タイル、レンガ類壁面取り付け構造
【課題】貼付しようとするタイル、レンガ等の種類を問わず、施工現場で接着剤等を一切使用しない高い施工効率を実現するタイル等の壁面取り付け構造を実現する一方、タイル、レンガ等の取り外しを容易として、タイル、レンガ等の再利用やタイル、レンガ貼付壁面の改修もが極めて簡単にできるタイル、レンガ等の壁面取り付け構造を提供する。
【解決手段】壁面へのタイル、レンガ等の取り付け構造であって、タイル、レンガ等に固着されて前記タイル、レンガ等を吊持する係止具を固定手段を介して壁面下地部に張設するとともに、張設されたタイル、レンガ等の間隙に目地材を充填してなるタイル、レンガ等の壁面取り付け構造を実現して上記課題を解決する。
【解決手段】壁面へのタイル、レンガ等の取り付け構造であって、タイル、レンガ等に固着されて前記タイル、レンガ等を吊持する係止具を固定手段を介して壁面下地部に張設するとともに、張設されたタイル、レンガ等の間隙に目地材を充填してなるタイル、レンガ等の壁面取り付け構造を実現して上記課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、乾式工法によるタイル、レンガ類の取り付け構造に関し、詳しくは施工面への取り付けを接着剤等を使用することなく極めて効率よく張設することができるタイル、レンガ等の壁面取り付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タイル 張り工法として、広く知られる手張り工法は、実際に作業者がタイル を一枚ずつ基礎壁に取り付けて行くもので、実際に最も多く採用されている工法である。この手張り工法の具体的な手順は、先ず、基礎壁に下地材を塗り、これを一定期間養生してから、下地材の上にモルタルを塗って、そこに一枚ずつタイル
を張り付け、目地詰めをするというものである。
【0003】
しかしながら、手張り工法は熟練した技能を要するので技能員の確保が難しい、施工効率が低いため工事期間が長引く、個々の施工者により仕上がりにばらつきガ生じるなどの課題が生じていた。
【0004】
このような課題を解決するために、いわゆる乾式工法が提案されて、現在ではこの乾式工法がタイル張りの主流になっている。この乾式工法は、タイル張りにモルタルを使用せず、モルタルの養生等に伴う煩雑さを回避する点を主眼としており、多くは施工面にタイルを係止するリブを形成するか、リブを形成した基材を張設してこれらの裏面に前記リブへの嵌合部を形成したタイルを吊り下げて、接着剤等により固定する構成となっている。
【0005】
なお、本願発明に関連して、以下のような文献が存在する。
【特許文献1】特開2004−27819号
【特許文献2】特開2002−146953号
【特許文献3】特開2000−220233号
【特許文献4】特開2000−27445号
【特許文献5】特開平10−121617号
【特許文献6】特開平08−246578号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来乾式工法にあっては、次のような不都合が生じている。
イ.モルタルを使用しない乾式工法といえども、施工現場で接着剤等による煩瑣な固定作業が必要であり施工効率を現状より画期的に向上させることは不可能である。
ロ.貼付しようとするタイル、レンガ等が擬石などのセメント成形物である場合は、従来の乾式工法において必要なタイル裏面におけるリブ係合用の溝部を押し出し成形により形成するのが難しく、従来の乾式工法を適用するのが事実上不可能であり、セメント系の壁材、特に擬石類は湿式工法によらざるを得ないのが実情である。
ハ.厚物、大判タイル等の重量のあるものを施工面特に天井などに安全かつ容易に固定張設する場合には、従来の張設工法では適正に対応できない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明は、タイル、レンガ等に固着されて前記タイル、レンガ等を吊持する係止具を固定手段を介して壁面下地部に張設するとともに、張設されたタイル、レンガ等の間隙に目地材を充填してなるタイル、レンガ等の壁面取り付け構造を提供して、上記従来の課題を解決しようとするものである。
【0008】
また、段落番号0007記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、前記係止具はタイル、レンガ等の上下両端面部に固着する構成となすことがある。
【0009】
さらに、段落番号0007記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、前記係止具はタイル、レンガ等の端面部の全周に固着する構成となすことがある。
【0010】
さらにまた、段落番号0008又は0009記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、前記係止具はタイル、レンガ等の端面部に埋設固着する構成となすことがある。
【0011】
そして、段落番号0010記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、前記係止具は金属材又は合成樹脂材により形成するとともにタイル、レンガ等の端面部への埋設部分には多孔状部を有する構成となすことがある。
【0012】
また、段落番号0007ないし0011いずれか記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、係止具の壁面下地への前記固定手段はビス止め、タッカー針止め又はホッチキス止めの全部又はいずれかで構成することがある。
【0013】
さらに、段落番号0007記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、タイル、レンガ等の上下両端面または上側端面にスリット部を形成し、一端部に係合部を具えた係止具を前記係合部を前記スリット部に嵌合させてタイル、レンガ等に固着するとともにタイル、レンガ等から突出した他端部を固定手段を介して壁面下地部に張設する構成となすことがある。
【0014】
またさらに、段落番号0013記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、前記係止具は金属材又は合成樹脂材により形成するとともに、係止具の壁面下地への前記固定手段はビス止め、タッカー針止め又はホッチキス止めの全部又はいずれかで構成することがある。
【0015】
本願発明はまた、タイル、レンガ等に係合される係止具を目地部において施工面に固定するようにしたタイル、レンガ等の取り付け構造であって、前記係止具はタイル、レンガ等に形成される係合部に嵌合させるとともに、施工面とタイル、レンガ等との間には接着剤を塗布して、タイル、レンガ等を施工面に固定張設するようにしたタイル、レンガ等の取り付け構造を提供して、厚物大判タイル等、重量のあるものを安全かつ容易に施工面に固定張設できるようにして上記の課題を解決しようとするものである。
【0016】
また、前記段落0015記載のタイル、レンガ等の取り付け構造において、タイル、レンガ等に形成される前記係合部は、タイル、レンガ等の躯体部に形成される複数の孔部で構成し、前記孔部に嵌合される前記係止具は目地部においてビス止めにより固定して複数のタイル、レンガ等を施工面に固定張設するようになすことがある。
【0017】
さらに、前記段落0016記載のタイル、レンガ等の取り付け構造において、タイル、レンガ等の躯体部に形成される複数の孔部は躯体部を縦貫して形成され、孔部に嵌合挿通される前記係止具は金属または合成樹脂材による帯状体で構成することがある。
【発明の効果】
【0018】
本願発明は上記構成により、次のような効果を得ることができる。
イ.施工現場で接着剤等による煩瑣な固定作業が不要となり、施工効率を現状より画期的に向上させることが可能である。
ロ.貼付しようとするタイル、レンガ等が擬石などのセメント成形物である場合にも一切の接着剤類を使用しない完全な乾式工法の適用が可能であり、セメント系の壁材、特に擬石類の張設が極めて容易になり施工効率、施工品質ともに画期的に向上する。
ハ.厚物大判タイル等、重量のあるものを安全かつ容易に施工面に固定張設できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本願発明に係るタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、施工面は、内壁、外壁のいずれでもよく、係止具は金属又は樹脂材で形成する。タイル、レンガ類がセメント系の成形品である場合、係止具の固着はその一端を成形品の型取りの際に端面又はその近傍に挿し込み埋設するのが好ましい。 そして、埋設部分の抜けを防止するために係止具において少なくとも埋設部分は格子状その他の多孔状に形成する。
【0020】
タイル、レンガ等に固着された係止具の壁面下地への固定は、タイル、レンガ等から突出したに係止具の端部をタッカー針止め、ホッチキス止め、ビス止め等の固定手段により迅速、容易になすことができる。
【0021】
タイル、レンガ等がセラミック製品である場合には、係止具の固着を焼成前に上記のように直接タイル等に挿し込み埋設することは不可能であり、もちろん、焼成後も不可能である。 このため、焼成前工程のタイルの押し出し成形の際に端面にスリット部を形成して焼成する。 一方、係止具の一端にはタイルの前記スリット部に嵌合掛止される係合部を形成し、この係合部をタイルの前記スリット部に嵌合掛止した後、タイルから突出した係止具の端部をタッカー針止め、ホッチキス止め、ビス止め等の固定手段により壁面下地へ固定してタイルを順次、施工面に張設していく。
【0022】
請求項9以下のタイル、レンガ等の取り付け構造において、施工面は壁面または天井面等であり、タイル、レンガ類は厚物、大判で重量のあるものが張設、固定対象になるが必ずしも重量物でなくてもよい。
【0023】
タイル、レンガ等に形成される係合部は、タイル、レンガ等の躯体部に形成される孔部で構成する。孔部は躯体部を縦貫するものが望ましいが、端面部に所定長さで形成されるものでもよい。孔部は、複数形成するのが望ましい。この理由は、孔部に複数の係止具を取り付けて施工面における吊持力の強化を実現する一方、大判で厚物である重量タイル等に多数の孔部を形成して全体の軽量化を図る意味合いもある。
【0024】
躯体部を縦貫する孔部で係合部を構成する場合、この縦貫孔部に挿通する係止具は複数のタイル等を吊持できる長さのものを適用すれば、施工能率が向上する。係止具の具体例として望ましいのは、金属または合成樹脂材による帯状体である。この帯状体を複数のタイル等の前記縦貫孔部に連続して挿し込んで、各レンガが隣接する目地部においてビス止めにより施工面に固定することにより、帯状体を介してタイルは施工面に張設固定されることになる。 なお、タイルの施工面への固定の補助としてあるいはガタツキ防止策としてタイル裏面と施工面の間に接着剤を塗布する。
【実施例】
【0025】
図面に基づいて、発明の実施例を説明する。 図1は、本願発明に係るタイル、レンガ等の壁面取り付け構造一実施例を示す一部断面端面図である。 タイル1は、これに固着されてこのタイル1を吊持する係止具2を後述の固定手段を介して壁面下地部3に張設されていて、張設されたタイル1の間隙には目地材4が充填されている。
【0026】
図2は、図1における前記タイル1の平面図であり、図2(a)は図1のA-A線断面図、同図(b)はB-B線断面図であり、このタイル1はいわゆる擬石風タイルであって、セメント材を所定の型枠に流し込んで手作業を主として形成されているセメント成形物である。この実施例において、係止具2はタイル1の上下両端面部に固着されており、該係止具2の固着は、図3に示すようにその一端をタイル1の型取りの際に端面又はその近傍に挿し込み埋設するようにしてなされている。
【0027】
金属又は樹脂材で形成されている係止具2は、埋設部分の抜けを防止するため図4に示すように格子状に形成されるか、あるいは図5に示すように、少なくとも埋設部分は格子状部2aにより、その他の突出部分は平板部により形成してもよい。 なお、埋設部分を格子状に形成する所以は抜けを防止するためであるから、格子状に限らずその他の多孔状に形成してもよい。
【0028】
タイル1に固着された係止具2の壁面下地への固定は、タイル1から突出したに係止具2の端部をタッカー針止め、ホッチキス止め、ビス止め等の固定手段によりなし、図6に示すように、所定の目地割りにしたがって施工面に張設し、タイル1相互の間隙には所望の目地材を充填する。
【0029】
前述において、タイル1は一般的な寸法形状のものであるが、タイルの寸法形状はこれに限られることはなく、例えば図7に示すようなものでもよい。図7(a)は方形の大判タイル、図7(b)は円形タイル、図7(c)は不定形状のタイルを示しており、いずれも、その端面部に前記係止具2が前述の方法で固着されていて、前記のような固定手段により壁面下地部に張設されることになる。
【0030】
前記の実施例において、係止具2はタイル1の端面部の数箇所に点在させているが、図8に示すようにタイル1の端面部の全周にわたり設けてもよい。図示の例では、係止具2の突出部も格子状に形成されているが埋設部分のみ格子状にしてもよいことはもちろんである。
【0031】
タイル、レンガ等がセラミック製品である場合には、係止具の固着をタイル等の生産工程において上記のように直接タイル等に挿し込み埋設することは不可能である。 また、タイルの焼成後も不可能である。 このため、セラミックタイルの端面部にスリットを形成してこれを介して係止具によりタイルを壁面下地等に吊持するようにする必要がある。
図9、10は、それぞれ本願発明に係るセラミックタイルの実施例を示す説明図である。
【0032】
図9において、(a)に示すようにセラミックタイル11の裏面の上下端面部の近傍には、端面部に平行して長手方向にスリット部12が形成されている。 このスリット部12はその断面が斜め下方を指向しており、焼成前工程のタイルの押し出し成形の際に形成した後、焼成されている。
【0033】
一方、前記スリット部12に介装される長手状部材である係止具13は、図9(b)に示すように、その一側面にセラミックタイル11の前記スリット部12に嵌合掛止される係合部13aが部材の長手方向に沿って形成されている。 金属または樹脂の板材による係止具13は、図9(c)に示すように、その係合部13aをセラミックタイル11のスリット部12に嵌合させ、セラミックタイル11端面部からの突出部分を施工面の所定位置にタッカー針止め、ホッチキス止め、ビス止め等の固定手段により固定される。
この係合部をタイルの前記スリット部に嵌合掛止した後、タイルから突出した係止具の端部をタッカー針止め、ホッチキス止め、ビス止め等の固定手段により壁面下地へ固定してセラミックタイルを順次、施工面に張設していく。
【0034】
図10は、本願発明に係るセラミックタイルの他の実施例を示す説明図である。図10(a)に示すように、セラミックタイル11の上下両端面部には鍵穴状のスリット部14、14が形成されている。このスリット部14は、焼成前工程のタイルの押し出し成形の際に形成した後、焼成されている。
【0035】
一方、前記スリット部14に介装される長手状部材である係止具15は、10(b)に示すように、平板状の本体部15aと、セラミックタイル11の前記スリット部14に嵌合掛止可能な断面円形の係合部15bと、を具えている。
金属または樹脂の板材による前記係止具15は、図10(c)に示すように、その係合部15bをセラミックタイル11のスリット部14に嵌合させ、セラミックタイル11端面部からの本体部15aの突出部分を施工面の所定位置にタッカー針止め、ホッチキス止め、ビス止め等の固定手段により固定される。この係合部15bをタイルの前記スリット部14に嵌合掛止した後、タイルから突出した本体部15aの端部をタッカー針止め、ホッチキス止め、ビス止め等の固定手段により壁面下地へ固定してセラミックタイルを順次、施工面に張設して、所望のタイル壁面取り付け構造を構築する。
【0036】
上述した実施例からも明らかなように、本願発明では壁面へのタイル、レンガ等の取り付けには接着剤の類を一切使用しないので、取り付けにおける施工作業は極めて容易になすことができる反面、タイル、レンガ等を施工壁面から取り外すことも極めて容易である。
したがって、改修を要する部分のタイル、レンガを簡単に取り外せるから回収作業が簡単にできる。また、建造物の取り壊しに際してあるいは改修の際に全面的にタイル、レンガを変換する場合にも、タイル、レンガの回収が簡単で破損せずに回収できるので、これらを他で再使用することも容易にできる。
【0037】
また、図11ないし12は、請求項9ないし11に係る発明の実施例を示す図である。
図11は、タイル、レンガ等に係合される係止具を目地部において施工面に固定するようにしたタイル、レンガ等の取り付け構造を示す一部切欠断面図である。 図において、21は重量のある厚物・大判タイル、22は係止具、23は天井、壁面等の下地部である施工面、24は厚物・大判タイルに形成された係合部、25は前記係止具22を施工面23に固定するビスで、26はタイル24の裏面と施工面23との間に介装される接着剤である。
【0038】
この実施例において、前記係合部24は図12に示すように。タイル21の躯体部に縦貫して形成される複数の孔部で構成されていて、係止具21はスチール等の金属材による帯状体で構成されている。 係合部24としての前記縦貫孔部に嵌合される係止具21としての帯状体は、目地部においてビス25により施工面23に固定され、前記接着剤26とともに、重量のある厚物・大判タイル21を施工面23に堅固に固定張設するようになっている。
【0039】
図12は、係合部24を具えるタイル21を示す一部切欠斜視図であり、図12(a)は、タイル21の躯体部に縦貫して形成される複数の孔部で係合部24が構成される例を示している。 図12(a)において、係合部24としての3本の縦貫孔部がタイル21の全長にわたり並設されており、この複数の孔部24のいずれか、または必要に応じて全部あるいは複数に金属材による帯状体22が挿通され、前述のように目地部でビス固定される。 施工面が天井で、タイルも大型であるような場合には、複数の縦貫孔部24のすべてに帯状体22を挿通してこれを施工面の下地に固定すれば安全性を確保できる。
【0040】
図12(b)は、タイル21の躯体部の両側端面部に所定の深さで形成された複数の孔部で係合部24が構成される例を示している。隣接するタイル21の対向する孔部24に前記帯状体22の両端を嵌合して目地部でこれをビス固定して、タイル21を順次施工面23に堅固に固定張設することになる。
【0041】
係止具21は、用途に応じて、前記のような帯状体ではなく、棒体、ワイヤー、メッシュ体、網体と種々のものが設定可能である。なお、メッシュ体、網体は、結び目が溶着されたものの使用が望ましい。 また、目地部には周知のさまざまなタイプ、例えば金物タイプの目地部材を選択する。 タイルと施工面との間には固定の補強策として、あるいはガタつき防止のために接着剤を使用するが、この接着剤の塗布はタイルの裏面に溝部を形成しておき、この溝部にコーキングガンで接着剤を充填するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本願発明に係るタイル、レンガ等の壁面取り付け構造一実施例を示す一部断面端面図である。
【図2】図1における前記タイルの平面図である。
【図3】係止具とタイルの関連構成を示す一部断面図である。
【図4】係止具の一実施例を示す平面図である。
【図5】係止具の他の実施例を示す平面図である。
【図6】所定の目地割りにしたがって施工面に係止具により吊持・固定されたタイル群を示す正面図である。
【図7】本願発明に係るタイルの他の形状を示す正面図である。
【図8】タイル端面部の全周に係止具を張り出した実施例を示す正面図である。
【図9】、
【図10】それぞれ本願発明に係るセラミックタイルの実施例を示す説明図である。
【図11】タイル、レンガ等に係合される係止具を目地部において施工面に固定するようにしたタイル、レンガ等の取り付け構造を示す一部切欠断面図である。
【図12】係合部24を具えるタイル21を示す一部切欠斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
1.......セメント成形タイル
2.......係止具
3.......壁面下地
4.......目地材
11......セラミックタイル
12......スリット部
13......係止具
13a.....係合部
14......スリット部
15......係止具
21......厚物大判タイル
22......係止具
23......施工面
24......係合部(孔部)
25......ビス
26......接着剤
【技術分野】
【0001】
本願発明は、乾式工法によるタイル、レンガ類の取り付け構造に関し、詳しくは施工面への取り付けを接着剤等を使用することなく極めて効率よく張設することができるタイル、レンガ等の壁面取り付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タイル 張り工法として、広く知られる手張り工法は、実際に作業者がタイル を一枚ずつ基礎壁に取り付けて行くもので、実際に最も多く採用されている工法である。この手張り工法の具体的な手順は、先ず、基礎壁に下地材を塗り、これを一定期間養生してから、下地材の上にモルタルを塗って、そこに一枚ずつタイル
を張り付け、目地詰めをするというものである。
【0003】
しかしながら、手張り工法は熟練した技能を要するので技能員の確保が難しい、施工効率が低いため工事期間が長引く、個々の施工者により仕上がりにばらつきガ生じるなどの課題が生じていた。
【0004】
このような課題を解決するために、いわゆる乾式工法が提案されて、現在ではこの乾式工法がタイル張りの主流になっている。この乾式工法は、タイル張りにモルタルを使用せず、モルタルの養生等に伴う煩雑さを回避する点を主眼としており、多くは施工面にタイルを係止するリブを形成するか、リブを形成した基材を張設してこれらの裏面に前記リブへの嵌合部を形成したタイルを吊り下げて、接着剤等により固定する構成となっている。
【0005】
なお、本願発明に関連して、以下のような文献が存在する。
【特許文献1】特開2004−27819号
【特許文献2】特開2002−146953号
【特許文献3】特開2000−220233号
【特許文献4】特開2000−27445号
【特許文献5】特開平10−121617号
【特許文献6】特開平08−246578号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来乾式工法にあっては、次のような不都合が生じている。
イ.モルタルを使用しない乾式工法といえども、施工現場で接着剤等による煩瑣な固定作業が必要であり施工効率を現状より画期的に向上させることは不可能である。
ロ.貼付しようとするタイル、レンガ等が擬石などのセメント成形物である場合は、従来の乾式工法において必要なタイル裏面におけるリブ係合用の溝部を押し出し成形により形成するのが難しく、従来の乾式工法を適用するのが事実上不可能であり、セメント系の壁材、特に擬石類は湿式工法によらざるを得ないのが実情である。
ハ.厚物、大判タイル等の重量のあるものを施工面特に天井などに安全かつ容易に固定張設する場合には、従来の張設工法では適正に対応できない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明は、タイル、レンガ等に固着されて前記タイル、レンガ等を吊持する係止具を固定手段を介して壁面下地部に張設するとともに、張設されたタイル、レンガ等の間隙に目地材を充填してなるタイル、レンガ等の壁面取り付け構造を提供して、上記従来の課題を解決しようとするものである。
【0008】
また、段落番号0007記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、前記係止具はタイル、レンガ等の上下両端面部に固着する構成となすことがある。
【0009】
さらに、段落番号0007記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、前記係止具はタイル、レンガ等の端面部の全周に固着する構成となすことがある。
【0010】
さらにまた、段落番号0008又は0009記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、前記係止具はタイル、レンガ等の端面部に埋設固着する構成となすことがある。
【0011】
そして、段落番号0010記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、前記係止具は金属材又は合成樹脂材により形成するとともにタイル、レンガ等の端面部への埋設部分には多孔状部を有する構成となすことがある。
【0012】
また、段落番号0007ないし0011いずれか記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、係止具の壁面下地への前記固定手段はビス止め、タッカー針止め又はホッチキス止めの全部又はいずれかで構成することがある。
【0013】
さらに、段落番号0007記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、タイル、レンガ等の上下両端面または上側端面にスリット部を形成し、一端部に係合部を具えた係止具を前記係合部を前記スリット部に嵌合させてタイル、レンガ等に固着するとともにタイル、レンガ等から突出した他端部を固定手段を介して壁面下地部に張設する構成となすことがある。
【0014】
またさらに、段落番号0013記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、前記係止具は金属材又は合成樹脂材により形成するとともに、係止具の壁面下地への前記固定手段はビス止め、タッカー針止め又はホッチキス止めの全部又はいずれかで構成することがある。
【0015】
本願発明はまた、タイル、レンガ等に係合される係止具を目地部において施工面に固定するようにしたタイル、レンガ等の取り付け構造であって、前記係止具はタイル、レンガ等に形成される係合部に嵌合させるとともに、施工面とタイル、レンガ等との間には接着剤を塗布して、タイル、レンガ等を施工面に固定張設するようにしたタイル、レンガ等の取り付け構造を提供して、厚物大判タイル等、重量のあるものを安全かつ容易に施工面に固定張設できるようにして上記の課題を解決しようとするものである。
【0016】
また、前記段落0015記載のタイル、レンガ等の取り付け構造において、タイル、レンガ等に形成される前記係合部は、タイル、レンガ等の躯体部に形成される複数の孔部で構成し、前記孔部に嵌合される前記係止具は目地部においてビス止めにより固定して複数のタイル、レンガ等を施工面に固定張設するようになすことがある。
【0017】
さらに、前記段落0016記載のタイル、レンガ等の取り付け構造において、タイル、レンガ等の躯体部に形成される複数の孔部は躯体部を縦貫して形成され、孔部に嵌合挿通される前記係止具は金属または合成樹脂材による帯状体で構成することがある。
【発明の効果】
【0018】
本願発明は上記構成により、次のような効果を得ることができる。
イ.施工現場で接着剤等による煩瑣な固定作業が不要となり、施工効率を現状より画期的に向上させることが可能である。
ロ.貼付しようとするタイル、レンガ等が擬石などのセメント成形物である場合にも一切の接着剤類を使用しない完全な乾式工法の適用が可能であり、セメント系の壁材、特に擬石類の張設が極めて容易になり施工効率、施工品質ともに画期的に向上する。
ハ.厚物大判タイル等、重量のあるものを安全かつ容易に施工面に固定張設できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本願発明に係るタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、施工面は、内壁、外壁のいずれでもよく、係止具は金属又は樹脂材で形成する。タイル、レンガ類がセメント系の成形品である場合、係止具の固着はその一端を成形品の型取りの際に端面又はその近傍に挿し込み埋設するのが好ましい。 そして、埋設部分の抜けを防止するために係止具において少なくとも埋設部分は格子状その他の多孔状に形成する。
【0020】
タイル、レンガ等に固着された係止具の壁面下地への固定は、タイル、レンガ等から突出したに係止具の端部をタッカー針止め、ホッチキス止め、ビス止め等の固定手段により迅速、容易になすことができる。
【0021】
タイル、レンガ等がセラミック製品である場合には、係止具の固着を焼成前に上記のように直接タイル等に挿し込み埋設することは不可能であり、もちろん、焼成後も不可能である。 このため、焼成前工程のタイルの押し出し成形の際に端面にスリット部を形成して焼成する。 一方、係止具の一端にはタイルの前記スリット部に嵌合掛止される係合部を形成し、この係合部をタイルの前記スリット部に嵌合掛止した後、タイルから突出した係止具の端部をタッカー針止め、ホッチキス止め、ビス止め等の固定手段により壁面下地へ固定してタイルを順次、施工面に張設していく。
【0022】
請求項9以下のタイル、レンガ等の取り付け構造において、施工面は壁面または天井面等であり、タイル、レンガ類は厚物、大判で重量のあるものが張設、固定対象になるが必ずしも重量物でなくてもよい。
【0023】
タイル、レンガ等に形成される係合部は、タイル、レンガ等の躯体部に形成される孔部で構成する。孔部は躯体部を縦貫するものが望ましいが、端面部に所定長さで形成されるものでもよい。孔部は、複数形成するのが望ましい。この理由は、孔部に複数の係止具を取り付けて施工面における吊持力の強化を実現する一方、大判で厚物である重量タイル等に多数の孔部を形成して全体の軽量化を図る意味合いもある。
【0024】
躯体部を縦貫する孔部で係合部を構成する場合、この縦貫孔部に挿通する係止具は複数のタイル等を吊持できる長さのものを適用すれば、施工能率が向上する。係止具の具体例として望ましいのは、金属または合成樹脂材による帯状体である。この帯状体を複数のタイル等の前記縦貫孔部に連続して挿し込んで、各レンガが隣接する目地部においてビス止めにより施工面に固定することにより、帯状体を介してタイルは施工面に張設固定されることになる。 なお、タイルの施工面への固定の補助としてあるいはガタツキ防止策としてタイル裏面と施工面の間に接着剤を塗布する。
【実施例】
【0025】
図面に基づいて、発明の実施例を説明する。 図1は、本願発明に係るタイル、レンガ等の壁面取り付け構造一実施例を示す一部断面端面図である。 タイル1は、これに固着されてこのタイル1を吊持する係止具2を後述の固定手段を介して壁面下地部3に張設されていて、張設されたタイル1の間隙には目地材4が充填されている。
【0026】
図2は、図1における前記タイル1の平面図であり、図2(a)は図1のA-A線断面図、同図(b)はB-B線断面図であり、このタイル1はいわゆる擬石風タイルであって、セメント材を所定の型枠に流し込んで手作業を主として形成されているセメント成形物である。この実施例において、係止具2はタイル1の上下両端面部に固着されており、該係止具2の固着は、図3に示すようにその一端をタイル1の型取りの際に端面又はその近傍に挿し込み埋設するようにしてなされている。
【0027】
金属又は樹脂材で形成されている係止具2は、埋設部分の抜けを防止するため図4に示すように格子状に形成されるか、あるいは図5に示すように、少なくとも埋設部分は格子状部2aにより、その他の突出部分は平板部により形成してもよい。 なお、埋設部分を格子状に形成する所以は抜けを防止するためであるから、格子状に限らずその他の多孔状に形成してもよい。
【0028】
タイル1に固着された係止具2の壁面下地への固定は、タイル1から突出したに係止具2の端部をタッカー針止め、ホッチキス止め、ビス止め等の固定手段によりなし、図6に示すように、所定の目地割りにしたがって施工面に張設し、タイル1相互の間隙には所望の目地材を充填する。
【0029】
前述において、タイル1は一般的な寸法形状のものであるが、タイルの寸法形状はこれに限られることはなく、例えば図7に示すようなものでもよい。図7(a)は方形の大判タイル、図7(b)は円形タイル、図7(c)は不定形状のタイルを示しており、いずれも、その端面部に前記係止具2が前述の方法で固着されていて、前記のような固定手段により壁面下地部に張設されることになる。
【0030】
前記の実施例において、係止具2はタイル1の端面部の数箇所に点在させているが、図8に示すようにタイル1の端面部の全周にわたり設けてもよい。図示の例では、係止具2の突出部も格子状に形成されているが埋設部分のみ格子状にしてもよいことはもちろんである。
【0031】
タイル、レンガ等がセラミック製品である場合には、係止具の固着をタイル等の生産工程において上記のように直接タイル等に挿し込み埋設することは不可能である。 また、タイルの焼成後も不可能である。 このため、セラミックタイルの端面部にスリットを形成してこれを介して係止具によりタイルを壁面下地等に吊持するようにする必要がある。
図9、10は、それぞれ本願発明に係るセラミックタイルの実施例を示す説明図である。
【0032】
図9において、(a)に示すようにセラミックタイル11の裏面の上下端面部の近傍には、端面部に平行して長手方向にスリット部12が形成されている。 このスリット部12はその断面が斜め下方を指向しており、焼成前工程のタイルの押し出し成形の際に形成した後、焼成されている。
【0033】
一方、前記スリット部12に介装される長手状部材である係止具13は、図9(b)に示すように、その一側面にセラミックタイル11の前記スリット部12に嵌合掛止される係合部13aが部材の長手方向に沿って形成されている。 金属または樹脂の板材による係止具13は、図9(c)に示すように、その係合部13aをセラミックタイル11のスリット部12に嵌合させ、セラミックタイル11端面部からの突出部分を施工面の所定位置にタッカー針止め、ホッチキス止め、ビス止め等の固定手段により固定される。
この係合部をタイルの前記スリット部に嵌合掛止した後、タイルから突出した係止具の端部をタッカー針止め、ホッチキス止め、ビス止め等の固定手段により壁面下地へ固定してセラミックタイルを順次、施工面に張設していく。
【0034】
図10は、本願発明に係るセラミックタイルの他の実施例を示す説明図である。図10(a)に示すように、セラミックタイル11の上下両端面部には鍵穴状のスリット部14、14が形成されている。このスリット部14は、焼成前工程のタイルの押し出し成形の際に形成した後、焼成されている。
【0035】
一方、前記スリット部14に介装される長手状部材である係止具15は、10(b)に示すように、平板状の本体部15aと、セラミックタイル11の前記スリット部14に嵌合掛止可能な断面円形の係合部15bと、を具えている。
金属または樹脂の板材による前記係止具15は、図10(c)に示すように、その係合部15bをセラミックタイル11のスリット部14に嵌合させ、セラミックタイル11端面部からの本体部15aの突出部分を施工面の所定位置にタッカー針止め、ホッチキス止め、ビス止め等の固定手段により固定される。この係合部15bをタイルの前記スリット部14に嵌合掛止した後、タイルから突出した本体部15aの端部をタッカー針止め、ホッチキス止め、ビス止め等の固定手段により壁面下地へ固定してセラミックタイルを順次、施工面に張設して、所望のタイル壁面取り付け構造を構築する。
【0036】
上述した実施例からも明らかなように、本願発明では壁面へのタイル、レンガ等の取り付けには接着剤の類を一切使用しないので、取り付けにおける施工作業は極めて容易になすことができる反面、タイル、レンガ等を施工壁面から取り外すことも極めて容易である。
したがって、改修を要する部分のタイル、レンガを簡単に取り外せるから回収作業が簡単にできる。また、建造物の取り壊しに際してあるいは改修の際に全面的にタイル、レンガを変換する場合にも、タイル、レンガの回収が簡単で破損せずに回収できるので、これらを他で再使用することも容易にできる。
【0037】
また、図11ないし12は、請求項9ないし11に係る発明の実施例を示す図である。
図11は、タイル、レンガ等に係合される係止具を目地部において施工面に固定するようにしたタイル、レンガ等の取り付け構造を示す一部切欠断面図である。 図において、21は重量のある厚物・大判タイル、22は係止具、23は天井、壁面等の下地部である施工面、24は厚物・大判タイルに形成された係合部、25は前記係止具22を施工面23に固定するビスで、26はタイル24の裏面と施工面23との間に介装される接着剤である。
【0038】
この実施例において、前記係合部24は図12に示すように。タイル21の躯体部に縦貫して形成される複数の孔部で構成されていて、係止具21はスチール等の金属材による帯状体で構成されている。 係合部24としての前記縦貫孔部に嵌合される係止具21としての帯状体は、目地部においてビス25により施工面23に固定され、前記接着剤26とともに、重量のある厚物・大判タイル21を施工面23に堅固に固定張設するようになっている。
【0039】
図12は、係合部24を具えるタイル21を示す一部切欠斜視図であり、図12(a)は、タイル21の躯体部に縦貫して形成される複数の孔部で係合部24が構成される例を示している。 図12(a)において、係合部24としての3本の縦貫孔部がタイル21の全長にわたり並設されており、この複数の孔部24のいずれか、または必要に応じて全部あるいは複数に金属材による帯状体22が挿通され、前述のように目地部でビス固定される。 施工面が天井で、タイルも大型であるような場合には、複数の縦貫孔部24のすべてに帯状体22を挿通してこれを施工面の下地に固定すれば安全性を確保できる。
【0040】
図12(b)は、タイル21の躯体部の両側端面部に所定の深さで形成された複数の孔部で係合部24が構成される例を示している。隣接するタイル21の対向する孔部24に前記帯状体22の両端を嵌合して目地部でこれをビス固定して、タイル21を順次施工面23に堅固に固定張設することになる。
【0041】
係止具21は、用途に応じて、前記のような帯状体ではなく、棒体、ワイヤー、メッシュ体、網体と種々のものが設定可能である。なお、メッシュ体、網体は、結び目が溶着されたものの使用が望ましい。 また、目地部には周知のさまざまなタイプ、例えば金物タイプの目地部材を選択する。 タイルと施工面との間には固定の補強策として、あるいはガタつき防止のために接着剤を使用するが、この接着剤の塗布はタイルの裏面に溝部を形成しておき、この溝部にコーキングガンで接着剤を充填するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本願発明に係るタイル、レンガ等の壁面取り付け構造一実施例を示す一部断面端面図である。
【図2】図1における前記タイルの平面図である。
【図3】係止具とタイルの関連構成を示す一部断面図である。
【図4】係止具の一実施例を示す平面図である。
【図5】係止具の他の実施例を示す平面図である。
【図6】所定の目地割りにしたがって施工面に係止具により吊持・固定されたタイル群を示す正面図である。
【図7】本願発明に係るタイルの他の形状を示す正面図である。
【図8】タイル端面部の全周に係止具を張り出した実施例を示す正面図である。
【図9】、
【図10】それぞれ本願発明に係るセラミックタイルの実施例を示す説明図である。
【図11】タイル、レンガ等に係合される係止具を目地部において施工面に固定するようにしたタイル、レンガ等の取り付け構造を示す一部切欠断面図である。
【図12】係合部24を具えるタイル21を示す一部切欠斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
1.......セメント成形タイル
2.......係止具
3.......壁面下地
4.......目地材
11......セラミックタイル
12......スリット部
13......係止具
13a.....係合部
14......スリット部
15......係止具
21......厚物大判タイル
22......係止具
23......施工面
24......係合部(孔部)
25......ビス
26......接着剤
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面へのタイル、レンガ等の取り付け構造であって、タイル、レンガ等に固着されて前記タイル、レンガ等を吊持する係止具を固定手段を介して壁面下地部に張設するとともに、張設されたタイル、レンガ等の間隙に目地材を充填してなるタイル、レンガ等の壁面取り付け構造。
【請求項2】
請求項1記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、前記係止具はタイル、レンガ等の上下両端面部に固着してなることを特徴とするタイル、レンガ等の壁面取り付け構造。
【請求項3】
請求項1記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、前記係止具はタイル、レンガ等の端面部の全周に固着してなることを特徴とするタイル、レンガ等の壁面取り付け構造。
【請求項4】
請求項2又は3記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、前記係止具はタイル、レンガ等の端面部に埋設固着してなることを特徴とするタイル、レンガ等の壁面取り付け構造。
【請求項5】
請求項4記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、前記係止具は金属材又は合成樹脂材により形成するとともにタイル、レンガ等の端面部への埋設部分には多孔状部を有していることを特徴とするタイル、レンガ等の壁面取り付け構造。
【請求項6】
請求項1ないし5いずれか記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、係止具の壁面下地への前記固定手段はビス止め、タッカー針止め又はホッチキス止めの全部又はいずれかであることを特徴とするタイル、レンガ等の壁面取り付け構造。
【請求項7】
請求項1記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、タイル、レンガ等の上下両端面または上側端面にスリット部を形成し、一端部に係合部を具えた係止具を前記係合部を前記スリット部に嵌合させてタイル、レンガ等に固着するとともにタイル、レンガ等から突出した他端部を固定手段を介して壁面下地部に張設してなるタイル、レンガ等の壁面取り付け構造。
【請求項8】
請求項7記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、前記係止具は金属材又は合成樹脂材により形成するとともに、係止具の壁面下地への前記固定手段はビス止め、タッカー針止め又はホッチキス止めの全部又はいずれかであることを特徴とするタイル、レンガ等の壁面取り付け構造。
【請求項9】
タイル、レンガ等に係合される係止具を目地部において施工面に固定するようにしたタイル、レンガ等の取り付け構造であって、前記係止具はタイル、レンガ等に形成される係合部に嵌合させるとともに、施工面とタイル、レンガ等との間には接着剤を塗布して、タイル、レンガ等を施工面に固定張設するようにしたことを特徴とするタイル、レンガ等の取り付け構造。
【請求項10】
請求項9記載のタイル、レンガ等の取り付け構造において、タイル、レンガ等に形成される前記係合部は、タイル、レンガ等の躯体部に形成される複数の孔部で構成し、前記孔部に嵌合される前記係止具は目地部においてビス止めにより固定して複数のタイル、レンガ等を施工面に固定張設するようにしたことを特徴とするタイル、レンガ等の取り付け構造。
【請求項11】
請求項10記載のタイル、レンガ等の取り付け構造において、タイル、レンガ等の躯体部に形成される複数の孔部は躯体部を縦貫して形成され、孔部に嵌合挿通される前記係止具は金属または合成樹脂材による帯状体で構成したことを特徴とするタイル、レンガ等の取り付け構造。
【請求項1】
壁面へのタイル、レンガ等の取り付け構造であって、タイル、レンガ等に固着されて前記タイル、レンガ等を吊持する係止具を固定手段を介して壁面下地部に張設するとともに、張設されたタイル、レンガ等の間隙に目地材を充填してなるタイル、レンガ等の壁面取り付け構造。
【請求項2】
請求項1記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、前記係止具はタイル、レンガ等の上下両端面部に固着してなることを特徴とするタイル、レンガ等の壁面取り付け構造。
【請求項3】
請求項1記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、前記係止具はタイル、レンガ等の端面部の全周に固着してなることを特徴とするタイル、レンガ等の壁面取り付け構造。
【請求項4】
請求項2又は3記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、前記係止具はタイル、レンガ等の端面部に埋設固着してなることを特徴とするタイル、レンガ等の壁面取り付け構造。
【請求項5】
請求項4記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、前記係止具は金属材又は合成樹脂材により形成するとともにタイル、レンガ等の端面部への埋設部分には多孔状部を有していることを特徴とするタイル、レンガ等の壁面取り付け構造。
【請求項6】
請求項1ないし5いずれか記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、係止具の壁面下地への前記固定手段はビス止め、タッカー針止め又はホッチキス止めの全部又はいずれかであることを特徴とするタイル、レンガ等の壁面取り付け構造。
【請求項7】
請求項1記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、タイル、レンガ等の上下両端面または上側端面にスリット部を形成し、一端部に係合部を具えた係止具を前記係合部を前記スリット部に嵌合させてタイル、レンガ等に固着するとともにタイル、レンガ等から突出した他端部を固定手段を介して壁面下地部に張設してなるタイル、レンガ等の壁面取り付け構造。
【請求項8】
請求項7記載のタイル、レンガ等の壁面取り付け構造において、前記係止具は金属材又は合成樹脂材により形成するとともに、係止具の壁面下地への前記固定手段はビス止め、タッカー針止め又はホッチキス止めの全部又はいずれかであることを特徴とするタイル、レンガ等の壁面取り付け構造。
【請求項9】
タイル、レンガ等に係合される係止具を目地部において施工面に固定するようにしたタイル、レンガ等の取り付け構造であって、前記係止具はタイル、レンガ等に形成される係合部に嵌合させるとともに、施工面とタイル、レンガ等との間には接着剤を塗布して、タイル、レンガ等を施工面に固定張設するようにしたことを特徴とするタイル、レンガ等の取り付け構造。
【請求項10】
請求項9記載のタイル、レンガ等の取り付け構造において、タイル、レンガ等に形成される前記係合部は、タイル、レンガ等の躯体部に形成される複数の孔部で構成し、前記孔部に嵌合される前記係止具は目地部においてビス止めにより固定して複数のタイル、レンガ等を施工面に固定張設するようにしたことを特徴とするタイル、レンガ等の取り付け構造。
【請求項11】
請求項10記載のタイル、レンガ等の取り付け構造において、タイル、レンガ等の躯体部に形成される複数の孔部は躯体部を縦貫して形成され、孔部に嵌合挿通される前記係止具は金属または合成樹脂材による帯状体で構成したことを特徴とするタイル、レンガ等の取り付け構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−256944(P2009−256944A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−106323(P2008−106323)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(308009679)株式会社ベクトル (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(308009679)株式会社ベクトル (1)
【Fターム(参考)】
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