説明

センシング装置及び電子機器

【課題】パラメーターの破壊に起因する性能の劣化を低減することができるセンシング装置及び電子機器を提供すること。
【解決手段】ROM40は、センサー1〜N(N≧1)に関連付けられるパラメーター(センサーパラメーター1〜n(n≧1))を記憶している。メモリー制御部130は、ROM40からセンサーパラメーター1〜nを読み出してRAM30に書き込んだ後、所与のタイミングで、ROM40からセンサーパラメーターを読み出してRAM30に上書きするリフレッシュ処理を行う。処理部100は、RAM30に書き込まれたセンサーパラメーター1〜nに基づいて、センサー1〜Nにの信号処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センシング装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの種類のセンサーが開発され、様々なシステムや電子機器に搭載されている。例えば、加速度センサー、ジャイロセンサー、地磁気センサー、温度センサー等を搭載したセンシング装置を用いて物体の姿勢を検出するシステムなどが挙げられる。
【0003】
一般的なセンシング装置は、複数のセンサーを含むセンサーモジュール、マイクロコンピューター、ROM、RAM等で構成されている。ROMには、各センサーに対するパラメーター(例えば、センサーの特性に起因する検出誤差を補正する補正パラメーター等)が書き込まれており、例えば、電源投入後の起動時等の初期化動作時に、マイクロコンピューターがROMからパラメーターを読み出してRAMに書き込む。その後は、マイクロコンピューターがRAMに書き込まれたパラメーターを用いて各センサーに関連する各種の処理(例えば、センサーの特性に起因する検出誤差を補正する処理等)を高速に行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−134071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしノイズ等によりRAMに書き込まれたパラメーターが破壊される可能性があり、パラメーターが破壊されるとその後のセンシング装置の動作に問題が生じる場合がある。例えば、RAMに書き込まれた補正パラメーターが破壊されると、誤った補正処理を行うことになり、センシング装置の性能の劣化が生じる場合がある。
【0006】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、パラメーターの破壊に起因する性能の劣化を低減することができるセンシング装置及び電子機器を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、センサーと、前記センサーに関連付けられるパラメーターを記憶した不揮発性の第1のメモリーと、第2のメモリーと、前記第1のメモリーから前記パラメーターを読み出して前記第2のメモリーに書き込んだ後、所与のタイミングで、前記第1のメモリーから前記パラメーターを読み出して前記第2のメモリーに上書きするリフレッシュ処理を行うメモリー制御部と、前記第2のメモリーに書き込まれた前記パラメーターに基づいて、前記センサーの信号処理を行う処理部と、を含む、センシング装置である。
【0008】
センサーに関連付けられるパラメーターとは、例えば、センサーのバイアスオフセット(0点オフセット)を補正するためのパラメーターやセンサーの温度特性に起因する検出誤差を補正するためのパラメーター等である。
【0009】
メモリー制御部がリフレッシュ処理を行う所与のタイミングとは、定期的なタイミング(一定周期)であってもよいし、不定期のタイミングであってもよい。
【0010】
処理部が行う、センサーの信号処理とは、例えば、パラメータに基づいてセンサーの検出値を補正する処理等である。
【0011】
本発明のセンシング装置によれば、第2のメモリーに書き込まれたパラメーターは、リフレッシュ処理により第1のメモリーに記憶されているパラメーターで上書きされるので、第2のメモリーに書き込まれたパラメーターが破壊されても、次のリフレッシュ処理の後は、処理部が正常な処理を行うことができる。従って、本発明のセンシング装置によれば、パラメーターの破壊に起因する性能の劣化を低減することができる。
【0012】
例えば、前記メモリー制御部は、前記リフレッシュ処理を一定の周期で繰り返し行うようにしてもよい。
【0013】
このようにすれば、第2のメモリーに書き込まれたパラメーターのデータ破壊が生じた場合に、異常な処理結果が生じる期間をリフレッシュ処理の1周期以内におさめることができる。
【0014】
(2)このセンシング装置は、さらにレジスター部を含み、前記メモリー制御部は、前記レジスター部から前記リフレッシュ処理の周期に関するリフレッシュ周期情報を受け取り、当該リフレッシュ周期情報に応じた周期で前記リフレッシュ処理を行うようにしてもよい。
【0015】
このようにすれば、センシング装置の使用環境や要求精度等に応じた適切な周期でリフレッシュ処理が行われるようにすることができる。
【0016】
(3)このセンシング装置は、前記処理部からの出力データを外部に出力する出力部をさらに含み、前記リフレッシュ処理の周期が、前記出力データを外部装置がサンプリングする周期以下であるようにしてもよい。
【0017】
このようにすれば、第2のメモリーに書き込まれたパラメーターのデータ破壊が生じた場合に、外部装置が受け取る異常なデータを1サンプルだけに限定することができる。
【0018】
(4)このセンシング装置において、前記メモリー制御部は、前記センサーの検出値を所与の閾値と比較し、比較結果に基づいて前記リフレッシュ処理を行うようにしてもよい。
【0019】
例えば、メモリー制御部は、センサーの検出値(又はその絶対値)が閾値よりも大きい場合(又は閾値以上の場合)はリフレッシュ処理を行い、センサーの検出値(又はその絶対値)が閾値以下の場合(又は閾値よりも小さい場合)はリフレッシュ処理を行わないようにしてもよい。逆に、メモリー制御部は、センサーの検出値(又はその絶対値)が閾値よりも小さい場合(又は閾値以下の場合)はリフレッシュ処理を行い、センサーの検出値(又はその絶対値)が閾値以上の場合(又は閾値よりも大きい場合)はリフレッシュ処理を行わないようにしてもよい。
【0020】
このようにすれば、センサーの検出値に応じてリフレッシュ処理のタイミングを制御することができる。例えば、加速度センサーや角速度センサー等のモーションセンサーの検出値が比較的大きい場合、すなわち、センシング装置の動き量が比較的大きい場合はノイズも大きくなると考えられるので、第2のメモリーに書き込まれたパラメーターのデータ破壊が生じる確率が高くなる。従って、モーションセンサーの検出値(又はその絶対値)が閾値よりも大きい場合(又は閾値以上の場合)にリフレッシュ処理を行うことで、パラメーターの破壊に起因する性能の劣化を低減することができる。
【0021】
また、センシング装置が複数のセンサーを有する場合は、メモリー制御部は、例えば、1つのセンサーを選択し、当該センサーの検出値(又はその絶対値)を閾値と比較するようにしてもよい。あるいは、メモリー制御部は、例えば、複数のセンサーの検出値(又はその絶対値)の少なくとも1つが閾値よりも大きい場合(又は閾値以上の場合)はリフレッシュ処理を行い、複数のセンサーの検出値(又はその絶対値)のすべてが閾値以下の場合(又は閾値よりも小さい場合)はリフレッシュ処理を行わないようにしてもよい。逆に、メモリー制御部は、複数のセンサーの検出値(又はその絶対値)の少なくとも1つが閾値よりも小さい場合(又は閾値以下の場合)はリフレッシュ処理を行い、複数のセンサーの検出値(又はその絶対値)のすべてが閾値以上の場合(又は閾値よりも大きい場合)はリフレッシュ処理を行わないようにしてもよい。
【0022】
(5)このセンシング装置において、前記メモリー制御部は、前記比較結果において、所与の時間にわたって前記センサーの検出値が前記閾値より大きい状態が継続する場合に前記リフレッシュ処理を行うようにしてもよい。
【0023】
例えば、メモリー制御部は、所与の時間継続してセンサーの検出値(又はその絶対値)が閾値よりも大きい場合(又は閾値以上の場合)はリフレッシュ処理を行い、所与の時間が経過する前にセンサーの検出値(又はその絶対値)が閾値以下になれば(又は閾値よりも小さくなれば)リフレッシュ処理を行わないようにしてもよい。逆に、メモリー制御部は、所与の時間継続してセンサーの検出値(又はその絶対値)が閾値よりも小さい場合(又は閾値以下の場合)はリフレッシュ処理を行い、所与の時間が経過する前にセンサーの検出値(又はその絶対値)が閾値以上になれば(又は閾値よりも大きくなれば)リフレッシュ処理を行わないようにしてもよい。
【0024】
(6)このセンシング装置において、前記メモリー制御部は、前記比較結果が第1の比較結果であれば、前記リフレッシュ処理を開始し、前記比較結果が第2の比較結果になるまで前記リフレッシュ処理を一定の周期で繰り返し行うようにしてもよい。
【0025】
例えば、メモリー制御部は、センサーの検出値(又はその絶対値)が閾値よりも大きくなれば(又は閾値以上になれば)リフレッシュ処理を開始し、センサーの検出値(又はその絶対値)が閾値以下になるまで(又は閾値よりも小さくなるまで)一定周期で定期的なリフレッシュ処理を行うようにしてもよい。逆に、メモリー制御部は、センサーの検出値(又はその絶対値)が閾値よりも小さくなれば(又は閾値以下になれば)リフレッシュ処理を開始し、センサーの検出値(又はその絶対値)が閾値以上になるまで(又は閾値よりも大きくなるまで)一定周期で定期的なリフレッシュ処理を行うようにしてもよい。
【0026】
このようにすれば、センサーの検出値に応じて定期的なリフレッシュ処理を行うタイミングを制御することができる。
【0027】
また、センサーの検出値と閾値との比較にヒステリシスを持たせるようにしてもよい。例えば、メモリー制御部は、センサーの検出値(又はその絶対値)が第1の閾値よりも大きくなれば(又は第1の閾値以上になれば)リフレッシュ処理を開始し、センサーの検出値(又はその絶対値)が第2の閾値以下になるまで(又は第2の閾値よりも小さくなるまで)一定周期で定期的なリフレッシュ処理を行うようにしてもよい。逆に、メモリー制御部は、センサーの検出値(又はその絶対値)が第1の閾値よりも小さくなれば(又は第1の閾値以下になれば)リフレッシュ処理を開始し、センサーの検出値(又はその絶対値)が第2の閾値以上になるまで(又は第2の閾値よりも大きくなるまで)一定周期で定期的なリフレッシュ処理を行うようにしてもよい。
【0028】
(7)このセンシング装置において、前記メモリー制御部は、前記第1のメモリーから前記パラメーターを読み出すとともに前記第2のメモリーから前記パラメーターを読み出して両者が一致するか否かを判定する判定処理を行い、一致しない場合に前記リフレッシュ処理を行うようにしてもよい。
【0029】
このようにすれば、第1のメモリーのパラメーターと第2のメモリーのパラメーターが一致する場合の不要なリフレッシュ処理が行われないようにしてメモリーアクセスに伴う消費電力を低減することができる。
【0030】
(8)このセンシング装置において、前記第1のメモリーは、複数の前記パラメーターが記憶され、前記メモリー制御部は、前記複数のパラメーターの少なくとも一つについて前記判定処理を行い、一致しないパラメーターが見つかった場合には、残りのパラメーターについては前記判定処理を行わずにすべてのパラメーターについて前記リフレッシュ処理を行うようにしてもよい。
【0031】
このようにすれば、第1のメモリーと第2のメモリーで一致しないパラメーターが1つでも見つかった時点で残りのパラメーターの判定処理を行わないので、判定処理を高速化することができる。
【0032】
(9)このセンシング装置において、前記第1のメモリーは、複数の前記パラメーターが記憶され、前記メモリー制御部は、前記複数のパラメーターの各々について前記判定処理を行い、一致しないパラメーターについて前記リフレッシュ処理を行うようにしてもよい。
【0033】
このようにすれば、第1のメモリーと第2のメモリーで一致しないパラメーターのみがリフレッシュ処理の対象となるので、リフレッシュ処理を高速化するとともにメモリーアクセスに伴う消費電力を低減することができる。
【0034】
(10)このセンシング装置において、前記メモリー制御部は、前記リフレッシュ処理を許可するか否かに関するリフレッシュ許可情報を受け取り、当該リフレッシュ許可情報により前記リフレッシュ処理が許可されている場合に前記リフレッシュ処理を行うようにしてもよい。
【0035】
このようにすれば、リフレッシュ機能をオン/オフするタイミングを制御することができる。
【0036】
(11)本発明は、上記のいずれかのセンシング装置を含む、電子機器である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本実施形態のセンシング装置の全体構成を示す図。
【図2】マイクロコンピューターとセンサーモジュールのより詳細な構成について説明するための図。
【図3】本実施形態のセンシング装置におけるデータ生成処理のタイミングの一例を示すタイミングチャート図。
【図4】第1実施形態におけるリフレッシュ処理の手順を示すフローチャート図。
【図5】第2実施形態におけるリフレッシュ処理の手順を示すフローチャート図。
【図6】第3実施形態におけるリフレッシュ処理の手順を示すフローチャート図。
【図7】第4実施形態におけるリフレッシュ処理の手順を示すフローチャート図。
【図8】第5実施形態におけるリフレッシュ処理の手順を示すフローチャート図。
【図9】第6実施形態におけるリフレッシュ処理の手順を示すフローチャート図。
【図10】本実施形態の電子機器の構成例を示す機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0039】
1.センシング装置
(1)第1実施形態
[構成]
図1は、本実施形態のセンシング装置の全体構成を示す図である。
【0040】
本実施形態のセンシング装置1は、マイクロコンピューター10、センサーモジュール20、ランダムアクセスメモリー(RAM)30、リードオンリーメモリー(ROM)40、入力部50、出力部60、電源生成部70を含んで構成されている。また、これらの構成要素はバス80を経由してアドレスやデータ等を相互にまたは決まった方向に入出力する。バス80は、例えば、ICバスやSPI(Serial Peripheral Interface)バスであってもよい。なお、本実施形態のセンシング装置1は図1の構成要素の一部を省略した構成としてもよい。
【0041】
RAM30(第2のメモリーの一例)は、プログラム、様々なパラメーター、一時的なデータ等を記憶する。例えば、マイクロコンピューター10が用いるプログラムやデータを一時的に記憶する。RAM30は揮発性メモリーであってもよいし、不揮発性メモリーであってもよいが、マイクロコンピューター10の性能を劣化させない程度に高速アクセスが可能なメモリーであることが望ましい。
【0042】
ROM40(第1のメモリーの一例)は、不揮発性のメモリーであり、センシング装置1に必要なプログラムや様々なパラメーターを記憶する。
【0043】
特に本実施形態では、ROM40には、センサーモジュール20に含まれるセンサーに関連付けられるパラメーター(以下、「センサーパラメーター」という)が記憶されている。このセンサーパラメーターとしては、例えば、各センサーのバイアスオフセット(0点オフセット)を補正するためのパラメーター(オフセット補正パラメーター)や各センサーの温度特性による検出誤差を補正するのためのパラメーター(温度補正パラメーター)等が挙げられる。このセンサーパラメーターは、例えば、センシング装置1の出荷前に行われるセンサーの特性検査において個別にROM40に書き込まれる。
【0044】
ROM40に記憶されたプログラムやデータは、センシング装置1の初期化動作時(電源投入後の起動時等)にRAM30に書き込まれ、マイクロコンピューター10はRAM30に書き込まれたプログラムやデータを用いて各種の処理を行う。特に本実施形態では、センシング装置1の起動時に、センサーパラメーターがROM40からRAM30に書き込まれる。このRAM30に書き込まれたセンサーパラメーターは、後述するように、マイクロコンピューター10により所与のタイミングで、ROM40に記憶されたセンサーパラメーターで上書き(リフレッシュ)される。
【0045】
入力部50は、センシング装置1の外部からの入力を受け付ける。
【0046】
出力部60は、センシング装置1の外部へ信号を出力する。出力部60は、例えば、マイクロコンピューター10が演算したデータを出力信号62として出力する。
【0047】
電源生成部70は、センシング装置1で用いる電源を生成する。電源生成部70は、例えば、外部電源からセンシング装置1の内部電源を生成するレギュレーターとして構成することができる。
【0048】
図2は、マイクロコンピューター10とセンサーモジュール20のより詳細な構成について説明するための図である。なお、図2において、図1と同じ構成要素には同じ符号を付している。
【0049】
図2に示すように、本実施形態では、センサーモジュール20とマイクロコンピューター10は、共通のクロック信号90に同期してそれぞれの処理を行う。
【0050】
センサーモジュール20は、N個(N≧1)のセンサー200−1〜Nを含む。センサー200−1〜Nは、それぞれ所定の物理量を検出する。センサー200−1〜Nは、検出した物理量に応じたアナログ信号、例えば、物理量の大きさ(や向き)に応じたDC電圧の信号(検出信号)を出力する。物理量としては、加速度、速度、角速度、圧力、温度、湿度、磁気等が挙げられる。センサー200−1〜Nの一部又は全部が、同じ種類の物理量を検出するように構成されていてもよい。例えば、センサー200−1〜3により3軸ジャイロセンサー(角速度センサー)が構成され、センサー200−4〜6により3軸加速度センサーが構成され、センサー200−7が温度センサーとして構成されていてもよい。
【0051】
また、センサーモジュール20は、それぞれセンサー200−1〜Nの後段に接続されたN個のアナログフロントエンド(AFE)210−1〜Nを含む。AFE210−1〜Nは、それぞれセンサー200−1〜Nの出力信号(検出信号)に対して信号増幅やフィルタリング等の処理を行う。
【0052】
さらに、センサーモジュール20は、AFE210−1〜Nの後段に接続されたアナログ−デジタル変換器(ADC)220を含む。ADC220は逐次比較型のADCであり、AFE210−1〜Nの出力信号を順番にサンプリングして時分割処理によりそれぞれデジタル信号に変換する。すなわち、ADC220は、センサー200−1〜Nがそれぞれ検出した物理量を表すデジタル値(検出値)を時分割に出力する。このADC220の出力信号は、センサーモジュール20の出力信号22としてマイクロコンピューター10に送信される。
【0053】
なお、センサーモジュール20において、AFE210−1〜Nの後段にN個のADCをそれぞれ接続し、センサー200−1〜Nの検出値をマイクロコンピューター10にパラレルに送信するように構成してもよい。
【0054】
マイクロコンピューター10は、処理部100を含む。処理部100は、RAM30に書き込まれたn個(n≧1)のセンサーパラメーター1〜nに基づいて、センサー200−1〜Nに関連する処理を行う。
【0055】
例えば、処理部100は、データ補正部110やデータ演算部120を含んで構成されていてもよい。データ補正部110は、センサーモジュール20が出力するデジタル信号22(ADC220の出力信号であり、センサー200−1〜Nの検出値が時分割に含まれる)を受け取り、RAM30に書き込まれたセンサーパラメーター1〜nの少なくとも一部を用いてセンサー200−1〜Nの検出値を補正する。
【0056】
具体的には、データ補正部110は、内部に不図示のループカウンターを持っており、そのカウント値に応じて、デジタル信号22に含まれる各検出値が、センサー200−1〜Nのいずれによる検出値であるかを判断する。そして、データ補正部110は、センサー200−1〜Nの検出値を、センサーパラメーター1〜nの一部又は全部を用いて補正する。
【0057】
例えば、データ補正部110は、センサー200−1〜Nの検出値に、N個のオフセット補正パラメーターでそれぞれ指定される値を加算又は減算することでセンサー200−1〜Nのバイアスオフセット(0点オフセット)を補正する。また、例えば、データ補正部110は、不図示の温度センサーにより得られるセンサー200−1〜Nの周辺温度とN個の温度補正パラメーターを用いてセンサー200−1〜Nの温度特性による検出値の誤差を補正する。
【0058】
データ演算部120は、データ補正部110により補正されたデジタル信号112(センサー200−1〜Nの検出値を補正したN個の検出値が順番に時分割に含まれる)を受け取り、この補正後のN個の検出値を用いて、所定のデータ演算の処理を行う。例えば、センサー200−1〜3により3軸ジャイロセンサー(角速度センサー)が構成され、センサー200−4〜6により3軸加速度センサーが構成され、センサー200−7が温度センサーである場合、データ演算部120は、3軸ジャイロセンサーが検出した角速度ベクトルや3軸加速度センサーが検出した加速度ベクトルをそれぞれ補正した角速度ベクトルや加速度ベクトルを受け取ってセンシング装置1の姿勢角や位置を算出する処理を行う。このデータ演算部120の出力信号は、マイクロコンピューター10の出力信号12として出力部60に送信され、出力信号62としてセンシング装置1の外部に出力される。
【0059】
また、マイクロコンピューター10は、メモリー制御部130を含む。メモリー制御部130は、ROM40からセンサーパラメーター1〜nを読み出してRAM30に書き込んだ後、所与のタイミングで、ROM40からセンサーパラメーター1〜nを読み出してRAM30に上書きする処理(以下、リフレッシュ処理という)を行う。
【0060】
さらに、マイクロコンピューター10は、レジスター部140を含む。レジスター部140には各種の設定レジスターが含まれており、これらの設定レジスターの設定値に応じて、処理部100(データ補正部110、データ演算部120等)やメモリー制御部130の動作が制御される。
【0061】
特に本実施形態では、レジスター部140には、リフレッシュ処理の各種設定を行うためのリフレッシュ設定レジスター142が含まれている。このリフレッシュ設定レジスター142は、少なくとも、リフレッシュ処理を許可するか否か(リフレッシュ機能のオン/オフ)を表すリフレッシュ許可ビット(リフレッシュ許可情報の一例)と、リフレッシュ周期を表すリフレッシュ周期ビット(リフレッシュ周期情報の一例)とを含んで構成されている。
【0062】
そして、メモリー制御部130は、レジスター部140からリフレッシュ設定レジスター142のリフレッシュ許可ビットを受け取り、当該リフレッシュ許可ビットによりリフレッシュ処理が許可されている場合(リフレッシュ機能がオンの場合)にリフレッシュ処理を行う。
【0063】
また、メモリー制御部130は、レジスター部140からリフレッシュ設定レジスター142のリフレッシュ周期ビットを受け取り、当該リフレッシュ周期ビットに応じた一定周期でリフレッシュ処理を繰り返し行う。
【0064】
[データ生成タイミング]
図3は、本実施形態のセンシング装置におけるデータ生成処理のタイミングの一例を示すタイミングチャート図である。
【0065】
図3に示すように、時刻t〜tにおいて、センサーモジュール20の出力信号22(ADC220の出力信号)はセンサー200−1の検出値を表すデータA0になり、時刻t〜tにおいて、マイクロコンピューター10のデータ補正部110の出力信号112はデータA0を補正したデータB0になる。
【0066】
また、時刻t〜tにおいて、センサーモジュール20の出力信号22はセンサー200−2の検出値を表すデータA0になり、時刻t〜tにおいて、データ補正部110の出力信号112はデータA0を補正したデータB0になる。
【0067】
同様の処理を繰り返し、時刻t〜tにおいて、センサーモジュール20の出力信号22はセンサー200−Nの検出値を表すデータA0になり、時刻t〜tにおいて、データ補正部110の出力信号112はデータA0を補正したデータB0になる。
【0068】
時刻t〜tにおいて、マイクロコンピューター10のデータ演算部120がデータB0〜B0を用いて所定の演算処理を行ってデータC0を生成し、マイクロコンピューター10の出力信号12はデータC0になる。
【0069】
時刻t〜tにおいて、出力部60の出力信号62がデータC0になり、センシング装置1の後段に接続される不図示の外部装置により、時刻tにおける外部サンプリングクロックの立ち上がりでデータC0がサンプリングされる。
【0070】
同様に、時刻t〜tにおいて、センサーモジュール20の出力信号22は、順に、センサー200−1〜Nの検出値を表すデータA1〜A1になり、時刻t〜tにおいて、データ補正部110の出力信号112は、順に、データA1〜A1をそれぞれ補正したデータB1〜B1になる。そして、時刻t〜t11において、マイクロコンピューター10の出力信号12はデータC1になり、時刻t〜t12において、出力部60の出力信号62がデータC1になり、時刻t10における外部サンプリングクロックの立ち上がりで、外部装置によりデータC1がサンプリングされる。
【0071】
同様に、時刻t〜t10において、センサーモジュール20の出力信号22は、順に、センサー200−1〜Nの検出値を表すデータA2〜A2になり、時刻t〜t11において、データ補正部110の出力信号112は、順に、データA2〜A2をそれぞれ補正したデータB2〜B2になる。そして、時刻t11〜t14において、マイクロコンピューター10の出力信号12はデータC2になり、時刻t12〜t15において、出力部60の出力信号62がデータC2になり、時刻t13における外部サンプリングクロックの立ち上がりで、外部装置によりデータC2がサンプリングされる。
【0072】
以降は、センサー200−1〜Nの検出値に対して同様の処理が行われる。
【0073】
図3のタイミングチャートでは、外部サンプリングクロックの1周期(外部サンプリング周期)において、N個のセンサー200−1〜Nの検出値(例えば、A0〜A0)に基づいて1つのデータ(例えば、C0)が生成されている。つまり、外部サンプリング周期はクロック信号90の周期のN倍になっている。
【0074】
リフレッシュ設定レジスター142のリフレッシュ周期ビットにより、リフレッシュ周期を外部サンプリング周期以下に設定してもよい。例えば、外部装置が60Hzや120Hzでディスプレイ画面を書き換える処理を行う装置であり、外部サンプリング周期が1/60秒や1/120秒であれば、リフレッシュ周期を1/60秒以下や1/120秒以下に設定してもよい。
【0075】
[リフレッシュ処理]
図4は、第1実施形態におけるリフレッシュ処理の手順を示すフローチャート図である。
【0076】
図4に示すように、センシング装置1の電源がオンになると、メモリー制御部130は、k=1に設定して(ステップS20)ROM40からセンサーパラメーターkを読み出し(ステップS30)、読み出したセンサーパラメーターkをRAM30に書き込む(ステップS40)。
【0077】
そして、k=nになるまで(ステップS50でYになるまで)kを1ずつ増やして(ステップS60)ステップS30とS40の処理を繰り返し行う。k=nになると(ステップS50のY)、RAM30には、センサーパラメーター1〜nが書き込まれている。
【0078】
このステップS20〜S60の処理は、RAM30の初期化処理に相当する。
【0079】
次に、メモリー制御部130は、リフレッシュ設定レジスター142のリフレッシュ許可ビットが0(不許可)か1(許可)かによりリフレッシュ機能がオンかオフかを判定する(ステップS70)。
【0080】
リフレッシュ機能がオンであれば(ステップS70のY)、メモリー制御部130は、リフレッシュ設定レジスター142のリフレッシュ周期ビットで設定されているリフレッシュ周期Tの計測を開始する(ステップS80)。
【0081】
次に、メモリー制御部130は、k=1に設定して(ステップS90)ROM40からセンサーパラメーターkを読み出し(ステップS100)、読み出したセンサーパラメーターkをRAM30に上書きする(ステップS110)。
【0082】
そして、メモリー制御部130は、k=nになるまで(ステップS120でYになるまで)kを1ずつ増やして(ステップS130)ステップS100とS110の処理を繰り返し行う。k=nになると(ステップS120のY)、RAM30には、センサーパラメーター1〜nが上書きされている。
【0083】
このステップS90〜S130の処理は、リフレッシュ処理に相当する。
【0084】
リフレッシュ周期Tが経過し(ステップS140のY)、電源がオフでなければ(ステップS150のN)、メモリー制御部130は、再びリフレッシュ機能がオンかオフかを判定する(ステップS70)。
【0085】
そして、リフレッシュ機能がオンであれば(ステップS70のY)、メモリー制御部130は、リフレッシュ周期Tの計測を開始し(ステップS80)、再びリフレッシュ処理(ステップS90〜S130の処理)を行う。
【0086】
以降は、電源がオフになるまで(ステップS150でYになるまで)、リフレッシュ機能がオンであれば(ステップS70のY)一定周期Tでリフレッシュ処理(ステップS90〜S130の処理)が繰り返し行われる。
【0087】
以上に説明した第1実施形態のセンシング装置によれば、RAM30に書き込まれたセンサーパラメーター1〜nは、リフレッシュ処理によりROM40に記憶されているセンサーパラメーター1〜nで上書きされるので、RAM30に書き込まれたセンサーパラメーターが破壊されても、次のリフレッシュ処理の後は、処理部100が正常な処理を行うことができる。従って、第1実施形態のセンシング装置によれば、センサーパラメーターの破壊に起因する性能の劣化を低減することができる。
【0088】
また、第1実施形態のセンシング装置によれば、リフレッシュ処理を一定周期Tで繰り返し行うことにより、RAM30に書き込まれたセンサーパラメーターのデータ破壊が生じた場合に、異常な処理結果が生じる期間をリフレッシュ処理の1周期T以内におさめることができる。
【0089】
さらに、第1実施形態のセンシング装置によれば、リフレッシュ設定レジスター142のリフレッシュ周期ビットの設定値を変更することにより、センシング装置の使用環境や要求精度等に応じた適切な周期でリフレッシュ処理が行われるようにすることができる。例えば、第1実施形態のセンシング装置によれば、リフレッシュ周期Tを外部サンプリング周期以下に設定することで、RAM30に書き込まれたセンサーパラメーターのデータ破壊が生じた場合に、外部装置が受け取る異常なデータを1サンプルだけに限定することができる。
【0090】
(2)第2実施形態
[構成]
第2実施形態のセンシング装置の全体構成は図1と同様であるため、その図示及び説明を省略する。また、第2実施形態におけるマイクロコンピューター10とセンサーモジュール20の構成も図2に示した構成と同様であるので、その図示と説明を省略する。ただし、第2実施形態では、メモリー制御部130によるリフレッシュ処理が第1実施形態と異なるので、この相違点についてのみ説明する。
【0091】
第2実施形態のメモリー制御部130は、ROM40からセンサーパラメーターkを読み出すとともにRAM30からセンサーパラメータkを読み出して両者が一致するか否かを判定する判定処理をk=1から順番に行い、一致しないセンサーパラメーターmが見つかった場合には、残りのセンサーパラメーターm+1〜nについては判定処理を行わずにすべてのセンサーパラメーター1〜nについてリフレッシュ処理を行う。
【0092】
[リフレッシュ処理]
図5は、第2実施形態におけるリフレッシュ処理の手順を示すフローチャート図である。図5において、図4と同様の処理を行うステップには同じ符号を付しており、その説明を省略又は簡略する。
【0093】
図5に示すように、センシング装置1の電源がオンになると、メモリー制御部130は、RAM30の初期化処理(ステップS20〜S60の処理)を行う。
【0094】
次に、メモリー制御部130は、リフレッシュ機能がオンかオフかを判定し(ステップS70)、オンであれば(ステップS70のY)リフレッシュ周期Tの計測を開始する(ステップS80)。
【0095】
次に、メモリー制御部130は、k=1に設定して(ステップS81)ROM40からセンサーパラメーターkを読み出し(ステップS82)、さらに、RAM30からセンサーパラメーターkを読み出す(ステップS83)。
【0096】
そして、メモリー制御部130は、ROM40から読み出したセンサーパラメーターkとRAM30から読み出したセンサーパラメーターkが一致するか否かを判定し(ステップS84)、両者が一致する場合は(ステップS84のY)、k=nでなければ(ステップS85のN)kを1だけ増やして(ステップS86)、再びステップS82〜S84の処理を行う。
【0097】
ステップS84の判定処理で不一致(ステップS84のN)となるセンサーパラメーターkが1つでも見つかれば、メモリー制御部130は、n個の(すべての)センサーパラメーター1〜nを対象としてリフレッシュ処理(ステップS90〜S130の処理)を行う。
【0098】
リフレッシュ周期Tが経過し(ステップS140のY)、電源がオフでなければ(ステップS150のN)、メモリー制御部130は、再びリフレッシュ機能がオンかオフかを判定する(ステップS70)。
【0099】
一方、ステップS84の判定処理で不一致(ステップS84のN)となるセンサーパラメーターkが見つからなければ(ステップS85のY)、リフレッシュ周期Tが経過し(ステップS140のY)、電源がオフでなければ(ステップS150のN)、メモリー制御部130は、リフレッシュ処理(ステップS90〜S130の処理)を行わずに、再びリフレッシュ機能がオンかオフかを判定する(ステップS70)。
【0100】
以降は、電源がオフになるまで(ステップS150でYになるまで)、リフレッシュ機能がオンであれば(ステップS70のY)、一定周期Tで、ステップS84の判定処理と不一致の場合のリフレッシュ処理(ステップS90〜S130の処理)とが繰り返し行われる。
【0101】
以上に説明した第2実施形態のセンシング装置によれば、RAM30に書き込まれたセンサーパラメーターの1つでも破壊されていれば、すべてのセンサーパラメーター1〜nがリフレッシュ処理によりROM40に記憶されているセンサーパラメーター1〜nで上書きされるので、リフレッシュ処理の後は、処理部100が正常な処理を行うことができる。従って、第2実施形態のセンシング装置によれば、センサーパラメーターの破壊に起因する性能の劣化を低減することができる。
【0102】
また、第2実施形態のセンシング装置によれば、ROM40のセンサーパラメーターとRAM30のセンサーパラメーターが一致する場合の不要なリフレッシュ処理が行われないようにしてメモリーアクセスに伴う消費電力を低減することができる。
【0103】
さらに、第2実施形態のセンシング装置によれば、ROM40とRAM30で一致しないセンサーパラメーターが1つでも見つかった時点で残りのセンサーパラメーターの判定処理を行わないので、判定処理を高速化することができる。
【0104】
なお、第1実施形態と共通する効果についてはその記載を省略する。
【0105】
(3)第3実施形態
[構成]
第3実施形態のセンシング装置の全体構成は図1と同様であるため、その図示及び説明を省略する。また、第3実施形態におけるマイクロコンピューター10とセンサーモジュール20の構成も図2に示した構成と同様であるので、その図示と説明を省略する。ただし、第3実施形態では、メモリー制御部130によるリフレッシュ処理が第1実施形態と異なるので、この相違点についてのみ説明する。
【0106】
第3実施形態のメモリー制御部130は、ROM40からセンサーパラメーターkを読み出すとともにRAM30からセンサーパラメータkを読み出して両者が一致するか否かを判定する判定処理をk=1から順番に行い、一致しないセンサーパラメーターkについてのみリフレッシュ処理を行う。
【0107】
[リフレッシュ処理]
図6は、第3実施形態におけるリフレッシュ処理の手順を示すフローチャート図である。図6において、図4又は図5と同様の処理を行うステップには同じ符号を付しており、その説明を省略又は簡略する。
【0108】
図6に示すように、センシング装置1の電源がオンになると、メモリー制御部130は、RAM30の初期化処理(ステップS20〜S60の処理)を行う。
【0109】
次に、メモリー制御部130は、リフレッシュ機能がオンかオフかを判定し(ステップS70)、オンであれば(ステップS70のY)リフレッシュ周期Tの計測を開始する(ステップS80)。
【0110】
次に、メモリー制御部130は、k=1に設定して(ステップS81)ROM40とRAM30からセンサーパラメーターkを読み出し(ステップS82、S83)、ROM40から読み出したセンサーパラメーターkとRAM30から読み出したセンサーパラメーターkが一致するか否かを判定する(ステップS84)。この両者が一致しない場合は(ステップS84のN)、ROM40から読み出したセンサーパラメーターkをRAM30に上書きする(ステップS110)。
【0111】
そして、メモリー制御部130は、k=nになるまで(ステップS120でYになるまで)kを1ずつ増やして(ステップS130)ステップS82〜S110の処理を繰り返し行う。k=nになると(ステップS120のY)、RAM30には、ステップS84で不一致と判定されたセンサーパラメーターのみが上書きされている。
【0112】
リフレッシュ周期Tが経過し(ステップS140のY)、電源がオフでなければ(ステップS150のN)、メモリー制御部130は、再び、リフレッシュ機能がオンかオフかを判定する(ステップS70)。
【0113】
以降は、電源がオフになるまで(ステップS150でYになるまで)、リフレッシュ機能がオンであれば(ステップS70のY)一定周期Tでリフレッシュ処理(ステップS81〜S130の処理)が繰り返し行われる。
【0114】
以上に説明した第3実施形態のセンシング装置によれば、RAM30に書き込まれたセンサーパラメーター1〜nのうち破壊されたすべてのセンサーパラメーターがリフレッシュ処理によりROM40に記憶されているセンサーパラメーターで上書きされるので、リフレッシュ処理の後は、処理部100が正常な処理を行うことができる。従って、第3実施形態のセンシング装置によれば、センサーパラメーターの破壊に起因する性能の劣化を低減することができる。
【0115】
また、第3実施形態のセンシング装置によれば、ROM40のセンサーパラメーターとRAM30のセンサーパラメーターが一致する場合の不要なリフレッシュ処理が行われないようにしてメモリーアクセスに伴う消費電力を低減することができる。
【0116】
さらに、第3実施形態のセンシング装置によれば、ROM40とRAM30で一致しないセンサーパラメーターのみがリフレッシュ処理の対象となるので、リフレッシュ処理を高速化するとともにメモリーアクセスに伴う消費電力を低減することができる。
【0117】
なお、第1実施形態と共通する効果についてはその記載を省略する。
【0118】
(4)第4実施形態
[構成]
第4実施形態のセンシング装置の全体構成は図1と同様であるため、その図示及び説明を省略する。また、第4実施形態におけるマイクロコンピューター10とセンサーモジュール20の構成も図2に示した構成と同様であるので、その図示と説明を省略する。ただし、第4実施形態では、メモリー制御部130によるリフレッシュ処理が第1実施形態と異なるので、この相違点についてのみ説明する。
【0119】
第4実施形態のメモリー制御部130は、センサー200−1〜Nの検出値の絶対値を所与の閾値と比較し、比較結果に基づいてリフレッシュ処理を行う。具体的には、メモリー制御部130は、センサー200−1〜Nの検出値の絶対値の少なくとも1つが閾値よりも大きい場合にリフレッシュ処理を行う。
【0120】
また、第4実施形態では、リフレッシュ設定レジスター142は、少なくとも、リフレッシュ許可ビットと、センサー200−1〜Nの検出値と比較する閾値を表す閾値ビットとを含んで構成されている。
【0121】
[リフレッシュ処理]
図7は、第4実施形態におけるリフレッシュ処理の手順を示すフローチャート図である。図7において、図4と同様の処理を行うステップには同じ符号を付しており、その説明を省略又は簡略する。
【0122】
図7に示すように、センシング装置1の電源がオンになると、メモリー制御部130は、RAM30の初期化処理(ステップS20〜S60の処理)を行う。
【0123】
次に、メモリー制御部130は、リフレッシュ機能がオンかオフかを判定し(ステップS70)、オンであれば(ステップS70のY)、センサーモジュール20の出力信号22に含まれるセンサー200−1〜Nの各検出値の絶対値が、リフレッシュ設定レジスター142の閾値ビットで設定されている閾値よりも大きいか否か判定する(ステップS74)。
【0124】
センサー200−1〜Nの検出値の絶対値がすべて閾値以下の場合(ステップS74のN)、電源がオフでなければ(ステップS150のN)、メモリー制御部130は、再びリフレッシュ機能がオンかオフかを判定する(ステップS70)。
【0125】
一方、センサー200−1〜Nの検出値の絶対値の少なくとも1つが閾値よりも大きい場合(ステップS74のY)、メモリー制御部130は、リフレッシュ処理(ステップS90〜S130の処理)を行う。そして、電源がオフでなければ(ステップS150のN)、メモリー制御部130は、再びリフレッシュ機能がオンかオフかを判定する(ステップS70)。
【0126】
以降は、電源がオフになるまで(ステップS150でYになるまで)、リフレッシュ機能がオンであれば(ステップS70のY)、ステップS74の判定処理とセンサー200−1〜Nの検出値の絶対値の少なくとも1つが閾値よりも大きい場合のリフレッシュ処理(ステップS90〜S130の処理)が繰り返し行われる。
【0127】
以上に説明した第4実施形態のセンシング装置によれば、センサーモジュール20の出力信号22に順番に周期的に現れるセンサー1〜Nの検出値の絶対値の少なくとも1つが閾値よりも大きくなれば、RAM30に書き込まれたセンサーパラメーター1〜nのすべてがリフレッシュ処理によりROM40に記憶されているセンサーパラメーターで上書きされるので、リフレッシュ処理の後は、処理部100が正常な処理を行うことができる。従って、第4実施形態のセンシング装置によれば、センサーパラメーターの破壊に起因する性能の劣化を低減することができる。
【0128】
また、第4実施形態のセンシング装置によれば、センサー1〜Nの検出値に応じてリフレッシュ処理のタイミングを制御することができる。例えば、センサー1〜Nが加速度センサーや角速度センサー等のモーションセンサーであれば、その検出値が比較的大きい場合、すなわち、センシング装置の動き量が比較的大きい場合はノイズも大きくなると考えられるので、RAM30に書き込まれたセンサーパラメーターのデータ破壊が生じる確率が高くなる。従って、モーションセンサーの検出値の絶対値が閾値よりも大きい場合にリフレッシュ処理を行うことで、センサーパラメーターの破壊に起因する性能の劣化を低減することができる。
【0129】
なお、第1実施形態と共通する効果についてはその記載を省略する。
【0130】
(5)第5実施形態
[構成]
第5実施形態のセンシング装置の全体構成は図1と同様であるため、その図示及び説明を省略する。また、第5実施形態におけるマイクロコンピューター10とセンサーモジュール20の構成も図2に示した構成と同様であるので、その図示と説明を省略する。ただし、第5実施形態では、メモリー制御部130によるリフレッシュ処理が第1実施形態と異なるので、この相違点についてのみ説明する。
【0131】
第5実施形態のメモリー制御部130は、センサー200−1〜Nの検出値の絶対値を所与の閾値と比較し、所与の時間にわたる比較結果に基づいてリフレッシュ処理を行う。具体的には、メモリー制御部130は、所与の時間継続してセンサー200−1〜Nの検出値の絶対値の少なくとも1つが閾値よりも大きい場合にリフレッシュ処理を行う。
【0132】
また、第5実施形態では、リフレッシュ設定レジスター142は、少なくとも、リフレッシュ許可ビットと、閾値ビットと、センサー200−1〜Nの検出値の絶対値を閾値と比較する時間を表す比較時間ビットとを含んで構成されている。
【0133】
[リフレッシュ処理]
図8は、第5実施形態におけるリフレッシュ処理の手順を示すフローチャート図である。図8において、図7と同様の処理を行うステップには同じ符号を付しており、その説明を省略又は簡略する。
【0134】
図8に示すように、センシング装置1の電源がオンになると、メモリー制御部130は、RAM30の初期化処理(ステップS20〜S60の処理)を行う。
【0135】
次に、メモリー制御部130は、リフレッシュ機能がオンかオフかを判定し(ステップS70)、オンであれば(ステップS70のY)、リフレッシュ設定レジスター142の比較時間ビットで設定されている比較時間Tの計測を開始する(ステップS72)。
【0136】
次に、メモリー制御部130は、センサーモジュール20の出力信号22に含まれるセンサー200−1〜Nの各検出値の絶対値が閾値よりも大きいか否か判定する(ステップS74)。
【0137】
比較時間Tが経過する前に(ステップS76でYになる前に)センサー200−1〜Nの検出値の絶対値がすべて閾値以下になれば(ステップS74のN)、電源がオフでなければ(ステップS150のN)、メモリー制御部130は、再びリフレッシュ機能がオンかオフかを判定する(ステップS70)。
【0138】
一方、比較時間Tが経過するまで(ステップS76でYになるまで)センサー200−1〜Nの検出値の絶対値の少なくとも1つが閾値よりも大きい場合(ステップS74のY)、メモリー制御部130は、リフレッシュ処理(ステップS90〜S130の処理)を行う。そして、電源がオフでなければ(ステップS150のN)、メモリー制御部130は、再びリフレッシュ機能がオンかオフかを判定する(ステップS70)。
【0139】
以降は、電源がオフになるまで(ステップS150でYになるまで)、リフレッシュ機能がオンであれば(ステップS70のY)、比較時間Tの間継続してセンサー200−1〜Nの検出値の絶対値の少なくとも1つが閾値よりも大きければリフレッシュ処理(ステップS90〜S130の処理)が繰り返し行われる。
【0140】
以上に説明した第5実施形態のセンシング装置によれば、センサーモジュール20の出力信号22に順番に周期的に現れるセンサー1〜Nの検出値の絶対値の少なくとも1つが閾値よりも大きい状態が比較時間T以上継続すれば、RAM30に書き込まれたセンサーパラメーター1〜nのすべてがリフレッシュ処理によりROM40に記憶されているセンサーパラメーターで上書きされるので、リフレッシュ処理の後は、処理部100が正常な処理を行うことができる。従って、第5実施形態のセンシング装置によれば、センサーパラメーターの破壊に起因する性能の劣化を低減することができる。
【0141】
なお、第1実施形態又は第4実施形態と共通する効果についてはその記載を省略する。
【0142】
(6)第6実施形態
[構成]
第6実施形態のセンシング装置の全体構成は図1と同様であるため、その図示及び説明を省略する。また、第6実施形態におけるマイクロコンピューター10とセンサーモジュール20の構成も図2に示した構成と同様であるので、その図示と説明を省略する。ただし、第6実施形態では、メモリー制御部130によるリフレッシュ処理が第1実施形態と異なるので、この相違点についてのみ説明する。
【0143】
第6実施形態のメモリー制御部130は、センサー200−1〜Nの検出値の絶対値を所与の閾値と比較し、比較結果が第1の比較結果であれば、リフレッシュ処理を開始し、比較結果が第2の比較結果になるまでリフレッシュ処理を一定の周期で繰り返し行う。具体的には、メモリー制御部130は、センサー200−1〜Nの検出値の絶対値の少なくとも1つが第1閾値よりも大きい(第1の比較結果の一例)場合にリフレッシュ処理を開始し、センサー200−1〜Nの検出値の絶対値のすべてが第2閾値よりも小さくなる(第2の比較結果の一例)までリフレッシュ処理を一定の周期で繰り返し行う。ここで、第1閾値と第2閾値は同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。例えば、第2閾値を第1閾値よりも小さくすることで、センサーパラメーター1〜nの定期的なリフレッシュ処理の開始条件と停止条件の判定にヒステリシスを持たせることができる。
【0144】
また、第6実施形態では、リフレッシュ設定レジスター142は、少なくとも、リフレッシュ許可ビットと、リフレッシュ周期ビットと、センサー200−1〜Nの検出値の絶対値と比較する第1閾値を表す第1閾値ビットと、センサー200−1〜Nの検出値と比較する第2閾値を表す第2閾値ビットとを含んで構成されている。
【0145】
[リフレッシュ処理]
図9は、第6実施形態におけるリフレッシュ処理の手順を示すフローチャート図である。図9において、図4又は図7と同様の処理を行うステップには同じ符号を付しており、その説明を省略又は簡略する。
【0146】
図9に示すように、センシング装置1の電源がオンになると、メモリー制御部130は、RAM30の初期化処理(ステップS20〜S60の処理)を行う。
【0147】
次に、メモリー制御部130は、リフレッシュ機能がオンかオフかを判定し(ステップS70)、オンであれば(ステップS70のY)、センサーモジュール20の出力信号22に含まれるセンサー200−1〜Nの各検出値の絶対値が、リフレッシュ設定レジスター142の第1閾値ビットで設定されている第1閾値よりも大きいか否か判定する(ステップS78)。
【0148】
センサー200−1〜Nの検出値の絶対値がすべて第1閾値以下の場合(ステップS78のN)、電源がオフでなければ(ステップS150のN)、メモリー制御部130は、再びリフレッシュ機能がオンかオフかを判定する(ステップS70)。
【0149】
一方、センサー200−1〜Nの検出値の絶対値の少なくとも1つが第1閾値よりも大きい場合(ステップS78のY)、メモリー制御部130は、リフレッシュ周期Tの計測を開始し(ステップS80)、リフレッシュ処理(ステップS90〜S130の処理)を行う。
【0150】
次に、メモリー制御部130は、センサーモジュール20の出力信号22に含まれるセンサー200−1〜Nの各検出値の絶対値が、リフレッシュ設定レジスター142の第2閾値ビットで設定されている第2閾値よりも小さいか否か判定する(ステップS132)。
【0151】
リフレッシュ周期Tが経過する前に(ステップS140でYになる前に)センサー200−1〜Nの検出値の絶対値のすべてが第2閾値よりも小さくなれば(ステップS132のY)、電源がオフでなければ(ステップS150のN)、メモリー制御部130は、再び、リフレッシュ機能がオンかオフかを判定する(ステップS70)。
【0152】
一方、リフレッシュ周期Tが経過するまで(ステップS140のYになるまで)センサー200−1〜Nの検出値の絶対値の少なくとも1つが第2閾値よりも大きい場合は(ステップS132のN)、メモリー制御部130は、リフレッシュ周期Tの計測を開始し(ステップS80)、再びリフレッシュ処理(ステップS90〜S130の処理)を行う。
【0153】
以降は、電源がオフになるまで(ステップS150でYになるまで)、リフレッシュ機能がオンであれば(ステップS70のY)、センサー200−1〜Nの検出値の絶対値の少なくとも1つが第1閾値よりも大きくなる度に、センサー200−1〜Nの検出値の絶対値のすべてが第2閾値よりも小さくなるまで、リフレッシュ処理(ステップS90〜S130の処理)が一定周期Tで繰り返し行われる。
【0154】
以上に説明した第6実施形態のセンシング装置によれば、センサーモジュール20の出力信号22に順番に周期的に現れるセンサー1〜Nの検出値の絶対値の少なくとも1つが第1閾値よりも大きくなれば、RAM30に書き込まれたセンサーパラメーター1〜nのすべてがリフレッシュ処理によりROM40に記憶されているセンサーパラメーターで上書きされるので、リフレッシュ処理の後は、処理部100が正常な処理を行うことができる。従って、第6実施形態のセンシング装置によれば、センサーパラメーターの破壊に起因する性能の劣化を低減することができる。
【0155】
また、第6実施形態のセンシング装置によれば、センサー1〜Nの検出値の絶対値の少なくとも1つが第1閾値よりも大きくなってから、センサー1〜Nの検出値の絶対値のすべてが第2閾値よりも小さくなるまでの間だけ、定期的なリフレッシュ処理が行われるようにすることができる。
【0156】
なお、第1実施形態又は第4実施形態と共通する効果についてはその記載を省略する。
【0157】
2.電子機器
図10は、本実施形態のセンシング装置を含む電子機器の構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態の電子機器500は、センシング装置400、ホストCPU300、操作部310、表示部320、ROM(Read Only Memory)330、RAM(Random Access Memory)340、通信部350を含んで構成されている。
【0158】
ホストCPU(マイクロコンピューター)300は、ROM330に記憶されているプログラムに従って、各種の計算処理や制御処理を行う。具体的には、ホストCPU300は、センシング装置400に対して各種の制御コマンドを送信してセンシング装置400の動作を制御したり、センシング装置400からデータを受け取って各種の計算処理をする。また、ホストCPU300は、操作部310からの操作信号に応じた各種の処理、表示部320に各種の情報を表示させるための表示信号を送信する処理、外部とデータ通信を行うために通信部350を制御する処理等を行う。
【0159】
操作部310は、操作キーやボタンスイッチ等により構成される入力装置であり、ユーザーによる操作に応じた操作信号をホストCPU300に出力する。
【0160】
表示部320は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成される表示装置であり、ホストCPU300から入力される表示信号に基づいて各種の情報(例えば、ナビゲーション情報等)を表示する。
【0161】
ROM330は、ホストCPU300が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムや、各種のアプリケーションプログラムやデータ等(例えば、ナビゲーションや姿勢制御を行うためのプログラムやデータ等)を記憶している。
【0162】
RAM340は、ホストCPU300の作業領域として用いられ、ROM330から読み出されたプログラムやデータ、操作部310から入力されたデータ、ホストCPU300が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶する。
【0163】
通信部350は、CPU300と外部装置との間のデータ通信を成立させるための各種制御を行う。
【0164】
センシング装置400は、例えば、前述した第1〜第6実施形態のセンシング装置のいずれかであり、所与のタイミングで、センシング装置400の内部RAMのセンサーパラメーターが内部ROMのセンサーパラメーターで上書きされる。このセンシング装置400を組み込むことにより、より信頼性の高い電子機器を実現することができる。
【0165】
なお、電子機器500としては、ゲームコントローラや3次元マウス等の入力機器、ラジコンヘリ等の玩具、ロボット、航法装置(ナビゲーション装置)、携帯電話機、モバイルパソコン等の種々の電子機器が挙げられる。
【0166】
なお、本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0167】
例えば、矛盾のない限り、第2〜第6実施形態を任意に組み合わせたセンサー装置に変形してもよい。例えば、第4〜第6実施形態のいずれかのリフレッシュ処理を、第2実施形態又は第3実施形態におけるRAM30とROM40のセンサーパラメーターの一致判定処理及びリフレッシュ処理に置き換えたセンサー装置に変形してもよい。
【0168】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0169】
1 センシング装置、10 マイクロコンピューター、12 マイクロコンピューターの出力信号、20 センサーモジュール、22 センサーモジュールの出力信号、30 ランダムアクセスメモリー(RAM)、40 リードオンリーメモリー(ROM)、50 入力部、60 出力部、62 センシング装置の出力信号、70 電源生成部、80 バス、90 クロック信号、100 処理部、110 データ補正部、112 データ補正部の出力信号、120 データ演算部、130 メモリー制御部、140 レジスター部、142 リフレッシュ設定レジスター、200−1〜N センサー、210−1〜N アナログフロントエンド(AFE)、220 アナログ−デジタル変換器(ADC)、300 ホストCPU、310 操作部、320 表示部、330 ROM、340 RAM、350 通信部、400 センシング装置、500 電子機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサーと、
前記センサーに関連付けられるパラメーターを記憶した不揮発性の第1のメモリーと、
第2のメモリーと、
前記第1のメモリーから前記パラメーターを読み出して前記第2のメモリーに書き込んだ後、所与のタイミングで、前記第1のメモリーから前記パラメーターを読み出して前記第2のメモリーに上書きするリフレッシュ処理を行うメモリー制御部と、
前記第2のメモリーに書き込まれた前記パラメーターに基づいて、前記センサーの信号処理を行う処理部と、を含む、センシング装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記センシング装置は、さらにレジスター部を含み、
前記メモリー制御部は、前記レジスター部から前記リフレッシュ処理の周期に関するリフレッシュ周期情報を受け取り、当該リフレッシュ周期情報に応じた周期で前記リフレッシュ処理を行う、センシング装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記センシング装置は、前記処理部からの出力データを外部に出力する出力部をさらに含み、
前記リフレッシュ処理の周期が、前記出力データを外部装置がサンプリングする周期以下である、センシング装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記メモリー制御部は、
前記センサーの検出値を所与の閾値と比較し、比較結果に基づいて前記リフレッシュ処理を行う、センシング装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記メモリー制御部は、
前記比較結果において、所与の時間にわたって前記センサーの検出値が前記閾値より大きい状態が継続する場合に前記リフレッシュ処理を行う、センシング装置。
【請求項6】
請求項4において、
前記メモリー制御部は、
前記比較結果が第1の比較結果であれば、前記リフレッシュ処理を開始し、前記比較結果が第2の比較結果になるまで前記リフレッシュ処理を一定の周期で繰り返し行う、センシング装置。
【請求項7】
請求項1において、
前記メモリー制御部は、
前記第1のメモリーから前記パラメーターを読み出すとともに前記第2のメモリーから前記パラメーターを読み出して両者が一致するか否かを判定する判定処理を行い、一致しない場合に前記リフレッシュ処理を行う、センシング装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記第1のメモリーは、
複数の前記パラメーターが記憶され、
前記メモリー制御部は、
前記複数のパラメーターの少なくとも一つについて前記判定処理を行い、一致しないパラメーターが見つかった場合には、残りのパラメーターについては前記判定処理を行わずにすべてのパラメーターについて前記リフレッシュ処理を行う、センシング装置。
【請求項9】
請求項7において、
前記第1のメモリーは、
複数の前記パラメーターが記憶され、
前記メモリー制御部は、
前記複数のパラメーターの各々について前記判定処理を行い、一致しないパラメーターについて前記リフレッシュ処理を行う、センシング装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項において、
前記メモリー制御部は、
前記リフレッシュ処理を許可するか否かに関するリフレッシュ許可情報を受け取り、当該リフレッシュ許可情報により前記リフレッシュ処理が許可されている場合に前記リフレッシュ処理を行う、センシング装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載のセンシング装置を含む、電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−32262(P2012−32262A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171616(P2010−171616)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】