示す概略図である。
【図5】電子源の長さ方向に関する、電子ビーム放射窓まで延在する電子の軌道を示す概略図である。
【図6】本発明における電子銃の実施形態のハウジング部分の斜視図である。
【図7】図6のハウジングの平面図である。
【図8】一実施形態における2つの細長い電子源に対するスロットの配置方向を示す概略図である。
【図9】電子銃のハウジング内の電子透過領域における横断スロットによって電子銃内に形成される電界分布による電子の拡散または分散を示す概略図である。
【図10】電子銃内ならびに、電子銃と電子ビーム放射窓との間の等電位線を示す概略図である。
【図11】電子の、電子源を横断する横断方向の分散を示す拡大概略図である。
【図12】本発明の実施形態の電子ビーム放射窓箔における長さ方向および幅方向の均一に分散された電子分布を示す図である。
【図13】分散された電子分布を示す電子ビーム放射窓の概略図である。
【図14】電子ビーム放射窓箔の支持格子の一実施形態の平面図である。
【図15】図14の支持格子の側断面図である。
【図16】電子銃のハウジング部分のもうひとつの実施形態の平面図である。
【図17】電子銃のさらに別のスロット構成を示す平面図である。
【図18】さらにもうひとつのスロット構成を示す図である。
【図19】2本の細長い電子源に対するスロットの配置方向のもうひとつの実施形態を示す概略図である。
【図20】本発明におけるもうひとつの実施形態の電子ビーム照射装置の断面図である。
【図21】本発明におけるさらに別の実施形態の電子ビーム照射装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図2および図3は、本発明における電子ビーム照射装置、装置またはデバイス10の実施形態を示す。電子ビーム照射装置10は、密封可能な真空チャンバ12を有する。真空チャンバ12はハウジング12aを有し、このハウジング12aの内部22には、ハウジング12aの壁から距離をあけて配置された、電子を発生する電子銃または電子発生器24が配置されている。電子銃24は、電子銃または電子発生器のハウジングまたはエンクロージャ26を含む。電子銃のハウジング26は、このハウジング26の内部28に配置された1つ以上の電子源または部材30を含み、包み込む、あるいは囲む。たとえば、図3には2つの電子源30が図示されており、本明細書でもそれ自体について説明するが、2つ未満または3つ以上を用いてもよい。
【0017】
従来技術において周知のように、電子源30には、狭い幅または小さい直径のフィラメントなどの細長いライン電子源あるいは他の好適な細長いライン電子源が用いられる。電子発生電源13からの電力が電子源30に供給され、電子源30から電子e−が発生される。真空チャンバ12は、電子ビーム放射窓箔16を支持する、一連の孔20が設けられた支持格子18を有する電子ビーム放射窓14を含む。電子ビーム放射窓14は通常、矩形形状である。高電圧電源11によって電子銃のハウジング26と電子ビーム放射窓14との間に高い電位差が形成され、電子銃のハウジング26と電子ビーム放射窓14との間に高電圧の電界23(図10)が生成されて、電子銃24の電子源30によって生成される電子が加速されて電子ビーム放射窓14から外部の電子ビーム15(図5)となって放出される。参照符号23は、電界23の等電位線を示している。
【0018】
電子銃24のハウジング26は、電子源30から距離をあけて配置された電子透過領域32を有する。電子源30は、各々長手軸心31に沿って長手方向に延在している。長手軸心31は、電子透過領域32に対して平行であり、共通の面上にある。電子銃のハウジング26および電子透過領域32は、真空チャンバ12の長手軸心である軸心Aに沿って、電子ビーム放射窓14から距離をあけて配置され、電子ビーム放射窓14と整列配置されている。図4に示すように、電子銃のハウジング26および電子透過領域32は、電子が電子透過領域32に到達する前に、ひいては、電子ビーム放射窓14に到達する前に、電子銃のハウジング26内の電子源30の直径すなわち幅WEよりも幅広く電子源30に対して横方向または横断方向に電子e−を均一に分散させるよう構成される。
【0019】
また、図5に示すように、電子は電子源30の長手方向に均一に分散される。電子が電子ビーム放射窓14に到達する前に、真空チャンバ12内の内部の電子ビーム15a(図4)がライン電子源30を横断して電子を分散または拡散させることによって、より均一な電子分布を形成して、電子ビーム放射窓14における最大出力または高強度のスポットを減少させ、これによって使用する全体の電子ビーム出力を大きくすることができる。さらに、大きな面積の電子ビーム放射窓14を利用でき、電子透過率を最大化できる。電子ビーム放射窓を透過する電子ビーム出力を均一化することによって、極小の均一性を排除または低減することができる。電子銃24は別途に電子を形成するための外部電源を付加せずに電子源30からの電子を拡散できる。
【0020】
電子源30は、たとえば、5〜50ワット(W)の電力を供給して加熱することによって自由電子を発生させるタングステンなどの好適な材料からなる細長いフィラメントであり、幅WEすなわち直径が約0.005〜0.020インチ(0.127〜0.508mm)であり、いくつかの実施形態では約0.009インチ(0.229mm)である。また、電子源30は、六ホウ化ランタンなどの他の好適な材料で作ることができ、上記以外の幅または直径を持つものであってもよい。電子ビーム放射窓箔16は、金属または非金属箔でありチタン、アルミニウム、ベリリウム、ステンレス鋼、銅、金、銀、ダイヤモンド、セラミックまたはこれらの組み合わせであってもよい。電子ビーム放射窓箔の一般的な厚さは、約4〜13ミクロン(μm)であればよく、たとえば7〜10ミクロンであるが、印加電圧および材料に応じてこれよりも厚かったり薄かったりしてもよい。電子銃のハウジング26と電子ビーム放射窓14との間の電位差は、1KV〜500KVの範囲であるが、これよりも高くまたは低くてもよく、一般的には、80KV〜150KVの範囲である。
【0021】
図6〜図11に示すように、電子透過領域32は、電子源30および軸心31に対して横方向または横断方向に延在する一連の横方向または横断方向のスロット32aを含む。スロット32aは、電子透過領域32を集合的に形成するよう並んで位置決めされ、長手軸心31に平行な長手軸心25に沿って延在している。スロット32aは、電子発生器のハウジング26の平らで平面状の下側の底、軸心、端、周辺部分26aを一体的に含む平面であり、電子源30と平行な平面に形成され、軸心Aに対して中心合わせされている。結果的に、電子透過領域32は、周辺部分26aおよび軸心25に沿って平面状に延在している。
【0022】
電子透過領域32の横断スロット32aは、ハウジング26の平らな平面部分26aで軸心25に沿ってともに接近して並べられ、幅または横断方向の距離D、長さLで延在するパターンで配置される。電子透過領域32は、通常は矩形形状である。軸心31に沿った電子源30の長さは、電子透過領域32の長さLとほぼ同じであり、場合によっては、わずかに長い。電子透過領域32を通ってハウジング26から取り出される電子ビームは、概してスロット32の長さLおよび幅Dと整合または相当する長さと幅を有する。スロット32aは、狭いリブまたはウェブ33で互いに分離されたシェブロンスロットであってもよい。スロット32aは、軸心25および/または軸心31ならびに電子源30に対して鋭角αの角度をなし、多くの場合、30°〜90°の角度範囲になり、いくつかの実施形態では、45°〜60°の角度範囲になる。いくつかの実施形態では、30°未満の角度を使用してもよい。リブ33は、同じ角度αである。電子透過領域32およびスロット32aは、各電子源30または軸心31を横断する横断方向の一方の側または他方の側で、横断方向または横断距離Xだけ幅WEを超えてまたはこれを横断する横断方向に延在する(図8および図9)。
【0023】
細長いフィラメントの下に一連の狭い丸孔を有する従来技術の電子銃では、フィラメントによって生成される電子のほとんどが、細長いフィラメントと整列配置された狭い孔を通り、狭い電子ビームとして集束することで、図1に示すように電子が狭いライン状幅に集中する。対照的に、横断スロット32aでは、電子銃のハウジング26と電子ビーム放射窓14との間に高い電圧電界23が、電子銃のハウジング26、各スロット32aを貫通して電子銃のハウジング26に漏洩または延在し、電子銃のハウジング26内で距離すなわち深さf(図9)にわたって延在する横方向または横断方向の電界領域29を作る。横方向または横断方向と同様に、電界領域は電子源30または軸心31に沿って延在し、電子源30または軸心31を囲む。参照符号29は横断電界領域29の等電位線を示す。
【0024】
図9〜図11に示されるように、横断電界領域29の深さfは、電子源30の位置を越えて、距離すなわち高さhにわたって電子銃のハウジング26に延在する。これは、横断電界領域29内に電子源30を囲み、埋め込み、位置決めまたは存在させることができる。横断電界領域29のサイズおよび強度は、スロット32aおよびリブ33のサイズまたは長さおよび幅によって最適化できる。一般に、電子銃24の部分26aと電子ビーム放射窓14との間に軸心Aに沿って電子銃のハウジング26と電子ビーム放射窓14の間にかかる電界23の形状に干渉したり、妨げたりする構成はない。
【0025】
図4、図9、図11に示すように、横断電界領域29は電子源30よりも正の電位にあり、電子源30および軸心31に対して電子源30から電子e−を電子源30の幅WEより広く横断方向に拡散させるようにし、ハウジング26を出るときに細いライン状幅に集まるのではなく均一な分布で分散させる。このような均一の分布または分散は、図12のグラフで見られるように電子ビーム放射窓箔16での電子34の分布パターンが長さ方向と横方向の両方で均一に分布する。
【0026】
図13には、電子ビーム放射窓14における、もうひとつの電子分布および電子34の分布パターンが示されている。内部の電子ビーム15aとして電子銃のハウジング26から取り出され、加速されて電子ビーム放射窓14から取り出される電子が、このような横断方向に分散した状態であると、電子ビーム放射窓14を出る電子ビーム15も横断方向に分散する。均一な電子分布であるので、材料や製品が電子ビーム照射装置10によって均一に照射される。
【0027】
横断方向の電界領域29内に電子源30を位置決めすることで、電子源30の周囲に電位ウエル35(図9)を形成できる。電位ウエル35は、電子源30よりも正電位の領域であり、電位ウエル35によって電子を最初に半径方向に各電子源30から離れる方向に円形パターン、あるいはすべての方向に(図4および図11)加速し、その後、電界23の効果によって電子透過領域32に向かわせる。このような初期の加速によって、電子を電子ハウジング26から取り出して電子透過領域32に達する前に、電子源30に対して電子を横断方向に分散させる。電位ウエル35が深くまたは大きくなるにつれて、電子が半径方向外側に移動して横断方向に拡散または分散する距離が大きくなる。電子透過領域32および電界23のより近くに位置決めされて高さhが低い(図9)電子源30ほど、遠くにある(高さhがより高い)場合よりもより大きな電位ウエル35になる。一般に、電子透過領域32に近い横断方向の電界領域29の強度は、離れた位置よりも強い。
【0028】
図11は、横断方向の電界領域29の特定の場所が、電子銃のハウジング26に対して10V〜30Vの範囲になる実際の電子銃のハウジング26の内外の電界電位レベルの一例を示し、10Vの場所のほうが電子透過領域32およびスロット32aから離れており、電子銃のハウジング26の外側の電界23の電位は少なくとも1KVである。電子源30は、電子銃のハウジング26に対して0〜20V(ボルト)であればよい。他の実施形態では、図10を参照すると、電子銃のハウジング26内の横断方向の電界領域29は、電子銃側のハウジング26に対して約10V〜50Vの範囲の電位を有し、電子銃のハウジング26外側の電界23の電位は、電子銃のハウジング26に対して約5〜150KVの範囲である。さらに他の実施形態では、これらとは異なる。
【0029】
スロット32aは、電子源30まで、その周囲またはこれを超えて、十分に延在する横断方向の電界領域29を形成し、かつ電子銃のハウジング26から分散した電子の通路となる十分な開口である幅WSと長さを有する。また、リブ33は、電子銃24のハウジング26から取り出される電子の通路を妨げないように十分に薄く形成され、同時に、ともに十分に近付けて電子透過領域32に均一の電圧領域を与えて、内部の電子ビーム15aである分散した電子を電子銃24から電子ビーム放射窓14まで均一に加速する。適切なスロット幅、リブ幅、スロットとリブの間隔またはスロットとリブの比によって、電子源30、電子銃24から取り出す電子透過領域32を通る電子の通路、電子銃24から電子ビーム放射窓14への均一の加速、横断方向の電子の分散による横断方向の電界29のサイズと強度の最適な組み合わせをすることができる。
【0030】
スロット32aは、部分26a内で一体的に平面状で軸心25に沿って好適なスロット幅とリブの幅との好適な幅比にでき、ハウジング26の平面状のシート部分26a内に一体的に形成できる。結果として、電子透過領域32を部分26aと同一平面にし、部分26aの内面および外面から突出していない状態にする。スロット32aは、たとえばCNC機(コンピュータ数値制御マシン)を用いるミリング、打ち抜き機によるスタンピング、EDM(放電加工)または他の好適な方法などの機械加工で部分26aに形成される。一体的形成される電子透過領域32は、部分26aの横方向に延在している同一平面で横方向から囲まれている。電子透過領域32の一体的な構成によって、電子銃のハウジング26の内部28に形成される横断方向の電界領域29が安定な形状となる。
【0031】
いくつかの実施形態では、電子銃のハウジング26は、ともに組み立てられる2つ以上の要素から形成される。いくつかの実施形態では、ハウジング26の部分26aは、ハウジング部分27の一部であってもよい(図6および図7)。これは、円形であってもよいし、ほぼカップ状であり、金属シートで製造される。ハウジング部分27は、電子銃24の他の部品と組み立てるための一連の孔38を含む。ハウジング26の電子透過領域32の長さLおよび幅Dは、電子ビーム照射装置10、電子ビーム放射窓14のサイズならびに、電子源30の長さ、個数、各電子源間の間隔に応じて変わる。たとえば、電子透過領域32の長さLは、図6および図7のいくつかの実施形態では、一般に長さ約5〜10インチ(127から254mm)の範囲であり、例によっては、長さ約6と3/4インチ(171.45mm)、約7と1/4インチ(184.15mm)、約7と1/2インチ(190.5mm)であってもよい。
【0032】
他の実施形態では、長さLは5インチ(127mm)未満または10インチ(254mm)を超えてもよい。2本の電子源30またはフィラメントの電子透過領域32の幅Dは一般に、約1と1/2〜2と1/2インチ(38.1〜63.5mm)幅であればよいが、約2インチ(50.8mm)が一般的であり、一実施形態では約1.8インチ(45.72mm)である。電子が通過する電子透過領域32の内部の電子ビーム15aの長さおよび幅は、ほぼ長さLおよび幅Dに相当する寸法である。他の実施形態では、幅Dが1と1/2インチ(38.1mm)未満および2と1/2インチ(63.5mm)を超えてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、スロット32aは、一般的に約1/8〜3/16インチ(3.175〜4.763mm)であり、たとえば、0.156インチ(3.962mm)である一定または一貫した幅Wsを有し、ピッチPは、軸心25に対して60°の角度をなし、約1/4インチ(6.35mm)、たとえば0.22インチ(5.588mm)である。
【0034】
いくつかの実施形態では、スロット32aの幅Wsが1/8インチ(3.175mm)未満または3/16インチ(4.763mm)を超え、60°以外の他の角度αであってもよく、ピッチPが1/4インチ(6.35mm)を超えたり、これ未満であってもよい。スロット32aの長さは、実際の状況ならびに角度α次第で変わり、約1と1/2〜2インチ(38.1〜50.8mm)のことが多い。リブ33も角度αをなしてもよく、スロット32aと互いに別個または離れている。リブ33は、厚さ0.030インチ〜0.040インチ(0.762〜1.016mm)の範囲になることが多く、いくつかの実施形態では、0.030インチ(0.762mm)未満または0.040インチ(1.016mm)を超えてもよい。リブ33は、厚さが0.034(0.864mm)または0.035インチ(0.889mm)など、1インチの約1/32(0.793mm)であってもよい。長手方向のピッチPが0.22インチ(5.588mm)で幅Wsが0.156インチ(3.962mm)のスロット32a間に位置決めされた厚さ0.034インチ(0.864mm0.762)のリブ33の場合、電子透過領域32は、スロット幅とリブ幅との比率が約4.5〜1であってもよい。
【0035】
他の実施形態では、スロット幅とリブ幅との比が約3対1から約6対1の範囲である。電子透過領域32の長さLに応じて、たとえば、約30〜40本のスロット32aがあることが多く、たとえば、33本または35本のスロット32aがある。スロット32aの端は丸めてあってもよいし、電子透過領域32はほぼ矩形形状のものにするように、電子透過領域32の端付近のスロット32aは切り詰め、あるいは短くしてあってもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、電子透過領域32は、約3/8〜約1/2インチ(9.525〜12.7mm)の距離Xだけ電子源30および軸心31の直径または幅WEに対して横断方向に延在可能であり、電子源30は互いに約5/8〜約1インチ(約17〜24mm)だけ離れている。スロット32aがこのような距離Xだけ延在した状態で、電子を軸心31のどちら側かに約3/8〜約1/2インチ(9.525〜12.7mm)拡散させることができる。いくつかの実施形態では、電子が幅WEに対してほぼ距離Xだけ横断方向に拡散するように、電子源30は、厚さ0.009インチ(0.229mm)などの細いフィラメントであってもよい。距離Xは、電子透過領域32の幅D、電子源30の個数、高さhによって変わる。いくつかの実施形態では、電子源30は、所望の電界強度であるか横断方向の所望の電子拡散状態である横断方向の電界領域29の所望の場所内にくるように、約2〜12mm(約.08〜0.5インチ)の距離、例えば2、3、4、7、10、12mm(0.08、0.12、0.16、0.28、0.4、0.47インチ)など、または高さhだけ電子透過領域32から離れていてもよい。一般的に、高さhは2〜6mm、たとえば4mmである。
【0037】
図14および図15に示すように、電子ビーム放射窓14の支持板18は、銅または銅合金で形成され、電子銃24から取り出した電子が通過して電子ビーム放射窓箔16に達して、これを通ることができる丸い孔20を縦横に並べた矩形格子を有するものであってもよい。支持板18および電子ビーム放射窓箔16はいずれも、形状が矩形であってもよい。孔20は、図15に示すように、電子ビームの軌道に整合して、効率的すなわち最適な透過率を達成するように、対向する端のそれぞれに向かって連続して徐々にすなわち少しずつ中心より外方向に角度をなしていてもよい。他の実施形態では、電子ビーム照射装置10の支持板18が、真っ直ぐな孔20だけを含んでもよい。さらに他の実施形態では、支持板18が、電子銃24のスロット32aに対応するまたは整合するようにサイズが調整され、形状が決められ、位置決めし、向きを決められたスロット付きの孔を持つものであってもよい。たとえば、支持板18の孔20は、例えば、図7のスロット32aのようなパターンのある形状と向きであってもよい。
【0038】
図16は、ハウジング部分27のもうひとつの実施形態を示す。電子透過領域32は、二重シェブロンまたは角度付きのスロットパターン36を形成すべく平行または横に並んで軸心25の対向する側に延在する2つの列36aで配置または位置決めされるスロット32aを含む。2つの列36aのスロット32aは、互いに角度をなしてV字形のシェブロンパターンを形成する。各列36aのスロット32aは、軸心25に対して鋭角αの角度をなし、これは、いくつかの実施形態では同じ角度をなし、その角度は約45°である。スロット32aは、約1/4インチ(0.27インチ(6.858mm)など)の軸心25に沿って長手方向のピッチPだけ離れている。スロット32aは、約1/8〜3/16インチ(たとえば、0.156インチ(3.962mm))の幅Wsを持つものであればよく、リブ33は、約.030〜0.040インチまたは1/32インチ(0.864mm)幅(たとえば0.034インチ)であればよい。電子透過領域32の長さLは約7と1/2インチ(190.5mm)であればよく、幅Dは約2インチ、たとえば1.8インチ(45.72mm)であればよい。各列36aの幅D1は、約3/4〜1インチ(19.05〜25.4mm)幅、たとえば0.9インチ(22.86mm)である。
【0039】
他の実施形態では、スロット32a、リブ33、角度αおよび電子透過領域32の寸法は、たとえば上述したように変わる。図示し、説明するさまざまな電子透過領域32の構成、寸法および角度は、電子ビーム照射装置10のサイズならびに、電子源30の長さまたはサイズに応じて変わることは理解できるであろう。図17に示すように、もうひとつの実施形態において、電子透過領域32は、中央でともに連結された2つのシェブロンまたは角度付きのスロットパターン36を含み、各列36aのスロット32aはともに接続または連結されている。スロット32aは、端に向かって中心から外方向に角度をなしている。電子透過領域32は、電子銃のハウジング26の開口に取り付けられる矩形の金属シート内に一体的に形成される。この装置構成には、ここに開示されたスロット32aの他のパターンを用いることができる。
【0040】
さらに別の実施形態における図18に示すように、電子透過領域32は、長手方向にともに接合され、それぞれの長手軸心25aおよび25bに沿って位置決めされたスロット32aの2つの列、42aおよび42bを有する。軸心25aおよび25bは互いにずれており、各列42aおよび42bの電子源30も互いにずれている。いくつかの実施形態では、スロット32aは長さが約1と1/2インチ(38.1mm)である。もうひとつの実施形態では、図19に示すように、電子透過領域32が、軸心25に対して直角すなわち90°に角度付けされたスロット32aのパターン40を有する。
【0041】
図20に示すように、他のさまざまな構成の電子ビーム照射装置は、本発明の電子透過領域32を含む。たとえば、電子ビーム照射装置50は、電子ビーム照射装置50の長手軸心Bに対して横方向すなわち垂直方向の軸心Aに沿って電子銃24と電子ビーム放射窓14とが整列配置された装置であってもよい。図21は、電子ビーム照射装置55のもうひとつの実施形態を示し、移動中の製品またはウェブ(web)56を照射している状態で示されている。
【0042】
いくつかの実施形態では、スロット32aの間のリブ33によって、軸心25に沿って電子銃のハウジング26から出る電子に、わずかに間欠的な途切れが生じるが、ほとんどの状況下では、通常は十分な電子散乱または分散が起こり、結果として照射対象となる製品に電子が到達する前に、ほぼ均一な電子分布となる。しかしながら、電子ビーム照射装置が低い気圧または真空雰囲気および/または移動中の製品またはウェブ56に近接して用いる場合、電子銃のハウジング26に角度αで角度付けされたスロット32aを持つことで、リブ33によって電子をマスキングする可能性があるか、あるいは電子ビーム放射窓14の支持板18にスロット32aの向きと整合する向きの電子ビーム放射窓14のスロット20がある実施形態では、均一の照射を保証するための対策として、スロット32aと製品とが平行移動ではなく、電子銃のハウジング26に対して角度付けされたスロット32aに重なるように相対的に製品56を移動させる。このように方向付けされた電子ビーム照射装置55で移動中の製品またはウェブ56に照射する。このような照射は、他の本発明における電子ビーム照射装置でも実施できる。
【0043】
以上、一例としての実施形態を参照して本発明について具体的に図示して説明してきたが、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲を逸脱することなく形態および詳細にさまざまな変更をほどこし得ることは、当業者であれば理解できよう。
【0044】
たとえば、電子源30および電子透過領域32を、軸心31および25に沿って延在するよう図示してあるが、他の実施形態では、電子源30が、曲線、角度付きなどライン状以外の構成を有するものであってもよく、細長くない、または幅広であってもよい。このような状況では、生成された電子を分散させる電子透過領域32もこれに対応した形状であり、電子ビーム放射窓14も対応した形状にしておけばよい。また、電子透過領域32を、電子源30にほぼ整合する長さLおよび幅Dを有するものとして図示してあるが、長さLおよび幅Dを変更して成形分散パターン(shaped dispersion pattern)を形成してもよいし、ライン形状でなくてもよい。電子透過領域32の実施形態については、金属シートに一体的形成された状態で図示してあるが、他の実施形態では、部品同士をともに製造または組み立てて電子透過領域を製造してもよい。
【符号の説明】
【0045】
24 電子発生器
10 電子ビーム照射装置
30 電子源
26 電子発生器のハウジング
32 電子透過領域
32a スロット
33 リブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子を発生させる電子発生器を備える電子ビーム照射装置であって、
前記電子発生器が電子を発生させる少なくとも1つの電子源を収容するハウジングを有し、
前記少なくとも1つの電子源が所定の幅を有し、
前記電子発生器のハウジングが、前記電子発生器のハウジングから電子を取り出せるように前記少なくとも1つの電子源から距離をあけて配置された電子透過領域を有し、
前記電子透過領域が、前記電子発生器のハウジングに形成され、前記少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に延在する一連の狭く細長いスロットおよびリブを含み、前記少なくとも1つの電子源によって発生される電子を前記電子源の所定の幅を横断する横断方向に拡散させるように、前記少なくとも1つの電子源に対して構成され、位置決めされている電子ビーム照射装置。
【請求項2】
前記電子源が細長い電子源である請求項1に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項3】
前記スロットが前記細長い電子源に対して鋭角に角度付けされている請求項2に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項4】
前記スロットが前記細長い電子源に対して約30°〜90°の角度範囲に角度付けされている請求項2に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項5】
前記スロットが約1/8〜3/16インチ(3.175〜4.763mm)幅で形成され、
前記リブが約0.030〜0.040インチ(0.762〜1.016mm)幅で形成される請求項1に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項6】
前記電子透過領域が細長い所定の長さと所定の幅とを有し、
前記スロットが電子透過領域の長手軸心に沿って約1/4インチ(6.35mm)のピッチで位置決めされている請求項5に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項7】
前記電子透過領域が第1の列および第2の列のスロットを含み、
前記第1の列のスロットが前記第2の列のスロットに対して角度付けされている、請求項3に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項8】
前記電子発生器のハウジングが金属シートから形成され、平面部分を有し、
前記電子透過領域が前記平面部分の内側に一体的に形成されている、請求項1に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項9】
前記電子透過領域は前記スロットの幅と前記リブの幅との比が約3対1から約6対1である、請求項1に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項10】
電子ビーム照射窓を有する真空チャンバをさらに含み、
前記電子発生器が前記真空チャンバ内に配置され、電子を前記電子ビーム照射窓の外に加速するために前記電子ビーム放射窓から距離をあけて配置されている、請求項1に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項11】
前記電子透過領域のスロットおよびリブは前記少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に電子を拡散させるために、前記電子発生器のハウジングと前記電子ビーム放射窓との間に延在する電界が、前記少なくとも1つの電子源の所定の幅の横断方向に各スロットを通って前記電子発生器のハウジングを貫通し、前記少なくとも1つの電子源を囲む横断電界領域を形成する、請求項10に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項12】
前記電子ビーム放射窓が、電子ビーム放射窓箔を支持する支持板を含み、
前記支持板には電子が通過できる一連の孔が設けられ、この孔は2つの対向する端のそれぞれに向かって中心より外方向に徐々に角度付けされている、請求項10に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項13】
電子ビーム放射窓を有する真空チャンバと、
加速されて電子ビーム放射窓から出る電子を発生させる電子発生器と、
を備える電子ビーム照射装置であって、
前記電子発生器が、前記真空チャンバ内に位置決めされ、かつ電子ビーム放射窓から距離をあけて配置され、電子を発生させる少なくとも1つの電子源を収容したハウジングを有し、
前記少なくとも1つの電子源が所定の幅を有し、
前記電子発生器のハウジングが、前記電子発生器のハウジングから電子を取り出せるように前記少なくとも1つの電子源から距離をあけて配置された電子透過領域を有し、
前記電子透過領域が、前記電子発生器のハウジングの平面状の金属シート部分で一体的に形成されて、前記少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に延在している狭く細長い一連のスロットおよびリブを含み、
前記電子透過領域のスロットおよびリブは、前記電子発生器のハウジングから電子が取り出される前に電子を前記少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に拡散させるために、前記電子発生器のハウジングと前記電子ビーム放射窓との間に延在する電界が、前記少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に各スロットを通って前記電子発生器のハウジングを貫通し、前記少なくとも1つの電子源を囲む横断電界領域を形成する電子ビーム照射装置。
【請求項14】
前記電子源が細長い電子源である、請求項13に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項15】
前記スロットが、前記細長い電子源に対して鋭角に角度付けされている、請求項14に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項16】
前記スロットが、前記細長い電子源に対して約30°〜90°の角度範囲に角度付けされている、請求項14に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項17】
前記スロットが約1/8〜3/16インチ(3.175〜4.763mm)幅で形成され、前記リブが約0.030〜0.040インチ(0.762〜1.016mm)幅で形成される、請求項13に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項18】
前記電子透過領域が、細長い所定の長さと所定の幅とを有し、
前記スロットが電子透過領域の長手軸心に沿って約1/4インチ(6.35mm)のピッチで位置決めされている請求項17に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項19】
前記電子透過領域が第1の列および第2の列のスロットを含み、
前記第1の列のスロットが前記第2の列のスロットに対して角度付けされている、請求項15に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項20】
前記電子透過領域は前記スロットの幅と前記リブの幅との比が約3対1から約6対1である、請求項13に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項21】
前記電子ビーム放射窓が、電子ビーム放射窓箔を支持する支持板を含み、前記支持板には電子が通過できる一連の孔が設けられ、この孔は2つの対向する端のそれぞれに向かって中心より外方向に徐々に角度付けされている、請求項13に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項22】
電子ビーム照射装置において電子を分散させる方法であって、
電子を発生させる少なくとも1つの電子源を収容したハウジングを有する電子発生器で電子を発生させ、
前記少なくとも1つの電子源が所定の幅を有し、
前記電子発生器のハウジングが、前記電子発生器のハウジングから電子を取り出せるように前記少なくとも1つの電子源から距離をあけて配置された電子透過領域を有し、
前記電子透過領域は前記電子発生器のハウジング内に形成され、
前記少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に延在する狭く細長い一連のスロットおよびリブを含み、
前記少なくとも1つの電子源によって発生される電子を横断方向に拡散させるように、前記電子透過領域を前記少なくとも1つの電子源に対して構成し、位置決めする方法。
【請求項23】
細長い電子源を用いて電子を発生させることをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記細長い電子源に対して鋭角に角度付けして前記スロットを位置決めすることをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記細長い電子源に対して約30°〜90°の角度範囲に角度付けして前記スロットを位置決めすることをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記スロットを約1/8〜3/16インチ(3.175〜4.763mm)幅で形成し、前記リブを約0.030〜0.040インチ(0.762〜1.016mm)幅に形成することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記電子透過領域に細長い所定の長さと所定の幅を形成することをさらに含み、
前記スロットが電子透過領域の長手軸心に沿って約1/4インチ(6.35mm)のピッチで位置決めされている請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記電子透過領域にスロットの第1の列および第2の列を形成することをさらに含み、
前記第1の列のスロットが前記第2の列のスロットに対して角度付けされている請求項24に記載の方法。
【請求項29】
金属シートから平面部分を有する、電子発生器のハウジングを形成することをさらに含み、
前記電子透過領域が前記平面部分の内側に一体的に形成する請求項22に記載の方法。
【請求項30】
前記電子透過領域において前記スロットの幅と前記リブの幅との比を約3対1から約6対1に形成することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項31】
電子ビーム放射窓を有する真空チャンバ内で、前記電子ビーム放射窓から距離をあけて前記電子発生器を位置決めし、
前記電子発生器のハウジングから電子を取り出し、この電子を加速して前記電子ビーム放射窓の外に放出することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項32】
前記少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に電子を拡散させるために、前記電子発生器のハウジングと前記電子ビーム放射窓との間に延在する電界が、前記少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に各スロットを通って前記電子発生器のハウジングを貫通し、前記少なくとも1つの電子源を囲む横断電界領域を形成するように前記電子透過領域の前記スロットおよび前記リブを構成することをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記電子ビーム放射窓が電子ビーム放射窓箔を支持する支持板を含み、
電子が軌道を整合させて通過できるように、2つの対向する端のそれぞれに向かって中心より外方向に徐々に角度付けされている一連の孔を前記支持板に設けることをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
電子ビーム照射装置を用いて製品を照射する方法であって、
電子を発生させる少なくとも1つの電子源を収容したハウジングを有する電子発生器で電子を発生させ、
前記少なくとも1つの電子源が所定の幅を有し、
前記電子発生器のハウジングから電子を取り出せるように、前記電子発生器のハウジングが、前記少なくとも1つの電子源から距離をあけて配置された電子透過領域を有し、
前記電子透過領域が、前記電子発生器のハウジング内に形成され、前記少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に延在している狭く細長い一連のスロットおよびリブを含み、
前記電子透過領域が、前記少なくとも1つの電子源によって発生される電子を前記電子源の所定の幅を横断する横断方向に拡散させるために、前記少なくとも1つの電子源に対して構成および位置決めされ、
前記電子透過領域のスロットおよびリブに対して製品を鋭角に角度付けして、製品と前記電子ビーム照射装置とを相対移動させて製品に電子を照射する方法。
【請求項1】
電子を発生させる電子発生器を備える電子ビーム照射装置であって、
前記電子発生器が電子を発生させる少なくとも1つの電子源を収容するハウジングを有し、
前記少なくとも1つの電子源が所定の幅を有し、
前記電子発生器のハウジングが、前記電子発生器のハウジングから電子を取り出せるように前記少なくとも1つの電子源から距離をあけて配置された電子透過領域を有し、
前記電子透過領域が、前記電子発生器のハウジングに形成され、前記少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に延在する一連の狭く細長いスロットおよびリブを含み、前記少なくとも1つの電子源によって発生される電子を前記電子源の所定の幅を横断する横断方向に拡散させるように、前記少なくとも1つの電子源に対して構成され、位置決めされている電子ビーム照射装置。
【請求項2】
前記電子源が細長い電子源である請求項1に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項3】
前記スロットが前記細長い電子源に対して鋭角に角度付けされている請求項2に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項4】
前記スロットが前記細長い電子源に対して約30°〜90°の角度範囲に角度付けされている請求項2に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項5】
前記スロットが約1/8〜3/16インチ(3.175〜4.763mm)幅で形成され、
前記リブが約0.030〜0.040インチ(0.762〜1.016mm)幅で形成される請求項1に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項6】
前記電子透過領域が細長い所定の長さと所定の幅とを有し、
前記スロットが電子透過領域の長手軸心に沿って約1/4インチ(6.35mm)のピッチで位置決めされている請求項5に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項7】
前記電子透過領域が第1の列および第2の列のスロットを含み、
前記第1の列のスロットが前記第2の列のスロットに対して角度付けされている、請求項3に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項8】
前記電子発生器のハウジングが金属シートから形成され、平面部分を有し、
前記電子透過領域が前記平面部分の内側に一体的に形成されている、請求項1に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項9】
前記電子透過領域は前記スロットの幅と前記リブの幅との比が約3対1から約6対1である、請求項1に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項10】
電子ビーム照射窓を有する真空チャンバをさらに含み、
前記電子発生器が前記真空チャンバ内に配置され、電子を前記電子ビーム照射窓の外に加速するために前記電子ビーム放射窓から距離をあけて配置されている、請求項1に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項11】
前記電子透過領域のスロットおよびリブは前記少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に電子を拡散させるために、前記電子発生器のハウジングと前記電子ビーム放射窓との間に延在する電界が、前記少なくとも1つの電子源の所定の幅の横断方向に各スロットを通って前記電子発生器のハウジングを貫通し、前記少なくとも1つの電子源を囲む横断電界領域を形成する、請求項10に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項12】
前記電子ビーム放射窓が、電子ビーム放射窓箔を支持する支持板を含み、
前記支持板には電子が通過できる一連の孔が設けられ、この孔は2つの対向する端のそれぞれに向かって中心より外方向に徐々に角度付けされている、請求項10に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項13】
電子ビーム放射窓を有する真空チャンバと、
加速されて電子ビーム放射窓から出る電子を発生させる電子発生器と、
を備える電子ビーム照射装置であって、
前記電子発生器が、前記真空チャンバ内に位置決めされ、かつ電子ビーム放射窓から距離をあけて配置され、電子を発生させる少なくとも1つの電子源を収容したハウジングを有し、
前記少なくとも1つの電子源が所定の幅を有し、
前記電子発生器のハウジングが、前記電子発生器のハウジングから電子を取り出せるように前記少なくとも1つの電子源から距離をあけて配置された電子透過領域を有し、
前記電子透過領域が、前記電子発生器のハウジングの平面状の金属シート部分で一体的に形成されて、前記少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に延在している狭く細長い一連のスロットおよびリブを含み、
前記電子透過領域のスロットおよびリブは、前記電子発生器のハウジングから電子が取り出される前に電子を前記少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に拡散させるために、前記電子発生器のハウジングと前記電子ビーム放射窓との間に延在する電界が、前記少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に各スロットを通って前記電子発生器のハウジングを貫通し、前記少なくとも1つの電子源を囲む横断電界領域を形成する電子ビーム照射装置。
【請求項14】
前記電子源が細長い電子源である、請求項13に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項15】
前記スロットが、前記細長い電子源に対して鋭角に角度付けされている、請求項14に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項16】
前記スロットが、前記細長い電子源に対して約30°〜90°の角度範囲に角度付けされている、請求項14に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項17】
前記スロットが約1/8〜3/16インチ(3.175〜4.763mm)幅で形成され、前記リブが約0.030〜0.040インチ(0.762〜1.016mm)幅で形成される、請求項13に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項18】
前記電子透過領域が、細長い所定の長さと所定の幅とを有し、
前記スロットが電子透過領域の長手軸心に沿って約1/4インチ(6.35mm)のピッチで位置決めされている請求項17に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項19】
前記電子透過領域が第1の列および第2の列のスロットを含み、
前記第1の列のスロットが前記第2の列のスロットに対して角度付けされている、請求項15に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項20】
前記電子透過領域は前記スロットの幅と前記リブの幅との比が約3対1から約6対1である、請求項13に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項21】
前記電子ビーム放射窓が、電子ビーム放射窓箔を支持する支持板を含み、前記支持板には電子が通過できる一連の孔が設けられ、この孔は2つの対向する端のそれぞれに向かって中心より外方向に徐々に角度付けされている、請求項13に記載の電子ビーム照射装置。
【請求項22】
電子ビーム照射装置において電子を分散させる方法であって、
電子を発生させる少なくとも1つの電子源を収容したハウジングを有する電子発生器で電子を発生させ、
前記少なくとも1つの電子源が所定の幅を有し、
前記電子発生器のハウジングが、前記電子発生器のハウジングから電子を取り出せるように前記少なくとも1つの電子源から距離をあけて配置された電子透過領域を有し、
前記電子透過領域は前記電子発生器のハウジング内に形成され、
前記少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に延在する狭く細長い一連のスロットおよびリブを含み、
前記少なくとも1つの電子源によって発生される電子を横断方向に拡散させるように、前記電子透過領域を前記少なくとも1つの電子源に対して構成し、位置決めする方法。
【請求項23】
細長い電子源を用いて電子を発生させることをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記細長い電子源に対して鋭角に角度付けして前記スロットを位置決めすることをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記細長い電子源に対して約30°〜90°の角度範囲に角度付けして前記スロットを位置決めすることをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記スロットを約1/8〜3/16インチ(3.175〜4.763mm)幅で形成し、前記リブを約0.030〜0.040インチ(0.762〜1.016mm)幅に形成することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記電子透過領域に細長い所定の長さと所定の幅を形成することをさらに含み、
前記スロットが電子透過領域の長手軸心に沿って約1/4インチ(6.35mm)のピッチで位置決めされている請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記電子透過領域にスロットの第1の列および第2の列を形成することをさらに含み、
前記第1の列のスロットが前記第2の列のスロットに対して角度付けされている請求項24に記載の方法。
【請求項29】
金属シートから平面部分を有する、電子発生器のハウジングを形成することをさらに含み、
前記電子透過領域が前記平面部分の内側に一体的に形成する請求項22に記載の方法。
【請求項30】
前記電子透過領域において前記スロットの幅と前記リブの幅との比を約3対1から約6対1に形成することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項31】
電子ビーム放射窓を有する真空チャンバ内で、前記電子ビーム放射窓から距離をあけて前記電子発生器を位置決めし、
前記電子発生器のハウジングから電子を取り出し、この電子を加速して前記電子ビーム放射窓の外に放出することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項32】
前記少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に電子を拡散させるために、前記電子発生器のハウジングと前記電子ビーム放射窓との間に延在する電界が、前記少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に各スロットを通って前記電子発生器のハウジングを貫通し、前記少なくとも1つの電子源を囲む横断電界領域を形成するように前記電子透過領域の前記スロットおよび前記リブを構成することをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記電子ビーム放射窓が電子ビーム放射窓箔を支持する支持板を含み、
電子が軌道を整合させて通過できるように、2つの対向する端のそれぞれに向かって中心より外方向に徐々に角度付けされている一連の孔を前記支持板に設けることをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
電子ビーム照射装置を用いて製品を照射する方法であって、
電子を発生させる少なくとも1つの電子源を収容したハウジングを有する電子発生器で電子を発生させ、
前記少なくとも1つの電子源が所定の幅を有し、
前記電子発生器のハウジングから電子を取り出せるように、前記電子発生器のハウジングが、前記少なくとも1つの電子源から距離をあけて配置された電子透過領域を有し、
前記電子透過領域が、前記電子発生器のハウジング内に形成され、前記少なくとも1つの電子源の所定の幅を横断する横断方向に延在している狭く細長い一連のスロットおよびリブを含み、
前記電子透過領域が、前記少なくとも1つの電子源によって発生される電子を前記電子源の所定の幅を横断する横断方向に拡散させるために、前記少なくとも1つの電子源に対して構成および位置決めされ、
前記電子透過領域のスロットおよびリブに対して製品を鋭角に角度付けして、製品と前記電子ビーム照射装置とを相対移動させて製品に電子を照射する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公表番号】特表2011−521259(P2011−521259A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−510509(P2011−510509)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【国際出願番号】PCT/US2009/003116
【国際公開番号】WO2009/151533
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(310014355)アドバンスト・エレクトロン・ビームズ・インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【国際出願番号】PCT/US2009/003116
【国際公開番号】WO2009/151533
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(310014355)アドバンスト・エレクトロン・ビームズ・インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】
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