説明

タッチスクリーン

【課題】電極パターンの面抵抗値が外部環境によって変化しても接触点の座標を正確に算出することができるタッチスクリーンを提供する。
【解決手段】ベース部材110、前記ベース部材110の一面に第1方向に形成された複数の電極パターン120、前記電極パターン120の両端に連結された電極配線130、及び前記電極配線130に連結されて、前記電極パターン120の抵抗変化を測定して基準電圧変化値を更新し、外部接触が発生した場合に前記充放電特性を用いて接触点の座標情報を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタッチスクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信技術の発達と共に、携帯電話、PDA、ナビゲーションのような端末機は単純な文字情報の表示手段から一歩進んで、オーディオ、動画、無線インターネットウェブブラウザーなどのようなより多様で複雑なマルチメディアの提供手段としてその機能が拡大されている。最近、制限された端末機の大きさ内でより大きいディスプレー画面の具現が求められていて、タッチスクリーンを適用したディスプレー方式がさらに脚光を浴びている。このようなタッチスクリーンは、スクリーンと座標入力手段を統合することにより、従来のキー入力方式に比べて空間を節約することができる利点を有する。
【0003】
現在多く採用されているタッチスクリーンの形態は大きく二つの方式に分類される。
まず、抵抗膜式タッチスクリーンは、上/下部の電極膜がスペーサーによって離隔されて、押されることにより互いに接触されることができるように配置された形態である。上部の電極膜が形成されている上部基板が指、ペンなどの入力手段によって押される時、上/下部の電極膜が通電されて、その位置の抵抗値の変化による電圧変化を制御部で認知して接触座標を認識する方式である。
【0004】
そして、静電容量式タッチスクリーンは、第1方向性を有する第1電極パターンが形成された上部基板と第2方向性を有する第2電極パターンが形成された下部基板が互いに離隔されて、第1電極パターンと第2電極パターンが接触することができないように絶縁体が挿入される。
【0005】
このような静電容量式タッチスクリーンは、入力手段がタッチスクリーンに接触することにより第1電極パターンと第2電極パターンで発生する静電容量の変化を測定して接触点の座標を算出する。
一方、従来のタッチスクリーンは電極パターンに導電性物質を用いるが、導電性物質は湿度及び温度に敏感であり、外部環境の変化によって面抵抗の値が変化される性質を有する。電極パターンの面抵抗が変化されると、入力手段が接触しても接触点の正確な座標を算出することができず、タッチスクリーンはその機能を喪失するという問題点が発生した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述のような問題点を解決するために導き出されたものであり、電極パターンの面抵抗の変化を測定し、面抵抗値を基に基準電圧変化値を更新して、電極パターンの面抵抗値が外部環境によって変化しても接触点の座標を正確に算出することができるタッチスクリーンを提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はタッチスクリーンに関するもので、ベース部材、前記ベース部材の一面に第1方向を有して複数で形成された電極パターン、前記電極パターンの両端に連結された電極配線、及び前記電極配線に連結されて、前記電極パターンの抵抗変化を測定して基準電圧変化値を更新し、外部接触が発生した場合に前記電極パターンで発生する電圧変化値を測定して接触点の座標情報を算出する制御部を含む。
【0008】
また、本発明の前記制御部は、前記電極パターンの前記充放電特性を測定して外部接触が発生したかを判断する充放電測定部、前記充放電特性の電圧変化を用いて前記接触点の座標情報を算出する座標検出部、前記電極パターンの抵抗変化を測定する抵抗測定部、前記抵抗測定部で測定された前記電極パターンの抵抗値を用いて前記基準電圧変化値を更新する補正更新部、前記基準電圧変化値による座標値を表すルックアップテーブルを貯蔵して、前記補正更新部で更新した前記基準電圧変化値を貯蔵するメモリー部を含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は前記複数の電極パターンが面積及び形状が同一であることを特徴とする。
また、本発明は前記複数の電極パターンは同一の間隔を置いて離隔されたことを特徴とする。
また、本発明は前記複数の電極パターンをカバーする保護層をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明は前記電極配線の末端が前記ベース部材の一面に形成された接続部に集合されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は前記電極パターンは導電性高分子で構成されたことを特徴とする。
また、本発明の前記導電性高分子はPEDOT/PSSを含むことを特徴とする。
本発明の特徴及び利点は添付図面に基づいた以下の詳細な説明によってさらに明白になるであろう。
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び請求範囲に用いられた用語や単語は通常的かつ辞書的な意味に解釈されてはならず、発明者が自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則にしたがって本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されなければならない。
【発明の効果】
【0011】
本発明によるタッチスクリーンは、従来の抵抗膜式タッチスクリーンに比べて接触点の座標獲得が精緻であり、従来の静電容量式タッチスクリーンに比べてタッチスクリーンの構造が単純であるという長所を有する。
また、本発明によるタッチスクリーンは、電極パターンの面抵抗変化を測定し、面抵抗値を基に基準電圧変化値を更新して、電極パターンの面抵抗値が外部環境によって変化しても接触点の座標を正確に算出することができる。
【0012】
そして、本発明によるタッチスクリーンは、電極パターンが断層で形成されて、スリムな構成を有し、電極パターンの両端に連結された電極配線を通じてRC等価回路の充放電特性によって接触点の座標を算出することにより、接触点の座標を正確に測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は添付図面と以下の詳細な説明および好ましい実施例によってさらに明白にになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、本発明を説明するにおいて、係わる公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要にぼかす可能性があると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
図1は本発明の好ましい実施例によるタッチスクリーンの平面図であり、図2は図1に図示されたタッチスクリーンの断面図である。以下、これを参照して本発明によるタッチスクリーンに対して検討する。
本発明によるタッチスクリーン100は、一面に複数の電極パターン120が形成されたベース部材110を含む。
【0015】
ベース部材110は透明な部材であり、ガラス基板、フィルム基板、繊維基板、紙基板が用いられることができて、このうちフィルム基板は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリビニルアルコール(PVA)、環状オレフィン共重合体(COC)、スチレン重合体などで構成されることができる。ベース部材110の材料の選択は、タッチスクリーンが適用される端末機の種類と用途によって選択することが好ましい。
【0016】
電極パターン120は前記ベース部材110の一面に第1方向性を有して複数で形成される。
電極パターン120はITO(indium tin oxide)のような導電性物質が採用されることができる。この際、電極パターン120は導電性高分子で構成されることが好ましい。導電性高分子は有機系化合物として、ポリチオフェン系、ポリピロル系、ポリアニリン系、ポリアセチレン系、ポリフェニレン系などが採用されることができて、特にポリチオフェン系の中でもPEDOT/PSS化合物の場合がもっとも好ましく、前記有機系化合物のうち1種以上を混合して用いることができる。
【0017】
このような導電性高分子はITOと対等な面抵抗を有する同時に、製造コストが安価である長所がある。このような電極パターン120は導電性物質をグラビア印刷、インクジェット印刷、フォトリソグラフィ方式など、公知された方式によって形成されることができる。
また、電極パターン120は第1方向性を有し、延長されて形成された形状を有する。図1に図示されたように、電極パターンは均一な抵抗を有するために棒状を有し、隣接する電極パターンと平行に形成される。
【0018】
そして、複数の電極パターンは面積及び形状が同一であることが好ましい。入力手段がタッチスクリーンに接触した場合に発生する静電容量の変化は電極パターンと入力手段の接触面積によって決まるため、電極パターンが可変的要素として電極パターンに発生する静電容量の変化に影響を与えないために、複数の電極パターンは面積と形状が同一であることが好ましい。
【0019】
なお、複数の電極パターンは互いに離隔されて配置されるため、隣接する電極パターンは同一の間隔を置いて配置されることが接触点の正確な座標を獲得するために好ましい。
ベース部材110の一面には電極パターン120の両端と連結された電極配線130が形成される。このような電極配線130はベース部材110の縁領域に形成されて、このような縁領域はタッチスクリーンが端末機に取付けられた時、ディスプレーで生成した画像が通過しない非活性領域である。
【0020】
電極配線130は、銀ペースト(Ag Paste)のように抵抗が小さい導電性物質で形成されたり、電極パターン120と同一の材料で形成されることができる。
一方、電極配線130は、電極パターン120で発生する充放電特性による電圧変化をFPCのような連結部(未図示)を通じて制御部(未図示)に伝達する。この際、電極配線130の末端はFPCのような連結部を少なく用いるようにデザインするために、ベース部材110の一側に形成された接続部115に集合されることが好ましい。
そして、接続部115はFPCの接続構造によってビアを含むなど、多様な形状を有するように形成されることができる。
【0021】
上述の電極配線130と連結部を通じて接続される制御部(未図示)は電極パターン120の抵抗変化を測定し、充放電特性の基準電圧変化値を更新して、外部接触が発生した場合、充放電特性を用いて接触点の座標情報を算出する。
タッチスクリーン100は、電極配線130を通じて電極パターン120に少量の電荷を供給するが、所定量の電荷が抵抗成分とキャパシタンスからなったRC等価回路に供給された後、外部接触によって電荷再分布現象が発生し、その時発生する電圧変化を制御部が測定することによって接触点の座標を算出する。
【0022】
この際、電極パターン120の面抵抗は湿度と温度によって変化される可能性があるため、制御部は電極パターンの抵抗変化を測定し、繰り返して基準電圧変化値を更新する。特に、電極パターンが導電性高分子で構成される場合、面抵抗は大きく変化(温度と湿度が増加するほど面抵抗は増加する)するため、基準電圧変化値の更新は必須である。
一方、基準電圧変化値とは、タッチスクリーンに外部接触が発生したかを判断する基準値であり、RC回路の放電特性によって連続的に表れる電圧変化量である。電極パターンに表れる電圧変化値が基準電圧変化値より変化率が小さい場合(グラフで表現する場合、基準電圧曲線より電圧変化曲線の変化率が小さい場合)は電荷が自然放電されたと判断し、基準電圧変化値より変化率が大きい場合は外部接触が発生したと判断する。その他に閾値時間に測定される電圧値が基準電圧値以上であるか以下であるかを判断して、外部接触が発生したかを判断することができる。
【0023】
また、充放電特性を用いて接触点の座標を算出するが、これは図4から図9を参照して後述する。
そして、基準電圧変化値は電極パターンの面抵抗に影響を受け、電極配線を通じて電圧を印加して電流を測定すると、電極パターンの面抵抗を獲得することができ、これによって充放電特性を表す基準電圧変化値を更新することができる。
【0024】
また、本発明によるタッチスクリーンは図3に図示されたように、電極パターン120と電極配線130をカバーする保護層140をさらに含むことを特徴とする。
保護層140は入力手段が接触する接触面を形成し、電極パターン120と入力手段の間に配置される誘電体の機能を遂行する。
【0025】
このような保護層140は、光学透明接着剤(未図示)によって電極パターンと電極配線をカバーするようにベース部材110に接着され、電極パターン120と電極配線130を外部から保護する機能も遂行する。保護層140は、ベース部材110と同様に透明なガラス基板またはフィルム基板が採用されることができる。
【0026】
図4は本発明によるタッチスクリーンに連結された制御部のブロック図であり、図5は本発明によるタッチスクリーンに外部接触が発生した場合に形成される等価回路図であり、図6から図9は本発明によるタッチスクリーンの充放電特性を表すグラフである。以下、これを参照して、本発明によるタッチスクリーンの座標検出方法を説明する。
【0027】
本発明によるタッチスクリーンに含まれる制御部150は上述の機能を遂行するために、充放電測定部151、座標検出部152、抵抗測定部153、補正更新部154、及びメモリー部155を含む。
充放電測定部151は電極パターン120に対して電荷の充放電特性を測定する。充放電特性は、所定量の電荷を充電または放電する時、時間によって電極パターン120に表れる電圧変化(または電圧変化曲線)を意味する。
【0028】
タッチスクリーンに外部接触が発生すると、図5に図示されたように、抵抗成分と静電容量成分を含む等価回路が形成される。この際、図5は図3に図示されたタッチスクリーンのX方向に対する断面図に対して抵抗成分と静電容量成分を図示している。
接触面とグラウンド面の間に第1キャパシタンスCが形成され、保護層140を横切って接触面と電極パターン120の間に第2キャパシタンスCが形成されて、電極パターン120の長さ方向に沿って両端に2個の抵抗R:R、Rが発生する。この際、第2キャパシタンスCは保護層140の誘電率と厚さによって決まり(接触面積が一定である場合)、2個の抵抗は接触点と電極パターン120の両端の間の距離及び電極パターンの面抵抗値によって決まる。
【0029】
充放電測定部151は、電極パターン120に対して測定した充放電特性が図6に図示されたように、基準電圧変化値(グラフ(1))より変化率が小さい場合(グラフ(4))は外部接触が発生していないと判断し、基準電圧変化値より変化率が大きい場合(グラフ(2)または(3))は外部接触が発生したと判断する。
そして、座標検出部152は、充放電測定部151で外部接触が発生したと判断した場合、接触点のX座標とY座標を測定する。
【0030】
図6を参照すると、グラフ(1)は基準電圧変化値であり、グラフ(2)及び(3)は保護層140上に接触が発生した場合の放電特性を表し、グラフ(4)は接触が発生していない自然放電特性を表す。この際、グラフ夫々は電極パターンが電荷供給源によって初期電圧Vに充電されたことを前提に図示している。また、タッチスクリーンは電極パターンの両端に電極配線が夫々連結されるが、図6は電極パターンの両端のうち一端に連結された電極配線を通じて測定した放電特性のみを図示している。
【0031】
接触が発生すると、電荷供給源とRC等価回路の間で電荷再分布現象が起きることにより、グラフ(2)または(3)のような電圧変化が表れる。この際、電圧変化は接触が発生した位置によって異なって表れて、これは時間による電圧変化を決める時定数(time constant)が抵抗R及びキャパシタンスC、Cに依存するためである。
抵抗Rは接触点から電極パターン120の一端までの距離によって異なるように決まるが、これを用いて接触点の座標情報を獲得することができる。キャパシタンスC、Cの合成キャパシタンスをCで表現すると、時定数τ及び電圧変化V(t)は数学式1及び数学式2のように表すことができる。
【0032】
〔式1〕
τ=RxC
〔式2〕
V(t)=V+(V−V)e(−t/τ)
【0033】
数学式2でVは、接触による電荷再分布が完了された後の最終電圧を表す。グラフ(2)とグラフ(3)は相異なる位置で接触が発生した場合を仮定するため、抵抗R及びキャパシタンスC、Cにより決まる時定数τによって、電圧変化が異なって表れることが分かる。
【0034】
グラフ(2)とグラフ(3)の場合を比較すると、時間による電圧変化が急激に表れるグラフ(2)は、キャパシタンスが同一であると仮定した時、抵抗Rが小さいことが分かる。従って、グラフ(2)の場合、接触点の位置がグラフ(3)より電極パターンの一端にもっと近いということが分かる。
【0035】
即ち、時間による電圧変化が急激するほど、時定数τは小さい値を有するということが分かるが、これは時定数τを決める抵抗成分Rが小さいためである。これにより、面抵抗が同一であると仮定した時、接触点から一端までの距離は時定数τに比例する。一方、電極パターンの他端と連結された電極配線を通じて電圧変化を測定した場合には、グラフ(2)とグラフ(3)が互いに変わることは自明な事項であるため、詳細な説明は省略する。
【0036】
座標検出部152は、充放電測定部151で測定した充放電特性に対して所定の閾値時間Tを設定し、接触が発生した時点から(図6及び図7には0と仮定する)閾値時間Tの間の時間で表れる電圧変化を用いてX座標を算出することができる。図6を参照すると、グラフ(2)の場合は閾値時間Tの間に電圧がVからVに変化し、グラフ(3)の場合はVからVに変化した。
【0037】
メモリー部155に貯蔵されたルックアップテーブルは多様な基準電圧変化値によって他の座標テーブルを含み、座標テーブルは電圧値によるX座標値とY座標値を含む。この際、座標検出部152は最初の基準電圧変化値による座標テーブルを選択した後、閾値時間による電圧値と一致するX座標値を選択する。
【0038】
X座標値を算出するまた他の方法として、図7に図示されたように、閾値電圧Vまで電圧が変化するのにかかる時間を用いて座標値を測定することができる。図7を参照すると、グラフ(2)の閾値電圧Vまで至る時間がTで測定され、グラフ(3)の場合はTで測定された。これにより、TとTによるX座標値が決まる。
【0039】
また、本発明によるタッチスクリーン100は、電極パターン120の両端に連結された電極配線130を通じて電極パターン120に発生する放電特性を全て測定し、これによって獲得した座標情報を正規化することにより、より精緻なX座標を算出することができる。
【0040】
そして、複数の電極パターン120は平行に形成されるため、電極パターンの夫々は固有のY座標値を有し、他の電極パターンに比べて電極パターンが有するY座標値が接触点のY座標で決まる。
【0041】
即ち、接触点と距離が遠い電極パターンはグラフ(4)と類似の電圧変化を表して、接触点に隣接した電極パターン120はグラフ(2)またはグラフ(3)のような電圧変化が表れる。充放電測定部151が複数の電極パターンをスキャニングすると、座標検出部152はこれに基づいて電圧変化がもっとも急激な電極パターンを検出し、Y座標を決める。一方、電圧変化がもっとも大きい電極パターンに隣接して配置された電極パターンに発生した電圧変化を測定し、より細密なY座標を算出することもできる。
【0042】
電極パターンはITOのような導電性物質で構成されるが、このような導電性物質は温度または湿度のような外部環境によって面抵抗が変化される可能性がある。面抵抗が変化されると、時定数τが変化されるため、従来の基準電圧変化値による座標テーブルを基に座標点を算出するとタッチスクリーンに誤作動が発生する。
【0043】
特に、耐熱性と耐湿性が弱い導電性高分子の場合はさらにそうである。導電性高分子の場合、高温、高湿で面抵抗が増加するようになる。これにより、同一の条件でタッチが発生した場合でも、図6及び図7に図示されたグラフは図8及び図9に図示されたグラフのように電圧の変化量が減少する。
【0044】
それでも従来の座標テーブルを用いて座標点を算出すると、閾値時間Tsの間にグラフ(2’)は電圧がVからV’に変化し、グラフ(3’)の場合はVからV’に変化したため、VとV’の差異、VとV’の差異だけX座標のエラーが発生する。即ち、接触点のX座標が電極パターンの一端からもっと遠いように測定される。
【0045】
この際、抵抗測定部153は電極パターンに発生する電圧、電流特性を用いて電極パターンの面抵抗を測定し、補正更新部154は抵抗測定部153で測定された電極パターンの抵抗値を用いて前記基準電圧変化値を更新し、更新された基準電圧変化値(例えばグラフ(1’))はメモリー部155に貯蔵される。
【0046】
メモリー部155は座標検出部152の信号によって更新された電圧変化値による座標テーブルを座標検出部152に提供する。
このように、外部環境によって変化される電極パターンの面抵抗値が反映された基準電圧値とそれによる座標テーブルを基にX座標値を算出すると、高温高湿により外部環境が変化されても正確なX座標を算出することができる。
【0047】
一方、本発明は上述の実施例に限定されず、本発明の思想及び範囲を外れることなく多様に修正及び変形が出来るということは当技術分野の通常の知識を有する者には明白である。従って、このような変形例または修正例は本発明の特許請求範囲に属するというべきであろう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の好ましい実施例によるタッチスクリーンの平面図である。
【図2】図1に図示されたタッチスクリーンの断面図である。
【図3】図1及び図2に図示されたタッチスクリーンの変形例を図示した側面図である。
【図4】本発明によるタッチスクリーンの制御部に対するブロック図である。
【図5】本発明によるタッチスクリーンに外部接触が発生した場合に形成される等価回路図である。
【図6】本発明によるタッチスクリーンの充放電特性を表すグラフである。
【図7】本発明によるタッチスクリーンの充放電特性を表すグラフである。
【図8】面抵抗が変化された場合のタッチスクリーンの充放電特性を表すグラフである。
【図9】面抵抗が変化された場合のタッチスクリーンの充放電特性を表すグラフである。
【符号の説明】
【0049】
100 タッチスクリーン
110 ベース部材
115 接続部
120 電極パターン
130 電極配線
140 保護層
150 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材;
前記ベース部材の一面に第1方向を有して複数で形成された電極パターン;
前記電極パターンの両端に連結された電極配線;及び
前記電極配線に連結されて、前記電極パターンの抵抗変化を測定して基準電圧変化値を更新し、外部接触が発生した場合に前記電極パターンで発生する充放電特性を測定して接触点の座標情報を算出する制御部;
を含むタッチスクリーン。
【請求項2】
前記制御部は、
前記電極パターンの前記充放電特性を測定して外部接触が発生したかを判断する充放電測定部;
前記充放電特性の電圧変化を用いて前記接触点の座標情報を算出する座標検出部;
前記電極パターンの抵抗変化を測定する抵抗測定部;
前記抵抗測定部で測定された前記電極パターンの抵抗値を用いて前記基準電圧変化値を更新する補正更新部;
前記基準電圧変化値による座標値を表すルックアップテーブルを貯蔵して、前記補正更新部で更新した前記基準電圧変化値を貯蔵するメモリー部;
を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項3】
前記複数の電極パターンが面積及び形状が同一であることを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項4】
前記複数の電極パターンは同一の間隔を置いて離隔されたことを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項5】
前記複数の電極パターンをカバーする保護層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項6】
前記電極配線の末端が前記ベース部材の一面に形成された接続部に集合されることを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項7】
前記電極パターンは導電性高分子で構成されたことを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項8】
前記導電性高分子はPEDOT/PSSを含むことを特徴とする請求項7に記載のタッチスクリーン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−18659(P2012−18659A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233351(P2010−233351)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】