説明

センサを有する3成分圧電振動加速度計

本発明のデバイスは、圧電素子を備え、基板に固定された正方形ベースの矩形平行六面体の形に具現化される。ピエゾモジュールマトリックスは、与えられた形状に具現化される。導電性層は、導電性接着剤でできている。前記矩形平行六面体の縁部は、前記導電性層がなく、導電性層は各側面上の長方形の形で具現化される。各側面において、側面の導電性長方形の角度ポイントの1つの領域に位置する1つのポイントで、電荷がピックアップされる。基板は導電性があるようにされる。正方形ベースは、導電性接着剤の手段で基板に固定され、この接着剤は導電性層にも使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は測定装置に関し、特に色々な機械又は機構の振動パラメータを測定するデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
現存する1成分圧電トランスデューサの動作原理は、トランスデューサの測定軸上の振動加速度ベクトルの投影を測定することに基づいている。所定の測定ポイントで、振動加速度ベクトルの大きさと方向を測定するため、3つのセンサを有し、最適には共通の慣性ウェイトを有する3成分振動加速度計が使用される。しかし、検出する圧電セルは、構造上空間内で分離され、単一の測定ポイントに限定されないかもしれないので、測定される実際の振動パラメータと異なる色々の振動が、圧電セルが固定された領域で支配的である。それゆえ、このようなトランスデューサを使用して3座標軸上で得られるデータでは、振動加速度ベクトルの実際の大きさと真の方向を測定することはできない。しかし、トランスデューサで1つの圧電セルを使用し、それが、与えられた振動方向を、対向する面のそれぞれの対の上の電荷に変換するのであれば、このような事態を避けることができるかもしれない。結晶の圧電特性は、18の独立の定数を有する3行のテンソルで記述される。圧電素子が作られている結晶の対称性に関して、空間内のランダムな方向を向く振動加速度により生じる1つの変形を矩形平行六面体の3つの対応する面上の3つの電荷に変換することは可能である。
【0003】
基板に固定された矩形平行六面体の形に作られた圧電セルを有し、1つのセンサを有する3成分圧電振動加速度メータが公知であり、圧電セルの極軸は、基板に固定する面に垂直であり、ピエゾモジュールマトリックスは次のように選択される。
| 0 0 0 0 d15 0 |
| 0 0 0 d24 0 0 |
| d31 d32 d33 0 0 0 |
ここに、dij ピエゾモジュール(C/N)
i 圧電界指数
j 変形指数
(SU,A,504940)
【0004】
前記デバイスにおいて、圧電セルの全ての6つの面は、電気的に分離され、金属の薄い層でコーティングされている。圧電セルは、トランスデューサの基板に堅く固定され、矩形平行六面体の上面に配置されたプレートの形の慣性ウェイトを有する。圧電セルを固定するこの方法を使用する間、3つの種類の変形のみが可能である。即ち、極軸Zに沿っての引張り−圧縮、XZ面内でのシフト、YZ面内でのシフトであり、その結果、それらの各々の電荷は、ピエゾモジュールマトリックスに従って、矩形平行六面体の2つの対向する面上のみに現われる。
【0005】
前記マトリックスは、結晶の圧電特性を記述し、これは結晶学上のクラスC2V、C4V、C6V、C∽Vに関連する。例えば、単結晶CdSとZnOはC6Vクラスに関連し、ピエゾセラミックスはC∽Vクラスに関連する。
【0006】
最も近いデバイスは、
1つの感応要素を有する3成分圧電振動加速度計であって、
正方形ベースを有する矩形平行六面体の形に作られた圧電セルと、矩形平行六面体の正方形ベースが固定される基板と、矩形平行六面体の面に位置する導電性層とを備え、矩形平行六面体の縁部は、導電性層がなく、矩形平行六面体の各面は、他の面から電気的に絶縁されていて、各面上の導電性層は長方形の形に作られ、その対向する側部は、各々その面の対向する縁に平行であり、圧電セルの極軸は、圧電セルを基板に固定する面に垂直であり、矩形平行六面体の高さhと、正方形ベースの側部の長さbの間の関係は、0.3<h/b<1.2から選択され、圧電セルのピエゾモジュールマトリックスは次のように選択される。
| 0 0 0 0 d15 0 |
| 0 0 0 d24 0 0 |
| d31 d32 d33 0 0 0 |
ここに、dij ピエゾモジュール(C/N)
i 圧電界指数
j 変形指数
(RU,A,2061242)
【0007】
このデバイスにおいて、導電性層は、面を金属化することにより作られ、矩形平行六面体は、誘電性透過率εが500より小さくないピエゾセラミック又は単結晶で作られる。対応する材料と圧電セルの幾何学的寸法の選択により、周波数帯の上限を上げ、測定の正確さを改善することができ、また設計上慣性ウェイトを無くして、デバイスの寸法を小さくすることができる。
【0008】
しかし、この公知のデバイスの限界は、圧電セルが機械的に自由な状態にある場合と、圧電セルの全ての体積と表面全体で、機械的応力が同じ場合において、前述したピエゾモジュールマトリックスは、3つの軸X、Y、Z軸の横方向で感度がないと、理論上でしか保証できないことである。圧電セルの実際の構造では、面の表面から電荷をピックアップするための要素(通常は半田付けされている)があることにより、また導電性層の品質により、圧電セルを基板に固定することにより、局地的な機械的応力が生じる。機械的に不規則な応力状態の結晶の圧電モジュールマトリックスは、その種類が変化する。テンソルの成分(その結果マトリックス)は、横方向感度に影響し、ゼロに等しくはならないからである。このことは、矩形平行六面体の側面は、XZ面とYZ面でシフトするので、これらの側面で特に明らかである。自由状態での結晶の圧電効果は、個々の理想的なマトリックスで記述されるにもかかわらず、もし、局地的応力が十分に高ければ、横方向感度は30%から50%に達するかもしれない。従って、圧電セル内で発生する機械的応力の規則性を保証する、即ち、結晶の全体積と全表面で機械的応力が等しくなる特別の構造を作る必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の基礎は、1つのセンサを有する3成分圧電振動加速度計であって、横方向感度の減少により精度が改善され、構造と測定の信頼性が改善され、その結果性能特性が改善された加速度計を作ることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題を解決するため、次の公知の加速度計を使用する。
1つの感応要素を有する3成分圧電振動加速度計であって、
正方形ベースを有する矩形平行六面体の形に作られた圧電セルと、前記矩形平行六面体の前記正方形ベースが固定される基板と、前記矩形平行六面体の面上に位置する導電性層とを備え、前記矩形平行六面体の縁部は、前記導電性層がなく、前記矩形平行六面体の各面は、他の面から電気的に絶縁されていて、各面上の前記導電性層は長方形の形に作られ、その対向する側部は、各々その面の対向する縁に平行であり、前記圧電セルの極軸は、前記圧電セルを前記基板に固定する面に垂直であり、前記矩形平行六面体の高さhと、前記正方形ベースの側部の長さbの間の関係は、0.3<h/b<1.2から選択され、圧電セルモジュールのマトリックスは次のように選択される。
| 0 0 0 0 d15 0 |
| 0 0 0 d24 0 0 |
| d31 d32 d33 0 0 0 |
ここに、dij ピエゾモジュール(C/N)
i 圧電界指数
j 変形指数
【0011】
本発明によれば、前記導電性層は、硬化された導電性接着剤で出来ていて、これはまた前記矩形平行六面体の前記正方形ベースを誘電体で出来た前記基板に固定するのに使用される。各側面について、側面の前記導電性長方形の頂点の領域に位置するポイントのうちの1つで、前記圧電セルの電荷がピックアップされる。
【0012】
本発明の追加の態様もあり、次のようなものである。
各側面について、前記圧電セルの電荷がピックアップされるポイントは、その側面の前記導電性長方形の頂点から距離Lに位置し、前記距離はL<0.25bを満たすように選択される。
【0013】
各側面について、前記圧電セルの電荷がピックアップされるポイントは、前記基板に最も近い側面の前記導電性長方形の頂点の領域に位置する。
【0014】
上面について、前記圧電セルの電荷は、前記上面の前記導電性長方形の頂点の領域に位置するポイントでピックアップされる。
【0015】
上面について、前記圧電セルの電荷がピックアップされるポイントは、前記上面の前記導電性長方形の頂点から距離Lに位置し、前記距離はL<0.25bを満たすように選択される。
【0016】
上面について、前記圧電セルの電荷がピックアップされるポイントは、上面の前記導電性長方形の中央に位置する。
【0017】
前記基板は、前記矩形平行六面体の側面を越えて延びるように選択され、前記基板の延長部は、導電性接着剤で出来た導電性層を備え、前記圧電性セルの前記正方形ベースからの電荷のピックアップは、前記圧電セルの前記正方形ベースが固定された前記基板の延長部表面上に位置する1つのポイントで行われる。
【0018】
前記基板は、前記矩形平行六面体の側面から0.25bを超えない距離Sだけ延びるように作られる。
【0019】
電荷は、直径0.1mmを超えない銅線でピックアップされる。
【0020】
前記銅線の端部は、前記矩形平行六面体の前記正方形ベースを前記基板に固定するのに使用したのと同じ接着剤で、個々のポイントで接着される。
【0021】
隣接する面上の前記導電性長方形の側部間の最も近い距離Mは、0.1から0.3mmである。
【0022】
シーラントが導入され、前記圧電セルと前記基板は、前記シーラント内に包含される。
【0023】
前記基板として、水晶で出来たプレートが使用される。
【0024】
銅で出来たプレートが導入され、前記プレートは、前記矩形平行六面体の前記正方形ベースを前記基板に固定するのに使用したのと同じ接着剤で、前記矩形平行六面体の上面に固定される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の上述した利点と特徴を、図面を参照して好適な実施形態を使用して説明する。
【0026】
1つのセンサを有する3成分圧電振動加速度メータ(図1)は、正方形ベースを有する矩形平行六面体の形に作られた圧電セル1を備える。正方形ベースが、基板2に固定される(圧電セル1をセンサ本体に固定するための、絶縁プレートの機能を果たす)。圧電セルの極軸Zは、それを基板2に固定する面に垂直である。矩形平行六面体の高さhと、正方形ベースの側面の長さbの間の関係は、0.3<h/b<1.2から選択される。圧電セルのピエゾモジュールマトリックスは次のように選択される。
| 0 0 0 0 d15 0 |
| 0 0 0 d24 0 0 |
| d31 d32 d33 0 0 0 |
ここに、dij ピエゾモジュール(C/N)
i 圧電界指数
j 変形指数
【0027】
圧電セル1の矩形平行六面体の正方形ベースの全ての面は、導電性接着剤で出来た導電性層3を備える。矩形平行六面体の全ての縁部には、その導電性層3がない。従って、矩形平行六面体の各面は、隣接する面から電気的に絶縁されている。各側面上の導電性層3は、長方形の形に作られ、その対向する側部は、矩形平行六面体の面の各々の対向する縁部に平行である。各側面について、圧電セル1の電荷は、側面の導電性長方形3の頂点の領域に位置するポイントのうちの1つで、ピックアップされる(図1に、ポイントAとBを示す)。基板2は誘電体で出来ている。矩形平行六面体の正方形ベースは、導電性接着剤4により基板に固定され、導電性層3はこの接着剤で出来ている。
【0028】
この発明の特徴は、導電性層3を作るのと、圧電セル1を基板2に固定するのとに、同じ材料を使用することである。側面により測定値に基本的な誤差が導入されるので、構造の主な変更は側面に向けられる。しかし、この発明は、構造に他の色々の改善を含むことができ、圧電セル1の結晶内で発生する機械的応力の規則性を最大限保証することが出来る。
【0029】
各側面について、圧電セル1の電荷をピックアップするポイント(A又はB)は、側面の導電性長方形の頂点から距離Lに位置し、前記距離はL<0.25bを満たすように選択される。
【0030】
測定の精度を上げるため、圧電セル1の電荷をピックアップするポイント(AとB、図1)は、基板2に最も近い側面上の導電性層3で出来た長方形の頂点の領域に位置するべきである。これらの領域は、結晶の最も変形の少ない領域である。
【0031】
上面の導電性層3もまた、長方形の形に作られている(図1、3)。上面では、圧電セル1の電荷は、上面上の導電性層で出来た長方形の頂点の領域に位置する1つのポイント、例えばポイントCでピックアップされる。
【0032】
上面において、圧電セルの電荷がピックアップされるポイントは、上面上の導電性層で出来た長方形の頂点から距離L(図3)に位置しても良く、前記距離はL<0.25bを満たすように選択される。
【0033】
さらに、上面において、圧電セルの電荷は、上面の導電性層で出来た長方形(正方形ベースが使用されるので、正方形)の頂点の中央に位置するポイントC*(図5)でピックアップされてもよい。
【0034】
基板2(図1、3〜5)は、矩形平行六面体の側面を超えて延びるように作られる。基板2の延長部5は、前記導電性接着剤で出来た導電性層3を備える。電荷は、基板の表面延長部5に位置する1つのポイント(D)で圧電セル1の正方形ベースからピックアップされ、この基板に圧電セル1の正方形ベースが固定されている。即ち、ポイントDは、延長部5の表面に位置し、この延長部は、矩形平行六面体の側面に最も近く、これに面している。
【0035】
基板は、矩形平行六面体の側面から0.25bを超えない距離Sだけ延びるように作られる。
【0036】
圧電セル1の電荷は、直径0.1mmを超えない銅線6でピックアップされる(図4)。銅線6の端部は、矩形平行六面体の正方形ベースを基板に固定するのに使用したのと同じ接着剤で、それぞれのポイントに接着される。
【0037】
隣接する面上の導電性層3で出来た長方形の側部間の最も近い距離Mは、0.1から0.3mmである。
【0038】
構造の堅固さを保証するため、シーラント7を導入しても良い(図4に、透明矩形平行六面体の形で誘電性接着剤を示す)。圧電セル1と基板2は、シーラント7に包含される。
【0039】
基板2として、水晶で出来たプレートが使用されても良い。
【0040】
デバイスに、例えば銅で出来たプレート8等の慣性ウェイトを組み込んでも良い。プレート8は、矩形平行六面体の上面に、導電性接着剤で固定され、導電性層3はこの接着剤で出来ている。
【0041】
図1〜5のデバイスは、次のように動作する。
Z軸に平行なセラミック分極ベクトルは、圧電セル1を基板2に固定する面に垂直である。もし、振動が、X軸に沿って伝われば、引張り−圧縮変形は、圧電セル内で同じ方向に起こり、結晶は上述したピエゾモジュールマトリックスが選択されるので、ピエゾモジュールd33が使用され、電荷は、Z軸に垂直な矩形平行六面体の底面と上面のみに現われる。
【0042】
振動がX軸に沿っている場合は、結晶にXZ面内でシフト変形が生じ、ピエゾモジュールd15が使用され、電荷は、X軸に垂直な面のみに発生する。振動がY軸に沿っている場合は、結晶にYZ面内でシフト変形が生じ、もし、ピエゾモジュールd24が使用されれば、電荷は、Y軸に垂直な面のみに発生する。この構造では、引張り−圧縮変形を生じるのは不可能なので、ピエゾモジュールd31、d32は使用されない。
【0043】
もし、振動加速度ベクトルが、ランダムな空間的方向を有するなら、3つのピエゾモジュールd33、d15、d24を同時に使用すれば、X、Y、Z軸上の投影を信頼性をもって測定できる。
【0044】
しかし、公知の構造では、電荷は、長方形の面に形成された導電性層3の中央部からピックアップされ、導電性層3として、例えば蒸着方法により形成された金属層が使用されるので、上述したマトリックスの各々のピエゾモジュールがゼロに等しいことは、保証できない。その結果、圧電セル1の横方向感度が、3つの軸、X、Y、Z軸に沿って現われる。導電性層3として通常の金属層が使用され、次に結晶が金属基板にロー付けされると、結晶に表れる機械的応力は、かなりの大きさになり、最も重要なことは、応力は結晶の異なる領域では異なることである。固定するのに対応するポイントでワイヤーを半田付けすることにより、局所的機械的応力が生じ、自由な結晶ではゼロの値であるピエゾモジュールは、取り付けられた後では、ピエゾモジュールの値を100%とすると、50%もの大きさにも達する。
【0045】
導電性層3として導電性接着剤の硬化(乾燥)した層を使用し、結晶を基板に固定する層として同じ導電性接着剤4をすれば、機械的応力の値と不規則性は、はっきりと小さくなることが研究により分った。導電性接着剤として、例えば、米国Epoxy TechnologyのH27D接着剤、又は米国Loctiteの3465、3466、又はロシアTU-LUのTU ShKFLO 028.002に適合するTOK2導電性接着剤、米国Cotronicsの950又は952接着剤がある。更に、矩形平行六面体の側面の中央部で、振動加速度計として作用する結晶の絶対変形値が、最大に達する。それゆえ、測定の精度を改善するため、圧電セル1の電荷は、各面について、導電性層3で出来た長方形の頂点の領域でピックアップする必要がある。たとえば、側面については、ポイントA、B、上面についてはポイントCである。ワイヤーが、導電性層3で出来た長方形の面の中央部で接着されたのと、頂点で接着されトランスデューサの群で研究を行った。ワイヤーが面の中央部で接着されると、横方向感度は13.3%から30.5%であり、頂点で接着されると、2%から6%、主に2%であった。
【0046】
同じ導電性接着剤4で接着され、他の面と均一な層を形成するので、圧電セル1の底面から、電荷はポイントDでピックアップされても良く、その目的のためには、基板2(例えば、GOST 15130-86に従った溶融水晶で出来た基板)の延長部5を作る必要があり、その表面を圧電セル1の正方形ベースを基板2に固定するのに使用したのと同じ導電性接着剤4で覆う必要がある。実際上は、基板2は大きい寸法を有するように作られる。導電性接着剤4は、圧電セル1の正方形ベースに面する基板2の全表面上に塗布される。接着剤層の均一な分布を保証するため、圧電セルは、基板2に小さい力で固定される。このため、圧電セル1を基板2に固定するのに必要な堅固さが達成される。導電性接着剤4は、圧電セル1の下から延長部5の上に来て、接触領域を形成する。
【0047】
プレート8(図5)等の慣性ウェイトを使用する場合は、デバイスの感度が改善され、周波数帯の上限が低くなるのであり、プレート8を上面に導電性層3と同じ導電性接着剤4で固定するのが適当である。
【0048】
デバイスは次のように作成される。
圧電セル1の全表面を導電性接着剤で覆い、0.1mmを超えない層を形成する。層を乾燥した後、矩形平行六面体の縁部を0.1mmから0.3mmの範囲の大きさMで研削し、面上に導電性層3の長方形を得て、前記長方形は相互に電気的に絶縁されている。基板2に導電性接着剤を塗布し、プレート8を使用する場合はそれにも塗布する。矩形平行六面体の上面と底面をこれらの構成部品に押し付け、導電性接着剤が乾燥するまで保持する。次に、圧電セル1の電荷をピックアップするため、ワイヤーのそれぞれの端部を、上に示したポイントに接着する。上に示したLとSの距離値は、実験的に求められ、最良の結果を得ることが出来る。直径0.1mmまでで剛性の小さい絶縁層のない銅ワイヤーが、上述のワイヤーとして使用される。次に、ワイヤーを接着した後、構造はシーラント7内に包含される。RVITs 460 077.044 TUに適合する絶縁性接着剤“Epoxy”が、シーラント7として使用される。デバイスは、チタンケース(図示せず)に配置され、ワイヤーの他端部は、コネクタに半田付けされる。
【0049】
1つのセンサを有する3成分圧電振動加速度計は、色々の機械工業、主にロケット、航空機、ヘリコプターの製造の分野で、ベンチと動作の測定のため使用され、また科学的目的で使用される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明のデバイスを示す。
【図2】図1に示す側面から電荷がピックアップされるポイントを示す。
【図3】図1に示すデバイスの上面図である。
【図4】図1のデバイスにワイヤと化合物を付けた図である。
【図5】図1のデバイスに慣性ウェイトを付けた図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの感応要素を有する3成分圧電振動加速度計であって、
正方形ベースを有する矩形平行六面体の形に作られた圧電セルと、前記矩形平行六面体の前記正方形ベースが固定される基板と、前記矩形平行六面体の面上に位置する導電性層とを備え、前記矩形平行六面体の縁部は、前記導電性層がなく、前記矩形平行六面体の各面は、他の面から電気的に絶縁されていて、各面上の前記導電性層は長方形の形に作られ、その対向する側部は、各々その面の対向する縁に平行であり、前記圧電セルの極軸は、前記圧電セルを前記基板に固定する面に垂直であり、前記矩形平行六面体の高さhと、前記正方形ベースの側部の長さbの間の関係は、0.3<h/b<1.2から選択され、圧電セルモジュールのマトリックスは次のように選択され、
| 0 0 0 0 d15 0 |
| 0 0 0 d24 0 0 |
| d31 d32 d33 0 0 0 |
ここに、dij ピエゾモジュール(c/n)
i 圧電界指数
j 変形指数
前記導電性層は、硬化された導電性接着剤で出来ていて、この接着剤はまた前記矩形平行六面体の前記正方形ベースを誘電体で出来た前記基板に固定するのに使用され、側面の各々について、前記圧電セルの電荷のピックアップは、前記側面の前記導電性層の頂点の領域に位置する1つのポイントで行われることを特徴とする振動加速度計。
【請求項2】
各側面について、前記圧電セルの電荷がピックアップされるポイントは、その側面の導電性長方形の頂点から距離Lに位置し、前記距離はL<0.25bを満たすように選択される請求項1に記載の振動加速度計。
【請求項3】
各側面について、前記圧電セルの電荷がピックアップされるポイントは、前記基板に最も近い側面の前記導電性長方形の頂点の領域から距離Lに位置する請求項1に記載の振動加速度計。
【請求項4】
上面について、前記圧電セルの電荷のピックアップは、前記上面の前記導電性層長方形の頂点の領域に位置するポイントで行われる請求項1に記載の振動加速度計。
【請求項5】
上面について、前記圧電セルの電荷がピックアップされるポイントは、前記上面の前記導電性層長方形の頂点から距離Lに位置し、前記距離はL<0.25bを満たすように選択される請求項4に記載の振動加速度計。
【請求項6】
上面について、前記圧電セルの電荷がピックアップされるポイントは、前記上面の導電性長方形の中央に位置する請求項1に記載の振動加速度計。
【請求項7】
前記基板は、前記矩形平行六面体の側面を越えて延びるように作られ、前記基板の延長部は、導電性接着剤で出来た導電性層を備え、前記圧電性セルの前記正方形ベースからの電荷のピックアップは、前記圧電セルの前記正方形ベースが固定された前記基板の延長部表面上に位置する1つのポイントで行われる請求項1に記載の振動加速度計。
【請求項8】
前記基板は、前記矩形平行六面体の側面から0.25bを超えない距離Sだけ延びるように作られる請求項7に記載の振動加速度計。
【請求項9】
個々のポイントからの電荷のピックアップは、直径0.1mmを超えない銅線で行われる請求項1、4、6、7の何れか1項に記載の振動加速度計。
【請求項10】
前記銅線の一端部は、前記矩形平行六面体の前記正方形ベースを前記基板に固定するのに使用したのと同じ接着剤で、前記ポイントに接着される請求項9に記載の振動加速度計。
【請求項11】
隣接する面上の前記導電性層長方形の側部間の最も近い距離Mは、0.1から0.3mmである請求項1に記載の振動加速度計。
【請求項12】
シーラントが導入され、前記圧電セルと前記基板は、前記シーラント内に包含される請求項1に記載の振動加速度計。
【請求項13】
前記基板として、水晶で出来たプレートが使用される請求項1に記載の振動加速度計。
【請求項14】
銅で出来たプレートが導入され、前記プレートは、前記矩形平行六面体の前記正方形ベースを前記基板に固定するのに使用したのと同じ接着剤で、前記矩形平行六面体の上面に固定される請求項1に記載の振動加速度計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−508360(P2006−508360A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−557006(P2004−557006)
【出願日】平成15年1月15日(2003.1.15)
【国際出願番号】PCT/RU2003/000006
【国際公開番号】WO2004/051285
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(505199267)
【Fターム(参考)】