説明

ソレノイドバルブ、ソレノイドおよび可変容量ポンプ

【課題】コイルを巻回するときの積層精度を安定化するソレノイドバルブ、ソレノイドおよび可変容量ポンプを提供すること。
【解決手段】コイル2を内周面および外周面が軸方向全域に亘って軸方向とほぼ平行となるように筒状に形成し、スリーブ7をフロントコア3のコア小径部3aとコイル2の間に設けられ筒状に形成されるスリーブ大径部7aと、リアコア4とアーマチュア6の間に設けられスリーブ大径部7aよりも小径の筒状に形成されたスリーブ小径部7bとから構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソレノイドバルブ、ソレノイドおよび可変容量ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術としては、下記の特許文献1に記載の技術が開示されている。この公報には、プランジャケース内にプランジャが可動配置されており、プランジャはコイル部に対する通電により励磁状態になることで、中空吸引子の側に磁気的に吸引されることで、弁体の開閉弁量を制御するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−364533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の技術では、コイル部で発生した磁気を導く磁気ガイド部材がプランジャケースの外周に設けられ、中空吸引子はプランジャケースの内周側に設けられている。そのため、コイル部の磁気ガイドが設けられる部分を凹状に形成する必要があり、コイルを巻回する際に積層精度が不安定となる問題があった。
本発明は上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、コイルを巻回するときの積層精度を安定化するソレノイドバルブ、ソレノイドおよび可変容量ポンプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため本願発明では、コイルを内周面および外周面が軸方向全域に亘って軸方向とほぼ平行となるように筒状に形成し、スリーブをフロントコアのコア小径部とコイルの間に設けられ筒状に形成されるスリーブ大径部と、リアコアとアーマチュアの間に設けられスリーブ大径部よりも小径の筒状に形成されたスリーブ小径部とから構成した。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、コイルを巻回するときの積層精度を安定化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1のソレノイドバルブ、ソレノイドおよび可変容量ポンプを採用した車両用操舵装置の全体システム図である。
【図2】実施例1のソレノイドバルブの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔実施例1〕
[全体構成]
図1は実施例1のソレノイドバルブ、ソレノイドおよび可変容量ポンプを採用した車両用操舵装置の全体システム図である。ドライバが操作するステアリングホイール30には、ステアリングシャフト31が連結されている。ステアリングシャフト31には、ユニバーサルジョイント32を介してアッパー側中間シャフト33が連結され、更にアッパー側中間シャフト33には、ユニバーサルジョイント34を介してロアー側中間シャフト35が連結されている。ロアー側中間シャフト35にはピニオン軸36が接続されている。ピニオン軸36には、パワーシリンダ37の油圧制御を行う油圧制御弁38を介してピニオン(図示せず)が接続されている。油圧制御弁38は、ドライバの操舵トルクに応じて相対移動し、これにより油圧供給路及び油圧供給量を適宜切り換えるものである。
【0009】
ピニオンは、ラック軸39と係合しており、ドライバの操舵角に応じてピニオンが回転し、この回転角(操舵角)に応じてラック軸39が左右に移動する。ラック軸39はパワーシリンダ37内にピストンを有し、ラック軸39を左方に移動させる場合には右側のパワーシリンダ室内に油圧を供給し、右方に移動させる場合には左側のパワーシリンダ室内に油圧を供給することで、操舵トルクをアシストする。ラック軸39の両端はタイロッド50を介して転舵輪41が接続され、ドライバ操作に応じて転舵される。
また、車両のエンジン42には、クランクシャフトからベルト43を介して駆動されるオイルポンプ44が備えられている。このオイルポンプ44は可変容量型ベーンポンプであり、エンジンの回転と同期して回転するロータ45と、ロータ45の外周において径方向に出没自在に配置された板状のベーン46と、ロータ45の回転中心に対して所定範囲で偏心可能なカムリング47と、これらロータ45,ベーン46及びカムリング47(ポンプ要素)を収容するポンプ要素収容部48を有するポンプハウジング49とを有する。ポンプハウジング49は、ロータ45を駆動する駆動軸50を軸支している。ポンプハウジング49には、カムリング47の偏心量を制御する比例バルブであるソレノイドバルブ51を有する。
【0010】
オイルポンプ44の吐出油路52上には図外のメータリングオリフィスが備えられ、このメータリングオリフィスのオリフィス開度はソレノイド53により可変制御可能に構成されている。制御バルブ54は、制御バルブ54の図1中左方に位置し、カムリング47外周とポンプハウジング49内周との間に形成された隙間への油圧供給を行う制御室と、制御バルブ54の図1中右方に位置し、吐出圧が供給される吐出圧室とを有する。制御室はメータリングオリフィスの上流側と連通し、吐出圧室はメータリングオリフィスの下流側(高圧オイル供給路55側)と連通する。カムリング47は初期状態において、スプリング56により偏心量が最大位置に付勢されており、回転数に応じて制御室内に導入される圧力が変更され、カムリング47の偏心量を制御する。メータリングオリフィスのオリフィス開度を制御すると、ポンプ回転数に対する吐出流量特性(偏心量の変化特性)を変更することができると同時に、オイルポンプ44を駆動するのに必要なトルクも変更することができるものである。
【0011】
オイルポンプ44は、リザーバタンク56内の作動液を吸入するオイル供給路57と、オイルポンプ44の高圧吐出圧を油圧制御弁38に供給する高圧オイル供給路55と、油圧制御弁38から排出される作動油をリザーバタンク56へ帰還させるオイル帰還路58とを有する。油圧制御弁38において、操舵トルクに応じた相対移動が行われると、左右のパワーシリンダ室と接続された高圧オイル供給路55とオイル帰還路58が適宜切り換えられる。
コントロールユニット60には、ドライバの操舵角を検出する舵角センサ61の情報と、車両の速度を検出する車速センサ62の情報と、エンジン42を制御するエンジンコントロールユニット63の情報とが入力される。エンジンコントロールユニット63からは、セルモータによりクランキングが成されているか否かを判断するための情報、エンジン回転数情報等が入力される。コントロールユニット60は、バッテリ64とイグニッションスイッチ65を介して接続されており、イグニッションスイッチ65がオンとなると、コントロールユニット60の通電が開始され、所定の制御が実行される。なお、エンジン始動に伴うクランキングは、一般的なエンジン車両の場合には、ドライバのキー操作によってイグニッションオンから更にキーを回して、もしくはスタートボタンを押すことで所定の間、実行される。
コントロールユニット60は、舵角センサ61から入力された操舵角と、車速センサ62から入力された車速と、エンジンコントロールユニット63から入力されたエンジン回転数に基づいてソレノイドバルブ駆動電流(目標電流指令値)を求め、目標電流指令値に基づいてソレノイドバルブ51に供給する電流を制御する。
【0012】
[ソレノイドバルブの構成]
図2はソレノイドバルブ51の断面図である。図2の左側はコイル2に通電していないときの図、右側はコイル2に通電しているときの図である。ソレノイドバルブ51は、ソレノイドハウジング1と、このソレノイドハウジング1に収容されるコイル2と、コイル2が発生する磁界の磁路を形成するフロントコア3と、フロントコア3よりも軸方向一方側に設けられたリアコア4と、コイル2が発生する磁界の磁路を形成するアーマチュア6と、このアーマチュア6に一体に動くロッド5と、非磁性材料で形成されたスリーブ7と、液通路8bが形成されたバルブハウジング8と、バルブハウジング8内の作動液の流れを制御するスプール9とを有している。
【0013】
(ソレノイドハウジング)
ソレノイドハウジング1は磁性材料で形成され、中空の筒状部1aを有している。筒状部1a内部の軸方向一方側の底部には中心部が凸状に形成されており、この面が底面1bを形成している。底面1bには、外部に向かって貫通する調整ネジ貫通孔1cが形成されている。この調整ネジ貫通孔1cの一部には雌ネジが切られている。この調整ネジ貫通孔1cには、雄ネジが切られた調整ネジ16が嵌合されている。嵌合された調整ネジ16の調整ネジ貫通孔1cの外部開口側にはシール部材保持部16aが形成されており、このシール部材保持部16aにシール部材17が設けられている。
ソレノイドハウジング1の内周は軸方向一方側にコイル収容部1dが形成され、軸方向他方側にはコイル収容部1dの内周径よりも大径に形成されたフロントコア収容部1eが形成されている。
また、筒状部1aの軸方向他方側には、径方向に伸びるフランジ部1fが形成され、このフランジ部1fを貫通する複数の貫通孔1gが形成されている。この貫通孔1gにボルト等を挿入して、ポンプハウジング49にソレノイドバルブ51を固定する。
【0014】
(リアコア)
リアコア4は磁性材料で形成され、ソレノイドハウジング1と一体に形成されている。リアコア4は、ソレノイドハウジング1の底面1bから軸方向他方側に向かって中空の筒状に延在して形成されている。つまり、リアコア4の外周面とソレノイドハウジング1の内周面との間に空間が形成されており、この空間の軸方向他方側端部が開口部4aを形成している。またリアコアの内周面にも空間が形成されており、この空間の軸方向他方側端部が開口部4bを形成している。開口部4b(リアコア4の軸方向他方側端部)の内径は、軸方向他方側から一方側に向かって徐々に減少するテーパ状に形成されている。
(コイル)
コイル2はソレノイドハウジング1の内周側に収容されている。つまり、コイル2は開口部4aに挿入されている。コイル2の外観は全体として筒形状であり、内周面および外周面は、軸方向全域に亘って軸方向とほぼ平行となるよう形成されている。コイル2は電流が供給されることで磁界を発生する。コイル2の軸方向一方側端部には内周の角を切り欠いたシール部材保持部2aが形成されている。このシール部材保持部2aとソレノイドハウジング1との間には圧縮変形した状態でシール部材13が設けられている。
【0015】
(スリーブ)
スリーブ7は非磁性材料により形成されており、軸方向他方側に形成された筒状のスリーブ大径部7aと、軸方向一方側に形成されスリーブ大径部7aよりも小径のスリーブ小径部7bと、スリーブ大径部7aとスリーブ小径部7bとを繋ぐスリーブ段部7cとから構成されている。
スリーブ小径部7bの軸方向一方側端部にはスリーブ小径部7bよりも小径のシール部材保持部7dが形成され、シール部材11が設けられている。スリーブ小径部7bはシール部材保持部7dにシール部材11が装着された状態で、リアコア4の開口部4bに挿入される。リアコア4に挿入されたスリーブ小径部7bの外周はリアコア4の内周に密着する状態となっている。シール部材11は、シール部材保持部7dの外周とリアコア4の内周に密着し、シール性を確保している。
スリーブ小径部7bがリアコア4に挿入されると、スリーブ小径部7bの軸方向一方側端部(スリーブ7の軸方向一方側端部)はソレノイドハウジング1の底面1bと対向することとなる。
スリーブ段部7cは、スリーブ大径部7aから、スリーブ大径部7aよりも小径のスリーブ小径部7bに向かってその半径が徐々に減少するテーパ状に形成されている。
スリーブ大径部7aおよびスリーブ段部7cは、リアコア4の軸方向一方側であってコイル2の内周に挿入されている。スリーブ段部7cの外周の外径は、軸方向一方側から他方側に向かって徐々に増大するように形成されている。
スリーブ7の軸方向他方側端部には開口部7eが形成されている。
【0016】
(ロッド、アーマチュア)
ロッド5は、非磁性材料により円柱状に形成されている。アーマチュア6は、磁性材料により形成されており、ロッド5の軸方向一方側に固定されている。アーマチュア6は、スリーブ7の開口部7eから挿入されてスリーブ小径部7bの中に収容されている。アーマチュア6とリアコア4との間に、非磁性材料で形成されたスリーブ7が挟まれた状態となっており、スリーブ7はアーマチュア6の軸方向移動をガイドすると共に、アーマチュア6がリアコア4に磁化張り付きをすることを防止している。
ロッド5の軸方向一方側端部と調整ネジ16との間にはスプリング12が設けられ、ロッド5を軸方向他方側に付勢している。
【0017】
(フロントコア)
フロントコア3は、リアコア4の軸方向他方側に設けられている。逆に言うと、リアコア4はフロントコア3の軸方向一方側に設けられることとなる。フロントコアは磁性材料により形成されており、コイル2が発生する磁界の磁路を形成している。フロントコア3は、コイル2の内周側に配置されるコア小径部3aと、コイル2の軸方向他端側に配置されコア小径部3aと連続して形成されたコア大径部3bとから構成されている。
コア小径部3aの軸方向一方側端部には凹形状に形成されたアーマチュア収容部3eが形成されている。アーマチュア収容部3eの外周の外径は、軸方向一方側から他方側に向かって徐々に増大するように形成されたテーパ部3fが形成されている。
【0018】
コア小径部3aは、スリーブ7の開口部7eから挿入されてスリーブ小径部7bの内周側に収容され、アーマチュア収容部3eはスリーブ7のスリーブ段部7c内に収容されている。コア小径部3aの外周にはシール部材保持部3gが溝状に形成され、このシール部材保持部3gにはシール部材10が設けられている。シール部材保持部3gの外周とスリーブ7のスリーブ小径部7bとの間にシール部材10が密着し、シール性を確保している。
コア大径部3bは、ソレノイドハウジング1のフロントコア収容部1eに収容されている。このときコア大径部3bの軸方向一方側端面は、スリーブ大径部7aの軸方向他方側端部(スリーブ7の軸方向他方側端部)と対向することとなる。なお、スリーブ7の軸方向長さは、ソレノイドハウジング1の底面1bと、コア大径部3bの軸方向一方側端面との間の軸方向長さよりも短くなるように形成されている。またコア大径部3bとコイル2の軸方向他方側端部との間には圧縮変形した状態でシール部材14が設けられている。このシール部材14は、コイル2の軸方向一方側端部に設けられたシール部材13に対して圧縮率が異なるように設けられている。
【0019】
フロントコア3は、コア小径部3aとコア大径部3bを軸方向に貫通するロッド貫通孔3cが形成されている。このロッド貫通孔3cには非磁性材料で形成された円筒状のストッパ15が接合されている。スリーブ7のスリーブ小径部7bの内周とアーマチュア収容部3eとで形成される空間内にアーマチュア6が収容され、ストッパ15の内周にロッド5の軸方向一方側が挿入されている。アーマチュア6は、スリーブ7のスリーブ小径部7bの内周とアーマチュア収容部3eとで形成される空間内をロッド5とともに軸方向に摺動する。ストッパ15は、アーマチュア6が軸方向一方側に最も移動したときに、アーマチュア6の軸方向一方側端面と当接し、アーマチュア6がフロントコア3に磁化張り付きをすることを防止している。
ロッド貫通孔3cに連通して液通路3dが形成されている。この液通路3dは、軸方向他方側に向かうにつれて拡径するように形成されている。また液通路3dの軸方向他方側連通してバルブハウジング収容部3hが形成されている。このバルブハウジング収容部3hは、液通路3dよりも大径に形成されている。
【0020】
(スプール)
スプール9外径は円柱状に形成された円柱部9aと、円柱部9aの軸方向一方側端部に円柱部9aよりも大径に形成された大径部9bとが形成されている。大径部9bは、軸方向一方側端部から他方側に向かって徐々に大径となるように形成されている。大径部9bと円柱部9aとの間には径方向に伸びる段部9cが形成されている。
スプール9の内部には中空の液通路9dが軸方向他方側端部から一方側の途中まで形成されている。この液通路9dから径方外側に向かって貫通するオリフィス孔9eが複数形成されている。
【0021】
(バルブハウジング)
バルブハウジング8の外見は全体として円筒状に形成され、軸方向他方側がフロントコア3のバルブハウジング収容部3hに挿入されている。バルブハウジング8の軸方向他方側端部にはシール部材保持部8eが形成され、このシール部材保持部8eにシール部材18が設けられている。このシール部材保持部8eの外周と、フロントコア3のバルブハウジング収容部3hの内周とにシール部材18が密着し、シール性を確保している。
バルブハウジング8には軸方向に貫通した貫通孔が形成され、その軸方向他方側はスプール収容部8a、軸方向一方側は液通路8bを構成している。またスプール収容部8aと液通路8bと間に段部は、スプリング座部8hを構成している。スプール収容部8aには、液通路8bの一部に液通路8bより大径に形成された環状溝8cが形成されている。また環状溝8cに連通して径方向に貫通する吐出孔8dが形成されている。
バルブハウジング8外周には吐出孔8dを挟んでシール部材保持部8f,8gが形成されている。このシール部材保持部8f,8gにそれぞれシール部材19,20が設けられている。
スプール収容部8aにはスプール9の円柱部9aが軸方向に摺動可能に挿入されている。また、スプリング座部8hとスプール9の段部9cとの間にはスプリング21が設けられ、スプール9を軸方向一方側に付勢している。これにより、スプール9の軸方向一方側端部の面はロッド5の軸方向他方側端部と当接し、ロッド5およびアーマチュア6とともに軸方向に摺動する。
【0022】
[作用]
(ソレノイドバルブの動作)
コイル2が通電されると、ソレノイドハウジング1、リアコア4、アーマチュア6、フロントコア3を通る磁気が発生する。このときリアコア4とアーマチュア6との間には径方向の吸引力が作用し、フロントコア3とアーマチュア6との間には軸方向の吸引力が作用するため、アーマチュア6は軸方向一方側に吸引されることとなる。
これによりスプール9の液通路9dと、バルブハウジング8の環状溝8cおよび吐出孔8dとの間のオリフィス孔9eの開度が可変制御される。
(コイル製造の容易化)
アーマチュア6がリアコア4に磁気張り付きすることを防止するため、アーマチュア6とリアコア4との間にスリーブ7を設ける必要がある。つまり、リアコア4はスリーブ7の外周側に位置することとなる。一方、フロントコア3とアーマチュア6との間に軸方向の吸引力を作用させるためには、フロントコア3をアーマチュア6の軸方向側に設ける必要がある。アーマチュア6がフロントコア3に磁気張り付きすることを防止するためにスリーブ7をアーマチュア6とフロントコア3との間に設けても良いが、スリーブ7の形状が複雑になるため、実施例1ではストッパ15を用いている。つまり、フロントコア3はスリーブ7の内周側に位置することとなる。
コイル2の内周に段部を形成してリアコア4を配置することもできるが、コイル2の内周に段部を設けると、コイル2を巻回する際に積層精度が不安定になる問題があった。
そこで実施例1では、スリーブ7をスリーブ大径部7aと、スリーブ小径部7bと、スリーブ段部7cから構成し、スリーブ大径部7aの内周側にフロントコア3を配置し、スリーブ小径部7bの外周側にリアコア4を配置した。
これにより、コイル2の内周面に段部を設けることなく、内周面および外周面が軸方向全域に亘って軸方向とほぼ平行となるように筒状に形成することができる。そのため、コイル2の巻回が容易となり積層精度が安定させることができコイルの製造が容易となり、コイル2を小型化することができる。
【0023】
(ソレノイドの比例特性精度向上)
実施例1では、フロントコア3に、アーマチュア収容部3eと、アーマチュア収容部3eの外周側に設けられた環状部であって外径が軸方向一方側から他方側に向かって徐々に増大するように形成されたテーパ部3fとを設けた。
アーマチュア6の軸方向一方側端部がフロントコア3のアーマチュア収容部3eの位置まで移動すると、フロントコア3とアーマチュア6との間には軸方向の吸引力に加えて径方向に吸引力が作用する。アーマチュア収容部3eの外周の外径は、軸方向一方側から他方側に向かって徐々に増大するように形成されたテーパ部3fが形成されているため、アーマチュア6が軸方向一方側に移動するにつれて、軸方向に作用する吸引力に対して、径方向に作用する吸引力の割合が大きくなる。そのため、アーマチュア6とフロントコア3とが近づいても軸方向の吸引力の増加を小さくすることができ、比例バルブであるソレノイドバルブ51の比例特性精度を向上させることができる。
(コイル等の組み付け性向上)
実施例1では、リアコア4の軸方向他方側端部の外周側は筒状部1aの内周面との間にコイル2を挿入可能な開口部4aを形成し、リアコア4の軸方向他方側端部はリアコア4の内周側にスリーブ小径部7bを挿入可能な開口部4bを形成し、スリーブ7の軸方向他方側端部はアーマチュア6およびフロントコア3のコア小径部3aを挿入可能な開口部7eを形成した。
これにより、コイル2、アーマチュア6、スリーブ7、フロントコア3を全て軸方向他方側から組み付けることができ、組み付け性を向上することができる。
【0024】
(スリーブの径方向変形抑制)
実施例1では、シール部材11は、スリーブ小径部7bの外周面とリアコア4の内周面に密着するようにスリーブ小径部7bとリアコア4の間に配置されるようにした。
これにより、バルブハウジング8側からスリーブ7内部へ漏洩した作動液の液圧がスリーブ小径部7bに作用した場合、その液圧はシール部材11を介してリアコア4に伝達されるため、スリーブ7にかかる荷重を軽減させることができ、スリーブ7の変形を抑制することができる。
(リアコアとスリーブのエアギャップ抑制)
実施例1では、スリーブ7はスリーブ小径部7bの軸方向一方側端部に設けられスリーブ小径部7bよりも外径が小さく形成されたシール部材保持部7dを備え、このシール部材保持部7dの外周面に密着するようにシール部材11が設けるようにした。
これにより、スリーブ小径部7bとリアコア4との間にシール部材11を介在させても、スリーブ小径部7bとリアコア4を近づけることができる。そのため、スリーブ小径部7bの内周に収容されるアーマチュア6と、リアコア4との間のエアギャップ(径方向隙間)を抑制することができ、リアコア4からアーマチュア6への磁力低下を抑制することができる。
(スリーブの組み付け性向上)
実施例1では、スリーブ7はスリーブ小径部7bの軸方向一方側端部に設けられスリーブ小径部7bよりも外径が小さく形成されたシール部材保持部7dを備え、このシール部材保持部7dの外周面に密着するようにシール部材11が設けるようにした。
これにより、シール部材保持部7dにシール部材11を組み付けた状態で、スリーブ7をリアコア4に組み付けることが可能となり、スリーブ7の組み付け性を向上することができる。
【0025】
(スリーブの軸方向変形抑制)
スリーブ7の軸方向長さを、ソレノイドハウジング1の底面1bとフロントコア3のコア大径部3bの軸方向一方側端面との間の軸方向長さよりも短くなるように形成するようにした。
これにより、フロントコア3に液圧による応力が作用したときであっても、スリーブ7がフロントコア3とソレノイドハウジング1との間に挟み込まれることを防止することができ、スリーブ7の変形を抑制することができる。
(磁界の飽和抑制)
実施例1では、スリーブ段部7cを半径がスリーブ大径部7a側からスリーブ小径部7b側に向かって徐々に減少するテーパ状に形成し、リアコア4の軸方向他方側端部の内径を軸方向他方側から一方側に向かって徐々に減少するテーパ状に形成した。
これにより、スリーブ段部7cをリアコア4のより奥に向かって配置することができ、スリーブ7内に収容するフロントコア3もよりリアコア4側に配置することができる。よって、リアコア4とフロントコア3とのオーバラップ量を増やすことができ、磁界の飽和を抑制することができる。
【0026】
(リアコア形成の容易化)
実施例1では、リアコア4をソレノイドハウジング1と一体に形成した。
リアコア4はスリーブ7と一体に形成することもできるが、磁性材料で形成されたリアコア4と非磁性材料で形成されたスリーブ7とを一体に形成しようとすると、リアコア4とスリーブ7とを溶接する必要がある。一方、共に磁性材料で形成されたリアコア4とソレノイドハウジング1とを一体に形成する場合には、リアコア4とソレノイドハウジング1と形成する型を共有することができ、溶接等の煩雑な工程を省くことが可能となる。
(コイルのガタツキ抑制)
実施例1では、コイル2の軸方向一方側端部とソレノイドハウジング1との間に圧縮変形した状態で設けたシール部材13に対して、コイル2の軸方向他方側端部とフロントコア3のコア大径部3bとの間に圧縮変形した状態で設けたシール部材14を異なる圧縮率で組み付けるようにした。
これにより、コイル2は一方向に付勢された状態で組み付けられるためコイル2のガタツキを抑制することができる。
【0027】
[効果]
実施例1の効果について以下に列記する。
(1) 磁性材料で形成され、筒状部1aを有し、軸方向一方側が閉塞されたソレノイドハウジング1と、ソレノイドハウジング1内に収容され、内周面および外周面が軸方向全域に亘って軸方向とほぼ平行となるように筒状に形成され、電流が供給されることで磁界を発生するコイル2と、筒状部1aの軸方向他方側に設けられ、磁性材料で形成され、コイル2の内周側に配置されたコア小径部3aと、コイル2の軸方向他端側に配置されコア小径部3aと連続して形成されたコア大径部3bと、コア小径部3aとコア大径部3bを軸方向に貫通するロッド貫通孔3cと、コア小径部3aの軸方向一方側端部に設けられた凹形状を有するアーマチュア収容部3eと、アーマチュア収容部3eの外周側に設けられた環状部であって外径が軸方向一方側から他方側に向かって徐々に増大するように形成されたテーパ部3fと、から構成され、コイル2の発生する磁界の磁路を形成するフロントコア3と、筒状部1aの軸方向一方側に設けられ、磁性材料で形成され、コイル2の内周側であってフロントコア3よりも軸方向一方側に配置され、筒状に形成されたリアコア4と、ロッド貫通孔3c内を軸方向移動可能に設けられたロッド5と、ロッド5の外周側に設けられ、リアコア4の内周側およびフロントコア3のアーマチュア収容部3e内をロッド5と共に軸方向移動可能に設けられ、筒状部1a、フロントコア3およびリアコア4と共にコイル2の発生する磁界の磁路を形成するアーマチュア6と、非磁性材料で形成され、コア小径部3aとコイル2の間に設けられ筒状に形成されるスリーブ大径部7aと、リアコア4とアーマチュア6の間に設けられスリーブ大径部7aよりも小径の筒状に形成されたスリーブ小径部7bと、スリーブ大径部7aとスリーブ小径部7bの間に設けられスリーブ大径部7aの軸方向一方側端部とスリーブ小径部7bの軸方向他方側端部とを接続するスリーブ段部7cと、から構成されるスリーブ7と、フロントコア3の軸方向他方側に設けられ、軸方向に延びる孔部であるスプール収容部8aと、スプール収容部8aに開口すると共にロッド貫通孔3cと連通するように形成された液通路8bと、を有するバルブハウジング8と、スプール収容部8a内に設けられ、ロッド5によって軸方向移動することによりバルブハウジング8の液通路8bと共にバルブハウジング8内を流れる作動液の流れを制御するスプール9と、コア小径部3aとスリーブ大径部7aの間をシールするシール部材10(第1シール部材)と、リアコア4とスリーブ小径部7bの間をシールするシール部材11(第2シール部材)と、アーマチュア6を軸方向一方側から他方側へ付勢するスプリング12(付勢手段)とを設けた。
よって、コイル2の内周面に段部を設けることなく、内周面および外周面が軸方向全域に亘って軸方向とほぼ平行となるように筒状に形成することができる。そのため、コイル2の巻回が容易となり積層精度が安定させることができコイルの製造が容易となり、コイル2を小型化することができる。
また、アーマチュア6とフロントコア3とが近づいても軸方向の吸引力の増加を小さくすることができ、比例バルブであるソレノイドバルブ51の比例特性精度を向上させることができる。
【0028】
(2) リアコア4の軸方向他方側端部の外周側は筒状部1aの内周面との間にコイル2を挿入可能な開口部4aを有し、リアコア4の軸方向他方側端部はリアコア4の内周側にスリーブ小径部7bを挿入可能な開口部4bを有し、スリーブ7の軸方向他方側端部はアーマチュア6およびコア小径部3aを挿入可能な開口部7eを有することとした。
よって、コイル2、アーマチュア6、スリーブ7、フロントコア3を全て軸方向他方側から組み付けることができ、組み付け性を向上することができる。
(3) シール部材11は、スリーブ小径部7bの外周面とリアコア4の内周面に密着するようにスリーブ小径部7bとリアコア4の間に配置した。
よって、バルブハウジング8側からスリーブ7内部へ漏洩した作動液の液圧がスリーブ小径部7bに作用した場合、その液圧はシール部材11を介してリアコア4に伝達されるため、スリーブ7にかかる荷重を軽減させることができ、スリーブ7の変形を抑制することができる。
【0029】
(4) スリーブは7、スリーブ小径部7bの軸方向一方側端部に設けられスリーブ小径部7bよりも外径が小さく形成されたシール部材保持部7dを備え、シール部材11は、シール部材保持部7dの外周面に密着するように配置した。
よって、スリーブ小径部7bとリアコア4との間にシール部材11を介在させても、スリーブ小径部7bとリアコア4を近づけることができる。そのため、スリーブ小径部7bの内周に収容されるアーマチュア6と、リアコア4との間のエアギャップ(径方向隙間)を抑制することができ、リアコア4からアーマチュア6への磁力低下を抑制することができる。
(5) ソレノイドハウジング1は、ソレノイドハウジング1の軸方向一方側に設けられ、スリーブ7の軸方向一方側端部と対向する面である底面1bを備え、スリーブ7の軸方向他方側端部は、コア大径部3bの軸方向一方側端面と対向するように配置され、スリーブ7は、スリーブ7の軸方向長さが、底面1bとコア大径部3bの軸方向一方側端面の間の軸方向長さよりも短くなるように形成した。
よって、フロントコア3に液圧による応力が作用したときであっても、スリーブ7がフロントコア3とソレノイドハウジング1との間に挟み込まれることを防止することができ、スリーブ7の変形を抑制することができる。
【0030】
(6) スリーブ段部7cは、スリーブ段部7cの半径をスリーブ大径部7a側からスリーブ小径部7b側に向かって徐々に減少するテーパ状に形成し、リアコア4は、リアコア4の軸方向他方側端部の内径を軸方向他方側から一方側に向かって徐々に減少するテーパ状に形成した。
よって、スリーブ段部7cをリアコア4のより奥に向かって配置することができ、スリーブ7内に収容するフロントコア3もよりリアコア4側に配置することができる。よって、リアコア4とフロントコア3とのオーバラップ量を増やすことができ、磁界の飽和を抑制することができる。
【0031】
(7) リアコア4を、ソレノイドハウジング1と一体に形成した。
よって、溶接等の煩雑な工程を省くことが可能となる。
(8) コイル2の軸方向一方側端部とソレノイドハウジング1の間に圧縮変形した状態で設けたシール部材13(第3シール部材)と、コイル2の軸方向他方側端部とコア大径部3bの間に圧縮変形した状態で設けたシール部材14(第4シール部材)と、を備え、シール部材13は、シール部材14の圧縮率と異なる圧縮率で組付けるようにした。
よって、コイル2は一方向に付勢された状態で組み付けられるためコイル2のガタツキを抑制することができる。
【0032】
(9) 磁性材料で形成され、筒状部1aを有し、軸方向一方側が閉塞されたソレノイドハウジング1と、ソレノイドハウジング1内に収容され、内周面および外周面が軸方向全域に亘って軸方向とほぼ平行となるように筒状に形成され、電流が供給されることで磁界を発生するコイル2と、筒状部1aの軸方向他方側に設けられ、磁性材料で形成され、コイル2の内周側に配置されたコア小径部3aと、コイル2の軸方向他端側に配置されコア小径部3aと連続して形成されたコア大径部3bと、コア小径部3aとコア大径部3bを軸方向に貫通するロッド貫通孔3cと、コア小径部3aの軸方向一方側端部に設けられた凹形状を有するアーマチュア収容部3eと、アーマチュア収容部3eの外周側に設けられた環状部であって外径が軸方向一方側から他方側に向かって徐々に増大するように形成されたテーパ部3fと、から構成され、コイル2の発生する磁界の磁路を形成するフロントコア3と、筒状部1aの軸方向一方側に設けられ、磁性材料で形成され、コイル2の内周側であってフロントコア3よりも軸方向一方側に配置され、筒状に形成されたリアコア4と、ロッド貫通孔3c内を軸方向移動可能に設けられたロッド5と、ロッド5の外周側に設けられ、リアコア4の内周側およびフロントコア3のアーマチュア収容部3e内をロッド5と共に軸方向移動可能に設けられ、筒状部1a、フロントコア3およびリアコア4と共にコイル2の発生する磁界の磁路を形成するアーマチュア6と、非磁性材料で形成され、コア小径部3aとコイル2の間に設けられ筒状に形成されるスリーブ大径部7aと、リアコア4とアーマチュア6の間に設けられスリーブ大径部7aよりも小径の筒状に形成されたスリーブ小径部7bと、スリーブ大径部7aとスリーブ小径部7bの間に設けられスリーブ大径部7aの軸方向一方側端部とスリーブ小径部7bの軸方向他方側端部とを接続するスリーブ段部7cと、から構成されるスリーブ7と、アーマチュア6を軸方向一方側から他方側へ付勢するスプリング12(付勢手段)とを設けた。
よって、コイル2の内周面に段部を設けることなく、内周面および外周面が軸方向全域に亘って軸方向とほぼ平行となるように筒状に形成することができる。そのため、コイル2の巻回が容易となり積層精度が安定させることができコイルの製造が容易となり、コイル2を小型化することができる。
【0033】
(10) ステアリングホイール30の操舵操作を転舵輪41に伝達すると共に作動液の液圧によって操舵アシスト力を発生させるパワーシリンダ37(車両用操舵装置)に作動液を供給するオイルポンプ44(可変容量形ポンプ)であって、ポンプ要素収容部48を有するポンプハウジング49と、ポンプハウジング49に軸支される駆動軸50と、ポンプ要素収容部48に移動可能に設けられた環状のカムリング47と、カムリング47内に設けられ、駆動軸50の回転駆動によって吸入した作動液を吐出すると共に、駆動軸50に対するカムリング47の偏心量の変化に伴い1回転当たりの吐出流量である固有吐出量を変化させるロータ45,ベーン46及びカムリング47(ポンプ要素)と、通電量の変化に応じて駆動制御され、カムリング47の偏心量を制御するソレノイド53とを備え、ソレノイド53は、磁性材料で形成され、筒状部1aを有し、軸方向一方側が閉塞されたソレノイドハウジング1と、ソレノイドハウジング1内に収容され、内周面および外周面が軸方向全域に亘って軸方向とほぼ平行となるように筒状に形成され、電流が供給されることで磁界を発生するコイル2と、筒状部1aの軸方向他方側に設けられ、磁性材料で形成され、コイル2の内周側に配置されたコア小径部3aと、コイル2の軸方向他端側に配置されコア小径部3aと連続して形成されたコア大径部3bと、コア小径部3aとコア大径部3bを軸方向に貫通するロッド貫通孔3cと、コア小径部3aの軸方向一方側端部に設けられた凹形状を有するアーマチュア収容部3eと、アーマチュア収容部3eの外周側に設けられた環状部であって外径が軸方向一方側から他方側に向かって徐々に増大するように形成されたテーパ部3fと、から構成され、コイル2の発生する磁界の磁路を形成するフロントコア3と、筒状部1aの軸方向一方側に設けられ、磁性材料で形成され、コイル2の内周側であってフロントコア3よりも軸方向一方側に配置され、筒状に形成されたリアコア4と、ロッド貫通孔3c内を軸方向移動可能に設けられたロッド5と、ロッド5の外周側に設けられ、リアコア4の内周側およびフロントコア3のアーマチュア収容部3e内をロッド5と共に軸方向移動可能に設けられ、筒状部1a、フロントコア3およびリアコア4と共にコイル2の発生する磁界の磁路を形成するアーマチュア6と、非磁性材料で形成され、コア小径部3aとコイル2の間に設けられ筒状に形成されるスリーブ大径部7aと、リアコア4とアーマチュア6の間に設けられスリーブ大径部7aよりも小径の筒状に形成されたスリーブ小径部7bと、スリーブ大径部7aとスリーブ小径部7bの間に設けられスリーブ大径部7aの軸方向一方側端部とスリーブ小径部7bの軸方向他方側端部とを接続するスリーブ段部7cと、から構成されるスリーブ7と、フロントコア3の軸方向他方側に設けられ、軸方向に延びる孔部であるスプール収容部8aと、スプール収容部8aに開口すると共にロッド貫通孔3cと連通するように形成された液通路8bと、を有するバルブハウジング8と、スプール収容部8a内に設けられ、ロッド5によって軸方向移動することによりバルブハウジング8の液通路8bと共にバルブハウジング8内を流れる作動液の流れを制御するスプール9と、コア小径部3aとスリーブ大径部7aの間をシールするシール部材10(第1シール部材)と、リアコア4とスリーブ小径部7bの間をシールするシール部材11(第2シール部材)と、アーマチュア6を軸方向一方側から他方側へ付勢するスプリング12(付勢手段)とを設けた。
よって、コイル2の内周面に段部を設けることなく、内周面および外周面が軸方向全域に亘って軸方向とほぼ平行となるように筒状に形成することができる。そのため、コイル2の巻回が容易となり積層精度が安定させることができコイルの製造が容易となり、コイル2を小型化することができる。
また、アーマチュア6とフロントコア3とが近づいても軸方向の吸引力の増加を小さくすることができ、比例バルブであるソレノイドバルブ51の比例特性精度を向上させることができる。
【0034】
〔他の実施例〕
以上、本発明を実施例1に基づいて説明してきたが、各発明の具体的な構成は各実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、実施例1ではソレノイドバルブ51を可変容量型ベーンポンプであるオイルポンプ44に適用したが、他の機器に用いた比例バルブに適用することができる。
【0035】
更に、上記実施例から把握しうる請求項以外の技術的思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項2に記載のソレノイドバルブにおいて、
前記第2シール部材は、前記スリーブ小径部の外周面と前記リアコアの内周面に密着するように前記スリーブ小径部と前記リアコアの間に配置されることを特徴とするソレノイドバルブ。
よって、バルブハウジング側からスリーブ7内部へ漏洩した作動液の液圧がスリーブ小径部に作用した場合、その液圧はシール部材を介してリアコアに伝達されるため、スリーブ7にかかる荷重を軽減させることができ、スリーブの変形を抑制することができる。
(ロ)上記(ロ)に記載のソレノイドバルブにおいて、
前記スリーブは、前記スリーブ小径部の軸方向一方側端部に設けられ前記スリーブ小径部よりも外径が小さく形成されたシール部材保持部を備え、
前記第2シール部材は、前記シール部材保持部の外周面に密着するように配置されることを特徴とするソレノイドバルブ。
よって、スリーブ小径部とリアコアとの間に第2シール部材を介在させても、スリーブ小径部とリアコアを近づけることができる。そのため、スリーブ小径部の内周に収容されるアーマチュアと、リアコアとの間のエアギャップ(径方向隙間)を抑制することができ、リアコアからアーマチュアへの磁力低下を抑制することができる。
【0036】
(ハ)請求項1に記載のソレノイドバルブにおいて、
前記ソレノイドハウジングは、前記ソレノイドハウジングの軸方向一方側に設けられ、前記スリーブの軸方向一方側端部と対向する面である底面を備え、
前記スリーブの軸方向他方側端部は、前記コア大径部の軸方向一方側端面と対向するように配置され、
前記スリーブは、前記スリーブの軸方向長さが、前記底面と前記コア大径部の軸方向一方側端面の間の軸方向長さよりも短くなるように形成されることを特徴とするソレノイドバルブ。
よって、フロントコアに液圧による応力が作用したときであっても、スリーブがフロントコアとソレノイドハウジングとの間に挟み込まれることを防止することができ、スリーブの変形を抑制することができる。
(ニ)請求項1に記載のソレノイドバルブにおいて、
前記リアコアは、前記ソレノイドハウジングと一体に形成されることを特徴とするソレノイドバルブ。
よって、溶接等の煩雑な工程を省くことが可能となる。
【0037】
(ホ)請求項1に記載のソレノイドバルブは、
前記コイルの軸方向一方側端部と前記ソレノイドハウジングの間に圧縮変形した状態で設けられた第3シール部材と、
前記コイルの軸方向他方側端部と前記コア大径部の間に圧縮変形した状態で設けられた第4シール部材と、
を備え、
前記第3シール部材は、前記第4シール部材の圧縮率と異なる圧縮率で組付けられることを特徴とするソレノイドバルブ。
よって、コイルは一方向に付勢された状態で組み付けられるためコイルのガタツキを抑制することができる。
【0038】
(ヘ)請求項4に記載のソレノイドにおいて、
前記リアコアの軸方向他方側端部の外周側は前記筒状部の内周面との間に前記コイルを挿入可能な開口部を有し、
前記リアコアの軸方向他方側端部は前記リアコアの内周側に前記スリーブ小径部を挿入可能な開口部を有し、
前記スリーブの軸方向他方側端部は前記アーマチュアおよび前記前記コア小径部を挿入可能な開口部を有することを特徴とするソレノイド。
よって、コイル、アーマチュア、スリーブ、フロントコアを全て軸方向他方側から組み付けることができ、組み付け性を向上することができる。
(ト)上記(ヘ)に記載のソレノイドにおいて、
前記第2シール部材は、前記スリーブ小径部の外周面と前記リアコアの内周面に密着するように前記スリーブ小径部と前記リアコアの間に配置されることを特徴とするソレノイド。
よって、バルブハウジング側からスリーブ内部へ漏洩した作動液の液圧がスリーブ小径部に作用した場合、その液圧はシール部材を介してリアコアに伝達されるため、スリーブにかかる荷重を軽減させることができ、スリーブの変形を抑制することができる。
【0039】
(チ)上記(ト)に記載のソレノイドにおいて、
前記スリーブは、前記スリーブ小径部の軸方向一方側端部に設けられ前記スリーブ小径部よりも外径が小さく形成されたシール部材保持部を備え、
前記第2シール部材は、前記シール部材保持部の外周面に密着するように配置されることを特徴とするソレノイド。
よって、スリーブ小径部とリアコアとの間にシール部材を介在させても、スリーブ小径部とリアコアを近づけることができる。そのため、スリーブ小径部の内周に収容されるアーマチュアと、リアコアとの間のエアギャップ(径方向隙間)を抑制することができ、リアコアからアーマチュアへの磁力低下を抑制することができる。
(リ)請求項4に記載のソレノイドにおいて、
前記ソレノイドハウジングは、前記ソレノイドハウジングの軸方向一方側に設けられ、前記スリーブの軸方向一方側端部と対向する面である底面を備え、
前記スリーブの軸方向他方側端部は、前記コア大径部の軸方向一方側端面と対向するように配置され、
前記スリーブは、前記スリーブの軸方向長さが、前記底面と前記コア大径部の軸方向一方側端面の間の軸方向長さよりも短くなるように形成されることを特徴とするソレノイド。
よって、フロントコアに液圧による応力が作用したときであっても、スリーブがフロントコアとソレノイドハウジングとの間に挟み込まれることを防止することができ、スリーブの変形を抑制することができる。
【0040】
(ヌ)請求項4に記載のソレノイドにおいて、
前記スリーブ段部は、前記スリーブ段部の半径が前記スリーブ大径部側から前記スリーブ小径部側に向かって徐々に減少するテーパ状に形成され、
前記リアコアは、前記リアコアの軸方向他方側端部の内径が軸方向他方側から一方側に向かって徐々に減少するテーパ状に形成されることを特徴とするソレノイド。
よって、スリーブ段部をリアコアのより奥に向かって配置することができ、スリーブ内に収容するフロントコアもよりリアコア側に配置することができる。よって、リアコアとフロントコアとのオーバラップ量を増やすことができ、磁界の飽和を抑制することができる。
(ル)請求項4に記載のソレノイドにおいて、
前記リアコアは、前記ソレノイドハウジングと一体に形成されることを特徴とするソレノイド。
よって、溶接等の煩雑な工程を省くことが可能となる。
【0041】
(ヲ)請求項4に記載のソレノイドは、
前記コイルの軸方向一方側端部と前記ソレノイドハウジングの間に圧縮変形した状態で設けられた第3シール部材と、
前記コイルの軸方向他方側端部と前記コア大径部の間に圧縮変形した状態で設けられた第4シール部材と、
を備え、
前記第3シール部材は、前記第4シール部材の圧縮率と異なる圧縮率で組付けられることを特徴とするソレノイド。
よって、コイルは一方向に付勢された状態で組み付けられるためコイルのガタツキを抑制することができる。
(ワ)請求項5に記載の可変容量形ポンプにおいて、
前記リアコアの軸方向他方側端部の外周側は前記筒状部の内周面との間に前記コイルを挿入可能な開口部を有し、
前記リアコアの軸方向他方側端部は前記リアコアの内周側に前記スリーブ小径部を挿入可能な開口部を有し、
前記スリーブの軸方向他方側端部は前記アーマチュアおよび前記前記コア小径部を挿入可能な開口部を有することを特徴とする可変容量形ポンプ。
よって、コイル、アーマチュア、スリーブ、フロントコアを全て軸方向他方側から組み付けることができ、組み付け性を向上することができる。
【0042】
(カ)上記(ワ)に記載の可変容量形ポンプにおいて、
前記第2シール部材は、前記スリーブ小径部の外周面と前記リアコアの内周面に密着するように前記スリーブ小径部と前記リアコアの間に配置されることを特徴とする可変容量形ポンプ。
よって、バルブハウジング側からスリーブ内部へ漏洩した作動液の液圧がスリーブ小径部に作用した場合、その液圧は第2シール部材を介してリアコアに伝達されるため、スリーブにかかる荷重を軽減させることができ、スリーブの変形を抑制することができる。
(ヨ)上記(カ)に記載の可変容量形ポンプにおいて、
前記スリーブは、前記スリーブ小径部の軸方向一方側端部に設けられ前記スリーブ小径部よりも外径が小さく形成されたシール部材保持部を備え、
前記第2シール部材は、前記シール部材保持部の外周面に密着するように配置されることを特徴とする可変容量形ポンプ。
よって、スリーブ小径部とリアコアとの間にシール部材を介在させても、スリーブ小径部とリアコアを近づけることができる。そのため、スリーブ小径部の内周に収容されるアーマチュアと、リアコアとの間のエアギャップ(径方向隙間)を抑制することができ、リアコアからアーマチュアへの磁力低下を抑制することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 ソレノイドハウジング
1a 筒状部
1b 底面
2 コイル
3 フロントコア
3a コア小径部
3b コア大径部
3c ロッド貫通孔
3d 液通路
3e アーマチュア収容部
3f テーパ部
4 リアコア
4a 開口部
4b 開口部
5 ロッド
6 アーマチュア
7 スリーブ
7a スリーブ大径部
7b スリーブ小径部
7c スリーブ段部
7d シール部材保持部
7e 開口部
8 バルブハウジング
8a スプール収容部
8b 液通路
9 スプール
10 シール部材(第1シール部材)
11 シール部材(第2シール部材)
12 スプリング(付勢部材)
13 シール部材(第3シール部材)
14 シール部材(第4シール部材)
30 ステアリングホイール
37 パワーシリンダ(車両用操舵装置)
41 転舵輪
44 オイルポンプ(オイルポンプ)
45 ロータ(ポンプ要素)
46 ベーン(ポンプ要素)
47 カムリング(ポンプ要素)
48 ポンプ要素収容部
49 ポンプハウジング
50 駆動軸
51 ソレノイドバルブ
53 ソレノイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性材料で形成され、筒状部を有し、軸方向一方側が閉塞されたソレノイドハウジングと、
前記ソレノイドハウジング内に収容され、内周面および外周面が軸方向全域に亘って軸方向とほぼ平行となるように筒状に形成され、電流が供給されることで磁界を発生するコイルと、
前記筒状部の軸方向他方側に設けられ、磁性材料で形成され、前記コイルの内周側に配置されたコア小径部と、前記コイルの軸方向他端側に配置され前記コア小径部と連続して形成されたコア大径部と、前記コア小径部と前記コア大径部を軸方向に貫通するロッド貫通孔と、前記コア小径部の前記軸方向一方側端部に設けられた凹形状を有するアーマチュア収容部と、前記アーマチュア収容部の外周側に設けられた環状部であって外径が軸方向一方側から他方側に向かって徐々に増大するように形成されたテーパ部と、から構成され、前記コイルの発生する磁界の磁路を形成するフロントコアと、
前記筒状部の軸方向一方側に設けられ、磁性材料で形成され、前記コイルの内周側であって前記フロントコアよりも軸方向一方側に配置され、筒状に形成されたリアコアと、
前記ロッド貫通孔内を軸方向移動可能に設けられたロッドと、
前記ロッドの外周側に設けられ、前記リアコアの内周側および前記フロントコアのアーマチュア収容部内を前記ロッドと共に軸方向移動可能に設けられ、前記筒状部、前記フロントコアおよび前記リアコアと共に前記コイルの発生する磁界の磁路を形成するアーマチュアと、
非磁性材料で形成され、前記コア小径部と前記コイルの間に設けられ筒状に形成されるスリーブ大径部と、前記リアコアと前記アーマチュアの間に設けられ前記スリーブ大径部よりも小径の筒状に形成されたスリーブ小径部と、前記スリーブ大径部と前記スリーブ小径部の間に設けられ前記スリーブ大径部の軸方向一方側端部と前記スリーブ小径部の軸方向他方側端部とを接続するスリーブ段部と、から構成されるスリーブと、
前記フロントコアの軸方向他方側に設けられ、軸方向に延びる孔部であるスプール収容部と、前記スプール収容部に開口すると共に前記ロッド貫通孔と連通するように形成された液通路と、を有するバルブハウジングと、
前記スプール収容部内に設けられ、前記ロッドによって軸方向移動することにより前記バルブハウジングの液通路と共に前記バルブハウジング内を流れる作動液の流れを制御するスプールと、
前記コア小径部と前記スリーブ大径部の間をシールする第1シール部材と、
前記リアコアと前記スリーブ小径部の間をシールする第2シール部材と、
前記アーマチュアを軸方向一方側から他方側へ付勢する付勢手段と、
を有することを特徴とするソレノイドバルブ。
【請求項2】
請求項1に記載のソレノイドバルブにおいて、
前記リアコアの軸方向他方側端部の外周側は前記筒状部の内周面との間に前記コイルを挿入可能な開口部を有し、
前記リアコアの軸方向他方側端部は前記リアコアの内周側に前記スリーブ小径部を挿入可能な開口部を有し、
前記スリーブの軸方向他方側端部は前記アーマチュアおよび前記コア小径部を挿入可能な開口部を有することを特徴とするソレノイドバルブ。
【請求項3】
請求項1に記載のソレノイドバルブにおいて、
前記スリーブ段部は、前記スリーブ段部の半径が前記スリーブ大径部側から前記スリーブ小径部側に向かって徐々に減少するテーパ状に形成され、
前記リアコアは、前記リアコアの軸方向他方側端部の内径が軸方向他方側から一方側に向かって徐々に減少するテーパ状に形成されることを特徴とするソレノイドバルブ。
【請求項4】
磁性材料で形成され、筒状部を有し、軸方向一方側が閉塞されたソレノイドハウジングと、
前記ソレノイドハウジング内に収容され、内周面および外周面が軸方向全域に亘って軸方向とほぼ平行となるように筒状に形成され、電流が供給されることで磁界を発生するコイルと、
前記筒状部の軸方向他方側に設けられ、磁性材料で形成され、前記コイルの内周側に配置されたコア小径部と、前記コイルの軸方向他端側に配置され前記コア小径部と連続して形成されたコア大径部と、前記コア小径部と前記コア大径部を軸方向に貫通するロッド貫通孔と、前記コア小径部の前記軸方向一方側端部に設けられた凹形状を有するアーマチュア収容部と、前記アーマチュア収容部の外周側に設けられた環状部であって外径が軸方向一方側から他方側に向かって徐々に増大するように形成されたテーパ部と、から構成され、前記コイルの発生する磁界の磁路を形成するフロントコアと、
前記筒状部の軸方向一方側に設けられ、磁性材料で形成され、前記コイルの内周側であって前記フロントコアよりも軸方向一方側に配置され、筒状に形成されたリアコアと、
前記ロッド貫通孔内を軸方向移動可能に設けられたロッドと、
前記ロッドの外周側に設けられ、前記リアコアの内周側および前記フロントコアのアーマチュア収容部内を前記ロッドと共に軸方向移動可能に設けられ、前記筒状部、前記フロントコアおよび前記リアコアと共に前記コイルの発生する磁界の磁路を形成するアーマチュアと、
非磁性材料で形成され、前記コア小径部と前記コイルの間に設けられ筒状に形成されるスリーブ大径部と、前記リアコアと前記アーマチュアの間に設けられ前記スリーブ大径部よりも小径の筒状に形成されたスリーブ小径部と、前記スリーブ大径部と前記スリーブ小径部の間に設けられ前記スリーブ大径部の軸方向一方側端部と前記スリーブ小径部の軸方向他方側端部とを接続するスリーブ段部と、から構成されるスリーブと、
前記アーマチュアを軸方向一方側から他方側へ付勢する付勢手段と、
を有することを特徴とするソレノイド。
【請求項5】
ステアリングホイールの操舵操作を転舵輪に伝達すると共に作動液の液圧によって操舵アシスト力を発生させる車両用操舵装置に作動液を供給する可変容量形ポンプであって、
ポンプ要素収容部を有するポンプハウジングと、
前記ポンプハウジングに軸支される駆動軸と、
前記ポンプ要素収容部に移動可能に設けられた環状のカムリングと、
前記カムリング内に設けられ、前記駆動軸の回転駆動によって吸入した作動液を吐出すると共に、前記駆動軸に対する前記カムリングの偏心量の変化に伴い1回転当たりの吐出流量である固有吐出量を変化させるポンプ要素と、
通電量の変化に応じて駆動制御され、前記カムリングの偏心量を制御するソレノイドと、を備え、
前記ソレノイドは、
磁性材料で形成され、筒状部を有し、軸方向一方側が閉塞されたソレノイドハウジングと、
前記ソレノイドハウジング内に収容され、内周面および外周面が軸方向全域に亘って軸方向とほぼ平行となるように筒状に形成され、電流が供給されることで磁界を発生するコイルと、
前記筒状部の軸方向他方側に設けられ、磁性材料で形成され、前記コイルの内周側に配置されたコア小径部と、前記コイルの軸方向他端側に配置され前記コア小径部と連続して形成されたコア大径部と、前記コア小径部と前記コア大径部を軸方向に貫通するロッド貫通孔と、前記コア小径部の前記軸方向一方側端部に設けられた凹形状を有するアーマチュア収容部と、前記アーマチュア収容部の外周側に設けられた環状部であって外径が軸方向一方側から他方側に向かって徐々に増大するように形成されたテーパ部と、から構成され、前記コイルの発生する磁界の磁路を形成するフロントコアと、
前記筒状部の軸方向一方側に設けられ、磁性材料で形成され、前記コイルの内周側であって前記フロントコアよりも軸方向一方側に配置され、筒状に形成されたリアコアと、
前記ロッド貫通孔内を軸方向移動可能に設けられたロッドと、
前記ロッドの外周側に設けられ、前記リアコアの内周側および前記フロントコアのアーマチュア収容部内を前記ロッドと共に軸方向移動可能に設けられ、前記筒状部、前記フロントコアおよび前記リアコアと共に前記コイルの発生する磁界の磁路を形成するアーマチュアと、
非磁性材料で形成され、前記コア小径部と前記コイルの間に設けられ筒状に形成されるスリーブ大径部と、前記リアコアと前記アーマチュアの間に設けられ前記スリーブ大径部よりも小径の筒状に形成されたスリーブ小径部と、前記スリーブ大径部と前記スリーブ小径部の間に設けられ前記スリーブ大径部の軸方向一方側端部と前記スリーブ小径部の軸方向他方側端部とを接続するスリーブ段部と、から構成されるスリーブと、
前記フロントコアの軸方向他方側に設けられ、軸方向に延びる孔部であるスプール収容部と、前記スプール収容部に開口すると共に前記ロッド貫通孔と連通するように形成された液通路と、を有するバルブハウジングと、
前記スプール収容部内に設けられ、前記ロッドによって軸方向移動することにより前記バルブハウジングの液通路と共に前記バルブハウジング内を流れる作動液の流れを制御することにより前記カムリングの偏心量を制御するスプールと、
前記コア小径部と前記スリーブ大径部の間をシールする第1シール部材と、
前記リアコアと前記スリーブ小径部の間をシールする第2シール部材と、
前記アーマチュアを軸方向一方側から他方側へ付勢する付勢手段と、
を有することを特徴とする可変容量形ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−29147(P2013−29147A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165128(P2011−165128)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(301041449)日立オートモティブシステムズステアリング株式会社 (44)
【Fターム(参考)】