説明

ソーラーカーテン及び発電素子ユニット

【課題】太陽電池や二次電池に巻き取りできるフィルム状の特別なものを使用することなく、また、発電素子ユニットの下端部に専用の重りを使用することなく発電素子ユニットを安定して垂直姿勢に配置する。カーテンを閉じる状態では室内照明として便利に使用する。
【解決手段】ソーラーカーテンは、上下に伸びる所定幅の細長い短冊状である複数の発電素子ユニット2を非発電素子ユニット3で折り畳み自在に連結してなるアコーディオンカーテン1と、このアコーディオンカーテン1を移動自在に吊り下げてなるカーテンレール9とを備えている。発電素子ユニット2は、外面に太陽電池5を、内面に発光素子6を、さらに、下端部に太陽電池5で充電される二次電池7と、太陽電池5で二次電池7を充電する充電回路8とを備えている。ソーラーカーテンは、発電素子ユニット2が、太陽電池5で充電される二次電池7で、内面の発光素子6を発光させている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昼間に太陽電池で二次電池を充電し、充電された二次電池で夜間に照明を点灯できるソーラーカーテン及び発電素子ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
外側に太陽電池を設けているソーラーカーテンは開発されている(特許文献1参照)。
【0003】
この公報は、以下のように記載している(図1参照)。ソーラーカーテンは、ロールスクリーン本体93の窓面上にフィルム型太陽電池96を貼り付け、フィルム型太陽電池96を電源として充放電コントローラ97を介し、蓄電池98及び負荷94に接続している。このソーラーカーテンは、ロールスクリーン本体93の窓面上にフィルム型太陽電池96を貼り付けているので、カーテンの機能に影響なく効果的にフィルム型太陽電池の配置面を確保でき、施工性も優れたものとできる。また、蓄電池の設置によって、必要なときのバックアップ電源としても、災害時の非常用電源としても活用可能にできる。
【0004】
さらに、このソーラーカーテンは、蓄電池をフィルム型蓄電池として、ロールスクリーン本体の室内側面に貼り付けることができ、また、負荷として、ロールスクリーンの巻取り又は移動用のモータとすることができ、さらにまた、負荷として、ロールスクリーンを照らす光源とすることができることも記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】2008−42142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のソーラーカーテンは、図1に示すように、天井90にカーテンボックス91を固定して、このカーテンボックス91の内部にロールスクリーン92を巻き取るロール軸95を設けて、モータ(図示せず)で駆動している。さらに、カーテンボックス91には、充放電コントローラ97等を収納している。
【0007】
以上のソーラーカーテンは、ロールスクリーンの表面にフィルム状太陽電池を設けているので、昼間にカーテンとして使用しながら、太陽電池で発電して、ロールスクリーンの内面に設けているフィルム状蓄電池を充電できる。しかしながら、このソーラーカーテンは、ロールスクリーンの表面にフィルム状太陽電池を貼り付け、さらに内面にフィルム状蓄電池を貼り付けているので、太陽電池と蓄電池を巻き取りできる可撓性のあるフィルム状とする必要がある。とくに、フィルム状太陽電池とフィルム状蓄電池を積層して3層構造としなるロールスクリーンをロール軸に巻き取ってカーテンを開閉するので、フィルム状太陽電池とフィルム状蓄電池には、相当に小さい曲率半径に湾曲する柔軟な可撓性が要求されることから、これ等の製造が難しい欠点がある。また、ロールスクリーンを垂らしてカーテンとして窓を遮蔽する状態でフラットな面とするために、下端に錘部を設ける必要がある。さらに、ロールスクリーンの内面にフィルム状蓄電池を積層していることから、この電力を、ロールスクリーンを照らす照明の電源として使用すると、例えば、夜の窓を彩る季節の表示などを、建物全体の窓で形作り表現することも可能となるが、室内の照明に使用できない欠点がある。
【0008】
本発明は、以上の欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、太陽電池や二次電池に巻き取りできるフィルム状の特別なものを使用する必要がなく、また、発電素子ユニットの下端部に二次電池を配置することで、専用の重りを使用することなく発電素子ユニットを安定して垂直姿勢に配置でき、さらに、カーテンを閉じる状態では室内照明として便利に使用できるソーラーカーテンを提供することにある。
さらに、本発明の他の大切な目的は、下端部に二次電池を配置することで、専用の重りを使用することなく安定して垂直姿勢に配置でき、太陽光を受光して太陽電池で発電して二次電池を充電できる発電素子ユニットを提供することにある。
さらにまた、本発明の他の大切な目的は、昼間に太陽電池で発電して二次電池に蓄電し、夜間に照明として便利に使用できる発電素子ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0009】
本発明のソーラーカーテンは、前述の目的を達成するために以下の構成を備える。
ソーラーカーテンは、上下に伸びる所定幅の細長い短冊状である複数の発電素子ユニット2、32を非発電素子ユニット3で折り畳み自在に連結してなるアコーディオンカーテン1と、このアコーディオンカーテン1を移動自在に吊り下げてなるカーテンレール9とを備えている。発電素子ユニット2、32は、外面に太陽電池5を、内面に発光素子6、36を、さらに、下端部に太陽電池5で充電される二次電池7と、太陽電池5で二次電池7を充電する充電回路8とを備えている。ソーラーカーテンは、発電素子ユニット2、32が、太陽電池5で充電される二次電池7で、内面の発光素子6、36を発光させている。
【0010】
以上のソーラーカーテンは、太陽電池や二次電池に巻き取りできるフィルム状の特別なものを使用する必要がない。それは、上下に細長い短冊状をしている複数の発電素子ユニットと非発電素子ユニットとを折り畳みできるように連結して、発電素子ユニットの外面に太陽電池を、内面に発光素子を積層して、その下端部に二次電池を収納しているからである。とくに、この構造のソーラーカーテンは、窓を開くときにロールカーテンのように回転軸に巻き取って収納する必要がなく、複数のカーテン素子を折り畳んで開くことができるので、ソーラーカーテンを開閉する機構と、開閉操作を極めて簡単にできる特徴がある。
【0011】
また、以上のソーラーカーテンは、発電素子ユニットの下端部に二次電池を配置して重りに併用するので、専用の重りを使用することなく発電素子ユニットを安定して垂直姿勢に配置できる特徴がある。さらに、発電素子ユニットの内面には発光素子を設けているので、カーテンを閉じる状態では発光素子を室内照明として便利に使用できる特徴がある。
【0012】
本発明のソーラーカーテンは、発電素子ユニット2、32が、下端縁に沿って複数の単3電池7Aを直線状に並べて脱着自在に収納できる電池収納部10を備えて、この電池収納部10に収納してなる単3電池7Aを太陽電池5で充電することができる。
以上のソーラーカーテンは、発電素子ユニットの電池収納部に単3電池をセットして充電できるので、単3電池の充電器に併用できる。このため、昼間に太陽電池で単3電池を充電し、充電された単3電池で夜間に発光素子を点灯し、あるいは、発電素子ユニットから取り出して別の携帯機器の電源に使用できる特徴がある。
【0013】
本発明のソーラーカーテンは、発電素子ユニット2、32が、明るさを検出するセンサ16を備えて、このセンサ16で発光素子6の点灯を制御することができる。
このソーラーカーテンは、昼間に充電された二次電池でもって、夜間には自動的に発光素子を点灯して夜間照明として便利に使用できる。
【0014】
本発明のソーラーカーテンは、太陽電池5を、アモルファス太陽電池とすることができる。
以上のソーラーカーテンは、薄くできるアモルファス太陽電池を使用するので、発電素子ユニットを軽くできる特徴がある。また、アモルファス太陽電池は、弱い光で効率よく発電できることから、朝夕の太陽光線の弱い状態にあっても、また、曇りや雨等の弱い光のときも二次電池を効率よく充電できる。
【0015】
本発明のソーラーカーテンは、発光素子6を面状発光素子として、平面方向に入射される光を表面から照射する導光板13と、この導光板13の端縁に光を照射する発光ダイオード14とを備えることができる。
以上のソーラーカーテンは、発光素子に導光板と発光ダイオードを使用して面状発光素子とするので、軽くて全面を均一に効率よく発光できる特徴がある。
【0016】
本発明の発電素子ユニットは、上下に伸びる所定幅の短冊状であって、外面に太陽電池5を、内面に発光素子6、36を、さらに下端部に太陽電池5で充電される二次電池7と、太陽電池5で二次電池7を充電する充電回路8とを備えており、太陽電池5で充電される二次電池7で内面の発光素子6、36を発光させている。
以上の発電素子ユニットは、下端部に二次電池を配置することで、上下に伸びる発電素子ユニットに専用の重りを使用することなく安定して垂直姿勢に配置して、昼間に太陽電池で発電して二次電池に蓄電し、夜間に照明として便利に使用できる。
【0017】
本発明の発電素子ユニットは、上下に伸びる所定幅の短冊状であって、外面に太陽電池5を、下端部に太陽電池5で充電される二次電池7と、太陽電池5で二次電池7を充電する充電回路8とを備えている。
以上の発電素子ユニットは、下端部に二次電池を配置することで、上下に伸びる発電素子ユニットに専用の重りを使用することなく安定して垂直姿勢に配置して、太陽光を受光する太陽電池で発電して、二次電池を充電できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来のソーラーカーテンの断面図である。
【図2】本発明の一実施例にかかるソーラーカーテンを室外側から見た斜視図である。
【図3】図2に示すソーラーカーテンのA−A線断面図である。
【図4】図2に示すソーラーカーテンを室内側から見た拡大斜視図である。
【図5】図4に示すソーラーカーテンの発電素子ユニットの下端部を示す分解斜視図である。
【図6】本発明の一実施例にかかるソーラーカーテンのブロック回路図である。
【図7】発電素子ユニットの他の一例を示す斜視図である。
【図8】発電素子ユニットの他の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのソーラーカーテン及び発電素子ユニットを例示するものであって、本発明はソーラーカーテン及び発電素子ユニットを以下のものに特定しない。
【0020】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0021】
図2と図3に示すソーラーカーテンは、上下に伸びる所定幅の細長い短冊状である複数の発電素子ユニット2を、非発電素子ユニット3で折り畳み自在に連結してアコーディオンカーテン1と、このアコーディオンカーテン1を移動自在に吊り下げてなるカーテンレール9とを備えている。
【0022】
ソーラーカーテンは、アコーディオンカーテン1の上端に所定の間隔で連結している車輪21をカーテンレール9に沿って移動して、アコーディオンカーテン1を折り畳んで窓を露出させ、あるいは、アコーディオンカーテン1を平面状に展開して窓を遮蔽することができる。
【0023】
アコーディオンカーテン1は、平面状に広げて窓を遮蔽する状態で、窓ガラス20を透過する太陽光線で発電して発光する発電素子ユニット2と、発電しない非発電素子ユニット3とを折り畳み自在に連結している。図2のソーラーカーテンは、発電素子ユニット2と非発電素子ユニット3とを上下に細長い短冊状のパネルとして、これ等を折曲できるように連結してアコーディオンカーテン1としている。図2のアコーディオンカーテン1は、隣接する発電素子ユニット2の間に3枚の非発電素子ユニット3を折曲自在に連結して、全体を折り畳みできるようにしている。発電素子ユニット2と非発電素子ユニット3は、自由に折曲できる可撓性のシートからなる蝶番19を介して互いに折曲できるように連結している。
【0024】
発電素子ユニット2は、図2ないし図4に示すように、プラスチック製のベースプレート4と、このベースプレート4の外面に積層状態で固定している太陽電池5と、ベースプレート4の内面に積層状態で固定している発光素子6とを備えており、ベースプレート4の下端部には二次電池7と充電回路8とを内蔵させている。
【0025】
ベースプレート4はプラスチック製で、図4と図5に示すように、下端部を厚く成形して、下端部の内部に二次電池7と充電回路8とを収納するスペースを設けている。図のベースプレート4は、下端縁を円筒状に厚く成形して、内部に二次電池7を脱着自在に収納する電池収納部10を設けている。電池収納部10は、二次電池としての複数の円筒型単3電池7Aを直線状に並べて収納できる形状として、その一端を脱着蓋11で開閉できるように閉塞している。さらに、電池収納部10は、ここに収納する単3電池7Aを充電するために、その両端部に電池の端部電極に接触する接続端子12を設けている。電池収納部10は一端の開口部を端部で閉塞しているので、一方の接続端子12は脱着蓋11の内面に設けて、他方の接続端子12は電池収納部10の奥に配置している。この電池収納部10は、脱着蓋11を開いて単3電池7Aを脱着自在に収納する。電池収納部10に挿入された単3電池7Aは、その両端を接続端子12に接触して充電される。図4と図5のベースプレート4は、下端部に設けた電池収納部10に、2本の単3電池7Aを直線状に挿入しているが、ベースプレートには1本の単3電池を収納する構造とすることができ、また、3本以上の単3電池を収納する構造とすることもできる。さらに、ベースプレートは、二次電池を脱着できないように収納することもできる。ここで、二次電池としては、単3型電池以外に、単2、単1、単4型等の円筒型電池を利用できる。また、円筒型電池以外にも、角型等の種々の形状の電池を利用することもできる。
【0026】
ベースプレート4の下端部に収納している充電回路8は、太陽電池5の発電電力で二次電池7を充電する状態を制御する。図6は、ソーラーカーテンの回路図を示している。このソーラーカーテンの充電回路8は、太陽電池5と二次電池7との間に接続されて、二次電池7の満充電を検出して充電を停止する。充電回路8は、二次電池7の電圧や電流から満充電を検出し、二次電池7が満充電されると充電を停止する。二次電池をニッケル水素電池とするソーラーカーテンは、充電回路でニッケル水素電池のピーク電圧を検出し、あるいはピーク電圧からの電圧降下であるΔVを検出して満充電を検出する。また、二次電池をリチウムイオン電池とするソーラーカーテンの充電回路は、二次電池の電圧と電流から満充電を検出する。
【0027】
太陽電池5は、アモルファス太陽電池(具体的には、アモルファスシリコンを利用するアモルファスシリコン太陽電池を採用できる)からなるパネルで、ベースプレート4の外面のほぼ全面に固定している。アモルファス太陽電池からなる太陽電池5を備える発電素子ユニット2は、軽くて安価に製造できる特徴がある。ただ、太陽電池には、単結晶の太陽電池パネルも使用できる。また、太陽電池は、無数の微細な貫通孔を設けてなるシースルー式の太陽電池パネルも使用できる。シースルー式の太陽電池パネルは、一部の光を透過させるので、アコーディオンカーテンを閉めた状態で完全に光を遮断せず、室内に一部の光を照射できる。とくに、発光素子を面状発光素子として導光板を使用する発電素子ユニットは、シースルー式の太陽電池パネルを透過した光が導光板も透過するので、アコーディオンカーテンを閉めた状態で、完全に光を遮断しない。したがって、非発電素子ユニットにも光を完全に遮断しないものを使用して、アコーディオンカーテンを閉めた状態で、発電素子ユニットと非発電素子ユニットの両方から同じように一部の光を透過できる。ただ、発電素子ユニットと非発電素子ユニットの両方で光を遮断して、アコーディオンカーテンを閉めた状態で、光を完全に遮断することもできる。
【0028】
発光素子6は、面状発光素子とすることができる。面状発光素子である発光素子6は、図3の一部拡大図に示すように、平面方向に入射される光を表面から外部に照射する導光板13と、この導光板13の端縁に光を照射する発光ダイオード14とを備えている。導光板13は、透光性のある板材、たとえば透明のアクリル板であって、その表面に無数の凹凸を設けて、内部の光を外部に放射するようにしている。導光板13は、表面の凹凸を設ける密度や大きさで、全面から光を均一に外部に放射するようにしている。導光板13もベースプレート4の内面のほぼ全面にあって、発電素子ユニット2の内面の全面を発光するようにしている。
【0029】
発光ダイオード14は導光板13の下端縁に配設されて、導光板13に向かって上向きに光を照射するようにベースプレート4に固定している。発光ダイオード14から導光板13に入射される光は、導光板13の内部で全反射しながら上方に透過して、表面の凹凸から外部に放射される。このように、発光素子6を面状発光素子とする発電素子ユニット2は、発電素子ユニット2の内面の広い範囲を効果的に発光できる特徴がある。
【0030】
ただ、発光素子は、面状発光素子とすることなく、複数の発光ダイオードのみを備えて、点状に発光させることもできる。この発光素子36は、例えば、図7に示すように、導光板を省略する構造として、下端部に発光ダイオード14を配置して、発電素子ユニット32の下側を照らすことができる。ただ、発光ダイオードは、発電素子ユニットの上端部に配置することも、側部に配置することも、中央部に配置することも、あるいは、全面にわたって配置することもできる。さらに、この発電素子ユニット32は、ベースプレート34の内面であって、発光ダイオード14から光が照射される領域に蛍光塗料を塗布することにより、発電素子ユニット32の内面をより効果的に発光させることもできる。以上の発電素子ユニット32は、ベースプレート34の内面に導光板を配設しないので、全体の構造を簡単にして軽量にしながら、低コストに多量生産できる特長がある。
【0031】
発光素子6の発光ダイオード14は、図6の回路図に示すように、放電制御を行い点灯する点灯回路15を介して二次電池7に接続される。図の点灯回路15は、明るさを検出するセンサ16を備えている。センサ16は、発電素子ユニット2の外側面の明るさを検出して、すなわち窓から室外の明るさを検出して、検出する明るさが設定値より暗いと発光素子6を点灯する。さらに、図の点灯回路15は、オンオフスイッチ17も接続している。この点灯回路15は、オンオフスイッチ17で発光素子6の点滅を制御することができる。さらに、図示しないが、点灯回路にタイマを設けて、タイマの設定時間になると発光素子6を自動的に点灯することもできる。
【0032】
以上の実施例のソーラーカーテンは、発電素子ユニット2を非発電素子ユニット3で折り畳み自在に連結してアコーディオンカーテン1としているが、ソーラーカーテンは、非発電素子ユニットを省略して、複数の発電素子ユニットのみを折り畳み自在に連結してアコーディオンカーテンとすることもできる。
【0033】
さらに、ソーラーカーテンは、必ずしも発電素子ユニット2と非発電素子ユニット3とを折り畳み自在に連結してなるアコーディオンカーテン1とする必要はなく、発電素子ユニットと非発電素子ユニットとを吊り下げただけのカーテンとし、あるいは、発電素子ユニットのみを吊り下げただけのカーテンとすることもできる。たとえば、このソーラーカーテンは、短冊状をしている複数の発電素子ユニットと非発電素子ユニットとを連結することなく上下の姿勢で吊り下げると共に、各々の発電素子ユニットや非発電素子ユニットを水平面内で回動できる構造として、窓から侵入する光の量を調整することができる。
【0034】
さらに、以上の実施例では、発電素子ユニットを備えるソーラーカーテンとして、窓辺に配置する使用例を詳述しているが、発電素子ユニットは、カーテン以外の用途に使用することもできる。発電素子ユニットは、屋内または屋外を問わず、太陽光が照射される場所に設置して、昼間に太陽電池で発電して二次電池を充電し、夜間に照明として発光素子を発光させることができる。この発電素子ユニットは、たとえば、昼間には窓辺に吊り下げ、あるいは窓ガラスに貼り付けて、太陽電池で発電して二次電池を充電し、夜間には発光素子を発光させて照明として使用することができ、あるいは、昼間において、屋外に吊り下げて配置して、太陽電池で発電して二次電池を充電し、夜間には、屋外で発光素子を発光させてイルミネーションとして使用し、あるいは室内に持ち込んで照明として使用することができる。さらにまた、この発電素子ユニットの屋外での使用例としては、テント等の屋外施設に吊り下げて使用することで、アウトドアやイベント、災害時における器材としても便利に使用できる。
【0035】
とくに、前述の図7で示すように、点状の発光素子を備える発電素子ユニット32においては、ベースプレート34の内面に導光板を配設しないので、ベースプレートをフレキシブルなシート材や板材として、巻き取りや折り畳みが可能な発電素子ユニットとすることができる。このように、巻き取ったり、折り畳みできる発電素子ユニットは、コンパクトにまとめて便利に持ち運びできるので、屋外で簡易的に設置して使用する発電素子ユニットとして有効である。
【0036】
さらに、以上の実施例の発電素子ユニット2、32は、内面に発光素子6、36を備えて、昼間に太陽電池5で発電して二次電池7に蓄電した電力を利用して、夜間に発光素子6、36を発光させて照明として使用できるようにしている。ただ、発電素子ユニットは、必ずしも内面に発光素子を備える必要はない。図8に示す発電素子ユニット42は、ベースプレー44の外面に太陽電池5を備えると共に、ベースプレー44の下端部には、太陽電池5で充電される二次電池7と、太陽電池5で二次電池7を充電する充電回路8とを備えている。この発電素子ユニット42は、ベースプレート44の下端部に設けた電池収納部10に収納される二次電池7を重りとして、安定して垂直姿勢に配置しながら、太陽電池5で太陽光を受光して発電し、この電力で二次電池7を充電する。この発電素子ユニット42は、充電された二次電池7を取り出して、他の電気機器に使用し、あるいは、他の電気機器を接続する出力端子(図示せず)を設けて、二次電池に充電された電力をこの出力端子から出力して、外部接続された電気機器を使用することができる。
【符号の説明】
【0037】
1…アコーディオンカーテン
2…発電素子ユニット
3…非発電素子ユニット
4…ベースプレート
5…太陽電池
6…発光素子
7…二次電池 7A…単3電池
8…充電回路
9…カーテンレール
10…電池収納部
11…脱着蓋
12…接続端子
13…導光板
14…発光ダイオード
15…点灯回路
16…センサ
17…オンオフスイッチ
19…蝶番
20…窓ガラス
21…車輪
32…発電素子ユニット
34…ベースプレート
36…発光素子
42…発電素子ユニット
44…ベースプレート
90…天井
91…カーテンボックス
92…ロールスクリーン
93…ロールスクリーン本体
94…負荷
95…ロール軸
96…太陽電池
97…充放電コントローラ
98…蓄電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に伸びる所定幅の細長い短冊状である複数の発電素子ユニット(2)、(32)を非発電素子ユニット(3)で折り畳み自在に連結してなるアコーディオンカーテン(1)と、このアコーディオンカーテン(1)を移動自在に吊り下げてなるカーテンレール(9)とを備え、
前記発電素子ユニット(2)、(32)は、外面に太陽電池(5)を、内面に発光素子(6)、(36)を、さらに下端部に前記太陽電池(5)で充電される二次電池(7)と、前記太陽電池(5)で二次電池(7)を充電する充電回路(8)とを備えており、
前記発電素子ユニット(2)、(32)が太陽電池(5)で充電される二次電池(7)で内面の発光素子(6)、(36)を発光させるようにしてなるソーラーカーテン。
【請求項2】
前記発電素子ユニット(2)、(32)が、下端縁に沿って複数の単3電池(7A)を直線状に並べて脱着自在に収納できる電池収納部(10)を有し、この電池収納部(10)に収納してなる単3電池(7A)が太陽電池(5)で充電されるようにしてなる請求項1に記載されるソーラーカーテン。
【請求項3】
前記発電素子ユニット(2)、(32)が明るさを検出するセンサ(16)を備え、このセンサ(16)で発光素子(6)の点灯を制御するようにしてなる請求項1に記載されるソーラーカーテン。
【請求項4】
前記太陽電池(5)がアモルファス太陽電池である請求項1に記載されるソーラーカーテン。
【請求項5】
前記発光素子(6)が面状発光素子で、平面方向に入射される光を表面から照射する導光板(13)と、この導光板(13)の端縁に光を照射する発光ダイオード(14)とを備える請求項1に記載されるソーラーカーテン。
【請求項6】
上下に伸びる所定幅の短冊状である発電素子ユニットであって、
外面に太陽電池(5)を、内面に発光素子(6)、(36)を、さらに下端部に前記太陽電池(5)で充電される二次電池(7)と、前記太陽電池(5)で二次電池(7)を充電する充電回路(8)とを備えており、太陽電池(5)で充電される二次電池(7)で内面の発光素子(6)、(36)を発光させるようにしてなる発電素子ユニット。
【請求項7】
上下に伸びる所定幅の短冊状である発電素子ユニットであって、
外面に太陽電池(5)を、下端部に前記太陽電池(5)で充電される二次電池(7)と、前記太陽電池(5)で二次電池(7)を充電する充電回路(8)とを備えてなる発電素子ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−213388(P2010−213388A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−54079(P2009−54079)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】