説明

セメント結合建築材料に利用するための2成分プラスチック繊維

コア/ケーシング繊維が、ポリプロピレン、ポリエチレン又はこれら原料の混合物或いはその他の熱可塑性ポリマー類といったプラスチック類から成る。繊維の直径は、0.15〜2.0mmであり、コア−/ケーシング繊維は連続又は断続的な様式で構造化された表面を有する。これは、単一面又は多面様式に設計されたエンボス加工(5)によって製造され、その深さは繊維の平均直径の少なくとも10%である。エンボス加工(5)は、繊維方向に対して横又は斜め様式にて、又はその他の形状にて設計されてもよいが、いずれの場合でも5〜15倍の繊維の延伸後に組み込まれる。コア繊維/ケーシング繊維は、10〜80mmの区域に切断され、数千の束に共にグループ化され、水溶性のプラスチックフィルムで包まれる。こうした繊維は、引張強度を増大するために、破損後の挙動を改善するために、又は一般にセメント結合建築材料、特にコンクリートにおける機械的な補強のために、使用される。束は、欠点なく、プラスチックフィルムと共に建築材料に組み込むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、最大粒径が4mm以上のコンクリートに適用するのに適した特定のプラスチック繊維に関し、それによってこうした建築材料の引張強度及び破損後挙動を決定的に改善する。
【背景技術】
【0002】
コンクリートの引張強度は、その圧縮強度よりも約10倍低い。その破損は、比較的脆性の様式で生じる。そのため、コンクリートは建築構造における引張力又は剪断力に順応させる場合に補強する必要がある。その際安全性が考慮されることが多い。最大荷重を超える際にコンクリート構成成分は、壊滅的で急激に破断するのではなく、まず特定量のエネルギーを吸収し、そして延性挙動を示す。従来は、その両方とも鋼補強によって達成されている。補強の種類は詳細に計画され、次いでこの補強はほとんど手作業による費用のかかる方法で適用される。特定の場合、短く切断した鋼繊維を混和することによって従来の鋼補強を完全に又は部分的に排除できる。しかし、鋼繊維は決定的に不利な点がある。それらは腐食する傾向があり、コンクリート上に見苦しい錆又は染み片を生じることが多い。それらはさらに、負傷の危険性を伴う。それらはまた、その剛性の結果としてドーズ特性と混合特性に劣る。大きな密度のためにドーズ重量が大きくなり、コストが増大する。鋼繊維の混和により、不均一な分配が原因で材料特性のばらつきが比較的大きくなる。他の種類の繊維、例えばガラス繊維は、例えばアルカリに対する抵抗性が制限されるという決定的な欠点を有する。
【0003】
プラスチック繊維の使用は選択肢を与える。そうした繊維は相対的に大きい引張強度を有する必要がある一方で、コンクリートとの結合強度が高くなければならない。荷重時、繊維の全表面での静止摩擦は有効なままであり、その結果繊維は均一に引き抜かれ、破損エネルギーの多くを吸収する役割を果たす。特に、鋼繊維と直接比較しても安価な繊維種は、ポリオレフィン類(ポリプロピレン、ポリエチレン)又はその他の熱可塑性プラスチック類に基づいて製造できる。これにより、鋼よりある程度良好な値の顕著な引張強度を得ることに成功しているが、弾性率及びコンクリートに対する結合強度は、一般にこうした種類の繊維に関しては低い。静止摩擦の改善は相対的に高価な原料で製造される繊維のE率を増大させることによって達成できる。
【0004】
コンクリート補強のための多層熱可塑性プラスチック繊維は、特許文献1から既知である。この文献では、異なる層のポリマー類は異なる融点を有することが特に強調されている。低融点のポリマーがコアにあり、ケーシング内にはより高い融点のものが存在し、その差は10℃〜20℃になる。こうした手段は、その内層が外層の加熱と共に同様に適切に加熱されるという点で特定のオーブンでの加熱後の延伸に役立ち、その結果として3〜12倍の延伸が可能になる。延伸により、プラスチック分子は長手方向に配向される。プラスックにおける強度はまずこの方法で達成される。これらのプラスチック繊維は、コンクリート中の接着力を増大させるために、延伸の前にそれらの外側が構造化される。詳細には、これらのフィラメントは、二層又は多層フィルムが共押出によって作製されるように製造される。その後、このフィルムはカレンダによってエンボス加工が施される。このフィルムは、その後、狭いストリップレットに切断される。最後に2次元ストリップレットはさらに延伸されるが、そのことは膨部又は薄い箇所及び厚い箇所が有効に生じることを意味する。
【0005】
しかし、エンボス加工及び延伸が首尾一貫したプロセスで行われていることを確かめることが重要である。部分的な材料の蓄積は、特許文献1に教示されるように、引き延ばされていない状態でのエンボス加工が原因で生じる。構造化によって移動したポリマーは非晶質のままである。その後に引き延ばされる場合、最初に材料蓄積が最小の領域が延伸される。各延伸プロセス中において最初に抵抗が最も小さい箇所が引き延ばされることは一般に既知であり、また明らかである。この場合、それが薄い箇所であることは明らかである。この理由のために、予めエンボス加工されたストリップレットは、最後に、すなわちエンボス加工された後の延伸後には均一に引き延ばすことができない。フィラメントの破断を回避することを意味する好ましい製造条件を維持しつつ、こうした様式でエンボス加工されたフィラメントを完全に延伸可能にするのは困難又はさらには不可能である。薄い箇所は完全に延伸されるが、厚い箇所では延伸程度、すなわち分子の配向も、必ずより小さくなるはずである。このため、この方法に従って製造される膨部はフィラメントの他の箇所より柔らかく、従ってそれらは弾性率の大きさが不十分である。このことは、引き抜き時、膨部はわずかに磨耗されることを意味する。さらに、特許文献1の図1からも明らかに証明されるように、膨部のプロファイルが引き延ばしのために「不鮮明」であるので、エンボス加工後の延伸によってシャープな縁部を有する膨部を得るのは基本的には不可能である。各鎖がその最も弱い部材程度の強度しかないので、薄い箇所にて設計された強度値を得るためには過剰量のポリマーを使用する必要があるため、この方法はまた特定量の材料の浪費を伴う。特許文献1の図1(A)は同様にこの点も明らかにする。延伸前のエンボス加工では、互いに非常に遠く離れた膨部のみを得ることができる。故に、特許文献1の[0041]において、延伸比は3:1〜12:1、及び好ましくは5:1〜10:1になることが述べられている。エンボス加工ギャップを考慮しない場合、図1(B)に示されるようなピラミッド型のエンボス加工を用い、その後で最小の総引き延ばし(延伸因子)が5であると、膨部と膨部との距離が5mmであり、高強度PP又はHDPEフィラメントに関しては絶対最小値を示す総引き延ばしが10では膨部と膨部の距離が10mmとなる。特許文献1の図1(A)ではさらに、延伸前のエンボス加工によって得られるフィラメントのプロファイルを非常にはっきりと示している。こうした繊維はウェブにて平均よりも薄い(薄い箇所)。膨部(厚い箇所)に向かって連続的に厚くなり、その後平坦になっていく。故に各膨部の両側にはある程度の錐体が形成される。これは特に、いずれの種類のエンボス加工が選択されるかとは無関係に、ピラミッド型、波又は角のあるプロファイル、或いは片面又は両面エンボス加工に拘わらず、特許文献1に記載されるような方法を用いる場合に常に繰り返される。両側の膨部は、必ず常に隣の薄い箇所の直径に対して極めて鋭角で突出する。そのコンクリートからの滑り出しは、薄い箇所から厚い箇所への著しい移行を伴うシャープなエンボス加工に比べてた場合に、極めて好ましくない。
【0006】
故に、延伸前のエンボス加工では、互いに遠く離れ、横方向に平坦な又は丸い膨部しか得ることができず、さらに、延伸が時間的にエンボス加工の後に続く結果として繊維内部の構造変換が生じてしまうことは明らかである。各延伸プロセス中、まず最も抵抗が小さい箇所が引き延ばされる。この場合、これは構造化が原因で生じた薄い箇所であることは明らかである。この理由から、エンボス加工後に延伸される繊維は、もはや均質な分子構造を有していない。さらに、薄い箇所は完全に延伸される一方で、厚い箇所の延伸程度、及びひいては分子の均一な配向も小さくなることは避けられない。この理由から、薄い箇所にて所望の強度値を得るために過剰量のポリマーを使用する。さらに、厚い箇所は柔らかく、同様にコンクリートとの結合が悪化し、硬質ポリマー表面と比べた場合に、セメント石マトリックスから滑り出す傾向が強くなっているようである。
【特許文献1】欧州特許出願公開第1,350,773A2号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
こうした背景に対して、本発明の目的は、セメント結合建築材料、特に最大粒径が4mmを越えるコンクリートに適用するためのプラスチック繊維を提供し、それによって、均質な分子構造を含み、かつそれらの表面に密度の高いエンボス加工を含むという点で、こうした建築材料の機械的特性を顕著に改善することにある。同時に、これらのプラスチック繊維は、それらの取り扱い及び混和がより実用的になるべきであり、最小質量にて引張強度を達成すべきであり、コストに関して鋼繊維に匹敵できるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、最大粒径が>4mmのコンクリートに適用するためのプラスック繊維によって達成され、その繊維は、平均直径が約160〜28,000dtex(デジテックス(Dezitex)=10,000ランニングメートル(runing meter)あたりのグラム)に対応する0.15〜2mmであり、5〜15倍に延伸され、異なる純粋なポリマー類又はポリマー混合物の中心コア及びこれを封入するケーシングから共押出方法によって製造される2成分繊維であり、及び延伸を行った後、連続又は断続的に構造化された又は溝が彫られた表面をこの連続的に延伸された2成分繊維上にエンボス加工することを特徴とし、この構造化の深さが繊維の平均直径の10%を超え、軸方向にて付与された構造内におけるそれらの構造先端の最大距離が0.5mm〜3mmの領域にある。
【発明の効果】
【0009】
コア及びケーシングに分割することによって、一方では加工性(レオロジー)及び繊維とコンクリートとの結合強度、さらに剛性の程度、寸法安定性、及び磨耗強度に関してはケーシングポリマーを、また一方では高い引張強度及び破断時の小さい伸張に関してはコアポリマーを、それぞれ独立して最適化できる。これにより、非常に新規な改善された特性を有する繊維を得ることだけでなく、それが完全な繊維を用いる場合のように高価な汎用ポリマー類から成る必要のある完全な繊維ではないので、コストも削減できる。さらに、結果として、例えばケーシングに対してだけ高価な構成成分を適用することで、その適用程度を少なくできる可能性がある。ケーシングポリマーは、一方でエンボス加工によって、そして他方では表面の化学的改質によって、セメントとの望ましい結合のために最適化されてもよい。それに関し、両方の手段を組み合わせると極めて有効であることがわかった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
セメント結合建築材料に組み込むのに適した繊維の異なる構成は、添付の図面に示され、コンクリート中での効果は測定図によって示される。
個々の図を取り扱う前に特定の基本的な事実を本明細書にて説明する。繊維セメント製品における繊維とは対照的に、コンクリート中に適用されてもよい繊維は顕著に大きい0.15〜2mmの直径を有するが、それはそうでなければ機械的補強のための通常の繊維ドーズ量、つまり0.3〜2体積%の範囲にて、建築材料の適切な加工性を得ることができないからである。こうした厚い繊維に関して、繊維の断面は荷重時に減少するので、特にポリオレフィン類のような安価な低分子量ポリマー類に基づく繊維と建築材料との結合強度はこれまで不適切であった。そのため、繊維はその埋め込みから容易に滑り出してしまうことがある。好適なポリマーの選択によって、或いは繊維の表面張力の増大若しくはコロナ処理、プラズマ処理又はフッ化物処理によるコンクリートとの接着性の増大によって、またさらにワックス分散体若しくは軟化剤の堆積によって結合強度を増大させるのは、低分子量繊維では不十分であることがわかったので、2成分繊維においても同様である。高分子量プラスチックの使用に関しては、繊維がこうした高価な原料から大部分又は完全に製造される場合に、断面の先細りのみが適切に低減される。エンボス加工された構造を有する2成分繊維は、コンクリート中に適用するために、今般、非常に新しい可能性を切り開く。
【0011】
熱可塑性原料に関して、次のパラメータは、繊維が低伸張及び高弾性率で高い強度値を得るために重要であることが知られている。こうしたポリマー類は低いMFR(メルトフローレート)と狭い分子量分布を有していなければならない。メルトフローレートは、ISO1133によって定義され、温度と圧力を付加した状態で、時間あたりどの程度の質量が規定のノズルを流れるかの基準である。さらに、延伸(紡糸後の引き延ばしプロセス)の程度は、可能な限り高くなるように選択されなければならない。しかし、0.15〜2mmの直径を有する繊維は、長手方向における機械的な荷重下では開繊(フィブリル化)する傾向にあり、それはセメントと繊維との結合にとって非常に不利であることも知られている。コンクリートからの引き抜きの際、繊維は機械的に大きな荷重を受け、それによるフィブリル化は避けられない、ただし、製造プロセスにおけるポリマーがその延伸限界まで引き延ばされている場合。より高いMFRとより広い分子量分布を有するポリマー類は、延伸プロセス中に顕著に、より有益な挙動を有する。これは、こうしたポリマー類から製造される繊維が、それらの絶対延伸限界に到達するまで、より高い程度に引き延ばすことができることを意味する。
【0012】
通常、フィラメント、こうした完全な繊維、又は共押出しされたフィラメント、すなわち例えばコア−ケーシング繊維は、次のシステムによって製造される。各繊維が別個のボアを通って押出されるノズルから出た後、引き延ばされていないフィブリルは水浴にて冷却される。この浴温度は制御される。薄いフィラメントは厚いフィラメントより素早く冷却される。後続の延伸プロセス中、フィラメントは、1以上のプロセス段階において、非接触様式で好適な熱源(オーブン)を通過する。薄いフィラメントは、例えば0.15〜2.0mmの直径を有する厚いフィラメントより素早く、そして均一に冷却され、加熱される。より大きい質量を有するフィラメントは、より長期間中央部に溶融エネルギーを貯える。必然的に、水浴中において外層は内層よりも冷却され易い。この場合繊維中央部と繊維表面との熱平衡は、異なる融点を有するポリマー類によって達成されるのではなく、冷却浴の結果としての熱補正によって及び延伸のオーブン温度の結果としての熱放射によって達成される。本明細書に示されるプラスチック繊維は、フィラメントに関してこの標準方法に従って製造される。コアとケーシングにおける両方のポリマー類の融点は、それら自体は後に続く処理に重要でないため、同一であっても、異なっていてもよい。しかし、好ましくはポリマー類は同じ温度挙動を示すものがコアとケーシングに使用され、このことは、そうしたポリマー類が約165℃の同じ温度で融点に達することを意味する。他方で、融点に到達後、異なる粘度を有する、特に0.8g/10分と35g/10分とのメルトフローレート(MFR)を有するポリマー類を用いて操作する。同一融点を有する35g/10分のケーシングポリマーは、コアポリマーよりも約44倍多く液体になる。異なるMFRは、フィブリル化に対して反対に作用する。より液体のケーシングポリマーは、より固いコアポリマーよりも延伸され易い。故に、完全には消耗されていないケーシングがフィブリル化を防止する。
【0013】
異なるポリマー類からコアとケーシング繊維を製造する、本明細書にて示唆されるパスに関して、繊維を最適化するために最良の条件が利用可能である。ケーシングポリマーは、加工性(レオロジー)及び繊維とコンクリートとの結合強度に関して最適化される一方で、コアポリマーは、それらとは独立に、高い引張強度及び破断時の小さい伸長に関して最適化される。このためにコア−ケーシング繊維が作製されており、そのコアは、低MFRと非常に狭い分子量分布を有するポリマー類から成り、そのケーシングは高MFR及びより広い分子量分布を有するポリマー類から成る。延伸手順に関して、こうした様式で設計された繊維のコアは、完全にそして均質に延伸されるという点で機械的特性に関して最大化され、一方でケーシングは、繊維を確実に固定するために、なおも十分余裕があり、これによって荷重下でのフィブリル化を防止する。そのため、こうした繊維に関して、コアは最良の可能な機械的値のために、ケーシングはセメントとの最適な結合のために目的とする様式で設計される。完全に、すなわち連続及び均質に延伸された繊維は、次いでエンボス加工によって後の段階で構造化される。それによって、その長手方向に配向した分子を有する完全に延伸されたポリマーは、初めて横方向又は深さ方向にさらに移動又は再配向される。繊維のプロファイル全体に対して観察すると、薄い箇所の弱化は生じていない。
【0014】
試験では、3質量%〜25質量%の微細鉱物粒子をさらに組み込むことによって高い強度値を保持したが、破断時の伸張は低減したことが証明された。あらゆる種類の金属性塩類、ガラス粒子若しくはガラス玉又は繊維材料は、こうした組み込みに好適である。これにより繊維の弾性率が増大したことは本願に関して大きな利点である。同時に、鉱物類の組み込みは、荷重下での繊維の収縮(ネック化)が低減するという効果もあり、従ってそれは引き抜き挙動に良い影響を与える。
【0015】
ポリマーの表面張力は官能基の組み込みによって増大することを証明でき、それは同様に繊維とセメントとの結合を改善する。しかし、この化学的改質は、ポリマー類をより高価にする。コア−ケーシング繊維に関しては、ケーシングだけがセメントと直接接触するので、ケーシングだけを改質すればよい。繊維設計に依存してケーシングの占有率は総繊維質量の約20%〜50%である。完全な繊維で同じ効果を達成するためには、こうした種類のポリマーがその全体にて改質されなければならない。
【0016】
故に非常に新規で顕著に改善された特性を有する繊維は、上述した手段を組み合わせて設計されてもよい。完全な繊維の場合のように繊維全体が高価な汎用ポリマー類から成る必要がないので、コストはさらに低減できるが、例えばケーシングにおいてのみ低量で高価な構成成分を使用してもよい。次いでケーシングポリマーは、一方でエンボス加工により、また他方で表面の化学的改質によってセメントとの所望結合のために最適化されてもよい。それに関してこうした2つの手段の組み合わせは極めて有効であることが証明された。
【0017】
表面の構造化は、好ましくは2成分繊維の機械的エンボス加工によって行われる。エンボス加工手順によってエンボス加工された部分には溝が形成され、プラスチックは同時に横方向に移動され、それがまた横方向に構造化された表面をもたらし、次いで繊維上でのセメントの接着及びコンクリートとの噛み合いに良好な様式で作用する。この構造化によって、荷重時の繊維断面の先細りを伴う場合も、すなわちより低い繊維弾性率においてさえも建築材料マトリックスとの繊維結合を打開することはできない。
【0018】
2成分繊維のコンクリートとの結合特性のさらなる改善は、特に、鉱物充填剤の形態にて粒径が<1μmの微細ナノ粒子3質量%〜25質量%をケーシングポリマーにさらに組み込むことによって成功する。剛性の程度や表面磨耗強度はこれによって増大する。こうした繊維は、構造化された表面を与えるために、同様又は同じ様式にてエンボス加工が施される。エンボス加工は、ナノ粒子の組み込みによって、より硬質になり、より緻密になる。繊維の引き抜きに関しては、同じ応力伝播でより小さい引き抜きパス及びより高い結合強度が得られ、それは図7に従う図に示される。ケーシングポリマーだけにこれらの粒子を適用すると、質量及びコストにおいて決定的な節約になる。
【0019】
実験室での引き抜き試験の結果を図1に示す。それによれば、極めて最良な結果は、鉱物類をさらに混合すると共にさらにエンボス加工したポリマー改質繊維によって示された。7日養生したサンプルで20mmの繊維の埋め込み深さで測定された最大結合強度は、2.0N/mm2と測定された。すなわちこの結果は、エンボス加工されていない同じ繊維の2倍を越えた。エンボス加工されていない平滑な表面を有し、ポリマーに補助材料を組み込んでいない非改質繊維に比べて、その結合はさらに8倍高かった。エンボス加工されていない非改質ポリマー繊維、すなわち平滑な表面を有する繊維は、相対的に顕著に低い引張力にのみ順応可能である。官能基を組み込む改質単独でも、ポリマーの表面張力が増大し、図1に示されるように繊維とセメントとの結合を改善する。その繊維は、図から明らかなように、荷重下でその効果を非常に急速に失う。
【0020】
また、本明細書に示されるプラスチック繊維は、鉱物類又は鉱物結合剤を混和することによってのみセメントとの結合を改善し、かつ引き抜き力を増大させようと試みた製品とは顕著に異なる。凝集によりセメントとの連結が強く制御されていると推測されると主張されることが多い。この主張が誤りであることが判明した。特に、大部分の鉱物類又は鉱物結合剤はプラスチック中に埋め込まれるか、又はエマルション類、ワックス類、軟化剤などによって表面にて封入されているので、これらの凝集が大部分有効でないことがわかった。さらに、試験ではまた、最後に、鉱物類の組み込みによって観察されたより望ましい引き抜き挙動は、主として、より平坦でない繊維表面及びより小さい繊維のネック化(収縮)によるものであることがわかった。
【0021】
本明細書に示される2成分繊維のケーシングは、セメントとの接着性や加工特性(レオロジー)に関して最適化された改質ポリマー類から成る。繊維の表面張力は、ケーシングポリマーに官能基(例えば、無水マレイン酸又は同様の官能化化学物質/活性物質)を組み込むことによって増大させてもよく、従ってそれはこの濡れ性を改善し、セメントと繊維との結合を改善する。0.35〜0.5mmの直径を有するコア−ケーシング繊維は試験において特に有利であることがわかった。コアとケーシングとの質量比は、50%/50%〜80%/20%である。<1μmの粒径が好ましいことがわかった。ポリオレフィン原料、PLとHDPE、これら2つのポリマー類の混合物は、コアとして有利であることがわかった。こうした繊維のケーシングは、構造化された表面を与えるために、エンボス加工がさらに施されている。
【0022】
図2は、コア−/ケーシングプラスチック繊維を示す。この繊維は、ポリオレフィン材料、すなわちポリプロピレン、ポリエチレン又はそれらの混合物やその他の熱可塑性原料から成る。この繊維は0.15〜2mmの直径を有する。それはポリプロピレン、ポリエチレン又はそれらの混合物及び異なる熱可塑性原料のコア3、及びこのコア3を封入する異なるポリオレフィン原料、例えばPP、HDPE又はこれら2つのポリマー類の混合物のケーシング7を有する。この2成分繊維の製造は、押出方法にて行われる。こうした繊維は、円形の断面を有していてもよいが、異なる断面、すなわち例えば楕円、正方形、長方形、骨型又は星型或いはいずれかの他の形状を有していてもよい。特に、その表面の繊維は、機械的構造5が連続様式又は断続的に与えられているが、構造5間の領域4はそのままである。繊維はエンボス加工された箇所である程度平坦化され、幾分広い、細長い/卵形の断面を有する。示された例では、構造5はエンボス加工によって製造されている。この機械的構造化は、これによってこの2成分繊維と、それに混和されるセメント様建築材料との静止摩擦を増大させるために、表面を巨視的にプロファイリングする目的がある。このための手段としてのエンボス加工は、特に実際驚くべき程に有利であることがわかった。まず、エンボス加工は、相対的に単純で安価な様式にて繊維表面に組み込むことができ、第2に、これを用いて、表面を微視的ではなく巨視的にプロファイルするので、構造内は平滑なままで、損なわれていない。繊維に対して横に走る溝だけでなく、繊維に対して傾いた角度で走る溝も、こうしたエンボス加工によって製造できる。こうした溝構造の組み合わせは、例えば繊維に対して傾いた角度で走る溝を重ね合わせた繊維に対して横に走る溝を用いてエンボス加工されてもよい。しかしまた、繊維に対して傾いた角度で走る溝だけを互いに交差させてもよい。こうした繊維は、セメント様建築材料、特にコンクリートに約10〜80mmの区域長さで流し込まれる場合、改善された繊維マトリックス結合によって、その引張強度が増大され、破損後挙動が決定的に改善される。プラスチックのより大きな可撓性の結果として、鋼繊維のように多量の繊維体積占有率で混和してもよい。こうした繊維の約0.9〜1.1g/cm3程の密度は、7.8g/cm3の鋼密度に比べて約8倍低い。この理由から、重量に関しては全体として、顕著に低いドーズ量とより均質な材料特性が、鋼繊維と比較した場合に同じ性能を伴って、本明細書に示されたプラスチック2成分繊維種によってもたらされる。
【0023】
2成分繊維のエンボス加工は、図3にこうしたエンボス加工配置として図示されるように、繊維を2つのエンボス加工ローラ1,2にエンドレス様式で通過させ、その後所望の長さの区域に切断する最も単純な様式で行われてもよい。連続的又は中断若しくは断続的なエンボス加工5は、エンボス加工ローラ1,2の特性やそれらの設定(リブ間エンボス加工又はオフセット)によって作製される。そのためローラ1,2は、特定の箇所にエンボス加工を有し、他の箇所にはない。エンボス加工の深さは、いかなる場合でも、繊維の平均直径の10%を越えるべきである。
【0024】
繊維の別のエンボス加工種は、側面図が図4に示される。ここで、2成分繊維は、所望の繊維厚さの距離にて互いに離れた歯車の様式で2つのエンボス加工ローラを通過する。従って、繊維はジグザグ形状にエンボス加工される一方で、図5に示されるような繊維は、同様に歯車の様式に構成されているが、その都度歯が互いに短い距離で出会うように互いに走る2つのエンボス加工ローラを通過させたもので、その結果これらが噛み合う場所でのみ繊維は圧搾される。次いで断面の形状が絶えず変化する繊維を形成する。異なる材料の繊維コア3と繊維ケーシング7を有する連続的にエンボス加工された繊維を図6に示す。構造溝5が繊維の表面全体を取り囲み、溝5の間の領域4だけ繊維は平滑なままである。コア3はさらに、あらゆる種類の鉱物充填剤、金属塩類、ガラス粒子又は小さいガラス玉又は繊維材料の形態にてミクロ粒子やナノ粒子6と混合されてもよく、それが、引張荷重時における繊維直径の減少を低減し、破断時の伸びを低減するという効果をもたらす。これにより、こうした繊維の弾性率をさらに向上でき、それが結合強度を増大させ、建築材料からの均一な引き抜き挙動が得られる。
【0025】
好ましくは、ケーシングポリマー7は1μmより小さい直径を有すること意味する鉱物ナノ粒子と混合される。しかし、こうした手段は、大部分の鉱物粒子がプラスチックによって完全に封入されているので、繊維とコンクリートとの接着性の直接的な改善には役立たない。これは主に、化学的な組み合わせによって、例えばセメント、又は鉱物粒子をポリマーに組み込むことによって、又はより粗い表面特性のように機械的作用によってもたらされる。しかし、ケーシングポリマーにナノ粒子を組み込むことによってより硬質な面が得られる。セメントとの結合、エンボス加工後は、これにより良好になる。応力の取り込みはより素早く行われ、より大きな応力に順応できる。繊維引き抜きによる表面磨耗は小さくなる。この理由から、試験体について所望の3mmたわみ距離にわたってより大きく、より長い持続性の引き抜き抵抗性が確実になる。この繊維は、剛性の程度が外側ケーシングに主に起因するので、より剛性である。これにより、より高い弾性率及び引き抜き時/荷重時のより小さい「ネック化」(先細り)が達成され、従ってそれが結合に良好な影響を与える。しかし、最大引張力は、一般に外来粒子の組み込みによって低減される。70%コア、30%ケーシングの質量比に関して、こうした引張力の低減は、30%のケーシングポリマーにおいてのみ有効である。これらの条件は、図7から推定される。ここで、2つの同一プラスチックポリマー類の強度値を示すが、唯一の相違は種類Lに関して、ケーシングはナノ粒子で精錬されているが、種類Mのケーシングは処理されていない。このようにケーシングにだけ鉱物物質を組み込むことはまた商業的に有利になる。組み込まれたナノ粒子を含有するポリマーは、標準のポリマー類よりも3から4倍以上高価である。そのため、完全な繊維に関して、100%のポリマーがこうした特定の製品で精錬されているか、又は製品全体の約30質量%を占めるケーシングだけであるかどうかは重要な相違である。
【0026】
有利なことがわかっており、相対的に短い繊維長さにも必要である特定のエンボス加工に関して、先端間の距離は約0.65mm程である。短い距離におけるエンボス加工は、補強の均一性とその引き抜き力を増大させる。フィラメントは、その内部構造に関してエンボス加工の前に既に仕上げられている。エンボス加工ローラのプロファイルは、フィラメントに対して1:1で移行でき、従ってフィラメント表面の構造化は技術的な要求に容易に適応できる。要求に応じて、より小さい又はより大きい膨部、角のある又はより丸い膨部、短い距離又は長い距離を有するもの、大きい又は小さい波型を有するものなどを製造するために、その他のエンボス加工ローラを適用してもよい。製造におけるこうした自由度は、エンボス加工後にだけ延伸されるような方法に従うフィラメントに関しては予想できない。そのため、直径が同一である完全にかつ均質に延伸されたフィラメントは、後の段階でのみエンボス加工されることが非常に重要であることがわかった。これにより、完全に延伸され、長手方向に配向されたポリマーは、横方向又は深さ方向にのみ移動され再配向されるが、その構造は同一のままである。より弱いポリマー構造を有する薄い箇所の弱化は回避される。
【0027】
図8は、結合強度を示すための応力パス図を示す、すなわちケーシングポリマー中にナノ粒子を有する2つの異なるエンボス加工された繊維種の繊維表面あたりの応力を、ケーシングポリマーがエンボス加工されず、ナノ粒子も含まない同じ繊維と比較して示す。最良の結果はケーシングポリマーにおける好適なエンボス加工及びナノ粒子の適用の組み合わせを用いて達成されることがわかった。3.17N/mm3の最高値はここで達成された。
【0028】
所望の機械的特性を達成するために、通常は約0.3体積%の鋼繊維がセメント結合建築材料に混和される。本明細書に示される2成分プラスチック繊維の場合、0.5体積%が使用されるが、結果として4.8倍低い質量付加にて、顕著に改善され、より規則的な破損後特性が得られる。さらに、それ自体の長さが10〜80mmのこうした軽量プラスチック繊維区域の取り扱いは、鋼繊維の場合よりもかなり単純である。鋼繊維の場合のような腐食の危険性もこうしたプラスチック繊維には全くない。本明細書に記載されるプラスチック繊維はさらにアルカリに対して耐性がある。
【0029】
最後に、コンクリートにおける技術的に意味のある適用のために重要であるのはプラスチック繊維自体だけではない。最後に、繊維は、その効果を発揮するために好適な形態でコンクリートに組み込まれなければならない。均質な分配がコンクリート中で達成できないならば、最良の繊維でさえも全く役に立たない。繊維が、塊で運ばれ又は散在するような若干自由な様式でコンクリート中に組み込まれる場合、繊維のネストが形成されることが多く、その中にコンクリートが完全に浸透できない。繊維のこうした累積はコンクリートの強度及び規則性を悪化する。
【0030】
驚く程に有効な解決策は、水溶性のプラスチックフィルムを用いて数千の繊維を束として包み、次いで区域又は束を切断することに見出した。図9は、このアイデアを提供するためのこうした束8を示す。それは、約50mmの長さと直径、及び55グラムの重量があり、6000の繊維を含有し、透明な水溶性の不活性プラスチックフィルム9によって封入されるが、底部と上部は開放され、そこで平坦に切断されている。その束8はこのプラスチックフィルムによって信頼できる様式で共に保持される。コンクリート中に組み込んだ後に初めてフィルムは溶解し、繊維はコンクリート中に分配される。しかし、個々の繊維は互いに固着しておらず、摩擦によってのみ一緒に保持されている。封入フィルムが溶解する際、これによってコンクリート中への繊維の迅速な分配が生じる。こうした繊維は、次いでこうした束8中で全て等価様式で方向付けられる。何の問題もなく2体積%までの繊維をコンクリートに混和できる。束中で平行な位置にある繊維が均質な分配を与える。包むフィルムは完全に水溶性であり、さらに不活性である。証明されるように、コンクリートの質に影響を与えない。コンクリート中の繊維構成成分が4.5kgの繊維(0.5体積%又は492,000の個々の繊維)に関しては、82個のこうした繊維束を組み込むだけでよい。小さいバッグでの包装とは反対に、こうした束には空気がほとんど封入されないが、それは、コンクリートに組み込まれる際に浮かばないので、良好に混合できることを意味する。コンクリートと混合する際、束は分配し、バラバラになるが、繊維はほつれず、コンクリートによって緊密な様式で封入される。しかし、プラスチック繊維の包装も商業的に重要な利点を有する。すなわち、自由な繊維を結合するのに顕著により圧縮される。4.5kgの繊維は、約0.015m2程の含量の箱を必要とする。包装は長方形である。この理由のために、それらは標準化荷台に良好に積み重ねることができる。圧縮形状も輸送時の節約になる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】結合強度、すなわちセメント結合建築材料中の異なる繊維種の繊維表面あたりの応力を示す応力パス図である
【図2】最初に丸い断面を有する断続的にエンボス加工された繊維である。
【図3】互いに平行に配置された2つのローラを用いてエンボス加工を行う装置の概略図である。
【図4】側部から見た繊維のエンボス加工の種類である。
【図5】側部から見た繊維のさらなるエンボス加工の種類である。
【図6】コア及び/又はケーシングポリマー中に微粒子又はナノ粒子を有する異なる材料の繊維コア及び繊維ケーシングを有するエンボス加工された繊維である。
【図7】同一プラスチック繊維に関して異なる結合強度を示す応力パス図であり、ここではナノ粒子が一方の繊維に関してケーシングポリマーに適用されていた。
【図8】ケーシングポリマーにてナノ粒子及びエンボス加工を含まない繊維と比較した、ケーシングポリマーにてナノ粒子及びエンボス加工を含む繊維の複合強度を示す応力パス図である。
【図9】混合されるべきセメント結合建築材料に組み込むための、数千のプラスチック繊維区域を有する個々の束である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均直径が約160〜28,000dtex(デジテックス=10,000ランニングメートルあたりのグラム)に対応する0.15〜2mmである、最大粒径が>4mmのコンクリートに適用するためのプラスチック繊維であって、5〜15倍に延伸され、異なる純粋なポリマー類又はポリマー混合物の中心コア及びこれを封入するケーシングから共押出方法によって製造される2成分繊維であり、かつ前記延伸を行った後、連続又は断続的に構造化された又は溝が彫られた表面をこの連続的に延伸された2成分繊維上にエンボス加工されることを特徴とし、この構造化の深さがこの繊維の平均直径の10%を超え、その軸方向にて組み込まれた構造内におけるそれらの構造先端の最大距離が0.5mm〜3mmの領域にあるプラスチック繊維。
【請求項2】
前記繊維が、ポリプロピレン若しくはポリエチレン又はこれら原料の混合物から成ることを意味するポリオレフィン繊維であるか、或いは他の熱可塑性原料から製造されることを特徴とする、先行する請求項1に記載の最大粒径が>4mmのコンクリートに適用するためのプラスチック繊維。
【請求項3】
そのコア(3)が低いメルトフロ−レート(MFR)を有し、狭い分子量分布を有するポリマー類から成り、そのケーシング(7)が高いMFRを有し、広い分子量分布を有するポリマーから成ることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の最大粒径が>4mmであるコンクリートに適用するためのプラスチック繊維。
【請求項4】
前記構造化された表面が、直角、斜め、交差、その他のいずれかの形状である単一面又は多面型の機械的エンボス加工(5)であることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の最大粒径が>4mmであるコンクリートに適用するためのプラスチック繊維。
【請求項5】
充填剤、塩類、ガラス粒子、小さいガラス玉又は繊維材料の形態にて鉱物、金属又はセラミック粒子(6)が、前記コアポリマー(3)、前記ケーシングポリマー(7)又は両方のポリマー類(3,7)に組み込まれていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の最大粒径が>4mmであるコンクリートに適用するためのプラスチック繊維。
【請求項6】
粒径が≦1μmの微細鉱物ナノ粒子3質量%〜25質量%を前記ケーシングポリマー(7)に組み込むことを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の最大粒径が>4mmであるコンクリートに適用するためのプラスチック繊維。
【請求項7】
前記繊維の表面張力及び極性を増大させるために、前記ケーシングポリマー(7)に官能基を組み込むことを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の最大粒径が>4mmであるコンクリートに適用するためのプラスチック繊維。
【請求項8】
前記プラスチック繊維が、水溶性プラスチックフィルム(9)で包まれ、これによって共に保持される数千の区域の束(8)に包装されることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の最大粒径が>4mmであるコンクリートに適用するためのプラスチック繊維。
【請求項9】
前記プラスチック繊維が、区域長さが10mm〜80mmである数千の区域の圧縮束(8)に包装されることを特徴とし、前記束の両面が平坦に切断され、水溶性の不活性プラスチックフィルム(9)によって包まれて共に保持される、先行する請求項のいずれか1項に記載の最大粒径が>4mmであるコンクリートに適用するためのプラスチック繊維。
【請求項10】
前記プラスチック繊維が、区域長さが10mm〜80mmである数千の区域の束(8)であることを特徴とし、これらの束(8)が、セメント結合建築材料が添加され及び混合される水溶性プラスチックフィルム(9)で包まれている、先行する請求項のいずれか1項に記載の最大粒径が>4mmであるコンクリートに適用するためのプラスチック繊維の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−509899(P2009−509899A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532555(P2008−532555)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際出願番号】PCT/CH2006/000511
【国際公開番号】WO2007/036058
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(508092705)
【出願人】(508092716)フィブロテク・アーゲー (1)
【Fターム(参考)】