説明

セキュリティ通行制御装置

【課題】この発明は、セキュリティエリアに入室する人数を把握することで、よりセキュリティ性をより高くすることができるセキュリティ通行制御装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】一般エリア1及び人数確認エリア2間に設けられた第1の扉5、及び人数確認エリア2及びセキュリティエリア3間に設けられた第2の扉7は、第1及び第2の電気錠8,9によって施錠されている。人数確認エリア2には、ビームセンサ15が設けられており、人数確認エリア2内の通過待ち人数を検出することができる。第1の個人認証装置11に入力された移動申請人数と、通過待ち人数とが一致した場合に、第2の電気錠9が解錠され、利用者がセキュリティエリア3内に移動することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、第1のエリアと第2のエリアとの間の通行のセキュリティを管理するセキュリティ通行制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来装置では、セキュリティエリアに入室するために、利用者が個人認証装置でテンキー操作、カード操作、指紋照合などを行うことで、個人認証が行われていた。個人認証の結果に基づいて、扉に設けられた鍵の解錠及び施錠の制御が行われることで、セキュリティエリアへの利用者の入室管理が行われていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−64678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来のセキュリティ通行制御装置では、一度の解錠操作によって、複数人の利用者がセキュリティエリアに入室することができていた。そのため、セキュリティエリアに何人入室したのか把握することが難しかった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、セキュリティエリアに入室する人数を把握することで、よりセキュリティ性を高くすることができるセキュリティ通行制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るセキュリティ通行制御装置は、第1のエリアと第2のエリアとの間の出入口を開閉する開閉体の施錠を制御する施錠制御部、第1のエリアと第2のエリアとの間を移動する移動申請人数を入力するための人数入力手段、及び出入口を通過しようとする通過待ち人数を検出する人数検出手段を備え、施錠制御部は、人数入力手段に入力された移動申請人数と人数検出手段によって検出された通過待ち人数とが一致した場合に開閉体を解錠し、利用者が第1のエリアと第2のエリアとの間を移動することを可能とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明のセキュリティ通行制御装置によれば、人数入力手段に入力された移動申請人数と人数検出手段によって検出された通過待ち人数とが一致した場合に開閉体が解錠され、利用者が第1のエリアと第2のエリアとの間を移動することが可能となるので、一度の解錠作業で何人の利用者がセキュリティエリアに入室したかが把握することができ、よりセキュリティ性を高くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるセキュリティ通行制御装置を示す説明図である。図において、一般エリア1(第2のエリア)とセキュリティエリア3(第1のエリア)との間には人数確認エリア2が設けられている。
【0009】
一般エリア1と人数確認エリア2との間には、第1の出入口4が設けられている。第1の出入口4には、第1の出入口4を開閉する第1の扉5が設けられている。セキュリティエリア3と人数確認エリア2との間には、第2の出入口6が設けられている。第2の出入口6には、第2の出入口6を開閉する第2の扉7が設けられている(図では扉5,7は閉じられているが、扉5,7が開かれたときの状態を破線によって示している)。
【0010】
第1及び第2の扉5,7は、第1及び第2の電気錠8,9によって施錠及び解錠される。第1及び第2の電気錠8,9の動作は通行制御装置10(施錠制御部)によって制御されている。
【0011】
一般エリア1には、第1の個人認証装置11(個人識別手段、兼人数入力手段)が設けられている。第1の個人認証装置11は、利用者が一般エリア1から人数確認エリア2へ移動する(第1の出入口4を通過する)際に個人認証が行われるためのものであり、また利用者によって移動申請人数の入力が行われるためのものである。移動申請人数とは、第1の個人認証装置11を操作する利用者によって入力される一般エリア1とセキュリティエリア3との間を移動する人数のことである。
【0012】
人数確認エリア2には、第2及び第3の個人認証装置12,13(個人識別手段)が設けられている。セキュリティエリア3には、第4の個人認証装置14(個人識別手段)が設けられている。
【0013】
第2の個人認証装置12は、利用者が人数確認エリア2から一般エリア1へ移動する(第1の出入口4を通過する)際に個人認証が行われるためのものである。第3の個人認証装置13は、利用者が人数確認エリア2からセキュリティエリア3へ移動する(第2の出入口6を通過する)際に個人認証が行われるためのものである。第4の個人認証装置14は、利用者がセキュリティエリア3から人数確認エリア2へ移動する(第2の出入口6を通過する)際に個人認証が行われるためのものである。
【0014】
利用者識別情報とは、利用者を識別するための情報である。利用者識別情報は、例えばテンキー操作でパスワードが入力される方法や、個人情報が記憶されているカードを読み込ませる方法や、又は利用者の指紋を照合する方法等によって利用者から個人認証装置11〜14に取得される。
【0015】
人数確認エリア2には、ビームセンサ15が設けられている。ビームセンサ15は、複数組の発光部と受光部とを有している。発光部と受光部とは、互いに対向するように設けられている。例えば、複数の発光部が通路の天井に設けられ、複数の受光部が通路の床面に設けられる。
【0016】
発光部と受光部との間に人がいると、発光部から受光部への光が遮られる。そして、受光部で光を検出できるかどうかの信号が、人数確認エリア2に人が幾人いるか検出するための人数検出信号として、ビームセンサ15によって通行制御装置10に対して入力される。
【0017】
通行制御装置10は、個人認証装置11〜14から入力されてくる情報を有効にするか又は無効にするかを選択することができる。また、通行制御装置10は、個人認証装置11〜14及びビームセンサ15の動作を制御する。
【0018】
図2は、図1のセキュリティ通行制御装置を示すブロック図である。セキュリティ通行制御装置は、個人認証手段20、利用者データ記憶部21、解錠可否判断手段22、人数検出手段23、施錠制御部24、及びデータベース記憶部25を有している。
【0019】
人数検出手段23は、人数カウント手段26及びビームセンサ15を有している。施錠制御部24は、電気錠制御手段27及び電気錠8,9を有している。この例では、個人認証手段20及び利用者データ記憶部21は、個人認証装置11〜14が有しており、人数カウント手段26、解錠可否判断手段22、データベース記憶部25、及び電気錠制御手段27は通行制御装置10が有している。
【0020】
個人認証手段20によって、利用者識別情報及び移動申請人数が取得される。利用者データ記憶部21には、一般エリア1とセキュリティエリア3との間を移動することが許可されている利用者の認証利用者データが予め登録され記憶されている。
【0021】
個人認証手段20は、利用者から取得された利用者識別情報と、利用者データ記憶部21に記憶されている認証利用者データとが一致するかどうかを判断することで、利用者の個人認証を行う。このとき、利用者識別情報と認証利用者データとが一致する(個人認証される)と、個人認証手段20は解錠可否判断手段22に対して認証結果情報を入力する。また、個人認証手段20は、解錠可否判断手段22に対して認証結果情報を入力すると共に、利用者から取得された利用者識別情報及び移動申請人数も解錠可否判断手段22に対して入力する。
【0022】
人数カウント手段26には、ビームセンサ15から人数検出信号が入力される。人数カウント手段26は、人数検出信号に基づいて、人数確認エリア2内の人数をカウントする。即ち、人数カウント手段26は、第1又は第2の出入口4,6を通過しようとする通過待ち人数を検出(カウント)する。通過待ち人数は、第1の扉5と第2の扉7との間にいる人の人数(扉間人数)と言い換えることもできる。また、人数カウント手段26は、通過待ち人数を解錠可否判断手段22に対して入力する。
【0023】
解錠可否判断手段22は、利用者識別情報、移動申請人数、及び通過待ち人数の入力を受ける。データベース記憶部25では、解錠可否判断手段22によって、セキュリティエリア3に入室した利用者の利用者識別情報、その利用者が入力した移動申請人数、及びその利用者の通行履歴が登録され、記憶される。また、データベース記憶部25では、解錠可否判断手段22によって、それらの登録及び記憶された情報が消去される。
【0024】
さらに、解錠可否判断手段22は、利用者識別情報、認証結果情報、移動申請人数、及び通過待ち人数の入力に基づいて、解錠指令又は施錠指令を電気錠制御手段27に対し入力する。電気錠制御手段27は、第1及び第2の電気錠8,9の施錠をそれぞれ制御する。電気錠制御手段27に解錠指令が入力されることで第1又は第2の電気錠8,9が解錠され、電気錠制御手段27に施錠指令が入力されることで第1又は第2の電気錠8,9が施錠される。
【0025】
次に、動作について説明する。図3は、図1の通行制御装置10及び個人認証装置11,12のセキュリティエリア3入室時の動作を示すフローチャートである。図において、複数人の利用者が一般エリア1からセキュリティエリア3へ移動するときの説明を行う。通常、第1及び第2の電気錠8,9は施錠されており、利用者は一般エリア1から人数確認エリア2及びセキュリティエリア3へ移動できない。
【0026】
一般エリア1から人数確認エリア2への移動
まず、利用者が一般エリア1から人数確認エリア2に移動するためには第1の扉5での個人認証が必要となる。そして、複数人の利用者の内の代表者によって第1の個人認証装置11の操作が行われると、第1の個人認証装置11では、代表者から取得された利用者識別情報と利用者データ記憶部21に記憶されている認証利用者データとが一致し、利用者が一般エリア1とセキュリティエリア3との間を移動することが許可されている個人として認証されるかどうかが判断される(ステップS1)。ここで、利用者識別情報と認証者利用者データが一致せず、代表者が個人認証されなければ、利用者は人数確認エリア2には移動できず、従ってセキュリティエリア3に入室することもできない。
【0027】
これに対して、代表者から取得された利用者識別情報と認証利用者データとが一致し、個人認証されれば、第1の個人認証装置11によって、利用者に対して移動申請人数(N1)の入力が促され、入力された移動申請人数(N1)と利用者識別情報と認証結果情報とを通行制御装置10に対して出力される(通行認証動作)(ステップS2)。なお、代表者以外の利用者は個人認証する必要がない。
【0028】
これに応じ、移動申請人数(N1)と利用者識別情報と認証結果情報とが入力された通行制御装置10によって、第1の電気錠8が解錠され、利用者が一般エリア1と人数確認エリア2との間を移動することが可能とされる。このとき、通行制御装置10によって、通行制御装置10に対する第3,4の個人認証装置13,14からの入力が無効とされ(第2の扉7での個人認証が無効とされ)、一般エリア1から人数確認エリア2へ移動する利用者の利用者識別情報と移動申請人数と通行履歴とが記憶され、ビームセンサ15が起動される(人数確認エリア2受け入れ動作)(ステップS3)。
【0029】
次に、利用者が人数確認エリア2に移動し始めると、人数確認エリア2に人が移動してきたことがビームセンサ15によって検知され、これに応じて通行制御装置によって人数確認エリア2の受け入れが監視される(ステップS4)。そして、第1の扉5が閉じられると、通行制御装置10によって、第1の電気錠8が施錠され、利用者が人数確認エリア2に移動し終わったことが判断される。
【0030】
このとき、ビームセンサ15から通行制御装置10に対して人数検出信号が入力され、通行制御装置10によって、人数確認エリア2内の通過待ち人数が検出され(ステップS5)、通行制御装置10に対する第3,4の個人認証装置13,14からの入力が有効とされる(セキュリティエリア3受け入れ準備)(ステップS6)。
【0031】
人数確認エリア2からセキュリティエリア3への移動
次に、利用者が人数確認エリア2からセキュリティエリア3に移動するためには第2の扉7で、第1の個人認証装置11で個人認証された代表者の個人認証が所定時間内の個人認証が必要となる。このとき、第3の個人認証装置13によってその代表者による個人認証が行われるかどうかが判定される(スッテップS7)。
【0032】
ここで、所定時間内に代表者が個人認証されると、通行制御装置10によって第1の個人認証装置11で入力された移動申請人数(N1)と人数確認エリア2内にいる通過待ち人数とが一致するかどうかが判断される(ステップS8)。
【0033】
そして、移動申請人数(N1)と通過待ち人数とが一致する場合には、通行制御装置10によって、第2の電気錠9が解錠されることで、利用者がセキュリティエリア3へ移動することが可能とされる。このとき、通行制御装置10によって、通行制御装置10に対する第1,2の個人認証装置11,12からの入力が無効とされ(第1の扉5での個人認証が無効とされ)、代表者がその他幾人かの利用者を連れてセキュリティエリア3に移動したという利用履歴が記憶される(セキュリティエリア3受け入れ動作)(ステップS9)。
【0034】
次に、第2の扉7が閉じられると、通行制御装置10によって、人数確認エリア2に利用者が残ってないかどうかが監視される(ステップS10)。このとき、人数確認エリア2に利用者がいないことが確認されることによって、利用者がセキュリティエリア3に移動し終わったことが確認されると、第2の電気錠9が施錠され、第1及び第2の個人認証装置11,12からの入力が有効にされ、ビームセンサ15の動作が停止される(受け入れ完了動作)(ステップS11)。
【0035】
人数確認エリア2からセキュリティエリア3へ移動できない場合
一方、利用者が一般エリア1から人数確認エリア2に移動し終わった後に、所定時間内に代表者による個人認証されなかった場合(ステップS7)、又は第1の個人認証装置11に入力された移動申請人数(N1)と通過待ち人数とが一致しなかった場合(ステップS8)には、利用者が人数確認エリア2からセキュリティエリア3への移動が可能とされない。
【0036】
このとき、通行制御装置10によって、第1の電気錠8が解錠されると共に、通行制御装置10に対する第3,4の個人認証装置13,14からの入力が無効とされ(第2の扉7での個人認証が無効とされ)、利用者が第1の扉5を通過したときに記憶された利用者識別情報と移動申請人数が消去され、個人認証がされなかったという利用履歴が記憶される(セキュリティエリア3受け入れ拒否動作)(ステップS12)。このとき、第2及び第3の個人認証装置12,13では、第1の扉5から退出するようにと表示される(ステップS13)。
【0037】
そして、利用者によって第1の扉5が、開かれそして閉じられると、通行制御装置10によって利用者が第1の扉5から退出し人数確認エリア2に人が残っていないかどうかが判定される(ステップS14)。ここで、通行制御装置10によって人数確認エリア2に人が残っていないことが判断されると、第1の電気錠8が施錠され、通行制御装置10に対する第3及び第4の個人認証装置13,14からの入力が有効とされ、ビームセンサ15の動作が停止される(退出完了動作)(ステップS15)。
【0038】
図4は、図1の通行制御装置10及び個人認証装置12,14のセキュリティエリア3退室時の動作を示すフローチャートである。セキュリティエリア3に入室した利用者が
一般エリア1に戻るときの説明を行う。
【0039】
セキュリティエリア3から人数確認エリア2への移動
セキュリティエリア3に入室した利用者が一般エリア1へ退出するためには、第2の扉7での個人認証が必要となる。このとき、利用者によって第4の個人認証装置14の操作が行われると、第4の個人認証装置14では、利用者から取得された利用者識別情報が、セキュリティエリア3に入室している利用者の利用者識別情報と一致するかどうかが判断される(ステップS21)。即ち、セキュリティエリア3に入室するときに代表者として個人認証された利用者のみが第4の個人認証装置14で個人認証され、その他の利用者は、その代表者と一緒でなければ退室できない。ここで、認証されなければ、利用者は人数確認エリア2に移動できず、従って一般エリア1にも移動できない。
【0040】
これに対して、代表者によって個人認証がされれば、第4の個人認証装置14によって、認証結果情報が通行制御装置10に対して入力される。これに応じ、通行制御装置10によって、第2の電気錠9が解錠されることで利用者がセキュリティエリア3と人数確認エリア2との間を移動することが可能とされる。このとき、通行制御装置10によって、通行制御装置10に対する第1,2の個人認証装置11,12からの入力が無効とされ(第1の扉5での個人認証が無効とされ)、通行履歴が記憶され、ビームセンサ15が起動される(人数確認エリア受け入れ動作)(ステップS22)。
【0041】
次に、利用者が人数確認エリア2に移動し始めると、人数確認エリア2に人が移動してきたことがビームセンサ15によって検知され、これに応じて通行制御装置によって人数確認エリア2の受け入れが監視される(ステップS23)。そして、第2の扉7が閉じられると、通行制御装置10によって、第2の電気錠9が施錠され、利用者が人数確認エリア2に移動し終わったことが判断される。
【0042】
このとき、ビームセンサ15から通行制御装置10に対して人数検出信号が入力され、通行制御装置10によって、人数確認エリア2内の通過待ち人数が検出され(ステップS24)、通行制御装置10に対する第1,2の個人認証装置11,12からの入力が有効とされる(一般エリア1受け入れ準備)(ステップS25)。
【0043】
人数確認エリア2から一般エリア1への移動
次に、利用者が人数確認エリア2から一般エリア1に移動するためには第1の扉5で、第1の個人認証装置11で個人認証された代表者の個人認証が所定時間内に必要となり、第2の個人認証装置12によってその代表者よる個人認証されるかどうかが判定される(ステップS26)。
【0044】
ここで、所定時間内に代表者が個人認証されると、通行制御装置10によって、利用者がセキュリティエリア3に入室したときに第1の個人認証装置11に入力し、その後に通行制御装置10内に記憶されている移動申請人数(N1)と、ビームセンサ15からの人数検出信号によって検出された通過待ち人数とが一致するかどうかが判断される(ステップS26)。
【0045】
そして、移動申請人数(N1)と通過待ち人数とが一致する場合には、通行制御装置10によって、第1の電気錠8が解錠されることで、利用者が一般エリア1へ移動することが可能とされる。このとき、通行制御装置10によって、通行制御装置10に対する第3,4の個人認証装置13,14からの入力が無効とされ(第2の扉7での個人認証が無効とされ)、代表者がその他幾人かの利用者を連れて一般エリア1に移動したという利用履歴が記憶される(一般エリア1受け入れ動作)(ステップS28)。
【0046】
次に、第1の扉5が閉じられると、通行制御装置10によって、人数確認エリア2に利用者が残ってないかどうかが監視される(ステップS29)。通行制御装置10によって、人数確認エリア2に利用者が残ってないことが確認されることで、利用者が一般エリア1に移動し終わったことが確認され、第1の電気錠8が施錠される。このとき、通行制御装置10によって、通行制御装置10に対する第3,4の個人認証装置13,14からの入力が有効とされ、ビームセンサ15の動作が停止され、一般エリア1へ移動した代表者の利用者識別情報と一般エリア1へ移動した代表者が入力した移動申請人数(N1)が消去される(受け入れ完了動作)(ステップS30)。
【0047】
人数確認エリア2から一般エリア1へ移動できない場合
一方、利用者がセキュリティエリア3から人数確認エリア2に移動し終わった後に、所定時間内に代表者による個人認証がされなかった場合(ステップS26)、又は利用者がセキュリティエリア3に入室したときに第1の個人認証装置11に入力し、通行制御装置10内に記憶されている移動申請人数(N1)と、通過待ち人数とが一致しなかった場合(ステップS27)には、通行制御装置10によって利用者が人数確認エリア2から一般エリア1へ移動することが可能とされない。
【0048】
このとき、通行制御装置10によって、第2の電気錠9が解錠され、通行制御装置10に対する第1,2の個人認証装置11,12からの入力が無効とされ(第1の扉5での個人認証が無効とされ)、利用者がセキュリティエリア3から人数確認エリア2に移動したが、一般エリア1に移動できなかったという通行履歴が記憶される(ステップS31)。このとき、第2及び第3の個人認証装置12,13では、第2の扉7から退出するようにと表示される(ステップS32)。
【0049】
次に、利用者によって第2の扉7が、開かれそして閉じられると、通行制御装置10によって、利用者が第2の扉7から退出し人数確認エリア2に人が残っていないことが判定される(ステップS33)。通行制御装置10によって、人数確認エリア2に人が残っていないことが判断されると、第2の電気錠9が施錠され、通行制御装置10に対する第1及び第2の個人認証装置11,12からの入力が有効とされ、ビームセンサ15の動作が停止される(退出完了動作)(ステップS34)。
【0050】
このようなセキュリティ通行制御装置では、利用者によって第1の個人認証装置11に入力された移動申請人数と、通行制御装置10及びビームセンサ15によって検出された通過待ち人数とが一致した場合に開閉体が解錠され、利用者が一般エリア1及びセキュリティエリア3間を移動することが可能となるので、一度の解錠作業で何人の利用者がセキュリティエリア3に入室したかが把握することができ、よりセキュリティ性を高くすることができる。
【0051】
また、一般エリア1とセキュリティエリア3との間に人数確認エリア2が設けられ、個人認証装置11〜14の操作の有効、無効を制御することで人数確認エリア2への利用者の出入りを制限するので、通過待ち人数を検出するときに人数確認エリア2内の利用者の増減を防ぐことができ、より正確な移動人数を検出することができる。
【0052】
さらに、第1〜4の個人認証装置11〜14で利用者識別情報を検出するので、セキュリティエリア3への入室が許可される利用者を限定することができ、よりセキュリティ性を高くすることができる。
【0053】
さらにまた、セキュリティエリア3に入室した利用者の利用者識別情報がデータベース内に記憶され、記憶されている利用者識別情報を有する利用者のみがセキュリティエリア3から人数確認エリア2へ移動できるので、随行員として入室した人がセキュリティエリア3から人数確認エリア2へ移動することが拒否される。これによって、セキュリティエリア3への入室者をより正確に把握でき、セキュリティ性をより高くすることができる。
【0054】
また、利用者がセキュリティエリア3に入室するときに入力した移動申請人数(N1)と、通行制御装置10及びビームセンサ15とが検出した通過待ち人数とが一致する場合にセキュリティエリア3から一般エリア1への移動することができる。即ち、セキュリティエリア3に入室するときの人数と、一般エリア1へ退出するときの人数とが同じでなくてはならないので、セキュリティエリア3内にいる人数の把握をより正確にし、セキュリティ性をより高めることができる。
【0055】
さらに、通行制御装置10によって利用者の通行履歴が記憶されるので、利用者ごとの行動を把握することができ、どの利用者がセキュリティエリア3に入室したままか等を把握することができる。これによって、セキュリティ性をより高めることができる。
【0056】
なお、上記の例では、通行制御装置10は認証結果情報を受けることで、利用者がセキュリティエリア3に移動が認証されていると判断していたが、解錠可否判断手段22においてその認証の判定をしてもよい。
【0057】
また、上記の例では、個人認証が行われるかどうか、また移動申請人数(N1)と通過待ち人数とが一致するかどうかによって電気錠8,9の動作が制御されていたが、セキュリティ通行制御装置は、利用者の通行履歴と利用者が第1のエリアに移動が許可される時間帯の情報である許可時間情報とを記憶するデータベース記憶部、利用者に対して退出勧告を行う報知装置、及び許可時間情報と通行履歴を監視し、かつ報知装置を制御する退出勧告判断手段をさらに備えてもよく、施錠制御部は、利用者識別情報と認証利用者データとが一致し、かつ許可時間情報に基づく許可時間内であれば、開閉体を解錠することで利用者が第1のエリアと第2のエリアとの間を移動することを可能とし、退出勧告判断手段は、第1のエリアに移動している利用者が、第1のエリアに移動が許可されている時間を過ぎて第1のエリアにいるときには、報知装置によって利用者に対して退出勧告を行ってもよい。例えば、データベース記憶部内に、利用者Iは12時〜18時の間はセキュリティエリア(第1のエリア)に入室できるという許可時間情報が記憶されており、利用者Iが18時になってもセキュリティエリアから退出しない場合には、通行制御装置(退出勧告手段)は報知装置を用いることによって利用者Iに対してセキュリティエリアを退出するようにと勧告してもよい。
【0058】
さらに、上記の例では、第1〜第4の個人認証装置11〜14において利用者がセキュリティエリア3に入室できるかどうかが判断され、利用者がセキュリティエリア3に入室できるときだけに認証結果情報が第1〜第4の個人認証装置11〜14から通行制御装置10に入力されていたが、第1〜第4の個人認証装置11〜14では利用者識別情報を検出するだけでもよく、セキュリティエリア3に入室できるかどうかは通行制御装置10(解錠可否判断手段22)が判断してもよい。
【0059】
さらにまた、上記の例では、人数確認エリア2において通過待ち人数は、通行制御装置10及びビームセンサ15によって検出されていたが、人数検出手段は第1のエリアと第2のエリアとの出入口を通過しようとする通過待ち人数が検出できればよく、ビームセンサ15に限らず、画像解析によって人数を検出するもの等であってもよい。
【0060】
また、上記の例では、ビームセンサ15は人数確認エリア2に設けられていたが、人数検出手段は第1のエリアと第2のエリアとの出入口を通過しようとする通過待ち人数が検出できればよく、その設置場所は人数確認エリアに限られない。従って、例えば第1のエリアと第2のエリアとの出入口に設けることで、通過待ち人数をカウントしてもよい。
【0061】
さらに、上記の例では、一般エリア1とセキュリティエリア3との間に人数確認エリア2が設けられていたが、第1のエリアと第2のエリアだけでもよい。但し、この場合には、人数検出手段は第1のエリアの通過待ち人数、及び第2のエリアの通過待ち人数を別々に検出する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】この発明の実施の形態1によるセキュリティ通行制御装置を示す説明図である。
【図2】図1のセキュリティ通行制御装置を示すブロック図である。
【図3】図1の通行制御装置及び個人認証装置のセキュリティエリア入室時の動作を示すフローチャートである。
【図4】図1の通行制御装置及び個人認証装置のセキュリティエリア退室時の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
1 一般エリア(第2のエリア)、2 人数確認エリア、3 セキュリティエリア(第1のエリア)、4 第1の出入口、5 第1の扉(開閉体)、6 第2の出入口、7 第2の扉(開閉体)、8 第1の電気錠、9 第2の電気錠、10通行制御装置(施錠制御部、兼人数検出部)、11 第1の個人認証装置(人数入力手段、兼個人識別手段)、12〜14 第2〜4の個人認証装置(個人識別手段)、15 ビームセンサ、20 個人認証手段、21 利用者データ記憶部、22 解錠可否判断手段、23 人数検出手段、24 施錠制御部、25 データベース記憶部、26 人数カウント手段、27 電気錠制御手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のエリアと第2のエリアとの間の出入口を開閉する開閉体の施錠を制御する施錠制御部、
上記第1のエリアと上記第2のエリアとの間を移動する移動申請人数を入力するための人数入力手段、及び
上記出入口を通過しようとする通過待ち人数を検出する人数検出手段
を備え、
上記施錠制御部は、上記人数入力手段に入力された移動申請人数と上記人数検出手段によって検出された通過待ち人数とが一致した場合に上記開閉体を解錠し、利用者が上記第1のエリアと上記第2のエリアとの間を移動することを可能とすることを特徴とするセキュリティ通行制御装置。
【請求項2】
上記第1のエリアと上記第2のエリアとの間には人数確認エリアが設けられており、
上記人数検出手段は、上記人数確認エリア内のエリア内人数を検出することによって、上記通過待ち人数を検出することを特徴とする請求項1に記載のセキュリティ通行制御装置。
【請求項3】
上記第1のエリアと上記第2のエリアとの間を移動する利用者の利用者識別情報を識別する個人識別手段、及び
上記第1のエリアと上記第2のエリアとの間を移動することが許可されている利用者の認証利用者データを記憶する利用者データ記憶部
をさらに備え、
上記施錠制御部は、上記移動申請人数と上記通過待ち人数とが一致し、かつ上記利用者識別情報と上記認証利用者データとが一致した場合に上記開閉体を解錠し、利用者が上記第1のエリアと上記第2のエリアとの間を移動することを可能とすることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のセキュリティ通行制御装置。
【請求項4】
上記利用者データ記憶部は、上記第1のエリアに移動した利用者の上記利用者識別情報をさらに記憶し、
上記施錠制御部は、上記個人識別手段によって識別された上記利用者識別情報と、上記利用者データ記憶部に記憶されている上記利用者識別情報とが一致した場合に上記開閉体を解錠し、利用者が上記第1のエリアから上記第2のエリアへ移動することを可能とすることを特徴とする請求項3に記載のセキュリティ通行制御装置。
【請求項5】
上記利用者データ記憶部は、上記第1のエリアに移動した利用者によって入力された上記移動申請人数をさらに記憶し、
上記施錠制御部は、上記個人識別手段によって識別された上記利用者識別情報と、上記利用者データ記憶部に記憶されている上記利用者識別情報とが一致し、かつ上記利用者データ記憶部に記憶されている上記移動申請人数と、上記人数検出手段によって検出された上記通過待ち人数とが一致した場合に上記開閉体を解錠し、利用者が上記第1のエリアから上記第2のエリアへ移動することを可能とすることを特徴とする請求項4に記載のセキュリティ通行制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−70653(P2006−70653A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−258333(P2004−258333)
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】