説明

セミカルバジド感受性アミンオキシダーゼの存在下での有機メチレンアミンの安定性を測定するための方法

本発明は、セミカルバジド感受性アミンオキシダーゼ(SSAO)又はSSAO活性を含有する生物学的サンプルの存在下でのメチレンアミン、メチレンアミン様化合物又はメチレンアミン部分を含有する化合物の安定性を決定するための方法を提供する。開示される方法は、ハイスループットスクリーニング適用についてのアッセイ形式に構成され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セミカルバジド感受性アミンオキシダーゼ(SSAO)又はSSAO活性を含有する生物学的サンプルの存在下でのメチレンアミン、メチレンアミン様化合物又はメチレンアミン部分を含有する化合物の安定性を測定するための方法を提供する。開示される方法は、ハイスループットスクリーニング適用についてのアッセイ形式に構成し得る。
【背景技術】
【0002】
セミカルバジド感受性アミンオキシダーゼ(SSAO)は、組織、特に血管に広く分布しており、このことは、循環メチレンアミンを不活化するこの酵素の役割を示唆している(非特許文献1)。多くの研究者は、SSAOについての内因性リガンドを見つけ、この酵素の阻害剤を探すことに努力を集中してきた(非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6;特許文献1)。他の研究者は、SSAOの代替の生理学的役割を捜している。例えば、血管接着タンパク質1(VAP−1)とも呼ばれる、SSAOは、炎症状態下でアップレギュレートされ、リンパ球の結合を媒介することが示されている(特許文献2)。本発明は、細胞及び生物学的サンプル中のテスト薬剤の代謝的安定性を測定するためにSSAOの酵素活性を利用する。
【0003】
テスト薬剤の代謝的安定性が、薬物開発において重要な因子となってきており、従って本発明は、SSAOによる代謝を受ける、可能性あるテスト薬剤を同定するという課題を解決する。化学、分子生物学及びハイスループット技術の進歩によって、多数の標的に対して膨大な数の化合物をスクリーニングしリード化合物を同定する能力を備えた創薬プログラムが提供されている。次いで、これらのリードは、さらに多くの選択基準を受けて、最適な「薬物らしい」特性(即ち、適切な物理化学的安定性、溶解性、安全性、効能、生体内動態)を有する化合物が同定される。創薬の初期段階で「薬物らしい」特性を有していなさそうな化合物(又は化合物クラス)を識別し排除することに対してかなりの努力が向けられる。薬物が臨床試験中に失敗に終わる3つの主な理由は、効能の欠如、容認できない副作用、及び不都合なADME(吸収、分布、代謝、排泄)特性である。従って、化合物の最終的な成功は、その生物学的活性及び効力によってだけでなく、そのADME/毒性特性によっても規定される。結果として、新規なリード化合物がその臨床において成功する尤度を高めるために、所望のADME/毒性特性を有する薬物を選択するスクリーニングが、リード最適化プログラムに組み込まれている。薬物分子の代謝変換は、薬物が身体から取り除かれる重要なプロセスを示す。多くの身体コンパートメントにおけるSSAOの広い分布を考慮すると、本発明者らは、SSAOが、薬物の潜在的な代謝的不安定性(metabolic liability)に関係する重要な酵素であり得ると考えている。従って、本発明は、SSAOへ曝露されたテスト薬剤の代謝的安定性を測定する方法を使用する。生体内変換に関与する酵素、特にSSAO、による薬物又は他のテスト薬剤の代謝を測定することに向けられた方法は、薬物開発にとって重要な意味を有する。
【0004】
インビトロ研究において、化合物A(特許文献3)が、ヒトを含む様々な種の血漿と共にインキュベートされた。化合物Aは、1時間まで、ヒツジ、モルモット、ラット、及びマウスと比較してヒト血漿中においてより安定であると観察された。さらに、セミカルバジド有り又は無しで4時間までヒト血漿中において、前記化合物の有意な代謝又は分解は、観察されなかった。しかし、「ヒトで初めて」の研究からの薬物動態学的データによれば、まさにその化合物は、迅速に、ヒト及び他の種由来の血漿を使用してインビトロで実証されたものよりも遥かに高い程度で、代謝されることが示された。続いての研究によって、膜結合SSAOが、ヒトにおける前記化合物の代謝に主に関与することが確認された。これらのデータは、ヒト血漿中に見られる可溶性SSAOは、生理学的条件下で、膜結合SSAOと同一レベルの酵素活性及び/又は基質特異性を有さないことを示している。従って、化合物Aによって例証されたように、ヒト血漿安定性を測定することは、ヒトにおけるSSAO安定性を予測させるものではなく、従って臨床候補としての薬剤の選択においては限られた有用性しか有さないものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO 02/066669
【特許文献2】WO 98/53049
【特許文献3】米国特許6,977,263 B
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Lyles, Prog. Brain Res., 106:293-303, 1995
【非特許文献2】Precious et al., Biochem. Pharmacol., 37:707-713, 1988
【非特許文献3】Crosbie and Callingham, J. Neural Transm. Suppl., 41:427-432, 1994
【非特許文献4】Elliot et al., Biochem. Pharmacol. 38:1507-1515, 1989
【非特許文献5】Boomsma et al., Comp. Biochem. Physiol. C Toxicol. Pharmacol., 126:69-78, 2000
【非特許文献6】Yraola et al., J. Med. Chem. 49:6197-6208
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】ヒトSSAOのアミノ酸配列(Genbankアクセッション番号Q16853;配列番号1)を示す。
【図2】ヒトSSAOのヌクレオチド酸配列(Genbankアクセッション番号NM_00374;配列番号2)を示す。
【図3】図2の続きである。
【図4】化合物Aの化学構造を示す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書において引用される全ての刊行物は、参照により本明細書に加入される。特に他の定義がなされない限り、本明細書において使用される全ての技術及び科学用語は、本発明が属する当業者に一般的に理解されるのと同一の意味を有する。
【0009】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される専門用語は、特定の実施の態様を説明する目的のためにすぎず、本明細書における使用によって、本発明は限定されないものとする。単語の単数形は、文脈において他のことを明確に示さない限り、複数形が含まれるものとする。例えば、「ア(a)」、「アン(an)」及び「ザ(the)」という単数形は、複数形も同様に含まれるものとする。さらに、薬剤(an agent)への言及は、2つ又はそれ以上の薬剤の混合物を含み得る。従って、用語「薬剤(an agent)」は、その複数の混合物及び/又はその複数のエナンチオマーを含んで、複数の薬剤を含む。また、用語「又は」は、文脈において他のことを明確に示さない限り、「及び/又は」を含むその意味で一般的に使用されることに留意すべきである。さらに当然ながら、用語「含むこと(comprises)」及び/又は「含む(comprising)」は、本明細書において使用される場
合、記載される特徴、工程、要素、及び/又は成分の存在を特定するが、1つ又はそれ以上の他の特徴、工程、要素、成分、及び/又はそれらの群の存在又は付加を排除するものでない。
【0010】
さらに、本発明に従って、当該技術分野の技術内の、従来の分子生物学、微生物学、組換えDNA及び分析技術が使用される場合がある。このような技術は、文献において十分に説明されている。例えば、Sambrook, Fritsch & Maniatis, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition (1989) Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.(本明細書において「Sambrookら,1989年」);DNA Cloning: A Practical Approach, Volumes I and II (D. N. Glover ed. 1985);Oligonucleotide Synthesis (M. J. Gait ed. 1984);Nucleic Acid Hybridization [B. D. Hames & S. J. Higgins eds. (1985)];Transcription and Translation [B. D. Hames & S. J. Higgins, eds. (1984)];Animal Cell Culture [R. I. Freshney, ed. (1986)];Immobilized Cells and Enzymes [IRL Press, (1986)];B. Perbal, A Practical Guide to Molecular Cloning (1984);F. M. Ausubel et al. (eds.), Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc. (1994);A Handbook of Bioanalysis and Drug Metabolism, G. Evans (2004)を参照のこと。
【0011】
本発明の実施態様は、セミカルバジド感受性アミンオキシダーゼ(SSAO)触媒代謝によって生じるテスト薬剤の代謝的安定性を同定する方法であって、以下:(a)SSAOを発現する細胞を培養すること;(b)細胞にテスト薬剤を添加すること;(c)テスト薬剤を細胞と共に所定時間にわたってインキュベートすること;(d)所定時間で、発現したSSAOを含む細胞の存在下残っているテスト薬剤の量を測定すること;及び(e)所定時間でのテスト薬剤の量をコントロール中のテスト薬剤の量と比較し、値を決定すること;を含み、ここに、値が、発現したSSAOを含む細胞の存在下のテスト薬剤の代謝的安定性の同定に役立つ方法である。
【0012】
当業者は、本方法が、細胞の代わりに細胞溶解物を使用して行われ得ることをはっきりと理解するであろう。従って、本発明の実施態様は、セミカルバジド感受性アミンオキシダーゼ(SSAO)触媒代謝によって生じるテスト薬剤の代謝的安定性を同定する方法であって、以下:(a)SSAOを発現する細胞を培養すること;(b)細胞を溶解し細胞溶解物を形成すること;(c)細胞溶解物にテスト薬剤を添加すること;(d)テスト薬剤を細胞溶解物と共に所定時間にわたってインキュベートすること;(e)所定時間で、発現したSSAOを含む細胞溶解物の存在下残っているテスト薬剤の量を測定すること;及び(f)所定時間でのテスト薬剤の量をコントロール中のテスト薬剤の量と比較し、値を決定すること;を含み、ここに、値が、発現したSSAOを含む細胞溶解物の存在下のテスト薬剤の代謝的安定性の同定に役立つ方法である。別の実施態様は、工程(b)及び(c)を組み合わせて、単一の工程にする。
【0013】
本発明のさらなる実施態様は、生物学的サンプル中のSSAO触媒代謝によって生じるテスト薬剤の代謝的安定性を同定する方法であって、以下:(a)SSAOを含む生物学的サンプルを得ること;(b)生物学的サンプルにテスト薬剤を添加すること;(c)テスト薬剤を生物学的サンプルと共に所定時間にわたってインキュベートすること;(d)所定時間でのテスト薬剤の量を測定すること;及び(e)所定時間でのテスト薬剤の量をコントロール中のテスト薬剤の量と比較し、値を決定すること;を含み、ここに、値が、SSAOを含む生物学的サンプルの存在下のテスト薬剤の代謝的安定性の同定に役立つ方法である。
【0014】
本発明の実施態様は、市販されている初代細胞培養又は細胞株を使用する。非限定的な例として、使用され得る細胞は、American Tissue Culture Companyから入手可能である。1実施態様において、CHO細胞が使用される。細胞は、原核細胞又は真核細胞であり得る。本発明の範囲は、使用される細胞のタイプによって限定されない。
【0015】
生物学的サンプルとしては、組織又は流体、組織の切片、例えば生検及び剖検サンプル、並びに組織学的目的で採取された凍結切片が挙げられ得るが、これらに限定されない。このようなサンプルとしては、血液、痰、組織、培養細胞、(例えば、初代培養物、外植片、及び形質転換細胞)、全器官(例えば、肝臓、肺、回腸、動脈、臍帯)又はその部分、糞便、尿などが挙げられる。生物学的サンプルは、哺乳類、例えば霊長類、例えばチンパンジー、アカゲザル若しくはヒト、ウシ、イヌ、ネコ、齧歯類、例えばモルモット、ラット、マウス、ウサギ、又は鳥類、爬虫類、若しくは魚類を含む、真核生物から得られ得る。本発明の1実施態様の非限定的な例は、特定のテスト薬剤又は化合物が、他方の組織コンパートメントと比べて一方の組織コンパートメントにおいて、代謝的不安定性(metabolic liability)のより大きな危険性を有するかどうか又は逆に言えば代謝的に安定であるかどうか、例えば化合物が肺と比べて肝臓においてより大きな代謝的安定性を有するかどうかを調べることである。さらに、生物学的サンプルを処理して、その細胞成分の懸濁液を得ることもでき、又は細胞成分の初代培養に使用することもできる。
【0016】
本発明の実施態様は、テスト薬剤の代謝的安定性の定量の対象となるヒト又は非ヒト被験体由来の生物学的サンプルを使用することである。生物学的サンプルは、非ヒト動物又はヒトの1つ又はそれ以上の器官に由来する器官サンプル、非ヒト動物又はヒトの1つ又はそれ以上の組織に由来する組織サンプル、並びに非ヒト動物又はヒトの1つ又はそれ以上の細胞又は細胞培養物に由来する細胞サンプルであり得る。動物実験用には、生物学的サンプルは、例えば剖検若しくは生検後に得られる標的器官組織を含み得、又は血液などの体液であり得る。臨床使用のためには、サンプルは、血液、血清、血漿、尿、滑液、髄液、脳脊髄液、精液又はリンパ液などの体液、及び生検によって得られる体組織を含み得る。標準又はコントロールは当業者によって熟知されている。標準又はコントロールとしては、罹患していない被験体で、被験体が非ヒト動物又はヒトである、被験体由来の生物学的サンプルが挙げられ得るが、これに限定されない。さらに、標準又はコントロールは、非処置の被験体由来の生物学的サンプルであり得る。あるいは、標準又はコントロールは、処置前、処置中及び処置後の同一の被験体由来であり得る。標準又はコントロールは、同一の被験体由来であるが、テスト薬剤の代謝的安定性を同定するために使用した細胞、組織又は器官源とは異なる細胞、組織又は器官サンプルであり得る。標準又はコントロールは、生物学的サンプルである必要はないが、既知量のSSAO活性を有するサンプルであり得る。標準又はコントロールは、SSAOによって代謝されない薬剤、又は既知量のSSAO不安定性(liability)でSSAOによって代謝される薬剤であり得る。
【0017】
本発明によれば、テスト薬剤の代謝的安定性又は代謝的不安定性(liability)を同定するための方法が提供される。本明細書において使用される用語「テスト薬剤」は、SSAOの酵素活性によって影響されるか又はSSAOの酵素活性に影響を与える能力を有する、任意の分子、例えばタンパク質、非タンパク質有機化合物又は医薬を表わす。アッセイされ得るテスト薬剤に関して特定の限定はない。本発明の実施態様において、テスト薬剤は化合物である。テスト薬剤の例としては、低、中若しくは高分子量の化学分子の単一の薬剤又はライブラリが挙げられる。薬剤は、十分な範囲の多様性を提供するか、又は逆に類似の構造若しくは特徴に限定されたコンビナトリアル又はランダム化ライブラリなどの、テスト薬剤のライブラリの形態であり得る。薬剤は、場合により、融合パートナー、例えば標的化合物、レスキュー化合物、二量体化化合物、安定化化合物、アドレサブル化合物、及び他の機能性部分に連結されていてもよい。通常、有用な特性を有する新規な化合物は、ある所望の特性又は活性、例えば阻害活性若しくは調節活性を有するテスト薬剤を同定することによって生み出される(「リード化合物」又は「リード」と呼ばれる)。次いで、そのリード化合物をスカフォールドとして使用して、リード化合物の変形体を創作し、さらにその変形体化合物の特性及び活性を評価する。当業者は、可能性あるリード化合物の代謝的安定性さらには代謝的不安定性(liability)を同定し、SSAO代謝に対して最小の不安定性(liability)を有する化合物を同定し又は選択することによって、化合物選択を最適化するのに、本発明を使用することの有用性を直ぐに察知することになる。
【0018】
本発明のSSAOは、全長SSAO、又は全体の若しくは部分的な酵素活性を保持するそのフラグメントである。部分的な酵素活性は、全体の酵素活性の30%又はそれ以上、例えば40%若しくは50%であり得る。非限定的な例は、ヒト以外の種から単離されたSSAOである。他の種の非限定的な例としては、齧歯類、例えばラット、マウス及びモルモット、又は非ヒト霊長類、例えばサル若しくはチンパンジーが挙げられる。さらなる非限定的な例は、配列番号1に開示される全長ヒトSSAO又はメチレンアミンオキシダーゼ活性を有するそのフラグメントである。
【0019】
代謝的安定性又は代謝的不安定性(liability)は、当業者によって当然のこととして理解される技術用語である。代謝的安定性は、テスト薬剤又は薬物分子が所定の条件下で代謝を受ける感受性又はその程度を指す。従って、代謝の程度が高くなればなるほど、代謝的安定性はますます低くなる。代謝的安定性は、薬物、化合物又はテスト薬剤の経口バイオアベイラビリティー及び全身クリアランスを規定する際のいくつかの主要な決定因子の1つである。非限定的な実例として、薬物は、経口投与後、先ず消化管腔及び腸上皮において代謝酵素と接触する。それは、腸上皮を通って血流中に吸収された後、門脈を経由して肝臓へ送達される。薬物は、それが体循環に達する前に、初回通過代謝として知られるプロセスの、腸又は肝代謝によって、事実上除去される可能性がある。肝臓及び肝臓外組織内での代謝に対する薬物の安定性又は不安定性(liability)は、体循環において見られる薬物の濃度を最終的に左右し、体内におけるその半減期及び滞留時間に影響を与える。第I相代謝と典型的に呼ばれる生体内変換のタイプは、酸化、還元、及び加水分解を含み、これらは、主に極性官能基(OH、SH、NH2、又はCO2H)を露出させる(unveiling)か又は分子に組み入れることによって、親水性を高め、薬物の排泄を促進するように機能する。第II相反応又は結合反応は、官能基を修飾して、O−又はN−グルクロニド、硫酸エステル、α−カルボキシアミド及びグルタチオニル付加物を形成させることよって薬物の極性をさらに増大させる。本発明の実施態様は、SSAOによる代謝に対する薬物、化合物又はテスト薬剤の代謝的安定性又は代謝的不安定性(liability)である。
【0020】
本発明の実施態様によれば、ヒト及び他の種から最も関連性のある生物学的サンプルが選択され、SSAO代謝によって生じる代謝安定性が調べられる。例えば、肝臓に基づく代謝が、大抵の薬物の代謝クリアランスに関与しており、それで、初回通過代謝における関心は、肝代謝及び時として腸代謝に向けられ得る。組織及び生物学的流体におけるSSAOの遍在的存在、並びに肺及び血管などの多くの組織におけるその特に高い活性のために、SSAOの存在下でのテスト薬剤の代謝安定性を調べるためには、肝臓に加えて又はそれに代えて好適な生物学的サンプルを使用することが必須である。腸及び肝初回通過代謝に加えて、SSAOにさらされるテスト薬剤の曝露は、腸及び肝臓組織以外の部位、例えば門脈、血管、及び肺での初回通過代謝によって限定される可能性がある。テスト薬剤は、SSAOの異なる形態に対して異なる代謝的安定性を示し得る。異なる生物学的サンプルがSSAOの異なる形態を含有し得る。非限定的な例は、テスト薬剤が、ヒト血漿中のSSAOの可溶性形態に対して相対的な代謝的安定性を示すが、組織中の膜結合SSAOに対して遥かに高い代謝的不安定性を示す可能性があることである。さらに、動物の種は、同等のアッセイ条件下で、ヒトにおいて見られる可溶性SSAO活性のレベルよりも遥かに高い、又は遥かに低い、血漿中における可溶性SSAO活性を示す可能性がある。
【0021】
本発明の実施態様によれば、種々の形態のアミンオキシダーゼ活性を阻害するために種々の化学的阻害剤が使用され、観察される代謝的不安定性は、SSAO触媒代謝又はモノアミンオキシダーゼ(MAO)−A若しくはMAO−B触媒代謝のいずれかに起因すると考えられる。非限定的な例は、非識別性のアミンオキシダーゼ阻害剤としてのヒドララジン、特異的MAO−A阻害剤としてのクロルギリン、混合型MAO−A及びMAO−B阻害剤としてのパルギリン、特異的SSAO阻害剤としてのセミカルバジド及びブロモエチルアミンの添加である。
【0022】
本発明の別の非限定的な例は、薬物又は薬物の組み合わせで処置された個体におけるテスト薬剤の代謝的安定性を決定し、コントロール被験体と比べてのこのような個体におけるテスト薬剤の代謝安定性の変化があるかどうかを決定することである。当業者は、1つ若しくはそれ以上の疾患に罹患しているか、又は1つ又はそれ以上の疾患状態を誘発するように操作されているか、外科的に若しくは遺伝子組換えが行われているか、又は薬物、化合物若しくはテスト薬剤で前処理されている、ヒト又は非ヒト被験体から生物学的サンプルを得ることの有用性を直ぐに察知することになる。非限定的な例としては、罹患していない器官と比べての、疾患によって損なわれ得る器官におけるテスト薬剤の代謝的安定性を測定するために本発明を使用することが挙げられる。さらなる非限定的な例として、化合物の代謝的安定性は、喘息に罹っているヒト被験体から得られた肺組織で評価することができ、年齢をマッチさせた被験体又はコントロール被験体由来の正常な肺組織の化合物の代謝的安定性と比較することができる。別の非限定的な例は、生物学的サンプルにおける、例えば「老年」又は「加齢」肝臓と比べての「若年」肝臓における、化合物の代謝的安定性を研究することであり、ここで、「若年」、「老年」及び「加齢」は、研究下の特定の種によって規定される。
【0023】
本発明の実施態様によれば、同種の細胞集団又は1つの生物学的サンプルが使用される。本発明の代替の実施態様は、異種の細胞集団又は2以上の生物学的サンプルの組み合わせを使用する。細胞又は生物学的サンプルは、本発明の方法を達成するための任意のタイプのもの及び任意の割合であり得る。
【0024】
本発明の実施態様によれば、SSAOを発現する組換え細胞が使用される。本発明の組換え発現ベクターは、宿主細胞における核酸の発現に適した形態の核酸分子を含む。従って、本発明の組換え発現ベクターは、発現に使用しようとする宿主細胞に基づいて選択された、1つ又はそれ以上の調節配列を含み得、これは、発現しようとする核酸に機能可能に連結される。組換え発現ベクター内で、「機能可能に連結された」は、関心のあるヌクレオチド配列が、該ヌクレオチド配列の発現(例えば、インビトロ転写/翻訳系において、又はベクターが宿主細胞中に導入される場合は宿主細胞において)を可能にする様式で調節配列に連結されることを意味するものとする。用語「調節配列」には、プロモーター、エンハンサー及び他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)が含まれるものとする。このような調節配列は、例えば、Goeddel, Gene Expression Technology: Methods in Enzymology Vol. 185, Academic Press, San Diego, Calif. (1990)に記載されている。調節配列としては、多くのタイプの宿主細胞においてヌクレオチド配列の構成的発現に向けるもの(例えば、組織特異的調節配列)が挙げられる。当業者には当然ながら、発現ベクターの設計は、形質転換しようとする宿主細胞の選択、所望のタンパク質の発現レベルなどの因子に依存し得る。本発明の発現ベクターは、本明細書に記載される核酸によってコードされるタンパク質又はペプチドを産生するように宿主細胞中へ導入され得る。
【0025】
用語「過剰発現」は、本明細書において使用される場合、ポリペプチドを通常発現する細胞におけるポリペプチドの通常レベルよりも大きいレベルで、又はポリペプチドを通常発現しない細胞におけるポリペプチドの発現を指す。例えば、ポリペプチドの発現は、ポリペプチドを通常発現する野生型細胞におけるポリペプチドの発現と比較して10%、20%、30%、40%、50%、60%、70、80%、90%、100%、又はそれ以上であり得る(may by)。関心あるポリペプチドの突然変異体、変異体、又はアナログは、過剰発現され得る。
【0026】
本明細書において使用される場合、用語「一過性」発現は、細胞の染色体とは別個の外因性核酸分子の発現を指す。一過性発現は、一般的に、外因性核酸の導入の2〜3日後にその最大値に達し、続いて減少する。
【0027】
本明細書において使用される場合、用語「安定」発現は、細胞の染色体に組み込まれた部分となった外因性核酸分子の発現を指す。一般的に、遺伝子の安定発現のためのベクターは、1つ又はそれ以上の選択マーカーを含む。
【0028】
形質転換された、形質転換されていない、初代培養及び生物学的サンプルについての細胞培養技術は、当該技術分野においてよく知られている。生物学的サンプル又は培養細胞は、使用のために必要とされるまで保存され得る。培養のために使用される培地は、特別に設計されるか又は商業的供給元から購入できる。
【0029】
本発明の実施態様には、細胞を溶解させることが含まれる。細胞は、界面活性剤含有溶解緩衝液の添加によって溶解できる。しかし、本発明は、溶解緩衝液中の界面活性剤の使用に限定されずに、むしろ細胞を溶解させるのに適切である任意の方法を含み得る。例えば、細胞は、高張緩衝液、超音波処理又は凍結/解凍への曝露によって溶解され得る。細胞を溶解するこれら及び他の方法は、当業者によく知られている。
【0030】
本発明の実施態様では、コントロールが使用される。コントロールは、当業者によって当然のこととして十分に理解される技術用語である。適切なコントロールは、使用されるアッセイパラメータ又は研究下の実験課題に依存し得る。コントロールは、アッセイ条件の特定のセット又はアッセイへの特定の化合物の添加若しくは排除であり得る。従って、コントロールの非限定的な例は、テスト薬剤が、SSAOを発現する細胞又は細胞溶解物の非存在下でインキュベートされる条件である。コントロールは、アッセイ条件又は添加されるコントロール化合物により、予期される反応がもたらされる点で、ポジティブコントロールと考えられ得る。例えば、研究下の薬剤が代謝されると予測される場合、ポジティブコントロールは、SSAOによって代謝される化合物となる。さらに、ポジティブコントロールは、SSAOによって代謝されて既知の代謝副産物になる化合物であり得る。ポジティブコントロールの非限定的な例は、ベンジルアミンの添加である。コントロールはまた、ネガティブコントロールであり得る。ネガティブコントロールは、予期される反応をもたらさない、アッセイ条件の特定のセット又はアッセイへの特定の化合物の添加若しくは排除であり得る。例えば、研究下の薬剤が代謝されると予測される場合、ネガティブコントロールは代謝されないと予測されるものとなる。ネガティブコントロールの非限定的な例は、メチレンアミン基を有さずSSAOによって代謝されない安息香酸(benzyoic acid)の添加である。ネガティブコントロールとしてのアッセイ条件の特定のセットの非限定的な例は、SSAO活性が阻害されるヒドララジンなどの、SSAO酵素活性を標的化する阻害剤の添加であり得る。コントロールは、「ビヒクル」コントロールであり得る。例えば、テスト薬剤がDMSOに溶解される場合、ビヒクルコントロールは、テスト薬剤を含まないDMSOである。コントロールは、単に、過去のデータの使用であり得る。
【0031】
本発明の実施態様は、所定時間で、SSAOの存在下においてインキュベートされたテスト薬剤の量を測定し、所定時間でのテスト薬剤の量をコントロールにおけるテスト薬剤の量と比較し、SSAOの存在下におけるテスト薬剤の代謝的安定性を決定することである。テスト薬剤の代謝的安定性が、テスト薬剤の消失によって、又は代替としてテスト薬剤の1つ又はそれ以上の代謝物の出現を測定することによって、測定できることは、当業者に容易に明らかである。本発明のさらなる実施態様は、テスト薬剤の量を測定することに加えて又はそれに代えて、テスト薬剤の1つ又はそれ以上の代謝物の出現を測定することである。
【0032】
テスト薬剤の量又はテスト薬剤の1つ又はそれ以上の代謝物の出現は、当業者に利用可能ないくつもの技術によって測定され得る。非限定的な例としては、質量分析、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、液体クロマトグラフィー/質量分析、液体クロマトグラフィー/質量分析/質量分析、及び液体クロマトグラフィー/放射能自動検出(radiomatic detection)が挙げられる。さらに、テスト薬剤の量又はテスト薬剤の1つ又はそれ以上の代謝物の出現は、放射性同位体、蛍光色素又は抗体などのインジケータ分子の使用によって測定され得る。本発明は、テスト薬剤又はテスト薬剤のいずれか1つ又はそれ以上の代謝物を測定することの方法によって限定されない。
【0033】
テスト薬剤は、これらに限定されないが3H又は14Cなどの放射性同位体で標識され得る。従って、本発明の実施態様は、セミカルバジド感受性アミンオキシダーゼ(SSAO)触媒代謝によって生じる放射標識テスト薬剤の代謝的安定性を同定する方法であって、以下:(a)SSAOを発現する細胞を培養すること;(b)細胞に放射標識テスト薬剤を添加すること;(c)放射標識テスト薬剤を細胞と共に所定時間にわたってインキュベートすること;及び(d)所定時間で、発現したSSAOを含む細胞の存在下において残っている放射標識テスト薬剤の量を測定すること;を含み、ここに、代謝されなかった放射標識テスト薬剤のパーセンテージは、発現したSSAOを含む細胞の存在下における放射標識テスト薬剤の代謝的安定性の同定に役立つ方法である。当業者は、方法が、細胞の代わりに細胞溶解物を使用して行われ得ることを認識する。さらに、本発明は、放射性同位体の使用によって限定されずに、むしろテスト薬剤を標識するための当該技術分野において入手可能な任意の手段を使用し得る。
【0034】
本発明のさらなる実施態様は、生物学的サンプルにおけるSSAO触媒代謝によって生じる放射標識テスト薬剤の代謝的安定性を同定する方法であって、以下:(a)SSAOを含む生物学的サンプルを得ること;(b)生物学的サンプルに放射標識テスト薬剤を添加すること;(c)放射標識テスト薬剤を生物学的サンプルと共に所定時間にわたってインキュベートすること;及び(d)所定時間での放射標識テスト薬剤の量を測定すること;を含み、ここに、代謝されなかった放射標識テスト薬剤のパーセンテージは、SSAOを含む生物学的サンプルの存在下におけるテスト薬剤の代謝的安定性の同定に役立つ方法である。
【0035】
当業者は、細胞又は細胞溶解物中のテスト薬剤の代謝的安定性と生物学的サンプル中のテスト薬剤の代謝的安定性とを比較する有用性を直ぐに察知できる。従って、本発明の実施態様には、テスト薬剤の代謝的安定性プロフィールを決定する方法であって、以下:(a)発現したSSAOを含む細胞又は細胞溶解物の存在下においてインキュベートしたテスト薬剤の代謝的安定性の値を得ること、及び(b)発現したSSAOを含む生物学的サンプルの存在下においてインキュベートしたテスト薬剤の代謝的安定性の値を得ること、を含み、ここに、発現したSSAOを含む細胞又は細胞溶解物の存在下におけるテスト薬剤の代謝的安定性の値を、SSAOを含む生物学的サンプルの存在下におけるテスト薬剤の代謝安定性の値と比較して、テスト薬剤の代謝安定性プロフィールが得る方法が含まれる。
【0036】
ハイスループットスクリーニング(HTS)法と共に本発明を使用することなどの改良は、十分に当業者の知識及び能力の範囲内にあり、本発明の実施態様とされる。本発明の実施態様は、ハイスループットスクリーニング(HTS)法における使用である。HTSは、疾患病理の生物学的機構又は側面をモデル化するように設計されたアッセイにおける何千もの異なる化合物の自動同時試験である。2以上の化合物、例えば、複数の化合物が、同時に試験され得る。1実施態様において、用語HTSスクリーニング法は、複数の生物学的サンプル中の1つの化合物、又は1つ若しくはそれ以上の生物学的サンプル中の複数の化合物の、代謝的安定性を試験するアッセイを指す。
【0037】
本発明の実施態様には、研究下の、細胞、細胞溶解物、身体のサンプル又は他の材料、例えばメチレンアミン若しくはメチレンアミン様テスト薬剤を受容し得る容器のアレイが含まれる。容器のアレイは、本発明の範囲内の材料を保持するために適した少なくとも1からの任意の数の容器、又は2つ以上の容器であり得る。例としては、フラスコ、培養皿、スライド、チューブ、例えば1.5mLチューブ、12ウエルプレート、96ウエルプレート、384ウエルプレート、及び恐らく4000個の容器(receptacle)を有する小型マイクロタイタープレート(米国特許出願公開第20050255580号)が挙げられるが、これらに限定されない。容器のアレイは、保護カバーを追加する修正が可能であり、従ってコンタミの侵入又は内容物の蒸発を妨げ得る。
【0038】
容器のさらなる特徴は、容器が分析を可能にし得ることである。非限定的な例としては、質量分析又はHPLCによる分析が挙げられる。しかし、サンプルをさらなる分析のために好適な容器に移す可能性があることを考えると、本発明の範囲内で使用され得る容器に制限はない。非限定的な例は、容器の第2のアレイを備え、ここに、1つ又はそれ以上の工程が容器の第2のアレイにおいて行われることを、方法にさらに含まれるように、方法を改変することである。
【0039】
液体処理システム、分析装置、例えば蛍光リーダー又はシンチレーションカウンター、並びに細胞培養及びサンプル操作のためのロボット工学は、当該技術分野においてよく知られている。機械システム、例えばロボットアーム又は「チェリーピッキング」装置が、当業者に利用可能である。従来の96ウエル又は384ウエルプレートを分析するために、市販のプレートリーダーを利用できる。所定のウエルを分析し生データレポートを作製する、単一サンプル、複数サンプル又はプレートサンプルリーダーが、利用可能である。生データは、種々の様式で変換され、提示され得る。
【0040】
本発明のさらなる実施態様は、本明細書に開示される方法を行うためのアッセイシステムの少なくとも1つのエレメントと使用説明書とを含むキットである。従って、アッセイシステムのコンポーネントは、別々に提供され得、又はこのようなキットに一緒に提供され得る。アッセイシステムのコンポーネントは、個々のコンポーネントの安定性を最大化する方法に従って、調製され、キットに含められ得る。このような方法は、当業者によく知られている。例えば、アッセイシステムの細胞を懸濁液として備えることができ、又は細胞を凍結若しくは凍結乾燥できる。アッセイシステムのさらなるコンポーネント、例えば緩衝液、アッセイコンポーネントを混合するための容器、例えばマイクロタイタープレート又は試験管もまた含められ得る。アッセイシステムは、アッセイを行うための説明書並びにデータ処理及び解釈についての説明書を含むキットの形態で提供され得る。
【0041】
本発明を、下記の実施例においてさらに説明するが、これらによって特許請求の範囲に記載される本発明の範囲は限定されない。本発明は、当業者が製造し及び使用するのに十分に、詳細に説明され、例証されており、さらに種々の代替、改変、及び改良が本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく明らかなはずである。当業者であれば、本発明を、本明細書に記載された、及びその中に内在する目的を行い、結果及び利点が得られるように、十分に適合させることを容易に理解する。下記の実施例は、実施態様の説明であり、本発明の範囲についての限定とするものではない。そこにおける改変及び他の用途は、当業者に思い浮かび得る。これらの改変は、本発明の趣旨の範囲内に含まれ、特許請求の範囲によって規定される。
【0042】
本明細書において例証的に開示された本発明は、本明細書において具体的には開示されていない、任意の1つ又は複数のエレメント、1つ又は複数の限定の非存在下において実施され得る。用いられている用語及び表現は、限定ではなく説明の用語として使用され、このような用語及び表現の使用において、示され説明された特徴又はその部分のいかなる均等物をも排除する意思はなく、むしろ、種々の改変が特許請求される本発明の範囲内で可能なはずである。従って、当然ながら、本発明は、実施態様及び場合による特徴によって具体的に説明されているが、本明細書に開示される概念の改変及び変更が当業者によってなされ得ること、並びにこのような改変及び変更は添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内にあるとされる。
【0043】
実施例1
A.ヒトSSAOのクローニング及び発現
1)発現構築物作製を容易にするために、最初のpDONR221全長SSAOプラスミドを以下のように作製した:
第1のPCRを、以下に示す遺伝子特異的プライマーを使用して行った。フォワードプライマーは、太字で示されるatt部位(Invitrogen)の半分及びKozak配列を有した。リバースプライマーは、太字で示されるatt部位の残りの半分を有した。PCRを、DNAテンプレートとしてヒト臍帯を使用して行った(Biochainから購入したRNA及びInvitrogenのRT−PCRスーパースクリプトIIキットから調製):
最初のクローニングプライマー:
【化1】

【0044】
次いで、第2のPCRを、以下に示すユニバーサルプライマーを使用して行った。フォワードプライマー及びリバースプライマーは、att部位配列(太字で示す)及びベクター配列を含んだ:
ユニバーサルプライマー配列:
【化2】

【0045】
この第2のPCR産物を、Invitrogen BP反応を使用してpDONR221にクローニングした。このエントリーベクターをテンプレートとして使用し、ヒトSSAO発現構築物の6つのバリエーションを調製した;3つの形態(1つは全長、2つは切断)はタグを有さず、3つは、酵素の精製を容易にするためにカルボキシル末端6xHISタグを有した。
【0046】
2)全長SSAO:
フォワードプライマー及びリバースプライマーにおいて太字で示される配列は、att部位配列を示す。
タグ無し全長SSAOをクローニングするためのプライマー配列:
【化3】

【0047】
終止コドンの前に3’6xHISを加えるために、以下のプライマーを使用した:
フォワードプライマー及びリバースプライマーにおいて太字で示される配列は、att部位配列を示し、リバースプライマーにおける下線が引かれた配列は、6xHISタグを示す。
C末端6xHISタグを有する全長SSAOをクローニングするためのプライマー配列:
【化4】

【0048】
3)膜固定領域を欠く前記酵素を示すT1(Gly27−Asn763):
フォワードプライマー及びリバースプライマーにおいて太字で示される配列は、att部位配列を示し、フォワードプライマーにおける下線が引かれた配列は、追加のN末端Metを示す。
N末端切断されたタグ無しSSAOをクローニングするためのプライマー配列:
【化5】

【0049】
終止コドンの前に3’6xHISを加えるために、以下のプライマーを使用した:
フォワードプライマー及びリバースプライマーにおいて太字で示される配列は、att部位配列を示し、フォワードプライマーにおける下線が引かれた配列は、追加のN末端Metを示し、リバースプライマーにおける下線が引かれた配列は、6xHISタグを示す。
N末端切断された、C末端6xHISタグSSAOをクローニングするためのプライマー配列:
【化6】

【0050】
4)推定触媒ドメインを示すT2(Met211−Asn763)
フォワードプライマー及びリバースプライマーにおいて太字で示される配列は、att部位配列を示し、フォワードプライマーにおける下線が引かれた配列は、追加のN末端Metを示す。
タグ無しSSAOの触媒ドメインをクローニングするためのプライマー配列:
【化7】

【0051】
終止コドンの前に3’6xHISを加えるために、以下のプライマーを使用した:
フォワードプライマー及びリバースプライマーにおいて太字で示される配列は、att部位配列を示し、フォワードプライマーにおける下線が引かれた配列は、追加のN末端Metを示し、リバースプライマーにおける下線が引かれた配列は、6xHISタグを示す。
C末端6xHISタグを有するSSAOの触媒ドメインをクローニングするためのプライマー配列:
【化8】

【0052】
これらのPCR産物をpCDNA5−FRT−To−DESTベクター(Invitrogen,Gateway SystemTM)にクローニングすることによって、発現構築物を調製した。各構築物のフォワード及びリバースDNA配列は発現した配列及びこれのいずれかの側に少なくとも100個の塩基対を含むことが確認された。Flp−In CHO、Flp−In CHO T−Rex、及びFlp−In HEK293(Invitrogen,Flp−InシステムTM)についての安定な細胞株を、製造業者の説明書に従って、これら6つの構築物を使用し、作製した。製造業者の説明書に従ってLipfectamine(Invitrogen)を使用し、調節ベクター、pOG44、及び前記pCDNA5−FRT−To−DEST構築物の各々を細胞にコトランスフェクションした(co-transfected)。従って、18個の細胞株を作製した:CHO Flp−In全長SSAO;C末端6xHISタグを有するCHO Flp−In全長SSAO;CHO Flp−In T1 SSAO;C末端6xHISタグを有するCHO Flp−In T1 SSAO;CHO Flp−In T2 SSAO;C末端6xHISタグを有するCHO Flp−In T2 SSAO;CHO T−Rex Flp−In全長SSAO;C末端6xHISタグを有するCHO T−Rex Flp−In全長SSAO;CHO T−Rex Flp−In T1 SSAO;C末端6xHISタグを有するCHO T−Rex Flp−In T1 SSAO;CHO T−Rex Flp−In T2 SSAO;C末端6xHISタグを有するCHO Flp−In T2 SSAO;HEK293 Flp−In全長SSAO;C末端6xHISタグを有するHEK293 Flp−In全長SSAO;HEK293 Flp−In T1 SSAO;C末端6xHISタグを有するHEK293 Flp−In T1 SSAO;HEK293 Flp−In T2 SSAO;C末端6xHISタグを有するHEK293 Flp−In T2 SSAO。
【0053】
接着性CHO細胞を、ハムF12、ウシ胎仔血清10%、L−グルタミン2mM、ペニシリン/ストレプトマイシン1%、ハイグロマイシンB 300μMを含有する培地において、37℃、5%CO2で培養した。接着性HEK293細胞を、D−MEM(高グルコース)、ウシ胎仔血清10%、L−グルタミン2mM、及びハイグロマイシンB 200μMにおいて、37℃、5%CO2で培養した。安定な形質転換体をゼオシン耐性の喪失によって同定した。細胞が80%コンフルエントになったら、SSAO発現をテトラサイクリンの添加によって1μg/mLに誘導した。18時間後、細胞を、室温で3分間のトリプシン処理を使用して採取した。細胞をリン酸緩衝液中で3回洗浄し、その後、液体窒素中に瞬間凍結した。
【0054】
活性試験用の細胞溶解物を調製するために、凍結された細胞ペレットを、Tris−HCl(pH7.2)10mM、NaCl 150mM、MgCl2 1.5mM、NP−40 1%v/vを含有する溶解緩衝液中に再懸濁し、氷上において15分間インキュベートした。溶解物を10分間4℃での800×g遠心分離によってクリアにし、使用まで−80℃においてアリコートで保存した。タンパク質を、製造業者の説明書に従って、Pierce Coomassie Protein Reagentを使用して測定した。
【0055】
B.酵素活性についての組換えタンパク質のテスト
(i).サンプル調製
各アッセイ実行について、細胞溶解物(1.5mg/mLタンパク質)1mLを、最終濃度2000ng/mLにベンジルアミンと混合した。各対応の時点で、インキュベーション混合物20μLを、マイクロ遠心チューブ(1.7mL)に移し、アセトニトリル50μLと混合した。チューブを短時間ボルテックス混合し、完全な混合を確実にし、次いで、10,000×gで5分間遠心分離した。上澄みを除去し、50μLをオートサンプラーバイアルへ移し、LC/MS/MS分析の前に水50μLと混合した。溶解物中に残っているベンジルアミンを、LC/MS/MS法で分析した。
【0056】
(ii)分析
LC/MS/MS分析を、下記並びに表1及び2に列挙する以下の条件下において、PE Sciex API 3000質量分析計で行った:
分析カラム:Jupiter C−4、5μM、50×2.1mm
カラム温度:周囲温度
流量 :0.2mL/分
注入量 :15μL
【表1】

溶液Aは水中90%メタノールであり、溶液Bは10mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH7.0)であった
切換え弁:0−1.5分、廃棄物へ、1.5−5分、MS検出器へ。
【表2】

【0057】
(iii)細胞溶解物LC/MS/MS分析の結果を表3に示す。
【表3】

【0058】
全長SSAO(タグ無し)を発現するCHO Flp−In、CHO Flp−In T−Rex又はHEK293 Flp−In由来の活性溶解物を続いて試験し、活性を確認した(表4)。最も活性なSSAO細胞株は全長(タグ無し)SSAOを発現するCHO Flp−Inであったので、この調製物を続いての活性試験について使用した。
【表4】

【0059】
実施例2
LCMS/MSアッセイ条件の最適化
Amplex Redアッセイ(市販のアッセイ)を、初めに、組換えヒトSSAOの比活性を測定するために使用した。Amplex Redは、ジヒドロレゾルフィンの無色の非蛍光性誘導体である。アミンオキシダーゼ及びSSAOの存在下において、Amplex RedはH22と反応して、非常に蛍光性の生成物、レゾルフィンを生成する。レゾルフィンは、563nmで励起極大及び587nmで発光極大を有し、アッセイは、587nmでマイクロタイタープレートを読み取ることによって定量され得る。組換えSSAOの比活性は、280pmol/分/mgタンパク質であると測定され、これは、ヒト肺組織で見られるSSAOの比活性と等価であると測定された。LC/MS/MSアッセイにおける化合物をプロファイルするための続いてのアッセイについて、組換えヒトSSAO(rhSSAO)を、この規定された比活性で使用した。
【0060】
上述のLC/MS/MSアッセイを使用し、rhSSAOによる代謝に対する化合物Aの感受性を評価した。化合物Aの化学構造を図3に示す(米国特許6,977,263 B2は、一般的に、分子及びこれを製造する方法を包含する)。表5に示される化合物Aを、37℃でrhSSAO(上述のようにヒト組織中において見られるものと合う規定された比活性を有する)と共に初めに4時間又は24時間にわたってインキュベートした。時間ゼロ及び時間4時間(又は24時間)で、サンプルのアルコートを取り出し、アセトニトリルでクエンチした。次いで、サンプルをLC/MS/MSによって分析し、時間ゼロで存在するものと比べての24時間で残存する親化合物の量を測定した。
【0061】
表5に示す値は、rhSSAOと共のインキュベーション後の示される種々の時間で残存する親化合物のパーセントである。
【表5】

【0062】
実施例3
ヒト及び動物組織ホモジネートの上澄み調製物中における化合物Aの代謝安定性の試験
(i)使用した組織
以下の組織を使用した:モルモット、カニクイザル、及びヒト由来の肺、肝臓、及び回腸;モルモット及びサル由来の動脈;並びにヒト由来の臍帯。
【0063】
(ii)組織調製
組織を処理し、上澄みを得た。簡単に記載すると、切除した組織を直ちに多量の生理食塩水(4℃へ予め冷却)でリンスし、血液を除去した。プールした組織を、pH7.4の冷却した0.01Mリン酸ナトリウム緩衝液(組織1g当たり10mL)中Polytronでホモジナイズした。ホモジネートを、4℃で2時間、連続的で穏やかな振盪条件下において、約1%の添加濃度で、Triton X−100で処理し、次いで遠心分離した(4℃、15分、3000×g)。上澄みを注意深く分離し、2mL部分に等分し、使用まで約−80℃で凍結した。
【0064】
(iii)テスト化合物とのインキュベーション条件の最適化
全てのインキュベーションを、予め温めたウォーターバスを使用して37℃で行った。14C−放射標識テスト化合物を1又は10μMでインキュベートした。予備インキュベーションを各組織/化合物組み合わせについて行い、適切なインキュベーション期間を選択した。次には、1.5〜6時間のインキュベーション期間を使用した。インキュベーション期間中少なくとも5つの連続サンプルについて可能にするために、十分なインキュベーション体積を使用した。インキュベーション混合物からとった個々のアリコート(1mL)を直ちにアセトニトリル2容積でクエンチし、クエンチした混合物を凍結乾燥した。凍結乾燥したサンプルを、サンプル分析のために直ちに再構成したか、又は分析まで約−80℃で保存した。再構成は、500μL混合物(90%20mM酢酸アンモニウム、pH4.0、及び10%メタノール(v/v))で行った。遠心分離後、再構成したサンプル100μMを高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分離のために注入し、続いて放射能自動検出(radiomatic detection)した。
【0065】
(iv)データ分析及び計算
インキュベーション由来の再構成したサンプルを、HPLC続いて放射能自動検出によって分析した。テスト化合物並びにそれぞれのベンジルアルデヒド及び酸代謝物の同一性を、保持時間と親化合物及びそれらのそれぞれの代謝物の標準品とを一致させることによって確認した。残存するテスト化合物の量を、再構成したサンプルのラジオクロマトグラムの全放射能中の親ピークの放射能のパーセントとして計算した。インキュベーション時間に対する残存するテスト化合物のパーセントは、対数線形スケールでプロットした場合、一次速度論を示した。一次の速度定数を、最小二乗線形回帰分析に基づいて、時間に対する残存するテスト化合物の対数間の傾きとして、個々のインキュベーションについて計算した。
【0066】
(v)組織調製物中のテスト化合物代謝安定性の結果
テスト化合物についての代謝分解についての一次速度定数(1/h)を表6に掲記する。代謝がミカエリス・メンテン速度論に従ったと仮定すると、一次速度論への近似は、最大10μMについてのKm>>酵素反応についての10μMを示唆した。
【表6】

【0067】
表6に示されるように、本発明は、組織データと化合物Aの観察される臨床代謝プロフィール間の良好な相関関係を実証した。ヒト血漿安定性測定のみを使用することと比較して、本発明は、生理学的条件下の医薬品のヒトSSAO安定性をより十分に反映すること
ができ、臨床候補の選択及び医薬開発を導くためのより適切な予測ツールである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セミカルバジド感受性アミンオキシダーゼ(SSAO)触媒代謝によって生じるテスト薬剤の代謝的安定性を同定する方法であって、以下:
a)SSAOを発現する細胞を培養すること;
b)細胞にテスト薬剤を添加すること;
c)テスト薬剤を細胞と共に所定時間にわたってインキュベートすること;
d)所定時間で、発現したSSAOを含む細胞の存在下残っているテスト薬剤の量を測定すること;及び
e)所定時間でのテスト薬剤の量をコントロール中のテスト薬剤の量と比較し、値を決定すること;
を含み、ここに、値が、発現したSSAOを含む細胞の存在下のテスト薬剤の代謝的安定性の同定に役立つ、
方法。
【請求項2】
セミカルバジド感受性アミンオキシダーゼ(SSAO)触媒代謝によって生じる放射標識テスト薬剤の代謝的安定性を同定する方法であって、以下:
a)SSAOを発現する細胞を培養すること;
b)細胞に放射標識テスト薬剤を添加すること;
c)放射標識テスト薬剤を細胞と共に所定時間にわたってインキュベートすること;及び
d)所定時間で、発現したSSAOを含む細胞の存在下残っている放射標識テスト薬剤の量を測定すること;
を含み、ここに、代謝されなかった放射標識テスト薬剤のパーセンテージが、発現したSSAOを含む細胞の存在下の放射標識テスト薬剤の代謝的安定性の同定に役立つ、
方法。
【請求項3】
SSAOを発現する細胞が、SSAOをコードするDNAでの細胞の一過性の又は安定なトランスフェクションによって生産される、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
SSAOを発現する細胞が原核細胞である、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項5】
SSAOを発現する細胞が真核細胞である、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項6】
生物学的サンプル中のSSAO触媒代謝によって生じるテスト薬剤の代謝的安定性を同定する方法であって、以下:
a)SSAOを含む生物学的サンプルを得ること;
b)生物学的サンプルにテスト薬剤を添加すること;
c)テスト薬剤を生物学的サンプルと共に所定時間にわたってインキュベートす ること;
d)所定時間でのテスト薬剤の量を測定すること;及び
e)所定時間でのテスト薬剤の量をコントロール中のテスト薬剤の量と比較し、値を決定すること;
を含み、ここに、値が、SSAOを含む生物学的サンプルの存在下のテスト薬剤の代謝的安定性の同定に役立つ、
方法。
【請求項7】
生物学的サンプル中のSSAO触媒代謝によって生じる放射標識テスト薬剤の代謝的安定性を同定する方法であって、以下:
a)SSAOを含む生物学的サンプルを得ること;
b)生物学的サンプルに放射標識テスト薬剤を添加すること;
c)放射標識テスト薬剤を生物学的サンプルと共に所定時間にわたってインキュベートすること;及び
d)所定時間での放射標識テスト薬剤の量を測定すること;
を含み、ここに、代謝されなかった放射標識テスト薬剤のパーセンテージが、SSAOを含む生物学的サンプルの存在下のテスト薬剤の代謝的安定性の同定に役立つ、
方法。
【請求項8】
生物学的サンプルが、血液、血漿、血清、動脈、臍帯、肝臓、回腸、及び肺からなる群より選択される、請求項6又は請求項7に記載の方法。
【請求項9】
生物学的サンプルがヒト被験体由来である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
生物学的サンプルが非ヒト被験体由来である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
ヒト又は非ヒト被験体を操作した後生物学的サンプルを得る、請求項9又は請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ヒト又は非ヒト被験体の操作が、1つ又は複数の薬物での処置、疾患状態の1つ又は複数の側面の誘発、外科的操作及び遺伝子変更からなる群より選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
テスト薬剤の量が、質量分析、高圧液体クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー/質量分析、液体クロマトグラフィー/質量分析/質量分析、及び液体クロマトグラフィー/放射能自動検出からなる群より選択される技術によって測定される、請求項1又は請求項6に記載の方法。
【請求項14】
1つ又はそれ以上の工程がロボット装置によって行われる、請求項1又は請求項6に記載の方法。
【請求項15】
テスト薬剤の代謝的安定性を、テスト薬剤を測定することに加えて又は代えて、テスト薬剤の1つ又はそれ以上の代謝物を測定することによって決定する、請求項1又は請求項6に記載の方法。
【請求項16】
テスト薬剤の代謝的安定性プロフィールを決定する方法であって、以下:
a)請求項1に記載の方法を使用して、発現したSSAOを含む細胞の存在下インキュベートしたテスト薬剤の代謝的安定性の値を得ること;
b)SSAOを含む生物学的サンプルを得ること;
c)生物学的サンプルにテスト薬剤を添加すること;
d)テスト薬剤を生物学的サンプルと共に所定時間にわたってインキュベートす ること;
e)所定時間でのテスト薬剤の量を測定すること;及び
f)所定時間でのテスト薬剤の量をコントロール中のテスト薬剤の量と比較し、SSAOを含む生物学的サンプルの存在下のテスト薬剤の代謝的安定性を同定する値を決定すること;
を含み、ここに、発現したSSAOを含む細胞の存在下のテスト薬剤の代謝的安定性の値を、SSAOを含む生物学的サンプルの存在下のテスト薬剤の代謝的安定性の値と比較して、テスト薬剤の代謝安定性プロフィールを得る、
方法。
【請求項17】
放射標識テスト薬剤の代謝的安定性プロフィールを決定する方法であって、以下:
a)請求項2に記載の方法を使用して、発現したSSAOを含む細胞溶解物の存在下インキュベートした放射標識テスト薬剤の代謝的安定性の値を得ること;
b)SSAOを含む生物学的サンプルを得ること;
c)生物学的サンプルに放射標識テスト薬剤を添加すること;
d)放射標識テスト薬剤を生物学的サンプルと共に所定時間にわたってインキュベートすること;
e)所定時間での放射標識テスト薬剤の量を測定すること;及び
f)所定時間で代謝されなかった放射標識テスト薬剤のパーセンテージによって放射標識テスト薬剤の代謝的安定性を同定すること;
を含み、ここに、発現したSSAOを含む細胞溶解物の存在下の放射標識テスト薬剤の代謝的安定性の値を、SSAOを含む生物学的サンプルの存在下の放射標識テスト薬剤の代謝的安定性の値と比較して、テスト薬剤の代謝的安定性プロフィールを得る、
方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−515461(P2010−515461A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545630(P2009−545630)
【出願日】平成20年1月8日(2008.1.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/050456
【国際公開番号】WO2008/086325
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(399050909)サノフィ−アベンティス (225)
【Fターム(参考)】