説明

ソルビタンカルボン酸エステル含有配合物

本発明は、ヒトまたは動物の身体部位を洗浄およびケアするための組成物に関し、前記組成物はソルビタンカルボン酸エステルを含み、前記ソルビタンカルボン酸エステルが由来するカルボン酸のカルボン酸部分が、6〜10個の炭素原子を含むカルボン酸に由来し、かつ前記ソルビタンカルボン酸エステルが、350より高いヒドロキシル価(OH価)を有することを特徴とする。本発明は、また、洗浄およびケア配合物における、ソルビタンカルボン酸エステルの使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソルビタンカルボン酸エステル(sorbitan carboxylic acid esters)のカルボン酸成分が、6〜10個の炭素原子を含むカルボン酸に由来し、かつソルビタンカルボン酸エステルが350より大きいヒドロキシル価(OH価)を有することを特徴とする、ヒトまたは動物の身体部位をクレンジングおよびケアするためのソルビタンカルボン酸エステル含有配合物、およびクレンジングまたはケア配合物におけるソルビタンカルボン酸エステルの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の皮膚および毛髪用の化粧クレンジング製品、例えば、ボディシャンプー(shower baths)およびヘアシャンプーなどは、
・ 最も重要な溶剤としての水、
・ 界面活性剤、
・ 配合物を増粘させるための粘度調節剤、
・ 水不溶性物質の可溶化剤、
・ 香油、
・ 防腐剤および
・ 皮膚および毛髪のケア用の有効成分(例えば、モイスチャーライザーなど)
から本質的になる。
【0003】
ボディクレンジング剤中の典型的な界面活性剤は、陰イオン、両性および両性イオン性の構造の界面活性剤である。特に陰イオン界面活性剤には、ラウリル硫酸塩、ラウリルエーテル硫酸塩、ミリスチルエーテル硫酸塩、ココイルグルタミン酸塩、ラウリルグルコースカルボン酸塩などの、様々な陽イオン(ナトリウム、アンモニウムまたはその他)の塩が含まれる。コカミドプロピルベタインまたはコカミドプロピルスルタインは、とりわけ両性イオン性界面活性剤として用いられる。両性界面活性剤は、特に、ココアンホ酢酸ナトリウムまたはココアンホジ酢酸2ナトリウムなどのアンホアセテート類である。
【0004】
現在の技術水準に応じて用いられている典型的な増粘剤は、NaCl、低分子量の非イオン界面活性剤(ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド/ジエタノールアミドおよびラウレス−3、または重合体である高分子量の結合性(associative)高エトキシル化脂肪誘導体(ポリエチレングリコール(9000)−水添パルミチン酸グリセリルなど)である。
【0005】
本発明に関して言えば、可溶化剤は、水性系において、水不溶性の化合物を溶液中でできるだけ透明な形態にすることのできる物質であるとする。一般に受け入れられている考えによれば、この過程において、ミセルなどの凝集体が形成されて、疎水性の物質が取り込まれた構造になる。水(水溶液)と油(水と混和できない物質)と可溶化剤との熱力学的に安定した混合物である「マイクロエマルション」の形成が、最善である。典型的な可溶化剤は、エトキシル化脂肪誘導体である。
【0006】
香油は一般的に、臭い特性を改善するために配合物に加える。この場合、使用者に受け入れられるかどうかが最も重要になる。さらに、使用原料の本来の臭気を香油で隠すのは有利であり得る。
【0007】
防腐剤は微生物学的安定化のために用いられる。汚染された場合に、こうした成分は微生物の増殖を防ぐことを、また任意に微生物を殺すことも意図している。防腐剤は、公式の法規(例えば、EU化粧品指令(EU cosmetics directive))に詳しく記載されており、それによって規制されている。
【0008】
典型的なケア添加剤は、エトキシル化グリセロール脂肪酸エステル(ヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリルなど)、またはカチオンポリマー(ポリクオタニウム−7など)である。それらはモイスチャーライザーとも呼ばれる。皮膚のクレンジング時に、親油性の汚れに加えて、使用される界面活性剤によって皮膚自体の脂質も洗い落とされる。この作用は不快に感じられることが多く、皮膚がざらざらして傷つきやすく感じられる。皮膚が「乾燥している」とも表現されるが、ここでは脂質の欠如を意味する。
【0009】
「保湿剤」は、既述の脱脂作用を減少させるために、ボディクレンジング剤に加える。その結果、一方では、脂質が洗い落とされることによって生じる効果が、保湿剤によって相殺されうるが、その一方で配合物の脱脂作用自体はモイスチャーライザーの使用によって低下しうる。
【0010】
配合の技術的観点からは、この目的のためにミリスチン酸イソプロピルなどの皮膚軟化剤(化粧用油)を用いることは難しい。なぜなら、そうした油類は手間をかけて可溶化しなければならないからである。それゆえにもっと一般的なモイスチャーライザーは、ポリエチレングリコール(7)ヤシ油脂肪酸グリセリル(TEGOSOFT GC(登録商標))などのより親水性の製品であり、それらは過剰のクレンジング界面活性剤によって既に可溶性にされている。消費者市場における世界中の新製品を記録した製品データベース(「Global New Products Database」:Mintel)を分析すると、調査期間中(9/05〜9/06)における欧州市場のすべての皮膚クレンジング配合物の29%がポリエチレングリコール(7)ヤシ油脂肪酸グリセリルを含んでいることが分かった。
【0011】
保湿プロセスは、実際に洗浄した後、配合物を洗い流すときに行われると考えられる。水によるクレンジングプロセスでは、存在する溶液が希釈されて、臨界ミセル濃度より低くなり、界面活性剤凝集体中に可溶化されている親油性成分が不溶性になる。ミセル成分(親油性のモイスチャーライザー、界面活性剤および可溶化剤)が放出されるにつれて、保湿剤は再び不溶性になる。こうした親油性物質(皮膚自体の脂質および皮膚軟化剤/化粧用油の両方)が沈殿し、皮膚に吸収される。
【0012】
したがって、完成配合物の要件には、クレンジング作用に加えて、クリーム状の泡、良好な起泡挙動、良好な泡量、皮膚乾燥に対する保護および良好なケア能力が含まれる。個々の成分の基本要件には、マイルドさ、特に良好な皮膚適合性および作業の容易さが含まれる。化粧用配合物のできるだけ多くの要件が、無毒で一般に使用可能なできるだけ少ない成分によって満たされるならば有利である。
【0013】
さらに、含まれる成分ができるだけ少なく、再生不能な石油化学原料から製造されるポリエーテルを含まない配合物が、ますます必要とされている。それゆえに、化粧研究の重要な目的は、ポリエーテル含有成分なしで済ませることにある。
【0014】
しかし、先行技術によるポリエーテルを含まない製品は、所望の一連の性質を示さない。ポリエーテルを含まない配合物は、例えば、起泡特性が著しく低下し、それは明らかに不利な点と見なされる。さらに、ポリエーテルを含まない界面活性剤配合物は、増粘させるのがいっそう顕著に困難であるが、それはNaClがそのような系では増粘特性を少しも示さないためである。それゆえに、配合者は、結合性の高エトキシル化脂肪誘導体の類を用いることを余儀なくされ、その場合、ポリエーテルを含まない配合物という目的を放棄することになる。
【0015】
したがって、これは、伝統的な手段を捨てて、従来のポリエーテル含有配合物に取って代わる、消費者の現代の要望を満たす、ポリエーテルを含まない新規の配合物を開発するという問題である。この目的で、非常に良好な使用性を有する、ポリエーテルを含まない新規の有効成分が必要とされている。
【0016】
ソルビトールは、グルコースのポリオール還元型であり、糖アルコール類に含まれると見なされ、グルシトールという名前でも知られる。
【0017】
ソルビトールは、水の除去によって自己縮合することが可能であり、ここでいわゆるソルビタンが形成される。ソルビタンは一般に、ソルビトールの自己縮合物の生成混合物を意味すると理解され、それらは、以下の式で例示されているような本質的にポリオールの性質を有する五員および六員の、単環式および二環式ヒドロキシル官能性エーテルである。
【化1】

【0018】
この混合物中には、更なる縮合物ならびにソルビトールが一般にはわずかに含まれている。ソルビタンエステルは、ソルビタンのエステルであり、それゆえに上記のこうしたポリオール混合物と有機酸とのエステル化生成物であり、ポリオール混合物は通例、1molのポリオール混合物当たり1〜3molの酸とエステル化される。
【0019】
ソルビタンエステルの要約的説明は、例えば、Treon, Soap Perfumery Cosmetics, January 1965, p.47に記載されている。
【0020】
ソルビタンエステルは、良質のマイルドな乳化剤として長い間知られているが、これまでモノラウレートからトリステアレートまでの長鎖脂肪酸誘導体のみが工業的に重要であった。伝統的なソルビタンエステルは、最初は水溶性ではない。それゆえに、それらは必要に応じてエトキシル化によって親水性化される。乳化が行われるように、親水性および疎水性のソルビタンエステルを混合して望ましいHLBに調節し、そのようにして様々な系で可溶となるようにする。
【0021】
独国特許出願公開第102004036067号は、非イオン、陰イオンまたは両性の界面活性剤をベースにした水性クレンジング剤濃縮物中で、任意に、通例の助剤および添加剤を併用して、ソルビタンエステルをクレンジング促進剤として、輪郭のある(profiled)タイルおよび敷石の洗浄用に使用することを記載している。
【0022】
欧州特許出願公開第1813251号は、とりわけ、ポリエーテルを含まない、低温製造可能で長期安定性のある、低粘度の微細気泡化(fine-celled)水中油型エマルジョン(おしぼり用)の製造に、ソルビタン部分エステルを使用することを記載している。
【0023】
米国特許第7135168号は、毛髪染色組成物におけるソルビタンエステルおよびエトキシル化ソルビタンエステルの使用を記載している。
【0024】
欧州特許第0843713号は、長鎖脂肪酸N−アルキルグルカミドおよび糖界面活性剤を含んでいるマイルドヘアシャンプーを記載している。とりわけ、脂肪酸N−アルキルグルカミドの使用特性を向上させることを意図した、可能性ある糖界面活性剤も、ソルビタンエステル(好ましくはC12−〜C18−カルボン酸のソルビタンエステル)である。
【0025】
脂肪酸N−アルキルグルカミドは、ポリエーテルを含まないマイルドな界面活性剤であるが、それは関係する製法のゆえに広範には使用されていない。
【0026】
欧州特許出願公開第1394225号は、増粘効果が高分子電解質に基づいておりかつC10−〜C20−カルボン酸のソルビタンエステルが分散剤成分として用いられている、油中水型増粘剤分散液を記載している。
【0027】
したがって、既述のどの明細書も、ヒトまたは動物の身体部位をクレンジングおよびケアするためのソルビタンエステル含有配合物、ならびにソルビタンエステルを粘度調節剤、ケア剤、起泡増進剤(foam booster)または可溶化剤として使用することを開示していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
本発明の目的は、少量の従来の増粘剤または粘度調節剤を用いて制御され、またそれと同時に良好なケア性能を有する配合物を利用可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
驚くべきことに、以下に説明される、ヒトまたは動物の身体部位をクレンジングおよびケアするための配合物、ならびにソルビトール反応生成物の本発明の使用により、この目的が達成されることが見出された。
【0030】
それゆえに、本発明は、ソルビトールのエステル化反応のプロセス生成物を含んでいる、ヒトまたは動物の身体部位をクレンジングおよびケアするための配合物に関する。
【0031】
本発明はさらに、粘度調節剤、ケア成分、起泡増進剤または可溶化剤としての、ソルビトールのエステル化反応のプロセス生成物の使用に関する。
【0032】
本発明の利点は、使用成分が容易に入手できること、また毒性が少ないこと(特に化粧用途および医薬用途に関連して)がある。
【0033】
更なる利点は、使用性能が高いため、更なる粘度調節剤、および任意に、更なるモイスチャーライザー、起泡増進剤または可溶化剤を、それぞれの場合に選ばれる配合物中に使用せずに済ませることができる。
【0034】
更なるいっそうの利点は、ポリエーテルを含まない界面活性剤配合物において、粘度調節剤、ケア有効成分、起泡増進剤または可溶化剤としても本発明による使用が可能であるという点である。
【0035】
上記ではっきり示したように、NaClなどの多数の従来の増粘剤はポリエーテルを含まない配合物中では役に立たず、高分子量の結合性増粘剤は、ポリエーテル基があるため、ポリエーテルを含まない配合物には使用できない。
【0036】
さらに、PEGを含まずかつポリエーテルを含まない系の泡特性は十分ではない。
【0037】
特に断りがない限り、百分率はすべて重量パーセントである。
【0038】
したがって本発明は、ヒトまたは動物の身体部位をクレンジングおよびケアするためのソルビタンカルボン酸エステル含有配合物であって、ソルビタンカルボン酸エステルのカルボン酸成分が、6〜10個、好ましくは8個の炭素原子を含むカルボン酸に由来し、かつソルビタンカルボン酸エステルが350より大きい、好ましくは400より大きい、特に450より大きいヒドロキシル価(OH価)を有することを特徴とする、配合物に関する。
【0039】
ヒドロキシル価を求めるための好適な測定方法は、DGF C−V 17 a (53), Ph. Eur. 2.5.3 Method AおよびDIN 53240に従った方法である。
【0040】
本発明による配合物は、全配合物を基準にして、0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.05重量%〜5重量%、特に好ましくは0.1重量%〜3重量%のソルビタンカルボン酸エステルを含むのが好ましい。
【0041】
好ましくは、本発明による配合物は水性配合物であり、それらは、本発明に関して言えば、含水量が、全配合物を基準にして少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも75重量%、特に好ましくは少なくとも80重量%であることを特徴とする。
【0042】
本発明による配合物は界面活性剤配合物であるのが好ましい。本発明による配合物に含有されるソルビタンカルボン酸エステルは、例えば、カプリル酸ソルビタン含有組成物としてすでに界面活性剤特性を有しているので、本発明との関連では、「界面活性剤配合物」という用語は、ソルビタンカルボン酸エステルのほかに、少なくとも1種の更なる界面活性剤を含む配合物と理解されるべきである。含まれる更なる界面活性剤は、例えば、非イオン、陰イオンまたは両性の界面活性剤であってよい。
【0043】
マイルドな(すなわち、特に皮膚適合性の)界面活性剤の典型例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテルサルフェート、モノグリセリドサルフェート、モノ−及び/またはジアルキルスルホサクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン及び/またはタンパク質脂肪酸縮合物(後者は、例えば、小麦タンパク質に基づく)である。
【0044】
両性界面活性剤は、例えば、用いられるベタイン類、アンホアセテート類またはアンホプロピオネート類であり、例えば、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシナート(例えば、ヤシ油アルキルジメチルアンモニウムグリシナート)、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシナート(例えば、ヤシ油アシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシナート)、および2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリン(それぞれの場合に、アルキル基またはアシル基中に8〜18個の炭素原子を有する)、ならびにヤシ油アシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシナートなどの物質である。
【0045】
両性界面活性剤は、例えば、分子内のC8/18−アルキルまたは−アシル基から離れている、少なくとも1種の遊離アミノ基および少なくとも1種の−COOHまたは−SOH基を含み、かつ分子内塩(internal salts)を形成できる界面活性化合物である。好適な両性界面活性剤の例は、N−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸であり、それぞれの場合に、アルキル基中におよそ8〜18個の炭素原子を有する。更なる両性界面活性剤の例は、N−ヤシ油アルキルアミノプロピオネート、ヤシ油アシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC12/18−アシルサルコシンである。
【0046】
本発明による界面活性剤配合物は、更なる界面活性剤として、特に脂肪アルコールサルフェート、脂肪アルコールポリエーテルサルフェート、モノ−及び/またはジアルキルスルホサクシネート、アンホアセテート類、アンホプロピオネート類、ベタイン類、コカミドプロピルベタイン類、アルキルオリゴグルコシドまたは脂肪酸グルタメートを含む。
【0047】
本発明による界面活性剤配合物は、好ましくは、更なる界面活性剤として、ポリエーテルおよびポリエーテル含有化合物を本質的に含まない界面活性剤を含む。
【0048】
特に好ましくは、本発明による界面活性剤配合物は、更なる界面活性剤として、ポリエーテルを含まない界面活性剤であるモノアルキルスルホサクシネート及び/またはジアルキルスルホサクシネート、アンホアセテート類、アンホプロピオネート類、ベタイン類(特にコカミドプロピルベタイン)、アルキルオリゴグルコシドまたは脂肪酸グルタメートを含む。
【0049】
本発明による好ましい界面活性剤配合物は、全配合物を基準にして、少なくとも2重量%、好ましくは少なくとも4重量%、特に好ましくは少なくとも6重量%の、少なくとも1種の更なる界面活性剤を含む。
【0050】
特に好ましい本発明による配合物は、全配合物を基準にして少なくとも0.01重量%のソルビタンカルボン酸エステル、少なくとも5重量%の少なくとも1種の更なる界面活性剤および少なくとも75重量%の水を含む水性界面活性剤配合物であり、特に、全配合物を基準にして少なくとも0.3重量%のソルビタンカルボン酸エステル、少なくとも6重量%の少なくとも1種の更なる界面活性剤、および少なくとも80重量%の水を含むものである。
【0051】
好ましくは、本発明による配合物は、液状、化粧用、皮膚用(dermatological)または医薬用のボディクレンジング組成物、特にボディシャンプーおよびシャワージェル、入浴用配合物、液状の石けんおよびシャンプーである。
【0052】
本発明による好ましい配合物では、ヒトまたは動物の身体部位は、好ましくは毛髪または皮膚であると考えられる。
【0053】
本発明の目的は、現在の予想(上記を参照のこと)に反して、ポリエーテルを含まない配合物においても達成されるため、本発明による好ましい配合物は、特に配合物がポリエーテルおよびポリエーテル含有化合物を本質的に含まないことを特徴とする。
【0054】
同様に、本発明による好ましい配合物は、配合物が脂肪酸N−アルキルグルカミドを含まないことを特徴とするものである。
【0055】
本発明との関連において「ポリエーテルおよびポリエーテル含有化合物を本質的に含まない」という用語は、含まれている化合物が、アルコキシ基、オリゴアルコキシ基またはポリアルコキシ基(エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドなど)をほんのわずかしか含まないか、好ましくはまったく含まないことを表す。ポリエーテル含有化合物の濃度は、全配合物を基準にして0.1重量%未満、特に好ましくは0.01重量%未満であり、好ましくは現在の分析法(例えば、NMR分光法、GPCまたはMaldiなど)の検出限界未満であるべきである。
【0056】
同じことは、「脂肪酸N−アルキルグルカミドを含まない」という用語にも当てはまる。
【0057】
入手が容易であり、また取り扱いが容易であるという理由で、本発明による配合物は、好ましくは、カルボン酸部分(content)がエチルヘキサン酸またはカプリル酸(好ましくはカプリル酸)に由来する、ソルビタンカルボン酸エステルを含む。
【0058】
本発明による配合物が、好ましくはカルボン酸部分が、工業カプリル酸(technical caprylic acid)(特に、天然原料からの工業カプリル酸(例えば、パーム油またはヤシ油から得られるようなもの))に由来するソルビタンカルボン酸エステルを含むことは、本発明との関連において意味があることは明らかである。
【0059】
この工業カプリル酸は、6〜10個の炭素原子の鎖長を有するカルボン酸を含むことができ、基本成分は、8個の炭素原子の鎖長を有するカルボン酸によって形成される。「基本成分(essential component)」は、工業酸混合物の全重量を基準にして少なくとも50重量%、好ましくは80重量%、特に90重量%を意味すると理解すべきである。
【0060】
本発明による配合物は、特に好ましくは、20未満、好ましくは15未満、特に10未満の酸化を有することを特徴とするソルビタンカルボン酸エステルを含む。酸価を求めるための好適な測定方法は、特にDGF C−V 2, Ph.Eur. 2.5.1、ISO 3682、ASTM D 974およびDIN EN ISO 2114に従った方法である。
【0061】
本発明による配合物は、特に好ましくは、30未満、好ましくは10未満、特に5未満のヨウ素価を有することを特徴とするソルビタンカルボン酸エステルを含む。
【0062】
ヨウ素価を求めるための好適な測定方法は、特に、DGF C−V 11 a (53), pH. Eur.2.5.4 Method Aおよびdin 53241に従った方法である。
【0063】
本発明による配合物は、特に好ましくは、100〜20000mPa・s、好ましくは1000〜15000mPa・s、特に2000〜10000mPa・sの粘度を有することを特徴とするソルビタンカルボン酸エステルを含む。
【0064】
粘度を求めるための好適な測定方法は、特にDIN 53015に従った方法である。
【0065】
本発明による配合物は、特に好ましくは、1モルのソルビトール(これを元にしてソルビタンカルボン酸エステルが得られる)当たり1〜3mol、好ましくは1.2〜2mol、特に1.4〜1.6molのカルボン酸がエステル化されているソルビタンカルボン酸エステルを含む。
【0066】
本発明による配合物は、特に好ましくは、セスキカプリル酸ソルビタンというINCI名で(Evonik Industriesから)市販されているソルビタンカルボン酸エステルを含む。
【0067】
本発明による配合物に含まれるソルビタンカルボン酸エステルの調製は、ソルビトールとカルボン酸またはそのエステルとの縮合およびエステル化またはエステル交換反応によって行うことができる。この調製では、プロセスの特殊性に応じて、反応を連続して、または並行して行うことができる。
【0068】
本発明による配合物は、特に、A)ソルビトールを脱水するプロセス段階、B)脱水ソルビトールを、6〜10個(好ましくは8個)の炭素原子を含むカルボン酸、カルボン酸成分は6〜10個、好ましくは8個の炭素原子を含むカルボン酸エステルまたはカルボン酸エステル混合物を含む群から選択される少なくとも1種の化合物と反応させるプロセス段階、および任意に、C)プロセス段階B)で生じたソルビタンエステルを分離するプロセス段階を含むプロセスによって得ることができる(好ましくは、それによって得られた)ソルビタンカルボン酸エステルを含む。
【0069】
プロセス段階A)では、ソルビトールが脱水されて様々な異性体が生じ、例えば、1,4−および3,6−ソルビタンが生じる。プロセス段階A)の反応条件は、脱水物の組成に影響する。本発明による配合物は、ソルビタンカルボン酸エステルの調製において、プロセス段階A)が100℃から180℃の間、好ましくは120℃から160℃の間、特に130℃から150℃の間の温度で実施されるソルビタンカルボン酸エステルが、好ましくは含まれるという点で特徴がある。
【0070】
加えて、本発明による配合物は、ソルビタンカルボン酸エステルの調製において、プロセス段階A)が0.001バールから1.5バールの間、好ましくは0.5バールから1.25バールの間、特に0.8バールから1.2バールの間の圧力で実施されるソルビタンカルボン酸エステルが、好ましくは含まれるという点で特徴がある。
【0071】
本発明による配合物の他の好ましい実施態様では、ソルビタンカルボン酸エステルの調製において、プロセス段階A)が、0.001バールから0.9バールの間、好ましくは0.005バールから0.5バールの間、特に0.006バールから0.01バールの間の圧力、80℃から140℃の間、好ましくは90℃から130℃の間、特に95℃から120℃の間の温度で行われる、ソルビタンカルボン酸エステルが用いられる。
【0072】
例えば、欧州特許出願公開第0280780号に記載されているように酸触媒を使用すると、脱水物に影響を及ぼしうる。本発明による配合物は、好ましくは、プロセス段階A)が酸触媒(好ましくはリン酸)を用いて実施されるソルビタンカルボン酸エステルを含む。
【0073】
プロセス段階B)における迅速かつ(可能な場合は)定量的反応は、様々なパラメーター(圧力、温度および反応相手との相互の比率など)によって異なる。こうしたパラメーターは同様に、統計的分布、例えば、様々な異性体の統計的分布に関してソルビタンカルボン酸エステルに影響を及ぼし、様々な異性体は、例えば、分子内のエステル化位置の可能性が異なるために生じ、これにより、モノエステル、ジエステル、およびさらにはトリエステルの混合物がもたらされうる。
【0074】
本発明による配合物は、好ましくは、プロセス段階B)が140℃から260℃の間、好ましくは160℃から250℃の間、特に200℃から230℃の間の温度で実施されることを特徴とするソルビタンカルボン酸エステルを含む。同様に、プロセス段階B)は、0.001バールから1.5バールの間、好ましくは0.5バールから1.25バールの間、特に0.8バールから1.2バールの間の圧力で実施するのが好ましい。
【0075】
本発明による配合物の他の好ましい実施態様では、ソルビタンカルボン酸エステルの調製法において、プロセス段階B)が、0.001バールから0.9バールの間、好ましくは0.05バールから0.5バールの間、特に0.006バールから0.01バールの間の圧力、80℃から250℃の間、好ましくは120℃から220℃の間、特に150℃から200℃の間の温度で実施されるソルビタンカルボン酸エステルが用いられる。
【0076】
プロセス段階A)の場合のように、プロセス段階B)で触媒(アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩あるいはリン酸、亜リン酸または次亜リン酸のアルカリ金属塩など)を使用すると、ソルビタンカルボン酸エステルに影響を及ぼしうる。
【0077】
本発明による配合物は、好ましくは、ソルビタンカルボン酸エステルの調製において、プロセス段階B)で、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を含む群から選択される少なくとも1種の触媒、好ましくは水酸化ナトリウムが用いられる、ソルビタンカルボン酸エステルを含む。
【0078】
本発明との関連において、工業カプリル酸(特に天然原料からの工業カプリル酸で、パーム油またはヤシ油から得られるようなもの)を、プロセス段階B)でカルボン酸として用いることに意義があることは明白である。
【0079】
工業カプリル酸の組成に関しては、上記を参照されたい。
【0080】
本発明による配合物は、プロセス段階B)において、8個の炭素原子を含む任意のカルボン酸のカルボン酸エステルが用いられる、ソルビタンカルボン酸エステルを含むことができる。しかし、これに関連して、用いるカルボン酸エステルは、8個の炭素原子を含むカルボン酸と、グリセロール、メタノールおよびエタノールを含む群から選択される少なくとも1種のアルコールとのエステルであるのが好ましい。
【0081】
上記と同様に、用いるカルボン酸エステルは、好ましくは、エチルヘキサン酸またはカプリル酸のエステルであり、カプリル酸は上述のようにして、特に工業カプリル酸から(特に天然原料からの工業カプリル酸から)得るのが好ましい。
【0082】
特に、天然原料からのカルボン酸エステル(ヤギのバター、ミルク、パーム油およびヤシ油からの、あるいはワインフーゼル油からのカプリル酸のグリセロールエステルなど)も、カルボン酸エステルとしてプロセス段階B)で用いることができる。
【0083】
様々な出発物質の混合物を同様に種々のプロセス段階で用いることができ、またソルビタンカルボン酸エステルの混合物を本発明による配合物に含めることができることは、当業者にとって明らかである。
【0084】
本発明による配合物の特性が、このプロセスに用いられるカルボン酸またはカルボン酸エステルとソルビトールとの比率の影響を受けうることは明白である。
【0085】
本発明による配合物は、好ましくは、ソルビタンカルボン酸エステルの調製において、プロセス段階A)に用いられるソルビトールとプロセス段階B)に用いられる反応相手とのモル比が、1:1から1:3の間、好ましくは1:1.2から1:2の間、特に1:1.4から1:1.6の間であるソルビタンカルボン酸エステルが含まれるという点で特徴がある。
【0086】
プロセスの技術的観点から、プロセス段階A)およびB)を外部から容易に影響を及ぼしうるパラメーターを用いて開始させるなら有利でありうるため、本発明による配合物は、好ましくは、プロセス段階A)およびB)で用いるすべての物質がプロセス段階A)の開始時に含まれていること、好ましくは、これに関連してプロセス段階B)を動的な温度上昇によって開始させることを特徴とする、ソルビタンカルボン酸エステルを含む。
【0087】
プロセス段階C)では、形成されたソルビタンエステルの分離を行うことができる。
【0088】
ソルビタンエステルの分離で可能な方法は、当業者に知られている、低分子量物質を複雑な組成物から分離する方法すべてである。例として、現時点では、適切な溶剤による沈殿、適切な溶剤による抽出、錯体形成(例えば、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体を使用)、結晶化、(クロマトグラフ法による)精製または分離あるいはソルビタンエステルから容易に分離可能な誘導体への転化を挙げることができる。本発明による配合物は、好ましくは、プロセス段階C)を行わないで得られたソルビタンカルボン酸エステルを含む。
【0089】
本発明によるケア配合物は、例えば、以下よりなる群から選択される少なくとも1種の更なる成分を含むことができる。
皮膚軟化剤、
乳化剤、
増粘剤/粘度調節剤/安定剤、
紫外線遮蔽剤、
酸化防止剤、
ヒドロトロープ(またはポリオール)、
固体の充填剤、
皮膜形成剤、
真珠光沢付与剤、
消臭剤および制汗有効成分、
昆虫忌避剤、
セルフタンニング剤、
防腐剤、
コンディショナー、
香料、
着色剤、
化粧有効成分、
ケア添加剤、
過脂肪剤、
溶剤。
【0090】
個々の群の代表例として用いることができる物質は、当業者に知られており、例えば、独国特許出願公開第102008001788.4号から選ぶことができる。この特許出願は文献として本明細書に含められ、本開示の一部と見なされる。
【0091】
本発明の更なる主題は、カルボン酸部分が、6〜10個(好ましくは8個)の炭素原子を含むカルボン酸に由来し、かつ350より大きい、好ましくは400より大きい、特に450より大きいヒドロキシル価(OH価)を有するソルビタンカルボン酸エステルの、クレンジング配合物またはケア配合物における、粘度調節剤、ケア有効成分、起泡増進剤または可溶化剤としての使用である。
【0092】
本発明に従ってソルビタンカルボン酸エステルが使用されるクレンジング配合物またはケア配合物は、好ましくは化粧用、皮膚用または医薬用配合物(好ましくは、ヒトまたは動物の身体部位をクレンジングまたはケアするためのもの)であり、特に好ましくは、ヒトまたは動物の身体部位(特に、皮膚および毛髪)のクレンジングおよびケア用の界面活性剤(特に水性界面活性剤)配合物である。
【0093】
ソルビタンカルボン酸エステルが本発明に従って使用されるさらに好ましい配合物は、上述の本発明による好ましい配合物である。
【0094】
好ましくは、本発明による使用では、上述した本発明による配合物との関連において、本発明による配合物中に含まれるのが好ましいソルビタンカルボン酸エステルが使用される。
【0095】
以下に述べる実施例では、例を挙げて本発明を説明するが、それは本発明を実施例で述べられている実施態様に限定することを意図するものではなく、本発明の出願の範囲は、説明全体および請求項から実施態様によって定まる。
【実施例】
【0096】
使用実施例における濃度はすべて重量パーセントで示す。当業者に知られている通例の配合プロセスを、配合物の調製に使用した。
【0097】
実施例0:ソルビタンカルボン酸エステルの調製
390.45gのソルビトールシロップ(濃度70%の水溶液)、2.9gのリン酸および5.0gの水酸化ナトリウムを秤量してフラスコに入れ、大気圧において140℃で30分間脱水した。続いて、334.8gのカプリル酸を加え、200℃において大気圧でエステル化した。反応時間が経過した後、フィルタープレスで生成物を濾過した。得られた生成物は透明であり、最終粘度が約6000mPa・s、ヒドロキシル価が470、酸価が<10、さらにヨウ素価が<1(上述のプロセスに従って測定)である。
【0098】
得られた物質を以下の実施例で用いたが、それは以下においてCap01で示されている。
【0099】
実施例1:増粘特性の試験
様々な界面活性剤系における通例の界面活性剤の増粘剤と比較して、実施例0のCap01の増粘作用を試験した。
粘度は、Brookfield粘度計(Brookfield LVF、スピンドル3を使用、5rpm)を用いて25℃で測定した。
【0100】
1a)界面活性剤系1a:
32重量%のラウリルエーテル硫酸ナトリウム(Cognis, Texapon(登録商標)NSO、濃度28%)、8重量%のコカミドプロピルベタイン(Evonik Goldschmidt GmbH, TEGO(登録商標)betaine F 50、濃度38%)および0.7重量%のNaClを、25℃において粘度を3500mPasに調節した。この場合のそれぞれに必要とされた増粘剤の濃度を表1−1に示す。市販の増粘剤と比較して、必要とされる使用濃度が最も低く、実施例0のCap01が最も効果的であることが分かる。
【0101】
【表1】

【0102】
1b)界面活性剤系1b:
32重量%のラウリルエーテル硫酸ナトリウム(Cognis, Texapon(登録商標)NSO、濃度28%)および9重量%のココアンホ酢酸ナトリウム(Evonik Goldschmidt GmbH, Rewoteric(登録商標)AM C、濃度32%)を、25℃において粘度を3500mPasに調節した。この場合のそれぞれに必要とされた増粘剤の濃度を表1−2に示す。市販の増粘剤と比較して、必要とされる使用濃度が最も低く、Cap01が最も効果的であることが分かる。
【0103】
【表2】

【0104】
1c)界面活性剤系1c:
15重量%のココアンホ酢酸ナトリウム(Evonik Goldschmidt GmbH, Rewoteric(登録商標)AM C、濃度32%)、13重量%のコカミドプロピルベタイン(Evonik Goldschmidt GmbH, TEGO(登録商標)betaine F 50、濃度38%)および3.8重量%のスルホコハク酸ラウリル2ナトリウム(Evonik Goldschmidt GmbH, Rewopol(登録商標)SB F 12P、濃度95%)を、25℃において粘度を3500mPasに調節した。これはPEGを含まない界面活性剤配合物であり、増粘させるのが難しい。
【0105】
表1−3には、市販の増粘剤ANTIL(登録商標)HS 60(Evonik Goldschmidt GmbH、INCI:コカミドプロピルベタイン;ラウリン酸グリセリル)の場合にどれくらいの使用濃度が必要とされるかが、Cap01とANTIL(登録商標)HS 60(Evonik Goldschmidt GmbH、INCI:コカミドプロピルベタイン;ラウリン酸グリセリル)を組み合わせた場合と比較して示されている。Cap01とANTIL(登録商標)HS 60(Evonik Goldschmidt GmbH、INCI:コカミドプロピルベタイン;ラウリン酸グリセリル)とを組み合わせて使用した場合に相乗作用が起こること、また必要とされる増粘剤の量の著しい減少(4.5重量%〜1.5重量%)を達成できることは明白である。この場合、必要とされる増粘剤活性成分が著しく少なくなるので、資源も節約される。
【0106】
【表3】

【0107】
1d)硬い表面用のクレンジング配合物中での増粘剤としてのCap01の使用
【0108】
【表4】

【0109】
実施例2:手洗い試験による皮膚のコンディショニング(スキンケアの性能)および泡特性の試験
水性界面活性剤配合物におけるCap01の皮膚の保湿ケア(スキンケアの性能)および泡特性の評価のために、手洗い官能試験を、市場の標準ポリエチレングリコール(7)グリセリルモノアセテートと比較して実施した。
【0110】
ポリエチレングリコール(7)モノヤシ油脂肪酸グリセリルは産業界において保湿ケア有効成分として一般に普及しており、水性界面活性剤配合物中の高度な有効成分として認められている。
【0111】
10人の訓練を受けた被験者からなるグループがここで、定められた仕方で手を洗い、泡特性および皮膚感覚を1(悪い)〜5(非常に良い)の評価尺度で評価した。用いた製品は、それぞれの場合に、標準化界面活性剤配合物で試験した(表2−1および2−3)。
【0112】
2a)従来のポリエーテル含有界面活性剤配合物での手洗い試験
使用した対照配合物2a1は、添加剤が加えられていない配合物である。
【0113】
【表5】

【0114】
試験結果を表2−2に要約する。
【0115】
【表6】

【0116】
手洗い試験の結果を表2−2に示す。Cap01を用いている本発明による配合物2a2は、先行技術による比較配合物2a1および2a3と比較して、使用してから3分後の皮膚のなめらかさおよび皮膚の柔らかさが良好であり、手洗い時の皮膚感覚が優れていることが、測定結果により明らかである。使用直後の皮膚のなめらかさおよび皮膚の柔らかさも、本発明による配合物2a2の場合には、比較配合物2a1および2a3の場合の測定値よりも優れている。さらに、Cap01を含んでいる本発明による配合物2a2により、起泡特性の向上がもたらされることが、測定値によって明らかである。
【0117】
2b)ポリエーテルを含まない界面活性剤配合物での手洗い試験:
添加剤が加えられていない配合物を対照配合物2a4として使用する。
【0118】
【表7】

【0119】
試験結果を表2−4に要約する。
【0120】
【表8】

【0121】
手洗い試験の結果を表2−4に示す。測定結果により、Cap01を用いている本発明による配合物2a5では、比較配合物2a4と比較して、洗浄時および洗浄後のすぐれた皮膚感覚がもたらされることが明らかである。さらに、Cap01を含んでいる本発明による配合物2a5により、ポリエーテルを含まない界面活性剤系の泡特性の向上がもたらされることが、測定値によって明らかである。
【0122】
要約すれば、Cap01は、従来のポリエーテル含有の界面活性剤配合物およびポリエーテルを含まない界面活性剤配合物において、泡の質および使用時および使用後の皮膚感覚の両方に著しく好ましい影響を与えると言える。
【0123】
実施例3:可溶化特性の試験
Cap01の可溶化特性は、水不溶性の油であるミリスチン酸イソプロピル(Evonik Goldschmidt GmbH, TEGOSOFT(登録商標)M)を、40重量%のラウリルエーテル硫酸ナトリウム(Cognis, Texapon(登録商標)NSO、濃度28%)、10重量%のコカミドプロピルベタイン(Evonik Goldschmidt GmbH, TEGO(登録商標)betaine F 50、濃度38%)および0.5重量%の可溶化添加剤からなる界面活性剤溶液中に溶かして透明にすることにより試験した(実施例3a3、3a4、3a6および3a7を参照)。比較のため、可溶化添加剤を加えずに、前記油を純粋な界面活性剤溶液に溶かした(表3−1の実施例3a1および3a2)。
【0124】
用いた市場の標準品はヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル(Evonik Goldschmidt GmbH, TEGOSOFT(登録商標)GC)であった(表3−1の実施例3a6、3a7および3a8を参照)。
【0125】
表3−1は、それぞれの系に追加で溶けて透明になることが可能なミリスチン酸イソプロピル(Evonik Goldschmidt GmbH, TEGOSOFT(登録商標)M)の量を示す。この量を超えると、濁りが生じる。
【0126】
Cap01は、市場の標準ヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル(Evonik Goldschmidt GmbH, TEGOSOFT(登録商標)GC)を超える際だった可溶化作用を有している。
【0127】
【表9】

【0128】
要約すれば、実施例は、Cap01の増粘作用、ケア作用、起泡促進(foam-promoting)作用および可溶化作用を明白に実証していることが明らかであると言うことができ、場合によっては比較物質(市場の標準的なもの)の効果を著しく超えている。
【0129】
実施例4:更なる配合物実施例:
これらの実施例は、多種多様な本発明による配合物の例示的な代表例を示す。配合物の調製において、あらかじめ配合物成分の別個の調製または混合が必要とされる場合、それは多相調製と呼ばれる。
【0130】
2相調製が必要である場合、示されている表の中でその2相にAおよびBの印を付けてある。
3相プロセスの場合、その3つの相にA、BおよびCと名付けてある。
【0131】
【表10】

【0132】
【表11】

【0133】
【表12】

【0134】
【表13】

【0135】
【表14】

【0136】
【表15】

【0137】
【表16】

【0138】
【表17】

【0139】
【表18】

【0140】
【表19】

【0141】
【表20】

【0142】
【表21】

【0143】
【表22】

【0144】
【表23】

【0145】
【表24】

【0146】
【表25】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトまたは動物の身体部位をクレンジングおよびケアするためのソルビタンカルボン酸エステル含有配合物であって、
前記ソルビタンカルボン酸エステルのカルボン酸成分が、6〜10個の炭素原子を含むカルボン酸に由来し、かつ
前記ソルビタンカルボン酸エステルが350より大きいヒドロキシル価(OH価)を有することを特徴とする配合物。
【請求項2】
前記配合物が、全配合物を基準にして0.01重量%〜10重量%のソルビタンカルボン酸エステルを含むことを特徴とする、請求項1に記載の配合物。
【請求項3】
前記配合物が水性界面活性剤配合物であることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の配合物。
【請求項4】
前記配合物が、ポリエーテルおよびポリエーテル含有化合物を本質的に含まないことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の配合物。
【請求項5】
含有される前記ソルビタンカルボン酸エステルが20未満の酸化を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の配合物。
【請求項6】
含有される前記ソルビタンカルボン酸エステルが30未満のヨウ素価を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の配合物。
【請求項7】
含有される前記ソルビタンカルボン酸エステルが100〜20000mPa・sの粘度を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の配合物。
【請求項8】
前記ソルビタンカルボン酸エステルが由来するソルビトール1モル当たり1〜3molのカルボン酸が、含有される前記ソルビタンカルボン酸エステルにおいてエステル化されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の配合物。
【請求項9】
前記含有されるソルビタンカルボン酸エステルが、
A)ソルビトールを脱水するプロセス段階、
B)前記脱水ソルビトールを、6〜10個の炭素原子を含むカルボン酸、カルボン酸成分が6〜10個の炭素原子を含むカルボン酸エステルまたはカルボン酸エステル混合物を含む群から選択される少なくとも1種の化合物と反応させるプロセス段階、および任意に、
C)プロセス段階B)で形成されたソルビタンエステルを分離するプロセス段階
を含むプロセスによって得られうることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の配合物。
【請求項10】
クレンジング配合物またはケア配合物における粘度調節剤、ケア有効成分、起泡増進剤または可溶化剤としてのソルビタンカルボン酸エステルの使用であって、
カルボン酸部分が6〜10個の炭素原子を含むカルボン酸に由来し、
350より大きいヒドロキシル価(OH価)を有するソルビタンカルボン酸エステルの使用。

【公表番号】特表2012−521380(P2012−521380A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−501208(P2012−501208)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【国際出願番号】PCT/EP2010/052252
【国際公開番号】WO2010/108738
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(507375465)エヴォニク ゴールドシュミット ゲーエムベーハー (100)
【Fターム(参考)】