説明

ゼロ相互汚染コレクター

本開示は、少なくとも第一の開口部および第二の開口部を有する基部と、基部における少なくとも第一の開口部および第二の開口部に連絡している少なくとも第一のコレクターチューブおよび第二のコレクターチューブとを有する収集デバイスを提供する。複数のコレクターチューブは、各々、コレクターチューブの中を、収集デバイスの下にある共通の標的領域に向かって下降する物体のための軌道通路を規定するように構成された湾曲を有する。複数のコレクターチューブは、単一化デバイスから始まる対応する一意的な輸送チューブ/チャネル/通路などに連絡して設置されるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2007年12月27日に出願された米国仮特許出願第61/017133号の利益を主張し、同仮特許出願の開示は、本明細書で参照によって明示的に援用される。
【背景技術】
【0002】
(背景)
経口固形物パッケージャー(packager)は、経口固形物(液体および粉末を含む)、例えば、薬物、丸剤、ビタミン、キャンディ、ナッツなどのバーコード付きの小包装を生成し得る器具として、周知である。パッケージ上に提供されたバーコードによって、計量分配された経口固形物の小包装を追跡することが可能である。例えば、パッケージャーが薬物を計量分配するために用いられる場合には、バーコードは、病院が、どの患者がどんな薬物を何時に与えられたかわかるように、薬物を追跡するために用いられる。このことは、病院環境における薬物誤用の割合を低減することを助ける。
【0003】
最新世代のパッケージャーは、バーコード付きの小包装をずっと速い速度で生成することができるので、高速パッケージャーと呼ばれる。高速パッケージャーは、単位用量(パッケージ当たり1つの経口固形物)のパッケージを1分にほとんど60小包装または60小包装より多い速度で、あるいは複数の用量のパッケージ(パッケージ当たり2つ以上の経口固形物)を1分にほとんど50パッケージまたは50パッケージより多い速度で生成し得る。
【0004】
パッケージャーにおいて、各経口固形物は、単一化(singulating)デバイスの中に設置され、単一化デバイスは、その経口固形物に対して特異的に較正される。典型的には、ソフトウェアからのコマンドの際に、経口固形物が単一化デバイスから落下し、共通のシュートまたは共通の経路に沿って移動し、共通のシュートまたは共通の経路は、パッケージング機構につながっている。次いで、経口固形物は、パッケージに挿入され、パッケージは、シールされる。経口固形物を受容する前か、または受容した後かのいずれかに、バーコードを含む情報がパッケージ上に印刷される。
【0005】
経口固形物を計量分配するために共通の経路を用いることは、いくつかの問題を引き起こす。1つ以上の経口固形物からの残留物は、経路内にとどまり得る。同一の経路に沿って移動する後続の経口固形物は、以前の経口固形物からの残留物によって汚染され得る。このことは、例えば、エンドユーザーが別の経口固形物からの残留物によって汚染された経口固形物を受容するとき、およびエンドユーザーが残留物に耐性を有し得ないというときに、問題を引き起こし得る。例えば、他の薬剤の残留物によって汚染された薬剤を受容する患者は、アレルギーまたは薬剤の相互作用に起因して、患者に対する予測不可能な反応を有し得る。毎日の洗浄が通例、必要事項であるので、微粒子はまた、経路を洗浄しなければならない技術者にとって危険であり得る。パッケージャーが液体の薬物または粉末の形態の薬物を送達するとき、同一の問題が起こる。経口固形物はまた、共通の経路において詰まり得、ユーザーの介入を必要とする。詰まる状態が検出されない場合には、パッケージが意図された薬物を受容しい条件が存在し、患者を危険にさらす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
各経口固形物を個別にパッケージング機構に送達し、任意の相互汚染を排除するために、デバイスが用いられ得る。しかしながら、収集デバイスが、しばしば、経口固形物をパッケージに送るために用いられなければならず、パッケージは、その後でパッケージング機構によってシールされる。収集デバイスは、それゆえ、各経口固形物からの残留物で汚染される。収集デバイスは、必要に応じて、洗浄され得るか、再利用され得るか、または廃棄され得、清潔でゼロ相互汚染の経口固形物送達通路が望まれる。結果として、複数の別個の起点から、単一の共通の目的地に複数の経口固形物を送達することを可能にするデバイスに対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(概要)
本開示は、少なくとも第一の開口部および第二の開口部を有する基部と、基部における少なくとも第一の開口部および第二の開口部に連絡している少なくとも第一のコレクターチューブおよび第二のコレクターチューブとを有する収集デバイスを提供する。複数のコレクターチューブは、各々、コレクターチューブの中を、収集デバイスの下にある共通の標的領域に向かって下降する物体のための軌道通路を規定するように構成された湾曲を有する。複数のコレクターチューブは、単一化デバイスから始まる対応する一意的な輸送チューブ/チャネル/通路などに連絡して設置されるように構成される。
【0008】
この概要は、単純化された形態における概念の選択を導入するために提供され、この概念は、詳細な説明において以下でさらに詳細に説明される。この概要は、請求される主題の主要な特徴を識別するようには意図されず、また、請求される主題の範囲を決定することの補助として用いられることも意図されない。
【0009】
本開示の上記の局面および付随する利点の多くは、添付の図面と関連して理解されるとき、以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に認識されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本開示の一実施形態に従って形成されたゼロ相互汚染コレクター(zero cross−contamination collector)の等角投影図である。
【図2】図2は、図1のゼロ相互汚染コレクターの等角投影部分断面図である。
【図3】図3は、図1のゼロ相互汚染コレクターの側部断面図であり、丸剤がゼロ相互汚染コレクターを通して収集デバイスの中に計量分配されることが示される。
【図4】図4は、本開示の好ましい実施形態に従って形成されたゼロ相互汚染コレクターの等角投影図である。
【図5】図5は、図4のゼロ相互汚染コレクターの側部正射図である。
【図6】図6は、図4のゼロ相互汚染コレクターの底部正射図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(詳細な説明)
図1を参照すると、本開示に従って形成されたゼロ相互汚染コレクター10の好ましい実施形態の等角投影図が描かれる。ゼロ相互汚染コレクター10は、単一化/計量分配デバイス(図示せず)あるいは任意の他の適切なデバイスまたは機械と使用するために構成され、上記デバイスまたは機械は、異なるタイプの物体、例えば、経口固形物(薬物、丸剤、キャンディ、ナッツなど)、経口液体(例えば、液体薬物)、粉末物質(例えば、粉末形態の薬物)など(以下で集合的に「経口固形物」と呼ばれる)を共通エリアの中に、一意的な、個別の経口固形物の輸送経路、チャネル、チューブなど(以下で「経口固形物輸送チューブ」と呼ばれる)を通じて、経口固形物を相互汚染することなしに送達する。
【0012】
共通エリアは、中間収集デバイス、例えば、パッケージング機構(図示せず)、またはろうとF、または経口固形物をパッケージング機構に送達する他の適切なデバイスによって供給されるパッケージによって、規定され得る。共通エリアまたは中間収集デバイスは、説明を容易にするために以下で「ろうとF」と呼ばれる。ゼロ相互汚染コレクター10は、計量分配デバイスの一意的な、個別の経口固形物輸送チューブから経口固形物を受容し、経口固形物をろうとFの中に送達する。
【0013】
ゼロ相互汚染コレクター10は、計量分配デバイスのチャネルの物理的相互作用を排除し、それによって、経口固形物を相互汚染なしに収集する手段を提供する。ゼロ相互汚染コレクター10は、任意の適切な物体をゼロ相互汚染が所望される共通エリアの中に送達するために用いられ得ることが、認識されるべきである。さらに、コレクター100は、本明細書の全体にわたって「ゼロ相互汚染コレクター」と呼ばれるが、そのような参照は、単に便宜の問題であり、制限的であるように意図されていないことが明白である。
【0014】
図2および図3を参照すると、ゼロ相互汚染コレクター10は、ここでより詳細に説明される。ゼロ相互汚染コレクター10は、当該分野で周知の任意の適切な材料で作られた基部14を含み、上記材料は、例えば、化学的に不活性のプラスチック材料または容易に形成され得、生成され得る他の適切な材料である。より安定な製品を必要とする用途は、化学的に不活性の金属で作られ得る。基部14は、形状が実質的に円形であり、実質的に平坦な上部表面16と下部表面20とを含み、上部表面16と下部表面20とはそれらの間の厚さを規定する。
【0015】
基部14は、計量分配デバイスとともに使用されるとき、地面などの支持表面(図示せず)に対して位置決定され、その結果、基部14の上部表面16と下部表面20とは、支持表面に対して実質的に水平である。結果として、方向の用語、例えば、上向きに、下向きに、垂直に、水平になどが、本開示の全体にわたって、基部14の位置を参照して用いられる。これらの方向の用語は、参照のためにのみ用いられ、本開示の範囲を制限するものとして見られるべきでないことが、認識されるべきである。
【0016】
複数の開口部18は、上部表面16から下部表面20に延びる基部14の中に形成され、各開口部18の軸は、実質的に上部表面16および下部表面20を横切る。適切な数の開口部18が、基部14上の任意の好ましいパターンに配列される。好ましくは、複数の開口部18は、基部14上の同心の円形パターンに配列され、基部14上の同心の円形パターンは、基部14の中心において形成される単一の開口部18から始まる。複数の開口部18は、任意の適切な形状および大きさであり得、対応する計量分配デバイスの経口固形物輸送チューブに連絡して設置され、種々の経口固形物輸送チューブから種々の薬物を受け入れる。例えば、経口固形物輸送チューブは、断面が実質的に円形であり得、計量分配された経口固形物に対して円滑な移動通路を提供する。結果として、複数の開口部18は、計量分配された経口固形物がろうとFに向かって下向きに移動するとき、形状が実質的に円形で、複数のチューブの形状に適合し、計量分配された経口固形物に対する円滑で連続的な通路を提供することが好ましくあり得る。
【0017】
複数の開口部18は、均一な断面の経口固形物輸送チューブと嵌合する均一な界面を提供するように、すべて同一の直径であり得る。代替案において、複数の開口部18は、多用途性を増し、そして/またはゼロ相互汚染コレクター10のフットプリントを低減するために、直径がさまざまであり得る。例えば、複数の開口部18の直径は、基部14の中心から基部14の外周に向かって、大きさが徐々に減少し得る。この態様において、より小さい経口固形物輸送チューブは、より小さい経口固形物を計量分配するために用いられ得、それによって、ゼロ相互汚染コレクター10の全体の大きさを低減し、多用途性を増す。
【0018】
複数の開口部18の各々は、コレクターチューブ22と連絡し、コレクターチューブ22は、基部14の下部表面から下向きに延びる。コレクターチューブ22は、ろうとFに向かって垂直なまたは実質的に垂直な経口固形物輸送チューブに沿って移動する経口固形物を方向づけるために、湾曲した界面を提供する。コレクターチューブ22は、任意の適切な材料から、例えば、化学的に不活性なプラスチック材料または容易に形成され得、生成され得る他の適切な材料から形成され得る。
【0019】
コレクターチューブ22は、実質的に断面が円形であり、コレクターチューブ22が開口部18内にしっかりと受容されるように、コレクターチューブ22の外径は、開口部18の内径と実質的に等しい。基部14の上部表面16と下部表面20との間の肩24を規定するノッチが、開口部18の各々の中に形成され得る。各コレクターチューブ22は、コレクターチューブ22の端の部分に沿って延びる片持ちフィンガー28を含み得、片持ちフィンガー28は、肩24の上を通り、コレクターチューブ22は、開口部18の中にスナップ式ではめ込まれる。肩32はまた、各コレクターチューブ22の外部表面上に形成され得、各コレクターチューブ22は、基部14の下部表面20を係合し、コレクターチューブ22の端が基部14の上部表面16と同一平面上にあることを確実にすることを助ける。しかしながら、コレクターチューブ22は、その代わりに、任意の他の適切な態様で開口部18に連絡して設置され得ることが、認識されるべきである。例えば、コレクターチューブ22は、その代わりに、成形プロセス中または他の適切な製造プロセス中に、基部14と一体的に形成され得る。
【0020】
各コレクターチューブ22は、好ましくは、開口部18から下向きに延びる垂直部分30と、垂直部分30から下向きかつ内向きに延びる湾曲部分26とを含む。複数のコレクターチューブ22の複数の垂直部分30の各々は、複数の開口部18内に受容されるとき、好ましくは、実質的に垂直に整列され、その結果、複数のコレクターチューブ22は、特定の経口固形物をろうとFの中に送達するための計量分配デバイスの対応する垂直な複数の経口固形物輸送チューブと連絡するように、容易に設置され得る。しかしながら、複数のコレクターチューブ22は、その代わりに、基部14から任意の適切な角度で延び得、計量分配デバイスの複数の経口固形物輸送チューブと嵌合されることが認識されるべきである。
【0021】
各コレクターチューブ22は、任意の適切な態様において専用の経口固形物輸送チューブの端に連絡して設置されるように構成される。例えば、経口固形物輸送チューブは、コレクターチューブ22の垂直部分30の中に受容され得、それらの間の摩擦ばめを規定する。経口固形物輸送チューブは、コレクターチューブ22と嵌合され、その結果、下降する経口固形物が捕捉し得る経口固形物輸送チューブまたはコレクターチューブ22によって急な縁が規定されないことが好ましい。より具体的には、コレクターチューブ22は、好ましくは、経口固形物輸送チューブの外径と実質的に等しい内径を有する拡大された端の部分34を含み、その結果、経口固形物輸送チューブが拡大された端の部分34内に受容されるとき、経口固形物輸送チューブの内側表面は、コレクターチューブ22の内側表面と実質的に同一平面上にある。さらに、拡大された端の部分34は、経口固形物輸送チューブの端が当接して連続的移行表面を規定し得る肩を規定する。
【0022】
経口固形物がコレクターチューブ22の中に下降するとき、湾曲部分26は、経口固形物をろうとFに向けて端の開口部40を通して方向づける。湾曲部分26はまた、円滑な移行通路を規定し、経口固形物輸送チューブを通る重力に駆動された下降の後に、経口固形物のシャタリングまたはつかえることを排除することを助ける。コレクターチューブ22の湾曲部分26は、基部14の中心から基部14の外周へ向かう放射状の湾曲において徐々に増加する。より具体的には、中心開口部18と嵌合されたコレクターチューブ22は、実質的に垂直な湾曲部分26(または非湾曲部分26)を有し、開口部の実質的に垂直な軸を有する端の開口部40を規定し、その結果、下降する経口固形物は、ろうとFの中に直接落下される。したがって、中心開口部18は、コレクターチューブ22を使用することなしに、その代わりに、経口固形物を計量分配し得る、すなわち、経口固形物は、その代わりに、開口部18を通ってろうとFの中に直接落下し得ることが、認識されるべきである。
【0023】
基部14の外周の近くの開口部18と嵌合されるコレクターチューブ22の湾曲部分26は、湾曲した半径を有し、開口部の実質的に水平な軸を有する端の開口部40を規定する。基部14の中心と外周との間の開口部18と嵌合されたコレクターチューブ22の湾曲部分26は、放射状の湾曲が徐々に増加し、開口部の垂直軸から開口部の水平軸へ増加する端の開口部40を規定する。
【0024】
コレクターチューブ22はまた、基部14の中心から基部14の外周へ向かう長さも増加する。この態様において、複数のコレクターチューブ22の複数の端は、集合的に、実質的に半球状の内部空洞42を規定する。実質的に半球状の内部空洞42は、中心を有する標的の球の半分を規定する。複数のコレクターチューブ開口部40の各開口部の軸は、標的の球の中心に向けて方向づけられ、その結果、経口固形物は、複数の端の開口部40を通して、標的の球の中心に向けてまたは共通の「標的領域」に向けて発射される。
【0025】
経口固形物が複数のコレクターチューブ22によって導かれ、複数の端の開口部40から出るとき、標的領域は、経口固形物の軌道通路によって規定される。結果として、経口固形物が開口部40から標的の球の中心に向けて発射されるとき、経口固形物は重力の効果によって下向きに引かれるので、標的領域は、標的の球の中心のすぐ下に配置される。図2および図3に示されるように、ろうとFは、標的領域の下にまたは標的領域を少なくとも部分的に囲んで配置され、経口固形物が開口部40から発射されるとき、経口固形物を捕捉する。結果として、経口固形物は、経口固形物がろうとFの中に堆積する場合に、他の経口固形物または共通の経路と接触しない。
【0026】
図2を参照すると、ゼロ相互汚染コレクター10は、落下センサーアセンブリー46と組み合わせて用いられ得る。落下センサーアセンブリー46は、経口固形物がろうとFの中に計量分配されるとき、経口固形物の量または質を検出し、追跡するために用いられ得る。落下センサーアセンブリー46は、好ましくは、計量分配機械内に配置されたコンピューターと通信するか、または計量分配機械とは別個のコンピューター上に配置される。落下センサーアセンブリー46は、計量分配された経口固形物の量を追跡するために、そして/または計量分配における誤りを示すために、コンピューターに信号を送信する。例えば、落下センサーアセンブリー46がろうとF内に落下する2つ以上の経口固形物を検出し、1つのみの経口固形物が必要とされる場合には、センサーアセンブリー46は、コンピューターに信号を送信し得る。次いで、コンピューターは、信号を処理し得、ユーザーに、2つ以上の経口固形物が計量分配されたか、または計量分配された経口固形物が1つ以上の小片に割れたことを示す。
【0027】
任意の適切な落下センサーアセンブリーが用いられ得るが、アセンブリーは、好ましくは、複数の光センサーまたは他の適切なセンサーによって規定され得、複数の光センサーまたは他の適切なセンサーは、経口固形物と接触することなしに経口固形物を検出し得る。例えば、センサーアセンブリーは、光学反射センサーまたは光学遮断センサー、フォトダイオードアレイ、ライトカーテンなどで構成され得る。
【0028】
図2および図3を参照すると、特定のタイプの経口固形物を専用の経口固形物輸送チューブを通して計量分配することに適した計量分配デバイスとともに使用する際のゼロ相互汚染コレクター10の説明が、以下で提供される。1人の個人または1つの経口固形物に特定のろうとFまたは他の収集デバイスが、計量分配された経口固形物の用量を収集するために、最初に標的領域の下に位置決定される。上記のようにコレクターチューブ22に連絡して設置された計量分配デバイスの個別の経口固形物輸送チューブを用いて、経口固形物Sは、経口固形物輸送チューブを通して、間隔を空けられた時間間隔で計量分配され、間隔を空けられた時間間隔は、予め決定され得るか、あるいは計量分配デバイスと通信しているコンピューターからのコマンドによって、または任意の他の適切な手段によって開始され得る。経口固形物Sは、経口固形物Sが計量分配デバイスの経口固形物輸送チューブに沿って下降し、専用のコレクターチューブ22の中を通るときに加速する。この態様において、経口固形物Sがコレクターチューブ22の湾曲部分26に達するとき、経口固形物Sは、コレクターチューブの端の開口部40から標的領域に向けて発射される。
【0029】
経口固形物Sは、重力の効果に起因して、ろうとFの中に下向きに落下する。経口固形物SがろうとFの中に落下されるとき、経口固形物Sは、センサーアセンブリーの中のセンサーを始動させる。誤りが起こる(例えば、2つ以上の経口固形物が計量分配される)場合には、その誤りを処理し、ユーザーに知らせるために、信号がコンピューターに送信される。所定の量の経口固形物がろうとFの中に(特定の個人用または特定のタイプの経口固形物用のいずれかで)計量分配された後で、その用量の経口固形物をパッケージング機構または他の適切なデバイスに送達するために、ろうとFは、動かされる。ろうとFは、同一の個人または同一のタイプの薬物に対して処分され得るか、または再使用され得る。この態様において、複数の経口固形物は、複数のタイプの経口固形物の間または複数の用量の経口固形物の間で、何らの相互汚染もなしに、パッケージング機構に送達される。
【0030】
ゼロ相互汚染コレクター10は、計量分配デバイスの複数の経口固形物輸送チューブの物理的相互作用を排除し、それによって、複数の経口固形物を相互汚染なしに収集する手段を提供する。さらに、ゼロ相互汚染コレクター10は、使用可能な大きさのろうとFの中に複数の経口固形物を送達するために、複数の経口固形物輸送チューブを収束させる。ゼロ相互汚染コレクター10を使用しない場合には、ろうとFは、すべての計量分配する経口固形物輸送チューブから落下される経口固形物を捕捉するように大きさを決定される必要があり得ることが、認識されるべきである。結果として、ゼロ相互汚染コレクター10は、また、複数の経口固形物をパッケージング機構の中に集めることを必要とされる収集デバイスのフットプリントも低減する。
【0031】
図4〜6を参照すると、ゼロ相互汚染コレクター110の代替の実施形態が以下で説明される。ゼロ相互汚染コレクター110は、空洞の基部114を含み、空洞の基部114は、当該分野で周知の任意の適切な材料、例えば、化学的に不活性なプラスチック材料または容易に形成され得、生成され得る他の適切な材料で作られる。より安定な製品を必要とする用途は、化学的に不活性の金属で作られ得る。空洞の基部114は、形状が実質的に半球状であり、実質的に半球状の内部空洞142を規定する。空洞の基部114は、下部の円形の縁124によって規定された底部開口部をさらに含む。空洞の基部114の上端部分は、切頭にされ、実質的に平坦にされた円形の上端部分116を規定する。空洞の基部114は、形状および幾何学的形態が実質的に同一である外部表面および内部表面を規定する。
【0032】
計量分配デバイスとともに使用されるとき、空洞の基部114は、支持表面(図示せず)、例えば、地面に対して位置決定され、その結果、下部の円形の縁124は、支持表面に対して実質的に水平であり、実質的に半球状の内部空洞142は、支持表面に向かって開放している。結果として、方向の用語、例えば、上向きに、下向きに、垂直な、水平ななどが、本開示の全体にわたって、空洞の基部114の位置を参照して用いられる。これらの方向の用語は、参照のためにのみ用いられ、本開示の範囲を制限するものとして見られるべきでないことが、認識されるべきである。
【0033】
複数の開口部118は、空洞の基部114の中に形成され、任意の適切なパターンで配列される。好ましくは、複数の開口部118は、空洞の基部114上に同心の円形のパターンで配列され、空洞の基部114は、基部114の平坦にされた円形の上端部分116において中心に形成された単一の開口部118から始まる。さらに、複数の開口部118は、任意の適切な形状および大きさであり得、種々の経口固形物輸送チューブから種々の薬物を受け入れる。好ましい実施形態を参照して上記のように、複数の開口部118は、好ましくは、断面が円形で、直径がさまざまであり、計量分配デバイスの種々の経口固形物輸送チューブと嵌合される。
【0034】
図5を参照することによって最も良く見られ得るように、空洞の基部114上に形成された複数の開口部118の各々は、標的の球の中心に向けて方向づけられた開口部の軸を規定し、標的の球は、2つの半球状の内部空洞142によって規定され得る。実質的に平坦にされた円形の上端部分116上に規定された複数の開口部118は、開口部の実質的に垂直な軸を有し、空洞の基部114上の下部の縁の近くに規定された複数の開口部118は、開口部の実質的に水平な軸を規定し、それらの間に規定された複数の開口部118は、開口部の垂直軸から開口部の水平軸まで角度が徐々に増加する。
【0035】
複数の開口部118の大部分は、好ましくは、コレクターチューブ122と連絡し、コレクターチューブ122は、空洞の基部114の外部表面から外向きかつ上向きに延びる。コレクターチューブ122は、開口部118を計量分配デバイスの実質的に垂直な経口固形物輸送チューブと嵌合させることと、経口固形物が開口部118から出るとき、経口固形物を共通エリアに向けて導くこととのために、湾曲した界面を提供する。しかしながら、開口部118は、その代わりに、コレクターチューブ122に対する必要性なしに、計量分配デバイスの湾曲した経口固形物輸送チューブと直接連絡して設置され得ることが、認識されるべきである。この場合には、計量分配デバイスの湾曲した経口固形物輸送チューブは、「コレクターチューブ」と見なされ得る。
【0036】
コレクターチューブ122は、任意の適切な材料、例えば、化学的に不活性のプラスチック材料または容易に形成され得、生成され得る他の適切な材料から形成され得る。しかしながら、コレクターチューブ122は、空洞の基部114と同一の材料から形成されることが好ましい。さらに、コレクターチューブ122は、独立に形成され、それゆえ任意の適切な態様で空洞の基部114と嵌合され得るか、またはコレクターチューブ122は、その代わりに、成形プロセスまたは他の適切な製造プロセスの間に空洞の基部114と一体的に形成され得る。
【0037】
各コレクターチューブ122は、好ましくは、開口部118から延びる湾曲部分126と、湾曲部分126から上向きに延びる垂直部分130とを含む。コレクターチューブ122の湾曲部分126は、円滑な湾曲を有し、チャネルを通る重力に駆動された下降の後に、経口固形物のシャタリングまたはつかえることを排除することを助ける。複数のコレクターチューブ122の各々の垂直部分130は、好ましくは、実質的に垂直に整列され、その結果、複数のコレクターチューブ122は、計量分配デバイスの対応する垂直な経口固形物輸送チューブと容易に嵌合され得る。しかしながら、コレクターチューブ122は、その代わりに、基部114から任意の適切な角度で外向きに延び得、計量分配デバイスの経口固形物輸送チューブと嵌合されることが、認識されるべきである。
【0038】
上記のように、複数のコレクターチューブ122の垂直部分130が実質的に垂直に整列され、開口部118の軸が上記のように垂直から水平に変化して、複数のコレクターチューブ122の湾曲部分126は、基部114の上端の中心から基部114の下部の円形の縁124に向かって放射状の湾曲が徐々に増加する。上記のように、実質的に平坦な円形の部分116上に規定された開口部118は、開口部の実質的に垂直な軸を有する。結果として、実質的に平坦な円形の部分116上に形成された開口部118と嵌合されたコレクターチューブ122の湾曲部分126は、実質的に湾曲した半径を有しないことがあり得る。したがって、実質的に平坦な円形の部分116上に形成された上端開口部118は、その代わりに、コレクターチューブ122を使用することなしに、計量分配デバイスの経口固形物輸送チューブと直接連絡して設置され得る。
【0039】
各コレクターチューブ122は、好ましい実施形態を参照した上記の態様と実質的に同様な態様または任意の他の適切な態様において、計量分配デバイスの対応する経口固形物輸送チューブに連絡して設置され得、計量分配された経口固形物が下向きに共通エリアに向かって移動するとき、計量分配された経口固形物に対して円滑で連続した通路を提供する。計量分配デバイスの各チャネルは、1つの特定のタイプの経口固形物を計量分配するのみであり、「経口固形物微粒子」または他の残留物の相互汚染を排除する。
【0040】
複数の経口固形物は、コレクターチューブ122に送達され、開口部118の底部から、実質的に半球状の内部空洞142によって規定される標的の球の中心、または共通の「標的領域」に向けて発射される。複数の経口固形物がコレクターチューブ122によって導かれ、開口部118から出るとき、標的領域は、複数の経口固形物の軌道通路によって規定される。複数の経口固形物が開口部118から標的の球の中心に向けて発射されるとき、複数の経口固形物が重力の効果によって下向きに引かれるので、各コレクターチューブ122の標的領域は、好ましくは、標的の球の中心のすぐ下にある。
【0041】
1人の個人または1つのタイプの経口固形物に特定の収集デバイス、パッケージ、ろうとなどが、標的領域の下の共通エリアの中に配置され、ゼロ相互汚染コレクター110を通過する単一の経口固形物または複数の経口固形物の単一の組み合わせを受容する。この態様においては、1人の個人のための経口固形物または同一タイプの経口固形物のみが、収集デバイスまたは収集パッケージの中で相互汚染される。
【0042】
本開示の好ましい実施形態が例示され、説明されてきたが、本開示の精神および範囲から逸脱することなしに、本開示の中でさまざまな変更が行われ得ることが認識される。
【0043】
排他的財産権または排他的特権が主張される本開示の実施形態は、以下のように規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収集デバイスであって、該デバイスは、
(a)少なくとも第一の開口部および第二の開口部を有する基部と、
(b)該基部における該少なくとも第一の開口部および第二の開口部と連絡している少なくとも第一のコレクターチューブおよび第二のコレクターチューブであって、該複数のコレクターチューブは、各々、該コレクターチューブの中を、該収集デバイスの下にある共通の標的領域に向かって下降する物体のための軌道通路を規定するように構成された湾曲を有する、少なくとも第一のコレクターチューブおよび第二のコレクターチューブと
を備えている、デバイス。
【請求項2】
前記複数のコレクター チューブの端は、前記収集デバイスの実質的に半球状の内部空洞を規定する、請求項1に記載の収集デバイス。
【請求項3】
前記実質的に半球状の空洞は、中心を有する標的の球の一部分を規定する、請求項2に記載の収集デバイス。
【請求項4】
前記標的領域は、前記標的の球の中心の近くに配置される、請求項3に記載の収集デバイス。
【請求項5】
前記基部における前記複数の開口部は、同心円のパターンに形成される、請求項1に記載の収集デバイス。
【請求項6】
前記基部は、形状が実質的に半球状で、実質的に半球状の内部空洞を規定する、請求項1に記載の収集デバイス。
【請求項7】
前記実質的に半球状の空洞は、中心を有する標的の球の一部分を規定する、請求項6に記載の収集デバイス。
【請求項8】
前記標的領域は、前記標的の球の中心の近くに配置される、請求項7に記載の収集デバイス。
【請求項9】
複数の輸送チューブを有する計量分配デバイスと共に使用する収集デバイスであって、該収集デバイスは、
(a)少なくとも第一の開口部および第二の開口部を有する基部と、
(b)該基部における該少なくとも第一の開口部および第二の開口部と連絡している少なくとも第一のコレクターチューブおよび第二のコレクターチューブであって、該少なくとも第一のコレクターチューブおよび第二のコレクターチューブは、該計量分配デバイスの第一の輸送チューブおよび第二の輸送チューブに連絡して設置されるように構成され、該複数のコレクターチューブは、各々、該輸送チューブの中を、該収集デバイスの下にある共通の標的領域に向かって下降する物体に対して軌道通路を規定するように構成された湾曲を有する、少なくとも第一のコレクターチューブおよび第二のコレクターチューブと
を備えている、収集デバイス。
【請求項10】
前記複数のコレクターチューブの端は、前記収集デバイスの実質的に半球状の内部空洞を規定する、請求項9に記載の収集デバイス。
【請求項11】
前記実質的に半球状の空洞は、中心を有する標的の球の一部分を規定する、請求項10に記載の収集デバイス。
【請求項12】
前記標的領域は、前記標的の球の中心の近くに配置される、請求項11に記載の収集デバイス。
【請求項13】
前記基部は、形状が実質的に半球状で、実質的に半球状の内部空洞を規定する、請求項9に記載の収集デバイス。
【請求項14】
前記実質的に半球状の空洞は、中心を有する標的の球の一部分を規定する、請求項13に記載の収集デバイス。
【請求項15】
前記標的領域は、前記標的の球の中心の近くに配置される、請求項14に記載の収集デバイス。
【請求項16】
計量分配機構の中間収集デバイスが、前記物体が前記複数のコレクターチューブから発射されるとき、該物体を受容するように、前記標的領域の下に位置決定可能である、請求項9に記載の収集デバイス。
【請求項17】
前記基部における前記複数の開口部は、同心円のパターンに形成される、請求項9に記載の収集デバイス。
【請求項18】
第一の計量分配チャネルは、第一の物体を計量分配し、第二の計量分配チャネルは、第二の物体を計量分配する、請求項9に記載の収集デバイス。
【請求項19】
前記第一の物体および前記第二の物体は、第一のタイプの経口固形物および第二のタイプの経口固形物である、請求項18に記載の収集デバイス。
【請求項20】
物体が前記コレクターチューブから発射される場合に該物体を検出するセンサーアセンブリーをさらに備えている、請求項9に記載の収集デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−507776(P2011−507776A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540935(P2010−540935)
【出願日】平成20年12月29日(2008.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/088490
【国際公開番号】WO2009/086538
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(509038898)タリスト インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】