説明

ゼリー状固形物の包装袋

【課題】ゼリー状固形物を密封した包装袋で、包装袋を開封し、包装袋の下部を圧縮して内容物を、開封部から押し出す際に、内容物の飛び出しを抑制する抑制手段を有し、かつ便利性に富んだ包装袋を提供することである。
【解決手段】表裏一対のフィルムを袋状に熱シールしてなり、内部にゼリー状固形物が密封包装された包装袋であって、ゼリー状固形物が密封された収容部と、前記収容部の上部を開封するための開封手段と、前記収容部が開封された状態で、前記収容部の下部を圧縮した時に、該収容部の下部から上部へ向かうゼリー状固形物の移動を抑制する側辺熱シール部と、を備えたゼリー状固形物の包装袋である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼリー状固形物食品が密封された包装袋で、包装袋を開封後、内容物を包装袋から押し出す際に、内容物の飛び出しを抑制するための抑制手段を有する包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゼリー状固形物食品(以下、ゼリー状固形物という)を収納する包装容器としては、コーヒーゼリーや果汁入りゼリー等のカップ状包装容器が多い。また包装袋も、便利さ、手軽さから使用されている。
【0003】
最近になって、健康食品として、タンパク質、ビタミンなどの栄養剤を補給するために、液体とは異なるゼリー状固形物を収納した包装容器が販売されている。例えば手軽に取り扱うことができ、飲む感覚で口にすることができる口栓付き袋(パウチ)が色々出されている。その袋の胴部を手指で圧縮しながら口栓の注出口から内容物を口へ注ぐもので、特にゼリー状固形物を軟らくし、流動性を持たせ、飲む感覚で食するようにしたものである。
【0004】
ゼリー状固形物は、その硬軟性及び流動性から、それぞれに合った包装容器の形態が用いられている。
【0005】
特にゼリー状固形物を密封した包装袋は、直接内容物を口に入れるものに多く使用されている。包装袋の下部を手指で圧縮し、内容物を袋の開封部に移動させ、開封部より内容物を口の中に吸い込ませるのである。内容物を手軽に食することができる。また包装袋は、安価であるために広く使用されている。しかし包装袋を開封する際、包装袋の下部を圧縮するために内容物が飛び出し、手指や着衣を汚したりする問題がある。また内容物を包装袋から押し出し食する際に、勢いよく飛び出すことが原因で喉に詰まる問題もある。
【0006】
これらの問題を解決するために、例えば、包装袋の収容部の幅に比べて開封部の幅を狭小にし、袋の下部を圧縮した際に、内容物が飛び出すのを防止する提案がある。収容部の開封部を狭くするように熱シール部を設ける提案である。しかし内容物の容量により開封部の幅をそれぞれ決めることから、それぞれの熱シール部に合わせるように熱シール板を作成するする必要がある。また製袋機上での熱シール板の取付け、取り外しの手間が掛かり、生産効率を下げる問題がある(特許文献1)。
【0007】
また注出路付きの包装袋で、注出路の部分に更にそれを細分化するために、線状に熱シールして注出路を狭くし、内容物の飛び出し防止の提案がある。内容物が液状の調味料の提案である。本発明の包装袋の趣旨とは異なる。しかしゼリー状固形物に使用しても、袋の下部を圧縮した際に、ゼリー状固形物が線状なり、本来のゼリー状固形物の食感が無くなる問題がある(特許文献2)。
【0008】
背景技術の問題に鑑みて、内容物の飛び出しを抑制する抑制手段を有し、便利性に富んだ包装袋が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−213690号公報
【特許文献2】特開2000−142735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ゼリー状固形物を密封した包装袋で、包装袋を開封し、包装袋の下部を圧縮して内容物を、開封部から押し出す際に、内容物の飛び出しを抑制するための抑制手段を有し、かつ便利性に富んだ包装袋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、発明者らは鋭意検討を行い、本発明を完成した。
【0012】
本発明の請求項1に係る発明は、表裏一対のフィルムを袋状に熱シールしてなり、内部にゼリー状固形物が密封包装された包装袋であって、
ゼリー状固形物が密封された収容部と、
前記収容部の上部を開封するための開封手段と
前記収容部が開封された状態で、前記収容部の下部を圧縮した時に、
該収容部の下部から上部へ向かうゼリー状固形物の移動を抑制する側辺熱シール部と、
を備えたゼリー状固形物の包装袋である。
【0013】
本発明の請求項2に係る発明は、前記側辺熱シール部が、前記収容部を形成する側辺熱シール部であって、該側辺熱シール部の内側辺が連続した凹凸形状であることを特徴とする請求項1記載のゼリー状固形物の包装袋。
【0014】
本発明の請求項3に係る発明は、前記凹凸形状が、三角形状、台形形状、円弧形状であることを特徴とする請求項2記載のゼリー状固形物の包装袋である。
【0015】
本発明の請求項4に係る発明は、前記開封手段が、前記収容部を形成する少なくとも片側の側辺熱シール部の上部に備えた切欠部であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のゼリー状固形物の包装袋である。
【0016】
本発明の請求項5に係る発明は、前記収容部の開封部を再封するための再封手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4何れか1項に記載のゼリー状固形物の包装袋である。
【0017】
本発明の請求項6に係る発明は前記包装袋が、三方シール袋、四方シール袋、スタンディング袋の何れかであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のゼリー状固形物の包装袋である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の包装袋は、ゼリー状固形物を密封する収容部を形成する側辺熱シール部を連続した凹凸形状にすることにより、内容物の飛び出しを抑制するものである。
【0019】
本発明の請求項1によれば、本発明のゼリー状固形物を密封した包装袋は、表裏一対のフィルムを袋状に熱シールしてなる包装袋であって、ゼリー状固形物が密封されている収容部と、前記収容部の上部を開封するための開封手段と前記収容部が開封された状態で、前記収容部の下部を圧縮した時に、該収容部の下部から上部へ向かうゼリー状固形物の移動を抑制する側辺熱シール部と、を備えたゼリー状固形物の包装袋である。収容部の上部を開封する際に、フィルムを引き裂くための切欠部を設けている。この切欠部は収容部を形成する側辺熱シール部の上部に設けている。この切欠部を始点として表裏のフィルムを切り裂くことができる。また収容部を開封後、収容部の下部を手指で圧縮して内容物を食する際に、開封部から勢いよく飛び出さないように、内容物の下部から上部への移動を抑制する側辺熱シール部を備えている。
【0020】
本発明の請求項2によれば、前記側辺熱シール部が、前記収容部を形成する側辺熱シール部であって、該側辺熱シール部の内側辺が連続した凹凸形状であることを特徴とする。即ち収容部を形成する側辺熱シール部がギザギザ形状である。側辺熱シール部が凹凸形状であることから、収容部の下部を手指で圧縮し押し出す際に、内容物が下部から上部への移動を抑制する効果がある。即ち凹凸形状の凸部が堰となり、上方向への移動を抑制するのである。この凹凸形状が連続して設けられているために、抑制効果を更に向上させることができる。収容部を開封後、収容部の下部を手指で圧縮して内容物を食する際に、開封部から勢いよく飛び出さないように、内容物の下部から上部への移動を抑制するための抑制手段である。
【0021】
また連続した凹凸形状を有する側辺熱シール部は、片側の側辺熱シール部もしくは両側の側辺熱シール部でもよい。また開封部付近の側辺熱シール部の一部の部位でもよいが、内容物の飛び出し抑制効果から、片側もしくは両側の側辺熱シール部全体に設けた方がよい。側辺熱シール部を凹凸形状にするのは、側辺熱シール部の内側辺で、内容物側の部位である。
【0022】
本発明の請求項3によれば、前記凹凸形状が、三角形状、台形形状、円弧形状であることを特徴とする。側辺熱シール部が、上記の形状であれば、ゼリー状固形物の下部から上部へ移動を安定して行うことができる。またこれら凹凸形状の凸部が、内容物の移動の堰となり、飛び出しを抑制することができる。この凹凸部が連続して形成されているために、更に安定して抑制することができる。しかし四角形状では、四角の隅に内容物が残留する問題がある。内容物の残留が起きない形状にする必要がある。内容物の残留が起きない形状であれば、特に上記の形状に限定されない。また側辺熱シール部形状は、内容物の種類や容量から包装袋の収容部のサイズと関連して、適宜決めればよい。
【0023】
本発明の請求項4によれば、開封手段が、前記収容部を形成する少なくとも片側の側辺熱シール部の上部に備えた切欠部であることを特徴とする。所謂ノッチである。収容部を開封するために使用する切欠部である。この切欠部を始点として表裏のフィルムを切り裂くことにより収容部、即ち包装袋を切り裂くことができる。この切欠部により安定して開封することができる。
【0024】
本発明の請求項5によれば、収容部の開封部を再封するための再封手段を備えたことを特徴とする。食残した内容物を再封し保存するために、ポリチャックなどの再封手段を備えたものである。再封手段としては、ポリチャックの他、袋の開封部の表面に粘着剤や粘着テープを貼って、折り畳んで再封することもできる。再封可能にすることにより持ち運びが容易にでき、便利性に富んだ包装袋ができる。
【0025】
本発明の請求項6によれば、包装袋が、三方シール袋、四方シール袋、スタンディング袋の何れかであることを特徴とする。また収容部を形成する側辺熱シール部を、連続した凹凸形状にできれば、特殊な異形袋でもよく、特に包装袋の形状にはこだわらない。
【0026】
本発明の包装袋は、ゼリー状固形物を密封した包装袋である。ユーザーは、包装袋を開封後、開封部を口に近付け、収容部の下部を手指で圧縮しながら、内容物を押し出して食する。収容部の側辺熱シール部に内容物の飛び出しを抑制するための抑制手段を備えたことで、包装袋から内容物を押し出す際に、内容物が勢いよく飛び出したりせず、手指や着衣を汚すことがない。また内容物の飛び出しを抑制する効果と共に、押し出された内容物が逆戻りしない戻り防止効果も有している。押し出された内容物が、手指の圧縮を弱めた時に、包装袋内に戻ってしまうことがなく、食し易い。また内容物は、収容部とほぼ同等の形状の一つの塊になっているために、口に含んだ時に内容物を噛み切りやすい。
【0027】
本発明の包装袋は、製袋機上で、側辺を所望する形状で熱シールすることにより、容易に作成することができる。特別な部品を使用することなく、かつ複雑な工程を踏むこともなく、包装袋を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の包装袋の一例を示す説明図である。
【図2】図1の包装袋を開封した時の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の包装袋の一例を示す説明図である。
【図4】図3の包装袋の開封した時の一例を示す説明図である。
【図5】本発明の包装袋の一例を示す説明図である。
【図6】本発明の包装袋の別の形態の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下本発明を実施するための形態につき説明する。
【0030】
図1は、本発明の包装袋の一例を示す説明図である。本発明の包装袋1は、図1に示すように、一枚のフィルムを底部で折り返し、表フィルムと裏フィルムとを重ね、収容部19を形成する両側の側辺熱シール部12を連続した三角形状20にし、熱シールしたものである。即ち三角状のギザギザ形状である。ゼリー状固形物を充填した後、収容部の上部を熱シールした三方シール袋である。この場合、収容部の上部の熱シール部11の形状は、特に側辺熱シール部と同様にすることはなく、通常の直線形状でよい。包装袋1には、収容部19を開封するための切欠部14を設けている。この切欠部14は、一般的に一字形ノッチやV字形ノッチと言われている。このノッチを始点として表裏フィルムを切り裂き、開封部を形成することができる。
【0031】
収容部を形成する側辺熱シール部12を連続した三角形状20にすることにより、飛び出しを抑制するのである。即ち三角形状の凸部22が、包装袋を開封後、収容部19の下部を手指で圧縮してゼリー状固形物を押し出す際に、堰となり、飛び出しを抑制するのである。またこの三角形状が連続して設けられているために、飛び出しを抑制する効果が更に増大するのである。
【0032】
また収容部を再封する手段としてポリチャック16を設けている。
【0033】
図2は、図1の包装袋1を開封した時の一例を示す説明図である。開封後にゼリー状固形物40が開封部17より押し出された状態を示している。収容部を形成する側辺熱シール部12を連続した三角形状20にすることにより、収容部19の下部を手指で圧縮Aしてゼリー状固形物40を押し出す際に、勢いよく飛び出すのを抑制することができる。また押し出された内容物は、収容部の形状とほぼ同等の形状の一つの塊となっているために、口に入れた際には、噛み切り易くなっている。また内容物が勢いよく飛び出すのを抑制することから、喉に詰まるのを防ぐことができる。
【0034】
図3は、本発明の包装袋の一例を示す説明図である。本発明の包装袋2の一例を示す説明図である。一枚のフィルムを片側の側部で折り返し、表フィルムと裏フィルムを重ね、一方の側辺熱シール部12を連続した三角形状20にし、熱シールしたものである。また底部も熱シールし、ゼリー状固形物を充填した後、収容部の上部を熱シールした三方シール袋である。この場合、収容部の上部の熱シール部11の形状および底部の熱シール部13の形状は、特に側辺熱シール部と同様にすることはなく、通常の直線形状でよい。即ち収容部19を形成する片側の側辺熱シール部12を連続した三角形状に熱シールし、かつ底部を熱シールし、ゼリー状固形物を充填した後、収容部の上部を熱シールした包装袋2である。片側の側辺熱シール部だけでも、堰としての効果があり、内容物の飛び出しを抑制することができる。この包装袋2には、収容部19を開封するための切欠部14を設けている。また表裏のフィルムを引き裂くために、表フィルム10に切欠部14と連設して切込み線15を設けている。また表裏のフィルムに切込み線を設けてもよい。切欠部14を始点として容易に表裏のフィルムを引き裂くことができる。安定して開封するためには、包装袋の材料構成を幅方向に切れやすい構成にしてもよい。
【0035】
図4は、図3の包装袋2の開封した時の一例を示す説明図である。開封後にゼリー状固形物40が開封部17より押し出された状態を示している。片側の側辺熱シール部12を連続した三角形状20にすることにより、内容物の飛び出しを抑制することができる。また押し出された内容物は、収容部の形状とほぼ同等の形状の一つの塊となっているために、口に入れた際には、噛み切り易くなっている。また勢いよく飛び出すのを抑制することで喉に詰まるのを防ぐことができる。
【0036】
図5は、本発明の包装袋の一例を示す説明図である。本発明の包装袋3の一例を示す説明図である。図1の包装袋1の側辺熱シール部12を連続した円弧形状にしたものである。即ち円弧状のギザギザ形状にしたものである。このような円弧形状にしても、三角形状と同様に内容物の飛び出しを抑制することができる。また台形形状にしても可能である。しかし四角状は、角の隅にゼリー状固形物が残留する問題がある。側辺熱シール部の形状は、特にゼリー状固形物の残留が起きない形状が好ましい。
【0037】
図6は、本発明の包装袋の別の形態の一例を示す説明図である。本発明の包装袋4の一例を示す説明図である。包装袋4はスタンディング袋50を示している。収納部を形成するために、表フィルムと裏のフィルムを重ねあわせた間に、収容部の底部を形成するための底テープ60を差し込み、両側の側辺と底部を熱シールする。ゼリー状固形物を充填した後、収容部の上部を熱シールしたスタンディング袋4である。側辺熱シール部の上部には、開封するための切欠部と再封するためのポリチャックを設けている。スタンディング袋50は、その形状から三方シール袋、四方シール袋よりも内容物の容量が多く収容でき、かつ自立性を有しているために、店頭での陳列効果もある。
【0038】
次に開封手段としては、切欠部14の他に、切込み線15としてレーザー光照射によるハーフカット線、或いはパウチの積層フィルム中に一軸延伸フィルムを積層する方法(この場合、一軸延伸フィルムは、その延伸方向が開封方向と一致するように用いる)などがある。これらを単独で用いてもよく、また切欠部14と切込み線15、または切欠部と一軸延伸フィルムの積層などのように組あわせて用いることができる。
【0039】
切欠部14は、刃物によって形成する方法と、レーザー加工によって形成する方法を用いて形成することができる。また切欠部14は、通常一字形やV字形などのノッチが使用できるが、形状は特に限定されず、切取り方向に尖った部分を有する形状であれば使用することができる。
【0040】
切込み線15は、直線状のハーフカット線に限らずミシン目状などの断続的なハーフカット線でもよい。ハーフカット線は、刃物によって形成する方法と、レーザー加工によって形成することができる。レーザー光線の種類としては、例えば連続またはパルス発振形式を有する炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザーが挙げられるが、特に本発明の本発明の包装袋に使用される、ポリオレフィン系フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの各フィルムなどに吸収する波長10.63μm(赤外線)の炭酸ガスレーザーが好適に使用できる。
【0041】
本発明の包装袋は、ゼリー状固形物を密封した包装袋である。手軽に包装袋を開封でき
、かつ内容物を食する際に、内容物が飛び出して手指や着衣を汚すことがない再封可能な包装袋である。収容部を形成する側辺熱シール部を連続した凹凸形状にすることで、内容物の飛び出しを抑制したものである。内容物が勢いよく飛び出すのを抑制することにより、喉に詰まるのを防ぐことができる。また押し出された内容物は、収容部の形状とほぼ同等な一つの塊になっているため、口に入れた際に噛み切り易い。
【0042】
本発明に係る包装袋に使用するフィルムとしては、通常、包装袋に使用されるフィルムを用いることができ、またフィルムの構成は、少なくとも基材層とシーラント層とを積層したものを用いる。
【0043】
基材層としては、紙や金属箔やプラスチックフィルムを使用することができる。一例を挙げれば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE),高密度ポリエチレン樹脂(HDPE),直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリオレフィン系エラストマーなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)などのポリエステル系樹脂、セロハン、三酢酸セルロース(TAC)などのセルロース系樹脂、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、アイオノマー樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂(PS)、ポリ塩化ビニル系樹脂(PVC)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)、ポリカーボネート樹脂(PC)、フッ素系樹脂、ウレタン系樹脂などのプラスチックフィルムおよび紙、金属箔などが単体またはこれらを積層して使用することができる。
【0044】
紙としては、上質紙、片アート紙、コート紙、キャストコート紙、模造紙などを使用することができる。
【0045】
さらに、例えば内容物がビタミン剤のように外部の光や、酸素や水蒸気などのガスなどによってビタミンが破壊されるのを防ぐために、フィルム構成として、アルミニウム箔を上記プラスチックフィルムでサンドした積層フィルムを使用する場合もある。また、包装袋に透明性が要求され、かつ酸素や水蒸気に対するガスバリア性を要求される場合は、アルミニウム箔の代わりに無機酸化物からなる蒸着膜を有したフィルムが使用される。無機酸化物としては、酸化アルミニウム(Al)、酸化珪素(SiO)、酸化マグネシウム(MgO)などが挙げられる。
【0046】
ガスバリア性を有するフィルムとしては、例えばアルミ蒸着ポリプロピレンフィルム、アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム、また透明性が要求される場合は、シリカ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム、アルミナ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム、酸化マグネシウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム、シリカ蒸着ナイロンフィルム、アルミナ蒸着ナイロンフィルム、酸化マグネシウム蒸着ナイロンフィルム、などが使用できる。
【0047】
これらの積層材料を袋状にするために、通常熱シール法が用いられる。積層材料のシーラント層としては、ポリオレフィン系樹脂が一般的に使用される。具体的には、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン・αオレフィン共重合体などのエチレン系樹脂、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂などが使用できる。これらの樹脂のフィルムまたはこれらの樹脂を複合した多層フィルムも使用できる。
【0048】
基材層とシーラント層の接着方法としては、例えば、ウエットラミネーション方法、ドライラミネーション方法、ノンソルベントドライラミネーション方法、ホットメルトラミネーション方法、エクストルージョンラミネーション方法、及び該エクストルージョンラミネーション方法を利用したサンドイッチラミネーション方法などの公知の方法を使用することができる。
【0049】
次に包装袋を製造する方法を説明する。図1に示した包装袋1で説明する。図1に示すように底部で一枚の積層フィルムが折り返され、両側の側辺が熱シールされ、上部が開口された形状の袋を形成する。両側の側辺熱シール板は、予め連続した三角形状に作成して、製袋機上の側辺熱シール部に取付け、熱シールすることにより、内容物の飛び出しを抑制する袋を形成することができる。また再封手段を設けるために、フィルムを折り返した後に表裏フィルムの間にポリチャックを組み入れ熱接着し、その後両側の側辺にポリチャックを挟んだ状態で熱シールする。その後熱シールされた側辺の上部に開封手段である切欠部を設ける。この袋の上部の開口部からゼリー状固形物を充填する。その後開口部を密封するために、上部を熱シールすることでゼリー状固形物が密封された包装袋1ができる。
【0050】
また収容部の開封部を切り裂く切込み線は、予め積層フィルムの基材層の所望の部位にレーザー光線でハーフカット線またはミシン目線をいれ、所望の寸法にて熱シールされ袋状される。また袋状にした後に、所望の部位にハーフカット線またはミシン目線を入れてもよい。
【0051】
包装袋の表面に印刷を行い、絵柄、文字表現を行うことができる。プラスチックフィルムや紙などの表面にグラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、インクジェット印刷など、通常使用される印刷方式で可能である。
【0052】
本発明の包装袋に密封されるゼリー状固形物としては、収容部内に固体状で存在するもで、例えばゼリー状、氷菓子が挙げられる。ゼリー状固形物としては、一般的にゲル化剤といわれる増粘多糖類、コンニャク粉などを含んだ果汁入りゼリー、プリン、コーヒーゼリーなどのゼリー状食品、またこれらにビタミン、たんぱく質などを含んだゼリー状健康食品などが挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の包装袋は、手軽に包装袋を開封でき、かつ手指で収容部の下部を圧縮し内容物を押し出しても、勢いよく飛び出さないために手指や着衣を汚すことがない再封可能な包装袋である。収容する固形物としては、ゼリー状固形物食品の他に、自動車用固形ワックス、家庭用床用ワックス、家具用艶出しワックスなどの産業用にも利用可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 本発明の包装袋(両側の側辺熱シール部の形状が連続した三角形状)
2 本発明の包装袋(片側の側辺熱シール部の形状が連続した三角形状)
3 本発明の包装袋(両側の側辺熱シール部の形状が連続した円弧形状)
4 本発明の別の形態の包装袋(スタンディング袋)
10 表フィルム
11 上部の熱シール部
12 側辺の熱シール部
13 底部の熱シール部
14 切欠部(ノッチ)
15 切込み線
16 ポリチャック
17 開封部
18 折り返し部
19 収容部
20 熱シール部の連続した三角形状
21 熱シール部の凹部
22 熱シール部の凸部
30 熱シール部の連続した円弧状
40 ゼリー状固形物
50 スタンディング袋
60 底テープ
70 穴部
A 手指で圧縮

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏一対のフィルムを袋状に熱シールしてなり、内部にゼリー状固形物が密封包装された包装袋であって、
ゼリー状固形物が密封された収容部と、
前記収容部の上部を開封するための開封手段と
前記収容部が開封された状態で、前記収容部の下部を圧縮した時に、
該収容部の下部から上部へ向かうゼリー状固形物の移動を抑制する側辺熱シール部と、
を備えたゼリー状固形物の包装袋。
【請求項2】
前記側辺熱シール部が、前記収容部を形成する側辺熱シール部であって、該側辺熱シール部の内側辺が連続した凹凸形状であることを特徴とする請求項1記載のゼリー状固形物の包装袋。
【請求項3】
前記凹凸形状が、三角形状、台形形状、円弧形状であることを特徴とする請求項2記載のゼリー状固形物の包装袋。
【請求項4】
前記開封手段が、前記収容部を形成する少なくとも片側の側辺熱シール部の上部に備えた切欠部であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のゼリー状固形物の包装袋。
【請求項5】
前記収容部の開封部を再封するための再封手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4何れか1項に記載のゼリー状固形物の包装袋。
【請求項6】
前記包装袋が、三方シール袋、四方シール袋、スタンディング袋の何れかであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のゼリー状固形物の包装袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−148815(P2012−148815A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10630(P2011−10630)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】