説明

ゼーベック係数及び熱浸透率の計測装置、熱浸透率の計測装置

【課題】ゼーベック係数と熱浸透率の計測を正確に行なう。
【解決手段】試料7が設置載置される導電体製の試料台6と、試料台6から引き出され試料台と同一材質の試料台配線22と、試料台6に載置された試料7に接触させる導電体製のサーマルプローブと、サーマルプローブから引き出されプローブと同一材質のプローブ配線21と、サーマルプローブのプローブ14内の複数点の温度を計測するために引き出された配線32と、プローブ14と試料7の接触前後にプローブ14内の複数点の温度と、プローブ14と試料7の接触点の電圧を計測する手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーマルプローブを用いてサーマルプローブ内の温度と接触部の電圧を計測するゼーベック係数及び熱浸透率の計測装置に関する。
【0002】
また、本発明は、サーマルプローブを用いてサーマルプローブ内の温度を計測する熱浸透率の計測装置に関する。
【背景技術】
【0003】
熱電変換材料は熱と電気の間で直接エネルギー変換を行う材料である。この材料に温度差を与えると材料内部で電位差が生じるので、この電位差を外部回路に取り出せば、外部負荷の部分で電力を取り出すことができ、温度差を利用した発電システム等に利用できる。
【0004】
近年、環境問題の観点から、廃熱を再利用することが提唱されている。廃熱を再利用して電気エネルギーに変換するためには、熱から電気に大量に変換できる熱電効率の良い熱電変換材料を開発することが求められている。熱電変換材料の開発段階で作製される試料は、試料の材質が不均質であったり、一般の計測法では測定できない試料形状を持っていたりする。したがって、試料の均質性を検証でき、かつ一般的な計測法では評価できない試料を評価できる装置及びその評価方法の開発が求められている。
【0005】
また、傾斜機能材料は試料内になだらかに分布を持っている。複数の材料を用いて傾斜組成させることにより、多機能を持った新材料を開発することができ、新たな製品開発につながる可能性がある。例えば、熱物性値をなだらかに分布した試料を作製することで、熱伝導特性や熱起電力特性を所望の状態にした製品を開発することができる。熱物性値の分布を確認するために、微小領域の熱物性値を計測できる装置の開発が必要である。
【0006】
微小領域の熱物性測定に関連する技術としては、例えば、周期加熱法とサーモリフレクタンス技術を応用して熱浸透率を測定する方法(例えば、非特許文献1、特許文献1参照)や、AFM技術を活用した熱イメージを計測するSThM技術(例えば、非特許文献2参照)や、同じく先端を細くした熱電対をカンチレバーとして試料表面の温度情報を収集して表面形状測定に利用するSTP法(例えば、非特許文献3参照)などが提案されている。サーマルプローブを利用した熱物性測定法が複数提案されている(例えば、非特許文献4、5、特許文献2、3参照)。以上の方法に基づいた装置は開発されている。
【0007】
【特許文献1】特開2000−121585号公報
【特許文献2】特開2004−003872号公報
【特許文献3】特開2008−057144号公報
【非特許文献1】Thermal effusivity distribution measurements using a thermo- reflectance technique; in Proceeding of 10th International Conference of Photo-acoustic and Photothermal Phenomena, pp. 315-317 (1999); N. Taketoshi, M. Ozawa, H. Ohta, and T. Baba.
【非特許文献2】Scanning Near-Field Optical Microscopy and Scanning Thermal Microscopy; Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 33, p.p.3785-3790 (1994); R. J. Pylkki, P. J. Moyer, and P. E. West.
【非特許文献3】Scanning Thermal Profiler; Appl. Phys. Lett., Vol. 49, No23, pp. 1587-1589(1986); C. C. Williams and H. K. Wickamasinghe.
【非特許文献4】点接触式温度プローブによる固体熱3定数の測定法(測定理論);熱物性,13, 4, pp.246-251; 高橋一郎、榎森正晃.
【非特許文献5】点接触式温度プローブによる固体熱3定数の測定法(被測定物体形状と測定条件の検討);熱物性,13, 4, pp.252-257; 高橋一郎、榎森正晃.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、複数点の電圧及び/又は温度の計測方法、接触点温度の評価方法、熱浸透率の評価方法に基づいたゼーベック係数と熱浸透率の計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、微小領域のゼーベック係数と熱浸透率を評価する際に、サーマルプローブを備えた測定装置を用い、複数点の電圧及び/又は温度の計測方法、接触点温度の評価方法、熱浸透率の評価方法に基づいた装置を構成することで、精度良く測定できる知見を得て本発明を完成するに至った。
【0010】
上記課題を解決するための請求項1に係る本発明のゼーベック係数及び熱浸透率の計測装置は、試料が設置載置される導電体製の試料台と、前記試料台から引き出され前記試料台と同一材質の試料台配線と、前記試料台に載置された前記試料に接触させる導電体製サーマルプローブと、サーマルプローブから引き出されサーマルプローブと同一材質のプローブ配線と、前記サーマルプローブ内の複数点の温度を計測するために引き出されたプローブ計測線と、前記サーマルプローブと前記試料の接触前後にサーマルプローブ内の複数点の温度とサーマルプローブと試料の接触点の電圧を計測することでゼーベック係数と熱浸透率を計測する手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
そして、請求項2に係る本発明のゼーベック係数及び熱浸透率の計測装置は、請求項1に記載のゼーベック係数及び熱浸透率の計測装置において、前記サーマルプローブを任意の平面内で移動自在に支持するプローブ支持ステージと、前記試料台を前記サーマルプローブが移動する平面に直交する一方向に往復移動自在に支持する試料台支持ステージとを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に係る本発明のゼーベック係数及び熱浸透率の計測装置は、請求項2に記載のゼーベック係数及び熱浸透率の計測装置において、前記サーマルプローブには、前記試料との接触を検出する接触検知手段が備えられ、前記プローブ支持ステージには、前記試料台側を撮影して計測領域を設定するための撮像手段が備えられていることを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決するための請求項4に係る本発明の熱浸透率の計測装置は、試料が設置載置される試料台と、前記試料台に載置された前記試料に接触させるサーマルプローブと、前記サーマルプローブ内の複数点の温度を計測するために引き出されたプローブ計測線と、前記サーマルプローブと前記試料の接触後に前記サーマルプローブ内の複数点の温度を計測することで熱浸透率を計測する手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
そして、請求項5に係る本発明の熱浸透率の計測装置は、請求項4に記載の熱浸透率の計測装置において、前記サーマルプローブを任意の平面内で移動自在に支持するプローブ支持ステージと、前記試料台を前記サーマルプローブが移動する平面に直交する一方向に往復移動自在に支持する試料台支持ステージとを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項6に係る本発明の熱浸透率の計測装置は、請求項5に記載の熱浸透率の計測装置において、前記サーマルプローブには、前記試料との接触を検出する接触検知手段が備えられ、前記プローブ支持ステージには、前記試料台側を撮影して計測領域を設定するための撮像手段が備えられていることを特徴とする。
【0016】
本発明のゼーベック係数及び熱浸透率の計測装置、熱浸透率の計測装置は、複数点の電圧及び/又は温度の計測方法、接触点温度の評価方法、熱浸透率の評価方法に基づいたゼーベック係数と熱浸透率の計測装置となる。
【0017】
本発明のゼーベック係数及び熱浸透率の計測装置、熱浸透率の計測装置では、プローブ支持ステージ及び試料台支持ステージを移動制御することにより、試料台に対してサーマルプローブを任意の関係に移動させてサーマルプローブを試料に接触させることができる。また、接触検知手段により接触状況を把握することで、試料が変更になっても同一状態でサーマルプローブを接触させることができ、撮像手段により計測領域を設定して計測を行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のゼーベック係数及び熱浸透率の計測装置は、ゼーベック係数と熱浸透率の両方の分布測定を正確に行うことができる。
【0019】
また、本発明の熱浸透率の計測装置は、熱浸透率の分布測定を正確に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1には本発明の一実施形態例に係るゼーベック係数及び熱浸透率の計測装置の正面、図2には図1中のII−II線矢視、図3にはサーマルプローブと試料台との関係を模式的に表した概念を示してある。
【0021】
図1、図2に示すように、ゼーベック係数及び熱浸透率の計測装置1のベース2には、X軸ステージ3及びY軸ステージ4が設けられ、ベース2にはX軸ステージ3及びY軸ステージ4が互いに直交した方向に延びて配されている。
【0022】
図1に示すように、X軸ステージ3にはX軸移動ベース5がX軸方向(図1中左右方向)に移動自在に支持され、X軸移動ベース5は図示しない駆動機構によりX軸ステージ3に沿って往復移動自在になっている。X軸移動ベース5には試料台6が取り付けられ、試料台6に試料7が接触載置される。
【0023】
図2に示すように、Y軸ステージ4にはY軸移動ベース8がY軸方向(図2中左右方向)に移動自在に支持され、Y軸移動ベース8は図示しない駆動機構によりY軸ステージ4に沿って往復移動自在になっている。Y軸移動ベース8にはZ軸ステージ9が立設され、Z軸ステージ9のX軸ステージ3側の面にはZ軸移動ベース10(プローブステージ)がZ軸方向(図2中上下方向)に移動自在に支持されている。Z軸移動ベース10は図示しない駆動機構によりZ軸ステージ9に沿って上下方向に往復移動自在になっている。
【0024】
つまり、Y軸ステージ4及びZ軸ステージ9により、後述するサーマルプローブを任意の平面内(YZ平面内)で移動自在に支持するプローブステージが構成されている。そして、X軸ステージ3により、後述するサーマルプローブをYZ平面に対して直交する一方向に往復移動自在に支持する試料台支持ステージが構成されている。
【0025】
図1、図2に示すように、Z軸移動ベース10には支持台11が固定され、支持台11には接触検知手段12を介してプローブブロック13が取り付けられている。プローブブロック13にはプローブブロック13と同一材料のプローブ14が設けられ、Z軸移動ベース10が下降することによりプローブ14が試料7に接触するようになっている。サーマルプローブは、接触検知手段12、プローブブロック13及びプローブ14により構成されている。
【0026】
Z軸移動ベース10にはカメラ支持台15が固定され、カメラ支持台15には撮像手段としての試料カメラ16が取り付けられている。試料カメラ16では試料7が撮影され、試料カメラ16で撮影した試料画像に対して画像中の特定領域が設定されて熱物性評価の設定範囲とされる。
【0027】
図3を参照してサーマルプローブの構成を説明する。
【0028】
サーマルプローブはプローブブロック13(材質A: 例えば、コンスタンタン)とプローブ14(材質A: 例えば、コンスタンタン)とから構成され、プローブブロック13とプローブ14は測定中一体となって移動する。プローブブロック13の温度(Tpb)と試料台7(材質B: 例えば、銅)の温度(Tsb)とは、図示しない温度制御手段によって、測定中は一定温度に保たれている。
【0029】
試料7とプローブ14の先端が接触していない状態で、プローブブロック13の温度(Tpb)と試料台7の温度(Tsb)が制御される。この時、Tpb≧Tsb+10℃の関係を満足するように制御される。これは、プローブ14の先端を試料7の温度よりも十分高い条件にするためである。
【0030】
測定は、サーマルプローブのプローブ14と試料7とが接触していない状態で開始し、一定時間の経過後、プローブ14の先端と試料7とを接触させる。一定時間接触させた後、サーマルプローブのプローブ14を試料7から離し、プローブ14内の電圧計測と温度計測を測定中に行う。
【0031】
試料台6からは電圧計測用の試料台配線22(材質B:例えば、銅)が計測用として引き出され、プローブブロック13からはプローブ配線21(材質A:例えば、コンスタンタン)が引き出されている。試料台配線22とプローブ配線21は、計測手段31で接続されている。そのため、プローブ配線21と試料台配線22との間が熱電対として機能できるので、接触点の温度計測、電圧計測を行うことができる。
【0032】
プローブ14内の温度は、T、T、及びTの3点で測定する。プローブ14内のT、T及びTからは、それぞれ、電圧・温度計測用の配線(材質C:例えば、クロメル)32a、32b、及び32cが計測用として引き出されている(プローブ計測線)。配線32a、32b、及び32cは計測手段31でプローブ配線21とそれぞれ接続している。そのため、T、T及びTの温度は、クロメル−コンスタンタンのE熱電対として計測できる。
【0033】
上述したゼーベック係数及び熱浸透率の計測装置1による測定の動作を説明する。
【0034】
例えば、試料台6に試料7を接触載置し、X軸移動ベース5、Y軸移動ベース8及びZ軸移動ベース10を適宜移動させ、試料カメラ16により試料7を撮影して測定範囲を決定する。X軸移動ベース5、Y軸移動ベース8及びZ軸移動ベース10を適宜移動させ、試料7の測定位置の直上にプローブ14を位置させ、プローブ14内の複数点の温度計測を開始する。Z軸移動ベース10を下降させてプローブ14を試料7に接触させ、接触時の電圧を計測する。接触の判断は、接触検知手段12の検出値の変化により行う。
【0035】
試料7の多数箇所を測定する場合、X軸移動ベース5、Y軸移動ベース8及びZ軸移動ベース10を適宜移動させ、熱物性評価の設定範囲でプローブ14の試料7への接触を繰り返し、設定範囲の該当場所でプローブ14内の複数点の温度計測と接触点の電圧を計測する。多数箇所の計測(プローブ14の試料7への接触)は、プローブ14の下降量(Z軸移動ベース10の移動量)を制御することで多数箇所に対して測定を行なう。
【0036】
これにより、試料7に対する微小領域のゼーベック係数と熱浸透率分布を得るためのプローブ14内の複数点の温度計測と接触点の電圧を実測する。
【0037】
未知試料のゼーベック係数を計測する方法は、図3に示したように、サーマルプローブ(材質A)、試料台6(材質B)、未知試料(試料7:材質D)の測定系を用いる。ここで、計測される接触点の電圧ΔVは、次式(1)に示す式で表すことができる。
【数1】

【0038】
(1)式において、Sは試料台6(試料台配線22)のゼーベック係数、Tbdは試料台6と試料7の接触温度、Tは計測手段31の温度、Sは試料7のゼーベック係数、Tcpcalは接触点の温度、Sはプローブブロック13(プローブ配線21)のゼーベック係数を表す。
【0039】
試料台6(試料台配線22:材質B)、及びプローブ14(プローブブロック13、プローブ配線21:材質A)のゼーベック係数が既知であり、接触点の温度Tcpcalがプローブ内の複数点の温度計測と試料台6の同じ材料の基準試料7(材質B)の測定結果に基づいて評価でき、計測手段31の温度Tを計測し、試料台6と試料7の接触温度Tbdを試料台6の制御温度Tsbとするならば、以下の(2)式で未知試料のゼーベック係数を見積もることが可能である。
【0040】
【数2】

【0041】
また、未知の試料7に対する熱浸透率は図3のプローブ14内の複数点の温度計測によって評価する。接触後のプローブ14内の隣接区間の温度差ΔTは、試料7の熱浸透率bに対応しており、以下の(3)式で熱浸透率bと温度差ΔTとの関係を表わすことができる。
【0042】
【数3】

【0043】
尚、(3)式中、c、c、cは定数である。
【0044】
また、試料7の体積比熱容量C(密度と比熱容量)を公知の方法で測定すれば、上述
した熱浸透率bから、(4)式により熱伝導率λへの変換が行なえる。つまり、未知試料について測定された熱浸透率bから未知試料の熱伝導率を推定することができる。
【数4】

【0045】
これにより、試料7(未知試料)について測定された熱浸透率bから試料7(未知試料)の熱伝導率を推定することができる。実際の装置としては、(4)の変換式を組み込むことにより、未知の試料7の熱伝導率として表示することもできる。
【0046】
複数箇所の測定においては、全ての点で前記計測によりゼーベック係数と熱浸透率の評価を行い、各測定位置の値として評価する。
【0047】
上述した装置により、試料として600μm×1500μmの(BiTe1-x(SbTe)を用い、30μm間隔で分布測定を行うことで、図4〜図6に示した結果を得ることができた。
【0048】
図4はゼーベック係数Sd(μVK−1)の値の数値分布を濃淡で表した状況であり、濃淡の状態が濃くなるにしたがいゼーベック係数(μVK−1)が小さくなっている。図5は熱浸透率b(Js−0.5−2−1)の値の数値分布を濃淡で表した状況であり、濃淡の状態が濃くなるにしたがい熱浸透率(Js−0.5−2−1)が小さくなっている。
【0049】
また、図6は公知の手法で評価した体積比熱容量(1.36×10Jm−3−1)を用いて求めた熱伝導率λ(Wm−1−1)の値の数値分布を濃淡で表した状況であり、濃淡の状態が濃くなるにしたがい熱伝導率λ(Wm−1−1)が小さくなっている。
【0050】
測定結果の平均値と標準偏差は、ゼーベック係数Sは161±22μVK−1であり、熱浸透率bは1360±120Js−0.5−2−1であり、熱伝導率λは1.37±2.4Wm−1−1であった。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の装置を利用することにより、熱電変換効率の良い熱電変換材料を利用する技術分野において有用な材料を開発する際に材料探査と均質性評価の側面で利用できる。また、傾斜機能材料の熱物性分布を得ることができるので、新規の材料開発の促進につながる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態例に係る熱物性評価装置の正面図である。
【図2】図1中のII−II線矢視図である。
【図3】サーマルプローブと試料台との関係を模式的に表した概念図である。
【図4】ゼーベック係数の分布を表した概念図である。
【図5】熱浸透率の分布を表した概念図である。
【図6】熱伝導率の分布を表した概念図である。
【符号の説明】
【0053】
1 計測装置
2 ベース
3 X軸ステージ
4 Y軸ステージ
5 X軸移動ベース
6 試料台
7 試料
8 Y軸移動ベース
9 Z軸ステージ
10 Z軸移動ベース
11 支持台
12 接触検知手段
13 プローブブロック
14 プローブ
15 カメラ支持台
15 試料カメラ
21 プローブ配線
22 試料台配線
31 計測手段
32 配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料が設置載置される導電体製の試料台と、
前記試料台から引き出され前記試料台と同一材質の試料台配線と、
前記試料台に載置された前記試料に接触させる導電体製サーマルプローブと、
サーマルプローブから引き出されサーマルプローブと同一材質のプローブ配線と、
前記サーマルプローブ内の複数点の温度を計測するために引き出されたプローブ計測線と、
前記サーマルプローブと前記試料の接触前後にサーマルプローブ内の複数点の温度とサーマルプローブと試料の接触点の電圧を計測することでゼーベック係数と熱浸透率を計測する手段と
を備えたことを特徴とするゼーベック係数及び熱浸透率の計測装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゼーベック係数及び熱浸透率の計測装置において、
前記サーマルプローブを任意の平面内で移動自在に支持するプローブ支持ステージと、
前記試料台を前記サーマルプローブが移動する平面に直交する一方向に往復移動自在に支持する試料台支持ステージと
を備えたことを特徴とするゼーベック係数及び熱浸透率の計測装置。
【請求項3】
請求項2に記載のゼーベック係数及び熱浸透率の計測装置において、
前記サーマルプローブには、前記試料との接触を検出する接触検知手段が備えられ、
前記プローブ支持ステージには、前記試料台側を撮影して計測領域を設定するための撮像手段が備えられている
ことを特徴とするゼーベック係数及び熱浸透率の計測装置。
【請求項4】
試料が設置載置される試料台と、
前記試料台に載置された前記試料に接触させるサーマルプローブと、
前記サーマルプローブ内の複数点の温度を計測するために引き出されたプローブ計測線と、
前記サーマルプローブと前記試料の接触後に前記サーマルプローブ内の複数点の温度を計測することで熱浸透率を計測する手段と
を備えたことを特徴とする熱浸透率の計測装置。
【請求項5】
請求項4に記載の熱浸透率の計測装置において、
前記サーマルプローブを任意の平面内で移動自在に支持するプローブ支持ステージと、
前記試料台を前記サーマルプローブが移動する平面に直交する一方向に往復移動自在に支持する試料台支持ステージと
を備えたことを特徴とする熱浸透率の計測装置。
【請求項6】
請求項5に記載の熱浸透率の計測装置において、
前記サーマルプローブには、前記試料との接触を検出する接触検知手段が備えられ、 前記プローブ支持ステージには、前記試料台側を撮影して計測領域を設定するための撮像手段が備えられている
ことを特徴とする熱浸透率の計測装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−258032(P2009−258032A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−109764(P2008−109764)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【出願人】(000192383)アルバック理工株式会社 (26)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】