説明

セリシン抽出装置

【課題】セリシンをパウダー化することなく、抽出されたセリシン水をそのまま利用できること。
【解決手段】繭玉からセリシンを抽出するセリシン抽出装置であって、繭玉を入れる水槽10と、水槽10内の水を流動させる流動部とを有し、水槽10内の水として温泉水を用い、水槽10にて抽出されたセリシン水を浴用に用いることを特徴とするセリシン抽出装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シルクに含まれているセリシンを抽出し、パウダー化することなくセリシン水を利用するセリシン抽出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
セリシンは保湿効果が高く、肌のかさつき防止効果に優れ、べたつき感がないため、従来から浴用剤として用いられている(特許文献1から5)。
セリシンを抽出する方法としては、例えば尿素水溶液を用い、クロマトグラフィー法によってセリシンを回収する方法(特許文献6)、イオン水生成装置を利用する方法(特許文献7)、亜臨界又は超臨界下で処理する方法(特許文献8)、化学精錬による絹精錬廃液からセリシンを分離する方法(特許文献9)、強電解水を用いてセリシンを抽出する方法(特許文献10)などが提案されている。
【特許文献1】 特開平6−321768号公報
【特許文献2】 特開平7− 89845号公報
【特許文献3】 特開平7−247211号公報
【特許文献4】 特開平7−247212号公報
【特許文献5】 特開平8−133963号公報
【特許文献6】 特開平11−92564号公報
【特許文献7】 特開平10−29909号公報
【特許文献8】 特開平8−27186号公報
【特許文献9】 特開平4−202435号公報
【特許文献6】 特開2003−165843号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようにセリシンの抽出は、古くから精錬工程として行われているが、精錬工程では、セリシンの溶解度を高めるために、化学薬品が使われることが多く、セリシンを利用するために化学薬品を分離する工程が必要であった。
また、セリシン液は腐敗しやすく液体状態では流通に乗りにくいために、ほとんどの場合、パウダー化したものが製品化されている。
しかし、パウダー化の工程を含むことでコストアップにつながるだけでなく、パウダー化する上で化学薬品などを混入するため、特に浴用として利用する場合には、利用者によってはアレルギー反応に気をつけなければならないなどの問題が生じてしまう。
【0004】
そこで本発明は、セリシンをパウダー化することなく、抽出されたセリシン水をそのまま利用できることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の本発明のセリシン抽出装置は、繭玉からセリシンを抽出するセリシン抽出装置であって、前記繭玉を入れる水槽と、前記水槽内の水を流動させる流動部とを有し、前記水槽内の水として温泉水を用い、前記水槽にて抽出されたセリシン水を浴用に用いることを特徴とする。
請求項2記載の本発明のセリシン抽出装置は、繭玉からセリシンを抽出するセリシン抽出装置であって、前記繭玉を入れる水槽と、前記水槽内の水を加熱する加熱部と、前記水槽内の水を流動させる流動部とを有し、前記水槽にて抽出されたセリシン水を浴用に用いることを特徴とする。
請求項3記載の本発明のセリシン抽出装置は、繭玉からセリシンを抽出するセリシン抽出装置であって、前記繭玉を入れる第1の水槽と、前記第1の水槽内の水を導入する第2の水槽とを有し、前記第1の水槽内の水温を前記第2の水槽内の水温よりも高くし、前記第2の水槽内のセリシン水を浴用に用いることを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のセリシン抽出装置において、前記繭玉として、蛹を取り出した後の切り繭を用いることを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のセリシン抽出装置において、前記繭玉に代えて、きびそ、毛羽を用いることを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1に記載のセリシン抽出装置において、前記温泉水がアルカリ性の泉質であることを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載のセリシン抽出装置において、前記流動部を前記水槽の下方からの気泡の噴出とすることを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載のセリシン抽出装置において、前記流動部を気液混合水の噴出とすることを特徴とする。
請求項9記載の本発明は、請求項1に記載のセリシン抽出装置において、前記流動部を前記水槽内への前記温泉水の導入とすることを特徴とする。
請求項10記載の本発明は、請求項3に記載のセリシン抽出装置において、前記第2の水槽にも繭玉を入れることを特徴とする。
請求項11記載の本発明は、請求項3に記載のセリシン抽出装置において、前記第1の水槽の水を加熱する加熱部と、前記第2の水槽の水を冷却する冷却部とを有することを特徴とする。
請求項12記載の本発明は、請求項11に記載のセリシン抽出装置において、圧縮機、放熱器、膨張器、蒸発器から構成される冷凍装置を有し、前記放熱器を前記加熱部として用い、前記蒸発器を前記冷却部として用いることを特徴とする。
請求項13記載の本発明は、請求項3に記載のセリシン抽出装置において、前記第1の水槽と前記第2の水槽とを併設し、前記第1の水槽と前記第2の水槽との間に空間を形成することを特徴とする。
請求項14記載の本発明は、請求項12に記載のセリシン抽出装置において、前記第1の水槽と前記第2の水槽とを併設し、前記第1の水槽と前記第2の水槽との間に空間を形成し、前記空間に前記圧縮機を配置することを特徴とする。
請求項15記載の本発明は、請求項12に記載のセリシン抽出装置において、前記第1の水槽と前記第2の水槽とを併設し、前記第1の水槽と前記第2の水槽との間に空間を形成し、前記空間に照明部またはディスプレイを配置することを特徴とする。
請求項16記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のセリシン抽出装置において、前記セリシン水を飲用に用いることを特徴とする。
請求項17記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のセリシン抽出装置において、前記水槽の下部に、前記水槽内部を照射する照明部を設けることを特徴とする。
請求項18記載の本発明の浴用成分抽出装置は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のセリシン抽出装置において、前記水槽内に前記繭玉とともに生薬、ハーブ類、薬草、冬虫夏草などの成分原料を入れることを特徴とする。
請求項19記載の本発明の浴用成分抽出装置は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のセリシン抽出装置において、前記水槽内に前記繭玉の代わりに生薬、ハーブ類、薬草、冬虫夏草などの成分原料を入れることを特徴とする。
請求項20記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のセリシン抽出装置において、前記水槽が密閉式であることを特徴とする。
請求項21記載の本発明の浴用成分抽出装置は、生薬、ハーブ類、薬草、冬虫夏草などの成分原料から成分を抽出する浴用成分抽出装置であって、前記成分原料を入れる第1の水槽と、前記第1の水槽内の水温と異なる水温とする第2の水槽とを有し、前記第1の水槽内の成分抽出水又は前記第2の水槽内の成分抽出水を浴用に用いることを特徴とする。
請求項22記載の本発明のセリシン水は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のセリシン抽出装置で抽出したことを特徴とする。
請求項23記載の本発明の真綿は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のセリシン抽出装置でセリシンを抽出した後に生じることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、温泉水を用いるため所定の温度の水を利用し、水槽内の水を流動させることでセリシンの抽出を行うことができる。特に温泉水にて抽出したセリシン水をそのまま浴用に用いることでパウダー化の必要もなく純粋なセリシン水を温泉にて利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の第1の実施の形態のセリシン抽出装置は、繭玉を入れる水槽と、水槽内の水を流動させる流動部とを有し、水槽内の水として温泉水を用い、水槽にて抽出されたセリシン水を浴用に用いるものである。本実施の形態によれば、温泉水を用いるために所定の温度の水を利用し、水槽内の水を流動させることでセリシンの抽出を行うことができる。特に温泉水にて抽出したセリシン水をそのまま浴用に用いることで、パウダー化の必要もなく純粋なセリシン水を温泉にて利用することができる。
本発明の第2の実施の形態のセリシン抽出装置は、繭玉を入れる水槽と、水槽内の水を加熱する加熱部と、水槽内の水を流動させる流動部とを有し、水槽にて抽出されたセリシン水を浴用に用いるものである。本実施の形態によれば、加熱部によって高温水とし、水槽内の水を流動させることでセリシンの抽出を行うことができる。特に高温水にて抽出したセリシン水をそのまま浴用に用いることで、パウダー化の必要もなく純粋なセリシン水を利用することができる。
本発明の第3の実施の形態のセリシン抽出装置は、繭玉を入れる第1の水槽と、第1の水槽内の水を導入する第2の水槽とを有し、第1の水槽内の水温を第2の水槽内の水温よりも高くし、第2の水槽内のセリシン水を浴用に用いるものである。本実施の形態によれば、第1の水槽にて高温水でセリシンを抽出でき、第2の水槽にて温度を下げて浴用に利用するために、セリシン水を水で薄めることなく利用することができる。
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3の実施の形態のセリシン抽出装置において、繭玉として、蛹を取り出した後の切り繭を用いるものである。本実施の形態によれば、切り繭を用いることで蛹の臭みが無く、また繭の中に温水が侵入するため、繭玉が水面に浮かんでいる時間を短くできセリシンの抽出を短時間で行うことができる。
本発明の第5の実施の形態は、第1から第3の実施の形態のセリシン抽出装置において、繭玉に代えて、きびそ、毛羽を用いるものである。本実施の形態によれば、セリシン成分が繭玉より多く含まれているきびそや毛羽を用いることで、多くのセリシンを抽出することができる。
本発明の第6の実施の形態は、第1の実施の形態のセリシン抽出装置において、温泉水がアルカリ性の泉質であるものである。本実施の形態によれば、アルカリ水であるためにセリシンを抽出しやすい。
本発明の第7の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態のセリシン抽出装置において、流動部を水槽の下方からの気泡の噴出とするものである。本実施の形態によれば、気泡によって水槽内の水を流動させることができるとともに、気泡が付着することで繭玉に浮力が加わるため、含水した繭玉を浮上させることができ、繭玉の流動を促進することができる。
本発明の第8の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態のセリシン抽出装置において、流動部を気液混合水の噴出とするものである。本実施の形態によれば、液を含んだ噴出によって繭玉を強制的に流動させることができるとともに、気泡が付着することで繭玉に浮力が加わるため、含水した繭玉を浮上させることができ、繭玉の流動を促進することができる。
本発明の第9の実施の形態は、第1の実施の形態のセリシン抽出装置において、流動部を水槽内への温泉水の導入とするものである。本実施の形態によれば、流動用の装置を必要とせずに温泉水の噴出によって繭玉を流動させることができる。
本発明の第10の実施の形態は、第3の実施の形態のセリシン抽出装置において、第2の水槽にも繭玉を入れるものである。本実施の形態によれば、温度の異なるそれぞれの水槽にてセリシンを抽出するために、例えば低温側の第2の水槽では高分子量のセリシンを抽出することができる。
本発明の第11の実施の形態は、第3の実施の形態のセリシン抽出装置において、第1の水槽の水を加熱する加熱部と、第2の水槽の水を冷却する冷却部とを有するものである。本実施の形態によれば、第1の水槽ではセリシンの抽出を高めることができるとともに、第2の水槽の水を冷却することで水に薄めることなくセリシン水を浴用に利用することができる。
本発明の第12の実施の形態は、第11の実施の形態のセリシン抽出装置において、圧縮機、放熱器、膨張器、蒸発器から構成される冷凍装置を有し、放熱器を加熱部として用い、蒸発器を冷却部として用いるものである。本実施の形態によれば、冷凍装置の放熱器と蒸発器とを有効に利用できるため、熱効率が高く低コストで加熱と冷却を行うことができる。
本発明の第13の実施の形態は、第3の実施の形態のセリシン抽出装置において、第1の水槽と第2の水槽とを併設し、第1の水槽と第2の水槽との間に空間を形成するものである。本実施の形態によれば、空間が断熱機能を有するために第1の水槽と第2の水槽の間で熱交換を行うことを防止することができるとともに、ポンプ類などの動力装置をこの空間に収めることができる。
本発明の第14の実施の形態は、第12の実施の形態のセリシン抽出装置において、第1の水槽と第2の水槽とを併設し、第1の水槽と第2の水槽との間に空間を形成し、空間に圧縮機を配置するものである。本実施の形態によれば、第1の水槽と第2の水槽の間の空間に圧縮機を配置することで、圧縮機の騒音防止を図ることができる。
本発明の第15の実施の形態は、第12の実施の形態のセリシン抽出装置において、第1の水槽と第2の水槽とを併設し、第1の水槽と第2の水槽との間に空間を形成し、空間に照明部またはディスプレイを配置するものである。本実施の形態によれば、照明部又はディスプレイの明かりによって繭玉の状態を把握でき、セリシンの抽出具合を確認することができる。
本発明の第16の実施の形態は、第1から第3の実施の形態のセリシン抽出装置において、セリシン水を飲用に用いるものである。本実施の形態によれば、飲用にも用いることができる。
本発明の第17の実施の形態は、第1から第3の実施の形態のセリシン抽出装置において、水槽の下部に、水槽内部を照射する照明部を設けるものである。本実施の形態によれば、繭玉の状態を把握でき、セリシンの抽出具合を確認することができる。
本発明の第18の実施の形態の浴用成分抽出装置は、第1から第3の実施の形態におけるセリシン抽出装置において、水槽内に繭玉とともに生薬、ハーブ類、薬草、冬虫夏草などの成分原料を入れるものである。本実施の形態によれば、セリシンとともに有効成分を抽出して浴用に利用することができる。
本発明の第19の実施の形態の浴用成分抽出装置は、第1から第3の実施の形態におけるセリシン抽出装置において、水槽内に繭玉の代わりに生薬、ハーブ類、薬草、冬虫夏草などの成分原料を入れるものである。本実施の形態によれば、本実施の形態によれば、生薬、ハーブ類、薬草、冬虫夏草などの有効成分を抽出して浴用に利用することができる。
本発明の第20の実施の形態は、第1から第3の実施の形態のセリシン抽出装置において、水槽が密閉式であるものである。本実施の形態によれば、水槽内の温度を高めることができ、少ない熱置でセリシンの抽出を高めることができる。
本発明の第21の実施の形態の浴用成分抽出装置は、成分原料を入れる第1の水槽と、第1の水槽内の水温と異なる水温とする第2の水槽とを有し、第1の水槽内の成分抽出水又は第2の水槽内の成分抽出水を浴用に用いるものである。本実施の形態によれば、それぞれの水槽によって異なる成分を抽出でき、又は必要に応じて低温側の成分水と高温側の成分水を浴用に利用することができる。
本発明の第22の実施の形態のセリシン水は、第1から第3の実施の形態におけるセリシン抽出装置で抽出したものである。本実施の形態によれば、化学薬品や防腐剤などを含まない純粋なセリシン水として利用することができる。
本発明の第23の実施の形態の真綿は、第1から第3の実施の形態におけるセリシン抽出装置でセリシンを抽出した後に生じるものである。本実施の形態によるセリシン抽出装置では、流動部によって水を流動させているため、繭玉同士が絡み合う度合いが大きいため、繭玉毎に分離することが少ない真綿を得ることができる。
【実施例】
【0008】
以下本発明の一実施例によるセリシン抽出装置について説明する。
図1は本実施例によるセリシン抽出装置の概念斜視図、図2は図1におけるA−A矢視図、図3は図1におけるB−B矢視図、図4は図1におけるC−C矢視図、図5は図1におけるD−D矢視図、図6は同装置の概念側面図、図7は同装置の動作説明図である。
本実施例によるセリシン抽出装置は、第1の水槽10と第2の水槽20とを備えている。第1の水槽10は第2の水槽20よりも大きな容積であることが好ましい。
【0009】
まず、図1から図3及び図6を用いて第1の水槽10について説明する。
第1の水槽10は、透明なアクリル樹脂又はガラス材によって4つの側面11、12、13、14が構成され、上部は蓋体15によって覆われている。
第1の水槽10の底部側には、気泡噴出管31が配置されている。この気泡噴出管31は、図4に示すポンプ41に接続され、第1の水槽10の下方からの気泡の噴出によって流動部を構成する。なお、気泡噴出管31に代えて気液混合水の噴出装置や液だけの噴出装置であってもよい。気泡を含む場合には、気泡の浮力によって上昇流を生じさせやすく、また繭玉に気泡を付着させることで繭玉を浮かせやすい。一方、液噴射の場合には、回転噴流や斜め方向の水流を作りやすいため、第1の水槽10内部の水の循環を操作しやすい。
また、第1の水槽10の底部側には吸入管32が配置され、第1の水槽10の上部側には気液噴出管33が配置されている。この吸入管32と気液噴出管33は、図4に示すポンプ42に接続され、吸入管32から吸入した水をポンプ41によって気液噴出管33から噴出させている。この吸入管32及び気液噴出管33は、第1の水槽10の下方からの吸入と第1の水槽10の上方からの気液の噴出によって流動部を構成する。なお、気液噴出管33に代えて液だけの噴出装置であってもよい。気泡を含む場合には、繭玉に気泡を付着させることで繭玉を浮かせやすい。一方、液噴射の場合には、回転噴流や斜め方向の水流を作りやすいため、第1の水槽10内部の水の循環を操作しやすい。
【0010】
本実施例では、吸入管32と気液噴出管33とを第1の水槽10の一方の側面に平行に設け、気泡噴出管31を第1の水槽10の他方の側面に設けている。このように気液噴出管33を第1の水槽10の一方の側面の上部に、気泡噴出管31を第1の水槽10の他方の側面の下部に設け、気液噴出管33の噴出方向を下方向にすることで、第1の水槽10の内部には、一方の側面の上部から下部に向かい、他方の側面の下部から上部に向かうような循環流れを生じやすくなる。
なお、気泡噴出管31を第1の水槽10の他方の側面に設けるだけでも、一方の側面の上部から下部に向かい、他方の側面の下部から上部に向かうような循環流れを発生させることができる。すなわち、気泡噴出管31から噴出した気泡は、水面に至った時に他方の側面14によって閉塞されているために、水面まで到達した流れは、蓋体15に沿って、又は蓋体15と水面とに空間がある場合には、水面に沿って側面13側への流れとなる。また、気泡噴出管31から噴出した気泡の上昇によって側面14側では上昇流が生じているため、側面11側では下方向への流れが生じる。従って、気泡噴出管31だけの場合でも第1の水槽10内部には、循環流れが生じることになる。
【0011】
また、図1、図2及び図6に示すように、第1の水槽10の底部側には、照明部51が配置されている。この照明部51は、上部に向けて照射することで、繭玉を照射する。このように照明部51を設けることで、第1の水槽10内の濁りや繭層から繭糸の解離舒状態を確認することができ、セリシンの抽出度合いを把握することができる。この照明部51は、図示のように一方の側面11側に配置し、他方の側面14の上部又は蓋体15の側面14側を照射方向とすることが好ましい。このような照射方向とすることで、水中での光路を長くすることができるため、第1の水槽10内の濁り度合いの変化を把握しやすくなる。
【0012】
また、図3及び図6に示すように、第1の水槽10の底部側には、加熱部61が配置されている。この加熱部61は、他方の側面14側に設けることが好ましい。このように加熱部61を他方の側面14側に配置することで、加熱された水が上昇するため第1の水槽10内部の水の循環を促進することができる。このように、加熱された水の上昇流によっても水を流動させることができ、加熱部61を流動部とすることもできる。
【0013】
図1から図3、及び図6に示すように、第1の水槽10の底部側には、仕切り板16が設けられ、気泡噴出管31、吸入管32、照明部51、加熱部61は仕切り板16よりも底面側に配置されている。この仕切り板16は、多数の少なくとも繭玉よりも小さな多数の孔を有し、水の流動抵抗が少ないことが好ましい。また、仕切り板16は、複数の長孔で構成されたものや、網状のものであってもよい。また、仕切り板16は、反射板であることが好ましいが、透明板であってもよい。この仕切り板16は、気泡噴出管31、吸入管32、照明部51、加熱部61への繭玉の絡みつきを防止する。
【0014】
図1及び図4に示すように、第1の水槽10と第2の水槽20とは併設され、第1の水槽10と第2の水槽20との間には、空間部70を形成している。
この空間部70は、上部空間部71と下部空間部72とに仕切られ、上部空間部71にはディスプレイ52が配置され、下部空間部72には、ポンプ41、42、43や圧縮機62が配置される。
上部空間部71には、ディスプレイ52に代えて照明部を設けてもよい。また、このようなディスプレイ52又は照明部は、第1の水槽10、第2の水槽20のいずれか一方に向いていてもよいが、双方に向いていることが好ましい。
また、上部空間部71には、装飾品を配置することもできる。
【0015】
次に、図1、図5、及び図6を用いて第2の水槽20について説明する。
第2の水槽20は、透明なアクリル樹脂又はガラス材によって4つの側面21、22、23、24が構成され、上部は蓋体25によって覆われている。
第2の水槽20の底部側には、気泡噴出管34が配置されている。この気泡噴出管34は、図4に示すポンプ43に接続され、第2の水槽20の下方からの気泡の噴出によって流動部を構成する。なお、気泡噴出管34に代えて気液混合水の噴出装置や液だけの噴出装置であってもよい。気泡を含む場合には、気泡の浮力によって上昇流を生じさせやすく、また繭玉に気泡を付着させることで繭玉を浮かせやすい。一方、液噴射の場合には、回転噴流や斜め方向の水流を作りやすいため、第2の水槽20内部の水の循環を操作しやすい。
【0016】
また、図5に示すように、第2の水槽20の底部側には、冷却部63が配置されている。この冷却部63は、気泡噴出管34よりも一方の側面21側に設けることが好ましい。このように冷却部63を気泡噴出管34よりも一方の側面21側に配置し、第1の水槽10からの温水を気泡噴出管34よりも他方の側面24側に導入することで、加熱水を上部に導き下部に低温水が滞留することを促進することができる。このように、低温水を下部に滞留させることで第2の水槽20から導出する温水温度を低下させることができる。
【0017】
図5及び図6に示すように、第2の水槽20の底部側には、仕切り板26が設けられ、気泡噴出管34、冷却部63は仕切り板26よりも底面側に配置されている。この仕切り板26は、多数の少なくとも繭玉よりも小さな多数の孔を有し、水の流動抵抗が少ないことが好ましい。また、仕切り板26は、複数の長孔で構成されたものや、網状のものであってもよい。また、仕切り板26は、反射板であることが好ましいが、透明板であってもよい。この仕切り板26は、気泡噴出管34や冷却部63への繭玉の絡みつきを防止する。従って、第2の水槽20に繭玉を入れない場合には、仕切り板26は無くてもよい。
なお、既に説明した加熱部61を放熱器、冷却部63を蒸発器とし、圧縮機62、放熱器、蒸発器を膨張器とともに接続して冷凍装置を構成する。ここで冷凍装置には、二酸化炭素を冷媒として用い、超臨界域で運転する装置が好ましい。このように二酸化炭素を冷媒として用いて超臨界域で運転する冷凍装置であれば、加熱部(放熱器)61において80度以上の高温水を得やすい。また第2の水槽20内の温水から熱を奪って第1の水槽10へ熱搬送するために熱効率が極めて高い。
【0018】
図6に示すように、第1の水槽10の底部には、下部空間部72を経由して導入管17が接続されている。この導入管17からは地下から汲み上げられた温泉水が導入される。なお、既に説明した気泡噴出管31に導入管17を接続して、気液又は液噴出としてもよい。このように、導入管17からの温泉水の噴出を、流動部として利用することもできる。
第2の水槽20の底部には、下部空間部72を経由して導出管27が接続されている。この導出管27からのセリシン水は浴槽、蛇口、シャワーなど浴用に利用される。
第1の水槽10と第2の水槽20とは、連通路18によって連結されている。この連通路18は、第2の水槽20内部において吐出口を上方に向けるか、又は第2の水槽20の上部に吐出口を設けることが好ましい。
【0019】
次に図7を用いて使用状態について説明する。
第1の水槽10の蓋体15を開けて繭玉80を投入する。ここで、繭玉としては、蛹を取り出した後の切り繭を用いることが好ましい。切り繭を用いることで蛹の臭みが無く、繭の中に温水が侵入するため、繭玉が水面に浮かんでいる時間を短くできる。また、繭玉に代えて、又は繭玉とともに、きびそ、毛羽を用いることもできる。セリシン成分が繭玉より多く含まれているきびそや毛羽を用いることで多くのセリシンを抽出することができる。
第1の水槽10内には、導入管17から水を導入する。あらかじめ加熱された温水を供給してもよい。温泉施設においては、汲み上げられる温泉水を用いることが好ましい。温泉水がアルカリ性の泉質であればセリシンを抽出しやすい。また、鉱物が含まれている場合には、セリシンが白濁化しやすく、視覚的にもセリシンの抽出を把握できる。
第1の水槽10内の水及び繭玉80は、気泡噴出管31、吸入管32、気液噴出管33、及び加熱部61によって循環する。所定の温度の水を利用し、水槽内の水を流動させることでセリシンの抽出を行うことができる。
第1の水槽10内のセリシン水は、連通路18を経由して第2の水槽20内に導入される。第2の水槽20内に導入されたセリシン水は、冷却部63によって低温化され、導出管27から導出する。
【0020】
なお、第2の水槽20にも繭玉を入れてもよい。第1の水槽10よりも第2の水槽20の温度が低いため、第2の水槽20では高分子量のセリシンを抽出することができる。なお、特に第1の水槽10と第2の水槽20とに繭玉を入れる場合には、連通路18の代わりに第2の水槽20にも温泉水を独立して導入するとともに、第1の水槽10にも導出管を設けることが好ましい。また、第1の水槽10には繭玉を、第2の水槽20には繭玉の代わりに生薬、ハーブ類、薬草、冬虫夏草などの成分原料を入れてもよい。また、繭玉、生薬、ハーブ類、薬草、冬虫夏草のいずれかの成分原料を一方の水槽に、一方の水槽と異なるいずれかの成分原料を他方の水槽に入れてもよい。この場合には、第1の水槽10と第2の水槽20との湯温を独立して調整できることで、それぞれの成分原料の成分抽出に適した湯温とすることができる。なお、第2の水槽20には、冷却部63を設けた場合で説明したが、加熱部を設けることもできる。
また、蓋体15、25は、それぞれ第1の水槽10及び第2の水槽20を密閉できることが好ましく、第1の水槽10及び第2の水槽20内部を大気圧より高い状態に保持できることが好ましい。また、蓋体15、25には、空気逃がし弁、又は圧力調整弁を備えていることが好ましい。
【0021】
なお、本実施例によれば、化学薬品や防腐剤などを含まない純粋なセリシン水を得ることができる。
また、本実施例におけるセリシン抽出装置でセリシンを抽出した後に生じる真綿は、流動部によって水を流動させているため、繭玉同士が絡み合う度合いが大きく、繭玉毎に分離することが少ない真綿を得ることができる。
また、本実施例は、温泉水で説明したが、大衆浴場や個人家庭の浴槽にも適用することができる。
更に、本実施例では、セリシン抽出装置として説明したが、水槽内に繭玉とともに、又は繭玉の代わりに、生薬、ハーブ類、薬草、冬虫夏草などの成分原料を入れることで浴用成分抽出装置として利用することができる。
【0022】
次に、本実施例で説明したディスプレイ52について更に好ましい装置を説明する。
ディスプレイ52として、透過性を有する複数の表示部を、所定間隔開けて積層して配置する。
このように、複数の表示部を積層して配置することで、ディスプレイ52に対して見る位置を変更すると、それぞれの表示部に表示された画像の相対位置が変わるため、奥行きを感じる映像を実現することができる。
このような表示部としては、投影型や映写型の表示部で構成してもよいが、例えば有機ELや無機ELなどによって、両面に発光が可能な透過性のディスプレイ又は照明部であることがより好ましい。特に、透明両面発光ディスプレイ装置を用いる場合には、独立してドライバ回路と駆動用プログラムを備えた透明発光ディスプレイデバイスを複数積層し、それぞれのデバイスを独立に表示(コントロール)可能とすることが好ましい。特に複数積層する場合には、それぞれのデバイスの間に所定厚さの透明基板を設けるか、又は所定空間空けることで、距離感を高めることができる。また、第1の水槽10の側面11又は第2の水槽20の側面21に形成する可視面の投影面よりもディスプレイ52の表示面を大きく構成することで、更に立体感を高めることができる。特に本実施例のように、ディスプレイ52の前方に水槽が配置されることで、仮に可視面の投影面とディスプレイ52の表示面とが同一の大きさであっても、水槽内面(例えば第1の水槽10であれば、側面12、13、蓋体15、仕切り板16)が反射面を構成することで、ディスプレイ52で表示される画像の広がりと奥行きを高めることができる。なお、上記説明では、ディスプレイ52などの発光表示で説明したが、空間内部に立体的なミニチュア模型を設けてもよい。
【0023】
次に、本発明に適した温泉水について説明する。
本発明に用いる温泉水は、少なくとも温泉源で採取されるときの温度が25度(℃)以上あることが好ましいが、34度以上、更には42度以上であることがより好ましい。34度から45度の範囲では、セリシンの抽出量は多くは無いが、加熱をすることなく源泉温度だけでも高分子量のセリシンを抽出でき、また繭玉の解舒率が低いため、繭玉を多く水槽内に投入しても繭玉同士が絡みにくく長時間繭玉を循環させることができる。なお、34度から45度の範囲に水槽内を保つために加熱部によって加熱することが好ましい。また、ガス性のものを除く溶存物質の総量が1kg中に1000mg以上含まれることが好ましい。特に、温泉水1kgあたりの溶存物質総量が10g以上の高張泉が最も好ましく、8g以上10g未満の等張泉であることが好ましい。高張泉は浸透圧が大きく、成分が細胞に入り込む割合が多いため、セリシン水の効果を更に高めることができる。
水素イオン濃度は、pH9以上のアルカリ性泉質が最も好ましく、pH7.5以上9未満の弱アルカリ性泉質が好ましい。
また、温泉成分として沈降性炭酸カルシウム(CaCO)が含まれていることで、セリシンの再結晶化を生じやすく水に濁り感をつけることができる。
一方、炭酸泉を温泉水として用いることも好ましい。炭酸泉は低温の入浴でも保温効果が高いため、保湿性の高いセリシン含有温泉に長時間入浴できるため、保温性と保湿性を高めることができる。
また、炭酸水素塩泉、特にアルカリ性の重曹泉を温泉水として用いることも好ましい。炭酸水素塩泉は肌触りの良い浴後さわやかな湯で、アルカリ性の重曹泉は皮脂の洗浄効果に優れている上に、セリシンの溶解を高めため、低温でもセリシンを多く抽出することができる。
【0024】
流動部として気泡噴出又は気液噴出を用いる場合には、炭酸ガスが離脱しやすくなり、温泉水から炭酸ガスが離脱するとpHが高くなりアルカリ性に偏るために、セリシンの溶解度は高くなる。また、炭酸ガスの離脱により、アルカリ性になると炭酸水素イオンは炭酸イオンに変化し、炭酸カルシウムの沈殿を生じやすくなり、濁り効果も高くなる。重炭酸土類泉(Ca−HCO)の場合に特にその効果は高い。
これに対し、重炭酸塩硫酸塩泉(Ca・Mg・Na−HCO・SO)による沈殿物の付着が著しい場合には、流動部として液噴出又は加熱による対流効果を用いることで、炭酸ガスの離脱を防止でき、沈殿物の付着を防止することができる。なお、流動に与える影響の少ない細かな気泡を発生させ、空気中の炭酸ガスを積極的に吸収させることでも、沈殿物の付着を防止することができる。
【0025】
なお、水槽中に、岩石(花崗岩)、岩石鉱物の風化で出来る粘土鉱物、二次的鉱物(ゼオライトなど)を含めることでアルカリ性を高め、セリシンの溶解度を高めることができる。これら岩石、粘土鉱物、又は二次的鉱物は粉末として含めることがより好ましい。
道後温泉のボーリングで採取した岩石試料(花崗岩)について、粉末にして水を浸透させて成分の変化を見る「浸出実験」を行った結果、実際にpH10弱のアルカリ性水が浸出直後につくられる現象が既に見いだされた。従って、これら岩石、粘土鉱物、又は二次的鉱物、及びこれらの粉末を水槽内に含めることで、本来の温泉泉質を高めるだけでなく、セリシンの溶解にも効果がある。
また、岩石の風化や変質による粘土鉱物やゼオライトは、水中の陽イオンを固定する性質をもっており、水と岩石が長期間に反応して二次的な鉱物ができるときに水素イオンを選択的に吸収する。
【0026】
上記実施例は、セリシン抽出装置を説明したが、冬虫夏草を用いて浴用成分抽出装置として用いることもできる。また、浴槽自体を浴用成分抽出装置として用いることもできる。浴槽自体を浴用成分抽出装置として用いる場合として、乾燥後の冬虫夏草を浴槽内に入れて成分抽出水を浴用に用いた実施例について以下に説明する。
従来から、冬虫夏草の成分が保湿効果や肌荒れ改善効果に優れている旨知られている(例えば特公平5−38727号公報)。また、冬虫夏草の成分が創傷治癒に効果があることが報告されている(第24回創傷治癒研究会)。
乾燥後の冬虫夏草(コナサナギタケ)を、メッシュ袋に入れて浴槽内に投入した。湯温は34度から42度の範囲に保たれるようにした。被験者7名により30〜90分浴用した結果、6人が肌のすべすべ感を感じた。また、適度な濁りと香りを生じ、リラックス感を感じた者が4名であった。
冬虫夏草として、コナサナギタケの他、サナギタケ、ハナサナギタケについても、ほぼ同様な効果を得ることができた。
また、沸騰温度での熱水抽出ではないため、適度な濁りや香りは48時間程度持続した。
セリシン抽出装置を浴用成分抽出装置として冬虫夏草の成分抽出を行う以外に、この装置を用いることなく、浴槽内に乾燥冬虫夏草を投入するだけでも十分な効果があることが実証できた。
なお、乾燥冬虫夏草をコーヒー用のミルによって粉砕し、この粉砕した冬虫夏草粉末をメッシュ袋に入れた場合には、濁り度は増すが、異臭もなく、上記と同様な効果を得ることができた。
また、乾燥冬虫夏草に、乾燥茶葉を加えることで、清涼感を得ることができるとともに、48時間を超えても異臭を感じることは少なかった。
茶葉としては、カテキンを多く含む緑茶、煎茶を用いた。また、これらの茶葉以外に、乾燥桑葉を加えることでも、浴水色に清涼感を与え、リラックス感を高めることができた。
また、わさびの葉を乾燥させたものを用いた場合にも、適度な浴水色を得ることができるとともに清涼感を高めることができた。
また、源泉を加熱して38度から45度の範囲の、pH9以上のアルカリ性泉質の温泉水を用いた場合には、更に肌のすべすべ感とともにリラックス感を感じることができた。
以上のように、冬虫夏草の成分を浴槽内にて抽出することで、冬虫夏草の成分が有する効果を、所定温度の浴水にて肌に対して直接作用させることができるので、皮膚外用剤として用いる場合と比較しても高い効果を得ることができる。
なお、冬虫夏草の乾燥固形物を浴槽内に投入して用いたが、冬虫夏草の粉砕物を用いてもよく、また冬虫夏草の抽出成分を粉末化して浴用剤として用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、温泉施設における浴用として用いられるセリシン抽出装置として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】 本発明の一実施例によるセリシン抽出装置の概念斜視図
【図2】 図1におけるA−A矢視図
【図3】 図1におけるB−B矢視図
【図4】 図1におけるC−C矢視図
【図5】 図1におけるD−D矢視図
【図6】 本同装置の概念側面図
【図7】 同装置の動作説明図
【符号の説明】
【0029】
10 第1の水槽
20 第2の水槽
31 気泡噴出管
61 加熱部
63 冷却部
70 空間部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繭玉からセリシンを抽出するセリシン抽出装置であって、
前記繭玉を入れる水槽と、前記水槽内の水を流動させる流動部とを有し、
前記水槽内の水として温泉水を用い、前記水槽にて抽出されたセリシン水を浴用に用いることを特徴とするセリシン抽出装置。
【請求項2】
繭玉からセリシンを抽出するセリシン抽出装置であって、
前記繭玉を入れる水槽と、前記水槽内の水を加熱する加熱部と、前記水槽内の水を流動させる流動部とを有し、
前記水槽にて抽出されたセリシン水を浴用に用いることを特徴とするセリシン抽出装置。
【請求項3】
繭玉からセリシンを抽出するセリシン抽出装置であって、
前記繭玉を入れる第1の水槽と、前記第1の水槽内の水を導入する第2の水槽とを有し、前記第1の水槽内の水温を前記第2の水槽内の水温よりも高くし、前記第2の水槽内のセリシン水を浴用に用いることを特徴とするセリシン抽出装置。
【請求項4】
前記繭玉として、蛹を取り出した後の切り繭を用いることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のセリシン抽出装置。
【請求項5】
前記繭玉に代えて、きびそ、毛羽を用いることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のセリシン抽出装置。
【請求項6】
前記温泉水がアルカリ性の泉質であることを特徴とする請求項1に記載のセリシン抽出装置。
【請求項7】
前記流動部を前記水槽の下方からの気泡の噴出とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセリシン抽出装置。
【請求項8】
前記流動部を気液混合水の噴出とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセリシン抽出装置。
【請求項9】
前記流動部を前記水槽内への前記温泉水の導入とすることを特徴とする請求項1に記載のセリシン抽出装置。
【請求項10】
前記第2の水槽にも繭玉を入れることを特徴とする請求項3に記載のセリシン抽出装置。
【請求項11】
前記第1の水槽の水を加熱する加熱部と、前記第2の水槽の水を冷却する冷却部とを有することを特徴とする請求項3に記載のセリシン抽出装置。
【請求項12】
圧縮機、放熱器、膨張器、蒸発器から構成される冷凍装置を有し、前記放熱器を前記加熱部として用い、前記蒸発器を前記冷却部として用いることを特徴とする請求項11に記載のセリシン抽出装置。
【請求項13】
前記第1の水槽と前記第2の水槽とを併設し、前記第1の水槽と前記第2の水槽との間に空間を形成することを特徴とする請求項3に記載のセリシン抽出装置。
【請求項14】
前記第1の水槽と前記第2の水槽とを併設し、前記第1の水槽と前記第2の水槽との間に空間を形成し、前記空間に前記圧縮機を配置することを特徴とする請求項12に記載のセリシン抽出装置。
【請求項15】
前記第1の水槽と前記第2の水槽とを併設し、前記第1の水槽と前記第2の水槽との間に空間を形成し、前記空間に照明部またはディスプレイを配置することを特徴とする請求項12に記載のセリシン抽出装置。
【請求項16】
前記セリシン水を飲用に用いることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のセリシン抽出装置。
【請求項17】
前記水槽の下部に、前記水槽内部を照射する照明部を設けることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のセリシン抽出装置。
【請求項18】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のセリシン抽出装置において、前記水槽内に前記繭玉とともに生薬、ハーブ類、薬草、冬虫夏草などの成分原料を入れることを特徴とする浴用成分抽出装置。
【請求項19】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のセリシン抽出装置において、前記水槽内に前記繭玉の代わりに生薬、ハーブ類、薬草、冬虫夏草などの成分原料を入れることを特徴とする浴用成分抽出装置。
【請求項20】
前記水槽が密閉式であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のセリシン抽出装置。
【請求項21】
生薬、ハーブ類、薬草、冬虫夏草などの成分原料から成分を抽出する浴用成分抽出装置であって、
前記成分原料を入れる第1の水槽と、前記第1の水槽内の水温と異なる水温とする第2の水槽とを有し、
前記第1の水槽内の成分抽出水又は前記第2の水槽内の成分抽出水を浴用に用いることを特徴とする浴用成分抽出装置。
【請求項22】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のセリシン抽出装置で抽出したことを特徴とするセリシン水。
【請求項23】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のセリシン抽出装置でセリシンを抽出した後に生じることを特徴とする真綿。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−175685(P2007−175685A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−381270(P2005−381270)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(506031188)株式会社にちはら総合研究所 (1)
【Fターム(参考)】