説明

タッチパネル及びそれを備えた表示装置

【課題】検出用配線の抵抗が高い場合に、タッチ位置が検出用配線の一端から離れるに従って発振周期が偏差しても、正確にタッチ位置を検出することができるタッチパネルを得る。
【解決手段】検出用配線の一端または他端を選択して、発振回路21に順次接続し、発振回路21が出力する信号の発振周期を計数回路23a、23bにおいて計数し、検出用配線の一端または他端を発振回路21に接続したときの双方の発振周期に基づいて、タッチ位置算出回路24においてタッチ位置を算出することにより、発振周期の偏差を抑えて、正確にタッチ位置を算出した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、タッチパネル及びタッチパネルを備えた表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
指などによるタッチを検出してその位置座標を特定するタッチパネルは、優れたユーザーインタフェース手段の一つとして注目されており、抵抗膜方式や静電容量方式などの種々の方式によるタッチパネルが製品化されている。
【0003】
静電容量方式の一つとして、タッチセンサが内蔵されるタッチスクリーンの前面側を数mm厚程度のガラス板等の保護板で覆った場合でもタッチ検出が可能なPCT(Projected Capacitive Touchscreen)方式がある。この方式は保護板を前面に配置できるので堅牢性に優れる点、手袋装着時でもタッチ検出が可能である点、可動部が無いため長寿命である点などの利点を有している。
【0004】
例えば下記特許文献1記載のPCT方式を用いたタッチパネルのタッチスクリーンの構成は、静電容量を検出するための検出導体として、薄い誘電膜に形成された第1シリーズの導体エレメントと、絶縁膜を隔て形成された第2シリーズの導体エレメントを備えており、各導体エレメント間には電気的接触はなく複数の交点を形成している。導体エレメントとして最適な材料は、例えば銀などの金属材料である。また、表示上その可視性が問題となり、可視性を低くする場合には酸化インジウムが用いられる。また、導体エレメントに変えて、10〜20μmの細い電線も使用できる。
【0005】
また、静電容量を検出する導体エレメントは出力線、マルチプレクサを介して容量制御オシレータに接続される。その出力は除算器でカウントされて、容量検出データとされる。
【0006】
【特許文献1】特表平9−511086号公報(7頁19行〜8頁4行、8頁23行〜9頁6行、13頁4行〜12行、図1、図2、図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このようなタッチパネルの容量制御オシレータとしては弛張発振器を用いることができる。弛張発振器は抵抗素子及び容量素子の充放電時定数により発振周期が概ね決まるが、この容量素子の一部を検出用配線と使用者の指など(以降、指示体と記す)との間に形成される静電容量(以降、タッチ容量と記す)によって構成することにより、指示体によるタッチが生じた場合に検出用配線と指示体との間に形成されるタッチ容量に応じて、弛張発振器の発振周期に変化が生じる。この発振周期の変化量を検出することによりタッチ容量を検出し、タッチの有無やその位置(以降、タッチ位置と記す)を判定することが可能となる。
【0008】
検出用配線の可視性を低減するために、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透明配線材料を用いた場合、銀や銅などの導電率の高い金属材料よりも検出用配線の抵抗が高くなる。この場合、タッチ位置が検出端から離れるに従って、検出用配線の抵抗は極めて高くなるため、タッチ容量による発振周期の変化量が小さくなり、特に大型(ここで言う大型とは10インチ程度以上)のタッチパネルにおいてはタッチ容量の検出が困難なため、タッチ位置を正確に検出できないといった問題点があった。
【0009】
検出用配線の抵抗を下げるためには検出用配線の幅を広くすることが考えられるが、タッチパネルは表示装置の前面に装着されるため、表示光の透過率の低下を抑えるためには、たとえ検出用配線に透明配線材料を使用しても検出用配線の幅の広さには制約が生じる。また、検出用配線の幅を広くするとタッチ位置の検出分解能が粗くなってしまうという問題点もあった。
【0010】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、検出用配線の抵抗が大きい場合であっても確実にタッチ容量を検出してタッチ位置を判定できるタッチパネルを得ることを目的とする。
【0011】
また、高抵抗な透明配線材料を用いて検出用配線を形成しても、検出用配線の幅を必要以上に広げることなく、表示光の透過率の低下を抑えることのできるタッチパネルを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るタッチパネルは、行列方向に形成された複数の検出用配線を有し、指示体がタッチするタッチスクリーンと、前記検出用配線を順次選択し、かつ、選択された前記検出用配線の一端または他端のいずれかの接続端を順次選択するスイッチ回路と、前記スイッチ回路により選択された前記接続端を介して前記検出用配線に接続され、前記指示体と前記検出用配線との間に形成される静電容量に応じて発振周期が変化する発振回路と、前記検出用配線の一端を前記発振回路に接続したときの前記発振周期と他端を前記発振回路に接続したときの前記発振周期の双方に基づいて前記検出用配線の検出結果を順次求め、複数の前記検出用配線の前記検出結果に基づいて前記指示体のタッチ位置を算出するタッチ位置演算回路とを備えた。
【発明の効果】
【0013】
検出用配線の抵抗が大きい場合であっても、検出用配線の一端および他端を接続したときの双方の発振周期に基づいてタッチ位置を算出しているため、検出用配線の一端のみを発振回路に接続した場合にタッチ位置が他端に行くに従って生じる発振周期の偏差を抑えることができ、正確にタッチ位置を算出できるという効果がある。
【0014】
また、検出用配線の抵抗が大きい場合であっても正確にタッチ位置を算出できるため、高抵抗な透明配線材料を用いて検出用配線を形成しても、配線幅を必要以上に広げることなく、表示光の透過率の低下を抑えることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1によるタッチパネルにおけるタッチスクリーンの構成を示す平面図であり、図2はその部分斜視断面図である。以下、図面を参照して構成について説明する。なお、以下の各実施の形態において、図中、図1と同一符号は、同一または相当の構成を示す。
【0016】
図1に示すように、タッチスクリーン1は、列方向(図1中、y方向)に伸在し所定ピッチで平行配列された検出用列配線2と、行方向(図1中、x方向)に伸在し所定ピッチで平行配列された検出用行配線3を備えている。所定本数の検出用列配線2は、それぞれ上端及び下端で接続用配線4により共通に電気的に接続され、検出用列配線群6を構成している。同様に所定本数の検出用行配線3は、それぞれ左端及び右端で接続用配線5により共通に電気的に接続され、検出用行配線群7を構成している。なお、図1では所定本数が5本の場合の例を示している。さらに、所定本数の検出用列配線群6が平行配列されており、所定本数の検出用行配線群7も平行配列されている。図1では検出用列配線群6および検出用行配線群7(以降、検出用配線群と記す)を一部省略しているが、後述のとおり本実施の形態1では検出用配線群の所定本数を各々8系統(本)としている。検出用配線群は引き出し配線8a、8b、9a、9bにより端子10に接続している。指示体がタッチスクリーン1にタッチしたとき、検出用配線群を構成する検出用列配線2及び検出用行配線3(以降、検出用配線と記す)と指示体との間にタッチ容量が形成される。検出用配線群の本数や配線ピッチ、そしてこれら検出用配線群を構成する検出用配線の本数や配線幅や配線ピッチは、タッチパネルのタッチ位置の要求分解能から適宜選択することができる。
【0017】
ここで、検出用配線群を複数の検出用配線から構成するのではなく、1本のいわゆるベタ配線とすると、タッチ容量は大きく確保できるものの、検出用配線間のスリット状開口部の面積が小さくなるため、表示パネルの前面にタッチパネル1を配置して使用するにあたって、その表示光の透過を妨げ、表示光の透過率を低下させてしまう。そこで、本実施の形態1では、検出用配線群を複数の検出用配線から構成して、検出用配線の間のスリット状開口部の面積を大きくとることで、表示光の透過率の低下を抑制している。
【0018】
図2を参照して、タッチスクリーン1の層構成を説明する。上面は透明なガラスや樹脂からなる透明基板(以降、ベース基板12と記す)であり、ベース基板12の裏面には、ITOなどの透明配線材料からなる検出用列配線2が形成される。その下には、SiN(窒化シリコン)等の透明な層間絶縁膜13が形成され、その裏面に透明配線材料からなる検出用行配線3が形成される。さらにその下に、層間絶縁膜13同様にSiN等の透明な保護膜14が形成される。なお、検出用列配線2と検出用行配線3の位置を逆とし、ベース基板12の裏面に検出用行配線3を形成し、層間絶縁膜13の裏面に検出用列配線2を形成しても良い。
【0019】
図3は本発明の実施の形態1によるタッチパネルの全体構成図である。タッチスクリーン1の端子10(図3には図示せず、図1参照のこと)にFPC(Flexible Printed Circuit)17の端子がACF(Anisotropic Conductive Film)などを用いることにより実装され、FPC17を介して検出用配線群の端部とコントローラ基板18とが電気的に接続されることによりタッチパネルとして機能する。コントローラ基板18には、タッチ容量の検出結果に基づいて、指示体のタッチ位置の算出の処理を行う検出処理回路19が搭載されており、検出処理回路19にて算出されたタッチ位置を外部のコンピュータなどに出力する。
【0020】
図4は本発明の実施の形態1によるタッチパネルにおけるタッチ位置算出動作のブロック図を示している。なお、本実施の形態1では検出用列配線群6、検出用行配線群7の本数を各々8系統(図4中、Wc1〜Wc8、Wr1〜Wr8)として構成した場合につき説明する。
【0021】
検出処理回路19(図4には図示せず、図3参照のこと)は、第1のスイッチ回路(以降、アナログ・マルチプレクサ回路20a,20b,20c,20dと記す)、発振回路21、計数回路23a、23b、タッチ位置算出回路24、検出制御回路25を備えている。さらに検出処理回路19において、計数回路23a、23b、タッチ位置算出回路24及び検出制御回路25をタッチ位置演算回路26と呼び、発振回路21が出力する発振出力信号に基づき指示体のタッチ位置の演算を行っている。また、検出用発振回路22は、検出用列配線群6、検出用行配線群7、アナログ・マルチプレクサ回路20a,20b、20c、20d及び発振回路21を備えている。
【0022】
各検出用列配線群6の一端(図4中、上端)は、8:1に切り替えるアナログ・マルチプレクサ回路20aに、また、他端(図4中、下端)は、8:1に切り替えるアナログ・マルチプレクサ回路20bに接続している。同様に、各検出用行配線群7の一端(図4中、左端)は、8:1に切り替えるアナログ・マルチプレクサ回路20cに、また、他端(図4中、右端)は、8:1に切り替えるアナログ・マルチプレクサ回路20dに接続している。そして、アナログ・マルチプレクサ回路20a,20b、20c、20dは発振回路21に接続している。ここで、アナログ・マルチプレクサ回路20a,20b、20c、20dは検出制御回路25からの指示により接続が選択され、検出用配線群と発振回路21との接続を1配線群ずつ順次切り替える。
【0023】
発振回路21は計数回路23aに接続しており、発振回路21が出力する発振出力信号が計数回路23aに入力される。計数回路23a、23bは発振回路21が出力する発振出力信号を所定の計数値となるまで計数して、計数を開始してから所定計数値となるまでの期間(時間)を求め、この期間を発振周期検出結果としてタッチ位置算出回路24に対して出力する。この発振周期検出結果をもとに、タッチ位置算出回路24においてタッチ位置が算出される。なお、発振回路21、計数回路23a、23b、タッチ位置算出回路24はそれぞれ検出制御回路25と接続している。このように、発振回路21の発振周期の変化に応じて、検出用列配線群6と指示体との間の静電容量Ctc、及び検出用行配線群7と指示体との間の静電容量Ctrを算出する構成となっている。
【0024】
図5は本発明の実施の形態1によるタッチパネルにおける発振回路21の回路構成と検出用配線群との接続を示す回路図である。本実施の形態1では、発振回路21は、オペアンプ回路30を使用して構成し、また、4:1に接続を切り替える第2のスイッチ回路(以下アナログ・マルチプレクサ回路31と記載)を備えている。なお、アナログ・マルチプレクサ回路20a〜20d、31をスイッチ回路と総称する。
【0025】
なお、図5では、アナログ・マルチプレクサ回路20a〜20dにて8系統の中から選択された1系統の検出用列配線群6、検出用行配線群7のみ示されており、また、アナログ・マルチプレクサ回路20a〜20dは省略している。図5中、Aは検出用列配線群6上のタッチ位置(以降、タッチ列座標と記す)を示し、Bは検出用行配線群7上のタッチ位置(以降、タッチ行座標と記す)を示している。アナログ・マルチプレクサ回路20a〜20bにて選択された検出用列配線群6の上端Ta側は接続端子32aと、下端Tb側は接続端子32bと、アナログ・マルチプレクサ回路20c〜20dにて選択された検出用行配線群7の左端Tc側は接続端子32cと、右端Td側は接続端子32dと接続している。アナログ・マルチプレクサ回路31は、検出用列配線群6の上端Ta、下端Tb、検出用行配線群7の左端Tc、右端Tdという4つの接続端の中から1つの接続端を選択してオペアンプ回路30の反転入力端に接続している。
【0026】
オペアンプ回路30の非反転入力端とグランドとの間には抵抗Raが、また非反転入力端と出力端との間には抵抗Rbがそれぞれ接続される。また、オペアンプ回路30の反転入力端とグランドとの間にはコンデンサC1が、また反転入力端と出力端との間には抵抗R1がそれぞれ接続される。このようにオペアンプ回路30を使用して、いわゆる弛張発振回路が構成される。この発振回路21は出力飽和電圧から抵抗R1及びコンデンサC1のほか、検出用列配線群6の抵抗(または検出用行配線群7の抵抗)、及びタッチ容量Ctc(またはCtr)により構成される検出用帰還路35により充放電が行われることにより発振する。そして出力端子33から発振出力信号が出力される。
【0027】
端子34から入力される検出制御回路25の指示によりアナログ・マルチプレクサ回路31の接続が切り替えられると、接続端子32a〜32dとオペアンプ回路30の反転入力端との接続が切り替えられる。スイッチ回路を切替えることにより、検出用列配線群6の上端Ta、下端Tb、検出用行配線群7の左端Tc、右端Tdという4つの接続端のいずれか1つがオペアンプ回路30の反転入力端に電気的に接続される。すなわち、スイッチ回路により選択された検出用配線群は検出用帰還路35の一部を構成することにより、これを含んだ検出用発振回路22が形成されることになる。なお、アナログ・マルチプレクサ回路20a〜20dのそれぞれに、どの入力との導通も禁止するイネーブル機能がある場合には、アナログ・マルチプレクサ回路31は不要である。
【0028】
このような構成にすることで、指示体がタッチスクリーン1にタッチすることにより、指示体が検出用列配線群6に近接してタッチ容量Ctcが発生し、検出用行配線群7に近接してタッチ容量Ctrが発生すると、検出用帰還路35の伝達特性は変化し、タッチ容量Ctc、Ctrが発生しないとき(指示体がタッチスクリーン1にタッチしていないとき)よりも検出用発振回路22の発振周期(=発振回路21の発振周期)は増加する。そして、この発振周期の変化によりタッチ容量Ctc、Ctrを検出し、タッチ位置を算出することができる。
【0029】
検出用帰還路35が無い発振回路21単体での発振周期Tcは、概ね下記の式(1)にて示すとおりとなり、抵抗R1、コンデンサC1の時定数τに比例する。
Tc=2τ・ln((1+k)/(1−k))・・・(1)
なお、τ=R1・C1
k=Ra/(Ra+Rb)
(R1、C1、Ra、Rbは、それぞれの素子の抵抗値、静電容量値を示す。)
検出用帰還路35を含む検出用発振回路22では、指示体のタッチによりタッチ容量Ctc、Ctrが形成されると、オペアンプ回路30の反転入力端に電気的に接続される検出帰還路35によって上記時定数τが増加し、発振周期も増加する。この変化をタッチ容量の検出、すなわちタッチ位置の検出に利用する。但し、後述するように、タッチ容量Ctc、Ctrが発生しても、それと直列に検出用配線群の抵抗が存在するため、検出用配線群の抵抗値が大きい場合には、その影響により発振周期の変化度合いが小さくなり、タッチ容量Ctc、Ctrの検出感度、すなわちタッチ位置の検出感度が低下してしまう。
【0030】
ここで、検出用発振回路22の出力信号の発振周期は、後段の計数回路23aにより検出用発振回路22の出力信号(=発振回路21の出力信号)を所定の計数値となるまで計数し、さらに計数回路23aが計数を開始してから所定計数値となるまでの期間を後段の計数回路23bで計数することで検出される。
【0031】
なお、本実施の形態1では検出用配線や引き出し配線8a、8b、9a、9b及びその他の回路配線の寄生静電容量やスイッチ回路の入出力端からみた静電容量(アナログ・マルチプレクサ回路20a〜20d、31内部の静電容量)は簡単のため省略している。実際には、これらの静電容量を考慮して、抵抗値などの各回路パラメータを選定する必要があるが、本実施の形態1の本質に影響を及ぼすものではない。
【0032】
次に、タッチ位置を検出する動作について図4〜図7を用いて説明する。図6は本発明の実施の形態1によるタッチパネルにおける計数回路23a、23bの動作を示す説明図である。まず、発振回路21のアナログ・マルチプレクサ回路31の接続を図5中のa側に切り替えて、図6(a)に示すように検出対象を検出用列配線群6、接続端を上端Taとする。次に、検出制御回路25から制御信号が端子34に入力され、アナログ・マルチプレクサ回路20aを順次切り替えながら、図6(b)に示すように、8本の検出用列配線群6の中から検出対象となる配線群を選択して、Wc1→Wc2→・・・→Wc7→Wc8の順で発振回路21と接続させる。このとき、選択された検出用列配線群6の上端Taがオペアンプ回路30の反転入力端と接続される(以降、この状態を接続関係1と記す)。
【0033】
このような発振回路21に接続する検出対象、接続端の切り替え動作と連動して、計数回路23aは、検出制御回路25からのリセット信号RESETが解除されてイネーブル信号ENABLEがアクティブレベルになった時点で(図6(c)、(d)参照)、検出用発振回路22の発振出力信号の計数を開始し、所定計数値となるまで計数する。所定計数値となった時点で検出制御回路25はイネーブル信号ENABLEを非アクティブレベルとし、計数回路23aの計数を停止させる。
【0034】
一方、後段の計数回路23bは、このイネーブル信号ENABLEがアクティブレベルとなっている期間を、計数用クロック信号Clkをもとに計数する。すなわち、計数回路23bの計数値は、計数回路23aが計数を開始してから所定計数値となるまでの期間を示していることになる。計数回路23bの計数値は、検出用発振回路22の発振周期と比例関係(検出用発振回路22の発振周期の所定計数値倍)にあるので、結果として計数回路23bにおいて検出用発振回路22の発振周期が計数されたことになる。そして、後段のタッチ位置算出回路24は、図6(e)に示すタイミングで計数回路23bが出力する発振周期検出結果を取込む。
【0035】
続いて、発振回路21のアナログ・マルチプレクサ回路31の接続を図5中のb側に切り替え、検出対象を検出用列配線群6、接続端を下端Tbとして(以降、この状態を接続関係2と記す)、上述と同様に計数回路23a、23bにおいて検出用発振回路22の発振周期を検出する。
【0036】
次に、発振回路21のアナログ・マルチプレクサ回路31の接続を図5中のc側に切り替え、検出対象を検出用行配線群7、接続端を左端Tcとして(以降、この状態を接続関係3と記す)、計数回路23a、23bにおいて検出用発振回路22の発振周期を検出する。さらに、発振回路21のアナログ・マルチプレクサ回路31の接続を図5中のd側に切り替え、検出対象を検出用行配線群7、接続端を右端Tdとして(以降、この状態を接続関係4と記す)、計数回路23a、23bにおいて検出用発振回路22の発振周期を検出する。なお、図6中、検出対象が検出用行配線群7のときについては(c)〜(e)を省略しているが、検出対象が検出用列配線群6のときの(c)〜(e)と同様のタイミングである。
【0037】
図7は本発明の実施の形態1によるタッチパネルにおける発振周期の偏差を示す特性図である。横軸は、検出用列配線群6の全抵抗に対する上端Taからタッチ列座標Aまでの抵抗の比(または検出用行配線群7の全抵抗に対する左端Tcからタッチ行座標Bまでの抵抗の比)を示しており、縦軸は、タッチ行座標Aが検出用列配線群6の中央であるときの検出用発振回路22の発振周期に対する相対値(またはタッチ行座標Bが検出用行配線群7の中央であるときの検出用発振回路22の発振周期に対する相対値)を示している。図7中、接続関係1および3における発振周期を実線で示し、接続関係2および4における発振周期を破線で示している。また、接続関係1、2の平均値および接続関係3、4の平均値を一点鎖線で示している。なお、図7では例として、検出用列配線群6、検出用行配線群7の配線抵抗(検出用配線群1本全体の抵抗)を12kΩ、R1を5kΩ、Ra、Rbを10kΩ、C1を200pF、タッチ容量Ctc、Ctrを5pFとした場合を示している。
【0038】
ここでは、検出用列配線群6における発振周期の偏差を例にとり説明するが、検出用行配線群7についても同様に考えることができる。図5に示すように検出用列配線群6の上端Taおよび下端Tbからタッチ列座標Aまでの抵抗値をそれぞれRc1、Rc2とする。検出対象の検出用列配線群6の配線抵抗に対する上端Taからタッチ列座標Aまでの抵抗比Rc1/(Rc1+Rc2)、言い換えれば検出対象の検出用列配線群6の全長に対する上端Taからタッチ列座標Aまでの距離の比、すなわち検出対象の検出用列配線群6に対するタッチ列座標Aに応じて、タッチ容量Ctcが固定であっても、図7の実線で示すとおり発振周期が異なることが判る。上端Ta側を発振回路21と接続する場合には抵抗比が大きくなるほど(タッチ列座標Aが下にいくほど)発振周期は小さくなり(図7中の実線)、下端Tb側を発振回路21に接続する場合には抵抗比が小さくなるほど(タッチ列座標Aが上にいくほど)発振周期は小さくなる(図7中の破線)。これは検出用列配線群6の配線抵抗が大きい場合、タッチ列座標Aの変化によりRc1、Ctc、R1,C1から決まる検出用帰還路35の伝達特性が変化することによる。
【0039】
本来、検出用列配線群6と指示体との間にタッチ容量Ctcが形成されると、指示体がタッチしていないときよりも発振周期は大きくなり、この変化により指示体によるタッチが検出される。しかし、検出用列配線群6の配線抵抗が大きい場合には、検出用列配線群6のどちらか一端のみを接続端として発振回路21に接続したときには、タッチ列座標Aが接続端から他端へ行くほど検出用発振回路22の発振周期は小さくなり、タッチ容量の検出感度が低下することになる。そこで、本実施の形態1においては、上端Ta、下端Tbをそれぞれ発振回路21に接続したときの発振周期をタッチ位置算出回路24で平均化を行い、タッチ列座標Aによる発振周期の偏差、すなわちタッチ容量の検出感度の偏差を低減している(図7の一点鎖線)。
【0040】
タッチ位置算出回路24では、検出用列配線群6の上端Ta、下端Tbをそれぞれ順次発振回路21へ接続したときに計数回路23bが出力する発振周期検出結果を平均化した検出結果平均値を保持する。そして、前回、検出列配線群6をスキャンして検出した検出結果平均値D(t−1)と今回スキャンして検出した検出結果平均値D(t)との差分E(t)を算出する。ここで、nは検出用列配線番号(以降、列アドレスと記す)、tはスキャン番号である。この差分値E(t)がある所定値以上となる検出用列配線群6の中からさらに最大となる検出用列配線群6の近傍にタッチ位置があると判定し、その列アドレスnをタッチ列座標Aとする。
【0041】
同様にして、タッチ位置算出回路24は、検出用行配線群7の左端Tc、右端Tdをそれぞれ順次発振回路21へ接続したときに計数回路23bが出力する発振周期検出結果を平均化した検出結果平均値を保持する。そして、前回、検出行配線群7をスキャンして検出した検出結果平均値D(t−1)と今回スキャンして検出した検出結果平均値D(t) との差分E(t)を算出する。ここで、mは検出用行配線番号(以降、行アドレスと記す)、tはスキャン番号である。この差分値E(t)がある所定値以上となる検出用行配線群7の中からさらに最大となる検出用行配線群7の近傍にタッチ位置があると判定し、その行アドレスmをタッチ行座標Bとする。そして縦横マトリクス配列された検出用列配線群6、検出用行配線群7により得られたタッチ列座標A、タッチ行座標Bによりタッチ位置が判明する。
【0042】
さらに、差分値E(t)が最大となる検出用列配線群6に隣接する検出用列配線群6(列アドレスはn−1およびn+1)における検出結果平均値の差分値En−1(t)、En+1(t)を用いて補間処理すれば、より詳細なタッチ列座標Aを算出することができる。同様に、差分値E(t)が最大となる検出用行配線群7に隣接する検出用行配線群7(行アドレスはm−1およびm+1)における検出結果平均値の差分値Em−1(t)、Em+1(t)を用いて補間処理すれば、より詳細なタッチ行座標Bを算出することができる。これにより検出用配線群間のスリット状開口部をタッチした場合に、タッチ位置を、タッチ位置の最も近傍にある検出用配線群の番号(列アドレスおよび行アドレス)で近似して表すのではなく、実際にタッチした正確な位置である検出用配線群間の列座標、行座標で表すことができ、より詳細なタッチ位置を算出することができる。
【0043】
このように、指示体によるタッチで指示体と検出用配線群との間に形成された静電容量を検出用発振回路22の発振周期として検出するため、検出用発振回路22の後段はデジタル回路で構成することができ、後段にはA/Dコンバータなどのアナログ回路が不要とできるので、回路構成が簡単になる。また、タッチ容量の検出感度、すなわち検出用発振回路22が出力する発振周期の検出感度を上げるためには、計数回路23a、23bの計数時間を長くすれば良く、A/Dコンバータにより感度を上げる場合よりも対応が容易である。
【0044】
なお、本実施の形態1では、検出用配線群が接続されない状態でも抵抗などの素子(C1およびR1)を接続することで発振回路21を構成した。これはスイッチ回路の切り替えタイミングによっては、いずれの検出用配線群も発振回路21に接続されない可能性があり、その際に発振周期が大きくずれてしまい、検出用配線群が再度接続された状態に復帰したときに発振周波数の整定に時間がかかるのを防ぐためである。また、アナログ・マルチプレクサ回路20a〜20dにより接続される検出用配線群の切り替えの過渡時に発振周波数ずれが小さく問題とならない場合には、発振回路21のC1およびR1を不要としても良い。
【0045】
また、本実施の形態1では、検出用配線群を含む検出用発振回路22をオペアンプ回路30により構成したが、インバータ回路などその他の形式のアンプ回路を使用しても同様に構成することが可能である。さらに、RSフリップフロップを使用したマルチバイブレータ回路を使用することもできる。
【0046】
上述のタッチ位置算出回路24においては、上端Taおよび下端Tbのそれぞれを発振回路21に接続した際の発振周期検出結果の平均値に基づいて検出用列配線群6のタッチ列座標Aを算出するようにしたが、上端Taおよび下端Tbのそれぞれを発振回路21に接続した際の発振周期の偏差を補正するために、それぞれの発振周期検出結果の差分や比を求め、この結果に基づいて検出用列配線群6のタッチ列座標Aを算出してもよい。なお、タッチ行座標Bの算出についても同様に行い、タッチ位置を算出することができる。
【0047】
なお、本実施の形態1では、複数の検出用配線から構成される検出用配線群を用いてタッチ位置の算出を行ったが、検出用配線群のかわりに各々の検出用配線について同様の処理を行うことによりタッチ位置を算出してもよい。
【0048】
本実施の形態1におけるタッチパネルは、検出用配線の抵抗が大きい場合であっても、検出用配線の一端および他端を接続したときの双方の発振周期に基づいてタッチ位置を算出しているため、検出用配線の一端のみを発振回路に接続した場合にタッチ位置が他端に行くに従って生じる発振周期の偏差を抑えることができ、正確にタッチ位置を算出できるという効果がある。
【0049】
また、検出用配線の抵抗が大きい場合であっても正確にタッチ位置を算出できるため、高抵抗な透明配線材料を用いて検出用配線を形成しても、配線幅を必要以上に広げることなく、表示光の透過率の低下を抑えることができるという効果がある。
【0050】
さらに、発振回路の発振周期を計数して、タッチ容量を検出するように構成したので、発振回路の後段はデジタル回路で構成することができ、簡単な構成でタッチパネルを実現できるという効果がある。
【0051】
実施の形態2.
実施の形態1では、発振回路21と接続する検出対象(検出用配線群)、接続端を順次切り替えながらスキャンして、その検出結果からタッチ位置を算出するようにしたが、例えば検出用列配線群6の上端Ta、下端Tbのそれぞれを接続したときの発振周期検出結果の比をとれば、タッチが発生した場合の概略のタッチ行座標を推定できる。本実施の形態2では、これを利用して検出用行配線群7のスキャン優先度を決めるように構成したタッチパネルにつき説明する。なお、構成については実施の形態1と同様であるため、説明を省略し、動作についてのみ説明する。
【0052】
図8は本発明の実施の形態2によるタッチパネルのタッチ位置算出動作の説明図である。図8中、Aは図5と同様にタッチ列座標を示している。まず、実施の形態1と同様に、検出用列配線群6の上端Ta、下端Tbそれぞれを発振回路21に接続して得られる発振周期検出結果から、タッチ位置算出回路24において、タッチ位置近傍の列アドレス(図8中、n=2)を算出し、タッチ列座標Aとする。さらに、タッチ位置近傍の検出用列配線群6(図8中、Wc2)の(上端接続時の発振周期検出結果)/(下端接続時の発振周期検出結果)の比(以降、両端比と記す)をとって、図7に示す特性を基に概略タッチ行座標を推定する。この両端比が大きいほど上端Ta側に概略タッチ行座標があると推定する。例えば、図8では両端比を基に、概略タッチ行座標が行アドレスm=4であると推定された場合の例を示している。そして概略タッチ行座標近傍の検出用行配線群7(図8中、Wr3〜Wr5)を優先して発振回路21に接続して、タッチ行座標B(図8には図示せず)を求める。なお、検出用行配線群7の優先接続については、タッチ位置算出回路24が検出制御回路25に指示信号を出力し、検出制御回路25がアナログ・マルチプレクサ回路20a〜20d、31を制御することにより行われる。
【0053】
タッチ行座標Bの算出方法は、実施の形態1とほぼ同様であるが、実施の形態1ではWr1〜Wr8の全ての検出用行配線群7をスキャンしていたところ、本実施の形態2ではWr3〜Wr5の3系統の検出用行配線群7のみスキャンしてタッチ行座標Bを求める点が相異する。これにより、実施の形態1のように検出用行配線群7を全てスキャンするよりもタッチ容量の検出、すなわちタッチ位置の検出に要する時間を短縮できる。なお、推定された概略タッチ行座標近傍の検出用行配線群7の検出結果平均値の差分値が所定値以下の場合には、残りの検出用行配線群7(Wr1,Wr2,Wr6〜Wr8)をスキャンしてタッチ行座標Bを求めればよい。このようにタッチ列座標A、タッチ行座標Bを求めることにより、タッチ位置を判定することができる。
【0054】
上記ではタッチ列座標Aを求めた後にタッチ行座標Bを求める順序としているが、この順序を逆としてもよい。検出用行配線群7の左端Tc、右端Tdのそれぞれを接続したときの発振周期検出結果からタッチ行座標Bを算出し、さらに(左端接続時の発振周期検出結果)/(右端接続時の発振周期検出結果)の比から概略タッチ列座標を推定し、その近傍の検出用列配線群6を優先して接続してタッチ列座標Aを求めて、タッチ位置を判定することもできる。
【0055】
本実施の形態2によれば、検出用配線の一端と他端を接続したときの発振周期の比に基づいて概略タッチ行座標(または概略タッチ列座標)を算出することにより、スキャンする検出用配線を限定し、タッチ位置を算出する時間を短縮できるという効果がある。
【0056】
実施の形態3.
実施の形態3では、実施の形態1または2におけるタッチスクリーン1を液晶表示パネルに貼り付けることにより一体化した液晶表示装置につき説明する。
【0057】
図9は本発明の実施の形態3による液晶表示装置の断面構成図である。液晶表示パネル40は、ガラス基板上にカラーフィルタ、ブラックマトリクス、透明電極、配向膜が形成されたカラーフィルタ基板42と、ガラス基板上にスイッチング素子であるTFTが形成されたTFTアレイ基板44と、それらの間に挟持されたTN液晶からなる液晶層43と、TFTアレイ基板44の後面側の粘着層45と、粘着層45によりTFTアレイ基板44に粘着された偏光板46とを備えている。
【0058】
液晶表示パネル40の背面側には光源であるバックライト47が配置されている。一方、液晶表示パネル40の前面側には、実施の形態1または2で説明したタッチスクリーン1が粘着層41によりカラーフィルタ基板42に粘着されている。
【0059】
TFTアレイ基板44には外部のドライバ回路(図9には図示せず)から、表示する画像に応じた信号が入力され、それに応じて画素毎に形成されたTFTによるスイッチング素子を介して液晶層43の印加電圧を制御して、その液晶分子の配列方向を変化させる。バックライト47からの入射光は偏光板46を通過して直線偏光となり、液晶層43を通過することにより表示する画像信号に応じて振動方向が曲げられて、カラーフィルタ基板42に生成されたカラーフィルタを通過することにより三原色に分離され、偏光機能を有するタッチスクリーン1を通過する。このようにして、画像信号に応じてバックライト47からの光の透過率を制御することで、液晶表示装置は所望の表示を行う。また、タッチスクリーン1を含むタッチパネルは、実施の形態1または2と同様に、発振周期の変化に基づきタッチ位置を算出して、その結果を出力する。
【0060】
なお、STN液晶などのTN液晶以外の液晶を用いても、本実施の形態と同様に液晶表示装置を構成することが可能である。また、本実施の形態では液晶表示装置につき説明したが、有機EL表示装置やPDP等の他方式の表示装置であっても、同様に構成することが可能である。
【0061】
本実施の形態3によれば、タッチスクリーンを液晶表示パネルと貼り付けて一体化して構成したので、従来必要であったタッチスクリーンの保持機構を無くすことができ、装置全体の薄くすることが可能となる。
【0062】
さらに、タッチスクリーンと液晶表示パネルとが一体化して構成されるので、タッチスクリーンと液晶表示パネルとの間隙にゴミ等が混入することによって生じる表示への悪影響を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態1によるタッチパネルにおけるタッチスクリーンの構成を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態1よるタッチパネルにおけるタッチスクリーンの構成を示す部分斜視断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1によるタッチパネルの全体構成図である。
【図4】本発明の実施の形態1によるタッチパネルにおけるタッチ位置算出動作のブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態1によるタッチパネルにおける発振回路21の回路構成と検出用配線群との接続を示す回路図である。
【図6】本発明の実施の形態1によるタッチパネルにおける計数回路23a、23bの動作を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1によるタッチパネルにおける発振周期の偏差を示す特性図である。
【図8】本発明の実施の形態2によるタッチパネルのタッチ位置算出動作の説明図である。
【図9】本発明の実施の形態3による液晶表示装置の断面構成図である。
【符号の説明】
【0064】
1 タッチスクリーン、2 検出用列配線、3 検出用行配線、6 検出用列配線群、7 検出用行配線群、20a〜20d、31 アナログ・マルチプレクサ回路、
21 発振回路、26 タッチ位置演算回路、40 液晶表示パネル、
Ctc,Ctr タッチ容量。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
行列方向に形成された複数の検出用配線を有し、指示体がタッチするタッチスクリーンと、
前記検出用配線を順次選択し、かつ、選択された前記検出用配線の一端または他端のいずれかの接続端を順次選択するスイッチ回路と、
前記スイッチ回路により選択された前記接続端を介して前記検出用配線に接続され、前記指示体と前記検出用配線との間に形成される静電容量に応じて発振周期が変化する発振回路と、
前記検出用配線の一端を前記発振回路に接続したときの前記発振周期と他端を前記発振回路に接続したときの前記発振周期の双方に基づいて前記検出用配線の検出結果を順次求め、複数の前記検出用配線の前記検出結果に基づいて前記指示体のタッチ位置を算出するタッチ位置演算回路と、
を備えたタッチパネル。
【請求項2】
タッチ位置演算回路は、検出用配線の一端を接続したときの発振周期と他端を接続したときの発振周期とを平均して前記検出用配線の検出結果を求めることを特徴とする請求項1記載のタッチパネル。
【請求項3】
行方向または列方向のどちらか一方を第1の方向、他方を第2の方向としたとき、タッチ位置演算回路は、前記第1の方向の検出用配線のタッチ位置を算出し、前記第1の方向の前記検出用配線における一端および他端を接続したときの発振周期の比に応じて、前記第2の方向の概略タッチ位置を推定し、前記第2の方向の検出用配線については、前記概略タッチ位置の近傍の前記検出用配線を優先的に発振回路へ接続するようスイッチ回路を制御することを特徴とする請求項1記載のタッチパネル。
【請求項4】
所定数の検出用配線を並列接続した検出用配線群と、
行列方向に形成された複数の前記検出用配線群を有し、指示体がタッチするタッチスクリーンと、
前記検出用配線群を順次選択し、かつ、選択された前記検出用配線群の一端または他端のいずれかの接続端を順次選択するスイッチ回路と、
前記スイッチ回路により選択された前記接続端を介して前記検出用配線群に接続され、前記指示体と前記検出用配線群との間に形成される静電容量に応じて発振周期が変化する発振回路と、
前記検出用配線群の一端を前記発振回路に接続したときの前記発振周期と他端を前記発振回路に接続したときの前記発振周期の双方に基づいて前記検出用配線群の検出結果を順次求め、複数の前記検出用配線群の前記検出結果に基づいて前記指示体のタッチ位置を算出するタッチ位置演算回路と、
を備えたタッチパネル。
【請求項5】
タッチ位置演算回路は、検出用配線群の一端を接続したときの発振周期と他端を接続したときの発振周期とを平均して前記検出用配線群の検出結果を求めることを特徴とする請求項4記載のタッチパネル。
【請求項6】
行方向または列方向のどちらか一方を第1の方向、他方を第2の方向としたとき、タッチ位置演算回路は、前記第1の方向の検出用配線群のタッチ位置を算出し、前記第1の方向の前記検出用配線群における一端および他端を接続したときの発振周期の比に応じて、前記第2の方向の概略タッチ位置を推定し、前記第2の方向の検出用配線群については、前記概略タッチ位置の近傍の前記検出用配線群を優先的に発振回路へ接続するようスイッチ回路を制御することを特徴とする請求項4記載のタッチパネル。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載のタッチパネルと、液晶表示パネルとを備えた表示装置。
【請求項8】
タッチスクリーンが液晶表示パネルの前面側に粘着されていることを特徴とする請求項7記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−42974(P2009−42974A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−206455(P2007−206455)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】