説明

セルラ通信ネットワークにおいて基地局の位置を判定する方法及び装置

セルラネットワークにおいて測位を実行する手法が説明される。1つの設計では、第1の基地局(例えば、ホーム基地局)は、第1の基地局及び第2の基地局の無線有効範囲内の少なくとも1つのユーザ機器(UE)についての位置情報に基づいて、自局の位置を判定する。第1の基地局は、少なくとも1つのUEについての少なくとも1つの位置要求を第2の基地局へ送り、少なくとも1つのUEについての位置情報を第2の基地局から受け取り、位置情報に基づいて自局についての位置推定値を判定する。他の設計では、第2の基地局は、第1の基地局についての位置要求を受け取り、少なくとも1つのUEについての位置情報を取得し、位置情報に基づいて第1の基地局についての位置推定値を判定し、位置推定値を第1の基地局へ送る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
35U.S.C.§119に基づく優先権主張
本願は、2007年6月21日に出願され、本願の譲受人に譲渡された、発明の名称が「ホーム・アクセスポイントの位置を判定する方法及び装置(METHOD AND APPARATUS FOR DETERMINING POSITION OF HOME ACCESS POINTS)」である米国仮特許出願第60/945,498号への優先権を主張する。この仮出願は、参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示は、一般的には通信に関し、更に具体的には、セルラ通信ネットワークにおける測位を実行する手法に関する。
【背景技術】
【0003】
セルラ通信ネットワークにおいて、ユーザ機器(UE)の位置を知ることは、多くの場合望ましく、時には必要である。「位置(position)」及び「場所(location)」の用語は同じ意味であり、本明細書では互換的に使用される。例えば、ユーザはUEを使用してウェブサイトを閲覧し、場所に依存した(location sensitive)コンテンツをクリックする。その後、UEの位置が判定され、適切なコンテンツをユーザへ提供するために使用される。他の例として、ユーザはUEを使用して緊急呼び出しを行う。その後、UEの位置が判定され、緊急支援をユーザへ送るために使用される。UE位置の知識が有用又は必要な他の多くのシナリオが存在する。
【0004】
UEの位置は、セルラネットワークにおける1つ又は複数の基地局についてのタイミング測定値及び/又は既知の基地局の位置に基づいて推定される。幾つかの場合、基地局は自局の位置を自律的に判定する能力を有さず、及び/又は基地局の位置は従来の手段(例えば、測量)によって入手することができないこともある。そのような場合、基地局の位置を判定することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
セルラ通信ネットワークにおいて基地局の位置を判定する手法が、本明細書で説明される。一態様では、第1の基地局は、第1の基地局及び第2の基地局の無線有効範囲内の少なくとも1つのUEについての位置情報に基づいて、自局の位置を判定する。もしUEが基地局からの信号を検出でき、及び/又は基地局がUEからの信号を検出できるならば、UEは基地局の無線有効範囲内にある。UEは典型的には1つの基地局から通信サービスを受け取る。もっとも、UEは複数の基地局の無線有効範囲内にあってもよい。第1の基地局は、フェムトセルのために無線有効範囲を提供するホーム基地局(BS)である。第2の基地局は、フェムトセルよりも大きい(例えば、フェムトセルを包含する)マクロセルのために無線有効範囲を提供する。
【0006】
一設計では、第1の基地局は、少なくとも1つのUEについての少なくとも1つの位置要求を第2の基地局へ送る。第1の基地局は、各位置要求の中で1つ又は複数のUEを特定し、又は少なくとも1つのUEのリストを第2の基地局へ送る。第2の基地局は、少なくとも1つのUEについての位置情報を取得し、位置情報を第1の基地局へ返す。第1の基地局は、次いで位置情報に基づいて自分自身についての位置推定値を判定する。
【0007】
一設計では、位置情報は、複数のUEについての複数の位置推定値を備え、又は単一の移動UEについて異なる時間に取得された複数の位置推定値を備える。第1の基地局は、単一又は複数のUEについての複数の位置推定値を平均し、自分自身についての位置推定値を取得する。他の設計では、第1の基地局は、少なくとも1つのUEについての複数の往復時間(RTT)測定値を取得し、少なくとも1つのUEについての複数の位置推定値を位置情報から更に取得する。第1の基地局は、続いて、例えば、三辺測量を使用し、少なくとも1つのUEについての複数のRTT測定値及び複数の位置推定値に基づいて、自分自身についての位置推定値を判定する。
【0008】
他の態様において、第2の基地局は、第1の基地局についての位置推定値を判定する。一設計では、第2の基地局は、第1の基地局についての位置要求を受け取り、少なくとも1つのUEについての位置情報を取得する。第2の基地局は、続いて、例えば、平均又は三辺測量を使用し、少なくとも1つのUEについての位置情報に基づき第1の基地局についての位置推定値を判定する。第2の基地局は、続いてこの位置推定値を第1の基地局へ送る。
【0009】
本明細書で説明される手法は、ホーム基地局の位置を判定するとき特に有利である。ホーム基地局は、ネットワーク運用者が直接的に知ることなく移動されるかも知れない。ホーム基地局の位置は、緊急呼び出しのシナリオで(例えば、法律執行法の通信支援要件を満たすため)、及び更にUEが自分の測位能力を使用できない場合に(例えば、GPSが屋内で良好に働かない場合に)、UEについての位置推定値として使用される。
【0010】
開示の様々な態様及び特徴は、この後で更に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、セルラ通信ネットワークを示す。
【図2A】図2Aは、UE位置をホーム基地局へ提供するメッセージフローを示す。
【図2B】図2Bは、UE位置をホーム基地局へ提供するメッセージフローを示す。
【図3A】図3Aは、母集団平均及び/又は時間平均に基づいてホーム基地局の位置を判定するメッセージフローを示す。
【図3B】図3Bは、母集団平均及び/又は時間平均に基づいてホーム基地局の位置を判定するメッセージフローを示す。
【図4A】図4Aは、RTT測定値を用いる三辺測量に基づいてホーム基地局の位置を判定するメッセージフローを示す。
【図4B】図4Bは、RTT測定値を用いる三辺測量に基づいてホーム基地局の位置を判定するメッセージフローを示す。
【図5】図5は、セルラネットワークによってホーム基地局の位置を予備計算するためのメッセージフローを示す。
【図6】図6は、ホーム基地局によってホーム基地局の位置を判定するために、ホーム基地局によって実行されるプロセスを示す。
【図7】図7は、ホーム基地局によってホーム基地局の位置を判定するために、第2の基地局によって実行されるプロセスを示す。
【図8】図8は、第2の基地局によってホーム基地局の位置を判定するために、ホーム基地局によって実行されるプロセスを示す。
【図9】図9は、第2の基地局によってホーム基地局の位置を判定するために、第2の基地局によって実行されるプロセスを示す。
【図10】図10は、基地局が測位を行うのを支援するために、UEによって実行されるプロセスを示す。
【図11】図11は、UE、ホーム基地局、第2の基地局、及びMME/SAEゲートウェイのブロック図を示す。
【詳細な説明】
【0012】
本明細書で説明される手法は、例えば、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交FDMA(OFDMA)ネットワーク、及び単一搬送波FDMA(Single-Carrier FDMA(SC−FDMA))ネットワークなどの様々なセルラ通信ネットワークのために使用され得る。「ネットワーク」及び「システム」の用語は、多くの場合互換的に使用される。CDMAネットワークは、例えば、ユニバーサル地上無線接続(Universal Terrestrial Radio Access(UTRA))、cdma2000などの無線技術を実現する。UTRAは、広帯域CDMA(WCDMA)及び他のCDMAの変形を含む。cdma2000は、IS−2000規格、IS−95規格、及びIS−856規格をカバーする。TDMAネットワークは、例えば、グローバル移動体通信システム(Global System for Mobile Communications(GSM))、デジタル高度携帯電話システム(Digital Advanced Mobile Phone System(D−AMPS))などの無線技術を実現する。OFDMAネットワークは、例えば、展開UTRA(Evolved UTRA(E−UTRA))、ウルトラモバイルブロードバンド(Ultra Mobile Broadband(UMB))、IEEE802.11(Wi−Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、Flash−OFDM(登録商標)などの無線技術を実現する。UTRA及びE−UTRAはユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunication System(UMTS))の一部である。3GPPロングタームエボリューション(3GPP Long Term Evolution(LTE))は、ダウンリンクではOFDMAを用い、アップリンクではSC−FDMAを用いるE−UTRAを使用するUMTSの最新のリリースである。UTRA、E−UTRA、UMTS、LTE、及びGSMは、「第3世代パートナシッププロジェクト」(3rd Generation Partnership Project (3GPP))という名称の機構からの文書で説明されている。cdma2000及びUMBは、「第3世代提携プロジェクト2」(3rd Generation Partnership Project 2(3GPP2))という名称の機構からの文書で説明されている。明瞭にするため、これらの手法の或る態様が、LTEについて以下で説明される。
【0013】
図1はセルラ通信ネットワーク100を示す。セルラネットワーク100はLTEネットワークであってもよい。セルラネットワーク100は、3GPPによって説明される基地局及び他のネットワークエンティティを含む。簡単にするため、2つの基地局120及び130並びに1つの移動管理エンティティ/システムアーキテクチャエボリューション(Mobility Management Entity/System Architecture Evolution(MME/SAE))ゲートウェイ140のみが図1で示される。基地局はUEと通信する局であり、ノードB、発展型ノードB(eNB)、アクセスポイントなどとも呼ばれる。基地局130は、例えば、半径10キロメートル(Km)までの比較的大きい地理的領域のために無線有効範囲を提供する。基地局130の有効範囲領域は、複数(例えば、3つ)の小さい領域へ区分される。3GPPにおいて、「マクロセル(macro-cell)」の用語は、この用語が使用される文脈に依存して、基地局130の最小有効範囲領域及び/又はこの有効範囲領域にサービス提供する基地局サブシステムを意味し得る。3GPP2において、「セクタ」の用語は、基地局の最小有効範囲領域及び/又はこの有効範囲領域にサービス提供する基地局サブシステムを意味し得る。明瞭にするため、セルの3GPP概念が以下の説明で使用される。簡単にするため、図1は基地局130についての1つのマクロセルを示す。
【0014】
ホーム基地局(home base station)120は、例えば、家庭、小売店、商店などの比較的小さい地理的領域ために無線有効範囲を提供する。ホーム基地局120は、ホーム・アクセスポイント(HAP)、ホームノードB、ホームeNBなどとも呼ばれる。「フェムトセル(femto-cell)」の用語は、ホーム基地局の有効範囲領域及び/又はこの有効範囲領域にサービス提供するホーム基地局サブシステムを意味し得る。ホーム基地局120は、制限されたアクセスを、UEの特定のグループへ提供するように構成される。これらのUEは、閉じられた加入者グループ(closed subscriber group(CSG))に属する。ホーム基地局120は、ネットワーク運用者がセルラネットワークの有効範囲を拡張し、容量を増加し、及び/又は他の利点を取得することを可能にする。ホーム基地局120はセルラネットワークの一部として考えられ、セルラネットワーク内の他のネットワークエンティティと通信する。ホーム基地局120の機能は、公開されている、「3GホームノードB研究項目技術レポート」(3G Home NodeB Study Item Technical Report)という題名の3GPP TR25.820で説明されている。
【0015】
基地局120及び130は、異なる有効範囲領域及び能力を有する2つの型の基地局である。セルラネットワークは他の型の基地局を含んでもよい。例えば、基地局は中規模の地理的領域のために無線有効範囲を提供してもよい。そのような基地局は、先進的ネットワーク計画なしに、例えば、災害エリア又は軍事ゾーンの中に配備され得る。「ピコセル(pico-cell)」の用語は、そのような基地局の有効範囲領域及び/又はこの有効範囲領域にサービス提供する基地局サブシステムを意味し得る。
【0016】
基地局120及び130は、X2インタフェース(図1には示されていない)を介して相互に直接通信する。X2インタフェースは論理インタフェース又は物理インタフェースである。また、基地局120及び130は、S1インタフェースを介してMME/SAEゲートウェイ140と通信する。また、基地局120及び130は、中継器として動作するMME/SAEゲートウェイ140を介して間接的に相互に通信する。MME/SAEゲートウェイ140は、例えば、パケットデータ、ボイスオーバアイピー(VoIP)、ビデオ、メッセージングなどのデータサービスをサポートする。MME/SAEゲートウェイ140は、コアネットワーク及び/又は他のデータネットワーク(例えば、インターネット)へ接続し、これらのネットワークへ接続する他のエンティティ(例えば、遠隔サーバ及び端末)と通信する。基地局130及びMME/SAEゲートウェイ140の機能は、公開されている、「エボルブドユニバーサル地上無線アクセス(E−UTRA)及びエボルブドユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E−UTRAN);概要;ステージ2(Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(E-UTRAN); Overall description; Stage 2)」という題名の3GPP TS36.300で説明されている。
【0017】
UE110は、ダウンリンク及びアップリンクを介して基地局120及び/又は130と通信する。ダウンリンク(又は順方向リンク)とは、基地局からUEへの通信リンクを意味し、アップリンク(又は逆方向リンク)とは、UEから基地局への通信リンクを意味する。UEは固定型または移動型であり、移動局、端末、アクセス端末、加入者ユニット、局などとも呼ばれる。UEは、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、無線モデム、無線通信デバイス、ハンドヘルドデバイス、ラップトップコンピュータ、コードレス電話などである。
【0018】
UEは、基地局120又は130と通信し、例えば、音声、ビデオ、パケットデータ、ブロードキャスト、メッセージングなどの通信サービスを取得する。UEはホーム基地局120の無線有効範囲内にありながら、通信サービスについてホーム基地局にアクセスすることができないこともある。これの理由は、例えば、ホーム基地局はホームをカバーし、UEはこのホーム内のホーム基地局にアクセスすることを許可されていない場合がある。UEは、ホーム基地局にアクセスすることを許可されていなくても、ホーム基地局120と下位レイヤシグナリングを交換する能力を有する(これは測位に有用である)。
【0019】
また、UEは、1つ又は複数の衛星150から信号を受け取る。衛星150は、米国全地球測位システム(GPS)、欧州ガリレオシステム、ロシアGLONASSシステム、又は他の何らかの全地球ナビゲーション衛星システム(GNSS)の一部であってもよい。UEは、衛星150からの信号を測定し、疑似距離範囲測定値を取得する。UEは、基地局120及び/又は130からの信号も測定し、タイミング測定値を取得する。疑似距離範囲測定値及び/又はタイミング測定値、並びに衛星150、ホーム基地局120、及び/又は基地局130の既知の位置を使用して、UEの位置推定値を導出する。位置推定値は、場所推定値、位置固定値(position fix)などとも呼ばれる。位置推定値は、例えば、支援GPS法(assisted GPS(A−GPS))、独立型GPS法(standalone GPS)、発展型順方向リンク三辺測量法(Advanced Forward Link Trilateration(A−FLT))、強化型観測時間差法(Enhanced Observed Time Difference(E−OTD))、到着観測時間差法(Observed Time Difference Of Arrival(OTDOA))、強化型セルID法(Enhanced Cell ID)、セルID法(Cell ID)などの測位方法の1つ又は組み合わせを使用して導出される。
【0020】
基地局130は、典型的には、ネットワーク運用者によって決定された特定の場所に配備された固定局である。これに対し、ホーム基地局120は、ネットワーク運用者が直接的に知ることなく物理的に移動される。結果として、ホーム基地局120を介して経路指定されたサービスから位置情報を直接取得することは困難であるか不可能である。これは、例えば緊急呼び出しの際などの或る事態において問題となる。ホーム基地局120は、GPS受信機(又は他のGNSS受信機)が設けられ、自局の位置を自律的に判定してもよい。しかしながら、このGPS能力はホーム基地局120のコストを増加させ、望ましくない。更に、ホーム基地局120は、典型的にはGPS有効範囲が利用できないか信頼できない屋内に配備される。
【0021】
多くの場合、ホーム基地局120の無線有効範囲内にあるUEは、位置情報が、例えば、近くの基地局を介して取得された場所サービス(LCS)を介して入手可能である。そして、ホーム基地局120の位置は、ホーム基地局に可視のUEについての位置情報に基づいて判定される。
【0022】
図2Aは、UE110の位置をホーム基地局120へ提供するメッセージフロー200の設計を示す。UE110は、図1で示されるUEの任意の1つであり、図1における基地局120及び130の双方の無線有効範囲内にある。ホーム基地局120は、位置要求をUE110へ送ってUEの位置を要求する(ステップa)。UE110は、メッセージを基地局130へ送って測位手順をトリガする(ステップb)。この測位手順は、UE及びセルラネットワークによってサポートされる如何なる測位手順であってもよい。その後、UE110及び基地局130(及び場合によって、他のネットワークエンティティ)は、測位手順のためのメッセージを交換する(ステップc)。例えば、UE110はA−GPS測位能力を有し、測位手順から支援データを取得する。次いでUE110は、支援データを使用して衛星150の疑似距離範囲測定値を取得し、疑似距離範囲測定値及び衛星の既知の位置に基づいて、自装置の位置を判定する。他の例として、UE110は、基地局130及び場合によって他の基地局についてのタイミング測定値を取得する。次に、UE110の位置が、タイミング測定値並びに基地局130及び場合によって他の基地局の既知の位置に基づいて判定される。UE110の位置は、他のやり方で判定されてもよい。いずれの場合においても、UE110についての位置推定値は、例えば、UEによって計算されるか基地局130により提供され、UEで利用手可能となる(ステップd)。次に、UE110は、UEについての位置推定値を含む位置レポートをホーム基地局120へ送る(ステップe)。
【0023】
図2Bは、基地局130によってUE110の位置をホーム基地局120へ提供するメッセージフロー250の設計を示す。UE110は、基地局120及び130の双方の無線有効範囲内にある。ホーム基地局120は、位置要求をUE110へ送ってUEの位置を要求する(ステップa)。次に、UE110は、メッセージを基地局130へ送って測位手順をトリガし(ステップb)、測位手順のために基地局130とメッセージを交換する(ステップc)。UE110についての位置推定値は、例えば、基地局によって計算されるかUEにより提供され、基地局130で利用可能となる(ステップd)。次に、基地局130は、UEについての位置推定値を含む位置レポートをホーム基地局120へ送る(ステップe)。
【0024】
図2A及び図2Bで示されるように、UE110は自装置の位置を判定してもよく、自装置の位置をセルラネットワークに判定させてもよい。第1の場合、UE110は自装置の位置推定値をホーム基地局120へ直接送る(例えば、図2Aで示される)。第2の場合、UEについての位置推定値は、基地局120と基地局130との間のネットワークインタフェースを介して渡されるか(例えば、図2Bで示される)、又は基地局130からUEへ渡され、次いでUEからホーム基地局120へ渡される。
【0025】
図2A及び図2Bは、位置要求がホーム基地局120からUE110へ送られているものとして示している。位置要求は、ホーム基地局120から基地局130へ送られてもよく、次いで基地局130が、位置要求をUE110へ転送するか、UEとの測位手順をトリガしてもよい。図2A及び図2Bにおけるメッセージは、LTEによって定義されたメッセージであってもよく、他の技術又は規格のメッセージであってもよい。ホーム基地局120は、基地局130と直接通信してもよく(例えば、LTEにおけるX2インタフェースを介して)、又は間接的に基地局130と通信してもよい(例えば、MME/SAEゲートウェイ140を介して)。
【0026】
ホーム基地局120の位置は、UE110の位置に基づいて判定されてもよい。一設計において、ホーム基地局120がUE110と同じ場所にあると仮定し、UEについての位置推定値を、ホーム基地局についての位置推定値として使用してもよい。ホーム基地局120についてのこの位置推定値の正確度は、ホーム基地局の有効範囲領域に依存する。このホーム基地局位置推定値の適切度は、具体的な場所ベースの適用の要件に依存する。例えば、ホーム基地局120の有効範囲領域は、直径が数十メートルのオーダであるかも知れない。この場合、ホーム基地局位置推定値は、数十メートルのオーダの不確実性を有する。この位置正確度は、位置情報を要求する幾つかのサービスには十分であるが(例えば、場所別に異なる広告又はローカルマッピングサービス)、他のサービスには不十分である(例えば、家屋が密接に建ち並んだ環境での緊急呼び出し源を位置特定するサービス)。ホーム基地局120の位置は、UE位置推定値が多いほど、これらのUE位置推定値に基づいてより正確に推定される。
【0027】
図3Aは、母集団平均に基づいてホーム基地局120の位置を一層正確に判定するメッセージフローの設計を示す。UE110a及び110b(それぞれUE1及びUE2とも呼ぶ)は、基地局120及び130の双方の無線有効範囲内にある。UE110a及び110bは、基地局130と通信することができ、ホーム基地局120にアクセスできる場合もアクセスできない場合もある。
【0028】
ホーム基地局120は、位置要求を基地局130へ送ってUE110aの位置を要求する(ステップa)。次に基地局130は、メッセージをUE110aへ送って測位手順をトリガし(ステップb)、測位手順のためにUE110aとメッセージを交換する(ステップc)。基地局130は、UE110aについての位置推定値を測位手順から取得し、この位置推定値を含む位置レポートをホーム基地局120へ送る(ステップd)。同様に、ホーム基地局120は、位置要求を基地局130へ送ってUE110bの位置を要求する(ステップe)。次に基地局130は、メッセージをUE110bへ送って測位手順をトリガし(ステップf)、測位手順についてUE110bとメッセージを交換する(ステップg)。基地局130は、UE110bについての位置推定値を測位手順から取得し、この位置推定値を含む位置レポートをホーム基地局120へ送る(ステップh)。
【0029】
一般的に、ホーム基地局120は、任意の数のUEについて任意の数の位置要求を送って、これらのUEについての位置推定値を基地局130から取得する。次にホーム基地局120は、例えば、UE位置推定値を平均することによって、全てのUEについての位置推定値に基づき自局の位置を推定する(ステップi)。
【0030】
図3Bは、基地局130による母集団平均を用いてホーム基地局120の位置を判定するメッセージフロー350の設計を示す。ホーム基地局120は、位置要求を基地局130へ送ってホーム基地局の位置を要求する(ステップa)。基地局130は、メッセージをUE110aへ送って測位手順をトリガし(ステップb)、測位手順のためにUE110aとメッセージを交換し(ステップc)、UE110aについての位置推定値を測位手順から取得する。基地局130は、更にメッセージをUE110bへ送って測位手順をトリガし(ステップd)、測位手順についてUE110bとメッセージを交換し(ステップe)、UE110bについての位置推定値を測位手順から取得する。
【0031】
一般的に、基地局130は、ホーム基地局120の無線有効範囲内の任意の数のUEについて位置推定値を取得する。基地局130は、次いで、例えば、UE位置推定値を平均しホーム基地局についての位置推定値を取得することによって、全てのUEについての位置推定値に基づいてホーム基地局120の位置を推定する(ステップf)。基地局130は、次いで、このホーム基地局位置推定値を含む位置レポートをホーム基地局へ送る(ステップg)。
【0032】
図3Aの設計は、ホーム基地局ホスト型スキームとして考えられうる。この設計において、ホーム基地局120は、利用可能なUE位置推定値に基づいて自局の位置を判定する役割を担う。ホーム基地局120は、更にUE位置推定値を収集する役割を担う。ホーム基地局120は、各UEについて別々の位置要求を送ってもよく(図3Aに示されるように)、UEの特定の集合について単一の位置要求を送ってもよく、又はホーム基地局の無線有効範囲内の全UEについて単一の位置要求を送ってもよい。
【0033】
図3Bの設計は、ネットワークホスト型のスキームとして考えられうる。この設計において、基地局130(及び/又は他の何らかのネットワークエンティティ)は、ホーム基地局120の無線有効範囲内のUEについて位置推定値を収集し、UE位置推定値に基づいてホーム基地局の位置を判定する役割を担う。基地局130は、ホーム基地局から受け取られた情報及び/又はUEから受け取られた情報に基づいて、ホーム基地局120の無線有効範囲内のUEを特定する。一設計において、図3Bのステップaでホーム基地局120によって送られる位置要求は、ホーム基地局によって検出可能なUEのリストを含んでもよい。他の設計において、基地局130は、測定値レポート及び/又はこれらのUEから受け取られた他のシグナリングに基づいて、ホーム基地局120の無線有効範囲内のUEを特定する。図3Bの設計は、ホーム基地局120の実現及び動作を単純化する。具体的には、図3Bで示されるように、ホーム基地局120は、自局の位置についての単一の位置要求を基地局130へ送って、ホーム基地局120についての位置推定値を有する単一の位置レポートを基地局130から受け取る。
【0034】
図3A及び図3Bは、母集団平均を使用してホーム基地局120の位置を判定することを示す。ホーム基地局120の位置は、時間平均を使用して判定することもできる。この場合、単一の移動UEの位置は異なる時間に判定されてホーム基地局120へ提供され(ホーム基地局ホスト型スキームの場合)、又は基地局130へ提供される(ネットワークホスト型スキームの場合)。次に、ホーム基地局120の位置は、例えば、UE位置推定値を平均することによって、この単一のUEについての全位置推定値に基づいて判定される。図3Aのメッセージフロー300及び図3Bのメッセージフロー350は、時間平均について使用されてもよい。この場合、UE1及びUE2は同一のUEに対応し、位置要求は十分に離れた異なる時間に送られる。ホーム基地局120の位置は、母集団平均及び時間平均の組み合わせを使用して判定されてもよい。ホーム基地局120の位置は、単一のUE位置推定値を用いて判定されてもよい。単一のUE位置推定値は、図2Bで示されるように、基地局130によって取得され、ホーム基地局へ提供される。一般的に、ホーム基地局120についての位置推定値を取得するために、如何なるの数のUEについての如何なるの数の位置推定値が平均されてもよい。
【0035】
母集団及び/又は時間平均については、ホーム基地局位置推定値の正確度は、ホーム基地局位置推定値を導出するために使用されるUE位置推定値の分布に依存する。正確度は、UE位置推定値の分布が、一様であるほど(例えば、UE及び/又はこれらの移動の分布が、より一様であるために)改善され、平均に使用されるUE位置推定値の数が大きいほど改善される。UE位置推定値は或る時間にわたって取得され、ホーム基地局位置推定値は、新しいUE位置推定値が利用可能になったとき更新される。ホーム基地局120の有意な移動は、極めて稀であり、もしUE位置推定値がホーム基地局の予期された有効範囲領域の外にあれば、直ちに検出される。
【0036】
一般的に、ホーム基地局120の無線有効範囲内のUEは、ホーム基地局120の位置を判定するために使用される。ホーム基地局120の位置を判定するために使用されるUEは、ホーム基地局へ実際にアクセスする必要はない。これらのUEは、ホーム基地局120によって特定され(例えば、UEから受け取られた信号に基づいて)、又はUEによって特定される(例えば、ホーム基地局から受け取られた信号に基づいて)。ホーム基地局120の位置を判定するために使用され得るUEの数は、ホーム基地局にアクセスできるUEの数よりも大きくてもよい。
【0037】
図3Aは、ホーム基地局120が、異なるUEについての位置要求を基地局130へ送って、これらのUEについての位置推定値を基地局130から取得する設計を示す。図3Bは、ホーム基地局120が自局の位置についての位置要求を基地局130へ送り、基地局130がUEについての位置推定値を取得してホーム基地局の位置を判定する設計を示す。他の設計において、ホーム基地局120は位置要求をUEへ直接送ってもよい。次に、これらのUEの位置が判定され、基地局120又は130へ送られる。更に他の設計において、基地局130はメッセージをUEへ送って測位手順をトリガし(例えば、図3Bで示されるように)、UEは自装置の位置推定値をホーム基地局120へ直接送る。メッセージ及びUE位置推定値は、様々なエンティティ間を他のやり方で送られてもよい。
【0038】
ホーム基地局120の位置は、三辺測量を使用し、1つ又は複数のUEについてのRTT測定値及びUEの既知の位置に基づいて判定されてもよい。ホーム基地局120とUEとの間の往復時間が測定され、RTT測定値はホーム基地局とUEとの間の距離へ変換される。ホーム基地局120の位置は、(i)複数のUEについてのRTT測定値及びこれらのUEの既知の位置に基づいて判定され、又は(ii)既知の異なった位置における単一の移動UEについてのRTT測定値に基づいて判定される。
【0039】
図4Aは、RTT測定値を用いる三辺測量に基づいてホーム基地局120の位置を判定するメッセージフロー400の設計を示す。ホーム基地局120は、位置要求を基地局130へ送ってUE110aの位置を要求する(ステップa)。次いで、基地局130は、メッセージをUE110aへ送って測位手順をトリガし(ステップb)、測位手順のためにUE110aとメッセージを交換し(ステップc)、UE110aについての位置推定値を測位手順から取得し、この位置推定値を含む位置レポートをホーム基地局120へ送る(ステップd)。ホーム基地局120もUE110aとシグナリングを交換し、UE110aについてのRTT測定値を取得する(ステップe)。ホーム基地局120は同様に基地局130とメッセージを交換してUE110bについての位置推定値を取得し(ステップf及びi)、UE110bとシグナリングを交換してUE110bについてのRTT測定値を取得する(ステップj)。ホーム基地局120は、更に基地局130とメッセージを交換してUE110cについての位置推定値を取得し(ステップk及びn)、UE110cとシグナリングを交換してUE110cについてのRTT測定値を取得する(ステップo)。
【0040】
ホーム基地局120は、3つのUE110a、110b、及び110cについての3つのRTT測定値を取得し、これらのUEについての位置推定値も取得する。次に、ホーム基地局120は、三辺測量を使用し、RTT測定値及びUE位置推定値に基づいて自分の位置を判定する(ステップp)。
【0041】
図4Bは、RTT測定値を用いる三辺測量に基づき基地局130によってホーム基地局120の位置を判定するメッセージフロー450の設計を示す。ホーム基地局120は、自局の位置についての位置要求を基地局130へ送る(ステップa)。次いで、基地局130は、メッセージをUE110aへ送って測位手順をトリガし(ステップb)、測位手順のためにUE110aとメッセージを交換し(ステップc)、UE110aについての位置推定値を測位手順から取得する。基地局130はRTT要求をホーム基地局120へ送ってUE110aについてのRTT測定値を要求する(ステップd)。ホーム基地局120は、UE110aとシグナリングを交換してUE110aについてのRTT測定値を取得し(ステップe)、RTT測定値を含むRTTレポートを基地局130へ送る(ステップf)。基地局130は、同様にUE110bとメッセージを交換してUE110bについての位置推定値を取得し(ステップg及びh)、ホーム基地局120とメッセージを交換してUE110bについてのRTT測定値を取得する(ステップi及びk)。基地局130は、UE110cともメッセージを交換してUE110cについての位置推定値を取得し(ステップl及びm)、ホーム基地局120とメッセージを交換してUE110cについてのRTT測定値を取得する(ステップn及びp)。
【0042】
基地局130は、3つのUE110a、110b、及び110cについての3つのRTT測定値を取得し、これらのUEについての位置推定値も取得する。次に、基地局130は、三辺測量を使用して、RTT測定値及びUE位置推定値に基づきホーム基地局120の位置を判定する(ステップq)。基地局130は、次いでホーム基地局についての位置推定値を含む位置レポートをホーム基地局へ送る(ステップr)。
【0043】
図4A及び図4Bは、3つのUE110a、110b、及び110cについての3つのRTT測定値を使用する三辺測量を示す。三辺測量は、異なる位置における単一の移動UEについてのRTT測定値に基づいて行ってもよい。一般的に、三辺測量は、1つ又は複数のUEについての3つ以上のRTT測定値に基づいて実行される。各RTT測定値は、UE位置に関連づけられる。UE位置は、RTT測定の前に判定されてもよく(図4A及び図4Bで示されるように)、RTT測定の後、又はRTT測定と同時に判定されてもよい。RTT測定及び関連づけられたUE位置は、できるだけ接近した時間に取得されるべきである。
【0044】
三辺測量は、3つ以上のRTT測定値及び関連づけられたUE位置推定値に基づいて実行される。時間の経過と共に取得されたRTT測定値が多くなり、及び/又はより多くのUERTT測定値が取得されると、RTT測定値が平均され、ホーム基地局120について取得される位置推定値は正確になる。ホーム基地局がRTT測定値の間で移動した場合、時間にわたって平均すると、ホーム基地局120についての位置推定値が、検出できない誤差を生じやすい結果となる。検出できない誤差の尤度を低減するため、ホーム基地局120の位置を判定するために使用されるRTT測定値は、相互に適度に接近した時間に取得されるべきである。
【0045】
図4Aは、ホーム基地局120が、異なるUEのための位置要求を基地局130へ送って、これらのUEについての位置推定値を基地局130から取得する設計を示す。図4Bは、ホーム基地局120が、自局の位置についての位置要求を基地局130へ送って、異なるUEについてのRTT要求を基地局130から受け取る設計を示す。
【0046】
他の設計において、基地局130はRTT要求をUEへ直接送って(図4Bで示されるようにホーム基地局120ではなく)、RTT測定値をUEから直接受け取ってもよい。この設計は、ホーム基地局120へのアクセスを許可されていないUEが、ホーム基地局についての位置推定値に寄与することを可能にする。これらのUEは、ホーム基地局からサービスを実際に取得することなく、ホーム基地局120への往復時間を測定する。例えば、UEは下位レイヤ(例えば、物理レイヤ)シグナリングをホーム基地局120へ送り、ホーム基地局120は下位レイヤ応答を返す。次に、UEは、ホーム基地局120からのサービス又は上位レイヤ応答を呼び出すことなく、下位レイヤシグナリング及び下位レイヤ応答に基づいてRTT測定値を取得する。この設計は、RTT要求が基地局130からUEへ直接送られ、RTT測定値がUEから基地局130へ直接送られるため、ホーム基地局120の複雑度を低減する。
【0047】
他の設計において、ホーム基地局120は、図4Bのステップaで基地局130へ送られる位置要求の中で特定のUEについてのRTT測定値のリストを提供する。次に、基地局130は、リスト内で特定されたUEの位置を判定する。このリストは、基地局130がRTT要求をホーム基地局120又はUEへ送ってRTTレポートをホーム基地局120又はUEから受け取る必要性を回避する。メッセージ及びRTT測定値は、様々なエンティティ間を他のやり方で送られてもよい。
【0048】
全ての設計について、三辺測量によって計算されたホーム基地局位置推定値の正確度は、UE位置がどの程度密接にRTT測定値と「一致(match)」するかに依存する。ホーム基地局位置推定値の改善正確度は、(i)RTT測定値とできるだけ時間的に近いUE位置を判定する、(ii)固定型又は低移動性であるUEについてのRTT測定値を使用する、及び/又は(iii)UE速度を逆伝搬することによって移動UEについてのRTT測定値を補償しRTT測定時間におけるUE位置を推定する、ことによって取得される。
【0049】
これまで説明された設計において、ホーム基地局120の位置は、ホーム基地局又は他の何らかのエンティティによって要求されたときに判定されてもよい。セルラネットワークはUE位置の判定を支援し、UE位置はホーム基地局120の位置を判定するために使用される。
【0050】
他の設計において、セルラネットワークは、UEからの測定値レポートに基づいてホーム基地局位置のデータベースを自律的に保持してもよい。セルラネットワークの有効範囲領域内のUEは、UEがホーム基地局120の無線有効範囲内にあることをレポートする。セルラネットワークは、セルラネットワーク及びUEによってサポートされる任意の測位方法を使用して、この時間におけるUE位置を判定する。セルラネットワークは、例えば、これまで説明された測位方法を使用し、UEについての位置推定値を使用してホーム基地局120の位置を判定する。セルラネットワークは、時間及び/又は母集団で平均するためにUEについての位置推定値を記憶する。ホーム基地局120が後で自局の位置を要求した場合、セルラネットワークはホーム基地局120についての位置推定値を既に有し、単にこの位置推定値をホーム基地局へ渡せばよい。
【0051】
図5は、セルラネットワークによってホーム基地局120の位置を自律的に予備計算するメッセージフロー500の設計を示す。基地局130は、例えば、セルラネットワーク内の通常動作の一部として測定値レポートをUE110aから受け取る(ステップa)。次に、基地局130は、メッセージをUE110aへ送って測位手順をトリガし(ステップb)、測位手順のためにUE110aとメッセージを交換し(ステップc)、UE110aについての位置推定値を取得する。同様に、基地局130は測定値レポートをUE110bから受け取る(ステップd)。次に、基地局130は、メッセージをUE110bへ送って測位手順をトリガし(ステップe)、測位手順のためにUE110bとメッセージを交換し(ステップf)、UE110bについての位置推定値を取得する。基地局130は、UE110a及び110bについての位置推定値に基づいて、ホーム基地局120についての位置推定値を導出する(ステップg)。基地局130は、より多くのUE位置推定値が利用可能になると、ホーム基地局120についての位置推定値を更新する。
【0052】
その後、ホーム基地局120は位置要求を基地局130へ送ってホーム基地局の位置を要求する(ステップh)。基地局130は、ホーム基地局についての位置推定値を含む位置レポートをホーム基地局へ送る(ステップi)。
【0053】
図5で示される設計において、ホーム基地局120の位置は、利用可能なUE位置推定値を平均することによって推定される。他の設計において、セルラネットワークは、ホーム基地局120から、又はホーム基地局の無線有効範囲内のUEから、RTT測定値を要求する。次に、ホーム基地局120の位置が、三辺測量を使用しRTT測定値に基づいて判定される。RTT測定値は、ホーム基地局120による関与なしにUEから取得される。あるいは、ホーム基地局120はRTT測定値の入手を支援し、RTTサーバとして行動する。
【0054】
セルラネットワークはホーム基地局位置のデータベースを保持してもよい。ホーム基地局の位置は、一意の識別子によって特定されるか鍵を与えられてもよい。識別子は、PLMNと、ホーム基地局によってシグナリングされたセルアイデンティティ(ID)又は他のID又はIDの組み合わせとの組み合わせによって定義される。データベース内のホーム基地局位置は、時間の経過と共により多くのより多くのUE位置が利用可能になるため、精確化される。ホーム基地局120の移動は、ほとんど即時に検出される。これは、ホーム基地局120に関連づけられた全てのUEが、予期される位置と非常に異なる位置を突然レポートするからである。セルラネットワークは、ホーム基地局120の実質的な移動が検出されたとき、様々な方法で応答する。セルラネットワークは、ホーム基地局120についてのデータベースエントリを「おそらく移動した」としてフラグし、ホーム基地局120の位置の判定を新しく開始する(例えば、平均プロセスを再度開始する)。セルラネットワークは、これまで説明されたメッセージフローの1つを使用して、ホーム基地局120についての位置更新を開始してもよい。セルラネットワークは、どのホーム基地局が移動する傾向を有するかを示す揮発性情報を保持してもよい。実際には、多くのホーム基地局の大部分が固定型であり、データベース内のホーム基地局位置は、ほとんどの時間に有効である。ホーム基地局の位置が或るエンティティ(例えば、ホーム基地局120又は外部クライアント)によって要求されたとき、セルラネットワークは、一般的に、要求しているエンティティへ即時に引き渡すことのできる位置推定値を有することができる。
【0055】
上述の設計において、ホーム基地局120の位置は、1つ又は複数のUEの位置に基づいて判定される。これらのUE位置は、UE測位をサポートするセルラネットワーク内の基地局/マクロセルとのUE相互作用に基づいて判定される。UEは単独測位能力(例えば、GPS受信機)を有し、セルラネットワークとの相互作用なしに、自装置の位置を自律的に判定することができる。UEは、要求されたとき、自分の位置を基地局120及び/又は130へレポートする。
【0056】
一般的に、ホーム基地局120の位置は、任意の測位方法を使用して推定されたUE位置に基づいて判定される。平均を実行するとき、より正確な測位方法(例えば、GPS又はA−GPS)を用いて取得されたUE位置、及び/又は、より近時に取得されたUE位置に対して、より多くの重みが与えられる。
【0057】
図6は、ネットワークエンティティの位置を判定するために、このネットワークエンティティによって実行されるプロセス600の設計を示す。プロセス600は、図3A及び図4Aで示されるようなメッセージフローのためにホーム基地局120によって実行される。第1の基地局(例えば、ホーム基地局120)は、少なくとも1つのUEについての少なくとも1つの位置要求を第2の基地局(例えば、基地局130)へ送る(ブロック612)。第1及び第2の基地局はダイレクト・ネットワークインタフェース(例えば、X2インタフェース)上で通信し、又は中間ノードを介して(例えば、中継器としてのMME/SAEゲートウェイとのS1インタフェースを使用して)間接的に通信する。少なくとも1つのUEは、第1及び第2の基地局の双方の無線有効範囲内にある。第1の基地局は、(例えば、図3A及び図4Aで示されるような)各位置要求内で1つ又は複数のUEを特定し、又は少なくとも1つのUEのリストを第2の基地局へ送る。第1の基地局は、少なくとも1つのUEについての位置情報を第2の基地局から受け取る(ブロック614)。次に、第1の基地局は、少なくとも1つのUEについての位置情報に基づき自局についての位置推定値を判定する(ブロック616)。
【0058】
ブロック616の一設計において、第1の基地局は、少なくとも1つのUEについての複数の位置推定値を位置情報から取得する。次に、第1の基地局は、少なくとも1つのUEについての複数の位置推定値を平均し、例えば、図3Aで示されるように、自局ついての位置推定値を取得する。ブロック616の他の設計において、第1の基地局は、少なくとも1つのUEについての複数のRTT測定値を取得し、少なくとも1つのUEについての複数の位置推定値を位置情報から更に取得する。次に、第1の基地局は、例えば、図4Aで示されるように、少なくとも1つのUEについての複数のRTT測定値及び複数の位置推定値に基づいて、自局についての位置推定値を判定する。他の型のタイミング測定値を(RTT測定値の代わりに)、三辺測量で使用してもよい。
【0059】
一設計において、第1の基地局は複数のUEについての複数の位置推定値を位置情報から取得する。他の設計において、第1の基地局は、単一のUEについて異なる時間に取得された複数の位置推定値を位置情報から取得する。双方の設計において、第1の基地局は、単一又は複数のUEについての複数の位置推定値に基づいて、自局の位置推定値を判定する。
【0060】
第1の基地局は、フェムトセルのために無線有効範囲を提供するホーム基地局であってもよい。第2の基地局は、フェムトセルを包含するマクロセルのために無線有効範囲を提供してもよい。第2の基地局は、フェムトセルとオーバラップするセルのために無線有効範囲を提供する他のホーム基地局又は基地局であってもよい。少なくとも1つのUEの各々は、第1の基地局へのアクセスを有しても有さなくてもよいが、第1の基地局についての位置推定値を判定するために使用される。
【0061】
図7は、他のネットワークエンティティによる測位をサポートするために、或るネットワークエンティティによって実行されるプロセス700の設計を示す。プロセス700は、図3A及び図4Aで示されるようなメッセージフローのために、基地局130によって実行される。第2の基地局(例えば、基地局130)は、少なくとも1つのUEについての少なくとも1つの位置要求を第1の基地局(例えば、ホーム基地局120)から受け取る(ブロック712)。少なくとも1つのUEは、第1及び第2の基地局の双方の無線有効範囲内にある。第2の基地局は、少なくとも1つの位置要求に応答して、該少なくとも1つのUEについての位置情報を取得する(ブロック714)。第2の基地局は、少なくとも1つのUEについての位置情報を第1の基地局へ送る(ブロック716)。位置情報は、第1の基地局についての位置推定値を判定するために使用される。
【0062】
図8は、他のネットワークエンティティから自装置の位置推定値を取得するため或る1つのネットワークエンティティによって実行されるプロセス800の設計を示す。プロセス800は、図3B及び図4Bで示されるようなメッセージフローのためにホーム基地局120によって実行される。第1の基地局(例えば、ホーム基地局120)は、自局の位置についての要求を第2の基地局(例えば、基地局130)へ送る(ブロック812)。第1の基地局は、自局についての位置推定値を第2の基地局から受け取る(ブロック814)。位置推定値は、第1及び第2の基地局の双方の無線有効範囲内の少なくとも1つのUEについて取得された位置情報に基づいて判定される。
【0063】
図9は、他のネットワークエンティティの位置を判定するために、或るネットワークエンティティによって実行されるプロセス900の設計を示す。プロセス900は、例えば、図3B及び図4Bで示されるようなメッセージフローのために基地局130によって実行される。第2の基地局(例えば、基地局130)は、第1の基地局についての位置要求を受け取る(ブロック912)。第2の基地局は、第1及び第2の基地局の双方の無線有効範囲内の少なくとも1つのUEについての位置要求を取得する(ブロック914)。第2の基地局は、少なくとも1つのUEのリストを第1の基地局から受け取るか、少なくとも1つのUEから受け取られた測定値レポートに基づいて少なくとも1つのUEを特定する。第2の基地局は、少なくとも1つのUEについての位置情報に基づいて、第1の基地局についての位置情報を判定する(ブロック916)。次に、第2の基地局は、位置推定値を第1の基地局へ送る(ブロック918)。
【0064】
一設計において、第2の基地局は、少なくとも1つのUEについての複数の位置推定値を位置情報から取得する。次に、第2の基地局は、少なくとも1つのUEについての複数の位置推定値を平均し、例えば、図3Bで示されるように、第1の基地局についての位置推定値を取得する。他の設計において、第2の基地局は、少なくとも1つのUEについての複数のRTT測定値を取得する。第2の基地局は、少なくとも1つのRTT要求を第1の基地局へ送って、例えば、図4Bで示されるように、少なくとも1つのUEについての複数のRTT測定値を第1の基地局から受け取る。あるいは、第2の基地局は、複数のRTT測定値を少なくとも1つのUEから直接受け取る。第2の基地局は、少なくとも1つのUEについての複数の位置推定値を位置情報から取得してもよい。次に、第2の基地局は、例えば、図4Bで示されるように、少なくとも1つのUEについての複数のRTT測定値及び複数の位置推定値に基づいて、第1の基地局についての位置推定値を判定する。
【0065】
一設計において、第2の基地局は、複数のUEについての複数の位置推定値を位置情報から取得する。他の設計において、第2の基地局は、単一のUEについて異なる時間に取得された複数の位置推定値を位置情報から取得する。双方の設計について、第2の基地局は、単一又は複数のUEについての複数の位置推定値に基づいて、第1の基地局についての位置推定値を判定する。
【0066】
図10は、測位を用いるネットワークエンティティを支援するプロセス1000の設計を示す。プロセス1000は、例えば、図2A〜図4Bで示されるようなメッセージフローのためにUEによって実行される。UEは、第1及び第2の基地局の双方の無線有効範囲内にあり、例えば、第1又は第2の基地局から、自装置の位置についての位置要求を受け取る(ブロック1012)。UEは様々なやり方で測位のために選択される。一設計において、UEは第1の基地局を検出し、第1の基地局を特定する測定値レポートを第2の基地局へ送る。他の設計において、第1の基地局はUEを検出し、UEを第2の基地局に対して特定する。
【0067】
UEは、第2の基地局を用いて測位を実行し、自装置についての位置推定値を取得する(ブロック1014)。UEの位置推定値は、第1の基地局についての位置推定値を判定するために使用される。UEは自装置の位置推定値を第1又は第2の基地局へ送り、又は位置推定値は測位から第1又は第2の基地局で利用可能である。UEは第1の基地局とシグナリングを交換し、RTT測定値を取得してもよい。次に、第1の基地局についての位置推定値が、更にRTT測定値に基づいて判定される。
【0068】
その後、UEは、自装置の位置についての第2の要求を受け取り、第2の基地局を用いて測位を実行し、自装置についての第2の位置推定値を取得する。UEについての第2の位置推定値は、第1の基地局についての位置推定値を判定するために使用される。
【0069】
図11は、図1のUE110、第1の(例えば、ホーム)基地局120、第2の基地局130、及びMME/SAEゲートウェイ140の設計のブロック図を示す。アップリンクでは、UE110の符号器1112はアップリンク上で送られるトラフィックデータ及びシグナリングを受け取り、トラフィックデータ及びシグナリングを処理する(例えば、フォーマット、符号化、及びインタリーブする)。変調器(Mod)1114は、符号化されたトラフィックデータ及びシグナリングを更に処理し(例えば、変調、チャネル化、スクランブルし)、出力サンプルを提供する。送信機(TMTR)1122は、出力サンプルを調整し(例えば、アナログ変換、フィルタ、増幅、及び周波数アップコンバートし)、アップリンク信号を生成する。アップリンク信号は基地局120及び/又は130へ送信される。
【0070】
ダウンリンクでは、UE110は基地局120及び/又は130によって送信されたダウンリンク信号を受信する。受信機(RCVR)1126は、受信した信号を調整し(例えば、フィルタ、増幅、周波数ダウンコンバート、及びデジタル化し)、入力サンプルを提供する。復調器(Demod)1116は、入力サンプルを処理し(例えば、デスクランブル、チャネル化、及び復調し)、シンボル推定値を提供する。復号器1118は、シンボル推定値を処理し(例えば、デインタリーブ及び復号し)、UE110へ送られた復号データ及びシグナリングを提供する。符号器1112、変調器1114、復調器1116、及び復号器1118は、モデムプロセッサ1110によって実現される。これらのユニットは、セルラネットワークによって使用される無線テクノロジ(例えば、LTE)に従って処理を実行する。コントローラ/プロセッサ1130は、UE110内の様々なユニットの動作を指示する。コントローラ/プロセッサ1130は、図10のプロセス1000及び/又は本明細書で説明された手法のための他のプロセスを更に実行及び指示する。メモリ1132はUE110のためのプログラムコード及びデータを格納する。
【0071】
基地局120において、送信機/受信機1138は、UE110及び他のUEとの無線通信をサポートする。コントローラ/プロセッサ1140は、UEと通信するための様々な機能を実行する。アップリンクでは、UE110からのアップリンク信号が受信機1138によって受信及び調整され、コントローラ/プロセッサ1140によって更に処理され、UEによって送られるトラフィックデータ及びシグナリングを回復する。ダウンリンクでは、トラフィックデータ及びシグナリングがコントローラ/プロセッサ1140によって処理され、送信機1138によって調整され、ダウンリンク信号を生成する。ダウンリンク信号はUE110及び他のUEへ送信される。コントローラ/プロセッサ1140は、図6のプロセス600、図8のプロセス800、及び/又は本明細書で説明される手法のための他のプロセスを更に実行、指示、又は参加する。メモリ1142は、基地局120のためのプログラムコード及びデータを格納する。通信(Comm)ユニット1144は、MME/SAEゲートウェイ140及び/又は他のネットワークエンティティとの通信をサポートする。
【0072】
基地局130において、送信機/受信機1148はUE110及び他のUEとの無線通信をサポートする。コントローラ/プロセッサ1150はUEと通信するための様々な機能を実行する。コントローラ/プロセッサ1150は、図7のプロセス700、図9のプロセス900、及び/又は本明細書で説明される手法のための他のプロセスで実行、指揮、又は参加する。メモリ1152は基地局130のためのプログラムコード及びデータを格納する。通信ユニット1154はMME/SAEゲートウェイ140及び/又は他のネットワークエンティティとの通信をサポートする。
【0073】
MME/SAEゲートウェイ140において、コントローラ/プロセッサ1160はUEのための通信サービスをサポートする様々な機能を実行する。メモリ1162はMME/SAEゲートウェイ140のためのプログラムコード及びデータを格納する。通信ユニット1164は基地局及び他のネットワークエンティティとの通信をサポートする。
【0074】
当業者は、情報及び信号が多様な技術及び手法を使用して表現されることを理解するであろう。例えば、これまでの説明を通して参照されたデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場又は磁性粒子、光場又は光粒子、又はこれらの組み合わせによって表現され得る。
【0075】
当業者は、本明細書の開示に関連して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実現され得ることを更に了解するであろう。ハードウェア及びソフトウェアのこの互換性を明瞭に示すため、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、及びステップは、一般的にこれらの機能性の見地から説明された。そのような機能性がハードウェアとして実現されるか、ソフトウェアとして実現されるかは、具体的な用途及びシステム全体に課される設計制約に依存する。当業者は、各々の具体的用途のために、説明された機能性を様々な方途で実現することができるが、そのような実現の判断は、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすと解釈されてはならない。
【0076】
本明細書の開示と関連して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)、又は他のプログラム可能論理デバイス、離散的ゲート又はトランジスタ論理、離散的ハードウェアコンポーネント、又は本明細書で説明される機能を実行するように設計されたこれらの組み合わせを用いて実現又は実行される。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいが、代替としてプロセッサは従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態機械であってもよい。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと結合した1つ又は複数のマイクロプロセッサ、又は他のそのような構成として実現されてもよい。
【0077】
本明細書の開示と関連して説明された方法又はアルゴリズムのステップは、ハードウェアで直接具現化されるか、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで具現化されるか、これら2つの組み合わせで具現化される。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、取り外し可能ディスク、CD−ROM、又は当技術分野で知られている記憶媒体の他の形態内に存在してもよい。例示的な記憶媒体はプロセッサへ結合され、プロセッサは記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体へ情報を書き込むことができる。代替として、記憶媒体はプロセッサと一体化される。プロセッサ及び記憶媒体はASIC内に存在してもよい。ASICは、ユーザ端末内に存在してもよい。代替として、プロセッサ及び記憶媒体はユーザ端末内で離散的コンポーネントとして存在する。
【0078】
1つ又は複数の例示的設計において、説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせで実現される。ソフトウェアで実現される場合、機能はコンピュータ読み取り可能媒体上の1つ又は複数の命令又はコードとして格納されるか伝送される。コンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体の双方を含む。通信媒体は、1つの場所から他の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、汎用又は特殊用途コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体である。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ読み取り可能媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM、又は他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、又は他の磁気記憶デバイス、又は任意の他の媒体を備える。前記任意の他の媒体は、命令又はデータ構造の形式で所望のプログラムコード手段を搬送又は格納するために使用され、汎用又は特殊目的コンピュータ、又は汎用又は特殊用途プロセッサによってアクセスされる。更に、接続は、適宜コンピュータ読み取り可能媒体と呼ばれる。例えば、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストぺあ、デジタル加入者線(DSL)、又は無線テクノロジ、例えば、赤外線、無線、及びマイクロ波を使用して、ソフトウェアがウェブサイト、サーバ、又は他の遠隔のソースから伝送される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、対撚り線、DSL、又は無線テクノロジ、例えば、赤外線、無線、及びマイクロ波は媒体の定義の中に含まれる。本明細書で使用されるときのdisk及びdiscは、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、及びブルーレイディスクを含む。ここでdiskは、通常、データを磁気的に再生し、discはレーザを用いてデータを光学的に再生する。上記の組み合わせもコンピュータ読み取り可能媒体の範囲に含められるべきである。
【0079】
本開示のこれまでの説明は、当業者が本開示を作製又は使用することを可能にするように提供される。本開示への様々な修正は、当業者にとって容易に明らかであろう。本明細書で定義される一般的原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の変形へ応用される。故に、本開示は、本明細書で説明された例及び設計への限定を意図されず、本明細書で開示される原理及び新規な特徴と矛盾しない最も広い範囲を与えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルラ通信ネットワークにおいて測位を実行する方法であって、
少なくとも1つのユーザ機器(UE)についての少なくとも1つの位置要求を第1の基地局から第2の基地局へ送ることであって、前記少なくとも1つのUEは、前記第1及び第2の基地局の双方の無線有効範囲内にあることと、
前記少なくとも1つのUEについての位置情報を前記第2の基地局から受け取ることと、
前記少なくとも1つのUEについての前記位置情報に基づいて前記第1の基地局についての位置推定値を判定することと
を備える方法。
【請求項2】
前記第1の基地局についての前記位置推定値を判定することは、
前記少なくとも1つのUEについての複数の位置推定値を前記位置情報から取得することと、
前記少なくとも1つのUEについての前記複数の位置推定値を平均し、前記第1の基地局についての前記位置推定値を取得することと
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の基地局についての前記位置推定値を判定することは、
前記少なくとも1つのUEについての複数の往復時間(RTT)測定値を取得することと、
前記少なくとも1つのUEについての複数の位置推定値を前記位置情報から取得することと、
前記複数のRTT測定値及び前記少なくとも1つのUEについての前記複数の位置推定値に基づき前記第1の基地局についての前記位置推定値を判定することと
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのUEは複数のUEを備え、前記位置情報は前記複数のUEについての複数の位置推定値を備え、前記第1の基地局についての前記位置推定値は、前記複数のUEについての前記複数の位置推定値に基づき判定される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのUEは単一のUEを備え、前記位置情報は、前記単一のUEについて異なる時間に取得された複数の位置推定値を備え、前記第1の基地局についての前記位置推定値は、前記単一のUEについての前記複数の位置推定値に基づき判定される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の基地局は、フェムトセルのために無線有効範囲を提供するホーム基地局を備え、前記第2の基地局は前記フェムトセルを包含するマクロセルのために無線有効範囲を提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのUEは、前記第1の基地局へのアクセスを許可されていないUEを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
無線通信装置であって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、少なくとも1つのユーザ機器(UE)についての少なくとも1つの位置要求を第1の基地局から第2の基地局へ送るように構成され、前記少なくとも1つのUEは前記第1及び第2の基地局の双方の無線有効範囲内にあり、前記プロセッサは、前記少なくとも1つのUEについての位置情報を前記第2の基地局から受け取り、前記少なくとも1つのUEについての前記位置情報に基づき前記第1の基地局についての位置推定値を判定するように構成される、装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのUEについての複数の位置推定値を前記位置情報から取得し、前記少なくとも1つのUEについての前記複数の位置推定値を平均し、前記第1の基地局についての前記位置推定値を取得するように構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのUEについての複数の往復時間(RTT)測定値を取得し、前記少なくとも1つのUEについての複数の位置推定値を前記位置情報から取得し、前記少なくとも1つのUEについての前記複数のRTT測定値及び前記複数の位置推定値に基づき前記第1の基地局についての前記位置推定値を判定するように構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
セルラ通信ネットワークにおいて測位を実行する装置であって、
少なくとも1つのユーザ機器(UE)についての少なくとも1つの位置要求を第1の基地局から第2の基地局へ送る手段であって、前記少なくとも1つのUEは前記第1及び第2の基地局の双方の無線有効範囲内にある、手段と、
前記少なくとも1つのUEについての位置情報を前記第2の基地局から受け取る手段と、
前記少なくとも1つのUEについての前記位置情報に基づき前記第1の基地局についての位置推定値を判定する手段と
を備える装置。
【請求項12】
前記第1の基地局についての前記位置推定値を判定する手段は、
前記少なくとも1つのUEについての複数の位置推定値を前記位置情報から取得する手段と、
前記少なくとも1つのUEについての前記複数の位置推定値を平均し、前記第1の基地局についての前記位置推定値を取得する手段と
を備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の基地局についての前記位置推定値を判定する手段は、
前記少なくとも1つのUEについての複数の往復時間(RTT)測定値を取得する手段と、
前記少なくとも1つのUEについての複数の位置推定値を前記位置情報から取得する手段と、
前記少なくとも1つのUEについての前記複数のRTT測定値及び前記複数の位置推定値に基づき前記第1の基地局についての前記位置推定値を判定する手段と
を備える、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
コンピュータ・プログラムプロダクトであって、
コンピュータ読み取り可能媒体を備え、前記コンピュータ読み取り可能媒体は、
少なくとも1つのコンピュータに、少なくとも1つのユーザ機器(UE)についての少なくとも1つの位置要求を第1の基地局から第2の基地局へ送ることを実行させるコードであって、前記少なくとも1つのUEは前記第1及び第2の基地局の双方の無線有効範囲内にある、コードと、
前記少なくとも1つのコンピュータに、前記少なくとも1つのUEについての位置情報を前記第2の基地局から受け取ることを実行させるコードと、
前記少なくとも1つのコンピュータに、前記少なくとも1つのUEについての前記位置情報に基づき前記第1の基地局についての位置推定値を判定することを実行させるコードと
を備えるコンピュータ・プログラムプロダクト。
【請求項15】
前記コンピュータ読み取り可能媒体は、
前記少なくとも1つのコンピュータに、前記少なくとも1つのUEについての複数の位置推定値を前記位置情報から取得することを実行させるコードと、
前記少なくとも1つのコンピュータに、前記少なくとも1つのUEについての前記複数の位置推定値を平均し、前記第1の基地局についての前記位置推定値を取得することを実行させるコードと
を更に備える、請求項14に記載のコンピュータ・プログラムプロダクト。
【請求項16】
前記コンピュータ読み取り可能媒体は、
前記少なくとも1つのコンピュータに、前記少なくとも1つのUEについての複数の往復時間(RTT)測定値を取得することを実行させるコードと、
前記少なくとも1つのコンピュータに、前記少なくとも1つのUEについての複数の位置推定値を前記位置情報から取得することを実行させるコードと、
前記少なくとも1つのコンピュータに、前記少なくとも1つのUEについての前記複数のRTT測定値及び前記複数の位置推定値に基づき前記第1の基地局についての前記位置推定値を判定することを実行させるコードと
を更に備える、請求項14に記載のコンピュータ・プログラムプロダクト。
【請求項17】
セルラ通信ネットワークにおいて測位を実行する方法であって、
少なくとも1つのユーザ機器(UE)についての少なくとも1つの位置要求を受け取ることであって、前記少なくとも1つの位置要求は第1の基地局から第2の基地局へ送られ、前記少なくとも1つのUEは前記第1及び第2の基地局の双方の無線有効範囲内にあることと、
前記少なくとも1つの位置要求に応答して前記少なくとも1つのUEについての位置情報を取得することと、
前記少なくとも1つのUEについての前記位置情報を前記第2の基地局から前記第1の基地局へ送ることであって、前記位置情報は、前記第1の基地局についての位置推定値を判定するため前記第1の基地局によって使用されることと
を備える方法。
【請求項18】
セルラ通信ネットワークにおいて測位を実行する方法であって、
第1の基地局についての位置要求を第2の基地局へ送ることと、
前記第1の基地局についての位置推定値を前記第2の基地局から受け取ることであって、前記位置推定値は、前記第1及び第2の基地局の双方の無線有効範囲内の少なくとも1つのユーザ機器(UE)について取得された位置情報に基づいて判定されることと
を備える方法。
【請求項19】
セルラ通信ネットワークにおいて測位を実行する方法であって、
第1の基地局についての位置要求を第2の基地局で受け取ることと、
前記第1及び第2の基地局の双方の無線有効範囲内の少なくとも1つのユーザ機器(UE)についての位置情報を取得することと、
前記少なくとも1つのUEについての位置情報に基づいて前記第1の基地局についての位置推定値を判定することと、
前記位置推定値を前記第1の基地局へ送ることと
を備える方法。
【請求項20】
前記第1の基地局についての前記位置推定値を判定することは、
前記少なくとも1つのUEについての複数の位置推定値を前記位置情報から取得することと、
前記少なくとも1つのUEについての前記複数の位置推定値を平均し、前記第1の基地局についての前記位置推定値を取得することと
を備える、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の基地局についての前記位置推定値を判定することは、
前記少なくとも1つのUEについての複数の往復時間(RTT)測定値を取得することと、
前記少なくとも1つのUEについての複数の位置推定値を前記位置情報から取得することと、
前記少なくとも1つのUEについての前記複数のRTT測定値及び前記複数の位置推定値に基づき前記第1の基地局についての前記位置推定値を判定することと
を備える、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つのUEについての前記複数のRTT測定値を取得することは、
少なくとも1つのRTT要求を前記第1の基地局へ送ることと、
前記少なくとも1つのUEについての前記複数のRTT測定値を前記第1の基地局から受け取ることと
を備える、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つのUEについての前記複数のRTT測定値を取得することは、前記複数のRTT測定値を前記少なくとも1つのUEから受け取ることを備える、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つのUEのリストを前記第1の基地局から受け取ることを更に備える、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つのUEから受け取られた測定値レポートに基づいて前記少なくとも1つのUEを特定すること
を更に備える、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも1つのUEは複数のUEを備え、前記位置情報は前記複数のUEについての複数の位置推定値を備え、前記第1の基地局についての前記位置推定値は、前記複数のUEについての前記複数の位置推定値に基づき判定される、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つのUEは単一のUEを備え、前記位置情報は、単一のUEについて異なる時間に取得された複数の位置推定値を備え、前記第1の基地局についての前記位置推定値は、前記単一のUEについての前記複数の位置推定値に基づき判定される、請求項19に記載の方法。
【請求項28】
前記少なくとも1つのUEについての前記位置情報を取得すること及び前記第1の基地局についての前記位置推定値を判定することは、前記第1の基地局についての前記位置要求を受け取ることの前に実行され、前記位置推定値を前記第1の基地局へ送ることは、前記位置要求の受け取りに応答して実行される、請求項19に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の基地局を備える複数の基地局についての位置推定値のデータベースを保持することと、
前記複数の基地局の無線有効範囲内のUEについての位置推定値が利用可能になったとき、前記複数の基地局についての前記位置推定値を更新することと
を更に備える、請求項19に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の基地局は、フェムトセルのために無線有効範囲を提供するホーム基地局を備え、前記第2の基地局は、前記フェムトセルを包含するマクロセルのために無線有効範囲を提供する、請求項19に記載の方法。
【請求項31】
前記少なくとも1つのUEは、前記第1の基地局へのアクセスを許可されていないUEを備える、請求項19に記載の方法。
【請求項32】
無線通信装置であって、
第1の基地局についての位置要求を第2の基地局で受け取り、前記第1及び第2の基地局の双方の無線有効範囲内の少なくとも1つのユーザ機器(UE)についての位置情報を取得し、前記少なくとも1つのUEについての前記位置情報に基づき前記第1の基地局についての位置推定値を判定し、前記位置推定値を前記第1の基地局へ送るように構成される少なくとも1つのプロセッサを備える、装置。
【請求項33】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのUEについての複数の位置推定値を前記位置情報から取得し、前記少なくとも1つのUEについての前記複数の位置推定値を平均し、前記第1の基地局についての前記位置推定値を取得するように構成される、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのUEについての複数の往復時間(RTT)測定値を取得し、前記少なくとも1つのUEについての複数の位置推定値を前記位置情報から取得し、前記少なくとも1つのUEについての前記複数のRTT測定値及び前記複数の位置推定値に基づき前記第1の基地局についての前記位置推定値を判定するように構成される、請求項32に記載の装置。
【請求項35】
前記少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つのRTT要求を前記第1の基地局へ送り、前記少なくとも1つのUEについての前記複数のRTT測定値を前記第1の基地局から受け取るように構成される、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
セルラ通信ネットワークにおいて測位を実行する方法であって、
ユーザ機器(UE)についての位置要求を前記UEで受け取ることであって、前記UEは第1及び第2の基地局の双方の無線有効範囲内にあることと、
前記第2の基地局を用いて測位を実行して前記UEについての位置推定値を取得することであって、前記UEについての前記位置推定値は、前記第1の基地局についての位置推定値を判定するために使用されることと
を備える方法。
【請求項37】
前記UEについての前記位置推定値を前記第1の基地局へ送ること
を更に備える、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記第1の基地局とシグナリングを交換して往復時間(RTT)測定値を取得すること、及び前記第1の基地局についての前記位置推定値は更に前記RTT測定値に基づいて判定されること
を更に備える、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記UEについての第2の位置要求を後続の時間に受け取ることと、
前記第2の位置要求に応答して前記第2の基地局を用いる測位を実行し、前記UEについての第2の位置推定値を取得し、前記UEについての前記第2の位置推定値は、前記第1の基地局についての前記位置推定値を判定するために使用されることと
を更に備える、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記第1の基地局を前記UEによって検出可能であるとして特定する測定値レポートを前記第2の基地局へ送ること
を更に備える、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
無線通信装置であって、
ユーザ機器(UE)についての位置要求を前記UEで受け取り、前記UEは第1及び第2の基地局の双方の無線有効範囲内にあり、前記第2の基地局を用いる測位を実行して前記UEについての位置推定値を取得し、前記UEについての前記位置推定値は、前記第1の基地局についての位置推定値を判定するために使用されるように構成される少なくとも1つのプロセッサを備える、装置。
【請求項42】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1の基地局とシグナリングを交換して往復時間(RTT)測定値を取得するように構成され、前記第1の基地局についての前記位置推定値は更に前記RTT測定値に基づいて判定される、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1の基地局を前記UEによって検出可能であるとして特定する測定値レポートを前記第2の基地局へ送るように構成される、請求項41に記載の装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2010−531583(P2010−531583A)
【公表日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513494(P2010−513494)
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2008/067946
【国際公開番号】WO2008/157841
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】