タッチパネル装置およびこれを備えたプラズマディスプレイ装置
【課題】プラズマディスプレイパネルの放射ノイズの影響でタッチ位置の検出精度が低下することを避けることができるようにする。
【解決手段】互いに並走する複数の送信電極7および互いに並走する複数の受信電極8が格子状に設けられて、プラズマディスプレイパネル2の前面に配置されるパネル本体5と、送信電極を順次選択して駆動信号を印加する送信部9と、受信電極を順次選択して駆動信号に応じて受信電極から出力される応答信号を受信して電極交点ごとの検出データを出力する受信部10と、受信部から出力される電極交点ごとの検出データに基づいてタッチ位置を求める制御部11と、を備え、受信電極は、プラズマディスプレイパネルの走査電極31と平行する方向に配置されたものとする。
【解決手段】互いに並走する複数の送信電極7および互いに並走する複数の受信電極8が格子状に設けられて、プラズマディスプレイパネル2の前面に配置されるパネル本体5と、送信電極を順次選択して駆動信号を印加する送信部9と、受信電極を順次選択して駆動信号に応じて受信電極から出力される応答信号を受信して電極交点ごとの検出データを出力する受信部10と、受信部から出力される電極交点ごとの検出データに基づいてタッチ位置を求める制御部11と、を備え、受信電極は、プラズマディスプレイパネルの走査電極31と平行する方向に配置されたものとする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネルの前面に配置されるタッチパネル装置およびこれを備えたプラズマディスプレイ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タッチパネル装置には、タッチ位置を検出する原理が異なる種々の方式があるが、抵抗膜方式や静電容量方式のように多数の電極をパネル内に配設した構成のものでは、電極がアンテナとして作用するため、外来ノイズの影響を受け易くなる。特に静電容量方式では、導電性物体(例えば人体)が接近あるいは接触することによる電極近傍の微小な静電容量の変化を利用してタッチ位置を検出することから、ノイズがタッチ位置の検出精度に大きく影響する。
【0003】
一方、タッチパネル装置は、液晶ディスプレイパネルなどの画像表示装置と組み合わせて用いられることが一般的であるが、画像表示装置をタッチパネル装置と一体化した場合、画像表示装置がノイズ源となって、タッチ位置の検出精度を低下させるという問題があり、このような画像表示装置に起因するノイズによる影響を低減する技術が知られている(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63−174120号公報
【特許文献2】特開2010−009439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、タッチパネル装置と組み合わせて用いられる画像表示装置にプラズマディスプレイパネルを採用することが考えられるが、プラズマディスプレイパネルは、放電に伴う放射ノイズが顕著であるため、前記の従来のノイズ対策は十分な解決策とはならず、タッチ位置の検出精度が大幅に低下して、実用上十分な検出精度を確保することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、プラズマディスプレイパネルと組み合わせて用いる場合に、プラズマディスプレイパネルの放射ノイズの影響でタッチ位置の検出精度が低下することを避けることができるように構成されたタッチパネル装置およびこれを備えたプラズマディスプレイ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のタッチパネル装置は、互いに並走する複数の送信電極および互いに並走する複数の受信電極が格子状に設けられて、プラズマディスプレイパネルの前面に配置されるパネル本体と、前記送信電極を順次選択して駆動信号を印加する送信部と、前記受信電極を順次選択して前記駆動信号に応じて前記受信電極から出力される応答信号を受信して電極交点ごとの検出データを出力する受信部と、前記受信部から出力される電極交点ごとの検出データに基づいてタッチ位置を求める制御部と、を備え、前記受信電極は、前記プラズマディスプレイパネルの走査電極と平行する方向に配置された構成とする。
【0008】
また、本発明のプラズマディスプレイ装置は、前記のタッチパネル装置を、プラズマディスプレイパネルの前面に備えた構成とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、受信電極が走査電極と平行することから、放電が行われている走査電極から離れた受信電極には放射ノイズが混入しにくくなる。このため、全ての走査電極で一斉に放電が行われる初期化放電期間および維持放電期間では、受信電極に放射ノイズが混入することが避けられないが、走査電極が1本ずつ選択されて放電が行われるアドレス放電期間では、受信電極ごとに大きな放射ノイズが混入しない期間を確保することができ、この期間を利用することで、放射ノイズの影響を受けないタッチ位置の検出が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態に係るプラズマディスプレイ装置1を示す全体構成図
【図2】受信信号処理部16の概略構成図
【図3】PDP2の放電制御を説明する模式図
【図4】PDP2の放射ノイズを示す波形図
【図5】タッチパネル装置4の送信電極7および受信電極8とPDP2の走査電極31およびアドレス電極32の配置状態を示す模式図
【図6】タッチパネル装置4におけるPDP2の放電を検知する要部の概略構成図
【図7】アドレス放電期間におけるスキャン動作の状況を示す模式図
【図8】タッチパネル装置4の制御部11で行われる処理の手順を示すフロー図
【図9】PDP2で行われる放電およびタッチパネル装置4で行われるスキャン動作の状況を示す模式図
【図10】タッチパネル装置4の制御部11で行われる処理の手順を示すフロー図
【図11】タッチパネル装置4の制御部11で行われる処理の手順を示すフロー図
【図12】送信電極7および受信電極8を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、互いに並走する複数の送信電極および互いに並走する複数の受信電極が格子状に設けられて、プラズマディスプレイパネルの前面に配置されるパネル本体と、前記送信電極を順次選択して駆動信号を印加する送信部と、前記受信電極を順次選択して前記駆動信号に応じて前記受信電極から出力される応答信号を受信して電極交点ごとの検出データを出力する受信部と、前記受信部から出力される電極交点ごとの検出データに基づいてタッチ位置を求める制御部と、を備え、前記受信電極は、前記プラズマディスプレイパネルの走査電極と平行する方向に配置された構成とする。
【0012】
これによると、受信電極が走査電極と平行することから、放電が行われている走査電極から離れた受信電極には放射ノイズが混入しにくくなる。このため、全ての走査電極で一斉に放電が行われる初期化放電期間および維持放電期間では、受信電極に放射ノイズが混入することが避けられないが、走査電極が1本ずつ選択されて放電が行われるアドレス放電期間では、受信電極ごとに大きな放射ノイズが混入しない期間を確保することができ、この期間を利用することで、放射ノイズの影響を受けないタッチ位置の検出が可能になる。
【0013】
また、第2の発明は、前記プラズマディスプレイパネルの放電を検知する放電検知手段を備え、前記制御部は、前記放電検知手段の検知結果に基づいて、前記走査電極で行われる放電の有無を判別し、放電が行われている前記走査電極から離間した位置にある前記受信電極からの応答信号による電極交点ごとの検出データに基づいてタッチ位置を求める構成とする。
【0014】
これによると、放電が行われている走査電極から離間した位置にある受信電極には、走査電極での放電による放射ノイズの影響が及ばないため、プラズマディスプレイパネルの放射ノイズの影響でタッチ位置の検出精度が低下することを確実に避けることができる。
【0015】
また、第3の発明は、前記制御部は、前記放電検知手段の検知結果に基づいて、前記走査電極で行われる放電の有無を、前記走査電極が配列された方向に分割された複数の放電監視領域ごとに判別し、放電が行われていない前記放電監視領域に位置する前記受信電極からの応答信号による電極交点ごとの検出データに基づいてタッチ位置を求める構成とする。
【0016】
これによると、アドレス放電の有無を領域単位で判別するため、制御部の負担が軽減され、タッチ位置検出の高速化を図ることができる。
【0017】
また、第4の発明は、前記制御部は、前記プラズマディスプレイパネルでアドレス放電が行われる順序を前記放電監視領域ごとに判別し、このアドレス放電の順序が最初となる前記放電監視領域でアドレス放電が終了したことを検知すると、アドレス放電の順序にしたがって前記放電監視領域内の受信電極を順次選択するスキャン動作を実行する構成とする。
【0018】
これによると、アドレス放電とスキャン動作とが同一の放電監視領域で行われることを避けることができ、さらに時間的に効率よくスキャンすることができるため、スキャン時の待機時間をなくし、あるいは短くして、タッチ位置検出の高速化を図ることができる。
【0019】
また、第5の発明は、前記放電検知手段は、前記走査電極が配列された方向に複数並べて設けられたアンテナを備えた構成とする。
【0020】
これによると、走査電極で行われる放電を簡易に且つ十分な精度で検出することができる。この場合、走査電極での放電による放射ノイズの影響が、その走査電極が位置する放電監視領域と隣り合う放電監視領域に位置する受信電極に及ばないように、放電監視領域の大きさを設定する必要があり、この放電監視領域の大きさに応じた数のアンテナが設けられる。
【0021】
また、第6の発明は、プラズマディスプレイ装置であり、前記第1から第8の発明に係るタッチパネル装置を、プラズマディスプレイパネルの前面に備えた構成とする。
【0022】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、本実施形態に係るプラズマディスプレイ装置1を示す全体構成図である。このプラズマディスプレイ装置1は、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと呼称する)2と、PDP制御部3と、タッチパネル装置4とからなっており、タッチパネル装置4のパネル本体5がPDP2の表示面の前側に配置されている。
【0024】
タッチパネル装置4のパネル本体5は、指示物(ユーザの指先及びスタイラスや指示棒等の導電体)によるタッチ操作が行われるタッチ面6を備え、互いに並走する複数の送信電極7と互いに並走する複数の受信電極8とが格子状に配置されている。
【0025】
また、タッチパネル装置4は、送信電極7に対して駆動信号を印加する送信部9と、送信電極7に印加された駆動信号に応答した受信電極8の応答信号を受信して、送信電極7と受信電極8とが交差する電極交点ごとの検出データを出力する受信部10と、この受信部10から出力される検出データに基づいてタッチ位置を検出すると共に送信部9及び受信部10の動作を制御する制御部11とを備えている。
【0026】
制御部11から出力されるタッチ位置情報は、パソコンなどの外部機器12に入力され、ここで生成した表示画面データがPDP2を制御するPDP制御部3に出力される。これによりパネル本体5のタッチ面6上でユーザが指示物で行ったタッチ操作に対応した画像がPDP2の画面に表示され、タッチ面6にマーカーで直接描画するのと同様の感覚で所要の画像を表示させることができ、またPDP2の表示画面に表示されたボタンなどを操作することができる。さらに、タッチ操作で描かれた画像を消去するイレーサを用いることもできる。
【0027】
送信電極7と受信電極8とは、絶縁層を挟んで重なり合う態様で交差しており、この送信電極7と受信電極8とが交差する電極交点にはコンデンサが形成され、ユーザが指等の指示物でタッチ操作を行う際に、指示物がタッチ面6に接近あるいは接触すると、これに応じて電極交点の静電容量が実質的に減少することで、タッチ操作の有無を検出することができる。
【0028】
ここでは、相互容量方式が採用されており、送信電極7に駆動信号を印加すると、これに応答して受信電極8に充放電電流が流れ、この充放電電流が応答信号として受信電極8から出力され、このとき、ユーザのタッチ操作に応じて電極交点の静電容量が変化すると、受信電極8の充放電電流、すなわち応答信号が変化し、この変化量に基づいてタッチ位置が算出される。この相互容量方式では、受信部10で応答信号を信号処理して得られる検出データが、送信電極7と受信電極8とによる電極交点ごとに出力されるため、同時に複数のタッチ位置を検出する、いわゆるマルチタッチ(多点検出)が可能である。
【0029】
制御部11のタッチ位置算出部17は、受信部10から出力される電極交点ごとの検出データから所定の演算処理によってタッチ位置(タッチ領域の中心座標)を求める。このタッチ位置の演算では、X方向(送信電極7の配列方向、つまりPDP2の幅方向)とY方向(受信電極8の配列方向、つまりPDP2の高さ方向)とでそれぞれ隣接する複数(例えば4×4)の電極交点ごとの検出データから所要の補間法(例えば重心法)を用いてタッチ位置を求める。これにより、送信電極7及び受信電極8の配置ピッチ(例えば10mm)より高い分解能(例えば1mm以下)でタッチ位置を検出することができる。
【0030】
また、制御部11のタッチ位置算出部17では、タッチ面6の全面に渡って電極交点ごとの検出データの受信が終了する1フレーム周期ごとにタッチ位置を求める処理が行われ、タッチ位置情報がフレーム単位で外部機器12に出力される。外部機器12では、時間的に連続する複数のフレームのタッチ位置情報に基づいて、各タッチ位置を時系列に連結する表示画面データを生成して、PDP制御部3に出力する。なお、マルチタッチの場合には、複数の指示物によるタッチ位置を含むタッチ位置情報がフレーム単位で出力される。
【0031】
送信部9は、駆動信号となるパルスを発生する送信パルス発生部13と、送信電極7を1本ずつ選択して、送信パルス発生部13から出力されたパルスを送信電極7に順次印加する電極選択部14と、を備えている。
【0032】
受信部10は、受信電極8から出力される応答信号を処理する受信信号処理部16と、受信電極8を1本ずつ選択して、受信電極8からの応答信号を受信信号処理部16に順次入力させる電極選択部15と、を備えている。
【0033】
送信部9および受信部10は、制御部11から出力される同期信号に応じて動作し、送信部9において1本の送信電極7に駆動信号を印加する間に、受信部10において受信電極8を1本ずつ選択して受信電極8からの応答信号を受信信号処理部16に順次入力させて信号処理を行わせ、この1ライン分のスキャン動作を全ての送信電極7について順次繰り返すことで、全ての電極交点ごとの検出データを取得することができる。
【0034】
図2は、受信信号処理部16の概略構成図である。この受信信号処理部16は、IV変換部21と、バンドパスフィルタ22と、絶対値検知部23と、積分部24と、サンプルホールド部25と、AD変換部26とを備えている。
【0035】
IV変換部21では、電極選択部15を介して入力される受信電極8の応答信号(充放電電流信号)が電圧信号に変換される。バンドパスフィルタ22では、IV変換部21の出力信号に対して、送信電極7に印加される駆動信号の周波数以外の周波数成分を有する信号を除去する処理が行われる。絶対値検出部(整流部)23では、バンドパスフィルタ22の出力信号に対して全波整流が行われる。積分部24では、絶対値検出部23の出力信号を時間軸方向に積分する処理が行われる。サンプルホールド部25では、積分部24の出力信号を所定のタイミングでサンプリングする処理が行われる。AD変換部26では、サンプルホールド部25の出力信号をAD変換して電極交点ごとの検出データ(レベル信号)を出力する。
【0036】
図3は、PDP2の放電制御を説明する模式図である。図4は、PDP2の放射ノイズを示す波形図であり、(A)の要部を(B)に拡大して示す。
【0037】
図3に示すように、PDP2は、走査電極31とアドレス電極32とを備えており、この走査電極31とアドレス電極32とは互いに直交する向きに配置されている。走査電極31は、走査電極31とアドレス電極32との交点部分に形成された放電セルを発光させるために所要の電位を与えるものであり、アドレス電極32は、発光させる放電セルを選択して発光位置を制御するものである。
【0038】
このPDP2は、ADSサブフィールド法(Address and Display period Separated sub-field method,アドレス・表示分離型サブフィールド法)により駆動され、1フレーム(16.7mS)が、時間軸上で複数(図4に示す例では10個)のサブフィールドに分割され、各サブフィールドで、初期化放電とアドレス放電と維持放電とが順次繰り返されることで、多階調の画像を表示することができる。
【0039】
図3(A)に示す初期化放電では、全ての走査電極31で一斉に放電が行われ、図3(B)に示すアドレス放電では、走査電極31を1本ずつ選択して放電が行われ、図3(C)に示す維持放電では、再び全ての走査電極31で一斉に放電が行われ、この維持放電により、アドレス放電時に走査電極31とアドレス電極との組合せで選択された放電セルが発光し、この初期化放電、アドレス放電および維持放電が1回行われることで1フレームにおける1階調分の画像が表示される。
【0040】
このように動作するPDP2においては、図4に示すように、維持放電期間では常時大きな放射ノイズが発生しており、初期化放電でも大きな放射ノイズが発生する。一方、アドレス放電期間では、画面の上側から下側に向けて走査電極31が1本ずつ選択されて放電が行われるため、選択された走査電極31からのみ放射ノイズが発生し、走査電極31の位置に応じて放射ノイズの発生タイミングが異なり、放電が行われる走査電極31から離間した受信電極8に大きな放射ノイズが混入しない。
【0041】
このように初期化放電期間、アドレス放電期間、および維持放電期間のいずれにおいても放射ノイズが発生しており、これらの放射ノイズが発生するタイミングと重なるようにタッチパネル装置4でスキャン動作を行うと、放射ノイズの影響でタッチ位置の誤検出が発生する。そこで本実施形態では、以下に説明するように、放射ノイズの発生タイミングを避けてスキャン動作を行う、すなわちアドレス放電期間において放電が行われる走査電極31から離間した受信電極8を対象にしてスキャン動作を行うようにしている。
【0042】
図5は、タッチパネル装置4の送信電極7および受信電極8とPDP2の走査電極31およびアドレス電極32の配置状態を示す模式図であり、図5(A)に本実施形態を、図5(B)に比較例をそれぞれ示す。
【0043】
図5(A)に示すように、本実施形態では、タッチパネル装置4のパネル本体5において送信電極7がY方向に延在し、受信電極8がX方向に延在しており、一方、PDP2においては走査電極31がX方向に延在し、アドレス電極32がY方向に延在しており、タッチパネル装置4の受信電極8とPDP2の走査電極31とは互いに平行する方向に配置されている。
【0044】
このため、放電が行われている走査電極31の近傍の受信電極8では、放電による放射ノイズの影響を受けるが、放電が行われている走査電極31から十分に離間した受信電極8では、放電による放射ノイズの影響が及ばない。したがって、アドレス放電期間で、査電極31が1本ずつ選択されて放電が行われている状態では、放電が行われている走査電極31を検知して、その走査電極31から離間した受信電極8を選択して応答信号を受信するようにすると、放射ノイズの影響を受けないタッチ位置の検出が可能になる。
【0045】
一方、図5(B)に示す比較例では、タッチパネル装置4の送信電極7および受信電極8が図5(A)に示す本実施形態とは逆に配置され、タッチパネル装置4の受信電極8が、PDP2の走査電極31と直交する方向に配置されている。この場合、走査電極31と受信電極8とが交差しているため、走査電極31が1本でも放電を行うと、全ての受信電極8が放射ノイズの影響を受けることになり、アドレス放電期間でも放射ノイズの影響を受けないタッチ位置の検出が難しくなる。
【0046】
次に、本タッチパネル装置4においてPDP2の放電を避けてスキャン動作を行う構成について説明する。図6は、タッチパネル装置4におけるPDP2の放電を検知する要部の概略構成図である。図7は、アドレス放電期間におけるスキャン動作の状況を示す模式図である。
【0047】
図6に示すように、タッチパネル装置4は、PDP2の放射ノイズを検出する複数(ここでは4つ)のアンテナ(放電検知手段)18a〜18dを備えており、制御部11は、アンテナ18a〜18dの出力信号に基づいて、PDP2の放電を検知するアンテナ受信回路(放電検知手段)19を備えている。
【0048】
第1〜第4の各アンテナ18a〜18dは、走査電極31が配列されたY方向に複数並べて設けられ、各アンテナ18a〜18dの近傍に位置する走査電極31での放電による放射ノイズが、各アンテナ18a〜18dで検出される。アンテナ18a〜18dは、例えば基板上に導線をループ状に形成したものでよく、感度を高めるためにPDP2の動作周波数の近傍に共振周波数を有する特性に設定するとよい。
【0049】
アンテナ受信回路19は、アンテナ18a〜18dから出力されるアナログ信号を処理して、放電の有無を示す放電検知信号を出力する。アンテナ18a〜18dの近傍の走査電極31で放電が行われていると、アンテナ18a〜18dで検出される放射ノイズが顕著になるため、アンテナ18a〜18dの出力信号を適宜に処理して所定の閾値と比較することにより、アンテナ18a〜18dの近傍の走査電極31での放電の有無を判別することができる。
【0050】
制御部11では、アンテナ受信回路19の検知結果に基づいて、走査電極31で行われる放電の有無を判別し、その走査電極31から離間した位置にある受信電極8を対象にしてスキャン動作を行う、すなわち、放電が行われている走査電極31から離間した位置にある受信電極8を選択して受信電極8からの応答信号を受信信号処理部16に入力させるようにしている。
【0051】
特にここでは、PDP2の画面が、各アンテナ18a〜18dに対応して、走査電極31が配列されたY方向に沿って第1〜第4の放電監視領域A〜Dに分割され、制御部11では、走査電極31で行われる放電の有無が、第1〜第4の放電監視領域A〜Dごとに判別される。アドレス放電期間では、走査電極31が1本ずつ選択されて放電が行われるため、第1〜第4の放電監視領域A〜Dの1つのみで放電が検知され、残りの放電が行われていない放電監視領域A〜Dに位置する受信電極8を対象にしてスキャン動作が行われる。
【0052】
図7に示す例では、第2の放電監視領域Bの走査電極31で放電が行われており、この第2の放電監視領域Bを除く放電監視領域、すなわち第1の放電監視領域A、第3の放電監視領域Cおよび第4の放電監視領域Dの受信電極8を対象にしてスキャン動作が行われる。
【0053】
ここで、走査電極31での放電による放射ノイズの影響が、その走査電極31が位置する放電監視領域A〜Dと隣り合う放電監視領域A〜Dに位置する受信電極8に及ばないようにする必要があり、これには、走査電極31での放電による放射ノイズの影響範囲を考慮して、第1〜第4の放電監視領域A〜Dの大きさを設定すればよく、この放電監視領域A〜Dの大きさに応じた数のアンテナが設けられる。
【0054】
次に、タッチパネル装置4で行われるスキャン動作の手順を具体的に説明する。図8は、タッチパネル装置4の制御部11で行われる処理の手順を示すフロー図である。
【0055】
ここでは、アンテナ受信回路19から出力される放電検知信号に基づいて、第1〜第4の各放電監視領域A〜Dでの放電の有無を順次判定し(ST101〜ST104)、放電が行われていない放電監視領域A〜Dを対象にしてスキャン動作を行う、すなわち放電が行われていない放電監視領域A〜D内の受信電極8を電極選択部15で順次選択して、受信電極8から出力される応答信号を受信信号処理部16に入力させ、受信信号処理部16から制御部11に検出データを転送する(ST105〜ST108)。
【0056】
このとき、第1の放電監視領域Aから順番に放電の有無を判定し、第1の放電監視領域Aで放電が行われていれば、第2の放電監視領域B内の受信電極8が順次選択され、次いで第3の放電監視領域Cおよび第4の放電監視領域D内の受信電極8が順次選択される。
【0057】
ここで、アドレス放電期間では、走査電極31が1本ずつ選択されて放電が行われるため、第1〜第4の放電監視領域A〜Dの1つのみで放電があるものと判定され、残りの放電のない放電監視領域A〜Dに位置する受信電極8を対象にしてスキャン動作が行われる。一方、初期化放電期間および維持放電期間では、全ての走査電極31で一斉に放電が行われるため、第1〜第4の放電監視領域A〜Dの全てで放電があるものと判定されるため、スキャン動作は行われない。
【0058】
ところで、タッチパネル装置4においてスキャン動作時の受信電極8の選択を配列順に行う、例えば画面の上から下に向けて順に行う場合、選択すべき受信電極8が、走査電極31の放電による放射ノイズの影響範囲内に入ると、その受信電極8の選択を一時的に停止し、選択すべき受信電極8が、走査電極31の放電による放射ノイズの影響範囲から外れるまで待機することになる。
【0059】
例えば、図8に示した手順で放電監視領域A〜Dごとのスキャン動作を行う場合、第1の放電監視領域Aで放電が行われていると、第2の放電監視領域Bでスキャン動作を行うことになるが、この第2の放電監視領域Bのスキャン動作の途中で第2の放電監視領域Bで放電が開始されると、第2の放電監視領域Bのスキャン動作を一時的に停止し、第2の放電監視領域Bの放電が終了するまで待機することになる。
【0060】
このようにスキャン動作の途中で待機時間が発生すると、1フレーム分のスキャン動作に要する時間(フレームレート)が長くなり、タッチ位置の検出速度が低くなる。タッチ位置の検出速度が低いと、指等の指示物によるタッチ操作にタッチ位置の検出処理を追従させることができなくなり、例えばユーザが指示物を動かした際の指示物の軌跡に沿って線が描画される手書きモードでは、線が途切れた状態で描画される不具合が生じ、使い勝手が低下する。
【0061】
このようなタッチ位置の検出速度に起因する描画性能の低下を避けるには、スキャン動作時の待機時間をなくす、あるいは短くする必要があり、この点を改善した制御の例を以下に説明する。
【0062】
図9は、PDP2で行われる放電およびタッチパネル装置4で行われるスキャン動作の状況を示す模式図である。ここでは、第1〜第4の放電監視領域A〜Dごとにアドレス放電時の放電順序を事前に取得して、その放電順序にしたがって放電が行われていない放電監視領域A〜Dに位置する受信電極8を対象にしてスキャン動作を行うようにしている。図示する例では、アドレス放電期間において、画面の上から下に向けて走査電極31で放電が行われ、放電監視領域A〜Dの放電順序はA、B、C、Dの順となる。
【0063】
特にここでは、放電順序が最初の放電監視領域A〜D(図示する例ではA)について放電の開始と終了とを検知し、最初の放電監視領域A〜Dでの放電の終了を検知すると、放電順序にしたがって各放電監視領域A〜Dを対象にして順次スキャン動作を実行する。
【0064】
これにより、アドレス放電が終了した放電監視領域A〜Dを順にスキャンすることになり、アドレス放電とスキャン動作とが同一の放電監視領域A〜Dで行われることを避けることができる。また、時間的に効率よくスキャンすることができるため、スキャン時の待機時間をなくし、あるいは短くして、タッチ位置検出の高速化を図ることができる。
【0065】
なお、放電監視領域A〜Dでの放電の開始は、その放電監視領域A〜D内の最初の走査電極31で放電が行われるタイミングであり、放電監視領域A〜Dでの放電の終了は、その放電監視領域A〜D内の最後の走査電極31で放電が行われるタイミングであり、第1〜第4の各アンテナ18a〜18dの出力信号が示す放射ノイズの大きさに基づいて判別することができる。
【0066】
また、フレームごとに放電順序が変わる可能性がある場合には、フレームごとに放電順序を調べる。この場合、図示するように、最初のサブフィールドのアドレス放電期間で放電順序を調べて、以降のサブフィールドのアドレス放電期間でスキャン動作を行う。
【0067】
次に、図9に示したスキャン動作の手順を具体的に説明する。図10、図11は、タッチパネル装置4の制御部11で行われる処理の手順を示すフロー図である。
【0068】
ここでは、まず、図10に示すように、新しいフレームに変わったか否かを判定し、新しいフレームに変わった場合には(ST201でYes)、放電順序取得の処理を行う。この放電順序取得では、アンテナ受信回路19から出力される放電検知信号に基づいて、第1〜第4の放電監視領域A〜Dのいずれかで放電を検知したかを判定し(ST202)、放電を検知した場合には、放電を検知した放電監視領域A〜Dの情報をメモリに記憶する(ST203)。
【0069】
そして、全ての放電監視領域A〜Dの情報が記憶されると(ST204でYes)、図11に示すスキャン動作に進む。この処理により、アドレス放電期間で走査電極31で順次放電が行われるのに応じて、放電監視領域A〜Dの放電順序を取得することができる。
【0070】
一方、新しいフレームに変わっていない場合、すなわち同一のフレームにおける次のサブフィールドの処理の場合には(ST201でNo)、前記の放電順序取得の処理は省略され、メモリに記憶された放電順序に基づいて図11に示すスキャン動作が実行される。
【0071】
このスキャン動作では、アンテナ受信回路19から出力される放電検知信号に基づいて、初期化放電を検知してアドレス放電期間に入ったものと判断すると(ST205でYes)、まず、放電順序がi番目の放電監視領域の記録を読み出す(ST206)。そして、第1〜第4の放電監視領域A〜Dのいずれかで放電を検知すると(ST207でYes)、放電を検知した放電監視領域がi番目の放電監視領域と異なるか否かを判定する(ST208)。
【0072】
ここで、放電を検知した放電監視領域がi番目の放電監視領域と異なる場合には(ST208でYes)、i番目の放電監視領域の受信電極8を対象にしてスキャン動作を実行する。この場合には、記録された放電順序が実際と異なるため、次にi番目の放電監視領域の記録を書き換える処理を行う(ST210)。一方、放電を検知した放電監視領域がi番目の放電監視領域と同じ場合には(ST208でNo)、そのi番目の放電監視領域で放電が終了したところで(ST211でYes)、i番目の放電監視領域の受信電極8を対象にしてスキャン動作を実行する(ST212)。
【0073】
そして、放電順序を示す変数iを1増分し(ST213)、ついで、第1〜第4の放電監視領域A〜Dの全てが終了していない場合には(ST214でNo)、次の放電順序の放電監視領域A〜Dの処理に進み、これを放電監視領域A〜Dの全てが終了するまで繰り返し、放電監視領域A〜Dの全てが終了すると(ST214でYes)、放電順序を示す変数iを初期化して(ST215)、次のフレームの処理に進む。
【0074】
なお、アンテナ18a〜18dにて検出される放射ノイズの大きさ、放射ノイズが連続して発生する時間、および第1〜第4の各放電監視領域A〜Dの全てで放射ノイズが検出されたか否かにより、初期化放電とアドレス放電と維持放電とを判別することができる。すなわち、放射ノイズが放電監視領域A〜Dの全てで大きく且つ放射ノイズの発生時間が短い場合には初期化放電と判断することができ、放射ノイズが放電監視領域A〜Dの全てで大きく且つ放射ノイズの発生時間が長い場合には維持放電と判断することができ、放射ノイズが放電監視領域A〜Dのいずれか1つで特に大きい場合にはアドレス放電と判断することができる。
【0075】
図12は、送信電極7および受信電極8を示す平面図である。送信電極7は、導線41a,41bが格子状に配置されたメッシュ状電極で構成されている。導線41aは、送信電極7の長手方向に対して時計方向に所定角度θだけ傾いた方向に延在し、導線41bは、送信電極7の長手方向に対して反時計方向に所定角度θだけ傾いた方向に延在し、導線41a,41bの交差角度2θを90度より小さくすることで、菱形格子が連続する形態をなしている。なお、導線41a,41bは、交差部分で互いに電気的に接続されている。
【0076】
受信電極8も、送信電極7と同様に、導線42a,42bが格子状に配置されたメッシュ状電極で構成されており、導線42a,42bの配置形態も、送信電極7の導線41a,41bと同様である。
【0077】
このように送信電極7および受信電極8を構成して、導線41a,41b,42a,42bを微細な線径に形成することにより、送信電極7および受信電極8を見えにくくして、タッチパネル装置4の背面側に配置されるPDP2の画面の視認性を高めることができ、さらに、PDP2の画素パターンに送信電極7および受信電極8が重なり合うことで発生するモアレを抑制することができる。
【0078】
なお、本実施形態では、図1などに示したように、PDP2の放射ノイズを検出するためにアンテナ18a〜18dを設けたが、受信電極8をアンテナとして利用して受信電極8で放射ノイズを検出する構成も可能である。この場合、スキャン動作が行われていない状態で受信電極8からの出力信号を処理することでPDP2の放電を検知することができる。
【0079】
また、本実施形態では、PDP2の画面を4つの放電監視領域A〜Dに分割したが、本発明はこれに限定されるものではなく、走査電極31での放電による放射ノイズの影響範囲などを考慮して適宜に設定すればよい。また、PDP2の放射ノイズを検出するアンテナ18a〜18dを放電監視領域に1つずつ設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つの放電監視領域に複数のアンテナを対応させる構成も可能であり、特に受信電極8をアンテナとして利用する場合には、このような構成を採用するとよい。
【0080】
また、本実施形態では、走査電極31で行われる放電の有無を複数の放電監視領域A〜Dごとに判定して、放電監視領域A〜D単位でスキャン動作を行うものとしたが、アンテナを多数設けたり、あるいは受信電極8をアンテナとして利用すれば、走査電極31の1本ずつについて放電の有無を判別することも可能である。
【0081】
また、本実施形態では、放電が行われている走査電極31から離間した位置にある受信電極8を対象にしてスキャン動作を行うようにしたが、本発明では少なくとも、放電が行われている走査電極31から離間した位置にある受信電極8の応答信号による電極交点ごとの検出データに基づいてタッチ位置を求めれば、PDP2の放射ノイズの影響でタッチ位置の検出精度が低下することを避けることができ、例えば、スキャン動作を、いずれの走査電極31で放電が行われているかに関係なく実行した上で、放電が行われている走査電極31の近傍に位置する受信電極8の応答信号による検出データを破棄して、その破棄された検出データを再取得するためにスキャン動作をやり直すようにしてもよい。
【0082】
また、本実施形態では、図12に示したように、送信電極7および受信電極8をメッシュ状電極で構成したが、本発明における送信電極および受信電極はこれに限定されるものではなく、例えば電極となる導線を1方向に配列しただけの構成も可能であり、さらに不透明な金属材料を用いた電極の他に、ITOなどによる透明電極を採用することも可能である。
【0083】
また、本実施形態では、PDP2の放射ノイズに基づいて走査電極31の放電を検知するものとしたが、PDP2側から放電を行う走査電極31を識別する信号を出力させ、その信号に基づいてタッチパネル装置2側で走査電極31の放電を検知する構成も可能である。この場合、PDP2側に信号を生成出力する手段を設ける必要がある。これに対して、PDP2の放射ノイズに基づいて放電を検知する構成は、PDP2側に特別な構成を付加する必要がなく、簡便に実施することができ、製造コストの上昇を抑えることができる利点が得られる。
【0084】
また、本実施形態では、受信部10において受信電極8を1本ずつ選択するものとしたが、これは受信電極8を排他的に選択する構成に限定するものではなく、例えば受信電極8を所定本数ごとにグループ分けするとともに、そのグループごとに受信信号処理部を設けて、グループ内で受信電極8を1本ずつ選択する一方で、各グループ間で並行して受信電極8を選択する構成も可能である。この場合、受信電極8を放電監視領域に対応してグループ分けするとよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明にかかるタッチパネル装置およびこれを備えたプラズマディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネルの放射ノイズの影響でタッチ位置の検出精度が低下することを避けることができる効果を有し、プラズマディスプレイパネルの前面に配置されるタッチパネル装置およびこれを備えたプラズマディスプレイ装置などとして有用である。
【符号の説明】
【0086】
1 プラズマディスプレイ装置
2 PDP(プラズマディスプレイパネル)
3 PDP制御部
4 タッチパネル装置
5 パネル本体
6 タッチ面
7 送信電極
8 受信電極
9 送信部
10 受信部
11 制御部
16 受信信号処理部
17 タッチ位置算出部
18a〜18d アンテナ(放電検知手段)
19 アンテナ受信回路(放電検知手段)
31 走査電極
32 アドレス電極
A〜D 放電監視領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネルの前面に配置されるタッチパネル装置およびこれを備えたプラズマディスプレイ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タッチパネル装置には、タッチ位置を検出する原理が異なる種々の方式があるが、抵抗膜方式や静電容量方式のように多数の電極をパネル内に配設した構成のものでは、電極がアンテナとして作用するため、外来ノイズの影響を受け易くなる。特に静電容量方式では、導電性物体(例えば人体)が接近あるいは接触することによる電極近傍の微小な静電容量の変化を利用してタッチ位置を検出することから、ノイズがタッチ位置の検出精度に大きく影響する。
【0003】
一方、タッチパネル装置は、液晶ディスプレイパネルなどの画像表示装置と組み合わせて用いられることが一般的であるが、画像表示装置をタッチパネル装置と一体化した場合、画像表示装置がノイズ源となって、タッチ位置の検出精度を低下させるという問題があり、このような画像表示装置に起因するノイズによる影響を低減する技術が知られている(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63−174120号公報
【特許文献2】特開2010−009439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、タッチパネル装置と組み合わせて用いられる画像表示装置にプラズマディスプレイパネルを採用することが考えられるが、プラズマディスプレイパネルは、放電に伴う放射ノイズが顕著であるため、前記の従来のノイズ対策は十分な解決策とはならず、タッチ位置の検出精度が大幅に低下して、実用上十分な検出精度を確保することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、プラズマディスプレイパネルと組み合わせて用いる場合に、プラズマディスプレイパネルの放射ノイズの影響でタッチ位置の検出精度が低下することを避けることができるように構成されたタッチパネル装置およびこれを備えたプラズマディスプレイ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のタッチパネル装置は、互いに並走する複数の送信電極および互いに並走する複数の受信電極が格子状に設けられて、プラズマディスプレイパネルの前面に配置されるパネル本体と、前記送信電極を順次選択して駆動信号を印加する送信部と、前記受信電極を順次選択して前記駆動信号に応じて前記受信電極から出力される応答信号を受信して電極交点ごとの検出データを出力する受信部と、前記受信部から出力される電極交点ごとの検出データに基づいてタッチ位置を求める制御部と、を備え、前記受信電極は、前記プラズマディスプレイパネルの走査電極と平行する方向に配置された構成とする。
【0008】
また、本発明のプラズマディスプレイ装置は、前記のタッチパネル装置を、プラズマディスプレイパネルの前面に備えた構成とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、受信電極が走査電極と平行することから、放電が行われている走査電極から離れた受信電極には放射ノイズが混入しにくくなる。このため、全ての走査電極で一斉に放電が行われる初期化放電期間および維持放電期間では、受信電極に放射ノイズが混入することが避けられないが、走査電極が1本ずつ選択されて放電が行われるアドレス放電期間では、受信電極ごとに大きな放射ノイズが混入しない期間を確保することができ、この期間を利用することで、放射ノイズの影響を受けないタッチ位置の検出が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態に係るプラズマディスプレイ装置1を示す全体構成図
【図2】受信信号処理部16の概略構成図
【図3】PDP2の放電制御を説明する模式図
【図4】PDP2の放射ノイズを示す波形図
【図5】タッチパネル装置4の送信電極7および受信電極8とPDP2の走査電極31およびアドレス電極32の配置状態を示す模式図
【図6】タッチパネル装置4におけるPDP2の放電を検知する要部の概略構成図
【図7】アドレス放電期間におけるスキャン動作の状況を示す模式図
【図8】タッチパネル装置4の制御部11で行われる処理の手順を示すフロー図
【図9】PDP2で行われる放電およびタッチパネル装置4で行われるスキャン動作の状況を示す模式図
【図10】タッチパネル装置4の制御部11で行われる処理の手順を示すフロー図
【図11】タッチパネル装置4の制御部11で行われる処理の手順を示すフロー図
【図12】送信電極7および受信電極8を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、互いに並走する複数の送信電極および互いに並走する複数の受信電極が格子状に設けられて、プラズマディスプレイパネルの前面に配置されるパネル本体と、前記送信電極を順次選択して駆動信号を印加する送信部と、前記受信電極を順次選択して前記駆動信号に応じて前記受信電極から出力される応答信号を受信して電極交点ごとの検出データを出力する受信部と、前記受信部から出力される電極交点ごとの検出データに基づいてタッチ位置を求める制御部と、を備え、前記受信電極は、前記プラズマディスプレイパネルの走査電極と平行する方向に配置された構成とする。
【0012】
これによると、受信電極が走査電極と平行することから、放電が行われている走査電極から離れた受信電極には放射ノイズが混入しにくくなる。このため、全ての走査電極で一斉に放電が行われる初期化放電期間および維持放電期間では、受信電極に放射ノイズが混入することが避けられないが、走査電極が1本ずつ選択されて放電が行われるアドレス放電期間では、受信電極ごとに大きな放射ノイズが混入しない期間を確保することができ、この期間を利用することで、放射ノイズの影響を受けないタッチ位置の検出が可能になる。
【0013】
また、第2の発明は、前記プラズマディスプレイパネルの放電を検知する放電検知手段を備え、前記制御部は、前記放電検知手段の検知結果に基づいて、前記走査電極で行われる放電の有無を判別し、放電が行われている前記走査電極から離間した位置にある前記受信電極からの応答信号による電極交点ごとの検出データに基づいてタッチ位置を求める構成とする。
【0014】
これによると、放電が行われている走査電極から離間した位置にある受信電極には、走査電極での放電による放射ノイズの影響が及ばないため、プラズマディスプレイパネルの放射ノイズの影響でタッチ位置の検出精度が低下することを確実に避けることができる。
【0015】
また、第3の発明は、前記制御部は、前記放電検知手段の検知結果に基づいて、前記走査電極で行われる放電の有無を、前記走査電極が配列された方向に分割された複数の放電監視領域ごとに判別し、放電が行われていない前記放電監視領域に位置する前記受信電極からの応答信号による電極交点ごとの検出データに基づいてタッチ位置を求める構成とする。
【0016】
これによると、アドレス放電の有無を領域単位で判別するため、制御部の負担が軽減され、タッチ位置検出の高速化を図ることができる。
【0017】
また、第4の発明は、前記制御部は、前記プラズマディスプレイパネルでアドレス放電が行われる順序を前記放電監視領域ごとに判別し、このアドレス放電の順序が最初となる前記放電監視領域でアドレス放電が終了したことを検知すると、アドレス放電の順序にしたがって前記放電監視領域内の受信電極を順次選択するスキャン動作を実行する構成とする。
【0018】
これによると、アドレス放電とスキャン動作とが同一の放電監視領域で行われることを避けることができ、さらに時間的に効率よくスキャンすることができるため、スキャン時の待機時間をなくし、あるいは短くして、タッチ位置検出の高速化を図ることができる。
【0019】
また、第5の発明は、前記放電検知手段は、前記走査電極が配列された方向に複数並べて設けられたアンテナを備えた構成とする。
【0020】
これによると、走査電極で行われる放電を簡易に且つ十分な精度で検出することができる。この場合、走査電極での放電による放射ノイズの影響が、その走査電極が位置する放電監視領域と隣り合う放電監視領域に位置する受信電極に及ばないように、放電監視領域の大きさを設定する必要があり、この放電監視領域の大きさに応じた数のアンテナが設けられる。
【0021】
また、第6の発明は、プラズマディスプレイ装置であり、前記第1から第8の発明に係るタッチパネル装置を、プラズマディスプレイパネルの前面に備えた構成とする。
【0022】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、本実施形態に係るプラズマディスプレイ装置1を示す全体構成図である。このプラズマディスプレイ装置1は、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと呼称する)2と、PDP制御部3と、タッチパネル装置4とからなっており、タッチパネル装置4のパネル本体5がPDP2の表示面の前側に配置されている。
【0024】
タッチパネル装置4のパネル本体5は、指示物(ユーザの指先及びスタイラスや指示棒等の導電体)によるタッチ操作が行われるタッチ面6を備え、互いに並走する複数の送信電極7と互いに並走する複数の受信電極8とが格子状に配置されている。
【0025】
また、タッチパネル装置4は、送信電極7に対して駆動信号を印加する送信部9と、送信電極7に印加された駆動信号に応答した受信電極8の応答信号を受信して、送信電極7と受信電極8とが交差する電極交点ごとの検出データを出力する受信部10と、この受信部10から出力される検出データに基づいてタッチ位置を検出すると共に送信部9及び受信部10の動作を制御する制御部11とを備えている。
【0026】
制御部11から出力されるタッチ位置情報は、パソコンなどの外部機器12に入力され、ここで生成した表示画面データがPDP2を制御するPDP制御部3に出力される。これによりパネル本体5のタッチ面6上でユーザが指示物で行ったタッチ操作に対応した画像がPDP2の画面に表示され、タッチ面6にマーカーで直接描画するのと同様の感覚で所要の画像を表示させることができ、またPDP2の表示画面に表示されたボタンなどを操作することができる。さらに、タッチ操作で描かれた画像を消去するイレーサを用いることもできる。
【0027】
送信電極7と受信電極8とは、絶縁層を挟んで重なり合う態様で交差しており、この送信電極7と受信電極8とが交差する電極交点にはコンデンサが形成され、ユーザが指等の指示物でタッチ操作を行う際に、指示物がタッチ面6に接近あるいは接触すると、これに応じて電極交点の静電容量が実質的に減少することで、タッチ操作の有無を検出することができる。
【0028】
ここでは、相互容量方式が採用されており、送信電極7に駆動信号を印加すると、これに応答して受信電極8に充放電電流が流れ、この充放電電流が応答信号として受信電極8から出力され、このとき、ユーザのタッチ操作に応じて電極交点の静電容量が変化すると、受信電極8の充放電電流、すなわち応答信号が変化し、この変化量に基づいてタッチ位置が算出される。この相互容量方式では、受信部10で応答信号を信号処理して得られる検出データが、送信電極7と受信電極8とによる電極交点ごとに出力されるため、同時に複数のタッチ位置を検出する、いわゆるマルチタッチ(多点検出)が可能である。
【0029】
制御部11のタッチ位置算出部17は、受信部10から出力される電極交点ごとの検出データから所定の演算処理によってタッチ位置(タッチ領域の中心座標)を求める。このタッチ位置の演算では、X方向(送信電極7の配列方向、つまりPDP2の幅方向)とY方向(受信電極8の配列方向、つまりPDP2の高さ方向)とでそれぞれ隣接する複数(例えば4×4)の電極交点ごとの検出データから所要の補間法(例えば重心法)を用いてタッチ位置を求める。これにより、送信電極7及び受信電極8の配置ピッチ(例えば10mm)より高い分解能(例えば1mm以下)でタッチ位置を検出することができる。
【0030】
また、制御部11のタッチ位置算出部17では、タッチ面6の全面に渡って電極交点ごとの検出データの受信が終了する1フレーム周期ごとにタッチ位置を求める処理が行われ、タッチ位置情報がフレーム単位で外部機器12に出力される。外部機器12では、時間的に連続する複数のフレームのタッチ位置情報に基づいて、各タッチ位置を時系列に連結する表示画面データを生成して、PDP制御部3に出力する。なお、マルチタッチの場合には、複数の指示物によるタッチ位置を含むタッチ位置情報がフレーム単位で出力される。
【0031】
送信部9は、駆動信号となるパルスを発生する送信パルス発生部13と、送信電極7を1本ずつ選択して、送信パルス発生部13から出力されたパルスを送信電極7に順次印加する電極選択部14と、を備えている。
【0032】
受信部10は、受信電極8から出力される応答信号を処理する受信信号処理部16と、受信電極8を1本ずつ選択して、受信電極8からの応答信号を受信信号処理部16に順次入力させる電極選択部15と、を備えている。
【0033】
送信部9および受信部10は、制御部11から出力される同期信号に応じて動作し、送信部9において1本の送信電極7に駆動信号を印加する間に、受信部10において受信電極8を1本ずつ選択して受信電極8からの応答信号を受信信号処理部16に順次入力させて信号処理を行わせ、この1ライン分のスキャン動作を全ての送信電極7について順次繰り返すことで、全ての電極交点ごとの検出データを取得することができる。
【0034】
図2は、受信信号処理部16の概略構成図である。この受信信号処理部16は、IV変換部21と、バンドパスフィルタ22と、絶対値検知部23と、積分部24と、サンプルホールド部25と、AD変換部26とを備えている。
【0035】
IV変換部21では、電極選択部15を介して入力される受信電極8の応答信号(充放電電流信号)が電圧信号に変換される。バンドパスフィルタ22では、IV変換部21の出力信号に対して、送信電極7に印加される駆動信号の周波数以外の周波数成分を有する信号を除去する処理が行われる。絶対値検出部(整流部)23では、バンドパスフィルタ22の出力信号に対して全波整流が行われる。積分部24では、絶対値検出部23の出力信号を時間軸方向に積分する処理が行われる。サンプルホールド部25では、積分部24の出力信号を所定のタイミングでサンプリングする処理が行われる。AD変換部26では、サンプルホールド部25の出力信号をAD変換して電極交点ごとの検出データ(レベル信号)を出力する。
【0036】
図3は、PDP2の放電制御を説明する模式図である。図4は、PDP2の放射ノイズを示す波形図であり、(A)の要部を(B)に拡大して示す。
【0037】
図3に示すように、PDP2は、走査電極31とアドレス電極32とを備えており、この走査電極31とアドレス電極32とは互いに直交する向きに配置されている。走査電極31は、走査電極31とアドレス電極32との交点部分に形成された放電セルを発光させるために所要の電位を与えるものであり、アドレス電極32は、発光させる放電セルを選択して発光位置を制御するものである。
【0038】
このPDP2は、ADSサブフィールド法(Address and Display period Separated sub-field method,アドレス・表示分離型サブフィールド法)により駆動され、1フレーム(16.7mS)が、時間軸上で複数(図4に示す例では10個)のサブフィールドに分割され、各サブフィールドで、初期化放電とアドレス放電と維持放電とが順次繰り返されることで、多階調の画像を表示することができる。
【0039】
図3(A)に示す初期化放電では、全ての走査電極31で一斉に放電が行われ、図3(B)に示すアドレス放電では、走査電極31を1本ずつ選択して放電が行われ、図3(C)に示す維持放電では、再び全ての走査電極31で一斉に放電が行われ、この維持放電により、アドレス放電時に走査電極31とアドレス電極との組合せで選択された放電セルが発光し、この初期化放電、アドレス放電および維持放電が1回行われることで1フレームにおける1階調分の画像が表示される。
【0040】
このように動作するPDP2においては、図4に示すように、維持放電期間では常時大きな放射ノイズが発生しており、初期化放電でも大きな放射ノイズが発生する。一方、アドレス放電期間では、画面の上側から下側に向けて走査電極31が1本ずつ選択されて放電が行われるため、選択された走査電極31からのみ放射ノイズが発生し、走査電極31の位置に応じて放射ノイズの発生タイミングが異なり、放電が行われる走査電極31から離間した受信電極8に大きな放射ノイズが混入しない。
【0041】
このように初期化放電期間、アドレス放電期間、および維持放電期間のいずれにおいても放射ノイズが発生しており、これらの放射ノイズが発生するタイミングと重なるようにタッチパネル装置4でスキャン動作を行うと、放射ノイズの影響でタッチ位置の誤検出が発生する。そこで本実施形態では、以下に説明するように、放射ノイズの発生タイミングを避けてスキャン動作を行う、すなわちアドレス放電期間において放電が行われる走査電極31から離間した受信電極8を対象にしてスキャン動作を行うようにしている。
【0042】
図5は、タッチパネル装置4の送信電極7および受信電極8とPDP2の走査電極31およびアドレス電極32の配置状態を示す模式図であり、図5(A)に本実施形態を、図5(B)に比較例をそれぞれ示す。
【0043】
図5(A)に示すように、本実施形態では、タッチパネル装置4のパネル本体5において送信電極7がY方向に延在し、受信電極8がX方向に延在しており、一方、PDP2においては走査電極31がX方向に延在し、アドレス電極32がY方向に延在しており、タッチパネル装置4の受信電極8とPDP2の走査電極31とは互いに平行する方向に配置されている。
【0044】
このため、放電が行われている走査電極31の近傍の受信電極8では、放電による放射ノイズの影響を受けるが、放電が行われている走査電極31から十分に離間した受信電極8では、放電による放射ノイズの影響が及ばない。したがって、アドレス放電期間で、査電極31が1本ずつ選択されて放電が行われている状態では、放電が行われている走査電極31を検知して、その走査電極31から離間した受信電極8を選択して応答信号を受信するようにすると、放射ノイズの影響を受けないタッチ位置の検出が可能になる。
【0045】
一方、図5(B)に示す比較例では、タッチパネル装置4の送信電極7および受信電極8が図5(A)に示す本実施形態とは逆に配置され、タッチパネル装置4の受信電極8が、PDP2の走査電極31と直交する方向に配置されている。この場合、走査電極31と受信電極8とが交差しているため、走査電極31が1本でも放電を行うと、全ての受信電極8が放射ノイズの影響を受けることになり、アドレス放電期間でも放射ノイズの影響を受けないタッチ位置の検出が難しくなる。
【0046】
次に、本タッチパネル装置4においてPDP2の放電を避けてスキャン動作を行う構成について説明する。図6は、タッチパネル装置4におけるPDP2の放電を検知する要部の概略構成図である。図7は、アドレス放電期間におけるスキャン動作の状況を示す模式図である。
【0047】
図6に示すように、タッチパネル装置4は、PDP2の放射ノイズを検出する複数(ここでは4つ)のアンテナ(放電検知手段)18a〜18dを備えており、制御部11は、アンテナ18a〜18dの出力信号に基づいて、PDP2の放電を検知するアンテナ受信回路(放電検知手段)19を備えている。
【0048】
第1〜第4の各アンテナ18a〜18dは、走査電極31が配列されたY方向に複数並べて設けられ、各アンテナ18a〜18dの近傍に位置する走査電極31での放電による放射ノイズが、各アンテナ18a〜18dで検出される。アンテナ18a〜18dは、例えば基板上に導線をループ状に形成したものでよく、感度を高めるためにPDP2の動作周波数の近傍に共振周波数を有する特性に設定するとよい。
【0049】
アンテナ受信回路19は、アンテナ18a〜18dから出力されるアナログ信号を処理して、放電の有無を示す放電検知信号を出力する。アンテナ18a〜18dの近傍の走査電極31で放電が行われていると、アンテナ18a〜18dで検出される放射ノイズが顕著になるため、アンテナ18a〜18dの出力信号を適宜に処理して所定の閾値と比較することにより、アンテナ18a〜18dの近傍の走査電極31での放電の有無を判別することができる。
【0050】
制御部11では、アンテナ受信回路19の検知結果に基づいて、走査電極31で行われる放電の有無を判別し、その走査電極31から離間した位置にある受信電極8を対象にしてスキャン動作を行う、すなわち、放電が行われている走査電極31から離間した位置にある受信電極8を選択して受信電極8からの応答信号を受信信号処理部16に入力させるようにしている。
【0051】
特にここでは、PDP2の画面が、各アンテナ18a〜18dに対応して、走査電極31が配列されたY方向に沿って第1〜第4の放電監視領域A〜Dに分割され、制御部11では、走査電極31で行われる放電の有無が、第1〜第4の放電監視領域A〜Dごとに判別される。アドレス放電期間では、走査電極31が1本ずつ選択されて放電が行われるため、第1〜第4の放電監視領域A〜Dの1つのみで放電が検知され、残りの放電が行われていない放電監視領域A〜Dに位置する受信電極8を対象にしてスキャン動作が行われる。
【0052】
図7に示す例では、第2の放電監視領域Bの走査電極31で放電が行われており、この第2の放電監視領域Bを除く放電監視領域、すなわち第1の放電監視領域A、第3の放電監視領域Cおよび第4の放電監視領域Dの受信電極8を対象にしてスキャン動作が行われる。
【0053】
ここで、走査電極31での放電による放射ノイズの影響が、その走査電極31が位置する放電監視領域A〜Dと隣り合う放電監視領域A〜Dに位置する受信電極8に及ばないようにする必要があり、これには、走査電極31での放電による放射ノイズの影響範囲を考慮して、第1〜第4の放電監視領域A〜Dの大きさを設定すればよく、この放電監視領域A〜Dの大きさに応じた数のアンテナが設けられる。
【0054】
次に、タッチパネル装置4で行われるスキャン動作の手順を具体的に説明する。図8は、タッチパネル装置4の制御部11で行われる処理の手順を示すフロー図である。
【0055】
ここでは、アンテナ受信回路19から出力される放電検知信号に基づいて、第1〜第4の各放電監視領域A〜Dでの放電の有無を順次判定し(ST101〜ST104)、放電が行われていない放電監視領域A〜Dを対象にしてスキャン動作を行う、すなわち放電が行われていない放電監視領域A〜D内の受信電極8を電極選択部15で順次選択して、受信電極8から出力される応答信号を受信信号処理部16に入力させ、受信信号処理部16から制御部11に検出データを転送する(ST105〜ST108)。
【0056】
このとき、第1の放電監視領域Aから順番に放電の有無を判定し、第1の放電監視領域Aで放電が行われていれば、第2の放電監視領域B内の受信電極8が順次選択され、次いで第3の放電監視領域Cおよび第4の放電監視領域D内の受信電極8が順次選択される。
【0057】
ここで、アドレス放電期間では、走査電極31が1本ずつ選択されて放電が行われるため、第1〜第4の放電監視領域A〜Dの1つのみで放電があるものと判定され、残りの放電のない放電監視領域A〜Dに位置する受信電極8を対象にしてスキャン動作が行われる。一方、初期化放電期間および維持放電期間では、全ての走査電極31で一斉に放電が行われるため、第1〜第4の放電監視領域A〜Dの全てで放電があるものと判定されるため、スキャン動作は行われない。
【0058】
ところで、タッチパネル装置4においてスキャン動作時の受信電極8の選択を配列順に行う、例えば画面の上から下に向けて順に行う場合、選択すべき受信電極8が、走査電極31の放電による放射ノイズの影響範囲内に入ると、その受信電極8の選択を一時的に停止し、選択すべき受信電極8が、走査電極31の放電による放射ノイズの影響範囲から外れるまで待機することになる。
【0059】
例えば、図8に示した手順で放電監視領域A〜Dごとのスキャン動作を行う場合、第1の放電監視領域Aで放電が行われていると、第2の放電監視領域Bでスキャン動作を行うことになるが、この第2の放電監視領域Bのスキャン動作の途中で第2の放電監視領域Bで放電が開始されると、第2の放電監視領域Bのスキャン動作を一時的に停止し、第2の放電監視領域Bの放電が終了するまで待機することになる。
【0060】
このようにスキャン動作の途中で待機時間が発生すると、1フレーム分のスキャン動作に要する時間(フレームレート)が長くなり、タッチ位置の検出速度が低くなる。タッチ位置の検出速度が低いと、指等の指示物によるタッチ操作にタッチ位置の検出処理を追従させることができなくなり、例えばユーザが指示物を動かした際の指示物の軌跡に沿って線が描画される手書きモードでは、線が途切れた状態で描画される不具合が生じ、使い勝手が低下する。
【0061】
このようなタッチ位置の検出速度に起因する描画性能の低下を避けるには、スキャン動作時の待機時間をなくす、あるいは短くする必要があり、この点を改善した制御の例を以下に説明する。
【0062】
図9は、PDP2で行われる放電およびタッチパネル装置4で行われるスキャン動作の状況を示す模式図である。ここでは、第1〜第4の放電監視領域A〜Dごとにアドレス放電時の放電順序を事前に取得して、その放電順序にしたがって放電が行われていない放電監視領域A〜Dに位置する受信電極8を対象にしてスキャン動作を行うようにしている。図示する例では、アドレス放電期間において、画面の上から下に向けて走査電極31で放電が行われ、放電監視領域A〜Dの放電順序はA、B、C、Dの順となる。
【0063】
特にここでは、放電順序が最初の放電監視領域A〜D(図示する例ではA)について放電の開始と終了とを検知し、最初の放電監視領域A〜Dでの放電の終了を検知すると、放電順序にしたがって各放電監視領域A〜Dを対象にして順次スキャン動作を実行する。
【0064】
これにより、アドレス放電が終了した放電監視領域A〜Dを順にスキャンすることになり、アドレス放電とスキャン動作とが同一の放電監視領域A〜Dで行われることを避けることができる。また、時間的に効率よくスキャンすることができるため、スキャン時の待機時間をなくし、あるいは短くして、タッチ位置検出の高速化を図ることができる。
【0065】
なお、放電監視領域A〜Dでの放電の開始は、その放電監視領域A〜D内の最初の走査電極31で放電が行われるタイミングであり、放電監視領域A〜Dでの放電の終了は、その放電監視領域A〜D内の最後の走査電極31で放電が行われるタイミングであり、第1〜第4の各アンテナ18a〜18dの出力信号が示す放射ノイズの大きさに基づいて判別することができる。
【0066】
また、フレームごとに放電順序が変わる可能性がある場合には、フレームごとに放電順序を調べる。この場合、図示するように、最初のサブフィールドのアドレス放電期間で放電順序を調べて、以降のサブフィールドのアドレス放電期間でスキャン動作を行う。
【0067】
次に、図9に示したスキャン動作の手順を具体的に説明する。図10、図11は、タッチパネル装置4の制御部11で行われる処理の手順を示すフロー図である。
【0068】
ここでは、まず、図10に示すように、新しいフレームに変わったか否かを判定し、新しいフレームに変わった場合には(ST201でYes)、放電順序取得の処理を行う。この放電順序取得では、アンテナ受信回路19から出力される放電検知信号に基づいて、第1〜第4の放電監視領域A〜Dのいずれかで放電を検知したかを判定し(ST202)、放電を検知した場合には、放電を検知した放電監視領域A〜Dの情報をメモリに記憶する(ST203)。
【0069】
そして、全ての放電監視領域A〜Dの情報が記憶されると(ST204でYes)、図11に示すスキャン動作に進む。この処理により、アドレス放電期間で走査電極31で順次放電が行われるのに応じて、放電監視領域A〜Dの放電順序を取得することができる。
【0070】
一方、新しいフレームに変わっていない場合、すなわち同一のフレームにおける次のサブフィールドの処理の場合には(ST201でNo)、前記の放電順序取得の処理は省略され、メモリに記憶された放電順序に基づいて図11に示すスキャン動作が実行される。
【0071】
このスキャン動作では、アンテナ受信回路19から出力される放電検知信号に基づいて、初期化放電を検知してアドレス放電期間に入ったものと判断すると(ST205でYes)、まず、放電順序がi番目の放電監視領域の記録を読み出す(ST206)。そして、第1〜第4の放電監視領域A〜Dのいずれかで放電を検知すると(ST207でYes)、放電を検知した放電監視領域がi番目の放電監視領域と異なるか否かを判定する(ST208)。
【0072】
ここで、放電を検知した放電監視領域がi番目の放電監視領域と異なる場合には(ST208でYes)、i番目の放電監視領域の受信電極8を対象にしてスキャン動作を実行する。この場合には、記録された放電順序が実際と異なるため、次にi番目の放電監視領域の記録を書き換える処理を行う(ST210)。一方、放電を検知した放電監視領域がi番目の放電監視領域と同じ場合には(ST208でNo)、そのi番目の放電監視領域で放電が終了したところで(ST211でYes)、i番目の放電監視領域の受信電極8を対象にしてスキャン動作を実行する(ST212)。
【0073】
そして、放電順序を示す変数iを1増分し(ST213)、ついで、第1〜第4の放電監視領域A〜Dの全てが終了していない場合には(ST214でNo)、次の放電順序の放電監視領域A〜Dの処理に進み、これを放電監視領域A〜Dの全てが終了するまで繰り返し、放電監視領域A〜Dの全てが終了すると(ST214でYes)、放電順序を示す変数iを初期化して(ST215)、次のフレームの処理に進む。
【0074】
なお、アンテナ18a〜18dにて検出される放射ノイズの大きさ、放射ノイズが連続して発生する時間、および第1〜第4の各放電監視領域A〜Dの全てで放射ノイズが検出されたか否かにより、初期化放電とアドレス放電と維持放電とを判別することができる。すなわち、放射ノイズが放電監視領域A〜Dの全てで大きく且つ放射ノイズの発生時間が短い場合には初期化放電と判断することができ、放射ノイズが放電監視領域A〜Dの全てで大きく且つ放射ノイズの発生時間が長い場合には維持放電と判断することができ、放射ノイズが放電監視領域A〜Dのいずれか1つで特に大きい場合にはアドレス放電と判断することができる。
【0075】
図12は、送信電極7および受信電極8を示す平面図である。送信電極7は、導線41a,41bが格子状に配置されたメッシュ状電極で構成されている。導線41aは、送信電極7の長手方向に対して時計方向に所定角度θだけ傾いた方向に延在し、導線41bは、送信電極7の長手方向に対して反時計方向に所定角度θだけ傾いた方向に延在し、導線41a,41bの交差角度2θを90度より小さくすることで、菱形格子が連続する形態をなしている。なお、導線41a,41bは、交差部分で互いに電気的に接続されている。
【0076】
受信電極8も、送信電極7と同様に、導線42a,42bが格子状に配置されたメッシュ状電極で構成されており、導線42a,42bの配置形態も、送信電極7の導線41a,41bと同様である。
【0077】
このように送信電極7および受信電極8を構成して、導線41a,41b,42a,42bを微細な線径に形成することにより、送信電極7および受信電極8を見えにくくして、タッチパネル装置4の背面側に配置されるPDP2の画面の視認性を高めることができ、さらに、PDP2の画素パターンに送信電極7および受信電極8が重なり合うことで発生するモアレを抑制することができる。
【0078】
なお、本実施形態では、図1などに示したように、PDP2の放射ノイズを検出するためにアンテナ18a〜18dを設けたが、受信電極8をアンテナとして利用して受信電極8で放射ノイズを検出する構成も可能である。この場合、スキャン動作が行われていない状態で受信電極8からの出力信号を処理することでPDP2の放電を検知することができる。
【0079】
また、本実施形態では、PDP2の画面を4つの放電監視領域A〜Dに分割したが、本発明はこれに限定されるものではなく、走査電極31での放電による放射ノイズの影響範囲などを考慮して適宜に設定すればよい。また、PDP2の放射ノイズを検出するアンテナ18a〜18dを放電監視領域に1つずつ設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つの放電監視領域に複数のアンテナを対応させる構成も可能であり、特に受信電極8をアンテナとして利用する場合には、このような構成を採用するとよい。
【0080】
また、本実施形態では、走査電極31で行われる放電の有無を複数の放電監視領域A〜Dごとに判定して、放電監視領域A〜D単位でスキャン動作を行うものとしたが、アンテナを多数設けたり、あるいは受信電極8をアンテナとして利用すれば、走査電極31の1本ずつについて放電の有無を判別することも可能である。
【0081】
また、本実施形態では、放電が行われている走査電極31から離間した位置にある受信電極8を対象にしてスキャン動作を行うようにしたが、本発明では少なくとも、放電が行われている走査電極31から離間した位置にある受信電極8の応答信号による電極交点ごとの検出データに基づいてタッチ位置を求めれば、PDP2の放射ノイズの影響でタッチ位置の検出精度が低下することを避けることができ、例えば、スキャン動作を、いずれの走査電極31で放電が行われているかに関係なく実行した上で、放電が行われている走査電極31の近傍に位置する受信電極8の応答信号による検出データを破棄して、その破棄された検出データを再取得するためにスキャン動作をやり直すようにしてもよい。
【0082】
また、本実施形態では、図12に示したように、送信電極7および受信電極8をメッシュ状電極で構成したが、本発明における送信電極および受信電極はこれに限定されるものではなく、例えば電極となる導線を1方向に配列しただけの構成も可能であり、さらに不透明な金属材料を用いた電極の他に、ITOなどによる透明電極を採用することも可能である。
【0083】
また、本実施形態では、PDP2の放射ノイズに基づいて走査電極31の放電を検知するものとしたが、PDP2側から放電を行う走査電極31を識別する信号を出力させ、その信号に基づいてタッチパネル装置2側で走査電極31の放電を検知する構成も可能である。この場合、PDP2側に信号を生成出力する手段を設ける必要がある。これに対して、PDP2の放射ノイズに基づいて放電を検知する構成は、PDP2側に特別な構成を付加する必要がなく、簡便に実施することができ、製造コストの上昇を抑えることができる利点が得られる。
【0084】
また、本実施形態では、受信部10において受信電極8を1本ずつ選択するものとしたが、これは受信電極8を排他的に選択する構成に限定するものではなく、例えば受信電極8を所定本数ごとにグループ分けするとともに、そのグループごとに受信信号処理部を設けて、グループ内で受信電極8を1本ずつ選択する一方で、各グループ間で並行して受信電極8を選択する構成も可能である。この場合、受信電極8を放電監視領域に対応してグループ分けするとよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明にかかるタッチパネル装置およびこれを備えたプラズマディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネルの放射ノイズの影響でタッチ位置の検出精度が低下することを避けることができる効果を有し、プラズマディスプレイパネルの前面に配置されるタッチパネル装置およびこれを備えたプラズマディスプレイ装置などとして有用である。
【符号の説明】
【0086】
1 プラズマディスプレイ装置
2 PDP(プラズマディスプレイパネル)
3 PDP制御部
4 タッチパネル装置
5 パネル本体
6 タッチ面
7 送信電極
8 受信電極
9 送信部
10 受信部
11 制御部
16 受信信号処理部
17 タッチ位置算出部
18a〜18d アンテナ(放電検知手段)
19 アンテナ受信回路(放電検知手段)
31 走査電極
32 アドレス電極
A〜D 放電監視領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに並走する複数の送信電極および互いに並走する複数の受信電極が格子状に設けられて、プラズマディスプレイパネルの前面に配置されるパネル本体と、
前記送信電極を順次選択して駆動信号を印加する送信部と、
前記受信電極を順次選択して前記駆動信号に応じて前記受信電極から出力される応答信号を受信して電極交点ごとの検出データを出力する受信部と、
前記受信部から出力される電極交点ごとの検出データに基づいてタッチ位置を求める制御部と、を備え、
前記受信電極は、前記プラズマディスプレイパネルの走査電極と平行する方向に配置されたことを特徴とするタッチパネル装置。
【請求項2】
前記プラズマディスプレイパネルの放電を検知する放電検知手段を備え、
前記制御部は、前記放電検知手段の検知結果に基づいて、前記走査電極で行われる放電の有無を判別し、放電が行われている前記走査電極から離間した位置にある前記受信電極からの応答信号による電極交点ごとの検出データに基づいてタッチ位置を求めることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記放電検知手段の検知結果に基づいて、前記走査電極で行われる放電の有無を、前記走査電極が配列された方向に分割された複数の放電監視領域ごとに判別し、放電が行われていない前記放電監視領域に位置する前記受信電極からの応答信号による電極交点ごとの検出データに基づいてタッチ位置を求めることを特徴とする請求項2に記載のタッチパネル装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記プラズマディスプレイパネルでアドレス放電が行われる順序を前記放電監視領域ごとに判別し、このアドレス放電の順序が最初となる前記放電監視領域でアドレス放電が終了したことを検知すると、アドレス放電の順序にしたがって前記放電監視領域内の受信電極を順次選択するスキャン動作を実行することを特徴とする請求項3に記載のタッチパネル装置。
【請求項5】
前記放電検知手段は、前記走査電極が配列された方向に複数並べて設けられたアンテナを備えたことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載のタッチパネル装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載のタッチパネル装置を、プラズマディスプレイパネルの前面に備えたことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項1】
互いに並走する複数の送信電極および互いに並走する複数の受信電極が格子状に設けられて、プラズマディスプレイパネルの前面に配置されるパネル本体と、
前記送信電極を順次選択して駆動信号を印加する送信部と、
前記受信電極を順次選択して前記駆動信号に応じて前記受信電極から出力される応答信号を受信して電極交点ごとの検出データを出力する受信部と、
前記受信部から出力される電極交点ごとの検出データに基づいてタッチ位置を求める制御部と、を備え、
前記受信電極は、前記プラズマディスプレイパネルの走査電極と平行する方向に配置されたことを特徴とするタッチパネル装置。
【請求項2】
前記プラズマディスプレイパネルの放電を検知する放電検知手段を備え、
前記制御部は、前記放電検知手段の検知結果に基づいて、前記走査電極で行われる放電の有無を判別し、放電が行われている前記走査電極から離間した位置にある前記受信電極からの応答信号による電極交点ごとの検出データに基づいてタッチ位置を求めることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記放電検知手段の検知結果に基づいて、前記走査電極で行われる放電の有無を、前記走査電極が配列された方向に分割された複数の放電監視領域ごとに判別し、放電が行われていない前記放電監視領域に位置する前記受信電極からの応答信号による電極交点ごとの検出データに基づいてタッチ位置を求めることを特徴とする請求項2に記載のタッチパネル装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記プラズマディスプレイパネルでアドレス放電が行われる順序を前記放電監視領域ごとに判別し、このアドレス放電の順序が最初となる前記放電監視領域でアドレス放電が終了したことを検知すると、アドレス放電の順序にしたがって前記放電監視領域内の受信電極を順次選択するスキャン動作を実行することを特徴とする請求項3に記載のタッチパネル装置。
【請求項5】
前記放電検知手段は、前記走査電極が配列された方向に複数並べて設けられたアンテナを備えたことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載のタッチパネル装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載のタッチパネル装置を、プラズマディスプレイパネルの前面に備えたことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−226423(P2012−226423A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90985(P2011−90985)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【特許番号】特許第4944998号(P4944998)
【特許公報発行日】平成24年6月6日(2012.6.6)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【特許番号】特許第4944998号(P4944998)
【特許公報発行日】平成24年6月6日(2012.6.6)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]