説明

タッチシステム及び認識方法

【課題】光入力式のタッチパネルに用いるタッチシステム及び認識方法を提供する。
【解決手段】タッチシステムは、画素素子内の複数の感光性要素に統合され、光入力によって少なくともタッチ位置を表示でき、それがタッチされた時、信号データを提供するタッチパネル、前記信号データを受信するように構成され、且つ前記信号データ及び変換パラメータに基づいて信号値を発生する変換ユニット、及び前記信号値が所定値より小さい時、特定の動作を実行する処理ユニットを含む読み出し回路を有する。変換ユニットは信号データおよび変換パラメータに基づいた信号を生成する。処理ユニットは信号値が所定の値より低いとき特定の動作を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチシステム及び方法に関し、特に、光入力式のタッチパネルに用いるタッチシステム及び認識方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
技術の進歩に伴い、電子製品におけるヒューマンマシンインターフェースの機能の向上が求められている。ヒューマンマシンインターフェースを有する表示モニタは、情報を表示するだけでなく、タッチ機能も提供する。よって、ユーザーは、表示モニタと対話することができ、指またはダミーペン、スタティックペンまたは光学ペンなどのペンを用いて、容量性、抵抗性、赤外線、電磁、光学、及び表面弾性波タッチスクリーンからなるグループから選択された少なくとも1つの入力タイプを受け入れるように構成された表示モニタを制御する。タッチスクリーンは、多くのタイプの装置を有する入力装置として用いられ得るが、どのタイプのタッチパネルも、特に光入力式のタッチパネルは、水分、熱、紫外線放射などに敏感で、それらによって、劣化する。放射線は、タッチパネルの表面に直接照射されるため、劣化は入力信号に更に影響される。
【0003】
光入力式のタッチパネルに共通し、従来の技術で対応できない問題は、モニタの寿命によって生じるモニタの老化である。モニタの老化は、フォトセンサに通常より弱い予期しない検出信号を生じさせ、システムに対して無効なタッチ信号として現れる。特に言えば、複数のフォトセンサがモニタの中に構成され、環境光をバックグラウンド電流として電気信号に変換する。バックグラウンド電流は、フォトセンサの徐々の劣化に伴って、時間経過として低下する可能性がある。
図8を参照すると、図8はフォトセンサの特性ダイアグラムであり、表示モニタによって検出されたフォトセンサの光応答とモニタの動作時間との間の関係を表している。背景光は、信号応答が入力された光信号の強弱を判定するのに十分敏感であるように出力電圧を安定したレベルに保持する。曲線81は、環境光の一定の照明条件において測定された一連の検出信号によって構成されており、表示装置の動作時間の増加に伴って、表示装置のフォトセンサアレイから発生された検出信号が低下する。タッチパネルの老化が生じた時、位置座標のバックグランド情報を含む検出信号は、不正確である可能性があり、それにより、有効な入力信号が無視される。
【0004】
よって、システムは、有効なタッチ信号を判定することができず、且つこの問題は、表示モニタの老化に伴い、より深刻化する。よって、正常な動作の間、光入力式のタッチパネルで生じる老化を較正できる認識メカニズムを有することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した要求を満足する、光入力式のタッチパネルに用いるタッチシステム及び認識方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
タッチシステムの例示的な実施形態は、タッチパネル及び読み出し回路を含む。タッチパネルは、画素素子(ピクセル要素)内の複数の感光性要素に統合され、少なくとも光入力によって少なくともタッチ位置を表示できる。タッチパネルは、タッチパネルがタッチされた時、信号データを提供する。読み出し回路は、信号データを受信するように構成され、変換ユニット及び処理ユニットを含む。変換ユニットは、信号データ及び変換パラメータに基づいて信号値を発生する。処理ユニットは、信号値が所定値より小さい時、特定の動作を実行する。
【0007】
また、本発明は、ユーザーによって光入力を検出する複数の感光性要素を含む光入力式のタッチパネルの認識方法を提供する。前記方法は、光入力式のタッチパネルの光のレベルを表す信号値を提供するステップ、信号値と所定値を比較するステップ、及び信号値が所定値より小さい時、特定の動作を実行するステップを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、表示モニタおよび/タッチパネルの劣化によっても、それを較正して認識能力を維持することができる。
【0009】
詳細な説明は、添付の図面に関連する下記の実施形態に示される。
本発明は、添付の図面に関連付けた下記の詳細な説明と実施例を関連付けることによって、より完全に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態と一致するフォトセンサアレイの概略的な回路図である。
【図2】本発明の他の実施形態と一致するフォトセンサアレイの概略図である。
【図3】本発明のさらに他の実施形態と一致するフォトセンサアレイの概略図である。
【図4】本発明に基づくタッチシステムの例示的な実施形態の概略図である。
【図5】本発明に基づくタッチシステムの他の例示的な実施形態の概略図である。
【図6】タッチシステムを動作中の認識メカニズムの論理プロセスを示す流れ図である。
【図7】タッチパネルを動作中の制御モジュールの論理プロセスを示す流れ図である。
【図8】表示モニタによって検出された電気信号とモニタの動作時間との間の関係を示すフォトセンサの特性を示すダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
光入力式のタッチパネルは、光−電気特性材料によって形成された感光性(光感応性)要素からなる表示モニタであり、その充電状態によって2つの動作モードを表す。これらの2つのモードは、まず、光源(一般に“光タッチ”と呼ばれる)を介して光の検出を入力し、次いで、対象物(一般に“指タッチ”と呼ばれる)を介して光の中断を入力する。光入力式のタッチパネルの異なる動作モードは、駆動回路が個別のモードの選択を制御するのに用いられるため、選択されることが可能である。以下において、感光性要素を駆動する光タッチが簡略化するために例に用いられる。
【0012】
従来技術において周知のように、アモルファスシリコン薄膜トランジスタ(a-Si TFTs)の涌洩電流は、光に敏感であるため、a-Si TFTsは、フォトセンサとして提供するフォトダイオードまたは感光性トランジスタなどを形成するのに用いられる。フォトセンサは、アレイに配列され、互いに並行に延伸する複数の第1の導電線、互いに並行に延伸し、複数の第1の導電線に直交する複数の第2の導電線を含む。フォトセンサのそれぞれは、複数の第1の導電線の1つと複数の第2の導電線の1つの交差点に近接して配置され、画像成分(image component)及びバックグラウンド成分(background component)を含む光信号を検出できる感光性トランジスタを含み、光信号を画像電流及びバックグラウンド成分に対応するバックグラウンド電流に変換する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態と一致する感光性トランジスタアレイの概略的な回路図である。図1を参照すると、感光性トランジスタアレイ14は、行及び列に形成された、複数の感光性トランジスタ14−1を含み得る。代表的な感光性トランジスタ14−1は、複数のゲートライン14−Gの1つとゲートライン14−Gに直交する複数のデータライン14−Dの1つの交差点に近接して配置される。
【0014】
図2は、本発明の他の実施形態と一致する感光性トランジスタアレイの概略図である。図2を参照すると、感光性トランジスタアレイ24は、行及び列に形成された、複数の感光性トランジスタ24−1及び複数のスイッチングトランジスタ24−2を含み得る。代表的な感光性トランジスタ24−1及び代表的なスイッチングトランジスタ24−2は、複数のゲートライン24−Gの1つとゲートライン24−Gに直交する複数のデータライン24−Dの1つの交差点に近接して配置される。感光性トランジスタ24−1は、そのドレインに接続されたゲート(番号付けされていない)、及びソース(番号付けされていない)を含み得る。当業者は、接続される電圧レベルによって、トランジスタのドレイン及びソースが交換できる場合があることを理解するであろう。スイッチングトランジスタ24−2は、感光性トランジスタ24−1のソースに接続されたドレイン(番号付けされていない)、1つのデータライン24−Dに接続されたソース(番号付けされていない)、及び1つのゲートライン24−Gに接続されたゲート(番号付けされていない)を含み得る。
【0015】
図3は、本発明のさらに他の実施形態と一致する感光性トランジスタアレイの概略図である。図3を参照すると、感光性トランジスタアレイ34は、行及び列に形成された、複数の感光性トランジスタ34−1及び複数のスイッチングトランジスタ34−2を含み得る。代表的な感光性トランジスタ34−1及び代表的なスイッチングトランジスタ34−2は、複数のゲートライン34−Gの1つとゲートライン34−Gに直交する複数のデータライン34−Dの1つの交差点に近接して配置される。スイッチングトランジスタ34−2は、1つのゲートライン34−Gに接続されたゲート(番号付けされていない)、VDDに接続されたドレイン(番号付けされていない)、及びソース(番号付けされていない)を含み得る。感光性トランジスタ34−1は、スイッチングトランジスタ34−2のソースに接続されたドレイン(番号付けされていない)、1つのデータライン34−Dに接続されたソース(番号付けされていない)、及びそのドレインに接続されたゲート(番号付けされていない)を含み得る。
【0016】
また、入力光信号がない場合、光学ペンなどの光源、ダミースタイラス、または指先から加えられた力などの圧力源、または物体の影の状態でさえも、バックグランド光だけが感光性トランジスタによって検出される。バックグランド光は、通常、比較的小さい電流である光電流(Ib)に変換される。入力光信号の存在下で、感光性トランジスタは、入力光信号による画像電流(Im)及びバックグランド光による光電流(Ib)を含む電流Iを発生する。
【0017】
図4は、本発明に基づくタッチシステムの例示的な実施形態の概略図である。タッチシステム40は、表示装置41及びホスト装置42を含む。タッチシステム40は、デスクトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、またはモバイルデバイスであり得るが、本発明はこれを限定するものではない。表示デバイス41は、タッチパネル43及び制御モジュール45を含む。タッチパネル43は、第1のマトリクスに配置された画素素子(ピクセル要素)、及び第1のマトリクス内の第2のマトリクスに統合される感光性要素(例えば、感光性のトランジスタアレイ14、24、または34)を有する。すなわち、タッチパネル43は、感光性要素の光入力機能が製造プロセスを複雑にする、または製造コストを大幅に増加させることなく表示装置に組み込まれるようにする。本発明と一致する実施例は、情報が続いて読み込まれる前にコンデンサにおける入力情報を記憶できるタッチパネルを提供し得る。もう1つの実施例として、いくつかのタッチパネルの設計は、コンデンサの記憶をすることなく、タッチ位置の情報を検出し出力し得る。
【0018】
本発明の例示的な感光性要素は、読み出し薄膜トランジスタと相互接続された感光性の薄膜トランジスタを含み得るが、これに限定するものではない。どのタイプの感光性要素がタッチパネル43内にあっても、対応するゲートラインに接続されたゲート端子及び対応するデータラインに接続された1つの端子を含み得る。感光性要素がゲートラインによって駆動された時、電流は感光性要素から流れ、感光性要素によって検出された照度レベルを示し、検出信号として参照される。1つの実施形態では、各データラインの全ての検出信号は、単一の信号データSに収集され、制御モジュール45に出力されるが、本発明はこれを限定するものではない。対象物(指または光学ペン)がタッチパネル43をタッチした時、タッチ位置の情報は、信号データSに含まれ、表示面のタッチ位置とタッチしていない位置との間の電流差を比較することで判定される。
【0019】
この実施形態では、制御モジュール45は、タッチパネル43に接続されて、信号データSを受信し、変換ユニット47及び処理ユニット49を含む。本発明の変換ユニット47は、信号データSを処理し、信号値Vを発生する。他の実施形態では、タッチパネル43が信号データS〜Sを提供した場合、変換ユニット47は、信号データS〜Sを処理し、信号値V〜Vを発生する。変換ユニット47は、アナログフォーマット形式の信号データSをデジタルフォーマット形式に変換できるアナログデジタルコンバータ(ADC)でもよく、そのデジタルフォームは信号値Vとして参照づけられる。
【0020】
処理ユニット49は、信号値Vを判定(決定)する。1つの実施形態では、信号値Vが所定値より小さい時、処理ユニット49は、次の信号値を調整するか、または現在の信号値Vを調整する。もう1つの実施形態では、変換ユニット47は、信号値Vが処理ユニット49によって予め定められた所定値で満たされない時、信号データSの大きさをシフトさせる能力も有する。シフトレベルは処理ユニット49の内部設定に基づいて、一定値または動的値(dynamitic value)であり得る。
【0021】
例えば、信号データSが明らかに規定値から外れた時、変換ユニット47は、広いシフトを次の信号データに提供する。逆に、変換ユニット47は、現在の信号値が規定値に近い時、次の信号データをわずかにシフトする。注意するのは、変換ユニット47は、タッチパネル43内に統合され、タッチパネルは、デジタルフォームの信号値Vを出力する。
【0022】
本発明の処理ユニット49は、デジタル信号値Vを受信し、信号値Vと内部値との差値を所定値Pとする。感光性要素は、タッチパネル43のフレームレートに基づき、周期的に動作されるため、例えば、第1のフレーム期間で第1の信号値V1、第2のフレーム期間で第2の信号値V2など、個別の信号値Vが各フレームに得られる。よって、信号値Vは、タッチパネル43内に組み込まれた感光性要素の全ての検出信号から変換された各フレーム期間に変換ユニット47から提供される。また、処理ユニット49は、デジタル信号を分析する能力を有し、第1の信号値V1がその中で予め定められた所定値の範囲に低下するかどうかを判定する。第1の信号値は、信号値から選ばれ、各フレーム期間の信号値Vを表す。一方、次の信号値(例えば、V2、V3、…、Vn)は、個別の状態によって、代表的な信号値Vとなり得る。その後、第1の信号値または代表の信号値は、信号値Vとなる。
【0023】
図5は、本発明に基づくタッチシステムのもう1つの例示的な実施形態の概略図である。タッチシステム50は、感光性のトランジスタアレイ51、複数の電流電圧コンバータ52−1〜52−N(Nは自然数)、及び読み出し回路53を含む。電流電圧コンバータ52−1〜52−Nは、感光性のトランジスタアレイ51が電流電圧を変換できれば、省略されてもよい。読み出し回路53は、機能ユニット54、増幅ユニット55、変換ユニット56、処理ユニット57、及びタイミング発生器58を含み得る。機能ユニット54は、コンバータ52−1〜52−Nから増幅ユニット55まで順次的に電圧信号を提供し得る。電圧信号は、増幅ユニット55で増幅され、次いで、変換ユニット56でサンプリングされる。処理ユニット57は、変換ユニット56からの情報に基づく光電流を生じさせる光入力の座標を判定し得る。ゲート同期に関して、タイミング発生器58は、感光性のトランジスタアレイ51に用いられる同期信号に基づき、機能ユニット54、変換ユニット56、及び処理ユニット57の動作を同期し得る。一実施例の読み出し回路53は、集積回路に形成され、タッチシステム50の製造を容易にする。
【0024】
図6は、本発明に基づく認識方法の例示的な実施形態の流れ図である。認識方法は、タッチパネルの老化があるかどうかを確認する。簡単な実施例をとると、確認の時間点は、通常、定期的であり、即ち確認の継続時間が一定であるということである。信号値(例えばV)は、受信され(ステップ62)、信号値Vは、初期のデジタル値または調整されたデジタル値であり得る。この実施の形態では、判定ループは、信号値Vを所定値Pと比較するように実行される。所定値Pを参照すると、所定値は、一定値であり得る。例えば、タッチパネル43から提供された最小信号値は、所定値Pとなる。タッチパネル43が光入力を受信したかどうかにかかわらず、フォトセンサによって検出された検出信号Sは、検出信号データの最小値より小さくなることはない。環境光の存在により、信号データSは、タッチされていない時、正値である。即ち、タッチパネル43から提供された信号値は、暗室においてタッチ入力がない状態で得られ、信号値は所定値Pとなることである。すなわち、所定値Pは、暗状態におけるバックグランド成分に基づいている。
【0025】
また、所定値Pは、他の実施形態において特定目的のために動的値である。例えば、所定値Pは、表示装置の老化を測定するために、徐々に増加される。他の目的のために、所定値Pも時間の経過とともに、徐々に減少するという可能性は排除されない。所定値Pを固定するまたは調整する方法は、当業者には周知のものであるため、簡易化のため、説明は省略される。
【0026】
上述のように、所定値Pは、最小信号値であり、フレームの環境光を現す。次いで、図6のステップ64では、信号値Vは、所定値Pより少ないかどうかを判定する。タッチパネルの寿命の初期の段階では、タッチパネル43は、老化の問題を有さない。タッチパネル43によって検出された検出信号は、どんな測定をしなくても有効である。しかしながら、ステップ66に示されるように、信号値が所定値(V<P)より少ない場合、特定の動作は、実行される。信号値の調整方法は、後に詳述する。1つの実施の形態では、特定の動作は、次の信号値(例えば、V2〜Vn)を増加して、タッチパネル43の有効な入力がなくなる(missing)のを防ぐ。もう1つの実施の形態では、特定の動作は、現在の信号値Vを増加することである。他の実施の形態では、特定の動作は、変換ユニット47の変換パラメータを調整することである。例えば、特定の動作は、フィードバックを変換ユニット47に出力することであり、フィードバックは、オフセットまたはゲイン値である。フィードバックは、タッチパネルの寿命の制限された範囲内にあり得る。この場合、変換ユニット47は、増加された信号値を提供し得る。
【0027】
図4を例にとると、タッチシステム40の資源を節約するために、処理ユニット49は、変換ユニット47より生じた信号値Vを周期的に確認するように内部タイマーを設定し得る。また、内部タイマーに設定された時間周期は、劣化程度に基づいて動的であり得る。図5を再度参照すると、内部タイマー(表示せず)は、処理ユニット57に配置され、その機能もタイミング発生器58と異なる。処理ユニット57に組み込まれた内部タイマーの確認時間(checking duration time)は、連続的(例えば各フレーム)であり得るが、不連続的な(例えば数秒または数分)確認時間が好ましい。いくつかの実施例では、処理ユニット57は、信号値を定期的に確認し、確認時間は、タッチパネルの寿命が終わる前に固定される。もう1つの実施例では、確認時間は、変化レベルの幅に反比例する。信号値Vが明らかに規定値から外れた時、処理ユニット57は、自動的に確認時間を増加させる。
【0028】
図7は、本発明に基づいた認識方法のもう1つの例示的な実施形態の流れ図である。認識方法は、光入力式のタッチパネルで生じる老化を測定できる。タッチパネルは、ユーザーによって動作された光入力を検出する複数の感光性要素を含む。変換ユニットのパラメータは、ステップ71で初期化される。図4を例にとると、制御モジュール45は、アナログ信号を処理する変換ユニット47及び正常でない信号値Vを認識できる処理ユニット49を含む。一般的に言えば、変換ユニット47から出力された信号値Vは、デジタルフォーマットで要求され、変換ユニット47のパラメータは、ステップ71に示されるように初期化される。ステップ72では、アナログ信号データSは、デジタルフォームで信号値Vに変換される。1つの実施の形態では、信号値Vは、変換ユニット47によって推定されたパラメータに基づいて変調される。次いで、信号値Vは、ステップ73に示されるように、処理ユニット49で所定値Pと比較される。信号値Vが所定値Pより小さくなければ、ステップ71は、変換ユニットの初期化のパラメータ、または信号値Vの同じパラメータを有する次の信号値を処理するように実行される。
【0029】
調整ループは、信号値Vが規定値より小さい時、実行される。信号値Vと所定値Pとの間の差値は、ステップ74に記されている。図4を例にとると、光入力式のタッチパネルの動作中、処理ユニット49は、信号値Vと所定値Pとの間の校正値(P-V)を記録し、ステップ74に示されるように、P-V値を変換ユニット47に報告する。一方、変換ユニット47は、校正値がしきい値内にあるかどうかを判定するように要求される(ステップ75)。変換ユニット47のパラメータが制限されたしきい値の範囲外にある時、ステップ76に示されるように、タッチパネル43は、動作寿命に達する。一般的に言えば、タッチパネルの表示画素素子は、組み込まれたフォトセンサの寿命の前にダメージを受ける。ステップ77では、変換ユニット47のパラメータは、P-V値に従って調整され、変換ユニット47の調整されたパラメータは、次のフレームの信号値を変化させる校正値に基づいて提供される。通常、P-V値が所定のレベルの範囲にある場合、変換ユニット47は、オフセット値を加えることでわずかに調整する。または、重大な劣化が起こった時、例えば、連続的な信号値Vが所定値Pより低い時、パラメータはゲイン値によって調整される。
【0030】
この発明は、実施例の方法及び望ましい実施の形態によって記述されているが、本発明は、これらを限定するものではないことは理解される。逆に、種々の変更及び同様の配置をカバーするものである(当業者には明白なように)。よって、添付の請求の範囲は、最も広義な解釈が与えられ、全てのこのような変更及び同様の配置を含むべきである。
【符号の説明】
【0031】
14 感光性トランジスタアレイ
14−1 感光性トランジスタ
14−G ゲートライン
14−D データライン
24 感光性トランジスタアレイ
24−1 感光性トランジスタ
24−2 スイッチングトランジスタ
24−G ゲートライン
24−D データライン
34 感光性トランジスタアレイ
34−1 感光性トランジスタ
34−2 スイッチングトランジスタ
34−G ゲートライン
34−D データライン
40 タッチシステム
41 表示装置
42 ホスト装置
43 タッチパネル
45 制御モジュール
47 変換ユニット
49 処理ユニット
50 タッチシステム
51 感光性のトランジスタアレイ
52−1〜52−N 電流電圧コンバータ
53 読み出し回路
54 機能ユニット
55 増幅ユニット
56 変換ユニット
57 処理ユニット
58 タイミング発生器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素素子内の複数の感光性要素に統合され、光入力によって少なくともタッチ位置を表示できるタッチパネルであって、当該タッチパネルがタッチされた時、信号データを提供するタッチパネル、
前記信号データを受信するように構成され、前記信号データ及び変換パラメータに基づいて信号値を発生する変換ユニット、及び前記信号値が所定値より小さい時、特定の動作を実行する処理ユニットを含む読出回路を具備する、タッチシステム。
【請求項2】
前記信号データは、アナログフォームであり、前記信号値はデジタルフォーマットである請求項1に記載のタッチシステム。
【請求項3】
前記特定の動作は、前記変換パラメータを調整することである請求項1に記載のタッチシステム。
【請求項4】
前記特定の動作は、フィードバックを変換ユニットに出力することであり、前記フィードバックは、オフセットまたはゲイン値である請求項1に記載のタッチシステム。
【請求項5】
前記特定の動作は、フィードバックを変換ユニットに出力することであり、前記フィードバックは、前記タッチパネルの寿命の制限された範囲内にある請求項1に記載のタッチシステム。
【請求項6】
前記信号データは、環境光のバックグラウンド成分及び光入力の光コンポーネントを含む請求項1に記載のタッチシステム。
【請求項7】
ユーザーによって光入力を検出する複数の感光性要素を含む光入力式のタッチパネルの認識方法であって、
前記光入力式のタッチパネルの光のレベルを表す信号値を提供するステップ、前記信号値と所定値を比較するステップ、及び
前記信号値が前記所定値より小さい時、特定の動作を実行するステップを
含む認識方法。
【請求項8】
前記信号値が前記所定値より小さい時、前記信号値と前記所定値との間の校正値を記録するステップを更に含む、請求項7に記載の認識方法。
【請求項9】
前記信号値は、前記光入力式のタッチパネルに組み込まれた素子によって検出された光コンポーネントを含む、請求項7に記載の認識方法。
【請求項10】
命令を返信し、次の命令を受信するまで、前記信号値と前記所定値との間の差値に従って次の信号値をシフトさせるステップを更に含む、請求項8に記載の認識方法。
【請求項11】
前記命令は、前記光入力式のタッチパネルの制限された範囲内にある、請求項10に記載の認識方法。
【請求項12】
前記光のレベルは、光入力のない環境光の照明である、請求項7に記載の認識方法。
【請求項13】
暗条件の情報に基づいた前記所定値を規定するステップを更に含む、請求項7に記載の認識方法。
【請求項14】
前記所定値が前記信号値より大きい時、前記信号値を破棄し、前記所定値と前記選択された信号値との差値に基づき次の信号値をシフトさせるステップを更に含む請求項8に記載の認識方法。
【請求項15】
前記信号値を前記ホスト装置に出力するステップを更に含む、請求項7に記載の認識方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−84145(P2012−84145A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220376(P2011−220376)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(510336303)劍揚股▲ふん▼有限公司 (7)
【Fターム(参考)】