セル電圧測定装置
【課題】個々のセルとセル電圧測定回路との接続用の端子との間に接触抵抗が存在する場合には個々のセルの電圧を正確に測定することができないという問題があった。
【解決手段】本発明のセル電圧測定装置は、直列に接続された複数のセルを電気的に接続する複数の接続部に対応して設けられた複数の端子(q1〜qN+1)と、複数の端子からセルの電圧の値を順次測定する電圧測定部(6)と、端子に生じる接触抵抗の値を順次算出する接触抵抗算出部(5)と、接触抵抗の値と電圧の値とを用いて、セルの電圧の値を算出するセル電圧演算部(8)と、を有することを特徴とする。
【解決手段】本発明のセル電圧測定装置は、直列に接続された複数のセルを電気的に接続する複数の接続部に対応して設けられた複数の端子(q1〜qN+1)と、複数の端子からセルの電圧の値を順次測定する電圧測定部(6)と、端子に生じる接触抵抗の値を順次算出する接触抵抗算出部(5)と、接触抵抗の値と電圧の値とを用いて、セルの電圧の値を算出するセル電圧演算部(8)と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セル電圧測定装置に関し、特に複数のセルを直列に接続した電池を構成する個々のセルの電圧を測定するセル電圧測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車や、ハイブリッド自動車においては、モータの電源として、リチウムイオン電池等の二次電池からなる複数のセルを直列に接続して所望の電圧を得るようにしたスタック型の電池が用いられている。このようなスタック型の電池においては、自動車の外部に設置した給電設備から自動車に供給された電力や、モータで回生された電力を個々のセルに貯蔵できるようになっている。また、個々のセルの電圧は、充電又は放電により変動する。
【0003】
ここで、セルが過放電されたり過充電されたりすると、セルの特性に悪影響を及ぼし、ひいては電池のモータを駆動する能力が低下することとなる。そのため、スタック型の電池を構成する個々のセルの電圧を監視することが重要であり、個々のセルの電圧を測定することができるセル電圧測定装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
図1に従来のセル電圧測定装置の構成を示す。従来のセル電圧測定装置は、スイッチ切替回路102がバッテリパック101を構成する任意の1つのセルの両端とコンデンサ103とを接続して当該1つのセルを選択し、測定回路107がコンデンサ103の両端の電圧を測定する。このような構成とすることにより、個々のセル単位でセルの電圧を測定することができるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−86656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、個々のセルの電圧を測定するためには、個々のセル同士を接続する接続部と、電圧測定器とを接続するために接続端子を設ける必要がある。このとき、接続端子に接触抵抗が存在し、以下に述べるように、個々のセルの電圧を正確に測定することができないという問題があった。
【0007】
図2を用いてスタック型の電池を構成する個々のセルの電圧を測定する方法について説明する。ここでは、セルの電圧を、差動増幅回路を用いて測定する場合を例にとって説明する。スタック型の電池1は、セルC1〜CNが直列接続されており、個々のセル同士はセルの両端に設けられた接続部j1〜jN+1のうちj2〜jNにより接続されている。各接続部j1〜jN+1にはセルの電圧V1〜VNを測定するためのセル側端子p1〜pN+1が設けられている。n番目のセルCnの電圧Vnを測定する場合には、セル側端子pn及びpn+1と、電圧測定回路21の端子qa及びqbとをそれぞれ接続して出力電圧Voutnの値を測定する。ここで、出力電圧Voutnは以下の式で求められる。
【0008】
【数1】
ここで、rn、rn+1はそれぞれ、pnとqbとの間の接触抵抗、pn+1とqaとの間の接触抵抗を表している。なお、図2において接触抵抗を便宜的に接続部と端子間に記載する。Ra、Rb、Rc、Rdは、電圧測定回路21に設けられた抵抗、ΣVmはオフセット電圧と呼ばれ、セルC1〜Cn-1の電圧V1〜Vn-1の総和である。
【0009】
式(1)から、セルの電圧(セル電圧)Vnと測定した電圧Voutnとの間の誤差ΔVnは、以下の式で与えられる。
【0010】
【数2】
【0011】
式(2)から分かるように、接触抵抗rn、rn+1がともに0[Ω]であればΔVmも0[V]となる。しかしながら、接触抵抗rn、rn+1がそれぞれ10[Ω]、1k[Ω]である場合、例えば、Ra、Rcを510k[Ω]、Rb、Rdを360k[Ω]、セル電圧Vnを2[V]、オフセット電圧ΣVmを60[V]とすると、誤差ΔVnは、50.86[mV]となる。個々のセルの電圧の許容測定誤差を50[mV]とすると、接触抵抗が存在することにより許容測定誤差を超える誤差がセル電圧の測定の際に生じる場合があることとなる。
【0012】
ここで、接触抵抗を低下させるために、高価な部品を用いてセル側端子p1〜pN+1を構成することも考えられる。しかしながら、この場合にはスタック型電池の価格が高価となるという問題が生じる。
【0013】
そこで、本発明では接触抵抗が比較的高い、低コストな部品を用いてセル側端子を構成した場合等、複数のセルを含むスタック型の電池を構成する個々のセルと、個々のセルの電圧を測定するための端子との間に接触抵抗が存在する場合であっても、セルの電圧を正確に測定することができるセル電圧測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のセル電圧測定装置は、直列に接続された複数のセルを電気的に接続する複数の接続部に対応して設けられた複数の端子と、複数の端子からセルの電圧の値を順次測定する電圧測定部と、端子に生じる接触抵抗の値を順次算出する接触抵抗算出部と、接触抵抗の値と電圧の値とを用いて、セルの電圧の値を算出するセル電圧演算部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数のセルを含むスタック型の電池を構成する個々のセルと、個々のセルの電圧を測定するための端子との間に接触抵抗が存在する場合であっても、個々のセルの電圧を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】従来のセル電圧測定装置の構成図である。
【図2】スタック型の電池と、スタック型の電池を構成する個々のセルの電圧を測定するセル電圧測定回路の構成図である。
【図3】本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置によるセル電圧算出方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置において、接触抵抗算出部にRC回路を用いた場合のセル電圧測定装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置において、接触抵抗算出部にRC回路を用いた場合の接触抵抗の算出方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置において、接触抵抗算出部にRC回路を用いた場合の時定数の算出方法を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置において、接触抵抗算出部にRC回路を用いた場合のコンデンサに充電される電圧と充電時間との関係を示す図である。
【図9】本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置において、電圧測定部に差動増幅回路を用いた場合のセル電圧測定装置の構成を示す図である。
【図10】本発明の実施例2に係るセル電圧測定装置の構成を示す図である。
【図11】本発明の実施例2に係るセル電圧測定装置による接触抵抗の算出方法を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施例3に係るセル電圧測定装置の構成を示す図である。
【図13】本発明の実施例3に係るセル電圧測定装置による接触抵抗の算出方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明に係るセル電圧測定装置について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【実施例1】
【0018】
図3に本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置を示す。セル電圧測定装置2は、セル切替スイッチ3と、回路切替スイッチ4と、接触抵抗算出部5と、電圧測定部6と、切替スイッチ制御部7と、セル電圧演算部8と、制御部9と、記憶部10と、データ送信部11とを有する。電池1は複数のセルC1〜CNが積層(スタック)されており、各セル同士は、セルの両端に設けられた接続部j1〜jN+1のうちのj2〜jNを介して接続されている。セルの接続部j1〜jN+1には、個々のセルの電圧を測定するためのセル側端子p1〜pN+1が設けられており、セル側端子p1〜pN+1はセル電圧測定装置2のセル切替スイッチ3の端子q1〜qN+1にそれぞれ接続されている。即ち、複数の端子q1〜qN+1は、直列に接続された複数のセルC1〜CNを電気的に接続する複数の接続部j1〜jN+1に対応して設けられている。セル側端子p1〜pN+1と端子q1〜qN+1との間には接触抵抗が生じ、それぞれr1〜rN+1とする。なお、図3において、接触抵抗r1〜rN+1を便宜的に接続部j1〜jN+1とセル側端子p1〜pN+1との間に記載している。
【0019】
セル切替スイッチ3は、電池1を構成する複数のセルのうちの特定の1つのセルについての接触抵抗または電圧を測定するために、スイッチ(図示せず)を切り替える。回路切替スイッチ4は、セル切替スイッチ3で選択したセルと、接触抵抗算出部5または電圧測定部6との接続を切り替える。切替スイッチ制御部7は、セル切替スイッチ3及び回路切替スイッチ4のスイッチの制御を行う。
【0020】
制御部9は、切替スイッチ制御部7を制御して、セル切替スイッチ3及び回路切替スイッチ4の各スイッチを切り換え、接触抵抗算出部5による接触抵抗の算出、及び電圧測定部6による電圧の測定を実行する。接触抵抗算出部5は、端子に生じる接触抵抗、即ち、複数のセルC1〜CNと、接続部j1〜jN+1に対応して設けられた端子q1〜qN+1との間に生じる接触抵抗r1〜rN+1の値を順次算出する。電圧測定部6は、複数の端子q1〜qN+1からセルの電圧の値を順次測定する。具体的には、個々のセルの両端に接続された2つの端子間の電圧を測定する。
【0021】
セル電圧演算部8は、接触抵抗算出部5によって算出された接触抵抗の値と、電圧測定部6によって測定された電圧の値とを用いて、個々のセルの電圧の値を算出する。記憶部10は、接触抵抗算出部5によって算出された接触抵抗の値及び電圧測定部6によって測定された電圧の値を記憶し、セル電圧演算部8にこれらの値を送信するとともに、制御部9を制御するためのプログラムを格納している。
【0022】
データ送信部11はセル電圧演算部8が算出したセル電圧の値をセル電圧測定装置2の外部の電池ECU12に送信し、電池ECU12はセル電圧の値に基づいて個々のセルの充電及び放電の制御を行う。
【0023】
次に、本発明のセル電圧測定装置を用いたセル電圧の値の算出方法の概略について説明する。図4は、セル電圧算出方法を示すフローチャートである。まず、ステップS101において、接触抵抗算出部5が、複数のセルC1〜CNと、セルの接続部j1〜jN+1に対応して設けられた端子q1〜qN+1との間に生じる接触抵抗の値r1〜rN+1を算出する。接触抵抗の値の算出方法の詳細な説明については後述する。
【0024】
次に、ステップS102において、電圧測定部6が、個々のセルに対応して設けられた2つの端子(例えば、qn、qn+1)間の電圧を測定する。電圧の測定方法については後述する。次に、ステップS103において、セル電圧演算部8が、接触抵抗の値と電圧測定部6によって測定された電圧とを用いて、個々のセルの電圧(セル電圧)Vnを算出する。セル電圧Vnの算出方法については後述する。
【0025】
本発明によれば、個々のセルとセル電圧測定用の端子との間に生じる接触抵抗の値を算出し、算出した接触抵抗の値と測定した端子間の電圧の値とを用いてセル電圧を算出しているので、接触抵抗が存在する場合においても、セル電圧を正確に測定することができる。
【0026】
次に、本発明のセル電圧測定装置を用いたセル電圧の測定方法において、複数のセルと、複数のセルの接続部に対応して設けられた端子との間に生じる接触抵抗の値を算出する方法について説明する。図5にスタック型のセルからなる電池1と、接触抵抗算出部5にRC回路を用いた場合のセル電圧測定装置2を示す。
【0027】
接触抵抗算出部5は、コンデンサCと、コンデンサCに充電された電圧を放電するための抵抗Rと、コンデンサCに充電された電圧を測定するための電圧計51とを備えている。コンデンサCの容量の大きさは、測定される接触抵抗の大きさに応じて決定することが好ましい。
【0028】
電池1の構成は、図3に示した構成と同様である。図5では、2個のセルCn-1、Cnのセル側端子pn-1、pn、pn+1と、セル電圧測定装置2の端子qn-1、qn、qn+1との間にそれぞれ生じる接触抵抗rn-1、rn、rn+1の値を算出する方法について説明するため、セルの一部のみを表示している。なお、図5において、接触抵抗rn-1、rn、rn+1を便宜的に接続部jn-1、jn、jn+1とセル側端子pn-1、pn、pn+1との間に記載している。セル切替スイッチ3は、配線a、bを備えており、端子q1〜qN+1と配線a、bとの接続を切り換えるスイッチSWa1〜SWaN+1、SWb1〜SWbN+1を備えている。図5では、端子qn-1、qn、qn+1に接続するスイッチSWan-1、SWan、SWan+1及びSWbn-1、SWbn、SWbn+1のみを示している。また、回路切替スイッチ4は、SW1〜SW4を備えており、セル切替スイッチ3の配線a、bと、接触抵抗算出部5の端子5a、5bまたは電圧測定部6の端子6a、6bとの接続を切り替える。
【0029】
次に、接触抵抗の測定方法について図6のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS201において、図5に示すようにスイッチSWan-1、SWan、SWan+1及びSWbn-1、SWbn、SWbn+1の各スイッチがオフの状態において、SW1、SW2をオンして、セル切替スイッチ3の配線a、bと接触抵抗算出部5の端子5a、5bとを接続する。次に、ステップS202において、SWanをオンして、端子qnと接触抵抗算出部5の端子5aとを配線aを介して接続し、SWbn-1をオンして、端子qn-1と接触抵抗算出部5の端子5bとを配線bを介して接続する。これにより、電池1のうちの(n−1)番目のセルCn-1と、接触抵抗算出部5とが接続される。次に、ステップS203において、接触抵抗算出部5のSWを一旦、抵抗R側に切り替えてコンデンサCを放電させてから、セル側(SW1側)に切り替えて、コンデンサCに充電を行う。後述するように、コンデンサCの充電特性から時定数を求め、求めた時定数から2つの接触抵抗の和であるrn-1+rnの値を算出する。時定数をτ1、コンデンサCの容量をC0とすると、rn-1+rnは以下の式で求められる。
【0030】
【数3】
【0031】
次に、ステップS204において、SWan+1、SWbnをオンして、接触抵抗算出部5と電池1のうちのn番目のセルCnとを接続する。次に、ステップS205において、接触抵抗算出部5のSWを一旦、抵抗R側に切り替えてコンデンサCを放電させてから、セル側(SW1側)に切り替えて、コンデンサCの充電を行う。後述するように、コンデンサCの充電特性から時定数を求め、求めた時定数から2つの接触抵抗の和であるrn+rn+1の値を算出する。時定数をτ2、コンデンサCの容量をC0とすると、rn+rn+1は以下の式で求められる。
【0032】
【数4】
【0033】
次に、ステップS206において、SWan+1、SWbn-1をオンして、接触抵抗算出部5と、電池1のうちの(n−1)番目及びn番目のセルCn-1及びCnとを接続する。次に、ステップS207において、接触抵抗算出部5のSWを一旦、抵抗R側に切り替えてコンデンサCを放電させてから、セル側(SW1側)に切り替えて、コンデンサCの充電を行う。後述するように、コンデンサCの充電特性から時定数を求め、求めた時定数から2つの接触抵抗の和であるrn-1+rn+1の値を算出する。時定数をτ3、コンデンサCの容量をC0とすると、rn-1+rn+1は以下の式で求められる。
【0034】
【数5】
【0035】
次にステップS208において、接触抵抗rn-1、rn、rn+1を算出する。接触抵抗rn-1、rn、rn+1は、式(3)〜(5)を用いて以下のように算出される。
【0036】
【数6】
【0037】
以上のステップS202〜S208をn=2〜N−1において繰り返して行うことにより、接触抵抗r1〜rNを順次算出することができる。なお、最初にr1、r2、r3を上述のようにして算出し、r4〜rNは式(3)のみを用いて算出することができる。これは、式(3)において、例えばr4を求める場合にはr3が既知であるので、r4はτ1/Cとr3から求められることに基づく。
【0038】
次に、接触抵抗算出部における時定数の算出方法について、図7のフローチャートを用いて説明する。ここでは、上述のステップS203における時定数τ1の算出方法について説明する。即ち、SW1、SW2をオンして接触抵抗算出部5の端子5a、5bとセル切替スイッチ3の配線a、bとが接続され、SWan、SWbn-1をオンして接触抵抗算出部5の端子5a、5bとの端子qn、qn-1とが接続されているとする。まず、ステップS301において、接触抵抗算出部5のSWを抵抗Rに接続してコンデンサCを放電させる。
【0039】
次に、ステップS302において、SWをセル側(SW1側)に切り替えてコンデンサCを充電し、コンデンサの電圧Vc(t)を電圧計51で測定する。コンデンサCに充電される電圧Vc(t)は図8のように時間とともに変化し、以下の式で表される。
【0040】
【数7】
ここで、Vn-1はセルCn-1の電圧であり、τ1は時定数である。
【0041】
次に、ステップS303において、時刻t1及びt2後のコンデンサの電圧Vc(t1)及びVc(t2)を測定し、記憶部10に記憶する。Vc(t1)及びVc(t2)は以下の式で与えられる。
【0042】
【数8】
【0043】
次に、ステップS304において、τ1を算出する。具体的には、式(10)、(11)から以下の関係式が得られる。
【0044】
【数9】
式(12)からτ1を算出することができる。上述のステップS205及びS207における時定数τ2、τ3も上記と同様にして算出することができる。
【0045】
上記の説明においては、時刻t1、t2におけるコンデンサの電圧Vc(t1)、Vc(t2)を用いて時定数τ1を算出する例を示したが、時定数を算出する方法は、これには限られない。例えば、コンデンサの充電時間tが十分に長く、コンデンサの電圧Vc(t)がセルの電圧Vnにほぼ等しいとみなせるような場合には、以下の式に基づいて、図8に示すようにコンデンサの電圧Vc(t)がVnの63.2%となる時刻から時定数τを算出するようにしてもよい。
【0046】
【数10】
【0047】
次に、セル電圧の測定方法について説明する。図9に本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置の構成を示す。図9においては電圧測定部6に差動増幅回路を用いた例を示す。ここでは、n番目セルCnの電圧Vnを測定する方法について説明する。まず、n番目のセルを選択するために、セル切替スイッチ3のSWan+1、SWbnをオンし、qn、qn+1とセル切替スイッチ3の配線a、bとをそれぞれを接続する。次に、電圧測定部6とセル側とを接続するために、SW3及びSW4をオンし、qn、qn+1と電圧測定部6の端子6a、6bとをそれぞれ配線a、bを介して接続する。
【0048】
このときに、電圧測定部6の出力端子の電圧Voutnは上述の式(1)で表され、式(1)から、セル電圧Vnは次式のように表される。
【0049】
【数11】
ここで、Ra、Rb、Rc、Rdは電圧測定部6の抵抗、ΣVmはm=1〜(n−1)における電圧Vmの総和である。式(14)に接触抵抗算出部5によって算出された接触抵抗の値rn、rn+1を代入することにより、接触抵抗の値を考慮したセル電圧Vnを算出することができる。
セル電圧演算部8は、記憶部10に記憶されている、接触抵抗算出部5が算出した接触抵抗r1〜rN+1の値と、電圧測定部6が測定した端子間の電圧Vout1〜VoutNとを用いて、式(14)に従って、セルの電圧V1〜VNを算出する。
【0050】
以上のように、本発明によれば、複数のセルと、複数のセル同士を接続する接続部に対応して設けられた端子との間に生じる接触抵抗の値を算出し、個々のセルに接続された2つの端子間で測定された電圧と接触抵抗の値とを用いて、個々のセルの電圧を算出するようにしているので、セルと電圧測定用の端子との間に接触抵抗が存在する場合であっても、セルの電圧を正確に算出することができる。
【実施例2】
【0051】
次に、本発明の実施例2に係るセル電圧測定装置について説明する。図10に実施例2に係るセル電圧測定装置の構成を示す。実施例1に係るセル電圧測定装置と異なる点は、接触不良判断部13をさらに設けている点である。接触不良判断部13は、接触抵抗算出部5が算出した接触抵抗の値と所定のしきい値とを比較してセル側端子p1〜pN+1と端子q1〜qN+1との間の接触不良の有無を判断する。その他の構成は、実施例1に係るセル電圧測定装置と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0052】
次に、実施例2に係るセル電圧測定装置による接触不良の検出方法について図11のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS401において、接触抵抗算出部5が、接触抵抗rnを算出する。rnの算出方法は図6のステップS201〜S208に示した方法と同様である。次に、ステップS402において、接触不良判断部13が、接触抵抗算出部5が算出した接触抵抗の値rnと所定のしきい値rTHとの大小関係を調べる。ここで、しきい値rTHは接触不良の判断基準とする抵抗値である。しきい値rTHは、予め記憶部10に記憶しておくことができ、接触不良判断部13が、接触抵抗の値rnと所定のしきい値rTHとの大小関係を調べる際に記憶部10を参照する。
【0053】
接触抵抗rnがしきい値rTHよりも大きい場合はステップS403において、接触不良判断部13は、端子に接触不良が生じていると判断する。一方、接触抵抗rnがしきい値rTH以下の場合は、ステップS404において、接触不良判断部13は、接触不良は無いと判断する。
【0054】
次に、ステップS405において、接触不良判断部13が、端子番号nの端子に関する接触不良の有無についての情報を、データ送信部11を介して電池ECU12に送信する。接触不良が生じている場合は、接触不良判断部13が、接触不良が生じている端子の端子番号を、データ送信部を介して電池ECU12に送信する。電池ECU12は、接触不良が生じている端子番号を表示するなどして、接触不良が生じている端子の位置を外部に表示することができる。ステップS401〜S405をn=1〜Nと変えて順次実行することにより、N個のセルC1〜CNの端子間の接触不良の有無を判断することができる。
【0055】
以上のように、本発明の実施例2に係るセル電圧測定装置によれば、接触抵抗の算出と同時に接触不良の検出をすることができるため、接触不良を容易に検出することができる。
【実施例3】
【0056】
次に、本発明の実施例3に係るセル電圧測定装置について説明する。図12に実施例3に係るセル電圧測定装置の構成を示す。実施例1に係るセル電圧測定装置と異なる点は、温度測定部14をさらに設けている点である。温度測定部14は、接触抵抗算出部5のコンデンサCの温度を測定し、温度測定部14が測定した温度に基づいてコンデンサCの容量の値C0を補正し、補正したコンデンサの容量の値C´を用いて接触抵抗の値を算出する点を特徴としている。
【0057】
次に、実施例3に係るセル電圧測定装置を用いた接触抵抗の算出方法について図13のフローチャートを用いて説明する。ステップS501〜S504までの手順は、図7に示した実施例1における接触抵抗算出方法のステップS301〜S304と同様であるので、詳細な説明は省略する。ステップS505において、温度測定部14が接触抵抗算出部5のコンデンサCの温度Tを測定する。温度Tを測定する手段として、例えばサーミスタを用いることができる。
【0058】
次に、ステップS506において、接触抵抗算出部5が、温度測定部14が測定したコンデンサCの温度Tと、コンデンサCの温度特性からコンデンサCの容量値C0を補正する。例えば、コンデンサの温度特性が温度Tの関数f(T)で表される場合は、補正後の容量値C´は、C´=C0×f(T)として求めることができる。温度特性に関するデータは予め記憶部10に記憶しておくことができ、接触抵抗算出部5は記憶部10を参照して補正後の容量値C´を算出する。次に、ステップS507において、接触抵抗算出部5が、算出した時定数τと、補正した容量値C´とを用いて、接触抵抗の値(=τ/C´)を求める。
【0059】
以上のように、本発明の実施例3に係るセル電圧測定装置によれば、コンデンサの温度を測定する温度測定部をさらに備え、温度測定部が測定した温度に基づいてコンデンサの容量の値を補正し、補正したコンデンサの容量の値を用いて接触抵抗の値を算出するようにしているので、コンデンサの容量の値が温度によって変化する場合であっても、接触抵抗の値を正確に測定することができ、セル電圧を正確に算出することができる。なお、実施例2に係るセル電圧測定装置のように、接触不良判断部を備える構成に加えて、温度測定部を備えるようにしてもよい。
【0060】
以上の説明において、接触抵抗算出部の例としてRC回路を用いた例を示したが、これには限られず、他の回路を用いるようにしてもよい。例えば、RL回路を用いて時定数を算出してもよい。また、電圧測定部の例として、差動増幅回路を用いた例を示したが、他の回路を用いて電圧を測定するようにしてもよい。
【0061】
本発明の説明においては、電池を構成する個々のセルをセル切替スイッチによって選択し、選択したセルと接触抵抗算出部または電圧測定部とを接続する例を示したが、これには限られず、セル切替スイッチを設けずに、個々のセルに対応させて複数の接触抵抗算出部及び電圧測定部を設けるようにしてもよい。
【0062】
また、本発明の説明においては、電圧測定部はセルに接続される端子間の電圧を測定する例を示したが、接触抵抗算出部が電圧計を備えている場合には、電圧測定部が当該電圧計も兼ねるようにしてもよい。
【0063】
また、本発明の説明においては、電気自動車等の車両に用いられる電池を例にとって説明したが、携帯電話等、他の装置に用いられる場合であっても同様に本発明を適用することができる。
また、セルにより構成される電池は、燃料電池やリチウムイオン、ニッケル水素、ニカド電池等、充電して何度でも使える二次電池であればよい。
【符号の説明】
【0064】
1 電池
2 セル電圧測定装置
3 セル切替スイッチ
4 回路切替スイッチ
5 接触抵抗算出部
6 電圧測定部
7 切替スイッチ制御部
8 セル電圧演算部
9 制御部
10 記憶部
11 データ送信部
12 電池ECU
13 接触不良判断部
14 温度測定部
C1〜CN セル
V1〜VN セル電圧
j1〜jN+1 接続部
p1〜pN+1 セル側端子
q1〜qN+1 端子
r1〜rN+1 接触抵抗
【技術分野】
【0001】
本発明は、セル電圧測定装置に関し、特に複数のセルを直列に接続した電池を構成する個々のセルの電圧を測定するセル電圧測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車や、ハイブリッド自動車においては、モータの電源として、リチウムイオン電池等の二次電池からなる複数のセルを直列に接続して所望の電圧を得るようにしたスタック型の電池が用いられている。このようなスタック型の電池においては、自動車の外部に設置した給電設備から自動車に供給された電力や、モータで回生された電力を個々のセルに貯蔵できるようになっている。また、個々のセルの電圧は、充電又は放電により変動する。
【0003】
ここで、セルが過放電されたり過充電されたりすると、セルの特性に悪影響を及ぼし、ひいては電池のモータを駆動する能力が低下することとなる。そのため、スタック型の電池を構成する個々のセルの電圧を監視することが重要であり、個々のセルの電圧を測定することができるセル電圧測定装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
図1に従来のセル電圧測定装置の構成を示す。従来のセル電圧測定装置は、スイッチ切替回路102がバッテリパック101を構成する任意の1つのセルの両端とコンデンサ103とを接続して当該1つのセルを選択し、測定回路107がコンデンサ103の両端の電圧を測定する。このような構成とすることにより、個々のセル単位でセルの電圧を測定することができるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−86656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、個々のセルの電圧を測定するためには、個々のセル同士を接続する接続部と、電圧測定器とを接続するために接続端子を設ける必要がある。このとき、接続端子に接触抵抗が存在し、以下に述べるように、個々のセルの電圧を正確に測定することができないという問題があった。
【0007】
図2を用いてスタック型の電池を構成する個々のセルの電圧を測定する方法について説明する。ここでは、セルの電圧を、差動増幅回路を用いて測定する場合を例にとって説明する。スタック型の電池1は、セルC1〜CNが直列接続されており、個々のセル同士はセルの両端に設けられた接続部j1〜jN+1のうちj2〜jNにより接続されている。各接続部j1〜jN+1にはセルの電圧V1〜VNを測定するためのセル側端子p1〜pN+1が設けられている。n番目のセルCnの電圧Vnを測定する場合には、セル側端子pn及びpn+1と、電圧測定回路21の端子qa及びqbとをそれぞれ接続して出力電圧Voutnの値を測定する。ここで、出力電圧Voutnは以下の式で求められる。
【0008】
【数1】
ここで、rn、rn+1はそれぞれ、pnとqbとの間の接触抵抗、pn+1とqaとの間の接触抵抗を表している。なお、図2において接触抵抗を便宜的に接続部と端子間に記載する。Ra、Rb、Rc、Rdは、電圧測定回路21に設けられた抵抗、ΣVmはオフセット電圧と呼ばれ、セルC1〜Cn-1の電圧V1〜Vn-1の総和である。
【0009】
式(1)から、セルの電圧(セル電圧)Vnと測定した電圧Voutnとの間の誤差ΔVnは、以下の式で与えられる。
【0010】
【数2】
【0011】
式(2)から分かるように、接触抵抗rn、rn+1がともに0[Ω]であればΔVmも0[V]となる。しかしながら、接触抵抗rn、rn+1がそれぞれ10[Ω]、1k[Ω]である場合、例えば、Ra、Rcを510k[Ω]、Rb、Rdを360k[Ω]、セル電圧Vnを2[V]、オフセット電圧ΣVmを60[V]とすると、誤差ΔVnは、50.86[mV]となる。個々のセルの電圧の許容測定誤差を50[mV]とすると、接触抵抗が存在することにより許容測定誤差を超える誤差がセル電圧の測定の際に生じる場合があることとなる。
【0012】
ここで、接触抵抗を低下させるために、高価な部品を用いてセル側端子p1〜pN+1を構成することも考えられる。しかしながら、この場合にはスタック型電池の価格が高価となるという問題が生じる。
【0013】
そこで、本発明では接触抵抗が比較的高い、低コストな部品を用いてセル側端子を構成した場合等、複数のセルを含むスタック型の電池を構成する個々のセルと、個々のセルの電圧を測定するための端子との間に接触抵抗が存在する場合であっても、セルの電圧を正確に測定することができるセル電圧測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のセル電圧測定装置は、直列に接続された複数のセルを電気的に接続する複数の接続部に対応して設けられた複数の端子と、複数の端子からセルの電圧の値を順次測定する電圧測定部と、端子に生じる接触抵抗の値を順次算出する接触抵抗算出部と、接触抵抗の値と電圧の値とを用いて、セルの電圧の値を算出するセル電圧演算部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数のセルを含むスタック型の電池を構成する個々のセルと、個々のセルの電圧を測定するための端子との間に接触抵抗が存在する場合であっても、個々のセルの電圧を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】従来のセル電圧測定装置の構成図である。
【図2】スタック型の電池と、スタック型の電池を構成する個々のセルの電圧を測定するセル電圧測定回路の構成図である。
【図3】本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置によるセル電圧算出方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置において、接触抵抗算出部にRC回路を用いた場合のセル電圧測定装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置において、接触抵抗算出部にRC回路を用いた場合の接触抵抗の算出方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置において、接触抵抗算出部にRC回路を用いた場合の時定数の算出方法を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置において、接触抵抗算出部にRC回路を用いた場合のコンデンサに充電される電圧と充電時間との関係を示す図である。
【図9】本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置において、電圧測定部に差動増幅回路を用いた場合のセル電圧測定装置の構成を示す図である。
【図10】本発明の実施例2に係るセル電圧測定装置の構成を示す図である。
【図11】本発明の実施例2に係るセル電圧測定装置による接触抵抗の算出方法を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施例3に係るセル電圧測定装置の構成を示す図である。
【図13】本発明の実施例3に係るセル電圧測定装置による接触抵抗の算出方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明に係るセル電圧測定装置について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【実施例1】
【0018】
図3に本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置を示す。セル電圧測定装置2は、セル切替スイッチ3と、回路切替スイッチ4と、接触抵抗算出部5と、電圧測定部6と、切替スイッチ制御部7と、セル電圧演算部8と、制御部9と、記憶部10と、データ送信部11とを有する。電池1は複数のセルC1〜CNが積層(スタック)されており、各セル同士は、セルの両端に設けられた接続部j1〜jN+1のうちのj2〜jNを介して接続されている。セルの接続部j1〜jN+1には、個々のセルの電圧を測定するためのセル側端子p1〜pN+1が設けられており、セル側端子p1〜pN+1はセル電圧測定装置2のセル切替スイッチ3の端子q1〜qN+1にそれぞれ接続されている。即ち、複数の端子q1〜qN+1は、直列に接続された複数のセルC1〜CNを電気的に接続する複数の接続部j1〜jN+1に対応して設けられている。セル側端子p1〜pN+1と端子q1〜qN+1との間には接触抵抗が生じ、それぞれr1〜rN+1とする。なお、図3において、接触抵抗r1〜rN+1を便宜的に接続部j1〜jN+1とセル側端子p1〜pN+1との間に記載している。
【0019】
セル切替スイッチ3は、電池1を構成する複数のセルのうちの特定の1つのセルについての接触抵抗または電圧を測定するために、スイッチ(図示せず)を切り替える。回路切替スイッチ4は、セル切替スイッチ3で選択したセルと、接触抵抗算出部5または電圧測定部6との接続を切り替える。切替スイッチ制御部7は、セル切替スイッチ3及び回路切替スイッチ4のスイッチの制御を行う。
【0020】
制御部9は、切替スイッチ制御部7を制御して、セル切替スイッチ3及び回路切替スイッチ4の各スイッチを切り換え、接触抵抗算出部5による接触抵抗の算出、及び電圧測定部6による電圧の測定を実行する。接触抵抗算出部5は、端子に生じる接触抵抗、即ち、複数のセルC1〜CNと、接続部j1〜jN+1に対応して設けられた端子q1〜qN+1との間に生じる接触抵抗r1〜rN+1の値を順次算出する。電圧測定部6は、複数の端子q1〜qN+1からセルの電圧の値を順次測定する。具体的には、個々のセルの両端に接続された2つの端子間の電圧を測定する。
【0021】
セル電圧演算部8は、接触抵抗算出部5によって算出された接触抵抗の値と、電圧測定部6によって測定された電圧の値とを用いて、個々のセルの電圧の値を算出する。記憶部10は、接触抵抗算出部5によって算出された接触抵抗の値及び電圧測定部6によって測定された電圧の値を記憶し、セル電圧演算部8にこれらの値を送信するとともに、制御部9を制御するためのプログラムを格納している。
【0022】
データ送信部11はセル電圧演算部8が算出したセル電圧の値をセル電圧測定装置2の外部の電池ECU12に送信し、電池ECU12はセル電圧の値に基づいて個々のセルの充電及び放電の制御を行う。
【0023】
次に、本発明のセル電圧測定装置を用いたセル電圧の値の算出方法の概略について説明する。図4は、セル電圧算出方法を示すフローチャートである。まず、ステップS101において、接触抵抗算出部5が、複数のセルC1〜CNと、セルの接続部j1〜jN+1に対応して設けられた端子q1〜qN+1との間に生じる接触抵抗の値r1〜rN+1を算出する。接触抵抗の値の算出方法の詳細な説明については後述する。
【0024】
次に、ステップS102において、電圧測定部6が、個々のセルに対応して設けられた2つの端子(例えば、qn、qn+1)間の電圧を測定する。電圧の測定方法については後述する。次に、ステップS103において、セル電圧演算部8が、接触抵抗の値と電圧測定部6によって測定された電圧とを用いて、個々のセルの電圧(セル電圧)Vnを算出する。セル電圧Vnの算出方法については後述する。
【0025】
本発明によれば、個々のセルとセル電圧測定用の端子との間に生じる接触抵抗の値を算出し、算出した接触抵抗の値と測定した端子間の電圧の値とを用いてセル電圧を算出しているので、接触抵抗が存在する場合においても、セル電圧を正確に測定することができる。
【0026】
次に、本発明のセル電圧測定装置を用いたセル電圧の測定方法において、複数のセルと、複数のセルの接続部に対応して設けられた端子との間に生じる接触抵抗の値を算出する方法について説明する。図5にスタック型のセルからなる電池1と、接触抵抗算出部5にRC回路を用いた場合のセル電圧測定装置2を示す。
【0027】
接触抵抗算出部5は、コンデンサCと、コンデンサCに充電された電圧を放電するための抵抗Rと、コンデンサCに充電された電圧を測定するための電圧計51とを備えている。コンデンサCの容量の大きさは、測定される接触抵抗の大きさに応じて決定することが好ましい。
【0028】
電池1の構成は、図3に示した構成と同様である。図5では、2個のセルCn-1、Cnのセル側端子pn-1、pn、pn+1と、セル電圧測定装置2の端子qn-1、qn、qn+1との間にそれぞれ生じる接触抵抗rn-1、rn、rn+1の値を算出する方法について説明するため、セルの一部のみを表示している。なお、図5において、接触抵抗rn-1、rn、rn+1を便宜的に接続部jn-1、jn、jn+1とセル側端子pn-1、pn、pn+1との間に記載している。セル切替スイッチ3は、配線a、bを備えており、端子q1〜qN+1と配線a、bとの接続を切り換えるスイッチSWa1〜SWaN+1、SWb1〜SWbN+1を備えている。図5では、端子qn-1、qn、qn+1に接続するスイッチSWan-1、SWan、SWan+1及びSWbn-1、SWbn、SWbn+1のみを示している。また、回路切替スイッチ4は、SW1〜SW4を備えており、セル切替スイッチ3の配線a、bと、接触抵抗算出部5の端子5a、5bまたは電圧測定部6の端子6a、6bとの接続を切り替える。
【0029】
次に、接触抵抗の測定方法について図6のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS201において、図5に示すようにスイッチSWan-1、SWan、SWan+1及びSWbn-1、SWbn、SWbn+1の各スイッチがオフの状態において、SW1、SW2をオンして、セル切替スイッチ3の配線a、bと接触抵抗算出部5の端子5a、5bとを接続する。次に、ステップS202において、SWanをオンして、端子qnと接触抵抗算出部5の端子5aとを配線aを介して接続し、SWbn-1をオンして、端子qn-1と接触抵抗算出部5の端子5bとを配線bを介して接続する。これにより、電池1のうちの(n−1)番目のセルCn-1と、接触抵抗算出部5とが接続される。次に、ステップS203において、接触抵抗算出部5のSWを一旦、抵抗R側に切り替えてコンデンサCを放電させてから、セル側(SW1側)に切り替えて、コンデンサCに充電を行う。後述するように、コンデンサCの充電特性から時定数を求め、求めた時定数から2つの接触抵抗の和であるrn-1+rnの値を算出する。時定数をτ1、コンデンサCの容量をC0とすると、rn-1+rnは以下の式で求められる。
【0030】
【数3】
【0031】
次に、ステップS204において、SWan+1、SWbnをオンして、接触抵抗算出部5と電池1のうちのn番目のセルCnとを接続する。次に、ステップS205において、接触抵抗算出部5のSWを一旦、抵抗R側に切り替えてコンデンサCを放電させてから、セル側(SW1側)に切り替えて、コンデンサCの充電を行う。後述するように、コンデンサCの充電特性から時定数を求め、求めた時定数から2つの接触抵抗の和であるrn+rn+1の値を算出する。時定数をτ2、コンデンサCの容量をC0とすると、rn+rn+1は以下の式で求められる。
【0032】
【数4】
【0033】
次に、ステップS206において、SWan+1、SWbn-1をオンして、接触抵抗算出部5と、電池1のうちの(n−1)番目及びn番目のセルCn-1及びCnとを接続する。次に、ステップS207において、接触抵抗算出部5のSWを一旦、抵抗R側に切り替えてコンデンサCを放電させてから、セル側(SW1側)に切り替えて、コンデンサCの充電を行う。後述するように、コンデンサCの充電特性から時定数を求め、求めた時定数から2つの接触抵抗の和であるrn-1+rn+1の値を算出する。時定数をτ3、コンデンサCの容量をC0とすると、rn-1+rn+1は以下の式で求められる。
【0034】
【数5】
【0035】
次にステップS208において、接触抵抗rn-1、rn、rn+1を算出する。接触抵抗rn-1、rn、rn+1は、式(3)〜(5)を用いて以下のように算出される。
【0036】
【数6】
【0037】
以上のステップS202〜S208をn=2〜N−1において繰り返して行うことにより、接触抵抗r1〜rNを順次算出することができる。なお、最初にr1、r2、r3を上述のようにして算出し、r4〜rNは式(3)のみを用いて算出することができる。これは、式(3)において、例えばr4を求める場合にはr3が既知であるので、r4はτ1/Cとr3から求められることに基づく。
【0038】
次に、接触抵抗算出部における時定数の算出方法について、図7のフローチャートを用いて説明する。ここでは、上述のステップS203における時定数τ1の算出方法について説明する。即ち、SW1、SW2をオンして接触抵抗算出部5の端子5a、5bとセル切替スイッチ3の配線a、bとが接続され、SWan、SWbn-1をオンして接触抵抗算出部5の端子5a、5bとの端子qn、qn-1とが接続されているとする。まず、ステップS301において、接触抵抗算出部5のSWを抵抗Rに接続してコンデンサCを放電させる。
【0039】
次に、ステップS302において、SWをセル側(SW1側)に切り替えてコンデンサCを充電し、コンデンサの電圧Vc(t)を電圧計51で測定する。コンデンサCに充電される電圧Vc(t)は図8のように時間とともに変化し、以下の式で表される。
【0040】
【数7】
ここで、Vn-1はセルCn-1の電圧であり、τ1は時定数である。
【0041】
次に、ステップS303において、時刻t1及びt2後のコンデンサの電圧Vc(t1)及びVc(t2)を測定し、記憶部10に記憶する。Vc(t1)及びVc(t2)は以下の式で与えられる。
【0042】
【数8】
【0043】
次に、ステップS304において、τ1を算出する。具体的には、式(10)、(11)から以下の関係式が得られる。
【0044】
【数9】
式(12)からτ1を算出することができる。上述のステップS205及びS207における時定数τ2、τ3も上記と同様にして算出することができる。
【0045】
上記の説明においては、時刻t1、t2におけるコンデンサの電圧Vc(t1)、Vc(t2)を用いて時定数τ1を算出する例を示したが、時定数を算出する方法は、これには限られない。例えば、コンデンサの充電時間tが十分に長く、コンデンサの電圧Vc(t)がセルの電圧Vnにほぼ等しいとみなせるような場合には、以下の式に基づいて、図8に示すようにコンデンサの電圧Vc(t)がVnの63.2%となる時刻から時定数τを算出するようにしてもよい。
【0046】
【数10】
【0047】
次に、セル電圧の測定方法について説明する。図9に本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置の構成を示す。図9においては電圧測定部6に差動増幅回路を用いた例を示す。ここでは、n番目セルCnの電圧Vnを測定する方法について説明する。まず、n番目のセルを選択するために、セル切替スイッチ3のSWan+1、SWbnをオンし、qn、qn+1とセル切替スイッチ3の配線a、bとをそれぞれを接続する。次に、電圧測定部6とセル側とを接続するために、SW3及びSW4をオンし、qn、qn+1と電圧測定部6の端子6a、6bとをそれぞれ配線a、bを介して接続する。
【0048】
このときに、電圧測定部6の出力端子の電圧Voutnは上述の式(1)で表され、式(1)から、セル電圧Vnは次式のように表される。
【0049】
【数11】
ここで、Ra、Rb、Rc、Rdは電圧測定部6の抵抗、ΣVmはm=1〜(n−1)における電圧Vmの総和である。式(14)に接触抵抗算出部5によって算出された接触抵抗の値rn、rn+1を代入することにより、接触抵抗の値を考慮したセル電圧Vnを算出することができる。
セル電圧演算部8は、記憶部10に記憶されている、接触抵抗算出部5が算出した接触抵抗r1〜rN+1の値と、電圧測定部6が測定した端子間の電圧Vout1〜VoutNとを用いて、式(14)に従って、セルの電圧V1〜VNを算出する。
【0050】
以上のように、本発明によれば、複数のセルと、複数のセル同士を接続する接続部に対応して設けられた端子との間に生じる接触抵抗の値を算出し、個々のセルに接続された2つの端子間で測定された電圧と接触抵抗の値とを用いて、個々のセルの電圧を算出するようにしているので、セルと電圧測定用の端子との間に接触抵抗が存在する場合であっても、セルの電圧を正確に算出することができる。
【実施例2】
【0051】
次に、本発明の実施例2に係るセル電圧測定装置について説明する。図10に実施例2に係るセル電圧測定装置の構成を示す。実施例1に係るセル電圧測定装置と異なる点は、接触不良判断部13をさらに設けている点である。接触不良判断部13は、接触抵抗算出部5が算出した接触抵抗の値と所定のしきい値とを比較してセル側端子p1〜pN+1と端子q1〜qN+1との間の接触不良の有無を判断する。その他の構成は、実施例1に係るセル電圧測定装置と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0052】
次に、実施例2に係るセル電圧測定装置による接触不良の検出方法について図11のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS401において、接触抵抗算出部5が、接触抵抗rnを算出する。rnの算出方法は図6のステップS201〜S208に示した方法と同様である。次に、ステップS402において、接触不良判断部13が、接触抵抗算出部5が算出した接触抵抗の値rnと所定のしきい値rTHとの大小関係を調べる。ここで、しきい値rTHは接触不良の判断基準とする抵抗値である。しきい値rTHは、予め記憶部10に記憶しておくことができ、接触不良判断部13が、接触抵抗の値rnと所定のしきい値rTHとの大小関係を調べる際に記憶部10を参照する。
【0053】
接触抵抗rnがしきい値rTHよりも大きい場合はステップS403において、接触不良判断部13は、端子に接触不良が生じていると判断する。一方、接触抵抗rnがしきい値rTH以下の場合は、ステップS404において、接触不良判断部13は、接触不良は無いと判断する。
【0054】
次に、ステップS405において、接触不良判断部13が、端子番号nの端子に関する接触不良の有無についての情報を、データ送信部11を介して電池ECU12に送信する。接触不良が生じている場合は、接触不良判断部13が、接触不良が生じている端子の端子番号を、データ送信部を介して電池ECU12に送信する。電池ECU12は、接触不良が生じている端子番号を表示するなどして、接触不良が生じている端子の位置を外部に表示することができる。ステップS401〜S405をn=1〜Nと変えて順次実行することにより、N個のセルC1〜CNの端子間の接触不良の有無を判断することができる。
【0055】
以上のように、本発明の実施例2に係るセル電圧測定装置によれば、接触抵抗の算出と同時に接触不良の検出をすることができるため、接触不良を容易に検出することができる。
【実施例3】
【0056】
次に、本発明の実施例3に係るセル電圧測定装置について説明する。図12に実施例3に係るセル電圧測定装置の構成を示す。実施例1に係るセル電圧測定装置と異なる点は、温度測定部14をさらに設けている点である。温度測定部14は、接触抵抗算出部5のコンデンサCの温度を測定し、温度測定部14が測定した温度に基づいてコンデンサCの容量の値C0を補正し、補正したコンデンサの容量の値C´を用いて接触抵抗の値を算出する点を特徴としている。
【0057】
次に、実施例3に係るセル電圧測定装置を用いた接触抵抗の算出方法について図13のフローチャートを用いて説明する。ステップS501〜S504までの手順は、図7に示した実施例1における接触抵抗算出方法のステップS301〜S304と同様であるので、詳細な説明は省略する。ステップS505において、温度測定部14が接触抵抗算出部5のコンデンサCの温度Tを測定する。温度Tを測定する手段として、例えばサーミスタを用いることができる。
【0058】
次に、ステップS506において、接触抵抗算出部5が、温度測定部14が測定したコンデンサCの温度Tと、コンデンサCの温度特性からコンデンサCの容量値C0を補正する。例えば、コンデンサの温度特性が温度Tの関数f(T)で表される場合は、補正後の容量値C´は、C´=C0×f(T)として求めることができる。温度特性に関するデータは予め記憶部10に記憶しておくことができ、接触抵抗算出部5は記憶部10を参照して補正後の容量値C´を算出する。次に、ステップS507において、接触抵抗算出部5が、算出した時定数τと、補正した容量値C´とを用いて、接触抵抗の値(=τ/C´)を求める。
【0059】
以上のように、本発明の実施例3に係るセル電圧測定装置によれば、コンデンサの温度を測定する温度測定部をさらに備え、温度測定部が測定した温度に基づいてコンデンサの容量の値を補正し、補正したコンデンサの容量の値を用いて接触抵抗の値を算出するようにしているので、コンデンサの容量の値が温度によって変化する場合であっても、接触抵抗の値を正確に測定することができ、セル電圧を正確に算出することができる。なお、実施例2に係るセル電圧測定装置のように、接触不良判断部を備える構成に加えて、温度測定部を備えるようにしてもよい。
【0060】
以上の説明において、接触抵抗算出部の例としてRC回路を用いた例を示したが、これには限られず、他の回路を用いるようにしてもよい。例えば、RL回路を用いて時定数を算出してもよい。また、電圧測定部の例として、差動増幅回路を用いた例を示したが、他の回路を用いて電圧を測定するようにしてもよい。
【0061】
本発明の説明においては、電池を構成する個々のセルをセル切替スイッチによって選択し、選択したセルと接触抵抗算出部または電圧測定部とを接続する例を示したが、これには限られず、セル切替スイッチを設けずに、個々のセルに対応させて複数の接触抵抗算出部及び電圧測定部を設けるようにしてもよい。
【0062】
また、本発明の説明においては、電圧測定部はセルに接続される端子間の電圧を測定する例を示したが、接触抵抗算出部が電圧計を備えている場合には、電圧測定部が当該電圧計も兼ねるようにしてもよい。
【0063】
また、本発明の説明においては、電気自動車等の車両に用いられる電池を例にとって説明したが、携帯電話等、他の装置に用いられる場合であっても同様に本発明を適用することができる。
また、セルにより構成される電池は、燃料電池やリチウムイオン、ニッケル水素、ニカド電池等、充電して何度でも使える二次電池であればよい。
【符号の説明】
【0064】
1 電池
2 セル電圧測定装置
3 セル切替スイッチ
4 回路切替スイッチ
5 接触抵抗算出部
6 電圧測定部
7 切替スイッチ制御部
8 セル電圧演算部
9 制御部
10 記憶部
11 データ送信部
12 電池ECU
13 接触不良判断部
14 温度測定部
C1〜CN セル
V1〜VN セル電圧
j1〜jN+1 接続部
p1〜pN+1 セル側端子
q1〜qN+1 端子
r1〜rN+1 接触抵抗
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に接続された複数のセルを電気的に接続する複数の接続部に対応して設けられた複数の端子と、
前記複数の端子から前記セルの電圧の値を順次測定する電圧測定部と、
前記端子に生じる接触抵抗の値を順次算出する接触抵抗算出部と、
前記接触抵抗の値と前記電圧の値とを用いて、セルの電圧の値を算出するセル電圧演算部と、
を有することを特徴とするセル電圧測定装置。
【請求項2】
前記接触抵抗算出部は、コンデンサを有し、
前記接触抵抗の値は、前記コンデンサへの充電時における時定数と前記コンデンサの容量の値とを用いて算出される、請求項1に記載のセル電圧測定装置。
【請求項3】
前記コンデンサの温度を測定する温度測定部をさらに備え、
前記温度測定部が測定した温度に基づいて前記コンデンサの容量の値を補正し、補正したコンデンサの容量の値を用いて前記接触抵抗の値を算出する、請求項2に記載のセル電圧測定装置。
【請求項4】
直列に接続された複数のセルを電気的に接続する複数の接続部に対応して設けられた複数の端子と、
前記複数の端子から前記セルの電圧の値を順次測定する電圧測定部と、
前記端子に生じる接触抵抗の値を順次算出する接触抵抗算出部と、
前記算出した前記接触抵抗の値と所定のしきい値とを比較して、前記端子の接触不良の有無を判断する接触不良判断部と、
を有することを特徴とするセル電圧測定装置。
【請求項1】
直列に接続された複数のセルを電気的に接続する複数の接続部に対応して設けられた複数の端子と、
前記複数の端子から前記セルの電圧の値を順次測定する電圧測定部と、
前記端子に生じる接触抵抗の値を順次算出する接触抵抗算出部と、
前記接触抵抗の値と前記電圧の値とを用いて、セルの電圧の値を算出するセル電圧演算部と、
を有することを特徴とするセル電圧測定装置。
【請求項2】
前記接触抵抗算出部は、コンデンサを有し、
前記接触抵抗の値は、前記コンデンサへの充電時における時定数と前記コンデンサの容量の値とを用いて算出される、請求項1に記載のセル電圧測定装置。
【請求項3】
前記コンデンサの温度を測定する温度測定部をさらに備え、
前記温度測定部が測定した温度に基づいて前記コンデンサの容量の値を補正し、補正したコンデンサの容量の値を用いて前記接触抵抗の値を算出する、請求項2に記載のセル電圧測定装置。
【請求項4】
直列に接続された複数のセルを電気的に接続する複数の接続部に対応して設けられた複数の端子と、
前記複数の端子から前記セルの電圧の値を順次測定する電圧測定部と、
前記端子に生じる接触抵抗の値を順次算出する接触抵抗算出部と、
前記算出した前記接触抵抗の値と所定のしきい値とを比較して、前記端子の接触不良の有無を判断する接触不良判断部と、
を有することを特徴とするセル電圧測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−220344(P2012−220344A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86548(P2011−86548)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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