説明

セラミックス金属接合体、及びその製造方法

【課題】筒状セラミックスの外側に筒状金属を被せて接合した、耐熱性があり密着性のよいセラミックス金属接合体、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】セラミックス金属接合体は、筒状セラミックス体11と、その筒状セラミックス体11の外周面7hに被された筒状金属管12と、を含む。高圧鋳造により、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間隙49内に溶湯を充填し、それが固化することにより、金属接合材層となり、筒状セラミックス体11と筒状金属管12とが接合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
筒状セラミックスの外側に筒状金属管を被せて接合したセラミックス金属接合体、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミックスと金属を接合する方法として、ある程度の耐熱性が要求される場合は、一般的にろう付けが用いられることが多い(例えば、特許文献1,2)。セラミックスと金属の間に箔状もしくはペースト状のろう材を挟んだ状態で真空炉内に設置し、昇温することでろう材を溶かしセラミックスと金属間の接合を得る。しかしながら、筒状セラミックスと筒状金属管を接合する場合は難しい。なぜなら、あらかじめ筒状金属管の中に筒状セラミックスを配置し、その隙間を埋めるようにろう材を充填したとしても、熱膨張係数の違いから、昇温した際に隙間が広がってしまう。そのため、充填していたろう材では足りなくなり、大きな欠陥(ボイド)が生じるからである。セラミックス、金属の双方に対してよほど良好な濡れ性をもったろう材、または、セラミックスや金属への表面処理があれば毛細管現象にてろう材が入り込むことがありえないわけではないと思われるが、現状その様な良好な組み合わせは見つかっていない。また、焼きばめという手法もあるが、筒状セラミックスと筒状金属管では、外径・内径公差を正確に管理しなくてはならず、セラミックスの加工が必須となり、コスト高だという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4210417号公報
【特許文献2】特許第3813654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、筒状セラミックスの外側に筒状金属管を被せた状態で一体化し、耐熱性、密着性がよい接合体を製造する方法が求められている。
【0005】
本発明の課題は、筒状セラミックスの外側に筒状金属管を被せて接合した、耐熱性があり密着性のよいセラミックス金属接合体、及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
筒状セラミックス体の外周面に、その外周面との間に間隙を有した状態で筒状金属管を被せて、その間隙内に溶湯を充填することによりセラミックス金属接合体を製造することができることを見出した。すなわち、本発明によれば、筒状セラミックスの外側に筒状金属管を被せて接合したセラミックス金属接合体、及びその製造方法が提供される。
【0007】
[1] 筒状セラミックス体の外周面に、その外周面との間に間隙を有した状態で筒状金属管を被せて、金型で形成されたキャビティ内に配置し、前記キャビティ内に溶湯を供給することにより、前記筒状セラミックス体と前記筒状金属管との前記間隙内に前記溶湯を充填し、それを固化させて前記筒状セラミックス体と前記筒状金属管とを接合したセラミックス金属接合体を製造するセラミックス金属接合体の製造方法。
【0008】
[2] 前記筒状セラミックス体の端面に封止部材を配置した状態で、前記筒状セラミックス体と前記筒状金属管とを前記キャビティ内に配置し、前記キャビティ内に溶湯を供給する前記[1]に記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
【0009】
[3] 前記筒状金属管の長さよりも前記筒状セラミックス体の長さが短く、前記封止部材と前記筒状セラミックス体との間にスペーサーを配置し、前記キャビティ内に溶湯を供給する前記[2]に記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
【0010】
[4] 前記スペーサーには、前記封止部材の凸部と嵌合する凹部が設けられている前記[3]に記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
【0011】
[5] 前記筒状セラミックス体は、隔壁を有し、前記隔壁によって、流体の流路となる多数のセルが区画形成されたハニカム構造体である前記[1]〜[4]のいずれかに記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
【0012】
[6] 前記溶湯は、融点が700℃以下の金属である前記[1]〜[5]のいずれかに記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
【0013】
[7] 筒状セラミックス体と、その筒状セラミックス体の外周面に被された筒状金属管と、を含み、前記筒状セラミックス体と前記筒状金属管との間に、700℃以下の融点の金属が溶融状態で充填されて、前記金属が固化することにより接合されたセラミックス金属接合体。
【0014】
[8] 前記筒状金属管の長さよりも前記筒状セラミックス体の長さが短く、前記筒状セラミックス体の軸方向の端面が前記筒状金属管内に収まっており、前記筒状金属管に前記筒状セラミックス体と接しないツバ部が形成されている前記[7]に記載のセラミックス金属接合体。
【0015】
[9] 前記筒状セラミックス体は、隔壁を有し、前記隔壁によって、流体の流路となる多数のセルが区画形成されたハニカム構造体である前記[7]または[8]に記載のセラミックス金属接合体。
【0016】
[10] 前記ハニカム構造体は、成分に炭化珪素を含む前記[9]に記載のセラミックス金属接合体。
【発明の効果】
【0017】
本発明のセラミックス金属接合体の製造方法によれば、筒状セラミックス体の外周面を筒状金属管で覆って一体化したセラミックス金属接合体を製造することができる。筒状セラミックス体と筒状金属管との間隙の全体に溶湯が充填されて固化するため、強固にこれらを接合することができる。また、この方法で製造されたセラミックス金属接合体は、筒状セラミックス体と筒状金属管との密着性がよいため、筒状セラミックス体と筒状金属管との熱伝導性もよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のセラミックス金属接合体の一実施形態の端面を示す模式図である。
【図2】本発明のセラミックス金属接合体の一実施形態を示す斜視図である。
【図3】本発明のセラミックス金属接合体を製造するダイキャスト装置を示す断面模式図である。
【図4】本発明のセラミックス金属接合体を用いた熱交換器の一実施形態を示す模式図である。
【図5A】ツバ部を有するセラミックス金属接合体の一実施形態を示す斜視図である。
【図5B】ツバ部を有するセラミックス金属接合体の他の実施形態を示す斜視図である。
【図6】ツバ部を有するセラミックス金属接合体を製造するための封止部材を示す断面図である。
【図7A】スペーサーを示す平面図である。
【図7B】図7AのスペーサーのA−A断面図である。
【図8】ツバ部を有するセラミックス金属接合体を製造するダイキャスト装置を示す断面模式図である。
【図9】スペーサー取り出し用治具を用いて、スペーサーを取り出すところを説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
【0020】
(実施形態1)
図1に、本発明のセラミックス金属接合体(以下、単に接合体ともいう)10を軸方向の一方の端面から見た模式図、図2に、接合体10の斜視図を示す。接合体10は、筒状セラミックス体11と、その筒状セラミックス体11の外周面7hに被された筒状金属管12と、を含む。そして、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間に、700℃以下の融点の金属が溶融状態で充填され、それが固化して金属接合材層13となり筒状セラミックス体11と筒状金属管12とが接合されている。本明細書における溶融状態とは、完全溶融状態のみならず、半溶融状態(固体から、固液共存になった状態)、半凝固状態(一度液体にしてから、液固共存になった状態)のセミソリッドも含む。
【0021】
筒状セラミックス体11とは、セラミックスで筒状に形成され、軸方向の一方の端面2から他方の端面2まで貫通する流体の流路を有するものである。筒状とは、円筒状(円柱状)に限らず、四角柱状やその他の形状であってもよい。筒状セラミックス体11としては、隔壁4を有し、隔壁4によって、流体の流路となる多数のセルが区画形成されたハニカム構造体1を挙げることができる。隔壁4は、多孔質体であってもよい。隔壁4を有することにより、筒状セラミックス体11の内部を流通する流体からの熱を効率よく集熱し、外部に伝達することができる。図1及び図2は、多数のセル3が形成されたハニカム構造体1を筒状セラミックス体11として用いた実施形態を示す。なお、ハニカム構造体1を直列に複数組み合わせた状態で使用してもよい。その際に、セル3内を通過する流体の流路抵抗を増加させるために、それぞれのハニカム構造体1のセル3の位相を回転させた状態(例えば、2本のハニカム構造体1の相対角度を45°回転させた状態)で筒状金属管12をハニカム構造体1(筒状セラミックス体11)に被せてもよい。
【0022】
本発明のセラミックス金属接合体の製造方法では、筒状セラミックス体11の外周面に、その外周面との間に間隙49を有した状態で筒状金属管12を被せて、金型41で形成されたキャビティ42内に配置する。そして、キャビティ42内に溶湯を供給することにより、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間隙49内に溶湯を充填する。それが固化して金属接合材層13となり、筒状セラミックス体11と筒状金属管12とを接合したセラミックス金属接合体10となる。
【0023】
なお、金型41内にキャビティ42を形成し、その中に配置した筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間隙49内に溶湯を充填する方法としては、重力鋳造、低圧鋳造、ダイキャスト(高圧鋳造)等を用いることができる。ダイキャストは、サイクルタイム(コスト)に優れ、狭い隙間に溶湯を充填しやすい。また、低圧鋳造は、サイクルタイムは長くなるが、品質、材料歩留り等に優れる。
【0024】
図3に本発明のセラミックス金属接合体の製造方法に用いることのできる一実施形態として、ダイキャスト装置40を示す。なお、本発明のセラミックス金属接合体の製造方法は、ダイキャストに限定されない。ダイキャスト装置40は、金型41とスリーブ45を備える。金型41は、可動型金型41aと固定型金型41bによって構成され、可動型金型41aと固定型金型41bとを型締めすることにより、内部にキャビティ42が形成される。キャビティ42は、筒状セラミックス体11と筒状金属管12が収容可能に形成されている。筒状セラミックス体11は、その軸方向が上下方向となるようにキャビティ42内に配置される。また、筒状金属管12と筒状セラミックス体11とは、間隙49を有した状態で、筒状金属管12がキャビティ42に隙間なく嵌るように構成することが好ましい。このようにすることにより、筒状金属管12と筒状セラミックス体11との間隙49に溶湯を充填することができる。筒状セラミックス体11が配置されるキャビティ42に溶湯を供給する供給口となるゲート41gは、筒状セラミックス体11の径よりも小さい縮径とされている。これにより、キャビティ42内に加圧して溶湯を供給することができる。
【0025】
スリーブ45は、金型41に連通しており、プランジャー46、注湯口47を備える。注湯口47から注入された溶湯を、スリーブ45は一時的に保持することができる。そして、スリーブ45へ注入された溶湯を、プランジャー46によって金型41のキャビティ42内に供給する。なお、金型41内に溶湯を供給する際に、金型温度は融点以下の温度に設定しておくことが好ましい。具体的には、溶湯を供給する際の金型温度は、溶湯の融点よりも15〜500℃低い温度であることが好ましく、30〜400℃低い温度であることがより好ましく、30〜300℃低い温度であることが特に好ましい。金型温度が低すぎると、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間の間隙49に溶湯を充填させることが難しくなり、高すぎるとエネルギーコストがかかる上にリードタイムが長くなり、金型寿命も短くなる。
【0026】
プランジャー46によりスリーブ45内の溶湯を加圧することにより、溶湯を型内に射出し、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間の間隙49に溶湯を充填させることができる。溶湯が加圧されてキャビティ42内に供給されるために、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間の間隙49に溶湯を充填することができる。そして、それが冷却されることで接合体10を得ることができる。溶湯となる金属は特に限定されないが、700℃以下の融点をもつ金属であることが好ましく、78℃以上の融点であることがさらに好ましい。700℃以下の融点であれば、コストを抑えることができる。78℃以上の融点であれば、使用時の耐熱性に優れる。溶湯としては、例えば、Al、Mg、Sn、Cu、Ag、Zn、Cd、In、Biから少なくとも一つ以上が含まれた金属を使用することができる。金属の熱伝導率については、20W/m・K以上であることが好ましく、90W/m・K以上であることがより好ましく、150W/m・K以上であることが特に好ましい。20W/m・K以上にすることによって、伝熱特性の良好な製品を得ることができる。また、金属の耐力については、150MPa以下であることが好ましく、130MPa以下であることがより好ましく、70MPa以下であることが特に好ましい。150MPa以下にすることによって、セラミックスの割れを防ぎ製品の耐久性を向上させることができる。
【0027】
焼きばめで筒状セラミックス体11と筒状金属管12を一体化する場合は、筒状セラミックス体11の外径と筒状金属管12の内径とを精度よく作製する必要がある。しかし、本発明の製造方法のように、高圧鋳造により溶湯を充填する方法では、セラミックスの高精度の加工が不要となるためコストダウンが可能になるという利点がある。間隙49のサイズは、0.05〜5mmであることが好ましく、0.1〜3mm程度がより好ましく、0.5〜2mm程度が特に好ましい。間隙49のサイズが大きすぎると、熱伝達特性が低下し熱交換性能が悪くなる場合があり、小さすぎると、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間の間隙49に溶湯を充填させることが難しくなる。ダイキャスト装置40にて高圧鋳造を行うことにより、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間隙49の全体に溶湯を充填することができる。間隙49の全体に溶湯が充填されて固化されるため、筒状セラミックス体11と筒状金属管12とが強固に接合される。また、これらの密着性がよいため、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との熱伝導性もよい。
【0028】
焼きばめは化学的な結合が無いため、熱伝達が良くない。一方、ろう付けや本発明の溶湯接合の場合は、化学的な結合が得られるため、熱伝達ではなく熱伝導になり、伝熱特性が向上する。化学結合が得られるのはろう付けも溶湯接合も同じであるが、ろう付けの場合、セラミックスや金属とろう材が高温で接している時間が長いため、反応が進みすぎ、硬くて脆い金属間化合物ができる場合が多い。それに対し、本発明のセラミックス金属接合体の製造方法である溶湯接合の場合は、充填してから固化まで秒単位の作業なので、極小さい範囲での化学的な結合が得られ、反応が進みすぎず、機械的特性が悪い金属間化合物などができにくく好ましい。
【0029】
筒状セラミックス体11としてハニカム構造体1等の中空のものを用いる場合、端面2に封止部材50を配置した状態で、ハニカム構造体1と筒状金属管12とをキャビティ42内に配置し、キャビティ42内に溶湯を供給する。封止部材50は、筒状セラミックス体11の内部に溶湯が浸入することを防ぐものであり、筒状セラミックス体11の端面を覆う形状を有する。また、溶湯の流れを筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間の隙間に誘導するために、円錐、角錐等の錐体であってもよい。このような封止部材50を配置することにより、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間の隙間に溶湯を充填することができる。さらに、封止をより完全にするために、軟質パッキンを筒状セラミックス体11と封止部材50との間に挟むことが好ましい。軟質パッキンとしては、例えば、グラファイトシートを挙げることができる。軟質パッキンの厚みとしては、0.025〜1.5mmであることが好ましい。
【0030】
筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間に均一な空間を保持するために、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間に、スペーサーを入れることが好ましい。スペーサーとしては、例えば、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間の間隙49と同じ厚みの板材で、溶湯となる金属と同種の材質であるものを利用することができる。このようなスペーサーを間隙49に複数個配置することにより、間隙49を均一な間隔として溶湯を充填することができる。
【0031】
筒状セラミックス体11は、熱伝導率が100W/m・K以上であることが好ましい。より好ましくは、120〜300W/m・K、さらに好ましくは、150〜300W/m・Kである。この範囲とすることにより、熱伝導性が良好となり、効率的に筒状セラミックス体11内の熱を金属管12の外側に排出できる。
【0032】
筒状セラミックス体11は、耐熱性に優れるセラミックスを用いることが好ましく、特に伝熱性を考慮すると、熱伝導性が高いSiC(炭化珪素)が主成分であることが好ましい。なお、主成分とは、筒状セラミックス体11の50質量%以上が炭化珪素であることを意味する。
【0033】
但し、必ずしも筒状セラミックス体11の全体がSiC(炭化珪素)で構成されている必要はなく、SiC(炭化珪素)が本体中に含まれていれば良い。即ち、筒状セラミックス体11は、SiC(炭化珪素)を含むセラミックスからなるものであることが好ましい。
【0034】
但し、SiC(炭化珪素)であっても多孔体の場合は高い熱伝導率が得られないため、筒状セラミックス体11の作製過程でシリコンを含浸させて緻密体構造とすることが好ましい。緻密体構造にすることで高い熱伝導率が得られる。例えば、SiC(炭化珪素)の多孔体の場合、20W/m・K程度であるが、緻密体とすることにより、150W/m・K程度とすることができる。
【0035】
筒状セラミックス体11として、Si含浸SiC、(Si+Al)含浸SiC、金属複合SiC、再結晶SiC、Si、及びSiC等を採用することができるが、高い熱交換率を得るための緻密体構造とするためにSi含浸SiC、(Si+Al)含浸SiCを採用することができる。Si含浸SiCは、SiC粒子表面を金属珪素融体の凝固物が取り囲むとともに、金属珪素を介してSiCが一体に接合した構造を有するため、炭化珪素が酸素を含む雰囲気から遮断され、酸化から防止される。さらに、SiCは、熱伝導率が高く、放熱しやすいという特徴を有するが、Siを含浸するSiCは、高い熱伝導率や耐熱性を示しつつ、緻密に形成され、伝熱部材として十分な強度を示す。つまり、Si−SiC系(Si含浸SiC、(Si+Al)含浸SiC)材料からなる筒状セラミックス体11は、耐熱性、耐熱衝撃性、耐酸化性をはじめ、酸やアルカリなどに対する耐蝕性に優れた特性を示すとともに、高熱伝導率を示す。
【0036】
筒状セラミックス体11を、一方の端面2から他方の端面2まで貫通する流体の流路となる複数のセル3が隔壁4によって区画形成されたハニカム構造体1として形成することができる。この場合、セル3の軸方向に垂直な断面の形状は、円形、楕円形、三角形、四角形、その他の多角形等の中から所望の形状を適宜選択すればよい。
【0037】
ハニカム構造体1のセル密度(即ち、単位断面積当たりのセルの数)については特に制限はなく、目的に応じて適宜設計すればよいが、25〜2000セル/平方インチ(4〜320セル/cm)の範囲であることが好ましい。セル密度をこの範囲とすることにより、隔壁4の強度、ひいてはハニカム構造体1自体の強度及び有効GSA(幾何学的表面積)の不足を防止しつつ、熱媒体がセル3を流れる際の圧力損失が大きくなることを防止することができる。
【0038】
また、ハニカム構造体1の1つ当たりのセル数は、1〜10,000が望ましく、200〜2,000が特に望ましい。セル数をこの範囲とすることにより、ハニカム自体が大きくなることによって、第一の流体側から第二の流体側までの熱伝導距離が長くなり、熱伝導ロスが大きくなることを防止することができる。また、第一の流体側の熱伝達面積が小さくなり第一の流体側の熱抵抗を下げることが出来ず熱流束が小さくなることを防止することができる。
【0039】
ハニカム構造体1のセル3の隔壁4の厚さ(壁厚)についても、目的に応じて適宜設計すればよく、特に制限はない。壁厚を50μm〜2mmとすることが好ましく、60〜500μmとすることが更に好ましい。壁厚をこの範囲とすることにより、機械的強度を増加させ、衝撃や熱応力によって破損することを防止することができる。また、ハニカム構造体側に占めるセル容積の割合を大きくし、流体の圧力損失を小さくすることができる。さらに、熱交換率を向上させることができる。
【0040】
ハニカム構造体1のセル3の隔壁4の密度は、0.5〜5g/cmであることが好ましい。この範囲とすることにより、隔壁4の強度を十分なものとすることができる。また、隔壁4の強度を十分なものとしつつ、軽量化することができる。さらに、熱伝導率を向上させる効果も得られる。
【0041】
後述するように、接合体10は、熱交換器30(図4参照)に利用することができる。熱交換器30に流通させる第一の流体(高温側)が排ガスの場合、第一の流体(高温側)が通過するハニカム構造体1のセル3内部の壁面には、触媒が担持されていることが好ましい。これは、排ガス浄化の役割に加えて、排ガス浄化の際に発生する反応熱(発熱反応)も熱交換することが可能になるためである。貴金属(白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、インジウム、銀、及び金)、アルミニウム、ニッケル、ジルコニウム、チタン、セリウム、コバルト、マンガン、亜鉛、銅、亜鉛、スズ、鉄、ニオブ、マグネシウム、ランタン、サマリウム、ビスマス及びバリウムからなる群から選択された元素を少なくとも一種を含有すると良い。これらは金属、酸化物、及びそれ以外の化合物であっても良い。
【0042】
第一の流体(高温側)が通過するハニカム構造体1の第一流体流通部5のセル3の隔壁4に担持される触媒(触媒金属+担持体)の担持量としては、10〜400g/Lであることが好ましく、貴金属であれば0.1〜5g/Lであることが更に好ましい。触媒(触媒金属+担持体)の担持量をこの範囲とすると、触媒作用が十分に発現する。また、圧力損失の増大や、製造コストの上昇を防止することもできる。
【0043】
筒状金属管12としては、耐熱性、耐蝕性のあるものが好ましく、例えば、SUS管、Cr−Mo合金鋼管等の鋼管、銅管、真鍮管等の銅合金管、アルミ管、アルミ合金等の非鉄管を用いることができる。原子力等の特殊な用途の場合は、チタン管、ニッケル合金管、コバルト合金管等を用いることもできる。筒状金属管12の内径は、筒状セラミックス体11の外径よりも大きく、筒状金属間12の内径をdm、筒状セラミックス体11の外径をdcとした場合、dm=dc+0.1mm〜dc+4.0mmであることが好ましく、dm=dc+0.2mm〜dc+2.0mmであることがより好ましく、dm=dc+0.5mm〜dc+1.5mmが特に好ましい。この範囲にあることが、溶湯を筒状金属管12と筒状セラミックス体11との間隙49に充填し、強固なセラミックス金属接合体11とするために好ましい。また、筒状金属管12の内面や筒状セラミックス体11の外面に、メッキ等で表面処理をしておくことも好ましい。溶湯との濡れ性が向上し、製品品質が向上する。あるいは、同様の理由で、同面にフラックスを塗っておくことも好ましい。
【0044】
次に、本発明の接合体10の製造方法を説明する。まず、セラミックス粉末を含む坏土を所望の形状に押し出し、ハニカム成形体を作製する。ハニカム構造体1の材料としては、前述のセラミックスを用いることができるが、例えば、Si含浸SiC複合材料を主成分とするハニカム構造体1を製造する場合、所定量のC粉末、SiC粉末、バインダー、水又は有機溶媒を混練し坏土とし、成形して所望形状のハニカム成形体を得る。
【0045】
そしてハニカム成形体を乾燥し、Si含浸焼成することによって、隔壁4によってガスの流路となる複数のセル3が区画形成されたハニカム構造体1を得ることができる。
【0046】
次に、図3に示すように、ハニカム構造体1の外周面7hに、その外周面7hとの間に間隙49を有した状態で筒状金属管12を被せて、金型41で形成されたキャビティ42内に配置する。そして、キャビティ42内に溶湯を供給することにより、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間隙49内に溶湯を充填する。充填された溶湯が固化して金属接合材層13となり、筒状セラミックス体11と筒状金属管12とを接合したセラミックス金属接合体10とすることができる。
【0047】
次に、セラミックス金属接合体10を用いた一実施形態として熱交換器30を説明する。図4に本発明の接合体10を含む熱交換器30の斜視図を示す。筒状セラミックス体11の内部に第一の流体を、筒状金属管12の外周面12h側に第一の流体よりも低温の第二の流体を流通させることにより、第一の流体と第二の流体との熱交換を行うことができる。図4に示すように、熱交換器30は、接合体10(ハニカム構造体1+金属接合材層13+筒状金属管12)と、接合体10を内部に含むケーシング21とによって形成されている。筒状セラミックス体11のハニカム構造体1のセル3が第一の流体が流通する第一流体流通部5となる。熱交換器30は、ハニカム構造体1のセル3内を、第二の流体よりも高温の第一の流体が流通するように構成されている。また、ケーシング21に第二の流体の入口22及び出口23が形成されており、第二の流体は、接合体10の筒状金属管12の外周面12h上を流通する。
【0048】
つまり、ケーシング21の内側面24と筒状金属管12の外周面12hとによって第二流体流通部6が形成されている。第二流体流通部6は、ケーシング21と筒状金属管12の外周面12hとによって形成された第二の流体の流通部であり、第一流体流通部5とハニカム構造体1の隔壁4、金属接合材層13、筒状金属管12によって隔たれて熱伝導可能とされており、第一流体流通部5を流通する第一の流体の熱を隔壁4、金属接合材層13、筒状金属管12を介して受け取り、流通する第二の流体である被加熱体へ熱を伝達する。第一の流体と第二の流体とは、完全に分離されており、これらの流体は混じり合わないように構成されている。
【0049】
第一流体流通部5は、ハニカム構造として形成されており、ハニカム構造の場合、流体がセル3の中を通り抜ける時には、流体は隔壁4により別のセル3に流れ込むことが出来ず、ハニカム構造体1の入口から出口へと直線的に流体が進む。また、本発明の熱交換器30内のハニカム構造体1は、目封止されておらず、流体の伝熱面積が増し熱交換器30のサイズを小さくすることができる。これにより、熱交換器30の単位体積あたりの伝熱量を大きくすることができる。さらに、ハニカム構造体1に目封止部の形成やスリットの形成等の加工を施すことが不要なため、熱交換器30は、製造コストを低減することができる。
【0050】
熱交換器30は、第二の流体よりも高温である第一の流体を流通させ、第一の流体から第二の流体へ熱伝導するようにすることが好ましい。第一の流体として気体を流通させ、第二の流体として液体を流通させると、第一の流体と第二の流体の熱交換を効率よく行うことができる。つまり、本発明の熱交換器30は、気体/液体熱交換器として適用することができる。
【0051】
以上のような構成の本発明の熱交換器30に流通させる第一の流体である加熱体としては、熱を有する媒体であれば、気体、液体等、特に限定されない。例えば、気体であれば自動車の排ガス等が挙げられる。また、加熱体から熱を奪う(熱交換する)第二の流体である被加熱体は、加熱体よりも低い温度であれば、媒体としては、気体、液体等、特に限定されない。
【0052】
(実施形態2)
図5A,及び図5Bにツバ部を有するセラミックス金属接合体10の実施形態を示す。図5Aは、筒状セラミックス体11として中空のセラミックス管を用いた実施形態である。また、図5Bは、筒状セラミックス体11としてハニカム構造体1を用いた実施形態である。
【0053】
図5A,及び図5Bに示すように、本発明の接合体10は、筒状金属管12の長さよりも筒状セラミックス体11の長さが短く、筒状セラミックス体11の軸方向の端面11sが筒状金属管12内に収まっている。筒状金属管12に筒状セラミックス体11と接しないツバ部12aが形成されている。筒状セラミックス体11の端面11sが筒状金属管12内に収まってツバ部12aが形成されていると、接合体10を加工して、配管等に接続しやすく、利用しやすい。
【0054】
図6〜図8を用いて、ツバ部12aを有する接合体10の製造方法について説明する。図6は、ツバ部12aを有するセラミックス金属接合体10を製造するための封止部材51を示す。封止部材51は、2つのパーツにより構成されている。円錐等の錐体である本体部51a、本体部51aから突出した凸部51bである。
【0055】
図7Aは、ツバ部12aを有するセラミックス金属接合体10を製造するためのスペーサー52の平面図、図7Bは、図7AのA−A断面図である。スペーサー52は、円板状の本体部52aの一方の面の中央部に凹部52bが形成され、凹部52bの中央には、雌ねじ部52cが形成されている。本体部52aの外径側面52t、および凹部52bを形成する、本体部52aの内径側面52s(本体部52aと凹部52bとの境界の面)は2〜3degのテーパーが設けられていたほうが着脱しやすく、望ましい。
【0056】
スペーサー52には、封止部材51の凸部51bと嵌合する凹部52bが設けられている。封止部材51の凸部51bとスペーサー52の凹部52bとが嵌合することにより、封止部材51とスペーサー52の芯出しをすることができる。また、溶湯が、雌ねじ部52cに流入することを防ぐことができる。
【0057】
図8は、ツバ部12aを有するセラミックス金属接合体10を製造するダイキャスト装置40を示す断面模式図である。筒状金属管12の長さよりも筒状セラミックス体11の長さが短い。このため封止部材51と筒状セラミックス体11との間にスペーサー52を配置し、キャビティ42内に溶湯を供給する。間隙49に溶湯の充填が終了して、溶湯が固化した後、図9に示すように、封止部材51をはずす。そして、スペーサー取り出し用治具53を用いて、スペーサー52を取り出す。具体的には、スペーサー52の雌ねじ部52cにスペーサー取り出し用治具53の雄ねじ部53cを入れてスペーサー52を取り出すことができる。以上のようにして、ツバ部12aを有するセラミックス金属接合体10を製造することができる。
【実施例】
【0058】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0059】
(実施例1)
セラミックス粉末を含む坏土を所望の形状に押し出した後、乾燥し、Si含浸焼成することによって、材質が炭化珪素、本体サイズが直径(外径)43mm、長さ100mmの円柱状(筒状)のハニカム構造体1を製造した。すなわち、筒状セラミックス体11として、ハニカム構造体1を用いた。ハニカム構造体1のセル密度は23.3セル/cm、隔壁4の厚さ(壁厚)は0.3mm、ハニカム構造体1の熱伝導率は150W/m・Kであった。
【0060】
筒状金属管12として直径45mm、厚さ0.5mmのSUS管を作製した。そして、筒状セラミックス体11の外周面に、その外周面との間に間隙49(0.5mm)を有した状態で筒状金属管12を被せて、筒状セラミックス体11の両端面2,2を覆う様に軟質のグラファイトシート0.25mmを貼り付けた後、金型41と同材質で製作した円錐形状の封止部材50を重ね、S45C製金型41で形成されたキャビティ42内に溶湯の流れを損なわない様に配置し、510〜610℃に金型41を昇温した(図3参照)。そして、熱伝導率およそ200W/m・K、耐力およそ34MPaの99.5%アルミの溶湯(融点657℃)を融点以上に加熱した状態でキャビティ42内に加圧・供給することにより、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間隙49内に溶湯を充填した。溶湯を固化させることにより、筒状セラミックス体11と筒状金属管12とを接合したセラミックス金属接合体10とした。
【0061】
(実施例2)
筒状金属管12として直径45mm、厚さ0.5mmのSUS管を作製した。そして、筒状セラミックス体11の外周面に、その外周面との間に間隙49(1.0mm)を有した状態で筒状金属管12を被せて、筒状セラミックス体11の両端面2,2を覆う様に軟質のグラファイトシート0.25mmを貼り付けた後、金型41と同材質で製作した円錐形状の封止部材50を重ね、S45C製金型41で形成されたキャビティ42内に溶湯の流れを損なわない様に配置し、450〜550℃に金型41を昇温した(図3参照)。そして、およそ170W/m・K、耐力およそ69MPaのAl−Si−Fe合金(融点584℃)を融点以上に加熱した状態でキャビティ42内に加圧・供給することにより、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間隙49内に溶湯を充填した。溶湯を固化させることにより、筒状セラミックス体11と筒状金属管12とを接合したセラミックス金属接合体10とした。
【0062】
(比較例1)
筒状金属管12として直径45mm、厚さ0.5mmのSUS管を用いた。融点約1000℃のNiろう材BNi−2(ペースト状)を、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間隙49内に間隙49の厚みと同じだけ充填し(常温で入らない場合は、筒状金属管12のみを温めた)、真空中で昇温して融点より+30〜50℃高温にてろう付け処理を実施した。
【0063】
(比較例2)
筒状金属管12として直径45mm、厚さ0.5mmの低膨張のコバール管を用いた。融点約780℃の活性銀ろう材(シート状)を、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間隙49内に間隙49の厚みと同じだけ充填し(常温で入らない場合は、筒状金属管12のみを温めた)、真空中で昇温して融点より+30〜50℃高温にてろう付け処理を実施した。
【0064】
(比較例3)
筒状金属管12として直径45mm、厚さ0.5mmの低膨張のコバール管を用いた。融点約660℃のアモルファス銅合金(シート状)を、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間隙49内に間隙49の厚みと同じだけ充填し(常温で入らない場合は、筒状金属管12のみを温めた)、真空中で昇温して融点より+30〜50℃高温にてろう付け処理を実施した。
【0065】
(結果)
比較例1〜3のろう付けでは、ろう材の充填率が50%以下であり、筒状セラミックス体11の割れも見られた。実施例1,2の溶湯接合では90%以上の溶湯の充填を得ることができ、筒状セラミックス体11の割れも見られず、熱伝導性も良好なものが得られた。
【0066】
(実施例4)
以下のようにして、ツバ部12aを有するセラミックス金属接合体10を製造した。まず、実施例1と同様にして、材質が炭化珪素、本体サイズが直径(外径)42mm、長さ80mmの円柱状(筒状)のハニカム構造体1を製造した。ハニカム構造体1のセル密度は23.3セル/cm、隔壁4の厚さ(壁厚)は0.3mm、ハニカム構造体1の熱伝導率は150W/m・Kであった。
【0067】
筒状金属管12として直径45mm、厚さ0.5mmのSUS管を作製した。そして、筒状セラミックス体11の外周面に、その外周面との間に間隙49(1.0mm)を有した状態で筒状金属管12を被せて、筒状セラミックス体11の両端面2,2を覆う様に軟質のグラファイトシート0.25mmを貼り付けた後、スペーサー52、金型41と同材質で製作した円錐形状の封止部材51を重ね、S45C製金型41で形成されたキャビティ42内に溶湯の流れを損なわない様に配置し、520℃に金型41を昇温した(図8参照)。そして、熱伝導率およそ200W/m・K、耐力およそ34MPaの99.5%アルミの溶湯(融点657℃)(ダイキャスト用合金ADC12/HT−1)を融点以上に加熱した状態でキャビティ42内に加圧・供給することにより、筒状セラミックス体11と筒状金属管12との間隙49内に溶湯を充填した。溶湯を固化させることにより、セラミックス金属接合体10とした。
【0068】
(結果)
実施例4の溶湯接合では90%以上の溶湯の充填を得ることができ、ハニカム構造体1(筒状セラミックス体11)の割れも見られず、熱伝導性も良好なものが得られた。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の製造方法は、筒状セラミックス体と筒状金属管との接合に利用することができる。本発明のセラミックス金属接合体は、筒状セラミックス体が筒状金属管で保護されており、熱交換体等に利用することができる。
【符号の説明】
【0070】
1:ハニカム構造体、2:(軸方向の)端面、3:セル、4:隔壁、5:第一流体流通部、6:第二流体流通部、7:外周壁、7h:(ハニカム構造体の)外周面、10:接合体、11:筒状セラミックス体、11s:端面、12:筒状金属管、12a:ツバ部、12h:(金属管の)外周面、13:金属接合材層、21:ケーシング、22:(第二の流体の)入口、23:(第二の流体の)出口、24:(ケーシングの)内側面、30:熱交換器、40:ダイキャスト装置、41:金型、41a:可動型金型、41b:固定型金型、41g:ゲート、42:キャビティ、45:スリーブ、46:プランジャー、47:注湯口、49:間隙、50,51:封止部材、51a:本体部、51b:凸部、52:スペーサー、52a:本体部、52b:凹部、52c:雌ねじ部、52s:内径側面、52t:外径側面、53:スペーサー取り出し用治具、53c:雄ねじ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状セラミックス体の外周面に、その外周面との間に間隙を有した状態で筒状金属管を被せて、金型で形成されたキャビティ内に配置し、
前記キャビティ内に溶湯を供給することにより、前記筒状セラミックス体と前記筒状金属管との前記間隙内に前記溶湯を充填し、それを固化させて前記筒状セラミックス体と前記筒状金属管とを接合したセラミックス金属接合体を製造するセラミックス金属接合体の製造方法。
【請求項2】
前記筒状セラミックス体の端面に封止部材を配置した状態で、前記筒状セラミックス体と前記筒状金属管とを前記キャビティ内に配置し、前記キャビティ内に溶湯を供給する請求項1に記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
【請求項3】
前記筒状金属管の長さよりも前記筒状セラミックス体の長さが短く、前記封止部材と前記筒状セラミックス体との間にスペーサーを配置し、前記キャビティ内に溶湯を供給する請求項2に記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
【請求項4】
前記スペーサーには、前記封止部材の凸部と嵌合する凹部が設けられている請求項3に記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
【請求項5】
前記筒状セラミックス体は、隔壁を有し、前記隔壁によって、流体の流路となる多数のセルが区画形成されたハニカム構造体である請求項1〜4のいずれか1項に記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
【請求項6】
前記溶湯は、融点が700℃以下の金属である請求項1〜5のいずれか1項に記載のセラミックス金属接合体の製造方法。
【請求項7】
筒状セラミックス体と、
その筒状セラミックス体の外周面に被された筒状金属管と、を含み、
前記筒状セラミックス体と前記筒状金属管との間に、700℃以下の融点の金属が溶融状態で充填されて、前記金属が固化することにより接合されたセラミックス金属接合体。
【請求項8】
前記筒状金属管の長さよりも前記筒状セラミックス体の長さが短く、前記筒状セラミックス体の軸方向の端面が前記筒状金属管内に収まっており、前記筒状金属管に前記筒状セラミックス体と接しないツバ部が形成されている請求項7に記載のセラミックス金属接合体。
【請求項9】
前記筒状セラミックス体は、隔壁を有し、前記隔壁によって、流体の流路となる多数のセルが区画形成されたハニカム構造体である請求項7または8に記載のセラミックス金属接合体。
【請求項10】
前記ハニカム構造体は、成分に炭化珪素を含む請求項9に記載のセラミックス金属接合体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−214363(P2012−214363A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−49522(P2012−49522)
【出願日】平成24年3月6日(2012.3.6)
【出願人】(000004064)日本碍子株式会社 (2,325)
【Fターム(参考)】