説明

セル浮標システム

セルラー通信システムは、水域内に配置された浮標の配列を含む。各浮標は、セルラー送受信サイトを含むより完全なセルラー・システムと、セルラー信号を処理するための付随する電気装置とを含む。各浮標はまた、水域内の波に応答して、電気エネルギーを生成し、セルラー信号を処理する付随する装置に電力供給するための波力エネルギー変換器WECを含み、それによってセルラー・システムは、いかなる追加の電源もなしで、連続して動作することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルラー基盤を使用して沖合(海上)での通信のために携帯電話の使用を可能にする装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
問題は、現在、船に搭載されている無線システム以外に、沖合数マイルを超えているときに個人が利用可能な費用効果の高い移動体通信システムがないことにある。携帯電話の使用者が沖合数マイルを超えているときに自身の移動体ユニットを使用でき、その結果沖合の他の使用者と通信でき、また陸上のネットワークに連絡することもできるようにする、経済的でかつ信頼性の高い通信システムが必要とされている。
【0003】
現在は、図1および2に示すように、海上でのセルラー・サービスの典型的な範囲は、本土(たとえば、米国)の海岸線から約2マイルである。これは、図1および2に示すように、海岸線に沿って配置された送受信するセルラー・タワーからなる既存のセルラー・ネットワークのために可能である。これらの図は、陸上セルラー・システム内の送受信セル・タワーの配置を示す。図示のように、地理的領域は、隣接する六角形の領域に分割し(各六角形は「セル」を画定する)、送受信セル・タワーを六角形(セル)の中心に配置することができる。図1および2では、例として、中心アンテナ・タワーから有効範囲の縁部までの距離を、約1.7マイルとして示す。したがって、図2に示すように、移動体の使用者は、海岸から最大約1.7マイルの距離にわたって、海岸線に沿って配置されたセルラー・タワーにアクセスすることができる。携帯電話は、この制限された距離を大きく超えると、確実に使用することができなくなる。
【0004】
これは、非常に制限された範囲および重大な問題を与える。例として、漁師、または5〜20マイル沖合へ出るあらゆる船上の人はすべて、自身の移動体携帯電話を使用して、沖合にいる他者または陸上のだれかと通信することができない。
【特許文献1】仮出願第60/788,691号
【特許文献2】米国特許出願第09/379,421号
【特許文献3】米国特許出願第10/762,800号
【特許文献4】米国特許出願第10,080,181号
【特許文献5】米国特許出願第11/030,933号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、広い水域で、また陸から相当な距離にある地点と陸上および海上の他の地点との間で、セルラー通信を可能にするセルラー通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、波力エネルギー変換器を有する浮標を使用して、浮標に取り付けられたセルラー・システムに電力供給し、それによって外部電源の必要およびセルラー・システムに電力を供給するためのあらゆる問題を大幅に軽減できるという認識を含む。その結果、セルラー浮標は、本質的に自己給電式であり、セルラー・システムに電力供給するために外部電源を備える必要をなくしまたは低減する。その結果、外部電源(たとえば、蓄電池)は、緊急事態の予備としてのみ必要となる。したがって、高荷重に耐えられる電源を取り付ける必要が本質的になくなり、また、外部電源を定期的に保守し、修理し、または交換する必要が、大幅に低減された。
【0007】
本発明の別の態様は、広い水域にわたる所定の構成内に多数の自己給電式セルラー浮標を配置して、岸から遠くに位置する移動体の使用者同士の間、ならびに海上と陸上に位置する使用者同士の間のセルラー(見通し内)通信を、その水域にわたって提供できることである。
【0008】
以下の議論および添付の特許請求の範囲では、「セルラー浮標」は、セルラー送受信装置がその上に取り付けられた、セルラー装置に電力供給するための波力エネルギー変換器WECを含む浮標と定義される。
【0009】
本発明を実施するセルラー通信システムは、N個の「セルラー」浮標を含み、Nは1以上の整数であり、N個の浮標が水域内に配置され、各セルラー浮標は、浮標上に取り付けられたセルラー送受信装置と、水域内に存在する波のエネルギーを電気エネルギーに変換して、その付随するセルラー送受信装置に電力供給するための波力エネルギー変換器WECとを含む。セルラー浮標は、水域内に配置されたセルラー浮標上に位置するセルラー送受信装置によって、異なる海上サイト(他のセルラー浮標)同士の間、および海上サイトと陸上セルラー送受信サイトの間のセルラー通信が可能になるように配置される。
【0010】
本発明を実施するセル浮標システムは、浮標上に収容され、かつ浮標内に組み込まれた波力エネルギー変換器WECによって電力供給される送受信装置(たとえば、トランシーバ)を含む。各セルラー浮標は、所定の地理的領域にわたってセルラー有効範囲を提供するための送受信機アンテナを含む。1つの送受信機アンテナとすることができる。別法として、2つ以上の送信機アンテナおよび2つ以上の受信機アンテナとすることもできる。波力エネルギー変換器WECによって供給される電力は、外部電源を必要とせず、長期間にわたってセルラー装置の動作を可能にする。
【0011】
セルラー浮標は、海上に配置された任意の数の浮標同士の間、および海上の浮標と陸上の通信セルとの間でセルラー・サービスを送受信するために必要な、無線周波数RF装置に電力供給する波力エネルギー変換器手段を含む。これには、受信機、送信機、処理装置、アンテナ、およびすべての補助的かつ付随する通信装置が含まれる。セルラー浮標はまた、効率的でかつ信頼性の高い送信のために、1つまたは複数のアンテナが確実に、概して鉛直のままになるように、安定取付けプラットフォームをアンテナ・システムに提供する手段を含む。さらに、セルラー浮標は、荒海状態中に浮標を固定しかつ損傷から保護する手段を提供する。
【0012】
各セルラー浮標は、固定の領域にセル・サービスを提供する能力を有する完全なセルラー・システムを動作させるために必要な電力を供給する。浮標は、電源を提供し、また、各浮標が作用するセルラー領域間のハブまたはリンクとして働くこともできる。すなわち、セルラー浮標は、そのセル領域内の任意の使用者からの呼を受信し、かつその呼を浮標から浮標へ転送して、呼の送信に対してより長い距離を提供することができる。浮標の数および浮標当たりの有効範囲面積は、RF装置の電力需要および水面より上のアンテナの高さに基づいて決定することができる。セルラー・システム内に装備された任意の数の浮標は、海洋内に配置することができる。浮標の「格子マトリックス」には制限はなく、したがって任意の数の浮標セルを配置することができる。
【0013】
本発明の重要な一態様は、WECがセルラー送信システムに海上電源を提供して、制限された海上の境界を超えてセルラー有効範囲を拡張できることである。
【0014】
添付の図面(原寸に比例しない)では、同じ参照文字が、同じ構成要素を表す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図3を参照すると、既存の陸上セルラー・タワー・アンテナ構造の一例を示す。セルラー浮標システムで使用されるアンテナ構成は、陸上セルラー・タワーのアンテナ構成と同様のものとすることができる。アンテナ・システムは、送信アンテナ31および受信アンテナ33を含み、それらはどちらも、陸上ではタワーの一部である柱または軸35上に取り付けられる。送受信を向上させるために、図3に示すように、いくつかの異なるアンテナを使用することができる。しかし、単一の送受信アンテナを使用してもよいことを理解されたい。セルラー通信は、見通し送信環境を必要とする。図3Aに概略的に示すように、アンテナは、装置内の支持構造35上に取り付けて、周囲360°の範囲にわたってセルラー信号の送受信を可能にすることができる。
【0016】
図4は、その組み込まれたアンテナ・システム31、33が、タワー35と同様に機能するアンテナ支持体(マスト)35a上に取り付けられた、セルラー浮標10の絵画図である。浮標は、シェル(フロート)30と、スパー40とを含み、その上に、プラットフォーム50が取り付けられ、そこにマスト35aが接続される。図4は、波動を、使用可能な電気に変換し、それを使用して送受信アンテナ・システム、制御電子回路、および付随する電気装置に電力供給できる波力エネルギー変換器WECシステム20を含むセルラー浮標10を示す。WECシステムは、シェル30とスパー40の間に結合された動力取出PTO装置を含む。送受信回路によって必要とされる電力は、海上セルラー・システムの寿命全体を通じて連続してWECシステムによって供給される。図4では、スパーの運動の方向に垂直な面でスパーに取り付けられた上下動板70を示す。上下動板は、スパーおよびアンテナに安定性を提供する。安定性とは、すべての動作および気象条件下で、アンテナ31、33およびアンテナ支持体35aを水面に対して比較的鉛直かつ垂直に維持することを含む。
【0017】
本願では、「移動体ユニット」への参照は、人々が使用する携帯電話を指す。各セルラー浮標は、送受信サイトを含み、送受信サイトは、通常少なくとも1つの送信用アンテナおよび異なる受信用アンテナがあるが、少なくとも1つの送受信機アンテナを含む。各アンテナは、所与の地理的領域に対するセルラー有効範囲を提供する。本発明を実施するセルラー浮標は、電気/電子装置のための電力を生成する手段を含む。システムの動作の際には、すべての呼が、受容サイトによって送受信され、かつ中継局へ送出され、次いで、携帯電話の顧客によって呼び出された適切な位置へ送出されることを理解されたい。
【0018】
本発明の重要な一態様は、セルラー浮標が、既存のセルラー送信システムに海上電源を提供して、制限された海上の境界を超えてセルラー有効範囲を拡張できるWECを含むことである。
【0019】
図5を参照すると、海岸線13に沿って陸上に配置された送受信タワー35をそれぞれ有する陸上セル1から4を示す。例として、タワー35から1.7マイル内のあらゆる移動体セルの使用者が、そのタワー35と通信でき、次いでそのタワーが、その信号を別の隣接するタワーに転送できるものとする。1.7マイル(約2マイル)という距離は例示のみを目的とし、使用される装置/電力に応じて、セルの中心からその外縁部までの範囲の距離は、2マイル未満、または2マイルを上回るものとすることができる。
【0020】
図5は、セルラー浮標10の配列は、陸上セルラー・システムと統合できることを示す。したがって、図5では、広い水域(海洋)にわたって配置されたセルラー浮標(セル5〜14)の配列も示す。セル5、6、および7(岸に最も近い)内のセルラー浮標は、(概して)陸上タワー35から1.7マイルにdマイルを加えた距離内に配置されるはずである。セル8から11内のセルラー浮標は通常、(概して)セル5〜7内の浮標から2dマイルの距離内に配置されるはずであり、セル12〜14内のセルラー浮標も通常、(概して)セル8〜11内の浮標から2dマイルの距離内に配置されるはずである。浮標間の距離(たとえば、2d)は、送信電力およびアンテナの高さに応じる。送信電力がより大きく、水面より上のアンテナの高さが増大された場合、セルラー浮標間の距離は、大きくすることができる。したがって、異なるセルラー浮標間、および異なるセルラー浮標と陸上タワーとの間の距離は、変えることができる(すなわち、距離は、大きくすることも小さくすることもできる)。
【0021】
例として、図5は、セル13内のセルラー浮標10から距離d離れた移動体の使用者「A」を示す。使用者「A」は、セルラー送信を介してセル13上/内の送受信機と通信でき、次いでその送信は、領域内に配置された他のセルのうちのいずれかへ転送することができ、また海岸のタワー35へ中継することもできる。同様に、任意のセルラー浮標の範囲内の任意の他の移動体の使用者(たとえば、使用者B)も、セルラー送信が可能である。
【0022】
たとえば、海岸線に最も近いセル5〜7内のセルラー浮標10は、既存の海岸線上セルラー・タワー35から沖合へ1.7マイルにdマイルを加えた距離内に配置されるものとする。この距離は、陸上の送信システムがより強力であり、かつ/または陸上アンテナの高さが増大された場合、幾分長くすることができる。本発明を実施するセルラー浮標システムは、従来技術の最大送信有効範囲領域を超えて、セルラー通信範囲を何マイルも広げるように構成することができる。図7は、例として、現在いくつかの海岸線上セルラー・タワーが存在するニュー・ジャージー州アトランティック・シティ沖の有効範囲内の潜在的な拡張を示す。
【0023】
セル浮標システムの別の重要な特徴は、浮標の傾き運動を鉛直から20°内に維持することによって、安定したアンテナ・プラットフォームを提供できることである。これにより、通信リンクの損失を軽減する。
【0024】
セルラー浮標システムの範囲は、送信電力およびアンテナの高さに応じる。すなわち、送信電力が大きく、かつアンテナの高さが高いほど、許容できる性能で、セル浮標間の通信距離が大きくなる。
【0025】
図6を参照すると、シェル30およびスパー40を有し、シェルとスパーの間に動力取出PTO装置162が結合されて、それらの相対運動を電気エネルギーに変換する、セルラー浮標10を示す。動力取出装置PTOは、波の運動に応答する。PTO162は、AC/DC変換器164に結合されて比較的よく調整された電圧(DC)を生成し、その電圧が、様々なシステム構成要素に印加されて、それらの動作に電力供給する。例として、トランシーバ(送受信機)170、演算処理装置172、ならびに電力を必要とする浮標上または内の様々なセンサおよび電子装置の部品174に電力を分配するための変換器の出力線166、168を示す。トランシーバ170は、マスト35a上に取り付けられた送受信アンテナ31、33に結合されて、他のセルから、またそのセル領域内の移動体セルの使用者から直接RF信号を受信し、かつ/または他のセルへ、またそのセル領域内の移動体セルの使用者へ直接RF信号を送信する。送受信は、通信を監視しかつ制御する演算処理装置172を用いてさらに制御することができる。
【0026】
さらに、演算処理装置は、送受信動作を最大にするために、様々なセンサに応答してアンテナの向きを制御する制御手段176を含むことができる。
【0027】
さらに、演算処理装置172は、送受信を向上させるために、1つまたは複数のアンテナを支持するマストが確実に、常に比較的鉛直のままになるように、様々なセンサに応答してプラットフォームの安定性を制御する制御手段178を含むことができる。これは、スパーの安定性、したがって浮標の安定性を維持するようにも機能する上下動板70を調整する手段とともに使用される(または別である)。
【0028】
本発明は、沖合の消費者が利用可能な費用効果の高い移動体通信システムを提供し、かつ消費者がセルラー基盤を使用して沖合での通信のために自身の携帯電話を使用できるようにすることを理解されたい。したがって、消費者は、自身の既存の携帯電話を使用して、既存の陸上セルラー基盤と統合されたセルラー浮標を用いて、異なる海上の地点間、および異なる海上の地点と陸上の地点との間で通信することができる。これは、消費者の電話プランを変更することなく(追加料金なし)行うことができ、陸上からおよび広い水域での通信は、その水域に配置されたセルラー浮標の数量によってのみ制限される。
【0029】
本発明によれば、ここに、陸上の装置に制限されない、信頼性の高い、すぐに利用可能な、低コストの通信システムが存在する。セルラー浮標により、使用者は、沖合で、自身のセルラー・プロバイダを用いて、自身の既存の通話プラン内でどこでも通信することができる。セルラー浮標システムは、陸上に存在するものと同一のセルラー通信システムとして働く、必要なセルラー送受信アンテナ・システムを提供する。
【0030】
本出願人の発明は、たとえばオムニ・アンテナ・システムを備える低電力の送受信トランスポンダを、その波力エネルギー変換浮標内に組み込み、自己給電式海上セルラー通信構造を提供する。本出願人は、沖合(または海洋)では、見通し内通信の障害物が陸上より少ないことを認めた。したがって、陸上のタワーと同様の距離だけ離隔されたセルラー浮標の場合、必要とされる送信電力がより少なくなる。別法として、障害物が少ないことにより、所与の送信電力に対して、浮標間の間隔を大きくすることができる。通信システムの電力需要が少ない結果、広い水域で動作するとき、何年も(たとえば、5年以上)の保守不要な動作寿命を提供するように設計された、小型で、容易に配置可能な浮標が得られる。
【0031】
オムニ・アンテナの使用は、波候との相互作用による浮標の運動を補償し、送受信信号が生じる方向を制限しない。オムニ・アンテナは、完全な360度の通信領域を提供する。
【0032】
セルラー浮標の発電要件は、通信電子回路、浮標内部制御および監視電子回路、ならびにハーネスおよびシステム損失を動作するのに十分なものとするべきである。セルラー浮標は、通信ペイロードの性能ならびに浮標の健康および動作状態を継続的に監視する内部制御システムを有する。浮標は、一定の性能データ・ストリームを陸上へ提供して、セルラー・プロバイダが、ペイロードおよび浮標動作を監視しかつ制御できるようにする。波が極限状態にある期間中は、浮標は、自己保護モードで動作する。自己保護モード中は、浮標は、波力エネルギー変換システムの動きを監視して、波の環境が、その動作中に浮標に損傷を与える恐れのある極限状態であるかどうかを判断する。浮標は、個々の波に対するそれぞれの反応を監視し、損傷から自己保護する(たとえば、一時的に浮標の構成要素を固定する)。
【0033】
セルラー浮標設計は、簡単な係留システムおよび適切な流体力学設計の特性を使用して、安定したアンテナ・プラットフォームを提供する。簡単な係留システムは、海上のセルラー領域内の浮標の漂流または移動をなくす、必要な局保持機能を提供する。1つの領域内のセルラー浮標の数量は、通信能力が必要とされる岸からの距離に依存する。例として、セルラー浮標は、5マイル(以上)の離隔距離で配置することができ、また沖合へ拡張して、沖合の漁業およびスポーツ・ボーティング領域内の海岸線全体を含むことができる。セルラー浮標はまた、商業および娯楽(船旅会社)用の船によって使用される航路を含むように配置することもできる。
【0034】
様々な波力エネルギー変換器WECシステムが知られている。たとえば、1999年8月21日出願の米国特許出願第09/379,421号、同第10/762,800号、2002年2月20日出願の同第10/080,181号、および2005年1月7日出願の同第11/030,933号を参照されたい。同出願はすべて、本願の譲受人へ譲渡されており、同出願の教示を、参照により本明細書に組み込む。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】セル・タワーによって提供される制限された海上セルラー通信有効範囲を示す、広い水域に接する大陸の海岸に沿って配置された従来技術の陸上セル・タワーの図である。
【図2】所望の地理的領域にわたってセルラー有効範囲を提供するように配置された、セルラー信号を送受信するための陸上セル・タワーを示す、従来技術のセルラー通信システムの簡略化した図である。
【図3】陸上タワーの一部とすることができる柱上に取り付けられた送受信アンテナの絵画図である。
【図3A】360度の送受信有効範囲のために構成された送受信アンテナの簡略化した上面図である。
【図4】本発明を実施するために使用される波力エネルギー変換器WECを含むセルラー浮標の一部分の極めて簡略化した図である。
【図5】本発明による、広い水域および陸地にわたってセルラー通信を提供するために一連の陸上セルラー・タワーと統合された、沖合に配置されたセルラー浮標の簡略化した図である。
【図6】本発明による、セルラー送受信装置ならびに他の電子および制御システムに分配される電力を生成するための波力エネルギー変換器を含むセルラー浮標の簡略化した構成図である。
【図7】広い水域および陸地にわたってセルラー信号を送受信するために陸上セル・タワーと統合されたセルラー浮標の配列を示す、本発明を実施するセルラー通信システムの簡略化した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明を実施する通信システムであって、
水域内に配置され、かつ前記水域内に存在する波のエネルギーを電気エネルギーに変換するための波力エネルギー変換器WECを含む浮標と、
前記浮標上に取り付けられた、セルラー信号を送受信するためのトランシーバとを含み、前記WECが、前記トランシーバへ電力を供給し、前記トランシーバが、沖合の地点と陸上のセルラー・システムとの間でセルラー信号を送受信する、通信システム。
【請求項2】
前記トランシーバが、前記浮標上に取り付けられたアンテナを含む、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記浮標が、セルラー信号の送受信を最適化するように、前記アンテナの向きを制御する手段を含む、請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記浮標が、所定の制限を超える力から前記トランシーバおよび前記浮標を保護するために、所定の制限を超える波を感知するためのセンサを含む、請求項2に記載の通信システム。
【請求項5】
前記浮標が、前記トランシーバと、前記浮標の選択されたシステムを制御するための電子装置とに結合された信号処理装置を含み、また前記WECが、前記装置全体を動作させるための電力を供給する、請求項2に記載の通信システム。
【請求項6】
前記浮標が、前記アンテナを取り付けるためのプラットフォームと、前記プラットフォームを安定化させる手段とを含み、前記WECが、前記安定化手段に電力を供給する、請求項2に記載の通信システム。
【請求項7】
前記浮標が、前記アンテナを取り付けるためのプラットフォームを含み、前記浮標が、シェルおよび支柱を含み、前記支柱および前記プラットフォームを安定化させるための上下動板が、前記支柱に結合される、請求項2に記載の通信システム。
【請求項8】
セルラー通信システムであって、
水域内に配置された浮標の配列を備え、各浮標が、送受信サイトを含むセルラー・システムと、セルラー信号を処理するための付随する電気装置とを含み、各浮標が、前記セルラー・システムおよび前記セルラー信号を処理するための付随する装置に電力供給するために、前記水域内の波に応答して電気エネルギーを生成するための波力エネルギー変換器WECを含み、前記WECのもの以外の電源を必要としない、セルラー通信システム。
【請求項9】
各浮標が、固定の領域にセル・サービスを提供でき、かつ隣接する浮標のセルラー・システムと通信するための、完全なセルラー・システムを含み、前記浮標のWECが、前記完全なセルラー・システムに電力を供給する手段を含む、請求項8に記載のセルラー通信システム。
【請求項10】
各浮標が、前記浮標からの呼を任意の他の浮標へ転送するための完全なセルラー・システムを含む、請求項8に記載のセルラー通信システム。
【請求項11】
各浮標の前記セルラー・システムが、隣接するセルラー領域間のリンクとして機能し、各セルラー・システムが、その浮標のWECによって電力供給され、浮標の前記配列が、個々の浮標間および前記浮標と陸上セルラー・タワーとの間で信号を転送する手段を提供する、請求項8に記載のセルラー通信システム。
【請求項12】
浮標の前記セルラー・システムが作用する面積が、前記トランシーバの電力および前記水の表面上の前記アンテナの高さに応じる、請求項9に記載のセルラー通信システム。
【請求項13】
浮標の数が2より大きい、請求項8に記載のセルラー通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−532988(P2009−532988A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504264(P2009−504264)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/008315
【国際公開番号】WO2007/117470
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(501063427)オーシャン パワー テクノロジーズ,インク. (24)
【Fターム(参考)】