説明

セキュリティシステム、セキュリティ処理方法、およびプログラム

【課題】 電子機器に対してソフト的なセキュリティではなく、ハード的なセキュリティを確保する。
【解決手段】 セキュリティシステムにおいて、AC/DC変換処理部は予め設定された第1の記憶デバイス内の変換テーブルに基づいて各電源端子の定格電圧に対して昇降圧電圧を発生する第1のDC/DCコンバ−タを備え、メインボードは予め設定された第2の記憶デバイス内の逆変換テーブルに基づいて第1のDC/DCコンバ−タの出力電圧に対して逆昇降圧電圧を発生する第2のDC/DCコンバ−タを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセキュリティシステム、セキュリティ処理方法、およびプログラムに関し、特に、電源電圧を利用した電子機器に対するセキュリティシステム、セキュリティ処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器に対するセキュリティシステムの例が特許文献1に記載されている。特許文献1の技術は、BIOS(Basic Input/Output System)によって生成されたワンタイムパスワードを用いて電子機器のセキュリティを確保する構成である。
【0003】
また、電子機器に対するセキュリティシステムの例が特許文献2に記載されている。特許文献2の技術は、パスワード入力の妥当性に基づいて電子機器への電源供給を開始するか否かを判断する構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−187154号公報
【特許文献2】特開平11−102240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、特許文献2の技術では、ソフトウェアやBIOS設定により第三者が起動できないようにしているが、これらは利用者本人がセキュリティを確保するためにパスワード等のセキュリティ設定をする必要がある。また、セキュリティ設定していてもパスワード等が第三者に解読され、漏洩するリスクがある。
【0006】
また、特許文献1、特許文献2の技術では、電子機器に対してソフト的なセキュリティでなく、ハード的なセキュリティを確保する技術の記載がない。
【0007】
本発明の目的は、上記問題点を解決するセキュリティシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のセキュリティシステムは、AC(交流)/DC(直流)変換処理部は予め設定された第1の記憶デバイス内の変換テーブルに基づいて各電源端子の定格電圧に対して昇降圧電圧を発生する第1のDC/DCコンバ−タを備え、メインボードは予め設定された第2の記憶デバイス内の逆変換テーブルに基づいて前記第1のDC/DCコンバ−タの出力電圧に対して逆昇降圧電圧を発生する第2のDC/DCコンバ−タを備える。
【0009】
本発明のセキュリティ処理方法は、予め設定された第1の記憶デバイス内の変換テーブルに基づいて各電源端子の定格電圧に対して昇降圧電圧を発生する第1のDC/DCコンバ−タ処理ステップと、予め設定された第2の記憶デバイス内の逆変換テーブルに基づいて前記第1のDC/DCコンバ−タ処理ステップで設定された昇降圧電圧に対して逆昇降圧電圧を発生する第2のDC/DCコンバ−タ処理ステップを含む。
【0010】
本発明のプログラムは、予め設定された第1の記憶デバイス内の変換テーブルに基づいて各電源端子の定格電圧に対して昇降圧電圧を発生する第1のDC/DCコンバ−タ処理と、予め設定された第2の記憶デバイス内の逆変換テーブルに基づいて前記第1のDC/DCコンバ−タ処理で設定された昇降圧電圧に対して逆昇降圧電圧を発生する第2のDC/DCコンバ−タ処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果は、ユーザ−により記憶デバイス(1)が意図的に外され、記憶デバイス(2)と対にならない記憶デバイス(1)が着脱されても電子機器のセキュリティを確保できることである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるセキュリティシステム(1)600の構成図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態であるセキュリティシステム(2)700の構成図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態であるセキュリティシステム(2)700における正常時の各電源端子の電圧の昇降圧変換、逆昇降圧変換の1例を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態であるセキュリティシステム(2)700におけるノートパソコン盗難時の各電源端子の電圧の昇降圧変換、逆昇降圧変換の1例を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態であるセキュリティシステム(2)700の動作を示すフローチャートの1例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の第1の実施の形態であるセキュリティシステム(1)600の構成図である。
【0015】
セキュリティシステム(1)600は、AC/DC変換処理部400、およびメインボード500を含んでから構成されている。尚、セキュリティシステム(1)600は電子機器(例えば、ノートパソコン等に移動機器)のセキュリティシステムであると想定している。
【0016】
AC/DC変換処理部400は、記憶デバイス(1)410(第1の記憶デバイスとも呼ぶ)、DC/DCコンバータ(1)処理部420(第1のDC/DCコンバータとも呼ぶ)、および端子部(1)430を含んでから構成されている。尚、AC/DC変換処理部400は、図示されていないが、AC電源から各電源端子の定格電圧を発生するAC/DCコンバータを備えている。
【0017】
メインボード500は、記憶デバイス(2)510(第2の記憶デバイスとも呼ぶ)、DC/DCコンバータ(2)処理部520(第2のDC/DCコンバータとも呼ぶ)、および端子部(2)530を含んでから構成されている。尚、メインボード500は、図示されていないが電子機器(例えば、ノートパソコン等の移動機器)の各デバイスを制御する回路を備えている。
【0018】
記憶デバイス(1)410は着脱自在のデバイスであり、各電源端子の定格電圧に対して、DC/DCコンバータ(1)処理部420でDC/DC変換するための変換テーブルを記憶している。ユーザは、電子機器の非使用時に、記憶デバイス(1)410を電子機器から取り外すものとする。
【0019】
また、記憶デバイス(2)510は、記憶デバイス(1)410と対をなしている着脱自在のデバイスであり、DC/DCコンバータ(1)処理部420にて昇降圧された電源電圧を逆に昇降圧させるための逆変換テーブルを記憶している。
【0020】
変換テーブルと逆変換テーブルは、AC/DC変換処理部400とメインボード500の組み合わせで予めユニークな値(例えば、製造番号に対応)に設定されている。
【0021】
次に、本発明の第1の実施の形態におけるセキュリティシステム(1)600の動作について、図1を参照して説明する。
【0022】
DC/DCコンバ−タ(1)処理部420は、AC電源からAC/DCコンバータによって発生された各電源端子の定格電圧に対して、予め設定された記憶デバイス(1)410内の変換テーブルに基づいて昇降圧し、端子部(1)430に昇降圧電圧を出力する。
【0023】
次に、DC/DCコンバ−タ(2)処理部520は、予め設定された記憶デバイス(2)510内の逆変換テーブルに基づいて、端子部(1)430、端子部(2)530経由で出力された昇降圧電圧に対して逆に昇降圧して、各電源端子の定格電圧を発生する。
【0024】
ここで、セキュリティシステム(1)600が盗難され、記憶デバイス(2)510と対でない記憶デバイス(1)410が装着された場合、DC/DCコンバータ(2)処理部520の出力が各電源端子の定格電圧にならず、各電圧状態は小さくなり過ぎたり過電圧となったりして、メインボード500を起動できずセキュリティを確保できる。
【0025】
このため、本発明の第1の実施の形態であるセキュリティシステム(1)600は、ユーザによって記憶デバイス(1)410が意図的に外されることによって、セキュリティが確保できる。
【0026】
その理由は、各電源端子の定格電圧に対して予め記憶デバイス(1)410に設定された変換テーブルに基づいて昇降圧するDC/DCコンバ−タ(1)処理部420と、DC/DCコンバ−タ(1)処理部420の出力電圧を予め記憶デバイス(2)510に設定された逆変換テーブルに基づいて逆昇降圧するDC/DCコンバ−タ(2)処理部210を備え、セキュリティシステム(1)600が盗難され、記憶デバイス(2)510と対でない記憶デバイス(1)410が装着された場合、セキュリティを確保するような構成を採用したためである。
【0027】
尚、DC/DCコンバ−タ(1)処理部420、およびDC/DCコンバ−タ(2)処理部520は、ハードウェアで実現してもよいしソフトウェアで実現してもよい。
【0028】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
図2は、本発明の第2の実施の形態であるセキュリティシステム(2)700の構成図である。
【0030】
セキュリティシステム(2)700は、AC電源300、AC/DC変換処理部100、およびメインボード200とから構成されている。
【0031】
尚、セキュリティシステム(2)700は、1例として、ノートパソコンのような持ち運び可能な移動機器を想定しているが、電池駆動であれば設置型の機器でもよい。
【0032】
AC/DC変換処理部100は、AC/DCコンバータ130、記憶デバイス(1)120、DC/DCコンバータ(1)処理部110、および端子部(1)140を備えるから構成されている。
【0033】
ここで、記憶デバイス(1)120、DC/DCコンバータ(1)処理部110、および端子部(1)140は、それぞれ本発明の第1実施の形態であるセキュリティシステム(1)600の記憶デバイス(1)410、DC/DCコンバータ(1)処理部420、および端子部(1)430の1例である。
【0034】
AC/DCコンバータ130は、AC電源300をDCに変換する。また、AC/DCコンバータ130は、セキュリティ強化のため変換された各電源端子の定格電圧が容易に判別されないようにAC/DC変換処理部100に内蔵する。
【0035】
記憶デバイス(1)120は、AC/DCコンバータ130の出力端子(1〜N:Nは整数)の定格電圧に対して、予め設定された所定の昇降圧率(k1〜kN)を表すデータを記憶している。本実施の形態では、N=9である。
【0036】
また、記憶デバイス(1)120は、利用者本人が着脱することができるデバイスであり、データは予め暗号化されている。
【0037】
端子部(1)140は電源端子で一例としてA0〜A9の10端子で構成されている。
【0038】
AC/DCコンバータ130によって発生された設定用電源A0は、電源端子A0に電源を供給されする。また、AC/DCコンバータ130は、と共に、記憶デバイス(1)120、DC/DCコンバータ(1)処理部110等の最低限の回路を動作するための電源を供給する。
【0039】
電源端子A1〜A9は、電源受給側への電圧を出力する端子である。また、電源端子A1〜A9には、DC/DCコンバータ(1)処理部110からのDC変換出力が供給される
メインボード200は、記憶デバイス(2)220、DC/DCコンバータ(2)処理部210、端子部(2)240、ヒューズ回路250、およびメインボード回路230から構成されている。
【0040】
ここで、記憶デバイス(2)220、DC/DCコンバータ(2)処理部210、および端子部(2)240はそれぞれ、本発明の第1実施の形態であるセキュリティシステム(1)600の記憶デバイス(2)510、DC/DCコンバータ(2)処理部520、端子部(2)530の1例である。
【0041】
記憶デバイス(2)220は、着脱自在のデバイスである。また、記憶デバイス(2)220は、DC/DCコンバータ(2)処理部210が複数のメインボード動作電源を出力端子C1〜C9に出力するためのユニークな逆昇降圧率情報(各電源端子1〜Nに対して、予め設定された所定の逆昇降圧率1/k1〜1/kN)を予め記録している。逆昇降圧率情報おり、データは予め暗号化されている。
【0042】
尚、ここでは、記憶デバイス(1)120、および記憶デバイス(2)220とも着脱自在のデバイスとしているが、少なくともいずれかが着脱自在であればよい。
【0043】
DC/DCコンバータ(2)処理部210は、記憶デバイス(2)220内の逆昇降圧率情報を参照して、入力された端子部(2)240の電源端子B1〜B9から入力された電圧を変換し、複数のメインボード動作電源として出力端子C1〜C9に出力する。
【0044】
端子部(2)240は電源端子で、一例としてB0〜B9の10端子で構成されている。
【0045】
ヒューズ回路250は、一例としてヒューズF1〜F9で構成されている。また、ヒューズ回路250は、DC/DCコンバータ(2)処理部210の出力端子C1〜C9とメインボード回路230の入力端子D1〜D9の間に設けられている。
【0046】
メインボード回路230は、CPU231、ディスプレイ232、HDD233、パッド234、PCカード235、バックライト236、CD237、LAN238、およびUSB239の各デバイスから構成されている。
【0047】
メインボード回路230は、DC/DCコンバータ(2)処理部210から端子C1〜C9に供給される複数のメインボード動作電源C1〜C9で動作する。また、各デバイスは、定格電圧である各デバイス用電源(端子D1〜D9への電源)で動作する。
【0048】
メインボード回路230は、ノートパソコン等のメインボードと同等の機能を有し、各デバイスへ定格電圧の各デバイス用電源D1〜D9を供給する。
【0049】
電源端子B0は、記憶デバイス(2)220、DC/DCコンバータ(2)処理部210等、メインボード回路230以外の回路を動作させるための電源を受給する。
【0050】
電源端子B1〜B9は、電源供給側の電源を受け取るための端子であり、DC/DCコンバータ(2)処理部210で決定される電圧の最大値にも耐えうる強度とする。入力端子数は、端子部(1)140の出力端子数と同数である。
【0051】
図3は、セキュリティシステム(2)700における正常時の各電源端子の電圧の昇降圧変換、逆昇降圧変換の1例を示す図である。
【0052】
図4は、セキュリティシステム(2)700におけるノートパソコン盗難時の各電源端子の電圧の昇降圧変換、逆昇降圧変換の1例を示す図である。
【0053】
図5は、セキュリティシステム(2)700の動作を示すフローチャートの1例である。
【0054】
次に、本発明の第2の実施の形態におけるセキュリティシステム(1)700の動作について、図2〜図5を参照して説明する。
【0055】
まず、ACケーブル310がAC電源300とAC/DCコンバータ130に接続されると(ステップS20/YES)、AC/DCコンバータ130は、AC電源300から直流電源に変換し、記憶デバイス(1)120、DC/DCコンバータ(1)処理部110、および電源端子A0に設定用電源を流す(ステップS21)。
【0056】
DC/DCコンバータ(1)処理部110は、記憶デバイス(1)120内の暗号化されたデータを符号化し、その値から各電源端子(A1〜A9)への昇降圧電圧を決定する(ステップS22)。
【0057】
DC/DCコンバータ(1)処理部110は、各電源端子(A1〜A9)へ昇降圧電圧を出力する(ステップS23)。
【0058】
一方、メインボード200は、電源端子B0から設定用電源を得て、記憶デバイス(1)120、DC/DCコンバータ(2)処理部210に設定用電源を供給する流す(ステップS30)。
【0059】
DC/DCコンバータ(2)処理部210は、記憶デバイス(2)220内の暗号化された電源端子B1〜B9の電圧に対する昇降圧率情報を符号化し、各電源端子(C1〜C9)への逆昇降圧電圧を決定する(ステップS31)。
【0060】
DC/DCコンバータ(2)処理部210は、電源端子B1〜B9から受給した電源電圧を変換し、メインボード回路230へのメインボード動作電源C1〜C9への逆昇降圧電圧を出力する(ステップS32)。この出力には、正常であれば、メインボード回路230の各デバイス用電源CxとしてD1〜D9は動作するための定格電圧Dxが設定されている。
【0061】
メインボード200は、デバイス用電源Cxが定格電圧Dxかどうか判断する?(ステップS33)。
【0062】
Cxが定格電圧Dxであるとき(ステップS33/YES)、この場合は、記憶デバイス(1)120と記憶デバイス(2)220の設定パターンが一対であり、DC/DCコンバータ(1)処理部110が変換するメインボード動作電源C1〜C9の電圧がメインボード回路230の各デバイス用電源D1〜D9の定格電圧と等しくなるため、メインボード回路230内の各デバイスが定格の電源で起動開始する(ステップS34)。
【0063】
Cxが定格電圧Dxでないとき(ステップS32/NO)、この場合は、記憶デバイス(1)120と記憶デバイス(2)220が対にならないときで、DC/DCコンバータ(1)処理部110が変換するメインボード動作電源C1〜C9の電圧は、メインボード回路230の各デバイス用電源D1〜D9の定格電圧と異なってしまう。このため、各電圧状態は少なく過ぎたり電源が供給されても過電圧となったりして、ノートパソコンは起動できない。
【0064】
また、メインボード動作電源C1〜C9として変換された電圧が大きくなりすぎた場合はメインボード回路230を壊す可能性があるため、ヒューズF1〜F9で電源回路の物理切断を行い、起動不可とする(ステップS35)。
【0065】
尚、ヒューズF1〜F9は外部からは見えないようにメインボード200内に設置する。
【0066】
次に、記憶デバイス(2)220と対になる記憶デバイス(1)120が挿入された場合の正常動作について図3を用いて説明する。
【0067】
メインボード回路230の各デバイス用電源D1は12Vで動作し、D2〜D3は19Vで動作し、D4〜D9は5Vで動作する。
【0068】
図3の例では、電源端子A1は19V、A2は12V、A3は6V、A4は19V、A5は9V、A6は12V、A7は6V、A8は5V、A9は9Vに設定されている。
【0069】
一方、DC/DCコンバータ(21)処理部21110への昇圧高圧率情報は、メインボード回路230の各デバイス用電源D1〜D9の定格電圧に対応する昇降圧率が設定される。
【0070】
この場合の昇降圧率はC1が0.63、C2が1.58、C3が3.17、C4が0.26、C5が0.56、C6が0.42、C7が0.83、C8が1.00、C9が0.56である。
【0071】
このとき、DC/DCコンバータ(21)処理部2110が変換するメインボード動作電源C1〜C9とメインボード回路230の各デバイス用電源D1〜D9の定格電圧が一致し、ノートパソコンは正常に起動する。
【0072】
次に、セキュリティシステム(2)700が盗難され、記憶デバイス(2)220と対にならない記憶デバイス(1)120が挿入された場合の異常動作について図4を用いて説明する。
【0073】
別の記憶デバイス(1)120が接続され、1例として電源端子A1は12V、A2は19V、A3は5V、A4は9V、A5は19V、A6は5V、A7は9V、A8は5V、A9は6Vが設定されている。
【0074】
DC/DCコンバータ(21)処理部2110の昇圧高圧率情報は、変らず、C1が0.63、C2が1.58、C3が3.17、C4が0.26、C5が0.56、C6が0.42、C7が0.83、C8が1.00、C9が0.56である。
【0075】
このとき、DC/DCコンバータ(21)処理部2110が変換するメインボード動作電源の出力端子C1〜C9への電圧は、C1が7.6V、C2が30V、C3が16V、C4が2.3V、C5が11V、C6が2.1V、C7が7.5V、C8が5V、C9が3.4Vとなる。
【0076】
この結果、変換された電圧C1、C3、C4、C6、C9が定格電圧に対して不足し、端子C2、C5、C7への電圧は定格電圧に対して過電圧のためヒューズが回路を切断する。
【0077】
結果としてノートPCは起動不可となり、以降は正しい組み合わせの記憶デバイス(1)120および記憶デバイス(2)220を接続しても起動できない。
【0078】
このため、本発明の第2の実施の形態であるセキュリティシステム(2)700は、ユーザ−によって記憶デバイス(1)120が意図的に外されることにより、セキュリティを確保できる。
【0079】
その理由は、各電源端子の定格電圧に対して予め記憶デバイス(1)120に設定された変換テーブルに基づいて昇降圧するDC/DCコンバ−タ(1)処理部110と、DC/DCコンバ−タ(1)処理部110の出力電圧を予め記憶デバイス(2)220に設定された逆変換テーブルに基づいて昇降圧するDC/DCコンバ−タ(2)処理部210を含むような構成を採用したためである。
【0080】
また、セキュリティシステム(2)700の盗難後にセキュリティが図ることができる。
【0081】
その理由は、記憶デバイス(1)120と記憶デバイス(2)220とで設定不一致となる場合にメインボード200のヒューズ回路250を切断し回路の物理破壊を行うような構成を採用したためである。
【0082】
尚、DC/DCコンバ−タ(1)処理部110、およびDC/DCコンバ−タ(2)処理部210は、ハードウェアで実現してもよいしソフトウェアで実現してもよい。
【符号の説明】
【0083】
100 AC/DC変換処理部
110 DC/DCコンバータ(1)処理部
120 記憶デバイス(1)
130 AC/DCコンバータ
140 端子部(1)
200 メインボード
210 DC/DCコンバータ(2)処理部
220 記憶デバイス(2)
230 メインボード回路
231 CPU
232 ディスプレイ
233 HDD
234 パッド
235 PCカード
236 バックライト
237 CD
238 LAN
239 USB
240 端子部(2)
250 ヒューズ回路
300 AC電源
400 AC/DC変換処理部
410 記憶デバイス(1)
420 DC/DCコンバータ(1)処理部
430 端子部(1)
500 メインボード
510 記憶デバイス(2)
520 DC/DCコンバータ(2)処理部
530 端子部(2)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
AC/DC変換処理部と、およびメインボードとを含み有するセキュリティシステムにおいて、
前記AC/DC変換処理部は予め設定された第1の記憶デバイス内の変換テーブルに基づいて各電源端子の定格電圧に対して昇降圧電圧を発生する第1のDC/DCコンバ−タを備え、
前記メインボードは予め設定された第2の記憶デバイス内の逆変換テーブルに基づいて前記第1のDC/DCコンバ−タの出力電圧に対して逆昇降圧電圧を発生する第2のDC/DCコンバ−タを備えることを特徴とするセキュリティシステム。
【請求項2】
前記変換テーブルは昇降圧率である所定値1(K1〜KN)を記憶し前記逆変換テーブルは逆昇降圧率である所定値2(1/K1〜1/KN)を記憶することを特徴とする請求項1記載のセキュリティシステム。
【請求項3】
前記AC/DC変換処理部はAC電源から前記各電源端子の前記定格電圧に変換するAC/DCコンバータを備え、前記メインボードは各デバイスの制御を行うメインボード回路を備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載のセキュリティシステム。
【請求項4】
前記第1の記憶デバイスおよび前記第2の記憶デバイスの少なくともいずれかが着脱自在であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のセキュリティシステム。
【請求項5】
前記メインボードは前記第2のDC/DCコンバータと前記メインボード回路間にヒューズ回路を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のセキュリティシステム。
【請求項6】
前記所定値1および前記所定値2は予め暗号化されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のセキュリティシステム。
【請求項7】
前記AC/DCコンバータは前記AC電源がONになったときに前記第1のDC/DCコンバータおよび前記第2のDC/DCコンバータを動作させるための設定用電源を供給することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のセキュリティシステム。
【請求項8】
セキュリティ処理方法において、予め設定された第1の記憶デバイス内の変換テーブルに基づいて各電源端子の定格電圧に対して昇降圧電圧を発生する第1のDC/DCコンバ−タ処理ステップと、予め設定された第2の記憶デバイス内の逆変換テーブルに基づいて前記第1のDC/DCコンバ−タ処理ステップで設定された昇降圧電圧に対して逆昇降圧電圧を発生する第2のDC/DCコンバ−タ処理ステップを含むことを特徴とするセキュリティ処理方法。
【請求項9】
予め設定された第1の記憶デバイス内の変換テーブルに基づいて各電源端子の定格電圧に対して昇降圧電圧を発生する第1のDC/DCコンバ−タ処理と、予め設定された第2の記憶デバイス内の逆変換テーブルに基づいて前記第1のDC/DCコンバ−タ処理で設定された昇降圧電圧に対して逆昇降圧電圧を発生する第2のDC/DCコンバ−タ処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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