センサシステム及び画像形成装置
【課題】記録剤判別センサの精度を向上する。
【解決手段】記録媒体107に光を照射する反射光用LED1と、透過光用LED6から記録媒体に照射されて記録媒体を透過する透過光を受光する受光センサ2とを有し、透過光用LED6からの発光光軸L1を、受光センサ2の垂直受光軸9からずらしたことを特徴とするセンサシステム。
【解決手段】記録媒体107に光を照射する反射光用LED1と、透過光用LED6から記録媒体に照射されて記録媒体を透過する透過光を受光する受光センサ2とを有し、透過光用LED6からの発光光軸L1を、受光センサ2の垂直受光軸9からずらしたことを特徴とするセンサシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体を検出するためのセンサシステムに関するものである。より詳細には、画像形成装置における記録媒体を検出するセンサシステム、及びそのセンサシステムを使用する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真プロセスを用いて記録媒体上にトナー画像を形成する画像形成装置において、記録媒体を判別するための映像読取センサを実装した画像形成装置がある。以下、従来の画像形成装置の構成の一例について説明する。
【0003】
図8はカラー画像形成装置100の構成を示す図である。カラー画像形成装置100の下部には記録媒体107が収納された給紙カセット111が配置されている。給紙カセット111からの記録媒体107の搬送経路には、記録媒体107の給紙用のピックアップローラ112、給紙された記録媒体107を画像形成部から定着手段へ搬送するための記録紙搬送部113、記録媒体107の先端を検出し画像形成プロセスのタイミングを計るための検出センサ114、像担持体101Y〜101Bk上に形成された現像剤画像を転写するタイミングをとるために記録媒体107を待機させるためのレジストローラ115、記録媒体107を記録紙搬送部113上に静電的に吸着させるための吸着ローラ116がある。レジストローラ115で待機した記録媒体107は、検出センサ114の検出結果と画像形成プロセスとのタイミングをとって、各色の画像形成部の像担持体に接するように配置された搬送ベルト119上を搬送されるとともに、転写手段108Y〜108Bkにより順次トナー画像が転写される。図中符号117は定着手段であり、記録媒体107上に転写された4色のトナー画像を加熱して溶融定着させる。定着された記録媒体107は機外に排出され、画像形成動作を終了する。
【0004】
このような画像形成装置においては、ユーザーに使用される記録媒体は多種多様に存在する。これらのすべての記録媒体に対して良好な画像定着性を確保するためには、事前に記録媒体の種類を判別し、その種類に応じた適切な定着条件に制御を切り替える必要がある。
【0005】
記録媒体の判別方法としては、例えば、画像形成装置本体に設けられた操作パネル等に記録媒体のサイズや種類(以下、紙種ともいう)がユーザーによって設定され、その設定に応じて定着処理条件を設定するよう制御がなされる。なお、定着処理条件とは、例えば、定着温度や定着装置を通過する記録媒体の搬送速度である。
【0006】
又、記録媒体がOHT(overhead transparencies)シートの場合には、画像形成装置内部に備えられた光のセンサによって記録媒体がOHTシートであるか否かを自動検知している。記録媒体を光が透過した場合はOHTシートと判定し、記録媒体を光が透過しない場合はOHTシート以外の普通紙と判定し、その判定結果に応じて定着温度或いは記録媒体の搬送速度を設定するよう制御がなされる。
【0007】
図8に示す画像形成装置100は、記録媒体判別センサ118を備え、用紙カセット111から給紙・搬送される記録媒体107の表面に光を照射させて、その反射光を集光し結像させて、記録媒体107のある特定エリアの映像を検出するようになっている。
【0008】
図9は、従来から知られている記録媒体判別センサ118の構造を示す図である。図中符号1は光照射手段であるLED(light-emitting diode)、2は画像読取手段である撮像素子、3は集光レンズ、4は結像レンズである。LED1を光源とする光は、集光レンズ3を介し、記録媒体搬送ガイド8の表面、或いは、記録媒体搬送ガイド8上の記録媒体107表面に対し照射される。記録媒体107からの反射光は、結像レンズ4を介し集光されて撮像素子2に結像される。これによって、記録媒体搬送ガイド8或いは記録媒体107の表面映像を読み取る。この例では、LED1は、LED光が記録媒体107表面に対し、図9に示すように所定の角度をもって斜めより光を照射させるよう配置されている。
【0009】
図10は、記録媒体判別センサ118の撮像素子2によって読み取られる記録媒体107の表面と撮像素子2からの出力を8×8ピクセルにディジタル処理した例との関係を示す図である。このディジタル処理は、撮像素子2からのアナログ出力を変換手段である不図示のA/D(analog-to-digital)変換によって例えば8ビットのピクセルデータに変換することによって行われる。
【0010】
図10において、図中符号50は、表面の的紙の繊維が比較的がさついている所謂ラフ紙である記録紙Aの表面拡大映像である。51は、一般に使用される所謂普通紙である記録紙Bの表面拡大映像である。52は、紙の繊維の圧縮が十分になされている光沢紙(グロス紙)である記録紙Cの表面拡大映像である。撮像素子2に読み込まれたこれらの映像50〜52が、ディジタル処理され図10に示す映像53〜55となる。
【0011】
このように、記録媒体の種類によって、表面の映像は異なる。これは、主に記録媒体の表面における繊維の状態が異なるために起こる現象である。上述のように、撮像素子2で記録媒体表面を読み込まれディジタル処理された映像は、記録媒体の紙繊維の表面状態によって異なり、これにより記録媒体の種類の判別が可能となる。
【0012】
図11は、従来の記録媒体判別センサ118を使用した定着処理条件の制御を示すフローチャートである。図11の処理フローは、画像形成装置100が有する制御プロセッサによって実行される。
【0013】
図11において、先ず、制御プロセッサはLED1を点灯させ(S001)、撮像素子2によって記録媒体107の映像を読み込む(S002)。上記映像の読み込みは複数回にわたり上記記録媒体107上の複数箇所において読み込む。
【0014】
そして、制御プロセッサはLED1を消灯させた後(S003)、制御プロセッサが有するゲイン調整手段及びフィルタ演算手段(図示せず)のゲイン演算及びフィルタ演算のための定数を調整する(S004)。このゲイン演算及びフィルタ演算は、制御プロセッサ内のROM(不図示)に予め記憶されているプログラムに基づいて処理される。
【0015】
例えば、ゲイン演算は、撮像素子2からのアナログ出力のゲインを調整することによって行う。つまり、記録媒体107表面より反射される反射光量が多すぎるとき、或いは、逆に少なすぎるときは、記録媒体107表面の映像がよく読み取れないので、即ち映像の変化が導けないので、この場合には、制御プロセッサはゲインを調整する。
【0016】
又、フィルタ演算は、撮像素子2からのアナログ出力をA/D変換し8ビット、256階調のディジタルデータとしたときに、例えば、1/32,1/16,1/4等の演算処理を行う。つまり、撮像素子2からの出力のノイズ成分を除去させる処理を行う。
【0017】
そして、制御プロセッサは、次の映像比較演算をする上で十分な映像情報が得られるか否かを判定し(S005)、十分な映像情報が得られると判定された場合には後述の映像比較演算を行い(S006)、この映像比較演算結果に基づき紙種を判定し(S007)、その紙種に応じた定着温度を設定する(S008)。
【0018】
例えば、図10に示す記録紙Aのように表面の紙繊維ががさついた紙種であれば定着温度を高くし、記録紙Cのように表面の紙繊維がなめらかの場合は定着温度を低い設定として、制御プロセッサは定着ユニット117の温調制御を行う。
【0019】
ここで、上記の映像比較演算の方法について説明する。上記映像比較演算においては、記録媒体107表面の複数箇所の映像を読み込んだ結果から、最大出力のピクセルDmaxと最低出力のピクセルDminを導く。これを読み込んだ映像毎に実行し平均処理する。
【0020】
つまり、記録紙Aのように表面の紙繊維がガサついている場合には、繊維の影が多く発生する。その結果、明るい個所と暗い個所の差が大きく出るため、Dmax−Dminは大きくなる。一方、記録紙Cのような表面では、繊維の影が少なく、Dmax−Dminは小さくなる。この比較によって、記録媒体107の紙種を判定する。
【0021】
上述の制御プロセッサは、撮像素子2からの映像サンプリング処理、ゲイン及びフィルタ演算処理をリアルタイムにて処理する必要があるため、ディジタルシグナルプロセッサを用いることが望ましい。
【0022】
上述のような記録媒体の紙種を判定する画像形成装置に関連した技術内容を開示した文献がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】特開2002−182518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
ここで、上述の従来の画像形成装置においては、近年、扱われる紙種が多くなり、前述従来の記録媒体判別センサの検出系だけでは全紙種をカバーできなくなってきている。その結果、定着処理条件の設定がうまく決まらず、定着性が悪くなる場合がある。特に、OHTシートは各プリンタ製品に応じて専用シートが存在し、定着処理条件の設定が最適化されないと未定着画像やジャムになってしまう場合がある。
【0025】
また厚紙等の記録媒体の紙種検知においては、従来、その検出方法として様々な方法がある。例えば、反射型センサを用いて行う方式や、紙の厚みをメカ的に検出する方式では、いずれの場合においても紙の厚みを検出する厚み検出専用のセンサが必要となり、画像形成装置のシステムトータルコストが高くなるためコストパフォーマンスが悪い。
【0026】
上述のような状況に対する取り組みとして、詳細な記録媒体の判別を目的のため、従来の判別に加え、更に記録媒体の裏面側より光を照射し、透過する光の強さ(光量)に基づいて、厚紙や薄紙などの記録媒体の紙厚を検出する手段についての提案がなされている。
【0027】
しかしながら、従来の記録媒体の裏面側から光を照射する構成を有するの判別センサは、判別センサに直接正透過光が入射する構成になっている。そのため、OHTシートや薄紙の識別時にLEDの発光の影響を多大に受けてOHTシートや薄紙の判別精度が低下するという課題があった。
【0028】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、改良されたセンサシステム及び画像形成装置を提供することにある。
【0029】
また、本発明の目的は、記録媒体の種類を検出するための記録媒体判別センサの判別精度を向上させたセンサシステム及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0030】
上記目的を達成するための本発明のセンサシステムは、記録材に光を照射する第一発光部と、前記第一発光部に対して記録材を介した反対側から記録材に光を照射する第二発光部と、前記第一発光部に対して記録材を介した反対側に配置され、前記第一発光部から記録材に照射されて記録材を透過した透過光を受光する、及び前記第二発光部から記録材に照射されて記録材に反射した反射光を受光する受光部と、前記第一発光部と記録材の間で且つ前記第一発光部によって光が照射される位置に配置され、前記第一発光部から照射された光を透過し、且つ前記第二発光部から照射され記録材を透過した光を拡散させる光拡散部材とを有することを特徴とする。
【0031】
また、本発明の画像形成装置は、記録材に画像形成を行う画像形成手段と、記録材に光を照射する第一発光部と、前記第一発光部に対して記録材を介した反対側から記録材に光を照射する第二発光部と、前記第一発光部に対して記録材を介した反対側に配置され、前記第一発光部から記録材に照射されて記録材を透過した透過光を受光する、及び前記第二発光部から記録材に照射されて記録材に反射した反射光を受光する受光部と、前記第一発光部と記録材の間で且つ前記第一発光部によって光が照射される位置に配置され、前記第一発光部から照射された光を透過し、且つ前記第二発光部から照射され記録材を透過した光を拡散させる光拡散部材と、を有し、前記第一発光部から照射され前記光拡散部材を透過した後、記録材を透過した透過光を受光した結果、及び前記第二発光部から照射され記録材に反射した反射光を受光した結果に基づき、前記画像形成手段による画像形成の条件を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
以上説明したように、本発明によれば、記録媒体の種類を検出するための記録媒体判別センサの判別精度を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態1のセンサシステムの構造を示す図である。
【図2】本発明の実施形態1のセンサシステムを使用した定着処理条件の制御を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態1のLEDからの透過光量を用いての紙の坪量判別を行った一例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態2のセンサシステムの構造を示す図である。
【図5】本発明の実施形態3のセンサシステムの構造を示す図である。
【図6】本発明の実施形態のカラー画像形成装置の構成を示す図である。
【図7】本発明の実施形態の記録媒体判別センサによって記録媒体を検出する画像形成装置の制御ブロック図である。
【図8】従来のカラー画像形成装置の構成を示す図である。
【図9】従来の記録媒体判別センサの構造を示す図である。
【図10】従来の記録媒体判別センサの出力を8×8ピクセルにディジタル処理した一例を示す図である。
【図11】従来の記録媒体判別センサを使用した定着処理条件の制御を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態1に係るセンサシステムの構造を示す図である。
【図13】本発明の実施形態4のセンサシステムの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照して本発明を適用できる実施形態を詳細に説明する。なお、本明細書で参照される各図面において同様の機能を有する箇所には同一の符号を付している。
【0035】
[実施形態1]
(装置構成)
本実施形態1の電子写真プロセスを用いて記録媒体上にトナー画像を形成する画像形成の構成について説明する。図6はカラー画像形成装置100の構成を示す図である。図6に示すカラー画像形成装置100には、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(Bk)の各色ごとに4つの画像形成部が配置されている。それぞれの画像形成部は、像担持体101Y,101M,101C,101Bk、像担持体101Y〜101Bkを一様に所定の電位に帯電するための帯電手段102Y,102M,102C,102Bk、帯電された像担持体101Y〜101Bk上に各色画像データに対応したレーザ光103Y,103M,103C,103Bkを照射して静電潜像を形成するためのレーザスキャナユニット104Y,104M,104C,104Bk、像担持体101Y〜101Bk上に形成された静電潜像を現像して顕像化するための現像手段105Y,105M,105C,105Bk、現像手段105Y〜105Bk内の各色トナーを像担持体101Y〜101Bkに送り出すためのスリーブローラ106Y,106M,106C,106Bk、像担持体101Y〜101Bk上に形成されたトナー画像を記録媒体107に転写するための転写手段108Y,108M,108C,108Bk、トナーの転写後に像担持体101Y〜101Bk上に残留したトナーを除去するためのクリーニング手段109Y,109M,109C,109Bkから構成される。また、110Y,110M,110C,110Bkは廃トナーを収納するための廃トナーユニットである。
【0036】
カラー画像形成装置100の下部には記録媒体107が収納された給紙カセット111が配置されている。給紙カセット111からの記録媒体107の搬送経路には、記録媒体107の給紙用のピックアップローラ112、給紙された記録媒体107を画像形成部から定着手段へ搬送するための記録紙搬送部113、記録媒体107の先端を検出し、画像形成プロセスのタイミングをはかるための検出センサ114、像担持体101Y〜101Bk上に形成された現像剤画像を転写するタイミングをとるために記録媒体107を待機させるためのレジストローラ115、記録媒体107を記録紙搬送部113上に静電的に吸着させるための吸着ローラ116である。レジストローラ115で待機した記録媒体107は、検出センサ114の検出結果と画像形成プロセスとのタイミングをとって、各色画像形成部の像担持体と接するように配置された搬送ベルト119上を搬送されるとともに、転写手段108Y〜108Bkにより順次トナー画像が転写される。117は定着手段であり、記録媒体107上に転写された4色のトナー画像を加熱して溶融定着させる。定着された記録媒体107は機外に排出され、画像形成動作を終了する。
【0037】
図6に示す画像形成装置100は、記録媒体判別センサ118を備え、その部位に記録媒体判別センサ118を使用した図1のセンサシステム(後述)が構成されており、用紙カセット111から給紙・搬送される記録媒体107の表面に光を照射させて、その反射光を集光し結像させて、記録媒体107のある特定エリアの映像を検出するようになっている。
【0038】
図7は、上述の記録媒体判別センサ118によって記録媒体107を検出する画像形成装置100の制御ブロック図である。図7において、図中符号50はホストコンピュータからの指示に従ってプリント信号を画像形成装置100のエンジン部分に送信するコントローラ、51は画像形成装置100のエンジン部分を制御するエンジンコントローラである。52は制御プロセッサのCPUで、図1の画像センサシステム(後述)及び画像形成装置100の各動作ブロックを制御する。53はCPU52からの指示に従って定着ユニット117へ電力を供給する定着制御部、54はCPU52からの指示に従って画像形成装置100の各駆動部55の制御を行う駆動制御部、55は画像形成装置100の画像形成に関わる駆動部55である。駆動制御部54及び駆動部55は、詳細には通常給紙・搬送部、画像形成部、定着・排紙部等複数のユニットから構成されているが本実施形態1の説明においてはまとめて駆動制御部54及び駆動部55としている。
【0039】
上述の構成において、コントローラ50からプリント信号が送出されると、CPU52は記録媒体107の給紙を開始する。レジストローラ115前で記録媒体107が停止した位置で記録媒体判別センサ118からの出力に基づき、CPU52によって記録媒体107の紙種を判別される。CPU52は判別された紙種に応じて、最適な定着温度の目標値・搬送速度を設定し、それぞれの設定値を定着制御部53、駆動制御部54に指示として送る。各制御部はCPU52からの指示に従い、所定の設定値に基づき搬送・定着を行い記録媒体107が画像形成装置100から排出される。
【0040】
図1は、記録媒体判別センサ118を使用した本実施形態1のセンサシステムの構造を示す図である。図中符号1は光照射手段であるLED、2は画像読取手段である受光素子としての撮像素子、3は集光レンズ、4は結像レンズである。LED1を光源とする光は、集光レンズ3を介し、記録媒体搬送ガイド8の表面、或いは、記録媒体搬送ガイド8上の記録媒体107表面に対し照射される。記録媒体107からの反射光は、結像レンズ4を介し集光されて撮像素子2に結像される。本実施形態1において、LED1は、LED光が記録媒体107表面に対し、図1に示すように所定の角度をもって斜めより光を照射させるよう配置されている。
【0041】
さらに図1において、符号5は画像センサ118と記録媒体107を挟んで反対側の位置に配置されるLEDユニット、6は記録媒体107の裏面側から光を照射するための透過光用LED(LED1を反射光用LEDとする)、7は透過光用LED6からの照射光を集光するための集光レンズであり記録媒体107の裏面に対して光を出射する。8は記録媒体107の搬送ガイド部材であり、本実施形態1では記録媒体107の裏面側から光を照射するための窓を設けてある。
【0042】
以上の構造を有する図1のセンサシステムよって、記録媒体107の表面映像及び裏面からの透過光量を読み取る。尚、図1において、符号9は記録媒体107に対して記録媒体判別センサ118と反対側であって前述の記録媒体107の裏面側から光を照射するための窓部分から垂直に線を引いた垂線である。
【0043】
この垂線は、本実施形態においては、受光素子である撮像素子の垂直受光軸に対応している。
【0044】
(動作説明)
図2は、本実施形態1の図1のセンサシステムを使用した定着処理条件の制御を示すフローチャートである。図2の処理フローは、画像形成装置100が有する制御プロセッサのCPU52によって実行される。以下図1と図2を用いて実施形態1の画像形成装置100の動作について説明する。図2のフローチャートにおいて、S101〜S106は、上述の背景技術において図11を参照し説明した制御フローS001〜S006と基本的に同様な処理である。
【0045】
先ず、CPU52はLED1を点灯させ(S101)、撮像素子2によって記録媒体107の映像を読み込む(S102)。上記映像の読み込みは複数回にわたり上記記録媒体107上の複数箇所において読み込む。そして、CPU52は制御プロセッサが有するゲイン調整手段及びフィルタ演算手段(図示せず)のゲイン演算及びフィルタ演算のための定数を調整する(S103)。そして、CPU52は次の映像比較演算をする上で十分な映像情報が得られるか否かを判定し(S104)、十分な映像情報が得られると判定された場合には映像比較演算を行い(S105)、LED1を消灯する(S106)。
【0046】
次にCPU52は上述の映像比較演算結果に基づいて紙種を判定する(S107)。S107における紙種判定では、記録媒体107の表面平滑性から判定するため、普通紙、OHTシート、光沢紙(グロス紙)の判別が可能である。しかし一般に記録媒体107として取り扱われる紙種として薄紙、厚紙があり、その坪量(g/m2)も多種存在する。例えば薄紙の坪量は〜64(g/m2)として扱われる。そして普通厚紙(普通紙)は65〜105(g/m2)、厚紙1は106〜135(g/m2)、厚紙2は136〜(g/m2)とされている。
【0047】
これらの表面平滑性のみでは判別が十分ではない記録媒体107に対して、透過光用のLED6を含むLEDユニット5を用いたさらなる紙種判別が行われる。先ず、CPU52はLED6を点灯させ(S108)、撮像素子2によって記録媒体107の透過光量を読み込む(S109)。そして、CPU52は制御プロセッサが有するゲイン調整手段及びフィルタ演算手段(図示せず)のゲイン演算及びフィルタ演算のための定数を調整する(S110)。そして、CPU52は次の透過光量を比較演算する上で十分な入射光量が得られるか否かを判定し(S111)、十分な入射光量が得られると判定された場合には透過光量の比較演算を行い(S112)、LED6を消灯させる(S113)。ここで、透過光量の比較演算においては、例えば8bit分解能を有する光量検出であれば、撮像素子2によって読み込まれた透過光量を0〜255の値(LSB;least significant byte)に換算する。
【0048】
次にCPU52は、上述の透過光量の比較演算結果に基づいて紙種を判定する(S114)。この処理について、LED6からの透過光量を用いての紙の坪量判別を行った一例を図3に示す。図3に示すように、透過光量レベルによってしきい値を設定することで薄紙、普通厚紙(普通紙)、厚紙1、厚紙2を判別することが可能である。例えば8bit分解能を有する光量検出であれば、120/255付近にしきい値を設定することにより薄紙と普通厚紙を判別することができる。また80/255付近にしきい値を設定することにより普通厚紙と厚紙1を判別することができる。さらに65/255付近にしきい値を設定することにより厚紙1と厚紙2を判別することができる。
【0049】
そしてCPU52はS114の紙種判定において、S107及びS114の判定結果を合わせた紙種(記録媒体の種類と紙厚)が判別された場合には、判別された紙種に応じた定着温度を設定する(S116)。また上記以外の特殊紙や誤検知などによって紙種の判別不能であった場合には、CPU52は、エラー報知をホストコントローラに対して行うか又は、普通紙によるデフォルトの定着温度を設定して終了する(S115)。
【0050】
ここで撮像素子2の垂線9の方向にセンサ118と記録媒体107を介して対向する位置にLEDユニット5が配置されている場合を考える。この場合LED6の発光映像が直接撮像素子2に入射されてしまうため、紙搬送経路上の記録媒体107としてOHTシートや薄紙を判別する場合に、LED6の発光出力レベルが大きすぎる、または出力レンジを逸脱してしまうことがある、そうなると、記録媒体107による出力レベル差を検出することができない。
【0051】
そのため本実施形態1では、LEDユニット5は撮像素子2の垂線9の方向からある一定の角度(角度は製品の仕様に合わせて設定することができる。)ずらした位置に配置しており、撮像素子2には拡散透過光を入射するように構成している。
【0052】
また、LEDユニット5が記録媒体判別センサ118のLED1からのLED光と記録媒体107を介して対向する位置図12のようにLEDユニット5位置、垂線9に対してB側の領域にある場合を考える。図12の構成において記録媒体判別センサ118による記録媒体107の表面検知を行う場合に、OHTシートなどの透過性の高い紙種に光を照射した時の透過光成分がLEDユニット5まで届き、LEDユニット5からの反射光成分が撮像素子2に入射されてしまう。つまり、LEDユニット5からの反射光が撮像素子2の入射光成分に影響を及ぼしてしまう。したがって、図1のように、透過光用LEDユニット5の配置は記録媒体判別センサ118のLED1からのLED光と記録媒体107を介して対向しない位置、つまり、図1における垂線9に対してA側の領域に設置するのが望ましい。
【0053】
このLEDユニット5の配置位置について具体的に説明する。
【0054】
図1に示される構成において、LED6から照射される光の発光光軸線をL1とする。
このL1と垂線9とがなす角度をα1とし、LED1から照射される光の発光光軸をL2とし、L2とL1とがなす角度をα2とする。また、L2と垂線9とがなす角度をβとする。 そして、角度α1<90°であり、かつ、α2<βの関係になるようにLEDユニット5を配置すればよい。
【0055】
上述のように、記録媒体判別センサ118に対して、透過光検出用のLED6の配置角度を図1のように傾斜させることによって、記録媒体107を媒介とした透過光量を拡散透過光を用いて検出する。これにより詳細に記録媒体107の紙種の判別を行うことができる。
【0056】
また、上記構成によって、記録媒体判別センサ118の検出精度の低下を防止し、かつ、高精度に検出することができる。
【0057】
[実施形態2]
(装置構成)
本実施形態2の画像形成装置は、基本的な構成については実施形態1において図6、7を参照し説明した構成と同様である。本実施形態2は、実施形態1における上述の図1のセンサシステムに替えて、以下のように図4のセンサシステムを適用している。 図4は、記録媒体判別センサ118を使用した本実施形態2のセンサシステムの構造を示す図である。図中符号1は光照射手段であるLED、2は画像読取手段である撮像素子、3は集光レンズ、4は結像レンズである。LED1を光源とする光は、集光レンズ3を介し、記録媒体搬送ガイド8の表面、或いは、記録媒体搬送ガイド8上の記録媒体107表面に対し照射される。記録媒体107からの反射光は、結像レンズ4を介し集光されて撮像素子2に結像される。本実施形態2において、LED1は、LED光が記録媒体107表面に対し、図4に示すように所定の角度をもって斜めより光を照射させるよう配置されている。
【0058】
さらに図4において、符号5は画像センサ118と記録媒体107を挟んで反対側の位置に配置されるLEDユニット、6は記録媒体107の裏面側から光を照射するための透過光用LED(LED1を反射光用LEDとする)、7は透過光用LED6からの照射光を集光するための集光レンズであり記録媒体107の裏面に対して光を出射する。8は記録媒体107の搬送ガイド部材であり、本実施形態2では記録媒体107の裏面側から光を照射するための窓を設けてある。
【0059】
図4においては、さらに図中符号11のポリアセタール樹脂(POM)材料等に代表される光拡散板が設けられている。このポリアセタール樹脂材料は型成形性が容易であるため安価かつ簡単に使用することができる。光拡散板11は記録媒体107を介して記録媒体判別センサ118と対向する側であって、記録媒体107とLEDユニット5の間の位置(図4に示される位置)に設置されている。以上の構造を有する図4のセンサシステムよって、記録媒体107の表面映像及び裏面からの透過光量を読み取る。
【0060】
(動作説明)
本実施形態2による動作に関しては、上述した実施形態1において図2、3を参照し説明した動作と同様である。
【0061】
図4において、光拡散板11の下方側にLEDユニット5から光を照射すると、光拡散板11の上方側は拡散板によって均一化された光の面光源として見ることができる。このためLEDユニット5は撮像素子2に対向する垂線方向の位置に配置されてもLED6の発光映像が直接撮像素子2に入射されてしまうことがない。つまりLED6の発光強度レベルが拡散板によって均一化されるため、撮像素子2はOHTシートや薄紙の判別においても出力のレベル差を検出することができる。また反射光用LED1から照射された光が記録媒体107を透過してきた透過光に対しても、光拡散板11は表面性が粗く照射された光は拡散するため低反射性を示す。このため実施形態1において前述したような再反射の影響、つまり、LED1からの光の透過光が拡散板によって再反射される影響は最小限に留めることができる。
【0062】
従って本実施形態2によれば、LEDユニット5からの照射光を光拡散板11を介して撮像素子2に入射することによってLEDユニット5の設置位置を自由に選択することができる。
【0063】
また、拡散板11をLEDユニット5からの照射光を光拡散板11を介して受光素子である撮像素子2入射することで、記録媒体判別センサ118の検出精度の低下を防止し、かつ、高精度に検出することができる。
【0064】
本実施形態2で説明した光拡散板11は、材料や表面処理、濃度によってその反射率が異なる。光拡散板11の反射率に対しては、撮像素子2への入射光が影響を与えないような材料や表面処理、濃度を自由に選択することができる。また拡散板による影響については、記録媒体107が無い時の撮像素子2への影響を予め測定しておき、記録媒体107の有る場合の測定値から演算によってキャンセル処理することも可能である。
【0065】
[実施形態3]
(装置構成)
本実施形態3の画像形成装置は、基本的な構成については実施形態1、2において図6、7を参照し説明した構成と同様である。本実施形態3は、実施形態1、2における上述の図1、4のセンサシステムに替えて、以下のように図5のセンサシステムを適用している。
【0066】
図5は、記録媒体判別センサ118を使用した本実施形態3のセンサシステムの構造を示す図である。図中符号1は光照射手段であるLED、2は画像読取手段である撮像素子、3は集光レンズ、4は結像レンズである。LED1を光源とする光は、集光レンズ3を介し、記録媒体搬送ガイド8の表面、或いは、記録媒体搬送ガイド8上の記録媒体107表面に対し照射される。記録媒体107からの反射光は、結像レンズ4を介し集光されて撮像素子2に結像される。本実施形態3において、LED1は、LED光が記録媒体107表面に対し、図5に示すように所定の角度をもって斜めより光を照射させるよう配置されている。
【0067】
さらに図5において、符号5は記録媒体判別センサ118と記録媒体107を挟んで反対側の位置に配置されるLEDユニット、6は記録媒体107の裏面側から光を照射するための透過光用LED(LED1を反射光用LEDとする)、7は透過光用LED6からの照射光を集光するための集光レンズであり記録媒体107の裏面に対して光を出射する。8は記録媒体107の搬送ガイド部材であり、本実施形態3では記録媒体107の裏面側から光を照射するための窓を設けてある。
【0068】
図5においては、さらにライトガイド12が(図5に示される位置)に設置されている。これは光伝導管として光路を導くためのものである。以上の構造を有する図5のセンサシステムよって、記録媒体107の表面映像及び裏面からの透過光量を読み取る。
【0069】
(動作説明)
本実施形態3による動作に関しては、上述した実施形態1、2において図2、3を参照し説明した動作と同様である。
【0070】
図5において、ライトガイド12は記録媒体107の裏面側から光拡散板11を介した位置に配置することが望ましい。このライトガイド12を記録媒体107の裏面側から光拡散板11を介した位置に配置することによって、LEDユニット5から照射された光がライトガイド12及び拡散板11を通過するので、直接記録媒体107に照射されることがない。尚、本実施形態3ではライトガイド12においては、図5に示すC部分(ライトガイド12の折り返し面)で正反射としている。
【0071】
従って撮像素子2はOHTシートや薄紙の判別においても出力のレベル差を検出することができる。
【0072】
そしてこのライトガイド12を設置することによって、LEDユニット5は、搬送ガイド部材8に設けられた光透過用の窓の近傍に配置する制約がなくなり、画像形成装置100の製品個々の構成による都合に合わせて所望の位置に配置することが可能である。
【0073】
また、拡散板11をLEDユニット5からの照射光を光拡散板11を介して受光素子である撮像素子2に入射することで、記録媒体判別センサ118の検出精度の低下を防止し、かつ、高精度に検出することができる。
【0074】
[実施形態4]
(装置構成)
本実施形態4の画像形成装置は、基本的な構成については実施形態1において図6を参照し説明した構成と同様である。本実施形態4は、実施形態1における上述の図1のセンサシステムに替えて、以下のように図13のセンサシステムを適用している。
【0075】
図13は、本実施形態4のセンサシステムの構造を示す図である。
図中符号200は本実施形態の記録媒体判別センサユニット200である。201は光照射手段であるLED、202及び203は受光素子であるフォトトランジスタ、205、206、207はスリットである。LED201を光源とする光は、スリット205を介して記録媒体搬送ガイド8上の記録媒体107表面に対し照射される。記録媒体107からの反射光のうち正反射光は、スリット207を介しフォトトランジスタ203に入射される。また拡散反射光は、スリット206を介してフォトトランジスタ202に入射される。本実施形態4においては、記録媒体107から反射される正反射光と拡散反射光の光量の比を演算して、その結果に基づいて、記録媒体107の種類を判別する。ここでLED201は、LED光が記録媒体107表面に対し、図13に示すように所定の角度をもって斜めより光を照射させるよう配置されている。
【0076】
また、記録媒体の坪量を判別するためにLEDユニット5が設けられている。LEDユニット5は実施形態1と同様の構成であり、LED6と集光レンズ7とから構成される。LED206から照射されて記録媒体107を透過してスリット206を介してLED202に入射される光量に基づいて、記録媒体の坪量を判別している。
【0077】
本実施形態においても、実施形態1と同様に、LEDユニット5は受光素子であるフォトトランジスタ202の垂線9の方向からある一定の角度ずらした位置に配置しており、受光素子に対して拡散透過光を入射するように構成している。なお、角度は製品の仕様に合わせて設定することができる。この垂線は、実施形態1と同様、受光素子であるフォトトランジスタの垂直受光軸に対応している。
【0078】
なお、LEDユニット5の配置位置については、図13には図示しないが、実施形態1で説明した構成と同様に、LED6から照射される光の発光光軸線をL1とする。このL1と垂線9とがなす角度をα1とし、LED201から照射される光の発光光軸をL2とし、L2とL1とがなす角度をα2とする。また、L2と垂線9とがなす角度をβとする。 そして、角度α1<90°であり、かつ、α2<βの関係になるようにLEDユニット5を配置すればよい。
【0079】
このように、記録媒体判別センサ200の受光素子202に対して、透過光用のLEDユニット5の配置角度を図13のように傾斜させることによって、記録媒体107を媒介とした透過光量を拡散透過光を用いて検出する。これにより、詳細に記録媒体107の紙種の判別を行うことができる。また、記録媒体の検出精度の低下を防止し、かつ、高精度に検出することができる。
【0080】
[他の実施形態]
以上述べた実施形態の他に次の形態を実施できる。
(1)本実施形態1〜3における画像形成装置100にはカラー画像形成装置の構成を用いて説明したが、モノクロ用の画像形成装置においても本実施形態1〜3における画像センサシステムの適用は可能である。
(2)実施形態1における画像センサシステムは、表面画像を読み取る画像センサ118と透過光用の第二の照射手段(LEDユニット5)とに区別された部材による構成として説明したが、第二の照射手段までも含めて画像センサユニットとして構成することも可能である。
(3)実施形態2では光拡散板11を記録媒体107とLEDユニット5の間に設置される板として説明したが、例えばLEDユニットに一体型の光出射口を覆う光拡散キャップとしても良い。さらに光拡散部材11は搬送ガイド部材8側に取り付けることも可能である。
(4)実施形態2における画像センサシステムは、表面画像を読み取る画像センサ118と透過光用の第二の照射手段(LEDユニット5、光拡散板11)とに区別された部材による構成として説明したが、第二の照射手段までも含めて画像センサユニットとして構成することも可能である。
(5)実施形態3ではライトガイド12においては、図5に示すC部分(ライトガイド12の折り返し面)で正反射として説明したが、C部分の折り返し面の表面処理を粗くし拡散面とすることもできる。またはC部分の折り返し面に光拡散部材を添付して折り返し光を拡散光とすることで記録媒体107へ照射する光にLED6の発光映像の影響を軽減することができる。
(6)実施形態3における画像センサシステムは、表面画像を読み取る画像センサ118と透過光用の第二の照射手段(LEDユニット5、光拡散板11、ライトガイド12)とに区別された部材による構成として説明したが、第二の照射手段までも含めて画像センサユニットとして構成することも可能である。
(7)本実施形態1〜3における画像形成装置100として電子写真方式の装置について説明したが、これに限らず、例えばインクジェット方式の画像形成装置などにおいても本実施形態1〜3における画像センサシステムの適用は可能である。
(8)本実施形態1、4において透過光用LEDの配置を受光素子の垂線方向からずらすように配置する構成を示したが、この構成に加えて、本実施形態2,3で説明した拡散板をさらに設けて、透過用LEDからの出力レベルを調整することも可能である。つまり、拡散透過光でも発光出力レベルが強い場合には、拡散透過光を更に拡散板を介して受光して出力レベルを調整すればよい。
(9)実施形態2,3において、受光素子として撮像素子ではなく、実施形態4で示したようなフォトトランジスタを用いた構成を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 反射光用LED
2 撮像素子
3 集光レンズ
4 結像レンズ
5 LEDユニット
6 透過光用LED
7 集光レンズ
8 搬送ガイド部材
9 記録媒体の裏面側から垂直に線を引いた垂線
10 架空のLEDユニット
11 光拡散板
12 ライトガイド
100 画像形成装置
107 記録媒体
118 画像センサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体を検出するためのセンサシステムに関するものである。より詳細には、画像形成装置における記録媒体を検出するセンサシステム、及びそのセンサシステムを使用する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真プロセスを用いて記録媒体上にトナー画像を形成する画像形成装置において、記録媒体を判別するための映像読取センサを実装した画像形成装置がある。以下、従来の画像形成装置の構成の一例について説明する。
【0003】
図8はカラー画像形成装置100の構成を示す図である。カラー画像形成装置100の下部には記録媒体107が収納された給紙カセット111が配置されている。給紙カセット111からの記録媒体107の搬送経路には、記録媒体107の給紙用のピックアップローラ112、給紙された記録媒体107を画像形成部から定着手段へ搬送するための記録紙搬送部113、記録媒体107の先端を検出し画像形成プロセスのタイミングを計るための検出センサ114、像担持体101Y〜101Bk上に形成された現像剤画像を転写するタイミングをとるために記録媒体107を待機させるためのレジストローラ115、記録媒体107を記録紙搬送部113上に静電的に吸着させるための吸着ローラ116がある。レジストローラ115で待機した記録媒体107は、検出センサ114の検出結果と画像形成プロセスとのタイミングをとって、各色の画像形成部の像担持体に接するように配置された搬送ベルト119上を搬送されるとともに、転写手段108Y〜108Bkにより順次トナー画像が転写される。図中符号117は定着手段であり、記録媒体107上に転写された4色のトナー画像を加熱して溶融定着させる。定着された記録媒体107は機外に排出され、画像形成動作を終了する。
【0004】
このような画像形成装置においては、ユーザーに使用される記録媒体は多種多様に存在する。これらのすべての記録媒体に対して良好な画像定着性を確保するためには、事前に記録媒体の種類を判別し、その種類に応じた適切な定着条件に制御を切り替える必要がある。
【0005】
記録媒体の判別方法としては、例えば、画像形成装置本体に設けられた操作パネル等に記録媒体のサイズや種類(以下、紙種ともいう)がユーザーによって設定され、その設定に応じて定着処理条件を設定するよう制御がなされる。なお、定着処理条件とは、例えば、定着温度や定着装置を通過する記録媒体の搬送速度である。
【0006】
又、記録媒体がOHT(overhead transparencies)シートの場合には、画像形成装置内部に備えられた光のセンサによって記録媒体がOHTシートであるか否かを自動検知している。記録媒体を光が透過した場合はOHTシートと判定し、記録媒体を光が透過しない場合はOHTシート以外の普通紙と判定し、その判定結果に応じて定着温度或いは記録媒体の搬送速度を設定するよう制御がなされる。
【0007】
図8に示す画像形成装置100は、記録媒体判別センサ118を備え、用紙カセット111から給紙・搬送される記録媒体107の表面に光を照射させて、その反射光を集光し結像させて、記録媒体107のある特定エリアの映像を検出するようになっている。
【0008】
図9は、従来から知られている記録媒体判別センサ118の構造を示す図である。図中符号1は光照射手段であるLED(light-emitting diode)、2は画像読取手段である撮像素子、3は集光レンズ、4は結像レンズである。LED1を光源とする光は、集光レンズ3を介し、記録媒体搬送ガイド8の表面、或いは、記録媒体搬送ガイド8上の記録媒体107表面に対し照射される。記録媒体107からの反射光は、結像レンズ4を介し集光されて撮像素子2に結像される。これによって、記録媒体搬送ガイド8或いは記録媒体107の表面映像を読み取る。この例では、LED1は、LED光が記録媒体107表面に対し、図9に示すように所定の角度をもって斜めより光を照射させるよう配置されている。
【0009】
図10は、記録媒体判別センサ118の撮像素子2によって読み取られる記録媒体107の表面と撮像素子2からの出力を8×8ピクセルにディジタル処理した例との関係を示す図である。このディジタル処理は、撮像素子2からのアナログ出力を変換手段である不図示のA/D(analog-to-digital)変換によって例えば8ビットのピクセルデータに変換することによって行われる。
【0010】
図10において、図中符号50は、表面の的紙の繊維が比較的がさついている所謂ラフ紙である記録紙Aの表面拡大映像である。51は、一般に使用される所謂普通紙である記録紙Bの表面拡大映像である。52は、紙の繊維の圧縮が十分になされている光沢紙(グロス紙)である記録紙Cの表面拡大映像である。撮像素子2に読み込まれたこれらの映像50〜52が、ディジタル処理され図10に示す映像53〜55となる。
【0011】
このように、記録媒体の種類によって、表面の映像は異なる。これは、主に記録媒体の表面における繊維の状態が異なるために起こる現象である。上述のように、撮像素子2で記録媒体表面を読み込まれディジタル処理された映像は、記録媒体の紙繊維の表面状態によって異なり、これにより記録媒体の種類の判別が可能となる。
【0012】
図11は、従来の記録媒体判別センサ118を使用した定着処理条件の制御を示すフローチャートである。図11の処理フローは、画像形成装置100が有する制御プロセッサによって実行される。
【0013】
図11において、先ず、制御プロセッサはLED1を点灯させ(S001)、撮像素子2によって記録媒体107の映像を読み込む(S002)。上記映像の読み込みは複数回にわたり上記記録媒体107上の複数箇所において読み込む。
【0014】
そして、制御プロセッサはLED1を消灯させた後(S003)、制御プロセッサが有するゲイン調整手段及びフィルタ演算手段(図示せず)のゲイン演算及びフィルタ演算のための定数を調整する(S004)。このゲイン演算及びフィルタ演算は、制御プロセッサ内のROM(不図示)に予め記憶されているプログラムに基づいて処理される。
【0015】
例えば、ゲイン演算は、撮像素子2からのアナログ出力のゲインを調整することによって行う。つまり、記録媒体107表面より反射される反射光量が多すぎるとき、或いは、逆に少なすぎるときは、記録媒体107表面の映像がよく読み取れないので、即ち映像の変化が導けないので、この場合には、制御プロセッサはゲインを調整する。
【0016】
又、フィルタ演算は、撮像素子2からのアナログ出力をA/D変換し8ビット、256階調のディジタルデータとしたときに、例えば、1/32,1/16,1/4等の演算処理を行う。つまり、撮像素子2からの出力のノイズ成分を除去させる処理を行う。
【0017】
そして、制御プロセッサは、次の映像比較演算をする上で十分な映像情報が得られるか否かを判定し(S005)、十分な映像情報が得られると判定された場合には後述の映像比較演算を行い(S006)、この映像比較演算結果に基づき紙種を判定し(S007)、その紙種に応じた定着温度を設定する(S008)。
【0018】
例えば、図10に示す記録紙Aのように表面の紙繊維ががさついた紙種であれば定着温度を高くし、記録紙Cのように表面の紙繊維がなめらかの場合は定着温度を低い設定として、制御プロセッサは定着ユニット117の温調制御を行う。
【0019】
ここで、上記の映像比較演算の方法について説明する。上記映像比較演算においては、記録媒体107表面の複数箇所の映像を読み込んだ結果から、最大出力のピクセルDmaxと最低出力のピクセルDminを導く。これを読み込んだ映像毎に実行し平均処理する。
【0020】
つまり、記録紙Aのように表面の紙繊維がガサついている場合には、繊維の影が多く発生する。その結果、明るい個所と暗い個所の差が大きく出るため、Dmax−Dminは大きくなる。一方、記録紙Cのような表面では、繊維の影が少なく、Dmax−Dminは小さくなる。この比較によって、記録媒体107の紙種を判定する。
【0021】
上述の制御プロセッサは、撮像素子2からの映像サンプリング処理、ゲイン及びフィルタ演算処理をリアルタイムにて処理する必要があるため、ディジタルシグナルプロセッサを用いることが望ましい。
【0022】
上述のような記録媒体の紙種を判定する画像形成装置に関連した技術内容を開示した文献がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】特開2002−182518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
ここで、上述の従来の画像形成装置においては、近年、扱われる紙種が多くなり、前述従来の記録媒体判別センサの検出系だけでは全紙種をカバーできなくなってきている。その結果、定着処理条件の設定がうまく決まらず、定着性が悪くなる場合がある。特に、OHTシートは各プリンタ製品に応じて専用シートが存在し、定着処理条件の設定が最適化されないと未定着画像やジャムになってしまう場合がある。
【0025】
また厚紙等の記録媒体の紙種検知においては、従来、その検出方法として様々な方法がある。例えば、反射型センサを用いて行う方式や、紙の厚みをメカ的に検出する方式では、いずれの場合においても紙の厚みを検出する厚み検出専用のセンサが必要となり、画像形成装置のシステムトータルコストが高くなるためコストパフォーマンスが悪い。
【0026】
上述のような状況に対する取り組みとして、詳細な記録媒体の判別を目的のため、従来の判別に加え、更に記録媒体の裏面側より光を照射し、透過する光の強さ(光量)に基づいて、厚紙や薄紙などの記録媒体の紙厚を検出する手段についての提案がなされている。
【0027】
しかしながら、従来の記録媒体の裏面側から光を照射する構成を有するの判別センサは、判別センサに直接正透過光が入射する構成になっている。そのため、OHTシートや薄紙の識別時にLEDの発光の影響を多大に受けてOHTシートや薄紙の判別精度が低下するという課題があった。
【0028】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、改良されたセンサシステム及び画像形成装置を提供することにある。
【0029】
また、本発明の目的は、記録媒体の種類を検出するための記録媒体判別センサの判別精度を向上させたセンサシステム及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0030】
上記目的を達成するための本発明のセンサシステムは、記録材に光を照射する第一発光部と、前記第一発光部に対して記録材を介した反対側から記録材に光を照射する第二発光部と、前記第一発光部に対して記録材を介した反対側に配置され、前記第一発光部から記録材に照射されて記録材を透過した透過光を受光する、及び前記第二発光部から記録材に照射されて記録材に反射した反射光を受光する受光部と、前記第一発光部と記録材の間で且つ前記第一発光部によって光が照射される位置に配置され、前記第一発光部から照射された光を透過し、且つ前記第二発光部から照射され記録材を透過した光を拡散させる光拡散部材とを有することを特徴とする。
【0031】
また、本発明の画像形成装置は、記録材に画像形成を行う画像形成手段と、記録材に光を照射する第一発光部と、前記第一発光部に対して記録材を介した反対側から記録材に光を照射する第二発光部と、前記第一発光部に対して記録材を介した反対側に配置され、前記第一発光部から記録材に照射されて記録材を透過した透過光を受光する、及び前記第二発光部から記録材に照射されて記録材に反射した反射光を受光する受光部と、前記第一発光部と記録材の間で且つ前記第一発光部によって光が照射される位置に配置され、前記第一発光部から照射された光を透過し、且つ前記第二発光部から照射され記録材を透過した光を拡散させる光拡散部材と、を有し、前記第一発光部から照射され前記光拡散部材を透過した後、記録材を透過した透過光を受光した結果、及び前記第二発光部から照射され記録材に反射した反射光を受光した結果に基づき、前記画像形成手段による画像形成の条件を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
以上説明したように、本発明によれば、記録媒体の種類を検出するための記録媒体判別センサの判別精度を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態1のセンサシステムの構造を示す図である。
【図2】本発明の実施形態1のセンサシステムを使用した定着処理条件の制御を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態1のLEDからの透過光量を用いての紙の坪量判別を行った一例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態2のセンサシステムの構造を示す図である。
【図5】本発明の実施形態3のセンサシステムの構造を示す図である。
【図6】本発明の実施形態のカラー画像形成装置の構成を示す図である。
【図7】本発明の実施形態の記録媒体判別センサによって記録媒体を検出する画像形成装置の制御ブロック図である。
【図8】従来のカラー画像形成装置の構成を示す図である。
【図9】従来の記録媒体判別センサの構造を示す図である。
【図10】従来の記録媒体判別センサの出力を8×8ピクセルにディジタル処理した一例を示す図である。
【図11】従来の記録媒体判別センサを使用した定着処理条件の制御を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態1に係るセンサシステムの構造を示す図である。
【図13】本発明の実施形態4のセンサシステムの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照して本発明を適用できる実施形態を詳細に説明する。なお、本明細書で参照される各図面において同様の機能を有する箇所には同一の符号を付している。
【0035】
[実施形態1]
(装置構成)
本実施形態1の電子写真プロセスを用いて記録媒体上にトナー画像を形成する画像形成の構成について説明する。図6はカラー画像形成装置100の構成を示す図である。図6に示すカラー画像形成装置100には、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(Bk)の各色ごとに4つの画像形成部が配置されている。それぞれの画像形成部は、像担持体101Y,101M,101C,101Bk、像担持体101Y〜101Bkを一様に所定の電位に帯電するための帯電手段102Y,102M,102C,102Bk、帯電された像担持体101Y〜101Bk上に各色画像データに対応したレーザ光103Y,103M,103C,103Bkを照射して静電潜像を形成するためのレーザスキャナユニット104Y,104M,104C,104Bk、像担持体101Y〜101Bk上に形成された静電潜像を現像して顕像化するための現像手段105Y,105M,105C,105Bk、現像手段105Y〜105Bk内の各色トナーを像担持体101Y〜101Bkに送り出すためのスリーブローラ106Y,106M,106C,106Bk、像担持体101Y〜101Bk上に形成されたトナー画像を記録媒体107に転写するための転写手段108Y,108M,108C,108Bk、トナーの転写後に像担持体101Y〜101Bk上に残留したトナーを除去するためのクリーニング手段109Y,109M,109C,109Bkから構成される。また、110Y,110M,110C,110Bkは廃トナーを収納するための廃トナーユニットである。
【0036】
カラー画像形成装置100の下部には記録媒体107が収納された給紙カセット111が配置されている。給紙カセット111からの記録媒体107の搬送経路には、記録媒体107の給紙用のピックアップローラ112、給紙された記録媒体107を画像形成部から定着手段へ搬送するための記録紙搬送部113、記録媒体107の先端を検出し、画像形成プロセスのタイミングをはかるための検出センサ114、像担持体101Y〜101Bk上に形成された現像剤画像を転写するタイミングをとるために記録媒体107を待機させるためのレジストローラ115、記録媒体107を記録紙搬送部113上に静電的に吸着させるための吸着ローラ116である。レジストローラ115で待機した記録媒体107は、検出センサ114の検出結果と画像形成プロセスとのタイミングをとって、各色画像形成部の像担持体と接するように配置された搬送ベルト119上を搬送されるとともに、転写手段108Y〜108Bkにより順次トナー画像が転写される。117は定着手段であり、記録媒体107上に転写された4色のトナー画像を加熱して溶融定着させる。定着された記録媒体107は機外に排出され、画像形成動作を終了する。
【0037】
図6に示す画像形成装置100は、記録媒体判別センサ118を備え、その部位に記録媒体判別センサ118を使用した図1のセンサシステム(後述)が構成されており、用紙カセット111から給紙・搬送される記録媒体107の表面に光を照射させて、その反射光を集光し結像させて、記録媒体107のある特定エリアの映像を検出するようになっている。
【0038】
図7は、上述の記録媒体判別センサ118によって記録媒体107を検出する画像形成装置100の制御ブロック図である。図7において、図中符号50はホストコンピュータからの指示に従ってプリント信号を画像形成装置100のエンジン部分に送信するコントローラ、51は画像形成装置100のエンジン部分を制御するエンジンコントローラである。52は制御プロセッサのCPUで、図1の画像センサシステム(後述)及び画像形成装置100の各動作ブロックを制御する。53はCPU52からの指示に従って定着ユニット117へ電力を供給する定着制御部、54はCPU52からの指示に従って画像形成装置100の各駆動部55の制御を行う駆動制御部、55は画像形成装置100の画像形成に関わる駆動部55である。駆動制御部54及び駆動部55は、詳細には通常給紙・搬送部、画像形成部、定着・排紙部等複数のユニットから構成されているが本実施形態1の説明においてはまとめて駆動制御部54及び駆動部55としている。
【0039】
上述の構成において、コントローラ50からプリント信号が送出されると、CPU52は記録媒体107の給紙を開始する。レジストローラ115前で記録媒体107が停止した位置で記録媒体判別センサ118からの出力に基づき、CPU52によって記録媒体107の紙種を判別される。CPU52は判別された紙種に応じて、最適な定着温度の目標値・搬送速度を設定し、それぞれの設定値を定着制御部53、駆動制御部54に指示として送る。各制御部はCPU52からの指示に従い、所定の設定値に基づき搬送・定着を行い記録媒体107が画像形成装置100から排出される。
【0040】
図1は、記録媒体判別センサ118を使用した本実施形態1のセンサシステムの構造を示す図である。図中符号1は光照射手段であるLED、2は画像読取手段である受光素子としての撮像素子、3は集光レンズ、4は結像レンズである。LED1を光源とする光は、集光レンズ3を介し、記録媒体搬送ガイド8の表面、或いは、記録媒体搬送ガイド8上の記録媒体107表面に対し照射される。記録媒体107からの反射光は、結像レンズ4を介し集光されて撮像素子2に結像される。本実施形態1において、LED1は、LED光が記録媒体107表面に対し、図1に示すように所定の角度をもって斜めより光を照射させるよう配置されている。
【0041】
さらに図1において、符号5は画像センサ118と記録媒体107を挟んで反対側の位置に配置されるLEDユニット、6は記録媒体107の裏面側から光を照射するための透過光用LED(LED1を反射光用LEDとする)、7は透過光用LED6からの照射光を集光するための集光レンズであり記録媒体107の裏面に対して光を出射する。8は記録媒体107の搬送ガイド部材であり、本実施形態1では記録媒体107の裏面側から光を照射するための窓を設けてある。
【0042】
以上の構造を有する図1のセンサシステムよって、記録媒体107の表面映像及び裏面からの透過光量を読み取る。尚、図1において、符号9は記録媒体107に対して記録媒体判別センサ118と反対側であって前述の記録媒体107の裏面側から光を照射するための窓部分から垂直に線を引いた垂線である。
【0043】
この垂線は、本実施形態においては、受光素子である撮像素子の垂直受光軸に対応している。
【0044】
(動作説明)
図2は、本実施形態1の図1のセンサシステムを使用した定着処理条件の制御を示すフローチャートである。図2の処理フローは、画像形成装置100が有する制御プロセッサのCPU52によって実行される。以下図1と図2を用いて実施形態1の画像形成装置100の動作について説明する。図2のフローチャートにおいて、S101〜S106は、上述の背景技術において図11を参照し説明した制御フローS001〜S006と基本的に同様な処理である。
【0045】
先ず、CPU52はLED1を点灯させ(S101)、撮像素子2によって記録媒体107の映像を読み込む(S102)。上記映像の読み込みは複数回にわたり上記記録媒体107上の複数箇所において読み込む。そして、CPU52は制御プロセッサが有するゲイン調整手段及びフィルタ演算手段(図示せず)のゲイン演算及びフィルタ演算のための定数を調整する(S103)。そして、CPU52は次の映像比較演算をする上で十分な映像情報が得られるか否かを判定し(S104)、十分な映像情報が得られると判定された場合には映像比較演算を行い(S105)、LED1を消灯する(S106)。
【0046】
次にCPU52は上述の映像比較演算結果に基づいて紙種を判定する(S107)。S107における紙種判定では、記録媒体107の表面平滑性から判定するため、普通紙、OHTシート、光沢紙(グロス紙)の判別が可能である。しかし一般に記録媒体107として取り扱われる紙種として薄紙、厚紙があり、その坪量(g/m2)も多種存在する。例えば薄紙の坪量は〜64(g/m2)として扱われる。そして普通厚紙(普通紙)は65〜105(g/m2)、厚紙1は106〜135(g/m2)、厚紙2は136〜(g/m2)とされている。
【0047】
これらの表面平滑性のみでは判別が十分ではない記録媒体107に対して、透過光用のLED6を含むLEDユニット5を用いたさらなる紙種判別が行われる。先ず、CPU52はLED6を点灯させ(S108)、撮像素子2によって記録媒体107の透過光量を読み込む(S109)。そして、CPU52は制御プロセッサが有するゲイン調整手段及びフィルタ演算手段(図示せず)のゲイン演算及びフィルタ演算のための定数を調整する(S110)。そして、CPU52は次の透過光量を比較演算する上で十分な入射光量が得られるか否かを判定し(S111)、十分な入射光量が得られると判定された場合には透過光量の比較演算を行い(S112)、LED6を消灯させる(S113)。ここで、透過光量の比較演算においては、例えば8bit分解能を有する光量検出であれば、撮像素子2によって読み込まれた透過光量を0〜255の値(LSB;least significant byte)に換算する。
【0048】
次にCPU52は、上述の透過光量の比較演算結果に基づいて紙種を判定する(S114)。この処理について、LED6からの透過光量を用いての紙の坪量判別を行った一例を図3に示す。図3に示すように、透過光量レベルによってしきい値を設定することで薄紙、普通厚紙(普通紙)、厚紙1、厚紙2を判別することが可能である。例えば8bit分解能を有する光量検出であれば、120/255付近にしきい値を設定することにより薄紙と普通厚紙を判別することができる。また80/255付近にしきい値を設定することにより普通厚紙と厚紙1を判別することができる。さらに65/255付近にしきい値を設定することにより厚紙1と厚紙2を判別することができる。
【0049】
そしてCPU52はS114の紙種判定において、S107及びS114の判定結果を合わせた紙種(記録媒体の種類と紙厚)が判別された場合には、判別された紙種に応じた定着温度を設定する(S116)。また上記以外の特殊紙や誤検知などによって紙種の判別不能であった場合には、CPU52は、エラー報知をホストコントローラに対して行うか又は、普通紙によるデフォルトの定着温度を設定して終了する(S115)。
【0050】
ここで撮像素子2の垂線9の方向にセンサ118と記録媒体107を介して対向する位置にLEDユニット5が配置されている場合を考える。この場合LED6の発光映像が直接撮像素子2に入射されてしまうため、紙搬送経路上の記録媒体107としてOHTシートや薄紙を判別する場合に、LED6の発光出力レベルが大きすぎる、または出力レンジを逸脱してしまうことがある、そうなると、記録媒体107による出力レベル差を検出することができない。
【0051】
そのため本実施形態1では、LEDユニット5は撮像素子2の垂線9の方向からある一定の角度(角度は製品の仕様に合わせて設定することができる。)ずらした位置に配置しており、撮像素子2には拡散透過光を入射するように構成している。
【0052】
また、LEDユニット5が記録媒体判別センサ118のLED1からのLED光と記録媒体107を介して対向する位置図12のようにLEDユニット5位置、垂線9に対してB側の領域にある場合を考える。図12の構成において記録媒体判別センサ118による記録媒体107の表面検知を行う場合に、OHTシートなどの透過性の高い紙種に光を照射した時の透過光成分がLEDユニット5まで届き、LEDユニット5からの反射光成分が撮像素子2に入射されてしまう。つまり、LEDユニット5からの反射光が撮像素子2の入射光成分に影響を及ぼしてしまう。したがって、図1のように、透過光用LEDユニット5の配置は記録媒体判別センサ118のLED1からのLED光と記録媒体107を介して対向しない位置、つまり、図1における垂線9に対してA側の領域に設置するのが望ましい。
【0053】
このLEDユニット5の配置位置について具体的に説明する。
【0054】
図1に示される構成において、LED6から照射される光の発光光軸線をL1とする。
このL1と垂線9とがなす角度をα1とし、LED1から照射される光の発光光軸をL2とし、L2とL1とがなす角度をα2とする。また、L2と垂線9とがなす角度をβとする。 そして、角度α1<90°であり、かつ、α2<βの関係になるようにLEDユニット5を配置すればよい。
【0055】
上述のように、記録媒体判別センサ118に対して、透過光検出用のLED6の配置角度を図1のように傾斜させることによって、記録媒体107を媒介とした透過光量を拡散透過光を用いて検出する。これにより詳細に記録媒体107の紙種の判別を行うことができる。
【0056】
また、上記構成によって、記録媒体判別センサ118の検出精度の低下を防止し、かつ、高精度に検出することができる。
【0057】
[実施形態2]
(装置構成)
本実施形態2の画像形成装置は、基本的な構成については実施形態1において図6、7を参照し説明した構成と同様である。本実施形態2は、実施形態1における上述の図1のセンサシステムに替えて、以下のように図4のセンサシステムを適用している。 図4は、記録媒体判別センサ118を使用した本実施形態2のセンサシステムの構造を示す図である。図中符号1は光照射手段であるLED、2は画像読取手段である撮像素子、3は集光レンズ、4は結像レンズである。LED1を光源とする光は、集光レンズ3を介し、記録媒体搬送ガイド8の表面、或いは、記録媒体搬送ガイド8上の記録媒体107表面に対し照射される。記録媒体107からの反射光は、結像レンズ4を介し集光されて撮像素子2に結像される。本実施形態2において、LED1は、LED光が記録媒体107表面に対し、図4に示すように所定の角度をもって斜めより光を照射させるよう配置されている。
【0058】
さらに図4において、符号5は画像センサ118と記録媒体107を挟んで反対側の位置に配置されるLEDユニット、6は記録媒体107の裏面側から光を照射するための透過光用LED(LED1を反射光用LEDとする)、7は透過光用LED6からの照射光を集光するための集光レンズであり記録媒体107の裏面に対して光を出射する。8は記録媒体107の搬送ガイド部材であり、本実施形態2では記録媒体107の裏面側から光を照射するための窓を設けてある。
【0059】
図4においては、さらに図中符号11のポリアセタール樹脂(POM)材料等に代表される光拡散板が設けられている。このポリアセタール樹脂材料は型成形性が容易であるため安価かつ簡単に使用することができる。光拡散板11は記録媒体107を介して記録媒体判別センサ118と対向する側であって、記録媒体107とLEDユニット5の間の位置(図4に示される位置)に設置されている。以上の構造を有する図4のセンサシステムよって、記録媒体107の表面映像及び裏面からの透過光量を読み取る。
【0060】
(動作説明)
本実施形態2による動作に関しては、上述した実施形態1において図2、3を参照し説明した動作と同様である。
【0061】
図4において、光拡散板11の下方側にLEDユニット5から光を照射すると、光拡散板11の上方側は拡散板によって均一化された光の面光源として見ることができる。このためLEDユニット5は撮像素子2に対向する垂線方向の位置に配置されてもLED6の発光映像が直接撮像素子2に入射されてしまうことがない。つまりLED6の発光強度レベルが拡散板によって均一化されるため、撮像素子2はOHTシートや薄紙の判別においても出力のレベル差を検出することができる。また反射光用LED1から照射された光が記録媒体107を透過してきた透過光に対しても、光拡散板11は表面性が粗く照射された光は拡散するため低反射性を示す。このため実施形態1において前述したような再反射の影響、つまり、LED1からの光の透過光が拡散板によって再反射される影響は最小限に留めることができる。
【0062】
従って本実施形態2によれば、LEDユニット5からの照射光を光拡散板11を介して撮像素子2に入射することによってLEDユニット5の設置位置を自由に選択することができる。
【0063】
また、拡散板11をLEDユニット5からの照射光を光拡散板11を介して受光素子である撮像素子2入射することで、記録媒体判別センサ118の検出精度の低下を防止し、かつ、高精度に検出することができる。
【0064】
本実施形態2で説明した光拡散板11は、材料や表面処理、濃度によってその反射率が異なる。光拡散板11の反射率に対しては、撮像素子2への入射光が影響を与えないような材料や表面処理、濃度を自由に選択することができる。また拡散板による影響については、記録媒体107が無い時の撮像素子2への影響を予め測定しておき、記録媒体107の有る場合の測定値から演算によってキャンセル処理することも可能である。
【0065】
[実施形態3]
(装置構成)
本実施形態3の画像形成装置は、基本的な構成については実施形態1、2において図6、7を参照し説明した構成と同様である。本実施形態3は、実施形態1、2における上述の図1、4のセンサシステムに替えて、以下のように図5のセンサシステムを適用している。
【0066】
図5は、記録媒体判別センサ118を使用した本実施形態3のセンサシステムの構造を示す図である。図中符号1は光照射手段であるLED、2は画像読取手段である撮像素子、3は集光レンズ、4は結像レンズである。LED1を光源とする光は、集光レンズ3を介し、記録媒体搬送ガイド8の表面、或いは、記録媒体搬送ガイド8上の記録媒体107表面に対し照射される。記録媒体107からの反射光は、結像レンズ4を介し集光されて撮像素子2に結像される。本実施形態3において、LED1は、LED光が記録媒体107表面に対し、図5に示すように所定の角度をもって斜めより光を照射させるよう配置されている。
【0067】
さらに図5において、符号5は記録媒体判別センサ118と記録媒体107を挟んで反対側の位置に配置されるLEDユニット、6は記録媒体107の裏面側から光を照射するための透過光用LED(LED1を反射光用LEDとする)、7は透過光用LED6からの照射光を集光するための集光レンズであり記録媒体107の裏面に対して光を出射する。8は記録媒体107の搬送ガイド部材であり、本実施形態3では記録媒体107の裏面側から光を照射するための窓を設けてある。
【0068】
図5においては、さらにライトガイド12が(図5に示される位置)に設置されている。これは光伝導管として光路を導くためのものである。以上の構造を有する図5のセンサシステムよって、記録媒体107の表面映像及び裏面からの透過光量を読み取る。
【0069】
(動作説明)
本実施形態3による動作に関しては、上述した実施形態1、2において図2、3を参照し説明した動作と同様である。
【0070】
図5において、ライトガイド12は記録媒体107の裏面側から光拡散板11を介した位置に配置することが望ましい。このライトガイド12を記録媒体107の裏面側から光拡散板11を介した位置に配置することによって、LEDユニット5から照射された光がライトガイド12及び拡散板11を通過するので、直接記録媒体107に照射されることがない。尚、本実施形態3ではライトガイド12においては、図5に示すC部分(ライトガイド12の折り返し面)で正反射としている。
【0071】
従って撮像素子2はOHTシートや薄紙の判別においても出力のレベル差を検出することができる。
【0072】
そしてこのライトガイド12を設置することによって、LEDユニット5は、搬送ガイド部材8に設けられた光透過用の窓の近傍に配置する制約がなくなり、画像形成装置100の製品個々の構成による都合に合わせて所望の位置に配置することが可能である。
【0073】
また、拡散板11をLEDユニット5からの照射光を光拡散板11を介して受光素子である撮像素子2に入射することで、記録媒体判別センサ118の検出精度の低下を防止し、かつ、高精度に検出することができる。
【0074】
[実施形態4]
(装置構成)
本実施形態4の画像形成装置は、基本的な構成については実施形態1において図6を参照し説明した構成と同様である。本実施形態4は、実施形態1における上述の図1のセンサシステムに替えて、以下のように図13のセンサシステムを適用している。
【0075】
図13は、本実施形態4のセンサシステムの構造を示す図である。
図中符号200は本実施形態の記録媒体判別センサユニット200である。201は光照射手段であるLED、202及び203は受光素子であるフォトトランジスタ、205、206、207はスリットである。LED201を光源とする光は、スリット205を介して記録媒体搬送ガイド8上の記録媒体107表面に対し照射される。記録媒体107からの反射光のうち正反射光は、スリット207を介しフォトトランジスタ203に入射される。また拡散反射光は、スリット206を介してフォトトランジスタ202に入射される。本実施形態4においては、記録媒体107から反射される正反射光と拡散反射光の光量の比を演算して、その結果に基づいて、記録媒体107の種類を判別する。ここでLED201は、LED光が記録媒体107表面に対し、図13に示すように所定の角度をもって斜めより光を照射させるよう配置されている。
【0076】
また、記録媒体の坪量を判別するためにLEDユニット5が設けられている。LEDユニット5は実施形態1と同様の構成であり、LED6と集光レンズ7とから構成される。LED206から照射されて記録媒体107を透過してスリット206を介してLED202に入射される光量に基づいて、記録媒体の坪量を判別している。
【0077】
本実施形態においても、実施形態1と同様に、LEDユニット5は受光素子であるフォトトランジスタ202の垂線9の方向からある一定の角度ずらした位置に配置しており、受光素子に対して拡散透過光を入射するように構成している。なお、角度は製品の仕様に合わせて設定することができる。この垂線は、実施形態1と同様、受光素子であるフォトトランジスタの垂直受光軸に対応している。
【0078】
なお、LEDユニット5の配置位置については、図13には図示しないが、実施形態1で説明した構成と同様に、LED6から照射される光の発光光軸線をL1とする。このL1と垂線9とがなす角度をα1とし、LED201から照射される光の発光光軸をL2とし、L2とL1とがなす角度をα2とする。また、L2と垂線9とがなす角度をβとする。 そして、角度α1<90°であり、かつ、α2<βの関係になるようにLEDユニット5を配置すればよい。
【0079】
このように、記録媒体判別センサ200の受光素子202に対して、透過光用のLEDユニット5の配置角度を図13のように傾斜させることによって、記録媒体107を媒介とした透過光量を拡散透過光を用いて検出する。これにより、詳細に記録媒体107の紙種の判別を行うことができる。また、記録媒体の検出精度の低下を防止し、かつ、高精度に検出することができる。
【0080】
[他の実施形態]
以上述べた実施形態の他に次の形態を実施できる。
(1)本実施形態1〜3における画像形成装置100にはカラー画像形成装置の構成を用いて説明したが、モノクロ用の画像形成装置においても本実施形態1〜3における画像センサシステムの適用は可能である。
(2)実施形態1における画像センサシステムは、表面画像を読み取る画像センサ118と透過光用の第二の照射手段(LEDユニット5)とに区別された部材による構成として説明したが、第二の照射手段までも含めて画像センサユニットとして構成することも可能である。
(3)実施形態2では光拡散板11を記録媒体107とLEDユニット5の間に設置される板として説明したが、例えばLEDユニットに一体型の光出射口を覆う光拡散キャップとしても良い。さらに光拡散部材11は搬送ガイド部材8側に取り付けることも可能である。
(4)実施形態2における画像センサシステムは、表面画像を読み取る画像センサ118と透過光用の第二の照射手段(LEDユニット5、光拡散板11)とに区別された部材による構成として説明したが、第二の照射手段までも含めて画像センサユニットとして構成することも可能である。
(5)実施形態3ではライトガイド12においては、図5に示すC部分(ライトガイド12の折り返し面)で正反射として説明したが、C部分の折り返し面の表面処理を粗くし拡散面とすることもできる。またはC部分の折り返し面に光拡散部材を添付して折り返し光を拡散光とすることで記録媒体107へ照射する光にLED6の発光映像の影響を軽減することができる。
(6)実施形態3における画像センサシステムは、表面画像を読み取る画像センサ118と透過光用の第二の照射手段(LEDユニット5、光拡散板11、ライトガイド12)とに区別された部材による構成として説明したが、第二の照射手段までも含めて画像センサユニットとして構成することも可能である。
(7)本実施形態1〜3における画像形成装置100として電子写真方式の装置について説明したが、これに限らず、例えばインクジェット方式の画像形成装置などにおいても本実施形態1〜3における画像センサシステムの適用は可能である。
(8)本実施形態1、4において透過光用LEDの配置を受光素子の垂線方向からずらすように配置する構成を示したが、この構成に加えて、本実施形態2,3で説明した拡散板をさらに設けて、透過用LEDからの出力レベルを調整することも可能である。つまり、拡散透過光でも発光出力レベルが強い場合には、拡散透過光を更に拡散板を介して受光して出力レベルを調整すればよい。
(9)実施形態2,3において、受光素子として撮像素子ではなく、実施形態4で示したようなフォトトランジスタを用いた構成を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 反射光用LED
2 撮像素子
3 集光レンズ
4 結像レンズ
5 LEDユニット
6 透過光用LED
7 集光レンズ
8 搬送ガイド部材
9 記録媒体の裏面側から垂直に線を引いた垂線
10 架空のLEDユニット
11 光拡散板
12 ライトガイド
100 画像形成装置
107 記録媒体
118 画像センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材に光を照射する第一発光部と、
前記第一発光部に対して記録材を介した反対側から記録材に光を照射する第二発光部と、
前記第一発光部に対して記録材を介した反対側に配置され、前記第一発光部から記録材に照射されて記録材を透過した透過光を受光する、及び前記第二発光部から記録材に照射されて記録材に反射した反射光を受光する受光部と、
前記第一発光部と記録材の間で且つ前記第一発光部によって光が照射される位置に配置され、前記第一発光部から照射された光を透過し、且つ前記第二発光部から照射され記録材を透過した光を拡散させる光拡散部材とを有することを特徴とするセンサシステム。
【請求項2】
前記第一発光部及び前記第二発光部は、記録材の搬送経路を挟むように設置されることを特徴とする請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項3】
前記受光部は、映像を撮影する撮像素子であることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサシステム。
【請求項4】
前記光拡散部材はポリアセタール樹脂材料であることを特徴とする請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項5】
前記第一発光部から照射された光を、前記光拡散部材を透過し前記受光部に受光されるように導く導光手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のセンサシステム。
【請求項6】
記録材に画像形成を行う画像形成手段と、
記録材に光を照射する第一発光部と、
前記第一発光部に対して記録材を介した反対側から記録材に光を照射する第二発光部と、
前記第一発光部に対して記録材を介した反対側に配置され、前記第一発光部から記録材に照射されて記録材を透過した透過光を受光する、及び前記第二発光部から記録材に照射されて記録材に反射した反射光を受光する受光部と、
前記第一発光部と記録材の間で且つ前記第一発光部によって光が照射される位置に配置され、前記第一発光部から照射された光を透過し、且つ前記第二発光部から照射され記録材を透過した光を拡散させる光拡散部材と、を有し、
前記第一発光部から照射され前記光拡散部材を透過した後、記録材を透過した透過光を受光した結果、及び前記第二発光部から照射され記録材に反射した反射光を受光した結果に基づき、前記画像形成手段による画像形成の条件を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
記録材に光を照射する第一発光部と、
前記第一発光部に対して記録材を介した反対側から記録材に光を照射する第二発光部と、
前記第一発光部に対して記録材を介した反対側に配置され、前記第一発光部から記録材に照射されて記録材を透過した透過光を受光する、及び前記第二発光部から記録材に照射されて記録材に反射した反射光を受光する受光部と、
前記第一発光部と記録材の間で且つ前記第一発光部によって光が照射される位置に配置され、前記第一発光部から照射された光を透過し、且つ前記第二発光部から照射され記録材を透過した光を拡散させる光拡散部材とを有することを特徴とするセンサシステム。
【請求項2】
前記第一発光部及び前記第二発光部は、記録材の搬送経路を挟むように設置されることを特徴とする請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項3】
前記受光部は、映像を撮影する撮像素子であることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサシステム。
【請求項4】
前記光拡散部材はポリアセタール樹脂材料であることを特徴とする請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項5】
前記第一発光部から照射された光を、前記光拡散部材を透過し前記受光部に受光されるように導く導光手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のセンサシステム。
【請求項6】
記録材に画像形成を行う画像形成手段と、
記録材に光を照射する第一発光部と、
前記第一発光部に対して記録材を介した反対側から記録材に光を照射する第二発光部と、
前記第一発光部に対して記録材を介した反対側に配置され、前記第一発光部から記録材に照射されて記録材を透過した透過光を受光する、及び前記第二発光部から記録材に照射されて記録材に反射した反射光を受光する受光部と、
前記第一発光部と記録材の間で且つ前記第一発光部によって光が照射される位置に配置され、前記第一発光部から照射された光を透過し、且つ前記第二発光部から照射され記録材を透過した光を拡散させる光拡散部材と、を有し、
前記第一発光部から照射され前記光拡散部材を透過した後、記録材を透過した透過光を受光した結果、及び前記第二発光部から照射され記録材に反射した反射光を受光した結果に基づき、前記画像形成手段による画像形成の条件を制御することを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−123003(P2012−123003A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−2386(P2012−2386)
【出願日】平成24年1月10日(2012.1.10)
【分割の表示】特願2005−337714(P2005−337714)の分割
【原出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年1月10日(2012.1.10)
【分割の表示】特願2005−337714(P2005−337714)の分割
【原出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]