説明

タイルを整列させ、平らとするための装置及びその使用方法

複数のタイルが床や壁、調理台等に敷かれる際、当該タイルを整列させ、平らとするための装置であって、当該装置は、複数のスペーサーフィンを備える天板と、底板とを有する。天板及び底板は、底板から天板を通って伸びるシャフトで連結されており、天板はシャフトの長手方向に沿って動かすことができる。使用の際、装置は隣接する複数のタイルの間に位置し、天板及び底板は、下地が乾く際、隣接する複数のタイルを望ましい高さにて保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、米国特許出願(出願番号:10/906478、2005年2月22日)の一部継続出願であり、当該出願内容は本明細書に参考文献として組み込まれる。
本発明は、タイル及び厚板を敷き、平らとする技術分野に関し、より詳しくは、タイルを床、壁、調理台等に敷く際、隣接するタイルを整列し、平らとするための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タイルは、床や壁、調理台等に使用される、一般的な装飾用物品及び機能的物品となってきている。専門のタイル貼り職人であっても、素人であっても、基層表面にタイルを敷く際、当該タイルを整列し、平らとするには、非常に多くの時間を費やす。多くの理由から、各タイルを適切に配置し、平らとする必要がある。一つの理由としては、仮に一つのタイルが不適切に設置された場合、その誤差が、隣接するタイルにまで及び、そのことで、タイルの敷き詰めが不可能となり、タイルを張り替えるか、タイルが水平又は平らとなるまで削り磨かなければならなくなる。正確に敷かれたタイルの美観的理由に加え、人がつまずいたり、転んだりすることがないように、タイル床において、表面が平らであることは必要不可欠なことである。タイルの敷詰作業において、タイルを張り替える、又は、タイルの誤差を正すことは、時間を費やし、作業コストを増加させることにつがながる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
タイルを敷き詰め、尚且つ、平らとすることは、難しい作業である。というのも、屋外テラス用にタイルを敷く際の地面基層のように、多くの設置基層は凸凹であるからである。この場合、全タイルが平らとなるように、モルタルやその他物質によって基層を底上げすることは困難である。さらに、タイルは、モルタルが乾くにつれて動き、また、モルタル中に沈む可能性がある。したがって、タイルが平らを維持するように、モルタルの乾燥中、新しく敷いたタイルをいちいち監視する必要がある。仮にタイルがモルタル中に沈み始めると、隣接するタイルを乱すことなく、沈むタイルを持ち上げることは困難である。
【0004】
タイル貼り職人は、できるだけ早く敷詰作業を完結させるとともに、タイル敷詰の質を維持するため、様々な方法を用いてきた。一つの基本的方法としては、基層表面の印を用いる。設置表面に印をつけるには、当該印が視認できる状態を維持するよう、モルタルを注意深く塗る必要がある。この技術はタイルを整列させるという目的には適っているが、タイルをモルタルに敷く際、タイルの水平を維持できない。さらには、この印付技術を用いることは、敷詰作業に必要とされる時間を増加させ、結果として、コストを増加させることとなる。
【0005】
タイルを敷き詰め、尚且つ、平らとするために使用される他の装置としては、タイルを適切な距離に間隔をあけるよう設計されたフレームを挙げることができる。このタイプのフレームは、通常、固定格子であり、特定のタイルサイズに合わせて設計されている。このタイプの装置の欠点は、格子が固定サイズであり、あらゆるタイルサイズで敷詰めることが可能であるためには、作業者は、多種多様なフレームを用意する必要があるということである。このタイプのフレームのもう一つの欠点は、一度に一種類の型のタイルしか敷き詰めることができないことである。
【0006】
隣接タイルの敷詰、整列に使用される他の装置としては、米国特許番号6625951号(McCarthy)に記載のような、スペーサーが挙げられる。当該特許で開示されたスペーサーは、正確な角度で隣接タイルを正確に整列するための直角なエッジと、モルタル表面に対して、タイルの高さを調節するための、高さ調整手段と、を備える。この装置が抱える一つの問題点は、同じ高さに複数のスペーサーをセットすることが困難であり、しばしば、タイル表面が凸凹となるということである。この装置が抱える関連する問題点として、当該調整手段によっては、タイルの敷詰後において、タイル高さを調整することができないことが挙げられる。というのも、当該高さ調整手段は、タイルの敷詰後、タイルの下に位置するからである。
【0007】
したがって、タイルがモルタルに敷き詰められた後であっても、各タイルに対応してタイルの垂直位置を調節できるような、効率的で、安価である、タイルを整列させ、平らとする装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、タイルを整列させ、平らとする装置であって、床や壁、調理台等の基層上にタイルを敷き詰める際に使用される装置に関する。本発明の装置は天板と底板とを具備する。これらの板は、底板から天板を通って伸びるシャフトで連結されており、天板は、シャフトの長手方向に沿って動かすことができる。タイル敷き詰めの典型的な第一ステップは、セメントやモルタルといった下地を基層表面に塗ることである。その後、タイルを下地上に敷き詰めることができる。このステップにおいて、本発明の底板は、シャフトが隣接タイルの間で上に伸びるように、タイルの下の下地中に位置する。底板は一つ以上のタイルと接するように位置することが好ましい。シャフトは、隣接タイルの間の底板上から伸び、天板と連結される。天板は、動かすことができるようにシャフトと連結される。そのため、タイルが底板上の下地上に敷かれた後、タイルが天板及び底板との間にあって、双方の板と接することとなるまで、天板はタイルに向かって動かされる。本発明の装置は、天板が適切な位置となったとき、天板が動かないようにするための、固定部品を具備することが好ましい。天板及び底板は、基層材が平らでない場合であっても、隣接するタイルが平らを維持するように、タイルを支持する。言い換えれば、天板及び底板は、タイルのレベルを隣接するタイルに対応して維持させるが、基層表面と対応して維持させることはない。装置によってタイル面を平らとするために、必ずしも底板が基層と接触している必要はない。天板及び底板は、下地が乾き硬化しても、当該下地において、複数の隣接するタイルのコーナー及び/又はエッジが平らを維持するように、複数のタイルを同じ高さにて保持する。
【0009】
下地が乾き、それによってタイルが基層に固定された後、シャフトは、底板から分離され、当該底板は設置タイルの下に残る。天板及び分離部より上のシャフトの一部は、設置タイルから取り外され、天板は、引き続いてのタイル設置手段及び水平化手段として再利用される。
【0010】
上述のタイルを平らとする特徴に加えて、好ましい形態としては、隣接するタイルを整列するためのタイルスペーサー手段をも具備する。タイルスペーサー手段は、天板及び底板の表面からタイルに向かって伸びる、一つ以上の垂直フィンで構成され、即ち、当該複数のフィンは天板の底面、及び/又は、底板の上端面にある。複数のフィンは、隣接する複数のタイルが適切な距離で間隔をあけられるように、当該複数の隣接タイルの間に位置するように導入される。使用者が隣接する複数のタイルの間の望ましい距離を選択できるように、異なる板が、異なるサイズのフィンを備えていてもよい。
【0011】
本技術分野における当業者は、タイルを平らに敷くための複数の装置が、多くのタイルを同時に平らとするために、基層上に敷かれる複数の異なるタイルの間で、同時に使用できるものと理解するであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、タイル18を整列させ、平らとするための装置である。当該装置は、床や壁、調理台を含む適当な基層に固定されるタイル18を整列し、平らとするために使用され得る。上、下、上端及び底、のような、本明細書中において使用される語句は、図2に示されるような、底板12の上部にある天板10を備える装置と対応することを明記しておく。
【0013】
図1に最も良く表れているように、本発明は、シャフト14で連結された、天板10と底板12とを具備する。板10、12は、適切なものであれば如何なる材料から構成されてもよいが、補強金属を含むプラスチックが好ましい。金属の挿入により、重いタイル18又は厚板を平らとするのに必要とされる強度及び剛性を、板10、12に付与することができると同時に、外側のプラスチック部分は、タイル18が傷つくことを防ぎ、自らは錆びることがない。
【0014】
図4及び図5は、天板10が、シャフト14を受け容れられるスライド孔24としての開口部を具備することを示している。天板10は、シャフト14の長手方向に沿って動かすことができ、当該スライド孔24を通してシャフトが通過する。シャフト14はプラスチックから構成されることが好ましく、そのことによって、シャフト14を半剛体とすることができる。
【0015】
図1及び図2に示される形態において、シャフト14は四角柱形状であり、その四側面に表面形状15を備えている。シャフト14の表面形状15については、さらに後述する。シャフト14の四角柱形状によって、固定用部品33は、四方向いずれにおいても、シャフト14と結合され得る。このことにより効率化を図ることができる。というのも、使用者はシャフト14へ固定用部品33をスライドする際、シャフト14と対応して固定用部品33の方向を決定するために時間を費やす必要がないからである。変形例において、シャフト14は四側面のうち一つ又は二つの側面にのみ表面形状15を有する。しかしながら、これら変形例においては、使用者は、シャフト14のどちら側が、固定用部品33と正確に合わさるのか決定する時間を費やす必要がある。四角柱形状に加えて、シャフト14は、図9及び図10に示されるような矩形の柱形状、又は、図6に示されるような円柱形状等、その他あらゆる適切な形状であってもよい。
【0016】
図2は隣接するタイル18の間にある本発明の装置を示す側面図である。タイル18敷き詰めの際の通常の第一ステップは、モルタル又はセメントのような下地20を基層表面22に塗ることである。下地20が塗られた後、複数のタイル18が下地20に配置される。使用の際、シャフト14が、複数のタイル18の間の位置であって、好ましくは接合位置又はコーナー位置で上向きに伸びるように、装置の底板12は、複数のタイル18下の下地20に位置する。シャフト14は複数のタイル18の間の位置で、底板12から上向きに伸び、天板10と連結し、当該天板10は複数のタイル18の上部に位置する。図2に示されるように複数のタイル18が双方の板10、12と接触するまで、天板12は、タイルに向かって、シャフト14に沿って動かされる。板10、12は、複数のタイル18を望ましい高さにて保持し、下部基層材22が平らであろうとなかろうと、隣接するタイル18は、平らとなる。言い換えれば、本発明では、タイル18を平らとするために、底板12が基層上に置かれる必要がない。底板12は、タイル18の少なくとも一部分が下地20と接触し、互いに平らとなってさえいれば、基層の上に浮いていてもよい。板10、12は、下地20の硬化する際、隣接する複数のタイル18のコーナー及び/又はエッジが整列し、平らであるように維持するために、複数のタイル18を同じ高さで保持する。
【0017】
一度、タイル18が適切に位置したら、天板10がシャフト14に沿って、上向きに動くことがないようにすることが重要である。このようにするため、本発明の装置は、天板10の上に、シャフト14と連結する固定用部品33を具備し、当該固定用部品33は、天板10がシャフト14に沿って上向きに動くことを防ぐ。ある形態においては、固定用部品33は、少なくとも一つの固定片30を備え、当該固定片30は、シャフト14と共に、市販の「ジップタイ」のように機能する。言い換えれば、固定片30は、固定用部品33がシャフトの長手方向に沿って第一方向(下向き)に動くことを許容するが、シャフトの長手方向に沿って第二方向(上向き)に動くことを許容しない。これを達成する一つの方法が図1に示されており、シャフト14はその長手方向に沿って複数の水平表面形状15を備えている。これら表面形状15は刻み目であっても、起伏したうねであってもよい。図5に示されるように、固定用部品33の(複数の)固定片30は、シャフト14の動きを一方向にのみ許容するように、表面形状15で妨げるように合わせられ、適応される。表面形状15は、固定用部品33の高さに関してほぼ無段階で調節できるように、互いに十分近接していることが好ましい。
【0018】
図10には、固定片30が上方向に動作できないような他の方法が示されており、装置は一つ以上の縦方向の表面形状17を備えている。当該縦方向の表面形状17はシャフト14と同様にプラスチックから構成されることが好ましく、角度をつけられた固定片30は表面形状17に押しつけられ、上方向の動きを許容しない。固定片30は、いかなる表面形状14、17がない状態で、プラスチックシャフト14に直接押しつけられる。しかしながら、縦方向の表面形状17は、固定片30が貫通しなければならない表面積を減じ、そのことによって、固定片30がより深くまで押しつけられ、尚且つ、ホールド性をより向上させることができる。
【0019】
図5、6、9及び図10に示されるように、固定片30は解放片31を具備していてもよい。解放片31が作動することで、使用者は、固定片30をシャフト14の表面形状15から解放することができ、固定用部品33及び天板10を第二方向(上方向)に動かすことができる。
【0020】
本技術分野における当業者は、固定片30の数が、シャフト14の形状や装置を保持するための望ましい長さに依存して変化するものと認識するだろう。通常、固定片30の数が増加することにより、固定用部品33はより強い力に耐えることができる。例えば、固定用部品33は、一つの片30が固定用部品33の四つの異なる側にあるように、四つの固定片30を備えていてもよい。この配置は、四つ全ての側面に表面形状15を備える四角シャフト14を使用する場合に好ましい配置である。その他にも、図5に示されるように、固定用部品33が、その一つの側面につき、一より多くの固定片30を備えていてもよい。
【0021】
図1、2及び図5は、本発明の一つの実施形態であって、固定用部品33が天板10と連結され、当該天板10と固定用部品33とが、一体である形態を示している。図9及び図10は、本発明の変形例であって、固定用部品33が天板10から取り外し可能であり、異なるサイズのフィン26を備える異なる天板10を、同じ固定用部品33に用いることができる形態を示している。本形態において、天板10は固定用部品33の下側にある開口部(不図示)に受け容れられる部材35を備えていることが好ましく、使用中、締り嵌めにより嵌め合わさることで、天板10と固定用部品33とを保持することができる。
【0022】
図3によく表れているように、天板10の下方側には、隣接するタイル18が、互いに正確で一致した距離を保つための、いくつかのスペーサーフィン26が備えられている。スペーサーフィン26の厚みは、隣接するタイル18間の望ましい距離によって、適宜変更してもよい。同様に、異なるスペーサーフィン26を備えた異なる板10、12が、隣接するタイル18間の望ましい距離によって、適宜使用されてもよい。スペーサーフィン26は矩形で、天板10の端から、天板10の中央に向かって伸びていることが好ましい。好ましい形態において、天板10は、四つのタイル18の交差点で用いられる際には、四つのスペーサーフィン26を、二つのタイル18の間で用いられる際には、スライド孔24の両側に二つのスペーサーフィンを備えることが好ましい。さらに、スペーサーフィン26は、泥又はモルタルがスライド孔24からしみ出にくくするため、板10の端から、スライド孔24の端へ伸びていることが好ましい。変形例では、底板12の上側部から、上向きに面したスペーサーフィン26が示されており、上述のスペーサーフィン26と同様の機能が供される。
【0023】
図1及び図6に最もよく表れているように、底板12は複数の開口部28を備えることが好ましい。開口部28により、下地材20は底板12を通ってしみ出ることができる。この浸出により、下地材20は、底板12の上で、タイル18部と直接接合され、そうでなければ、下地材20の大部分とは接触することがない。さらに、下地材の浸出により、タイル18は、敷き詰められ、平らとされ、設置される際、板10、12、下地材20、及び/又は、タイル18に力が加えられた場合でも、水平を保持することが容易となる。仮に下地材20が底板12を通ってしみ出ることがないとすると、下地材20が乾燥するにつれて、底板12を押し上げる可能性があり、結局は、タイルの水平に対して影響を与えることとなる。
【0024】
下地20が乾き、タイル18が基層22に固定された後、使用者はタイル18設置面の上に見える装置部、即ち、シャフト14、天板10及び固定用部品33を取り外す。このようなことを可能とするため、シャフト14には、図1及び図2に示されるように、シャフト14と底板12との結合部付近の分離部16が備えられる。好ましい形態において、分離部16は、シャフトの残りの部分よりも構造的に弱く、使用者は、タイル18の上に伸びるシャフト14部分をねじることで、シャフト14を、その分離部16にて切断することができる。分離部16は、ねじられた場合には切断可能であるが、シャフトの長手方向に沿って力が加えられても、シャフト14が切断されることがない程度の、十分な強度を有する。分離部16にて分離されると、底板12はタイル18の下に残ることとなり、したがって、再利用されることはない。一方で、天板10及び固定用部品33はシャフト14から取り外すことができ、引き続いて、タイル18の敷詰作業に再利用可能である。上述した通り、シャフト14は半剛体プラスチックから成り、四角柱形状であることが好ましい。このように四角柱形状で半剛体材料であることから、シャフト14を、その分離部16において、より容易に切断することができる。
【0025】
図6は、壁基層22においてタイル18を並べるのに好適に用いられる変形例を示している。本形態においても、シャフト14aで連結された、天板10aと底板12aとを備えている。本形態において、天板10aは、その底面に、プラスチック又はゴム材料を含む金属であることが好ましい。また、シャフト14aには、ねじのように、ねじ山が刻まれていることが好ましい。底板12aには、めねじが刻まれた開口部が備えられており、当該開口部を通して、シャフト14aは、底板12aにねじ固定される。シャフト14aが、ナット32締め付けの際、底板12aからねじり取られることがないように、底板12aの開口部は逆ねじであることが好ましい。さらに、シャフト14aが底板12aに固定されても、底板12aの下にある基層22へとは貫通することがないように、底板12aの開口部は、底板12aの一部分を通して(突き抜けることなく)伸びるのみであることが好ましい。
【0026】
図6に示されるように、天板10aはシャフト14aの長手方向に沿って自由に動かすことができる。本形態の固定用部品はナット32、好ましくは蝶ねじであり、シャフト14aのねじ山に取り付けられる。上述の固定用部品33のように、天板10aが適切な位置となったとき、ナット32により、天板10aは上向きに動くことができなくなる。板10a、12aは、既述の形態と同様に、タイル18の両側に位置し、ナット32は、二つの板10a、12aをタイル18の両側にぴったりと保持するように、シャフト14aの下向きに締め付けられる。タイル18が下地20に配置された後、ねじ/シャフト14aは底板12aから、ねじを緩めて取り外される。このことにより、底板12aが設置タイル18の下側に残存するのに対して、天板10a、ねじ/シャフト14aはタイル18から取り外される。あるいは、上述の形態のように、弱い分離部16を備えることにより、ねじ/シャフト14aが、底板12aから分離されてもよい。
【0027】
図7は本発明の実施形態の変形例の一つであって、上述の形態のすべてにおいて使用される形態である。本形態において、底板12は一つの垂直部によって連結された二つの水平部を有する、二つの段のような形状となっている。当該垂直部の上端は、底板12がシャフト14と連結される位置にあることが好ましい。本形態により、装置は、異なる厚みの二つのタイル18、18aを敷き詰め、平らとするのに使用可能とされる。このことは、図7に示されており、装置がタイル18と、それよりも分厚いタイル18aとを平らに敷くために使用されている。
【0028】
図8は、あらゆる上述の形態において使用される、本発明の実施形態の変形例であって、シャフト14の上部14aが、シャフト14の下部14bよりも太い例を示している。シャフト14の上部14aは、天板10をタイル18に対して締め付ける際、使用者がシャフト14を、よりしっかりとつかむことができるように、下部14bよりも太いものとされる。隣接するタイル18の間で、底板12に向かって伸びる、シャフト14の下部14bは、望まれる場合はタイル18がより近接するように、また、分離部16を備える本形態において、シャフト14を底板12からより容易に分離できるように、より細いものとされる。
【0029】
本発明については、好ましい実施形態と関連させて説明してきたが、当業者により、本発明の技術範囲にかけ離れることがないような、様々な変更がなされることが明らかである。しかしながら、そのような、当業者にとって明白である変形例の全てについて、本明細書中特許請求の範囲の記載中に含まれると解されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の装置についての斜視図である。
【図2】二つの隣接するタイルの間で使用された状態である、本発明の装置の側面図である。
【図3】天板の下側についての斜視図であり、スペーサーフィンとスライド孔が示されている。
【図4】天板の上側についての斜視図であり、固定用部品が天板と連結されている。
【図5】天板の上側についての部分断面を示す斜視図であり、固定用部品が固定片と解放片とを備えている状態を示している。
【図6】本発明の変形例を示す斜視図であり、シャフトにはねじ山が刻まれている。
【図7】本発明の一つの実施形態についての側面図であり、底板が、異なるサイズのタイルに対応できるように段形状となっている。
【図8】本発明の一つの実施形態についての側面図であり、シャフトの上部がシャフトの下部よりも分厚くなっている。
【図9】本発明の一つの実施形態を示す側面図であり、天板が固定用部材から分離されている。
【図10】図9に示す形態についての斜視図であり、天板が固定用部品と連結されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のタイルを敷き、平らとするための装置であって、該装置は、
上部と下部とを有するシャフトと、
該シャフトの下部と連結される底板と、
該シャフトを受け容れることができる開口部を有する天板であって、上面と下面とを有する天板と、
該シャフトを受け容れることができる開口部を有する固定用部品と、
を具備することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記固定用部品が、前記シャフトに沿って第一方向に動かすことができ、前記シャフトに沿って第二方向には動かすことができないことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記固定用部品と連結される解放片であって、該解放片の作動により、該固定用部品が前記第一方向及び第二方向の双方向に動かすことができるような解放片をさらに具備することを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記シャフトが、前記底板から分離できるように、該シャフトの他の部分よりも構造的に弱い分離部をさらに具備することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記底板が複数の開口部を具備することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
異なる厚みを有する複数のタイル間で前記装置が使用可能であるように、前記底板が、垂直部分と組み合わされる二つの水平部分を具備することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記天板の下面に、複数の隣接するタイル間に挿入できるようにされた二つのスペーサーフィンをさらに具備することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記天板の下面に、複数の隣接するタイル間に挿入できるようにされた四つのスペーサーフィンをさらに具備することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記シャフトにねじ山が刻まれていることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項10】
前記底板が、前記ねじ山が刻まれたシャフトを受け容れることができるようにされたねじ山が刻まれた開口部を具備することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記固定用部品がナットであり、該ナットは、前記天板が前記第一方向に動かされたとき、該天板に対して締めつけ可能であることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記シャフトの上部が前記シャフトの下部よりも太いことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記シャフトが円筒形状であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
複数のタイルを敷き、平らとするための装置であって、該装置は、
上部と下部と複数の表面形状とを有するシャフトと、
該シャフト下部と連結する底板と、
該シャフトを受け容れることができる開口部を有する天板であって、上面と下面とを有する天板と、
前記シャフトを受け容れることができる開口部を有する固定用部品と、
を具備し、
前記固定用部品は、該固定用部品を該シャフトに沿って第一方向に動かすことができ、該シャフトに沿って第二方向には動かすことができないようにするため、前記シャフトの表面形状に対して干渉するよう構成された、少なくとも一つの固定片を有することを特徴とする装置。
【請求項15】
前記固定用片が前記シャフトに対して角度がつけられていることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記天板が前記底板と前記固定用部品との間となるように、該底板、該天板、及び、該固定用部品が、前記シャフトで連結されることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記固定用部品が、前記固定用片と前記表面形状との間の前記干渉を減ずるようにされた少なくとも一つの解放片を更に具備し、該解放片が作動した際、該固定用部品は前記第一方向及び第二方向の双方向に動かすことができるようになることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記表面形状が横方向であることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項19】
前記表面形状が縦方向であることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項20】
シャフトと、該シャフトに固定された底板と、上面及び下面を有する天板であって、該シャフトに突き通され、該シャフトに沿って動かすことができる天板と、を備える装置を使用する、複数の隣接するタイルを敷き、平らとする方法であって、該方法は、
基層材に下地を配設することと、
該下地に前記底板を配置することと、
前記シャフトが複数のタイルの間から上向きに伸びるように、該底板上に少なくとも二つのタイルを配置することと、
前記天板が前記複数のタイルと接触するまで、前記シャフトに沿って下向きに該天板を動かすことと、
前記装置を使用して前記複数のタイルを平らとすることと、
前記下地を乾燥させることと、
前記天板及び前記シャフトを前記底板から取り外すことと、
を含むことを特徴とするタイル設置方法。
【請求項21】
前記天板の下面が、前記隣接するタイルの間に位置する複数のスペーサーフィンを更に具備することを特徴とする、請求項20に記載のタイル設置方法。
【請求項22】
前記底板付近の前記シャフト部を切断することによって、該シャフトから該底板を取り除くステップを更に具備することを特徴とする、請求項20に記載のタイル設置方法。
【請求項23】
前記シャフトには、ねじ山が刻まれ、前記底板が該ねじ山が刻まれたシャフトを受け容れるようにされた、ねじ山が刻まれた開口部を具備し、さらに、該シャフトのねじを緩めることで、該底板から該シャフトが取り外されることを特徴とする、請求項20に記載のタイル設置方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−531881(P2008−531881A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−557104(P2007−557104)
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/006134
【国際公開番号】WO2006/091606
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(507282037)ダヴィンチ イタリア/ユーエスエイ グループ,リミテッド ライアビリティー カンパニー (1)
【氏名又は名称原語表記】DAVINCI ITALIA/USA GROUP, LLC
【住所又は居所原語表記】100 W. Burlington, Fairfield, IA 52556, United States of America
【Fターム(参考)】