説明

タペンタドールおよびその中間体を調製するための新しい方法

本発明は、(2R,3R)−O,O’−ジベンゾイル酒石キラル酸を使用して下記のスキーム2(V、VI、VII)により(S)−3−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−(3−ニトロフェニル)−プロパン−1−オン(VII)の立体異性体が得られるように、ラセミ混合物(V)の定量的分割を含む、タペンタドールを合成するための新しい方法であって、前記分割が定量的なものである方法に関する。本発明は、タペンタドールの新しい合成方法のいくつかの中間体化合物も関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下記の式(I)
【0002】
【化1】

【0003】
によって表される、タペンタドールという名称で知られている3−[(1R,2R)−3−(ジメチルアミノ)−1−エチル−2−メチルプロピル]フェノールを、下記の式(II)
【0004】
【化2】

【0005】
で表される1−(3−ニトロフェニル)プロパン−1−オン前駆体から開始して調製するための、新しい方法に関する。
【背景技術】
【0006】
タペンタドールは、軽度から重度の急性疼痛を治療するのに使用される、μオピオイド受容体およびノルアドレナリン再取込み阻害薬の、中枢作用鎮痛作動薬である。タペンタドールに類似した構造を有する誘導体が、文献に記載されている。
【0007】
特許文献1は、4−アミノ−2−アリール−ブタン−2−オール化合物から第3級アルコール官能基を除去することによって、3−アリール−ブチル−アミン化合物を良好な収率で合成するための方法に関する。
【0008】
特許文献2は、薬理学的活性を有する1−フェニル−3−ジメチルアミノ−プロパン化合物の合成について記述している。
【0009】
特許文献3は、マンニッヒ反応によりフェニルアルキルケトンから開始する、3−アルキル−3−ベンゾイル置換)−プロピオニトリルのクラスの化合物の合成に関する。
【0010】
特許文献4は、3−ブロモアニソールから開始して、有機リチウムを介して3−メトキシプロピオフェノンに変換される、タペンタドールの合成について示す。この中間体に対し、式(III)のラセミ中間体をもたらすマンニッヒ反応を実施する。
【0011】
【化3】

【0012】
この中間体(III)を、(2R,3R)−O,O’−ジベンゾイル酒石キラル酸との反応を通した鏡像異性体分離に供することにより、式(IV)の好ましい鏡像異性体を得る。
【0013】
【化4】

【0014】
しかしこの分離方法は、極めて長い時間を必要とし、所望の異性体のジベンゾイル酒石塩が低収率で、即ち約75%で得られる点が、特に不利である。
【0015】
分割された鏡像異性体(IV)は、したがって臭化エチルマグネシウムとの反応を介してアルキル化され、最後に、この反応の生成物が水素化され、引き続き脱メチル化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第7417170号明細書
【特許文献2】EP693475
【特許文献3】米国特許第3888901号明細書
【特許文献4】国際公開第2008/012047号パンフレット
【特許文献5】米国特許第3,824,271号明細書
【特許文献6】国際公開第2008/012283A1号パンフレット
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】J. March, Advanced Organic Chemistry, 3ed. p.800-802
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、この化合物を高い収率かつ高い立体選択性で得ることができる、タペンタドールを生成するための方法の必要性が、依然として生じている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、式(II):
【0020】
【化5】

【0021】
の1−(3−ニトロフェニル)プロパン−1−オン化合物から開始する、タペンタドールの新しい合成に関する。
【0022】
化合物(II)は、マンニッヒ反応により、立体異性体の混合物として中間体(V)
【0023】
【化6】

【0024】
に変換され、この中間体は、溶液中で、スキーム1に示されるケト−エノール平衡により相互変換される。
【0025】
【化7】

【0026】
驚くべきことに、化合物(V)のラセミ混合物は、下記のスキーム2により、(2R,3R)−O,O’−ジベンゾイル酒石酸などのキラル酸(HX*)を使用して、対象とする立体異性体(VII)に定量的変換を行うことにより分割できることがわかった。
【0027】
【化8】

【0028】
所望の異性体(VII)は、キラル酸との反応の後、沈殿した塩(VI)の塩基処理を介して得られる。
【0029】
好ましい立体異性体への変換反応は、収率および生成時間に関して当然有利には、数時間以内に定量的に行われる。
【0030】
特に、本発明による方法は、特許文献4に示される値よりも著しく高い収率で、即ち約96%の収率で、中間体(VI)を得ることを可能にする。
【0031】
分割された化合物(VII)は、グリニャール試薬またはジエチル亜鉛試薬などの有機金属試薬との反応によるカルボニルアルキル化を介して、タペンタドールに変換される。さらに、ニトロ基からアミノ基への還元と、その後の、これらのヒドロキシル基への変換が、対応するジアゾニウム塩の形成およびその加水分解によって行われ、これらステップは、スキーム3または4に従って択一的に実施される。
【0032】
【化9】

【0033】
【化10】

【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、式(II)の1−(3−ニトロフェニル)プロパン−1−オン化合物から開始する、タペンタドールの新しい合成に関する。
【0035】
【化11】

【0036】
化合物(II)は、ジメチルアンモニウムと縮合して化合物(V)を形成する。
【0037】
【化12】

【0038】
マンニッヒ縮合として知られるそのような反応は、適切な有機溶媒中で実施される(例えば、非特許文献1参照)。ジメチルアンモニウムイオンは、反応混合物中で事前にまたは直接調製することができる。パラホルムアルデヒドおよびジメチルアミンまたはビスジメチルアミノメタンおよび適切な酸を使用して、ジメチルアンモニウムイオンを形成することができる。脂肪族アルコール、または有機酸の無水物を、溶媒として使用することができる。有機酸の無水物を溶媒として使用する場合、反応を進行させる他の酸を添加する必要はない。反応温度は、0℃から溶媒の沸騰温度の間に含めることができる。
【0039】
好ましい実施形態では、反応条件は、溶媒としての無水酢酸、および/または50から80℃の間に含まれる温度を使用する。
【0040】
前記反応は、参照により本明細書に組み込まれる特許文献5に示されるように実施することができる。
【0041】
溶液中の、立体異性体の混合物として得られる生成物(V)は、上述のスキーム1に示されるケトン−エノール平衡により相互変換する。
【0042】
驚くべきことに、この平衡は、適切な極性溶媒によってまたは極性溶媒の混合物によって、スキーム2に既に示されたように対象とする鏡像異性体をキラル酸塩として沈殿させることにより、前記対象とする鏡像異性体の方に定量的に移動させることができることがわかった。これにより、所望の鏡像体にある混合物の定量的変換を得ることが可能になる。個別に使用される、または他の極性溶媒と混合して使用される、水、脂肪族ケトン、脂肪族アルコール、または任意の他の極性溶媒を、溶媒としてこの分離に使用してもよい。好ましいアルコールは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールであり、好ましいケトンはアセトンである。メタノールとアセトンとの混合物が、好ましくは使用される。(D)(−)マンデル酸、D(−)2−クロロマンデル酸、D(−)酒石酸、(2R,3R)−O,O’−ジベンゾイル酒石酸、好ましくは(2R,3R)−O,O’−ジベンゾイル酒石酸を、キラル酸として使用することができる。次いで分割された鏡像異性体の塩を、水と適切な有機溶媒との混合物中に懸濁させる。塩基性水溶液を添加することにより、遊離塩基の形で立体異性体(VII)が塩(VI)から放出される。次いで化合物(VII)を有機溶媒から抽出し、そこから蒸発によりそれを回収することができ、一方、キラル酸の塩基との塩は水中に残り、回収することができる。塩基は、アルカリまたはアルカリ土類金属の水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの中から選択される。トルエン、tert−ブチルメチルエーテル(MTBE)、メチルイソブチルケトン(MiBK)が、有機溶媒として好ましくは使用される。
【0043】
混合物(V)から立体異性体(VII)に至る前記反応順序は、参照により本明細書に組み込まれる特許文献4に記述されているように、実施することができる。特許文献4において、前記順序は、ベンゼン環の3位にメトキシ基が存在することにより、本発明の場合とは異なっており、本発明では、ニトロ基がベンゼン環の3位に存在している。
【0044】
したがって、本発明の目的は、式(I)のタペンタドールを合成するための新しい方法であって、ラセミ混合物(V)の定量的分割を行って立体異性体(VII)を得るステップを含み、前記分割を行うステップは、
a)化合物(V)のラセミ混合物をキラル酸と、極性溶媒中または極性溶媒の混合物中で反応させ、その後、キラル塩(VI)を沈殿させるステップ;
b)キラル塩(VI)を塩基性水溶液で処理して、化合物(VII)を得るステップ;
c)その後、このように得られた化合物(VII)を有機溶媒で抽出するステップ
を含む方法である。
【0045】
次いで化合物(VII)を、ニトロ基がアミノ基に還元されるように処理して(ステップd)、下式の化合物(XII)を得る。
【0046】
【化13】

【0047】
この還元は、当技術分野で公知の方法を介して実施することができる。スズまたは接触水素化による還元は、これらの中でも好ましいものである。
【0048】
スズによる還元は、化合物(VII)も溶解する適切な有機溶媒中に、スズのシェービングを懸濁することによって実施される。濃塩酸を、0℃から溶媒の沸騰温度の間の温度で維持されているこの懸濁液に滴下する。反応を、水混和性溶媒中で実施した場合には、この溶媒を蒸発させ、水不混和性溶媒で置き換え、次いで下記の通り進行させる。
【0049】
混合物のpHを、無機塩基を使用して、好ましくはアルカリまたはアルカリ土類金属の水酸化物を使用して、さらにより好ましくは水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムを使用して、7よりも高い値にし、好ましくは10から13の間にし、水相を分離する。有機相は、そのまま次のステップで使用することができ、または濃縮して、油として水素化生成物を単離することができる。このステップに好ましい溶媒は、反応に関しては脂肪族アルコール、好ましくはエタノールであり、後処理に関してはMTBEまたはトルエンである。反応温度は、35から50℃の間が好ましい。
【0050】
化合物(XII)を得るためにニトロ基をアミノ基に還元するための代替的方法は、接触水素化であってもよい。この場合、化合物(VII)は、触媒が添加される有機溶媒に溶解する。次いで混合物を、−10から100℃の間に含まれる温度で、加圧下で水素化する。水素化が終了したら、触媒を濾過する。水素化生成物を、溶液中で使用することができ、または溶媒を蒸発させることによって単離することができる。
【0051】
トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、およびメチルテトラヒドロフラン(MeTHF)は、好ましい溶媒である。活性炭担持白金またはパラジウムが、好ましい触媒である。反応温度は0から15℃の間である。
【0052】
化合物(XII)から化合物(X)に至るその後の反応順序は、参照により本明細書に組み込まれる特許文献6に記述されているように、実施することができる。特許文献6において、前記順序は、ベンゼン環の3位にメトキシ基が存在するので本発明の場合とは異なっており、本発明においては、アミノ基がベンゼン環の3位に存在している。ベンゼン環の3位にメトキシ基が存在するので、本発明で記述されている中間体AおよびBの形成ができなくなる。
【0053】
先のステップで得られた化合物(XII)は、有機金属化合物との反応により、ステップe)で化合物(XIV)に変換される。有機金属化合物は、購入することができ、または金属シェービングをエチルハロゲン化物と適切な有機溶媒中で反応させることによってin situで調製することができる。有機金属試薬の調製に使用される、必ずしも同じでなくてもよい有機溶媒に溶解される化合物(XII)を、得られた有機金属溶液に滴下する。反応温度は、0℃から溶媒の沸騰温度の間に維持される。使用される金属は、好ましくは亜鉛およびマグネシウムである。好ましいエチルハロゲン化物は臭化物であり、温度は10から30℃の間に含まれる。化合物(XII)に対して1から5当量の有機金属試薬が好ましくは使用される。
【0054】
反応終了後、反応混合物を、酸性水溶液に注ぐことによってクエンチ処理し、そこから化合物(XIV)を有機溶媒で抽出する。硫酸水素アンモニウムが、水相を酸性化するのに好ましくは使用される。化合物(XIV)は、そのまま次のステップで使用することができ、または当技術分野で公知の方法によって、好ましくは結晶化によって、精製することができる。トルエンと脂肪族炭化水素との混合物が、生成物(XIV)の結晶化に好ましくは使用される。
【0055】
化合物(XIV)は、化合物(XIV)のヒドロキシルを活性化し、その後に還元および加水分解を行うステップf)によって、化合物(X)に変換される。化合物(XIV)に対して1から5当量の有機酸の無水物またはハロゲン化物を、先のステップから直接得られる、または適切な溶媒に結晶化生成物を溶解することによって得られる化合物(XIV)の溶液に添加する。有機酸の無水物またはハロゲン化物は、好ましくは、置換または非置換の脂肪族または芳香族有機酸、好ましくは1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C5アルキル酸;1〜3個のハロゲン原子、アルキルおよび/またはカルボキシル基で置換されていてもよい安息香酸、またはフェニル酢酸;これらのC1〜C6ジカルボン酸およびC1〜C4脂肪族エステルの、無水物またはハロゲン化物である。
【0056】
好ましくは、有機酸の前記無水物またはハロゲン化物は、酢酸、フェニル酢酸、クロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、クロロ安息香酸、フタル酸、コハク酸、シュウ酸、もしくはシュウ酸のC1〜C4脂肪族モノエステルの無水物またはハロゲン化物、またはギ酸の混合無水物、さらにより好ましくはトリフルオロ酢酸の無水物またはハロゲン化物である。
【0057】
スキーム5に示されるように、ベンジルヒドロキシルのエステル化およびアニリンからアミドへの変換が終了するまで反応が行われる(化合物(XV)、R=CF3の場合)。
【0058】
あるいは、この変換は、適切な有機酸および脱水剤を添加することによって実施することができる。
【0059】
次いでスキーム5に示されるように、触媒、好ましくは活性炭担持パラジウムを反応混合物に添加し、水素化を、1から100バールの間に含まれる圧力および/または0から100℃の間に含まれる温度で実施する(化合物(XVI)、R=CF3の場合)。
【0060】
【化14】

【0061】
スキーム5において、Rは:
− 1〜3個のハロゲン原子で、またはカルボキシル基で置換されていてもよく、場合によってC1〜C4脂肪族アルコールでエステル化されている、C1〜C5アルキル、または、
− 1〜3個のハロゲン原子で、アルキルおよび/またはカルボキシル基で置換されていてもよいフェニルまたはベンジルを意味する。
【0062】
好ましくは、Rは:H、CH3、CH2Cl、CF3、CH2CH2COOH、COOR1であり、ここでR1は、HまたはC1〜C4アルキル、フェニル、クロロフェニル、o−カルボキシフェニル基である。
【0063】
水素化が終了したら、触媒を濾過によって除去し、溶液を濃縮し、アニリドを加水分解するための塩基性水溶液を添加する。
【0064】
加水分解が終了したら、スキーム6に示されるように、生成物を、水に対して不混和性の溶媒で抽出し、濃縮することによって、油が得られる。
【0065】
【化15】

【0066】
使用されることが好ましい酸の無水物またはハロゲン化物は、置換または非置換の脂肪族または芳香族有機酸である。有機化学で一般に使用される全ての縮合剤を、縮合剤として使用することができる。任意の無機塩基を、アミドの加水分解用の塩基として使用することができる。
【0067】
あるいは、化合物(XII)は、上述の化合物(XII)に対するウィッティヒ反応を介して得られる異性体化合物(XIII)の混合物(ステップe)’)を介することにより、化合物(X)に変換することができる。この手順によれば、式(XII)のケトン化合物を式(XIII)のオレフィン系異性体化合物に変換するのに、リンイリドが使用される。次いで化合物(X)を、還元によって異性体(XIII)の混合物から得る(ステップf)’)。
【0068】
化合物(X)を、対応するジアゾニウム塩(XI)の加水分解を介してタペンタドールに変換する(ステップg))。生成物(X)を、鉱酸の水溶液に溶解して、このステップを実施する。反応に好ましい鉱酸は、硫酸、塩酸、リン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、特に硫酸である。
【0069】
飽和亜硝酸ナトリウム溶液を、−15から50℃の間の温度に維持されたこの溶液に添加する。反応が終了したら、得られたジアゾニウム塩溶液を、50℃から酸の沸騰温度の間の温度に維持された鉱酸溶液に滴下する。反応が終了したら、混合物を冷却し、無機塩基でpH10〜11にする。タペンタドールを、適切な有機溶媒を使用して抽出し、気体の塩酸を添加することによりクロロハイドレートとして沈殿させる。
【0070】
タペンタドールを反応混合物から抽出するのに好ましい有機溶媒は、脂肪族または芳香族であり、特に酢酸エチル、トルエン、MiBK、MTBE、および3−ペンタノンが好ましい。
【0071】
本発明の他の態様は、式(A):
【0072】
【化16】

【0073】
の化合物によって表され、式中、Rは、1〜3個のハロゲン原子でまたはカルボキシル基で置換されていてもよく、場合によってC1〜C4脂肪族アルコールでエステル化されている、C1〜C5アルキル;または、1〜3個のハロゲン原子で、アルキルおよび/またはカルボキシル基で置換されていてもよいフェニルもしくはベンジルを意味する。
【0074】
Rは、好ましくは、H、CH3、CH2Cl、CF3、CH2CH2COOH、COOR1であり、ここでR1は、H、またはC1〜C4アルキル、フェニル、クロロフェニル、o−カルボキシフェニル基であり、さらにより好ましくは、RはCF3である(化合物(XV)、即ち、(2S,3R)−1−(ジメチルアミノ)−2−メチル−3−(3−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)−フェニル)ペンタン−3−イル2,2,2−トリフルオロアセテート)。
【0075】
【化17】

【0076】
これらの化合物は、本発明の目的であるタペンタドールの合成方法において、中間体として得られる。
【0077】
本発明の他の態様は、式(B):
【0078】
【化18】

【0079】
の化合物によって表され、式中、Rは、1〜3個のハロゲン原子でまたはカルボキシル基で置換されていてもよく、場合によってC1〜C4脂肪族アルコールでエステル化されている、C1〜C5アルキル;または、1〜3個のハロゲン原子で、アルキルおよび/またはカルボキシル基で置換されていてもよいフェニルもしくはベンジルを意味する。
【0080】
Rは、好ましくは、H、CH3、CH2Cl、CF3、CH2CH2COOH、COOR1であり、ここでR1は、H、またはC1〜C4アルキル、フェニル、クロロフェニル、o−カルボキシフェニル基であり、さらにより好ましくは、RはCF3である(化合物(XVI)、即ち、N−(3−((2R,3S)−l−(ジメチルアミノ)−2−メチルペンタン−3−イル)フェニル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド)。
【0081】
【化19】

【0082】
これらの化合物は、本発明の目的であるタペンタドールの合成方法において、中間体として得られる。
【0083】
本発明の他の態様は、本発明によるタペンタドールの合成方法における中間体としての、式(VII)の化合物、即ち(S)−3−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−(3−ニトロフェニル)−プロパン−1−オンによって表される。
【0084】
【化20】

【0085】
本発明の他の態様は、本発明によるタペンタドールの合成方法における中間体としての、式(XII)の化合物、即ち(S)−1−(3−アミノフェニル)−3−(ジメチルアミノ)−2−メチルプロパン−1−オンによって表される。
【0086】
【化21】

【0087】
本発明の他の態様は、本発明によるタペンタドールの合成方法における中間体としての、式(XI)の化合物、即ち3((2R)−1−(ジメチルアミノ)−2−メチルペンタン−3−イル)ベンゼンジアゾニウムによって表される。
【0088】
【化22】

【0089】
Rが上記にて定義された通りである一般式(A)または(B)の化合物の、特に式(XV)、(XVI)、(VII)、(XII)、および(XI)の化合物の中間体としての使用も、本発明の目的である。
【0090】
以下の実施例は、単に本発明の非限定的な実施例としてみなされるものとする。
実験部分
【実施例1】
【0091】
3−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−(3−ニトロ−フェニル)−プロパン−1−オン(V)の調製
【0092】
【化23】

【0093】
N,N−ジメチルアミンHCl(80.0g、0.982mol)、パラホルムアルデヒド(45g、1.499mol)、水(30g、1.667mol)、および無水酢酸(30ml/32.4g、0.32mol)を、機械式撹拌子、温度計、および滴下漏斗を備えた1リットルの4つ口フラスコに添加する。懸濁液をゆっくりと50℃まで加熱し、30分間撹拌する。次いで無水酢酸(200ml/216g、2.12mol)を、その中にゆっくりと少量ずつ滴下する。反応混合物を50〜70℃で少なくとも1時間撹拌し、次いで1−(3−ニトロフェニル)プロパン−1−オン(150g、0.837mol)および無水酢酸(200ml/216g、2.12mol)懸濁液を添加する。反応混合物を、約70℃で16時間撹拌し、次いでHPLCを使用して変換率をモニタする。変換率が90%より高い場合、溶媒約200mlを真空蒸留し、エタノール600mlを添加する。得られた懸濁液を20〜25℃に冷却し、3時間撹拌させる。次いでこの液を濾過し、アセトン300mlで洗浄する。HPLC純度99%以上の、ほぼ無色の固体約210gが得られる。湿潤生成物を、水(600ml)、t−ブチル−メチルエーテル(600ml)に懸濁し、pHを、28%水酸化ナトリウムで10〜12に調節する。2相を約30分間撹拌し、次いでこれらを分離する。有機相を濃縮して油状残渣にする。HPLC純度99%以上の、微かに黄色がかった油約182g(収率約92%)が得られる。
(S)−3−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−(3−ニトロフェニル)−プロパン−1−オン(VII)の調製
【0094】
【化24】

【0095】
(2R,3R)−O’O’−ジベンゾイル酒石酸、H2O(159g、0.423mol)を、アセトン(500ml)に加えたものを、機械式撹拌子、温度計、および滴下漏斗を備えた1リットルの4つ口フラスコに添加する。懸濁液を35〜40℃で、完全に溶解するまで撹拌し、次いで3−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−(3−ニトロフェニル)−プロパン−1−オン(100g、0.423mol)の溶液をメタノール(83ml)に滴下する。懸濁液を、35〜40℃で1〜4時間、20〜25℃で24時間撹拌し、次いで濾過を実施し、固体をアセトンで洗浄する。固体をアセトン500ml中に懸濁し、50℃で2時間加熱し、次いでさらに2時間、25℃で撹拌する。次いで懸濁液を濾過し、アセトンで洗浄する。湿潤状態にある(S)−3−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−(3−ニトロフェニル)−プロパン−1−オン(2R,3R)−O−O’−ジベンゾイルタルトレート約320gが、98.5%以上のeeの無色固体として得られ、これは乾燥状態の場合、242gをもたらすものであり、初期の油に関して計算すると収率96.2%に相当する。生成物を、水(900ml)およびt−ブチル−メチルエーテル(900ml)中に懸濁し、pHを、28%の水酸化ナトリウムで10〜12に調節する。2相を分離し、有機相を油状の残渣に濃縮する。HPLC純度が99%以上およびeeが98.5%以上である微かに黄色がかった油(S)−3−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−(3−ニトロフェニル)−プロパン−1−オン(収率約95%)約95gが得られる。
(S)−3−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−(3−アミノフェニル)−プロパン−1−オン(XII)の調製
【0096】
【化25】

【0097】
顆粒状のスズ(84.4g、0.711mol)、エタノール(210ml)、(S)−3−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−(3−ニトロ−フェニル)−プロパン−1−オン(105g、0.444mol)を、機械式撹拌子、温度計、および滴下漏斗を備えた1リットルの4つ口フラスコに添加する。懸濁液を35℃に加熱し、36%塩酸(210ml)を少量ずつ添加し、温度を35〜50℃の間に維持する。反応物を35℃で3時間撹拌し、次いでHPLCでモニタする。700mlのエタノール700mlを、反応の終了時に添加する。混合物を、0〜4℃で16〜24時間冷却する。次いでこれを濾過し、アセトンで洗浄する。HPLC純度99%以上の黄色がかった固体約150gが得られる。湿潤生成物を、水(200ml)、t−ブチル−メチルエーテル(300ml)に懸濁し、pHを、28%水酸化ナトリウムで≧13.0に調節する。2相を約30分間撹拌し、次いでそれらを分離する。有機相を、油状残渣に濃縮する。HPLC純度99%以上の赤味がかった油約62g(収率約69%)が得られる。
代替的方法:
【0098】
【化26】

【0099】
(S)−3−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−(3−ニトロ−フェニル)−プロパン−1−オン(100g、0.423mol)、メチル−テトラヒドロフラン(400ml)、およびPd/C 5%、無水物(4.0g)を、1リットルのオートクレーブに室温で添加する。懸濁液を0〜4℃に冷却し、次いで8℃を超えることなく2バールの水素ガスで水素化する。変換率を、HPLCを使用してモニタし、初期生成物および反応中間体のHPLC面積%が0.3未満である場合に終了したと見なす。次いで触媒を濾過し、溶液は、そのまま次のステップで使用することができ、または45〜50℃で真空濃縮して油状の残渣にすることができる。黄色から暗赤色の油約86gが得られる(収率約98%、ee≧97%、純度≧92%)。
(2S,3R)−3−(3−アミノ−フェニル)−1−(ジメチルアミノ)−2−メチル−ペンタン−3−オール(XIV)の調製。
【0100】
【化27】

【0101】
臭化エチルマグネシウム(THF中1M;0.726mol)726mlを、窒素流中で、機械式撹拌子、温度計、および滴下漏斗を備えた2リットルの4つ口フラスコに添加する。(S)−3−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−(3−ニトロ−フェニル)−プロパン−1−オン(50g、0.242mol)のTHF 50ml溶液を、15〜30℃の間に温度を維持しながら滴下する。反応物を室温で3時間撹拌する。これを約10℃に冷却し、トルエン(200ml)、およびゆっくりと20%硫酸水素アンモニウム溶液(200ml)を添加する。混合物を30分間撹拌し、相を、約15分間静置した後に分離する。有機相を、ほぼ真空濃縮して油状の残渣にする。次いでトルエン(200ml)、30%メタ重亜硫酸ナトリウム溶液(300ml)を添加する。混合物を30分間撹拌し、約15分間静置した後にこれらの相を分離する。水相を、トルエン200mlで2回洗浄する。有機相を除去し、それと共にtert−ブチルメチルエーテル(200ml)を水相に添加する。混合物のpHを、28%水酸化ナトリウムで11〜12にする。混合物を30分間撹拌し、約15分間静置した後に相を分離する。水相を除去し、それと共に有機相を真空濃縮して油状の残渣にし、これを冷却することにより凝固する。HPLC純度95%の黄色がかった固体35gが得られる。
(2R,3R)−ジメチル−[2−メチル−3−(3−ニトロ−フェニル)−ペンチル]−アミン(X)の調製。
【0102】
【化28】

【0103】
(2S,3R)−1−(ジメチルアミノ)−3−(3−アミノ−フェニル)−2−メチル−3−ペンタノール(15g、0.0635mol)、Me−THF(60ml)を、機械式撹拌子、温度計、および滴下漏斗を備えた250mlの4つ口フラスコに添加し、トリフルオロ酢酸無水物(30.7g、0.146mol)を、温度40℃未満に維持しながら滴下する。混合物を、40℃で2〜3時間撹拌し、次いで変換率を、HPLCを使用してモニタする。エステル化が終了したら、反応混合物をオートクレーブに移し、無水Pd/C(0.75g)を導入する。水素化は、35〜40℃の温度で16〜24時間、6バールで実施する。反応が終了したら、触媒を濾過し、溶液を真空濃縮する。10%炭酸カリウム水/メタノール(1:1、v/v)(200ml)を、残渣に添加する。混合物を、35℃で12〜24時間撹拌し、次いで変換率を、HPLCを使用してモニタする。混合物を、40℃で真空濃縮して、ほぼ半分の体積にする。次いでトルエンまたはTBME(100ml)を添加する。混合物を30分間撹拌し、相を、約15分間静置した後に分離する。有機相を真空濃縮することにより、HPLC純度が98%の油状の残渣12.6gが得られる。
(1R,2R)−3−(3−ジメチルアミノ−1−エチル−2−メチルプロピル)−フェノール塩酸塩(I)の調製。
【0104】
【化29】

【0105】
30〜35%硫酸50mLを、機械式撹拌子、温度計、および滴下漏斗を備えた250mlの4つ口フラスコに添加し、4℃まで冷却する。(2R,3R)−ジメチルアミノ−1−エチル−2−メチル−プロピル)−フェニルアミン(10g、0.045mol)を、冷却した溶液に添加する。水10mlに溶解したNaNO2(3.4g、0.05mol)の溶液を、冷却した混合物に滴下する。反応物を、4℃で1時間撹拌する。次いで変換率を、HPLCを使用してモニタする。10〜15%p/p硫酸50mlを、機械式撹拌子、温度計、滴下漏斗、および冷却器を備えた別の250mlの4つ口フラスコに添加し、約110℃にする。ジアゾニウム塩の冷溶液を、泡の形成が制御されるように希硫酸溶液にゆっくりと添加する。注ぎ終えた後に、溶液を90〜100℃で約15分間維持し、次いで10〜15℃まで冷却し、pHを、28%水酸化ナトリウムで10〜11にする。生成物を酢酸エチルで抽出する(100ml)。有機相を、40〜50℃で真空濃縮することにより、油状残渣が得られる。油を3−ペンタノン(100ml)に溶解し、塩酸ガス(2.0g、0.05mol)を20〜25℃で撹拌しながら吸収する。室温で24時間撹拌して懸濁液が得られる。次いで固体を濾過し、アセトンで洗浄し、その後イソプロパノールから再結晶する。HPLC純度が99%より高い白色固体10gが得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)化合物(V)
【化1】

のラセミ混合物をキラル酸と、極性溶媒中または極性溶媒の混合物中で反応させ、その後、キラル塩(VI)
【化2】

を沈殿させるステップ;
b)前記キラル塩(VI)を塩基性水溶液で処理して、化合物(VII)
【化3】

を得るステップ;
c)前記化合物(VII)を有機溶媒で抽出するステップ
を含むことを特徴とするタペンタドールを合成するための方法。
【請求項2】
前記キラル酸は、(D)(−)マンデル酸、(D)(−)2−クロロマンデル酸、(D)(−)酒石酸、(2R,3R)−O,O’−ジベンゾイル酒石酸、好ましくは(2R,3R)−O,O’−ジベンゾイル酒石酸の中から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップa)に記載の前記極性溶媒は、水、脂肪族ケトン、脂肪族アルコール、またはこれらの混合物の中から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記脂肪族ケトンはアセトンであり、前記脂肪族アルコールはメタノール、エタノール、1−プロパノール、または2−プロパノールであることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記混合物は、メタノールおよびアセトンの混合物であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
ステップb)に記載の前記塩基性水溶液は、アルカリまたはアルカリ土類金属の水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの水溶液であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ステップc)に記載の前記有機溶媒は、トルエン、tert−ブチルメチルエーテル、またはメチルイソブチルケトン、好ましくはtert−ブチルメチルエーテルであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
式(VII)の化合物のニトロ基がアミノ基に還元されて、式(XII)
【化4】

の化合物を得ることを特徴とする、還元ステップd)をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記還元は、スズおよび塩酸を使用して、好ましくは脂肪族アルコール中で、さらにより好ましくはエタノール中で実施されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記還元は、水素および触媒を使用して、好ましくはテトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、および/またはトルエン中で実施されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記還元は、−10から100℃の間、好ましくは0から15℃の間に含まれる温度で実施されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
式(XII)の化合物が、有機金属試薬との反応を介して式(XIV)の化合物に変換されるステップe)をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【化5】

【請求項13】
前記有機金属試薬は、エチルハロゲン化物、好ましくは臭化物、および金属、好ましくは亜鉛またはマグネシウムから得られ、および/または前記方法は、前記有機金属試薬を使用して10から30℃の間に含まれる温度で実施され、および/または前記有機金属試薬は、化合物(XII)に対して1から5当量の範囲の量で使用されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
化合物(XIV)が、有機酸の無水物またはハロゲン化物と反応し、水素化されて、加水分解後に式(X)
【化6】

の化合物を得るステップf)をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記有機酸の無水物またはハロゲン化物は、好ましくは、置換または非置換の脂肪族または芳香族有機酸、好ましくは1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C5アルキル酸;1〜3個のハロゲン原子、アルキルおよび/またはカルボキシル基で置換されていてもよい、安息香酸、またはフェニル酢酸;これらのC1〜C6ジカルボン酸およびC1〜C4脂肪族エステルの、無水物またはハロゲン化物であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記有機酸の前記無水物またはハロゲン化物は、好ましくは、酢酸、フェニル酢酸、クロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、クロロ安息香酸、フタル酸コハク酸、シュウ酸、もしくはシュウ酸のC1〜C4モノエステルの無水物またはハロゲン化物、またはギ酸の混合無水物、さらにより好ましくはトリフルオロ酢酸の無水物またはハロゲン化物であることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
有機酸の前記無水物は、化合物(XIV)に対して1から5当量の量で使用されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記水素化は、活性炭担持パラジウムの存在下で、好ましくは1から100バールの間に含まれる圧力で、および/または0から100℃の間に含まれる温度で実施されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項19】
化合物(X)が、ジアゾ化反応に供されて式(XI)
【化7】

のジアゾニウム塩を得、その後、前記ジアゾニウム塩の加水分解によりタペンタドールを得るステップg)をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記ジアゾ化反応は、硫酸、塩酸、リン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などの鉱酸、好ましくは硫酸の水溶液中で、亜硝酸ナトリウムの存在下で実施されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ジアゾ化反応は、−15から50℃の間に含まれる温度で実施されることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
本発明によるタペンタドールの合成方法における中間体としての、下式
【化8】

の化合物であって、式中、Rは、
− 1〜3個のハロゲン原子で、またはカルボキシル基で置換されていてもよく、場合によってC1〜C4脂肪族アルコールでエステル化されている、C1〜C5アルキル;または、
− 1〜3個のハロゲン原子で、アルキルおよび/またはカルボキシル基で置換されていてもよいフェニルまたはベンジル
を意味することを特徴とする化合物。
【請求項23】
本発明によるタペンタドールの合成方法における中間体としての、請求項22に記載の化合物であって、Rが、好ましくはH、CH3、CH2Cl、CF3、CH2CH2COOH、COOR1であり、ここでR1はH、またはC1〜C4アルキル、フェニル、クロロフェニル、o−カルボキシフェニル基であり、さらにより好ましくは、RはCF3(化合物(XV))であることを特徴とする化合物。
【請求項24】
本発明によるタペンタドールの合成方法における中間体としての、下式
【化9】

の化合物であって、式中、Rは、
− 1〜3個のハロゲン原子で、またはカルボキシル基で置換されていてもよく、場合によってC1〜C4脂肪族アルコールでエステル化されている、C1〜C5アルキル;または、
− 1〜3個のハロゲン原子で、アルキルおよび/またはカルボキシル基で置換されていてもよいフェニルまたはベンジル
を意味することを特徴とする化合物。
【請求項25】
本発明によるタペンタドールの合成方法における中間体としての、請求項24に記載の化合物であって、Rは、好ましくはH、CH3、CH2Cl、CF3、CH2CH2COOH、COOR1であり、ここでR1はH、またはC1〜C4アルキル、フェニル、クロロフェニル、o−カルボキシフェニル基であり、さらにより好ましくは、RはCF3(化合物(XVI))であることを特徴とする化合物。
【請求項26】
本発明によるタペンタドールの合成方法における中間体としての、式(VII)
【化10】

の化合物。
【請求項27】
本発明によるタペンタドールの合成方法における中間体としての、式(XII)
【化11】

の化合物。
【請求項28】
本発明によるタペンタドールの合成方法における中間体としての、式(XI)
【化12】

の化合物。
【請求項29】
本発明によるタペンタドールの合成方法における中間体としての、請求項22から28のいずれかに記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2013−512276(P2013−512276A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541614(P2012−541614)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【国際出願番号】PCT/IB2010/055499
【国際公開番号】WO2011/067714
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(511159934)ユーティカルズ ソシエタ ペル アチオニ (4)
【Fターム(参考)】