説明

セラミック基板用導体ペーストおよび電気回路

セラミック基板用導体ペーストが、a)銀粉末およびパラジウム粉末を含む導電性金属粉末と、b)ガラス粉末と、c)有機溶媒とを含み、導電性金属粉末の平均粒径が1.2μm以下であり、ガラス粉末がBi−SiO−Bタイプのガラス粉末であり、ガラス粉末の含量がペーストの重量に基づいて1〜6重量%の範囲内である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック基板に回路を形成するのに用いる導体ペースト、および導体ペーストを用いた電気回路を有する回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミック、例えば、アルミナ(Al)または窒化アルミニウム(AlN)製の回路基板は、様々な電子部品に回路基板として、よく用いられている。
【0003】
セラミック基板等の回路(導体層)を形成する方法の1つとして、導体ペーストを用いて、スクリーン印刷、乾燥および焼成のプロセスにより、電気回路が形成されている。
【0004】
導体ペーストは、概して、導体粉末およびガラス粉末が有機媒体中に分散されたものである。例えば、特開平10−340622号公報には、導体粉末が銀およびパラジウムを含み、ガラス粉末の平均粒径が1.5μm以下、軟化点が750〜900℃の範囲内、二酸化ケイ素粉末の平均粒径が0.1μm以下で、有機ビヒクルに分散された導体ペーストが開示されている。
【0005】
米国特許出願公開第2004−0245508号明細書には、ホウ素含有化合物と金属酸化物を含む窒化アルミニウム基板用導体ペーストが開示されており、この構造は、接着強度を増加させる設計である。
【0006】
一方、近年、環境問題を低減するために、鉛およびカドミウムの廃止が推奨されてきた。また、製造コストを抑えるために、焼成温度を下げる(650℃以下まで)のが望ましい。導体フィルムをセラミック基板に形成する焼成温度は、概して、約850℃であったことに留意する。
【0007】
接着力を維持することが重要である。650℃より低い焼成温度で良好な接着力を増進させるには、ペースト中に低軟化点のガラスフリットを用いるだけでは十分でない。かかる低温で生じるであろう1つの問題は、焼結が不十分で、強固な結合がなされず、接着力が制限されることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、鉛フリーおよびカドミウムフリーで、650℃以下の低温で焼成でき、セラミック基板上で優れた接着強度を有する導体ペーストを提供することである。さらに、本発明の目的は、セラミック基板と導体フィルムとの間の接着強度が適切な電気回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態は、a)銀、パラジウムおよび銀とパラジウムの混合物からなる群から選択される導電性金属粉末と、b)ガラス粉末と、c)有機溶媒とを含むセラミック基板用導体ペーストであって、導電性金属粉末の平均粒径が1.2μm以下であり、ガラス粉末がBi−SiO−Bタイプのガラス粉末であり、ガラス粉末の含量がペーストの重量に基づいて1〜6重量%の範囲内である、導体ペーストである。
【0010】
本発明の他の態様は、セラミック基板上に、a)銀、パラジウムおよび銀とパラジウムの混合物からなる群から選択される導電性金属粉末と、b)ガラス粉末と、c)有機溶媒とを含む導体ペーストであって、導電性金属粉末の平均粒径が1.2μm以下であり、ガラス粉末がBi−SiO−Bタイプのガラス粉末であり、ガラス粉末の含量がペーストの重量に基づいて1〜6重量%の範囲内である、導体ペーストを塗布する工程と、セラミック基板上に塗布された導体ペーストを650℃以下で焼成する工程とを含む、導体フィルムの製造方法である。
【0011】
本発明のさらに他の態様は、上記の導体フィルムの製造方法を用いて得られた導体フィルムを含む回路を有する電気回路基板である。
【0012】
本発明によれば、セラミック基板と導体フィルムとの間の接着強度の優れた電気回路基板が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の導体フィルムを製造する方法を説明する概略図からなる。
【図2】本発明の導体フィルムを含む回路を有する電気回路基板の一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
セラミック基板と低温で焼成された導体フィルムとの間の結合は不十分となる恐れがある。これは、いくつかの理由による。例えば、低温では、Ag粉末の焼結は十分に進まず、導体フィルムのガラス層とセラミック基板間に強固な結合が形成されない。本発明は、これらの問題を防ぐことが分かった。
【0015】
本発明のペーストは、a)導電性金属粉末と、b)ガラス粉末と、c)有機溶媒とを含む。
【0016】
a)導電性金属粉末
本明細書において、導電性金属粉末は、銀、パラジウムまたはこれらの混合物を含有する。好ましくは、導電性金属粉末は、少なくとも、銀粉末とパラジウム粉末の混合物、銀/パラジウム共沈粉末または銀−パラジウム合金粉末を含む。これらの2つ以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、銀/パラジウム共沈粉末または銀−パラジウム粉末を、銀粉末と混合してもよい。共沈粉末の例を挙げると、(1)銀粒子とパラジウム粒子が一緒に凝集したもの、および(2)二重層が、コアである銀またはパラジウムのいずれかにより形成されたものがある。(1)の共沈粉末を製造する方法の一例は、銀塩およびパラジウム塩の水溶液を一緒に還元して、直径約0.02〜0.06μmの銀粉末およびパラジウム粉末を生成して、これらの微粉を、所定の組成比で一緒に凝集し、見かけの直径が0.1μm以下の粒子を形成する方法である。(2)の共沈粉末を製造する方法の一例は、銀をまず還元して粒子を生成してから、パラジウムを還元して、銀粒子の表面にパラジウムを沈殿させ、コアとして銀により二重層を形成する方法である。
【0017】
パラジウム含量は、銀とパラジウム100重量%の合計量に対して、0.1〜7重量%であるのが好ましい。パラジウム含量をこの範囲内にすることにより、セラミック基板と導体フィルムとの間の接着強度が改善される。
【0018】
導電性金属粉末の平均粒径は、1.2μm以下である。平均粒径が1.2μm以下の導電性金属粉末を用いることにより、導電性金属粉末の焼結が、低温でも進み、導体フィルムとセラミック基板との間の接着強度が改善される。導電性金属粉末の平均粒径は、好ましくは、0.05〜1.2μm、より好ましくは、0.05〜0.8μmである。
【0019】
平均粒径を測定する方法として、測定は、Microtrac粒子サイズ分布測定装置を用いて行われ、D50値は、平均粒径とみなされる。
【0020】
球またはフレーク等の任意の様々な形状を、導電性金属粉末の形状として用いることができる。
【0021】
導電性金属粉末は、単分散粒子を含むのが好ましい。微粒子粉末は、高表面活性を有するため、凝集体として存在している。「単分散粒子」とは、この凝集体に、3本ロールミル、ボールミルまたはビードミル等の分散機により機械的な力を加えると、凝集体が一次粒子へと分解されて、ビヒクル(有機媒体)中に均一に分散することができる粒子を意味する。逆に、微粒子間の凝集強度が強すぎて、かかる機械的な力を加えても、一次粒子への分散ができない場合には、「単分散粒子」とは呼ばれない。ペースト中で単分散粒子を用いることにより、乾燥したフィルムの充填密度を増やし、粒子間の接触面積を増やし、焼成時の焼結密度を増やすことができる。
【0022】
必須の成分として含有される上記の導電性金属粉末に加えて、他の導電性金属粉末が含有されていてもよい。例えば、金または白金を、補助の導電性金属粉末として含めてもよい。金または白金の場合に含む量は、ペーストの重量を100重量%とすると、好ましくは、0.1〜10重量%の範囲内である。
【0023】
導電性金属粉末の含量は、ペーストの重量を100重量%とすると、好ましくは、60〜92重量%の範囲内である。
【0024】
b)ガラス粉末
Bi−SiO−Bタイプのガラス粉末をガラス粉末として用いる。「Bi−SiO−Bタイプのガラス粉末」とは、少なくともBi、SiOおよびBをその組成として含有するガラスを意味する。
【0025】
酸化ビスマス(Bi)の含量は、ガラス粉末の重量に基づいて、好ましくは、65〜90重量%であり、酸化ケイ素(SiO)の含量は、ガラス粉末の重量に基づいて、好ましくは、0.5〜8重量%である。さらに、酸化ホウ素(B)の含量は、ガラス粉末の重量に基づいて、好ましくは、3〜10重量%である。
【0026】
必要に応じて、他の成分を含有させてもよい。かかるその他の成分としては、ZnO、Al、La、TiO、ZrO、SnO、CeO、MgO、CaO、SrO、BaO、LiO、NaOおよびKOが例示される。
【0027】
ペースト中のガラス粉末はまた、組み合わせて用いる2種類以上のタイプのガラス粉末と混合してもよい。この場合、セラミック基板と導体フィルムとの間の接着強度の観点から、含有されるガラス粉末のうち、好ましくは50重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらにより好ましくは90重量%以上、最も好ましくは100重量%が、Bi−SiO−Bタイプのガラス粉末である。
【0028】
ガラス粉末の転移点および軟化点は、低温での焼成が実施できるよう低いのが好ましい。具体的には、ガラス粉末の転移点は、好ましくは、360〜450℃である。ガラスの軟化点は、好ましくは、400〜530℃である。
【0029】
以下のBi−SiO−Bガラス粉末が、ガラス粉末の組成の具体例である。しかしながら、本発明に用いるガラス粉末は、かかるBi−SiO−Bガラス粉末に限定されないことに留意する。
【0030】
Bi:65〜90重量%、
SiO:0.5〜8重量%、
:3〜10重量%、
ZnO:0〜8重量%、
Al:0〜3重量%、
TiO:0〜3重量%、
LiO、NaO、KOおよびこれらの混合物からなる群から選択されるアルカリ金属酸化物:0〜5重量%、
MgO、CaO、BaO、SrOおよびこれらの混合物からなる群から選択されるアルカリ土類金属酸化物:0〜5重量%。
【0031】
ガラス粉末の含量は、ペーストの重量を100重量%とすると、好ましくは、1〜6重量%、より好ましくは1.5〜5.0重量%である。
【0032】
c)有機溶媒
有機溶媒の種類は特に限定されない。有機溶媒としては、これらに限られるものではないが、α−テルピネオール、ブチルカルビトール、酢酸ブチルカルビトール、テキサノール、オクタノール、2−エチルヘキサノールおよびミネラルスピリットが例示される。
【0033】
有機バインダーも添加して、有機溶媒を樹脂溶液にしてもよい。かかる有機バインダーとしては、エチルセルロール樹脂、ヒドロキシプロピルセルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ロジン変性樹脂およびエポキシ樹脂が例示される。
【0034】
さらに、希釈溶媒を導体ペーストに添加して、粘度を調整してもよい。かかる希釈溶媒としては、テルピネオールおよび酢酸ブチルカルビトールが例示される。
【0035】
d)ガラス軟化点調整剤
ペーストはさらに、ガラス軟化点調整剤を含有していてもよい。ガラス軟化点調整剤を添加することにより、ガラス粉末の軟化点を下げることができる。かかるガラス軟化点調整剤としては、Cu、CuO、P、SnO、アルカリ金属ハロゲン化物およびアルカリ土類金属ハロゲン化物が例示される。これらの2つ以上を組み合わせて用いてもよい。
【0036】
ガラス軟化点調整剤含量は、ペーストの重量を100重量%とすると、0〜5重量%である。
【0037】
e)その他の添加剤
増粘剤および/または安定剤および/またはその他一般的な添加剤(例えば、焼結助剤等)を、本発明の導電ペーストに添加してもよい。その他の一般的な添加剤としては、分散剤および粘度調整剤が例示される。かかる添加剤の量は、最終的に必要とされる導体ペーストの特性に応じて決まる。添加剤の量は、当業者であれば、適宜、決めることができる。複数の添加剤を添加してよい。
【0038】
本発明のセラミック基板導体ペーストは、3本ロールミル等を用いて、様々な成分を一緒に混合することにより、適宜、製造することができる。
【0039】
次に、本発明のセラミック基板上のペーストにより電気回路を製造する方法を、図1を参照して説明する。
【0040】
本発明の導体フィルムの製造方法は、セラミック基板上に、a)銀粉末およびパラジウム粉末を含む導電性金属粉末と、b)ガラス粉末と、c)有機溶媒とを含む導体ペーストであって、導電性金属粉末の平均粒径が1.2μm以下であり、ガラス粉末がBi−SiO−Bタイプのガラス粉末であり、導電性金属粉末の含量がペーストの重量に基づいて60〜92重量%の範囲内である、導体ペーストを塗布する工程と、セラミック基板上に塗布された導体ペーストを650℃以下で焼成する工程とを含む。
【0041】
セラミック基板102を図1Aに示すようにして作製する。セラミック基板102の材料は、AlN、Al、Alとガラスの混合物、SiC、ZrO、結晶化ガラス等であってよい。
【0042】
次に、図1Bに示すように、上述した本発明による導体ペースト104’を、セラミック基板上に塗布する。印刷は、スクリーン印刷等により行ってよい。
【0043】
次に、図1Cに示すように、印刷した導体ペーストを焼成して、導体フィルム104を得る。焼成は、650℃以下、好ましくは、480〜600℃で、ベルト炉等の装置を用いて実施する。
【0044】
本発明はまた、上記の導体フィルムの製造方法を用いて得られた導体フィルムを含む回路を有する電気回路基板も含む。
【0045】
本発明の回路基板は、例えば、図2に示す構造を有する。具体的に、回路基板は、セラミック基板102、形成された導体フィルム104を含む回路、LCR部品等のチップ106ならびに、導体フィルム104とチップ106を一緒に結合するはんだ108を含む。
【0046】
この回路基板について、まず、上記の導体フィルムの製造方法を用いて得られた導体フィルム104を有するセラミック基板102に、所望のチップを、装着する。チップのセラミック基板102への装着は、チップに好適な装着手段を用いて行ってよい。次に、はんだ(例えば、組成Sn/Ag/Cu=95.75/3.5/0.75の鉛フリーのはんだ)を用いて、はんだ付けを行って、導体フィルムとチップを一緒に接続して、製造を終える。はんだ付けについては、装着したチップに好適な通常の方法を用いてよい。さらに、LCR部品の代わりに、ICパッケージ、LEDチップ、フィルタ、アンテナ部品等を同様の方法を用いて装着してもよい。
【実施例】
【0047】
本発明を実施例により、より詳細に説明するが、以下の実施例は例示に過ぎず、本発明を限定しようとするものではない。
【0048】
1.導体ペーストの調製
表1に示した各試料についての組成比に従って、導体ペーストを調製した。各試料は、試料の成分を容器へ秤量し、攪拌器を用いて一緒に混合し、3本ロールミルを用いて分散することにより調製した。
【0049】
【表1】

【0050】
樹脂溶液:ブチルカルビトール中エチルセルロース樹脂溶液を用いた。
【0051】
ガラス粉末:ガラス転移点が410℃、軟化点が450℃のBi−SiO−B組成の1つを用いた。
【0052】
銀/パラジウム共沈粉末:平均粒径が0.6μmの球状粉末である80重量%銀および20重量%パラジウムの共沈粉末を用いた。
【0053】
2.導体フィルムの形成
上述したとおりにして調製した導体ペーストを、AlNまたはAl基板上に、スクリーンマスク(ステンレス鋼、300メッシュ、乳剤厚15μm)を用いて印刷し、焼成後の厚さが、13〜16μmとなるようにした。
【0054】
次に、以下の2つの焼成条件のいずれかでベルト炉を用いて焼成を行った。
【0055】
(1)550℃焼成:実施例1〜5および比較例1〜11については、550℃で10分間、合計30分のプロフィール、保持した。
【0056】
(2)600℃焼成:実施例3および4ならびに比較例1〜4については、600℃で10分間、合計30分のプロフィール、保持した。
【0057】
AlNまたはAl基板として以下のものを用いた。
【0058】
AlN(170W/mK物品)基板:1インチサイズ、厚さ0.6mm。
【0059】
Al(96%)基板:1インチサイズ、厚さ0.6mm。
【0060】
評価
(A)AlNまたはAl基板と導体フィルムとの間の接着強度
(i)初期接着強度の測定
各実施例で作製した基板の導体フィルムを、10秒間、240℃で、Sn/Ag/Cu=95.75/3.5/0.75の組成の鉛フリーのはんだに浸漬した。錫めっき銅線を、2mmの銀導体フィルム上に、鉛フリーのはんだを用いて取り付け、銅線を、基板に対して垂直に立たせ、はんだ付け直後の初期接着強度を、引張り試験機を用いて測定した。結果を表2に示す。
【0061】
(ii)高温でのエージング後および熱サイクル後の接着強度の測定
上記(i)に記載したはんだ付けを行った実施例3および4(2種類の試料、すなわち、550℃で焼成または600℃で焼成)の試料については、150℃で500時間放置した後の接着強度および−40℃/125℃の100熱サイクル後の接着強度を測定した。結果を表3に示す。
【0062】
【表2】

【0063】
【表3】

【0064】
上記の結果から分かるとおり、本発明の導体ペーストは、鉛フリーおよびカドミウムフリーで、650℃以下の低温で焼成でき、セラミック基板と導体フィルムとの間に顕著に改善された接着強度を与える。さらに、本発明の導体ペーストを用いて製造された導体フィルムについては、高温でのエージング後または熱サイクル後であっても、十分な接着強度が維持できることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)銀およびパラジウムを含む導電性金属粉末と、
b)ガラス粉末と、
c)有機溶媒と
を含むセラミック基板用導体ペーストであって、前記導電性金属粉末の平均粒径が1.2μm以下であり、前記ガラス粉末がBi−SiO−Bタイプのガラス粉末であり、前記ガラス粉末の含量が前記ペーストの重量に基づいて1〜6重量%の範囲内である、導体ペースト。
【請求項2】
前記導電性金属粉末が、銀粉末とパラジウム粉末の混合物、銀/パラジウム共沈粉末、銀−パラジウム合金粉末、銀粉末の混合物、銀/パラジウム共沈粉末、および銀粉末と銀−パラジウム合金粉末の混合物からなる群から選択される請求項1に記載の導体ペースト。
【請求項3】
前記導電性金属粉末が、単分散粒子を含む請求項1に記載の導体ペースト。
【請求項4】
前記パラジウムの含量が、銀およびパラジウムの総重量に基づいて、0.1〜7重量%の範囲内である請求項1に記載の導体ペースト。
【請求項5】
導電性金属粉末として、前記ペーストの重量に基づいて、0.1〜10重量%の金または白金をさらに含む請求項1に記載の導体ペースト。
【請求項6】
前記ガラス粉末の転移点が360〜450℃、軟化点が400〜530℃である請求項1に記載の導体ペースト。
【請求項7】
前記ガラス粉末の組成が、
Bi:65〜90重量%、
SiO:0.5〜8重量%、
:3〜10重量%、
ZnO:0〜8重量%、
Al:0〜3重量%、
TiO:0〜3重量%、
LiO、NaO、KOおよびこれらの混合物からなる群から選択されるアルカリ金属酸化物:0〜5重量%、
MgO、CaO、BaO、SrOおよびこれらの混合物からなる群から選択されるアルカリ土類金属酸化物:0〜5重量%
である請求項1に記載の導体ペースト。
【請求項8】
前記導電性金属粉末の含量が、前記ペーストの重量に基づいて、60〜92重量%の範囲内である請求項1に記載の導体ペースト。
【請求項9】
Cu、CuO、P、SnO、アルカリ金属ハロゲン化物およびアルカリ土類金属ハロゲン化物からなる群から選択されるガラス軟化点調整剤をさらに含む請求項1に記載の導体ペースト。
【請求項10】
セラミック基板上に、a)銀およびパラジウムを含む導電性金属粉末と、b)ガラス粉末と、c)有機溶媒とを含む導体ペーストであって、前記導電性金属粉末の平均粒径が1.2μm以下で、前記ガラス粉末がBi−SiO−Bタイプのガラス粉末であり、前記ガラス粉末の含量が前記ペーストの重量に基づいて1〜6重量%の範囲内である、導体ペーストを塗布する工程と、
前記セラミック基板上に塗布された前記導体ペーストを650℃以下で焼成する工程と
を含む導体フィルムの製造方法。
【請求項11】
前記導電性金属粉末が、銀粉末とパラジウム粉末の混合物、銀/パラジウム共沈粉末、銀−パラジウム合金粉末、銀粉末の混合物、銀/パラジウム共沈粉末、および銀粉末と銀−パラジウム合金粉末の混合物からなる群から選択される請求項10に記載の導体フィルムの製造方法。
【請求項12】
請求項10に記載の製造方法を用いて得られた導体フィルムを含む回路を有する電気回路基板。

【公表番号】特表2010−532586(P2010−532586A)
【公表日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515159(P2010−515159)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/068459
【国際公開番号】WO2009/006242
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】