説明

タッチパネル部材

【課題】 本発明は、基材フィルムの一方面と他方面の両面に粘着層を形成したタッチパネル部材における反りや歪みの発生を効果的に抑制する。
【解決手段】 タッチパネル部材1が、基材フィルム2を備えるとともに、該基材フィルム2の一方面上に第1の透明電極層3aと第1の粘着層4aとをこの順に積層し、前記基材フィルム2の他方面上に第2の透明電極層3bと第2の粘着層4bとをこの順に積層して構成される。このとき、第1の粘着層4aと第2の粘着層4bは、互いに同種の樹脂組成物から形成され、第1の粘着層4aの厚み(E1)を第2の粘着層4bの厚み(E2)で除して得られる厚み比(E1/E2)が、0.9以上1.1以下とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル部材に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネル付き表示装置は、それ単独で使用されるほか、様々な物品に組み込まれて様々な用途で使用される。例えば、タッチパネル付き表示装置は、携帯電話などの携帯端末の表示部や、パーソナルコンピュータの表示部として組み込まれる装置の用途で使用される。
【0003】
タッチパネル付き表示装置は、液晶表示装置や有機EL(Electro−Luminescence)表示装置等の表示装置における表示部の表示面上にタッチパネル部材を取り付けて形成される。タッチパネル部材の取り付けは、表裏両面に粘着層を形成したタッチパネル部材を準備しておき、タッチパネル部材の一方面側を表示部の表示面上に貼り付けることで実施される。なお、タッチパネル部材の他方面側には、ガラス材などの表面材が貼り付けられる。
【0004】
タッチパネル付き表示装置では、操作者がタッチパネル部材における位置検出用エリア内の所定部分にタッチすると、そのタッチ位置が検出される。その位置検出方式としては、抵抗膜方式や、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式などの静電容量方式)など様々な方式が提案されている。
【0005】
位置検出方式の多様化に応じ、タッチパネル付き表示装置に取り付けられるタッチパネル部材として、様々な部材が提案されている。タッチパネル部材として、基材フィルムの一方面側に透明電極層を形成したフィルム材を2枚準備して貼り合せしてなる構造を有する片面型タッチパネル部材が提案されている。
【0006】
ところが、タッチパネル付き表示装置の高機能化・軽量化の要請にともない、その薄型化が要請されており、タッチパネル部材についても薄型化が強く要請されている。
【0007】
そこで、基材フィルムの両面に透明電極層を積層したフィルム材でなる構造を有する両面型タッチパネル部材が提案されている(特許文献1,2)。従前の片面型タッチパネル部材を形成するために基材フィルムを2枚も要していたのに対して、両面型タッチパネル部材では、その形成のために、基材フィルムを1枚要することとなり、タッチパネル部材の大幅な薄厚化が実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−72581号公報
【特許文献2】特開2010−72584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1、2に記載されるような両面型タッチパネル部材は、透明電極層を1枚の基材フィルムに形成してなるものであるため、片面型タッチパネル部材よりも可撓性が大きくなる傾向がある。また、そのような両面型タッチパネル部材を用いてタッチパネル付き表示装置を製造する場合、両面に粘着層を形成した両面型タッチパネル部材が用いられる。ここで、粘着層には内部応力が残存していることが多い。すると、両面に粘着層を形成した両面型タッチパネル部材には反りや歪みが生じる虞が極めて高くなってしまう。このため、両面型タッチパネル部材を用いてタッチパネル付き表示装置を製造しようとしても、両面型タッチパネル部材の反りや歪みによって、表示装置の表示面と両面型タッチパネル部材との効果的な接着が抑制されてしまう虞がある。
【0010】
本発明は、基材フィルムの一方面と他方面の両面に粘着層を形成したタッチパネル部材における反りや歪みの発生を効果的に抑制することを目的とし、さらに、反りや歪みの発生を抑制されたタッチパネル付き表示装置を提供可能なタッチパネル部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、(1)基材フィルムを備えるとともに、該基材フィルムの一方面上に第1の透明電極層と第1の粘着層とをこの順に積層し、前記基材フィルムの他方面上に第2の透明電極層と第2の粘着層とをこの順に積層しており、
第1の粘着層と第2の粘着層は、互いに同種の樹脂組成物から形成されており、
第1の粘着層の厚み(E1)を第2の粘着層の厚み(E2)で除して得られる厚み比(E1/E2)が、0.9以上1.1以下である、ことを特徴とするタッチパネル部材、
(2)第1の粘着層と第2の粘着層は、それぞれ基材フィルムの片面側の一部の領域上に形成されており、
タッチパネル部材の平面視上、第1の粘着層の形成領域と第2の粘着層の形成領域は、互いに重なりあっている、上記(1)に記載のタッチパネル部材、を要旨とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、反りや歪みの発生を効果的に抑制されたタッチパネル部材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(1A)本発明のタッチパネル部材の一実施例を模式的に示す平面模式図である。(1B)図1AのA−A線縦断面の状態を模式的に示す断面模式図である。(1C)本発明のタッチパネル部材の一実施例を模式的に示す底面模式図である。
【図2】(2A)本発明のタッチパネル部材の一実施例において、金属配線を設けた例を模式的に示す平面模式図である。(2B)本発明のタッチパネル部材の一実施例において、金属配線を設けた例を模式的に示す底面模式図である。
【図3】(3A)本発明のタッチパネル部材の一実施例において、密着性向上層を設けた例を模式的に示す断面模式図である。(3B)本発明のタッチパネル部材の一実施例において、アンダーコート層と密着性向上層を設けた例を模式的に示す断面模式図である。(3C)本発明のタッチパネル部材の一実施例において、アンダーコート層と密着性向上層と保護フィルムを設けた例を模式的に示す断面模式図である。(3D)本発明のタッチパネル部材の一実施例において、粘着層の大きさを変更した例を模式的に示す断面模式図である。
【図4】(4A)本発明のタッチパネル部材の他の一実施例を模式的に示す平面模式図である。(4B)本発明のタッチパネル部材の他の一実施例を模式的に示す底面模式図である。
【図5】(5A)本発明のタッチパネル部材の製造工程を模式的に示す工程断面図である。(5B)本発明のタッチパネル部材の製造工程を模式的に示す工程断面図である。(5C)本発明のタッチパネル部材の製造工程を模式的に示す工程断面図である。(5D)本発明のタッチパネル部材の製造工程を模式的に示す工程断面図である。(5E)本発明のタッチパネル部材の製造工程を模式的に示す工程断面図である。
【図6】本発明のタッチパネル部材を用いたタッチパネル付き表示装置の概略分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[タッチパネル部材1]
本発明のタッチパネル部材1は、基材フィルム2と透明電極層3と粘着層4の積層構造を有する。図1AからCに示すように、タッチパネル部材1は、基材フィルム2の一方面上に第1の透明電極層3aと第1の粘着層4aとをこの順に積層し、基材フィルム2の他方面上に第2の透明電極層3bと第2の粘着層4bとをこの順に積層してなる。ただし、説明の都合上、図1A、1Cでは、第1の粘着層4aおよび第2の粘着層4bの記載を省略している。また、単なる説明の便宜上、基材フィルム2の面のうち、第1の粘着層4aの積層面側を表面側とし、第1の粘着層4bの積層面側を底面側とすることがある。
【0015】
(基材フィルム2)
基材フィルム2は、光透過可能な絶縁性フィルムであれば特に限定されることなく適宜選択可能である。基材フィルム2としては、例えば、ポリメチルメタクリレート等のアクリル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、もしくはシンジオタクティック・ポリスチレン等、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、もしくはポリエーテルニトリル等、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリシクロヘキセン、もしくはポリノルボルネン系樹脂等、または、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、もしくは熱可塑性ポリイミド等からなるフィルムを挙げることができる。
【0016】
基材フィルム2の厚みは、適宜選択可能である。基材フィルム2は、タッチパネル部材1の全厚みを薄くしつつもタッチパネル部材1の製造工程時における基材フィルム2の取り扱いの容易性を維持する観点で、厚みが20μm以上200μm以下程度のものを好ましく用いられることが多い。
【0017】
(透明電極層3)
透明電極層3は、光透過性を有する層であり且つ導電性材料からなる層である。導電性材料としては、例えば、インジウム錫オキサイド(ITO)、酸化インジウム、インジウム亜鉛オキサイド(IZO)、酸化錫(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電性金属酸化物、ポリアニリン、ポリアセチレン等の導電性高分子等を挙げることができる。透明電極層3の厚みは、適宜選択可能である。透明電極層3は、透明性の確保と製膜性の点で、その厚みを15nm以上500nm以下程度とされることが好ましく選択される。
【0018】
(第1の透明電極層3aと第2の透明電極層3b)
タッチパネル部材1には、上記したように、透明電極層3として、第1の透明電極層3aと第2の透明電極層3bが形成される。
【0019】
第1の透明電極層3aと第2の透明電極層3bは、互いに同種の導電性材料からなる層であってもよいし、互いに異種の導電性材料からなる層であってもよい。第1の透明電極層3aと第2の透明電極層3bは、タッチパネル部材1の平面視上、基材フィルム2の面内に設定された位置検出用エリア、すなわち図1中、タッチパネル部材1において破線で囲まれた所定の部分で特定される領域Rで区画される部分である位置検出用エリア形成部40の上に形成されればよい。なお、位置検出用エリアRは、タッチパネル部材1においてタッチ位置の検出可能なエリアを構成する部分として設定され、図1,図2の例,および後述の図4の例では、タッチパネル部材1において長方形状の領域として形成されているが、設計仕様に応じて適宜設定可能である。
【0020】
第1の透明電極層3aと第2の透明電極層3bは、同じ厚みであっても異なっていてもよい。
【0021】
ただし、第1の透明電極層3aと第2の透明電極層3bは、互いに同種の導電性材料からなる層であると、タッチパネル部材1の反りや歪みの発生をより効果的に抑制できる観点で、好ましい。また、この観点からは、第1の透明電極層3aと第2の透明電極層3bの厚みについて、第1の透明電極層3aと第2の透明電極層3bの厚みの比が0.9以上1.1以下であることが好ましく、1であること、すなわち第1の透明電極層3aと第2の透明電極層3bが同じ厚みであることがより好ましい。
【0022】
第1の透明電極層3aと第2の透明電極層3bの形成領域については、いずれも少なくとも基材フィルム2のうちの位置検出用エリア形成部40上には形成される。
【0023】
第1の透明電極層3aと第2の透明電極層3bの形成パターンについては、適宜設定されてよいが、図1Aから1Cの例では、第1の透明電極層3aは、短冊状の電極片である第1電極片31の層を長手方向の向きをそろえつつ位置検出用エリア形成部40の短手方向に所定間隔をあけて配設して形成されており、第2の透明電極層3bは、短冊状の電極片である第2電極片32の層を長手方向の向きをそろえつつ位置検出用エリア形成部40の長手方向に所定間隔をあけて配設して形成されている。このとき、第1電極片31の長手方向と第2電極片32の長手方向とが基材フィルム2の平面視上、互いに直交している。
【0024】
なお、第1の透明電極層3aと第2の透明電極層3bの形成パターンは、上記図1の例に限定されず、たとえば、後述するような電極素片と連結材を有して図4A、図4Bに示すようなパターンで形成されてもよい。図4A、図4Bの例の場合、第1の透明電極層3aを形成する第1電極片31は、複数の電極素片33を一列に並べられて形成される。電極素片33は、ひし形の電極素片33aと、三角形状の電極素片33bとで構成され、電極素片33bは、第1電極片31の長手方向両端に頂角を内側に向けて配置される。ひし形の電極素片33aは、第1電極片31の長手方向両端にある電極素片33bの間に配置される。第2の透明電極層を形成する第2電極片32は、複数の電極素片34を一列に並べられて形成される(図4B)。電極素片34は、ひし形の電極素片34aと、三角形状の電極素片34bとで構成され、電極素片34bは、三角形状の形状を呈しており、第2電極片32の長手方向両端に頂角を内側に向けて配置される。ひし形の電極素片34aは、第2電極片32の長手方向両端にある電極素片34bの間に配置される。個々の第1電極片31、個々の第2電極片32において、隣り合う電極素片33同士、隣り合う電極素片34同士は、それぞれ導電性材料からなる連結材35,36で電気的に接続される。
【0025】
(粘着層4)
粘着層4は、図1Bに示すように、透明電極層3よりも基材フィルム2から離れた位置すなわち基材フィルム2の厚さ方向にて内外方向を想定した場合に外側に配置されて、透明電極層3を覆っている。図1Bに示す例では、タッチパネル部材1には、粘着層4として、第1の粘着層4aと第2の粘着層4bが形成され、それぞれ第1の透明電極層3a、第2の透明電極層3bを覆っている。
【0026】
粘着層4は、光を透過可能なものを適宜選択されてよい。具体的に、粘着層4を構成する組成物としては、樹脂組成物を適宜選択可能であるが、樹脂組成物としては、アクリル酸、アクリル酸アルキル、メタクリル酸、メタクリル酸アルキルなどの化合物をモノマー単位(モノマー化合物)とする重合体(架橋重合体を含む)や、天然ゴムなどのポリマー化合物を挙げることができ、これらを適宜組み合わせたものが用いられてもよい。樹脂組成物は、波長400nm以上700nm以下の可視光の透過率に優れた粘着層4を形成可能な光透過性粘着剤の硬化物であることが好ましく、光透過性という観点で、アクリル酸アルキルを主成分とする粘着剤の硬化物であることが好ましい。なお、粘着剤において、ある成分(成分A)を主成分とするとは、溶媒を除く粘着剤に含まれる成分のうち、成分Aの含有量が、他の成分よりも多い状態であることを示すものとする。粘着剤には、ポリマー化合物のほか、架橋剤や、さらに、そのほかにも本発明の効果を害しない程度で、各種の添加剤が適宜含まれてよい。添加剤としては、粘着層4とガラス材などの無機材料との密着性向上の点でシランカップリング剤などを好ましく用いることができる。
【0027】
また、粘着層4と透明電極層3とが接触しても、第1電極片31同士の絶縁性、および、第2電極片32同士の絶縁性がより効果的に維持されるために、粘着層4としては、吸水率がより低いものが好ましく、酸の混在がより抑制されたものが好ましい。
【0028】
粘着層4が、ポリマー化合物と架橋剤との架橋重合体で構成される場合、架橋剤としては、架橋重合体に粘着性を持たせることができるものであれば特に限定されず、適宜、化合物を採用可能であり、例えば、イソシアネート基やエポキシ基を有する化合物を含む架橋剤(イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤)などを適宜使用することができる。
【0029】
(第1の粘着層4aと第2の粘着層4bの構成)
第1の粘着層4aと第2の粘着層4bは、互いに同種の樹脂組成物から形成されている。なお、同種の樹脂組成物から形成されるとは、樹脂組成物のポリマー化合物の分子構造および平均分子量を互いに同じくするような関係にあることを示す。
【0030】
(第1の粘着層4aと第2の粘着層4bの厚み)
第1の粘着層4aと第2の粘着層4bは、第1の粘着層4aの厚み(E1)(mm)を第2の粘着層4bの厚み(E2)(mm)で除して得られる厚み比(E1/E2)が、0.9以上1.1以下であるように形成される。
【0031】
第1の粘着層4aと第2の粘着層4bの厚みは、次のような厚み測定方法を用いて特定される。タッチパネル部材1を、ミクロトーム(ライカ製、EM UC6)を用いて厚さ方向、すなわち基材フィルム2における透明電極層3と粘着層4が設けられた面に略垂直な方向に切断し、露出した断面を、走査型電子顕微鏡(日立ハイテク製、S−4800)で観察し、第1の粘着層4aの断面の状態の観察画像を得る。次に、タッチパネル部材1より任意に5箇所を選び、その5箇所それぞれついて第1の粘着層4aにあたる層の厚み値を測定し、それらの値の平均値を第1の粘着層4aの厚みとする。これにより、第1の粘着層4aの厚みが特定される。第2の粘着層4bについても、第1の粘着層4aと同様にして、厚みが特定される。
【0032】
なお、この厚み測定方法は、他の層構造の厚みについても同様に適用でき、他の層構造の厚みを特定することができる。
【0033】
第1の粘着層4aと第2の粘着層4bの厚みは、それぞれ15μm以上200μm以下であることが好ましく、15μm以上100μm以下がより好ましい。ここで、基材フィルム2上に透明電極層3が所定のパターンで形成されると、そのパターンに応じて基材フィルム2と透明電極層3の積層体の表面に所定の段差が生じうる。この点、第1の粘着層4aと第2の粘着層4bの厚みが15μm以上であると、第1の粘着層4aと第2の粘着層4bが、段差の緩衝作用を発揮して、タッチパネル部材1を後述の表示部50や表面材51などの被着体に対して、より満遍なく粘着させることができるようになる。なお、第1の粘着層4aと第2の粘着層4bの厚みが、200μmを超えると、タッチパネル部材1全体の厚みが厚くなりすぎる虞があるうえ、製造コストが高くなる虞が大きくなる。
【0034】
(第1の粘着層4aと第2の粘着層4bの配置)
第1の粘着層4aと第2の粘着層4bは、それぞれ、図1に示すように基材フィルム2の片面側の全面領域上に形成されていてもよいし、図3Dに示すように基材フィルム2面の一部の領域上に形成されていてもよい。
【0035】
第1の粘着層4aと第2の粘着層4bは、タッチパネル部材1の平面視上、位置検出用エリア形成部40を覆うように形成されていればよい。したがって、位置検出用エリア形成部40が、基材フィルム2の一部で構成される場合、第1の粘着層4aと第2の粘着層4bは、それぞれ基材フィルム2の片面内の一部の領域の上に形成されうることになる。ただし、第1の粘着層4aと第2の粘着層4bが、それぞれ基材フィルム2の片面内の一部の領域上に形成される場合、図3Dに示すようにタッチパネル部材1の平面視上、第1の粘着層4aの形成領域と第2の粘着層4bの形成領域は、互いに重なりあっていることが好ましい。その場合、第1の粘着層4aから基材フィルム2の一方面に作用する力と、第2の粘着層4bから基材フィルム2の他方面に作用する力との均衡がとられ、タッチパネル部材1の反りや歪みの発生がより効果的に抑制される。
【0036】
本発明のタッチパネル部材1には、上記したような基材フィルム2と透明電極層3と粘着層4のほか、次に示すような層構造が適宜設けられてもよい。
【0037】
(金属配線5)
図2A、図2Bに示すようにタッチパネル部材1には、金属配線5が設けられてもよい。金属配線5は、透明電極層3に対して電気的に接続されて配設される。金属配線5は、タッチパネル部材1の平面視上、透明電極層3の端縁位置、すなわち図2の例では、電極片の長手方向端縁位置から、位置検出用エリアRの外側に向かって延びるように基材フィルム2面上に形成され、透明電極層3の形成パターンに応じて適宜のパターンで配設される。
【0038】
金属配線5を構成する材料としては、細線化が容易である点と低抵抗化が容易である点から、金属物質が好ましく用いられる。金属配線5を構成する金属物質としては、金属単体や、金属の複合体や、金属と金属化合物の複合体のほか、金属合金を挙げることができる。金属単体としては、銀、金、銅、クロム、プラチナ、アルミニウムの単体などを例示することができる。金属の複合体としては、MAM(Mo−Al−Mo、すなわちモリブデン・アルミニウム・モリブデンの3層構造体)などを挙げることができ、金属と金属化合物の複合体としては、酸化クロム/クロム積層体などを例示することができる。金属合金としては、銀合金や銅合金が汎用される。また、金属合金としては、APC(Au・Pd・Cu、すなわち銀・パラジウム・銅)などを例示することができる。なお、金属配線5には、上記したような金属物質に適宜樹脂組成物が混在してもよい。
【0039】
タッチパネル部材1に金属配線5が設けられていると、透明電極層3から金属配線5を通じてタッチパネル部材1の外部へと電圧や電流などの電気的情報を効率的に伝えることが容易となる。
【0040】
なお、金属配線5と透明電極層3との接続構造については、透明電極層3に金属配線5を直接に接続してなる構造でもよいが、図2A,2B、図4A、図4Bに示すように透明電極層3に一体的に形成される接続部16を介して金属配線5と透明電極層3との接続構造が形成されてもよい。すなわち、透明電極層3を構成する導電材料を用い、透明電極層3の端部から位置検出用エリアRの外側に導電性材料の層を延設して接続部16となし、その接続部16上に金属配線5の少なくとも一部を重ねる。このように構成することで、金属配線5と透明電極層3との接続を確実にしつつ、金属配線5が位置検出用エリアR内に入り込むことを効果的に規制することが可能となる。なお、図4Aに示すように接続部16は、金属配線5の形成パターンに対応するパターンで形成されてもよい。この場合、接続部16上に金属配線5の全部を重ねることができる。
【0041】
(密着性向上層6)
タッチパネル部材1には、図3Aに示すように密着性向上層6が基材フィルム2と透明電極層3の間に配設されてもよい。密着性向上層6は、タッチパネル部材1において透明電極層3の密着性を向上させる効果をもたらしうる。密着性向上層6としては、二酸化ケイ素(SiO)の膜などを挙げることができる。密着性向上層6として二酸化ケイ素の膜が用いられると、密着性向上層6を、透明電極層3のパターンを見えにくくするための不可視化層として機能させることができる。密着性向上層6の厚みは、適宜選択可能であるが、密着性向上層6に不可視化層としての機能を効果的に発揮させる観点では、15nm以上500nm以下であることが好ましい。
【0042】
(アンダーコート層7)
タッチパネル部材1には、アンダーコート層7が、基材フィルム2と透明電極層3の間に配設されてもよい。アンダーコート層7は、図3Bに示すようにタッチパネル部材1に密着性向上層6を設ける場合には、基材フィルム2と密着性向上層6の間に配設される。ここで、PETフィルムなどの基材フィルム2には熱可塑性材料などが含まれていることがあるが、このような熱可塑性材料は、経時的に基材フィルム2から外部に染み出してくることがある(以下、「ブリードアウト」とも言う)。この点、基材フィルム2上にアンダーコート層7が形成されていることで、ブリードアウトの発生を抑止することができる。アンダーコート層7としては、アクリル樹脂を挙げることができる。アンダーコート層7の厚みは適宜選択可能であるが1μm以上100μm以下であることが好ましい。
【0043】
密着性向上層6やアンダーコート層7は、図3A,図3Bに示すように、基材フィルム2と第1の透明電極層3aの間と、基材フィルム2と第2の透明電極層3bの間の両方に設けられていることが、タッチパネル部材1の反りや歪みの発生を抑制する点で好ましい。また、その場合、密着性向上層6やアンダーコート層7の厚みは、基材フィルム2と第1の透明電極層3aの間に設けられるもの、基材フィルム2と第2の透明電極層3bの間に設けられるもの、の両方ともに同じ厚みであることが、やはりタッチパネル部材1の反りや歪みの発生を抑制する点で好ましい。
【0044】
(保護フィルム8)
図3Cに示すようにタッチパネル部材1には、粘着層4の外側露出面上に、保護フィルム8が取り付けられていてもよい。
【0045】
保護フィルム8は、光透過性を有するフィルム材であればよく、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ノルボルネン樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂などの透明樹脂をシート状に成形することで得られる。このとき、透明樹脂の成形方法としては、公知の成形方法を選択可能であり、具体的に、溶融押し出し法、溶融延伸法、溶剤キャスト法、フュージョン法、ロール熱延伸法、一軸延伸法、二軸延伸法などの方法を用いることができる。
【0046】
保護フィルム8は、厚みを限定されないが、20μm以上500μm以下であることが、保護フィルム8を粘着層4面へ貼り付ける際の取り扱いが容易である点で、好ましい。
【0047】
保護フィルム8としては、少なくとも一方の面を、粘着層4に対して剥離性を有する面としているものを用いることが好ましく、具体的に、セパレートフィルムを適宜用いることができる。保護フィルム8がセパレートフィルムである場合、タッチパネル部材1を後述の表示部50に貼り付けるまで、粘着層4の表面が露出しないように保護フィルム8で粘着層4を被覆することができる。具体的に、タッチパネル部材1に保護フィルム8が貼りつけられていることで、タッチパネル部材1の輸送時に誤ってタッチパネル部材1同士が互いに貼りついてしまう虞が抑制され、また、タッチパネル部材1を表示部に貼り付ける際に、使用者がタッチパネル部材1を把持しても使用者の手が粘着層4に付きにくく、粘着層4表面が使用者によって汚染されてしまう虞が抑制される。
【0048】
保護フィルム8は、タッチパネル部材1の表裏両面に形成される第1の粘着層4aおよび第2の粘着層4bのいずれに対しても貼り付けられていることが好ましく、その場合、第1の粘着層4aおよび第2の粘着層4bのいずれに対しても同種の透明樹脂からなる保護フィルム8が取り付けられていることが、タッチパネル部材の反りの発生を抑制する観点から好ましく、また、同じ観点で、第1の粘着層4aおよび第2の粘着層4bのいずれに対しても同厚みの保護フィルム8が取り付けられていることが好ましい。なお、保護フィルム8が、タッチパネル部材1の表裏両面に形成される第1の粘着層4aおよび第2の粘着層4bのいずれに対しても貼り付けられている場合、少なくともいずれか一方の粘着層4に貼り付けられる保護フィルム8としては、セパレートフィルムを好ましく用いることができる。
【0049】
[タッチパネル部材に適用される位置検出方式]
上記のように構成されるタッチパネル部材1は、抵抗膜方式や、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式などの静電容量方式など様々な位置検出方式のタッチパネル用の部材として使用可能なものである。こうした位置検出方式を用いた位置検出は、位置検出を行なう公知の回路部材を金属配線に電気的に接続して適宜実現可能である。
【0050】
次に、タッチパネル部材1の製造方法について説明する。
【0051】
[タッチパネル部材1の製造方法]
タッチパネル部材1の製造方法は、基材フィルム2上に透明電極層3を形成する工程(以下、「透明電極層形成工程」とも言う)と、透明電極層3の上に粘着層4を形成する工程(以下、「粘着層形成工程」とも言う)とを備えてなる。
【0052】
(前処理)
基材フィルム2を準備する。透明電極層形成工程の前に、必要に応じて、基材フィルム2上には、アンダーコート層7や密着性向上層6を形成していてもよい。アンダーコート層7や密着性向上層6の形成には、公知の方法が適宜用いられてよい。
【0053】
(透明電極層形成工程)
図5Aに示すように、第1導電膜9を、基材フィルム2の一方面20a上に一面形成し、第2導電膜10を、基材フィルム2の他方の面20b上に一面形成する。第1導電膜9と第2導電膜10の形成は、例えば次のようにスパッタリングを用いて実現することができる。
【0054】
第1の透明電極層3aを構成する導電性材料Aと、第2の透明電極層3bを構成する導電性材料Bとを準備し、導電性材料Aを基材フィルム2の面20のうち一方面20a上に、導電性材料Bを基材フィルム2の他方面20b上に、それぞれスパッタリングする。スパッタリングには公知のスパッタリング装置を適宜用いることができる。これにより、第1導電膜9、第2導電膜10が一面形成される。そして、基材フィルム2の一方面と他方面にそれぞれ第1導電膜9、第2導電膜10を形成してなる積層体11が得られる。なお、導電性材料Aと導電性材料Bは、第1の透明電極層3aと第2の透明電極層3bに応じて定められるため、互いに同種の材料あっても異種の材料であってもよい。
【0055】
積層体11を用い、第1導電膜9上および第2導電膜10上に、それぞれ感光性材料を塗工して感光性膜として第1感光性膜12、第2感光性膜13を形成する。これにより、感光性膜付積層体14が得られる。感光性材料としては、フォトリソグラフィー法を実施する際に使用可能なポジ型レジスト材料、ネガ型レジスト材料などが、適宜選択されてよい。
【0056】
ここでは感光性材料がネガ型レジスト材料である場合を例として説明を続ける。フォトマスク15として、第1の透明電極層3aの形成パターンに対応した所定のパターンを有する第1フォトマスク15aと、第2の透明電極層3bの形成パターンに対応した所定のパターンを有する第2フォトマスク15bとを準備する。第1フォトマスク15a、第2フォトマスク15bは、それぞれ第1の透明電極層3a、第2の透明電極層3bの形成部分に対応する部分を光透過可能としてパターンを形成されている。
【0057】
図5Bに示すように、第1フォトマスク15aを感光性膜付積層体14の第1感光性膜12上の所定位置に配置し、第2フォトマスク15bを感光性膜付積層体14の第2感光性膜13上の所定位置に配置する。この状態で、図5B中、矢印Lに示すように、フォトマスク15の外側位置から第1感光性膜12および第2感光性膜13に向かって、感光性膜付積層体14の両側に所定波長の光を照射し、第1感光性膜12および第2感光性膜13を同時に露光する(以下、「露光処理」とも言う)。照射光は、紫外線光など、感光性材料の特性に応じて適宜定められる。露光処理では、第1感光性膜12および第2感光性膜13のうち光が照射された部分は硬化部となり、硬化部を除く部分は未硬化部となる。
【0058】
露光処理の後、フォトマスク15を取り除き、第1感光性膜12および第2感光性膜13を現像する(以下、「現像処理」とも言う)。現像処理の際には、第1感光性膜12および第2感光性膜13のうちの未硬化部が取り除かれる。このように、いわゆるフォトリソグラフィー法を用いることで、図5Cに示すように、第1感光性膜12および第2感光性膜13は、それぞれ第1の透明電極層3a、第2の透明電極層3bの形成パターンに応じてパターニングされる。この場合、感光性膜付積層体14は、第1導電膜9および第2導電膜10のうち、第1の透明電極層3aおよび第2の透明電極層3bの非形成部分に対応する部分が露出した状態となる。
【0059】
さらに、図5Dに示すように、第1感光性膜12および第2感光性膜13をパターニングされた感光性膜付積層体14に対して、エッチングを施す。エッチングは、感光性膜付積層体14の両面について実施される。これにより、第1導電膜9のうち、第1感光性膜12で覆われていない部分、すなわち露出した部分がエッチング除去され、第1導電膜9が、第1感光性膜12の形成パターンに応じてパターニングされることとなる。一方、第2導電膜10については、第2導電膜10のうち、第2感光性膜13で覆われていない部分、すなわち露出した部分がエッチング除去され、第2導電膜10が、第2感光性膜13の形成パターンに応じてパターニングされることとなる。そして、エッチングの実施後、更に感光性膜付積層体14の感光性膜を剥離する処理(以下、「剥離処理」とも言う)を施し、感光性膜付積層体14から第1感光性膜12および第2感光性膜13を除去する。剥離処理は、強アルカリ溶液や有機溶媒など公知の感光性樹脂の剥離液で感光性膜付積層体14を洗浄することなどといった公知方法を適宜用いることができる。こうして、図5Eに示すように、基材フィルム2の一方面上に、所定のパターンにてパターニングされた第1導電膜9が形成されて、第1の透明電極層3aをなし、基材フィルム2の他方面上には、所定のパターンにパターニングされた第2導電膜10が形成されて、第2の透明電極層3bをなし、積層体17が形成される。
【0060】
(粘着層形成工程)
粘着層形成工程では、第1の透明電極層3a、第2の透明電極層3b上にそれぞれ第1の粘着層4a、第2の粘着層4bを形成する。これは、例えば次のように実現できる。第1の粘着層をなす粘着剤層を剥離性のフィルム材上に形成して粘着剤層を露出させている第1粘着フィルムを準備する。ついで、その第1粘着フィルムを、粘着剤層の露出面側を第1の透明電極層3aに対面させて貼り合わせ、フィルム材を粘着剤層から剥離して取り除く。また、第2の粘着層をなす粘着剤層を剥離性のフィルム材上に形成して第2の粘着層を露出させている第2粘着フィルムを準備する。ついで、その第2粘着フィルムを、粘着剤層の露出面側を第2の透明電極層3bに対面させて貼り合わせ、フィルム材を粘着剤層から剥離して取り除く。このとき、第1の透明電極層、第2の透明電極層上に積層された粘着剤層は、それぞれ第1の粘着層4a、第2の粘着層4bをなし、タッチパネル部材1が製造される。なお、タッチパネル部材1は、フィルム材を貼り付けた状態のものであってもよい。この場合、フィルム材が、保護フィルム8をなすことになる。
【0061】
上記に説明した製造方法において、露光処理では、第1感光性膜12および第2感光性膜13が同時に露光される(以下、「両面同時露光」とも言う)。このような両面同時露光を実施するにあたっては、第1フォトマスク15aおよび第2フォトマスク15bのそれぞれにアライメントマークが設けられていることが好ましい。アライメントマークが設けられていると、第1フォトマスク15aおよび第2フォトマスク15bのそれぞれに設けられたアライメントマークの位置を合わせることで、第1フォトマスク15aおよび第2フォトマスク15bを、極めて精度良く所定の位置に配置させることができる。
【0062】
(金属配線5を設けたタッチパネル部材の製造方法)
また、タッチパネル部材1に金属配線5が形成される場合には、透明電極層形成工程の前後、あるいは、透明電極層形成工程と一緒に、金属配線5を形成するための工程(以下、「金属配線形成工程」とも言う)が実施される。
【0063】
金属配線形成工程は、基材フィルム2の上に金属配線5をパターン形成する工程であり、透明電極層形成工程と同様の方法にて実施されうる。すなわち、スパッタリングにより金属配線を構成する金属物質からなる膜を基材フィルム2の上、あるいは、積層体17の上に一面ベタに形成して、金属物質膜を形成する。その後、金属物質膜上に感光性材料を塗工して、塗工膜を形成し、フォトリソグラフィー法により塗工膜をパターニングする。すなわち、塗工膜の上に所定パターンのフォトマスクを配置し、フォトマスクを介して塗工膜に向けた露光を行ない、さらに塗工膜の現像を実施する。感光性材料が上記したネガ型レジスト材料である場合、フォトマスクは、金属配線の形成部分に対応した部分を光透過可能にして構成される。そして、塗工膜の現像後においては、金属配線の非形成部分に対応する金属物質膜の部分については露出され、金属配線の形成部分に対応した金属物質膜の部分は塗工膜で被覆された状態となる。この状態で、金属物質膜の露出部分をエッチング除去する。エッチングの後、残った塗工膜が剥離処理にて取り除かれる。こうして、金属物質膜がパターニングされ、金属配線がパターン形成される。フォトリソグラフィー法によれば、寸法が30μ以下程度という比較的に細かなパターンをパターニングすることも可能である。
【0064】
金属配線の形成方法は、上記のようなフォトリソグラフィー法を用いた方法に限定されず、印刷法、特にスクリーン印刷法も有効に採用可能である。スクリーン印刷法は、一般的に、露光処理や現像処理が不要であるうえフォトマスクの準備が不要であり、低コストで金属配線を形成することが可能な方法である。また、印刷法は、現像処理を不要とすることができる方法であることから、現像処理に使用した現像液の処理を不要とすることができる方法であり、環境面からの利点が大きい方法である。ただし、この方法を用いる場合、金属配線は、金属と樹脂組成物との混合体として形成されうる。
【0065】
タッチパネル部材1は、次に示すようにタッチパネル付き表示装置に組み込んで使用することができる。
【0066】
[タッチパネル付き表示装置]
タッチパネル付き表示装置100は、図6に示すように表示部50とタッチパネル部材1とを備えてなる。タッチパネル付き表示装置100としては、液晶ディスプレイ装置や、有機ELディスプレイ装置などの表示装置を挙げることができる。なお、説明の都合上、図6では、透明電極層3の記載を省略している。
【0067】
表示部50は、表示面50aを有する。表示部50としては、具体的に、液晶パネルや、有機ELパネルなどを挙げることができる。表示面50aとしては、例えば、液晶パネルや有機ELパネルなどの表示画面をなす領域を挙げることができる。
【0068】
タッチパネル部材1は、その一方の粘着層4側、すなわち図6の例では、粘着層4aを表示部50の表示面50aに向かい合わせにして表示面50a上に配置され、表示部50の表示面50a上の所定位置に貼り付けられる。図6では、タッチパネル部材1の位置検出用エリアRが表示面50aの真上に位置するように位置あわせされる。タッチパネル部材1の他方側の粘着層4、すなわち図6の例では、粘着層4bには、表面材51が貼り付けられる。表面材51は、表示部50に応じて適宜選択可能であり、ガラス材や偏光板などを適宜選択されてよい。こうして、タッチパネル付き表示装置100が形成される。なお、ここでは、タッチパネル付き表示装置100が粘着層4aを表示部50に貼り付け、粘着層4bに表面材51を貼り付けられて構成されたが、これに限定されず、粘着層4bを表示部50に貼り付け、粘着層4aに表面材51を貼り付けられて構成されてもよい。
【0069】
タッチパネル付き表示装置100は、同種の樹脂組成物から構成された粘着層4a、4bを有するタッチパネル部材1を用いており、粘着層4a、4bの厚みの比率を所定範囲内とされているので、表示部50からタッチパネル部材1に加えられる熱履歴の影響についても、粘着層4a、4bがバランスよく影響を受けることとなる。このため、タッチパネル付き表示装置100では、表示部50による熱履歴によって粘着層4a、4bの一方に強い影響が生じてタッチパネル部材1と表示部50との間で剥離を生じてしまうという虞が、効果的に抑制される。
【0070】
次に、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
【実施例】
【0071】
(基材フィルム)
基材フィルムとして、縦300mm×横400mm、厚さ150μmの矩形のPETフィルム(東レ製、ルミラーT60)を準備した。
【0072】
(アンダーコート層)
アクリレート化合物(4官能アクリレート)(東亞合成株式会社製、アロニックスM405)100質量部、イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)5質量部、をイソブチルアルコールに溶解させた液(以下、「アンダーコート層形成液」とも言う)を準備した。アンダーコート層形成液をバーコート法(K303マルチコーター(松尾産業株式会社製)を使用)により基材フィルムの一方面上に塗布して塗布膜を形成し、塗布膜に波長365nm、照射エネルギー300mJ/mで紫外線を照射して、塗布膜を硬化させることにより、厚さ1μmのアンダーコート層が形成された。アンダーコート層は、基材フィルムの片面側に塗工形成された後、反対面側についても同様にして形成された。
【0073】
(密着性向上層)
基材フィルムの両面にアンダーコート層を形成した積層体を用い、その積層体の両面に二酸化ケイ素(SiO)をスパッタリング(小型スパッタ装置(株式会社アルバック製)を使用)して二酸化ケイ素膜を形成し、これを密着性向上層となした。二酸化ケイ素膜からなる密着性向上層は、積層体の両面いずれの面に形成されているものについても、膜厚みが30nmの層であった。
【0074】
(透明電極層と金属配線)
上記で得られた密着性向上層を積層した積層体(以下、「密着性向上層付積層体」とも言う)を用い、密着性向上層付積層体に対して、更に透明電極層と金属配線を形成した。透明電極層を形成するための導電性材料としては、ITOが準備され、金属配線を形成するための金属物質としては、APCが準備された。なお、このとき、接続部もあわせてパターン形成した。
【0075】
<導電膜と金属物質膜の形成>
密着性向上層付積層体の両面に形成されたそれぞれの密着性向上層の上に、導電性材料の膜を形成することで導電膜として第1導電膜と第2導電膜を形成し、さらに、第1導電膜、第2導電膜のそれぞれの上に金属物質の膜を形成することで金属物質膜を形成した。第1導電膜の厚さ、第2導電膜の厚さは、いずれも30nmであった。また、第1導電膜、第2導電膜いずれの上に形成された金属物質膜についても、膜厚が100nmであった。導電膜と金属物質膜の膜厚は、タッチパネル部材の金属配線に接続されてタッチ位置を検出するための演算を行なう駆動回路の内容などの設計仕様といった諸条件に基づき、予め定められる。
【0076】
<導電膜と金属物質膜のパターニング>
感光性材料としてポジ型レジスト材料(AZマテリアルズ社製)を準備した。密着性向上層付積層体の両面側に形成されたそれぞれの金属物質膜の上にポジ型レジスト材料を塗布して厚さ1.0μmの感光性膜を形成し、感光性膜付積層体を得た。ポジ型レジスト材料の塗布は、カーテンコート法(カーテンコーター(株式会社セリテック製)を使用)により実施された。
【0077】
(第1パターニング)
第1の透明電極層の形成パターンと第1の透明電極層に接続される金属配線の形成パターンの両方をあわせたパターンに対応した所定のパターンを有する第1フォトマスクを準備した。さらに、第2の透明電極層の形成パターンと第2の透明電極層に接続される金属配線の形成パターンの両方をあわせたパターンに対応した所定のパターンを有する第2フォトマスクを準備した。第1フォトマスクは、第1の透明電極層の非形成部分と第1の透明電極層に接続される金属配線の非形成部分に対応した部分を光透過可能に構成している。第2フォトマスクは、第2の透明電極層の非形成部分と第2の透明電極層に接続される金属配線の非形成部分に対応した部分を光透過可能に構成している。
【0078】
透明電極層の形成パターンと金属配線の形成パターンについては、図2に示すパターンを選択した。なお、接続部のパターンは、図4Aに示すような金属配線の形成パターンに対応するパターンとし、接続部と金属配線とが全体に重なり合うような構成とした。
【0079】
なお、第1フォトマスク、第2フォトマスクには、それぞれ感光性膜付積層体との位置関係を指定するアライメントマークが設けられているものを用いた。
【0080】
次に、第1フォトマスクと第2フォトマスクを、間隔をあけて配置するとともに、第1フォトマスクと第2フォトマスクの間に、感光性膜付積層体を、第1フォトマスクと第2フォトマスクの両方のアライメントマークに対して位置あわせしつつ挟み込んだ。第1フォトマスクと第2フォトマスクの外側から感光性膜付積層体の両面に向かって波長365nm、照射エネルギー70mJ/mで紫外線を照射し、露光処理を行った。露光処理の後、感光性膜付積層体を現像液(水酸化カリウム(KOH)水溶液)に浸して、感光性膜付積層体の両面について同時にポジ型レジスト材料の現像処理を行った。このとき、感光性膜のうち、第1の透明電極層の形成部分と第1の透明電極層に接続される金属配線の形成部分に対応した部分とが、感光性膜付積層体の一方面側に残り、第2の透明電極層の形成部分と第2の透明電極層に接続される金属配線の形成部分に対応した部分が、感光性膜付積層体の他方面側に残る。
【0081】
(第1エッチング)
現像処理を施して得られた感光性膜付積層体を用い、感光性膜付積層体の金属物質膜の層および導電膜の層の両層についてエッチングした。エッチングは、感光性膜付積層体の両面に形成された金属物質膜および導電膜について施された。エッチング液には、塩化鉄溶液を用いた。これにより、金属物質膜および導電膜のうち、第1の透明電極層の形成部分と第1の透明電極層に接続される金属配線の形成部分に対応した部分とが、感光性膜付積層体の一方面側に残り、第2の透明電極層の形成部分と第2の透明電極層に接続される金属配線の形成部分に対応した部分が、感光性膜付積層体の他方面側に残る。
【0082】
(第2パターニング)
次に、第1の透明電極層の形成パターンに対応した所定のパターンを有する第3フォトマスクを準備した。さらに、第2の透明電極層の形成パターンに対応した所定のパターンを有する第4フォトマスクを準備した。第3フォトマスクは、第1の透明電極層の形成部分を光透過可能に構成している。第4フォトマスクは、第2の透明電極層の形成部分を光透過可能に構成している。なお、第3フォトマスク、第4フォトマスクには、それぞれ感光性膜付積層体との位置関係を指定するアライメントマークが設けられている。
【0083】
第1フォトマスクと第2フォトマスクにかえて、それぞれ第3フォトマスクと第4フォトマスクを用いたほかは第1パターニングと同様に露光処理と現像処理を実施した。このとき、感光性膜のうち、第1の透明電極層に接続される金属配線の形成部分に対応した部分が、感光性膜付積層体の一方面側に残り、第2の透明電極層に接続される金属配線の形成部分に対応した部分が、感光性膜付積層体の他方面側に残る。
【0084】
(第2エッチング)
第2パターニングを施して得られた感光性膜付積層体を用い、感光性膜付積層体の両面の金属物質膜についてエッチングした。エッチング液には、燐酸、硝酸、酢酸、水を4:1:4:4の割合で混合してなる燐硝酢酸液を用いた。これにより、金属物質膜のうち、第1の透明電極層に接続される金属配線の形成部分に対応した部分が、感光性膜付積層体の一方面側に残り、第2の透明電極層に接続される金属配線の形成部分に対応した部分が、感光性膜付積層体の他方面側に残る。第1導電膜は、このエッチングにより第1の透明電極層の形成部分が露出して第1の透明電極層をなし、第2導電膜は、第2の透明電極層の形成部分が露出して第2の透明電極層をなす。導電膜のうち、第1の透明電極層に接続される金属配線の形成部分に対応した部分、および、第2の透明電極層に接続される金属配線の形成部分に対応した部分は、いずれも透明電極層から延設された部分であり、且つ、金属物質膜で覆われた部分となっており、金属配線と透明電極層との接続部を形成する。
【0085】
第2エッチングの後、感光性膜を、NaOHを用いて剥離し、金属物質膜のうち、第1の透明電極層に接続される金属配線の形成部分に対応した部分、第2の透明電極層に接続される金属配線の形成部分に対応した部分が露出し、これらの部分が金属配線をなす。
【0086】
こうして、基板フィルムの両面に、アンダーコート層、密着性向上層を形成し、その上に、透明電極層と金属配線を形成してなる積層体(以下、「透明電極層付積層体」とも言う)が得られた。
【0087】
(粘着層付保護フィルム材)
一方面に剥離性を持たせた剥離性フィルム(東レ製、セラピールBX9A(RX))(厚さ38μm)を準備した。粘着剤として、樹脂成分と、架橋剤としてのイソシアネート系架橋剤と、シランカップリング剤と、溶媒とを表1に示すような組成で混合してなる粘着剤A、B、Cを準備した。表2に示すように粘着剤A、B、Cを用いて、粘着層付保護フィルム材として表2に示すようなフィルム材A1からA5,フィルム材B,フィルム材Cを次のように調製した。
【0088】
まず、所定量の粘着剤を剥離性フィルムの剥離性を有するほうの面上に塗布して塗布膜を形成した。粘着剤の塗布には、PI−1210自動塗工装置I型(テスター産業製)を用いた。また、粘着剤の塗布量は、乾燥後の粘着層の膜厚が表2に示す厚みとなるような量とされた。
【0089】
塗布膜を形成した保護フィルムを、90℃のオーブン(ESPEC社製 PVA−231)に2分間投入して、塗布膜を構成する粘着剤を乾燥させて、樹脂成分と架橋剤との架橋反応を進行させ、その塗布膜を粘着層となした。さらに、粘着層表面上にPETフィルム(東レ製、ルミラーT60(厚さ150μm)を積層し、粘着層付保護フィルムを作製した。粘着層付保護フィルム材は、保護フィルムの一方面に粘着層と積層してなる積層体に、剥離層として剥離性フィルムを積層した3層構造の積層体で構成されている。
【0090】
【表1】

【0091】
なお、表1中、平均分子量は、質量平均分子量を示す。
【0092】
【表2】

【0093】
なお、表2において、各フィルム材(A1からA5,B,C)における粘着層の厚みの値(μm)は、次のようにして得られたものである。すなわち、粘着層付保護フィルム材の状態で、レーザーマイクロスコープ(KEYENCE製 形状測定レーザーマイクロスコープ VK−8700)にて粘着層の厚みの計測を任意の5箇所について行い、得られた5つの値の平均値を算出し、これを粘着層の厚みとした。
【0094】
粘着層付保護フィルム材であるフィルム材A1からA5,B,Cの縦横の大きさについては、透明電極層付積層体の縦横の大きさに揃えられた。
【0095】
実施例1
(タッチパネル部材の調製)
透明電極層付積層体を用い、これに粘着層と保護フィルムを積層し、タッチパネル部材を調製した。なお、透明電極層付積層体への粘着層と保護フィルムの積層は、表3のように粘着層付保護フィルム材フィルム材A1を透明電極層付積層体の両面に貼り付けることによって行なわれた(以下、「貼り付け工程」とも言う)。貼り付け工程は、フィルム材A1の剥離性フィルムを剥離して粘着層を露出させ、粘着層を透明電極層付積層体に当接させることで、保護フィルムと粘着層の積層体を透明電極層付積層体に貼り付けることにより実施された。
【0096】
調製されたタッチパネル部材について、第1の透明電極層の形成面上に積層された第1の粘着層の厚み(E1)を第2の透明電極層の形成面上に積層された第2の粘着層の厚み(E2)で除して得られる厚み比(E1/E2)の値は、表3に示す。実施例1では、E1、E2の値は、いずれもフィルム材A1の粘着層の厚みの値であるため、E1/E2の値は、1となる。
【0097】
調製されたタッチパネル部材を用いて反りの発生度合い測定試験を次のように実施した。
【0098】
(反り度合い測定試験)
タッチパネル部材を縦81mm×横45mmの矩形状に裁断して試験用部材を調製した。
【0099】
試験用部材を、恒温恒湿槽に投入し、温度70℃、湿度95%RHにて48時間放置した。放置後、試験用部材の反りの度合いを測定し、その度合いを評価した。反りの度合いの測定は、試験用部材に反りが生じたか否かを目視で確認し、試験用部材に反りが生じたと認められた場合には試験用部材の反り出し方向を下向きにしてなるように平板上に設置した。このとき、試験用部材の角隅部のうち平板から離れた部位、すなわち最も反りが大きい角隅部における平板からの距離(反り量(mm))を測定した。距離の測定には、ステンレス定規(プラス社製)を使用した。結果を表3に示す。
【0100】
次に、タッチパネル部材が所定の部材の平面に隙間無く接着可能であるか否かにつき、真空吸着試験に基づき評価した。
【0101】
(真空吸着試験)
真空吸着試験は、タッチパネル部材が所定の平面に対して真空吸着が可能なものであるか否かについての試験である。この試験は、真空ステージ(マイクロ・テック株式会社製MT−320上ステージ)のステージ面上にタッチパネル部材を配置し、タッチパネル部材がステージ面上に真空吸着されるか否かをステージの裏側から観察することで実施された。ステージは、光透過性を有する部材で構成されており、ステージの一方面側に配置された部材を他方面側から観察することができるように構成されているものである。
【0102】
真空吸着試験の結果に基づき、タッチパネル部材が所定の部材の平面に隙間無く接着可能であるか否かを、次のように評価した。
【0103】
真空吸着試験におけるステージ面の観察の際、タッチパネル部材の反りが認められないときにはタッチパネル部材とステージ面との間に隙間が生じずタッチパネル部材はステージ面に全面的には吸着される。この場合、タッチパネル部材は真空吸着が可能なものであると評価され、タッチパネル部材が所定の部材の平面に隙間無く接着可能であると評価される。これに対して、タッチパネル部材の反りが大きいとタッチパネル部材とステージ面との間に隙間が生じてタッチパネル部材はステージ面に全面的には吸着されない。この場合、タッチパネル部材は真空吸着が可能なものとはいえないと評価され、タッチパネル部材が所定の部材の平面に隙間無く接着可能であるとは言えないと評価される。結果を表3に示す。表3において、可は、タッチパネル部材が所定の部材の平面に隙間無く接着可能であると評価されたことを示す。不可は、タッチパネル部材が所定の部材の平面に隙間無く接着可能であるとは言えないと評価されたことを示す。
【0104】
実施例2から5
粘着層付保護フィルム材として、それぞれ、表1に示すフィルム材を用いて、透明電極層付積層体の第1の透明電極層側の面上と、透明電極層付積層体の第2の透明電極層側の面上に貼り付けたほかは、実施例1と同様にしてタッチパネル部材を調製した。調製された各タッチパネル部材について、厚み比(E1/E2)の値は表3に示すとおりである。
【0105】
実施例6
第1の透明電極層と第2の透明電極層のパターンを図4A,4Bに示すパターンに変更した他は実施例1と同様にタッチパネル部材を調製した。
【0106】
実施例2から6について、調製されたタッチパネル部材を用いて実施例1と同様に、反り度合い測定試験と、真空吸着試験を実施した。結果は、実施例2から6のいずれについても表3に示す。
【0107】
比較例1から5
粘着層付保護フィルム材として、それぞれ、表3に示す2種類を用いて、一方の種類の粘着層付保護フィルム材を透明電極層付積層体の第1の透明電極層側の面上に、他方の種類の粘着層付保護フィルム材を透明電極層付積層体の第2の透明電極層側の面上に貼り付けたほかは、実施例1と同様にしてタッチパネル部材を調製した。調製された各タッチパネル部材について、厚み比(E1/E2)の値は表3に示すとおりである。
【0108】
比較例1から5について、調製されたタッチパネル部材を用いて実施例1と同様に、反り度合い測定試験と、真空吸着試験を実施した。結果は、比較例1から5のいずれについても表3に示す。
【0109】
【表3】

【符号の説明】
【0110】
1 タッチパネル部材
2 基材フィルム
3 透明電極層
3a 第1の透明電極層
3b 第2の透明電極層
4 粘着層
4a 第1の粘着層
4b 第2の粘着層
5 金属配線
6 密着性向上層
7 アンダーコート層
8 保護フィルム
9 第1導電膜
10 第2導電膜
11 積層体
12 第1感光性膜
13 第2感光性膜
14 感光性膜付積層体
15 フォトマスク
15a 第1フォトマスク
15b 第2フォトマスク
16 接続部
17 積層体
20、20a、20b 基材フィルムの面
21 表面材
31 第1電極片
32 第2電極片
33,34 電極素片
35,36 連結材
40 位置検出用エリア形成部
50 表示部
50a 表示面
51 表面材
100 タッチパネル付き表示装置
R 位置検出用エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材フィルムを備えるとともに、該基材フィルムの一方面上に第1の透明電極層と第1の粘着層とをこの順に積層し、前記基材フィルムの他方面上に第2の透明電極層と第2の粘着層とをこの順に積層しており、
第1の粘着層と第2の粘着層は、互いに同種の樹脂組成物から形成されており、
第1の粘着層の厚み(E1)を第2の粘着層の厚み(E2)で除して得られる厚み比(E1/E2)が、0.9以上1.1以下である、ことを特徴とするタッチパネル部材。
【請求項2】
第1の粘着層と第2の粘着層は、それぞれ基材フィルムの片面側の一部の領域上に形成されており、
タッチパネル部材の平面視上、第1の粘着層の形成領域と第2の粘着層の形成領域は、互いに重なりあっている、請求項1に記載のタッチパネル部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−138016(P2012−138016A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291162(P2010−291162)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】