説明

タイヤ外観検査用補助装置

【課題】タイヤ表面の微細な異常箇所であっても目視により容易に発見することができ、検査に伴う人的労力も軽減することのできるタイヤ外観検査用補助装置を提供する。
【解決手段】第1及び第2の圧接ローラ20,30を荷重付与機構40によってタイヤ1の外周面に圧接させることにより、タイヤ1をタイヤ径方向に変形させるようにしたので、外観検査をしようとするタイヤ1の表面に引張変形を生じさせることができる。これにより、タイヤ1の外面にクラックが発生していた場合には、タイヤ表面の引張変形によってクラックを広げることができ、微細なクラックであっても容易に発見することができる。その際、荷重付与機構40によってタイヤ1を径方向に容易に変形させることができるので、人手によって変形させる場合に比べ、検査に伴う人的労力を大幅に軽減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば乗用車、トラック、バス等に用いられる空気入りタイヤの外観を目視により検査するためのタイヤ外観検査用補助装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、乗用車等に用いられる空気入りタイヤにおいては、耐久性等を評価するために、走行試験を経たタイヤの外面や内面の外観を観察することにより、クラック等の異常箇所の有無を検査している。このような外観検査は、タイヤを直接目視して行われたり、或いはタイヤの表面を赤外線カメラで撮像し、画像データを用いて行われている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−283452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、クラックのようにゴムの厚さ方向に延びる亀裂は、ゴムの表面に現れる痕跡が小さいため、タイヤの表面をそのまま目視するだけでは容易に視認することができず、微細な異常箇所の発見が困難であった。そこで、タイヤ表面に引張変形を生じさせて亀裂が広がるようにすれば、微細な異常箇所の発見が容易になるが、この場合はタイヤを人手によって変形させなければならず、作業者の人的労力による負担が大きくなり、効率良く検査を行うことができなかった。特に、低扁平サイズのタイヤ構造や経年変化により硬くなったタイヤは変形に大きな力を必要とし、人的労力による負担がより大きかった。
【0005】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、タイヤ表面の微細な異常箇所であっても目視により容易に発見することができ、検査に伴う人的労力も軽減することのできるタイヤ外観検査用補助装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前記目的を達成するために、任意のタイヤをタイヤ径方向に変形させてタイヤの外観を検査するためのタイヤ外観検査用補助装置であって、互いにタイヤ周方向に間隔をおいて配置され、タイヤの外周面に圧接しながら回動可能な複数の圧接部材と、圧接部材にタイヤ径方向への荷重を付与することによりタイヤをタイヤ径方向に変形させる荷重付与機構と、各圧接部材をタイヤに圧接させながらタイヤを周方向に回転させるタイヤ回転機構とを備えている。
【0007】
これにより、圧接部材が荷重付与機構によってタイヤの外周面に圧接し、圧接部材によってタイヤが径方向に変形することから、外観検査をしようとするタイヤの表面に引張変形を生じさせることができる。その際、圧接部材をタイヤに圧接させながらタイヤを周方向に回転させることにより、圧接部材による変形部分をタイヤの周方向に連続して外観検査することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、外観検査をしようとするタイヤの表面に引張変形を生じさせることができるので、タイヤの外面にクラック等の異常箇所が発生していた場合には、タイヤ表面の引張変形によって異常箇所を広げることができ、微細なクラックであっても容易に発見することができる。その際、荷重付与機構によって圧接部材をタイヤの外周面に圧接させることより、タイヤを径方向に容易に変形させることができるので、人手によって変形させる場合に比べ、検査に伴う人的労力を大幅に軽減することができる。また、圧接部材をタイヤに圧接させながらタイヤを周方向に回転させることにより、圧接部材による変形部分をタイヤの周方向に連続して外観検査することができるので、タイヤの全周に亘る外観検査を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すタイヤ外観検査用補助装置の斜視図
【図2】タイヤ外観検査用補助装置の正面図
【図3】タイヤ外観検査用補助装置の一部断面側面図
【図4】タイヤ外観検査用補助装置の一部断面側面図
【図5】タイヤを保持した状態を示すタイヤ外観検査用補助装置の斜視図
【図6】タイヤ外観検査用補助装置の概略正面図
【図7】タイヤ外観検査用補助装置の概略側面図
【図8】タイヤの部分断面図
【図9】タイヤの部分断面図
【図10】本発明の第2の実施形態を示すタイヤ外観検査用補助装置の斜視図
【図11】本発明の変形例を示す概略正面図
【図12】本発明の他の変形例を示す概略正面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1乃至図8は本発明の第1の実施形態を示すもので、同図に示すタイヤ外観検査用補助装置はタイヤ1をタイヤ径方向に変形させてタイヤ1の外観を検査するためのものである。
【0011】
このタイヤ外観検査用補助装置は、装置の各構成部材が取付けられる装置本体10と、タイヤ1の外周面に圧接する上下一対の第1及び第2の圧接ローラ20,30と、第2の圧接ローラ30にタイヤ径方向への荷重を付与することによりタイヤ1をタイヤ径方向に変形させる荷重付与機構40と、各圧接ローラ20,30をタイヤ1に圧接させながらタイヤ1を周方向に回転させるタイヤ回転機構50と、タイヤ1の前方への移動を規制する一対の第1のガイドローラ60と、タイヤ1の後方への移動を規制する一対の第2のガイドローラ70と、タイヤ1の左右方向への移動を規制する一対の第3のガイドローラ80と、タイヤ1の任意の位置を照明可能な照明灯90とを備えている。
【0012】
装置本体10は、前後及び左右に延びる複数の枠材からなる台枠11と、台枠11の後方に互いに幅方向に間隔をおいて設けられた左右一対の支柱12とからなり、各支柱12は台枠11の幅方向一端寄りに配置されている。
【0013】
第1の圧接ローラ20は台枠11の幅方向一端寄りに配置され、その回転軸が前後方向に向くように台枠11に回動自在に取付けられている。また、第1の圧接ローラ20の回転軸の後端にはタイヤ回転機構50によって回転するスプロケット21が取付けられている。
【0014】
第2の圧接ローラ30は第1の圧接ローラ20の上方に配置され、その回転軸が前後方向に向くように荷重付与機構40に回動自在に取付けられている。この場合、第2の圧接ローラ30の幅方向の位置は第1の圧接ローラ20と同一位置であるが、前後方向の位置は第1の圧接ローラ20に対してやや後方にずれている。
【0015】
荷重付与機構40は、上下方向に移動可能な可動板41と、可動板41を上下方向に移動自在に支持する支持板42と、可動板41を支持板42に対して上下方向に移動させるボールネジ43と、ボールネジ43の前後に配置された一対のガイドロッド44とからなり、可動板41の下面には第2の圧接ローラ30が回動自在に取付けられている。可動板41は第2の圧接ローラ30に沿って前後方向に延びるように形成され、その上面にはボールネジ43の下端が回動自在に連結されている。支持板42は前後方向に延びる左右一対の支持部材42aに固定され、各支持部材42aの後端側は各支柱12に上下方向に回動自在に連結されている。この場合、各支持部材42aは、図示しないロック機構により支持板42が水平になる位置でロックされ、ロックを解除すると上方に回動できるようになっている。この場合、ロック機構は、周知のラチェット機構等を用いて構成することができる。ボールネジ43は支持板42に固定された螺合部材42bに螺合しており、その上端に設けたハンドル45を回動操作することにより、可動板41が支持板42に対して上下方向に移動するようになっている。各ガイドロッド44は下端を可動板41の上面に連結され、その上端側は支持板42を摺動自在に貫通している。
【0016】
タイヤ回転機構50は、前後方向に延びるシャフト51と、シャフト51の前端に取付けられたハンドル52と、シャフト51の後端に取付けられたスプロケット53と、シャフト51のスプロケット53と第1の圧接ローラ20のスプロケット21に巻き掛けられたチェーン54とからなり、シャフト51は台枠11の幅方向他端側に固定された軸受け55によって回動自在に支持されている。即ち、タイヤ回転機構50では、ハンドル52を回動操作すると、シャフト51及びスプロケット53が回転し、その回転力がチェーン54を介して第1の圧接ローラ20のスプロケット21に伝達され、第1の圧接ローラ20が回転するようになっている。
【0017】
各第1のガイドローラ60は、その回転軸が上下方向を向くように台枠11の前端側に取付けられ、互いに間隔をおいて第1の圧接ローラ20の左右両側に配置されている。
【0018】
各第2のガイドローラ70は、その回転軸が上下方向に対してやや傾斜するように各支柱12に取付けられ、互いに間隔をおいて第1の圧接ローラ20の後端側の上方に配置されている。
【0019】
各第3のガイドローラ80は、その回転軸が前後方向を向くように配置され、その後端を上下方向に延びる左右一対の支持部材81の上端にそれぞれ連結されている。支持部材81の下端は支軸82を介して軸受け83に回動自在に支持され、軸受け83は各支柱12の下端側に設けられた取付板84に固定されている。各取付板84には左右方向に延びるボールネジ85の両端側がそれぞれ回動自在に貫通しており、ボールネジ85の両端側は各支持部材81に取付けられた螺合部材86にそれぞれ螺合している。この場合、各螺合部材86にはボールネジ85の両端側に互いに反対向きに形成されたネジがそれぞれ螺合しており、ボールネジ85が回動すると、各支持部材81がボールネジ85の逆ネジにより互いに反対方向に回動するようになっている。ボールネジ85の一端にはハンドル87が取付けられ、ハンドル87を一方に回動操作すると、各第3のガイドローラ80がそれぞれ装置本体10の幅方向外側に移動し、ハンドル87を他方に回動操作すると、各第3のガイドローラ80がそれぞれ装置本体10の幅方向内側に移動するようになっている。また、ボールネジ85には一対の円板状のストッパ88が互いにボールネジ85の軸方向に間隔をおいて設けられ、各第3のガイドローラ80がそれぞれ装置本体10の幅方向外側に向かって所定位置まで移動すると、各ストッパ88が取付板84に当接し、各第3のガイドローラ80の移動が規制されるようになっている。
【0020】
照明灯90は、電源装置等を内蔵した本体部91と、本体部91から延びる可撓性のアーム部92と、アーム部92の先端に設けられた発光部93とからなり、本体部91は各支柱12間に設けられたテーブル94に固定されている。この照明灯90ではアーム部92を曲げて発光部93の向きや位置を変えることにより、発光部93の光を任意の方向に照射できるようになっている。
【0021】
以上のように構成されたタイヤ外観検査用補助装置においては、タイヤ1が第1の圧接ローラ20と第2の圧接ローラ30との間に配置される。その際、タイヤ1の前方への移動が各第1のガイドローラ60によって規制され、タイヤ1の後方への移動が各第2のガイドローラ70によって規制される。これにより、タイヤ1は、タイヤ軸が各圧接ローラ20,30の回転軸に対して斜めになるように保持され、タイヤ1の下部が上部よりも前方に位置した状態となる。これにより、各圧接ローラ20,30におけるタイヤ1との接触面がタイヤ軸に対して所定の傾斜角度(例えば15゜)をなすようになっている。また、各第3のガイドローラ80のボールネジ85をハンドル87によって回動し、各第3のガイドローラ80の位置をそれぞれタイヤ1の外径に合わせて調整することにより、タイヤ1の左右方向への移動が各第3のガイドローラ80によって規制される。
【0022】
次に、荷重付与機構40のボールネジ43をハンドル45によって回動し、可動板41を下方に移動させることにより、第2の圧接ローラ30をタイヤ1の外周面に上方から圧接させる。これにより、タイヤ1の全体がタイヤ径方向に変形するとともに、タイヤ1の下部及び上部が第1及び第2の圧接ローラ20,30によって部分的に変形する。その際、圧接ローラ20,30はタイヤ1の外周面にタイヤ径方向に対して傾斜した方向から圧接するため、タイヤ1の部分的な変形が大きくなる。
【0023】
続いて、タイヤ1の内面の外観検査を行う場合は、タイヤ1の内側を上方から下方に向かって目視する方が観察しやすいため、第1の圧接ローラ20による変形部分を目視により観察することにより行う。その際、タイヤ1の傾斜により、タイヤ1の前後方向の奥側(タイヤ幅方向一方)が変形しているため、手前側(タイヤ幅方向他方)を目視する場合に比べて観察しやすい。また、タイヤ1の内側は暗いため、照明灯90によってタイヤ1の内側を照明すれば、タイヤ1の内面が見やすくなる。
【0024】
ここで、図8(a) に示すようにタイヤ1の内面にクラックC1 が発生していた場合、クラックC1 はゴムの表面に現れる痕跡が小さいため、タイヤ1の内面をそのまま目視するだけでは容易に視認することができないが、図8(b) に示すようにタイヤ1が第1の圧接ローラ20によってタイヤ径方向外側から内側に向かって変形することにより、タイヤ1の表面に引張変形が生じてクラックC1 が広がり、クラックC1 が微細であっても容易に発見することができる。その際、タイヤ回転機構50のハンドル52を回動操作して第1の圧接ローラ20を回転させることにより、タイヤ1を周方向に回転させることができる。これにより、タイヤ1が第1の圧接ローラ20に圧接しながら回転することから、第1の圧接ローラ20による変形部分をタイヤ1の周方向に連続して外観検査することができる。
【0025】
次に、タイヤ1の外面の外観検査を行う場合は、タイヤ1の周方向における各圧接ローラ20,30の周辺部分を目視により観察することにより行う。この部分は、各圧接ローラ20,30によるタイヤ外面の引張変形が最も大きくなっている部分であるため、図9(a) に示すようにタイヤ1の外面にクラックC2 が発生していた場合には、図9(b) に示すようにタイヤ表面の引張変形によってクラックC2 が広がり、クラックC2 が微細であっても容易に発見することができる。
【0026】
また、他のタイヤ1を検査する場合には、荷重付与機構40のボールネジ43をハンドル45によって回動し、可動板41を上方に移動して第2の圧接ローラ30の圧接を解除するようにしてもよいが、支持板42の回動を規制するロックを解除し、図4に示すように荷重付与機構40を上方に回動すれば、第2の圧接ローラ30が荷重付与機構40ごとタイヤ1から離れるので、タイヤ1を他のタイヤと容易に入れ替えることができる。その際、他のタイヤが同一の外径サイズの場合は、支持板42に対する第2の圧接ローラ30の上下位置を変える必要がないので、複数のタイヤの検査を容易に行うことができる。
【0027】
このように、本実施形態のタイヤ外観検査用補助装置によれば、互いにタイヤ1の周方向に間隔をおいて配置された第1及び第2の圧接ローラ20,30を荷重付与機構40によってタイヤ1の外周面に圧接させることにより、タイヤ1をタイヤ径方向に変形させるようにしたので、外観検査をしようとするタイヤ1の表面に引張変形を生じさせることができる。これにより、タイヤ1の外面にクラックが発生していた場合には、タイヤ表面の引張変形によってクラックを広げることができ、微細なクラックであっても容易に発見することができる。その際、荷重付与機構40によって第2の圧接ローラ20をタイヤ1の外周面に圧接させることより、タイヤ1を径方向に容易に変形させることができるので、人手によって変形させる場合に比べ、検査に伴う人的労力を大幅に軽減することができる。
【0028】
また、各圧接ローラ20,30をタイヤ1に圧接させながらタイヤ1を周方向に回転可能に構成したので、第1の圧接ローラ20による変形部分をタイヤ1の周方向に連続して外観検査することができ、タイヤ1の全周に亘る外観検査を効率良く行うことができる。
【0029】
更に、第1の圧接ローラ20に回転力を付与することにより、タイヤ1を周方向に回転させるタイヤ回転機構50を備えているので、タイヤ1を容易に回転させることができ、作業性の向上を図ることができる。
【0030】
この場合、タイヤ回転機構50のハンドル52を回動操作することにより、第1の圧接ローラ20を手動で回転させるようにしたので、タイヤ1の回転量や回転方向を人為的に調整することができ、検査しようとする部分を入念に観察したい場合に有利である。
【0031】
また、各圧接ローラ20,30におけるタイヤ1との接触面がタイヤ軸に対して所定の傾斜角度をなすようにしたので、各圧接ローラ20,30をタイヤ1の外周面にタイヤ径方向に対して傾斜した方向から圧接させることができ、タイヤ1の部分的な変形を大きくすることができる。この場合、タイヤ1の内面の外観検査を行う際に、タイヤ1の前後方向の奥側(タイヤ幅方向一方)を変形させることができるので、手前側(タイヤ幅方向他方)を目視する場合に比べて観察しやすくすることができる。
【0032】
更に、タイヤ1の前方への移動を規制する第1のガイドローラ60と、タイヤ1の後方への移動を規制する第2のガイドローラ70と、タイヤ1の左右方向への移動を規制する第3のガイドローラ80とを備えているので、タイヤ1に各圧接ローラ20,30を圧接させる際にタイヤ1が位置ずれを生ずることがなく、タイヤ1を確実に保持することができる。
【0033】
また、タイヤ1の任意の位置を照明可能な照明灯90を備えているので、タイヤ1の内側を検査する際、照明灯90によってタイヤ1の内側を照明することにより、タイヤ1の内面を見やすくすることができる。
【0034】
尚、前記実施形態では、各圧接ローラ20,30を互いに前後方向にずらすことにより、各圧接ローラ20,30がタイヤ1の外周面に斜めに圧接するようにしたものを示したが、各圧接ローラ20,30を互いに前後方向の同一位置に配置し、各圧接ローラ20,30がタイヤ1の外周面に垂直に圧接するようにしてもよい。
【0035】
また、前記実施形態では、第1の圧接ローラ20に回転力を付与するタイヤ回転機構50を備えたものを示したが、タイヤ回転機構50を設けずに、作業者の手でタイヤ1を直接回転させるようにしてもよい。
【0036】
更に、前記実施形態では、タイヤ回転機構50を手動で第1の圧接ローラ20が回転するように構成したものを示したが、図10の第2の実施形態に示すように、ハンドル52に代えて、モータを備えた駆動部56によってシャフト51を回転させることにより、第1の圧接ローラ20を電動で回転させるようにしてもよい。これにより、タイヤ1を電動で回転させることができるので、人的労力をより軽減することができる。この場合、駆動部56に設けた操作部56aにより、第1の圧接ローラ20を任意の方向に回転及び停止させることが可能である。
【0037】
また、前記実施形態では、圧接部材として2つの圧接ローラ20,30を互いにタイヤ周方向に180゜の間隔をおいて配置したものを示したが、図11の変形例に示すように、3つの圧接ローラ100を互いにタイヤ周方向に間隔をおいて配置するようにしてもよい。この場合、各圧接ローラ100を120゜ずつ等間隔で配置するようにしてもよいが、不等間隔で配置するようにしてもよい。
【0038】
更に、前記実施形態では、2つの圧接ローラ20,30を備えたものを示したが、第1の圧接ローラ20に代えて、図12の他の変形例に示すように圧接部材としてのコンベア110を設けるようにしてもよい。この場合、コンベア110は一対のプーリ111と、各プーリ111に巻き掛けられたベルト112とから構成され、ベルト112には金属等の剛性の高い部材を用いることが好ましい。
【符号の説明】
【0039】
1…タイヤ、20…第1の圧接ローラ、30…第2の圧接ローラ、40…荷重付与機構、50…タイヤ回転機構、60…第1のガイドローラ、70…第2のガイドローラ、80…第3のガイドローラ、90…照明灯、100…圧接ローラ、110…コンベア。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意のタイヤをタイヤ径方向に変形させてタイヤの外観を検査するためのタイヤ外観検査用補助装置であって、
互いにタイヤ周方向に間隔をおいて配置され、タイヤの外周面に圧接しながら回動可能な複数の圧接部材と、
圧接部材にタイヤ径方向への荷重を付与することによりタイヤをタイヤ径方向に変形させる荷重付与機構とを備えた
ことを特徴とするタイヤ外観検査用補助装置。
【請求項2】
前記圧接部材におけるタイヤとの接触面がタイヤ軸に対して所定の傾斜角度をなすように構成した
ことを特徴とする請求項1記載のタイヤ外観検査用補助装置。
【請求項3】
前記圧接部材に回転力を付与することによりタイヤを周方向に回転させるタイヤ回転機構を備えた
ことを特徴とする請求項1または2記載のタイヤ外観検査用補助装置。
【請求項4】
前記タイヤ回転機構を手動によって圧接部材が回動するように構成した
ことを特徴とする請求項3記載のタイヤ外観検査用補助装置。
【請求項5】
前記タイヤ回転機構を電動によって圧接部材が回動するように構成した
ことを特徴とする請求項3記載のタイヤ外観検査用補助装置。
【請求項6】
前記タイヤの前後方向への移動を規制するガイド部材を備えた
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載のタイヤ外観検査用補助装置。
【請求項7】
前記タイヤの径方向への移動を規制するガイド部材を備えた
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載のタイヤ外観検査用補助装置。
【請求項8】
前記タイヤの任意の位置を照明可能な照明灯を備えた
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載のタイヤ外観検査用補助装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2011−38896(P2011−38896A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186477(P2009−186477)
【出願日】平成21年8月11日(2009.8.11)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】