説明

センサ

線路を介してデータを伝送するための送信機モジュールを備えているセンサであって、該センサは該線路を介してエネルギーを受け取るようになっているセンサが提案される。センサは第1のエネルギーレベルを得た時点で第1の時間間隔の間データを送信し、第1のセンサに並列に線路に接続されている第2のセンサは第1の時間間隔後第2の時間間隔の間データを送信する。エネルギーを受けた時点によってトリガされる、両センサにおける時間シーケンス制御部は第1および第2のセンサの後続の送信を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
従来の技術
本発明は独立請求項の上位概念に記載のセンサから出発している。
【0002】
DE10114504A1から、少なくとも1つのセンサのデータを制御装置に伝送する方法が公知である。その際、センサは2線式線路を介して制御装置に接続されておりかつこの2線式線路を介して作動に対するエネルギーを受け取るような態様になっている。それから2線式線路を介してセンサは電流変調を用いて持続的に、測定したデータを伝送する。エネルギーを受け取った後でセンサはすぐに送信し、その際センサはまずセンサ識別、状態識別およびセンサ値をデータとして制御装置に伝送する。
【0003】
発明の利点
これに対して独立請求項の特徴部分に記載の構成を有する本発明のセンサは今や1つの線路に複数のセンサを並列に接続することができるという利点を有している。それぞれのセンサにデータを送信する能力を与えるために、これらデータは連続するタイムスロットにおいて送信される。送信に対するトリガイベントは線路における制御装置による第1のエネルギーレベルへのハイスイッチング、すなわちハイレベルへの切り換えである。エネルギーのこのハイスイッチングをセンサが検出するので、この時点で個々のセンサにおける時間シーケンス制御がトリガされることになる。それぞれのセンサにおけるそれぞれの時間シーケンス制御部はそれぞれのセンサに、いつ当該センサが送信することができるかを教える。その際時間シーケンス制御部は相互に調整されているので、センサデータの送信の際にオーバラップが生じることはない。最後のセンサがデータを送信したとき、シーケンスは終了する。この場合第1のセンサが再びデータを送信し、その結果すべてのセンサがデータをサイクリックに送信することができるようにすることも可能である。しかし最後のデータの送信後、制御装置がエネルギーレベルを再び休止レベルに戻して、新たにエネルギーを高くセットして、それからセンサのデータが送信されるようにすることもできる。
【0004】
センサとしてここでは衝突センサ、プリクラッシュセンサが考えられるが、重量センサまたはビデオセンサのような乗員ポジションセンサも考えられる。これらは1つの線路に共通に接続されていてよいが、種々の線路に接続されていて、それぞれ1つの種類のセンサが1つの線路に接続されているようであってもよい。本発明のセンサは非常に簡単に構成されていて、センサから制御装置への単方向の伝送が可能であり、その際にバス技術に基づいてる必要もない。ここで送信は純然とイベント制御されるようになっておりかつ煩雑なバスプロトコル通信なしに実行される。こうして高い信頼性およびコスト面で有利でしかも簡単なプロダクトが得られる。その際殊にセンサは電子装置に関して非常に簡単に実現されていてよい。殊に本発明により、複数のセンサが線路に並列に接続されていることができることになる。
【0005】
すなわちすべてのセンサは並列にインターフェイス線路に接続されている。それぞれのセンサに所定の時間間隔が、例えばセンサにおけるパラメータのプログラミングによって割り当てられている。線路は通例、2線式線路として実現されている。しかしそれを単線式線路として実現することも可能である。第1のエネルギーレベルの供給、すなわち電圧のスイッチオンまたは電圧レベルの交代によって、センサの、制御装置へのデータ伝送のスタートが可能になる。センサにおける時間シーケンス制御部は、それぞれのセンサが当該センサに割り当てられている時間間隔においてのみデータを送信するように考慮する。その際データ伝送のこの時間間隔および時期は、オーバラップが回避されるように選定されている。
【0006】
従属請求項に記載の手段および発展形態により独立請求項に記載のセンサの有利な改良形態が可能である。
【0007】
常にセンサに、第1のエネルギーレベルより小さい、すなわち送信のための信号を出しはしない第2のエネルギーレベルが供給されることは特別有利である。第2の電圧によって特徴付けられているこの第2のエネルギーレベルは、センサはいつでも作動されるように、すなわち第1のエネルギーレベルのスイッチオンの際にセンサのリセットが行われるように考慮する。
【0008】
更に、センサが電圧または電圧変化を識別するための手段を有していて、第1もしくは第2のエネルギーレベルが識別されるようにすることは有利である。
【0009】
図面
本発明の実施例が図面に示されておりかつ以下の説明において詳細に説明される。
【0010】
その際
図1は本発明をブロックにおいて略示し、
図2はフローチャートを示す。
【0011】
説明
車両技術において衝突センサおよび乗員ポジションを識別するためのセンサも線路を介して、拘束手段をドライブ制御する制御装置に接続されている。この通信はしばしば、単方向に、すなわちセンサから制御装置へ行われ、その逆はないことが一貫している。しかしその際に1つのセンサは制御装置に対して唯一の線路を有しておりかつ第2のセンサは別の線路を有している。これにより、制御装置に接続可能であるセンサの数は制限される。線路という概念はここでは2線式のものをいうが、いつでも単線式線路であっても構わない。
【0012】
それ故に本発明によれば、センサの送信が時間制御されるようになっている一種の疑似バスを実現することが提案される。時間時間シーケンスに対するトリガイベントは、センサが並列に接続されている線路におけるエネルギーの上昇である。従って第1のセンサは、他のすべてのセンサ同様に、第1のエネルギーレベルへの上昇を識別し、こうして時間シーケンス制御に対して基準となる時点が与えられるようになっている。その場合それぞれのセンサに、時間シーケンス制御に配属されているタイムスロットが与えられて、制御装置にデータが送信されるようになっている。これらのタイムスロットは既に製造者の側で、これらがかちあわないようにプログラミングされている。すなわち送信タイムスロットの製造者側での調整が行われる。
【0013】
図1には、本発明がブロック回路にて示されている。制御装置SGに2線式線路として実現されている線路Lを介してセンサS1,S2ないしSnが相互に並列に接続されている。線路Lに電圧レベルUSが加わっている。この電圧レベルUSは制御装置SGから線路Lに供給される。従って制御装置SGは線路Lに接続されているセンサS1,S2ないしSnに対するエネルギー源として用いられる。エネルギー消費量は線路Lに接続されているセンサの数を制御装置が検出するために用いられる。センサS1,S2ないしSnの唯一のエネルギー供給は線路Lを介して行われる。センサS1,S2ないしSnは単方向にデータを制御装置SGに伝送する。制御装置SGはこれらのデータを受信するための受信モジュールを有している。これらデータに依存して制御装置SGは例えばエアバックまたはベルトテンショナーのような拘束手段をドライブする。線路Lで個々のセンサS1,S2ないしSnのデータ間の衝突が生じないように、個々のセンサS1,S2ないしSnの送信を制御するメカニズムが設定されるべきである。本発明によれば線路L上の電圧USの変化を介して送信過程が開始され、一方個々のセンサS1,S2ないしSnはそれぞれ、時間シーケンス制御部を有していることが提案される。ここで時間シーケンス制御部は、それぞれのセンサS1,S2ないしSnに送信のためのそれぞれのタイムスロットを割り当てる、すなわちこれらタイムスロットの交錯が回避されるように実現されている。それ故に個々のセンサS1,S2ないしSnにおける時間シーケンス制御部は製造者側において既に調整設定されて、これらタイムスロットが相互に調整されているようにしなければならない。それはここでは、センサS1がまず、データをある時間間隔において送信しかつこれに続く時間間隔においてセンサS2がデータを送信することを意味している。このことは、最後のセンサSnがデータを送信し終わるまで実施される。
【0014】
それから、センサS1がデータを予め定めた時間間隔において送信することができ、その結果センサデータを送信するためのサイクリックなループが生じる。
【0015】
しかしセンサSnがデータを送信した後、制御装置SGが線路Lでの電圧を再び降下して送信が終了されるようにすることも可能である。送信をトリガするイベントはすなわち電圧USの上昇である。その際電圧USはジャンプして高められるようにすることができるが、徐々に高められるようであってもよい。しきい値は例えば個々のセンサS1,S2ないしSnによってテストされるのだが、電圧USがしきい値を上回ると、時間シーケンス制御が始まる時点が決まってくる。電圧USはセンサS1,S2ないしSnに割り当てられるエネルギーレベルを表している。線路USに、データの送信を引き起こす電圧レベルが保持されないフェーズでは、休止フェーズ電圧U1が加わる。この電圧はセンサの作動を可能にするが、センサはそれが再び送信できるようになってもリセットを実施する必要はない。択一的に、電圧USが短時間だけしきい値より上に持ち上げられて、イベントがトリガされて、それから再び比較的低い電圧レベルに調整されるようにすることも可能である。というのはその場合にはもはやイベントをトリガする必要がないからである。しかしこの電圧は、述べたように、送信フェーズの間中、高められた電圧レベルに保持するようにしてもよい。
【0016】
図1においてブロック線図の下方に時間線図も示されている。それは一方において電圧USをかつ他方において個々のセンサの送信フェーズを示す電圧−時間線図である。最初電圧レベルUSは電圧Uoffにある。
【0017】
電圧は制御装置によってオンオフ切り換えするようにすることができる。これにより例えばセンサのリセットを実施することができる。通例センサは車両のスタート後一度制御装置によってスイッチオンされ(電圧USへ)かつそれから点火が再びスイッチオフされるまでこの状態を維持する。
【0018】
それから電圧は値U1に持ち上げられる。この値はまだセンサS1,S2ないしSnの送信をトリガしないが、この電圧は十分なエネルギーを供給するので、センサは送信するときになってもリセットを実施する必要はない。最後に電圧USは、予め定めた時間間隔の間、値U2に持ち上げられる。この時間間隔においてセンサS1,S2ないしSnは時間間隔Ts1,Ts2ないしTsn(タイムスロットTslot)においてそれぞれのデータS1,S2ないしSnを送信する。これら時間間隔の後、制御装置SGは電圧USを値U1へ下げて、この値がそれから再び値U2へ持ち上げられるので、その時送信サイクルが新たに始まる。しかし既述のように、電圧USが短時間だけ電圧U2に持ち上げられて、イベントがトリガされるようにする、または電圧USが電圧U2に固定されかつサイクリックにセンサがそのデータを送信するという択一例も可能である。
【0019】
図2のフローチャートに基づいて本発明を説明する。ステップ200において電圧USは電圧U1から電圧U2へ持ち上げられて、これによりセンサS1,S2ないしSnの送信がトリガされる。ステップ201においてセンサS1,S2ないしSnは、電圧が持ち上げられたことを識別する。その際絶対値識別、または電圧変化が使用される。それからこの持ち上げによってステップ202において時間シーケンス制御がスタートされる。それからステップ203においてセンサS1,S2ないしSnからそれぞれに割り当てられたタイムスロットにおいてデータの送信が実施される。ステップ204において制御装置SGは、最後のセンサがデータを送信した後に電圧をU2からU1に下げる。それから、ステップ205において、方法は終了する。上に説明したように、この方法をサイクリックに実施するまたは線路Lでの電圧USの上昇および下降が制御される等複数の可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のブロック線図
【図2】本発明を説明するフローチャート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
線路(L)を介してデータを伝送するための送信機モジュール(10)を備えている第1のセンサであって、該第1のセンサ(S1,S2ないしSn)は該線路(L)を介してエネルギーを受け取るようになっているセンサにおいて、
第1のセンサ(S1)は第1のエネルギーレベル(U2)を得た時点で第1の時間間隔(Ts1)の間データを送信し、かつ
第1のセンサ(S1)に並列に線路(L)に接続されている第2のセンサ(S2)は第1の時間間隔(Ts1)後第2の時間間隔(Ts2)の間データを送信し、ここで第1および第2のセンサ(S1,S2)はそれぞれ時間シーケンス制御部を有しており、該時間シーケンス制御部は前記時点によってトリガされかつ第1および第2のセンサ(S1,S2)の後続の送信を制御する
ことを特徴とするセンサ。
【請求項2】
第1および第2のセンサ(S1,S2)は少なくとも常に第2のエネルギーレベル(U1)が供給され、ここで第2のエネルギーレベル(U1)は第1のエネルギーレベル(U2)より低い
請求項1記載のセンサ。
【請求項3】
第1および第2のセンサ(S1,S2)は、該第1および第2のセンサ(S1,S2)が電圧変化に基づいて第1のエネルギーレベル(U2)を識別するようにコンフィギュレーションされている
請求項1または2記載のセンサ。
【請求項4】
第1および第2のセンサ(S1,S2)は線路を介して制御装置(SG)に接続されており、ここでセンサ(S1,S2)から制御装置(SG)へのデータ伝送だけが設定されている
請求項1から3までのいずれか1項記載のセンサ。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−522380(P2006−522380A)
【公表日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500501(P2006−500501)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【国際出願番号】PCT/DE2004/001605
【国際公開番号】WO2005/027072
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】